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JP6186704B2 - 紫外線遮蔽粒子と紫外線遮蔽分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽粒子の製造方法 - Google Patents

紫外線遮蔽粒子と紫外線遮蔽分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線遮蔽粒子と紫外線遮蔽分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽粒子の製造方法に関し、更に詳しくは、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品、特に、紫外線遮蔽能が必要とされるスキンケア化粧品のホワイトニング、メイクアップ化粧品のベースメイク、ボディケア化粧品のサンスクリーンに用いて好適な紫外線遮蔽粒子と、この紫外線遮蔽粒子を含有する紫外線遮蔽分散液、及び化粧料、並びに紫外線遮蔽粒子の製造方法に関するものである。
従来、化粧品に用いられている紫外線遮蔽剤としては、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤があり、用途に応じて使い分けられている。これら無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とは、それぞれの種類に応じて遮蔽することのできる紫外線の波長が異なるので、これらを適宜組み合わせた化粧料が処方されている。
特に、無機系紫外線遮蔽剤は、物理的な仕組みで紫外線を散乱または反射させるので、皮膚への影響が少なく、幼児から大人まで幅広い層のサンスクリーンに使用されている。この無機系紫外線遮蔽剤としては、紫外線に対する隠蔽力が高く、白色顔料としても用いられている酸化亜鉛、酸化チタン等が好適である。
しかしながら、酸化亜鉛や酸化チタンを化粧料に適用した場合、その平均分散粒径が0.1μm以上では、化粧料が白化して透明感を損ない、自然な仕上がりにすることができないという問題点があった。
また、酸化亜鉛や酸化チタンを化粧料中に0.1μm以下の平均分散粒径で分散させることは難しい。また、分散させることができたとしても、このような酸化亜鉛や酸化チタンは表面活性が高く、皮膚と接触した際にざらつく感触になっていた。また、酸化亜鉛や酸化チタンの一次粒子径や化粧料中における平均分散粒径が大きい場合には、化粧料の透明性が低下するという問題点があった。
一方、有機系紫外線吸収剤は、化学的にエネルギーを吸収して熱エネルギーに変換し、紫外線が皮膚細胞に浸透するのを防いでいる。また無機系紫外線遮蔽剤と比較すると、少量でも紫外線遮蔽効果が高く、大人用サンスクリーンとして使用されている。この有機系紫外線吸収剤は、無機系紫外線遮蔽剤と比較して肌に塗布したときに白っぽくならず、透明性が高いという利点がある。
このような有機系紫外線吸収剤としては、ジベンゾイルメタン系化合物、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられ、特に近紫外線を吸収するUV−A吸収剤としては、ジベンゾイルメタン系化合物、特に4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)が広く用いられている。
しかしながら、有機系紫外線吸収剤は、水に不溶であるから、その紫外線吸収効果を発揮させるためには特定の非水系溶媒に溶かす必要があり、したがって、溶媒の種類が限られることで化粧料としての自由度が低下するという問題点があった。さらに、非水系溶媒を化粧料に配合すると、べとつき感が生じるという問題点があった。
さらに、これら無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを併用すると、無機系紫外線遮蔽剤に含まれる金属イオンの影響により有機系紫外線吸収剤が再結晶化し、化粧料の変質、変色、使用感の低下を引き起こす虞がある。このように、化粧料を処方する際に、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを自由に混合することができないという問題点があった。
そこで、これらの問題点を解消するために、アクリル系樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物を内包させることで、透明性が高く、使用感に優れた、平均粒子径が0.1μm〜1μmの樹脂粒子が提案されている(特許文献1)。
この樹脂粒子は、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物が直接接触することを防ぐことにより、有機系紫外線吸収剤の結晶化等を抑制している。
また、有機系紫外線吸収剤の皮膚刺激性を抑制する樹脂粒子としては、有機系紫外線吸収剤が溶解された(メタ)アクリル系樹脂を形成するモノマーを水性媒体中に分散させて重合反応を行うことにより形成された有機系紫外線吸収剤を含有する(メタ)アクリル系樹脂からなる芯材部と、この芯材部の表面に形成された有機系紫外線吸収剤を含有しない(メタ)アクリル系樹脂からなる表層部とを有する樹脂粒子が提案されている(特許文献2)。
この樹脂粒子は、有機系紫外線吸収剤が金属酸化物と直接接触することを防ぐことにより、有機系紫外線吸収剤の結晶化等を抑制している。
再公表WO2011/34032号公報 特開平07−291837号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているような金属酸化物を内包する樹脂粒子では、所望の紫外線遮蔽特性を得るためには一定量以上の樹脂粒子を化粧料に配合させなければならず、化粧料における配合の自由度が低下するという問題点があった。そこで、より紫外線遮蔽性の高い樹脂粒子が求められていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、従来の紫外線遮蔽剤と比べて紫外線遮蔽効果が高く、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、水中油型(O/W型)の化粧料への配合が可能な紫外線遮蔽粒子と紫外線遮蔽分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、第1の樹脂からなる芯材部の表面に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて被覆膜または島状物とすることで、従来の金属酸化物を内包する樹脂粒子と比べて紫外線遮蔽効果が高まり、しかも、水中油型(O/W型)の化粧料の処方にも適用させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の紫外線遮蔽粒子は、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物としてなることを特徴とする。
前記第1の被覆膜の表面または前記第1の島状物が付着した前記芯材部の表面に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有してなる樹脂組成物を付着させて第2の被覆膜または1個以上の第2の島状物としてもよい。
本発明の紫外線遮蔽分散液は、本発明の紫外線遮蔽粒子のうちいずれか1種または2種を分散媒中に分散してなることを特徴とする、
本発明の化粧料は、本発明の紫外線遮蔽粒子、本発明の紫外線遮蔽分散液の群から選択される1種または2種以上を含有してなることを特徴とする。
本発明の紫外線遮蔽粒子の製造方法は、第1の樹脂からなる芯材部となる樹脂粒子を水に分散させて、樹脂粒子含有水分散液とする工程と、紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を分散剤を含む第2の樹脂のモノマー中に分散させて樹脂モノマー分散液とする工程と、この樹脂モノマー分散液を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤、架橋剤及び重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とする工程と、前記樹脂粒子含有水分散液と前記懸濁液または乳化液とを混合して混合液を作製し、この混合液を懸濁重合または乳化重合させて、前記第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、前記第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物を付着させて紫外線遮蔽粒子とする工程と、を有することを特徴とする。
本発明の紫外線遮蔽粒子によれば、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物としたので、従来の紫外線遮蔽剤と比べて紫外線遮蔽効果を高めることができる。
この紫外線遮蔽粒子は、芯材部の表面に、金属酸化物含有樹脂組成物からなる被覆膜または島状物を付着させたので、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、水中油型(O/W型)の化粧料へ配合することができる。
この第1の被覆膜の表面または第1の島状物が付着した芯材部の表面に、さらに、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有してなる樹脂組成物を付着させて第2の被覆膜または1個以上の第2の島状物とすれば、紫外線遮蔽効果をさらに高めることができる。
本発明の紫外線遮蔽粒子含有分散液によれば、本発明の紫外線遮蔽粒子のうちいずれか1種または2種を分散媒中に分散したので、紫外線遮蔽効果を高めることができる。
この紫外線遮蔽粒子含有分散液は、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、水中油型(O/W型)の化粧料へ配合することができる。
本発明の化粧料によれば、本発明の紫外線遮蔽粒子、本発明の紫外線遮蔽分散液の群から選択される1種または2種以上を含有したので、紫外線遮蔽効果を高めることができる。
本発明の紫外線遮蔽粒子の製造方法によれば、樹脂粒子含有水分散液作製工程と、樹脂モノマー分散液作製工程と、懸濁液または乳化液作製工程と、この樹脂粒子含有水分散液と懸濁液または乳化液とを混合した混合液を懸濁重合または乳化重合させて、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物を付着させる紫外線遮蔽粒子作製工程とを有するので、紫外線遮蔽効果に優れた紫外線遮蔽粒子を得ることができる。
本発明の第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子の他の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子の他の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例1の紫外線遮蔽粒子を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の実施例1の紫外線遮蔽粒子を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の実施例1の紫外線遮蔽粒子を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 本発明の実施例1、2及び比較例1それぞれの塗膜の分光透過率を示す図である。 本発明の実施例2の紫外線遮蔽粒子を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の実施例2の紫外線遮蔽粒子を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像である。
本発明の紫外線遮蔽粒子と紫外線遮蔽粒子含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽粒子の製造方法を実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
「紫外線遮蔽粒子」
本実施形態の紫外線遮蔽粒子は、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物とした紫外線遮蔽性を有する粒子である。
図1は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子1は、第1の樹脂からなる芯材部2の表面全体に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる被覆膜3が形成された構造体である。この被覆膜3は、芯材部2の表面全体を覆っている必要はなく、少なくとも芯材部2の表面の1%以上を覆っていればよい。
図2は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子の他の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子11は、第1の樹脂からなる芯材部12の表面の1箇所以上(図2の断面では4箇所)に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる島状物13が形成されている(以下、島状構造と称することがある)。この島状物13の形状は、図2に示した断面が楕円形状の他、円形状、半球状、多面体状、板状、レンズ状等様々な形状から適宜選択されるが、これらの中でも円形状が好ましい。また、この島状物13の個数は、全ての島状物13の全体量で紫外線遮蔽機能を充分に発現することができればよく、特に制限はされない。
図3は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子21は、第1の樹脂からなる断面形状が楕円状の芯材部22の表面の1箇所以上(図3の断面では4箇所)に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる島状物23が形成されている(以下、島状構造と称することがある)。この芯材部22の形状は、図3に示した断面が楕円形状の他、円形状、半球状、多面体状、レンズ状等様々な形状から適宜選択される。また、島状物23の形状も、図3に示した断面が楕円形状の他、半球状、多面体状、板状、レンズ状等様々な形状から適宜選択される。また、この島状物23の個数は、全ての島状物23の全体量で紫外線遮蔽機能を充分に発現することができればよく、特に制限はされない。
図4は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す斜視図であり、この紫外線遮蔽粒子31は、第1の樹脂からなる六角形の板状体からなる芯材部32の表面の1箇所以上(図4の平面では2箇所)に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる島状物33が形成されている(以下、島状構造と称することがある)。この芯材部32の形状は、図4に示した六角形の板状体の他、正方形状の板状体、矩形状の板状体、八角形等の多角形状の板状体、円板状の板状体等様々な形状から適宜選択される。また、島状物33の形状も、図4に示したレンズ状の他、円形状、半球状、多面体状、板状、レンズ状等様々な形状から適宜選択される。また、この島状物33の個数は、全ての島状物33の全体量で紫外線遮蔽機能を充分に発現することができればよく、特に制限はされない。
これらの紫外線遮蔽粒子では、平均粒子径は0.1μm以上かつ5μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以上かつ1μm以下である。
なお、この紫外線遮蔽粒子の「平均粒子径」とは、この紫外線遮蔽粒子を所定数、例えば、500個、あるいは100個を選びだし、これら紫外線遮蔽粒子各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を平均して求められた値である。
ここで、平均粒子径を上記の範囲に限定した理由は、平均粒子径が0.1μm未満では、芯材部の粒子サイズ、粒度分布を制御することが困難となり、その結果、得られる紫外線遮蔽粒子の粒子サイズ、粒度分布も不均一となるからである。
一方、平均粒子径が5μmを超えると、紫外線遮蔽粒子自体が透明性を失ってしまい、化粧料に配合したときに透明性が損なわれるからである。
これらの紫外線遮蔽粒子では、被覆膜または島状物の全質量は、芯材部全体の質量に対して1質量%以上かつ100質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、被覆膜または島状物の全質量を、芯材部全体の質量に対して上記の範囲とした理由は、被覆膜または島状物の全質量が芯材部全体の質量に対して1質量%未満では、紫外線遮蔽粒子中の紫外線遮蔽性を有する金属酸化物の含有率が少なくなり、したがって、この紫外線遮蔽粒子を用いた化粧料が十分な紫外線遮蔽効果を得るには、化粧料中の紫外線遮蔽粒子の含有率を大幅に高くする必要があり、したがって、紫外線遮蔽粒子の含有率を低く抑えることができなくなるので好ましくない。一方、被覆膜または島状物の全質量が芯材部全体の質量に対して100質量%を超えると、芯材部の粒子サイズや粒度分布が紫外線遮蔽粒子の粒子サイズや粒度分布に効果的に反映されない虞があるので好ましくない。
第1の樹脂からなる芯材部の大きさ及び形状は、特に限定されないが、球状粒子の場合は、平均一次粒子径が0.04μm以上かつ4.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以上かつ1.0μm以下である。また、レンズ状粒子または板状粒子の場合は、厚みが0.02μm以上かつ2.0μm以下、最大長径が0.2μm以上かつ5.0μm以下が好ましく、より好ましくは厚みが0.2μm以上かつ2.0μm以下、最大長径が0.5μm以上かつ3.0μm以下である。
芯材部の大きさ及び形状を上記の範囲とした理由は、化粧料に配合した場合に透明性が高く、かつ優れた使用感を示すからである。
芯材部を部分的にあるいは完全に被覆する被覆層や島状物の厚みは特に限定されないが、0.01μm以上かつ0.7μm以下が好ましく、より好ましくは0.01μm以上かつ0.5μm以下である。
ここで、被覆層の厚みが0.01μm未満の場合には、被覆層が芯材部を覆う効果が不十分となり、被覆層での紫外線遮蔽効果が十分に発揮しない場合があるので好ましくなく、一方、被覆層の厚みが0.7μmを超えると、被覆層や島状物が厚くなり過ぎて相対的に芯材部の平均粒径が小さくなり、その結果、紫外線遮蔽粒子の紫外線吸収効果を十分に発揮することができなくなる場合があるので好ましくない。
芯材部を構成する第1の樹脂としては、化粧品の原料として使用可能であればよく、特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルスチレン共重合体、アクリルポリエステル共重合体、シリコンアクリル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂の群から選択される樹脂が好適に用いられる。これらの樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの樹脂の中でも、特に(メタ)アクリル樹脂が透明性に優れているので好ましい。
このような第1の樹脂のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルスチレン共重合体、アクリルアミド共重合体、アクリルエポキシ共重合体、アクリルウレタン共重合体、アクリルポリエステル共重合体、シリコンアクリル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等のモノマーの群から選択された1種のみを単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも(メタ)アクリル樹脂のモノマーが透明性に優れている点で好ましい。
(メタ)アクリル樹脂のモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸テトラフルオロプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。
また、上記の(メタ)アクリル樹脂のモノマーと組み合わせて重合させることができる樹脂モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルピロビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
これらの樹脂モノマーは、1種のみを単独で重合して用いてもよく、2種以上を組み合わせて重合して用いてもよい。例えば、(メタ)アクリル樹脂のモノマーとそれ以外のモノマーを組み合わせる場合には、透明性の観点から樹脂モノマー中の(メタ)アクリル樹脂のモノマーの含有率が10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
一方、被覆膜または島状物を構成する第2の樹脂としては、第2の樹脂のモノマーの重合体の透明度が高く、化粧料の原料として使用可能な樹脂であればよく、特に限定されない。この第2の樹脂は、上述した第1の樹脂のモノマーと全く同様のモノマーを用いることができるので、説明を省略する。
第1の樹脂と第2の樹脂との組み合わせは、特に限定されないが、共に(メタ)アクリル樹脂とする等、密着性のよい組み合わせであることが好ましい。
この第2の樹脂に含まれる紫外線遮蔽性を有する金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄の群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
この金属酸化物の平均一次粒子径は、0.003μm以上かつ0.1μm以下が好ましく、より好ましくは0.01μm以上かつ0.05μm以下、さらに好ましくは0.02μm以上かつ0.04μm以下である。
ここで、金属酸化物の平均一次粒子径が0.003μm未満では、結晶化度が低下して紫外線遮蔽機能を発現しなくなるので好ましくなく、一方、平均一次粒子径が0.1μmを超えると、粒子の可視光線に対する散乱係数が大きくなるために、透明性が著しく低下し、その結果、可視光線に対する光透過性が低下し、透明性が悪くなるので、好ましくない。
この金属酸化物は、シリカ、アルミナ、オルガノポリシロキサンの群から選択される1種または2種以上により表面処理したものを用いてもよい。これらシリカ、アルミナ、オルガノポリシロキサンの群から選択される1種または2種以上により金属酸化物を表面処理した場合、表面が覆われるために金属酸化物を構成する金属イオンが外部へ流出し難くなり、金属酸化物の表面活性をより制御することとなるので、好ましい。
この第2の樹脂中における金属酸化物の含有率は、1質量%以上かつ80質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、金属酸化物の樹脂中における含有率が1質量%未満では、金属酸化物の量が少なすぎてしまい、金属酸化物が有する紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなるので好ましくなく、一方、含有率が80質量%を超えると、金属酸化物の量が樹脂に対して相対的に高くなり、その結果、樹脂中における金属酸化物の分散性が低下し、組成の均一性が損なわれるので、好ましくない。
「紫外線遮蔽粒子の製造方法」
本実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法は、第1の樹脂からなる芯材部となる樹脂粒子を水に分散させて、樹脂粒子含有水分散液とする樹脂粒子含有水分散液作製工程と、紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を分散剤を含む第2の樹脂の樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマー分散液とする樹脂モノマー分散液作製工程と、この樹脂モノマー分散液を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤、架橋剤及び重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とする懸濁液または乳化液作製工程と、前記樹脂粒子含有水分散液と前記懸濁液または乳化液とを混合して混合液を作製し、この混合液を懸濁重合または乳化重合させて、前記第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、前記第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物を付着させて紫外線遮蔽粒子とする紫外線遮蔽粒子作製工程と、を有する。
次に、本実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法について、各工程毎に詳細に説明する。
(樹脂粒子含有水分散液作製工程)
第1の樹脂からなる芯材部となる樹脂粒子を水に分散させて、樹脂粒子含有水分散液とする工程である。
この樹脂粒子含有水分散液の作製は、芯材部となる樹脂粒子を水に分散させることができればよく、特に限定されない。例えば、芯材部となる樹脂粒子と水とを混合し、分散装置で分散させる方法等が挙げられる。また、必要に応じて、分散剤等の添加剤を添加してもよい。
この工程で用いられる分散装置としては、分散系に十分な分散エネルギーを与えられるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ホモジナイザー等が挙げられる。
第1の樹脂からなる芯材部を製造するには、上述した樹脂を所望の大きさ、形状に形成させることのできる方法を用いればよく、特に限定されない。また、上述した樹脂からなる市販品の樹脂粒子を用いてもよい。
芯材部を製造する方法としては、樹脂モノマーを乳化または懸濁させて、それを重合させる方法等が挙げられる。
市販の樹脂粒子としては、アクリルビーズ(総研化学社製)等が挙げられる。
(樹脂モノマー分散液作製工程)
紫外線遮蔽性を有する金属酸化物粒子を分散剤を含む第2の樹脂のモノマー中に分散させて樹脂モノマー分散液とする工程である。
紫外線遮蔽性を有する金属酸化物粒子及び第2の樹脂のモノマーは、上述した金属酸化物粒子及び第1の樹脂のモノマーと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
分散剤としては、第2の樹脂のモノマーとの親和性に富み、疎水性の高いものがよい。すなわち、この分散剤が金属酸化物を被覆することで第2の樹脂のモノマーに対する分散を促し、同時に、金属酸化物粒子が比較的に短時間のうちに、そのほとんどが単分散状態となり、その平均分散粒子径が0.003μm以上かつ0.1μm以下となる。
また、分散剤は、金属酸化物に疎水性を付与するので、金属酸化物が重合体の外に出ず、水相に移行することなく、樹脂中に取り込まれるのを助ける。
このような分散剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のカルボン酸またはその塩、アルカンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸またはその塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸やポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等のリン酸エステルまたはその塩、ラウリルリン酸ナトリウム等のフォスフォン酸またはその塩が挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、本実施形態の紫外線遮蔽粒子を化粧料に用いる場合には、これらの分散剤は、同時に化粧料の原料として認められるものでなくてはならない。
分散剤の金属酸化物に対する添加率は、1質量%以上かつ50質量%以下が好ましい。添加率が1質量%未満では、金属酸化物の表面を覆うには少なすぎて十分な金属酸化物の分散状態を得ることができず、一方、50質量%を超えると、これ以上添加率を上げても、さらに分散性を改善することができず、分散剤が無駄になるからである。
用いられる分散装置としては、分散系に十分な分散エネルギーを与えられるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ホモジナイザー等が挙げられる。
分散時間としては、30分〜3時間程度が好ましいが、分散状態の良否と製造コストとの兼ね合いで適切な時間を選べばよい。
この樹脂モノマー分散液における金属酸化物粒子の平均分散粒子径は、0.003μm以上かつ0.1μm以下が好ましい。
ここで、金属酸化物粒子の樹脂モノマー分散液中の平均分散粒子径が0.1μmを超えると、紫外線遮蔽粒子の可視光線に対する散乱係数が大きくなり、よって、透明性が低下することとなり、その結果、透明性が著しく低下し、場合によっては失透する虞があるので、好ましくない。
以上により、金属酸化物粒子の平均分散粒子径が0.003μm以上かつ0.1μm以下の樹脂モノマー分散液を得ることができる。
(懸濁液または乳化液作製工程)
上記の樹脂モノマー分散液を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤、架橋剤及び重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させ、分散粒子径が0.05μm以上かつ5μm以下の懸濁液または乳化液とする工程である。
懸濁保護剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルフェニル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの中でも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、この陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
懸濁保護剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.1質量%以上かつ10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上かつ2質量%以下である。
シリコーン系消泡剤としては、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、粉末型、固形型、エマルジョン型、自己乳化型等が挙げられ、これらの中でも、オイルコンパウンド型が好ましい。
このシリコーン系消泡剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.01質量%以上かつ5質量%以下が好ましく、より好ましくは、0.1質量%以上かつ1質量%以下である。
架橋剤としては、2個以上の不飽和二重結合を有する単量体であればよく、特に限定されるものではないが、多官能ビニル単量体や多官能(メタ)アクリル酸エステル酸誘導体等の中から適宜選択して用いることができる。
この架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール系ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10− デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,7−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオール系ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートおよびその異性体、トリアリルイソシアヌレートおよびその誘導体等が挙げられる。
これらの架橋剤の中でも、特に(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
架橋剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.1質量%以上かつ10質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上かつ10質量%以下である。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスジイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
これらの重合開始剤の中でも、特に、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が好ましい。
重合開始剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.01質量%以上かつ1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上かつ0.5質量%以下である。
純水としては、化粧料に一般的に使用される純水であればよく、特に限定されないが、この純水の替わりに、イオン交換水、蒸留水、精製水、超純水、天然水、アルカリイオン水、深層水等を用いてもよい。
(紫外線遮蔽粒子作製工程)
上記の樹脂粒子含有水分散液と懸濁液または乳化液とを混合して混合液を作製し、この混合液を懸濁重合または乳化重合させて、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物を付着させて紫外線遮蔽粒子とする工程である。
この樹脂粒子含有水分散液と、懸濁液または乳化液との混合比率は、所望の紫外線遮蔽性能が得られるように適宜調整すればよいが、得られた紫外線遮蔽粒子中の金属酸化物の含有率が5質量%以上かつ60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上かつ50質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上かつ40質量%以下であることがさらに好ましい。
懸濁重合または乳化重合の方法としては、上記の混合液を窒素雰囲気下、かつ重合開始剤の存在下にて、攪拌しながら昇温して重合を開始させる方法が好ましい。
この重合開始温度は50℃以上かつ80℃以下とするのが好ましい。そして、この温度を保持しながら重合させる時間としては、1時間〜5時間程度が好ましく、未反応の残留モノマーが最小となる時間および重合状態、製造コストとの兼ね合いで、適宜時間を設定すればよい。
その後、氷冷または自然冷却し、重合反応を停止させることで、紫外線遮蔽粒子を含有する重合反応停止液を得ることができる。
この懸濁重合または乳化重合では、これら懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤及び重合開始剤の含有率を上記の範囲に限定することにより、得られた紫外線遮蔽粒子の平均粒子径を0.05μm以上かつ5μm以下に制御することができる。
次いで、得られた懸濁重合物または乳化重合物(以下、単に「重合物」と称することもある)を純水にて洗浄する。この洗浄過程では、洗浄効率をより良くするために、純水にて洗浄する前に、アルコール等の親水性の有機溶媒を用いて洗浄してもよい。これにより、重合物中に残留しているモノマー、重合開始剤、界面活性剤が除去される。
アルコールとしては、純水に可溶なもので、洗浄により容易に除去することのできるものであればよく、例えば、エタノール、2−プロパノール等が挙げられ、特に2−プロパノールが好ましい。
洗浄後のアルコールや残留モノマー等の除去方法としては、アルコールや残留モノマー等を効率よく除去することができればよく、特に限定されないが、加圧ろ過、吸引ろ過、フィルタープレス、遠心分離、限外ろ過、デカンテーション等が好適である。
洗浄終了後、得られた重合物を80℃〜100℃にて乾燥し、重合物中に残留している純水等を除去する。乾燥方法としては、アルコールや純水を除去することのできる方法であればよく、特に限定されないが、大気圧中の乾燥、真空乾燥等が挙げられる。
次いで、乾燥した重合物を解砕する。解砕方法としては、各粒子を解砕することができる方法であればよく、特に限定されないが、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミル、インペラーミル等が挙げられる。
以上により、本実施形態の紫外線遮蔽粒子を得ることができる。
このようにして得られた紫外線遮蔽粒子は、解砕工程を経ることにより、乾燥により凝集した各粒子を解砕し、化粧料に使用した場合の使用感を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態の紫外線遮蔽粒子によれば、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて被覆膜または1個以上の島状物としたので、紫外線遮蔽効果を高めることができる。
また、本実施形態の紫外線遮蔽粒子は、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、従来では処方が困難であった水中油型(O/W型)、化粧水や日焼け止めジェル等の水系化粧料に配合することができる。したがって、化粧料の処方の自由度を高めることができる。
また、紫外線遮蔽粒子の平均粒径を0.1μm以上かつ5μm以下とした場合には、化粧品に用いた場合においても、ざらつき感等がなく、使用感に優れている。
本実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法によれば、紫外線遮蔽効果に優れる紫外線遮蔽粒子を得ることができる。
[第2の実施形態]
「紫外線遮蔽粒子」
本実施形態の紫外線遮蔽粒子は、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物とし、さらに、この第1の被覆膜の表面または第1の島状物が付着した芯材部の表面に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有してなる樹脂組成物を付着させて第2の被覆膜または1個以上の第2の島状物とした紫外線遮蔽性を有する粒子である。
本実施形態の紫外線遮蔽粒子では、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物とした点については、第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子と全く同様であるので、説明を省略する。
本実施形態の紫外線遮蔽粒子では、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有した樹脂組成物が、上記の第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子の表面全体または表面の1箇所以上に、被覆膜または1個以上の島状物として付着した構造であればよく、特に限定されない。
このように、上記の第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子の表面全体または表面の1箇所以上に、有機系紫外線吸収剤を含有する第3の樹脂からなる被覆膜または1個以上の島状物を付着させることにより、上記の紫外線遮蔽粒子中の金属酸化物と、第3の樹脂中の有機系紫外線吸収剤との相乗効果により、紫外線の遮蔽性能をさらに高めることができる。したがって、さらに優れた紫外線遮蔽効果を得ることができる。
図5は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子41は、第1の樹脂からなる芯材部2の表面全体に、第2の樹脂中に金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる被覆膜3が形成された紫外線遮蔽粒子1の表面全体に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有した樹脂組成物からなる被覆膜42が形成された構造体である。この被覆膜42は、有機系紫外線吸収剤の吸収性能を充分に発現することができればよく、紫外線遮蔽粒子1の表面全体を覆っている必要はない。よって、少なくとも紫外線遮蔽粒子1の表面全体の1%以上を覆っていればよい。また、被覆膜3は部分被覆であってもよい。
この芯材部2の形状は、図5に示した断面形状が円形状の他、楕円状、多面体状、レンズ状等様々な形状が選択可能であるが、これらの中でも円形状が好ましい。
図6は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子の他の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子51は、第1の樹脂からなる芯材部2の表面全体に、第2の樹脂中に金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる被覆膜3が形成された紫外線遮蔽粒子1の表面の1箇所以上(図6では複数箇所)に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有した樹脂組成物からなる島状物52が形成されている(以下、島状構造と称することがある)。この島状物52の形状は、図6に示した断面が円形状の他、楕円形状、半球状、多面体状、板状、レンズ状等様々な形状から適宜選択される。また、この島状物52の個数は、全ての島状物52の全体量で紫外線吸収性能を充分に発現することができればよく、特に制限はされない。また、被覆膜3は部分被覆であってもよい。
図7は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子61は、第1の樹脂からなる芯材部12の表面の1箇所以上(図7では複数箇所)に、第2の樹脂中に金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる島状物13が形成された紫外線遮蔽粒子11の表面全体に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有した樹脂組成物からなる被覆膜62が形成された構造体である。この被覆膜62は、紫外線吸収性能を充分に発現することができればよく、図7に示すように島状物13を完全に埋め込む必要はなく、島状物13の外周に薄い膜状として形成されていてもよい。要するに、紫外線遮蔽粒子11の表面全体を覆っている必要はない。よって、少なくとも紫外線遮蔽粒子11の表面全体の1%以上を覆っていればよい。
図8は、本実施形態の紫外線遮蔽粒子のさらに他の一例を示す断面図であり、この紫外線遮蔽粒子71は、第1の樹脂からなる芯材部12の表面の1箇所以上(図8では複数箇所)に、第2の樹脂中に金属酸化物を含有した樹脂組成物からなる島状物13が形成された紫外線遮蔽粒子11の表面の1箇所以上に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有した樹脂組成物からなる島状物72が形成されている(以下、島状構造と称することがある)。この島状物72は、芯材部12に付着していてもよく、島状物13に付着していてもよく、芯材部12及び島状物13の双方に付着していてもよい。換言すれば、島状物72は、紫外線遮蔽粒子11の表面であれば、どこに付着していてもよい。
この島状物72の形状は、図8に示した断面が楕円形状の他、円形状、半球状、多面体状、板状、レンズ状等様々な形状から適宜選択される。また、この島状物72の個数は、全ての島状物72の全体量で紫外線吸収性能を充分に発現することができればよく、特に制限はされない。
この第3の樹脂としては、上述した第2の樹脂と全く同様のものを用いることができるので、説明を省略する。
この第3の樹脂に含有される有機系紫外線吸収剤は、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、ジベンゾイルメタン系化合物、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、ジベンゾイルメタン系化合物が好ましい。これらの有機系紫外線吸収剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の樹脂、第2の樹脂及び第3の樹脂の組み合わせは、特に限定されないが、共に(メタ)アクリル樹脂とする等、密着性のよい組み合わせであることが好ましい。
また、これらの紫外線遮蔽粒子41〜71の表面に、有機系紫外線吸収剤及び金属酸化物のうち一方または双方を含有してなる樹脂組成物を、単層もしくは複数層の被覆膜として、または1個もしくは複数個の島状物として、付着させてもよい。
「紫外線遮蔽粒子の製造方法」
本実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法は、上述した第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子の第1の被覆膜の表面または第1の島状物が付着した芯材部の表面に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有してなる樹脂組成物を付着させて第2の被覆膜または1個以上の第2の島状物とする被覆膜または島状物付着工程を有する。
すなわち、本実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法は、有機系紫外線吸収剤を樹脂モノマー中に溶解させ、次いで、この溶解液に分散剤を添加して樹脂モノマー溶解液とする樹脂モノマー溶解液作製工程と、この樹脂モノマー溶解液を、重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて第2の懸濁液または乳化液とする第2の懸濁液または乳化液作製工程と、上述した第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法の過程で得られる重合反応停止液と、上記の第2の懸濁液または乳化液とを混合して混合液とし、この混合液を懸濁重合または乳化重合をさせて、本実施形態の紫外線遮蔽粒子とする工程と、を有する。
(樹脂モノマー溶解液作製工程)
有機系紫外線吸収剤を樹脂モノマー中に溶解させ、次いで、分散剤を添加して混合し、樹脂モノマー溶解液とする工程である。
有機系紫外線吸収剤及び樹脂モノマーについては、上述した有機系紫外線吸収剤及び第1の樹脂のモノマーと全く同様であるから、説明を省略する。
分散剤は、この樹脂モノマー溶解液の全質量に対して1質量%以上かつ50質量%以下混合させる。分散剤としては、上述した樹脂モノマー分散液作製工程にて用いた分散剤と全く同様であるから、説明を省略する。
ここで、分散剤を1質量%以上かつ50質量%以下添加した理由は、添加率が1質量%未満では、後述する懸濁液または乳化液のエマルジョン被膜強度が高くならず、その結果、懸濁重合または乳化重合の重合効率が低下するからであり、一方、50質量%を超えると、さらなる重合効率の改善が期待できず、分散剤が無駄になるからである。
以上により、有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂モノマー溶解液を得ることができる。
(被覆膜または島状物付着工程)
上記の樹脂モノマー溶解液を、この樹脂モノマー溶解液の全質量に対して0.01質量%以上かつ1質量%以下の重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させ、懸濁液または乳化液とする。
これら重合開始剤及び純水は、上述した「重合開始剤」及び「純水」と全く同様であるから説明を省略する。
この懸濁液または乳化液と、上記の紫外線遮蔽粒子を含有する重合反応停止液とを混合し、その後、上述した第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子作製工程と同様にして、重合、洗浄、乾燥、解砕させることにより、本実施形態の紫外線遮蔽粒子を得ることができる。
この懸濁液または乳化液と重合反応停止液との混合割合は、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物が質量比で、1:9〜5:5の範囲になるように混合するのが好ましい。
上記範囲で混合させることで、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物の紫外線遮蔽性能の相乗効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の紫外線遮蔽粒子によれば、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物とし、さらに、この第1の被覆膜の表面または第1の島状物が付着した芯材部の表面に、第3の樹脂中に有機系紫外線吸収剤を含有してなる樹脂組成物を付着させて第2の被覆膜または1個以上の第2の島状物としたので、紫外線遮蔽効果をさらに高めることができる。
本実施形態の紫外線遮蔽粒子の製造方法によれば、紫外線遮蔽効果に優れる紫外線遮蔽粒子を得ることができる。
[第3の実施形態]
本実施形態の紫外線遮蔽分散液は、 第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子、のうちいずれか1種または2種を分散媒中に分散した分散液である。
このような分散媒としては、上記の紫外線遮蔽粒子を分散させることができる溶媒であればよく、水の他、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン類、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン類、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種のみ、または2種以上を混合して用いることができる。
この紫外線遮蔽分散液中の紫外線遮蔽粒子の含有率は、1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、紫外線遮蔽粒子の含有率が1質量%未満では、金属酸化物の量が少なすぎてしまい、この分散液が紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなり、その結果、化粧料を作製する際の材料設計が極めて難しくなるので好ましくない。一方、含有率が80質量%を超えると、分散液中における紫外線遮蔽粒子の量が相対的に高くなり、その結果、分散液中における紫外線遮蔽粒子の分散性が低下し、組成の均一性が損なわれるので、好ましくない。
この分散液は、上記の紫外線遮蔽粒子を分散媒と混合し、必要に応じて分散剤や水溶性バインダーを混合し、次いで、この混合物にサンドミル、ジルコニアビーズを用いたビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー等の分散機や混合機を用いて分散処理を施し、この紫外線遮蔽剤を分散媒中に分散させることにより、得ることができる。
また、分散処理に要する時間は、紫外線遮蔽粒子が分散媒中に分散するのに十分な時間であればよく、特に制限はされない。
ここで、この紫外線遮蔽分散液の具体例として、紫外線遮蔽粒子をシリコーン樹脂中に分散させた紫外線遮蔽シリコーン分散液、及び紫外線遮蔽粒子を水中に分散させた紫外線遮蔽水系分散液について説明する。
「紫外線遮蔽シリコーン分散液」
この紫外線遮蔽シリコーン分散液は、上記の紫外線遮蔽粒子をシリコーン中に分散してなる紫外線遮蔽シリコーン分散液であり、紫外線遮蔽粒子の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下含有するシリコーン系分散液である。
シリコーンとしては、式(1)で示される構造骨格を有する環状シリコーン、あるいは直鎖状シリコーンであればよく、特に限定されない。
このようなシリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルペンタシロキサン、メチルトリメチコン等が挙げられる。
式(1)中、Xは1〜2000の範囲が好ましい。Xを上記範囲とすることにより、本実施形態の紫外線遮蔽剤との混合が容易となるので、好ましい。
分散剤としては、上記の紫外線遮蔽粒子をシリコーン中に分散させることができればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジメチルシリコーン等が挙げられる。
分散剤は、紫外線遮蔽粒子の全質量に対して、1質量%以上かつ50質量%以下の範囲であることが好ましい。
また、上記シリコーンと分散剤をサンドミルやホモジナイザー等で分散させて得られた分散液に、さらに天然オイル、保湿剤、増粘剤、香料、防腐剤等を混合させてもよい。
上記範囲で調整することにより、この紫外線遮蔽シリコーン分散液を単独で用いても、また、化粧料に直接混合しても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる。
「紫外線遮蔽水系分散液」
この紫外線遮蔽水系分散液は、上記の紫外線遮蔽粒子をアルコール類を含む水系分散媒中に分散してなる紫外線遮蔽水系分散液であり、紫外線遮蔽粒子の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下含有するとともに、アルコール類を5質量%以上かつ20質量%以下含有してなる水系分散液である。
この水系分散液では、さらに、水溶性高分子を0.001質量%以上かつ10質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上かつ5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上かつ3質量%以下含有してなることとしてもよい。この場合、紫外線遮蔽粒子、アルコール類及び水溶性高分子各々の成分の含有率の合計が100質量%を超えないように、各成分の含有率を調整する必要がある。
アルコール類としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の炭素数1〜6の1価アルコールまたは多価アルコールが挙げられ、中でも1価アルコール、特にエタノールが好ましい。
この水系分散液が水溶性高分子を含まない場合、アルコール類の含有率は、5質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以上かつ20質量%以下である。
特に、アルコール類の含有率を10質量%以上かつ20質量%以下とした場合には、紫外線遮蔽粒子の水系分散液における分散性及び経時安定性を向上させることができるので好ましい。
また、この水系分散液が水溶性高分子を含む場合、この水溶性高分子としては、化粧品用途として使用できるものであればよく、特に限定されないが、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、カラギーナン、ガラクタン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、寒天、キサンタンガム、クインスシード、グアーガム、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デキストラン、デキストリン、トラガカントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウムペクチン、プルラン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性高分子は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水溶性高分子は、分散剤及び粘度調整剤としての役割を有し、添加することによって紫外線遮蔽粒子の水系分散液における分散性及び経時安定性も向上する。
この水系分散液が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率は、5質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以上かつ20質量%以下である。
ここで、水系分散液が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率を5質量%以上かつ20質量%以下とした理由は、含有率が5質量%未満では、アルコール類の含有量が少なすぎてしまうために、水溶性高分子がアルコール類に均一に浸潤できずに水分にて不均一に膨潤することとなり、その結果、紫外線遮蔽粒子の分散性が低下して取扱いが困難となり、さらには水系分散液の経時安定性が低下するので、好ましくない。一方、含有率が20質量%を超えると、水系分散液全体の粘性が高くなり、紫外線遮蔽粒子の分散安定性が低下するとともに、水系分散液の経時安定性も低下するので、好ましくない。
この紫外線遮蔽水系分散液は、アルコール類を含む溶媒(分散媒)またはアルコール類と水溶性高分子とを含む混合物(分散媒)に、上記の紫外線遮蔽剤を混合し、次いで、水を混合して分散させることにより、得ることができる。
水の量は適宜調整すればよいが、15質量%以上かつ94質量%以下の範囲が好ましい。
この水の量を上記範囲に調整することにより、単独で用いても、また化粧料に混合しても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる紫外線遮蔽水系分散液が得られる。
以上説明したように、本実施形態の紫外線遮蔽分散液によれば、第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子、のうちいずれか1種または2種を分散媒中に分散したので、紫外線遮蔽性を高めることができる。
[第4の実施形態]
本実施形態の化粧料は、第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第3の実施形態の紫外線遮蔽分散液、の群から選択される1種または2種以上を含有した化粧料である。
この化粧料は、紫外線遮蔽粒子、紫外線遮蔽分散液のいずれか一方または双方を、紫外線遮蔽粒子換算で1質量%以上かつ60質量%以下含有することにより、白化の虞もなく、透明感を十分に確保することができ、しかも、ざらつき感等が無く、使用感に優れたものとなる。
この化粧料は、上述した紫外線遮蔽粒子、紫外線遮蔽分散液、のいずれか一方または双方を、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー等に従来通りに配合することにより得ることができる。
さらに、従来では処方が困難であった化粧水や日焼け止めジェル等の水系化粧料に、上述した紫外線遮蔽粒子、紫外線遮蔽分散液、のいずれか一方または双方を配合することにより、例えば、金属酸化物として酸化亜鉛を使用した場合は、亜鉛の溶出が抑制されるとともに、紫外線遮蔽性、透明感及び使用感に優れた水系化粧料を得ることができる。
この化粧料を化粧品の成分として用いることにより、紫外線遮蔽性、透明感及び使用感に優れたスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品を提供することが可能である。特に、紫外線遮蔽性が必要とされるスキンケア化粧品のホワイトニング、メイクアップ化粧品のベースメイク、ボディケア化粧品のサンスクリーン等に好適である。
以上説明したように、本実施形態の化粧料によれば、第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第3の実施形態の紫外線遮蔽分散液、の群から選択される1種または2種以上を含有したので、紫外線遮蔽効果を高めることができる。
さらに、本実施形態の化粧料を化粧品の成分として用いることにより、紫外線遮蔽能、透明感、使用感及び安全性に優れたスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品を提供することができる。特に、紫外線遮蔽能が必要とされるスキンケア化粧品のホワイトニング、メイクアップ化粧品のベースメイク、ボディケア化粧品のサンスクリーン等に用いた場合には、紫外線遮蔽能、透明感及び使用感に優れた化粧品を提供することができる。
なお、第1の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第2の実施形態の紫外線遮蔽粒子、第3の実施形態の紫外線遮蔽分散液は、紫外線遮蔽機能を必要とする耐候性塗料等にも転用することができる。
また、化粧品以外の分野で用いる場合には、化粧品で重要視されているざらつき感や使用感等がさほど問題とされない場合も多く、分散剤や樹脂の選択の幅が広がり、塗料等の設計配合の自由度をさらに高めることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
「紫外線遮蔽粒子の作製」
アクリル粒子 MP−2200(平均一次粒子径:0.3μm、綜研化学社製)30質量部を純水70質量部に加え、ホモジナイザーを用いて分散させ、アクリル粒子分散液を作製した。
酸化亜鉛(平均一次粒子径:0.02μm、住友大阪セメント製)50質量部、メタクリル酸メチル47質量部、リン酸エステル型界面活性剤3質量部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散処理を行い、酸化亜鉛微粒子をメタクリル酸メチル中に分散させたモノマー(MMA)分散液を得た。
次いで、得られたモノマー(MMA)分散液30質量部、純水64.9質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.9質量部、エチレングリコールジメタクリレート3.9質量部、シリコーン系消泡剤0.3質量部を混合し、ホモジナイザーを用いて乳化させ、エマルジョンを作製した。
次いで、このエマルジョン60質量部と、上記のアクリル粒子分散液を20質量部と、純水16.7質量部に、過硫酸カリウム0.036質量部を混合した過硫酸カリウム混合液とを混合した。
次いで、この混合液を攪拌機および温度計を備えた反応装置に収納し、窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った。次いで、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行った。次いで、得られた反応液を氷冷して重合反応を停止させ、得られた重合物を純水で洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、この乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、実施例1の紫外線遮蔽粒子を得た。
この紫外線遮蔽粒子中における酸化亜鉛の含有率は、30質量%であった。
「紫外線遮蔽粒子の評価」
この紫外線遮蔽粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した。この紫外線遮蔽粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図9及び図10に、透過型電子顕微鏡(TEM)像を図11に、それぞれ示す。
これらの図によれば、アクリルビーズ表面の1箇所以上に酸化亜鉛を含有してなる樹脂組成物が付着された紫外線遮蔽粒子(図9及び図11(a))、アクリルビーズを酸化亜鉛含有樹脂組成物が被覆し、かつ球状の酸化亜鉛含有樹脂組成物が2箇所付着された紫外線遮蔽粒子(図10及び図11(b))が確認された。
「紫外線遮蔽分散液の作製」
上記の紫外線遮蔽粒子を60質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を51質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、実施例1の紫外線遮蔽分散液を得た。
「紫外線遮蔽分散液の評価」
得られた紫外線遮蔽分散液を用いて、ワイヤーバーにて膜厚を32μmとなるように調整して石英板に塗布し、塗膜(測定用試料)を作製した。
次いで、この塗膜の分光透過率を、SPFアナライザー UV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。得られた分光透過率のグラフを図12に示す。
[実施例2]
「紫外線遮蔽粒子の作製」
アクリル粒子 MP−2200(平均粒子径:0.3μm、綜研化学社製)30質量部を純粋70質量部に加え、ホモジナイザーを用いて分散させ、アクリル粒子分散液を作製した。
酸化亜鉛(平均一次粒子径:0.02μm、住友大阪セメント製)50質量部、メタクリル酸メチル47質量部、リン酸エステル型界面活性剤3質量部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散処理を行い、酸化亜鉛微粒子をメタクリル酸メチル中に分散させたモノマー(MMA)分散液を得た。
次いで、得られたモノマー(MMA)分散液30質量部、純水64.9質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.9質量部、エチレングリコールジメタクリレート3.9質量部、シリコーン系消泡剤0.3質量部を混合し、ホモジナイザーを用いて乳化させ、エマルジョンを作製した。
次いで、このエマルジョン60質量部と、上記のアクリル粒子分散液を20質量部と、純水16.7質量部に過硫酸カリウム0.036質量部を混合させた過硫酸カリウム混合液とを混合した。
次いで、この混合液を攪拌機および温度計を備えた反応装置に収納し、窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った。次いで、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行い、次いで、氷冷して重合反応を停止させ、重合反応液を得た。
メタクリル酸メチル77質量部、リン酸エステル型界面活性剤3質量部を混合し、次いで、アボベンゾン(Parsol1789(登録商標))20質量部を加えて溶解させ、有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液を得た。
次いで、この有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液30質量部と、純水69.964質量部に過硫酸カリウム0.036質量部を溶解した過硫酸カリウム混合液とを混合し、ホモジナイザーで乳化させて、乳化液を得た。
次いで、この乳化液16.7質量部と、上記の重合反応液83.3質量部とを混合し、窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った後、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行った。次いで、得られた反応液を氷冷して重合反応を停止させ、得られた重合物を純水で洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、この乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、実施例2の紫外線遮蔽粒子を得た。
「紫外線遮蔽粒子の評価」
この紫外線遮蔽粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した。この紫外線遮蔽粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図13に、透過型電子顕微鏡(TEM)像を図14に、それぞれ示す。
これらの図によれば、アクリルビーズ表面の1箇所以上に酸化亜鉛を含有してなる樹脂組成物が付着された紫外線遮蔽粒子(図13及び図14(a))、アクリルビーズ表面や酸化亜鉛を含有してなる樹脂組成物の表面の1箇所以上に、アボベンゾンを含有してなる樹脂組成物が付着された紫外線遮蔽粒子(図13及び図14(b))が確認された。また、アクリルビーズの表面を酸化亜鉛含有樹脂組成物が被覆し、かつその表面にアボベンゾン含有樹脂組成物が付着された紫外線遮蔽粒子も確認された。
「紫外線遮蔽分散液の作製」
上記の紫外線遮蔽粒子を60質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を51質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、実施例2の紫外線遮蔽分散液を得た。
「紫外線遮蔽分散液の評価」
得られた紫外線遮蔽分散液を用いて、ワイヤーバーにて膜厚を32μmとなるように調整して石英板に塗布し、塗膜(測定用試料)を作製した。
次いで、この塗膜の分光透過率を、SPFアナライザー UV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。得られた分光透過率のグラフを図12に示す。
[比較例1]
「金属酸化物内包樹脂粒子の作製」
平均一次粒子径0.02μmの酸化亜鉛微粒子(住友大阪セメント製)200質量部、メタクリル酸メチル188質量部、リン酸エステル型界面活性剤12質量部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散処理を行い、酸化亜鉛微粒子をメタクリル酸メチル中に分散させたモノマー(MMA)分散液を得た。
次いで、得られたモノマー(MMA)分散液105.0質量部、純水229.5質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート14.0質量部、シリコーン系消泡剤1.0質量部を混合し、ホモジナイザーを用いて攪拌し、エマルジョンを得た。
次いで、得られたエマルジョンを320.0質量部、純水79.856質量部、過硫酸カリウム0.144質量部を混合し、混合液を得た。
次いで、この混合液を攪拌機および温度計を備えた反応装置に収納し、窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った。次いで、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行い、次いで、氷冷して重合反応を停止させた。そして、得られた重合物を純水で洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、この乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、比較例1の金属酸化物内包樹脂粒子を得た。
この金属酸化物内包樹脂粒子中における酸化亜鉛の含有率は50質量%であった。
「紫外線遮蔽分散液の作製」
上記の金属酸化物内包樹脂粒子を60質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を51質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、比較例1の紫外線遮蔽分散液を得た。
「紫外線遮蔽分散液の評価」
得られた紫外線遮蔽分散液を用いて、ワイヤーバーにて膜厚を32μmとなるように調整して石英板に塗布し、塗膜(測定用試料)を作製した。
次いで、この塗膜の分光透過率を、SPFアナライザー UV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。得られた分光透過率のグラフを図12に示す。
実施例1及び比較例1各々の分光透過率の結果によれば、実施例1の紫外線遮蔽分散液は、酸化亜鉛の含有率が比較例1の紫外線遮蔽分散液より少ないにも関わらず、紫外線遮蔽性は同等であった。すなわち、紫外線遮蔽粒子を本発明の構成とすることにより、紫外線遮蔽効果が高まることが確認された。
本発明の紫外線遮蔽粒子は、第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる樹脂組成物を付着させて第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物としたことにより、遮蔽効果を高めることができるものであるから、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、従来では処方が困難であった水中油型(O/W型)、化粧水、日焼け止めジェル等の水系化粧料へも適用することができ、化粧料としての処方の自由度を向上させることができ、その工業的価値は大きい。

Claims (1)

  1. 第1の樹脂からなる芯材部となる樹脂粒子を水に分散させて、樹脂粒子含有水分散液とする工程と、
    紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を分散剤を含む第2の樹脂のモノマー中に分散させて樹脂モノマー分散液とする工程と、
    この樹脂モノマー分散液を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤、架橋剤及び重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とする工程と、
    前記樹脂粒子含有水分散液と前記懸濁液または乳化液とを混合して混合液を作製し、この混合液を懸濁重合または乳化重合させて、前記第1の樹脂からなる芯材部の表面全体または表面の1箇所以上に、前記第2の樹脂中に紫外線遮蔽性を有する金属酸化物を含有してなる第1の被覆膜または1個以上の第1の島状物を付着させて紫外線遮蔽粒子とする工程と、
    を有し、
    前記第1の樹脂および前記第2の樹脂は、(メタ)アクリル樹脂であり、
    前記分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸およびラウリルリン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上であり、
    前記分散剤の前記金属酸化物に対する添加率は、1質量%以上かつ50質量%以下であり、
    前記樹脂モノマー分散液において、前記金属酸化物の平均分散粒子径は、0.003μm以上かつ0.1μm以下であることを特徴とする紫外線遮蔽粒子の製造方法。
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