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JP6168919B2 - ガス検知装置及びガス検知方法 - Google Patents

ガス検知装置及びガス検知方法 Download PDF

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JP6168919B2
JP6168919B2 JP2013176219A JP2013176219A JP6168919B2 JP 6168919 B2 JP6168919 B2 JP 6168919B2 JP 2013176219 A JP2013176219 A JP 2013176219A JP 2013176219 A JP2013176219 A JP 2013176219A JP 6168919 B2 JP6168919 B2 JP 6168919B2
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崇 中島
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篤 野中
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Description

本発明は、低消費電力型のガス検知装置及びガス検知方法に関するものである。
ガス検知装置は、一般的にガス漏れ警報器等の用途に用いられる。このガス検知装置に用いられるガスセンサは、ある特定ガス、例えば、CO,CH,C,COH等の還元性ガスに選択的に感応するデバイスであり、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、低消費電力が必要不可欠である。
ところで、家庭用として普及しているガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガスの検知を目的としたもの、燃焼機器の不完全燃焼ガスの検知を目的としたもの、または、これら両方の機能を併せ持ったもの等があるが、何れもコストや設置性の問題から普及率はそれほど高くない。そこで、ガス漏れ警報器の普及率を向上させる観点から、設置性の改善、具体的には、ガス漏れ警報器を電池駆動としてコードレス化することが望まれている。
電池駆動を実現するためには低消費電力化が最も重要である。しかしながら、接触燃焼式や半導体式のガスセンサでCH、Cを検知する場合は、400℃〜500℃の高温に加熱して検知する必要がある。低消費電力で高温に加熱するため、微細加工プロセスを用いてダイヤフラム構造等により超低熱容量構造としたガスセンサを、検知周期に合わせて間欠運転する必要がある。
このようなガス検知装置の従来技術としては、例えば、特許文献1(特開2009−210342号公報)に記載されたダイヤフラム構造のガスセンサがある。特許文献1の図1のガス検知装置100は、薄膜式のセンサ素子20と、ヒータ層6への通電を断続的に行って、ガス検知層100の温度を変化させる通電駆動手段12と、ガス検知層100の電気抵抗値に基づいて検知対象ガスを検出するガス検出手段13と、検知対象ガスが含まれる被検出ガスの湿度を検出する湿度検出手段14と、湿度検出手段14により検出された湿度を表示する湿度表示手段15と、これらに電力供給するリチウム電池(図示せず)と、湿度検出手段14により検出された湿度に基づいて電気的特性を補正する補正手段17と、を備えて構成される。
また、センサ素子20は、Si基板1上に、支持層5、ヒータ層6及び絶縁層7、一対の電極9及びガス検知層10、選択触媒層11が、半導体プロセスにより順次積層されて製造される薄膜式の素子である。特許文献1の図2のグラフで示すようにパルス状の電圧信号により駆動されるときのガス検知層10のセンサ抵抗値によりガスを検出するというものであり、低消費電力化を実現している。従来技術はこのようなものである。
特開2009−210342号公報(段落[0033]〜[0036]、図1,図2)
選択触媒層は、一般的に、CH,C,CO等の検知ガスを透過・拡散させるため担体として多孔質体であるγ−Al等を用いている。さらに、非検知対象ガスを効率よく燃焼除去するため、貴金属触媒(例えばPtやPd)を担持することが多い。
また、SnOであるガス検知層も多孔質化や柱状構造を採用し、比面積を増大させている。このような構成を採用することで検知対象ガスとの接触面積を増加させ、検出感度を高めている。
このような多孔質体や柱状構造体では、開口径が数nm〜数μmの細孔が多数存在する。この細孔では、次式で表される毛管凝縮により水が吸着する傾向を有し、その吸着量は湿度に依存することが知られている。
Figure 0006168919
したがって、高湿度環境では、選択触媒層やガス検知層の微細な細孔へ水分が吸着する。この水分は、蒸発時に吸熱現象が起こって温度を変化させる蒸発潜熱の要因となっていた。特にガス検知装置では熱容量が極めて小さい、つまり熱しやすく冷めやすいというものであり、このような蒸発潜熱が無視できないものとなっていた。一般的に温度により抵抗値が変化するため、ガス検知層10のセンサ抵抗値も変化するおそれがあった。また、外部環境の周囲温度によっても、ガスの検知特性が変動し、検知信頼性のうえで問題となるおそれがある。
特許文献1のガス検知装置は、ヒータオフ時のセンサ抵抗値から湿度を把握するものであるが、高湿度環境では微細な細孔に吸着された水分や周囲温度に影響されてセンサ抵抗値が変化し、センサ抵抗値に誤差を含む場合もあった。
そこで、本発明は上記した課題を解決しようとするものであり、その目的は、温度や湿度による影響を排除し、より高精度な検知を実現するガス検知装置、および、ガス検知方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項に記載した発明は、
検知対象ガスとの接触により電気抵抗が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、
前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部および前記ヒータ層抵抗検知部が接続される中央処理部と、
を備え、
前記中央処理部は、
前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んで前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
補正されたセンサ出力によりガスの有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、請求項に記載のガス検知装置において、
前記温度検知手段は、読み取ったヒータ層抵抗値、ヒータ層抵抗の温度係数、および、基準温度時のヒータ層抵抗値から、前記ガス感知層周囲温度を算出することを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、
検知対象ガスとの接触により電気抵抗が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、
前記ガスセンサ周囲の温度に応じた検出信号を出力する温度検出部と、
前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部、前記ヒータ層抵抗検知部および前記温度検出部が接続される中央処理部と、
を備え、
前記中央処理部は、
前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
前記温度検出部からの出力に基づいて前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
補正されたガス濃度によりガスの有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
前記湿度検知手段は、ヒータオン開始からのヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から所定期間加熱された多孔質体の前記ガス感知層着水分が蒸発しきらない時の第1のヒータ層抵抗値と、ヒータオン開始から十分に加熱された前記ガス感知層着水分が蒸発した時の第2のヒータ層抵抗値と、を用いた比を算出し、この比に対応する湿度を検知することを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
前記湿度検知手段は、ヒータオン開始からのヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から十分に加熱されたガス感知層の着水分が蒸発したヒータ層抵抗値に到達する時間を算出し、この時間に対応する湿度を検知ることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、請求項1〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
少なくとも前記ガス感知層を含む空間を外界から区画するフィルタカバーと、
前記フィルタカバーに設けられ、検知対象ガスのうちの所定のガスを吸着した上で前記フィルタカバー内に導入するフィルタと、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、
検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
検出用多孔質層と、
前記検出用多孔質層を加熱する検出用ヒータ層と、
前記検出用ヒータ層を駆動する検出用ヒータ層駆動部と、
前記検出用ヒータ層の検出用ヒータ層抵抗の変化を検知する検出用ヒータ層抵抗検知部と、
前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部、前記検出用ヒータ層駆動部および前記検出用ヒータ層抵抗検知部が接続される中央処理部と、
を備え、
前記中央処理部は、
前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
前記検出用ヒータ層駆動部を駆動する検出用ヒータ層駆動手段と、
前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
前記検出用ヒータ層抵抗検知部から検出用ヒータ層抵抗値を読み込んで前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
前記検出用ヒータ層抵抗検知部から検出用ヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後の検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
算出した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
補正されたガス濃度によりガスの有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、請求項に記載のガス検知装置において、
前記温度検知手段は、読み取った検出用ヒータ層抵抗値、検出用ヒータ層抵抗の温度係数、および、基準温度時の検出用ヒータ層抵抗値から周囲温度を算出することを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項に記載した発明は、
検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
検出用多孔質層と、
前記検出用多孔質層を加熱する検出用ヒータ層と、
前記検出用ヒータ層を駆動する検出用ヒータ層駆動部と、
前記検出用ヒータ層の検出用ヒータ層抵抗の変化を検知する検出用ヒータ層抵抗検知部と、
前記ガスセンサ周囲の温度に応じた検出信号を出力する温度検出部と、
前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部、前記検出用ヒータ層駆動部、前記検出用ヒータ層抵抗検知部および前記温度検出部が接続される中央処理部と、
を備え、
前記中央処理部は、
前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
前記検出用ヒータ層駆動部を駆動する検出用ヒータ層駆動手段と、
前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
前記温度検出部からの出力に基づいて前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
前記検出用ヒータ層抵抗検知部から検出用ヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後の検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
補正されたガス濃度によりガスの有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項10に記載した発明は、請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
前記湿度検知手段は、検出用ヒータ層抵抗についてのヒータオン開始からの検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から所定期間加熱された前記検出用多孔質層に吸着した水分が蒸発しきらない時の第1の検出用ヒータ層抵抗値と、ヒータオン開始から十分に加熱された前記検出用多孔質層着水分が蒸発した時の第2の検出用ヒータ層抵抗値と、を用いた比を算出し、この比に対応する湿度を検知ることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項11に記載した発明は、請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
前記湿度検知手段は、検出用ヒータ層抵抗についてのヒータオン開始からの検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から、十分に加熱された前記検出用多孔質層の吸着水分が蒸発した検出用ヒータ層抵抗値に到達するまでの時間を算出し、この時間に対応する湿度を検知ることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項12に記載した発明は、請求項〜請求項11の何れか一項に記載のガス検知装置において、
少なくとも前記ガス感知層および前記検出用多孔質層を含む空間を外界から区画するフィルタカバーと、
前記フィルタカバーに設けられ、検知対象ガスのうちの所定のガスを吸着した上で前記フィルタカバー内に導入するフィルタと、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項13に記載した発明は、請求項1〜請求項12の何れか一項に記載のガス検知装置において、
前記ガスセンサは、
貫通孔を有するSi基板と、
前記貫通孔の開口部に張られるダイヤフラム様の熱絶縁支持層と、
前記熱絶縁支持層上に設けられる前記ヒータ層と、
前記熱絶縁支持層および前記ヒータ層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
前記電気絶縁層上に設けられる一対の感知電極層と、
前記電気絶縁層および前記一対の感知電極層の上であって前記ヒータ層の近傍に設けられ、接触したガスによりそのセンサ抵抗値が変化する酸化物半導体からなる前記ガス感知層と、
を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項14に記載した発明は、請求項13に記載のガス検知装置において、
前記ガスセンサは、
更に前記ガス感知層の表面を覆うように設けられ、PdPtまたは、PdとPtとを含む合金を触媒として担持したAl焼結材によるガス選択燃焼層を備えることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項15に記載した発明は、請求項1〜請求項14の何れか一項に記載のガス検知装置において、
内蔵された電池を有する電源部からの電力供給により駆動されることを特徴とするガス検知装置である。
また、請求項16に記載した発明は、
検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、備えるガス検知装置で用いられるガス検知方法であって、
前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とし、前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知し、前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んで前記ガス感知層周囲の温度を検知し、前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知し、検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正し、補正されたセンサ出力によりガスの有無を判定することを特徴とするガス検知方法である。
また請求項17に記載した発明は、
検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、前記ガスセンサ周囲の温度に応じた検出信号を出力する温度検出部と、を備えるガス検知装置で用いられるガス検知方法であって、
前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とし、前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知し、前記温度検出部からの出力に基づいて前記ガス感知層周囲の温度を検知し、前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知し、検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正し、補正されたセンサ出力によりガスの有無を判定することを特徴とするガス検知方法である。
本発明によれば、温度や湿度による影響を排除し、より高精度な検知を実現するガス検知装置、および、ガス検知方法を提供することができる。
本発明を実施するための第1の形態のガス検知装置のブロック構成図である。 ガスセンサの断面図である。 高温炉での外部加熱による薄膜ガスセンサのヒータ抵抗変化を示す特性図である。 20℃におけるヒータオン時のヒータ層抵抗の時間変化の湿度依存性を示す特性図である。 50℃におけるヒータオン時のヒータ層抵抗の時間変化の湿度依存性を示す特性図である。 50℃における20ms時のヒータ層抵抗/200ms時のヒータ層抵抗の湿度依存性を示す特性図である。 周囲温度・周囲湿度補正前のセンサ出力の特性図である。 周囲温度・周囲湿度補正後のセンサ出力の特性図である。 20℃におけるヒータ抵抗値が閾値に達する時間の湿度依存性を示す特性図である。 20℃におけるヒータOn時のヒータ抵抗の時間変化の湿度依存性(160℃)を示す特性図である。 20℃におけるヒータ抵抗値が閾値に達する時間の湿度依存性(160℃)を示す特性図である。 本発明を実施するための第2の形態のガス検知装置のガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第3の形態のガス検知装置のブロック構成図である。 ガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第4の形態のガス検知装置のガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第5の形態のガス検知装置のブロック構成図である。 ガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第6の形態のガス検知装置のガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第7の形態のガス検知装置のブロック構成図である。 ガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第8の形態のガス検知装置のガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第9の形態のガス検知装置のブロック構成図である。 ガスセンサの断面図である。 本発明を実施するための第10の形態のガス検知装置のガスセンサの断面図である。
以下、本発明の第1の形態のガス検知装置1について図を参照しつつ説明する。ガス検知装置1は、図1で示すように、ガスセンサ10と、駆動制御・信号処理部20と、を備えている。駆動制御・信号処理部20がガスセンサ10を駆動制御するとともに、ガスセンサ10からの検出信号を受信し、ガスの有無を検知する装置である。
まず、ガスセンサ10の詳細について説明する。
ガスセンサ10は、図2の断面図で示すように、Si基板11の上側に、熱酸化SiO層121、CVD−Si層122、CVD−SiO層123によってダイヤフラム構造の熱絶縁支持層12が形成されている。
ヒータ層13は、Ni−Crにより形成されており、熱絶縁支持層12の上側に設けられる。熱絶縁支持層12およびヒータ層13は、スパッタSiO層からなる電気絶縁層14により覆われる。Ptによる一対の感知電極層152の下側には、下地酸化膜である電気絶縁層14に対する中間層として、Taによる接合層151も形成されている。一対の感知電極層152にはSbをドープしたSnO層からなるガス感知層153が渡された状態で設けられる。
電気絶縁層14の一部、一対の感知電極層152およびガス感知層153はPd担持Al焼結材であるガス選択燃焼層154により覆われている。なお、Pd担持Al焼結材に代えてPt担持Al焼結材やPd・Pt合金担持Al焼結材としても良い。
続いて、図2に断面構造を示したガスセンサ10の製造方法を以下に説明する。両面に熱酸化膜が付いたシリコンウェハー11上にSiとSiO膜を順次プラズマDVD法にて形成する。次にヒータ層13、SiO絶縁層14を、順にスパッタ法で形成する。その上に接合層151、感知層電極152、ガス感知層153を形成する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング法によって行う。成膜条件は接合層(TaあるいはTi)151、感知層電極(PtあるいはAu)152とも同じで、Arガス圧力1Pa、基板温度300℃、RFパワー2W/cm、膜厚は接合層151/感知層電極152=500Å/2000Åである。
次に、SbをドープしたSnOのガス感知層153と、AlにPdを触媒として担持した焼結材で構成されたガス選択燃焼層154を構成する。ガス選択燃焼層154をスクリーン印刷法により塗布した後、500℃で1時間以上焼成する。ガス選択燃焼層154の大きさはガス感知層153を十分に覆うようにする。最後にシリコンウェハーの裏面からエッチングによりシリコンを除去し、ダイヤフラム構造とした。
続いて、駆動制御・信号処理部20について説明する。駆動制御・信号処理部20は、図1で示すように、中央処理部21、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、ヒータ層抵抗検知部24、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28、電源部29を備えている。
中央処理部21は、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、ヒータ層抵抗検知部24、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28と接続される。中央処理部21は、マイクロコンピュータ等のCPUおよびその周辺部によって構成されており、ヒータ層駆動手段211、都市ガス検知手段212、COガス検知手段213、温度検知手段214、湿度検知手段215、補正手段216、判定手段217、表示制御手段218、出力制御手段219の各機能をハードウェアならびにソフトウェアにより実現し、各種の制御や信号処理を行う。
ヒータ層駆動部22は、電源部29から供給された電圧を、ガスを精度よく検知するためのヒータ電圧に変換し、ヒータ層13を通電により駆動するような回路部である。ヒータ層駆動部22は、中央処理部21内のヒータ層駆動手段211により各種制御が行われる。例えばヒータオン時間200ms、駆動周期60s等のパルス状に通電する。これら駆動の詳細については後述する検知処理にて説明する。
ガス検知部23は、感知電極層152を介してガス感知層153と接続されており、ガス感知層153の抵抗値を検出する。この抵抗値に基づいて中央処理部21内の都市ガス検知手段212およびCOガス検知手段213により、都市ガス及びCOガスを検知し、センサ出力として補正手段216へ送る。都市ガス検知手段212およびCOガス検知手段213は本発明のガス検知手段の具体例であり、他にも各種ガスを検知するような手段を採用できる。
ヒータ層抵抗検知部24は、ヒータ層抵抗を検出する手段からなり、検出信号を中央処理部21へ送信する。中央処理部21の温度検知手段214は、ヒータ層抵抗値に基づいて後述する手法により周囲温度を計測する。また、中央処理部21の湿度検知手段215は、ヒータ層抵抗値に基づいて後述する手法により周囲湿度を計測する。この周囲温度・周囲湿度の算出の際に記憶部25にアクセスし、各種データを取得する。
なお、ガス検知部23、および、ヒータ層抵抗検知部24からの出力はアナログ信号であるため、中央処理部21はこれらのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部を備えている。
記憶部25は、中央処理部21に接続されて各種データの読み出しや書き込みがなされる。記憶部25は、各種の警報を発生するための閾値等の設定値や周囲温度・周囲湿度による補正値等やガス検知装置が警報を発した時の状態データ等の履歴データを記憶している。
中央処理部21では、温度検知手段214及び湿度検知手段215からの周囲温度・周囲湿度をもとに、補正手段216が補正値を算出し、都市ガス検知手段212及びCOガス検知手段213のセンサ出力に対してこの補正値を用いて補正を行い、この補正されたセンサ出力を判定手段217へ送る。判定手段217は補正されたセンサ出力に基づいてガスの有無を判定する。このような補正により周囲温度・周囲湿度の影響を極力排除した精度の高いガス検知を行っている。
中央処理部21の判定手段217は、ガスが検知されたと判定した場合に表示制御手段218を介して警報表示部26に警報表示させる制御を行い、また、出力制御手段219を介して警報音出力部27や外部出力部28に出力するように制御を行う。
警報表示部26は、例えばLED、ランプ、LCDディスプレイなどの表示部とそのドライバで構成されており、異常検知時等に警報を表示することが可能である。中央処理部21では、判定手段217の出力を受けた表示制御手段218が、都市ガス、または、COガスが異常検知されたとする検知内容を警報表示する制御を行う。
警報音出力部27は、例えばスピーカとそのドライバで構成されており、警報音や音声としてスピーカ等により出力することが可能である。中央処理部21では、判定手段217の出力を受けた出力制御手段219が、都市ガス、または、COガスが異常検知されたとする検知内容を警報音出力する制御を行う。
外部出力部28は、例えば接点部や通信部などであって、警報を外部へ出力することが可能である。中央処理部21では、判定手段217の出力を受けた出力制御手段219が、都市ガス、または、COガスが異常検知されたとする検知内容を電圧等や通信信号の出力信号として外部へ出力する制御を行う。
電源部29は、中央処理部21、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、ヒータ層抵抗検知部24、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28に図示しない電源線で接続されており、これらに対して電力を供給する。この電源部29は、内蔵される乾電池や充電池などの消耗電池を想定しているが、AC100V等の商用電源と定電圧部により構成しても良い。
ガス検知装置1の全体構成はこのようなものである。
続いてガス検知装置1による検知動作について説明する。ガス検知装置1の全体の制御は、中央処理部21が司る。ガスセンサ10は、図2で示すように、ヒータ層駆動部22からの駆動信号が細線で示された導線を通じてヒータ層13に入力されてヒータ駆動を行う。そして、ヒータ層13により400℃〜500℃の高温に加熱された状態でガス感知層153がガスに接触し、ガス感知層153の変化するセンサ抵抗値を細線で示された導線を通じてガス検知部23が検知信号として出力することでガスを検知する。
このようなガス検知装置1は、特に都市ガス(CH、C等の可燃性ガス)を検知する。例えば、ヒータ層13が50〜500msの一定時間にわたり通電され、ヒータ層13、つまりガス感知層153の温度が50〜500msの一定時間にわたり高温(High400〜500℃)に保持される。このような高温の状態で感知電極層152によりガス感知層153のセンサ抵抗値がガス検知部23により測定され、その変化からCH、C等の有無や可燃性ガス濃度を検知する。このような検知は周期的(例えば30秒毎)に行われる。(High−Off方式)。
ここで高温時のガス選択燃焼層154は、CO、H等の還元性ガスその他の雑ガスを燃焼させるが、不活性なCH、C等の可燃性ガスをガス選択燃焼層154は透過させる。可燃性ガスはガス選択燃焼層154内を拡散してガス感知層153に到達してガス感知層153のSnOと反応し、SnOのセンサ抵抗値を変化させる。このセンサ抵抗値の変化を検知してガス機器などのガス漏れ時に発生するCH、C等の可燃性ガスの有無や濃度を検知する。
また、不完全燃焼(CO)を検知する場合、一旦、ヒータ層13の温度を50〜500msの一定期間にわたり高温(High400〜500℃)にし、ガス感知層153のクリーニングを行う。そして、低温(Low約100℃)に降温して不完全燃焼(CO)の検知を行う。これにより、CO感度およびガス選択性が高くなることが知られている(High−Low−Off方式)。
また、High状態で、クリーニングのみならずCH、C等の可燃性ガス検知も行い、Low状態でのCO等の不完全燃焼ガスの検知と合わせ、ワンセンサで可燃性ガス・不完全燃焼ガスの両方を検知できるガスセンサとしても良い。
これらガスセンサのヒータ駆動方式は、上記のように(1)薄膜ガスセンサのヒータの温度をHigh−Offに所定の周期(例えば60秒周期)で繰り返す駆動、または(2)薄膜ガスセンサのヒータ温度をHigh−Low−Offに所定の周期(例えば150秒周期)で繰り返す駆動、を所定の周期(例えば150秒周期)で繰り返す間欠駆動としており、低消費電力化を図っている。ガス検知はこれら方式を採用できる。
続いてセンサ検出値の補正について説明する。まず、周囲温度がセンサ抵抗値やヒータ抵抗値に影響する点について説明する。図2で示した構造のガスセンサ10を高温炉に入れてガスセンサ10の周囲の温度を上げ、ヒータ層13のヒータ層抵抗値の変化を測定した。図3のヒータ層抵抗値の変化で示すように、0から約500℃の温度範囲においてヒータ層抵抗値は温度に対してほぼ線形に変化している。従って、周囲温度が上がるにつれてヒータ層抵抗値も上がり、また、周囲温度が下がるにつれてヒータ層抵抗値も下がる。このような傾向から、ヒータ層抵抗値のみならずガス感知層153のセンサ抵抗値も周囲温度に影響する、換言すれば周囲温度の検出に利用できることが推察される。
続いて、周囲湿度がセンサ抵抗値に影響する点について説明する。先に説明したように、ガス感知層153およびガス選択燃焼層154は、水分を吸着する多孔質体であり、ヒータオフ時では設置環境の周囲湿度に比例する水分を吸着している。そして、ヒータオン時では、多孔質体に吸着した水分が蒸発する際に吸熱し、この蒸発潜熱により湿度に起因した温度変化が生じる。この傾向は湿度が高いほど水分が多くなり、蒸発潜熱も多くなることから、湿度が高いと温度を下げる方向に作用すると推察される。
この湿度による温度変化の影響について説明する。図2で示した構造のガスセンサ10に対して湿度を変化させつつ通電したものである。図4は、周囲温度20℃で駆動周期60s、ヒータオン時間200msで通電し、ヒータオン時のヒータ抵抗の時間変化を示している。約5ms〜80msの立ち上がり期間では同じ時(例えば40msの時)で湿度が50%〜90%と大きくなるにつれて、ヒータ層抵抗は逆に小さくなっている。
また、図5は、周囲温度50℃で駆動周期60s、ヒータオン時間200msで通電し、ヒータオン時のヒータ抵抗の時間変化を示している。これも約5ms〜80msの立ち上がり期間では同じ時(例えば40msの時)で湿度が50%〜90%と大きくなるにつれて、ヒータ層抵抗は逆に小さくなっている。
これら図4、図5に示すように、ヒータオン時のヒータ抵抗の時間変化は、周囲湿度の増加に伴い、約5ms〜80msの昇温特性に変化が認められる。
これは、先に説明したが、多孔質化や柱状構造である選択触媒層およびガス感知層の多数の細孔に吸着した水分を蒸発させるための蒸発潜熱により温度を低くする。そして、この水分が多い、つまり湿度が高いほど、蒸発潜熱が大きくなり、温度が低くなってヒータ層抵抗値を低くするためと推察される。これはガス感知層153のセンサ抵抗値も同様である。
このように周囲温度・周囲湿度にヒータ層13のヒータ層抵抗値やガス感知層153のセンサ抵抗値が影響される。
周囲温度・周囲湿度による影響は、図7で示すように、センサ出力に影響を及ぼしている。そこで、ある周囲温度とある周囲湿度における補正値を予め算出しておき、この周囲温度、周囲湿度および補正値を連関させて補正値を登録しておく。このような登録は、想定しうる周囲温度と、想定しうる周囲湿度と、を組み合わせて多数登録することになる。そして、検出した現状の周囲温度と周囲湿度とから最適な補正値を読み出してセンサ出力を補正する。このようにすることで周囲温度と周囲湿度とに影響されない正確な検出を可能とする。
続いて、ヒータ層抵抗検知部24および温度検知手段214によるヒータ層抵抗値を用いる周囲温度の検出について説明する。温度検出は、ヒータオフ時における周囲温度としている。なお、ヒータオン時は、後述するが周囲湿度を検出する。
ヒータ層抵抗検知部24は、図2で示すように、細線で示された導線を通じてヒータ層13からヒータ層抵抗値を測定するようになされており、シャント抵抗を備える。このシャント抵抗は、あらかじめ抵抗値が把握されており、ヒータ層13と直列に接続されている。さらにヒータ層13の両端電圧とシャント抵抗の両端電圧が計測できるように回路構成されている。
ヒータオフ時のヒータ層抵抗を測定する場合、ヒータ層13とシャント抵抗とに所定電圧を印加し、ヒータ層13の両端電圧を測定すると同時に直列に配置したシャント抵抗の両端電圧値も測定する。これら両端電圧値が温度検知手段214へ送られる。そして、温度検知手段214では、直列に配置したシャント抵抗の両端電圧値と直列に配置した既知のシャント抵抗値とから電流を算出する。そして、この電流と、読取ったヒータ層13の両端電圧とからヒータ層抵抗値を算出する。そして、測定したヒータ層13のヒータ層抵抗値を用い、温度検知手段214は、以下の式からヒータオフ時におけるヒータ層13の温度Tを算出する。
Figure 0006168919
このようにしてヒータ層の温度Tとほぼ等しい周囲温度Tが算出される。
ここに、Rの値は予め計測により求められている。またαの値は、センサ毎に決定される値であるが、薄膜センサを作成するウェハーごとのバラつきは少ないので、1枚のウェハーから取れる薄膜センサでは同じ値を与えても良い。あるいは、1ロットで複数のウェハーを流す場合には、同じロットの薄膜センサに同じ値を与えてもよい。
続いて、ヒータ層抵抗値を用いる周囲湿度の検出について説明する。図4、図5で、周囲温度の増加に伴い認められた、約5ms〜80msの立ち上がり期間における昇温特性の変化は、ヒータ層への投入時のPowerが蒸発潜熱に費やされ、昇温特性の変化として現れる。この昇温特性がどのような挙動を取るか、つまりヒータ層抵抗値に応じて湿度を推定することができる。そこで、湿度検出は、本発明の特徴であるが、ヒータオフ時ではなくヒータオン時における蒸発潜熱に影響される抵抗変化を参照しつつ周囲湿度を計測している。
続いて、ヒータ層抵抗検知部24および湿度検知手段215による湿度検知を説明する。ヒータ層抵抗検知部24は、先ほども説明した手法によりヒータオン時のヒータ層抵抗値を測定する。このヒータ層抵抗値が湿度検知手段215へ送られる。そして、湿度検知手段215は、ヒータオン時から安定時までのヒータ層の抵抗値の挙動(ヒータ昇温特性の変化)から周囲の湿度を推定する。
一例を以下に示す。周囲温度が50℃であり、図5で示すような特性に従うものとする。今回使用したサンプルにおいて、多孔質体に吸着した水分が蒸発しきらない約5ms〜80msの間から選択された20ms時のヒータ層抵抗値を第一のヒータ層抵抗値とし、ヒータが十分に加熱され多孔質体に吸着した水分が蒸発した約80ms〜200msの間から選択された200ms時のヒータ層抵抗値を第二のヒータ層抵抗値とし、これら第一のヒータ層抵抗値と第二のヒータ層抵抗値との比を湿度別に予め算出しておき、周囲湿度依存性として記憶部25に登録している。周囲湿度依存性を図6に示す。なお、この周囲湿度依存性は温度別に異なるものであるから温度別に登録されている。例えば、周囲温度が20℃であれば、図4で示すような特性に基づいて予め生成された周囲湿度依存性を採用し、また、温度が50℃であれば、図5で示すような特性に基づいて予め生成された周囲湿度依存性を採用するというものである。これは先に求めた周囲温度により決定される。本形態では周囲温度が50℃であり、この50℃用の周囲湿度依存性を参照しつつ説明する。
採用された周囲湿度依存性の縦軸の比、つまりヒータオン開始から所定期間加熱されるが多孔質体であるガス感知層に吸着した水分が蒸発しきらない時(本形態では20ms時)の第一のヒータ層抵抗値を検出し、続いてヒータオン開始から十分に加熱され多孔質体であるガス感知層に吸着した水分が蒸発した時(本形態では200ms時)の第二のヒータ層抵抗値を検出する。そして、湿度検知手段215は、これら第一のヒータ層抵抗値と第二のヒータ層抵抗値との比を求め、記憶部25に登録された周囲湿度依存性(比に対応する周囲湿度)のデータベースにアクセスし、算出した比に対応する周囲湿度を読み出す。これは、図6に示す特性と対応する湿度を算出することで、周囲湿度を推定するというものである。このようにして周囲湿度が算出される。
中央処理部21の補正手段216はこれら周囲湿度・周囲温度により、ガス感知部15の周囲温度・周囲湿度に合わせてガスの検出値を補正する。これはある周囲温度・ある周囲湿度に応じた補正値を予め算出しておき、そして想定される全ての周囲温度・全ての周囲湿度に応じた補正値(例えば、周囲温度20℃・周囲湿度65%で補正値a、周囲温度35℃・周囲湿度90%で補正値b、周囲温度50℃・周囲湿度65%で補正値c、周囲温度50℃・周囲湿度90%で補正値d)を予め記憶部25に登録しておく。そして、計測した周囲温度・周囲湿度に対応する補正値を記憶部25から読み出し、この補正値に基づいてセンサ出力を補正するというものである。例えば、補正値を係数として乗じたり、また、加算するようにしても良い。補正原理はこのようになる。
補正により改善した例を図7,図8を用いて説明する。補正前では図7で示すように、センサ出力が周囲温度・周囲湿度により変化が生じていたが、補正後では図8で示すように、センサ出力では周囲温度・周囲湿度による変化を吸収している。
中央処理部21の判定手段217は、補正手段216からの補正されたセンサ出力が警報閾値を超えるか否かについて判断する。そして、補正されたセンサ出力が警報閾値を超える場合には判定手段217は表示制御手段218および出力制御手段219に閾値を超えてガスが検知されたことを通知する。表示制御手段218は、警報表示部26に警報表示をするように制御すると警報表示部26が警報表示を行う。出力制御手段219は警報音出力部27に警報音を出力するように制御すると警報音出力部27が警報音を出力し、また、外部出力部28に警報が報知されたことを外部へ出力するように制御すると外部出力部28は警報を外部へ出力する。このようにしてガス検知がなされる。
本形態のガス検知装置1はこのようなものである。
以上説明した本発明によれば、周囲湿度を、ヒータの昇温特性から検出することが可能である。詳しくは、ヒータオン時にガス感知層153およびガス選択燃焼層154に吸着する水分が蒸発する際の蒸発潜熱の影響がヒータの昇温特性に反映されており、湿度検出に使用できることを知見した。このようにして得た周囲の温度・湿度により、ガス感知層の周囲の温湿度に合わせてガスの検出値を補正する。そこで、湿度の影響を排除した精度の高いガス検知が可能となる。
続いて他の形態について説明する。本形態では先の形態と構造が同じであるが湿度検出手法のみが異なるものである。以下、湿度検出について説明するとともに他の構成や温度検出手法等については同じであるものとして重複する説明を省略する。
本形態では、ヒータON時のヒータ昇温特性の変化として、計測して得たヒータ抵抗値が、閾値である特定のヒータ抵抗値を超えるまでの時間を計測し、この時間により周囲湿度を推定する。この検出原理について図を参照しつつ説明する。図9は、ある湿度においてヒータONによりヒータ昇温させ、閾値としてヒータ抵抗が95Ωを越えた時間をプロットしたものである。この際の周辺温度は20℃である。この特性によれば、周囲湿度上昇に伴い、95Ωを越える時間がほぼ比例的に長くなることが分かる。換言すれば、95Ωを越える時間が解れば周囲湿度が推察できる。
例えば、95Ωを超えた時間が15msであるならば、周囲湿度が約55%付近にあると推察される。このようにある周囲湿度に対してセンサ抵抗値95Ωを超える時間を記憶部25に複数登録する。なお、この周囲湿度依存性は温度別に異なるものであるから温度別に登録されている。例えば、周囲温度が20℃であれば、図9で示すような特性に基づいて予め生成された周囲湿度依存性を採用する。温度が異なれば、25℃、30℃というように温度別に登録されているその他の周囲湿度依存性を利用する。
まず、ヒータ層抵抗検知部24および温度検知手段214による温度検知を説明する。ヒータ層抵抗検知部24は、先ほども説明した手法によりヒータオフ時のヒータ層抵抗値を測定している。温度検知手段214はこのヒータオフ時のヒータ層抵抗値を用いて周囲温度を算出する。そしてこの周囲温度により最適な周囲湿度−時間特性を採用する。本形態では周囲温度が20℃であり、この図9で示すような20℃用の周囲湿度−時間特性を選択したものとして説明する。
続いて、ヒータ層抵抗検知部24および湿度検知手段215による湿度検知を説明する。ヒータ層抵抗検知部24は、先ほども説明した手法によりヒータオン時のヒータ層抵抗値を測定する。ヒータオン時のヒータ層抵抗値が湿度検知手段215へ順次送られる。そして、湿度検知手段215は、ヒータオン開始から所定期間加熱されるにつれて上昇するヒータ層抵抗値が所定の閾値(95Ω)に到達したことを検出する。湿度検知手段215は、この到達時刻を記憶し、記憶部25に登録された周囲湿度−時間特性のデータベースにアクセスし、計測した時刻に対応する周囲湿度を選択することで、周囲湿度を推定する。
また、ヒータ昇温特性として、ガス検知時のセンサ駆動温度より大幅に低くしたヒータ温度としてもよい。例えば、先の説明ではヒータ温度が500℃であるのに対し、ここではヒータ温度を160℃とした。このようなヒータオン時のヒータ昇温抵抗の時間変化を図10に示す。この図10では周囲温度20℃として先の説明と同じ条件としている。この図10でも明らかなようにヒータ抵抗値の閾値である95Ωに到達する時間を長くしている。
このようなヒータ昇温特性では、特に、ヒータ温度が低いため、吸着した水分を蒸発させる時間が長くなり、ヒータ昇温特性において、ヒータ抵抗の閾値を超えるまでの時間を長くしている。従って時間分解能を下げてより正確に湿度を推定することを可能にしている。図11に、閾値としてヒータ抵抗が95Ωを越えた時間をプロットした特性でも、周囲湿度上昇に伴い、95Ωを越える時間が長くなることが分かる。このようにセンサ温度よりも大幅にヒータ温度を低くして湿度を算出することでより正確に湿度を推定することが可能となる。
続いて他の形態について説明する。
本形態は、図1のガス検知装置1のうち、特にガスセンサの改良を図るものであり、図1のガスセンサ10に代えて、図12で示すようなガスセンサ30を採用するものである。そこで、ガスセンサ30以外は先のガス検知装置1の各構成と同じであるものとして重複する説明を省略し、ガスセンサ30についてのみ説明する。図12は、本発明を実施するための第2の形態のガス検知装置のガスセンサの断面図である。
一般にガス検知装置1が使用される環境では、検知対象ガスに加え、ガスセンサにとって悪影響を及ぼす他の雑ガスも共存する。雑ガスは、検知対象外の可燃性ガス、酸素、窒素、炭酸ガス、水蒸気などのガス種である。このようなガスの一部には、ガスセンサにとって干渉ガス(ガスセンサが抵抗変化しあたかも検知対象ガスが存在するかのように振舞う誤検出を誘発するガス)となり、誤検知を誘発する場合がある。
このような干渉ガスの影響を排除し、検知対象ガスの有無および濃度を正確に検知するためには、干渉ガスをガス選択燃焼層154で除去し、さらに検知対象ガスが検知可能な高温で十分な時間にわたり通電する必要がある。しかしながら、このような加熱が、低消費電力化の妨げになっているという課題があった。
そこで、干渉ガスの影響を防止するため、ガスセンサ30では、図12で示すように、ガス感知層153およびガス選択燃焼層154をフィルタケース31で覆い、フィルタケース31のガス導入口にフィルタ32を設けている。このフィルタ32は、例えば活性炭吸着層を備えており、干渉ガスを吸着除去している。
この活性炭吸着層は、空気中の水分についても吸脱着するため、フィルタケース31外(環境中)の湿度変化に対し、フィルタケース内の検出空間311の湿度応答が遅れるが、湿度検出を行うヒータ層13がフィルタケース31内に設けられており、問題はない。これにより、湿度の影響を大幅に排除した上で、先に説明した補正を行うため、さらに正確な補正が可能になる。このようなガス検知装置1としても良い。
続いて他の形態について図13を参照しつつ説明する。ガス検知装置2は、図13で示すように、ガスセンサ10と、駆動制御・信号処理部40と、を備えている。駆動制御・信号処理部40がガスセンサ10を駆動制御するとともに、ガスセンサ10からの検出信号を受信し、ガスの有無を検知する装置である。先に説明した図1のガス検知装置1は、ヒータ層13にヒータ層抵抗値を用いて温度検出や湿度検出を行っていた。本形態では図14で示すように温度検出を行う温度検出部41を採用し、湿度検出についてはヒータ層抵抗検知部24を採用したものである。
図14で示すガスセンサ10は、先の図2を用いて説明した構成と同じであり、同じ符号を付すとともに、重複する説明を省略する。駆動制御・信号処理部40は、図13で示すように、中央処理部21、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、ヒータ層抵抗検知部24、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28、電源部29、温度検出部41を備えている。先に図1を用いて説明した駆動制御・信号処理部20と比較すると温度検出部41が追加された点のみが相違する。駆動制御・信号処理部40については、温度検出部41による周囲温度検出方法のみが相違するものであってこの点ついて重点的に説明するものとし、他の構成や周囲湿度検出については図1のガス検知装置1の各構成と同じ番号を付すとともに重複する説明を省略する。
温度検出部41は、例えばサーミスタであり、温度に応じて抵抗値を変化させるものである。温度検出部41は上記のシャント抵抗を有し、温度検出部41のサーミスタの抵抗値が検出できるようになされている。中央処理部21の温度検知手段214は、温度検出部41のサーミスタの抵抗値に基づいて上記の数2を用いる手法により周囲温度を計測する。
また、中央処理部21の湿度検知手段215は、ヒータ層抵抗検知部24を介して得たヒータ層抵抗値に基づいて上記の手法により周囲湿度を計測する。中央処理部21のヒータ層駆動手段211は、ヒータ層駆動部22を制御し、上記したような周囲湿度の検出時の駆動を行う。すると、ヒータ層抵抗検知部24を介して得たヒータオン時のヒータ層13のヒータ層抵抗値の昇温時の変化(図6の比や図9,図11の時間)に基づいて、湿度検知手段215が周囲湿度の検出を行う。以下この周囲温度や周囲湿度を用いて上記のような補正・判定を行うことになる。
このような本発明によれば、特に周囲温度の検出と、周囲湿度の検出とを、それぞれ独立して行えるようにしたため、設置箇所や検出時間を自由に設定できるという利点がある。
続いて他の形態について説明する。本形態は、図13のガス検知装置2において、図14のガスセンサ10に代え、図15に示すようなガスセンサ30を採用したものである。この図15に示すガスセンサ30は、図14のガスセンサ10の構成に対し、さらにフィルタケース31,フィルタ32を追加したものである。これら構成は先の図12を用いたガスセンサ30の説明と同じであるが、特に温度検出部41はフィルタケース31内に配置されて、フィルタケース31内の周囲温度を検出することが好ましい。なお、温度検出部41をフィルタケース31の外側に配置しても温度検出は可能である。また、周囲温度・周囲湿度の検出方法、ガスの検出方法、補正方法等については先の説明と同じであり、重複する説明を省略する。
このようなガス検知装置2では、湿度の影響を大幅に排除した上で、先に説明した補正を行うため、さらに正確な補正が可能になる。このようなガス検知装置2としても良い。
続いて他の形態について図16を参照しつつ説明する。ガス検知装置3は、ガスセンサ50と、駆動制御・信号処理部60と、を備えている。駆動制御・信号処理部60が図17で示すようなガスセンサ50を駆動制御するとともに、ガスセンサ50からの検出信号を受信し、ガスの有無を検知する装置である。先に説明した図1のガス検知装置1は、ヒータ層13にヒータ層抵抗値を用いて温度検出や湿度検出を行っていた。本形態では検出に特化した検出部51をガスセンサ50に搭載し、この検出部51が温度検出や湿度検出を行うというものである。
ガスセンサ50は、図17で示すように、Si基板11、熱絶縁支持層12、ヒータ層13、電気絶縁層14、ガス感知部15、検出部51を備える。このうちSi基板11、熱絶縁支持層12、ヒータ層13、電気絶縁層14、ガス感知部15については先の説明と同様であり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
検出部51は、検出用ヒータ層511、検出用多孔質層512を備える。
検出用ヒータ層511は、Ni−Crにより形成されており、熱絶縁支持層12の上側に設けられる。検出用ヒータ層511は、スパッタSiO層からなる電気絶縁層14により覆われる。検出用多孔質層512は、ガス選択燃焼層154と同じ材料であるPd担持Al焼結材、Pt担持Al焼結材やPd・Pt合金担持Al焼結材を採用することができる。検出用ヒータ層511、検出用多孔質層512は、ヒータ層13やガス選択燃焼層154の形成時に同じ材料を用いて同時に形成することができる。
なお、この検出部51(検出用ヒータ層511、検出用多孔質層512)の位置は、ガス感知部15の近傍であって、ダイヤフラム上の範囲内に配置される。これは、ダイヤフラム上の範囲外に配置されていると、Si基板11に熱が逃げてしまい、昇温が緩やかになり、また、温度が上がりきらなくなるためである。このように、ダイヤフラム上に配置することで熱が逃げにくくなり、低消費電力化を実現できる。
続いて、駆動制御・信号処理部60について説明する。駆動制御・信号処理部60は、図16で示すように、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28、電源部29、中央処理部61、検出用ヒータ層駆動部62、検出用ヒータ層抵抗検知部63を備えている。中央処理部61、検出用ヒータ層駆動部62、検出用ヒータ層抵抗検知部63について重点的に説明するものとし、他の構成については同じ番号を付すとともにガス検知方法等の重複する説明を省略する。
中央処理部61は、ヒータ層駆動手段211、都市ガス検知手段212、COガス検知手段213、温度検知手段214、湿度検知手段215、補正手段216、判定手段217、表示制御手段218、出力制御手段219に加え、検出用ヒータ層駆動手段611を備える。
検出用ヒータ層駆動部62は、電源部29から供給された電圧を、周囲温度や周囲湿度を精度よく検知するためのヒータ電圧に変換し、検出用ヒータ層511を通電により駆動するような回路部である。
検出用ヒータ層抵抗検知部63は、検出用ヒータ層511のヒータ層抵抗を検出する手段からなり、検出信号を中央処理部61へ送信する。中央処理部61の温度検知手段214は、検出用ヒータ層511のヒータ層抵抗値に基づいて上記の数2を用いる手法により周囲温度を計測する。また、中央処理部61の湿度検知手段215は、検出用ヒータ層511のヒータ層抵抗値に基づいて上記の手法により周囲湿度を計測する。
中央処理部61の検出用ヒータ層駆動手段611は、検出用ヒータ層駆動部62を制御し、上記したような周囲温度・周囲湿度の検出時の駆動を行う。すると、検出用ヒータ層抵抗検知部63を介して得たヒータオフ時の検出用ヒータ層511のヒータ層抵抗値に基づいて、中央処理部61の温度検知手段214が周囲温度検出を行う。そして、検出用ヒータ層抵抗検知部63を介して得たヒータ層抵抗値であって、ヒータオン時における検出用多孔質層512に吸着された水分の影響を含む検出用ヒータ層511のヒータ層抵抗値の昇温時の変化(図6の比や図9,図11の時間)に基づいて、湿度検知手段215が周囲湿度の検出を行う。以下この周囲温度や周囲湿度を用いて上記のような補正・判定を行うことになる。
このような本発明によれば、周囲温度・周囲湿度の検出を独立して行えるようにしたため、設置箇所や検出時間を自由に設定できるという利点がある。
続いて他の形態について説明する。本形態は、図16のガス検知装置3において、図17に示すようなガスセンサ50に代え、図18に示すようなガスセンサ70を採用したものである。この図18に示すガスセンサ70は、図17のガスセンサ50の構成に対し、さらにフィルタケース31,フィルタ32を追加したものである。そして、検出部51もフィルタケース31の検出空間311内に位置する。このフィルタケース31,フィルタ32の構成は先の説明と同じであり、また、周囲温度・周囲湿度の検出方法、ガスの検出方法、補正方法等については先の説明と同じであり、重複する説明を省略する。
このようなガス検知装置3では、湿度の影響を大幅に排除した上で、先に説明した補正を行うため、さらに正確な補正が可能になる。また、周囲温度・周囲湿度の検出を独立して行えるようにしたため、設置箇所や検出時間を自由に設定できるという利点がある。このようなガス検知装置3としても良い。
続いて他の形態について図19を参照しつつ説明する。ガス検知装置4は、ガスセンサ50と、駆動制御・信号処理部80と、を備えている。駆動制御・信号処理部80が図20で示すようなガスセンサ50を駆動制御するとともに、ガスセンサ50からの検出信号を受信し、ガスの有無を検知する装置である。本形態では温度検出については上記の温度検出部41を採用し、この温度検出部41が温度検出を行う。また、湿度検出については上記の検出用ヒータ層抵抗検知部63を採用したものである。
ガスセンサ50は、先の図17を用いて説明した構成と同じであり、重複する説明を省略する。駆動制御・信号処理部80は、図19で示すように、中央処理部61、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28、電源部29、検出用ヒータ層駆動部62、検出用ヒータ層抵抗検知部63、温度検出部41を備えている。先に図16を用いて説明した駆動制御・信号処理部60と比較すると温度検出部41が追加された点のみが相違する。駆動制御・信号処理部80については、温度検出部41による周囲温度検出方法のみが相違するものであってこの点ついて重点的に説明するものとし、他の構成や周囲湿度検出については図16のガス検知装置3の各構成と同じ番号を付すとともに重複する説明を省略する。
温度検出部41は、例えばサーミスタであり、温度に応じて抵抗値を変化させるものである。温度検出部41は上記のシャント抵抗を有し、サーミスタの抵抗値が検出できるようになされている。中央処理部61の温度検知手段214は、サーミスタの抵抗値に基づいて上記の手法により周囲温度を計測する。また、中央処理部61の湿度検知手段215は、検出用ヒータ層抵抗検知部63を介して得た検出用のヒータ層抵抗値に基づいて上記の手法により周囲湿度を計測する。
中央処理部61の検出用ヒータ層駆動手段611は、検出用ヒータ層駆動部62を制御し、上記したような周囲湿度の検出時の駆動を行う。すると、検出用ヒータ層抵抗検知部63を介して得た、ヒータオン時の検出用ヒータ層511のヒータ層抵抗値の昇温時の変化(図6の比や図9,図11の時間)に基づいて、湿度検知手段215が周囲湿度の検出を行う。以下、この周囲温度や周囲湿度を用いて上記のような補正・判定を行うことになる。
このような本発明によれば、特に周囲温度の検出と、周囲湿度の検出とを、ヒータ層駆動と分離させつつ、それぞれ独立して行えるようにしたため、設置箇所や検出時間を自由に設定できるという利点がある。
続いて他の形態について説明する。本形態は、図19のガス検知装置4において、ガスセンサ50に代え、図21に示すようなガスセンサ70を採用したものである。この図21に示すガスセンサ70は、図20のガスセンサ50の構成に対し、さらにフィルタケース31,フィルタ32を追加したものである。これら構成は先の説明と同じであり、また、周囲温度・周囲湿度の検出方法、ガスの検出方法、補正方法等については先の説明と同じであり、重複する説明を省略する。
このようなガス検知装置4では、湿度の影響を大幅に排除した上で、先に説明した補正を行うため、さらに正確な補正が可能になる。特に周囲温度の検出と、周囲湿度の検出とを、ヒータ層駆動と分離させつつ、それぞれ独立して行えるようにしたため、設置箇所や検出時間を自由に設定できるという利点がある。このようなガス検知装置4としても良い。
続いて他の形態について図22を参照しつつ説明する。ガス検知装置5は、図22で示すように、ガスセンサ90と、駆動制御・信号処理部100と、を備えている。駆動制御・信号処理部100がガスセンサ90を駆動制御するとともに、ガスセンサ90からの検出信号を受信し、ガスの有無を検知する装置である。本形態では特に温度検出を行う温度検出部41と、湿度検出を行う湿度検出部102と、を採用したものである。
図23で示すガスセンサ90は、Si基板11、熱絶縁支持層12、ヒータ層13、電気絶縁層14、ガス感知部15を備える。これらSi基板11、熱絶縁支持層12、ヒータ層13、電気絶縁層14については先の説明と同様であり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
駆動制御・信号処理部100は、図22で示すように、中央処理部100、ヒータ層駆動部22、ガス検知部23、記憶部25、警報表示部26、警報音出力部27、外部出力部28、電源部29、温度検出部41、湿度検出部102を備えている。駆動制御・信号処理部100については、温度検出部41による周囲温度検出方法と湿度検出部102による周囲温度検出方法が相違するものであってこの点について重点的に説明するものとし、他の構成については図1のガス検知装置1の各構成と同じ番号を付すとともに重複する説明を省略する。
温度検出部41は、例えばサーミスタであり、温度に応じて抵抗値を変化させるものである。温度検出部41は上記のシャント抵抗を有し、サーミスタの抵抗値が検出できるようになされている。中央処理部101の温度検知手段214は、温度検出部41のサーミスタの抵抗値に基づいて上記の数2を用いる手法により周囲温度を計測する。
湿度検出部102は、例えば湿度に応じて感湿体に吸着される水分吸収量に比例して抵抗値を変化させるものである。中央処理部101の湿度検知手段215は、湿度検出部102の感湿体の抵抗値に基づいて上記のような手法にて周囲湿度を計測する。以下この周囲温度や周囲湿度を用いて上記のような補正・判定を行うことになる。
このような本発明によれば、特に周囲温度の検出と、周囲湿度の検出とを、それぞれ独立して行えるようにしたため、設置箇所や検出時間を自由に設定できるという利点がある。
続いて他の形態について説明する。本形態は、図22のガス検知装置5において、図23のガスセンサ90に代え、図24に示すようなガスセンサ110を採用したものである。この図24に示すガスセンサ110は、図23のガスセンサ90の構成に対し、さらにフィルタケース31,フィルタ32を追加したものである。これら構成は先の図23を用いたガスセンサ90の説明と同じであるが、特に温度検出部41および湿度検出部102はフィルタケース31内に配置されて、フィルタケース31内の周囲温度・周囲湿度を検出することが好ましい。なお、温度検出部41および湿度検出部102をフィルタケース31の外側に配置しても温度検出・湿度検出は可能であり、このような構成としても良い。また、ガスの検出方法、周囲温度・周囲湿度を用いる補正方法等については先の説明と同じであり、重複する説明を省略する。
このようなガス検知装置5では、湿度の影響を大幅に排除した上で、先に説明した補正を行うため、さらに正確な補正が可能になる。このようなガス検知装置としても良い。
以上、本発明のガス検知装置について図を参照しつつ説明した。なお、先に説明した形態では何れもガス選択燃焼層154を備える構成であるものとして説明したが、このガス選択燃焼層154がないようなガス感知層15であっても良い。この場合も、多孔質であるガス感知層153があればガス検知は可能である。このようなガス選択燃焼層154がない構成を採用しても良い。
このように先に説明したガス検知装置によれば、周囲温度・周囲湿度の影響を排除でき、正確なガス検知を実現する。
本発明のガス検知装置は、特にガス漏れ警報器等の用途に適用することができる。
1,2,3,4,5:ガス検知装置
10,30,50,70,90,110:ガスセンサ
11:Si基板
12:熱絶縁支持層
121:熱酸化SiO
122:CVD−Si
123:CVD−SiO
13:ヒータ層
14:電気絶縁層
15:ガス検知部
151:接合層
152:感知電極層
153:ガス感知層
154:ガス選択燃焼層
20,40,60,80,100:駆動制御・信号処理部
21,61,101:中央処理部
211:ヒータ層駆動手段
212:都市ガス検知手段
213:COガス検知手段
214:温度検知手段
215:湿度検知手段
216:補正手段
217:判定手段
218:表示制御手段
219:出力制御手段
611:検出用ヒータ層駆動手段
22:ヒータ層駆動部
23:ガス検知部
24:ヒータ層抵抗検知部
25:記憶部
26:警報表示部
27:警報音出力部
28:外部出力部
29:電源部
31:フィルタケース
311:検出空間
32:フィルタ
41:温度検出部
51:検出部
511:検出用ヒータ層
512:検出用多孔質層
52:検出用ヒータ層駆動部
53:検出用ヒータ層抵抗検知部
102:湿度検出部

Claims (17)

  1. 検知対象ガスとの接触により電気抵抗が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
    前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
    前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
    前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、
    前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部および前記ヒータ層抵抗検知部が接続される中央処理部と、
    を備え、
    前記中央処理部は、
    前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
    前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
    前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んで前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
    前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
    検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
    補正されたセンサ出力によりガスの有無を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  2. 請求項に記載のガス検知装置において、
    前記温度検知手段は、読み取ったヒータ層抵抗値、ヒータ層抵抗の温度係数、および、基準温度時のヒータ層抵抗値から、前記ガス感知層周囲温度を算出することを特徴とするガス検知装置。
  3. 検知対象ガスとの接触により電気抵抗が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
    前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
    前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
    前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、
    前記ガスセンサ周囲の温度に応じた検出信号を出力する温度検出部と、
    前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部、前記ヒータ層抵抗検知部および前記温度検出部が接続される中央処理部と、
    を備え、
    前記中央処理部は、
    前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
    前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
    前記温度検出部からの出力に基づいて前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
    前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
    検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
    補正されたガス濃度によりガスの有無を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  4. 請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    前記湿度検知手段は、ヒータオン開始からのヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から所定期間加熱された多孔質体の前記ガス感知層着水分が蒸発しきらない時の第1のヒータ層抵抗値と、ヒータオン開始から十分に加熱された前記ガス感知層着水分が蒸発した時の第2のヒータ層抵抗値と、を用いた比を算出し、この比に対応する湿度を検知することを特徴とするガス検知装置。
  5. 請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    前記湿度検知手段は、ヒータオン開始からのヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から十分に加熱されたガス感知層の着水分が蒸発したヒータ層抵抗値に到達する時間を算出し、この時間に対応する湿度を検知ることを特徴とするガス検知装置。
  6. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    少なくとも前記ガス感知層を含む空間を外界から区画するフィルタカバーと、
    前記フィルタカバーに設けられ、検知対象ガスのうちの所定のガスを吸着した上で前記フィルタカバー内に導入するフィルタと、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  7. 検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
    前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
    前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
    検出用多孔質層と、
    前記検出用多孔質層を加熱する検出用ヒータ層と、
    前記検出用ヒータ層を駆動する検出用ヒータ層駆動部と、
    前記検出用ヒータ層の検出用ヒータ層抵抗の変化を検知する検出用ヒータ層抵抗検知部と、
    前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部、前記検出用ヒータ層駆動部および前記検出用ヒータ層抵抗検知部が接続される中央処理部と、
    を備え、
    前記中央処理部は、
    前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
    前記検出用ヒータ層駆動部を駆動する検出用ヒータ層駆動手段と、
    前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
    前記検出用ヒータ層抵抗検知部から検出用ヒータ層抵抗値を読み込んで前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
    前記検出用ヒータ層抵抗検知部から検出用ヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後の検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
    算出した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
    補正されたガス濃度によりガスの有無を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  8. 請求項に記載のガス検知装置において、
    前記温度検知手段は、読み取った検出用ヒータ層抵抗値、検出用ヒータ層抵抗の温度係数、および、基準温度時の検出用ヒータ層抵抗値から周囲温度を算出することを特徴とするガス検知装置。
  9. 検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、
    前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、
    前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、
    検出用多孔質層と、
    前記検出用多孔質層を加熱する検出用ヒータ層と、
    前記検出用ヒータ層を駆動する検出用ヒータ層駆動部と、
    前記検出用ヒータ層の検出用ヒータ層抵抗の変化を検知する検出用ヒータ層抵抗検知部と、
    前記ガスセンサ周囲の温度に応じた検出信号を出力する温度検出部と、
    前記ヒータ層駆動部、前記ガス検知部、前記検出用ヒータ層駆動部、前記検出用ヒータ層抵抗検知部および前記温度検出部が接続される中央処理部と、
    を備え、
    前記中央処理部は、
    前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とするヒータ層駆動手段と、
    前記検出用ヒータ層駆動部を駆動する検出用ヒータ層駆動手段と、
    前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知するガス検知手段と、
    前記温度検出部からの出力に基づいて前記ガス感知層周囲の温度を検知する温度検知手段と、
    前記検出用ヒータ層抵抗検知部から検出用ヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後の検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、
    検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正する補正手段と、
    補正されたガス濃度によりガスの有無を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  10. 請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    前記湿度検知手段は、検出用ヒータ層抵抗についてのヒータオン開始からの検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から所定期間加熱された前記検出用多孔質層に吸着した水分が蒸発しきらない時の第1の検出用ヒータ層抵抗値と、ヒータオン開始から十分に加熱された前記検出用多孔質層着水分が蒸発した時の第2の検出用ヒータ層抵抗値と、を用いた比を算出し、この比に対応する湿度を検知ることを特徴とするガス検知装置。
  11. 請求項〜請求項の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    前記湿度検知手段は、検出用ヒータ層抵抗についてのヒータオン開始からの検出用ヒータ層抵抗値の昇温特性の変化として、ヒータオン開始から、十分に加熱された前記検出用多孔質層の吸着水分が蒸発した検出用ヒータ層抵抗値に到達するまでの時間を算出し、この時間に対応する湿度を検知ることを特徴とするガス検知装置。
  12. 請求項〜請求項11の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    少なくとも前記ガス感知層および前記検出用多孔質層を含む空間を外界から区画するフィルタカバーと、
    前記フィルタカバーに設けられ、検知対象ガスのうちの所定のガスを吸着した上で前記フィルタカバー内に導入するフィルタと、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  13. 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    前記ガスセンサは、
    貫通孔を有するSi基板と、
    前記貫通孔の開口部に張られるダイヤフラム様の熱絶縁支持層と、
    前記熱絶縁支持層上に設けられる前記ヒータ層と、
    前記熱絶縁支持層および前記ヒータ層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
    前記電気絶縁層上に設けられる一対の感知電極層と、
    前記電気絶縁層および前記一対の感知電極層の上であって前記ヒータ層の近傍に設けられ、接触したガスによりそのセンサ抵抗値が変化する酸化物半導体からなる前記ガス感知層と、
    を備えることを特徴とするガス検知装置。
  14. 請求項13に記載のガス検知装置において、
    前記ガスセンサは、
    更に前記ガス感知層の表面を覆うように設けられ、PdPtまたは、PdとPtとを含む合金を触媒として担持したAl焼結材によるガス選択燃焼層を備えることを特徴とするガス検知装置。
  15. 請求項1〜請求項14の何れか一項に記載のガス検知装置において、
    内蔵された電池を有する電源部からの電力供給により駆動されることを特徴とするガス検知装置。
  16. 検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、を備えるガス検知装置で用いられるガス検知方法であって、
    前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とし、前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知し、前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んで前記ガス感知層周囲の温度を検知し、前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知し、検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正し、補正されたセンサ出力によりガスの有無を判定することを特徴とするガス検知方法。
  17. 検知対象ガスとの接触により電気抵抗特性が変化するガス感知層、および、前記ガス感知層を加熱するヒータ層を有するガスセンサと、前記ヒータ層を駆動するヒータ層駆動部と、前記ガス感知層の電気抵抗の変化を検知するガス検知部と、前記ヒータ層のヒータ層抵抗の変化を検知するヒータ層抵抗検知部と、前記ガスセンサ周囲の温度に応じた検出信号を出力する温度検出部と、を備えるガス検知装置で用いられるガス検知方法であって、
    前記ヒータ層駆動部を駆動して前記ヒータ層の加熱により前記ガス感知層を検出可能状態とし、前記ガス検知部からの出力に基づいてセンサ出力を検知し、前記温度検出部からの出力に基づいて前記ガス感知層周囲の温度を検知し、前記ヒータ層抵抗検知部からヒータ層抵抗値を読み込んでヒータオン後のヒータ層抵抗値の昇温特性の変化に基づいて前記ガス感知層周囲の湿度を検知し、検知した温度および湿度に基づいて補正値を算出し、この補正値を用いてセンサ出力を補正し、補正されたセンサ出力によりガスの有無を判定することを特徴とするガス検知方法。
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