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JP6348256B2 - ゴム組成物、タイヤおよびタイヤの製造方法 - Google Patents

ゴム組成物、タイヤおよびタイヤの製造方法 Download PDF

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JP6348256B2 JP2013071473A JP2013071473A JP6348256B2 JP 6348256 B2 JP6348256 B2 JP 6348256B2 JP 2013071473 A JP2013071473 A JP 2013071473A JP 2013071473 A JP2013071473 A JP 2013071473A JP 6348256 B2 JP6348256 B2 JP 6348256B2
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Description

本発明は、ゴム組成物、タイヤおよびタイヤの製造方法に関するものである。
タイヤに要求される性能として、例えば、低い転がり抵抗(低転がり抵抗)、耐摩耗性、高いウェット性能、などがある。転がり抵抗は、自動車の燃料消費量低減に関する性能であり、耐摩耗性は、タイヤ寿命に関する性能であり、ウェット性能は、安全性の確保に関する性能である。例えば、特許文献1では、これら3種類の性能のバランスを保つために、スチレンブタジエンゴム(SBR)にカーボンブラックを配合させたマスターバッチと、ブタジエンゴム(BR)にカーボンブラックを配合させたマスターバッチとを混合している。
特開2003−292680号
しかし、タイヤにおけるさらに高いレベルでの低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能のバランスが必要とされている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、タイヤにおいて高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができるゴム組成物を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、高いレベルでの低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能のバランスがとれたタイヤおよび当該タイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本出願の第1の発明に係るゴム組成物は、少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物であって、前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たし、前記カーボンブラックの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であり、前記ゴム組成物の加硫物のミクロ構造が、海相と島相とからなる海島構造を形成し、前記海相が、前記ポリマー2を含む相であり、前記島相が、前記ポリマー1を含む相であり、前記島相は、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量が、前記カーボンブラックの全配合量に対して30質量%以上であることを特徴とする。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
上記第1の発明に係るゴム組成物は、上記特定のポリマー1およびポリマー2ならびに特定量のカーボンブラックを含むことにより、当該ゴム組成物の加硫物において、海島構造が形成され、一定量以上のカーボンブラックを、前記ポリマー1を含む島相に存在させることができ、これによって、タイヤにおいて高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができる。
本明細書において、上記式(1)で表されるX[%]は、ポリマーの全単位中における、結合スチレン量の割合[%]と、ビニル結合量の割合[%]の半分の量との和である。当該結合スチレン量の割合[%]および当該ビニル結合量の割合[%]の測定方法は、特に限定されないが、例えば、結合スチレン量は、1H-NMRの積分比によって測定することができ、ビニル結合量は、赤外法(D.Morero et al,Chem.e.Ind.,41,758(1959))によって測定することができる。
本明細書において、海島構造とは、少なくとも2種のポリマーからなり、1種以上のポリマーのマトリックス(海相)中に、その他のポリマーが島状に分散してなる構造を意味する。ゴム組成物の加硫物またはゴム組成物を加硫してなるゴム部材中のミクロ構造における海島構造を観察する方法は、特に限定されないが、例えば、AFMによって観察することができる。例えば、数μm四方のゴムサンプルを測定した際に、観測されるナノメートルオーダーの非連続相を島相、連続相を海相と呼ぶことができる。
本明細書において、前記島相が有するカーボンブラックの質量の測定方法は、特に限定されないが、例えば、走査型プローブ顕微鏡を用いて海相と島相のカーボンブラック面積を測定し、その比率より島相のカーボンブラックの質量を求めたり、未加硫ゴムのトルエン浸漬後に得られたトルエン不溶分のスチレン量を、ガスクロマトグラフィーにて計測し、既知のポリマー1、ポリマー2のスチレン量から計算するという方法により、測定することができる。
本出願の第2の発明に係るゴム組成物は、少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物であって、前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たし、前記カーボンブラックの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であり、前記カーボンブラックの全配合量の30質量%以上を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製し、前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製し、前記マスターバッチ1およびマスターバッチ2を混合することにより得られうることを特徴とする。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
これにより、当該ゴム組成物の加硫物において、海島構造が形成され、一定量以上のカーボンブラックを、前記ポリマー1を含む島相に存在させることができ、これによって、タイヤにおいて高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができる。
上記第2の発明に係るゴム組成物では、前記ゴム組成物の加硫物のミクロ構造が、海相と島相とからなる海島構造を形成し、前記海相が、前記ポリマー2を含む相であり、前記島相が、前記ポリマー1を含む相であり、前記島相が、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量を、前記カーボンブラックの全配合量に対して30質量%以上とすることが可能である。
本発明に係るタイヤは、少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物を加硫してなるゴム部材を含むタイヤであって、前記ゴム部材のミクロ構造が、互いに異なるポリマーから形成された海相と島相とからなる海島構造を有し、前記島相は、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量が、前記ゴム部材における前記カーボンブラックの全量に対して30質量%以上であることを特徴とする。
これにより、本発明に係るタイヤは、高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能のバランスが向上する。
本発明に係るタイヤは、前記カーボンブラックの全量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であることが好ましい。2質量部以上とすることにより、耐摩耗性を向上させやすく、35質量部以下とすることにより、転がり抵抗を低下させやすい。
本発明に係るタイヤは、前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
これにより、海相をポリマー2を含む相とし、島相をポリマー1を含む相とすることができる。
本発明に係るタイヤの製造方法は、(a)ゴム成分として、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを準備する工程、ここで、当該X1およびX2は、下記式(2)の関係を満たす;(b)前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部のカーボンブラックを準備する工程、(c)前記カーボンブラックの全量の30%以上を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製する工程、(d)前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製する工程、(e)前記マスターバッチ1およびマスターバッチ2を混合してゴム組成物を調製する工程、および(f)前記ゴム組成物を加硫する工程、を含むことを特徴とする。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
上記特定のポリマー1に特定量のカーボンブラックを混合して調製したマスターバッチ1と、上記特定のポリマー2にゴム組成物に配合する残りのカーボンブラックを混合して調製したマスターバッチ2とを混合してなるゴム組成物を加硫することにより、当該ゴム組成物の加硫物において、海島構造が形成され、一定量以上のカーボンブラックを、前記ポリマー1を含む島相に存在させることができ、これによって、高いレベルでの低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能のバランスがとれたタイヤが得られる。
本発明によれば、タイヤにおいて高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができるゴム組成物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、高いレベルでの低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能のバランスがとれたタイヤおよび当該タイヤの製造方法を提供することができる。
本発明に係るタイヤの一例の断面図である。
(ゴム組成物)
以下、本出願の第1の発明に係るゴム組成物の好適な実施形態の例を詳細に説明する。
本出願の第1の発明に係るゴム組成物は、少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物であって、前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たし、前記カーボンブラックの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であり、前記ゴム組成物の加硫物のミクロ構造が、海相と島相とからなる海島構造を形成し、前記海相が、前記ポリマー2を含む相であり、前記島相が、前記ポリマー1を含む相であり、前記島相は、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量が、前記カーボンブラックの全配合量に対して30質量%以上であることを特徴とする。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
これにより、当該ゴム組成物の加硫物において、海島構造が形成され、一定量以上のカーボンブラックを、前記ポリマー1を含む島相に存在させることができ、これによって、タイヤにおいて高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができる。
この理由は、一定量以上のカーボンブラックを島相に存在させることによって、海相へのカーボンブラックの侵入が減少して海相内のエネルギーロスが小さくなる一方で、島相にカーボンブラックが存在することによって、島相が補強され、耐摩耗性が向上するためと推測される。
以下、本出願の第1の発明に係るゴム組成物に含まれる必須成分であるゴム成分およびカーボンブラックを説明する。また、本出願の第1の発明に係るゴム組成物に任意に用いることができる任意成分も説明する。
<ゴム成分>
前記ゴム成分は、上記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、上記式(2)の関係を満たす。これにより、海相をポリマー2を含む相とし、島相をポリマー1を含む相とすることができる。
前記ゴム成分として用いることができるポリマーとしては、例えば、変性または未変性の、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、クロロプレンゴム(CR)、などの合成ゴム、および天然ゴム、などが挙げられる。
前記変性SBR、変性BR、などの変性したポリマーを使用すると、転がり抵抗の低下、耐摩耗性の向上、ウェット性能の向上という効果が得られやすい。SBR、BR、などの共役ジエン重合体を変性する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、特開2010−90290号公報に記載の、(1)重合開始剤を用いて単量体を重合させ、重合活性部位を有する重合体を生成させた後、当該重合活性部位を各種窒素含有変性剤で変性する方法や、(2)単量体を窒素含有官能基を有する重合開始剤を用いて重合させる方法が好ましく挙げられる。
前記ポリマー1の上記式(1)で表される値X(すなわち、X1)は、特に限定されず、所望の性能、島相におけるカーボンブラックの存在の程度、海島構造、などに応じて適宜選択することができるが、例えば、0〜20が好ましく、0〜15がより好ましい。この範囲とすることにより、低転がり抵抗と耐摩耗性を両立できるという利点がある。
前記ポリマー2の上記式(1)で表される値X(すなわち、X2)は、特に限定されず、所望の性能、島相におけるカーボンブラックの存在の程度、海島構造、などに応じて適宜選択することができるが、例えば、30〜60が好ましい。この範囲とすることにより、低転がり抵抗、ウェット性能および耐摩耗性のバランスをとりやすい。
上記式(2)で表されるX2−X1は、22.0〜40.0であるが、32.5〜40が好ましい。32.5以上とすることにより転がり抵抗を低下させやすく、39.5以下とすることにより優れた耐摩耗性を得やすい。
前記ゴム成分において、前記ポリマー1の割合は、前記ゴム成分の全量に対して、2〜45質量%が好ましく、2〜35質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。2〜45質量%とすることにより、低転がり抵抗、ウェット性能および耐摩耗性のバランスをよりとりやすく、2〜35質量%とすることにより、より高いレベルで低転がり抵抗、ウェット性能および耐摩耗性のバランスをとりやすい
前記ゴム成分において、前記ポリマー2の割合は、前記ゴム成分の全量に対して、35〜85質量%が好ましく、65〜70質量%がより好ましい。この範囲とすることにより、低転がり抵抗、ウェット性能および耐摩耗性のバランスをよりとりやすい。
<カーボンブラック>
第1の発明に係るゴム組成物において、カーボンブラックは、充填剤の一種であり、転がり抵抗を低下させる働きおよび耐摩耗性を高める働きを有する。
前記カーボンブラックの種類は、特に限定されず、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAF、などのグレードを用いることができ、耐摩耗性の観点からは、ISAF、SAFが好ましい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、100m/gを超えるものが好ましく、110〜160m/gであることがより好ましく、120〜150m/gであることがさらに好ましい。窒素吸着比表面積が上記範囲内にあるカーボンブラックは、低発熱性と耐摩耗性とを高いレベルで向上させることができる。
第1の発明に係るゴム組成物においては、上記カーボンブラックを1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の発明に係るゴム組成物では、前記カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部である。この範囲とすることで、各相へのカーボンブラックの分配がコントロール可能となり、低転がり抵抗、ウェット性能および耐摩耗性のバランスをとりやすい。
ゴム組成物の加硫物において、海相のエネルギーロスを小さくし、優れた耐摩耗性を得るために、第1の発明に係るゴム組成物の加硫物中では、前記島相が有するカーボンブラックの質量が、前記カーボンブラックの全配合量に対して30質量%以上である。
<任意成分>
本出願の第1の発明に係るゴム組成物には、上記ゴム成分およびカーボンブラック以外に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、所望の性能等に応じて、適宜、従来公知の、カーボンブラック以外のシリカ、アルミナ、などの充填剤;加硫剤;加硫促進剤;プロセス油;老化防止剤;スコーチ防止剤;亜鉛華;ステアリン酸;などが含まれていてもよい。これらの任意成分は、それぞれ、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の発明に係るゴム組成物は、ウェット性能の向上および転がり抵抗の低下の観点から、前記カーボンブラック以外の充填剤であるシリカを含むことが、好ましい。
前記シリカは、特に限定されないが、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられ、なかでも湿式シリカが好ましい。なお、これら充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記シリカの配合量は、ウェット性能の向上および転がり抵抗の低下の観点から、前記ゴム成分100質量部に対して、40〜200質量部が好ましく、45〜120質量部がより好ましい。
また、第1の発明に係るゴム組成物では、転がり抵抗とウェット性能の両立の観点から、前記カーボンブラックとシリカの全量に対する、当該シリカの配合量の割合(シリカ率)が、50〜90質量%であることが好ましい。
第1の発明に係るゴム組成物は、上記ゴム成分およびカーボンブラックならびに任意成分を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー、などを用いて、常法に従って混練して調製することができる。混練の条件としては、特に制限はなく、配合組成、混練装置への投入体積、などに応じて、適宜、ローターの回転速度、ラム圧、混練温度、混練時間を調節すればよい。
第1の発明に係るゴム組成物の加硫方法は、特に限定されず、常法に従って加硫することができる。加硫温度は、例えば、100〜190℃とすることができる。
本出願の第2の発明に係るゴム組成物は、少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物であって、前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たし、前記カーボンブラックの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であり、前記カーボンブラックの全配合量の30質量%以上を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製し、前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製し、前記マスターバッチ1およびマスターバッチ2を混合することにより得られうることを特徴とする。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
これにより、当該ゴム組成物の加硫物において、ポリマー2を含む海相とポリマー1を含む島相からなる海島構造が形成され、一定量以上のカーボンブラックを、前記ポリマー1を含む島相に存在させることができ、これによって、タイヤにおける高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができる。
この理由は、一定量以上のカーボンブラックを島相に存在させることによって、海相へのカーボンブラックの侵入が減少して海相内のエネルギーロスが小さくなる一方で、島相にカーボンブラックが存在することによって、島相が補強され、耐摩耗性が向上するためと推測される。また、第2の発明に係るゴム組成物は変性ポリマーを使用せずに、各相へのカーボンブラックの分配をコントロールすることが可能である。
第2の発明に係るゴム組成物のゴム成分(前記ポリマーの種類、前記X1、前記X2、前記式(2)で表されるX2−X1の範囲含む)およびカーボンブラックならびに任意成分については、第1の発明に係るゴム組成物において説明したものを用いることができ、好ましい種類、範囲、割合および組み合わせも同様である。
なお、第2の発明に係るゴム組成物では、前記カーボンブラックの全配合量の30質量%以上を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製し、そして、前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製しているが、当該第2の発明に係るゴム組成物では、所定のポリマーに対する前記カーボンブラックの配合量を満たせばよく、前記カーボンブラックを前記ポリマーに混合する順序および方法はこれに限定されない。例えば、全配合量(2〜35質量部)のカーボンブラックの70質量%以下をポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製し、前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製してもよい。また、前記カーボンブラックを、前記ポリマーに、所定量を1回で混合してもよいし、2回以上に分けて混合してもよい。
前記マスターバッチ1およびマスターバッチ2を調製する方法は、特に限定されず、バンバリーミキサー、インターミックス、ニーダー、ハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、などの混練装置を用いて、常法に従い混練して調製すればよい。混練の条件としては、特に制限はなく、配合組成、混練装置への投入体積、などに応じて、適宜、ローターの回転速度、ラム圧、混練温度、混練時間を調節すればよい。
前記マスターバッチ1および2を混合する方法は、特に限定されず、上述した装置を用いて常法に従い混合すればよい。
第2の発明に係るゴム組成物では、前記ゴム組成物の加硫物のミクロ構造が、海相と島相とからなる海島構造を形成し、前記海相が、前記ポリマー2を含む相であり、前記島相が、前記ポリマー1を含む相であり、前記島相が、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量を、前記カーボンブラックの全配合量に対して30質量%以上とすることが可能である。
(タイヤ)
本発明に係るタイヤは、少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物を加硫してなるゴム部材を含むタイヤであって、前記ゴム部材のミクロ構造が、互いに異なるポリマーから形成された海相と島相とからなる海島構造を有し、前記島相は、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量が、前記ゴム部材における前記カーボンブラックの全量に対して30質量%以上であることを特徴とする。
これにより、本発明に係るタイヤは、高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能のバランスが向上する。
本発明に係るタイヤは、前記カーボンブラックの全量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であることが好ましい。これにより、一定量以上のカーボンブラックを島相に存在させやすい。
前記カーボンブラックの好ましい種類は、上記第1の発明に係るゴム組成物で説明したものと同様である。前記カーボンブラックは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るタイヤは、前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
これにより、海相をポリマー2を含む相とし、島相をポリマー1を含む相とすることができる。
前記ゴム成分(前記ポリマーの種類、前記X1、前記X2、前記式(2)で表されるX2−X1の範囲含む)、前記カーボンブラックおよびゴム組成物に含まれていてもよい任意成分、ならびにこれらの好ましい種類、範囲、割合および組み合わせ、などは、上記第1の発明に係るゴム組成物で説明したものと同様である。
ゴム組成物の調製方法および加硫方法は、上述したものと同じである。
図1は、本発明に係るタイヤの一例を示す部分断面図である。本発明に係るタイヤの一例では、タイヤは、ビードコア1の周りに巻回されてコード方向がラジアル方向に向くカーカスプライを含むカーカス2と、カーカス2のタイヤ内面側に配設されたインナーライナー3と、カーカス2のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配役された2枚のベルト層を有するベルト4と、ベルトの上部に配設されたトレッド部5と、トレッド部の左右に配置されたサイドウォール部6から構成されている。上述のゴム組成物を加硫したもの(ゴム部材)は、特にタイヤのトレッド部5に好適に用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
表1〜2に示す組成で各成分を配合し、ゴム組成物を調製した。なお、表1〜2中の各実施例および比較例において、マスターバッチの使用の「有り」とは、ポリマー1に、表に示す量のカーボンブラックを混合してマスターバッチ1を調製し、ポリマー2またはポリマー2およびポリマー3に、表に示す量のカーボンブラックを混合してマスターバッチ2を調製し、これらのマスターバッチ1および2を混合して、ゴム組成物を調製したことをいう。例えば、実施例1では、最終的なゴム組成物に含まれるカーボンブラック20質量部のうち、30質量%となる6質量部を、ポリマー1であるBR−1に混合してマスターバッチ1を調製し、また、最終的なゴム組成物に含まれるカーボンブラック20質量部のうち、70質量%となる14質量部を、ポリマー2であるSBR−2およびポリマー3であるSBR−3に混合してマスターバッチ2を調製し、当該マスターバッチ1および2を混合して、ゴム組成物を調製した。一方、マスターバッチの使用の「無し」とは、上述したマスターバッチを調製せずに、ポリマー1〜2またはポリマー1〜3に表に示す全配合量のカーボンブラックを加えて、混練して調製したことをいう。
各実施例および比較例について、得られたゴム組成物を加硫したものをタイヤのトレッド部に用いて、以下の方法により、転がり抵抗、耐摩耗性、ウェット性能について測定、評価を行った。その結果を表1〜2に示す。
<転がり抵抗(計器)>
内圧210kPaを充填し、荷重4.9Nの負荷の下で60km/hで回転する直径1.7mのドラムにタイヤを押し当て、転がり抵抗を測定し、比較例1の値の逆数を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、転がり性能に優れていることを表している。室内試験条件;タイヤサイズ:PSR205/65R15、リム幅:6.5J×15、内圧:210kPa、荷重:4.81kN、実車試験条件;タイヤサイズ:PSR205/65R15、リム幅:6.5J×15、内圧:210kPa、車両:トヨタ自動車株式会社製カムリ(排気量2000cc)、荷重:車両重量+ドライバー+助手席60kgf
<耐摩耗性>
JIS K 6264:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温におけるスリップ率が25%の摩耗量を測定し、比較例1の摩耗量の逆数を100として下記式にて指数表示した。指数の大きいほど、耐摩耗性に優れていることを示す。
耐摩耗性指数={(比較例1の加硫ゴム組成物の摩耗量)/(供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
<ウェット性能>
上記実車試験条件のタイヤを標準リムに組み付け、内圧を車両指定圧に調整した後、車両に装着して、平均水深さ2mmの滞水路面を速度80km/hで走行した後に急ブレーキをかけて、制動距離を測定した。結果は、比較例1の性能の逆数を100として指数表示した。なお、数値が大きいほど性能に優れていることを示す。
実施例で用いた変性BRと変性SBRは、それぞれ以下のように調製した。
(変性BRの調製)
乾燥し、窒素置換した約900mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエン50g、ジテトラヒドロフリルプロパン0.0057mmol、およびヘキサメチレンイミン0.513mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(BuLi)0.57mmolを加えた後、撹拌装置を具えた50℃の温水浴中で4.5時間重合を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合反応系に、変性剤(カップリング剤)として四塩化スズ0.100mmolを速やかに加え、さらに50℃で30分間攪拌して変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、反応を停止させ、さらに常法に従って重合体(変性BR)を得た。
(変性SBRの調製)
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン40g、スチレン10g、ジテトラヒドロフリルプロパン0.2mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(n−BuLi)0.4mmolを加えた後、50℃で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤として3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(信越化学工業株式会社製)を0.43mmol速やかに加え、さらに50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、さらに定法に従って重合体(変性SBR)を得た。
本検討で使用したゴム成分、カーボンブラックおよびシリカは、以下のとおりである。
・未変性BR(BR−1):JSR株式会社製、製品名「BR01」
・変性BR(BR−2):上記方法で調製した変性BR
・未変性SBR(SBR−1):JSR株式会社製、製品名「SL584」
・未変性SBR(SBR−2):JSR株式会社製、製品名「JSR1723」
・変性SBR(SBR−3):上記方法で調製した変性SBR
・未変性SBR(SBR−4):JSR株式会社製、製品名「JSR0122」
・未変性SBR(SBR−5):JSR株式会社製、製品名「JSR0150」
・カーボンブラック(CB):昭和キャボット株式会社製、製品名「ショウブラックN134」
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製、製品名「ニップシールAQ」
本検討において、上記式(1)で表される割合X[%]について、各ポリマーの全単位中における前記結合スチレン量の割合[%]は、1H-NMRの積分比から求めた。前記ビニル結合量の割合[%]は、赤外法(D.Morero et al,Chem.e.Ind.,41,758(1959))により求めた。
本検討において、前記島相が有するカーボンブラックの質量は、走査型プローブ顕微鏡を用いて海相と島相のカーボンブラック面積を測定し、その比率から求めた。
本検討でゴム組成物を加硫する際に使用した加硫剤等の成分は以下のものを用いた(各成分の質量部は、ゴム成分100質量部に対する質量部である。)。
・硫黄:1.5質量部
・加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド):1.5質量部
・加硫促進剤(ジフェニルグアニジン):1.2質量部
・加硫促進剤(ジベンゾチアジルジスルフィド):0.2質量部
・亜鉛華(ZnO):2.0質量部
・ステアリン酸:1.0質量部
・老化防止剤(大内新興化学工業株式会社製の商品名ノクラック6C:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン):1.0質量部
本検討におけるゴム組成物の加硫は、上記加硫剤等を用いて、150℃、30分間で行った。
Figure 0006348256
Figure 0006348256
表1,2から、実施例1〜11では、X2−X1の値、カーボンブラックの配合量およびカーボンブラックの全配合量に対する島相が含有するカーボンブラックの量が所定範囲内であることにより、高いレベルで低転がり抵抗、耐摩耗性およびウェット性能をバランスさせることができた。
表1の比較例1と実施例1〜3の対比から、島相が含有するカーボンブラックの量が多いと耐摩耗性が高まる傾向があることが分かる。同様の傾向が表1の比較例2と実施例4〜6の対比や表2の比較例7と実施例8との対比からも読み取れる。
表1の実施例5,7と比較例3との対比から、カーボンブラックの全配合量が少ない程、耐摩耗性が高まる傾向があることが分かる。
表1の比較例4〜6の対比から、X2−X1の値が所定範囲よりも小さい場合、耐摩耗性が低下する傾向があることが分かる。
表1の実施例5、比較例3〜5の対比から、カーボンブラックの全配合量が所定範囲内であると、低転がり抵抗となる傾向があることが分かる。
表2の実施例9〜11から、島相となるポリマー1の配合量が少ない程、耐摩耗性が高まり、逆に島相となるポリマー1の配合量が多い程、低転がり抵抗となる傾向があることが分かる。
表2の実施例9〜11と比較例8〜10の対比から、ゴム成分がポリマー1,2の2種類であり、島相となるポリマー1の配合量が少なく、X2−X1の値が大きい程、ウェット性能が高まる傾向があることが分かる。
表1,2の比較例4,6,10の対比から、ゴム成分がポリマー1,2の2種類の場合に比べて、ポリマー1,2,3の3種類であると、低転がり抵抗となる傾向があることが分かる。
1 ビードコア
2 カーカス
3 インナーライナー
4 ベルト
5 トレッド部
6 サイドウォール部

Claims (5)

  1. 少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物であって、
    前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、
    前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たし、
    前記カーボンブラックの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であり、
    前記ゴム組成物の加硫物のミクロ構造が、海相と島相とからなる海島構造を形成し、
    前記海相が、前記ポリマー2を含む相であり、
    前記島相が、前記ポリマー1を含む相であり、
    前記島相は、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量が、前記カーボンブラックの全配合量に対して30〜50質量%であることを特徴とする、ゴム組成物。
    X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
    22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
  2. 少なくともゴム成分およびカーボンブラックを含むゴム組成物であって、
    前記ゴム成分が、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを少なくとも含み、
    前記X1およびX2が、下記式(2)の関係を満たし、
    前記カーボンブラックの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部であり、
    前記カーボンブラックの全配合量の30〜50質量%を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製し、
    前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製し、
    前記マスターバッチ1およびマスターバッチ2を混合することにより得られうることを特徴とする、ゴム組成物。
    X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
    22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
  3. 前記ゴム組成物の加硫物のミクロ構造が、海相と島相とからなる海島構造を形成し、
    前記海相が、前記ポリマー2を含む相であり、
    前記島相が、前記ポリマー1を含む相であり、
    前記島相は、カーボンブラックを有し、当該島相が有するカーボンブラックの質量が、前記カーボンブラックの全配合量に対して30〜50質量%であることを特徴とする、請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1に記載のゴム組成物の加硫物であるゴム部材を含むタイヤ。
  5. (a)ゴム成分として、下記式(1)で表される割合Xが当該ゴム成分中で最も小さい値X1であるポリマー1と、当該Xが当該ゴム成分中で当該X1に次いで小さい値X2であるポリマー2とを準備する工程、ここで、当該X1およびX2は、下記式(2)の関係を満たす;
    (b)前記ゴム成分100質量部に対して、2〜35質量部のカーボンブラックを準備する工程、
    (c)前記カーボンブラックの全量の30〜50質量%を、前記ポリマー1に混合してマスターバッチ1を調製する工程、
    (d)前記カーボンブラックの全残量を、前記ポリマー2に混合してマスターバッチ2を調製する工程、
    (e)前記マスターバッチ1およびマスターバッチ2を混合してゴム組成物を調製する工程、および
    (f)前記ゴム組成物を加硫する工程、
    を含むことを特徴とする、タイヤの製造方法。
    X[%]=ポリマー全単位中における結合スチレン量の割合[%]+ポリマー全単位中における1/2ビニル結合量の割合[%] (1)
    22.0≦X2−X1≦40.0 (2)
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