JP6175826B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
を引き起こす原因となる。また、このDtが大きすぎる場合、特に高速機においては単位時間辺りに放散される粉塵量が許容限界を超えてしまう為、結果的に前記ブルーエンジェル規格の上限を超えるダスト放散速度(Vd)となってしまう。
しかし、ブルーエンジェル規格を満足する為には、ダスト放散速度(Vd)を小さくする為に一般的にこれまでの静電荷像現像用トナーに比べてトナーの粉塵放散量(Dt)が低めの設計とする必要がある。
一般的には、離形力が減衰した分、結着樹脂の分子量を上げる事により定着器で加熱され際の静電荷像現像用トナーの粘度や貯蔵弾性率を上げる設計とするが、高速機になると十分に熱が伝わる時間が短く結着樹脂が溶融しづらくなる事により、静電荷像現像用トナーの形状が媒体上でそのまま残る為、乱反射により光沢(グロス)が失われてしまうという欠点があった。つまり離形性能を補う為に樹脂の絡み合いを上げるとグロスが低下してしまうというジレンマがあった。
着量が多くなるグラフィックユース時の耐ホットオフセット性を向上させた静電荷像現像用トナーにおいて、保存性を維持したまま通常(低付着量)高速印刷時の低温定着性を改善させ、更には熱を長い時間熱を与えられる事により厳しくなる低速印字時の耐ホットオフセット性を維持したまま、熱を受ける時間が短くなる事により厳しくなる高速印字時のグロスを向上させた、グラフィックユースから通常印刷時まで更には低速から高速印字までの幅広い用途に適合する静電荷像現像用トナーを提供することである。
観測されるtanδ(位相差)のプラトー領域の平均値をある特定の狭い範囲に収めたトナ
ーとすることで本課題を解決できる事を新たに見出し、本発明を完成するに至った。
[1] 結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷像現像用トナーを用いて画像形成する画像形成方法において、
該トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(1)を満たし、
60≦Dt≦195,449/Vp−1,040 (1)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする画像形成方法。
[上記式(1)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、177以下とする。]
[2] 前記トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(2)を満たし、
60≦Dt≦117,262/Vp−1,039 (2)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする前記[1]に記載の画像形成方法。
[上記式(2)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、106以下とする。]
[3] 前記トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(3)を満たし、
60≦Dt≦71,653/Vp−1,039 (3)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の画像形成方法。
[上記式(3)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、65以下とする。]
[4] 前記トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(4)を満たし、
60≦Dt≦52,104/Vp−1,039 (4)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする前記[1]から[3]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[上記式(4)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、47以下とする。]
[5] DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを66.5℃以上69.6℃以下に有することを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[6] 140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.82以上2.13以下であることを特徴とする前記[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[7] 動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度が73.5℃以上80.5℃以下であることを特徴とする前記[1]乃至[6]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[8] 動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度が74.8℃以上79.2℃以下であることを特徴とする前記[7]に記載の画像形成方法。
[9] 前記Vpの値が20以上であることを特徴とする前記[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[10] 前記Vpの値が30以上であることを特徴とする前記[9]に記載の画像形成方法。
[12] 前記静電荷像現像用トナーが下記(a)から(c)の要件を満たすことを特徴とする前記[1]乃至[11]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(a)前記静電荷像現像用トナーが少なくともワックス成分Xとワックス成分Yの2種類のワックスを含有する。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。(c)前記ワックス成分Xの含有量が前記ワックス成分Yの含有量よりも多い。
[13] 前記ワックス成分Yの全ワックス成分中における割合が0.1質量%以上10質量%未満であることを特徴とする前記[12]に記載の画像形成方法
[14] 前記静電荷像現像用トナーが下記(a)、(b)及び(d)の要件を満たすことを特徴とする前記[1]乃至[13]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(a)前記静電荷像現像用トナーが少なくともワックス成分Xとワックス成分Yの2種類のワックスを含有する。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。(d)前記ワックス成分Xの粉塵放散量が50,000CPM以下であり、かつ前記ワックス成分Yの粉塵放散量が100,000CPM以上である。
[15] 前記静電荷像現像用トナーがワックス成分Xよりもワックス成分Yの存在比率が高い領域を有し、且つ該領域が前記静電荷像現像用トナーの中心側よりも外郭側に多いことを特徴とする前記[12]乃至[14]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[16] 前記静電荷像現像用トナーがシェルコア構造を有し、該シェルコア構造のシェル材に含まれる前記ワックスが実質的に前記ワックス成分Yのみを含有し、前記シェルコア構造のコア材に含まれる前記ワックスが実質的に前記ワックス成分Xのみを含有することを特徴とする前記[12]乃至[15]のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「現像用トナー」又は「トナー」と略記する場合がある。)を製造する方法は特に限定されるものではなく、湿式法トナーや粉砕法トナーの製造方法において、以下に説明する構成を採用すればよい。
まず、本発明の前提であるトナーの粉塵放散量(Dt)及びトナーの製造の際にトナーの粉塵放散量(Dt)を制御する方法について詳述する。
(1−1.トナーの粉塵放散量(Dt)について)
本発明は、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷像現像用トナーであって、前記静電荷像現像用トナー中に含有された状態におけるワックスの融点が55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在するし、かつ、前記静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(1)を満たすことを前提とする静電荷像現像用トナーである。
[上記式中、Dtは前記トナーを静的環境下で加熱した際に発生する粉塵放散量(CPM(1分間の計測値:Counter Per Minute))を表し、Vpは画像形成装置におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、177以下とする。]
ここで、トナーの粉塵とはトナーが加熱された際にトナーから遊離して発せられる物質を意味し、トナーの粉塵放散量(Dt)は静電荷像現像用トナーをダスト測定装置(SIBATA社製デジタル粉塵計LD−3K2)により後述する実施例に記載の方法で測定した値である。
Vpを規格化するためのA4横換算での印刷速度(枚/分)とは、用紙サイズがA4判である紙の短軸方向に印刷した場合に、本発明の静電荷像現像用トナーを搭載する画像形成装置が1分当たりに印刷可能な枚数を表す。なお、A4判とは297mm×210mmなので、A4横とは210mmである。
ックスはいくら昇華エネルギーが低くてもトナーが定着器で溶融された際にトナー内からの拡散速度が遅くなり、結果的にトナー表面に移行しないが故に、十分な離形性能を付与する事ができないからである。
ワックス自体の融点は55℃以上90℃以下である。なお、静電荷像現像用トナー中に含有された状態におけるワックスの融点は、後述する実施例に記載の方法;熱分析装置(DSC)を用い、トナー中の樹脂のガラス転移点に伴うエンタルピー緩和に由来するピーク(熱履歴)を消失させた状態で測定される値である。
例えば、後述する参考例において、高付着量HOS性を満足するトナーDtの下限値は
、参考例2に示す112である。更に高付着量HOS性を満足できなかったDtは参考例4に示す21である。この両者の中間の値は、(112+21)/2=66.5となる。
本発明において、トナーの粉塵放散量(Dt)は、例えば日本国特開2010−2338号公報に開示されている粉塵検出測定装置を使用し、粉塵検出測定装置を使用して放散された粉塵量をダスト測定装置(SIBATA社製デジタル粉塵計LD−3K2)を使用して測定することができる。
図4は、静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)と画像形成装置から発生するダスト放散速度(Vd)との関係を示すグラフである。横軸にトナーを静的環境下で加熱した際に発生する粉塵放散量(Dt)を示し、縦軸に画像形成装置で連続印刷した際に、1時
間当たりに発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)を示す。図中の右上がりの実線は1分当たりA4横換算で36枚(Vp=36)の印刷速度で連続印刷した4点(実施例1及び参考例1乃至3)の実測値を、最小二乗法を用い一次線形直線で結んだものである。この一次線形式は、Vd=5.53×10−4×Dt+0.574であり、その相関係数の二乗は0.999となる。そのため、画像形成装置から発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)は、トナーの粉塵放散量(Dt)に一次線形比例している事が解かる。ここでダスト量(ダスト放散速度:Vd)は、ブルーエンジェルマーク認定の測定法(RAL
UZ122 2006)に従って捕集した粉塵を、後述する実施例の方法によって測定する。
例えば1分間に1枚印刷される装置と2枚印刷される装置では、後者の方が2倍のトナーを消費するので、画像形成装置から発生する粉塵量も2倍となるという事を意味する。すなわち、印刷速度36枚/分で連続印刷した静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)と、この静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置から発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)との実測値から、印刷速度が増減した際の画像形成装置から発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)を比例計算し、その計算値を最小二乗法により一次線形で結んだものが、図4における点線となる。
点線は、実測した結果から、印刷速度の増減に伴う画像形成装置から発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)を比例計算し、各印刷速度(Vp)におけるトナー粉塵放散量(Dt)と画像形成装置から発生するダスト放散速度(Vp)の関係を表したものである。
図5は、各印刷速度(Vp)を横軸に、トナー粉塵放散量上限(DtL)を縦軸に示した。図5に示すように、印刷速度が速くなると単位時間当たりに消費される静電荷像現像用トナーも多くなるので、粉塵放散量を特定値(例えば規制値)以下にするためには、単位質量当たりの静電荷像現像用トナーから放散される粉塵量の上限も少なく設定しなければならない事が明確に解かる。
60≦Dt≦117,262/Vp−1,039 (2)
式(2)は、画像形成装置から1時間当たりに発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)を好適な特定値である1.8以下にする為の要件であり、式(1)を決定する方法と同様に、実施例に示すような静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)及びダストの放散速度(Vd)の実測値から必然的に求められる関数である。
具体的には、図4において、Vd=1.8の水平線と、トナー粉塵放散量(Dt)と画像形成装置から発生するダスト放散速度(Vd)の関係を最小二乗法を用いて一次線形で結んだ点線との交点座標の横軸値は、ダスト放散速度(Vd)を1.8以下の特定値にした場合のトナー粉塵放散量上限(DtL)を示す。そして、図5に示すように横軸の各印刷速度(Vp)の値と、縦軸の各トナー粉塵放散量上限(DtL)の値とを△(三角形)ドットで示し、この△ドットで示す印刷速度(Vp)とトナー粉塵放散量上限(DtL)を最小二乗法により逆比例する形で式を与えると、トナー粉塵放散量上限DtL=117,262/(Vp−1,039)という式が成立する。これが、式(2)の右辺に対応する各印刷速度(Vp)におけるトナー粉塵放散量上限(DtL)の関係となる。
60≦Dt≦71,653/Vp−1,039 (3)
式(3)は、画像形成装置から1時間当たりに発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)を好適な特定値である1.1以下にする為の要件であり、式(1)を決定する方法と同様に、実施例に示すような静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)及びダストの放散速度(Vd)の実測値から必然的に求められる関数である。
具体的には、図4において、Vd=1.1の水平線と、トナー粉塵放散量(Dt)と画像形成装置から発生するダスト放散速度(Vd)の関係を最小二乗法を用いて一次線形で結んだ点線との交点座標の横軸値は、ダスト放散速度(Vd)を1.1以下の特定値にした場合のトナー粉塵放散量上限(DtL)を示す。そして、図5に示すように横軸の各印刷速度(Vp)の値と、縦軸の各トナー粉塵放散量上限(DtL)の値とを□(四角形)ドットで示し、この□ドットで示す印刷速度(Vp)とトナー粉塵放散量上限(DtL)を最小二乗法により逆比例する形で式を与えると、トナー粉塵放散量上限DtL=71,653/Vp−1,039という式が成立する。これが、式(3)の右辺に対応する各印
刷速度(Vp)におけるトナー粉塵放散量上限(DtL)の関係となる。
60≦Dt≦52,104/Vp−1,039 (4)
式(4)は、画像形成装置から1時間当たりに発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)を好適な特定値である0.8以下にする為の要件であり、式(1)を決定する方法と同様に、実施例に示すような静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)及びダストの放散速度(Vd)の実測値から必然的に求められる関数である。具体的には、図4において、Vd=0.8の水平線と、トナー粉塵放散量(Dt)と画像形成装置から発生するダスト放散速度(Vd)の関係を最小二乗法を用いて一次線形で結んだ点線との交点座標の横軸値は、ダスト放散速度(Vd)を0.8以下の特定値にした場合のトナー粉塵放散量上限(DtL)を示す。そして、図5に示すように横軸の各印刷速度(Vp)の値と、縦軸の各トナー粉塵放散量上限(DtL)の値とを◇(菱形)ドットで示し、この◇ドットで示す印刷速度(Vp)を最小二乗法により逆比例する形で式を与えると、トナー粉塵放散量上限DtL=52,104/Vp−1,039という式が成立する。これが、式(4)の右辺に対応する各印刷速度(Vp)におけるトナー粉塵放散量上限(DtL)の関係となる。
(1−2.トナーの粉塵放散量(Dt)を上記式(1)乃至(4)とする制御方法)
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量Dtが上記式(1)の範囲を満たすためには、ワックス、結着樹脂、着色剤、外添剤、その他物質の選択と添加量を調整すればよい。特に、粉塵の主体要因はワックスである事から、ワックスの昇華エネルギーにおいて適切な物質を選択し、その添加量を調整する事により静電荷像現像用トナーの粉塵放散量Dtを上記式(1)の範囲になる様に調整することができる。
また、粉塵放散量Dtが式(3)の範囲を満たすためには、式(2)で選択したワックスよりも粉塵発生量の少ないワックを選択するか、またはワックスの添加量を減らすことが好ましい。
また、式(1)のみを満たす静電荷像現像用トナーに比べて、式(2)を満たす静電荷像現像用トナーは、より画像形成装置が高速機(単位時間当たりに印字するスピードが速い)でダスト放散速度を低減できる点からより好ましいと言える。同様に、式(1)および(2)のみを満たす静電荷像現像用トナーよりも式(3)を満たす静電荷像現像用トナーが、式(1)〜(3)を満たす静電荷像現像用トナーよりも式(4)を満たす静電荷像現像用トナーが、それぞれより画像形成装置が高速機(単位時間当たりに印字するスピードが速い)でダスト放散速度を低減できる点からより好ましいと言える。
(I)結着樹脂、着色剤及び前記静電荷像現像用トナー中に含有された状態における融点が55℃以上90℃以下に少なくとも一点存在するワックスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記(a)から(c)を満足するようにする。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。
(c)前記ワックス成分Xの含有量が前記ワックス成分Yの含有量よりも多い。
(II)結着樹脂、着色剤及び前記静電荷像現像用トナー中に含有された状態における融点が55℃以上90℃以下に少なくとも一点存在するワックスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、下記(a)、(b)及び(e)を満足するようにする。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。
(e)前記ワックス成分Xと前記ワックス成分Yのワックス粉塵放散量と含有量のバランスを調整する。
ワックス成分Xのワックス粉塵放散量をDwXとし、ワックス成分Yのワックス粉塵放散量をDwYとし、それぞれの静電荷像現像用トナー中の濃度をCwX、CwYとした場合に、以下の式を考える。
上記式(5)において、DwAllはワックス起因粉塵放散量を表し、計算で導出される値であるが、トナー中に含まれるワックス成分がすべて放散したとしたらどの程度の放散量となるかを表す値である。すなわち、ワックス単体を放散させた際の放散量と、該放散量のワックスのトナー中の含有量の積となる。ワックスとしてワックス成分Xとワックス成分Yのように、複数のワックスをトナー中に存在させる場合には、それらの積の和がDwAllとなる。
また、ワックスの静電荷像現像用トナー中の濃度は、その配合処方より計算することができる。
実施例1〜5、比較例1〜4及び参考例1〜4についての詳細は後述するが、各々のDwAll(CPM)の値を横軸にとり、縦軸にDt(静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量)を取ったものを図1に示す。
Dt=3.36×10−5×DwAll 2−8.59×10−2×DwAll
(R2=1.00) (6)
上記相関係数の2乗が1.00であることより、トナーから発生する粉塵量DtはDwAll、すなわちトナー中に存在させるワックスの粉塵放散量とトナー中に存在させるワックス含有量でほぼ決定されることが分かる。
さらに、図4と同様に、本発明におけるダスト放散速度Vdの臨界点であるVdが3.0、1.8、1.1及び0.8の値に水平線を引くと、該水平線と一次線形線との交点のX座標の値が、それぞれの画像形成装置の印刷速度に応じたワックス起因粉塵放散量DwAllの最大値となる。
図3は図5と同様にDwAllがVpに反比例する関数の形となり、相関係数の二乗も1.00であったことから、非常によい相関を示しているといえる。
以上より、電荷像現像用トナーの粉塵放散量Dtが上記式(1)の範囲を満たすための定性的な方向性を以下に示す。
(A)ワックスの粉塵放散量が多いと、耐ホットオフセット性(HOS)は良くなる一方で、画像形成装置からの粉塵発生速度Vdが増える。
(B)ワックス含有量が多いと、HOSは良くなる一方で、画像形成装置からの粉塵発生速度Vdが増える。
(C)ワックスの粉塵放散量が少なすぎると、HOSは悪くなるが、画像形成装置からの粉塵発生速度Vdは減少する。
(D)ワックス含有量が少なすぎると、HOSは悪くなるが、画像形成装置からの粉塵発生速度Vdは減少する。
(E)プリント速度Vpが遅いと、単位時間当たりに発生するダスト量が減り、Vdが減る。
(F)プリント速度Vpが速いと、単位時間当たりに発生するダスト量が増え、Vdが増える。
(G)Vdのしきい値を下げると、ワックスの粉塵放散量が多いものは選択しづらくなり、さらにワックスのトナー中濃度も上げにくくなるため、プリント速度も上げにくい。
次に、任意のワックスを選定した際のワックス含有量の最大許容値について述べる。 まずは、画像形成装置における印刷速度Vpを任意の値で設定する。これは画像形成装置の設計要件であり、その印刷速度における画像形成装置からの粉塵発生速度Vdが3.0以下に抑えることが必要である。
続いて、使用したいワックスの粉塵放散量(Dw)を実施例記載の方法にて測定する。
以上より、任意のVpを設定した際の粉塵発生速度(Vd)3.0mg/hr以下を達成する為に許されるワックスのトナー中に占める最大許容濃度(最大許容ワックス量)を導き出す事ができる。
(a−1)Vpを任意の値で設定する。
(a−2)図3のDwAll=3.70×104/Vp+1.61×103の数式に上記(a−1)で設定したVpを代入して、DwAllを求める。
(a−3)使用したいワックスの粉塵放散量(Dw)を実施例記載の方法にて測定する。(a−4)Cw=DwAll/Dwの関係式に、上記(a−2)で求めたDwAllと上記(a−3)で測定したDwを代入して、Cwを求める。
先述したように、ワックスからの粉塵放散量が少なすぎる場合にはHOSが悪くなる。そこで、本発明に係るトナーでは、ワックスについて、最大許容ワックス濃度のみでなく、最小ワックス含有量も規定する。
図1より、DtとDwAllには上記式(6)の関係がある。式(6)におけるDtに60を代入することにより、DwAllは一義に定まる。
上記導出方法を簡略化すると、次の手順により最小許容ワックスを求めることができる。
(b−1)式(6)のDtに101を代入し、DwAllを求める。(DwAll=3,272となる。)
(b−2)使用したワックスの粉塵放散量Dwを実施例記載の方法にて測定する。
(b−3)Cw=DwAll/Dwの関係式に上記(b−1)で求めたDwAllと上記(b−2)で求めたDwの値を代入してCwを求める。
同様に、粉塵放散量Dtが式(2)〜(4)のいずれかの範囲を満たす静電荷像現像用トナーは、前記方法(I)においては、シェルコア構造を有する静電荷像現像用トナーとし、シェル材にワックス成分Yを含有させ、コア材にワックス成分Xを含有させることにより得られる。
及びトナー中の含有量は上述した関係をそれぞれ満たすことが必要となる。
本発明の現像用トナーは、実施例の<静電荷現像用トナー中に含まれた状態におけるワックス融点の測定方法と定義>に記載の方法で測定することにより、トナー中に含有された状態におけるワックスの融点が求めることができる。本発明の現像用トナーは、トナー中に含有された状態におけるワックスの融点が55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在するトナーであることが前提となる。
さらに本発明の現像用トナーは、単位時間当たりに多くの静電荷像現像用トナーを消費する高速機や、グラフィックユースにおける静電荷像現像用トナーの紙への付着量が多くなる場合においても、定着時に発生するダストを抑制しつつ、グラフィックスユースなどのトナー付着量が多い場合の耐ホットオフセット性も向上させる事ができることから、高速印刷時に好適に用いられる。中でも印刷速度(Vp)が20(枚/分)以上、より好ましくは印刷速度(Vp)が30(枚/分)以上の高速機において、前記効果を特に発揮することから、好適に用いられる。
本発明の現像用トナーは、DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを、65.6℃以上70.8℃以下に有することを必須とする。本発明は、該減衰するピークまたはショルダーを、66.5℃以上に有することが好ましく、66.9℃以上に有することが更に好ましく、67.5℃以上に有することが特に好ましい。一方、本発明は、該減衰するピークまたはショルダーを、69.6℃以下に有することが好ましく、69.4℃以下に有することが更に好ましく、69.2℃以下に有することが特に好ましい。該減衰するピークまたはショルダーを、65.6℃より低い範囲で有すると現像用トナーの保存性が悪くなる場合があり、一方、該減衰するピークまたはショルダーを、70.8℃より高い範囲で有すると低温定着性が悪化し、実用的でなくなる場合がある。
上述したような、トナーの加熱時に結着樹脂のエンタルピー緩和あるいは一部分が結晶化している事などに由来する吸熱ピークまたはショルダー温度をある特定の非常に狭い範囲に有する本発明の現像用トナーは、以下(III−1)〜(III−4)に記載の方法によって得られる。
などに由来する吸熱ピークまたはショルダー温度を上げる事ができ、このスチレン−アクリル酸アルキル共重合体の比率を調整する事で、DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有するように制御する事ができる。
また多価アルコールと多塩基酸とを縮合重合させる事により得られるポリエステル樹脂においては、2価のアルコールとして、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、その他を挙げることができ、多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類若しくはアルキルコハク酸類、その他の2価の有機酸を挙げることができ、縮合反応中の減圧度や温度を下げれば脱水反応が抑制されDSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダー温度が下がる。この様にしてDSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダー温度を制御する事ができる。
結晶性樹脂成分としてとしては、長鎖アルキル基をもつ、ステアリルアクリレートやベ
ヘニルアクリレート等のアクリル酸誘導体やステアリルメタクリレートやベヘニルメタクリレートなどのメタクリル酸誘導体等やポリエステル系の結晶性樹脂であれば、多価アルコールとして脂肪族炭化水素を含んだものが好ましく、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1 , 4 -ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1 ,
5 -ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1 , 6 -ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1 , 7 -ヘプタンジオール、1 , 8 -オクタンジオール、1 , 9 -ノナンジオール、1 , 1 0 -デカンジオール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを使用する事により得られたポリエステル系結晶性樹脂を5〜30質量%含有させる事により、DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダー温度が下がる。この様にしてDSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダー温度を制御する事ができる。
相溶性の高いワックス成分とは、結着樹脂成分とソリュビリティーパラーメーターの近いワックスを選定するか、異なるソリュビリティーパラーメーターでも低分子量のものを選択するなどしてDSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダー温度を制御する事ができる。ソリュビリティーパラーメーターは、昇華性の総和値からも計算されているように、ワックス起因粉塵放散量、ひいてはトナー粉塵放散量と密接な係わり合いがある。つまり昇華性を低くする方向性は極性基を有するか炭化水素であれば分子量が高い場合であるため、ソリュビリティーパラーメーター値の大きなものは昇華性が低くなる。例えば同一分子量の炭化水素系ワックスとエステル系ワックスとでは、エステル部分の極性が高いためソリュビリティーパラーメーターは多きくなり昇華性は低くなる。エステル系ワックスは炭化水素系ワックスに比し、一般的に静電荷現像用トナーの結着樹脂成分として用いられるスチレンアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂への相溶性は大きくなり、DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダー温度は低下する方向性となる。
本発明の現像用トナーは、140℃における動的粘弾性測定において、角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを必須とする。本発明においては、該tanδの平均値が、1.82以上であることが好ましく、1.8
6以上であることが更に好ましく、1.94以上であることが特に好ましい。一方、該tanδの平均値は、2.13以下であることが好ましく、2.12以下であることがより好
ましく、2.11以下であることが特に好ましい。該tanδの平均値が、1.62より低
いとグロスが悪化し実用的でなくなる場合があり、一方、該tanδの平均値が、2.20
より高いと対ホットオフセット性が悪化し、ホットオフセットが発生し易くなる場合がある。
測されるtanδ(位相差)のプラトー領域の平均値をある特定の狭い範囲に有する本発明
の現像用トナーは、以下(IV−1)〜(IV−2)に記載の方法によって得られる。
(IV−1)本発明のトナーを構成する結着樹脂に用いられるモノマーの一次分子鎖長に応じて、結着樹脂を重合して得る際に架橋成分量を調整する。
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有する重合性モノマー、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等の添加量を増量する事で、20rad/sec以上の高周波数領域でのみ観測
されるtanδ値を下げる事ができ、多価アルコールと多塩基酸とを縮合重合させる事によ
り得られるポリエステル樹脂においては、3価以上の多塩基酸として、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物の添加量を増量する事で、20rad/sec以上の高周波数領域でのみ観測されるtanδ値を下げる事ができる。これら架橋剤の添加量を調整する事で架橋成分量を調整し、20rad/sec以上の高周波数領域で
のみ観測されるtanδ値を制御する事ができる。
不飽和二重結合を有するモノマーをラジカル重合する場合には、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタンなどの連鎖移動剤を下げる事により、一次分子鎖長を長くでき、同一架橋剤量でも架橋成分を増やすことができるため、tanδ値を下げる事ができる。ポリエステ
ル系樹脂であれば縮合反応過程において一価のアルコール成分量を減らしたり、減圧度や温度を下げる事によりtanδ値を下げる事ができる。このように一次分子鎖長を調整する
事によりtanδ値を制御する事ができる。
本発明の現像用トナーは、本発明の効果を著しく損なわない限り、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度に限定はないが、トナーの保存性と低温定着性の観点から、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度は、通常、73.5℃以上であり、好ましくは、74.8℃以上であり、更に好ましくは75.2℃以上であり、特に好ましくは75.9℃以上であり、一方、通常、80.5℃以下であり、好ましくは79.2℃以下であり、更に好ましくは78.9℃以下であり、特に好ましくは78.4℃以下である。動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度が、73.5℃より低いとトナーの保存性が悪化し実用的でなくなる場合があり、一方、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度が、80.5℃より高いと低温定着性が悪化し実用的でなくなる場合がある。
上記の動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を満たすトナーは以下の様にして得ることができる。
(V−1)本発明のトナーを構成する結着樹脂として、共重合体樹脂を採用し、モノマーとしてTgの異なるモノマーを用い、さらに、そのTgの異なるモノマーの共重合組成比率をTgの異なるモノマー量を調整する。
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用いることも、いくつかを併用することもできる。その際、例えば、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体の場合、アクリル酸アルキルに比しスチレン成分を増やせば動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を上げる事ができ、このスチレン−アクリル酸アルキル共重合体の比率を調整する事で、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を制御する事ができる。
臨界分子量(Mc)とは、絡み合い転換分子量(Me)の2倍の分子量に相当し、絡み合い転換分子量とは、モノマーに固有の値であって分子鎖が絡みあっている点間の分子量である。更に分子鎖が絡みあい折り返して他の分子に絡み合い始めて高分子的振る舞いをみせる。この絡み合い転換分子量(Me)の2倍の分子量に相当するのが、臨界分子量(Mc)である。臨界分子量以上の高分子鎖は、モノマーに応じ固有のTgを有するが、臨界分子量以下の低分子鎖はその分子鎖長に応じTgが低くなる。つまり、モノマーをポリマーにコンバートする際に添加する連鎖移動剤の量を増量し、臨界分子量以下の成分を増やすことにより動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を下げることができる。この様にして前記の結着樹脂に応じた、連鎖移動剤を選択しその量を調整する事で、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を制御する事ができる。不飽和二重結合を有するモノマーをラジカル重合する場合には、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタンなどの連鎖移動剤を選択する事ができる。
結晶性樹脂成分としてとしては、長鎖アルキル基をもつ、ステアリルアクリレートやベヘニルアクリレート等のアクリル酸誘導体やステアリルメタクリレートやベヘニルメタクリレートなどのメタクリル酸誘導体等やポリエステル系の結晶性樹脂であれば、多価アルコールとして脂肪族炭化水素を含んだものが好ましく、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1 , 4 -ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1 ,
5 -ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1 , 6 -ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1 , 7 -ヘプタンジオール、1 , 8 -オクタンジオール、1 , 9 -ノナンジオール、1 , 1 0 -デカンジオール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを使用する事により得られたポリエステル系結晶性樹脂を5〜30質量%含有させる事により、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を下げることができる。動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を制御する事ができる。
相溶性の高いワックス成分とは、結着樹脂成分とソリュビリティーパラーメーターの近いワックスを選定するか、異なるソリュビリティーパラーメーターでも低分子量のものを選択するなどして動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を制御する事ができる。ソリュビリティーパラーメーターは、昇華性の総和値からも計算されているように、ワックス起因粉塵放散量、ひいてはトナー粉塵放散量と密接な係わり合いがある。つまり昇華性を低くする方向性は極性基を有するか炭化水素であれば分子量が高い場合であるため、ソリュビリティーパラーメーター値の大きなものは昇華性が低くなる。例えば同一分子量の炭化水素系ワックスとエステル系ワックスとでは、エステル部分の極性が高いためソリュビリティーパラーメーターは多きくなり昇華性は低くなる。エステル系ワックスは炭化水素系ワックスに比し、一般的に静電荷現像用トナーの結着樹脂成分として用いられるスチレンアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂への相溶性は大きくなり、動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を下げる事ができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤及び静電荷現像用トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、かつ静電荷現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(1)を満たす静電荷像現像用トナーにおいて、
60≦Dt≦195,449/Vp−1,040 (1)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、140℃における動的粘弾性測定において、角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であればよい。また、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、更に動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度を73.5℃以上80.5℃以下にすることが好ましい。本発明の現像用トナーを得る手段の例としては前述した(III−1)〜(III−4)、(IV−1〜IV−2)及び(V−1)〜(V−4)に記載の通りである。
本発明のトナーを構成する結着樹脂としては、トナーに用い得ることが知られているものの中から適宜選択して用いればよい。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−アクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は単
独で用いることも、いくつかを併用することもできる。
このうち、黒色顔料としてカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体として存在し、顔料分散体として分散させたときに、再凝集による粒子の粗大化が発生しやすい。カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不純物量(未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散後の再凝集による粗大化が激しい傾向を示す。
まずカーボンブラック3gをトルエン30mlに充分に分散、混合させ、続いてこの混合液をNo.5C濾紙を使用して濾過する。その後、濾液を吸光部が1cm角の石英セルに入れて市販の紫外線分光光度計により、波長336nmの吸光度(λs)を測定する。そして同じ方法でリファレンスとしてトルエンのみの吸光度(λo)を測定し、紫外線吸光度λc=λs−λoにより求めることができる。市販の分光光度計としては、例えば島津製作所製紫外可視分光光度計(UV−3100PC)等を用いることができる。
マゼンタ顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキウ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。
<6.湿式法トナー>
湿式法トナーについて説明する。
中で不飽和二重結合を有するモノマーをラジカル重合または水系媒体中でポリエステル樹脂の様に縮合重合を行う方法や、乳化凝集法(ポリエステル樹脂等を高圧条件及びまたは溶剤存在下で水中に微粒子化しトナーサイズ以下であるサブミクロンサイズの大きさとし、その後その微粒子をトナーサイズであるミクロンサイズまで凝集させる方法)、化学粉砕法が好適に利用されている。以下、「重合法」と略記し、得られたトナーを「重合法トナー」と略記する。)例えば、従来の重合法トナーの製造工程において、懸濁重合法の場合は、重合性モノマー滴を生成する工程で高いせん断力を与えたり、分散安定剤等を増量させたりする方法等が挙げられる。
以下、重合トナーの製造方法の中でも、本発明において特に好ましい製法の一例である水系媒体中で不飽和二重結合を有するモノマーをラジカル重合を行う乳化重合凝集法により製造されるトナーについて更に詳細に説明する。
皮酸等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等が挙げられる。
「塩基性モノマー」としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
粒子を構成するバインダー樹脂として架橋樹脂を用いる場合は、樹脂を構成する全重合性モノマー中に占める多官能性モノマーの配合率は、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上で、更に好ましくは0.3質量%以上であり、上限は好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;レドックス系開始剤等が用いられる。それらは1種または2種以上が、通常、重合性単量体100質量部に対して0.1〜3質量部程度の量で用いられる。中でも、開始剤としては少なくとも一部あるいは全部が過酸化水素あるいは有機過酸化物類であるのが好ましい。
前記重合開始剤及び懸濁安定剤は、何れも、重合性モノマー添加前、添加と同時、添加後の何れの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
。
乳化重合により得られた重合体一次粒子の体積平均径(Mv)は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であることが望ましい。重合体一次粒子の体積平均径(Mv)が前記範囲内であると、比較的容易に凝集速度を制御することができ、目的とする粒径のトナーを得ることができる
重合体一次粒子を構成するバインダー樹脂のDSC法によるガラス転移温度(Tg)は、好ましくは40〜80℃である。ここで、バインダー樹脂のTgが他の成分に基づく熱量変化、例えばポリラクトンやワックスの融解ピークと重なるために明確に判断できない場合には、このような他の成分を除いた状態でトナーを作製した際のTgを意味するものとする。
着色剤としては、通常用いられる着色剤であればよく、特に限定はされない。例えば、前述した顔料、ファーネスブラックやランプブラック等のカーボンブラック、磁性着色剤等が挙げられる。前記着色剤の含有割合は、得られるトナーが現像により可視像を形成するのに十分な量であればよく、例えば、トナー中に1〜25質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは1〜15質量部、特に好ましくは3〜12質量部である。
(a)前記現像用トナーは少なくともワックス成分Xとワックス成分Yの2種類のワックスを含有する。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。(c)前記ワックス成分Xの含有量が前記ワックス成分Yの含有量よりも多い。
中でも、ワックス成分Xの含有量がワックス成分Yの含有量よりも多いことが好ましい。
また、ワックス成分Yの全ワックス成分中における割合が0.1質量%以上10質量%未満であることが好ましい。
(f)前記静電荷像現像用トナーがワックス成分Xよりもワックス成分Yの存在比率が高い領域を有し、且つ該領域が前記静電荷像現像用トナーの中心側よりも外郭側に多い。
すなわち、現像用トナーの中心側に粉塵放散量の小さいワックスを用い、トナーの外郭側に粉塵放散量の大きいワックスを用いた時の方が、双方のワックスをトナー内に略均一に分散させた場合よりも、耐ホットオフセット性がさらに良化する。
本明細書において、トナー母粒子がコアシェル構造をとる場合には、トナーの外郭側とはシェル層のことを表し、トナーの中心側とはコア層のことを表す。しかしながら、実際にはシェル部分とコア部分を明確に分けることができずに、ひとつのトナー母粒子中に複数のシェル部分とコア部分がランダムに存在することがある。そのような場合の前記(f)「前記現像用トナーはワックス成分Xよりもワックス成分Yの存在比率が高い領域を有し、且つ該領域が前記静電荷像現像用トナーの中心側よりも外郭側に多い」状態とは次のように定義する。
前記(f)の状態を表す具体的な例を図10に示す。
図10において、白部分がコア成分、白点線がコア成分の周囲を表し、グレー部分がシェル成分、黒実線がシェル成分の周囲を表す。なお、(f)の状態とは、これらに限定されるものではない。
その方法としては、例えば以下に記載する方法が挙げられる。
2.シェル成分をコア成分よりも後に添加する。
3.水を含む溶媒中でトナーを製造する場合には、シェル成分の方がコア成分に比べて極性の高い成分を用いる。
上記3.において極性の高い成分とは、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミノ基又はアルコキシ基等を含む成分が挙げられる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーの中心側に粉塵放散量の小さいワックスの存在比率が高いコアと、トナーの外郭側に粉塵放散量の大きいワックスの存在比率が高いシェルを有する、シェルコア構造を形成していることが好ましい。本発明において、シェルコア構造を形成する場合の中でも、該シェルコア構造のシェル材に含まれる前記ワックスが実質的にワックス成分Yのみを含有し、該シェルコア構造のコア材に含まれる前記ワックスが実質的にワックス成分Xのみを含有することが更に好ましい。なお、シェルコア構造を形成していない場合であっても、トナー外郭側がトナー中心側よりも、粉塵放散量の大きいワックスの存在比率が高い領域を有していればよい。
また、ワックス成分Xの粉塵放散量(Dw)が50,000CPM以下であり、かつワックス成分Yの粉塵放散量(Dw)が100,000CPM以上であることが好ましい。これは、トナーの中心側に存在させるワックス成分Xの粉塵放散量(Dw)を50,000CPM以下にする事で、画像形成装置から1時間当たり発生するダスト量(ダスト放散速度:Vd)をより低い値に制御する事ができ、さらにトナーの外郭側に存在させるワックス成分Yの粉塵放散量(Dw)を100,000CPM以上にする事でより高い耐ホットオフセット性を獲得できるからである。
具体的には、粉塵放散量が小さいワックス成分Xとしては炭化水素系ワックス、エステル系ワックスが挙げられ、中でも放散量抑制の点から昇華エネルギーの大きいマイクロクリスタリンワックスやエステル系ワックスが好ましく用いられる。
さらに本発明の現像用トナーはシェルコア構造を有し、ワックスを内包する体積平均径(Mv)が50nm以上500nm以下の重合体一次粒子を、シェル材の少なくとも一つとして用いる事が好ましい。
その達成手段として、前記の様な体積平均径(Mv)を有するワックスを樹脂成分で、乳化重合法、ミニエマルジョン法、またはコアセルベーション法等を用いて内包した重合体一次粒子をシェル材の一つとして用いる事が好ましい。例えば、乳化重合法でシェル材とする重合体一次粒子を得る場合は、上記乳化重合凝集法でトナーを製造する過程で得られる重合体一次粒子と同様にすることで得られる。
ワックス自体の融点は55℃以上90℃以下である。なお、静電荷像現像用トナー中に含有された状態におけるワックスの融点は、後述する実施例に記載の方法;熱分析装置(DSC)を用い、トナー中の樹脂のガラス転移点に伴うエンタルピー緩和に由来するピーク(熱履歴)を消失させた状態で測定される値である。
ワックスの使用量は、トナーがシェルコア構造を形成しているものであっても、シェルコア構造を形成することなく、結着樹脂、着色剤及びワックスが略均一に内包されているものであっても特に制限されない。また、先述した範囲内の融点を有するワックスを用いて、本願明細書に記載した式(1)〜(4)のいずれかを満たす粉塵放散量Dt(CPM)となる様に静電荷像現像用トナーを製造すれば、特に限定されるものではない。
いては、なんら限定されるものではない。
また、トナーがワックス成分Xとワックス成分Yの2種類のワックスを含有する場合には、該ワックス成分Xよりもワックス成分Yの粉塵放散量が多いものを選択すれば、先に例示したワックスを任意に用いることができる。
トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させるためには、乳化重合時にワックスをシードとして添加することが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスが内包された重合体一次粒子が得られるので、ワックスがトナー表面に多量に存在することがなく、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。重合体一次粒子中のワックスの存在量は、好ましくは4〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは7〜15質量%となるように計算して用いられる。
乳化重合凝集法における凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時にあるいは逐次に混合するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが、組成の均一性及び粒径の均一性の観点から好ましい。
のうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
また、電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、20〜70℃が好ましく、30〜60℃が更に好ましい。ここで、凝集工程前の温度を制御することも特定範囲の粒径に制御する方法の一つである。凝集工程に加える着色剤の中には、前記電解質の性質も有するものがあり、電解質を加えずとも凝集することがある。そこで、着色剤分散液の混合時に予め、重合体1次粒子分散液の温度を冷やしておくことで、前記凝集を防ぐことができる。この凝集が微粉を発生させ易く、かつ、粒度分布にムラを生じさせる原因となる。本発明では、重合体1次粒子を予め、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜12℃、より更に好ましくは2〜10℃の範囲に冷やしておくのがよい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナー母粒子の粒径を目的とする粒径に到達するためには、前記範囲内の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
シェル材は、ワックスを含有または内包した重合体一次粒子の体積平均径(Mv)が好ましくは50nm以上500nm以下、より好ましくは80nm以上450nm以下、さらに好ましくは100nm以上400nm以下、特に好ましくは150nm以上350nm以下のものを含むことが好ましい。
m以下の重合体一次粒子を含むことも、静電荷像現像用トナーとして好ましい。
乳化重合凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、分散安定剤として乳化剤やpH調整剤を添加して粒子同士の凝集力を低下させ、トナー母粒子の成長を止めた後に、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加えることが好ましい。
熟成工程では、加熱により結着樹脂の粘度を下げ円形化させるが、そのまま加熱するとトナー母粒子径の成長が停止しないため、加熱による粒子径の成長を停止させる目的で、通常、分散安定剤として、乳化剤やpH調整剤を添加したり、攪拌回転数を上げたりしてせん断力をかける事ができる。
熟成工程の温度は、好ましくは一次粒子を構成するバインダー樹脂のTg以上、より好ましくは前記Tgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくは前記Tgより80℃高い温度以下、より好ましくは前記Tgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、一次粒子を構成する重合体のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
また、前記の乳化重合凝集法により得られた粒子の表面に、例えば、スプレードライ法、in−situ法、或いは液中粒子被覆法等の方法によって、更に、重合体を主成分とする外層を、好ましくは0.01〜0.5μmの厚みで形成させることによって、カプセル化されたトナー母粒子とすることもできる。
乳化重合凝集法トナーの帯電性は、正帯電であっても負帯電であってもよく、トナーの帯電性の制御は、帯電制御剤の選択及び含有量、外添剤の選択及び配合量等によって調整することができる。
粉砕法トナーを製造する方法としては、本願記載の粉塵放散量(CPM)であれば、特に限定はされないが、例えば、以下の様な製法等が挙げられる。
粉砕トナーを製造する際に用いる樹脂としては、トナーに用い得ることが知られているものの中から適宜選択して用いればよい。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−アクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が用いられる。これらの樹脂は単独で用いることも、いくつかを併用することもできる。
エチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、その他を挙げることができる。これらのモノマーのうち、特にビスフェノールAアルキレンオキシド付加物を主成分モノマーとして用いるのが好ましく、中でも1分子当たりのアルキレンオキシド平均付加数2〜7の付加物が好ましい。
ーテスターを用いて測定した値と定義される。具体的には、フローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用いて、約1gの試料を予熱時間50℃5分間、昇温速度3℃/分で加熱しながら、面積1cm2のプランジャーにより30kg/cm2の荷重を与え、孔径1mm、長さ10mmのダイから押し出す。これにより、プランジャーストローク−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化点と定義する。また、Tgの測定は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC7又はセイコー電子社DSC120)を用いて、常法に従って測定したものとして定義される。
式(i) Sp=4×Tg−110
式(ii) Sp=4×Tg−170
式(iii) Sp=90
式(iv) Sp=135
前記式(i)〜(iv)に表される直線で囲まれる物性を有したポリエステル樹脂を粉砕トナーに用いた場合、前記粉砕法トナーは、機械的なストレスに対する耐性が極めて大きく、しかも連続使用時等においては発生する摩擦熱によって、トナーが凝集したり固化したりすることも回避でき、長期に渡って適度な帯電性を保持できる。
これらの帯電制御剤のうち、そのトナーに対する帯電賦与能力やカラートナー適応性(
帯電制御剤自体が無色ないし淡色でトナーへの色調障害がないこと)を勘案すると、正帯電性用としてはアミノ基含有ビニル系コポリマー及び/又は四級アンモニウム塩化合物が好ましく、負帯電性用としては、サリチル酸若しくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム、ボロン等との金属塩、金属錯体が好ましい。
が好適に用いられる。
1.樹脂、帯電制御物質、着色剤及び必要に応じて加えられる添加剤をヘンシェルミキサー等で均一に分散する。
2.分散物をニーダー、エクストルーダー、ロールミル等で溶融混練する。
3.混練物をハンマーミル、カッターミル等で粗粉砕した後、ジェットミル、I式ミル等で微粉砕する。
4.微粉砕物を分散式分級機、ジグザグ分級機等で分級する。
5.場合により、分級物中にシリカ等をヘンシェルミキサー等で分散する。
<8.トナー>
静電荷像現像用トナーの体積中位径(以下単に、「Dv50」と略記する場合がある)は、ベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、分散質濃度0.03質量%になるように分散させて測定する。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径(Dv50)と定義する。また、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径(Dn50)と定義する。
更に、DvをDnで除した値(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.25、より好ましくは1.0〜1.20、更に好ましくは1.0〜1.15であり、1.0に近い方が望ましい。静電荷像現像用トナーの粒度分布がシャープなものの方が粒子固体間の帯電性
が均一になる傾向にあるので、高画質及び高速化を達成するための静電荷像現像用トナーのDv/Dnは前記範囲であるのが好ましい。
[測定方法と定義]
<DSC1回目昇温時の61〜73℃に観測されるpeak温度(TT1)の測定方法と定義>
エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社(旧セイコーインスツルメンツ株式会社)製の熱分析装置(DSC220U/SSC5200システム)を使用した。
測定方法としては窒素雰囲気下で実施し、標準パンには酸化アルミを7mg入れ、サンプルパンには静電電荷現像用トナーを10mg入れた。次に10℃から121℃まで10℃/分の速度で昇温し、この1回目の昇温時に61.0以上73.0以下に観測される最も深い吸熱ピークまたはショルダーをTT1(℃)と定義し、表2に結果を記載した。
前記TT1測定と同一の装置を用い、測定方法としては窒素雰囲気下で実施し、標準パンには酸化アルミを7mg入れ、サンプルパンには静電電荷現像用トナーを10mg入れた。次に10℃から121℃まで10℃/分の速度で昇温し、121℃で10分間温度保持した。ついで121℃から10℃まで10℃/分の速度で降温し、10℃で5分間温度保持した。更に10℃から120℃まで10℃/分の速度で昇温した。
も深い吸熱ピークまたはショルダー温度TT1における2回目昇温過程でのHeatFlow(W/g)値をHF2_Pと定義し、表2に記載した。このHF2_P値からベースラインとなるHF2_50℃を引いたものを2回目昇温過程での実質的なHeatFlow(W/g)値とし、HF2_T1として表2に記載した。
HF2_T1は、HF1_T1よりも低い値となり、これは静電電荷現像用トナーのエンタルピー緩和に由来し減衰する為であり、HF2_T1÷HF1_T1の値をRTT1として表2に示した。
前記TT1測定と同一の装置を用い、測定方法としては窒素雰囲気下で実施し、標準パンには酸化アルミを7mg入れ、サンプルパンには静電電荷現像用トナーを10mg入れた。次に10℃から121℃まで10℃/分の速度で昇温し、121℃で10分間温度保持した。ついで121℃から10℃まで10℃/分の速度で降温し、10℃で5分間温度保持した。更に10℃から120℃まで10℃/分の速度で昇温し、この2回目の昇温時の吸熱ピークまたはショルダー温度を静電電荷現像用トナー中に含まれた状態でのワックスの融点とした。つまり2回目の昇温時のピークを見る事で、トナー中の樹脂のガラス転移点に伴うエンタルピー緩和に由来するピークは消失し、ワックスの融点が明瞭に観察できる事から、2回目の昇温時のデータを静電電荷現像用トナー中に含まれた状態でのワックスの融点として採用し、その吸熱ピークまたはショルダーの深い順にHFW1,HFW2として
表1に記載した。
静電荷現像用トナー中に含まれた状態におけるワックスの融点とワックス単体またはワックス混合物の融点は、ワックスと樹脂またはワックスと異なるワックスが相溶した場合など、異なる融点及びDSC測定での温度に対しての吸熱プロファイルを示す事が多い為、ワックス単体の融点と静電電荷現像用トナー中に含まれた場合のワックスの融点を別々に測定した。
事前の試料作成として、1.3gの静電荷現像用トナーを直径25mmの金属製の筒に入れ
、この金属容器毎50℃に加熱し30kg/cm2の加重をかけた状態で10分間プレス成形した。
TA Instruments社製動的粘弾性測定器(ARES)を用い、解析操作ソフトには、同社のTA Orchestrator Ver7.2.0.2を使用した。
その後、歪0.1%の条件で温度120℃と140℃における、周波数を1〜100rad/secの範囲で掃引した。詳細な測定条件は下記である。
Strain:0.1%
Sweep Mode:Log
Initial Frequency:1.0rad/sec
Final Frequency:100rad per sec
Point per Decade:20
Initial Temp 120.0℃
Final Temp 140.0℃
Temp Increment:20.0℃
Soak Time:1:00
この様にして測定した結果から、140℃測定で周波数20〜100rad/secにおけるtanδ
の値を平均する事により高歪速度領域における位相差の平均値(表2中ではtanδAveと表示する)を決定し、結果を表2に記載した。
事前の試料作成として、1.3gの静電荷現像用トナーを直径25mmの金属製の筒に入れ
、この金属容器毎50℃に加熱し30kg/cm2の加重をかけた状態で10分間プレス成形した。
TA Instruments社製動的粘弾性測定器(ARES)を用い、解析操作ソフトには、同社のTA Orchestrator Ver7.2.0.2を使用した。
その後周波数6.28rad/sec・歪0.1%で4℃/minの昇温速度で40〜100℃まで温度掃引した際に、貯蔵弾性率が106(Pa)となった際の温度(TPR)を静電荷現像用トナーの可塑化開始温度と定義し、その温度を表2に記載した。
Test setup:Predefined (Test SetupDynamic Temperature Ramp Test)
Test Type:Strain Controlled
Mesure Type:Dynamic
Frequency:6.28rad/sec
Initial Temp:40.0℃
Final Temp.:205℃
Ramp Rate 4.0℃/min
Soak Time After Ramp:20
Time per Mesure:1
Strain:0.1%
Options
Auto tension Adjustment
Auto Tension Direction :Tension
Initial Static Forece:0.0g
Auto Tension Sensitivity 2.0g
Switch Auto Tension to Programmed Extension When Sample Modulaus:1.0e+8
Auto Strain Adjustment
MAX Applied Strain:40.0%
MAX Allowed Torque:1000g-cm
MIN Allowed Torque:2.0g-cm
Strain Adjustment:20.0% of Current Strain
顔料分散液と重合体一次粒子分散液、又はワックス分散液の体積平均径(Mv)及び個数平均径(Mn)は、日機装社製、型式:Microtrac Nanotrac 150(以下、「ナノトラック」と略記する)を用いて、ナノトラックの取り扱い説明書に従い、同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2.−019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を分散媒として、それぞれ、下記の条件で又は下記の条件を入力し、取り扱い説明書に記載された方法で測定した。
・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :透過
・形状 :真球形
・密度 :1.04
顔料プレミックス液及び着色剤分散液については、
・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :吸収
・形状 :非球形
・密度 :1.00
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。
内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20D)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
粒子の中位径(Dv50とDn50)はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する。)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118.5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径(Dv50)、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径(Dn50)とした。
この様に測定した静電荷現像用トナーの体積中位径(Dv50)、個数中位径(Dn50)を表1に記載した。
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメッ
クス社製、FPIA3000)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:8,000〜10,000個
以下は、前記装置で測定され、前記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
この様に測定した静電荷現像用トナーの平均円形度を表1に記載した。
本実施例で用いた粉塵検出測定装置について説明する。
図6は、本実施例で用いた粉塵検出測定装置の概略構成を示す図である。図6に示すように、本実施例で用いた粉塵検出測定装置は、ドラフト1に、外気や不活性ガスを導入する吸気口9と、これらのガスを排出する排出口7を有する排気ファン8とを備え、ドラフト1内に試料カップ(アルミカップ)3に入れたサンプル4を加熱して粉塵放散量を測定するために加熱する加熱装置(ホットプレート)2を備えている。加熱装置2の上部には、試料カップ3に入れたサンプル4を加熱装置2で加熱した際に発生する粉塵を捕集するための漏斗状のコーン捕集機10が配置されている。コーン捕集機10は、吸引ダクト5を介して、ダスト測定装置6と接続されている。
図6に示す粉塵検出測定装置において、ダスト測定装置6は、SHIBATA社製デジタル粉塵計「ダストメイト LD−3K2型」を用いた。また、ドラフト1は、ラボフードFUMRHOOD LF−600セット(風量:6.7m3/分、静圧:0.36kPa、消費電力:93W)を用いた。更に、排気ファン8には三菱電機社製NS−K−20PSを用いた。
図9に示すように、加熱装置(ホットプレート)2上に載置された試料カップ(アルミカップ)3から上方向に7cmの位置にコーン捕集機10のロート状部分の下端部が配置される。また、コーン捕集機10のロート状部分の下端部からロート状部分の上端部までの高さは12cmである。さらに、コーン捕集機10のロート状部分の上端部から吸引ダクト5に接続される接続部までの長さ(高さ)は10cmである。コーン捕集機10のロート状部分の下端部の直径は15cmである。さらに、吸引ダクト5の長さは50cmであり、吸引ダクト5の内径は1.5cmである。この吸引ダクト5は、ポリプロピレン製のものを用いた。
図6〜9に示す粉塵検出測定装置を用いて、温度22〜28℃、湿度50〜60%に調整された前記ドラフト1の中で、以下の条件及び手順でサンプルから放散する粉塵量を測定した。
(I)排気ファン8を稼動させ、加熱装置(ホットプレート)2を200℃まで昇温させてからすぐに100℃まで温度を下げて、100℃に保持した。200℃まで上げる意味は、ダスト測定最高温度でサンプル以外から発生する粉塵値をバックグラウンド(BG)値に含ませる目的で実施した。
(II)加熱装置2が100℃の状態で、ダスト測定装置6のバックグラウンド(BG)測定(1分間)及びダスト校正値測定を行った。更に(III)の実測定後にも同様に1分間のバックグラウンド測定を実施し、(III)の実測定前と後の2回のバックグラウンド値の平均値をバックグラウンド値として採用した。
(III)加熱装置2が100℃の状態で、直径6cmの試料カップ(アルミカップ)3にサンプル4を1.0〜1.1gを秤量し、加熱装置2の中央に載置した。試料カップ3内に、図9に示す窒素導入口3aから流速100ml/分で窒素ガスを内径2mmの導管を通して流入させ、サンプルを不活性雰囲気下とした。なお、図6〜9には示していないが、ドラフト1の外から試料カップ3の近くまで管が引かれており、窒素ガスが該管の内部を通って窒素導入口3aから排出されることにより、サンプルを不活性雰囲気にすることができる。また、図9には試料カップ3の近くだけ前記管を記載し、窒素導入口3aを明確に表したものである。
(IV)加熱装置2が100℃の状態から、プログラム昇温で200℃までを60分間で昇温し、その後200℃で5分間維持した。この65分間の間に発生したダストを1分間隔でダスト測定装置を用いて測定し65回測定分の総和を持ってバックグラウンドを考慮する前のダスト値を求めた。その後(II)で予め測定しておいたバックグラウンド(BG)値を引く事により、静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)、またはワックスの粉塵放散量(Dw)とした。
この様に測定した静電荷現像用トナーの静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)及びワックスの粉塵放散量(Dw)を表1に記載した。
カラーページプリンターML9600PS(沖データ社製)を用い、現像バイアスと供給バイアスを調整し、エクセレントホワイトA4紙(沖データ社製)に感光体上の画像濃度1.0〜2.0の範囲において画像濃度0.2きざみで201mm×287mmのベタ画像を実写する事により試験を行なった。定着器の温度を安定させる為、各々の画像濃度で30枚の印刷を行い、最後の1枚で判定を行った。最後の1枚が画像濃度1.6以下でホットオフセットに起因するブリスター(光沢のムラ)が発生するものに×、画像濃度1.6を超え1.8以下でブリスターが発生するものを○、画像濃度が1.8を超えてもブリスターが発生しないものを◎とし、耐ホットオフセット性の判定を行った。マシンのプロセススピードはA4横換算36枚/分で実施した。
(株)沖データ社製エクセレントホワイト用紙(A4)を縦置きで、上部を5mmの空白とし、横200mm×縦40mmの面積で、付着量0.5mg/cm2の未定着画像を用意した。縦置きの為、A4用紙は横幅210mmの為、左右の空白は双方とも5mmとなる。
定着機のローラーの回転数は82rpmとした為、A4横換算では紙間30mmと仮定し
た場合、29枚/分の印字速度となる。この状態でローラー表面温度を195℃に設定し、定着画像を取得した。
この様に測定・判定した静電荷現像用トナーの低速印字時HOS性を表2に記載した。
<高速印字時COS性及び高速印字時光沢の測定方法と判定方法>
(株)沖データ社製エクセレントホワイト用紙(A4)を縦置きで、上部を5mmの空白とし、横200mm×縦40mmの面積で、付着量0.5mg/cm2の未定着画像を用意した。縦置きの為、A4用紙は横幅210mmの為、左右の空白は双方とも5mmとなる。
定着機のローラーの回転数は162rpmとした為、A4横換算では紙間30mmと仮定
した場合、57枚/分の印字速度となる。この状態でローラー表面温度150℃から180℃まで5℃刻みで変化させ定着画像を得た。この定着画像のテープ剥離残存率を以下の方法で測定した。まず定着画像にメンディングテープを貼り、定着画像を下向きにした状態で表面が滑らかな机上に置き、裏からメンディングテープを中心に2kgの錘を1cm/secの速度で4秒かけて通過させテープと定着画像を密着させた。その後、メンディングテ
ープを4秒かけて剥離させ、テープ剥離部分とテープ非剥離部分の画像濃度をX-Rite社
製のX-Riteで測定した。この際、テープ剥離部分が非テープ剥離部分の画像濃度の95
%以上残存していれば合格と判定し、合格する最低ローラー表面温度を高速印字時COS性の指標とし以下の様に判定した。
◎:160℃以下で合格となる。
○:165℃以上170℃以下で合格となる。
× :170℃を超えないと合格とならない。
◎:25%以上の光沢度。
○:18%以上25%未満の光沢度。
× :18%未満の光沢度。
この様に測定・判定した静電荷現像用トナーの高速印字時COS性及び高速印字時光沢を表2に記載した。
鉄製プレート上に、内径15mm、長さ80mmの円筒状の容器をたて、パラフィン紙を筒の内側に巻きつけた容器を予め準備し、500メッシュのふるいにかけた静電荷現像用トナー10gを筒のなかに投入した。上から20gに調整した錘(直径15mmのサンプル瓶)をのせ、静電荷現像用トナーに20gの加重をかけた状態でプレートごと恒温恒湿機(50℃、40%)内にいれ、24時間保持した。取り出した後、2時間室温で放置し錘、パラフィン紙、円筒の容器をゆっくりと外し、トナー母粒子の塊を取り出し、順に錘をのせていき、トナー塊が崩壊する錘の重さを測定した。
尚、崩壊させるまでもなく、円筒の容器をゆっくりと外した際にすでに崩壊したものは0gとした。
◎(良好) :50g未満の荷重で崩れる。
○(実用可) :50g以上100g未満の荷重で崩れる。
×(使用不可):100g以上の荷重をかけないと崩れない。
後述する方法により調製した現像用トナーをカラーページプリンターML9600PS(沖データ社製)のカートリッジに4本ともに入れ、上質紙PA4(富士ゼロックス社製)を用い、ブルーエンジェルマーク認定の測定法(RAL_UZ122_2006)に従って粉塵を捕集し、フィルター上に捕集された物質の質量測定からダストの放散速度を求めた。
ルターを設置して、60分間以上槽内の温度湿度が規定値(23±2℃/50±5%)に収まる様に待機した。遠隔操作でプリンターを作動させると同時にフィルターからの吸引を開始し、規定枚数印刷して2時間後まで吸引捕集を行った。尚、印刷パターンはVE110−7,Version2006−06−01(RAL_UZ122/RALC00.PDF)を用いた。
ダストの放散速度は以下の式より求めた。
mMFtara:ダスト試料採取前の質量が安定した測定フィルターの質量(mg)
mMFbrutto:ダスト試料採取後の質量が安定した測定フィルターの質量(mg)
mRF1:試験前の基準フィルターの質量(mg)
mRF2:試験後の基準フィルターの質量(mg)
Vd:ダスト放散速度(mg/hr)
n :換気回数(h−1)
to:総サンプリング時間(min)
tp:印刷時間(min)
V:チャンバー容積(m3)
VS:フィルターを通過して吸引された空気の体積(m3)
Vdが0.7以下のものを◎、0.7を超え3.0以下のものを○、Vdが3.0を超えるものを×と判定した。
なお、実施例2〜5、比較例1〜4のVd値は、推測値が記載してある。この推測値は、図4に示すように、Dt(トナー粉塵放散量)とVd(ダスト放散速度)の間には、前記のとおりVd=5.53×10−4×Dt+0.574(相関係数の二乗=0.999)
のという相関がある為、表2に示した実施例2〜5、比較例1〜4のDtの実測値を上式に代入し求めたVdである。この様にして求めたVd値にもとづきVdが0.7以下のものを◎、0.7を超え3.0以下のものを○、Vdが3.0を超えるものを×と判定した。
BET比表面積はマウンテック社製Macsorb model−1201を使用し、液体窒素を用いる1点法によって測定した。具体的には以下の通りである。
まずガラス製の専用セルに測定サンプルを1.0g程度充填した(以下、サンプル充填量をA(g)とする)。次いで、セルを測定器本体にセットし、窒素雰囲気下で200℃、20分の乾燥脱気を行った後、セルを室温まで冷却した。その後、セルを液体窒素で冷却しつつ、セル内に測定ガス(第一級の窒素30%・ヘリウム70%混合ガス)を流量25mL/minで流し、測定ガスのサンプルへの吸着量V(cm3)を測定した。サンプルの総表面積をS(m2)とすると、求めるBET比表面積(m2/g)は以下の計算式によって算出できる。
(BET比表面積)=S/A={K×(1−P/P0)×V}/A
K:ガス定数(本測定においては、4.29)
P/P0:吸着ガスの相対圧力であり、混合比の97%(本測定においては、0.29)である。
<着色剤分散液の調整>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cm3のファーネス法で製造されたカーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20D)1部、非イオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、導電率が1μS/cmのイオン交換水75部を加え、予備分散して顔料プレミックス液を得た。プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積中位径Dv50は約90μmであった。
加圧循環ライン付きのホモジナイザー(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)のジャケット付きポットにHiMic−1090(日本精蝋社製:融点82℃(カタログ値は89℃))26.7部(1068g)、ペンタエリスリトールテトラステアレート(酸価3.0、水酸基価1.0、融点77℃と67℃)3.0部、デカグリセリンデカベヘネート(水酸基価27、融点70℃)0.3部を添加し、95℃で30分間攪拌しながら加熱した。その後、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す)2.8部、脱塩水67.2部を予め95℃に加熱した混合物を加えて100℃に加熱し、10MPaの加圧条件で1次循環乳化を行った。
また、HiMic−1090(日本精蝋社製:融点82℃(カタログ値は89℃))26.7部、ペンタエリスリトールテトラステアレート(酸価3.0、水酸基価1.0、融点77℃と67℃)3.0部、デカグリセリンデカベヘネート(水酸基価27、融点70℃)0.3部を95℃で30分間攪拌しながら加熱した混合物を室温まで冷却した、ワックス混合物(ワックスA1)の粉塵放散量(Dw)は、26,723CPMであった。
加圧循環ライン付きのホモジナイザー(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)のジャケット付きポットに、パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、融点76℃)27部(1080g)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部を添加し、90℃で30分間攪拌しながら加熱した。その後、20%DBS1.9部、脱塩水68.3部を予め90℃に加熱した混合物を加えて90℃に加熱し、10MPaの加圧条件で1次
循環乳化を行った。体積中位径を10分おきに測定し、メジアン径が500nm前後まで下がったら更に圧力条件を20MPaに上げて引き続き2次循環乳化を行った。体積中位径が230nmになるまで分散した後、速やかに冷却しワックス・分散液A2(エマルジョン固形分濃度=29.4%)を作製した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、前記ワックス分散液A1 35.0部(700.1g)、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。その後、前記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 75.9部
アクリル酸ブチル 24.1部
アクリル酸 1.2部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.73部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.0部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却した。この操作を2回繰り返し、得られた2回分の重合体一次粒子分散液を均一に混合し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は242nmであり、固形分濃度は22.7質量%であった。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、前記ワックス分散液A2 36.1部(722.2g)、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。その後、前記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.70部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は232nmであり、固形分濃度は22.6質量%であった。
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程、円形化工程を実施することによりトナー母粒子C1を製造した。現像用トナー母粒子の成分となる固形分は以下の通りである。
コア材として、
重合体一次粒子分散液B1:固形分として90部(重合体一次粒子分散液B1:4011g)
着色剤微粒子分散液:着色剤固形分として6.0部
シェル材として、
重合体一次粒子分散液B2:固形分として10部(重合体一次粒子分散液B2:448g)
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12リットル、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液B1(4011g)と20%DBS水溶液(2.53g)を仕込み、内温10℃で5分間均一に混合した。続いて脱塩水(541.5g)を添加し、内温10℃、250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄(FeSO4・7H2O)の5%水溶液(113.2g)を5分かけて添加してから着色剤微粒子分散液(303.5g)を5分かけて添加し、内温10℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5%硫酸アルミニウム水溶液(101.2g)を添加し、続いて脱塩水(101.2g)を添加した。その後、コア凝集工程の温度として54℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を54.0℃から段階的に56.0℃まで160分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
その後、重合体一次粒子分散液B2(447.6g)を8分かけて添加して、そのまま30分間保持した。
(円形化工程)
続いて回転数を150rpmに落としてから20%DBS水溶液(303.5g)を8分かけて添加し、更に脱塩水(232.5g)を添加した。その後円形化工程の温度として90℃に昇温して平均円形度が0.967になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却し、スラリー液を得た。
得られたスラリーを全量、目開き24μmの篩を装着した湿式電磁篩振盪機(AS20
0/レッチェ社製)を用いて、粗大粒子の除去を目的に濾過処理を行い、攪拌装置付きのタンクにて一旦蓄えた。その後、このスラリーを濾布(ポリエステル TR815C、中尾フィルター工業/厚み0.3mm/通気度48(cc/cm2/min)が装着された横型遠心分離機(HZ40Si型/三菱化工機社製)へ、加速度800G条件で遠心脱水洗浄を行った。
得られたトナー母粒子を用いて、以下の外添工程を実施することにより現像用トナーを製造した。
(外添工程)
得られたトナー母粒子C1(100部:250g)を、外添機(協立理工社製SK−M2000型)に投入し、ついで外添剤としてシリコーンオイルで疎水化処理された体積平均一次粒径8nm、BET比表面積の150m2/gのシリカ微粒子0.5部とシリコーンオイルで疎水化処理された体積平均一次粒径40nm、BET比表面積の42m2/gのシリカ微粒子0.3部、さらにヘキサメチレンジシラザンで疎水化処理された体積平均一次粒径110nm、BET比表面積の26m2/gのシリカ微粒子1.5部を添加し、6000rpmで1分間混合する操作を5回繰り返した後、150メッシュで篩別して現像用トナーD1を得た。
<重合体一次粒子分散液B3の調製>
スチレンを74.1部、アクリル酸ブチルを25.9部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B3を得た。
<トナー母粒子C2の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C2を得た。
重合体一次粒子分散液B1の替わりに、重合体一次粒子分散液B3を用いた。
コア凝集工程の温度として44℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に54.0℃まで310分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C2を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD2を得た。
<重合体一次粒子分散液B4の調製>
スチレンを77.7部、アクリル酸ブチルを22.3部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B4を得た。
<トナー母粒子C3の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C3を得た。
コア凝集工程の温度として56℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に58.0℃まで210分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C3を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD3を得た。
<重合体一次粒子分散液B5の調製>
ヘキサンジオールジアクリレートを0.53部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B5を得た。
<トナー母粒子C4の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C4を得た。
コア凝集工程の温度として54℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に55.5℃まで165分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
<現像用トナーD4の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C4を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD4を得た。
<重合体一次粒子分散液B6の調製>
ヘキサンジオールジアクリレートを0.90部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B6を得た。
<トナー母粒子C5の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C5を得た。
コア凝集工程の温度として55℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に56.0℃まで170分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
<現像用トナーD5の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C5を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD5を得た。
<重合体一次粒子分散液B7の調製>
スチレンを73.2部、アクリル酸ブチルを26.8部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B7を得た。
<トナー母粒子C6の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C6を得た。
コア凝集工程の温度として41℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に
53.0℃まで330分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
<現像用トナーD6の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C6を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD6を得た。
<重合体一次粒子分散液B8の調製>
スチレンを78.6部、アクリル酸ブチルを21.4部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B8を得た。
<トナー母粒子C7の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C7を得た。
コア凝集工程の温度として56℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に59.0℃まで300分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
<現像用トナーD7の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C7を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD7を得た。
<重合体一次粒子分散液B9の調製>
ヘキサンジオールジアクリレートを0.48部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B9を得た。
<トナー母粒子C8の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C8を得た。
コア凝集工程の温度として54℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に55.5℃まで180分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
<現像用トナーD8の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C8を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD8を得た。
<重合体一次粒子分散液B10の調製>
ヘキサンジオールジアクリレートを1.00部とする事以外は、重合体一次粒子分散液B1の調製と同様に実施し、重合体一次粒子分散液B10を得た。
<トナー母粒子C9の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C9を得た。
コア凝集工程の温度として55℃まで昇温し、回転数250rpmのまま内温を段階的に56.5℃まで155分かけて昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
<現像用トナーD9の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C9を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD9を得た。
<トナー母粒子C10の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C10を得た。
コア材として、重合体一次粒子分散液B1:固形分として80部(重合体一次粒子分散液B1:3607g)着色剤微粒子分散液:着色剤固形分として6.0部、シェル材として、重合体一次粒子分散液B2:固形分として20部(重合体一次粒子分散液B2:906g)とした。
<現像用トナーD10の調製>
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C10を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD10を得た。
<トナー母粒子C11の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C11を得た。
重合体一次粒子分散液B1:固形分として90部(重合体一次粒子分散液B1:4011g)重合体一次粒子分散液B2:固形分として10部(重合体一次粒子分散液B2:448g)着色剤微粒子分散液:着色剤固形分として6.0部とし、シェル材はなしとした。
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C11を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD11を得た。
[参考例3]
<トナー母粒子C12の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C12を得た。
(Dv50)を測定し6.8μmまで成長させた。
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C12を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD12を得た。
[参考例4]
<トナー母粒子C13の調製>
以下に示す変更点以外は、トナー母粒子C1の調製と同様の調整によりトナー母粒子C13を得た。
トナー母粒子C1の替わりに、トナー母粒子C13を用いた事以外は、現像用トナーD1の調製と同様の調整を行い、現像用トナーD13を得た。
画像形成装置の場合、トナーの粉塵放散量(Dt)を、下記式(7)を満たすように制御することが必要であることが分かる。
具体的には、実施例1及び参考例1〜4の対比から分かるように、参考例4のようなDtが21と前記範囲から低い側に逸脱している現像用トナーは、高付着量HOS性が実用範囲外であり使用に耐えない。また、参考例3に示す現像用トナーのようなDtが上限の5,665と高い側に逸脱している現像用トナーは、ダスト放散速度(Vd)が速すぎて実用に耐えない。これに対して、Dtの範囲が下記式(7)を満足する実施例1並びに参考例1及び2は、高付着量HOS性とダスト放散速度(Vd)を両立できることが分かる。
)は、
Vp=36として、上記式(1)に代入すると、
60≦Dt≦195,449/36−1,040
となり、
60≦Dt≦4,389 (7)
であることが分かる。
Claims (16)
- 結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷像現像用トナーを用いて画像形成する画像形成方法において、
該トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(1)を満たし、
60≦Dt≦195,449/Vp−1,040 (1)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする画像形成方法。
[上記式(1)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、177以下とする。] - 前記トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(2)を満たし、
60≦Dt≦117,262/Vp−1,039 (2)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
[上記式(2)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、106以下とする。] - 前記トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(3)を満たし、
60≦Dt≦71,653/Vp−1,039 (3)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
[上記式(3)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、65以下とする。] - 前記トナー中に含有された状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが2回目のDSC昇温過程において55℃以上90℃以下に少なくとも1点存在し、
静電荷像現像用トナーの粉塵放散量(Dt)が、下記式(4)を満たし、
60≦Dt≦52,104/Vp−1,039 (4)
DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを65.6℃以上70.8℃以下に有し、
かつ、140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.62以上2.20以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
[上記式(4)中、Dtは前記静電荷像現像用トナーを加熱した際に発生する1分当たりの粉塵放散量(CPM)を表し、Vpは前記画像形成方法におけるA4横換算での印刷速度(枚/分)を表す。但しVpは、47以下とする。] - DSC2回目昇温過程の吸熱量がDSC1回目の昇温過程の吸熱量の80%以下に減衰するピークまたはショルダーを66.5℃以上69.6℃以下に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 140℃における動的粘弾性測定において角速度20〜100rad/secにおけるtanδの平均値が1.82以上2.13以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度が73.5℃以上80.5℃以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 動的粘弾性測定から求められる可塑化開始温度が74.8℃以上79.2℃以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
- 前記Vpの値が20以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記Vpの値が30以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記静電電荷現像用トナー中にワックスが2以上含有され、前記静電荷現像用トナー中に含まれた状態におけるワックスの融点に起因するピークまたはショルダーが、55℃以上73℃以下と77℃以上90℃以下とにそれぞれ1点以上存在することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記静電荷像現像用トナーが下記(a)から(c)の要件を満たすことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(a)前記静電荷像現像用トナーが少なくともワックス成分Xとワックス成分Yの2種類のワックスを含有する。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。(c)前記ワックス成分Xの含有量が前記ワックス成分Yの含有量よりも多い。 - 前記ワックス成分Yの全ワックス成分中における割合が0.1質量%以上10質量%未満であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法
- 前記静電荷像現像用トナーが下記(a)、(b)及び(d)の要件を満たすことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(a)前記静電荷像現像用トナーが少なくともワックス成分Xとワックス成分Yの2種類のワックスを含有する。
(b)前記ワックス成分Yの粉塵放散量は前記ワックス成分Xの粉塵放散量よりも多い。(d)前記ワックス成分Xの粉塵放散量が50,000CPM以下であり、かつ前記ワックス成分Yの粉塵放散量が100,000CPM以上である。 - 前記静電荷像現像用トナーがワックス成分Xよりもワックス成分Yの存在比率が高い領域を有し、且つ該領域が前記静電荷像現像用トナーの中心側よりも外郭側に多いことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記静電荷像現像用トナーがシェルコア構造を有し、該シェルコア構造のシェル材に含まれる前記ワックスが実質的に前記ワックス成分Yのみを含有し、前記シェルコア構造のコア材に含まれる前記ワックスが実質的に前記ワックス成分Xのみを含有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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