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JP6486212B2 - エバポレータおよびこれを用いた車両用空調装置 - Google Patents

エバポレータおよびこれを用いた車両用空調装置 Download PDF

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JP6486212B2 JP2015118191A JP2015118191A JP6486212B2 JP 6486212 B2 JP6486212 B2 JP 6486212B2 JP 2015118191 A JP2015118191 A JP 2015118191A JP 2015118191 A JP2015118191 A JP 2015118191A JP 6486212 B2 JP6486212 B2 JP 6486212B2
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Description

この発明は、エバポレータおよびこれを用いた車両用空調装置に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、図1〜図3の上下、左右を上下、左右というものとし、図1に矢印Xで示す方向を通風方向というものとする。
車両用空調装置として、空気導入口、空気送出口、および空気導入口と空気送出口とを通じさせる空気通路を有するケーシングと、ケーシングの空気通路内に配置されたエバポレータと、ケーシングの空気導入口を通してケーシングの空気通路内に空気を送り込む送風機とを備えており、ケーシングの空気通路が、空気導入口と空気送出口との中間部に設けられかつエバポレータを配置する第1部分、空気導入口に通じるとともに第1部分よりも空気導入口側に設けられた第2部分、および空気送出口に通じるとともに第1部分よりも空気送出口側に設けられた第3部分を有し、第1部分および第3部分における空気流れ方向が同一であるとともに、第2部分における空気流れ方向と、第1部分および第3部分における空気流れ方向とが直角をなしているものが知られている(特許文献1参照)。エバポレータは、圧縮機、冷媒冷却器としてのコンデンサおよび減圧器としての膨張弁とともに冷凍サイクルを構成している。
特許文献1記載の車両用空調装置のケーシングの空気通路の第2部分においては、空気導入口側では風速が低く、空気導入口から遠ざかるにつれて風速が高くなる傾向にあるので、第1部分に配置されたエバポレータを通過する空気の風速も、空気導入口側では低く、空気導入口から遠ざかるにつれて高くなり、エバポレータの幅方向において風速バランスがばらつく。したがって、風速が低い部分ではエバポレータを通過してきた空気の温度である吐気温が低くなるとともに、風速が高い部分では吐気温が高くなり、その結果吐気温がばらつくという問題がある。
このような問題を解決するために、長手方向を上下方向に向けた状態で通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換チューブからなり、かつ通風方向に並んだ第1チューブ列および第2チューブ列と、第1チューブ列の熱交換チューブの長手方向両端側に長手方向を熱交換チューブの並び方向に向けて配置され、かつ第1チューブ列の全熱交換チューブが接続された第1ヘッダ部および第2ヘッダ部と、第2チューブ列の熱交換チューブの長手方向両端側に長手方向を熱交換チューブの並び方向に向けて配置され、かつ第2チューブ列の全熱交換チューブが接続された第3ヘッダ部および第4ヘッダ部とを備えており、第1ヘッダ部と第3ヘッダ部、および第2ヘッダ部と第4ヘッダ部とが通風方向に並んで設けられ、第1ヘッダ部の一端部に冷媒入口が設けられるとともに、第3ヘッダ部における冷媒入口と同一端部に冷媒出口が設けられ、第1チューブ列および第2チューブ列に、それぞれ連続して並んだ複数の熱交換チューブからなり、かつ冷媒が熱交換チューブ内を上から下に流れる下降流チューブ群と、複数の熱交換チューブからなり、かつ冷媒が下から上に流れる上昇流チューブ群とが交互に設けられ、冷媒入口から流入した冷媒が、すべてのチューブ群の熱交換チューブを通過して冷媒出口から流出するようになされ、風下側チューブ列の冷媒入口から最も遠い位置にある最遠チューブ群および風上側チューブ列の冷媒出口から最も遠い位置にある最遠チューブ群がいずれも下降流チューブ群であるとともに、通風方向に並んだ両最遠チューブ群により1つの熱交換パスが構成されており、第1および第3ヘッダ部に、両チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画が設けられ、当該両区画が相互に通じさせられているエバポレータが提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2記載のエバポレータにおいては、両チューブ列の最遠チューブ群からなる1つの熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過する空気が最も冷やされるので、特許文献2記載のエバポレータを、特許文献1記載の車両用空調装置におけるケーシングの空気通路の第1部分に、両チューブ列の最遠チューブ群からなる熱交換パスが空気導入口とは反対側に位置するように配置することが考えられている。
しかしながら、特許文献2記載のエバポレータを、上述したように特許文献1記載の車両用空調装置のケーシングの第1部分に配置した場合、コンデンサを通過するとともにエバポレータに送り込まれる冷媒を減圧する膨張弁は、ケーシングの外側における送風機側の部分に配置しなければならず、膨張弁とケーシングの空気通路の第1部分との距離が大きくなり、ケーシング、送風機および膨張弁が占めるスペースが大きくなるという問題がある。
また、特許文献2記載のエバポレータを、特許文献1記載の車両用空調装置におけるケーシングの空気通路の第1部分に、両チューブ列の最遠チューブ群からなる熱交換パスが空気導入口とは反対側に位置するように配置することも考えられるが、この場合、風速が低い空気導入口側に最も冷えやすい部分が来るので、両チューブ列の最遠チューブ群からなる熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過する空気の温度は一層低くなる。これとは逆に、冷媒出口側の最終熱交換パスには冷媒が過熱状態となるスーパーヒート領域が生じ、最終熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度は高くなるが、最終熱交換パスが風速が高い最も冷えにくい部分に来るので、最終熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度は一層高くなる。したがって、エバポレータを通過した空気の温度である吐気温のばらつきが一層顕著になる。しかも、スーパーヒート領域が生じている最終熱交換パスが、風速が高い最も冷えにくい部分に来るので、圧縮機のオフ時には、風上側チューブ列の最遠チューブ群の隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度は短時間で上昇し、当該空気により風下側チューブ列の最遠チューブ群の熱交換チューブ内に残存していた液相冷媒も暖められて短時間で蒸発する。したがって、最終熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度が短時間で上昇することになり、圧縮機のオフ時とオン時とでは、エバポレータを通過した空気の温度である吐気温の温度差が顕著になる。
特開2002−144848号公報 特開2009−156532号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、エバポレータを通過してきた空気の温度である吐気温を均一化した上で、車両用空調装置が占めるスペースを小さくしうるエバポレータおよびこれを用いた車両用空調装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)長手方向を上下方向に向けた状態で通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換チューブからなり、かつ通風方向に並んだ第1チューブ列および第2チューブ列と、第1チューブ列の熱交換チューブの長手方向両端側に長手方向を熱交換チューブの並び方向に向けて配置され、かつ第1チューブ列の全熱交換チューブが接続された第1ヘッダ部および第2ヘッダ部と、第2チューブ列の熱交換チューブの長手方向両端側に長手方向を熱交換チューブの並び方向に向けて配置され、かつ第2チューブ列の全熱交換チューブが接続された第3ヘッダ部および第4ヘッダ部とを備えており、第1ヘッダ部と第3ヘッダ部、および第2ヘッダ部と第4ヘッダ部とが通風方向に並んで設けられ、第1ヘッダ部の一端部に冷媒入口が設けられるとともに、第3ヘッダ部における冷媒入口と同一端部に冷媒出口が設けられ、第1チューブ列および第2チューブ列に、それぞれ連続して並んだ複数の熱交換チューブからなり、かつ冷媒が熱交換チューブ内を上から下に流れる下降流チューブ群と、複数の熱交換チューブからなり、かつ冷媒が下から上に流れる上昇流チューブ群とが交互に設けられているエバポレータであって、
第1チューブ列の冷媒入口に最も近い最近チューブ群の熱交換チューブの冷媒流れ方向と、第2チューブ列の冷媒出口に最も近い最近チューブ群の熱交換チューブの冷媒流れ方向とが同じであり、第1ヘッダ部および第3ヘッダ部に、両チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が設けられるとともに両区画が通じさせられ、第3ヘッダ部に、第2チューブ列における最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第1ヘッダ部における第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が入口区画となるとともに、冷媒入口が入口区画に通じさせられ、第3ヘッダ部における第2チューブ列の最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が出口区画になるとともに、冷媒出口が出口区画に通じさせられ、
両チューブ列の最近チューブ群により1つの入口端熱交換パスが構成され、第2チューブ列における最近チューブ群に隣接するチューブ群により出口端熱交換パスが構成され、両チューブ列の残りのチューブ群により当該チューブ群と同数の中間熱交換パスが構成され、冷媒入口から入口区画に流入した冷媒が、入口端熱交換パス、すべての中間熱交換パスおよび出口端熱交換パスを順次流れて出口区画に入り、冷媒出口から流出するようになされているエバポレータ。
2)入口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数が、各中間熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数、および出口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数よりも少なくなっている上記1)記載のエバポレータ。
3)第2ヘッダ部に、第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部および当該最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画が設けられ、第4ヘッダ部に、第2チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第2ヘッダ部における第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部および当該最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画と、第4ヘッダ部における第2チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画とが通じさせられている上記1)または2)記載のエバポレータ。
4)第1チューブ列のチューブ群の数が3以上の奇数であるとともに、第2チューブ列のチューブ群の数が第1チューブ列のチューブ群の数よりも1つ少ない数であり、第1チューブ列の冷媒入口から最も遠い最遠チューブ群の冷媒流れ方向が、第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向と同じであり、第2チューブ列の冷媒出口から最も遠い最遠チューブ群の冷媒流れ方向が、第2チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向と逆向きであり、第2ヘッダ部に第1チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第4ヘッダ部に第2チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が設けられ、第2ヘッダ部における第1チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部が通じる区画と、第4ヘッダ部における第2チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画とが通じている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
5)第1および第3ヘッダ部が、第2および第4ヘッダ部の上方に配置されており、入口端熱交換パスを構成する第1および第2チューブ列の最近チューブ群が下降流チューブ群であり、出口端熱交換パスを構成する第2チューブ列のチューブ群が上昇流チューブ群である上記4)記載のエバポレータ。
6)第1チューブ列に、第1〜第3の3つのチューブ群が、冷媒入口側端部から他端部に向かって順番に並んで設けられ、第2チューブ列に第4および第5の2つのチューブ群が冷媒出口側端部から他端部に向かって順番に並んで設けられている上記4)または5)記載のエバポレータ。
7)空気導入口、空気送出口、および空気導入口と空気送出口とを通じさせる空気通路を有するケーシングと、ケーシングの空気通路内に配置されたエバポレータと、エバポレータに送り込まれる冷媒を減圧する膨張弁と、ケーシングの空気導入口を通してケーシングの空気通路内に空気を送り込む送風機とを備えており、ケーシングの空気通路が、空気導入口と空気送出口との中間部に設けられかつエバポレータを配置する第1部分、空気導入口に通じるとともに第1部分よりも空気導入口側に設けられた第2部分、および空気送出口に通じるとともに第1部分よりも空気送出口側に設けられた第3部分を有し、第1部分および第3部分における空気流れ方向が同一であり、第2部分における空気流れ方向と、第1部分および第3部分における空気流れ方向とが異なっているとともに一定の角度をなしている車両用空調装置において、
上記1)〜6)のうちのいずれかに記載されたエバポレータが、各ヘッダ部の長手方向が、空気通路の第1部分での空気の流れ方向と直角をなす方向を向き、かつ冷媒入口および冷媒出口が、空気導入口とは反対側に位置するように配置され、膨張弁が、ケーシングの外側でかつ空気導入口とは反対側の位置に配置されている車両用空調装置。
8)ケーシングの空気通路の第2部分における空気流れ方向と、第1部分および第3部分における空気流れ方向とが直角をなしており、ケーシングの空気通路の第2部分の流路面積が、空気導入口から遠ざかるに連れて小さくなっている上記7)記載のエバポレータ。
上記1)〜6)のエバポレータによれば、第1チューブ列の冷媒入口に最も近い最近チューブ群の熱交換チューブの冷媒流れ方向と、第2チューブ列の冷媒出口に最も近い最近チューブ群の熱交換チューブの冷媒流れ方向とが同じであり、第1ヘッダ部および第3ヘッダ部に、両チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が設けられるとともに両区画が通じさせられ、第3ヘッダ部に、第2チューブ列における最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第1ヘッダ部における第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が入口区画となるとともに、冷媒入口が入口区画に通じさせられ、第3ヘッダ部における第2チューブ列の最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が出口区画になるとともに、冷媒出口が出口区画に通じさせられ、両チューブ列の最近チューブ群により1つの入口端熱交換パスが構成され、第2チューブ列における最近チューブ群に隣接するチューブ群により出口端熱交換パスが構成され、両チューブ列の残りのチューブ群により当該チューブ群と同数の中間熱交換パスが構成され、冷媒入口から入口区画に流入した冷媒が、入口端熱交換パス、すべての中間熱交換パスおよび出口端熱交換パスを順次流れて出口区画に入り、冷媒出口から流出するようになされているので、冷媒入口および冷媒出口側に設けられ、かつ両チューブ列の最近チューブ群により構成された入口端熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過する空気が最も冷やされる。したがって、上記1)〜6)のエバポレータを、特許文献1記載の車両用空調装置におけるケーシングの空気通路の第1部分に、両チューブ列の最近チューブ群からなる入口端熱交換パスが空気導入口とは反対側に位置するように配置することによって、エバポレータを通過する空気の風速が最も高くかつ空気が冷やされにくい部分に、最も冷やされやすい入口端熱交換パスを位置させ、さらにエバポレータを通過する風速が最も低くかつ空気が冷やされやすい部分に、スーパーヒート領域が生じて最も冷やされにくい出口端熱交換パスを位置させることができる。その結果、エバポレータを通過した吐気温を、エバポレータの幅方向に均一化することができる。
しかも、風速が高い最も冷えにくい部分に、液相冷媒が多く流れかつ最も冷やされやすい入口端熱交換パスが位置しているので、圧縮機のオフ時にも、風上側のチューブ列の最近チューブ群の隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度が上昇しにくくなり、風下側のチューブ列の最近チューブ群に流れ込む空気の温度は比較的長時間にわたって低いままである。したがって、入口端熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度は短時間で上昇することはなく、圧縮機のオフ時とオン時でのエバポレータを通過した空気の温度である吐気温の温度差は比較的小さくなる。
さらに、上記1)〜6)のエバポレータを、特許文献1記載の車両用空調装置におけるケーシングの空気通路の第1部分に、両チューブ列の最近チューブ群からなる入口端熱交換パスが空気導入口とは反対側に位置するように配置すると、冷媒を減圧する膨張弁を、ケーシングの外側における送風機とは反対側の部分に配置することができ、ケーシングの空気通路の第1部分と、送風機との距離を比較的小さくすることが可能になる。したがって、ケーシング、送風機および膨張弁が占めるスペースが、特許文献2記載のエバポレータを用いた場合に比べて小さくなる。
上記2)のエバポレータによれば、次の効果を奏する。すなわち、特許文献2記載のエバポレータにおいては、両チューブ列の最遠チューブ群においては、風上側チューブ列に比較的高温の空気が当たるので、風上側チューブ列のチューブ群の熱交換チューブ内の液相冷媒の蒸発が促進され、当該チューブ群の熱交換チューブの内圧が高くなって冷媒が流れにくくなる傾向にあり、圧縮機のオフ時には、最終熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度が短時間で上昇することになり、圧縮機のオフ時とオン時とでは、エバポレータを通過した空気の温度である吐気温の温度差が顕著になる。しかしながら、上記2)のエバポレータによれば、2つのチューブ列の最近チューブ群からなる入口端熱交換パスには多くの液相冷媒が流れるので、風上側チューブ列の最近チューブ群の熱交換チューブ内のすべての液相冷媒が蒸発することはなく、当該最近チューブ群の熱交換チューブの内圧の上昇が抑制されて冷媒が流れやすくなる。そして、入口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数が、各中間熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数、および出口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数よりも少なくなっていると、入口端熱交換パスの各熱交換チューブあたりの液相冷媒の量が多くなるので、風上側チューブ列の最近チューブ群の熱交換チューブ内の液相冷媒の蒸発が効果的に抑制され、風下側のチューブ列の最近チューブ群に流れ込む空気の温度は比較的長時間にわたって低いままである。したがって、入口端熱交換パスの隣り合う熱交換チューブ間の通風間隙を通過してきた空気の温度は短時間で上昇することはなく、圧縮機のオフ時とオン時でのエバポレータを通過した空気の温度である吐気温の温度差は比較的小さくなる。
上記7)および8)の車両用空調装置によれば、上記1)〜6)のエバポレータが、各ヘッダ部の長手方向が、空気通路の第1部分での空気の流れ方向と直角をなす方向を向き、かつ冷媒入口および冷媒出口が、空気導入口とは反対側に位置するように配置され、膨張弁が、ケーシングの外側でかつ空気導入口とは反対側の位置に配置されているので、エバポレータを通過する空気の風速が最も高くかつ空気が冷やされにくい部分に、最も冷やされやすい入口端熱交換パスが位置し、さらにエバポレータを通過する風速が最も低くかつ空気が冷やされやすい部分に、スーパーヒート領域が生じて最も冷やされにくい出口端熱交換パスが位置している。したがって、エバポレータを通過した吐気温を、エバポレータの幅方向に均一化することができる。
しかも、ケーシングの空気通路の第1部分と、送風機との距離を比較的小さくすることが可能になって、ケーシング、送風機および膨張弁が占めるスペースが、特許文献2記載のエバポレータを用いた場合に比べて小さくなる。
この発明のエバポレータを示す一部を省略した斜視図である。 一部を省略した図1のA−A線拡大断面図である。 一部を省略した図1のB−B線拡大断面図である。 図1のエバポレータを用いた車両用空調装置を概略的に示す水平断面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
図1〜図3はこの発明のエバポレータの構成を示し、図4はこの発明のエバポレータを用いた車両用空調装置を概略的に示す。
図1〜図3において、エバポレータ(1)は、幅方向を図1に矢印Xで示す通風方向に向けるとともに長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向(通風方向と直角をなす方向)に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製熱交換チューブ(2)からなる風下側チューブ列(3)(第1チューブ列)および風上側チューブ列(4)(第2チューブ列)と、風下側チューブ列(3)の熱交換チューブ(2)の上下両端側に(長手方向両端側)に長手方向を左右方向(熱交換チューブ(2)の並び方向)に向けて配置され、かつ風下側チューブ列(3)の全熱交換チューブ(2)が接続されたアルミニウム製風下側上ヘッダ部(5)(第1ヘッダ部)およびアルミニウム製風下側下ヘッダ部(6)(第2ヘッダ部)と、風上側チューブ列(4)の熱交換チューブ(2)の上下両端側に長手方向を左右方向に向けて配置され、かつ風上側チューブ列(4)の全熱交換チューブ(2)が接続されたアルミニウム製風上側上ヘッダ部(7)(第3ヘッダ部)および風上側下ヘッダ部(8)(第4ヘッダ部)とを備えており、風下側上ヘッダ部(5)と風上側上ヘッダ部(7)、および風下側下ヘッダ部(6)と風上側下ヘッダ部(8)とが通風方向に並んで設けられている。風下側上ヘッダ部(5)の右端部に冷媒入口(9)が設けられるとともに、風上側上ヘッダ部(7)の右端部に冷媒出口(11)が設けられている。なお、風下側チューブ列(3)の熱交換チューブ(2)の数と風上側チューブ列(4)の熱交換チューブ(2)の数とは等しくなっている。
両チューブ列(3)(4)の隣接する熱交換チューブ(2)どうしの間の通風間隙(12)および左右両端の熱交換チューブ(2)の外側に、それぞれ両チューブ列(3)(4)の熱交換チューブ(2)に跨って共有されるようにアルミニウム製コルゲートフィン(13)が配置されて両熱交換チューブ(2)にろう付され、左右両端のコルゲートフィン(13)の外側にそれぞれアルミニウム製サイドプレート(14)が配置されてコルゲートフィン(13)にろう付されている。左右両端の熱交換チューブ(2)とサイドプレート(14)との間も通風間隙(12)となっている。両チューブ列(3)(4)の隣接する熱交換チューブ(2)どうしの間の通風間隙(12)を通過した空気は、車両用空調装置が搭載されている車両の車室内に送り込まれる。
風下側チューブ列(3)に、連続して並んだ複数の熱交換チューブ(2)からなる3以上の奇数、ここでは3つチューブ群(15)(16)(17)が、冷媒入口(9)側端部(右端部)から他端部側(左端部)に向かって並んで設けられ、風上側チューブ列(4)に、連続して並んだ複数の熱交換チューブ(2)からなりかつ風下側チューブ列(3)のチューブ群(15)(16)(17)よりも1つ少ない数、ここでは2つのチューブ群(18)(19)が、冷媒出口(11)側端部(右端部)から他端部(左端部)に向かって並んで設けられている。以下、風下側チューブ列(3)の3つのチューブ群(15)(16)(17)を冷媒入口(9)側端部(右端部)から他端部(左端部)に向かって第1〜第3チューブ群といい、風上側チューブ列(4)の2つのチューブ群(18)(19)を冷媒出口(11)側端部から左端部に向かって第4および第5チューブ群というものとする。第1チューブ群(15)が、風下側チューブ列(3)における冷媒入口(9)に最も近い位置にある最近チューブ群であり、第3チューブ群(17)が、風下側チューブ列(3)における冷媒入口(9)から最も遠い位置にある最遠チューブ群である。また、第4チューブ群(18)が、風上側チューブ列(4)における冷媒出口(11)に最も近い位置にある最近チューブ群であり、第5チューブ群(19)が、冷媒出口(11)から最も遠い位置にある最遠チューブ群であると同時に、最近チューブ群に隣接するチューブ群である。第1チューブ群(15)と第4チューブ群(18)を構成する熱交換チューブ(2)の数は等しく、両チューブ群(15)(18)の左右方向の幅は同一である。第2および第3チューブ群(16)(17)を構成する熱交換チューブ(2)の合計数は第5チューブ群(19)を構成する熱交換チューブ(2)と同数であり、第2および第3チューブ群(16)(17)の左右方向の合計幅は、第5チューブ群(19)(21)の左右方向の幅と同一である。
風下側上ヘッダ部(5)と風上側上ヘッダ部(7)、および風下側下ヘッダ部(6)と風上側下ヘッダ部(8)とは、たとえば1つのタンク(21)(22)内を左右方向にのびる仕切部(21a)(22a)により通風方向に2つの空間に分割することにより設けられている。
風下側上ヘッダ部(5)内が分割部(23)により2つの区画(24)(25)に分割されることによって、風下側上ヘッダ部(5)に、冷媒入口(9)に通じるとともに、第1チューブ群(15)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(24)と、第2および第3チューブ群(16)(17)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(25)とが設けられ、風下側下ヘッダ部(6)内が分割部(26)により2つの区画(27)(28)に分割されることによって、風下側下ヘッダ部(6)に、第1および第2チューブ群(15)(16)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(27)と、第3チューブ群(17)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(28)とが設けられている。また、風上側上ヘッダ部(6)内が分割部(29)により2つの区画(31)(32)に分割されることによって、風上側上ヘッダ部(7)に、第4チューブ群(18)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(31)と、冷媒出口(11)に通じるとともに、第5チューブ群(19)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(32)とが設けられ、風上側下ヘッダ部(8)内が分割部(33)により2つの区画(34)(35)に分割されることによって、風上側下ヘッダ部(8)に、第4チューブ群(18)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(34)と、第5チューブ群(19)の下端部が通じる区画(35)とが設けられている。
以下、風下側上ヘッダ部(5)の冷媒入口(9)に通じるとともに第1チューブ群(15)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(24)を第1区画、風上側上ヘッダ部(7)の第4チューブ群(18)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(31)を第2区画、風下側下ヘッダ部(5)の第1および第2チューブ群(15)(16)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(27)を第3区画、風上側下ヘッダ部(8)の第4チューブ群(18)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(34)を第4区画、風下側上ヘッダ部(5)の第2および第3チューブ群(16)(17)の熱交換チューブ(2)の上端部が通じる区画(25)を第5区画、風下側下ヘッダ部(6)の第3チューブ群(17)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(28)を第6区画、風上側下ヘッダ部(8)の第5チューブ群(19)の熱交換チューブ(2)の下端部が通じる区画(35)を第7区画、風上側上ヘッダ部(7)の冷媒出口(11)に通じるとともに、第5チューブ群(19)の上端部が通じる区画(32)を第8区画というものとする。
第1区画(24)と第2区画(31)は、上側タンク(21)内を風下側上ヘッダ部(5)と風上側上ヘッダ部(7)とに分割する仕切部(21a)に設けられた連通部(36)により通じさせられ、第3区画(27)と第4区画(34)、および第6区画(28)と第7区画(35)は、それぞれ下側タンク(22)内を風下側下ヘッダ部(6)と風下側下ヘッダ部(8)とに分割する仕切部(22a)に設けられた連通部(37)(38)により通じさせられている。
上述のようにして冷媒入口(9)、冷媒出口(11)、第1〜第5チューブ群(15)(16)(17)(18)(19)、第1〜第8区画(24)(31)(27)(34)(25)(28)(35)(32)、および連通部(36)(37)(38)が設けられることによって、冷媒は、風下側チューブ列(3)の最近チューブ群である第1チューブ群(15)、風下側チューブ列(3)の最遠チューブ群である第3チューブ群(17)および風上側チューブ列(4)の最近チューブ群である第4チューブ群(18)の熱交換チューブ(2)内を上から下に流れることになり、これらのチューブ群(15)(17)(18)が下降流チューブ群となっている。また、冷媒は、第2チューブ群(16)および第5チューブ群(19)の熱交換チューブ(2)内を下から上に流れることになり、これらのチューブ群(16)(19)が上昇流チューブ群となっている。風下側チューブ列(3)の第1チューブ群(15)(最近チューブ群)、および風上側チューブ列(4)の第4チューブ群(18)(最近チューブ群)の熱交換チューブ(2)における冷媒の流れ方向は同一方向である。また、第1区画(24)が、第1チューブ群(15)の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる入口区画となるとともに、冷媒入口(9)が当該入口区画に通じさせられ、第5チューブ群(19)(最近チューブ群である第4チューブ群(18)に隣接するチューブ群)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる第8区画(32)が出口区画になるとともに、冷媒出口(11)が当該出口区画に通じさせられている。
したがって、冷媒入口(9)から流入した冷媒は、次のように2つの経路を流れて冷媒出口(11)から流出するようになされている。第1の経路は、第1区画(24)、第1チューブ群(15)、第3区画(27)、第2チューブ群(16)、第5区画(25)、第3チューブ群(17)、第6区画(28)、第7区画(35)、第5チューブ群(19)および第8区画(32)であり、第2の経路は、第1区画(24)、第2区画(31)、第4チューブ群(18)、第4区画(34)、第3区画(27)、第2チューブ群(16)、第5区画(25)、第3チューブ群(17)、第6区画(28)、第7区画(35)、第5チューブ群(19)および第8区画(32)である。そして、両チューブ列(3)(4)の最近チューブ群である第1チューブ群(15)および第4チューブ群(18)により1つの入口端熱交換パスが構成され、風上側チューブ列(4)の最近チューブ群に隣接する第5チューブ群(19)により出口端熱交換パスが構成され、残りの第2および第3チューブ群(16)(17)によりそれぞれ1つの中間熱交換パスが構成されている。第1チューブ群(15)および第4チューブ群(18)よりなる入口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブ(2)の数は、各中間熱交換パスに含まれる熱交換チューブ(2)の数、および出口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブ(2)の数よりも少なくなっている。
上述したエバポレータ(1)は、圧縮機、冷媒冷却器としてのコンデンサおよび減圧器としての膨張弁とともに冷凍サイクルを構成し、図4に示すような車両用空調装置として車両、たとえば自動車に搭載される。
図4において、車両用空調装置(40)は、空気導入口(42)、空気送出口(43)、および空気導入口(42)と空気送出口(43)とを通じさせる空気通路(44)を有する合成樹脂製ケーシング(41)と、ケーシング(41)の空気通路(44)内に配置されたエバポレータ(1)と、コンデンサ(図示略)で冷却された冷媒を減圧する膨張弁(45)と、ケーシング(41)の空気導入口(42)を通してケーシング(41)の空気通路(44)内に空気を送り込む送風機(46)とを備えている。
ケーシング(41)の空気通路(44)は、空気導入口(42)と空気送出口(43)との中間部に設けられかつエバポレータ(1)を配置する第1部分(44a)、空気導入口(42)に通じるとともに第1部分(44a)よりも空気導入口(42)側に設けられた第2部分(44b)、および空気送出口(43)に通じるとともに第1部分(44a)よりも空気送出口(43)側に設けられた第3部分(44c)を有している。空気通路(44)の第1部分(44a)および第3部分(44c)における空気流れ方向は同一であり、第2部分(44b)における空気流れ方向と、第1部分(44a)および第3部分(44c)における空気流れ方向とが異なっているとともに一定の角度、ここでは直角をなしている。また、ケーシング(41)の空気通路(44)の第2部分(44b)の流路面積は、空気導入口(42)から遠ざかるに連れて小さくなっている。
エバポレータ(1)は、各ヘッダ部(5)(6)(7)(8)の長手方向が、空気通路(44)の第1部分(44a)での空気の流れ方向と直角をなす方向を向き、かつ冷媒入口(9)および冷媒出口(11)が空気導入口(42)とは反対側に位置するように、空気通路(44)の第1部分(44a)に配置されている。膨張弁(45)は、ケーシング(41)の外側における空気導入口(42)とは反対側に位置するように取り付けられている。すなわち、エバポレータ(1)は、第1チューブ群(15)および第4チューブ群(18)により構成され、かつ隣り合う熱交換チューブ(2)間の通風間隙(12)を通過する空気が最も冷やされる入口端熱交換パスが、空気導入口(42)とは反対側に位置するように、空気通路(44)の第1部分(44a)に配置されている。
車両用空調装置(40)の稼働時には、圧縮機(図示略)、コンデンサおよび膨張弁(45)を通過した冷媒が、上述した2つの経路を通って、冷媒入口(9)から流入するとともに冷媒出口(11)から流出し、冷媒が風下側チューブ列(3)の熱交換チューブ(2)内、および風上側チューブ列(4)の熱交換チューブ(2)内を流れる間に、隣り合う熱交換チューブ(3)どうしの間の通風間隙(12)を通過する空気と熱交換をし、空気は冷却され、冷媒は気相となって流出する。
エバポレータ(1)は、エバポレータ(1)を通過する空気の風速が高くかつ空気が冷やされにくい部分に、第1チューブ群(15)および第4チューブ群(18)により構成され、かつ隣り合う熱交換チューブ(2)間の通風間隙(12)を通過する空気が最も冷やされる入口端熱交換パスが位置し、さらにエバポレータ(1)を通過する風速が低くかつ空気が冷やされやすい部分に、第5チューブ群(19)により構成され、かつスーパーヒート領域が生じて隣り合う熱交換チューブ(2)間の通風間隙(12)を通過する空気が最も冷やされにくいスーパーヒート領域が生じて最も冷やされにくい出口端熱交換パスが位置するように配置されている。したがって、エバポレータ(1)を通過した吐気温を、エバポレータ(1)の幅方向(図4の左右方向)に均一化することができる。
また、圧縮機のオフ時にも、風上側チューブ列(4)の第4チューブ群(18)の隣り合う熱交換チューブ(2)間の通風間隙(12)を通過してきた空気の温度が上昇しにくくなり、風下側チューブ列(3)の第1チューブ群(15)に流れ込む空気の温度は比較的長時間にわたって低いままに維持される。しかも、入口端熱交換パスを構成する第1および第4チューブ群(15)(18)の各熱交換チューブ(2)あたりの液相冷媒の量が多くなることによっても、第4チューブ群(18)の熱交換チューブ(2)内の液相冷媒の蒸発が効果的に抑制され、第1チューブ群(15)に流れ込む空気の温度は比較的長時間にわたって低いままに維持される。したがって、り、入口端熱交換パスを構成する第1および第4チューブ群(15)(18)の隣り合う熱交換チューブ(2)間の通風間隙(12)を通過してきた空気の温度は短時間で上昇することはなく、圧縮機のオフ時とオン時でのエバポレータ(1)を通過した空気の温度である吐気温の温度差は比較的小さくなる。
上述した実施形態においては、エバポレータ(1)の風下側上ヘッダ部(5)が第1ヘッダ部、風下側下ヘッダ部(6)が第2ヘッダ部となり、風上側上ヘッダ部(7)が第3ヘッダ部となり、風上側下ヘッダ部(8)が第4ヘッダ部となっているが、これとは逆に、風下側下ヘッダ部(6)が第1ヘッダ部、風下側上ヘッダ部(5)が第2ヘッダ部となり、風上側下ヘッダ部(8)が第3ヘッダ部となり、風上側上ヘッダ部(7)が第4ヘッダ部となっており、かつ風下側下ヘッダ部(6)の一端に冷媒入口(9)が設けられるとともに、風上側下ヘッダ部(8)の一端に冷媒出口(11)が設けられていてもよい。
この発明によるエバポレータは、車両用空調装置を構成する冷凍サイクルに好適に用いられる。
(1):エバポレータ
(2):熱交換チューブ
(3):風下側チューブ列(第1チューブ列)
(4):風上側チューブ列(第2チューブ列)
(5):風下側上ヘッダ部(第1ヘッダ部)
(6):風下側下ヘッダ部(第2ヘッダ部)
(7):風下側上ヘッダ部(第3ヘッダ部)
(8):風上側下ヘッダ部(第4ヘッダ部)
(9):冷媒入口
(11):冷媒出口
(15):第1チューブ群(風下側チューブ列の最近チューブ群)
(16):第2チューブ群
(17):第3チューブ群(風下側チューブ列の最遠チューブ群)
(18):第4チューブ群(風上側チューブ列の最近チューブ群)
(19):第5チューブ群(風上側チューブ列の最遠チューブ群)
(24):第1区画(入口区画)
(25)(27)(28)(31)(34)(35):区画
(32):第8区画(出口区画)
(40):車両用空調装置
(41):ケーシング
(42):空気導入口
(43):空気送出口
(44):空気通路
(44a):第1部分
(44b):第2部分
(44c):第3部分
(45):膨張弁

Claims (8)

  1. 長手方向を上下方向に向けた状態で通風方向と直角をなす方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換チューブからなり、かつ通風方向に並んだ第1チューブ列および第2チューブ列と、第1チューブ列の熱交換チューブの長手方向両端側に長手方向を熱交換チューブの並び方向に向けて配置され、かつ第1チューブ列の全熱交換チューブが接続された第1ヘッダ部および第2ヘッダ部と、第2チューブ列の熱交換チューブの長手方向両端側に長手方向を熱交換チューブの並び方向に向けて配置され、かつ第2チューブ列の全熱交換チューブが接続された第3ヘッダ部および第4ヘッダ部とを備えており、第1ヘッダ部と第3ヘッダ部、および第2ヘッダ部と第4ヘッダ部とが通風方向に並んで設けられ、第1ヘッダ部の一端部に冷媒入口が設けられるとともに、第3ヘッダ部における冷媒入口と同一端部に冷媒出口が設けられ、第1チューブ列および第2チューブ列に、それぞれ連続して並んだ複数の熱交換チューブからなり、かつ冷媒が熱交換チューブ内を上から下に流れる下降流チューブ群と、複数の熱交換チューブからなり、かつ冷媒が下から上に流れる上昇流チューブ群とが交互に設けられているエバポレータであって、
    第1チューブ列の冷媒入口に最も近い最近チューブ群の熱交換チューブの冷媒流れ方向と、第2チューブ列の冷媒出口に最も近い最近チューブ群の熱交換チューブの冷媒流れ方向とが同じであり、第1ヘッダ部および第3ヘッダ部に、両チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が設けられるとともに両区画が通じさせられ、第3ヘッダ部に、第2チューブ列における最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第1ヘッダ部における第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が入口区画となるとともに、冷媒入口が入口区画に通じさせられ、第3ヘッダ部における第2チューブ列の最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が出口区画になるとともに、冷媒出口が出口区画に通じさせられ、
    両チューブ列の最近チューブ群により1つの入口端熱交換パスが構成され、第2チューブ列における最近チューブ群に隣接するチューブ群により出口端熱交換パスが構成され、両チューブ列の残りのチューブ群により当該チューブ群と同数の中間熱交換パスが構成され、冷媒入口から入口区画に流入した冷媒が、入口端熱交換パス、すべての中間熱交換パスおよび出口端熱交換パスを順次流れて出口区画に入り、冷媒出口から流出するようになされているエバポレータ。
  2. 入口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数が、各中間熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数、および出口端熱交換パスに含まれる熱交換チューブの数よりも少なくなっている請求項1記載のエバポレータ。
  3. 第2ヘッダ部に、第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部および当該最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画が設けられ、第4ヘッダ部に、第2チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第2ヘッダ部における第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部および当該最近チューブ群に隣接するチューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画と、第4ヘッダ部における第2チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画とが通じさせられている請求項1または2記載のエバポレータ。
  4. 第1チューブ列のチューブ群の数が3以上の奇数であるとともに、第2チューブ列のチューブ群の数が第1チューブ列のチューブ群の数よりも1つ少ない数であり、第1チューブ列の冷媒入口から最も遠い最遠チューブ群の冷媒流れ方向が、第1チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向と同じであり、第2チューブ列の冷媒出口から最も遠い最遠チューブ群の冷媒流れ方向が、第2チューブ列の最近チューブ群の冷媒流れ方向と逆向きであり、第2ヘッダ部に第1チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部のみが通じる区画が設けられ、第4ヘッダ部に第2チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部のみが通じる区画が設けられ、第2ヘッダ部における第1チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向下流側端部が通じる区画と、第4ヘッダ部における第2チューブ列の最遠チューブ群の冷媒流れ方向上流側端部が通じる区画とが通じている請求項1〜3のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  5. 第1および第3ヘッダ部が、第2および第4ヘッダ部の上方に配置されており、入口端熱交換パスを構成する第1および第2チューブ列の最近チューブ群が下降流チューブ群であり、出口端熱交換パスを構成する第2チューブ列のチューブ群が上昇流チューブ群である請求項4記載のエバポレータ。
  6. 第1チューブ列に、第1〜第3の3つのチューブ群が、冷媒入口側端部から他端部に向かって順番に並んで設けられ、第2チューブ列に第4および第5の2つのチューブ群が冷媒出口側端部から他端部に向かって順番に並んで設けられている請求項4または5記載のエバポレータ。
  7. 空気導入口、空気送出口、および空気導入口と空気送出口とを通じさせる空気通路を有するケーシングと、ケーシングの空気通路内に配置されたエバポレータと、エバポレータに送り込まれる冷媒を減圧する膨張弁と、ケーシングの空気導入口を通してケーシングの空気通路内に空気を送り込む送風機とを備えており、ケーシングの空気通路が、空気導入口と空気送出口との中間部に設けられかつエバポレータを配置する第1部分、空気導入口に通じるとともに第1部分よりも空気導入口側に設けられた第2部分、および空気送出口に通じるとともに第1部分よりも空気送出口側に設けられた第3部分を有し、第1部分および第3部分における空気流れ方向が同一であり、第2部分における空気流れ方向と、第1部分および第3部分における空気流れ方向とが異なっているとともに一定の角度をなしている車両用空調装置において、
    請求項1〜6のうちのいずれかに記載されたエバポレータが、各ヘッダ部の長手方向が、空気通路の第1部分での空気の流れ方向と直角をなす方向を向き、かつ冷媒入口および冷媒出口が、空気導入口とは反対側に位置するように配置され、膨張弁が、ケーシングの外側でかつ空気導入口とは反対側の位置に配置されている車両用空調装置。
  8. ケーシングの空気通路の第2部分における空気流れ方向と、第1部分および第3部分における空気流れ方向とが直角をなしており、ケーシングの空気通路の第2部分の流路面積が、空気導入口から遠ざかるに連れて小さくなっている請求項7記載のエバポレータ。
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