JP6209374B2 - 軸受装置、軸受装置の製造方法および情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
また、軸方向に沿って金型を移動させて内輪および外輪を形成できるので、例えば鍛造等により低コストに形成できる。
また、従来技術のように内輪と外輪とをずらしつつ転動体を内輪と外輪との間に挿入する場合、内輪と外輪との隙間の大きさにより、挿入可能な転動体の個数や大きさが制限されることとなる。これに対して、本発明によれば、転動体を内輪転動面に載置した後に軸方向から外輪を挿入し、または、転動体を外輪転動面に載置した後に軸方向から内輪を挿入することで、内輪転動面と外輪転動面との間に複数の転動体を配置するので、従来技術のように内輪と外輪との隙間によって個数や大きさの制限を受けることなく転動体を配置できる。したがって、軸受装置の剛性を所望に設定することができる。
また、シール部材は、一対の転がり軸受部の軸方向の外側端部において内輪および外輪のいずれか一方に取り付けられて内輪と外輪との隙間を閉塞しており、先端部が内輪および外輪のいずれか他方と重なるように設けられているので、内輪と外輪との隙間を軸方向の外側から確実に閉塞できる。したがって、軸受装置の外部へのグリースの飛散やアウトガスの放出を抑制できる。
また、予圧が付与された状態で内輪がシャフトに固定されているので、いわゆる内輪予圧により軸受装置を形成できる。また、外輪が一体形成されているので、一対の転がり軸受部の高剛性化ができ、軸受装置の共振周波数(共振点)を高くできる。したがって、前述の作用効果に加えて、高速回転に対応可能な軸受装置とすることができる。
したがって、本発明の軸受装置の製造方法によれば、上述のようにグリースの飛散やアウトガスの放出を抑制できる軸受装置の製造コストを削減して、低コスト化ができる。
また、従来技術のように内輪と外輪とをずらしつつ転動体を内輪と外輪との間に挿入する場合、内輪と外輪との隙間の大きさにより、挿入可能な転動体の個数や大きさが制限されることとなる。これに対して、本発明によれば、第一配置工程から第四配置工程を備えているので、転動体を内輪転動面に載置した後に軸方向から外輪を挿入し、または、転動体を外輪転動面に載置した後に軸方向から内輪を挿入することで、内輪転動面と外輪転動面との間に複数の転動体を配置するので、従来技術のように内輪と外輪との隙間によって個数や大きさの制限を受けることなく転動体を配置できる。したがって、軸受装置の剛性を所望に設定することができる。
また、軸方向に沿って金型を移動させて内輪転動面および外輪転動面を形成できるので、例えば鍛造等により内輪および外輪を低コストに形成できる。
また、従来技術のように内輪と外輪とをずらしつつ転動体を内輪と外輪との間に挿入する場合、内輪と外輪との隙間の大きさにより、挿入可能な転動体の個数や大きさが制限されることとなる。これに対して、本発明によれば、転動体を内輪転動面に載置した後に軸方向から外輪を挿入し、または、転動体を外輪転動面に載置した後に軸方向から内輪を挿入することで、内輪転動面と外輪転動面との間に複数の転動体を配置するので、従来技術のように内輪と外輪との隙間によって個数や大きさの制限を受けることなく転動体を配置できる。したがって、軸受装置の剛性を所望に設定することができる。
また、シール部材は、一対の転がり軸受部の軸方向の外側端部において内輪および外輪のいずれか一方に取り付けられて内輪と外輪との隙間を閉塞しており、先端部が内輪および外輪のいずれか他方と重なるように設けられているので、内輪と外輪との隙間を軸方向の外側から確実に閉塞できる。したがって、軸受装置の外部へのグリースの飛散やアウトガスの放出を抑制できる。
図1は、実施形態に係る情報記録再生装置1の斜視図である。
図1に示すように、情報記録再生装置1は、記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、書き込みおよび読み取りを行う装置である。情報記録再生装置1は、アーム(回動部材)8と、アーム8の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ4と、ヘッドジンバルアセンブリ4の先端に装着されたスライダ2と、ヘッドジンバルアセンブリ4をスキャン移動させるアクチュエータ(VCM:ボイスコイルモータ)6と、ディスクDを回転させるスピンドルモータ7と、情報に応じて変調した電流をスライダ2に供給する制御部5と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
またアーム8は、基端側から先端側に向かって、ディスクDの表面と平行に延設されている。
アーム8の先端には、ヘッドジンバルアセンブリ4が接続されている。ヘッドジンバルアセンブリ4は、サスペンション3と、サスペンション3の先端に装着され、ディスクDの表面に対向配置されたスライダ2と、を備えている。スライダ2は、ディスクDに対する情報の書き込み(記録)を行う記録素子と、ディスクDから情報の読み取り(再生)を行う再生素子とを備えている。
図2は、第一実施形態に係る軸受装置10の側面断面図である。なお、図2では、ハウジング9およびハウジング9の底部9aを二点鎖線で図示している。以下では、軸受装置10の軸線(すなわちシャフト20の軸線。以下、「中心軸L1」という。)に沿った方向を「軸方向」と呼ぶ。また、軸方向のうち、一対の転がり軸受部30,40の軸方向の内側を「軸方向の内側」と呼び、一対の転がり軸受部30,40の軸方向の外側を「軸方向の外側」と呼ぶ。また、中心軸L1に直交する方向を「径方向」と呼び、中心軸L1回りに周回する方向を「周方向」と呼ぶ。また、第一転がり軸受部30の複数の転動体35の中心P1を含む仮想面を仮想面F1と定義する。
図2に示すように、第一実施形態に係る軸受装置10は、ハウジング9の底部9aに立設されるシャフト20と、シャフト20の軸方向に並んで配置された一対の転がり軸受部30,40と、を備えている。
シャフト20の基端部には、シャフト20の直径よりも拡径したフランジ部20aと、シャフト20の直径よりも縮径した縮径部20bと、がシャフト20の基端部側から先端部側に向かってこの順番に連設されている。縮径部20bには、ハウジング9の底部9aに形成された図示しない雌ねじに螺合する図示しない雄ねじが形成されている。そして、シャフト20は上記螺合によってハウジング9の底部9aに立設されている。この際、フランジ部20aがハウジング9の底部9aに接することで、シャフト20の高さ方向の位置決めがなされている。
シャフト20には、軸方向に並んで一対の転がり軸受部30,40が配置されている。シャフト20の基端側には、一対の転がり軸受部30,40のうち第一転がり軸受部30が配置され、シャフト20の先端側には、一対の転がり軸受部30,40のうち第二転がり軸受部40が配置されている。
第一転がり軸受部30は、シャフト20の中心軸L1と同軸上に配置された第一内輪36と、シャフト20の径方向の外側から第一内輪36を囲繞する第一外輪31と、第一内輪36と第一外輪31との間に転動自在に保持された複数の転動体35と、複数の転動体35を転動自在に保持して環状に均等配列可能な第一リテーナ60(請求項の「リテーナ」に相当。)と、第一内輪36に取り付けられたシール部材25と、を備えている。
なお、以下では、径方向における複数の転動体35の最内部と、中心軸L1との離間距離を第一離間距離K1と定義し、径方向における複数の転動体35の最外部と、中心軸L1との離間距離を第二離間距離K2と定義する。
第一内輪36は、例えばステンレス等の金属材料からなる略円筒状の部材であり、例えば鍛造や機械加工等により形成されている。
第一内輪36は、軸方向の内側端部36bの外半径が、第一離間距離K1よりも小さく形成されている。
第一内輪36の外周面37における軸方向の中間部には、内輪転動面39が形成されている。内輪転動面39は、軸方向の内側から外側に向かって第一離間距離K1よりも外半径が漸次大きくなるように、側面断面が円弧状に形成されている。内輪転動面39は、第一内輪36の外周面37の全周にわたって形成されており、環状に配置された複数の転動体35の外表面が当接可能となっている。
また、第一内輪36の外側端部36aにおける径方向の外側縁部は、全周にわたって切り欠かれることにより軸方向の内側に一段凹んだ段差部38となっている。段差部38には、後述するシール部材25が嵌合されている。
また、第一内輪36は、仮想面F1から軸方向の内側端部36bまでの距離D1が、仮想面F1から軸方向の外側端部36aまでの距離D2よりも短くなるように形成されている。これにより、第一内輪36の軸方向の長さを短縮できるので、軸受装置10の更なる小型化、軽量化および低コスト化ができる。
第一外輪31は、第一内輪36と同様に、例えばステンレス等の金属材料からなる略円筒状の部材であり、例えば鍛造や機械加工等により形成されている。
第一外輪31は、軸方向の外側端部31aの内半径が、第二離間距離K2よりも大きく形成されている。
第一外輪31の内周面33における軸方向の中間部には、外輪転動面34が形成されている。外輪転動面34は、軸方向の外側から内側に向かって第二離間距離K2よりも内半径が漸次小さくなるように、側面断面が円弧状に形成されている。外輪転動面34は、第一外輪31の内周面33の全周にわたって形成されており、環状に配置された複数の転動体35の外表面が当接可能となっている。
第一外輪31の外周面は、軸方向にわたって外径が一様となるように形成されている。
また、第一外輪31の軸方向の外側端部31aは、第一内輪36の外側端部36aよりも軸方向の内側であって、外輪転動面34と後述する転動体35との当接部よりも軸方向の外側に配置されている。これにより、第一外輪31の軸方向の長さを短縮できるので、軸受装置10の更なる小型化、軽量化および低コスト化ができる。
転動体35は、金属材料により球状に形成されている。転動体35は、第一外輪31の外輪転動面34および第一内輪36の内輪転動面39の間に配置されており、各転動面34,39に沿って転動するようになっている。各転動面34,39の曲率半径は、転動体35の外面の曲率半径よりも若干大きくなるように形成されている。複数の転動体35は、第一リテーナ60によって、転動自在に周方向に沿って環状に均等配列されている。
図3は、第一リテーナ60および第二リテーナ70の斜視図である。
第一リテーナ60は、第一外輪31、第一内輪36および転動体35による案内によって、中心軸L1回りを回転しながら、各転動体35を転動可能に保持する例えば樹脂等からなる部材であって、本体部61と、該本体部61に一体的に形成された複数対の爪部63と、を備えている。
図3に示すように、本体部61は、第一内輪36を径方向の外側から囲繞する円環状に形成されている。本体部61の軸方向の端面には、周方向に等間隔を開けて転動体35が挿入可能な球面状のボールポケットPが、例えば7個凹み形成されている。
第一リテーナ60の本体部61は、第一内輪36に取り付けられた後述のシール部材25とは反対側であって、軸方向の内側に配置される。
また、第一リテーナ60の内半径は、第一内輪36の最大外半径よりも大きく、かつ第一リテーナ60の外半径は、第一外輪31の最小内半径よりも小さくなるように形成されている。このように第一リテーナ60を形成することで、第一リテーナ60と第一内輪36および第一外輪31とが干渉することなく、複数の転動体35を第一内輪36の内輪転動面39と第一外輪31の外輪転動面34との間に配置できる。
シール部材25は、例えば鉄やアルミニウム等の金属材料からなる円環板状の部材である。
シール部材25の径方向の内側部分は、軸方向の内側に向かって凸となるように形成された断面視U字形状の弾性変形部26となっている。シール部材25の内径は、第一内輪36の段差部38の外径よりも小さくなっている。これにより、シール部材25は、第一内輪36の段差部38に対して、弾性変形部26が弾性変形した状態で嵌合固定される。
シール部材25の外径は、第一外輪31の外側端部31aの内径よりも大きくなっている。これにより、シール部材25の先端部27は、軸方向から見たときに第一外輪31の外側端部31aと重なるように設けられる。したがって、シール部材25は、第一内輪36と第一外輪31との隙間を軸方向の外側から閉塞することができる。
シール部材25の先端部27に曲げ部28を設けることにより、シール部材25の先端部27と、第一外輪31の外側端部31aおよび第一外輪31を囲繞する後述のスリーブ51との隙間は、ラビリンス状となっている。
第二転がり軸受部40は、シャフト20の中心軸L1と同軸上に配置された第二内輪46と、シャフト20の径方向の外側から第二内輪46を囲繞する第二外輪41と、第二内輪46と第二外輪41との間に転動自在に保持された複数の転動体35と、複数の転動体35を転動自在に環状に均等配列する第二リテーナ70と、第二内輪46に取り付けられたシール部材25と、を備えている。本実施形態では、第二転がり軸受部40の第二内輪46、第二外輪41、複数の転動体35、第二リテーナ70およびシール部材25は、それぞれ第一転がり軸受部30の第一内輪36、第一外輪31、複数の転動体35、第一リテーナ60およびシール部材25と同一形状となっている。第二内輪46の外側端部46aには段差部48が設けられており、第一内輪36と同様にシール部材25が嵌合されている。第二転がり軸受部40は、第一転がり軸受部30に対して、面対称形状となるように配置されている。第二転がり軸受部40については、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第一外輪31および第二外輪41は、それぞれ相対移動不能にスリーブ51により固定されている。スリーブ51は、例えばアルミニウムや鉄、ステンレス等の金属材料からなる略円筒状の部材であり、鍛造や機械加工等により形成されている。スリーブ51は、円筒状の本体筒部52と、本体筒部52の軸方向の中間部において径方向の内側に張り出すスペーサ部53と、を備えている。
スリーブ51の内径は、スペーサ部53を除き、第一外輪31および第二外輪41を本体筒部52の内側に挿入配置可能なように、第一外輪31および第二外輪41の外径よりも大きくなるように形成されている。
スペーサ部53を第一内輪36と第二内輪46との間に介在させることにより、軸方向に所定間隔だけ離間した状態で、第一外輪31および第二外輪41を配置できる。さらに、第一外輪31と第二外輪41との離間距離をスペーサ部53により保持しつつ、第一内輪36および第二内輪46を軸方向に沿って相対的に押圧した状態でシャフト20に固定することにより、第一内輪36と第二内輪46とに予圧を付与できる。
なお、第一内輪36および第二内輪46とシャフト20との固定方法や、第一外輪31および第二外輪41とスリーブ51との固定方法は、接着剤に限定されない。したがって、例えば、圧入やレーザー溶接等により、第一内輪36および第二内輪46をシャフト20に対して固定し、第一外輪31および第二外輪41をスリーブ51に対して固定してもよい。これにより、接着剤を用いることなく、第一内輪36および第二内輪46をシャフト20に対して固定でき、第一外輪31および第二外輪41をスリーブ51に対して固定できる。したがって、接着剤からのアウトガスの発生を防止でき、アウトガスに起因する情報記録再生装置1(図1参照)の不良を防止できる。
本実施形態によれば、第一内輪36および第二内輪46は、軸方向の内側端部36b,46bの外半径が第一離間距離K1よりも小さく形成されるとともに、軸方向の内側から外側に向かって第一離間距離K1よりも外半径が漸次大きくなるように形成された内輪転動面39,49を備え、第一外輪31および第二外輪41は、軸方向の外側端部31a,41aの内半径が、第二離間距離K2よりも大きく形成されるとともに、軸方向の外側から内側に向かって第二離間距離K2よりも内半径が漸次小さくなるように形成された外輪転動面34,44を備えているので、第一リテーナ60に保持させて環状に均等配列した転動体35を第一内輪36の内輪転動面39に載置した後に軸方向から第一外輪31を挿入し、第二リテーナ70に保持させて環状に均等配列した転動体35を第二外輪41の外輪転動面44に載置した後に軸方向から第二内輪46を挿入することで、内輪転動面39,49と外輪転動面34,44との間に転動体35を簡単に配置できる。これにより、内輪と外輪とをずらしつつ転動体を内輪と外輪との間に挿入した後、複数の転動体を周方向に均等配列するという従来の煩雑な作業が必要なく、簡単に第一転がり軸受部30および第二転がり軸受部40を形成できるので、軸受装置10の低コスト化ができる。
また、軸方向に沿って金型を移動させて第一内輪36、第二内輪46、第一外輪31および第二外輪41を形成できるので、例えば鍛造等により低コストに形成できる。
また、従来技術のように内輪と外輪とをずらしつつ転動体を内輪と外輪との間に挿入する場合、内輪と外輪との隙間の大きさにより、挿入可能な転動体の個数や大きさが制限されることとなる。これに対して、本実施形態によれば、転動体35を第一内輪36の内輪転動面39に載置した後に軸方向から第一外輪31を挿入し、または、転動体35を第二外輪41の外輪転動面44に載置した後に軸方向から第二内輪46を挿入することで、内輪転動面39,49と外輪転動面34,44との間に複数の転動体35を配置するので、従来技術のように内輪と外輪との隙間によって個数や大きさの制限を受けることなく転動体35を配置できる。したがって、軸受装置10の剛性を所望に設定することができる。
また、シール部材25は、一対の転がり軸受部30,40の軸方向の外側端部において第一内輪36および第二内輪46に取り付けられて第一内輪36と第一外輪31との隙間、および第二内輪46と第二外輪41との隙間を閉塞しており、先端部27が第一外輪31および第二外輪41と重なるように設けられているので、第一内輪36と第一外輪31との隙間、および第二内輪46と第二外輪41との隙間を軸方向の外側から確実に閉塞できる。したがって、軸受装置10の外部へのグリースの飛散やアウトガスの放出を抑制できる。
また、シール部材25の先端部27に曲げ部28を設けることにより、シール部材の先端部27と、第一外輪31、第二外輪41およびスリーブ51との隙間をさらに複雑なラビリンス状とすることができる。したがって、軸受装置10の外部へのグリースの飛散やアウトガスの放出を確実に抑制できる。
図4は、第一実施形態の第一変形例に係る軸受装置10の側面断面図である。
続いて、第一実施形態の第一変形例に係る軸受装置10について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一実施形態では、スリーブ51に第一外輪31および第二外輪41が挿入固定されており、スリーブ51、第一外輪31および第二外輪41が一体的に形成されて外輪組立体50を構成していた(図2参照)。
これに対して、図4に示す第一実施形態の第一変形例のように、スリーブを設けることなく、第一外輪31と第二外輪41とを一体形成してもよい。なお、図4においては、第一外輪31と第二外輪41との境界を二点鎖線で図示している。
第一実施形態の第一変形例によれば、第一外輪31と第二外輪41とが一体形成されているので、一対の転がり軸受部30,40の高剛性化ができ、軸受装置10の共振周波数(共振点)を高くできる。したがって、第一実施形態の作用効果に加えて、高速回転に対応可能な軸受装置10とすることができる。
図5は、第一実施形態の第二変形例に係る軸受装置10の側面断面図である。
続いて、第一実施形態の第二変形例に係る軸受装置10について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一実施形態では、シール部材25と第一内輪36および第二内輪46とは、それぞれ別部品として形成されていた。
これに対して、図5に示す第一実施形態の第二変形例のように、シール部材25と第一内輪36および第二内輪46とは、それぞれ一体形成されていてもよい。
また、シール部材25の先端部27は、軸方向に対して直交するように張り出し形成されている。これにより、シール部材25の先端部27は、軸方向から見たときに第一外輪31の外側端部31aと重なるように設けられる。したがって、シール部材25は、第一内輪36と第一外輪31との隙間を軸方向の外側から閉塞することができる。また、シール部材25の先端部27と、第一外輪31の外側端部31aおよびスリーブ51との隙間は、ラビリンス状となっている。
なお、第二内輪46は、第一内輪36と同一形状であるため説明を省略する。
また、シール部材25を第一内輪36および第二内輪46に対して取り付ける工数を削減できるとともに、部品点数を削減できる。したがって、軸受装置10の更なる低コスト化ができる。しかも、シール部材25が第一内輪36および第二内輪46と一体形成されている場合であっても、シール部材25が形成されていない軸方向の内側から、環状に均等配列した転動体35を挿入して内輪転動面39,49に配置できるので、簡単な作業で転がり軸受部30,40を製造できる。
続いて、軸受装置10の製造方法について、第一実施形態の第二変形例に係る軸受装置10を例に説明する。
図6は、第一実施形態の第二変形例に係る軸受装置10の製造工程(製造方法)のフローチャートである。
図6に示すように、軸受装置10の製造工程は、第一内輪配置工程S11(請求項の「第一配置工程」に相当。)と、リテーナ保持工程S13と、外輪組立体形成工程S15と、第一転動体配置工程S17と、外輪組立体配置工程S19(請求項の「第二配置工程」および「第三配置工程」に相当。)と、第二転動体配置工程S21と、第二内輪配置工程S23(請求項の「第四配置工程」に相当。)と、予圧付加工程S25とを備えている。以下に、各工程について説明する。
図7は、第一内輪配置工程S11の説明図である。
まず、図7に示すように、一対の転がり軸受部30,40の第一内輪36および第二内輪46(図5参照)のうち、第一転がり軸受部30の第一内輪36をシャフト20に挿入し、第一内輪36および第一内輪36と一体形成されたシール部材25を、軸方向の外側に配置する第一内輪配置工程S11を行う。
第一内輪配置工程S11では、不図示の治具にシャフト20を立設させた状態で配置し、シャフト20の外周面に接着剤を塗布する。次いで、第一内輪36と一体形成されたシール部材25をシャフト20のフランジ部20a側に配置した状態で、軸方向に沿って第一内輪36をシャフト20に挿入する。次いで、第一内輪36を押し込み、シャフト20のフランジ部20aに外側端部36aおよびシール部材25を当接させて配置する。その後、接着剤を固化させ、第一内輪36をシャフト20に固定する。以上で、第一内輪配置工程S11が終了する。
図8は、リテーナ保持工程S13の説明図である。
続いて、図8に示すように、第一リテーナ60および第二リテーナ70のそれぞれに、複数の転動体35を転動自在に保持させて環状に均等配列するリテーナ保持工程S13を行う。
リテーナ保持工程S13では、第一リテーナ60の一対の爪部63の間に転動体35を押し込み、第一リテーナ60の本体部61のボールポケットP内に転動体35を組み入れる。一対の爪部63は、転動体35を押し込む際の押圧力により外側に弾性変形する。これにより、一対の爪部63間に転動体35を挿入でき、ボールポケットP内に組み入れることができる。また、転動体35がボールポケットP内に挿入されると、一対の爪部63が元の状態に弾性的に復元変形して開口径が狭まるので、転動体35をボールポケットP内で脱落させることなく一対の爪部63で転動自在に保持できる。同様に複数(本実施形態では7個)の転動体35を第一リテーナ60に組み入れることにより、複数の転動体35は、第一リテーナ60によって周方向に均等配列された状態で転動自在に保持される。さらに同様に、複数(本実施形態では7個)の転動体35を第二リテーナ70に組み入れた時点で、リテーナ保持工程S13が終了する。
図9は、外輪組立体形成工程S15の説明図である。
続いて、図9に示すように、第一外輪31および第二外輪41をそれぞれ相対移動不能にスリーブ51に固定し、外輪組立体50を形成する外輪組立体形成工程S15を行う。
外輪組立体形成工程S15では、まず、スリーブ51の本体筒部52の内周面に接着剤を塗布する。スリーブ51の本体筒部52の内周面に塗布する接着剤としては、例えば嫌気性接着剤が好適である。次いで、スリーブ51に対して、軸方向の外側から内側に向かって第一外輪31および第二外輪41を挿入する。そして、第一外輪31の内側端部31bおよび第二外輪41の内側端部41bがそれぞれスペーサ部53に突き当たるまで、第一外輪31および第二外輪41を押し込む。接着剤が硬化した時点で、スリーブ51、第一外輪31および第二外輪41が一体的に形成されて外輪組立体50が構成される。以上で、外輪組立体形成工程S15が終了する。
なお、外輪組立体形成工程S15は、少なくとも外輪組立体配置工程S19の前に行っていればよい。また、本実施形態では、スリーブ51への第一外輪31および第二外輪41の組み込みを、一工程(外輪組立体形成工程S15)で行っているが、別工程に分けて行ってもよい。
図10は、第一転動体配置工程S17の説明図である。
続いて、図10に示すように、第一内輪36に、軸方向の内側から複数の転動体35を第一リテーナ60ごと挿入し、第一内輪36の内輪転動面39に複数の転動体35を載置する第一転動体配置工程S17を行う。
このとき、第一リテーナ60の爪部63の先端をシャフト20のフランジ部20a側に配置するとともに、第一リテーナ60の本体部61をシャフト20の先端側に配置した状態で、複数の転動体35を第一リテーナ60ごと第一内輪36に挿入する。これにより、第一リテーナ60の本体部61は、軸方向の内側に配置される。
ここで、第一リテーナ60の内半径は、第一内輪36の最大外半径よりも大きく形成されているので、転動体35を第一リテーナ60に保持させて環状に均等配列した状態で、第一リテーナ60と第一内輪36とが干渉することなく、転動体35を第一リテーナ60ごと軸方向の内側から挿入して内輪転動面39に載置できる。また、第一内輪36の内側端部36bの外半径は、第一離間距離K1よりも小さく形成されている。したがって、第一転動体配置工程S17では、軸方向の内側から複数の転動体35を第一リテーナ60ごと、第一内輪36の内側端部36bに干渉することなく容易に挿入できる。また、第一内輪36の内輪転動面39は、軸方向の内側から外側に向かって第一離間距離K1よりも外半径が漸次大きくなるように形成されている。したがって、第一転動体配置工程S17では、複数の転動体35を第一リテーナ60ごと第一内輪36に挿入することで、複数の転動体35を簡単に内輪転動面39に載置できる。しかも、複数の転動体35は、第一リテーナ60により相対移動不能に均等配列されて保持されているので、治具等を用いることなく、複数の転動体35を内輪転動面39に載置した状態で保持できる。このように、本実施形態の第一転動体配置工程S17によれば、複数の転動体35を容易に第一内輪36の径方向の外側に配置できる。以上で、第一転動体配置工程S17が終了する。
図11は、外輪組立体配置工程S19の説明図である。
続いて、図11に示すように、第一内輪36に対して外輪組立体50を軸方向の内側から挿入する外輪組立体配置工程S19を行う。
ここで、第一リテーナ60の外半径は、第一外輪31の最小内半径よりも小さくなるように形成されているので、転動体35を環状に均等配列した状態で、第一外輪31を挿入することにより、第一リテーナ60と第一外輪31とが干渉することなく、転動体35を簡単に外輪転動面34に当接させることができる。
また、第一外輪31の外側端部31aの外半径は、第二離間距離K2よりも大きく形成されている。したがって、外輪組立体配置工程S19では、軸方向の内側から第一外輪31を、複数の転動体35と干渉することなく第一内輪36に容易に挿入できる。また、第一外輪31の外輪転動面34は、軸方向の外側から内側に向かって第二離間距離K2よりも内半径が漸次小さくなるように形成されている。したがって、外輪組立体配置工程S19では、軸方向の内側から外輪組立体50を第一内輪36に挿入したときに、第一外輪31の外輪転動面34が複数の転動体35に当接できる。これにより、外輪組立体50は、軸方向の所定位置に位置決めされるので、治具等を用いることなく、複数の転動体35に外輪転動面34が当接した状態で外輪組立体50を保持できる。
なお、本実施形態においては、スリーブ51、第一外輪31および第二外輪41が互いに固定されて外輪組立体50が構成されていることから、第一内輪36に外輪組立体50を軸方向の内側から挿入することで、第一外輪31の外輪転動面34を転動体35に当接させるとともに第二外輪41を軸方向の外側に配置できる。すなわち、外輪組立体配置工程S19では、第一外輪31を第一内輪36の径方向の外側に配置し、第一外輪31の外輪転動面34を転動体35に当接させる第一外輪配置工程S19A(請求項の「第二配置工程」に相当。)と、第一外輪31に対して第二外輪41を軸方向に連ねて軸方向の外側に配置する第二外輪配置工程S19B(請求項の「第三配置工程」に相当。)とが、同時に行われる。
このように、本実施形態の外輪組立体配置工程S19によれば、スリーブ51、第一外輪31および第二外輪41により構成された外輪組立体50を容易に第一内輪36の径方向の外側に配置できる。以上で、外輪組立体配置工程S19が終了する。
図12は、第二転動体配置工程S21の説明図である。続いて、図12に示すように、外輪組立体50の第二外輪41に、軸方向の外側から複数の転動体35を第二リテーナ70ごと挿入し、軸方向の外側の外輪転動面44に複数の転動体35を載置する第二転動体配置工程S21を行う。
このとき、第二リテーナ70の本体部61をシャフト20のフランジ部20a側に配置するとともに、第二リテーナ70の爪部63の先端をシャフト20の先端側に配置した状態で、複数の転動体35を第二リテーナ70ごと第二外輪41に挿入する。これにより、第二リテーナ70の本体部61は、軸方向の内側に配置される。
ここで、第二リテーナ70の外半径は、第二外輪41の最小内半径よりも小さくなるように形成されているので、転動体35を環状に均等配列した状態で第二外輪41に挿入することにより、第二リテーナ70と第一外輪31とが干渉することなく、転動体35を簡単に外輪転動面44に載置できる。
また、軸方向の外側に配置された第二外輪41の外側端部41aの内半径は、第二離間距離K2よりも大きく形成されている。したがって、第二転動体配置工程S21では、複数の転動体35を第二リテーナ70ごと、第二外輪41の外側端部41aに干渉することなく容易に挿入できる。また、第二外輪41の外輪転動面44は、軸方向の外側から内側に向かって第二離間距離K2よりも内半径が漸次小さくなるように形成されている。したがって、第二転動体配置工程S21では、軸方向の外側から複数の転動体35を第二リテーナ70ごと第二外輪41に挿入することで、複数の転動体35を簡単に外輪転動面44に載置できる。しかも、複数の転動体35は、第二リテーナ70により相対移動不能に均等配列されて保持されているので、治具等を用いることなく、複数の転動体35を第二外輪41の外輪転動面44に載置した状態で保持できる。このように、本実施形態の第二転動体配置工程S21によれば、複数の転動体35を容易に第二外輪41の径方向の内側に配置できる。以上で、第二転動体配置工程S21が終了する。
図13は、第二内輪配置工程S23および予圧付加工程S25の説明図である。続いて、図13に示すように、一対の転がり軸受部30,40の第一内輪36および第二内輪46のうち、第二転がり軸受部40の第二内輪46をシャフト20に挿入し、第二内輪46および第二内輪46と一体形成されたシール部材25を、軸方向の外側に配置する第二内輪配置工程S23を行う。第二内輪配置工程S23では、第二内輪46の内側端部46bをシャフト20のフランジ部20a側に配置するとともに、第二内輪46の外側端部46aおよびシール部材25をシャフト20の先端側に配置した状態で、シャフト20の軸方向に沿って第二内輪46を挿入する。
ここで、第二リテーナ70の内半径は、第二内輪46の最小外半径よりも大きくなるように形成されているので、転動体35を環状に均等配列した状態で、第二内輪46を挿入することにより、第二リテーナ70と第二内輪46とが干渉することなく、転動体35を簡単に内輪転動面49に当接させることができる。
また、軸方向の外側に配置された第二内輪46の内側端部46bの外半径は、第一離間距離K1よりも小さく形成されている。したがって、第二内輪配置工程S23では、第二内輪46の内側端部46bを、複数の転動体35に干渉することなく容易に挿入できる。また、第二内輪46の内輪転動面49は、軸方向の内側から外側に向かって第一離間距離K1よりも外半径が漸次大きくなるように形成されている。したがって、第二内輪配置工程S23では、軸方向の外側から第二内輪46をシャフト20に挿入したときに、第二内輪46の内輪転動面49が複数の転動体35に当接できる。これにより、第二内輪46は、軸方向の所定位置に位置決めされるので、治具等を用いることなく、複数の転動体35に内輪転動面49が当接した状態で第二内輪46を保持できる。このように、本実施形態の第二内輪配置工程S23によれば、第二内輪46を容易にシャフト20の径方向の外側に配置できる。以上で、第二内輪配置工程S23が終了する。
続いて、第一内輪36および第二内輪46を軸方向に沿って相対的に押圧しつつ、シャフト20に固定する予圧付加工程S25を行う。ここでは、第一内輪36が固定された状態で、第二内輪46を第一内輪36側に向かって押圧することにより、第一内輪36および第二内輪46を相対的に押圧している。なお、第二内輪46の押圧は、不図示の治具を用いて行う。
第二転がり軸受部40の第二内輪46を押圧することにより、第一転がり軸受部30の第一内輪36と、第二転がり軸受部40の第二内輪46との離間距離は短くなる。ここで、第一転がり軸受部30の第一外輪31と、第二転がり軸受部40の第二外輪41とは、スリーブ51に固定されて一体的に形成されている。したがって、第二内輪46を軸方向の内側に向かって押圧することにより、第二転がり軸受部40の転動体35が第二外輪41の外輪転動面44を押圧するとともに、第一外輪31が軸方向の外側に向かって押圧される。また、第一外輪31が軸方向の外側に向かって押圧されることにより、第一転がり軸受部30の転動体35が第一外輪31の外輪転動面34に押圧されて、第一内輪36の内輪転動面39を押圧する。
接着剤が硬化した時点で、予圧付加工程S25が終了し、第一実施形態の第二変形例に係る軸受装置10が完成する。
したがって、上述の軸受装置10の製造方法によれば、グリースの飛散やアウトガスの放出を抑制できる上述の軸受装置10の製造コストを削減して、低コスト化ができる。
また、従来技術のように内輪と外輪とをずらしつつ転動体を内輪と外輪との間に挿入する場合、内輪と外輪との隙間の大きさにより、挿入可能な転動体の個数や大きさが制限されることとなる。これに対して、上述の軸受装置10の製造方法によれば、第一内輪配置工程S11、第一外輪配置工程S19A、第二外輪配置工程S19B、および第二内輪配置工程S23を備えているので、転動体35を第一内輪36の内輪転動面39に載置した後に軸方向から第一外輪31を挿入し、または、転動体35を第二外輪41の外輪転動面44に載置した後に軸方向から第二内輪46を挿入することで、内輪転動面39,49と外輪転動面34,44との間に複数の転動体35を配置するので、従来技術のように内輪と外輪との隙間によって個数や大きさの制限を受けることなく転動体35を配置できる。したがって、軸受装置10の剛性を所望に設定することができる。
図14は、第二実施形態に係る軸受装置210の側面断面図である。
続いて、第二実施形態に係る軸受装置210について説明する。
第一実施形態および第一実施形態の各変形例に係る軸受装置10は、第一内輪36および第二内輪46にシール部材25が設けられているとともに、いわゆる内輪予圧により第一内輪36および第二内輪46に予圧が付与されていた(図2、図4および図5参照)。
これに対して、図14に示すように、第二実施形態に係る軸受装置210は、第一外輪31および第二外輪41にシール部材25が設けられているとともに、いわゆる外輪予圧により第一外輪31および第二外輪41に予圧が付与されている点で、第一実施形態および各変形例に係る軸受装置10と異なっている。なお、以下では、第一実施形態および第一実施形態の各変形例と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一外輪31は、軸方向の内側端部31bの内半径が、第二離間距離K2よりも大きく形成されている。第一外輪31の外輪転動面34は、軸方向の内側から外側に向かって第二離間距離K2よりも内半径が漸次小さくなるように、側面断面が円弧状に形成されている。外輪転動面34は、第一外輪31の内周面33の全周にわたって形成されており、環状に配置された複数の転動体35の外表面が当接可能となっている。
シール部材25の先端部27は、軸方向から見たときに第一内輪36の外側端部36aと重なるように設けられる。シール部材25の先端部27と、第一内輪36の外側端部36aおよびシャフト20との隙間は、ラビリンス状となっている。
スペーサ55の外径は、第一転がり軸受部30の第一内輪36における内側端部36bの外径、および第二転がり軸受部40の第二内輪46における内側端部46bの外径と略同一となるように形成されている。また、スペーサ55の内径は、第一内輪36および第二内輪46とともにシャフト20に挿入可能なように、第一内輪36の内径および第二内輪46の内径と略同一となるように形成されている。
スペーサ55を第一内輪36と第二内輪46との間に介在させることにより、軸方向に所定間隔だけ離間した状態で、第一転がり軸受部30および第二転がり軸受部40を配置できる。したがって、第一内輪36と第二内輪46との離間距離をスペーサ55により保持しつつ、第一外輪31と第二外輪41との離間距離を短縮して第一外輪31と第二外輪41とに予圧を付与できる。
また、各実施形態および各変形例においては、第一リテーナ60および第二リテーナ70を備えていたが、第一リテーナ60および第二リテーナ70を用いることなく、内輪転動面39,49と外輪転動面34,44との間に複数の転動体35を配置してもよい。
また、各部材を適宜一体形成してもよい。したがって、例えば、第二実施形態において、スペーサ55を設けることなく、第一内輪36と第二内輪46とを一体形成してもよい。
Claims (12)
- シャフトと、
前記シャフトの軸方向に並んで配置された一対の転がり軸受部と、
を備え、
前記一対の転がり軸受部は、それぞれ前記シャフトの中心軸と同軸上に配置された内輪と、前記シャフトの径方向の外側から前記内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体と、を備え、
前記径方向における前記転動体の最内部と前記中心軸との離間距離を第一離間距離とし、前記径方向における前記転動体の最外部と前記中心軸との離間距離を第二離間距離とし、前記軸方向における前記一対の転がり軸受部の間に向かう方向を前記軸方向の内側とし、前記軸方向における前記一対の転がり軸受部の間から離れる方向を前記軸方向の外側としたとき、
前記内輪は、前記軸方向における内側および外側のいずれか一方側の端部の外半径が前記第一離間距離よりも小さく形成されるとともに、前記軸方向の前記一方側から前記軸方向の内側および外側のいずれか他方側に向かって前記第一離間距離よりも外半径が大きくなるように形成された内輪転動面を備え、
前記外輪は、前記軸方向における前記他方側の端部の内半径が前記第二離間距離よりも大きく形成されるとともに、前記軸方向の前記他方側から前記一方側に向かって前記第二離間距離よりも内半径が小さくなるように形成された外輪転動面を備え、
前記一対の転がり軸受部の前記軸方向の外側端部には、前記内輪および前記外輪のいずれか一方に取り付けられて、前記内輪と前記外輪との隙間を閉塞するシール部材が設けられ、
前記シール部材の先端部は、前記軸方向から見て、前記内輪および前記外輪のいずれか他方と重なるとともに、前記シール部材の先端部が重なる前記内輪または前記外輪の他方の端部は前記シール部材の先端部よりも前記軸方向の内側になるように設けられていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1に記載の軸受装置であって、
前記軸方向の前記一方側は、前記軸方向の外側とされ、
前記外輪が挿入されて固定される円筒状のスリーブを備え、
前記一対の転がり軸受部の外輪は、互いに相対的に予圧が付与された状態で前記スリーブに固定されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項2に記載の軸受装置であって、
前記スリーブの端部は、前記外輪および前記シール部材の先端部よりも前記軸方向の外側に配置されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の軸受装置であって、
前記シール部材は、前記外輪と一体形成されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1に記載の軸受装置であって、
前記軸方向の前記一方側は、前記軸方向の内側とされ、
前記外輪が挿入されて前記外輪が固定される円筒状のスリーブを備え、
前記一対の転がり軸受部の内輪は、互いに相対的に予圧が付与された状態で前記シャフトに固定されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項5に記載の軸受装置であって、
前記スリーブの端部は、前記外輪および前記シール部材の先端部よりも前記軸方向の外側に配置されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1に記載の軸受装置であって、
前記軸方向の前記一方側は、前記軸方向の内側とされ、
前記一対の転がり軸受部の内輪は、互いに相対的に予圧が付与された状態で前記シャフトに固定され、
前記一対の転がり軸受部の外輪は、互いに一体形成されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1、5、6および7のいずれか1項に記載の軸受装置であって、
前記シール部材は、前記内輪と一体形成されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の軸受装置であって、
前記シール部材の先端部は、前記軸方向の内側に向かって屈曲する曲げ部を有していることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の軸受装置であって、
前記内輪と前記外輪との間に配置され、前記複数の転動体を転動自在に保持して環状に均等配列可能なリテーナを備え、
前記リテーナは、
本体部と、
前記本体部から前記軸方向に沿って立設され、前記転動体を転動自在に保持する複数
対の爪部と、
を備え、
前記本体部を前記転動体よりも前記軸方向の内側に配置したことを特徴とする軸受装置。 - 請求項1に記載の軸受装置の製造方法であって、
前記一対の転がり軸受部のうち、第一転がり軸受部の前記内輪および前記外輪のいずれか一方部材を配置する第一配置工程と、
前記転動体を保持可能な第一リテーナおよび第二リテーナのそれぞれに、前記複数の転動体を転動自在に保持させて環状に均等配列するリテーナ保持工程と、
前記第一転がり軸受部の一方部材に対して、前記軸方向から前記複数の転動体を前記第一リテーナごと挿入して配置する第一転動体配置工程と、
前記第一リテーナにより保持された前記複数の転動体に対して、前記第一転がり軸受部の前記内輪および前記外輪のいずれか他方部材を前記軸方向から挿入して配置する第二配置工程と、
前記一対の転がり軸受部のうち、第二転がり軸受部の前記内輪および前記外輪のいずれか他方部材を、前記第一転がり軸受部の他方部材に対して軸方向に連ねて配置する第三配置工程と、
前記第二転がり軸受部の他方部材に対して、前記軸方向から前記複数の転動体を前記第二リテーナごと挿入して配置する第二転動体配置工程と、
前記第二リテーナにより保持された前記複数の転動体に対して、前記第二転がり軸受部の前記内輪および前記外輪のいずれか一方部材を前記軸方向から挿入して配置する第四配置工程と、
を備えたことを特徴とする軸受装置の製造方法。 - 請求項1に記載の軸受装置と、
前記軸受装置の端部を支持するハウジングと、
前記外輪に外嵌され、前記シャフトの中心軸回りに回動する回動部材と、
前記回動部材に装着され、磁気記録媒体との間で情報の記録および再生を行うスライダと、
を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
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