JP5938834B2 - レスベラトロール類配糖体の製造方法 - Google Patents
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Description
レスベラトロールは、フェニルプロパノイド経路を経て生成されるp−ヒドロキシケイヒ酸CoAと3分子のマロニルCoAが縮合することにより閉環して形成されるスチルベノイドであり、ブドウの果皮やイタドリの根等に多く含まれている。
動物実験においては、ヒストン脱アセチル化酵素をコードするサーチュイン遺伝子(Sirtuin 1;SIRT1)を活性化することによって寿命を延長する作用を示すことが報告されたのにはじまり、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein Kinase;AMPK)の活性化を介した、より上位の代謝制御における作用についても広く研究が展開されている。また、疾患の予防や治療に関する知見も漸次得られており、レスベラトロールが、核内因子κB(Nuclear Factor kappa B;NF−κB)の阻害や、シクロオキシゲナーゼ2(Cyclooxigenase;COX−2)の阻害といった機序に基づいて抗がん作用や抗炎症作用を示すことや、2型糖尿病や肥満の改善効果をもたらすこと等が報告されている。
このように、レスベラトロールは多様な生理活性を有することから、日常の健康増進のための利用、或いは様々な疾患への臨床応用が期待されている物質である。
そのため、現在、こうした有用性が見込まれるレスベラトロールやレスベラトロール類縁体を配合した機能性食品や化粧品が多数製品化され、市場を拡大している。
しかしながら、レスベラトロール類は光や熱に対する安定性が低く植物中に含まれる量も僅かであるため、植物からの抽出は、取り扱いや生産効率の面で難点を抱えている。また、レスベラトロール類は水溶性に乏しい物質であるため、製品化する際の配合形態が制限されている他、経口摂取された際の体内吸収率が低いという問題がある。
そのため、レスベラトロール類配糖体は、糖と結合していないレスベラトロール類と比較して、食品や化粧品に配合するのにより適した形態であると一般に認識されている。
本発明において、レスベラトロール類化合物とは、レスベラトロール又はその類縁体の群から選ばれる1種の化合物をいい、一つの(E)−スチルベン骨格からなる単量体のスチルベノイドであって、スチルベン骨格中のいずれかの芳香環に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する、次の一般式(I)
で表わされる化合物をいう。
このようなレスベラトロール類化合物の具体的な例としては、トランス−レスベラトロール(5−[(E)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチニル]ベンゼン−1,3−ジオール)、トランス−プテロスチルベン(4−[(E)−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチニル]フェノール)、トランス−ピセアタンノール(4−[(E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エチニル]ベンゼン−1,2−ジオール)、トランス−ピノスチルベン(3−[(E)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチニル]−5−メトキシフェノール)、トランス−ピノシルビン(5−[(E)−2−フェニルエチニル]ベンゼン−1,3−ジオール)、トランス−ラポンチゲニン(5−[(E)−2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)エチニル]ベンゼン−1,3−ジオール)、トランス−イソラポンチゲニン(5−[(E)−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エチニル]ベンゼン−1,3−ジオール)等が挙げられる。
これらの中でもトランス−レスベラトロール、トランス−プテロスチルベン、又はトランス−ピセアタンノールが糖受容体として好ましく、トランス−レスベラトロールが特に好適な糖受容体となる。
レスベラトロール類化合物は、ブドウ、落花生、メリンジョ、イタドリやツルドクダミやルバーブ等のタデ科植物、クランベリーやブルーベリー等のスノキ属植物、オウシュウアカマツやストローブマツ等のマツ科植物等に多く含まれていることから、これらの植物の根、茎、葉、種子等の部位から抽出することができる。これらの中でも、比較的多量のレスベラトロール類が含まれるブドウの果皮や種子、或いはイタドリの根から抽出することが好ましい。また、レスベラトロール含有植物の加工品からレスベラトロール類化合物を分離することもでき、例えば、赤ブドウジュースや赤ワインのようなブドウ果皮の窄汁液を含む加工品からレスベラトロール類化合物の抽出を行ってもよい。
このような固形の植物組織から得られる粗抽出液は、必要に応じて遠心分離やろ過等の方法により固液分離することが好ましく、さらに、固液分離後に水や有機溶媒を用いて分液することが好ましい。
分離、精製されたレスベラトロール類化合物の検出方法としては、紫外線検出器等の光学検出器や質量分析器等の公知の手段を用いることができる。
検出するレスベラトロール類化合物の吸収極大波長としては、例えば、エタノール−水溶媒において、トランス−レスベラトロールについては306nm近傍の波長を用いることができる。また、プテロスチルベン、ピノシルビン等のレスベラトロールの類縁体については、レスベラトロ−ルと同様の波長領域を検出に用いることができる。
このようなオリゴ糖又は多糖を糖供与体とする場合は、加水分解された単糖が配糖化反応に供与されるように、オリゴ糖又は多糖を形成するグリコシド結合を加水分解する酵素を併用する、或いは、オリゴ糖又は多糖を酸処理等によって加水分解して用いることができる。
サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)を作用させて配糖化を行う場合には、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンの群から選ばれる少なくとも1種の糖供与体を用いることが好ましい。また、酵母を作用させて配糖化を行う場合には、酵母が資化できるオリゴ糖や多糖を用いることが好ましい。
糖受容体として用いるこれらの単糖、オリゴ糖及び多糖は、1種を単独で用いてよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この酵素が有するグルコシド結合加水分解活性としては、α−グルコシド結合加水分解活性及びβ−グルコシド結合加水分解活性のいずれでもよく、α−1,4結合、β−1,4結合、α−1,6結合、β−1,6結合等の任意のグルコシド結合に対する加水分解活性が挙げられるが、α−1,4結合又はβ−1,4結合に対する加水分解活性であることが好ましい。
一方で、この酵素が有するグルコシル基転移活性は、酵素が有するグルコシド結合加水分解活性に基づいて生成されるグルコシル基を、レスベラトロール類化合物に対して転移する活性である。したがって、保持型の反応機構のグルコシド結合加水分解活性を有する酵素であることが好ましい。
このような酵素を用いることにより、UDP非依存的な配糖化反応にしたがって、レスベラトロール類のグルコシドを得ることができ、特にβ−グルコシドを効率よく生成することができる。
グルコシド結合加水分解活性及びグルコシル基転移活性を有する酵素は、1種を単独で用いてよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的にはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)が産生する、反応至適pH6.0付近、反応至適温度35℃付近の酵素を用いることができ、例えば、市販の酵素製剤であるセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム株式会社製)に含まれるβ−グルコシダーゼを好適に用いることができる。
このような酵素としては、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)等の糸状菌が産生する、反応至適pH8.0付近、反応至適温度60℃付近の酵素を用いることができ、具体的には、市販の酵素製剤であるトランスグルコシダーゼL「アマノ」(天野エンザイム株式会社製)を好適に用いることができる。
このような酵素としては、具体的には、市販の酵素製剤であるコンチザイム(天野エンザイム株式会社製)を好適に用いることができる。
緩衝液としては、用いる酵素に応じて適宜の組成の緩衝液を用いることができるが、具体的には、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、クエン酸−リン酸緩衝液、HEPES緩衝液等を所定のpHとなるように用いることができる。
反応の温度条件、pH条件は、用いる酵素の性質に応じた範囲とすることができ、通常、15〜60℃の温度範囲、pH3.0〜8.0の範囲に設定される。
トランス体のレスベラトロール類化合物を糖受容体として用いる場合は、トランス体が、紫外線の作用によってシス体に異性化することを防ぐために、遮光条件下において配糖化反応を行うことが好ましい。
また、本実施形態で用いられるグルコシド結合加水分解活性及びグルコシル基転移活性を有する酵素による配糖化反応では、加水分解の逆反応である縮合反応が起こることが想定されるため、用いる糖供与体の濃度は高濃度となるように調整することが好ましい。
酵母が産生する保持型の反応機構を有するグルコシド結合加水分解酵素としては、α−グルコシド結合加水分解酵素及びβ−グルコシド結合加水分解酵素のいずれでもよく、α−1,4結合、β−1,4結合、α−1,6結合、β−1,6結合等の任意のグルコシド結合に対して加水分解活性を有する酵素が挙げられる。
用いる酵母は、グルコシル基転移活性活性を有する酵素と共に、オリゴ糖や多糖からなる糖供与体を分解する他の加水分解酵素を産生する酵母であることが好ましい。
このような酵母を用いることにより、レスベラトロール類のグルコシドを得ることができ、特にβ−グルコシドを効率よく生成することができる。
具体的には、市販のビール酵母である「ウィンザー(WINDSOR)」(LALLEMAND社製)や、ワイン酵母である「EC-1118」(LALVIN社製)や、「RC-212」(LALVIN社製)を用いることが好ましい。
このような酵母を用いることにより、レスベラトロール類のβ−配糖体を選択的に得ることができる。
酵母による配糖化反応は、好気的条件の下で、振とう又は撹拌して行うことが好ましい。
温度条件やpH条件は、用いる酵母の生育に適した条件とすればよいが、温度条件としては、通常、15〜40℃、好ましくは25〜30℃とし、pH条件としては、通常、pH2.0〜9.0、好ましくはpH3.0〜8.0程度に設定する。
また、配糖化反応は、糖受容体として用いるトランス体のレスベラトロール類化合物が、紫外線の作用によってシス体に異性化することを防ぐために、遮光条件下において行うことが好ましい。
配合には、さらに、乳糖、でん粉、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の賦形剤、シェラック、ミツロウ、ツェイン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のコーティング剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の滑沢剤、ゼラチン、ペクチン、メチルセルロース等の増粘剤、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム等の保存剤、ビタミンC、ビタミンE、カテキン類等の酸化防止剤、香料、着色料、甘味料等の一般に用いられる食品添加物や、その他の植物抽出成分やビタミン類やミネラル類等の栄養補助成分を配合して製剤化することができる。
配合する食品としては、肉類、魚介類、卵類、穀類、豆類、根菜、野菜、果物、山菜、海藻、種実類、ハーブ類、等の生鮮食品や、食肉製品、加工卵製品、水産加工品、野菜加工品、果実加工品、粉類、でん粉、麺類、パン類、乳製品、漬物、佃煮、乾物、練り製品、缶詰、冷凍食品、調理食品、食用油脂、調味料、香辛料、スープ、菓子類、茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、アルコール飲料等の加工食品を挙げることができ、飼料としては、家畜、家禽、養魚用の飼料やペットフードを挙げることができる。また、配合する化粧品としては、化粧水、乳液、ファンデーション、クリーム、洗顔料、口紅等の皮膚用、仕上用化粧品や、シャンプー、コンディショナー、整髪料、育毛剤等の頭髪用化粧品を挙げることができる。
このような医薬品や医薬部外品の投与方法は特に制限されるものでなく、医薬品や医薬部外品の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、ゼリー剤、吸入剤、ローション剤、軟膏剤、貼付剤、注射剤、輸液剤等を挙げることができ、これらの医薬品や医薬部外品は、その剤形に応じて慣用されている添加剤を加えて製剤化することができる。添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、分散剤、乳化剤、pH調節剤、等張化剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、着色剤、着香剤、矯味剤等を挙げることができる。
配糖化反応を行う酵素としてβ−グルコシダーゼを含む酵素製剤を用いて、レスベラトロールの配糖体化を行った。
糖受容体としては、トランス−レスベラトロールを用い、糖供与体としては、可溶性デンプン(ナカライテスク株式会社製)を用いた。
また、β−グルコシダーゼとしては、トリコデルマ・ビリデ由来の酵素製剤であるセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム株式会社製)をバルクで用いた。
次に、500mLの0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)を1000mLの三角フラスコに入れ、10gの可溶性デンプンを溶解させて反応液を調製した。
続いて、この反応液に、調製した30mLのレスベラトロール溶液を加え、さらに20gのβ−グルコシダーゼ酵素製剤を添加した。
その後、35℃で24時間、スターラーを用いて撹拌しながら酵素反応を進行させた。
酢酸エチルによる抽出は複数回行い、得られた酢酸エチル層を合わせた後、飽和食塩水を添加して撹拌することにより塩析を行い、水層を除いた。
続いて、酢酸エチル層に無水硫酸ナトリウムを添加して脱水し、硫酸ナトリウムをろ別して酢酸エチル抽出液を得た。
得られた酢酸エチル抽出液は、エバポレーターで減圧濃縮した後、エタノールに溶解して反応物試料とした。
次に、得られた反応物試料をシリンジフィルタを用いてろ過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC;high performance liquid chromatography)による解析に供した。
高速液体クロマトグラフとしては、LC−2000 plus(日本分光株式会社製)を用いた。カラムは、Crest Pak C18S(4.6mm i.d.×150mm、日本分光株式会社製)を用い、カラム温度は40℃とした。移動相としては、アセトニトリル:水=25:75の混合液をメンブレンフィルタを用いてろ過、脱気して用い、流量は1mL/minに設定した。
また、溶出後の試料の検出は、フォトダイオードアレイを用いて広波長域で行った。その結果、図1に示すHPLCクロマトグラムが得られた。
図1が示すとおり、保持時間1.6〜2.4min及び保持時間2.6〜3.4minに、配糖化反応により生じたレスベラトロール配糖体に相当する二つのピークが検出され、保持時間6.5〜7.2minに、未反応のレスベラトロールに相当するピークが検出されている。
これらのピーク面積から算出したレスベラトロールの配糖化の変換率は0.522%であった。
配糖化反応を行う酵素としてα−グルコシダーゼを含む酵素製剤を用いて、レスベラトロールの配糖体化を行った。
糖受容体としては、実施例1と同様に、トランス−レスベラトロールを用い、糖供与体としては、可溶性デンプン(ナカライテスク株式会社製)を用いた。
また、α−グルコシダーゼとしては、糸状菌由来の酵素製剤であるトランスグルコシダーゼL「アマノ」(天野エンザイム株式会社製)を用いた。
次に、500mLの0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)を1000mLの三角フラスコに入れ、10gの可溶性デンプンを溶解させて反応液を調製した。
続いて、この反応液に、調製した30mLのレスベラトロール溶液を加え、さらに5mlのα−グルコシダーゼ酵素製剤を添加した。
その後、35℃で24時間、スターラーを用いて撹拌しながら酵素反応を進行させた。
24時間の反応後、実施例1と同様に、酢酸エチル抽出を行い、エタノールに溶解された反応物試料を得た。
次に、実施例1においてと同様に、得られた反応物試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による解析に供した。その結果、図2に示すHPLCクロマトグラムが得られた。
図2が示すとおり、保持時間1.0〜2.2min及び保持時間2.2〜3.4minに、配糖化反応により生じたレスベラトロール配糖体に相当する二つのピークが検出され、保持時間5.6〜6.4minに、未反応のレスベラトロールに相当するピークが検出されている。
これらのピーク面積から算出したレスベラトロールの配糖化の変換率は0.355%であった。
配糖化反応を行う酵素としてCGTaseを含む酵素製剤を用いて、レスベラトロールの配糖体化を行った。
糖受容体としては、実施例1と同様に、トランス−レスベラトロールを用い、糖供与体としては、α−シクロデキストリンを用いた。
また、CGTaseとしては、酵素製剤であるコンチザイム(天野エンザイム株式会社製)を用いた。
次に、3.5mLの50mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.4)に、50mgのα−シクロデキストリンを溶解させて反応液を調製した。
続いて、この反応液に、調製したレスベラトロール溶液の全量を加え、さらに0.5mLのコンチザイム溶液(600U/mL)を添加した。
その後、55℃で24時間、スターラーを用いて撹拌しながら酵素反応を進行させた。
24時間の反応後、80℃に加温して酵素を失活させ、常温に戻して酢酸エチル抽出を行い、メタノールに溶解された反応物試料を得た。
次に、得られた反応物試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による解析に供した。また、レスベラトロール及び化学合成反応により配糖化したレスベラトロール配糖体を、反応物試料と同一の条件で高速液体クロマトグラフィーに供した。その結果、図3に示すHPLCクロマトグラムが得られた。
図3(a)に現れている保持時間7.0〜9.0minのピークは、レスベラトロール−4’−O−β−D−グルコシドを示し、保持時間12〜13minのピークは、レスベラトロール−3−O−β−D−グルコシドを示している。また、図3(b)に現れている保持時間36〜48minのピークは、レスベラトロールを示している。
反応物試料については、図3(c)が示すとおり、保持時間7.0〜9.0minに、配糖化反応により生じたレスベラトロール−4’−O−β−D−グルコシドに相当するピークが検出され、保持時間36〜48minに、未反応のレスベラトロールに相当するピークが検出されている。
これらのピーク面積から算出したレスベラトロールの配糖化の変換率は約1/500であった。
配糖化反応を行う酵素としてCGTaseを含む酵素製剤を用いて、プテロスチルベンの配糖体化を行った。
糖受容体としては、トランス−プテロスチルベンを用い、糖供与体としては、α−シクロデキストリンを用いた。
また、CGTaseとしては、酵素製剤であるコンチザイム(天野エンザイム株式会社製)を用いた。
次に、3.5mLの50mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.4)に、50mgのα−シクロデキストリンを溶解させて反応液を調製した。
続いて、この反応液に、調製したプテロスチルベン溶液の全量を加え、さらに0.5mLのコンチザイム溶液(600U/mL)を添加した。
その後、55℃で24時間、スターラーを用いて撹拌しながら酵素反応を進行させた。
24時間の反応後、80℃に加温して酵素を失活させ、常温に戻して酢酸エチル抽出を行い、メタノールに溶解された反応物試料を得た。
次に、得られた反応物試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による解析に供した。その結果、図4に示すHPLCクロマトグラムが得られた。
図4が示すとおり、保持時間8.0〜9.0minに、配糖化反応により生じたプテロスチルベン−4’−O−β−グルコシドに相当するピークが検出され、保持時間16〜22minに、未反応のプテロスチルベンに相当するピークが検出されている。
酵母が有する配糖化活性を利用して、レスベラトロールの配糖化を行った。
糖受容体としては、実施例1と同様に、トランス−レスベラトロールを用い、糖供与体としては、スクロース(三井製糖株式会社製)を用いた。
また、酵母としては、乾燥ビール酵母「ウィンザー(WINDSOR)」(LALLEMAND社製)を用いた。
また、500mLのバッフル付き三角フラスコに、100mLの蒸留水を入れ、3000gの乾燥ビール酵母を添加し、続いて、三角フラスコに綿栓を装着して、好気的条件の下、30℃で15分間振とう培養することによって、乾燥ビール酵母を復水させた。
次に、酵母を復水させたフラスコに、10gのスクロースと、調製した20mLのレスベラトロール溶液を加え、再度綿栓を装着した。
その後、好気的条件の下、30℃で48時間振とう培養した。
次に、得られた反応物試料をシリンジフィルタを用いてろ過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による解析に供した。
高速液体クロマトグラフとしては、LC−2000 plus(日本分光株式会社製)を用いた。カラムは、Crest Pak C18S(4.6mm i.d.×250mm、日本分光株式会社製)を用い、カラム温度は40℃とした。移動相としては、アセトニトリル:水=10:90の混合液をメンブレンフィルタを用いてろ過、脱気して用い、流量は0.5mL/minに設定した。なお、溶出後の試料の検出は、波長310nmで行った。
また、トランス−レスベラトロールをケーニッヒ・クノール法を用いた化学合成反応によって配糖化した反応物試料を別途調製し、同様にして高速液体クロマトグラフィーによる解析に供した。
その結果、図5に示すHPLCクロマトグラムがそれぞれ得られた。
確認された第1〜3ピークに相当する溶出液の画分をそれぞれ分取して減圧濃縮し、メタノール−d4に溶解してNMR解析試料とした。各試料には、化学シフトの内部基準として、テトラメチルシランを添加した。
続いて、これらの試料を、1Hおよび13C核磁気共鳴スペクトル分析に供し、得られたNMRスペクトルの帰属を行った。
また、レスベラトロール配糖体についての1H核磁気共鳴スペクトルにおいて帰属されたアノメリックプロトンのシグナルは、3G−RSVについては、δ4.88 (1H, d, J = 7.6 Hz)、4’G−RSVについては、δ4.80 (1H, d, J = 7.6 Hz)であった。
これらの数値を既知のデータと比較すると、低磁場側へのシフトがそれぞれ認められ、各レスベラトロール配糖体のグルコースの立体配置は、いずれもβ位であることが確認された。
以上の結果から、反応液試料中には、酵母によりレスベラトロールがグルコシル化されて、レスベラトロール−3−O−β−D−グルコシドと、レスベラトロール−4’−O−β−D−グルコシドが生成されていることが確認された。
高速液体クロマトグラフとしては、LC−2000 plus(日本分光株式会社製)を用いた。カラムは、Crest Pak C18S(4.6mm i.d.×250mm、日本分光株式会社製)を用い、カラム温度は40℃とした。移動相としては、アセトニトリル:水=10:90の混合液をメンブレンフィルタを用いてろ過、脱気して用い、流量は1mL/minに設定した。
また、溶出後の試料の検出は、波長310nmで行った。
得られたNMRスペクトルの帰属を行ったところ、未反応の各糖受容体に加えて、プテロスチルベンについては、D−グルコースで配糖化されたプテロスチルベン配糖体、ピセアタンノールについては、4’位がD−グルコースで配糖化されたピセアタンノール配糖体が生成されていることが確認された。
また、1H核磁気共鳴スペクトルにおいて帰属されたアノメリックプロトンのシグナルは、プテロスチルベン配糖体については、δ4.90 (1H, d, J = 7.6 Hz)であり、ピセアタンノール配糖体については、δ4.78 (1H, d, J = 7.6 Hz)であった。
いずれも低磁場側へのシフトが認められ、プテロスチルベン配糖体とピセアタンノール配糖体のグルコースの立体配置は、β位であることが確認された。
Claims (2)
- レスベラトロール類化合物と糖供与体とに、トリコデルマ属に属する微生物に由来し、グルコシド結合加水分解活性及びグルコシル基転移活性を有するβ−グルコシダーゼを作用させてレスベラトロール類化合物を配糖化する工程を含み、前記レスベラトロール類化合物のβ−配糖体を得ることを特徴とするレスベラトロール類配糖体の製造方法。
- レスベラトロール類化合物と糖供与体とに、グルコシル基転移活性を有するビール酵母又はワイン酵母を作用させてレスベラトロール類化合物を配糖化する工程を含み、前記レスベラトロール類化合物のβ−配糖体を得ることを特徴とするレスベラトロール類配糖体の製造方法。
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