JP6512997B2 - 乾燥食品 - Google Patents
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Description
(1)x≦3.0
(2)5.0≦y≦25.0
本発明に係る乾燥食品が含有する前記澱粉分解物としては、分子量80000〜900000の含有量(質量%)zが、下記(3)を満たすものを用いることができる。
(3)z≦−2.2x+9.8
本発明に係る乾燥食品は、前記xが、下記(1’)を満たす澱粉分解物を用いることもできる。
(1’)1.0≦x≦2.5
また、本発明に係る乾燥食品は、前記yが、下記(2’)を満たす澱粉分解物を用いることもできる。
(2’)5.0≦y≦23.0
更に、本発明に係る乾燥食品は、前記zが、下記(3’)を満たす澱粉分解物を用いることもできる。
(3’)z≦−1.3x+6.2
本発明に係る乾燥食品には、調味料、植物エキス、動物エキス、香料、スープ、飲料のいずれか一つ以上の乾燥物を用いることも可能である。
本発明において、「乾燥食品」とは、液状(溶液状、コロイド状及び、懸濁液状)又はスラリー状又は、ペースト状の飲食品を乾燥させて得られる食品である。
本発明に係る乾燥食品に用いる澱粉分解物は、DP1〜2の含有量(質量%)x、及び、分子量1500〜14000の含有量(質量%)yが、下記(1)及び(2)を満たす澱粉分解物である。
(1)x≦3.0
(2)5.0≦y≦25.0
(3)z≦−2.2x+9.8
(3’)z≦−1.3x+6.2
(4)v≦0.6
(4’)v≦0.5
なお、ヨウ素呈色値は、分岐構造含有量の程度を示し、濁りやすさと相関があると考えられる。
5mLの水に対し、澱粉分解物を固形分25mgとなるように加えて混合し、さらに、100μLのヨウ素−ヨウ化カリウム溶液(0.2w/v%ヨウ素、2w/v%ヨウ化カリウム)を加えて混合し、30℃の恒温槽で20分間保持する。この溶液の660nmにおける吸光度を、10mm幅のガラスセル、分光光度計UV−1600(株式会社島津製作所製)を用いて測定し、サンプル測定値から、ブランク測定値(水5mLと100μLのヨウ素−ヨウ化カリウム溶液を混合したものの測定値)を差し引いた値をヨウ素呈色値とした。
固形分濃度55%となるように調製した糖液を、沸騰浴中で10分間加熱したものを、固形分30%となるように希釈して、100mm幅のガラスセルに入れ、分光光度計UV−1600(株式会社島津製作所製)を用いて、720nmにおける吸光度を測定した値を、濁度とした。
DP1〜2の含有量(質量%)xが、0.5≦x≦2.2のとき、
(5−1)w≦−400x+1200
DP1〜2の含有量(質量%)xが、2.2<x≦3.0のとき、
(5−2)w≦−65x+463
固形分濃度55%となるように調整した糖液を、測定温度:50℃、パラレルプレート:40mm、トルク:一定 30μN・mの条件でレオメータ(AR1000型、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて測定した値を粘度とした。
本発明に係る乾燥食品に用いる澱粉分解物は、その組成自体が新規であって、その収得の方法については特に限定されることはない。例えば、澱粉原料を、一般的な酸や酵素を用いた処理や、各種クロマトグラフィー、膜分離、エタノール沈殿等の所定操作を適宜、組み合わせて行うことによって得ることができる。
本発明に係る乾燥食品は、前述した澱粉分解物を含有することを特徴とする。前述した澱粉分解物は、糖液とした際に濁りにくい。乾燥食品に用いる澱粉分解物が糖液とした際に濁ると、乾燥食品を製造する際に乾燥する原液が不均一になり、粘度も高くなり、製造上のハンドリングが悪くなるといった問題がある。一方、本発明で用いる澱粉分解物は、糖液とした際に濁りにくいため、乾燥食品を製造する際に乾燥する原液が均一になり、粘度も低くなり、製造上のハンドリングが良好になるといった効果を有する。
実験例1では、澱粉分解物の具体的な糖組成が、その特性にどのように影響するかを検討した。
[枝作り酵素]
本実験例では、枝作り酵素の一例として、Eur. J. Biochem. 59, p615-625 (1975)の方法に則って、精製した馬鈴薯由来の酵素(以下「馬鈴薯由来枝作り酵素」とする)と、WO00/58445の方法に則って、精製したRhodothermus obamensis由来の酵素(以下「細菌由来枝作り酵素」とする)を用いた。
基質溶液として、0.1M酢酸 緩衝液(pH5.2)にアミロース(Sigma社製,A0512)を0.1質量%溶解したアミロース溶液を用いた。
50μLの基質液に50μLの酵素液を添加し、30℃で30分間反応させた後、ヨウ素-ヨウ化カリウム溶液(0.39mMヨウ素−6mMヨウ化カリウム−3.8mM塩酸混合用液)を2mL加え反応を停止させた。ブランク溶液として、酵素液の代わりに水を添加したものを調製した。反応停止から15分後に660nmの吸光度を測定した。枝作り酵素の酵素活性量1単位は、上記の条件で試験する時、660nmの吸光度を1分間に1%低下させる酵素活性量とした。
「澱粉糖関連工業分析法」(澱粉糖技術部会編)のレインエイノン法に従って算出した。
下記の表1に示す条件で、ゲルろ過クロマトグラフィーにて分析を行った。
分子量スタンダードとして、ShodexスタンダードGFC(水系GPC)カラム用Standard P-82(昭和電工株式会社製)を使用し、分子量スタンダードの溶出時間と分子量の相関から算出される検量線に基づいて、試作品の分子量を測定した。
下記の表2に示す条件で液体クロマトグラフィーにて分析を行い、保持時間に基づいて、DP1およびDP2の含量を測定した。
〔初期濁度〕
固形分濃度55%となるように調製した糖液を、沸騰浴中で10分間加熱したものを、固形分30%となるように希釈して、100mm幅のガラスセルに入れ、分光光度計UV−1600(株式会社島津製作所製)を用いて、720nmにおける吸光度を測定した値を、初期濁度とした。
固形分濃度55%となるように調製した糖液を、沸騰浴中で10分間加熱したものを、密封容器に入れ、4℃で7日間保管した。その後、固形分30%となるように希釈して、初期濁度と同様に、吸光度を測定した値から、初期濁度の値を差し引いたものを、7日保存後の濁度の増加量とした。
(a)澱粉臭
後述する実施例又は比較例の澱粉分解物を、固形分10質量%になるように水に溶解した。この溶液について、澱粉臭が最も低いと感じるものを5点、最も高いと感じるものを1点とし、5点満点で評価を行った。評価は、10人の専門パネルの平均点とした。
市販の果汁100%のグレープフルーツジュース100gに、後述する実施例又は比較例の澱粉分解物を、固形分5質量%になるように溶解した。この澱粉分解物添加グレープフルーツジュースについて、グレープフルーツの風味を最も感じるものを5点、最も感じないものを1点として、5点満点で評価を行った。評価は、10人の専門パネルの平均点とした。
前述した濁度測定における7日保存後の濁度の増加量に基づいて、下記の表3に示す評価基準で濁り易さを評価した。評価は、1サンプルあたり5回実施し、その平均点を濁りの評価とした。
コンウェイ水分活性測定器用セミ・ミクロユニット(柴田科学株式会社製)のサンプル用皿に、後述する実施例又は比較例の澱粉分解物を1g秤量して、飽和塩化ナトリウム溶液で調湿して、25℃、相対湿度75%の環境下で72時間保存した。試験は1サンプルあたり5回実施し、保存後の状態を、下記表4に示す基準で5段階に分類したときの平均点を、実施例又は比較例の吸湿性の点数とした。
澱粉臭、風味、濁り、吸湿性の評価の各点数から平均値を求め、総合評価とした。
[実施例1]
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のタピオカスターチスラリーに、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化して、この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE3になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり1000ユニット添加し、65℃で20時間反応させた。この糖液を90℃に昇温して、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、DE5になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度40質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例1の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE6まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが13になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、馬鈴薯由来枝作り酵素を固形分(g)当たり4000ユニット添加し、35℃で20時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度60質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例2の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のワキシーコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化して、この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE4になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり800ユニット添加し、65℃で24時間反応させた。この糖液を90℃に昇温して、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、DE7になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例3の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE4まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが6になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で48時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度40質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例4の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE3まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが11になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、馬鈴薯由来枝作り酵素を固形分(g)当たり2000ユニット添加し、35℃で32時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例5の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE6まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが8になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり750ユニット添加し、65℃で16時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例6の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE5まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが9になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で24時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例7の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化して、この液化液を95℃で保温して、経時的にDEを測定して、DE12になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり600ユニット添加し、65℃で18時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例8の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のタピオカスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE3まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DE9になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度40質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例1の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のタピオカスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE4まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DE13になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例2の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE16まで分解した。常圧に戻した後、消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DE20になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度60質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例3の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化して、この液化液を95℃で保温して、経時的にDEを測定して、DE15になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度40質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例4の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化して、この液化液を95℃で保温して、経時的にDEを測定して、DE14になった時点で、塩酸でpH4に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、細菌由来枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で24時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例5の澱粉分解物を得た。
前記で得られた実施例1〜8及び比較例1〜5について、それぞれ、DE、分子量、DP1〜2の含有量、濁度を、前述した方法で測定した。また、澱粉臭、風味、濁り及び吸湿性について、前述した方法で評価した。結果を下記の表5に示す。
比較例4及び5は、分子量1500〜14000の含有量(y)としては、25.0質量%以下であるが、DP1〜2の含有量が3質量%を超えているために、吸湿性が高く、甘みが強いため風味も悪い結果であった。
分子量1500〜14000の含有量(y)が25.0質量%を超え、かつ、DP1〜2の含有量が3質量%を超えている比較例3は、7日保存後の濁度の増加量が高く、吸湿性も高い結果であった。
また、分子量1500〜14000の含有量(y)が23質量%を超える実施例3及び8に比べ、23質量%以下の実施例1、2、4〜7の方が、更に濁りの発生が抑えられていることが分かった。
更に、DP1〜2の含有量が2.5質量%を超える実施例2及び8に比べ、2.5質量%以下の実施例1、3〜7の方が、吸湿性が低いことが分かった。
実験例2では、前記実験例1で製造した澱粉分解物を、実際の食品に適用した場合の風味、澱粉臭及び吸湿性について、検証した。
(a)風味
前記実験例1で製造した実施例又は比較例の澱粉分解物を、実際に乾燥食品に適用した場合の食品の好ましい風味について、10名の専門パネルが、強く感じるほど高得点として、5〜1点の5段階で評価し、その平均点を評価点とした。
前記実験例1で製造した実施例又は比較例の澱粉分解物を、実際に乾燥食品に適用した場合の好ましくない澱粉臭について、10名の専門パネルが、少ないほど高得点として、5〜1点の5段階で評価し、その平均点を評価点とした。
コンウェイ水分活性測定器用セミ・ミクロユニット(柴田科学株式会社製)のサンプル用皿に、前記実験例1で製造した実施例又は比較例の澱粉分解物を用いた乾燥食品を1g秤量して、飽和塩化ナトリウム溶液で調湿して、25℃、相対湿度75%の環境下で12時間(試験例2、6)又は24時間(試験例1、3、4、5)保存した。試験は1サンプルあたり5回実施し、保存後の状態を、前記表4に示す基準で5段階に分類したときの平均点を、吸湿性の点数とした。
試験例1〜5は、風味、澱粉臭、吸湿性の評価の各点数から平均値を求め、総合評価とした。試験例6は、湯戻し時の復元性、風味、澱粉臭、吸湿性の評価の各点数から平均値を求め、総合評価とした。
市販の100%りんご果汁1000gに、実施例3、7又は比較例1、3の澱粉分解物200g、水500gを添加混合した。これをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して、粉末果汁を調製した。調製した粉末果汁50gを水150gで溶解したものの風味、及び粉末果汁の吸湿性を評価した。結果を表6に示す。
市販のこいくち醤油1000gに、実施例2、4、6又は比較例4、5の澱粉分解物300gを添加混合した。これをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して、粉末醤油を調製した。調製した粉末醤油50gを水100gで溶解したものの風味、及び粉末醤油の吸湿性を評価した。結果を表7に示す。
水1000gを鍋に入れ、ガスコンロで加熱して沸騰させた後、火を止め、これに市販の鰹節30gを入れ、2分間静置した。これを、ガーゼを用いてろ過した後、さらにNo.5Cのろ紙でろ過した。この液700gに対し、実施例5、7、8又は比較例1、5の澱粉分解物300gを加えて60℃で加温しながら溶解した。これをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して、粉末鰹出汁を調製した。調製した粉末鰹出汁50gを熱湯150gで溶解したものの風味、及び粉末鰹出汁の吸湿性を評価した。結果を表8に示す。
鶏がら500gと水1000gを鍋に入れ、強火で加熱させ、沸騰後、灰汁取りを行い、荒く切った玉ねぎ、ニンジン、セロリを各1個鍋に加え、煮込んだ後、再度灰汁取りを行った。ローリエ1枚と胡椒1gを加えた後、弱火で2時間煮込んだ。これを、ガーゼを用いてろ過した後、さらにNo.5Cのろ紙でろ過した。この液700gに対し、実施例4、7又は比較例4の澱粉分解物300gを加えて60℃で加温しながら溶解した。これをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して、粉末ブイヨンスープを調製した。調製した粉末ブイヨンスープ60gを熱湯140gで溶解したものの風味、及び粉末ブイヨンスープの吸湿性を評価した。結果を表9に示す。
水600gに、実施例1、6、8又は比較例2、5の澱粉分解物200g、アラビアガム100gを、60℃で加温しながら添加混合した。冷却後、市販のペパーミントオイル100gを添加して、高圧ホモジナイザーで乳化させた。これをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して、粉末香料を調製した。調製した粉末香料1gを、粉糖100gに添加して十分に撹拌・混合したものの風味、及び粉末香料の吸湿性を評価した。結果を表10に示す。
市販のだし入り味噌200gに、実施例3、4又は比較例2、3の澱粉分解物25g、水275gを添加混合した。この液50gを、湯掻いた刻みネギ10g、刻み油揚げ10gと共に型に移し、−20℃で十分に凍結させた。これを常法により凍結乾燥してフリーズドライ味噌汁を調製した。調製したフリーズドライ味噌汁を熱湯200gに溶解させ、湯戻し時の復元性、溶解したものの風味、及びフリーズドライ味噌汁の吸湿性を評価した。
Claims (6)
- DP1〜2の含有量(質量%)x、及び、分子量1500〜14000の含有量(質量%)yが、下記(1)及び(2)を満たす澱粉分解物を賦形剤及び/又は結着剤として含有する乾燥食品。
(1)x≦3.0
(2)5.0≦y≦25.0 - 前記澱粉分解物は、分子量80000〜900000の含有量(質量%)zが、下記(3)を満たす請求項1に記載の乾燥食品。
(3)z≦−2.2x+9.8 - 前記xが、下記(1’)を満たす請求項1又は2に記載の乾燥食品。
(1’)1.0≦x≦2.5 - 前記yが、下記(2’)を満たす請求項1から3のいずれか一項に記載の乾燥食品。
(2’)5.0≦y≦23.0 - 前記zが、下記(3’)を満たす請求項2から4のいずれか一項に記載の乾燥食品。
(3’)z≦−1.3x+6.2 - 調味料、植物エキス、動物エキス、香料、スープ、飲料のいずれか一つ以上の乾燥物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の乾燥食品。
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