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JP6431365B2 - タイヤ成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ成形用金型に関するものである。
タイヤを製造する際に用いられるタイヤ成形用金型において、タイヤの外表面を成形するタイヤ成形面に複数のベントホールが設けられている。このベントホールは、金型の内部と外部とを連通させるもので、タイヤ成形の際、タイヤの外表面とタイヤ成形面との間に位置する空気を金型外に排出することで、成形後のタイヤにゴムが充填されない成形不良部分ができることを防止する。
特許文献1に記載の金型では、ベントホールを形成するため、金型の本体を貫通して形成された下穴に、銅又はアルミニウムにより形成された筒状のベントピースが埋設されている。特許文献1の金型では、ベントピースが鉄系材料に比べて熱伝導率の高い材料で形成されている。このためタイヤ成形時には、金型内からベントホールに流入したゴムに熱を速やかに伝えることで加硫を促進し、ベントホール内にあるゴムの流動性を減少させることができる。よって、成形後にタイヤの表面から突出するベント(「ヒゲ」ともいう)が長くなり過ぎず、適切な長さで形成できる。
この特許文献1の金型では、タイヤ成形時に加えられたゴムの圧力により、下穴に対してベントピースが軸方向に位置ずれ(陥没)してしまうことを抑制するため、下穴の内径に対して大きい外径を有するベントピースを叩き込むことで嵌入していた。しかし、小径の下穴に相対的に大径のベントピースを叩き込むことから、この叩き込みの力によりベントピースが変形してしまうことがあった。ベントピースが変形すると、空気排出のためにベントピース内を軸方向に貫通する貫通穴(ベントピースが下穴に埋設された状態でベントホールとなる穴)に屈曲や絞り等の変形が生じ、タイヤ成形の際に形成されるベントが離型時に切れて長さが不揃いになったり、成形後にベントピースの前記貫通穴にドリル刃を通して清掃を行う際、ドリル刃が折れたりすることがあった。
特開2009−292012号公報
そこで本発明は、下穴に対してベントピースを叩き込む際にベントピースが変形しにくいタイヤ成形用金型を提供することを課題とする。
本発明は、タイヤの外表面を成形するタイヤ成形面に、成形の際タイヤの外表面と前記タイヤ成形面との間に位置する空気を金型外に排出する複数のベントホールを形成するための複数の下穴が設けられた金型本体と、該金型本体の各下穴に埋設され、貫通穴が軸方向に貫通したベントピースとを備えるタイヤ成形用金型において、前記下穴は、前記金型本体における内側部分に大径とされた大径部を有し、外側部分に前記大径部に対して小径とされた小径部を有し、前記大径部と小径部との境界に段差を有する穴であり、前記ベントピースは、前記金型本体の前記下穴が形成された部分よりも硬度が大きく、前記下穴に埋設された際に前記段差に一致する部分に、前記金型本体における外側に向かうにつれ小径となるテーパ部を有しており、前記ベントピースは、埋設状態で、前記下穴に対して固着され、かつ、前記小径部に前記テーパ部が接した状態とされることを特徴とするタイヤ成形用金型である。
この構成によれば、下穴にベントピースを、金型本体における内側から外側へ向かって叩き込むと、ベントピースのテーパ部によって下穴の段差が圧縮されることにより、下穴に対してベントピースを固着できる。そして、ベントピースの硬度が金型本体の硬度よりも大きいため、下穴にベントピースを挿入する際の叩き込みによってもベントピースが変形しにくい。しかも、埋設状態で下穴の小径部にベントピースのテーパ部が接した状態となるので、タイヤ成形時に加えられたゴムの圧力により、ベントピースが前記状態よりも金型本体における外側に位置ずれ(陥没)することを防止できる。このため、陥没防止のために過大にベントピース外径に対し下穴の内径を小さく設定しなくてもよいので、この点からもベントピースが変形しにくい。
また、前記ベントピースは、前記下穴に埋設された際に前記テーパ部の金型本体における内側に隣接する位置に、軸方向に一定径である円筒部を有し、前記円筒部の外径は、前記下穴の前記大径部の内径よりも大きく、前記円筒部は、前記下穴へ前記ベントピースを挿入する際に、前記大径部に圧入されることもできる。
この構成によれば、ベントピースの円筒部が大径部に圧入されることにより、前記テーパ部に加えて円筒部においてもベントピースを固着できるため、挿入後にベントピースが確実に固定され、ベントピースが下穴から抜けたり陥没したりすることを有効に抑制できる。
また、前記テーパ部の直径は、前記円筒部側である基端において1.3〜3.3mm、先端において0.7〜2.7mmであり、該テーパ部の傾斜は軸方向に対して1〜10°であるものとできる。
この構成によれば、ベントピースのテーパ部と下穴における段差とを適切な寸法関係とできる。このため、下穴へのベントピースの叩き込み易さと確実な固着とを両立できる。
また、前記ベントピースにおける前記貫通穴の内径は、0.2〜1.5mmであるものとできる。
この構成によれば、タイヤの表面に適切な太さのベントを形成できる。
た、前記ベントピースは、金型使用後に前記貫通穴へ付着した付着物を除去する際に用いられるドリル刃よりも硬度が大きいものとできる
この構成によれば、金型使用後の清掃の際、ドリル刃に貫通穴の内面が削られることなく、貫通穴へ付着した付着物を除去できる。
また、前記金型本体は、前記ベントピースが埋設された部分において前記貫通穴へ付着した付着物を除去する際に用いられるドリル刃よりも硬度が小さく、前記ベントピースは、前記ドリル刃よりも硬度が大きいものとできる。
この構成によれば、金型使用後の清掃の際、ドリル刃に貫通穴の内面が削られることなく、貫通穴へ付着した付着物を除去できる。
また、前記ベントピースはニッケルを含む金属製とできる。
この構成によれば、叩き込みによっても変形しにくいベントピースをニッケルという汎用材料で形成できる。
本発明は、下穴にベントピースを挿入する際の叩き込みによってもベントピースが変形しにくい。このため、下穴に対してベントピースを叩き込む際にベントピースが変形しにくいタイヤ成形用金型を提供できる。
本発明の一実施形態に係るタイヤ成形用金型を示す径方向視の断面図である。 本実施形態のタイヤ成形用金型におけるベントピースの縦断面図である。 本実施形態のタイヤ成形用金型において、下穴にベントピースを埋設した状態を示す縦断面図である。 性能評価に供した下穴とベントピースの形状を示す縦断面図であり、(A)は実施例1、(B)は実施例2、(C)は比較例1、(D)は比較例2、(E)は比較例3を示す。
次に、本発明につき、一実施形態に係るタイヤ成形用金型(以下、単に「金型」と表記する)を取り上げて説明を行う。
本実施形態の金型1の種類は「セグメンテッドモールド」に分類される。この金型1は、図1に示すように(図示の都合上ハッチング省略)、タイヤの成形時に周方向に配置される複数のセクター1aと、成形時にセクター1aの両側方に配置される一対のサイドプレート1bとを備える。セクター1a及びサイドプレート1bの内面には、タイヤの外表面を成形するタイヤ成形面21が形成されており、このタイヤ成形面21には、タイヤのリブ、溝、模様等を形成するための凹凸が形成されている。セクター1aによりタイヤのトレッド部及びショルダー部が形成され、サイドプレート1bによりタイヤのサイド部及びビード部が形成される。
この金型1の使用に当たっては、環状である加硫前のタイヤ(グリーンタイヤ)を包むようにセクター1aとサイドプレート1bとが組み立てられ、グリーンタイヤが径内側から拡張された状態で加熱及び加圧されることで、グリーンタイヤを組成するゴムが加硫される。このゴムはタイヤ成形面21に押しつけられ、タイヤの外表面におけるリブ、溝、模様等が形成される。この後、セクター1a及びサイドプレート1bを分離することで、成形後のタイヤが取り出される。
この金型1(本実施形態では、セクター1a及びサイドプレート1bの両方)は、成形の際タイヤの外表面とタイヤ成形面21との間に位置する空気を金型外に排出する複数のベントホール33を形成するための複数の下穴22が設けられた金型本体2と、図3に示すように、埋設母材である金型本体2の各下穴22に埋設され、貫通穴33が軸方向に貫通したベントピース3とを備える。金型本体2は、例えば母材に構造用鋼(SS400等)が用いられ、少なくともタイヤ成形面21に鋳鉄やアルミ合金が用いられて形成されている。本実施形態の金型本体2は、セクター1aの部分がアルミ合金製であり、サイドプレート1bの部分がSS400製である。
図1に示すように、下穴22はセクター1a及びサイドプレート1bに亘り、金型本体2を貫通して形成され、タイヤ成形面21に対して垂直方向(ラジアル方向)に設けられている。ここで、本実施形態の純ニッケルのように、従来の材料(ステンレス合金等)よりも硬度の大きい材料でベントピース3が形成された場合、ベントピース3の基端面3aを、従来のベントピースで行われていたように、タイヤ成形面21の形状(具体的には、下穴22の開口端における下穴22の軸方向に対するタイヤ成形面21の傾斜)に合わせて削り加工を行うことは非常に困難である。このため本実施形態では、削り加工を行わない場合であっても、金型本体2に対して径方向及び軸方向に沿って下穴22を形成した場合に比べると、タイヤ成形面21とベントピース3の基端面3aとの角度差を小さくでき、成形後のタイヤ表面から突出するベントの美観を損ねることを抑制できる。
本実施形態の下穴22は、図3に示すように、金型本体2における内側部分に大径とされた大径部221を有し、外側部分に大径部221に対して小径とされた小径部222を有し、大径部221と小径部222との境界に段差223を有する穴であって、金型本体2の内外に貫通している。
ベントピース3は、基端側がタイヤ成形面21の側(金型本体2における内側)に、先端側がタイヤ成形面21から離れた側(金型本体2における外側)に位置するように下穴22に挿入される。この挿入は、打撃工具を用いてタイヤ成形面21の側からベントピース3を下穴22に叩き込むことによりなされる。ベントピース3が金型本体2に埋設された状態で、ベントピース3の貫通穴33は金型1におけるベントホールとなる。このように、金型本体2の下穴22へ、金型本体2に対して別体のベントピース3を挿入することで、金型本体2に直接穴明け加工することに比べ、内径の小さなベントホールを容易に金型1に形成できる。
ベントピース3は、図2に示すように、基端側が円筒部31とされ、先端側がテーパ部32とされている。円筒部31とテーパ部32とは隣接している。そして貫通穴33が横断面の中心に軸方向へ沿い貫通している。貫通穴33の基端側は、基端に向かうにつれ内径が拡大するテーパ穴331とされている。この貫通穴33に成形時のゴムが入り込むことで、タイヤ表面から突出するベントが形成される。
本実施形態のベントピース3は純ニッケル製であり、鋳造により形成されている。このため、叩き込みによっても変形しにくい硬質材からなるベントピース3を、ニッケルという汎用材料で形成できる。
ベントピース3の硬度はビッカース硬さ(HV)で約1000である。従来、ベントピース3の材料として一般的であったステンレス合金の硬度が約200であるため、本実施形態のベントピース3は相対的に硬度が大きい。なお、金型本体2を構成する材料は、ビッカース硬さ(HV)で、鋳鉄の場合160〜180、アルミ合金の場合45〜100である。このため、本実施形態のベントピース3は、金型本体2の下穴22が形成された部分よりも硬度が十分に大きい。よって硬度が大きい分、ベントピース3を下穴22に叩き込む際に、ベントピース3に曲がり等の変形が発生することを抑制できる。これに伴い、ベントピース3が備える貫通穴33の絞り等の変形も抑制できるため、タイヤのベントを美しく形成できるし、金型1の使用後に用いる清掃用のドリル刃D(図3参照)の折損も抑制できる。なお、ベントピース3を純ニッケル製以外とする場合、ベントピース3の硬度は金型本体2(下穴22が形成された部分)の硬度の3倍以上とすることが好ましい。
ちなみに、純ニッケルの熱伝導率は94W/(m・K)であり、ステンレス合金(SUS303)の熱伝導率17W/(m・K)に対して大きい。このため成形時には、金型内から貫通穴(ベントホール)33に流入したゴムに熱を速やかに伝えることで加硫を促進し、ゴムの流動性を減少させることができる。このため、成形後のタイヤのベントが必要以上に長くなったり、ゴムが貫通穴(ベントホール)33から飛び出てしまったりすることを抑制できる。
テーパ部32は、ベントピース3が下穴22に埋設された際、図3に示すように段差223に一致する部分に形成され、先端に向かうにつれ小径となる形状である。本実施形態のテーパ部32は、縦断面形状が直線状とされているが、これに限らず、曲線状とすることもできる。また円筒部31は、ベントピース3が下穴22に埋設された際、テーパ部32よりもタイヤ成形面21の側(金型本体2における内側)となるように位置し、軸方向に一定径の形状である。円筒部31の外径部は、下穴22の大径部221の内径よりも大きい。このためベントピース3は、挿入時に下穴22に圧入される。ただし、段差223とテーパ部32とにより十分な固着強度が発揮できるため、従来のベントピースに比べると、下穴22の大径部221の内径寸法に対する円筒部31の外径寸法の差を小さくできる(本実施形態では0.01〜0.02mmである)。このため、下穴22にベントピース3を挿入する際、ベントピース3が受ける抵抗を小さくでき、挿入時の叩き込みによるベントピース3の変形を抑制できる。
テーパ部32の直径は基端において(d32a)1.3〜3.3mm、先端において(d32b)0.7〜2.7mmであり、テーパ部32の傾斜角度θ32は軸方向に対して1〜10°であることが好ましい。そして、円筒部31の直径d31は1.3〜3.3mmであることが好ましい。また、下穴22における大径部221の内径d221は、円筒部31の直径d31に対して0.01〜0.02mm小さい径であることが好ましく、下穴22における小径部222の内径d222は、ベントピース3の円筒部31の直径d31に対して0.4〜0.6mm小さい径であることが好ましい。また、ベントピース3の全長に対する円筒部31の長さの比は、15%以上80%以下とすることが好ましく、25%以上65%以下とすることがより好ましい。このような寸法関係とすることで、下穴22へのベントピース3の叩き込み易さと確実な固着とを両立できる。なお、貫通穴33の内径は0.2〜1.5mmとされる。これにより、タイヤの表面に適切な太さのベントを形成できる。
下穴22にベントピース3を挿入するに伴い、まず、下穴22の段差223にベントピース3のテーパ部32が接触する。この状態でベントピース3を奥側、つまり金型本体2における外側に向かい叩き込むと、金型本体2の方がベントピース3よりも硬度が小さい(柔らかい)ため、段差223が圧縮されるように変形する。このように変形した段差223によって、ベントピース3のテーパ部32が全周にわたって径内方向に押しつけられることになる。このため、ベントピース3が下穴22に確実に固着される。しかも、金型本体2の硬度はベントピース3の硬度よりも小さいため、前記叩き込みの衝撃によってもベントピース3が変形しにくい。しかも、埋設状態で下穴22の小径部222にベントピース3のテーパ部32が接した状態とされるので、タイヤ成形時に加圧されたゴムの圧力により、ベントピース3が前記状態よりも金型本体2における外側に位置ずれ(陥没)してしまうことを防止できる。このため、ベントピース3の陥没防止のためにベントピース3の外径に対し下穴22の内径をさほど(過大に)小さく設定しなくてもよく、緩目の圧入とできるので、この点でも、ベントピース3を挿入する際に生じる変形を抑制できる。
ここで、タイヤ成形後に貫通穴33に付着した、加硫時にゴムから析出したカーボン等からなる付着物を除去するために、図3に示すように、ドリル刃D(破線で図示)が貫通穴33に挿入される。ドリル刃Dによって貫通穴33の内面が部分的に広げられてしまうと、次回成形時、離型の際にタイヤのベントが切れてしまう等の不都合が発生する。このようにドリル刃Dを清掃に用いることから、ベントピース3はドリル刃Dよりも硬度が大きいことが好ましい。ドリル刃Dは高速度鋼を用いる場合、ビッカース硬さ(HV)で750以下である。一方、本実施形態のベントピース3はビッカース硬さ(HV)で約1000であって、高速度鋼よりも硬度が大きい。このため、清掃時にドリル刃Dを貫通穴33に挿入しても、ドリル刃Dに貫通穴33の内面が削られることがなく、貫通穴33へ付着した付着物を有効に除去できる。
次に、本願の発明者が図4(A)〜(E)に示す金型1A〜1Eを試作して性能評価を行ったのでこの評価につき説明する。
試作した5種の金型1A〜1Eにつき、前記実施形態の下穴22とベントピース3(3A)との組み合わせに係る金型1Aを実施例1とする(図4(A)参照)。実施例2の金型1Bは、下穴22に対するベントピース3Bの接触長さ(ベントピース3の全長に対する円筒部31の長さの比)を80%(実施例1は50%)とした例である(図4(B)参照)。比較例1の金型1Cは、ステンレス合金製のベントピース3Cで、前記接触長さが50%であり、テーパ部32Cが下穴22の段差223に接触しない例である(図4(C)参照)。比較例2の金型1Dは、ステンレス合金製のベントピース3Dで、前記接触長さが50%であり、テーパ部32Dが下穴22の段差223に接触する例である(図4(D)参照)。比較例3の金型1Eは、純ニッケル製のベントピース3で、前記接触長さが80%であり、下穴22Eには段差223が形成されておらず、テーパ部32Eが下穴22Eに接触しない例である(図4(E)参照)。
前記5種の金型1A〜1Eを対象として、一つ目(評価1)に、下穴22,22Eへの叩き込み時におけるベントピース3A〜3Eの変形を評価した。評価の数値は、比較例1を基準(100)とした相対的な数値であって、数値が大きいほど良い評価である(以下同じ)。
また、二つ目(評価2)に、金型1A〜1Eのタイヤ成形面21とベントピース3A〜3Eの基端面とが同一面となるようにベントピース3を埋設した状態で、加硫中の内圧に相当する荷重でベントピース3A〜3Eを繰り返し加圧し、下穴22に対するベントピース3A〜3Eの陥没量を評価した。
また、三つ目(評価3)に、下穴22にベントピース3A〜3Eを叩き込むことによる、下穴22,22Eの開口穴径の変形を評価した(表1中の「はみ出し易さ」)。
前記各評価をまとめたものを表1に示す。
Figure 0006431365
表1より、実施例1及び2が総合的に比較例1〜3よりも優れることが確認できた。よって、本発明に係る金型の優位性が裏付けられた。なお、評価3について実施例2よりも実施例1の方が優れることも確認できた。これは、接触長さが短い分(30%分)、ベントピース3(3A)を叩き込む際に下穴22を押し広げる力が働く長さも短くなるためと推察される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
例えば、前記実施形態の金型1の種類は「セグメンテッドモールド」であった。しかし、本発明の適用対象はこれに限定されず、タイヤ幅方向に二分されたパーツが組み合わされる「ツーピースモールド」の金型にも適用可能である。
また、前記実施形態のベントピース3は純ニッケル製であったが、従来一般的にベントピースに用いられていた材料(ステンレス合金等)よりも硬度が大きければ種々の材料を用いることができる。よって、純ニッケル製ではなくニッケル合金製等、ニッケルを含む金属製であってもよい。なお、熱伝導率について、従来の材料よりも大きい材料を用いることが好ましい。
1 タイヤ成形用金型
2 金型本体
21 タイヤ成形面
22 下穴
221 大径部
222 小径部
223 段差
3 ベントピース
31 円筒部
32 テーパ部
33 貫通穴、(金型における)ベントホール
D ドリル刃

Claims (7)

  1. タイヤの外表面を成形するタイヤ成形面に、成形の際タイヤの外表面と前記タイヤ成形面との間に位置する空気を金型外に排出する複数のベントホールを形成するための複数の下穴が設けられた金型本体と、該金型本体の各下穴に埋設され、貫通穴が軸方向に貫通したベントピースとを備えるタイヤ成形用金型において、
    前記下穴は、前記金型本体における内側部分に大径とされた大径部を有し、外側部分に前記大径部に対して小径とされた小径部を有し、前記大径部と小径部との境界に段差を有する穴であり、
    前記ベントピースは、前記金型本体の前記下穴が形成された部分よりも硬度が大きく、前記下穴に埋設された際に前記段差に一致する部分に、前記金型本体における外側に向かうにつれ小径となるテーパ部を有しており、
    前記ベントピースは、埋設状態で、前記下穴に対して固着され、かつ、前記小径部に前記テーパ部が接した状態とされることを特徴とするタイヤ成形用金型。
  2. 前記ベントピースは、前記下穴に埋設された際に前記テーパ部の金型本体における内側に隣接する位置に、軸方向に一定径である円筒部を有し、
    前記円筒部の外径は、前記下穴の前記大径部の内径よりも大きく、
    前記円筒部は、前記下穴へ前記ベントピースを挿入する際に、前記大径部に圧入されることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
  3. 前記テーパ部の直径は、前記円筒部側である基端において1.3〜3.3mm、先端において0.7〜2.7mmであり、該テーパ部の傾斜は軸方向に対して1〜10°であることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ成形用金型。
  4. 前記ベントピースにおける前記貫通穴の内径は、0.2〜1.5mmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ成形用金型。
  5. 記ベントピースは、金型使用後に前記貫通穴へ付着した付着物を除去する際に用いられるドリル刃よりも硬度が大きいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ成形用金型。
  6. 前記金型本体は、前記ベントピースが埋設された部分において前記貫通穴へ付着した付着物を除去する際に用いられるドリル刃よりも硬度が小さく、
    前記ベントピースは、前記ドリル刃よりも硬度が大きいことを特徴とする、請求項1のいずれかに記載のタイヤ成形用金型。
  7. 前記ベントピースはニッケルを含む金属製であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ成形用金型。
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