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JP6267874B2 - 両軸受リールのスプール制動装置 - Google Patents

両軸受リールのスプール制動装置 Download PDF

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本発明は、両軸受リールのスプール制動装置、特にリール本体に回転自在に装着されたスプールを、遠心力により制動するスプール制動装置に関する。
キャスティングに使用される両軸受リールでは、バックラッシュを防ぐために、制動力をスプールに作用させることが一般に行われている。この種のスプール制動装置として、スプールの回転により生じる遠心力を利用してスプールを制動し、かつこの制動力をリール本体の外部から調整可能なスプール制動装置が、知られている。なお、バックラッシュは、キャスティング時に、スプールの回転速度が糸繰り出し速度より速くなることによって生じる。
従来のスプール制動装置では、ブレーキシューを揺動させ、ブレーキシューをブレーキドラムに接触させることによって、スプールに制動力を作用させるスプール制動装置が、開示されている(特許文献1を参照)。
具体的には、このスプール制動装置では、ブレーキシューが、スプールの回転に連動して、揺動し、ブレーキドラムに接触している。より具体的には、スプール軸にはブラケットが固定されており、このブラケットにはピンが設けられている。ブレーキシューは、このピンに揺動可能に装着されている。これにより、スプールが回転すると、その遠心力によって、ブレーキシューが、ピンまわりで揺動しブレーキドラムに接触する。このようにして、スプールには、制動力が作用する。また、ブレーキシューには凹部(切換凹部)が設けられており、ブラケットには突起(切換突起)が設けられている。ブレーキシューを作動不能にする場合は、ブレーキシューの凹部をブラケットの突起に弾性係合させる。これにより、ブレーキシューが作動しないように、ブレーキシューの姿勢を保持している。
特開2013−000086
従来のスプール制動装置では、ブレーキシューの作動可能状態おいて、ブレーキシューが、ピンまわりで揺動しブレーキドラムに接触可能である。また、ブレーキシューを制動可能状態から制動不能状態に変更する場合は、ブレーキシューの凹部をブラケットの突起に弾性係合させている。具体的には、釣人が、複数のブレーキシューそれぞれの凹部を、個別にブラケットの突起に弾性係合させている。このため、釣人が制動不能状態にしたいと考えるブレーキシューの数が、多くなればなるほど、釣人がブレーキシューをブラケットに弾性係合する操作が、煩雑になるという問題があった。また、ブレーキシューは小型の部材であるので、このブレーキシューを個別に選択することが困難であるという問題もあった。さらに、ブレーキシューが小型の部材であるが故に、ブレーキシューの凹部とブラケットの突起との弾性係合が、外れやすいという問題もあった。特に、ブレーキシューが水分等を含んだ場合、ブレーキシューの重量が重くなり、想定以上の遠心力がブレーキシューに作用するため、ブレーキシューの凹部とブラケットの突起との弾性係合が、外れやすいという問題があった。
なお、上記の操作上の問題は、ブレーキシューを制動不能状態から制動可能状態に変更する場合にも、同様に生じる問題である。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ブレーキシューの制動可能状態と制動不能状態とを、容易且つ確実に設定できるようにすることにある。
発明1に係る両軸受リールのスプール制動装置は、リール本体に回転自在に装着されたスプールを、遠心力により制動する装置である。本スプール制動装置は、ブレーキシューと、ブレーキドラムと、回転部材とを、備えている。ブレーキシューは、スプールの回転を制動可能な制動可能姿勢と、スプールの回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能である。ブレーキドラムは、制動可能姿勢のブレーキシューに接触可能である。回転部材は、スプールの回転に連動して回転する。回転部材は、揺動軸部を有している。揺動軸部は、制動可能姿勢のブレーキシューを揺動自在に支持する。また、揺動軸部は、ブレーキシューを揺動軸に食い違う方向に移動することによって、ブレーキシューを制動不能姿勢で支持する。
本スプール制動装置では、ブレーキシューの姿勢を、スプールの回転を制動可能な制動可能姿勢と、スプールの回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、変更可能である。特に、ブレーキシューを揺動軸に食い違う方向に移動することによって、ブレーキシューの姿勢が制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更される。
これにより、本スプール制動装置では、ブレーキシューを揺動軸に食い違う方向に移動するだけで、ブレーキシューの姿勢を、制動可能姿勢と制動可能姿勢とに容易に設定することができる。また、例えば、ブレーキシューの姿勢が制動可能姿勢である場合、ブレーキシューを揺動軸に食い違う第1方向に移動することによって、ブレーキシューの姿勢を制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更できる。一方で、ブレーキシューの姿勢が制動不能姿勢である場合、ブレーキシューを揺動軸に食い違う第2方向(第1方向とは反対の方向)に移動することによって、ブレーキシューの姿勢を制動不能姿勢から制動可能姿勢へと変更できる。このように、ユーザは、自分が所望するブレーキシューを、制動可能姿勢又は制動不能姿勢に、確実に設定することができる。
このように、本スプール制動装置では、ブレーキシューの制動可能状態と制動不能状態とを、容易且つ確実に設定することができる。
発明2に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1に記載のスプール制動装置において、所定の揺動角度においてブレーキシューを揺動軸部の揺動軸に食い違う方向に移動することによって、ブレーキシューの姿勢が変更される。
この場合、ブレーキシューの姿勢を制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更するためには、ブレーキシューを所定の揺動角度に設定した後、ブレーキシューが揺動軸に食い違う方向に移動される。言い換えると、ブレーキシューを所定の揺動角度に設定しない限り、ブレーキシューを制動不能姿勢に設定することはできない。このため、制動可能姿勢のブレーキシューが、スプールを制動している間に、ブレーキシューの姿勢が制動可能姿勢から制動不能姿勢(ユーザが意図しない姿勢)へと変更されないように、規制することができる。
発明3に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1又は2に記載のスプール制動装置において、ブレーキシューが、本体部と、本体部に形成された長孔部とを、有している。揺動軸部が長孔部の一端部に配置される場合に、ブレーキシューは制動可能姿勢をとる。一方で、揺動軸部が長孔部の他端部に配置される場合に、ブレーキシューは制動不能姿勢をとる。
この場合、回転部材の揺動軸部がブレーキシューの長孔部に配置された状態において、ブレーキシューが揺動軸に食い違う方向に移動される。ここで、揺動軸部が長孔部の一端部に配置される場合に、ブレーキシューは制動可能姿勢に設定される。また、揺動軸部が長孔部の他端部に配置される場合に、ブレーキシューは制動不能姿勢に設定される。このように、ブレーキシューの長孔部における揺動軸部の配置によって、ブレーキシューの姿勢を、制動可能姿勢又は制動不能姿勢に、確実に設定することができる。
発明4に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1から3のいずれか1項に記載のスプール制動装置において、回転部材が、ブレーキシューを制動不能姿勢で収納する収納部を、さらに有している。
この場合、ブレーキシューの姿勢が制動不能姿勢に設定された状態で、ブレーキシューが回転部材の収納部に収納されるので、ブレーキシューを制動不能姿勢で確実に保持することができる。また、ブレーキシューを制動不能姿勢で回転部材にコンパクトに収納することができる。
発明5に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1から4のいずれか1項に記載のスプール制動装置において、ブレーキシューを制動不能姿勢で回転部材に位置決めするための位置決め構造を、さらに有している。
この場合、位置決め構造によって、ブレーキシューを制動不能姿勢で回転部材に確実に位置決めすることができる。
発明6に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明5に記載のスプール制動装置において、位置決め構造が、位置決め凸部と、位置決め凹部とを、有している。位置決め凸部は、ブレーキシュー及び回転部材のいずれか一方に設けられている。位置決め凹部は、ブレーキシュー及び回転部材のいずれか他方に設けられている。位置決め凹部は、位置決め凸部に係合する。
この場合、ブレーキシュー(又は回転部材)の位置決め凹部を、回転部材(又はブレーキシュー)の位置決め凸部に係合することによって、ブレーキシューを制動不能姿勢で回転部材に確実に位置決めすることができる。
発明7に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明6に記載のスプール制動装置において、位置決め凸部と位置決め凹部とは、弾性的に係合される。
この場合、位置決め凸部と位置決め凹部とは弾性的に係合されるので、ブレーキシューを回転部材に容易に位置決めすることができる。
本発明によれば、ブレーキシューの制動可能状態と制動不能状態とを、容易且つ確実に設定できる。
本発明の一実施形態による両軸受リールの斜視図。 その右側面図。 その左側面図。 図2の切断線IV−IVによる断面図。 図2の切断線V−Vによる断面図。 スプール制動装置の分解斜視図。 ブレーキシュー及びブレーキドラムを示す部分斜視図(制動可能姿勢) ブレーキシュー及びブレーキドラムを示す部分断面図 ブレーキシュー及びブレーキドラムを示す部分斜視図(制動不能姿勢)
1.リールの全体構成
本発明の実施形態による両軸受リール10は、図1から図5に示すように、ベイトキャスト用の両軸受リールである。このリールは、リール本体11と、リール本体11の側方に配置されたスプール回転駆動用ハンドル12と、ハンドル12のリール本体11側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ13と、糸巻用のスプール14と、スプール14が装着されるスプール軸20と、を備えている。
ハンドル12は、アーム部12aと、アーム部12aの両端に回転自在に装着された把手12bとを、有するダブルハンドル形のものである。アーム部12aは、図5に示すように、駆動軸30の先端に回転不能に装着されており、ナット28により駆動軸30に締結されている。ハンドル12は、後述する第2側カバー16b側に配置される。
2.リール本体の構成
図4及び図5に示すように、リール本体11は、例えばマグネシウム合金などの軽金属製の部材であり、フレーム15と、フレーム15の両側方に装着された第1側カバー16a及び第2側カバー16bと、軸支持部35と、を有している。リール本体11の内部には、スプール14が、スプール軸20を介して、回転自在に装着されている。図5に示すように、第1側カバー16aは、第1側板15aに着脱可能に装着され、第1側板15aの外側を覆っている。第2側カバー16bは、第2側板15bにネジ止め固定され、第2側板15bの外側を覆う。
図1から図5に示すように、フレーム15内には、スプール14と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチ操作部材17と、スプール14内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構18とが、配置されている。
また、図4及び図5に示すように、フレーム15と第2側カバー16bとの間には、ギア機構19と、クラッチ機構21と、クラッチ制御機構22と、ドラグ機構23と、キャスティングコントロール機構24と、が配置されている。ギア機構19は、ハンドル12からの回転力をスプール14及びレベルワインド機構18に伝えるために、設けられる。クラッチ機構21は、スプール14とハンドル12とを連結及び遮断するために、設けられる。クラッチ制御機構22は、クラッチ操作部材17の操作に応じてクラッチ機構21を制御するために、設けられる。ドラグ機構23は、スプール14の糸繰り出し方向の回転を制動するために、設けられる。キャスティングコントロール機構24は、スプール14の回転時の抵抗力を調整するために設けられる。また、フレーム15と第1側カバー16aとの間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心力を用いたスプール制動装置25が、配置されている。
フレーム15は、図1、図4、及び図5に示すように、第1側板15aと、第1側板15aと所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第2側板15bと、第1側板15a及び第2側板15bを前後及び下部で一体に連結する複数(例えば、3個)の連結部15cとを、有している。下側の連結部15cには、釣り竿を装着するための釣り竿装着部15dが、一体に形成される。第1側板15aは、中央部にスプール軸20の軸芯Cを中心として円形に形成された開口部15eを、有する。開口部15eには、軸支持部35が着脱可能に連結される。
スプール14は、図4から図6に示すように、第1側板15aと第2側板15bとの間に設けられる。スプール14は、リール本体11に回転自在に支持される。スプール14は、両側部に皿状のフランジ部14aを有しており、両フランジ部14aの間に筒状の糸巻胴部14bを、有している。スプール14は、糸巻胴部14bの内周側を貫通するスプール軸20に、一体回転可能に固定されている。例えば、スプール14は、セレーション結合により、スプール軸20に一体回転可能に固定されている。
スプール軸20は、例えばSUS304等の非磁性金属製である。スプール軸20は、図5に示すように、第2側板15bを貫通して第2側カバー16bの外方に延びている。スプール軸20の一端(図5左端)は、軸受38aを介して、軸受収納部35aに回転自在に支持される。スプール軸20の第2側カバー16bの外方に延びる他端(図5右端)は、軸受38bにより、第2側カバー16bに形成されたボス部16dに、回転自在に支持されている。スプール軸20の軸方向の中間部には、大径部20aが形成されている。大径部20aが第2側板15bを貫通する部分には、クラッチ機構21を構成するクラッチピン21aが、径方向に沿って貫通して設けられる。クラッチピン21aは、両端がスプール軸20の外周面に突出する。
クラッチ操作部材17は、図1に示すように、第1側板15a及び第2側板15bの間の後部において、スプール14後方に配置されている。クラッチ操作部材17は、クラッチ制御機構22に連結されている。クラッチ操作部材17は、第1側板15a及び第2側板15bの間で上下方向にスライド可能である。このクラッチ操作部材17のスライドによって、クラッチ機構21が、連結状態と遮断状態とに切り換えられる。クラッチ操作部材17は、第1側板15aにおいてスプール14側に設けられたガイド軸(図示しない)によって、釣り竿装着部15dに接近する方向、及び釣り竿装着部15dから離反する方向(上下方向)に、案内される。
ギア機構19は、図5に示すように、駆動軸30と、駆動軸30に固定された駆動ギア31と、駆動ギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32とを、有している。駆動軸30は、第2側板15b及び第2側カバー16bに、回転自在に装着されている。駆動軸30は、ローラ型のワンウェイクラッチ50により、糸繰り出し方向の回転(逆転)が禁止されている。ローラ型のワンウェイクラッチ50は、第2側カバー16bと駆動軸30との間に、装着されている。駆動ギア31は、駆動軸30に回転自在に装着されており、駆動軸30とドラグ機構23を介して連結されている。
ピニオンギア32は、図5に示すように、第2側板15bを貫通して、スプール軸20方向に延びる。ピニオンギア32は、スプール軸20が中心を貫通する筒状部材である。ピニオンギア32は、軸受52によって第2側板15bに回転自在かつ軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオンギア32は、軸受54によって、第2側カバー16bに回転自在かつ軸方向に移動自在に装着されている。ピニオンギア32の一端(図5左端)には、クラッチピン21aに係合する係合溝32aが、形成されている。このピニオンギア32(クラッチピン21a)とクラッチピン21aによって、クラッチ機構21が構成される。ピニオンギア32は、クラッチ制御機構22によって、クラッチオン位置とクラッチオフ位置とに、移動させられる。なお、図5では、クラッチオン位置とクラッチオフ位置とが、同じ図に示されている。クラッチオン位置は、図5のスプール軸20の軸芯Cの上側に示し、クラッチオフ位置は、図5のスプール軸20の軸芯Cの下側に示している。
クラッチ制御機構22は、図4に示すように、ピニオンギア32をスプール軸20方向に沿って移動させるクラッチヨーク45を、有している。クラッチ操作部材17がクラッチオフ位置に操作されると、クラッチヨーク45は、ピニオンギア32を上記のクラッチオフ位置に移動させる。また、クラッチ制御機構22は、スプール14の糸巻き取り方向の回転に連動してクラッチ機構21をクラッチオンさせる図示しないクラッチ戻し機構を、有している。
3.スプール制動機構
スプール制動装置25は、遠心力によってスプール14を制動するためのものである。スプール制動装置25は、スプール軸20及び軸支持部35に装着されている。スプール制動装置25は、図4から図6に示すように、ブレーキドラム66と、回転部材62と、複数(例えば、6個)のブレーキシュー64と、移動機構68と、を備えている。
3−1.ブレーキドラム
ブレーキドラム66は、ブレーキシュー64の径方向内方に配置される。ブレーキドラム66は、制動可能姿勢のブレーキシュー64に接触可能である。具体的には、ブレーキドラム66の少なくとも一部は、ブレーキシュー64に対して、径方向内方に配置される。より具体的には、ブレーキドラム66は、スプール14に向かって傾斜したテーパ形状の外周面66a(以下、テーパ面と呼ぶ)を、有している。テーパ面66aは、ブレーキシュー64の径方向内方に配置され、このテーパ面66aが、揺動するブレーキシュー64に接触する。
3−2.回転部材
回転部材62は、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂製の概ね円形の部材である。回転部材62は、スプール14の回転、例えばスプール14の糸繰り出し方向の回転に連動して、回転する。回転部材62は、スプール軸20に圧入等の適宜の固定手段により一体回転可能に連結されている。
回転部材62は、図4及び図9に示すように、ボス部62aと、シュー取付部62bと、接続部62cとを、有している。ボス部62aは、内周部がスプール軸20に固定される。ボス部62aは、スプール軸20が貫通する段付きの貫通孔62dを有する筒状の部分である。貫通孔62dは、スプール軸20に位置決めされる。
図7から図9に示すように、シュー取付部62bは、厚肉環状に形成されている。シュー取付部62bは、ボス部62aの径方向外方に配置されている。シュー取付部62bは、本体部63aと、複数(例えば、6個)のシュー支持凹部63bと、複数(例えば、6個)の収納部63fと、複数(例えば、6個)の揺動軸部63c(図8を参照)と、位置決め凹部63eとを、有している。
本体部63aは、実質的に円筒状に形成されている。複数のシュー支持凹部63bは、周方向に間隔を隔てて設けられている。言い換えると、複数のシュー支持凹部63bは、スプール14の回転方向に等間隔に配置されている。シュー支持凹部63bは、ブレーキシュー64を配置可能な幅で、凹んで形成されている。
複数の収納部63fは、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で収納する。収納部63fは、孔部である。ここでは、収納部63fは、シュー支持凹部63bの内周側において、スプール軸20に沿う方向に延びている。ブレーキシュー64の姿勢が制動不能姿勢に設定される場合、収納部63fには、制動不能姿勢のブレーキシュー64の端部(後述する第1端65a側の端部)が配置される(図9を参照)。
図8に示すように、複数の揺動軸部63cは、シュー支持凹部63bに設けられている。揺動軸部63cは、スプール軸20と食い違う方向に延びており、シュー支持凹部63bに一体形成されている。揺動軸部63cは、実質的に円筒形状に形成されている。揺動軸部63cは、ブレーキシュー64を揺動可能に支持する。具体的には、揺動軸部63cは、図7に示す制動可能姿勢のブレーキシュー64を、揺動自在に支持する。
また、揺動軸部63cは、ブレーキシュー64に対して、揺動軸芯Pに食い違う方向に移動可能である。言い換えると、ブレーキシュー64は、揺動軸部63cに対して、揺動軸芯Pに食い違う方向に移動可能である。例えば、ブレーキシュー64を揺動軸に食い違う方向に移動すると、ブレーキシュー64は制動不能姿勢で揺動軸部63cに支持される。ブレーキシュー64が制動不能姿勢に設定された場合の例は、図9に示されている。
位置決め凹部63eは、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で位置決めするためのものである。位置決め凹部63eは、回転部材62に設けられている。具体的には、位置決め凹部63eは、シュー取付部62bに形成されている。より具体的には、一対の位置決め凹部63eそれぞれが、シュー支持凹部63bにおける一対の壁部それぞれに、形成されている。一対の位置決め凹部63eは、互いに対向している。位置決め凹部63eは、後述する位置決め凸部64cとともに、シュー用の位置決め構造69を構成している。
図9に示すように、接続部62cは、ボス部62aとシュー取付部62bとを接続する部分である。接続部62cは、厚肉円板状の部材であり、ボス部62aの外周部に一体形成されている。接続部62cの外周側の端面にシュー取付部62bの本体部63aが一体形成されている。
3−3.ブレーキシュー
ブレーキシュー64は、例えば、ポリアミド樹脂等の弾性を有する合成樹脂製の部材である。図7から図9に示すように、ブレーキシュー64は、スプール軸20と食い違う軸回りに揺動可能に、回転部材62に装着される。具体的には、ブレーキシュー64は、回転部材62の揺動軸部63c回りに揺動可能に、揺動軸部63cに装着される。ブレーキシュー64は、揺動軸部63cに対して、着脱可能である。
具体的には、図7から図9に示すように、ブレーキシュー64は、制動可能姿勢と制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能である。図7に示す制動可能姿勢では、ブレーキシュー64が揺動軸部63c回りに揺動可能であり、且つスプール14の回転を制動可能である。制動不能姿勢では、ブレーキシュー64が揺動軸部63c回りに揺動不能である。制動不能姿勢のブレーキシュー64は、揺動軸部63c回りに揺動不能であり、且つスプール14の回転を制動不能である。
なお、制動可能姿勢は、ブレーキシュー64が揺動可能な状態である姿勢に対応する文言である。また、揺動不能姿勢は、ブレーキシュー64が揺動不能な状態である姿勢に対応する文言である。
制動可能姿勢のブレーキシュー64を所定の揺動角度に設定し、このブレーキシュー64を揺動軸部63c(揺動軸芯P;図8を参照)に食い違う方向に移動することによって、ブレーキシュー64の姿勢が、制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更される(図7及び図9を参照)。すると、図9に示すように、制動不能姿勢のブレーキシュー64が、回転部材62(シュー取付部62b)に設けられた収納部63fに、配置される。具体的には、ブレーキシュー64の端部(後述する第1端65a側の端部)が、シュー支持凹部63bの収納部63fに配置される。
図7から図9に示すように、ブレーキシュー64は、本体部64aと、長孔部64bと、位置決め凸部64cとを、有している。
本体部64aは、一方向に長い形状に形成されている。例えば、本体部64aは、実質的に直方体形状に形成されている。本体部64aは、第1端65aと、第1端65aと反対側の第2端65bと、を有している。本体部64aは、第1端65aから第2端65bに向かって長い部材である。第1端65aには、ブレーキドラム66に接触する接触部65fが、形成されている。接触部65fは、円弧状に形成されている。
長孔部64bは、ブレーキシュー64の姿勢を制動可能姿勢と制動不能姿勢との間で変更する場合に、ブレーキシュー64を案内するためのものである。長孔部64bは、本体部64aに形成されている。例えば、図8に示すように、長孔部64bは、本体部64aの長手方向に延びる孔部である。長孔部64bは、揺動軸部63cに装着される。長孔部64bは、第1保持部164aと、第2保持部164bと、連結部164cと、隙間部164dとを、有している。
第1保持部164aは、円弧状(C字形状)の孔部である。第1保持部164aは、長孔部64bの一端側(ブレーキシュー64の第1端65a側)に形成されている。第1保持部164aは、第1端65aと重心Gとの間に設けられている。第1保持部164aは、揺動軸部63cに嵌合可能であり、揺動軸部63cを揺動自在に保持する。例えば、第1保持部164aは、揺動軸部63cにすきま嵌めで嵌合される。これにより、ブレーキシュー64は、揺動軸部63c回りに揺動自在である。また、この場合のブレーキシュー64の姿勢は、制動可能姿勢である。
第2保持部164bは、円弧状(C字形状)の孔部である。第2保持部164bは、長孔部64bの他端側(ブレーキシュー64の第2端65b側)に形成されている。第2保持部164bは、揺動軸部63cに嵌合可能であり、揺動軸部63cを揺動自在に保持する。例えば、第2保持部164bは、揺動軸部63cにすきま嵌めで嵌合される。これにより、ブレーキシュー64は、揺動軸部63c回りに揺動自在である。
連結部164cは、第1保持部164a及び第2保持部164bを連結する部分である。また、連結部164cは、揺動軸部63cが第1保持部164aと第2保持部164bとの間で移動する場合に通過する部分である。具体的には、ブレーキシュー64の姿勢を制動可能姿勢と制動不能姿勢との間で変更させる場合に、揺動軸部63cが連結部164cを通過する。連結部164cの間隔は、第1保持部164aの内径及び第2保持部164bの内径より、小さい。
隙間部164dは、揺動軸部63cを長孔部64bに装着するための隙間である。隙間部164dの間隔は、揺動軸部63cの外径より小さい。このため、隙間部164dを弾性変形させることによって、揺動軸部63cは、連結部164cに挿入され、第1保持部164a及び第2保持部164bのいずれか一方に、配置される。
位置決め凸部64cは、ブレーキシュー64を回転部材62に位置決めするためのものである。位置決め凸部64cは、シュー用の位置決め構造69を構成している。位置決め凸部64cは、本体部64から外方に突出して、本体部64に一体に形成されている。具体的には、一対の位置決め凸部64cそれぞれが、揺動軸部63cに沿う方向において、本体部64から外方に突出して、本体部64に一体に形成されている。位置決め凸部64cは、回転部材62の位置決め凹部63eに係合する。例えば、位置決め凸部64cは、位置決め凹部63eに、弾性的に係合する。このように、位置決め凸部64cを位置決め凹部63eに係合することによって(シュー用の位置決め構造69によって)、ブレーキシュー64を、ブレーキドラム66に接触不能に位置決めすることができる。
上記のような構成を有するブレーキシュー64は、スプール14が回転すると、重心Gに作用する遠心力により、揺動軸芯Pを中心として揺動する。
3−4.移動機構
移動機構68は、ブレーキシュー64とブレーキドラム66とを、スプール軸20の軸方向に、相対移動可能かつ位置決め可能である。移動機構68は、図3から図6に示すように、操作部材60と、ブレーキカム71(図4参照)と、第1ギア部材73(図6参照)と、第1ギア部材73に噛み合う第2ギア部材74(図6を参照)と、を有している。
操作部材60は、例えば合成樹脂製の円形のつまみである。操作部材60は、第1側カバー16aに形成された開口部16cに配置され、第1側カバー16aから外部に露出している。操作部材60は、図3及ぶ図6に示すように、軸支持部35の底部35cの外側面にねじ込まれるねじ軸78によって、回動自在に支持される。操作部材60は、操作部材用の位置決め構造76によって、複数(例えば、40段階程度)に位置決めされる。第1ギア部材73は、操作部材60と一体形成される。第2ギア部材74は、ブレーキドラム66に一体回動可能に連結される。
図4に示すように、ブレーキドラム66は、ブレーキカム71を介して、軸支持部35に、係合する。ブレーキカム71は、軸支持部35の外周面に回転不能に固定されている。ブレーキカム71は、螺旋状のカム溝71aを有している。ブレーキカム71(カム溝71a)は、ブレーキドラム66の内周面に突出して形成された、例えば複数のカム突起66cに、係合する。これにより、操作部材60が一方向に回動操作されると、ブレーキドラム66がスプール14に接近する方向に移動して、制動力が徐々に強くなる。また、操作部材が他方向(上記の一方向とは反対の方向)に回動操作されると、ブレーキドラム66がスプール14から離反する方向に移動し、制動力が徐々に弱くなる。
4.スプール制動装置の動作
4−1.スプール制動装置の動作概要
スプール制動装置25では、操作部材60が操作開始位置にあるときは、ブレーキシュー64の接触部65fは、ブレーキドラム66のテーパ面66aの小径側に接触する。このとき、ブレーキシュー64の揺動角度が最も大きくなり、ブレーキドラム66がブレーキシュー64を押圧する押圧力は、最も小さくなる。これにより、スプール14に作用する制動力は、最も小さい。
操作部材60が操作開始位置から回動操作されると、第1ギア部材73が回転する。すると、第1ギア部材73に噛み合う第2ギア部材74が、回転し、ブレーキドラム66も回動する。すると、ブレーキドラム66は、ブレーキカム71を介して、スプール14に接近する方向に移動する。このとき、ブレーキシュー64の接触部65fは、テーパ面66aの大径側に移動する。すると、ブレーキシュー64の揺動角度が徐々に小さくなり、ブレーキドラム66がブレーキシュー64を押圧する押圧力は、徐々に大きくなる。これにより、スプール14に作用する制動力は、徐々に大きくなる。
操作部材60が最大制動位置に設定されると、ブレーキシュー64の揺動角度が最も小さくなり、ブレーキドラム66がブレーキシュー64を押圧する押圧力が、最大になる。これにより、スプール14に作用する制動力は、最も大きくなる。この場合、ブレーキシュー64の接触部65fは、ブレーキドラム66のテーパ面66aの大径側に接触させても、テーパ面66aの基端部(大径側)に連なって一体に形成された筒状部に、接触させてもよい。
なお、上記とは反対に操作する場合、すなわち操作部材60を最大制動位置から操作開始位置に向けて操作する場合は、制動力が徐々に弱くなる。
4−2.ブレーキシューの動作及び設定
6個のブレーキシュー64それぞれは、制動可能姿勢と制動不能姿勢とに、設定可能である。各ブレーキシュー64の設定及び動作は、同じであるので、ここでは、1個のブレーキシュー64に注目して、説明を行う。
ブレーキシュー64が制動可能姿勢に設定されている状態(図7の状態)において、スプール14の回転に連動して、回転部材62が回転すると、遠心力によって、ブレーキシュー64は揺動する。すると、ブレーキシュー64が、ブレーキドラム66に接触して、スプール14の回転が制動される。具体的には、ブレーキシュー64の接触部65fが、ブレーキドラム66に接触することによって、スプール14の回転が制動される。
ここで、図7に示すようにブレーキシュー64が制動可能姿勢である状態で、図8に示すようにユーザがブレーキシュー64を所定の揺動角度に揺動すると、ブレーキシュー64を揺動軸部63c(揺動軸芯P)に食い違う方向(第1方向)に移動可能となる。この状態で、ユーザが、ブレーキシュー64を揺動軸部63cに食い違う方向に押すと、このブレーキシュー64が、長孔部64bの一端部から長孔部64bの他端部からへと移動する。これにより、ブレーキシュー64の端部(第2端65b側の端部)が、回転部材62の収納部63fに案内される。
そして、ブレーキシュー64の位置決め凸部64cが、回転部材62の位置決め凹部63eに当接した状態で、ユーザが、ブレーキシュー64をさらに押し込むと、図9に示すように、位置決め凸部64cと位置決め凹部63eとが弾性係合する。このようにして、ブレーキシュー64は、回転部材62の収納部63fに収納され、制動不能姿勢に設定される。
なお、ブレーキシュー64を、揺動軸部63cと食い違う方向に移動する場合の上記の所定の揺動角度は、ブレーキシュー64がブレーキドラム66に接触するときの揺動角度より大きい。すなわち、ブレーキシュー64がブレーキドラム66を制動している時には、ブレーキシュー64は、揺動軸部63cと食い違う方向に移動不能である。
一方で、ブレーキシュー64が制動不能姿勢に設定されている状態(図9の状態)において、ユーザが、ブレーキシュー64を、揺動軸部63cと食い違う方向(上記の第1方向と反対の第2方向)に引くと、ブレーキシュー64の位置決め凸部64cと回転部材62の位置決め凹部63eとの係合が、解除される。そして、ユーザがブレーキシュー64をさらに引くと、ブレーキシュー64が、長孔部64bの他端部から長孔部64bの一端部からへと移動する。これにより、ブレーキシュー64の端部(第2端65b側の端部)が、回転部材62の収納部63fから取り出される。そして、ユーザが、ブレーキシュー64の端部(第1端65a側の端部)を、回転部材62の外側、例えばシュー取付部62bの外側に、揺動すると、ブレーキシュー64は、制動可能姿勢に設定される。
このようにして、6個のブレーキシュー64それぞれは、制動可能姿勢及び制動不能姿勢のいずれか一方に、任意に設定可能である。すなわち、各ブレーキシュー64を、制動可能姿勢に設定するか、制動不能姿勢に設定するかによって、スプール14の回転に与える制動力を、調節することができる。
5.特徴
(A)本両軸受リール10のスプール制動装置25は、リール本体11に回転自在に装着されたスプール14を、遠心力により制動する装置である。本スプール制動装置25は、ブレーキシュー64と、ブレーキドラム66と、回転部材62とを、備えている。ブレーキシュー64は、スプール14の回転を制動可能な制動可能姿勢と、スプール14の回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能である。ブレーキドラム66は、制動可能姿勢のブレーキシュー64に接触可能である。回転部材62は、スプール14の回転に連動して回転する。回転部材62は、揺動軸部63cを有している。揺動軸部63cは、制動可能姿勢のブレーキシュー64を揺動自在に支持する。また、揺動軸部63cは、ブレーキシュー64を揺動軸芯Pに食い違う方向に移動することによって、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で支持する。
本スプール制動装置25では、ブレーキシュー64の姿勢を、スプール14の回転を制動可能な制動可能姿勢と、スプール14の回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、変更可能である。特に、ブレーキシュー64を揺動軸芯Pに食い違う方向に移動することによって、ブレーキシュー64の姿勢が制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更される。
これにより、本スプール制動装置25では、ブレーキシュー64を揺動軸芯Pに食い違う方向に移動するだけで、ブレーキシュー64の姿勢を、制動可能姿勢と制動可能姿勢とに容易に設定することができる。また、例えば、ブレーキシュー64の姿勢が制動可能姿勢である場合、ブレーキシュー64を揺動軸芯Pに食い違う第1方向に移動することによって、ブレーキシュー64の姿勢を制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更できる。一方で、ブレーキシュー64の姿勢が制動不能姿勢である場合、ブレーキシュー64を揺動軸芯Pに食い違う第2方向(第1方向とは反対の方向)に移動することによって、ブレーキシュー64の姿勢を制動不能姿勢から制動可能姿勢へと変更できる。このように、ユーザは、自分が所望するブレーキシュー64を、制動可能姿勢又は制動不能姿勢に、確実に設定することができる。
このように、本スプール制動装置25では、ブレーキシュー64の制動可能状態と制動不能状態とを、容易且つ確実に設定することができる。
(B)本両軸受リール10のスプール制動装置25では、所定の揺動角度においてブレーキシュー64を揺動軸部63cの揺動軸芯Pに食い違う方向に移動することによって、ブレーキシュー64の姿勢が変更される。
この場合、ブレーキシュー64の姿勢を制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更するためには、ブレーキシュー64を所定の揺動角度に設定した後、ブレーキシュー64が揺動軸芯Pに食い違う方向に移動される。言い換えると、ブレーキシュー64を所定の揺動角度に設定しない限り、ブレーキシュー64を制動不能姿勢に設定することはできない。このため、制動可能姿勢のブレーキシュー64がスプール14を制動している間に(ユーザが意図していないときに)、ブレーキシュー64の姿勢が制動可能姿勢から制動不能姿勢へと変更されないように、規制することができる。
(C)本両軸受リール10のスプール制動装置25では、ブレーキシュー64が、本体部64aと、本体部64aに形成された長孔部64bとを、有している。揺動軸部63cが長孔部64bの一端部に配置される場合に、ブレーキシュー64は制動可能姿勢をとる。一方で、揺動軸部63cが長孔部64bの他端部に配置される場合に、ブレーキシュー64は制動不能姿勢をとる。
この場合、回転部材62の揺動軸部63cがブレーキシュー64の長孔部64bに配置された状態において、ブレーキシュー64が揺動軸芯Pに食い違う方向に移動される。ここで、揺動軸部63cが長孔部64bの一端部に配置される場合に、ブレーキシュー64は制動可能姿勢に設定される。また、揺動軸部63cが長孔部64bの他端部に配置される場合に、ブレーキシュー64は制動不能姿勢に設定される。このように、ブレーキシュー64の長孔部64bにおける揺動軸部63cの配置によって、ブレーキシュー64の姿勢を、制動可能姿勢又は制動不能姿勢に、確実に設定することができる。
(B)本両軸受リール10のスプール制動装置25では、回転部材62が、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で収納する収納部63fを、さらに有している。この場合、ブレーキシュー64の姿勢が制動不能姿勢に設定された状態で、ブレーキシュー64が回転部材62の収納部63fに収納されるので、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で確実に保持することができる。また、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で回転部材62にコンパクトに収納することができる。
(C)本両軸受リール10のスプール制動装置25では、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で回転部材62に位置決めするためのシュー用の位置決め構造69を、さらに有している。この場合、シュー用の位置決め構造69によって、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で回転部材62に確実に位置決めすることができる。
(D)本両軸受リール10のスプール制動装置25では、シュー用の位置決め構造69が、位置決め凸部64cと、位置決め凹部63eとを、有している。位置決め凸部64cは、ブレーキシュー64及び回転部材62のいずれか一方に設けられている。位置決め凹部63eは、ブレーキシュー64及び回転部材62のいずれか他方に設けられている。位置決め凹部63eは、位置決め凸部64cに係合する。この場合、ブレーキシュー64(又は回転部材62)の位置決め凹部63eを、回転部材62(又はブレーキシュー64)の位置決め凸部64cに係合することによって、ブレーキシュー64を制動不能姿勢で回転部材62に確実に位置決めすることができる。
(E)本両軸受リール10のスプール制動装置25では、位置決め凸部64cと位置決め凹部63eとは、弾性的に係合される。この場合、位置決め凸部64cと位置決め凹部63eとは弾性的に係合されるので、ブレーキシュー64を回転部材62に容易に位置決めすることができる。
6.他の実施形態
(a)前記実施形態では、位置決め凸部64cがブレーキシュー64に設けられ、位置決め凹部63eが回転部材62に設けられる場合の例を示した。これに代えて、位置決め凸部64cが回転部材62に設けられ、位置決め凹部63eがブレーキシュー64に設けられるようにしてもよい。
(b)前記実施形態では、ブレーキドラム66が、ブレーキシュー64に対して、径方向内方に配置される場合の例を、示した。これに代えて、ブレーキドラム66を、ブレーキシュー64に対して、径方向外方に配置されるようにしてもよい。この場合、制動可能姿勢のブレーキシュー64が遠心力によって揺動すると、揺動軸部63cから離れた側のブレーキシュー64の端部(第2端65b)が、ブレーキドラム66の内周面に接触する。これにより、前記実施形態と同様に、スプール14を制動することができる。なお、この場合、ブレーキシュー64の接触部65fは、ブレーキシュー64の第2端65bに形成される。
11 リール本体
14 スプール
10 両軸受リール
25 スプール制動装置
62 回転部材
64 ブレーキシュー
66 ブレーキドラム
63c 揺動軸部
63e 位置決め凹部
63f 収納部
64a 本体部
64b 長孔部
64c 位置決め凸部
69 シュー用の位置決め構造
P 揺動軸芯

Claims (5)

  1. リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、
    前記スプールの回転を制動可能な制動可能姿勢と、前記スプールの回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能なブレーキシューと、
    前記制動可能姿勢の前記ブレーキシューに接触可能なブレーキドラムと、
    前記スプールの回転に連動して回転し、前記スプールの回転軸に食い違う方向に延び前記ブレーキシューを支持する揺動軸部を有する回転部材と、
    を備え、
    前記ブレーキシューは、所定の揺動角度において前記揺動軸部の揺動軸に食い違う方向に移動することによって、前記スプールの回転軸に食い違う方向に延びる前記揺動軸の回りに揺動自在に支持される前記制動可能姿勢と、前記揺動軸の回りに揺動不能に支持される制動不能姿勢と、に姿勢が変更され
    前記ブレーキシューは、本体部と、前記本体部に形成された長孔部とを、有し、
    前記揺動軸部が前記長孔部の一端部に配置される場合に、前記ブレーキシューは前記制動可能姿勢をとり、
    前記揺動軸部が前記長孔部の他端部に配置される場合に、前記ブレーキシューは前記制動不能姿勢をとる、
    両軸受リールのスプール制動装置。
  2. リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、
    前記スプールの回転を制動可能な制動可能姿勢と、前記スプールの回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能なブレーキシューと、
    前記制動可能姿勢の前記ブレーキシューに接触可能なブレーキドラムと、
    前記スプールの回転に連動して回転し、前記スプールの回転軸に食い違う方向に延び前記ブレーキシューを支持する揺動軸部を有する回転部材と、
    を備え、
    前記ブレーキシューは、所定の揺動角度において前記揺動軸部の揺動軸に食い違う方向に移動することによって、前記スプールの回転軸に食い違う方向に延びる前記揺動軸の回りに揺動自在に支持される前記制動可能姿勢と、前記揺動軸の回りに揺動不能に支持される制動不能姿勢と、に姿勢が変更され、
    前記回転部材は、前記ブレーキシューを制動不能姿勢で収納する収納部を、さらに有している、
    軸受リールのスプール制動装置。
  3. リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、
    前記スプールの回転を制動可能な制動可能姿勢と、前記スプールの回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能なブレーキシューと、
    前記制動可能姿勢の前記ブレーキシューに接触可能なブレーキドラムと、
    前記スプールの回転に連動して回転し、前記スプールの回転軸に食い違う方向に延び前記ブレーキシューを支持する揺動軸部を有する回転部材と、
    を備え、
    前記ブレーキシューは、所定の揺動角度において前記揺動軸部の揺動軸に食い違う方向に移動することによって、前記スプールの回転軸に食い違う方向に延びる前記揺動軸の回りに揺動自在に支持される前記制動可能姿勢と、前記揺動軸の回りに揺動不能に支持される制動不能姿勢と、に姿勢が変更され、
    前記ブレーキシューを前記制動不能姿勢で前記回転部材に位置決めするための位置決め構造を、さらに有している、
    軸受リールのスプール制動装置。
  4. リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、
    前記スプールの回転を制動可能な制動可能姿勢と、前記スプールの回転を制動不能な制動不能姿勢との間で、姿勢を変更可能なブレーキシューと、
    前記制動可能姿勢の前記ブレーキシューに接触可能なブレーキドラムと、
    前記スプールの回転に連動して回転し、前記制動可能姿勢の前記ブレーキシューを揺動自在に支持し且つ前記ブレーキシューを揺動軸に食い違う方向に移動することによって前記ブレーキシューを前記制動不能姿勢で支持する揺動軸部を、有する回転部材と、
    前記ブレーキシューを前記制動不能姿勢で前記回転部材に位置決めするための位置決め構造と、
    を備え、
    前記位置決め構造は、前記ブレーキシュー及び前記回転部材のいずれか一方に設けられる位置決め凸部と、前記ブレーキシュー及び前記回転部材のいずれか他方に設けられ前記位置決め凸部に係合する位置決め凹部とを、有している、
    両軸受リールのスプール制動装置。
  5. 前記位置決め凸部と前記位置決め凹部とは弾性的に係合される、
    請求項に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
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