JP6410029B2 - 鉄道車両のブレーキ力評価方法 - Google Patents
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Description
鉄道車両のブレーキ性能は速度を演算して得られる停止距離や減速度を基に評価するが、性能低下の要因には粘着係数の他にブレーキ材の摩擦係数や滑走再粘着制御などが複雑に影響するため、速度波形のみからその要因を特定することは困難である。
例えば、図22には、新幹線の0〜200系車両のブレーキ装置50においてキャリパ1の腕部となる支持部材1Aに歪ゲージ(図示略)を設けた例が示され、図23には、新幹線300系以降の車両のブレーキ装置51においてキャリパ2の腕部となる支持部材2Aに歪ゲージ(図示略)を設けた例が示されている。
また、図24には、ブレーキ装置52において踏面ブレーキ3の支持部材3Aに歪ゲージ(図示略)を設けた例が示され、図25には、ブレーキ装置53におけるはさみ装置4の支持部材4Aに歪ゲージ(図示略)を設けた例が示されている。
このような手法の長所は、1輪もしくは1軸でのブレーキ力が求まることである。一方で、事前に基礎ブレーキ装置を台車から外して較正する必要があり、工程管理が難しいこと、空気ブレーキ時の測定に限られること、走行振動や押付力成分が外乱として不定に含まれること、さらに編成ブレーキのような滑走再粘着制御を伴う連続的現象と異なる離散的現象であることなど、の短所がある。
この特許公報に示される車輪の制動検査システムでは、車輪に働く複数の荷重成分を決定する方法及びシステムに関し、車輪に複数のゲージを設け、これを用いて、歪又は応力を検出可能にする段階と、少なくともいくつかのセンサにおけるセンサ値を本質的に同時に測定する段階とを備える。本特許公報の発明は、センサ値が本質的に同時に測定されるセンサの数が、少なくとも3個であり、測定されたセンサ値に少なくとも部分的に基づいて、複数の荷重成分を決定する。
すなわち、本発明における鉄道車両のブレーキ力評価方法は、車輪が設けられた台車と、該台車上に空気ばねを介して搭載された車体と、該車体を前記台車に連結して進行方向への力を伝達するリンクと、該リンクの歪みを測定する歪ゲージと、を有する車両のブレーキ力測定方法であって、該歪ゲージにより測定された歪みと、ブレーキ力を発生させる制動信号又はブレーキ力を示す制動検出信号といった制動情報との相関関係を予め求める工程と、該工程で求めた相関関係に基づき、前記歪ゲージで測定された歪みからブレーキ力を発生させる荷重を演算する工程と、該工程により演算された荷重から、前記ブレーキ力が適正であるかどうかを評価する工程と、を有することを特徴とする。
そして、これら相関関係に基づき、歪ゲージで測定された歪みからブレーキ力を発生させるブレーキ荷重を演算し、該演算された荷重からブレーキ力が適正であるかどうかを評価する。
これにより、従来のブレーキ力設計に必要であった粘着係数などの各種膨大なデータに代わって本評価手法を適用すれば,速度やレール環境条件などの影響を受けて複雑な現象となるブレーキ性能について,連続的な現象の把握から性能評価,さらには設計までを統一的に扱うことが可能となる。
このとき、歪ゲージでの検出値を参照することで、車両の制動に係る情報を容易に得ることができることから、車輪を滑走させることで実施する、車輪の粘着係数測定を容易に行うことが可能となる。
そして、これら相関関係に基づき、歪ゲージで測定された歪みからブレーキ力を発生させるブレーキ荷重を演算し、該演算された荷重からブレーキ力が適正であるかどうかを評価する。
これにより、従来のブレーキ力設計に必要であった粘着係数などの各種膨大なデータに代わって本評価手法を適用すれば,速度やレール環境条件などの影響を受けて複雑な現象となるブレーキ性能について,連続的な現象の把握から性能評価,さらには設計までを統一的に扱うことが可能となる。
図1は本発明に係る鉄道車両10における、台車11と該台車11上に搭載された車体12との接続箇所を示す正面図であって、車体12側に固定された連結部材13と、台車11側に固定された台車枠14との間には、牽引装置の一本リンクLが設けられている。
この鉄道車両10は、車体12と台車11枠の間を許容変位の大きな空気バネで直結し、駆動力及びブレーキ力を一本リンクLからなる牽引装置で伝達する方式である。
一本リンクLはこれまでの中心ピン−心皿方式とは異なる単純形状であり、加減速時の力の計測が比較的容易になる利点がある。
このため、本発明では、図1に示されるように、一本リンクLに歪ゲージGを設置し、一本リンクLに作用する牽引力によって生じる歪量からブレーキ力を測定する新たな手法を見出すものである。また、本発明に適用される一本リンクLは、在姿状態での仮設が容易であり、編成ブレーキ中の各台車11に働くブレーキ力について、電気ブレーキ、空気ブレーキともに精度の高い測定が可能となる特長を持つ。
この測定方式は1ゲージ法に比べて、曲げ成分の消去、歪の感度向上、温度補償機能などの利点が得られるものである。
数式1
P=0.205s
なお、数式1に示される係数「0.205」は、以降の説明において「較正係数」と表記する。
上述した手法を用いて、初速度170km/hから常用最大B7ブレーキを掛けた際の動台車(新幹線M車)の実測例を図3に示す。
車両のブレーキ制御装置や主変換装置から得られるブレーキ情報は、ブレーキノッチ、速度、BC圧、回生ブレーキパターン電圧、回生フィードバック電圧、モータ電流、空制加減算指令電圧といった制動情報などがあるが、以下の図3では、制動情報の1つである回生フィードバック電圧(符号c1)と歪量(符号c2)との関係が、時間と速度(符号c3)との関係に対応している。回生フィードバック電圧(符号c1)は、ブレーキ指令(符号c4)に基づき目標として出力された回生ブレーキパターン電圧(符号c5)により発生する。
すなわち、図4の左図には、鉄道車両の進行方向に対して前位となるNo.2(2番目)の台車に、圧縮荷重が作用して負の歪値となることが示され、また、後位となるNo.1(1番目)の台車に引張荷重が作用して正の歪値になることが示されている。ここで、電制力に対して実際に得られる歪量は理論値よりも低く、その較正係数は理論値の0.205に対して、約0.3であることが確認できる。
こうした較正係数の傾向は、他の車両においても同様で、0.25〜0.35の値となることから、ブレーキ力の約20〜30%は一本リンクL以外の支持系で負担していることを示している。これは、前後支持剛性の異なる動台車(電動車)と従台車(付随車)とで較正係数が一致しないことからも符合する。
この図6を参照して分かるように、ブレーキ力と電制力の双方は一致した傾向を示していることから、本手法は精度が高いと言うことができる。
なお、図6では、停止間際で両者に差異が生じているが、これは車両が電気ブレーキから空気ブレーキに切り換える制御を行っているためである。
このように、本手法は電気ブレーキと空気ブレーキのいずれにおいても精度の高い測定が可能である。
負担率が自車100%とならない場合として、おくれ込め制御を搭載している車両の例を挙げる。電動車の電気ブレーキで編成の必要ブレーキを負担している場合は、付随車には40kPa程度の初込め圧しか作用しない。
また、電動車の回生効率が低くなおかつ変動する場合や高いブレーキノッチにおいて、編成の必要ブレーキ力の不足分を付随車の空気ブレーキが補足する場合は、BC圧が時々刻々と増減する。いずれも床上前後加速度とブレーキ力は一致せず、適用できない。
数式2
a=Mkβ/{3.6(|S1|+|S2|)}
図8に示される較正結果を参照して分かるように、ブレーキ力を示す減速度換算値(e4)と、床上前後加速度(e3)で較正した結果(e5)は良く一致している。
ブレーキの始めと停止において、減速度換算値(e4)及び床上前後加速度(e3)で較正した結果(符号e5)と、床上前後加速度(e3)との間に顕著な差異が生じているのは、ブレーキ中の荷重移動で生じる台車と車体の間のモーメントにより、車体が前後にピッチ運動した影響と考えられる。それ以外の部分では良い一致を示している。
そして、図9の結果を参照して分かるように、新幹線の動台車において歪ゲージGでの検出値と、回生フィードバック電圧(FB)との間に極めて高い相関性があることが確認された(◎で示す)。また、制動検出信号となる床上前後加速度(GF)については、動台車及び従台車のいずれも歪ゲージGでの検出値と高い相関性があることが確認された(○で示す)。
本発明は、歪みゲージGにより測定された歪みと、車輪にブレーキ力を発生させる制動信号(回生ブレーキパターン電圧、回生フィードバック電圧、モータ電流、空制加減算指令電圧)又はブレーキ力を示す制動検出信号(床上前後加速度)といった制動情報との相関関係を予め(実験・現物試験により)求めておき、これら相関関係に基づき、歪ゲージで測定された歪みからブレーキ力を発生させる荷重(ブレーキ力)を演算し、該演算された荷重からブレーキ力が適正であるかどうかを評価する手法である。
そして、このような手法を用いたブレーキ評価を、在来線車両及び新幹線により行った結果を以下に示す。
図10に示すように、3両編成(1M2T)の在来線車両を供試編成として走行試験を実施した。
なお、図10において、「Mc」を制御電動車、「Tpc」を制御付随車、「T」を付随車と表現する。
測定項目は、ブレーキノッチ、各軸速度(全軸)、BC圧(全軸)、回生ブレーキパターン電圧、回生フィードバック電圧、空制加減算指令電圧、一本リンクLの歪(全台車)、床上前後加速度(全号車)、滑走防止弁信号(全軸)である。なお、ブレーキ制御はT車優先おくれ込め制御方式、滑走制御は各軸制御方式である。
電制常用3ノッチ(B3)の測定結果を図11(a)に示す。B3は回生有効の場合にMc車で編成のブレーキ力を負担する設定である。
各号車はブレーキ指令とともに、空気ブレーキを立ち上げるが、Mc車の電制力の立ち上がりを受けて、T車及びTpc車は初込め圧まで抑えている。編成合計(符号f1で示す)のブレーキ力は必要ブレーキ力(100%)(符号f2で示す)を満足しており、その後、Mc車は速度20km/hから回生ブレーキを絞り込むのに応じて、T車及びTpc車の空気ブレーキが補足している。
電制常用最大7ノッチ(B7)の測定結果を図11(b)に示す。B7は回生有効の場合にT車及びTpc車が自車分に加えて、Mc車の一部のブレーキ力を負担する設定である。Mc車は所定の電制力に達するまで空気ブレーキで補足し、その後は初込め圧まで抑え、速度10km/hからは再び空気ブレーキで負担する。
次に、空気ブレーキ時における制輪子の摩擦係数を算出した例を挙げる。T車及びTpc車は軸ディスクブレーキと踏面ブレーキの分担方式を採用しているため、各々の摩擦材特性を把握できないが、踏面ブレーキのみを搭載しているMc車については台車毎の摩擦係数を本手法により求めることができ、その結果を図12に示す(図12において、No.1台車のグラフを符号g1、No.2台車のグラフを符号g2で示す)。
以上のことから、本手法により車両のブレーキ力及びその制御状態が把握可能であることが示された。
自然降雨時にレール/車輪間の粘着係数が低下してMc車に滑走が発生した電制常用3ノッチ(B3)の測定結果を図13に示す。
Mc車は大きな滑走が生じて電制失効に至らぬよう電制力を絞り込むと同時に、空制加減算指令をT車及びTpc車のブレーキ制御装置へ送る。これを受けてT車及びTpc車は直ちに空気ブレーキ(BC圧)を立ち上げてMc車のブレーキ力の不足分を補う制御を行っている。編成のブレーキ力(符号h1で示す)は、Mc車の滑走発生とその制御により低下し、必要ブレーキ力(符号h2で示す)に対し増減を繰り返しているが、ブレーキ距離の延伸率は約10%に抑えられており、ブレーキ性能に問題はない。
ここで、滑走収束傾向から再粘着に至る際のブレーキ力に着目する。両軸はともに滑走し、なおかつBC圧は所定の値に達していないにも関わらずブレーキ力が急増して極大値が存在している。
研究によると、この現象は巨視すべり領域における粘着力(符号i2で示す)の増大であることを示している。巨視すべり領域における最大粘着力は、車輪踏面上の接線力をFb(N)、最大粘着力をFm(N)、車輪の慣性モーメントをI(kg・m2)、車輪径をR(m)、編成の減速度をβ(km/h/s)、車輪の減速度をβw(km/h/s)とし、以下の数式3で与えられる。
数式3
Fm=Fb−{(I/R2)(−β−βw)}
前述の供試編成とは異なる編成(1M2T)を用いて、Mc車の先頭軸及び第3軸に散水(1輪あたり毎分5リットル)を行い、編成ブレーキを掛けて人為的に大きな滑走を生じさせた際の事例を挙げる。
図15は、ブレーキ力は台車の片軸が滑り始める瞬間まで均等分担しているものと仮定し、粘着係数を求めたものである。湿潤条件の粘着計画式に沿った測定結果が得られている(乾燥した条件下での粘着係数を符号j1、湿潤した条件下での粘着係数を符号j2で示す)。
また、図16は、滑走制御中におけるすべり率を台車平均し、台車の接線力係数との関係を求めたものである。接線力係数はいずれの台車もすべり率の増大に従って低下する傾向を示した。特に、比較的大きな滑走が連続的に発生してすべり率が最大で30%に達したNo.2台車では、その傾向が顕著であった。これらの結果は、過去の研究で得られた知見と一致しており、本手法の有効性の高さが示された。
高速度域における測定事例として、新幹線車両を挙げる。図17に示す8両編成(8M)の新幹線車両を供試編成として走行試験を実施した。
測定対象は、従来の知見から滑走回数が多いとされる先頭1号車から4号車までとした。測定項目は、ブレーキノッチ、各軸速度(全軸)、BC圧(全軸、全台車)、回生ブレーキパターン電圧、回生フィードバック電圧、一本リンクLの歪(全台車)、床上前後加速度(全号車)、滑走防止弁信号(全軸、全台車)である。なお、滑走制御は先頭車が各軸制御方式、中間車は台車制御方式である。
ブレーキ条件は、初速度300km/hからの電制非常ブレーキ(EB)とした。これは、常用最大7ノッチ相当のブレーキ力を電気ブレーキ、残りを空気ブレーキで補足するものである。また、非常ブレーキ指令と連動して先頭軸に搭載しているセラミック噴射装置(符号30で示す)から増粘着用のアルミナ粒子が1分間噴射される仕組みとなっている。先頭から2軸目及び6軸目に散水ノズル(符号31で示す散水軸に設ける)を取り付け、1輪あたり毎分5.5リットルの散水を行った。
これによって、減速度やブレーキ負担率の策定が容易になる。乾燥時におけるセラミック噴射有の現行条件では、計画粘着係数(符号Aで示す)に関して、図18に示されるように、いずれの号車(符号A1〜A4で示す)についても、EB設定減速度(符号A5で示す)を満足している。また、図18に符号A6で示されるのは、湿潤時における同条件での計画粘着係数である。
こうした傾向にはレール/車輪間の低粘着状態に加えて滑走再粘着制御も影響しているが、ブレーキ距離の延伸率は約2%に抑えられ、ブレーキ性能に問題はない。湿潤にセラミック噴射有の条件では、滑走の発生が抑制されて1号車はEB設定減速度まで回復、2号車はEB設定減速度を下回ったが、セラミック噴射無の条件よりも改善されている(図20では、試験結果を符号A’’及びA1’’〜A6’’でそれぞれ示す)。これは、結果的に2号車のレール/車輪間へ回り込んだ水分量が最も顕著であった影響によるものと考えられる。
そして、これらの結果を参照して分かるように、セラミック噴射無の条件では1号車及び2号車がともに約60%まで低下しているが、セラミック噴射有では乾燥条件とほぼ同等レベルまで回復している。
そして、これら相関関係に基づき、歪ゲージGで測定された歪みからブレーキ力を発生させる荷重(ブレーキ力)を演算し、該演算された荷重からブレーキ力が適正であるかどうかを評価する。
これにより、従来のブレーキ力設計に必要であった粘着係数などの各種膨大なデータに代わって本評価手法を適用すれば,速度やレール環境条件などの影響を受けて複雑な現象となるブレーキ性能について,連続的な現象の把握から性能評価,さらには設計までを統一的に扱うことが可能となる。
また、本評価手法は、測定に関わる準備作業量を軽減しながら、電気ブレーキあるいは空気ブレーキを問わず、高い精度でブレーキ力の測定及び評価が可能である。
このとき、歪ゲージGでの検出値を参照することで、車両10の制動に係る情報を容易に得ることができることから、車輪を滑走させることで実施する、車輪の粘着係数測定を容易に行うことが可能となる。
11 台車
12 車体
G 歪ゲージ
L 一本リンク
Claims (6)
- 車輪が設けられた台車と、
該台車上に空気ばねを介して搭載された車体と、
該車体を前記台車に連結するリンクと、
該リンクの歪みを測定する歪ゲージと、を有する車両のブレーキ力測定方法であって、 該歪ゲージにより測定された歪みと、ブレーキ力を発生させる制動信号又はブレーキ力を示す制動検出信号を含む制動情報との相関関係を予め求める工程と、
該工程で求めた相関関係に基づき、前記歪ゲージで測定された歪みからブレーキ力を発生させる荷重を演算する工程と、
該工程により演算された荷重から、前記ブレーキ力が適正であるかどうかを評価する工程と、を有し、
前記台車は、前記車輪に連結されて駆動力及びブレーキ力を与える電動機を有する動台車であって、
前記相関関係を求める工程では、前記歪みゲージにより測定された歪みと、前記車輪にブレーキ力を発生させる制動信号との相関関係を予め求め、
前記荷重を演算する工程では、前工程で求めた相関関係に基づき、前記歪ゲージで測定された歪みから、前記電動機で発生したブレーキ力により生じる荷重を演算することを特徴とする鉄道車両のブレーキ力評価方法。 - 車輪が設けられた台車と、
該台車上に空気ばねを介して搭載された車体と、
該車体を前記台車に連結するリンクと、
該リンクの歪みを測定する歪ゲージと、を有する車両のブレーキ力測定方法であって、
該歪ゲージにより測定された歪みと、ブレーキ力を発生させる制動信号又はブレーキ力を示す制動検出信号を含む制動情報との相関関係を予め求める工程と、
該工程で求めた相関関係に基づき、前記歪ゲージで測定された歪みからブレーキ力を発生させる荷重を演算する工程と、
該工程により演算された荷重から、前記ブレーキ力が適正であるかどうかを評価する工程と、を有し、
前記台車は、前記車輪に駆動力及びブレーキ力を与える電動機を有さない従台車あるいは回生失効時における動台車であって、
前記相関関係を求める工程では、前記歪みゲージにより測定された歪みと、前記車両内に設置した床上前後加速度センサからの制動に係る制動検出信号との相関関係を予め求め、
前記荷重を演算する工程では、前工程で求めた相関関係に基づき、前記歪ゲージで測定
された歪みから、床上前後加速度に係る荷重を演算することを特徴とする鉄道車両のブレーキ力評価方法。 - 前記制動信号は、回生ブレーキパターン電圧、回生フィードバック電圧、モータ電流、
空制加減算指令電圧の少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の鉄道車両のブレーキ力評価方法。 - 前記制動検出信号は、床上前後加速度センサの検出信号からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉄道車両のブレーキ力評価方法。
- 前記車体と台車との間に連結される前記リンクは一本リンクであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉄道車両のブレーキ力評価方法。
- 前記ブレーキ力を評価する工程では、編成ブレーキ中に車輪が滑走した状態、あるいは編成惰行中に測定対象軸にブレーキを掛けて強制的に車輪を滑走させた状態で、前記歪ゲージの検出値に基づき、該車輪の滑り始めのブレーキ力を評価することで、粘着係数測定を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉄道車両のブレーキ力評価方法。
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