JP6289227B2 - トナー用樹脂およびトナー - Google Patents
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Description
そこでブロッキング耐性と低温定着性の両立の手段として、融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性ポリエステル樹脂を用いる技術が提案されている(特許文献1乃至3)。
そこで本願発明の目的は、シャープメルト性を有し定着性とブロッキング特性を両立させ、かつ現像耐久性に優れた結晶性ポリエステル樹脂および該結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーを提供することである。
一方、特許文献3ではガラス転移温度の高い結晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーが報告されている。この樹脂のヤング率は高く耐久性は良好であったが、融点が高く定着性に難があった。
そこで本発明者らは鋭意検討の結果、トナー用結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーであって、
前記トナー用結晶性ポリエステル樹脂は、
i)テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジカルボン酸成分と、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジオール成分との縮重合体であり、
ii)前記ジカルボン酸成分中に、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を総量で50モル%以上含有するものであり、前記ジオール成分中に、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を総量で50モル%以上含有するものであり、
iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定された重量平均分子量が5000以上20000以下であり、
iV)超微小押し込み硬度計を用いて測定された25℃におけるヤング率が2GPa以上であり、かつ融点が60℃以上、125℃以下であるトナーを使用することによって、上記の課題が解決できることを見出した。
現像耐久性に優れた結晶性ポリエステル樹脂および該結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーを提供することができる。
超微小押し込み硬度計を用いて測定された25℃におけるヤング率が2GPa以上であることによって、室温条件下での機械的強度が高まり現像耐久性が良好になる。また、該ヤング率が3GPa以上になるとより機械的強度が高まり好ましい。一方、該ヤング率の上限値は特に限定されるものではないが、定着温度を下げる観点より、5GPa以下であることが好ましい。
従来公知のアルキルジオールとアルキルジカルボン酸からなる結晶性ポリエステルは超微小押し込み硬度計を用いて測定された25℃におけるヤング率が2GPaより低く、現像耐久性に劣っていた。
測定サンプル : 樹脂サンプルを厚さ1mmの平板状にしたものを使用
装置 : 超微小押し込み硬度計 ENT1100((株)エリオニクス製)
使用圧子 : 三角すい圧子(稜間隔115°[標準])
試験モード : 負荷−除荷試験
最大荷重 : 100mgf
ステップ数 : 1000回
ステップインターバル:10msec
測定温度 : 25℃
上記条件で測定を行い、最大荷重100mgfに到達後、荷重を除去して、荷重−変位線を得た。得られた荷重−変位線から超微小押し込み硬度計 ENT1100((株)エリオニクス製)付属の解析ソフトを利用して、ヤング率を算出した。また、1つの樹脂サンプルにつき上記測定を7回繰り返して行い、最大のヤング率と最小のヤング率を除去し、残りを算術平均し、得られた結果を樹脂サンプルのヤング率とする。
さらに、トナーに含有される本発明の結晶性樹脂のヤング率は、トナー中に含まれる樹脂から結晶性樹脂成分を単離し、上記の方法でヤング率を測定する。結晶性樹脂成分を単離する方法としては、トナーを酢酸エチル溶媒によるソックスレー抽出により結晶性樹脂成分を残渣として単離する方法が挙げられる。なお、その抽出残渣の分子構造が結晶性樹脂であることはNMRスペクトル測定により確認できる。
上記結晶性樹脂の融点(Mp)は、示査走査熱量計(メトラートレド社製:DSC822/EK90)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。具体的には、試料0.01gをアルミパンに計量し、室温から200℃まで昇温速度10℃/minで試料を昇温しながら熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
また、トナーに含有される本発明の結晶性樹脂の融点(Mp)は、トナーを直接上記の方法で測定することができる。その際に、トナー中に存在するワックスによる融点が観察される場合がある。ワックスの融点と結晶性樹脂由来の融点を判別は、トナーからヘキサ
ン溶媒を使用したソックスレー抽出によってワックスを抽出し、ワックス単体の示査走査熱量測定を上記方法で行い、得られた融点とトナーの融点を比較することにより行う。
上記ガラス転移温度が25℃より低い場合は、室温下で樹脂は溶融状態にあり、25℃のヤング率も極めて低くなり現像耐久性が低下する傾向にある。また、ガラス転移温度70℃より高い場合は低温定着性が低下する傾向にある。ガラス転移温度は、40℃以上であることが機内昇温を考慮した現像耐久性の観点からより好ましい。また、ガラス転移温度が60℃以下であることが定着性の観点からより好ましい。
本発明の結晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示査走査熱量計(メトラートレド社製:DSC822/EK90)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定する。具体的には、試料0.01gをアルミパンに計量し、200℃まで10℃/minで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで−100℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温しながら、−100℃から200℃の温度範囲で熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
また、ガラス転移温度が2点以上検出される場合は、より低温で検出されたガラス転移温度を本発明の樹脂のガラス転移温度とする。
さらに、トナーに含有される本発明の結晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナー中に含まれる樹脂から結晶性樹脂成分を単離し、上記の方法でガラス転移温度(Tg)を測定する。結晶性樹脂成分を単離する方法としては、トナーを酢酸エチル溶媒によるソックスレー抽出により結晶性樹脂成分を残渣として単離する方法が挙げられる。なお、その抽出残渣の分子構造が結晶性樹脂であることはNMRスペクトル測定により確認できる。
一方、該結晶化度の上限値は特に限定されるものではないが、トナー製造時の製造効率の観点より、70%以下であることが好ましい。
本発明の結晶性樹脂における結晶性は、広角X線回折法により測定し、後述の式を用いて算出された結晶化度により判断が可能で有り、1%以上の結晶化度を有する場合に結晶性樹脂と判断する。
本発明の結晶性樹脂の広角X線回折法を用いた結晶化度は、以下条件で測定できる。
X線回折装置 :Bruker AXS製 D8 ADVANCE
X線源 :Cu−Kα線(波長 0.15418nm)
出力 :40kV、40mA
スリット系 :スリットDS、SS=1°、RS=0.2mm
測定範囲 :2θ=5°〜60°
ステップ間隔 :0.02°
スキャン速度 :1°/min
結晶性樹脂を乳鉢で粉砕後、上記条件で広角X線回折プロファイルを得た。得られた広角X線回折プロファイルを結晶ピークと非晶散乱に分離し、それらの面積から結晶化度を、下記式を用いて算出する。
結晶化度(%)=Ic/(Ic+Ia)×100
Ic:5≦2θ≦60の範囲にて検出された結晶ピークの総面積
Ia:5≦2θ≦60の範囲にて検出された非晶散乱の総面積
なお、トナーに含有される本発明の結晶性樹脂の結晶化度は、トナー中に含まれる樹脂
から結晶性樹脂成分を単離し、上記の方法で結晶化度を測定する。結晶性樹脂成分を単離する方法としては、トナーを酢酸エチル溶媒によるソックスレー抽出により結晶性樹脂成分を残渣として単離する方法が挙げられる。該抽出残渣の分子構造が結晶性樹脂であることはNMRスペクトル測定により確認できる。
本発明のトナー用結晶性ポリエステル樹脂は、上記の物性を満たせばどのような樹脂であっても使用可能であるが、ジカルボン酸成分とジオール成分を縮重合させて得られる結晶性樹脂であることが好ましい。
本発明のトナー用結晶性ポリエステル樹脂は、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジカルボン酸成分と、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジオール成分とを縮重合して得られる結晶性樹脂であることが好適に例示できる。
上述のように、本発明の結晶性樹脂はジカルボン酸成分として、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
ここで、上記誘導体とは、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られる、テレフタル酸をメチルエステル化、エチルエステル化、又は酸クロライド化した誘導体が例示できる。具体的には、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジクロリドが挙げられる。
上記ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することによって、芳香環が直線状に配列し、結晶性樹脂のガラス転移温度が高くなり、結果、室温におけるヤング率を本発明の所定の範囲に制御することが可能となり、かつ、結晶化が起り易くなる。ここで、用いられるジカルボン酸成分は、芳香環が直線状に配列したものであればよく、上記具体的な化合物に限定されるものではない。
また、上記ジカルボン酸成分は、ガラス転移温度を高くし、室温におけるヤング率を高く、かつ、結晶化を起こり易くするために、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を、ジカルボン酸成分中に総量で50モル%以上含有することが好ましく、ジカルボン酸成分中に総量で90モル%以上含有することがより好ましい。
また、ジオール成分は、結晶性樹脂の融点を低下させるために、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物をジオール成分中に総量で50モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは、ジオール成分中に総量で90モル%以上含有する。
上記ジオール成分として、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することによって、剛直な主鎖に短いメチル基による枝別れ構造が存在することとなり、結晶化した際に結晶の面間距離が長くなると考えられる。そのために、得られた結晶性樹脂の融点が低下し、トナーに含有させた場合に低温定着性が発現すると考え
られる。
また、ガラス転移温度と融点には相関があり、ガラス転移温度が室温以上の通常のポリエステル樹脂は融点が180℃以上になってしまうことがあり、良好な低温定着性を得ることは困難である。
しかしながら、本発明においては、結晶の面間距離を広げることによりガラス転移温度を下げることなく、融点を本発明の所定の範囲に制御することを可能としている。
なお、用いられるジオール成分は、剛直な主鎖に短いメチル基等による枝別れが存在したものであればよく、上記具体的な化合物に限定されるものではない。
一方、例えば、枝別れ構造のない1,3−プロパンジオール等のみをジオール成分として使用すると、主鎖のパッキング性が向上し、結晶性樹脂の結晶化は起こり易くなるが、融点が高くなり、トナーに含有させた場合に低温定着性が低下し、所望の効果が得られ難い傾向にある。
また、枝別れした部分が大きい1,2−ブタンジオール等のみをジオール成分として使用すると、その枝別れ部が結晶化を阻害すると考えられ、結晶化が起こりにくくなる傾向にある。
また、本発明の結晶性樹脂の製造に際しては、必要に応じて上記物性を損なわない程度に、その他のカルボン酸成分や、アルコール成分を併用してもよい。ただし、炭素数6以上の長鎖脂肪族ジカルボン酸成分や炭素数6以上の長鎖ジオール成分を併用する場合、部分的に樹脂の運動性が増加し、現像耐久性が低下する場合がある。その他のカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、;1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等の3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。しかし、その他のモノマー成分がこれらに限定されるものではない。
その他のアルコール成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブテンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの2価のアルコールが挙げられる。また、3価以上のアルコールとして、グリセロール、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミンが挙げられる。しかし、その他のモノマー成分がこれらに限定されるものではない。
なお、上記結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、結晶性樹脂の種々の公知の製造条件によって容易に制御が可能である。
また、上記結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のように測定する。
ゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンに結晶性樹脂と上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、結晶性樹脂を溶解する。結晶性樹脂が溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フ
ィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。尚、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置: HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器: 高温用RI
カラム: TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度: 135.0℃
溶媒: ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン
(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速: 1.0ml/min
注入量: 0.4ml
結晶性樹脂の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
また、トナーに含有される本発明の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、トナー中に含まれる樹脂から結晶性樹脂成分を単離し、上記の方法で重量平均分子量(Mw)を測定する。結晶性樹脂成分を単離する方法としては、トナーを酢酸エチル溶媒によるソックスレー抽出により結晶性樹脂成分を残渣として単離する方法が挙げられる。該抽出残渣の分子構造が結晶性樹脂であることはNMRスペクトル測定により確認できる。
該結晶化処理の方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることが可能である。例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)有機溶媒に、単量体を縮重合して得られた樹脂を加熱溶解させた後に温度を下げる方法。
(2)有機溶媒に、単量体を縮重合して得られた樹脂を溶解させ、得られた樹脂溶液から有機溶媒を除去する方法。
(3)これらの方法を組み合わせる方法。
これらの方法で樹脂の結晶化が促進される理由は定かではないが、有機溶媒中に樹脂を溶解させることで、疑似的にガラス転移温度が下がり結晶化が起こりやくなるためと考えられる。
その際に、使用される有機溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルが挙げられ、その他、超臨界CO2が挙げられる。特に、溶解度パラメーター(SP値)が8以上9以下の有機溶媒は、樹脂の結晶化を促進させやすい傾向にある。
また、上記(1)の方法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。
(i)有機溶媒に、単量体を縮重合して得られた樹脂を加え、60〜100℃程度まで加熱し、該樹脂を有機溶媒に溶解させ樹脂溶液を調製する。
(ii)その後、得られた樹脂溶液を、40℃以下、好ましくは室温程度(例えば、25℃程度)まで、1〜50℃/hr程度で徐冷をして、樹脂を析出させる方法。一方、上記(2)の方法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。
(i)有機溶媒に、単量体を縮重合して得られた樹脂を溶解させ樹脂溶液を調製する。
(ii)得られた樹脂溶液を、15分〜1時間程度、温度60〜100℃程度で保持を行う。
(iii)その後、温度4〜30℃程度、圧力250〜760mmHg程度で、2〜120時間程度かけて有機溶媒を除去し樹脂を得る方法。
特に、本発明の結晶性樹脂は、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱量が下記式(1)を満たすと、経時変化が起り難く、好ましい。
式(1) H2/H1≦0.1
(前記H1及びH2は、25℃から200℃まで10℃/minで実施する1回目の昇温時における融解熱量をH1(J/g)とし、速度1℃/minで25℃まで冷却後、25℃で24時間保持し、再度25℃から200℃まで10℃/minで実施する2回目の昇温時における融解熱量をH2(J/g)とする。)
ここで、H1は初期状態での結晶化度を示しており、H2は一度、溶融した結晶性樹脂が、空気雰囲気下で徐冷された場合にどの程度結晶化するかを示している。従って、[H2/H1]は、空気雰囲気下で、どの程度初期の結晶状態に戻るかを意味している。つまり、[H2/H1]が小さい場合は、空気雰囲気下では結晶変化が起こりにくく、保管時の経時変化も起りにくくなる。
なお、本発明の結晶性樹脂の融解熱量(H1及びH2)は、示査走査熱量計(メトラートレド社製:DSC822/EK90)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。具体的には、試料0.02gをアルミパンに計量し、25℃から200℃まで10℃/minで昇温し、この時の融解熱量H1(J/g)を測定する。続いて速度1℃/minで25℃まで冷却後、25℃で24時間保持し、再度25℃から200℃まで10℃/minで2回目の昇温を行い、この時の融解熱量H2(J/g)を測定する。ここで、吸熱ピークが現れる温度領域において、1回目の昇温で得られた吸熱ピークを示す示差走査熱量曲線と示差走査熱量曲線のベースラインにより囲われた面積より算出された吸熱量を融解熱量H1(J/g)とする。一方、2回目の昇温で得られた吸熱ピークを示す示差走査熱量曲線と示差走査熱量曲線のベースラインにより囲われた面積より算出された吸熱量を融解熱量H2(J/g)とする。
上記[H2/H1]は、例えば、結晶性樹脂の構成成分によって制御することができる。具体例として、ジオール成分に2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、その誘導体からなる群より選ばれた化合物のような枝分かれ構造を有するジオールを含有させることで、上記範囲に制御することができる。
また、トナーに含有される本発明の結晶性樹脂の融解熱量(H1及びH2)は、トナーを直接上記の方法で測定することができる。その際に、トナー中に存在するワックス由来の吸熱ピークが観察される場合がある。ワックス由来の吸熱ピークと結晶性樹脂由来の吸熱ピークを判別するには、トナーからヘキサン溶媒を使用したソックスレー抽出によってワックスを抽出し、ワックス単体の示査走査熱量測定を上記方法で行い、得られた吸熱ピークとトナーの吸熱ピークを比較することにより行う。
本発明のトナーは、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法などの公知の製造方法で製造することが可能であり、製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら、これら製造方法の中でも、本発明のトナーは、本発明の結晶性樹脂の結晶性制御の観点から溶解懸濁法で製造することが好ましい。
以下、溶解懸濁法を用いたトナーの製造方法について例示する。
溶解懸濁法とは樹脂、着色剤及び離型剤等を有機溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は分散液を水等の貧溶媒中に、トナー粒子の大きさ程度に分散させ、その状態で有機溶媒を留去してトナーを製造する方法である。溶解懸濁法では樹脂溶解工程、造粒工程、脱溶剤工程、洗浄乾燥工程を経てトナーが製造される。
例えば、本発明のトナーの製造方法として、少なくとも本発明のトナー用結晶性ポリエステル樹脂、又は、本発明のトナー用結晶性ポリエステル樹脂の結晶化処理前の樹脂(以
下、結晶化処理前樹脂ともいう)を有機溶媒に溶解させて樹脂組成物を得る工程(樹脂溶解工程)、得られた樹脂組成物を分散媒体(水系媒体や超臨界/亜臨界CO2媒体)に分散させて分散体を得る工程(造粒工程)、得られた分散体から前記有機溶媒を除去する工程(脱溶剤工程)、を含む製造方法が挙げられる。
上記樹脂溶解工程は、例えば、有機溶媒に本発明の結晶性樹脂、又は、本発明の結晶性樹脂の結晶化処理前の樹脂を加熱溶解させ樹脂溶解液を調製し、必要に応じて、該樹脂溶解液にその他の樹脂、着色剤及び離型剤などを溶解または分散させて樹脂組成物を製造する工程である。
テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジカルボン酸成分と、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジオール成分とを縮重合して得られ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定された重量平均分子量が5000以上50000以下であるポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解させて樹脂組成物を得る態様が好適に例示されるが、該態様に限定されるわけではない。
使用される有機溶媒は樹脂を溶解する有機溶媒であれば任意の溶媒を使用できる。具体的には、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン及び酢酸エチルなどが挙げられる。なお、本発明においては、結晶性樹脂の結晶化促進性および溶媒除去の容易性からトルエン、酢酸エチルを使用することが好ましい。また、結晶化促進性が高いトルエンなどの溶媒を単独で使用すると得られたトナーが中空構造になり易く強度が低下する傾向にある。そのため、トルエンなどの結晶化促進性が高い溶媒に、クロロホルムなどの結晶化促進性が低い溶媒を混ぜることにより強度の低下を防止することが可能となる。結晶化促進性が高い溶媒と結晶化促進性が低い溶媒を併用することによって得られたトナーは中実構造になり、強度を向上させることができる。その結果、得られたトナーを複写機等で使用している際にトナーの破砕などが起こりにくくなる。
有機溶媒の結晶化促進性は、結晶性樹脂を有機溶媒中に必要に応じて加熱させながら70質量%の濃度で溶解させ、25℃に冷却し24時間放置することによって、結晶性樹脂が析出するか否かで判断できる。結晶化促進性が高い場合は有機溶媒中に結晶性樹脂が析出し、結晶促進性が低い場合は析出が起こらない。
本発明においては、上記有機溶媒が少なくとも有機溶媒A(結晶化促進性が高い溶媒)および有機溶媒B(結晶化促進性が低い溶媒)を含み、以下の(1)及び(2)の条件を満たすことが好適に例示できる。
(1)有機溶媒Aにトナー用結晶性ポリエステル樹脂を70質量%の濃度で溶解させ、25℃で24時間放置した場合にトナー用結晶性ポリエステル樹脂が析出する。
(2)有機溶媒Bにトナー用結晶性ポリエステル樹脂を70質量%の濃度で溶解させ、25℃で24時間放置した場合にトナー用結晶性ポリエステル樹脂が析出しない。
ここで、有機溶媒Aと有機溶媒Bの混合比(質量比)は、10/1〜1/10であることが、トナーの結晶化促進とトナーの機械的な強度低下防止(すなわち、現像耐久性向上)を両立させる観点より好ましい。5/1〜1/5であることがトナーの結晶化促進とトナーの機械的な強度低下防止(すなわち、現像耐久性向上)を両立させる観点からより好ましい。
上記有機溶媒の使用量には制限がないが、樹脂組成物が分散媒体中に分散し造粒できる粘度となる量であればよい。具体的には、本発明の結晶性樹脂、その他の樹脂、着色剤及び離型剤などを含む樹脂組成物と有機溶媒の質量比が10/90〜50/50が後述の造粒性およびトナーの生産効率の観点から好ましい。
本発明において、トナーの結着樹脂として、本発明の結晶性樹脂に加えてその他の樹脂を使用することが可能であるが、本発明の結晶性樹脂を、トナー全質量を基準として、10〜100質量%含むことが好ましく、30〜100質量%含むことがより好ましい。
また、その他の樹脂を併用し、本発明の結晶性樹脂の効果を効率的に発現させるためには、本発明の結晶性樹脂が、製造されたトナーの外側に存在するように、公知の方法を用いて設計することが好ましい。例えば、溶解懸濁法においては、本発明の結晶性樹脂をトナーの結着樹脂として用いること、その他の樹脂として本発明の結晶性樹脂の親水性より低い樹脂を選定すること、又は、本発明の結晶性樹脂の親水性をその他の樹脂より高めておくことにより、製造されたトナーの外側に本発明の結晶性樹脂を存在させることができる。その他の使用できる樹脂としては、従来公知の熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂などが挙げられる。
使用可能な着色剤としては、特に限定されず、公知の有機顔料または油性染料、カーボンブラック、磁性粉体などが挙げられる。
シアン系の着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。
マゼンタ系の着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
イエロー系の着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物などが挙げられる。
黒色系の着色剤としては、カーボンブラック、または磁性粉体、あるいは、前記イエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナーへの分散性の点から選択される。
本発明において、シアン、マゼンタ、イエロー、又は黒色系色剤の含有量は、トナーを構成する樹脂100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましい。
上記離型剤は、その融点が150.0℃以下のものが好ましく、40.0℃〜130.0℃のものがより好ましく、40.0〜110.0℃であるものが特に好ましい。また上記離型剤は、トナーを構成する樹脂100質量部に対して1〜20質量部で使用することが好ましい。
上記造粒工程は、得られた樹脂組成物を分散媒体に所定のトナー粒子径になるように分散剤を用いて分散させて、分散体(造粒物)を調製する工程である。造粒工程において、分散媒体としては水系媒体を用い、該水系媒体の温度を60〜100℃に保持することが好ましい。水系媒体は、主に水が用いられる。また、該水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上30質量%以下含有することが好ましい。1価の金属塩を含有していることによ
り、樹脂組成物中の有機溶媒が水系媒体中へ拡散することが抑制される。それにより、得られたトナー粒子に含まれる樹脂の結晶性が高まり、トナーのブロッキング性が良好になり易く、かつ結晶性が高まることにより、結晶性樹脂のヤング率が向上し、現像耐久性も良好になる。
上記1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化カリウムが例示でき、これらのうち、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましい。
また、水系媒体と樹脂組成物の混合比(質量比)は、水系媒体/樹脂組成物=90/10〜50/50が好ましい。
上記分散剤は特に限定されないが、有機系分散剤として、陽イオンタイプ、陰イオンタイプ及びノニオンタイプの界面活性剤が用いられ、陰イオンタイプのものが好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。一方、無機系分散剤としてリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン及びシリカ粉末などが挙げられる。
本発明においては無機系分散剤のリン酸三カルシウムが好ましい。この理由は、造粒性及びその安定性、更には得られるトナーの特性に対する悪影響が極めて少ないためである。
分散剤の添加量は造粒物の粒子径に応じて決定され、分散剤の添加量が増加すれば粒子径が小さくなる。そのために、所望の粒子径によって分散剤の添加量は異なるが、樹脂組成物に対して0.1乃至15質量%の範囲で用いられるのが好ましい。0.1質量%未満では粗粉が発生し易く、15質量%を超えて使用すると不必要な微細粒子が発生し易い。また、水系媒体中で樹脂組成物の分散体を調製する際は、高速剪断下で行われるのが好ましい。水系媒体中に分散された樹脂組成物の分散体は、重量平均粒子径が10μm以下に造粒されることが好ましく、4〜9μm程度に造粒されることがより好ましい。
高速剪断を与える装置としては各種の高速分散機や超音波分散機が挙げられる。
一方、上記分散体の重量平均粒子径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター社製)で測定ができる。
脱溶剤工程では、得られた分散体から有機溶媒を除去する工程である。有機溶媒の除去は撹拌を行いながら、ゆっくりと行うことが好ましい。また、必要に応じて加熱、減圧をすることで有機溶媒の除去速度を制御することもできる。
例示されている溶解懸濁法等の水系媒体中で分散体を形成する製造方法においては、その製造工程中に上述の結晶化処理を含められるため、本発明の結晶性樹脂の結晶化をより確実にすることもできる。
例えば、脱溶剤工程の前段階、すなわち、造粒工程において水系媒体の温度を60℃以上100℃以下の加熱状態に保持しておき、該造粒工程後、且つ脱溶剤工程前或いは、脱溶剤工程にて、40℃以下、好ましくは室温程度(例えば、25℃程度)まで、攪拌下、1℃/hr以上50℃/hr以下の降温速度で冷却をして、結晶性樹脂を析出、結晶化させた後に有機溶剤を除去する方法が挙げられる。また、本発明の結晶性樹脂が有機溶媒に溶解している時間を十分に取り、脱溶剤速度を遅くすることで結晶化を促進させることも好適な手法である。より具体的には、得られた分散体から、温度4〜30℃程度、圧力250〜760mmHg程度で、2〜120時間程度かけて、有機溶媒を除去する方法が挙げられる。24時間以上、より好ましくは72時間以上かけて有機溶媒を除去することがより好ましい。
上記脱溶剤工程の後に、水等で複数回洗浄し、トナー粒子をろ過及び乾燥する洗浄乾燥工程を実施してもよい。また、分散剤にリン酸三カルシウムなどの酸性条件で溶解する分散剤を使用した場合は、塩酸などで洗浄後に水洗することが好ましい。洗浄を行うことで
造粒のために使用した分散剤を除去し、トナー特性を向上させることができる。洗浄後、ろ過乾燥を行うことでトナーを得ることができる。得られたトナーは必要に応じてシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機微粒子や樹脂粒子は、帯電助剤、流動性助剤、クリーニング助剤等の外添剤として機能する。
<ポリエステル樹脂1の製造>
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
2−メチル−1,3−プロパンジオール 200モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、さらに減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。
得られた樹脂に対して、以下の結晶化処理を行った。得られた樹脂40質量部をトルエン160質量部が入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することでポリエステル樹脂1(重量平均分子量[Mw]:9500、ガラス転移温度[Tg]:42℃、融点[Mp]:81℃)を得た。
オルトチタン酸テトライソプロピルの添加量を0.03質量部に変えた以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂2(Mw:6400、ガラス転移温度:30℃、融点:79℃)を得た。
オルトチタン酸テトライソプロピルの添加量を0.10質量部に変えた以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂3(Mw:42000、ガラス転移温度:50℃、融点:83℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
2−メチル−1,3−プロパンジオール 100モル部
1,4−ブタンジオール 100モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂4(Mw:17000、ガラス転移温度:28℃、融点:107℃)を得
た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
2−メチル−1,3−プロパンジオール 150モル部
1,4−ブタンジオール 50モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂5(Mw:8900、ガラス転移温度:34℃、融点:79℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
2−メチル−1,3−プロパンジオール 150モル部
1,3−プロパンジオール 50モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にポリエステル樹脂6(Mw:10000、ガラス転移温度:38℃、融点:106℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
デカンジカルボン酸 100モル部
ジオール成分:
1,6−ヘキサンジオール 200モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、さらに減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂を乾燥することでポリエステル樹脂7(Mw:27000、ガラス転移温度:−62℃、融点:67℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
デカンジカルボン酸 100モル部
ジオール成分:
1,10−デカンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂7の製造と同様にしてポリエステル樹脂8(Mw:37000、ガラス転移温度:−57℃、融点:77℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
1,3−プロパンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂7の製造と同様にしてポリエステル樹脂9(Mw:9100、ガラス転移温度:38℃、融点:227℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
1,3−プロパンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂10(Mw:9100、ガラス転移温度:38℃、融点:230℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
1,2−エチレングリコール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂7の製造と同様にしてポリエステル樹脂11(Mw:15000、ガラス転移温度:65℃、融点:243℃)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
2−メチル−1,3−プロパンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂7の製造と同様にしてポリエステル樹脂12(Mw:9500、ガラス転移温度:42℃、融点:無し)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
1,3−ブタンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂13(Mw:6400、ガラス転移温度:30℃、融点:無し)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
1,2−プロパンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂14(Mw:8900、ガラス転移温度:73℃、融点:無し)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
1,2−ブタンジオール 200モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂15(MW:7200、ガラス転移温度:58℃、融点:無し)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸 80モル部ドデシルコハク酸 20モル部ジオール成分:
ビスフェノールA−エチレンオキサイド(BPA−EO)2モル付加物 33モル部ビスフェノールA−プロピレンオキサイド(BPA−PO)2モル付加物 67モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂7の製造と同様にしてポリエステル樹脂16(Mw:14000、ガラス転移温度:56℃、融点:無し)を得た。
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸 80モル部ドデシルコハク酸 20モル部ジオール成分:
ビスフェノールA−エチレンオキサイド(BPA−EO)2モル付加物 33モル部ビスフェノールA−プロピレンオキサイド(BPA−PO)2モル付加物 67モル部
モノマー成分を上記のように変更した以外はポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂17(Mw:14000、ガラス転移温度:56℃、融点:無し)を得た。
(トナー1の製造)
水浴にセットしたビーカーにリン酸三ナトリウム12水和物(和光純薬製)を11.7質量部とイオン交換水1200質量部を加えて、リン酸三ナトリウム12水和物を溶解した。続いて、水浴の温度を60℃まで上げた。60℃に到達後、5.15質量部の塩化カルシウム(キシダ化学製)をイオン交換水100質量部に溶解した水溶液を添加した。添加後30分間撹拌を行い、分散剤を含有する水系媒体であるリン酸三カルシウム水溶液を得た。
次に、
結晶化処理前の樹脂1 40質量部
着色剤 2質量部
(シアン顔料 大日精化社製:Pigment Blue 15:3)
離型剤(ベヘン酸ベヘニル、融点75℃) 4質量部
トルエン 160質量部
上記材料を混合し、撹拌しながら80℃まで昇温して溶解及び分散させて、樹脂組成物を作製した。一方、上記リン酸三カルシウム水溶液600質量部を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で撹拌を行いながら、80℃に加熱した。該リン酸三カルシウム水溶液に樹脂組成物を添加し、回転数10000rpmで10分間撹拌を行うことで分散液を得た。得られた分散液を、撹拌翼を用いて攪拌を行いながら25℃まで12時間かけて冷却し、温度25℃、常圧条件下で撹拌を3日間継続することでトルエンを除去した。得られた樹脂粒子の粒子径をコールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター社製)で測定したところ、重量平均粒子径が5.5μmであった。その後、塩酸水溶液で洗浄ろ過、さらにイオン交換水で洗浄ろ過を行い固液分離した。次に、得られた固形分を乾燥させることにより、トナー1を得た。得られたトナーは重量平均粒子径5.5μmで中空構造であった。
(トナー2の製造)
トルエン160質量部の代わりにトルエン40質量部とクロロホルム120質量部を併用した以外は実施例1と同様にしてトナー2を製造した。得られたトナー2は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。
また、トナー中に形成されたポリエステル樹脂をトルエン中に70質量%の濃度で加熱溶解させ、25℃で24時間放置すると、結晶状態でポリエステル樹脂1が析出した。さらに、トナー中に形成されたポリエステル樹脂をクロロホルム中に70質量%の濃度で加熱溶解させ、25℃で24時間放置すると、ポリエステル樹脂1の析出は見られなかった。
(トナー3の製造)
リン酸三カルシウム水溶液に塩化ナトリウムを40質量部添加した以外は実施例2と同様にして、トナー3を製造した。得られたトナー3は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。表2に示されているように、塩化ナトリウムの添加により、結晶化度が顕著に上昇した。
(トナー4の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1を結晶化処理前のポリエステル樹脂2に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー4を製造した。得られたトナー4は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。
(トナー5の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1を結晶化処理前のポリエステル樹脂3に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー5を製造した。得られたトナー5は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。
(トナー6の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1を結晶化処理前のポリエステル樹脂4に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー6を製造した。得られたトナー6は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。
(トナー7の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1を結晶化処理前のポリエステル樹脂5に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー7を製造した。得られたトナー7は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。
(トナー8の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1を結晶化処理前のポリエステル樹脂6に変更した以外は実施例3と同様にしてトナー8を製造した。得られたトナー8は、重量平均粒子径5.5μmで、中実構造を有する粒子であった。
(トナー9の製造)
ポリエステル樹脂7 100質量部
離型剤(ベヘン酸ベヘニル、融点75℃) 10質量部
着色剤 5質量部
(シアン顔料 大日精化社製:Pigment Blue 15:3)
上記材料を混合して得られた混合物を、130℃に加熱した二軸式エクストルーダーで溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた粗粉砕物をターボミルで微粉砕し、得られた微粉末を風力分級機で分級し、重量平均粒子径7μmのトナー9を得た。
(トナー10の製造)
ポリエステル樹脂7をポリエステル樹脂8に変更した以外は比較例1と同様にして、トナー10を製造した。得られたトナー10は、重量平均粒子径7μmであった。
(トナー11の製造)
ポリエステル樹脂7をポリエステル樹脂9に変更した以外は比較例1と同様にして、トナー11を製造した。得られたトナー11は、重量平均粒子径7μmであった。
(トナー12の製造)
ポリエステル樹脂7をポリエステル樹脂10に変更した以外は比較例1と同様にして、トナー12を製造した。得られたトナー12は、重量平均粒子径7μmであった。
(トナー13の製造)
ポリエステル樹脂7をポリエステル樹脂11に変更した以外は比較例1と同様にして、トナー13を製造した。得られたトナー13は、重量平均粒子径7μmであった。
(トナー14の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂12に変更し、得られた分散液
を、撹拌翼を用いて攪拌を行いながら80℃から50℃まで10分間で冷却し、温度50℃で攪拌を5時間継続することでトルエンの除去を行った以外は実施例3と同様にして、重量平均粒子径5.5μmのトナー14を得た。
(トナー15の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂13に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー15を製造した。得られたトナー15は、重量平均粒子径5.5μmであった。
(トナー16の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂14に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー16を製造した。得られたトナー16は、重量平均粒子径5.5μmであった。
(トナー17の製造)
結晶化処理前のポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂15に変更した以外は実施例3と同様にして、トナー17を製造した。得られたトナー17は、重量平均粒子径5.5μmであった。
(トナー18の製造)
ポリエステル樹脂7をポリエステル樹脂16に変更した以外は比較例1と同様にして、トナー18を製造した。得られたトナー18は、重量平均粒子径7μmであった。
(トナー19の製造)
ポリエステル樹脂7をポリエステル樹脂17に変更した以外は比較例1と同様にして、トナー19を製造した。得られたトナー19は、重量平均粒子径7μmであった。
<ブロッキング性の評価1(篩を用いた評価)>
10gのトナーを、40℃で3日間静置させた後に、目開き75μmの篩を用いて、振とう幅1mmで120秒間篩がけを行った際に篩の上に残存するトナーの量を下記基準にて評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:残存したトナー量が10%以下
B:残存したトナー量が10%より多い
100質量部のトナーに、シリカ微粉体(BET比表面積=200m2/g、シリコーンオイルにより疎水化処理)1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。当該トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合して、二成分現像剤を調製した。当該二成分現像剤を市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)に充填し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着
ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:140℃以下で定着が可能
B:140℃より高く、160℃以下の温度領域で定着が可能
C:160℃より高い温度領域にしか定着可能領域がない
100質量部のトナーに、シリカ微粒子1(一次粒子の個数平均粒子径=100nm、シリコーンオイルにより疎水化処理)2.5質量部と、シリカ微粒子2(一次粒子の個数平均粒子径=20nm、シリコーンオイルにより疎水化処理)0.5質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。当該トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合して、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(imagePRESS C1 キヤノン製)の現像ユニットに上記の二成分現像剤を280g充填し、該二成分現像剤が入った現像ユニットをフルカラーデジタル複写機(imagePRESS C1 キヤノン製)にセットした。該複写機を用いて、室温25℃、湿度50%RHの条件下、プロセススピード500mm/秒で、トナーを消費しないモードでの運転を連続的に行った。トナーを消費しないモードでの運転後、電子顕微鏡によるトナー表面の観察、及び、目視による現像ローラー表面の観察を行い、現像耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:2時間後、目視観察において、現像ローラーへのトナーの目立った固着が見られない。また、電子顕微鏡観察において、シリカ微粒子1の少なくとも一部がトナー中に完全に埋め込まれていないことが確認される
B:30分後、目視観察において、現像ローラーへのトナーの目立った固着が見られない。また、電子顕微鏡観察において、シリカ微粒子1の少なくとも一部がトナー中に完全に埋め込まれていないことが確認される。2時間後、目視観察において、現像ローラーへのトナーの目立った固着は見られないが、電子顕微鏡観察において、シリカ微粒子1がトナー中にほぼ埋め込まれていることが確認される
C:30分後、目視観察において、現像ローラーへのトナーの目立った固着は見られないが、電子顕微鏡観察において、シリカ微粒子1がトナー中にほぼ埋め込まれていることが確認される
D:30分後、目視観察において、現像ローラーにトナーが多量に固着していることが確認される
100質量部のトナーに、BET法で測定した比表面積が200m2/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粒子1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。当該トナーを温度50℃、湿度10%の恒温恒湿槽中で3日間静置し、目視によりブロッキングの程度を下記基準で評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:3日後、ブロッキングが発生しても軽い振動により容易に分散する
B:3日後、ブロッキングが発生するが、振動し続けると分散する
C:3日後、ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
Claims (9)
- トナー用結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーであって、
前記トナー用結晶性ポリエステル樹脂は、
i)テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジカルボン酸成分と、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジオール成分との縮重合体であり、
ii)前記ジカルボン酸成分中に、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を総量で50モル%以上含有するものであり、前記ジオール成分中に、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を総量で50モル%以上含有するものであり、
iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定された重量平均分子量が5000以上20000以下であり、
iV)超微小押し込み硬度計を用いて測定された25℃におけるヤング率が2GPa以上であり、かつ
融点が60℃以上125℃以下である
ことを特徴とするトナー。 - 前記トナー用結晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が25℃以上70℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記トナー用結晶性ポリエステル樹脂は、広角X線回折法により測定される結晶化度が10%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記トナー用結晶性ポリエステル樹脂は、融点が60℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー用結晶性ポリエステル樹脂は、示差走査熱量計により測定される融解熱量が下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。式(1) H2/H1≦0.1
(前記H1及びH2は、25℃から200℃まで10℃/minで実施する1回目の昇温時における融解熱量をH1(J/g)とし、速度1℃/minで25℃まで冷却後、25℃で24時間保持し、再度25℃から200℃まで10℃/minで実施する2回目の昇温時における融解熱量をH2(J/g)とする。) - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法であって、
テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジカルボン酸成分と、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するジオール成分とを縮重合して得られ、前記ジカルボン酸成分中に、テレフタル酸、及び、テレフタル酸の誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を総量で50モル%以上含有するものであり、前記ジオール成分中に、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び、2−メチル−1,3−プロパンジオールの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を総量で50モル%以上含有するものであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定された重量平均分子量が5000以上、20000以下であるポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解させて樹脂組成物を得る樹脂溶解工程、
得られた樹脂組成物を水系媒体に分散させて分散体を得る造粒工程、及び、
得られた分散体から前記有機溶媒を除去する脱溶剤工程、
を含むことを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記造粒工程において、前記水系媒体の温度を60℃以上100℃以下に保持し、
前記造粒工程後、且つ前記脱溶剤工程前或いは前記脱溶剤工程において、1℃/hr以上50℃/hr以下の降温速度で冷却することを特徴とする請求項6に記載のトナーの製造方法。 - 前記水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上30質量%以下含有することを特徴とする請求項6又は7に記載のトナーの製造方法。
- 前記有機溶媒が少なくとも有機溶媒A及び有機溶媒Bを含み、以下の(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
(1)前記有機溶媒Aに前記ポリエステル樹脂を70質量%の濃度で溶解させ、25℃で24時間放置した場合に前記ポリエステル樹脂が析出する。
(2)前記有機溶媒Bに前記ポリエステル樹脂を70質量%の濃度で溶解させ、25℃で24時間放置した場合に前記ポリエステル樹脂が析出しない。
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