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JP6245701B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP6245701B2
JP6245701B2 JP2014101054A JP2014101054A JP6245701B2 JP 6245701 B2 JP6245701 B2 JP 6245701B2 JP 2014101054 A JP2014101054 A JP 2014101054A JP 2014101054 A JP2014101054 A JP 2014101054A JP 6245701 B2 JP6245701 B2 JP 6245701B2
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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、タイヤのトレッドの改良に関する。
環境への配慮から、近年、車輌の低燃費化に対する要求は特に強くなっている。タイヤは車両の燃費性能に影響を与えるため、燃費の削減に寄与する「低燃費タイヤ」の開発が進められている。
タイヤによる低燃費化を達成するには、タイヤの転がり抵抗を小さくすることが重要である。タイヤは転動する際に変形と復元とを繰り返す。この変形と復元とに起因するエネルギー損失が、タイヤの転がり抵抗の主な発生要因である。タイヤの部位において、この損失が最も大きいのはトレッドである。トレッドにおけるこの損失を低減することが、転がり抵抗の低減に大きく寄与する。
トレッドでのエネルギー損失を低減するための検討の一例が、特開2005−96747公報に開示されている。このタイヤでは、トレッドのキャップ層を損失正接の小さなゴムで構成することで、トレッドにおけるエネルギー損失を抑えている。
特開2005−96747公報
特開2005−96747公報に開示されたとおり、トレッドの材料として損失正接の低いゴムを使用することで、タイヤの転がり抵抗が抑えられうる。しかし、損失正接の低いゴムをキャップ層に用いたトレッドは、グリップ力に劣る。これは、車両のブレーキ性能の低下を招来する。特開2005−96747公報に開示されたタイヤでは、充分なブレーキ性能が得られないことが起こりうる。
本発明の目的は、グリップ力の低下を抑えつつ、低い転がり抵抗が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドを備えている。このトレッドは、センター部と表ショルダー部Sfと裏ショルダー部Sbとを備えている。上記センター部はトレッドの中央に位置している。上記表ショルダー部Sfは、上記センター部に対して、このタイヤが車両に装着されたとき車両の外側方向に位置している。軸方向において、赤道面から上記センター部と上記表ショルダー部Sfの境界Bfまでの幅がWfとされたとき、この幅Wfの上記トレッドの幅Wtに対する比(Wf/Wt)は0.25以上0.35以下である。上記表ショルダー部Sfは、周方向に延在しトレッド面の一部をなす表主筋と、周方向に延在しトレッド面の一部をなす表副筋とを備えている。上記表ショルダー部Sfでは、軸方向において内側端に上記表副筋が配置され、外側に向かって上記表主筋と上記表副筋とが交互に配置されている。上記裏ショルダー部Sbは、上記センター部に対して、このタイヤが車両に装着されたとき車両の内側方向に位置している。軸方向において、赤道面から上記センター部と上記裏ショルダー部Sbの境界Bbまでの幅がWbとされたとき、この幅Wbの上記幅Wtに対する比(Wb/Wt)は0.25以上0.35以下である。上記裏ショルダー部Sbは、周方向に延在しトレッド面の一部をなす裏主筋と、周方向に延在しトレッド面の一部をなす裏副筋とを備えている。上記裏ショルダー部Sbでは、軸方向において内側端に上記裏副筋が配置され、外側に向かって上記裏主筋と上記裏副筋とが交互に配置されている。上記裏副筋の幅TSbは上記表副筋の幅TSfよりも大きい。上記裏副筋の幅の合計は、上記表副筋の幅の合計よりも大きい。上記表主筋及び上記裏主筋は第一ゴムより構成されている。上記表副筋及び上記裏副筋は第二ゴムより構成されている。上記第二ゴムの損失正接LT2は上記第一ゴムの損失正接LT1より低い。
好ましくは、上記幅TSfに対する上記幅TSbの比(TSb/TSf)は1.5以上2.5以下である。
好ましくは、上記幅TSfは1.5mm以上3.0mm以下である。
好ましくは、上記裏副筋の数が3以上であり、上記表副筋の数が3以上である。
好ましくは、このタイヤが車両に装着されたとき車両の外側方向に位置する接地端がEfとされたとき、接地端Efより車両の外側方向に位置する表副筋の幅の合計は、接地端Efより車両の内側方向に位置する表副筋の幅の合計よりも大きい。
好ましくは、このタイヤが車両に装着されたとき車両の内側方向に位置する接地端がEbとされたとき、接地端Ebより車両の内側方向に位置する裏副筋の幅の合計は、接地端Ebより車両の外側方向に位置する裏副筋の幅の合計よりも大きい。
好ましくは、上記トレッドは略周方向に延在する主溝を備えている。車両の外側方向において、上記境界Bfは最も外側に位置する主溝の外側端より外側に位置している。この境界Bfとこの外側端との距離は7mm以上である。車両の内側方向において、上記境界Bbは最も内側に位置する主溝の内側端より内側に位置している。この境界Bbとこの内側端との距離は7mm以上である。
車両が旋回走行するとき、外輪のトレッド面のうち、車両に装着されたとき車両の外側方向(表側と称される)のショルダー部に大きな荷重が負荷される。旋回走行時には、外輪の表側のショルダー部のグリップ力が重要となる。一方、旋回走行時には、車両に装着されたとき車両の内側方向(裏側と称される)のショルダー部に負荷される荷重は小さい。裏側のショルダー部が旋回時のグリップ力に及ぼす影響は小さい。
車両が直進走行するとき、主に接地するのは、トレッド面のセンターの部分である。多くの車両ではネガティブキャンバーを採用している。このため、センター部のうち、その裏側部分の接地する面積が特に大きい。直進走行時には、裏側及び表側のショルダー部の接地する面積はセンター部に比べて小さい。裏側及び表側のショルダー部が直進時のグリップ力に及ぼす影響は小さい。
本発明に係るタイヤは、センター部と、センター部の表側に位置する表ショルダー部と、センター部の裏側に位置する裏ショルダー部とを備えている。表ショルダー部内に、表主筋と表副筋とが配置されている。裏ショルダー部内に、裏主筋と裏副筋とが配置されている。表主筋及び裏主筋は第一ゴムから構成されている。表副筋及び裏副筋は第二ゴムから構成されている。第二ゴムの損失正接LT2は、第一ゴムの損失正接LT2より小さい。損失正接の小さな表副筋及び裏副筋は、タイヤの転がり抵抗を低減しうる。このタイヤは、車両の燃費性能向上に寄与する。
このタイヤでは、表ショルダー部内に配置された表副筋の幅の合計は、裏ショルダー部内に配置された裏副筋の幅の合計より小さい。旋回走行時には表ショルダー部に主に荷重が負荷される。この幅の小さな表副筋がタイヤのグリップ力に与える影響は小さい。損失正接の小さな表副筋が旋回時のグリップ力に与える影響は抑えられている。このタイヤでは、旋回時の良好なグリップ力が維持されている。
このタイヤでは、裏ショルダー部内に配置された裏副筋の幅の合計は、表ショルダー部内に配置された表副筋の幅の合計より大きい。幅が大きな裏副筋は、さらに効果的に転がり抵抗を削減する。前述の通り、この裏ショルダー部が旋回時及び直進時のタイヤのグリップ力に与える影響は小さい。このタイヤでは、旋回時及び直進時の良好なグリップ力が維持されながら、転がり抵抗が効果的に抑制されている。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤが示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、クリンチ8、ビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、エッジバンド18、インナーライナー20及びチェーファー22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。図に示される通り、トレッド4は、周方向に延在する主溝26を備えている。主溝26は、タイヤ2の水はけに寄与する。図示されないが、トレッド4は複数の副溝をさらに備えている。主溝26と副溝とにより、トレッドパターンが形成されている。図のタイヤ2では主溝26の数は4本である。主溝26の数は4本に限られない。トレッド4が3本以下の主溝26を備えていてもよい。トレッド4が5本以上の主溝26を備えていてもよい。トレッド4が主溝26を備えなくてもよい。トレッド4が副溝を備えなくてもよい。
トレッド4は、ベース層28とキャップ層30とを有している。キャップ層30は、ベース層28の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層28に積層されている。ベース層28は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層28の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
クリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア32と、このコア32から半径方向外向きに延びるエイペックス34とを備えている。コア32はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス34は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス34は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、カーカスプライ36からなる。カーカスプライ36は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ36は、コア32の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ36には、主部と折り返し部とが形成されている。
図示されていないが、カーカスプライ36は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、2枚以上のカーカスプライ36から形成されてもよい。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層14a及び外側層14bからなる。図示されていないが、内側層14a及び外側層14bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層14aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層14bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト14が、3以上の層を備えてもよい。
バンド16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。バンド16は、ベルト14に積層されている。バンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。バンド16は、タイヤ2の半径方向の剛性に寄与しうる。バンド16は、走行時に作用する遠心力の影響を抑制しうる。このタイヤ2は、高速安定性に優れる。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14及びバンド16は、補強層を構成している。ベルト14のみから、補強層が構成されてもよい。バンド16のみから、補強層が構成されてもよい。
エッジバンド18は、ベルト14の半径方向外側であって、かつベルト14の端の近傍に位置している。図示されていないが、このエッジバンド18は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このエッジバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト14の端が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー20は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー20は、架橋ゴムからなる。インナーライナー20には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。チェーファー22は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。チェーファー22が、クリンチ8と一体として構成されていてもよい。
図1において、符号Xは、タイヤ2が車両に装着されたとき車両の外側方向(表側と称される)を表し、符号Yは、タイヤ2が車両に装着されたとき車両の内側方向(裏側と称される)を表している。このトレッド4のキャップ層30は、センター部、表ショルダー部及び裏ショルダー部を備えている。図1において、符号Cはセンター部を表し、符号Sfは表ショルダー部を表し、符号Sbは裏ショルダー部を表す。
センター部Cは、トレッド4の中央に位置している。センター部Cは、ベース層28の半径方向外側に積層されている。センター部Cはトレッド面24の一部を形成している。
表ショルダー部Sfは、センター部Cの表側に位置している。図1において、点Bfは、センター部Cと表ショルダー部Sfとの境界である。両矢印Wfは赤道面CLから境界Bfまでの軸方向幅である。両矢印Wtはタイヤ2のトレッド4の軸方向幅を表す。このタイヤ2では、幅Wtに対する幅Wfの比(Wf/Wt)は、0.25以上0.35以下である。
図2は、表ショルダー部Sfの付近が示された図1のタイヤ2の拡大断面図である。図2において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。表ショルダー部Sfは、表主筋38及び表副筋40を備えている。表ショルダー部Sfでは、軸方向において内側端に表副筋40が配置され、外側に向かって表主筋38と表副筋40とが交互に配置されている。
それぞれの表副筋40は、周方向に沿ってリング状に形成されている。このタイヤ2を周方向と垂直な面で切った断面において、この表副筋40は、ベース層28の表面からトレッド面24まで半径方向に延在している。この表副筋40は、トレッド面24の一部を形成している。この表副筋40は、ベース層28の半径方向外側に積層されている。
図2に示されるとおり、それぞれの表副筋40は、一対の側面42を備えている。この一対の側面42は、互いに略平行である。図2において、点Pf0は、表副筋40の内側の側面42とトレッド面24との交点であり、点Pf1はこの表副筋40の外側の側面42とトレッド面24との交点である。図2において、両矢印TSfは、この表副筋40の幅である。詳細には、幅TSfは、点Pf0と点Pf1との軸方向の距離である。図2に示されるとおり、このタイヤ2では、全ての表副筋40の幅は同じである。全ての表副筋40の幅が同じでなくてもよい。この場合、幅TSfは、全ての表副筋40の幅の平均を表す。
それぞれの表主筋38は、周方向に沿ってリング状に形成されている。このタイヤ2を周方向と垂直な面で切った断面において、この表主筋38は、ベース層28の表面からトレッド面24まで半径方向に延在している。この表主筋38は、トレッド面24の一部を形成している。表主筋38は、ベース層28の半径方向外側に積層されている。
裏ショルダー部Sbは、センター部Cの裏側に位置している。図1において、点Bbは、センター部Cと裏ショルダー部Sbとの境界である。両矢印Wbは赤道面CLから境界Bbまでの軸方向幅である。このタイヤ2では、幅Wtに対する幅Wbの比(Wb/Wt)は、0.25以上0.35以下である。
図3は、裏ショルダー部Sbの付近が示された図1のタイヤ2の拡大断面図である。図3において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。裏ショルダー部Sbは、裏主筋44及び裏副筋46を備えている。裏ショルダー部Sbでは、軸方向において内側端に裏副筋46が配置され、外側に向かって裏主筋44と裏副筋46とが交互に配置されている。
それぞれの裏副筋46は、周方向に沿ってリング状に形成されている。このタイヤ2を周方向と垂直な面で切った断面において、この裏副筋46は、ベース層28の表面からトレッド面24まで半径方向に延在している。この裏副筋46は、トレッド面24の一部を形成している。この裏副筋46は、ベース層28の半径方向外側に積層されている。
図3に示されるとおり、それぞれの裏副筋46は、一対の側面48を備えている。この一対の側面48は、互いに略平行である。図3において、点Pb0は、裏副筋46の内側の側面48とトレッド面24との交点であり、点Pb1はこの裏副筋46の外側の側面48とトレッド面24との交点である。図3において、両矢印TSbは、この裏副筋46の幅である。詳細には、幅TSbは、点Pb0と点Pb1との軸方向の距離である。図3に示されるとおり、このタイヤ2では、全ての裏副筋46の幅は同じである。全ての裏副筋46の幅が同じでなくてもよい。この場合、幅TSbは、全ての裏副筋46の幅の平均を表す。
それぞれの裏主筋44は、周方向に沿ってリング状に形成されている。このタイヤ2を周方向と垂直な面で切った断面において、この裏主筋44は、ベース層28の表面からトレッド面24まで半径方向に延在している。この裏主筋44は、トレッド面24の一部を形成している。裏主筋44は、ベース層28の半径方向外側に積層されている。
このタイヤ2では、裏副筋46の幅TSbは、表副筋40の幅TSfよりも大きい。全ての裏副筋46の幅の合計値SSbは、全ての表副筋40の幅の合計値SSfよりも大きい。図1のタイヤ2では、合計値SSfは幅TSfの4倍である。合計値SSbは幅TSbの4倍である。
このタイヤ2では、センター部C、表主筋38及び裏主筋44は第一ゴムで構成されている。表副筋40及び裏副筋46は第二ゴムで構成されている。上記第一ゴム及び第二ゴムは、それぞれ架橋されたゴム組成物(架橋ゴム)である。第二ゴムの損失正接LT2は、第一ゴムの損失正接LT1よりも小さい。即ち、表副筋40及び裏副筋46は、センター部C、表主筋38及び裏主筋44と比べて、低発熱なゴムで構成されている。
本発明では、上記損失正接LT1及びLT2並びに後述する複素弾性率E1及びE2は、「JIS K 6394」の規定に準拠して、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所製の「VESF−3」)を用いて、下記に示される条件で計測される。
初期歪み:10%
振幅:±2.0%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:30℃
表ショルダー部Sfは表端部50をさらに備えている。表端部50は、表ショルダー部Sfの表側端に配置されている。表端部50の外側端はトレッド4の端と一致する。図1のタイヤ2では、表端部50は最も表側に位置する表副筋40のさらに表側に位置している。このタイヤ2では表端部50は第一ゴムから構成されている。この表端部50が第二ゴムから構成されていてもよい。なお、表端部50が第一ゴム及び第二ゴム以外で構成されていてもよい。
裏ショルダー部Sbは裏端部52をさらに備えている。裏端部52は、裏ショルダー部Sbの裏側端に配置されている。裏端部52の外側端はトレッド4端と一致する。図1のタイヤ2では、裏端部52は最も裏側に位置する裏副筋46のさらに裏側に位置している。このタイヤ2では裏端部52は第一ゴムから構成されている。この裏端部52が第二ゴムから構成されていてもよい。なお、裏端部52が第一ゴム及び第二ゴム以外で構成されていてもよい。
図に示されるとおり、このタイヤ2では、トレッド4はベース層28を有している。トレッド4がベース層28を有しなくてもよい。この場合、センター部C、表副筋40、表主筋38、裏副筋46及び裏主筋44は、バンド16又はエッジバンド18の半径方向外側に積層される。
以下では、本発明の作用効果が説明される。
車両が旋回走行するとき、外輪のトレッド面の表側に大きな荷重が負荷される。図1の二点鎖線Gfは、旋回走行したときの外輪での路面を表している。旋回走行時には、外輪の表側のショルダー部のグリップ力が重要となる。一方、車両が旋回走行したとき、外輪のトレッド面の裏側はほとんど接地しない。内輪のトレッド面の裏側は接地するが、この裏側に負荷される荷重は小さい。裏側のショルダー部が旋回走行時のグリップ力に与える影響は少ない。
車両が直進走行するとき、主に接地するのは、センター部である。図1の二点鎖線Gbは、直線走行したときの路面を表している。多くの車両ではネガティブキャンバーを採用している。このため、図に示されるとおり、センター部のうち、その裏側部分の接地する面積が特に大きい。直進走行時には、裏側及び表側のショルダー部の接地する面積はセンター部に比べて小さい。裏側及び表側のショルダー部が直進時のグリップ力に及ぼす影響は小さい。
本発明に係るタイヤ2では、トレッド4は、センター部Cと表ショルダー部Sfと裏ショルダー部Sbとを備えている。表ショルダー部Sfは、センター部Cの表側に位置している。裏ショルダー部Sbは、センター部Cの裏側に位置している。表ショルダー部Sf内に、表主筋38と表副筋40とが配置されている。裏ショルダー部Sb内に、裏主筋44と裏副筋46とが配置されている。表主筋38及び裏主筋44は第一ゴムから構成されている。表副筋40及び裏副筋46は第二ゴムから構成されている。第二ゴムの損失正接LT2は、第一ゴムの損失正接LT2より小さい。損失正接の小さな表副筋40及び裏副筋46は、タイヤ2の転がり抵抗を低減しうる。このタイヤ2は、車両の燃費性能向上に寄与する。
このタイヤ2では、表ショルダー部Sf内に配置された表副筋40の幅の合計SSfは、裏ショルダー部Sb内に配置された裏副筋46の幅の合計SSbより小さい。旋回走行時には表ショルダー部Sfに主に荷重が負荷される。この幅の小さな表副筋40がタイヤ2のグリップ力に与える影響は小さい。損失正接の小さな表副筋40が旋回時のグリップ力に与える影響は抑えられている。このタイヤ2では、旋回時の良好なグリップ力が維持されている。
このタイヤ2では、裏ショルダー部Sb内に配置された裏副筋46の幅の合計SSbは、表ショルダー部Sf内に配置された表副筋40の幅の合計SSfより大きい。幅が大きな裏副筋46は、さらに効果的に転がり抵抗を削減する。前述の通り、この裏ショルダー部Sbが旋回時及び直進時のタイヤ2のグリップ力に与える影響は小さい。このタイヤ2では、旋回時及び直進時の良好なグリップ力が維持されながら、転がり抵抗が効果的に抑制されている。
前述のとおり、このタイヤ2では、表ショルダー部Sfには、軸方向において表主筋38と表副筋40とが交互に配置されている。裏ショルダー部Sbには、軸方向において裏主筋44と裏副筋46とが交互に配置されている。この構造により、トレッド4の接地面が、表ショルダー部Sf若しくは裏ショルダー部Sbからセンター部Cに移行する際に、又はトレッド4の接地面が、センター部Cから表ショルダー部Sf若しくは裏ショルダー部Sbに移行する際に、ドライバーは、第一ゴムと第二ゴムとのグリップ力の違いに起因する違和感を感じにくい。このタイヤ2は乗り心地に優れる。さらにこの構造は、第一ゴムと第二ゴムとの耐摩耗性の違いに起因する、トレッド4の段差摩耗を防止する。このタイヤ2では、段差摩耗による外観不良が防止されている。このタイヤ2では、この摩耗段差によるグリップ力の低下が防止されている。
前述の通り、このタイヤ2では、比(Wf/Wt)は、0.25以上0.35以下である。比(Wf/Wt)が0.25以上のタイヤ2では、直進時に充分なグリップ力を有する。この観点から比(Wf/Wt)は、0.28以上がより好ましい。比(Wf/Wt)が0.35以下のタイヤ2では、転がり抵抗が効果的に削減されている。この観点から比(Wf/Wt)は、0.33以下がより好ましい。
前述の通り、このタイヤ2では、比(Wb/Wt)は、0.25以上0.35以下である。比(Wb/Wt)が0.25以上のタイヤ2では、直進時に充分なグリップ力を有する。この観点から比(Wb/Wt)は、0.28以上がより好ましい。比(Wb/Wt)が0.35以下のタイヤ2では、転がり抵抗が効果的に削減されている。この観点から比(Wb/Wt)は、0.33以下がより好ましい。
表副筋40の幅TSfに対する裏副筋46の幅TSbの比(TSb/TSf)は1.5以上2.5以下が好ましい。比(TSb/TSf)を1.5以上2.5以下とすることで、グリップ力の低下を防止しつつ、転がり抵抗がさらに効果的に削減されうる。この観点から比(TSb/TSf)は1.7以上2.3以下がより好ましい。
全ての表副筋40の幅の合計値SSfに対する全ての裏副筋46の幅の合計値SSbの比(SSb/SSf)は1.5以上2.5以下が好ましい。比(SSb/SSf)を1.5以上2.5以下とすることで、グリップ力の低下を防止した上で、転がり抵抗がさらに効果的に削減されうる。この観点から比(SSb/SSf)は1.7以上2.3以下がより好ましい。
表副筋40の幅TSfは1.5mm以上が好ましい。幅TSfを1.5mm以上とすることで、転がり抵抗が効果的に削減される。この観点から幅TSfは、2.0mm以上がより好ましい。また、幅TSfは、3.0mm以下が好ましい。幅TSfを3.0mm以下とすることで、このタイヤ2は、旋回時に良好なグリップ力を有する。この観点から幅TSfは、2.5mm以下がより好ましい。
図2において、両矢印TMfは表主筋38の幅である。表主筋38の幅TMfは、その両側に位置する二つの表副筋40の間隔である。最も内側に位置する表主筋38の幅TMfは、点Pf1と点Pf2との軸方向の距離である。図2のタイヤ2では、全ての表主筋38は同じ幅を有している。
このタイヤ2では、表副筋40の幅TSfは表主筋38の幅TMfより小さいのが好ましい。幅TSfを幅TMfより小さくすることで、旋回時の良好なグリップ力が維持される。
表主筋38の幅TMfは4.0mm以上が好ましい。幅TMfを4.0mm以上とすることで、旋回時の良好なグリップ力が維持されうる。また、幅TMfを4.0mm以上とすることで、摩耗段差が小さくされうる。この観点から幅TMfは、5.0mm以上がより好ましい。幅TMfは、8.0mm以下が好ましい。幅TMfを8.0mm以下とすることで、転がり抵抗が効果的に削減される。この観点から幅TMfは、7.0mm以下がより好ましい。
裏副筋46の幅TSbは2.0mm以上が好ましい。幅TSbを2.0mm以上とすることで、転がり抵抗が効果的に削減される。この観点から幅TSbは、3.0mm以上がより好ましい。また、幅TSbは、6.0mm以下が好ましい。幅TSbを6.0mm以下とすることで、このタイヤ2は、直進時に良好なグリップ力を有する。この観点から幅TSbは、5.0mm以下がより好ましい。
図3において、両矢印TMbは裏主筋44の幅である。裏主筋44の幅TMbは、その両側に位置する二つの裏副筋46の間隔である。最も内側に位置する裏主筋44の幅TMbは、点Pb1と点Pb2との軸方向の距離である。図3のタイヤ2では、全ての裏主筋44は同じ幅を有している。
このタイヤ2では、裏副筋46の幅TSbは裏主筋44の幅TMbより小さいのが好ましい。幅TSbを幅TMbより小さくすることで、直進時の良好なグリップ力が維持される。
裏主筋44の幅TMbは4.0mm以上が好ましい。幅TMbを4.0mm以上とすることで、直進時の良好なグリップ力が維持されうる。また、幅TMbを4.0mm以上とすることで、摩耗段差が小さくされうる。この観点から幅TMbは、5.0mm以上がより好ましい。幅TMbは、8.0mm以下が好ましい。幅TMbを8.0mm以下とすることで、転がり抵抗が効果的に削減される。この観点から幅TMbは、7.0mm以下がより好ましい。
表副筋40及び裏副筋46の数はそれぞれ3以上が好ましい。表副筋40及び裏副筋46の数を3以上にすることで、第一ゴムと第二ゴムとのグリップ力の違いに起因する違和感が効果的に抑えられている。このタイヤ2は乗り心地に優れる。さらにこれは、第一ゴムと第二ゴムとの耐摩耗性の違いに起因する、トレッド4の段差摩耗を効果的に防止する。この観点から表副筋40及び裏副筋46の数はそれぞれ4以上がより好ましい。
表主筋38及び裏主筋44の数はそれぞれ2以上が好ましい。表主筋38及び裏主筋44の数を2以上にすることで、第一ゴムと第二ゴムとのグリップ力の違いに起因する違和感が効果的に抑えられている。このタイヤ2は乗り心地に優れる。さらにこれは、第一ゴムと第二ゴムとの耐摩耗性の違いに起因する、トレッド4の段差摩耗を効果的に防止する。この観点から表主筋38及び裏主筋44の数はそれぞれ3以上がより好ましい。
図2において、点Efは表側の接地端である。接地端は、正規内圧の状態にあるタイヤ2に正規荷重を負荷したときにこのタイヤ2が路面と接触している部分のうち、軸方向において最も外側に位置する端である。接地端は、タイヤ2を車両に装着した状態で計測される。このタイヤ2では、接地端Efより表側に位置する表副筋40の幅の合計が、接地端Efより裏側に位置する表副筋40の幅の合計よりも大きいのが好ましい。これにより、グリップ力が維持されうる。このタイヤ2は、ブレーキ性能に優れる。図2のタイヤ2では、全ての表副筋40が接地端Efよりも表側に位置している。
図3において、点Ebは裏側の接地端である。このタイヤ2では、接地端Ebより裏側に位置する裏副筋46の幅の合計が、接地端Ebより表側に位置する裏副筋46の幅の合計よりも大きいのが好ましい。これにより、高いグリップ力が維持されうる。このタイヤ2は、ブレーキ性能に優れる。図3のタイヤ2では、裏側から3本の裏副筋46が接地端Ebより裏側に位置している。また、最も表側に位置する裏副筋46については、接地端Ebから点Pb1までが接地端Ebより裏側に位置している。この裏副筋46については、接地端Ebから点Pb0までが接地端Ebより表側に位置している。
図1に示されるとおり、センター部Cと表ショルダー部Sfの境界Bfは、最も表側に位置する主溝26の表側端よりも、表側に位置するのが好ましい。図1において両矢印Cfは、最も表側に位置する主溝26の表側の端から、境界Bfまでの軸方向距離である。距離Cfは7mm以上が好ましい。これにより、このタイヤ2では高いグリップ力が維持されうる。このタイヤ2は、ブレーキ性能に優れる。
図1に示されるとおり、センター部Cと裏ショルダー部Sbの境界Bbは、最も裏側に位置する主溝26の裏側端よりも、裏側に位置するのが好ましい。図1において両矢印Cbは、最も裏側に位置する主溝26の裏側の端から、境界Bbまでの軸方向距離である。距離Cbは7mm以上が好ましい。これにより、このタイヤ2では高いグリップ力が維持されうる。このタイヤ2は、ブレーキ性能に優れる。
損失正接LT1に対する上記損失正接LT2の比(LT2/LT1)は、0.6以下が好ましい。比(LT2/LT1)が、0.6以下の第一ゴム及び第二ゴムを備えたタイヤ2では、低い転がり抵抗が実現できる。この観点から、比(LT2/LT1)は、0.5以下がより好ましい。
比(LT2/LT1)は、0.3以上が好ましい。比(LT2/LT1)が0.3以上のタイヤ2では、第一ゴムと第二ゴムの耐摩耗性の違いによる摩耗段差の発生が防止できる。このタイヤ2では、良好な外観及びグリップ力が維持されうる。この観点から比(LT2/LT1)は、0.4以上がより好ましい。
第一ゴムの損失正接LT1は、0.16以上が好ましい。損失正接LT1が0.16以上の第一ゴムを備えたタイヤ2では、高いグリップ性能が維持される。この観点から、損失正接LT1は0.17以上がより好ましい。損失正接LT1は、0.22以下が好ましい。損失正接LT1が0.22以下の第一ゴムを備えたタイヤ2では、適切な転がり抵抗が実現できる。この観点から、損失正接LT1は0.21以下がより好ましい。
第二ゴムのガラス転移温度Tg2は、−20℃以上が好ましい。ガラス転移温度Tg2が−20℃以上の第二ゴムは、グリップ力の低下を抑えうる。この観点から、ガラス転移温度Tg2は、−22℃以上がより好ましい。ガラス転移温度Tg2は、−40℃以下が好ましい。ガラス転移温度Tg2が−40℃以下の第二ゴムは、転がり抵抗の低減と耐摩耗性の向上に寄与する。この観点から、ガラス転移温度Tg2は、−30°以下がより好ましい。
第一ゴムのガラス転移温度Tg1は、−10℃以上が好ましい。ガラス転移温度Tg1が−10℃以上の第一ゴムは、良好なグリップ力に寄与する。この観点から、ガラス転移温度Tg1は、−12℃以上がより好ましい。ガラス転移温度Tg1は、−25℃以下が好ましい。ガラス転移温度Tg1が−25℃以下の第一ゴムは、転がり抵抗の低減と耐摩耗性の向上に寄与する。この観点から、ガラス転移温度Tg1は、−20℃以下がより好ましい。
本発明では、上記ガラス転移温度Tg1及びTg2は、「JIS K 7121」の規格に準拠して、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の「Q200」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定される。
第一ゴムの複素弾性率E1に対する上記第二ゴムの複素弾性率E2の比(E2/E1)は、0.8以上1.2以下が好ましい。比(E2/E1)が0.8以上1.2のタイヤ2では、トレッド4の剛性が均一に保たれうる。このタイヤ2では、運転時に、異なった材質のゴムをトレッド4に使用することに起因する違和感が感じられにくい。この観点から比(E2/E1)は、0.9以上1.0以下がより好ましい。
第一ゴムの複素弾性率E1は5.0MPa以上8.0MPa以下が好ましい。複素弾性率E1は5.0MPa以上8.0MPa以下であるタイヤ2は、グリップ力と耐摩耗性の両立がなされうる。この観点から複素弾性率E1は6.0MPa以上7.1MPa以下がより好ましい。
本発明では、タイヤ2及びタイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構造を備えた実施例1のタイヤを得た。タイヤのサイズは、195/65R15 91Hとされた。表1にこのタイヤの諸元が示されている。表主筋の幅は、全ての表主筋で同じとされた。この幅が表側の「主筋幅TMf」の欄に示されている。表副筋の幅は、全ての表副筋で同じとされた。この幅が表側の「副筋幅TSf」の欄に示されている。裏主筋の幅は、全ての裏主筋で同じとされた。この幅が裏側の「主筋幅TMb」の欄に示されている。裏副筋の幅は、全ての裏副筋で同じとされた。この幅が裏側の「副筋幅TSb」の欄に示されている。
[比較例1]
表副筋及び裏副筋を有さず、表ショルダー部及び裏ショルダー部を第一ゴムのみから構成した他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。比較例1は、従来のタイヤである。
[比較例2]
表1に示されるとおり、表副筋の幅を裏副筋の幅より大きくした他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[比較例3−4]
表1に示されるとおり、表副筋の幅を裏副筋の幅と同じにした他は実施例1と同様にして、比較例3−4のタイヤを得た。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗を測定した。
使用リム:15×6JJ(アルミニウム合金製)
内圧:230kPa
荷重:3.43kN
速度:80km/h
この結果が、比較例1を100とした指数値で下記の表1に示されている。数値が小さいほど、転がり抵抗が小さく、燃費性能に優れていることを示す。数値が小さいほど好ましい。
[ブレーキ性能]
試作タイヤを、タイヤを標準リム(サイズ=15×6J)に組み込み、市販の乗用車の前輪に装着した。このタイヤの内圧は230kPaとされた。後輪には、市販のタイヤ(サイズ=195/65R15)を装着し、その内圧が230kPaとなるように空気を充填した。テストコースにおいて、この車両が80km/hの速度で走行している状態でブレーキをかけ、ブレーキをかけてから停止するまでの走行距離(制動距離)を測定した。制動距離は、路面が乾燥している状態及び湿っている状態の両方で測定された。この結果が、比較例1を100とした指数の逆数で、下記の表1に示されている。表中で「ブレーキ(DRY)」の欄は、路面が乾燥状態での評価結果であり、「ブレーキ(WET)」の欄は、路面が湿った状態での評価結果である。この値が大きいほど、制動距離が短いことを示す。値が大きいほど好ましい。
[摩耗外観]
試作タイヤを、タイヤを標準リム(サイズ=15×6J)に組み込み、市販の乗用車の前輪に装着した。このタイヤの内圧は230kPaとされた。後輪には、市販のタイヤ(サイズ=195/65R15)を装着し、その内圧が230kPaとなるように空気を充填した。テストコースにおいてこの車両を走行させて、走行距離が20000kmである時点での表ショルダー部及び裏ショルダー部の外観を観察した。結果が下記の表1に示されている。摩耗段差が1.0mm以上の場合は「NG」、摩耗段差が1.0mm未満の場合は「OK」とされている。摩耗段差が1.0mm未満であるのが好ましい。
Figure 0006245701
表1に示されるように、本発明に係るタイヤでは、ブレーキ性能の低下及び摩耗外観の劣化を抑えながら、転がり抵抗の低減が達成されている。本発明によれば、グリップ力の低下が抑制された、燃費性能が優れた空気入りタイヤが提供されうる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、種々の車両に装着されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
14a・・・内側層
14b・・・外側層
16・・・バンド
18・・・エッジバンド
20・・・インナーライナー
22・・・チェーファー
24・・・トレッド面
26・・・主溝
28・・・ベース層
30・・・キャップ層
32・・・コア
34・・・エイペックス
36・・・カーカスプライ
38・・・表主筋
40・・・表副筋
42、48・・・側面
44・・・裏主筋
46・・・裏副筋
50・・・表端部
52・・・裏端部

Claims (7)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドを備えており、
    このトレッドが、センター部と表ショルダー部と裏ショルダー部とを備えており、
    上記センター部がトレッドの中央に位置しており、
    上記表ショルダー部が、上記センター部に対して、このタイヤが車両に装着されたとき車両の外側方向に位置しており、
    軸方向において、赤道面から上記センター部と上記表ショルダー部の境界Bfまでの幅がWfとされたとき、この幅Wfの上記トレッドの幅Wtに対する比(Wf/Wt)が0.25以上0.35以下であり、
    上記表ショルダー部が、周方向に延在しトレッド面の一部をなす表主筋と、周方向に延在しトレッド面の一部をなす表副筋とを備えており、
    上記表ショルダー部では、軸方向において内側端に上記表副筋が配置され、外側に向かって上記表主筋と上記表副筋とが交互に配置されており、
    上記裏ショルダー部が、上記センター部に対して、このタイヤが車両に装着されたとき車両の内側方向に位置しており、
    軸方向において、赤道面から上記センター部と上記裏ショルダー部の境界Bbまでの幅がWbとされたとき、この幅Wbの上記幅Wtに対する比(Wb/Wt)が0.25以上0.35以下であり、
    上記裏ショルダー部が、周方向に延在しトレッド面の一部をなす裏主筋と、周方向に延在しトレッド面の一部をなす裏副筋とを備えており、
    上記裏ショルダー部では、軸方向において内側端に上記裏副筋が配置され、外側に向かって上記裏主筋と上記裏副筋とが交互に配置されており、
    上記裏副筋の幅TSbが上記表副筋の幅TSfよりも大きく、
    全ての上記裏副筋の幅の合計が、全ての上記表副筋の幅の合計よりも大きく、
    上記表主筋及び上記裏主筋が第一ゴムより構成されており、
    上記表副筋及び上記裏副筋が第二ゴムより構成されており、
    上記第二ゴムの損失正接LT2が上記第一ゴムの損失正接LT1より低い空気入りタイヤ。
  2. 上記幅TSfに対する上記幅TSbの比(TSb/TSf)が1.5以上2.5以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記幅TSfが1.5mm以上3.0mm以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記裏副筋の数が3以上であり、上記表副筋の数が3以上である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. このタイヤが車両に装着されたとき車両の外側方向に位置する接地端がEfとされたとき、接地端Efより車両の外側方向に位置する表副筋の幅の合計が、接地端Efより車両の内側方向に位置する表副筋の幅の合計よりも大きい請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
  6. このタイヤが車両に装着されたとき車両の内側方向に位置する接地端がEbとされたとき、接地端Ebより車両の内側方向に位置する裏副筋の幅の合計が、接地端Ebより車両の外側方向に位置する裏副筋の幅の合計よりも大きい請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 上記トレッドが略周方向に延在する複数の主溝を備えており、
    車両の外側方向において、上記境界Bfが上記主溝のうち最も外側に位置する主溝の外側端より外側に位置しており、この境界Bfとこの外側端との距離が7mm以上であり、
    車両の内側方向において、上記境界Bbが上記主溝のうち最も内側に位置する主溝の内側端より内側に位置しており、この境界Bbとこの内側端との距離が7mm以上である請求項1から6のいずれかに記載のタイヤ。
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