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JP6467762B2 - 配糖化スチルベノイド化合物の製造方法 - Google Patents

配糖化スチルベノイド化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、配糖化スチルベノイド化合物の製造方法に関する。
水酸基を有する化合物にグルコースを結合させる手段として、Koenigs-Knorrグルコシル化反応が知られている(非特許文献1)。
上記の反応は、触媒として炭酸銀等のソフトルイス酸を用いる反応である。具体的には、グルコースの1つの水酸基をハロゲンによって修飾し、残る全ての水酸基にアセチル化等の処理(いわゆる保護化)を施すことによって得られるグルコース誘導体と、水酸基を有する化合物とを、上記ソフトルイス酸の存在下で接触させる反応である。
また、上記のKoenigs-Knorrグルコシル化反応の変法として、前記ハロゲンとしてフッ素を用い、触媒としてソフトルイス酸に替えてハードルイス酸を用いる方法も存在する(非特許文献2)。
これらの反応にて得られるグルコシル化された化合物は、グルコース分子中の水酸基が保護されているので、これを脱保護工程に供する必要はあるものの、全体として製造ステップが少ないので、水酸基を有する化合物にグルコースを付加する反応としては極めて有用である。
Koenigs-Knorrグルコシル化反応又はその変法によると、触媒として用いるルイス酸によって、グルコース誘導体上にオキソニウムカチオンを含む化学構造が形成される。その後、このカチオンが水酸基を有する化合物中の酸素原子による求核攻撃を受け、結果として該酸素原子を介したグルコース付加物が得られる。
レスベラトロール等に代表される水酸基を有するスチルベノイド化合物は植物由来であり、且つ、抗酸化作用等の効果を発揮することが知られ、多方面で注目を浴びている。しかしながら、スチルベノイド化合物は水溶性が低いため、水性組成物に溶解せずに沈殿してしまうという問題点がある。このため、スチルベノイド化合物を有効成分とする水性組成物の作製は困難である。
よって、上記のKoenigs-Knorrグルコシル化反応又はその変法を採用して、水酸基を有するスチルベノイド化合物にグルコース分子を付与することによって、この化合物の水溶性を向上させることが期待されている。
Koenigs, W.; Knorr, E. Ber. 1901, 34, 957. T. Mukaiyama,Y. Murai, S. Shoda, Chem Lett, 1981, 431
本発明者らの研究によれば、上記のKoenigs-Knorrグルコシル化反応又はその変法が適用できるのは、水酸基を有する化合物としてメタノール等の脂肪族アルコールを用いる場合に限られ、スチルベノイド化合物のようなフェノール性水酸基を有する化合物を用いると、グルコース付加反応が全く進行しないことが判明した。
この理由として、スチルベノイド化合物中に含まれる水酸基は、これがフェノール性水酸基であることに起因してその求核性が極めて弱くなり、結果として水酸基の酸素原子を介したグルコース付加物が得られないことが原因であると考えられる。
よって、本発明の課題は上記のKoenigs-Knorrグルコシル化反応を改良し、フェノール性水酸基を有するスチルベノイド化合物を配糖化すること、すなわち配糖化スチルベノイド化合物の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、非特許文献1又は2に記載されたKoenigs-Knorrグルコシル化反応又はその変法による、水酸基を有する化合物に対する配糖化方法において触媒として用いられているルイス酸に替えてルイス塩基を用いることにより、フェノール性水酸基を有するスチルベノイド化合物を配糖化することに成功した。
本発明は斯かる知見を基にして完成されたものであり、下記に示す態様の発明を広く包含するものである。
項1 下記式(1)
〔式中、nは、0〜5の整数である。
mは、0〜5の整数である。
n+mは1以上の整数である。
R1は、水酸基、アルコキシ基、又は
で示される糖残基である。
但し、R1の少なくとも1つは、式(2)で示される糖残基であるものとする。
n+mが2以上の整数である場合、R1は同一又は異なる基であってもよい。〕
で表される配糖化スチルベノイド化合物の製造方法であって、
下記式(3)
[式中、n及びmは、上記に同じである。
R2は、水酸基又はアルコキシ基である。
但し、R2の少なくとも1つは、水酸基を示すものとする。
n+mが2以上の整数である場合、R2は同一又は異なる基であってもよい。]
で表される水酸基含有スチルベノイド化合物と、
下記式(4)
[式中、Xは、ハロゲン原子である。
R3は、同一又は異なって、水酸基の保護基である。]
で表されるピラノヘキソース誘導体とを、ルイス塩基及び脱水剤の存在下で反応させる工程を有する製造方法。
項2 前記水酸基含有スチルベノイド化合物が、レスベラトロール、ピセアタンノール、オキシレスベラトロール、ラポンチゲニン、イソラポンチゲニン、プテロスチルベン、グネトール、ピノシルビン及びピノスチルベンからなる群より選択される少なくとも一種である、項1に記載する製造方法。
項3 前記水酸基の保護基が、アセチル基、リン酸基、アミノ基、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、べンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基及びtert-ブチルジフェニルシリル基からなる群より選択される少なくとも一種である、項1又は項2に記載する製造方法。
項4 ルイス塩基が、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム及び水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種である、項1〜項3の何れか1項に記載する製造方法。
本発明の製造方法によると、フェノール性水酸基を有するスチルべノイド化合物に対するピラノヘキソース誘導体の付加反応を効率よく行うことができる。すなわち、効率のよい配糖化スチルベノイド化合物の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法によって得られる配糖化スチルべノイド化合物は、原料となるピラノヘキソース誘導体上に設けられる水酸基の保護基を脱保護工程に供する必要がないので、より省ステップの製造方法を提供することができる。
実施例1(プテロスチルベンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 比較例1(プテロスチルベンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 実施例2(プテロスチルベンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 実施例3(ラポンチゲニンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 実施例4(イソラポンチゲニンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 実施例5(ピセアタンノールの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 実施例6(レスベラトロールの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 実施例7(ピノスチルベンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 比較例2(プテロスチルベンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 比較例3(ラポンチゲニンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 比較例4(イソラポンチゲニンの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 比較例5(ピセアタンノールの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 比較例6(レスベラトロールの配糖化)で得られた化合物をHPLCに供した結果を示す図。図中のグラフ縦軸は302nmの波長で測定したピーク強度を示し、横軸は保持時間(分)を示す。
本発明は、下記式(1)
〔式中、n、m、及びR1は、前記に同じ。〕
で表される配糖化スチルベノイド化合物は、下記式(3)
〔式中、n、m、及びR2は、前記に同じ。〕
で表される水酸基含有スチルベノイド化合物と、
下記式(4)
〔式中、X及びR3は、前記に同じ。〕
で表されるピラノヘキソース誘導体とを、ルイス塩基の存在下、好ましくはルイス塩基と脱水剤の存在下で反応させることによる製造方法である。
上記の式(1)で表される化合物のR1で定義されるアルコキシ基は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。例えば、C1〜4アルコキシ基を挙げることができる。上記するC1〜4アルコキシ基として、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。中でもエトキシ基又はメトキシ基が好ましく、メトキシ基が最も好ましい。
式(1)で表される化合物におけるR1の少なくとも1つは、式(2)にて表される糖酸基である。この態様の配糖化スチルベノイド化合物における、当該糖残基の立体配座は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。例えば、α-アノマーとすることもでき、β-アノマーとすることもできる。好ましくはβ-アノマーである。
式(2)で表される糖残基は、D体であってもL体であってよく、特に限定はされない。好ましくはD体である。
式(2)で表される糖残基は、ピラノヘキソースの1位の水酸基の水素原子が除かれた基であり、且つ、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。例えば、下記の式(5)〜式(12)で表されるアルドヘキソースに基づく糖残基を挙げることができる。
なお、式(5)はアロースに基づく糖残基を、式(6)はアルトロースに基づく糖残基を、式(7)はグルコースに基づく糖残基を、式(8)はマンノースに基づく糖残基を、式(9)はグロースに基づく糖残基を、式(10)はイドースに基づく糖残基を、式(11)はガラクトースに基づく糖残基を、そして式(12)はタロースに基づく糖残基を示す。
これらの糖残基の中でも、式(7)で表されるグルコースに基づく糖残基、式(8)で表されるマンノースに基づく糖残基、及び式(11)で表されるガラクトースに基づく糖残基が好ましく、式(7)で表されるグルコースに基づく糖残基及び式(11)で表されるガラクトースに基づく糖残基が最も好ましい。
式(3)で表される水酸基含有スチルベノイド化合物のR2のうち、少なくとも1つは水酸基である。本発明の製造方法によって、該水酸基の水素原子が式(2)で表される糖残基によって置換される。
なお、上記の式(3)で表される化合物が2以上の水酸基を含む場合、その全ての水酸基の水素原子が式(2)で表される糖残基によって置換されていてもよいし、また、2以上の水酸基の中の一部の水酸基の水素原子が、式(2)で表される糖残基によって置換される態様とすることもできる。
式(3)で表される水酸基含有スチルベノイド化合物は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。具体的には、レスベラトロール、ピセアタンノール、オキシレスベラトロール、ラポンチゲニン、イソラポンチゲニン、プテロスチルベン、グネトール、ピノシルビン、又はピノスチルベン等の水酸基含有スチルベノイド化合物を挙げることができる。中でも、レスベラトロール、ピセアタンノール、オキシレスベラトロール、ピノスチルベン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン及びイソラポンチゲニンが好ましく、プテロスチルベンが最も好ましい。
以上より、式(3)で表される水酸基含有スチルベノイド化合物を適宜選択することにより、式(1)で表される配糖化スチルベノイド化合物を製造することができる。
なお、式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体は、上記の式(2)で表される糖残基と関連して決定することができる。具体的には、アルドヘキソースに基づくピラノヘキソース誘導体が好ましく、下記の式(13)〜(20)に示すピラノヘキソース誘導体を挙げることができる。
なお、式(13)はアロースに基づくピラノヘキソース誘導体を、式(14)はアルトロースに基づくピラノヘキソース誘導体を、式(15)はグルコースに基づくピラノヘキソース誘導体を、式(16)はマンノースに基づくピラノヘキソース誘導体を、式(17)はグロースに基づくピラノヘキソース誘導体を、式(18)はイドースに基づくピラノヘキソース誘導体を、式(19)はガラクトースに基づくピラノヘキソース誘導体を、そして式(20)はタロースに基づくピラノヘキソース誘導体を示す。
式(4)及び式(13)〜式(20)で表されるピラノヘキソース誘導体におけるR3は、水酸基の保護基である。このような水酸基の保護基は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。例えば、アセチル基、リン酸基、アミノ基、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、2-テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、べンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基等を挙げることができる。
このような水酸基の保護基の中でも、アセチル基、リン酸基、アミノ基及びメチル基が好ましく、特にアセチル基が好ましい。
式(4)及び式(13)〜式(20)で表されるピラノヘキソース誘導体におけるR3は、同一であっても異なっていてもよい。製造の簡便さの観点から、全て同一とすることが好ましい。すなわち、式(4)及び式(13)〜式(20)で表されるピラノヘキソース誘導体におけるR3は、全てアセチル基とすることが最も好ましい。
式(4)及び式(13)〜式(20)で表されるピラノヘキソース誘導体におけるXは、ハロゲン原子である。ハロゲン原子は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアスタチン原子が挙げられる。上記のハロゲン原子の中でも、フッ素原子はその脱離性能の低さから好ましくなく、その他のハロゲン原子の中でも取り扱いの容易さから、塩素原子及び臭素原子が好ましい。最も好ましいハロゲン原子は臭素原子である。なお、式(4)及び式(13)〜式(20)で表されるピラノヘキソース化合物におけるXの結合態様は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。たとえば、α-アノマーとすることもでき、β-アノマーとすることもできる。
ルイス塩基とは、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物等を挙げることができる。上記のアルカリ金属又はアルカリ土類金属としてリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等を挙げることもできる。
以上に鑑みて、ルイス塩基として、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、及び水酸化カルシウム等を挙げることができる。このようなルイス塩基は、一種又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記のルイス塩基の中でも、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、及び水酸化カリウムが好ましく、水酸化カリウムが特に好ましい。
本発明の製造方法において、式(3)で表される水酸基含有スチルべノイド化合物及び式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体を、ルイス塩基の存在下、好ましくはルイス塩基及び脱水剤の存在下にて反応させる工程にて用いる溶媒は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。通常は、C1〜4の低級アルコールを使用することができ、中でもエタノールを使用することが好ましい。特に、無水エタノールを使用することがより好ましい。
本発明の製造方法において、式(3)で表される水酸基含有スチルべノイド化合物、式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体、及びルイス塩基の使用割合は、本発明の効果を発揮する範囲に限って、特に限定されない。
具体的には、式(3)で表される水酸基含有スチルべノイド化合物の1モルに対して、通常、式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体の使用量を1〜3モル程度、好ましくは、2〜3モル程度とすることができ、ルイス塩基の使用量を2〜4モル程度、好ましくは2〜3モル程度とすることができる。
本発明の製造方法において、式(3)で表される水酸基含有スチルべノイド化合物及び式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体を、ルイス塩基の存在下にて反応させる工程は、所定の温度及び所定の気圧の環境下で反応させることができる。
上記の所定の反応温度は、本発明の効果を奏する範囲に限り、特に限定されない。通常は、10℃〜40℃程度の室温下で反応させることができる。上記の所定の反応圧力は特に限定されない。通常は、大気圧下(1013hPa程度)で反応させることができる。
本発明の製造方法において、式(3)で表される水酸基含有スチルべノイド化合物及び式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体を、ルイス塩基の存在下にて反応させる工程は、好ましくは脱水剤の存在下で実施することもできる。脱水剤の存在下にて上記の反応工程を行うことによって、本発明の製造方法にかかる反応時間を短縮させることができる。
具体的な脱水剤は特に限定されない。例えば、酸化アルミニウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、無水硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、無水硫酸マグネシウム、酸化リン(V)、シリカゲル、無水硫酸ナトリウム、硫酸、塩化亜鉛、結晶性ゼオライト等を挙げることができる。中でも、結晶性ゼオライトが好ましく、特に結晶性ゼオライトの一種であるモレキュラーシーブ(3A、4A、5A、又は13X)がより好ましい。
モレキュラーシーブ3Aとは、K12[(AlO2)12(SiO2)12]・27H2Oの化学式で表される化合物である。モレキュラーシーブ4Aとは、Na12[(AlO2)12(SiO2)12]・27H2Oの化学式で表される化合物である。モレキュラーシーブ5Aとは、Ca12[(AlO2)12(SiO2)12]・27H2Oの化学式で表される化合物である。モレキュラーシーブ13Xとは、Na86[(AlO2)86(SiO2)10]・276H2Oの化学式で表される化合物である。これらの各種モレキュラーシーブの中でも、モレキュラーシーブ4Aが本発明の製造方法において用いる脱水剤として最も好ましい。
本発明の製造方法において、上記する脱水剤の使用量は、本発明の効果を発揮する範囲に限って、特に限定されない。具体的には、本発明の製造方法における反応系内にて発生する水分子を除去できる使用量とすることができる。
本発明の製造方法によって、式(4)及び式(13)〜式(20)で表されるピラノヘキソース誘導体におけるR3の水酸基の保護基が脱保護された配糖化スチルベノイド化合物を得ることができる。
このように、本発明の製造方法によると、式(3)で表される水酸基含有スチルべノイド化合物及び式(4)で表されるピラノヘキソース誘導体を、ルイス塩基の存在下、好ましくはルイス塩基及び脱水剤の存在下にて反応させる工程のみで、上記する水酸基を脱保護する工程を別途に設けることなく、配糖化スチルべノイド化合物が得られるという効果を奏する。
本発明の製造方法によって得られる上記の配糖化スチルベノイド化合物は、公知の方法を用いることによって精製することができる。
以下に、本発明をより詳細に説明するための実施例を示す。なお、本発明が以下に示す実施例に限定されないのは言うまでもない。
<参考例1>
テトラ-O-アセチル-α-D-グルコシルブロマイド(TAGluB)の製造
後述する実施例及び比較例にて用いるTAGluBを作製した。20gのペンタ-O-アセチル-α-D-グルコピラノースと、100gの臭化水素酢酸溶液(25%)とを量り取り、これらを混合して、その後遮光下の室温にて3時間撹拌した。
反応生成物を酢酸エチルにて抽出し、この抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いた中和、飽和食塩水を用いた塩析、及び硫酸マグネシウムを用いた乾燥を順次行って、TAGluBを製造した。
<参考例2>
テトラ-O-アセチル-α-D-ガラクトシルブロマイド(TAGalB)の製造
下記の実験にて用いるTAGalBを作製した。20gのペンタ-O-アセチル-α-D-ガラクトピラノースと、100gの臭化水素酢酸溶液(25%)とを量り取り、これらを混合して、その後遮光下の室温にて3時間撹拌した。
反応生成物を酢酸エチルにて抽出し、この抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いた中和、飽和食塩水を用いた塩析、及び硫酸マグネシウムを用いた乾燥を順次行って、TAGalBを製造した。
<実施例1>
プテロスチルベンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、プテロスチルベン、上記のTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:3となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した。この結果を図1に示す。
HPLCの条件を下記に示す。
使用カラム…CrestPak C18S
展開液 …アセトニトリル:水=35:65(v/v)の溶液
流速 …1.0ml/分
測定温度 …40℃。
なお、HPLCの結果(チャート)は、全て310nmの波長にて検出したものを示す。
図1に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約36分付近の保持時間に配糖化前のプテロスチルベンに相当するピークと共に、約7分付近の保持時間にグルコース分子によって配糖化されたプテロスチルベンに相当するピークが観察された。
<比較例1>
プテロスチルベンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
10mLの乾燥エタノールに、プテロスチルベン、上記するTAGluB及び炭酸銀を、それぞれのモル比が1:3:4となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図2に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図2に示すように、ルイス塩基の塩である炭酸銀を触媒として用いても、グルコース分子によって配糖化されたプテロスチルベンの存在を示すピークがほとんど観察されないとの結果が明らかとなった。
<実施例2>
プテロスチルベンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:ガラクトース由来)
2mLの乾燥エタノールに、プテロスチルベン、上記するTAGalB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図3に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図3に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約34分付近の保持時間に配糖化前のプテロスチルベンに相当するピークと共に、約6分付近の保持時間にガラクトース分子によって配糖化されたプテロスチルベンに相当するピークが観察された。
<実施例3>
ラポンチゲニンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、ラポンチゲニン、上記するTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2(この時、三者の合計量は105mgである)となるように混合し、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図4に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図4に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約31分付近の保持時間に配糖化前のラポンチゲニンに相当するピークと共に、約15分付近及び約18分近くの保持時間にグルコース分子によって配糖化されたラポンチゲニンに相当するピークが観察された。
<実験例4>
イソラポンチゲニンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース)
2mLの乾燥エタノールに、イソラポンチゲニン、上記するTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図5に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図5に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約34分付近の保持時間に配糖化前のイソラポンチゲニンに相当するピークと共に、約7分付近及び約11分付近の保持時間にグルコース分子によって配糖化されたイソラポンチゲニンに相当するピークが観察された。
<実施例5>
ピセアタンノールの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース)
2mLの乾燥エタノールに、ピセアタンノール、上記するTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図6に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図6に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約27分〜約28分付近の保持時間に配糖化前のピセアタンノールに相当するピークと共に、約8分〜約9分付近の保持時間にグルコース分子によって配糖化されたピセアタンノールに相当するピークが観察された。
<実験例6>
レスベラトロールの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース)
2mLの乾燥エタノールに、レスベラトロール、上記するTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図7に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図7に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約31分〜約35分付近の保持時間に配糖化前のレスベラトロールに相当するピークと共に、約7分〜約8分付近及び約11分〜約12分付近の保持時間にグルコース分子によって配糖化されたレスベラトロールに相当するピークが観察された。
<実験例7>
ピノスチルベンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース)
2mLの乾燥エタノールに、ピノスチルベン、上記するTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、これに反応系内にて発生する水分子を除去するのに十分な量である5mgのモレキュラーシーブ4Aを配合し、遮光下で24時間反応させた。
このようにして得られた反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図8に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図8に示すように、ルイス塩基である水酸化カリウムを触媒として用いることにより、約45分付近の保持時間に示す配糖化前のピノスチルベンに相当するピークと共に、約12分〜約13分付近及び約15分〜16分付近の保持時間にグルコース分子によって配糖化されたピノスチルベンに相当するピークが観察された。
<比較例2>
プテロスチルベンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、プテロスチルベン、上記のTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、脱水剤に相当するモレキュラーシーブ4Aを配合せず、遮光下で24時間反応させた。
反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図9に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図9より明らかなように、脱水剤を使用する上記実施例1とも2とも異なって、脱水剤を使用しない場合では単一のピークしか観察されなかった。よって、脱水剤を含まない条件では、プテロスチルベンの配糖化は24時間の反応時間では達成されない事が明らかとなった。
<比較例3>
ラポンチゲニンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、ラポンチゲニン、上記のTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、脱水剤に相当するモレキュラーシーブ4Aを配合せず、遮光下で24時間反応させた。
反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図10に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図10より明らかなように、脱水剤を使用する上記実施例3とは異なって、脱水剤を使用しない場合では単一のピークしか観察されなかった。よって、反応系内に脱水剤を含まない場合、24時間の反応時間ではラポンチゲニンの配糖化は達成されない事が明らかとなった。
<比較例4>
イソラポンチゲニンの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、イソラポンチゲニン、上記のTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、脱水剤に相当するモレキュラーシーブ4Aを配合せず、遮光下で24時間反応させた。
反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図11に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図11より明らかなように、脱水剤を使用する上記実施例4とは異なって、脱水剤を使用しない場合では単一のピークしか観察されなかった。よって、反応系内に脱水剤を含まない場合、24時間の反応時間ではイソラポンチゲニンの配糖化は達成されない事が明らかとなった。
<比較例5>
ピセアタンノールの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、ピセアタンノール、上記のTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、脱水剤に相当するモレキュラーシーブ4Aを配合せず、遮光下で24時間反応させた。
反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図12に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図12より明らかなように、脱水剤を使用する上記実施例5とは異なって、脱水剤を使用しない場合では単一のピークしか観察されなかった。よって、反応系内に脱水剤を含まない場合、24時間の反応時間ではピセアタンノールの配糖化は達成されない事が明らかとなった。
<比較例6>
レスベラトロールの配糖化(触媒:ルイス塩基;糖誘導体:グルコース由来)
2mLの乾燥エタノールに、レスベラトロール、上記のTAGluB及び水酸化カリウムを、それぞれのモル比が1:1:2となるように混合し(この時、三者の合計量は105mgである)、脱水剤に相当するモレキュラーシーブ4Aを含まない遮光下で、24時間反応させた。
反応物を蒸留水に溶解させ、これを酢酸エチルを用いて分配抽出を行い、その水相画分をさらにn-ブタノールによる分配抽出に供した。ここで得られた酢酸エチル画分をHPLCに供した結果を図13に示す。なお、HPLCの条件は、上記の実施例1と同じである。
図13より明らかなように、脱水剤を使用する上記実施例6とは異なって、脱水剤を使用しない場合では単一のピークしか観察されなかった。よって、反応系内に脱水剤を含まない場合、24時間の反応時間ではレスベラトロールの配糖化は達成されない事が明らかとなった。

Claims (3)

  1. 下記式(1)
    〔式中、nは、0〜5の整数である。
    mは、0〜5の整数である。
    n+mは1以上の整数である。
    R1は、水酸基、アルコキシ基、又は
    で示される糖残基である。
    但し、R1の少なくとも1つは、式(2)で示される糖残基であるものとする。
    n+mが2以上の整数である場合、R1は同一又は異なる基であってもよい。〕
    で表される配糖化スチルベノイド化合物の製造方法であって、
    下記式(3)
    〔式中、n及びmは、上記に同じである。
    R2は、水酸基又はアルコキシ基である。
    但し、R2の少なくとも1つは、水酸基を示すものとする。
    n+mが2以上の整数である場合、R2は同一又は異なる基であってもよい。〕
    で表される水酸基含有スチルベノイド化合物と、
    下記式(4)
    〔式中、Xは、ハロゲン原子である。
    3は、同一又は異なって、水酸基の保護基である。〕
    で表されるピラノヘキソース誘導体とを、水酸化カリウム及びNa 12 [(AlO 2 ) 12 (SiO 2 ) 12 ]・27H 2 Oの存在下で反応させる工程を有する製造方法。
  2. 前記水酸基含有スチルベノイド化合物が、レスベラトロール、ピセアタンノール、オキシレスベラトロール、ラポンチゲニン、イソラポンチゲニン、プテロスチルベン、グネトール、ピノシルビン、及びピノスチルベンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載する製造方法。
  3. 前記水酸基の保護基が、アセチル基、リン酸基、アミノ基、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、2-テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、べンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、及びtert-ブチルジフェニルシリル基からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載する製造方法。
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