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JP6519460B2 - 燃料電池単セルおよび燃料電池セルスタック - Google Patents

燃料電池単セルおよび燃料電池セルスタック Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池単セルおよび燃料電池セルスタックに関する。
従来、アノードと固体電解質層とカソードとを有する平板形の燃料電池単セル、および、複数の燃料電池単セルがセパレータを介して積層されてなる燃料電池セルスタックが知られている。
先行する特許文献1には、供給用ガス流路と排出用ガス流路とがセパレータに複数設けられた燃料電池において、セパレータの材質を多孔質とし、電極で生成された水分をセパレータに吸引させることによって、水分による電極の閉塞を抑制する技術が開示されている。
特開2005−322595号公報
しかしながら、上記燃料電池の技術では、セパレータに水分を吸引させるため、セパレータに溜まった水分を外部に排出する処理が別途必要となる。また、電極から供給用ガス流路に移動する水分により、アノードへの燃料ガスの導入も妨げられる。したがって、固体電解質層を利用する燃料電池に対して上記技術を適用したとしても、セル内部で発生した水蒸気を効率よくセル外部へ排出することは困難である。また、大電力発電時には、水蒸気量も多くなるので、セル外部への水蒸気の排出がより難しくなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、セル内部で発生した水蒸気を効率よくセル外部へ排出することが可能な燃料電池単セル、燃料電池セルスタックを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、アノード(20)と固体電解質層(21)とカソード(22)とを備える平板形のセル(2)と、該セルを支持する金属製のフレーム(3)と、を有する燃料電池単セル(1)であって、
上記アノードは、多数の孔部を有し、導入される燃料ガス(F)を層面内に拡散させる拡散層(201)と、該拡散層の上記固体電解質層側に配置され、アノード反応の場となる活性層(202)と、を有しており、
上記拡散層は、上記孔部の径よりも大きい複数の主ガス流路(201a)を内部に備え、
該主ガス流路は、上記活性層に接しており、かつ、上記拡散層の外表面に貫通している、燃料電池単セル(1)にある。
本発明の他の態様は、上記燃料電池単セルと、上記燃料ガスを供給するガス供給口(51)と、上記燃料ガスを排出するガス排出口(52)と、を有しており、
上記主ガス流路は、上記ガス排出口と連通しており、かつ、上記ガス供給口と連通していない、燃料電池セルスタック(5)にある。
上記燃料電池単セルは、活性層に接しており、かつ、拡散層の外表面に貫通している主ガス流路を有している。そのため、アノード反応によって活性層で生じた水蒸気は、活性層に接する主ガス流路に入り、主ガス流路を通って拡散層の外表面からセル外部へ排出される。それ故、上記燃料電池単セルによれば、セル内部で発生した水蒸気を効率よくセル外部へ排出することができる。
上記燃料電池セルスタックは、上記燃料電池単セルの主ガス流路が、ガス排出口と連通しており、かつ、ガス供給口と連通していない。そのため、上記燃料電池セルスタックは、セル内部で発生した水蒸気がガス供給口に逆流するのを防止することができる。それ故、上記燃料電池セルスタックは、ガス供給口から供給される新鮮な燃料ガスを上記燃料電池単セルのアノードに導入し続けることができるとともに、主ガス流路からセル外部へ排出された水蒸気をガス排出口を介して効率よく排出し続けることができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1の燃料電池単セル、実施形態5の燃料電池セルスタックの断面を模式的に示した説明図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 実施形態2の燃料電池単セル、実施形態6の燃料電池セルスタックの断面を模式的に示した説明図である 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 実施形態3の燃料電池単セルの断面の一部を模式的に示した説明図である。 実施形態4の燃料電池単セルの断面の一部を模式的に示した説明図である。
(実施形態1)
実施形態1の燃料電池単セルについて、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に例示されるように、本実施形態の燃料電池単セル1は、アノード20と固体電解質層21とカソード22とを備える平板形のセル2と、セル2を支持するフレーム3とを有している。なお、固体電解質層21の固体電解質として固体酸化物セラミックスを用いる燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と称される。
セル2は、固体電解質層21とカソード22との間に中間層23をさらに備えることができる。中間層23は、主に、固体電解質層材料とカソード材料との反応を抑制するための層である。本実施形態では、セル2は、具体的には、アノード20、固体電解質層21、中間層23、および、カソード22がこの順に積層され、互いに接合されている。セル2は、具体的には、電極であるアノード20を支持体とするアノード支持型とすることができる。この場合には、他の層に比べてアノード20の厚みが十分に厚くなるため、後述の主ガス流路201aの形成性に優れる。なお、各図では、セル2の外形が、四角形状を呈する例が示されている。セル2の外形は、他にも、円形状等の形状とすることもできる。
フレーム3は、金属より構成されている。なお、本明細書において金属には合金が含まれる。つまり、燃料電池単セル1は、セラミックス製のセル2と金属製のフレーム3とを有しており、セラミックスと金属との両方の材質を含んでいる。燃料電池単セル1は、金属材料を用いているため、全てがセラミックスからなる場合に比べて製造時における焼成の自由度が高く、発電特性に有利な材料を使いやすい利点がある。フレーム3を構成する金属としては、具体的には、フェライト系ステンレス鋼等のステンレス鋼、フェライト系耐熱クロム合金などを例示することができる。フレーム3は、具体的には、アノード20の外周に配置することができる。
アノード20は、拡散層201と活性層202とを有している。拡散層201は、多数の孔部を有しており、導入される燃料ガスFを層面内に拡散させる層である。活性層202は、拡散層201の固体電解質層21側に配置され、アノード反応の場となる層である。拡散層201と活性層202とは、互いに接合されている。
本実施形態では、アノード20のうち、拡散層201が支持体としての役割を果たす部分であり、拡散層201の厚みは、活性層202の厚みよりも厚く設定される。また、アノード20のうち、拡散層201の外周部がフレーム3により支持されている。なお、図1では、固体電解質層21および活性層202の端面が、ガラスシール等のシール材4により覆われている例が示されている。燃料電池単セル1は、シール材4により、アノード20に導入される水素、炭化水素等の燃料ガスFと、カソード22に導入される酸素、空気等の酸化剤ガス(不図示)とがクロスリークしないようにされている。なお、シール材4は、部分的にフレーム3にも当接している。また、図2、図3では、フレーム3、シール材4が省略されている。
拡散層201は、孔部の径よりも大きい複数の主ガス流路201aを内部に備えている。主ガス流路201aが孔部の径よりも大きいという点は、多孔性の拡散層201が備える孔部と主ガス流路201aとは異なるものであることを意味する。なお、主ガス流路201aの大きさが孔部の径より大きいことは、アノード20の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することによって確認することができる。
主ガス流路201aは、活性層202に接しており、かつ、拡散層201の外表面に貫通している。拡散層201の外表面は、具体的には、燃料ガスFが導入される導入面201cと、燃料ガスFが導出される導出面201dとを含むことができる。本実施形態では、主ガス流路201aの貫通口201bは、拡散層201の外表面のうち、上記導出面201dに形成されている。この場合には、拡散層201の導入面201cに導入された燃料ガスFは、拡散層201内にて層面内に拡散され、活性層202に供給される。また、活性層202にてアノード反応に使用されなかった燃料ガスFは、主に、主ガス流路201a内に沿って流れ、拡散層201の導出面201dに形成された貫通口201bから排出される。燃料電池単セル1の発電時に、主ガス流路201a内には、貫通口201bに向かう一方向の燃料ガスFの流れが生じている。そして、アノード反応によって活性層202で生じた水蒸気(不図示)は、活性層202に接する主ガス流路201aに入り、貫通口201bに向かう一方向の燃料ガスFの流れにのって、拡散層201の導出面201dにある貫通口201bよりセル2外部へ排出される。したがって、この場合には、セル2内部で発生した水蒸気が、燃料ガスFの流れに対して逆流するのを防止することができる。それ故、この場合には、セル2内部で発生した水蒸気を効率よくセル2外部へ排出しやすい燃料電池単セル1が得られる。
拡散層201の外表面は、具体的には、拡散層201における固体電解質層21側とは反対側の層面および拡散層201の端面を含んで構成されている。本実施形態では、拡散層201の上記層面が燃料ガスFの導入面201cとされている。また、拡散層201の端面の一部が燃料ガスFの導出面201dとされている。この場合には、燃料電池単セル1のスタック時に、拡散層201の上記層面を、燃料ガスFを供給するガス供給口51に連通させ、拡散層201の端面を、燃料ガスFを排出するガス排出口52に連通させることにより、拡散層201の層面と端面との間に差圧を発生させやすくなる。そのため、この場合には、差圧による燃料ガスFの流れが駆動力となり、セル2内部で発生した水蒸気をより効率よくセル2外部へ排出しやすい燃料電池単セル1が得られる。
なお、本実施形態では、セル2の外形が四角形状とされているため、拡散層201の端面は四つ存在し、各端面うちの一つが燃料ガスFの導出面201dとされる。残りの三つの端面は、導入面201cおよび導出面201dとは異なる面とされる。また、本実施形態では、例えば、燃料電池単セル1のスタック時に、拡散層201における固体電解質層21側とは反対側にセパレータ(不図示)が配置され、ガス供給流路510を通じて、ガス供給口51から供給される燃料ガスFを導入面201cに導入することができる。
複数の主ガス流路201aは、具体的には、互いに離間した状態でアノード面方向に沿って配置することができる。この場合には、拡散層201の端面に主ガス流路201aの貫通口201bを形成しやすい。そのため、拡散層201における固体電解質層21側とは反対側の層面が上記導入面201cとされており、拡散層201の端面の一部が上記導出面201dとされている燃料電池単セル1を得やすくなる。また、アノード面方向に配置された主ガス流路201aは、例えば、焼成によって消失する消失剤ペーストを用い、アノード20の焼成と同時に消失剤ペーストを消失させて形成することができる。そのため、この場合には、主ガス流路201aの形成性にも優れた燃料電池単セル1が得られる。
本実施形態では、主ガス経路201aは、長手方向の壁面のうち、固体電解質層21側の部分が活性層202に接している。なお、主ガス流路201aにおける貫通口201b側と反対側の端部は、拡散層201の内部に配置されている。
主ガス流路201aは、いずれも、直線状とすることができる。この場合には、主ガス流路201aが直線状でない場合に比べ、水蒸気が流れる際の抵抗を小さくしやすく、セル2外部への水蒸気の排出が促進される。そのため、この場合には、セル2内部で発生した水蒸気を効率よくセル2外部へ排出しやすい燃料電池単セル1が得られる。
上記の場合において、主ガス流路201aの平均屈曲度は、1.0〜2.0の範囲内とすることができる。この場合には、セル2外部への水蒸気の排出促進が確実なものとなる。主ガス流路201aの平均屈曲度は、上記効果を確実なものにする観点から、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、さらにより好ましくは1.5以下とすることができる。
なお、主ガス流路201aの平均屈曲度は、電解放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用い、主ガス流路201aが形成されている方向に平行な断面より観察される主ガス流路のそれぞれについて以下の式にて算出される各屈曲度の平均値である。
主ガス流路201aの屈曲度=(主ガス流路201aの流路中心を結んで得られる中心線の長さ)/(主ガス流路201aが形成されている部分における流路方向のアノード20の長さ)
主ガス流路201aの流路幅は、水蒸気の排出性向上、流路形成性等の観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは400μm以上とすることができる。また、主ガス流路201aの流路幅は、アノード強度の確保等の観点から、好ましくは1500μm以下、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは500μm以下とすることができる。主ガス流路201aの流路ピッチは、流路同士の短絡による強度劣化の抑制、製造上の難易度を低減させる等の観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは400μm以上とすることができる。また、主ガス流路201aの流路ピッチは、アノード面内における水蒸気の均一な排出等の観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは500μm以下とすることができる。
拡散層201は、層面内に、孔部の径よりも大きく、かつ、主ガス流路201aと交わらない副ガス流路201eをさらに備えることができる。この場合には、拡散層201に導入された燃料ガスFは、拡散層201の孔部だけでなく、副ガス流路201eによっても層面内に拡散される。そのため、この構成によれば、拡散層201の層面内に均一に燃料ガスFを拡散させやすくなり、セル面内における発電分布を小さくしやすい燃料電池単セル1が得られる。なお、本実施形態では、副ガス流路201eは、活性層202に接しておらず、拡散層201の外表面に貫通していない例が示されている。
副ガス流路201eは、1本であってもよいし、複数本であってもよい。複数の副ガス流路201eを備える場合には、拡散層201の層面内に燃料ガスFをより均一に拡散させやすくなるため、上記効果を得やすくなる。また、副ガス流路201eは、直線状とすることができる。この場合には、副ガス流路201eが直線状でない場合に比べ、燃料ガスFが流れる際の抵抗を小さくしやすく、拡散層201の層面内に燃料ガスFをより均一に拡散させやすくなり、上記効果を得やすくなる。
本実施形態では、拡散層201が副ガス流路201eを複数本備え、各副ガス流路201eが互いに離間した状態で配置されている例が示されている。また、副ガス流路201eは、主ガス流路201aと異なる平面上で交差するように配置されている。より具体的には、副ガス流路201eは、具体的には、主ガス流路201aと異なる平面上で、主ガス流路201aと90°で交差するように配置されている。なお、副ガス流路201eの流路幅、流路ピッチは、主ガス流路201aと同様の範囲とすることができる。
燃料電池単セル1において、固体電解質層21の材料としては、強度、熱的安定性に優れる等の観点から、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の酸化ジルコニウム系酸化物を好適に用いることができる。固体電解質層21の材料としては、イオン伝導度、機械的安定性、他の材料との両立、空気雰囲気から燃料ガス雰囲気まで化学的に安定である等の観点から、イットリア安定化ジルコニアが好適である。本実施形態では、固体電解質層21の材料として、具体的には、イットリア安定化ジルコニアを用いることができる。
また、固体電解質層21の厚みは、オーミック抵抗の低減などの観点から、好ましくは3〜20μm、より好ましくは4〜8μmとすることができる。本実施形態では、固体電解質層21の厚みは、具体的には、4μmとすることができる。
燃料電池単セル1において、拡散層201の材料および活性層202の材料としては、例えば、Ni、NiO等の触媒と、上記酸化ジルコニウム系酸化物等の固体電解質との混合物などを例示することができる。なお、NiOは、発電時の還元雰囲気でNiとなる。本実施形態では、拡散層201の材料および活性層202の材料として、具体的には、いずれも、NiまたはNiOとイットリア安定化ジルコニアとの混合物を用いることができる。
また、拡散層201の厚みは、支持体としての強度確保等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上とすることができる。拡散層201の厚みは、ガス拡散性の向上等の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下とすることができる。活性層202の厚みは、反応持続性、取り扱い性、加工性等の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上とすることができる。活性層202の厚みは、電極反応抵抗の低減等の観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下とすることができる。本実施形態では、拡散層201の厚みは、具体的には、400μm、活性層202の厚みは、具体的には、25μmとすることができる。
燃料電池単セル1において、中間層23の材料としては、例えば、CeO、または、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。本実施形態では、中間層23の材料として、具体的には、CeOにGdがドープされたセリア系固溶体を用いることができる。
また、中間層23の厚みは、オーミック抵抗の低減、カソードからの元素拡散の抑制等の観点から、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜5μmとすることができる。本実施形態では、中間層23の厚みは、具体的には、3μmとすることができる。
燃料電池単セル1において、カソード22の材料としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、例えば、LaSr1−xCoO系酸化物、LaSr1−xCoFe1−y系酸化物、SmSr1−xCoO系酸化物(但し、上記において、0≦x≦1、0≦y≦1)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。本実施形態では、カソード22の材料として、具体的には、LaSr1−xCoFe1−y系酸化物(0≦x≦1、0≦y≦1)を用いることができる。
また、カソード22の厚みは、ガス拡散性、電極反応抵抗、集電性などの観点から、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜80μmとすることができる。本実施形態では、カソード22の厚みは、具体的には、50μmとすることができる。
燃料電池単セル1は、活性層202に接しており、かつ、拡散層201の外表面に貫通している主ガス流路201aを有している。そのため、アノード反応によって活性層202で生じた水蒸気は、活性層202に接する主ガス流路201aに入り、主ガス流路201aを通って拡散層201の外表面からセル2外部へ排出される。それ故、燃料電池単セル1によれば、セル2内部で発生した水蒸気を効率よくセル2外部へ排出することができる。
(実施形態2)
実施形態2の燃料電池単セルについて、図4〜図6を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図4〜図6に例示されるように、本実施形態の燃料電池単セル1では、拡散層201の端面の一部が燃料ガスFの導入面201cとされている。また、拡散層201における固体電解質層21側とは反対側の層面が燃料ガスFの導出面201dとされている。そして、この導出面201dに主ガス流路201aの貫通口201bが形成されている。
この場合には、燃料電池単セル1のスタック時に、拡散層201の端面を、燃料ガスFを供給するガス供給口51に連通させ、拡散層201の上記層面を、燃料ガスFを排出するガス排出口52に連通させることにより、主ガス流路201aにおける活性層202と接する部分と、主ガス流路201aにおける貫通口201b部分との間で、水蒸気の濃度勾配を発生させやすくなる。つまり、主ガス流路201aにおける活性層202と接する部分では、水蒸気が次々に発生し、水蒸気の濃度が高くなる一方、主ガス流路201aにおける貫通口201b部分では、ガス排出口52に水蒸気が排出されるため、水蒸気の濃度が常に低くなる。そのため、この場合には、貫通口201bに向かう一方向の燃料ガスFの流れに加え、水蒸気の濃度勾配が駆動力となり、セル2内部で発生した水蒸気がより効率よくセル2外部へ排出されやすい燃料電池単セル1が得られる。また、この場合には、アノード厚み方向に水蒸気が移動するので、アノード面方向に水蒸気が移動する場合に比べ、水蒸気の移動距離が短くなり、その分、セル2外部への水蒸気の排出性が向上する。
なお、本実施形態では、セル2の外形が四角形状とされているため、拡散層201の端面は四つ存在し、各端面うちの一つが燃料ガスFの導入面201cとされる。残りの三つの端面は、導入面201cおよび導出面201dとは異なる面とされる。また、本実施形態では、シール材4とフレーム3との間に設けられた隙間41を通じて、拡散層201の端面に燃料ガスFを導入することができる。
複数の主ガス流路Fは、具体的には、互いに離間した状態でアノード厚み方向に沿って配置することができる。この場合には、拡散層201の上記層面に主ガス流路201aの貫通口201bを形成しやすい。そのため、拡散層201の端面の一部が導入面201cとされており、拡散層201における固体電解質層2側とは反対側の層面が導出面201dとされている燃料電池単セル1を得やすくなる。なお、アノード厚み方向に配置された主ガス流路201aは、例えば、副ガス流路201eと対応する位置にてシート厚み方向に貫通する貫通孔と、貫通孔内に充填された消失剤ペーストとを有する未焼成の拡散層形成用シート(不図示)を複数積層し、これを焼成することにより形成することができる。
本実施形態では、主ガス経路201aは、固体電解質層21側の端部が活性層202に接しており、固体電解質層21側と反対側の端部が拡散層201の層面に接している。
拡散層201は、実施形態1と同様に、層面内に、孔部の径よりも大きく、かつ、主ガス流路201aと交わらない副ガス流路201eをさらに備えることができる。副ガス流路201eは、拡散層201における活性層202側寄りに配置することができる。この場合には、拡散層201に導入された燃料ガスFを、活性層202の比較的近くで拡散層201の層面内に均一に拡散させやすくなる。より具体的には、副ガス流路201eと活性層202との間には、孔部を含む層が存在しているとよい。この場合には、副ガス経路201eから活性層202に直接燃料ガスFが拡散せず、孔部を含む層によって燃料ガスFが確実に拡散された後、活性層202に燃料ガスFが供給される。そのため、この場合には、セル面内における発電分布を小さくしやすい燃料電池単セル1が得られる。その他の構成、作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
実施形態3の燃料電池単セルについて、図7を用いて説明する。
図7に例示されるように、本実施形態の燃料電池単セル1は、主ガス流路201aの壁面に、拡散層201における孔部の形成部位よりも緻密質な緻密層201fを有している。この場合には、主ガス流路201a内を流れる水蒸気が拡散層201の孔部に吸収され難くなり、セル2外部への水蒸気の排出性を向上させることができる。
本実施形態では、緻密層201fは、具体的には、緻密層201fの気孔率<拡散層201における孔部の形成部位の気孔率の関係を満たす構成とすることができる。この場合には、上記効果を確実なものとすることができる。また、緻密層201fは、具体的には、主ガス流路201aにおける壁面のうち、拡散層201側の壁面に配置されることができる。なお、上記にいう気孔率は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて×10000倍にて、イオンミリング法などを用いて断面加工された対象部を断面観察し、{(気孔の面積)/(観察部面積)}×100にて算出した数値のことである。
緻密層201fは、例えば、消失剤ペーストを焼成時に消失させて主ガス流路201aを形成する際に、消失剤ペースト中に焼結助剤を添加することで、主ガス流路201aの壁面の周りを他よりも焼結させることなどによって形成することができる。焼結助剤としては、例えば、拡散層201に用いられる固体電解質のナノ粉末等を例示することができる。その他の構成、作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態4)
実施形態4の燃料電池単セルについて、図8を用いて説明する。
図8に例示されるように、本実施形態の燃料電池単セル1は、主ガス流路201aの壁面に、拡散層201における孔部の形成部位よりも緻密質な緻密層201fを有している。この場合には、主ガス流路201a内を流れる水蒸気が拡散層201の孔部に吸収され難くなり、セル2外部への水蒸気の排出性を向上させることができる。
本実施形態では、緻密層201fは、具体的には、緻密層201fの気孔率<拡散層201における孔部の形成部位の気孔率の関係を満たす構成とすることができる。この場合には、上記効果を確実なものとすることができる。また、緻密層201fは、具体的には、主ガス流路201aにおける壁面のうち、拡散層201側の壁面に配置されることができる。
緻密層201aは、例えば、消失剤ペーストを用いて主ガス流路201aを形成する際に、消失剤ペースト中に焼結助剤を添加することで、主ガス流路201aの壁面の周りを他よりも焼結させることなどによって形成することができる。焼結助剤としては、例えば、拡散層201に用いられる固体電解質のナノ粉末等を例示することができる。その他の構成、作用効果は、実施形態2と同様である。
(実施形態5)
実施形態5の燃料電池セルスタックについて、図1を用いて説明する。図1に示されるように、燃料電池セルスタック5は、燃料電池単セル1と、燃料ガスFを供給するガス供給口51と、燃料ガスFを排出するガス排出口52とを有している。本実施形態では、実施形態1の燃料電池単セル1が用いられる。
燃料電池単セル1の主ガス流路201aは、ガス排出口52と連通している。つまり、図1に例示されるように、主ガス流路201aは、多孔質の拡散層201における孔部を通ることなくガス排出口52と空間的に繋がっている。一方、燃料電池単セル1の主ガス流路201aは、ガス供給口51と連通していない。ここで、図1に例示されるように、厳密にみれば、主ガス流路201aは、多孔質の拡散層201における孔部を通じてガス供給口51と空間的に繋がっているといえる。しかしながら、このような繋がりは、水蒸気のセル2外部への排出には適当でないため、主ガス流路201aとガス供給口51とが連通していないものと評価される。
燃料電池セルスタック5によれば、セル2内部で発生した水蒸気がガス供給口51に逆流するのを防止することができる。それ故、燃料電池セルスタック5は、ガス供給口51から供給される新鮮な燃料ガスFを燃料電池単セル1のアノード20に導入し続けることができるとともに、主ガス流路201aからセル2外部へ排出された水蒸気をガス排出口52を介して効率よく排出し続けることができる。したがって、燃料電池セルスタック5は、水蒸気量が多くなる大電力発電時でも、高い発電性能を発揮することが可能となる。
燃料電池セルスタック5は、具体的には、複数の燃料電池単セル1がセパレータ(不図示)を介して積層されている積層構造を有することができる。セパレータは、金属より構成されている。セパレータを構成する金属としては、具体的には、フェライト系ステンレス鋼等のステンレス鋼、フェライト系耐熱クロム合金などを例示することができる。
本実施形態では、より具体的には、燃料電池単セル1におけるアノード20側に配置されるセパレータとフレーム3との隙間に、ガス供給口51から供給される燃料ガスFが通るガス供給流路510、主ガス流路201aから排出される水蒸気、燃料ガスFが通るガス排出流路520とを有する構成とすることができる。本実施形態では、ガス供給流路510は、拡散層201の層面に接している。また、ガス排出流路520は、主ガス流路201aが貫通する拡散層201の端面に接している。また、燃料電池単セル1におけるカソード22側に配置されるセパレータとフレーム3との隙間に、酸化剤ガスが通る流路(不図示)を有する構成とすることができる。
(実施形態6)
実施形態6の燃料電池セルスタックについて、図4を用いて説明する。図4に示されるように、本実施形態の燃料電池セルスタック5は、実施形態2の燃料電池単セル1が用いられている点で、実施形態5の燃料電池セルスタック5と相違している。また、本実施形態の燃料電池セルスタック5は、ガス排出流路520が、拡散層201の層面に接している点、ガス供給流路510が、主ガス流路201aが貫通する拡散層201の端面に接している点で、実施形態5の燃料電池セルスタック5と相違している。その他の構成、作用効果は、実施形態5と同様である。
(実験例)
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<試料1の燃料電池単セル>
−材料準備−
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミルおよび1−ブタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、65:35である。ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に上記スラリーを層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、四角形状の拡散層形成用シートAを準備した。拡散層形成用シートAの厚みは、110μmとした。なお、上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
アクリルビーズ、エチルセルロース、テルピネオール、分散剤、レベリング剤、沈降防止剤をプラネタリーミキサーにて撹拌した後、三本ロールにて混合することにより、消失剤ペーストを調製した。微粘着シートの表面に、拡散層形成用シートAを貼り付け、拡散層形成用シートAの表面に、スクリーン印刷法を用いて、消失剤ペーストをパターン印刷した。ここでの印刷パターンは、等間隔で並ぶ71本の線状ペーストより構成される線状パターンであり、副ガス流路を形成するためのものである。各線状ペーストの線幅は0.1μm、線間ピッチは1.0μm、線厚みは55μmとした。また、各線状ペーストの両端部は、拡散層形成用シートAの端面に接していない。各線状ペーストを乾燥させた後、微粘着シートを剥離することにより、拡散層形成用シートBを準備した。
微粘着シートの表面に、拡散層形成用シートAを貼り付け、この拡散層形成用シートAの表面に、スクリーン印刷法を用いて、上記の消失剤ペーストをパターン印刷した。ここでの印刷パターンは、等間隔で並ぶ71本の線状ペーストより構成される線状パターンであり、主ガス流路を形成するためのものである。各線状ペーストの線幅は0.1μm、線間ピッチは1.0μm、線厚みは55μmとした。また、各線状ペーストの一方側端部は、拡散層形成用シートAの端面に接しておらず、各線状ペーストの他方側端部は、拡散層形成用シートAの上記端面と反対側の端面に接している。各線状ペーストを乾燥させた後、微粘着シートを剥離することにより、拡散層形成用シートCを準備した。
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.2μm)と、カーボンと、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、65:35である。ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に上記スラリーを層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、四角形状の活性層形成用シートを準備した。活性層形成用シートの厚みは、30μmとした。なお、活性層形成用シートにおけるカーボン量は、拡散層形成用シートAと比較して少量とされている。
8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミルおよび1−ブタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に上記スラリーを層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、四角形状の固体電解質層形成用シートを準備した。固体電解質層形成用シートの厚みは、5.0μmとした。
10mol%のGdがドープされたCeO(10GDC)粉末(平均粒子径:0.3μm)と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に上記スラリーを層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、四角形状の中間層形成用シートを準備した。中間層形成用シートの厚みは、
4.0μmとした。
LSC(La0.6Sr0.4CoO)粉末(平均粒子径:2.0μm)と、エチルセルロースと、テルピネオールとを3本ロールにて混合することにより、カソード形成用ペーストを準備した。
拡散層形成用シートA、拡散層形成用シートB、拡散層形成用シートC、活性層形成用シート、固体電解質層形成用シート、および、中間層形成用シートをこの順に積層し、圧着することにより、積層体を得た。なお、積層体における拡散層形成用シートCの四つの端面のうちの一つには、線状ペーストの端部が露出している。ここで、上記積層の際、拡散層形成用シートBおよび拡散層形成用シートCは、積層方向から見て、拡散層形成用シートBの線状ペーストと拡散層形成用シートCの線状ペーストとが直交するように配置した。また、圧着には、CIP成形法を用いた。CIP成形条件は、温度80℃、加圧力50MPa、加圧時間10分という条件とした。また、上記圧着後、積層体を脱脂した。なお、圧着後の積層体の外周部を切断することによって寸法調整を実施することができる。この場合には、得られるセルの寸法精度を向上させることができる。さらに、上記切断時に、拡散層形成用シートCにおける線状パターンの他方側端部を含むように積層体の外周部を切断することにより、積層体における拡散層形成用シートCの端面に、線状ペーストの端部を確実に露出させることができる。この場合には、主ガス流路を確実に端面に貫通させることができる。
上記積層体を1350℃で2時間焼成した。これにより、拡散層(350μm)、活性層(25μm)、固体電解質層(4.0μm)、および、中間層(3.0μm)がこの順に積層された焼結体を得た。なお、上記焼成により、各線状パターンは消失し、拡散層には、各線状パターンに対応して、図1に示されるような主ガス流路および副ガス流路が形成された。
上記焼結体における中間層の表面に、カソード形成用ペーストをスクリーン印刷法により塗布し、950℃で2時間焼成(焼付)することによって層状のカソード(50μm)を形成した。これにより、平板形のセルを得た。
得られたセルの外周部を、フェライト系ステンレス鋼よりなるフレームにて支持するとともに、燃料ガスがカソード側へリークしないように、固体電解質層および活性層の外周をガラスシールよりなるシール材により被覆した。これにより、試料1の燃料電池単セルを得た。
<試料2の燃料電池単セル>
試料1と同様にして、樹脂シート付きの拡散層形成用シートAを準備した。そして、これを金型を用いて打ち抜くことにより、90行×90列に配列された合計8100個の貫通孔を形成した。なお、上記貫通孔は、直線状の主ガス流路の一部を構成するためのものである。貫通孔の径は100μm、貫通孔間のピッチは1.0μmである。
穴の空いた樹脂シートを剥離し、代わりに、微粘着シートを貼り付けた。次いで、貫通孔内に消失剤ペーストをスクリーン印刷法により充填し、乾燥させた。次いで、微粘着シートを剥離することにより、拡散層形成用シートDを準備した。拡散層形成用シートDの厚みは、110μmとした。
微粘着シートの表面に、拡散層形成用シートDを貼り付け、この拡散層形成用シートDの表面に、スクリーン印刷法を用いて、消失剤ペーストをパターン印刷した。ここでの印刷パターンは、等間隔で並ぶ71本の線状ペーストより構成される線状パターンであり、副ガス流路を形成するためのものである。なお、各線状ペーストは、各貫通孔と重ならないように配列されており、各線状ペーストの線幅は0.1μm、線間ピッチは1.0μm、線厚みは55μmとした。また、各線状ペーストの両端部は、拡散層形成用シートDの端面に接していない。その後、微粘着シートを剥離することにより、拡散層形成用シートEを準備した。
拡散層形成用シートDと同様にして、厚み30μmの拡散層形成用シートFを準備した。
試料1と同様にして、活性層形成用シート、固体電解質層形成用シート、および、中間層形成用シートを準備した。
拡散層形成用シートD、拡散層形成用シートE、拡散層形成用シートF、活性層形成用シート、固体電解質層形成用シート、および、中間層形成用シートをこの順に積層し、試料1と同じ圧着条件にて圧着することにより、積層体を得た。なお、各拡散層形成用シートは、対応する貫通孔の位置を合わせて積層した。
以降は、試料1と同様にして、試料2の燃料電池単セルを得た。なお、試料2の燃料電池単セルの拡散層には、貫通孔パターン、線状パターンに対応して、図4に示されるような主ガス流路および副ガス流路が形成された。
<試料3の燃料電池単セル>
試料1の燃料電池単セルの作製において、拡散層形成用シートCの形成時に用いた消失剤ペーストに、焼結助剤として8YSZのナノ粉末(平均粒子径:15nm)を添加した点以外は同様にして、試料3の燃料電池単セルを得た。試料3の燃料電池単セルの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、主ガス流路の壁面に、拡散層における孔部の形成部位よりも緻密質な緻密層が確認された。
<試料4の燃料電池単セル>
試料2の燃料電池単セルの作製において、拡散層形成用シートDの形成時に貫通孔内に充填する消失剤ペーストに、焼結助剤として8YSZのナノ粉末(平均粒子径:15nm)を添加した点以外は同様にして、試料4の燃料電池単セルを得た。試料4の燃料電池単セルの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、主ガス流路の壁面に、拡散層における孔部の形成部位よりも緻密質な緻密層が確認された。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態5では、実施形態1の燃料電池単セルに代えて、実施形態3の燃料電池単セルを用いることができる。また、実施形態6では、実施形態2の燃料電池単セルに代えて、実施形態4の燃料電池単セルを用いることができる。
1 燃料電池単セル
2 セル
20 アノード
201 拡散層
201a 主ガス流路
202 活性層
21 固体電解質層
22 カソード
3 フレーム
5 燃料電池セルスタック
51 ガス供給口
52 ガス排出口
F 燃料ガス

Claims (11)

  1. アノード(20)と固体電解質層(21)とカソード(22)とを備える平板形のセル(2)と、該セルを支持する金属製のフレーム(3)と、を有する燃料電池単セル(1)であって、
    上記アノードは、多数の孔部を有し、導入される燃料ガス(F)を層面内に拡散させる拡散層(201)と、該拡散層の上記固体電解質層側に配置され、アノード反応の場となる活性層(202)と、を有しており、
    上記拡散層は、上記孔部の径よりも大きい複数の主ガス流路(201a)を内部に備え、
    該主ガス流路は、上記活性層に接しており、かつ、上記拡散層の外表面に貫通している、燃料電池単セル(1)。
  2. 上記拡散層の外表面は、上記燃料ガスが導入される導入面(201c)と、上記燃料ガスが導出される導出面(201d)とを含み、
    該導出面に、上記主ガス流路の貫通口(201b)が形成されている、請求項1に記載の燃料電池単セル。
  3. 上記拡散層における上記固体電解質層側とは反対側の層面が上記導入面とされており、
    上記拡散層の端面の一部が上記導出面とされている、請求項2に記載の燃料電池単セル。
  4. 上記主ガス流路は、互いに離間した状態でアノード面方向に沿って配置されている、請求項3に記載の燃料電池単セル。
  5. 上記拡散層の端面の一部が上記導入面とされており、
    上記拡散層における上記固体電解質層側とは反対側の層面が上記導出面とされている、
    、請求項2に記載の燃料電池単セル。
  6. 上記主ガス流路は、互いに離間した状態でアノード厚み方向に沿って配置されている、請求項5に記載の燃料電池単セル。
  7. 上記主ガス流路は、直線状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池単セル。
  8. 上記主ガス流路の平均屈曲度は、1.0〜2.0の範囲内にある、請求項7に記載の燃料電池単セル。
  9. 上記拡散層は、層面内に、上記孔部の径よりも大きく、かつ、上記主ガス流路と交わらない副ガス流路(201e)をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池単セル。
  10. 上記主ガス流路の壁面に、上記拡散層における上記孔部の形成部位よりも緻密質な緻密層(201f)を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池単セル。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池単セルと、上記燃料ガスを供給するガス供給口(51)と、上記燃料ガスを排出するガス排出口(52)と、を有しており、
    上記主ガス流路は、上記ガス排出口と連通しており、かつ、上記ガス供給口と連通していない、燃料電池セルスタック(5)。
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