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JP6199262B2 - 半透明紙 - Google Patents

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Description

本発明は半透明紙に係り、特に印刷適正や筆記適正に優れた半透明紙に関するものである。
従来より、パルプシートをベースにした透明紙や半透明紙は、包装紙や窓付きの封筒などに用いられてきた。これらは樹脂フィルムの代替品としての可能性が有り、環境面からも注目されている。
また、半透明紙包装紙以外の利用用途としては、インク等の染み込みによる裏抜け(以下、ストライクスルーと記載することがある)をしない程度の軽印刷用紙や筆記によるメモ用紙等や、光をかざして画像を透過(以下、ショースルーと記載することがある)させるランプシェードやバックライト印刷物のような使い方もある。加えて、一定のサイズ性を満たすことでインクジェット印字も可能となるため、パーソナルユースの軽印刷用紙とすることもできる。従って、半透明紙は従来の透明紙や汎用の印刷用紙には無い使用用途が広範なアイテムとなり得るものである。
パルプシートをベースにした透明紙の代表的な製造方法には、使用するパルプの叩解度を高くする方法と、パルプシートに透明化剤を含浸させる方法とがある。前者は所謂グラシン紙の製造方法であるが、化学パルプを粘状叩解して抄紙したシートを平衡水分よりも高い水分とした状態でカレンダー処理により高密度化させる方法である。
このような方法で製造される透明紙として、特許文献1には、濾水度が100mL以下のパルプを用いた透明紙が開示されている。また、特許文献2には、濾水度が100mL以下のパルプを原料とするグラシン紙に樹脂組成物層を形成した透明紙が開示されている。また、特許文献3には、濾水度が20mL以下のパルプを抄造し、加温したロールと湿紙が接するようにロールプレスで搾水した後、シリンダードライヤーで乾燥する透明紙が開示されている。また、特許文献4には、セルロースパルプからなる紙基材に、セルロース可溶の溶媒を塗布または含浸処理を行った後、該溶媒を除去することを特徴とする半透明紙の製造方法が開示されている。
特開平4−73298号 特開平11−12990号 特開平8−199499号 特開平9−256298号
しかしながら、特許文献1〜3の透明紙では、パルプの過度な叩解により紙の強度低下や印刷時にコックリングが発生するという問題があった。また、特許文献4の製造方法によると、パルプの濾水度は530〜630mL程度と高いため紙の強度低下や印刷時のコックリングの問題は生じにくいが、溶媒含浸後に水洗工程を設ける必要がある。加えて、取り扱いに注意を要するアミン系の薬品が使用されているという問題もある。これらの理由により、前述の各特許文献に開示された透明紙は、印刷適正や筆記適正を必ずしも満足するものではなかった。
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一般公知の抄紙機の設備を用いて比較的簡単に製造することができ、印刷適性や筆記適性に優れ、ランプシェードやバックライト印刷物としての利用に好適な半透明紙を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、本明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
本発明の半透明紙は、パルプを主成分とする基紙に、高分子材料を含浸させた半透明紙であって、該パルプの濾水度(CSF)が400〜650mLであり、前記高分子材料が、スチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上であり、JIS P 8149に準じて測定する不透明度が55〜65%であり、JAPAN TAPPI No.1:2000に準じて測定する表面強さが10以上であり、JIS P 8122:2004に準じて測定するサイズ度が30秒以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、サイズ性や表面強さを有するために印刷適正や筆記適正に優れた半透明紙が得られる。
また、本発明の好ましい実施の形態においては、前記基紙において、基紙全体に対する填料の含有量は1%以下であってもよい。
このような構成によれば、基紙の透明性が高まり、高分子材料を含浸させた後に所望する範囲の不透明度を得ることが容易になる。
また、本発明は半透明紙の製造方法としても捉えることができる。
本発明に係る不透明紙の製造方法は、濾水度(CSF)が400〜650mLであるパルプと抄紙原料と水を用いて原料スラリーを調整するスラリー調整ステップと、前記原料スラリーを用い、抄紙機で基紙を抄く抄紙ステップと、前記基紙に、高分子材料を含む含浸液を含浸させる含浸ステップと、を有し、前記高分子材料は、スチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上であり、JIS P 8149に準じて測定する不透明度が55〜65%であり、JAPAN TAPPI No.1:2000に準じて測定する表面強さが10A以上であり、JIS P 8122:2004に準じて測定するステキヒトサイズ度が30秒以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、印刷適正や筆記適正に優れた半透明紙を容易に製造することができる。
本発明の半透明紙は、一般公知の抄紙機の設備を用い比較的簡単に得ることができ、軽印刷ではインク等の染み込みによる裏抜け(ストライクスルー)がないが、その半透明性から光にかざすことにより記録画像を透過(ショースルー)させるバックライト印刷物としての有用性を充分に持つものである。
また、過度な叩解を施したパルプを用いないため、印刷適正や筆記適正を備え、コックリングも殆ど無い。更には、セルロース繊維によるシートであるため、プラスチックフィルムと比較し、リサイクルの観点からも優位である。
実施例の構成を示す図表である。 実施例及び比較例の物性評価結果を示す図表である。
本発明において基紙に用いるパルプは、特に限定するものではなく、一般的な印刷用紙に使用するパルプを用いることができ、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)や針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の晒クラフトパルプや未晒パルプを使用できる。未晒パルプを使用した場合には茶色に着色した半透明紙を得ることになるが、半透明の特性を損ねない限り問題はない。その他、機械パルプや古紙パルプを用いてもよいが、古紙パルプを用いる場合は透明性を損ねる原因となる填料を多量に持ち込まないよう十分な処理を要することが好ましい。
本発明において基紙に用いるパルプの濾水度(CSF)は400〜650mLとし、好ましくは500〜630mL、更に好ましくは580〜620mLとする。ここで濾水度は、JIS P 8121−2「パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法」に準じて測定した値である。前述したように、従来の透明紙では叩解度を極度に進ませて濾水度の低いパルプを用いることがあったが、その結果、そのような透明紙は高い透明性が得られたとしても、湿度変化等による寸法変化や、印刷や筆記によるコックリングが顕著となる問題があった。しかし、本発明の半透明紙は、濾水度が比較的高いパルプを原料とするため、寸法安定性が良好でありコックリングも抑制することができる。パルプの濾水度(CSF)が400mL未満となると、湿度変化等による寸法変化や、印刷や筆記によるコックリングが生じるおそれがある。逆に650mLを超えると、所望する透明性を得にくくなる。
本発明の半透明紙は、基紙に高分子材料を含浸させる構成とするが、該基紙は填料が実質的に含まれていない構成とする。ここで填料が実質的に含まれていないとは、基紙に填料が全く含まれていない場合のみならず、意図しない極めて少量の填料が含まれている場合を含み、古紙パルプを使用する場合などで非意図的に填料を含有する場合であっても、基紙中の填料の含有量は1%以下とすることが好ましい。基紙に填料を実質的に含有させないことで、半透明紙の透明性が高まり、その不透明度を所望する範囲とすることが容易となる。
基紙に高分子材料を含浸させることにより基紙の透明性が高まり、半透明紙とすることができる。ここで用いる高分子材料としては特に限定するものではないが、スチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンの内から1種以上を用いることが好ましい。基紙を透明化させる高分子材料としては、ワニスのような樹脂系溶液やロジン系ワックスを用いることもできるが、このような親油性の高い高分子材料は、インクジェットインクのような水系の印刷材料との親和性が低く、印字画像の定着性を損なうおそれがある。更には汎用の抄紙機で用いると抄紙工程での汚れを発生させやすいという問題もある。
これに対して、水系の高分子材料であるスチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンは、印字画像の定着性も良好で汎用の抄紙機でも扱いやすく、成膜性も高いことから、基紙に含浸させることで半透明紙の表面強度やサイズ性も向上させることができる。表面強度を高くすることで連続印刷性が良好となり、また、適度なサイズ性を付与することで水性インキの過剰な記録画像面での拡散が抑制される為、筆記品位やインクジェット印字適性に優れた特性が得られる。
本発明において、基紙への高分子材料の含浸方法については特に限定するものではなく、サイズプレスコーターや含浸コーター等の公知の含浸方法を用いることが可能である。また、基紙への高分子材料の含浸量についても特に限定するものではなく、所望する半透明紙の不透明度に応じて基紙の厚みや密度、含浸量等を適宜設定すればよい。具体的には、用いる高分子材料がスチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンのいずれかである場合には、米坪が60g/m2、密度が0.7g/cm3の基紙であれば、高分子材料の含浸量は6〜11g/m2程度、米坪が90g/m2、密度が0.8g/cm3の基紙であれば、高分子材料の含浸量は8〜13g/m2程度、米坪が90g/m2、密度が0.7g/cm3の基紙であれば、高分子材料の含浸量は9〜14g/m2程度であることが好ましい。発明者等の知見によれば、含浸液の適切な含浸量は基紙の米坪や密度に影響される。また、カレンダー条件を一定とした場合には、基紙の米坪が大きくなるにつれ、若しくは密度が小さくなるにつれて多くの含浸液が必要となり、適切な含浸量が増える傾向が見られる。
本発明の半透明紙は、JIS P 8149に準じて測定する不透明度を55〜65%とする。不透明度をこの範囲とすることで一定量の光を透過させることができ、ランプシェードやバックライト印刷物のようなショースルーを必要とする用途に好適な半透明紙とすることができる。また、包装紙として適用した場合は、下の箱や内容物が透けて見えることで確認できる利点や、デザインとしても利用価値が高くなる。不透明度を55%未満とするには高分子材料の含浸量を過度に多くする必要があり、結果的に印刷適性を損なうおそれがある。65%を超えると、透明性が低すぎることから適切なショースルーを満足できない。不透明度については、パルプの叩解度、基紙中の填料含有量、使用する高分子材料の種類や含浸量等を調整することでコントロールすることができる。
本発明の半透明紙は、JAPAN TAPPI No.1:2000「紙及び板紙−ワックスによる表面強さ試験方法(A法)」に準じて測定した表面強さの値を10A以上とする。表面強さを10A以上とすることでオフセット印刷等の印刷適性を満足させることができる。
本発明の半透明紙では、濾水度(CSF)が400〜650mLのパルプを用いることから、表面強さを10A以上とすることは容易であるが、必要に応じて紙力増強剤を用いることにより、表面強さを10A以上とすることが更に容易になる。ここで用いる紙力増強剤としては、内添紙力増強剤を用いて基紙に内添させてもよく、また、表面紙力増強剤を用いて基紙の表面に塗布してもよい。また、紙力増強剤の種類としては特に限定するものではなく、各種公知の紙力増強剤を用いることが可能であり、例えば、各種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミン、尿素ホルマリン樹脂、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン樹脂、ポリアミン・エピクロロヒドリン系等が挙げられる。これらは、単体で使用しても複数で組み合わせて使用しても構わないし、内添紙力増強剤と外添紙力増強剤を併用してもよい。
本発明の半透明紙は、JIS P 8122:2004「紙及び板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法」に準じて測定するステキヒトサイズ度を30秒以上とする。ステキヒトサイズ度を30秒以上とすることで、各種印刷適性を満足させることができる。ステキヒトサイズ度が30秒未満であると、用紙のサイズ性が十分でないために紙中にインクが浸透し過ぎてしまい各種印刷時にインクのストライクスルーを抑制することができない。
本発明においてステキヒトサイズ度を30秒以上とする方法は特に限定するものではないが、基紙にサイズ剤を付与することが好ましい。基紙へのサイズ剤の付与方法としては、内添サイズ剤を用いて基紙に内添させてもよく、また、表面サイズ剤を用いて基紙の表面に塗布してもよい。
また、ここで用いるサイズ剤の種類としては特に限定するものではなく、各種公知のサイズ剤を用いることが可能であり、例えば、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤、スチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、等が例示される。これらは、単体で使用しても複数で組み合わせて使用しても構わないし、内添サイズ剤と外添サイズ剤を併用してもよい。
本発明の半透明紙には、前述した原料資材の他、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調節剤、増粘剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、歩留まり向上剤、濾水向上剤、湿潤紙力向上剤、潤滑剤、各種香料、酸化防止剤等の公知の製紙薬品を助剤として適宜用いることができる。
本発明に係る半透明紙の抄紙手段は特に限定するものではなく、汎用の抄紙機で適宜抄紙することができる。ここで用いることができる抄紙機としては、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、ヤンキー抄紙機等、業界公知の抄紙機が挙げられる。
本発明の半透明紙は、抄紙後にカレンダー処理がなされていることが好ましい。カレンダー処理を行うことで、半透明紙の密度をコントロールすることができるが、同時に不透明度もコントロールすることができる。更に、半透明紙の表面が平滑化されるため、各種印刷適性を更に満足させることができる。本発明の半透明紙はグラシン紙のような高い透明性を志向するものではないため、ここで行うカレンダー処理は汎用の抄紙機に備え付けられたマシンカレンダーでの処理でも十分であるが、ヤンキードライヤーやスーパーカレンダーによる処理であっても勿論問題はなく、半透明紙の高密度化(透明化)を求める場合にはヤンキードライヤーやスーパーカレンダーの使用が効果的である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ固形分換算での質量部又は質量%を示す。
(実施例1)
濾水度を600mL・CSFに調製したNBKP100部を水中に分散したパルプスラリーに、サイズ剤として硫酸バンド0.2部、内添紙力増強剤としてポリアミン・エピクロロヒドリン系湿潤紙力剤(商品名:WS4020、星光PMC社製)0.2部を添加して攪拌することで原料スラリーを得、この原料スラリーを用いて円網式抄紙機にて2層構造の基紙を形成した。次いで、サイズプレス機にて、高分子材料としてスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:リペレットA−3、日新化学研究所製)100部と、スチレンアクリル系サイズ剤(商品名:SE2360、星光PMC社製)3部を混合した固形分濃度が30%の含浸液を、基紙への含浸量が9g/m2となるように含浸させた。その後、マシンカレンダーにて金属ロール表面の温度を30℃に設定し、線圧55kN/mで3ニップの処理を行い、半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が71g/m2、密度が0.90g/cm3であった。
(実施例2)
実施例1において、NBKPの濾水度を600mL・CSFから450mL・CSFに変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が71g/m2、密度が0.91g/cm3であった。
(実施例3)
実施例1において、含浸液の基紙への含浸量を9g/m2から8g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が70g/m2、密度が0.88g/cm3であった。
(実施例4)
実施例1において、高分子材料であるスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:リペレットA−3、日新化学研究所製)100部を、別種の高分子材料であるアクリル系樹脂エマルジョン(商品名:BE−7500、星光PMC社製)100部に変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が71g/m2、密度が0.90g/cm3であった。
(実施例5)
実施例1において、高分子材料であるスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:リペレットA−3、日新化学研究所製)100部を、別種の高分子材料であるウレタン系樹脂(商品名:IJ−2、大日本インキ社製)100部に変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が71g/m2、密度が0.90g/cm3であった。
(実施例6)
実施例3において、サイズ剤であるスチレンアクリル系サイズ剤(商品名:SE2360、星光PMC社製)3部を、別種のサイズ剤であるオレフィン−マレイン酸系樹脂(商品名:PM−482S、荒川化学社製)3部に変更した以外は実施例3と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が70g/m2、密度が0.88g/cm3であった。
(比較例1)
実施例1において、NBKPの濾水度を600mL・CSFから300mL・CSFに変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が71g/m2、密度が0.91g/cm3であった。
(比較例2)
実施例1において、含浸液の基紙への含浸量を9g/m2から4g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が66g/m2、密度が0.84g/cm3であった。
(比較例3)
実施例1において、含浸液の基紙への含浸量を9g/m2から12g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして半透明紙を得た。得られた半透明紙は、米坪が74g/m2、密度が0.93g/cm3であった。
各実施例及び比較例の構成が図1に、各実施例及び比較例で得られた半透明紙の物性と評価結果が図2に、それぞれ示されている。ここで、図1中の含浸液中の成分の表記は以下の通りです。
SB系ラテックス :スチレン−ブタジエン系ラテックス
SA系サイズ剤 :スチレンアクリル系サイズ剤
A系樹脂エマルジョン:アクリル系樹脂エマルジョン
U系樹脂 :ウレタン系樹脂
OM酸系樹脂 :オレフィン−マレイン酸系樹脂
また、各評価は次の方法で行った。
(不透明度)
JIS P 8149に準じて不透明度を測定した。
(表面強さ)
JAPAN TAPPI No.1:2000(A法、ムケ)に準じて表面強さを測定した。
(ステキヒトサイズ度)
JIS P 8122:2004に準じてサイズ度を測定した。
(インキ受理性)
墨色インキ(商品名「SMXタックグレード10」、東洋インキ製造(株)製)0.2gをRIテスター(RI−2、石川島産業機械社製)によって30rpmの回転数にて半透明紙にベタ印刷し、インキ受理性を目視評価した。
○:受理性が良好で合格。
×:受理性が不均一であり不合格。
(ストライクスルー)
キヤノン社製、PIXUS MG6130を用い、半透明紙にハーフトーンの画像を印字した。そこで、ストライクスルーの有無を目視確認した。
○:ストライクスルーが無く良好。合格。
×:ストライクスルーが見られ不良。不合格。
(コックリング)
毛筆を用いて墨汁を紙面に塗布させた。自然乾燥後、毛筆筆記部での紙面のぼこつきを目視確認した。
○:ぼこつきが比較的少なく、合格。
×:ぼこつきが比較的多く、不合格。
図2の結果から明らかなように、実施例1〜6で得られた半透明紙は、インキ受理性、ストライクスルー、コックリングの評価が良好であり、印刷適性及び筆記適性を満足するものであった。また、何れの半透明紙も不透明度が55〜65%の範囲にあり、ショースルーも満足するものであった。
これに対して、比較例1で得られた半透明紙は、パルプの濾水度が低すぎるため、コックリングの評価を満足できないものであった。比較例2で得られた半透明紙は、ステキヒトサイズ度が低く、ストライクスルーが見られた。また、含浸液の含浸量が比較的少ないこともあり、不透明度が高く、ショースルーについても満足できないものであった。比較例3で得られた半透明紙は、最も不透明度の低いものであったが、含浸液の含浸量が過度に多かったために、インキ受理性を満足できないものであった。

Claims (2)

  1. 古紙パルプを含むパルプを主成分とする基紙に、高分子材料を含浸させた半透明紙であって、
    該パルプの濾水度(CSF)が400〜650mLであり、
    前記高分子材料が、スチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上であり、
    前記基紙において、基紙全体に対する填料の含有量は1%以下であり、
    JIS P 8149に準じて測定する不透明度が55〜65%であり、JAPAN TAPPI No.1:2000に準じて測定する表面強さが10A以上であり、JIS P 8122:2004に準じて測定するステキヒトサイズ度が30秒以上である、ことを特徴とする半透明紙。
  2. 古紙パルプを含み濾水度(CSF)が400〜650mLであるパルプと抄紙原料と水を用いて原料スラリーを調整するスラリー調整ステップと、
    前記原料スラリーを用い、抄紙機で基紙を抄く抄紙ステップと、
    前記基紙に、高分子材料を含む含浸液を含浸させる含浸ステップと、を有し、
    前記高分子材料は、スチレン−ブタジエン系ラテックス、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上であり、
    前記基紙において、基紙全体に対する填料の含有量は1%以下であり、
    JIS P 8149に準じて測定する不透明度が55〜65%であり、JAPAN TAPPI No.1:2000に準じて測定する表面強さが10A以上であり、JIS P 8122:2004に準じて測定するステキヒトサイズ度が30秒以上である、ことを特徴とする半透明紙の製造方法。
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