JP6273101B2 - 不織布 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に開示される繊維シートは、エンボスによる片面のみの凹凸形状であり、凸部は底部まで繊維で満たされており内部空間を有さない。
さらに特許文献3に開示されている不織布においては、エンボスによる片面のみの凹凸形状であり、凸部は底部まで繊維で満たされており内部空間を有さない。
本発明は、柔らかな肌触りと優れたクッション性を有し、液拡散を抑えつつ液の透過性に優れ、表面のサラッと感を向上させた不織布に関する。
本発明の不織布10は例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートに適用することが好ましく、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用い、第2面側Z2を吸収性物品内部の吸収体(図示せず)側に配置して用いることが好ましい。以下、図面に示した不織布10の第1面側Z1を着用者の肌面に向けて用いる実施態様を考慮して説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
ここでいう「環状」とは、平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、平面視において円、楕円、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。シートの連続状態を好適に維持する上では円又は楕円が好ましい。さらに、「環状」を立体形状としていえば、円柱、斜円柱、楕円柱、切頭円錐、切頭斜円錐、切頭楕円錐、切頭四角錐、切頭斜四角錐など任意の環構造が挙げられ、連続したシート状態を実現する上では、円柱、楕円柱、切頭円錐、切頭楕円錐が好ましい。
このように、上記不織布10は面方向に連続した構造を有していることが好ましい。この「連続」とは、断続した部分や小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は上記小孔に含めない。上記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1mm以上のものと定義する。
また、第1面表面付近にある繊維に対する水の接触角としては、液残りを低減し液を素早く透過させる観点から、74度以上であることが好ましく、76度以上であることがより好ましい。上限としては、80度以下であることが好ましい。一方、第2面表面付近にある繊維に対する水の接触角としては、液の好適な引き込みの観点から、64度以上であることが好ましく、上限としては、73度以下であることが好ましく、71度以下であることがより好ましい。
接触角は次の方法で測定される。
測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定し、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に、画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維のなす角を算出し、接触角とする。
なお、測定用サンプル(不織布から取り出して得られる繊維)は、第1面側繊維及び第2面側繊維を、表層から繊維長1mmで裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持し、該繊維1本につき異なる2箇所の位置で接触角を測定する。上述の各部位において、N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を各々の部位での接触角と定義する。前記測定は室温20℃、湿度60%の環境下で行い、使用する蒸留水、測定サンプルは前記環境下で1日以上保存後に使用する。
具体的には、例えば、不織布10を吸収性物品の表面シートとして、その第1面側Z1を肌面側に向けて配置すると、不織布10内で肌に最も近く点接触する第1突出部11の頂部11Tにおいて排泄液が第2面側の内部空間11Kへと素早く引き込まれて吸収体へと引き渡される(図2矢印a1、a2参照)。これにより液残りが低減し肌への負担を軽減できる。
また不織布全体が連続した凹凸構成であるので、各第1突出部11の頂部11Tから環状構造の壁部11W(12W)を介して液が素早く第2突出部12へと移行して肌から遠ざけられる(図2矢印b1参照)。移行した液は、拡散することなく内部空間12Kで捕捉される。このとき、壁部を含む第2突出部12においても、親水性の差によって、液は第1面側Z1から第2面側Z2へと素早く引き込まれて内部空間11Kないし吸収体へと引き渡される(図2矢印a3、a4参照)。これによりさらに、液の吸収速度が向上し、肌への負担が軽減する。
さらに、第1面側Z1の親水性が第2面側Z2よりも低いため、一度内部空間11Kに引き込まれた液は逆戻りし難く、第1突出部で接する肌に濡れた感触を与えない。同様に、第2面側Z2で吸収体ないし中間シートと点接触する第2突出部12においも、第1面側Z1へと液が逆戻りし難く、肌と液との接触を抑制することができる。
以上のとおり、本発明の不織布は、特有の両面凹凸構造と親水性との相互作用により、液拡散を抑制するとともに液を素早く引き込み、液残り及び液戻りを効果的に抑制して、肌側表面のサラッと感を向上させることができる。
不織布10(前記図1参照)は、優れたクッション性を有する。
本実施形態の不織布10は表裏の片面だけではなく、両面において突出した部分を有するため、その構造に特有のクッション性を発現する。例えば筋状の突起や片面の突起ではどうしても線ないし面としての弾力性を発現することとなるが、本実施形態によれば三次元的な動きに対してもよく追従して両面において点で支持された立体的なクッション性を奏する。また、壁部11W(12W)の起立する方向に向けた後述の繊維配向性を有することで、壁部11W(12W)にしっかりとしたコシが生まれ、繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性を有する。さらに、壁部11W(12W)における前記繊維配向性により、押圧力を受けて不織布10が潰されても、その形状復元力が大きく、梱包状態や着用が継続されても初期のクッション力が維持されやすい。すなわち、第1、第2突出部11、12は、潰れ難く、変形が起こっても回復し易い。
上記の良好なクッション性に起因する作用により液を一時保持する空間を確保できるため、吸収速度を速く維持できるとともに、吸収体にかかる圧力が適度に分散されるため、吸収体からの液戻り量が低減される。また形状復元力が大きいことから、吸収性能の安定性も確保される。
本実施形態の不織布10には両面方向に第1、第2突出部11、12を有し、その頂部11Tは丸みを帯びている。そのため、第1突出部11側の面を肌面側にすることで、表面シートが肌に対して点で柔らかく接触する良好な肌触りが実現される。また、装着時の圧力に対しても接触する点が面状に増減することで肌触りを良好としながら、圧力に対する表面シート全体の形状変形を抑えることができ、また、圧力変形からの形状復元も容易にできる。上記の良好なクッション性に起因する作用もあり、両面点接触による動的な作用と相俟って、独特の良好な肌触りが得られる。また、排泄等を受けたときにも、上述した点接触が効果を奏し、サラッとした肌触りが実現される。このサラッとした肌触り(吸収性の効果)について補足すると、壁部11W(12W)の起立する方向に向けた後述の繊維配向性を有することで、壁部11W(12W)の厚み方向に配向した繊維によって、液がスムースに繊維を伝い流れ、第2突出部12から不織布10の下面に配された吸収体に素早く移行し、且つ、第1面側と第2面側との親水性の差により液戻りが少なく、サラッとした肌触りが実現される。また、上述した構造の維持による不織布10自体の通気性に優れ、点接触の効果により、カブレの防止に役立つ。
本実施形態の不織布10においては、その両面に突出する第1,第2突出部11,12のそれぞれの内部に内部空間11K,12Kを有することから、排泄液や排泄物の物性に応じて多様な形態でこれらを捕捉し対応することができる。例えば、不織布10の第1面側Z1を肌面側として説明すると、粘度が高く浸透性の低い排泄物であれば、不織布10の表面シートを透過せずに、内部空間12Kに一時その排泄物が溜められ、水分の一部分は第2突出部12を通して吸収体(図示せず)に吸収される。一方、粘度が低く透過しやすい排泄液であれば、主に第1突出部11を透過したのち、内部空間11Kにこれが捕捉される。このいずれの場合にも、肌面にまず当たる部分が第1突出部頂部11Tであり、上記捕捉された排泄液ないし排泄物は肌に接触しにくくされている。これにより、尿や便、経血や下り物の排泄ののちにも、幅広く対応して極めて良好なサラッと感じが持続される。
上記に加えて、不織布10の繊維密度に関し、第1突出部11の繊維密度(r1)が第2突出部12の繊維密度(r2)より小さいことが好ましい。
これにより、不織布の第1面側Z1から排泄物が供給された場合、第1突出部11において通液抵抗が低減されてその排泄物(図示せず)が素早く内部空間11Kに導かれる。また同時に、繊維密度差による毛管力で液が壁部を伝って第2突出部12へと移行する。このことが、前述の親水性の差による作用と相俟って、液を肌から素早く引き離し、吸収体(図示せず)へと素早く引き渡す。その結果、排泄物は肌に付き難くなり、着用者の赤み、かぶれ、褥瘡等の発生を防止することができる。
さらに、第1突出部11においては押圧に対して適度に潰れ肌に刺すような感じを与えず良好な肌当たりを実現することができる。一方、第2突出部12は潰れにくく、排泄物を捕集した後の保形性に優れ、型崩れせずに良好なクッション性と捕集物の拡散防止性に優れる。
繊維密度は、例えば、以下の方法で測定することができる。
不織布の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30から60本計測できる倍率(150〜500倍)に調整し、繊維の断面数を測定し、一定面積あたりの前記切断面によって切断されている繊維の断面数を数える。また、観察の中心は、第1突出部11については頂部11Tの層厚みTL1の中央付近であり、壁部11W(12W)についてはシート厚み方向の中心付近における層厚みTL3の中央付近である。第2突出部については頂部12Tの層厚みTL2の中央付近である。次に1mm2当たりの繊維の断面数に換算し、これを繊維密度(本/mm2)とする。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とする。上記走査電子顕微鏡には、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いることができる。
また、第1突出部11の第1面側z1の繊維密度(r11a)と第2面側z2の繊維密度(r11b)とが、r11a<r11bの関係にあることが好ましい。これにより、その部分での柔軟性と形状維持性とが両立されている。これらの作用はこの種の不織布において通常両立しにくいものであるが、上述のような特有の繊維の粗密を与えることにより、その部分において外部からの押圧に対する構造変形部分と構造維持部分とが形成され、上記の作用が得られる。たとえて言うとすれば、第1突出部の頂部11Tにおいて第2面側Z2の繊維が「密」であるため、相対的に硬い部分がアーチ状になって橋脚の機能を果たし、その第1面側Z1は柔らかく全体においては剛直にならずに十分な柔軟性が維持されているため、触れた際の肌触りが柔らかく感じられる。さらに、上述の繊維の粗密構造は粗である第1面側Z1と密である第2面側Z2で圧力に対する挙動が異なっており、繊維が第1突出部の形状に沿って密に積み重なっていると考えられる第2面側Z2は、第1突出部全体の構造変形によるクッション性を有し、構造の素早い復元性に寄与する。
また、第1突出部の頂部11において第2面側Z2の繊維密度が第1面側Z1の繊維密度より高いため、前述の親水性の差と相俟って、体液は速やかに第2面側Z2に移動し、第1面側Z1に接する肌がドライに保たれる。
さらに、第1突出部11の壁部11Wを構成する繊維は、壁部11Wの環状の全周にわたっていずれの箇所においても第1突出部頂部11Tと開口部11Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有することが好ましい。言い換えれば、壁部11Wを構成する繊維は、第1突出部頂部11に向かって収束する様に配向し、その起立する方向に繊維配向性を有する。また上記第2突出部12の壁部12Wを構成する繊維は、壁部12Wの環状の全周にわたっていずれの箇所においても第2突出部頂部12Tと開口部12Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有することが好ましい。この壁部12Wの繊維配向性は、上述の壁部11Wと共通部分では、壁部11Wの繊維配向性と同様になる。これにより、両面凹凸形状が維持され易く、かつ、より優れたクッション性が得られる。
従来の一般的なエアスルー不織布では、通常不織布を製造するときに、そのMD方向に繊維が配向しそのまま融着されるため、MD方向断面における壁部の繊維はその起立方向に繊維が配向するものの、CD方向断面においては、起立方向とは直行する方向に繊維が配向することとなるため、このような繊維配向性は有さない。MDとは、機械方向ともいい、不織布製造時における繊維ウエブの送給方向であり、「Machine Direction」の略語である。上記CDとはMDに対して直交する方向であり、「Cross Direction」の略語である。
配向角、配向強度について本実施形態において一例を示すと、第1突出部11の壁部11Wの曲面構造に対して配向角は、50°以上130°以下が好ましく、より好ましくは60°以上120°以下であり、配向強度は1.05以上が好ましく、より好ましくは1.10以上である。壁部11Wの繊維の配向方向が各頂部の中心に向かう方向であることから、クッション性を発現する。また、不織布10を吸収性物品の表面シートとして用いた場合、壁部11Wの繊維配向性により高加圧下においても不織布10は十分な耐圧縮性を有し、不織布10の第1突出部11の潰れを防ぐ。これにより十分な捕捉空間を確保でき、肌接触面積を小さくする効果、高い通気性、多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉し、漏れを抑制する効果を十分に発揮する。
なお、本発明において、特に断らない限りシート厚み方向に沿う方向を配向角度90°とし、図1で示した状態ではZ軸(Z1−Z2)方向がこれにあたる。
繊維配向性(配向角、配向強度)は、以下の方法により測定することができる。
まず、日本電子(株)社製の走査電子顕微鏡JCM−5100(商品名)を使用し、図1におけるz軸方向が上下となるようにサンプルを静置し、サンプルの測定する面に対して垂直の方向から撮影した画像(測定する繊維が10本以上計測できる倍率に調整;70〜300倍)を印刷し、透明PET製シート上に繊維をなぞる。前記の画像をパソコン内に取り込み、株式会社ネクサス社製のnexusNewQube[商品名](スタンドアロン版)画像処理ソフトウエアを使用し、前記画像を二値化する。次いで、前記二値化した画像を、繊維配向解析プログラムである、Fiber Orientation Analysis 8.13 Singleソフト(商品名)を用い、フーリエ変換し、パワースペクトルを得、楕円近似した分布図から、配向角と配向強度を得る。
配向角は繊維が最も配向している角度を示し、配向強度はその配向角における強度を示している。壁部及び第1突出部の測定においては、配向角が90°に近い値ほど、第2突出部12の頂部12Tに向かって方向に繊維が配向していることを示し、60〜120°であれば、第2突出部12の頂部12Tに向かって繊維が配向していると判断する。また、配向強度の値が大きいほど繊維の向きがそろっていることを表す。配向強度が1.05以上の場合を配向しているとする。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの配向角と配向強度とする。
シートの厚さについては、不織布10の側面視としてみたときの全体の厚さをシート厚みTSとし、その凹凸に湾曲したシートの局部的な厚さを層厚みTLとする(図1参照)。シート厚みTSは、用途によって適宜調節すればよいが、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm〜7mmが好ましく、1.5mm〜5mmがより好ましい。その範囲とすることにより、使用時の体液吸収速度が速く、吸収体からの液戻りを抑え、さらには、適度なクッション性を実現することができる。層厚みTLは、シート内の各部位において異なっていてよく、用途によって適宜調節すればよい。おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、第1突出部頂部11Tの層厚みTL1は0.1mm〜3mmであることが好ましく、0.4mm〜2mmがより好ましい。好ましい層厚みの範囲としては第2突出部頂部12Tの層厚みTL2および壁部11W(12W)の層厚みTL3も同様である。各層厚みTL1、TL2、TL3の関係は、TL1>TL3>TL2であることが好ましい。これにより、第1突出部11において、特に肌面側では、繊維密度が低く、良好な肌当たりを実現することができる。一方、第2突出部12は繊維密度が高くなり、潰れにくく、型崩れせずに良好なクッション性と液体の吸収速度に優れた不織布とすることができる。
上記第1突出部11と第2突出部12との間隔は、用途によって適宜調節すればよく、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm〜15mmが好ましく、3mm〜10mmがより好ましい。また上記不織布10の坪量は特に限定されないが、シート全体の平均値で15〜50g/m2が好ましく、20〜40g/m2がより好ましい。
図3に示すように、配設例は、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1(図3に向かって手前側)に突出した第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2(図3に向かって奥手側)に突出した第2突出部12とが、不織布10の全面にわたって平面視交差する異なる方向としての、第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれの方向に、交互に連続して配されている。したがって、1方向についてみれば、第1突出部11と第2突出部12とは、シート面に対して交互に反対方向に突出している。第1方向Xおよび第2方向Yの交差角は、30°以上90°(直交)以下とすることが好ましく、例えば90°である。第1面側Z1に突出する第1突出部11と同等数の第2突出部12が第2面側Z2に突出するように配されている。そして、それぞれに隣接する第1突出部11を結ぶ第1稜部16が形成されている。他方、図示はしていないが、第2面側Z2からみて、それぞれに隣接する第2突出部12を結ぶ第2稜部17が形成されている。
上述の不織布10の製造方法は、一般的な製造方法を適宜採用すればよい。
製造装置の支持体の一例として、図4(1)に示した構成の支持体110を用いる。この支持体110は、第2突出部12が賦形される位置に対応して多数の突起111を有し、第1突出部11が賦形される位置に対応して孔112が配されている。すなわち、支持体110は凹凸形状を有しており、突起111と孔112とが異なる方向に交互に配されていて、例えば、X方向とY方向のそれぞれに突起111と孔112とが交互に配されている。
上記支持体110上にウエブ(繊維ウエブともいう)50を配して、ウエブ50に向けて第1の熱風W1を吹き付けた場合、図4(2)に示すように、支持体110の孔112に対応して第1突出部11が賦形され、突起111の位置に対応して第2突出部12が賦形される。したがって、平面視した側の第1面側Z1に突出し内部空間11Kを有する第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出し内部空間12Kを有する第2突出部12とは、平面視交差する異なるX方向とY方向のそれぞれに交互に連続して配されて、第1シート11が賦形される。この場合、突起111に対応して賦形された第2突出部12より孔112に対応して熱風W1の流れに沿って賦形された第1突出部11の繊維密度が低くなる。
なお、図面矢印は第1の熱風W1の流れを模式的に示している。
融着する前のウエブ51及び52をそれぞれ、所定の厚みとなるようカード機(図示せず)からウエブを賦形する装置に供給する。製造装置では、まず上記支持体110上に前記ウエブ51及び52を搬送し積層した状態で定着させる(以下、積層した状態のものをウエブ積層体50又はウエブ50という)。ウエブ51を前記賦形装置の支持体110側とし、該ウエブ51の上にウエブ52を積層する。ウエブ51は賦形後の不織布10の第1面側となる。
前記親水化剤としては、この種の物品に用いられるものを任意に用いることができる。例えば、各種の界面活性剤が典型的なものとして挙げられ、アニオン性、カチオン性、両性イオン性及びノニオン性の界面活性剤等を用いることができる。
好ましい界面活性剤、または界面活性剤の組み合わせとしては、アルキルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドおよびアルキルベタイン、アルキルホスフェートカリウム塩およびアルキルスルホネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリグリセリンモノアルキレート、ポリオキシエチレンアルキルアミドおよびステアリルリン酸エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドおよびポリグリセリンモノアルキレート、アルキルスルホネートナトリウム塩およびステアリルリン酸エステルカリウム塩、アルキルエーテルホスフェートカリウム塩およびポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミドおよびジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーンおよびジアルキルスルホサクシネート、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ソルビタン脂肪酸エステルおよびジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドおよびポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミドおよびソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーンおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーンおよびポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーンおよびソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル、等が挙げられる。これら好ましい界面活性剤及び好ましい界面活性剤の組み合わせは、これらの界面活性剤が含まれていればよく、さらに他の界面活性剤等が含まれていてもよい。
予め親水性を異ならせた繊維集合体を種々組み合わせて用いることができる。また、同一の繊維材料を用いても異なる親水化剤を付着させて前記親水性の異なる繊維集合体とすることができ、例えば、親水性の低い非イオン界面活性剤等をウエブ51に、親水性の高い陰イオン界面活性剤等をウエブ52に付着させることができる。この場合、前記親水化剤と併せて他の親水化剤と混合して使用してもよい。
熱伸長性複合繊維における第1樹脂成分の好ましい配向指数は、用いる樹脂により自ずと異なるが、例えばポリプロピレン樹脂の場合は、配向指数が60%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下であり、更に好ましくは25%以下である。第1樹脂成分がポリエステルの場合は、配向指数が25%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは10%以下である。一方、第2樹脂成分は、その配向指数が5%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上であり、更に好ましくは30%以上である。
配向指数(%)=A/B×100 (1)
固有複屈折とは、樹脂の高分子鎖が完全に配向した状態での複屈折をいい、その値は例えば「成形加工におけるプラスチック材料」初版、付表 成形加工に用いられる代表的なプラスチック材料(プラスチック成形加工学会編、シグマ出版、1998年2月10日発行)に記載されている。
熱伸長性複合繊維における複屈折は、干渉顕微鏡に偏光板を装着し、繊維軸に対して平行方向及び垂直方向の偏光下で測定する。浸漬液としてはCargille社製の標準屈折液を使用する。浸漬液の屈折率はアッベ屈折計によって測定する。干渉顕微鏡により得られる複合繊維の干渉縞像から、以下の文献に記載の算出方法で繊維軸に対し平行及び垂直方向の屈折率を求め、両者の差である複屈折を算出する。
「芯鞘型複合繊維の高速紡糸における繊維構造形成」第408頁(繊維学会誌、Vol.51、No.9、1995年)
鞘部を構成する第2樹脂成分は、ポリエチレン樹脂を含む。鞘部を構成するポリエチレン樹脂は、芯鞘型複合繊維に熱融着性を付与すると共に、熱処理時に前述した親水化剤を取り込む役割を担う。前記ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を使用できるが、密度が0.935〜0.965g/cm3である高密度ポリエチレンであることが好ましい。また、鞘部を構成する樹脂成分は、ポリエチレン樹脂単独であることが好ましいが、他の樹脂をブレンドすることもできる。ブレンドする他の樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。但し、鞘部を構成する樹脂成分は、鞘部の樹脂成分中の50質量%以上が、特に70〜100質量%がポリエチレン樹脂であることが好ましい。
鞘部を構成するポリエチレン樹脂は、結晶子サイズが100〜200Åであることが好ましい。結晶子サイズが100Å以上であると、親水化剤が、熱処理時に繊維の表面から内部に取り込まれ易くなり、使用する親水化剤の選択の幅も広い。これにより、該繊維やこれを用いて得られるウエブや不織布等の所望の部位の親水性を容易に低下させることができる。
繊維表面の親水度の変化を確実に生じさせる観点から、結晶子サイズは100〜200Åであることが好ましく、115〜180Åであることがより好ましい。結晶子サイズの上記上限値200Åは、引張強度や破断伸びなどの機械的物性の観点から定めたものである。結晶子サイズが200Å以内であれば、結晶の数が少なくならず、機械的物性が低下しない。
結晶子サイズは、粉末X線回折法で測定した半価幅から、Sherrerの式により算出されたものである。算出方法は、リガク社製のRINT−2500を用い、PEの面指数(110)のピークについて、付属の結晶子サイズ計算プログラムJADE6.0により算出する。具体的な条件は、線源としてCuKα線(波長0.154nm)、発生電圧および電流を40kV・120mA、掃引速度を10°/分とする。測定時の試料の設置方法は、試料ホルダーのスリットの長さ方向と平行になるように繊維束を張って取り付け、繊維束をX線の入射方向に対して垂直になるようにする。
これらの組み合わせのうち、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが好ましい。複数種類の樹脂をブレンドして使用することもでき、その場合、芯部の融点は、融点が最も高い樹脂の融点とする。
また、芯部を構成する第1樹脂成分の融点と鞘部を構成する第2樹脂成分との融点の差(前者−後者)は、20℃以上であることが、不織布の製造が容易となることから好ましい。融点の差は150℃以内であることが好ましい。
このようにして、ウエブ積層体50を凹凸形状に賦形する。
第2の熱風W2の風速は、支持体110の突起111の高さにもよるが、1m/s以上10m/s以下に設定され、好ましくは3m/s以上8m/s以下に設定される。この第2の熱風W2の風速は、遅すぎると繊維への熱伝達ができず、繊維同士が融着せず凹凸形状の固定が不十分になる。一方、風速が速すぎると、繊維へ熱が当たりすぎるため、風合いが悪くなる傾向となる。
さらに、ウエブ51に熱伸長性繊維を含ませて親水性差をつける方法を採用した場合は、繊維の熱伸長によりその部分の繊維間距離が広がって、より粗な繊維密度状態となる。これにより、第1突出部11の第1面側z1の繊維密度(r11a)と第2面側z2の繊維密度(r11b)とが、r11a<r11bの関係となる。
上述した実施形態に関し、さらに以下の不織布等を開示する。
<3>前記第1面側から前記第2面側へ向けて高まる親水性の勾配がある前記<1>又は<2>に記載の不織布。
<4>前記第1面側と前記第2面側とにおける、繊維に対する水の接触角の差が、7度以上10度以下である前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の不織布。
<5>前記第1面側と前記第2面側とにおける、繊維に対する水の接触角の差が、8度以上9度以下である前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の不織布。
<6>前記第1面表面付近にある繊維に対する水の接触角が74度以上80度以下である前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の不織布。
<7>前記第2面表面付近にある繊維に対する水の接触角が、64度以上73度以下である前記<1>〜<6>のいずれか1に記載の不織布。
<8>前記第1突出部の繊維密度(r1)は前記第2突出部の繊維密度(r2)よりも低い前記<1>〜<7>のいずれか1に記載の不織布。
<9>前記第1突出部の繊維密度が30本/mm2以上130本/mm2以下である前記<1>〜<8>のいずれか1に記載の不織布。
<10>前記第2突出部の繊維密度が250本/mm2以上500本/mm2以下である前記<1>〜<9>のいずれか1に記載の不織布。
<11>前記第1突出部の繊維密度と前記第2突出部の繊維密度との差が、150本/mm2以上である前記<1>〜<10>のいずれか1に記載の不織布。
<12>前記第1突出部の壁部を構成する繊維は、壁部の環状の全周にわたっていずれの箇所においても前記第1突出部頂部と前記開口部の縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する前記<1>〜<11>のいずれか1に記載の不織布。
<13>前記第2突出部の壁部を構成する繊維は、壁部の環状の全周にわたっていずれの箇所においても前記第2突出部頂部と前記開口部の縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する前記<1>〜<12>のいずれか1に記載の不織布。
<14>前記第1面側にある繊維と前記第2面側にある繊維とで親水性の異なる親水化剤を付着させた前記<1>〜<13>のいずれか1に記載の不織布。
<15>非イオン界面活性剤を前記第1面側の繊維に、陰イオン界面活性剤を前記第2面側の繊維に付着させた前記<1>〜<14>のいずれか1に記載の不織布。
<16>熱伸長性繊維を前記第1面側に偏在して配する前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の不織布。
<17>前記第2面側に熱伸長性繊維が含有されていない領域がある前記<16>に記載の不織布。
<18>前記熱伸長性繊維の含有量が第1面側から第2面側へと漸次低減する前記<16>又は<17>に記載の不織布。
<19>前記不織布は、前記第1面側に支持体を配置し、前記第2面側から熱風を吹き付けて製造された不織布である前記<1>〜<18>に記載の不織布。
<20>前記<1>〜<19>のいずれか1項に記載の不織布を、その第1面側を肌面側として使用する吸収性物品。
<21>前記<1>〜<19>のいずれか1項に記載の不織布を、その第1面側を肌面側として使用する乳幼児用おむつ。
<22>前記<1>〜<18>に記載の不織布の製造方法であって、カード機からウェブを多数の突起と孔が異なる方向に交互に配列された支持体上に配し、前記不織布における第2面となる側から第1の熱風を吹き付けることによって賦形し、さらに第2の熱風を吹き付けることによって繊維同士を融着させる不織布の製造方法。
(1)表面シートの作製
ウエブ51及びウエブ52として、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維を用い、不織布試験体c1を作製した。ウェブ51、52に用いた芯鞘複合繊維には、親水化剤を調整して接触角が表中の値になるようにした。これらウエブ51及びウエブ52をそれぞれ坪量15g/m2となるようカード機から賦形装置へと供給した。また賦形装置では、多数の突起を有し通気性を有する支持体110の上に、前記ウエブ51及びウエブ52をこの順に積層してウエブ積層体50とし定着させた。この支持体110の突起111の平面視におけるMDピッチを8mm、CDピッチを5mmとし、突起111の高さを7.5mmとした。また支持体110における孔112の孔径を2.8mmとした。
次いで、支持体110上のウエブ積層体50に第1の熱風W1(温度130℃、風速50m/s)を吹きつけて、支持体110上の突起111に沿ってウエブ積層体50を賦形した。次に、温度145℃、風速1.1m/sの第2の熱風W2に切り替えて各芯鞘構造の繊維同士を融着させて賦形形状を固定した。前記の加工速度を50m/minとした。このようにして不織布試験体c1を作製した。
実施例1の不織布試験体c1の坪量は30.1g/m2であり、シート厚みは3.9mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は76.7度であり、第2面側の繊維の接触角は68.5度であった。不織布試験体c1の繊維密度は、第1突出部が92本/mm2、第2突出部が446本/mm2であった。なお前記接触角及び繊維密度は、前述の測定方法により測定した。
(2)おむつの作製
花王株式会社の市販の乳幼児用おむつ(商品名「メリーズさらさらエアスルーMサイズ」2012年製)から表面シートを取り除き、その代わりに、不織布試験体c1を積層し、その周囲を固定して評価用の乳幼児用おむつを得た。
実施例2は、ウェブ51、52に用いた芯鞘複合繊維の樹脂組成を実施例1と同様とするも、親水化剤を調整して接触角が表中の値になるようにした。それ以外は、上記実施例1と同様な条件で不織布試験体c2を作製した。実施例2の不織布試験体c2の坪量は29.7g/m2であり、シート厚みは4.0mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は78.0度であり、第2面側の繊維の接触角は70.7度であった。不織布試験体c2の繊維密度は、第1突出部が93本/mm2、第2突出部が441本/mm2であった。
おむつは、実施例の不織布試験体c1の代わりに不織布試験体c2を用いて作製した。
実施例3は、ウエブ51として、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維を50%、芯がポリプロピレン(PP)で鞘がポリエチレン(PE)からなる熱伸長性の芯鞘型複合繊維を50%として混合した繊維材料を用いた。一方、ウエブ52として、ウェブ51に使用したものと同じ芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維100%の繊維材料を用いた。ウェブ51、52に用いた芯鞘複合繊維には、親水化剤を調整して接触角が表中の値になるようにした。それ以外は、上記実施例1と同様な条件で不織布試験体c3を作製した。実施例3の不織布試験体c3の坪量は29.9g/m2であり、シート厚みは3.5mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は76.5度であり、第2面側の繊維の接触角は67.9度であった。不織布試験体c3の繊維密度は、第1突出部が59本/mm2、第2突出部が426本/mm2であった。
おむつは、実施例の不織布試験体c1の代わりに不織布試験体c3を用いて作製した。
実施例4は、ウエブ51として、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維を70%、芯がポリプロピレン(PP)で鞘がポリエチレン(PE)からなる熱伸長性の芯鞘型複合繊維を30%として混合した繊維材料を用いた。ウェブ51、52に用いた芯鞘複合繊維には、親水化剤を調整して接触角が表中の値になるようにした。それ以外は、実施例3と同様な条件で不織布試験体c4を作製した。実施例4の不織布試験体c4の坪量は30g/m2であり、シート厚みは3.7mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は74.6度であり、第2面側の繊維の接触角は67.4度であった。不織布試験体c4の繊維密度は、第1突出部が66本/mm2、第2突出部が433本/mm2であった。
おむつは、実施例の不織布試験体c1の代わりに不織布試験体c4を用いて作製した。
比較例1は、特開2008−25081号公報(特許文献1)の実施例1に記載された製造方法により、筋状の凹凸形状を有することを特徴とする不織布の試験体を作製した。比較例1の不織布試験体d1の坪量は27g/m2であり、シート厚みは1.3mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は84.5度であり、第2面側の繊維の接触角は79.4度であった。不織布試験体d1の凸状部の繊維密度が65本/mm2であり、凹部には開口が形成されていた。
おむつは、実施例の不織布試験体c1の代わりに不織布試験体d1を用いて作製した。
比較例2は、凹凸のない不織布であり、親水性が両面で異なる不織布試験体d2を作成した。具体的には、実施例1と同じ繊維構成のウエブシートを作製し、139℃、風速1.5m/secの熱風にて熱処理を行った。
比較例2の不織布試験体d2の坪量は29.6g/m2であり、シート厚みは2.3mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は76.5度であり、第2面側の繊維の接触角は68.4度であった。不織布試験体d2の繊維密度が244本/mm2であった。
おむつは、実施例の不織布試験体c1の代わりに不織布試験体d2を用いて作製した。
比較例3は、特開平03−137258号公報の実施例1記載の方法により、不織布試験体を作製した。比較例3の不織布試験体d3の坪量は27g/m2であり、シート厚みは5.5mmであった。また、第1面側の繊維の接触角は76.9度であり、第2面側の繊維の接触角は76.3度であった。不織布試験体d3の凸状部の繊維密度が80本/mm2であり、凹部には開口が形成されていた。
おむつは、実施例の不織布試験体c1の代わりに不織布試験体d3を用いて作製した。
各不織布試験体の目付けは次の方法で測定した。先ず、不織布試験体を250mm×200mmの大きさに裁断し、これを測定片とした。電子天秤(メーカー問わず)に、この測定片を載置した。この状態での重量を測定し、その重量を面積で割ることにより、目付(g/m2)とした。測定値としては、各3点を測定しその平均値を採用した。
KES圧縮試験機(カトーテック(株)製KES FB−3)を用い、各不織布試験体について、通常モードで5.0×103Paまでの圧縮特性評価を行い、微小加圧時(0.05×103Pa)の厚みをチャートから読み取った。測定値としては、各3点を測定しその平均値を採用した。
乳幼児用おむつ(試験体)を水平に置き、無加圧で中央部(排尿ポイント)に、擬似軟便(ベントナイト:グリセリン:水:エマルゲン130K(商品名、花王株式会社製 界面活性剤)=28:14:114:14の比率で混合し、粘度300mPa・sに調整)を2g/秒の速度で10g注入し、5分静置した。その後、透明PET性シートを表面シートの表面上に静かに乗せ、更に透明PET性シートの上から3.5×103Paになるように重りを載せて5分間加圧した。その後、重りを取り外し、透明PET性シートを取り出し、加圧前後の透明PET性シートの重さを測定することで、透明PET性シートに付着した擬似軟便の重量を算出し、軟便肌付着量とした。また、加圧後の擬似軟便が広がった面積を測定し、軟便拡散面積とした。
液体ストライクスルーとは、シートの表面から裏面に向けて、所定量の生理食塩水が通過するのに要する時間(秒)を示すものである。LENZING社製の試験機LISTER(商品名)を用い、EDANA(European Disposables And Nonwovens Association;ヨーロッパ不織布工業会)で規定されている試験方法「153.0-02 REPEATED LIQUID STRIKE-THROUGH TIME」に基づいて測定した。具体的には、試験機の台座の上に専用のろ紙を10枚重ねて置き、その上に不織布試験体を載せた。次いで、電極を有するストライクスループレートを前記不織布試験体上に載置し、該プレートに接続された液投入口から5mlを入れた。次いで、試験機の電源を入れた。試験機は、液が電極に触れた状態から、不織布を液が通過してその水位が下がり電極と非接触になるまでの時間を計測した。この測定をN=3回行い、その平均値をストライクスルー測定値として記録した。
11 第1突出部
11T 第1突出部頂部
11K 内部空間
11H 開口部
11W 壁部
12 第2突出部
12T 第2突出部頂部
12K 内部空間
12H 開口部
12W 壁部
16 第1稜部
17 第2稜部
Z1 第1面側
Z2 第2面側
Claims (5)
- シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1突出部の頂部とその内部空間の開口部との間に環状構造の壁部を有し、前記第1、第2突出部は繊維同士の融着部を有しており、
前記第1、第2突出部は、該不織布の平面視交差する異なる方向において交互に連続して配され、前記第1面側にある繊維の親水性が前記第2面側にある繊維の親水性より低い不織布の製造方法であって、
カード機からウェブを多数の突起と孔が異なる方向に交互に配列された支持体上に配し、前記不織布における第2面となる側から第1の熱風を吹き付けることによって賦形し、さらに第2の熱風を吹き付けることによって繊維同士を融着させる不織布の製造方法。 - 前記第1突出部の繊維密度(r1)は前記第2突出部の繊維密度(r2)よりも低い請求項1記載の不織布の製造方法。
- 熱伸長性繊維を前記第1面側に偏在して配する請求項1又は2記載の不織布の製造方法。
- シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1突出部の頂部とその内部空間の開口部との間に環状構造の壁部を有し、前記第1、第2突出部は繊維同士の融着部を有しており、
前記第1、第2突出部は、該不織布の平面視交差する異なる方向において交互に連続して配され、前記第1面側にある繊維の親水性が前記第2面側にある繊維の親水性より低く、
熱伸長性繊維を前記第1面側に偏在して配する不織布。 - 請求項4に記載の不織布を、その第1面側を肌面側として使用する吸収性物品。
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