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JP6159283B2 - 燃料電池用電極触媒 - Google Patents

燃料電池用電極触媒 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用電極触媒に関し、さらに詳しくは、固体高分子形燃料電池用電極のアノード触媒として好ましく用いられ、CO耐性及び触媒耐久性をより向上させることができる、RuOナノシート添加による燃料電池用電極触媒に関する。
家庭用の固体高分子形燃料電池のアノード触媒は、燃料ガスに含まれるCOに対する被毒耐性の向上が必要とされている(非特許文献1)。改質器の高性能化は、燃料ガス中のCO含有量の減少に効果的であるが、燃料電池システムの高コスト化を招き、本格普及の障壁になっている。こうした状況下、家庭用燃料電池の本格普及を目的として、CO耐性が高いアノード触媒の開発が期待されている。
カーボンブラック担体上にルテニウム−白金合金粒子(Ru/Pt=1.5/1(モル比))を担持したPtRu/C電極触媒は、CO耐性が高いため、現在、家庭用燃料電池のアノード触媒で標準的に使用されている。このPtRu/C電極触媒は、PtとRuが合金化することでPtの電子状態が変化するため、二元機能機構(Ptに強吸着したCOを酸化除去する機構)又はリガンド効果(Pt−CO結合が弱まりCO酸化されやすくなる効果)により、CO耐性が高まることが知られている。
しかしながら、PtRu/CのRuは、一部合金化せずに存在しているため、十分なCO耐性を引き出せていないことが問題になっている。さらに、PtRu/Cは、CO耐性が高いながらもCOフリーでの水素酸化反応(HOR)活性が低いため、十分な性能でない。また、カーボンブラック担体上に白金粒子を担持したPt/C電極触媒は、触媒表面がPtのみであるため、PtRu/Cよりも高い水素酸化反応活性(HOR活性)を有するが、PtRu/Cよりも低いCO耐性であるという難点もある。
上記のように、PtRu/CにおけるCOフリーでのHOR活性がPt/Cよりも低いことは、PtRu粒子の肥大化や表面Pt量の減少によると考えられている。したがって、微小な粒径で、かつ表面がPtリッチなPtRu/Cの合成、すなわちCOフリーでのHOR活性とCO耐性の両方が高い触媒が必要とされている。
こうした要求に対しては、カーボンブラック担体上にルテニウム−白金合金粒子(Ru/Pt=1/1(モル比))を担持したPtRu/C電極触媒をナノカプセル法で合成した例が報告されている。PtRu/CのCOフリーでのHOR活性は、同様の合成法で得られたPtRu/Cよりも高かった。これは、PtRu/Cの表面がPtリッチであったためと報告されている。また、CO耐性は、PtRu/Cが最も高く、次にPtRu/Cが高いことも報告されている。これらの結果より、COフリーでのHOR活性とCO耐性は、PtRu/CとPtRu/Cでトレードオフの関係にあるため、改善が必要であるといえる。
CO耐性を高める手段の一つに、PtRu/Cの改良が挙げられる。COフリーでのHOR活性が高いPtRu/CのCO耐性を高めるためには、酸化物マテリアルの添加が効果的であるとされている。
MoOとPtRu/Cを組み合わせ、300℃の熱処理で得られたMoO−PtRu/Cは、CO耐性とCO酸化能が高いと報告されている。特に、MoOの添加量が増加するにつれて、CO耐性やCO酸化能が高まった。MoOとPtRuが複合化した結果、Ptに吸着したCOとMoOに吸着したOHとが反応し、COが酸化されやすくなりCO耐性が高まったと報告されている。これについては、in−situ ATR−FTIR測定で確認されている。また、MoとPtRuが合金化したことで電子状態が変化したことも、CO耐性向上の要因であると報告されている。これらのことから、Pt近傍にOH種を引き寄せる金属種が存在することで、CO耐性及びCO酸化能を高められることがわかっている。
また、PtRu/CとSnOとを複合化させた触媒でCOフリーのHOR活性とCO耐性を向上させることが報告されている。また、PtRu/CとSnOとを複合化させた触媒は、PtRu/CよりもCO耐性が高いことも報告されている。さらに、Pt/CとSnOとの複合触媒でも、CO耐性を向上させている。SnO粒子がPtRuやPt粒子と隣接することで、二元機能機構によりCO酸化が促進されることが知られており、これに起因してCO耐性が高まったと報告されている。
しかしながら、これらの金属酸化物添加による複合触媒は、電気化学的活性表面積を低下させてしまっていた。金属酸化物を添加しても活性表面積を低下させない触媒が合成できれば、COフリーでのHOR活性とCO耐性の両方が高い触媒であると期待できる。
金属酸化物を添加しても電気化学的活性表面積を低下させずにCO耐性を高めた触媒として、PtRu粒子表面にRuO凝集体が一部接したRuO−PtRu/Cが挙げられる。PtRu粒子表面にRuO凝集体が近接することで、CO酸化能及びCO耐性が高まることがわかった。RuO凝集体の表面積を大きくできれば、CO酸化能をさらに高められると期待できる。そのため、比表面積の大きなRuOが求められる。
また、PtRu/Cは、燃料電池の起動停止に対する耐久試験でRuが溶出することが知られている。その結果、電極触媒のCO耐性は顕著に低下する。そこで、電極触媒には、起動停止に対する高耐久化も必要とされている。触媒の高耐久化には、SiOやTiO、RuOとの複合触媒で実現できることがわかっている。
S.M.M.Ehteshami and S.H.Chan, Electrochim.Acta, 93, 334 (2013). W.Sugimoto, H.Iwata, Y.Yasunaga, Y.Murakami, and Y.Takasu, Angew.Chem.Int.Ed., 42, 4092 (2003). W.Sugimoto, H.Iwata, Y.Murakami, and Y.Takasu, J.Electrochem.Soc., 151, A1181 (2004). T.Saida, W.Sugimoto, and Y.Takasu, Electrochim.Acta, 55, 857 (2010). W.Sugimoto, T.Saida, and Y.Takasu, Electrochem.commun., 8, 411 (2006). D.Takimoto, C.Chauvin, and W.Sugimoto, Electrochem.commun., 33, 123 (2013).
従来の研究をまとめた課題点は、活性表面積を低下させない酸化物マテリアルの添加が必要であることであり、また、CO酸化能を高めるのに効果的な酸化物マテリアルの表面積の増加が必要であることであるといえる。これに加えて、PtRu/Cの触媒耐久性を高めることも重要な課題である。
この課題点に対し、本発明者は、層状の酸化ルテニウムをはく離して得られる酸化ルテニウムナノシートの合成を報告している(非特許文献2)。この酸化ルテニウムナノシートは、厚さが約1nmで横方向に数μmの広がりを有する二次元結晶であるため、約250m−1の比表面積を有している(非特許文献3)。これまでに、酸化ルテニウムナノシートとPt/Cの複合触媒で、メタノール酸化反応活性とCO酸化能、触媒耐久性を向上させたことがわかっている(非特許文献4,5)。また、高比表面積の酸化ルテニウムナノシートに吸着したOH種がPtに吸着したCOを、より多く酸化させたためCO酸化能が向上したと報告している。このときの酸化ルテニウムナノシートは、二次元的な特長を有するため反応種の拡散を阻害しない。したがって、複合触媒は、Pt/Cよりも高いメタノール酸化反応活性を示している。この複合触媒は、従来の複合触媒と異なり合成時に高温熱処理を必要としないためPt活性表面積を低下させない(非特許文献6)。加えて、RuOナノシートの表面積が大きいためCO被毒されたPtと隣接しやすくなるのでCO酸化能が高まることが期待できる。さらに、合成法がRuOナノシートコロイドと触媒水分散液を、ただ混ぜるだけなので組成制御が非常に簡単である。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、固体高分子形燃料電池用電極のアノード触媒として好ましく用いられ、CO耐性及び触媒耐久性をより向上させることができる電極触媒を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る電極触媒は、カーボンブラック上に白金粒子又はルテニウム白金粒子を担持した電極触媒と、RuOナノシートとの複合触媒であって、前記複合触媒を構成するRu/Ptモル比が0.1以上1.5以下の範囲内であることを特徴とする。
本発明に係る電極触媒において、HOR活性保持率が72%以上で触媒劣化率が13%以下であるように構成できる。
本発明に係る電極触媒において、CO耐性用途及び触媒の劣化抑制用途で用いられることが好ましい。
本発明に係る電極触媒によれば、固体高分子形燃料電池用電極のアノード触媒として好ましく用いられ、CO耐性及び触媒耐久性をより向上させることができる。
飽和下における各電極触媒のPt量で割り付けたクロノアンペログラム(A)と、PtRu量で割り付けたクロノアンペログラム(B)である。 及び300ppmCO/H飽和下における各電極触媒のPt量で割り付けたクロノアンペログラム(A)と、PtRu量で割り付けたクロノアンペログラム(B)である。 耐久試験前(A)と耐久試験後(B)の各電極触媒のPtRu量で割り付けたクロノアンペログラムである。
以下、本発明に係る燃料電池用電極触媒について詳しく説明するが、本発明は、その技術的範囲に含まれる範囲において下記の説明に限定されない。
本発明に係る電極触媒は、カーボンブラック上に白金粒子又はルテニウム白金粒子を担持した電極触媒と、RuOナノシートとの複合触媒である。そして、その複合触媒を構成するRu/Ptモル比が、0.1以上、1.5以下の範囲内であることに特徴がある。こうした特徴を備えることにより、固体高分子形燃料電池用電極のアノード触媒として好ましく用いられ、CO耐性及び触媒耐久性をより向上させることができる燃料電池用電極触媒を提供できる。
RuOナノシート(酸化ルテニウムナノシート。以下「RuOns」と表す。)は、厚さがnmオーダー〜サブnmオーダーの鱗片形状の化合物であり、縦と横がそれぞれ数百nm〜μmオーダーのサイズのシート状の結晶性ルテニウム酸化合物である。このRuOnsは、電気泳動法等で容易に積層させることができる。本発明では、酸素還元能を有する電極触媒、具体的には固体高分子形燃料電池用のアノード触媒として利用しているが、カソード触媒としても利用でき、さらには疑似二重層キャパシタとしても利用できる。
RuOnsは、後述の実施例で説明するように、RuOnsが積層して形成された層状ルテニウム酸化合物、例えば層状酸化ルテニウム(水素型:H0.2RuO2.1)の層間にアルキルアンモニウムイオンを含むアルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸層間化合物を提供することにより、剥離して得ることができる。
本発明では、RuOnsを、カーボンブラック上に白金粒子を担持した電極触媒(Pt/C)とともに用いて複合触媒としたり、RuOnsを、カーボンブラック上にルテニウム白金粒子を担持した電極触媒(Ru1Pt1/C)とともに用いて複合触媒とすれば、その複合触媒からなる酸素還元能を有する電極触媒、具体的には固体高分子形燃料電池用電極触媒の耐性をより向上させることができる。なお、Pt/CやRu1Pt1/Cは、例えば特開2011−134477号公報に記載の従来公知のものを適用できる。
複合触媒を構成するRu/Ptモル比が0.1以上1.5以下の範囲内で、優れたCO耐性と触媒耐久性を実現できる。
本発明に係る電極触媒は、HOR活性保持率が72%以上であることが好ましい。また、触媒劣化率が13%以下であることが好ましい。こうした特徴を有する電極触媒は、CO耐性用途及び触媒の劣化抑制用途で用いられることが好ましい。なお、HOR活性保持率の上限は大きい方が望ましく特に限定されないが、後述の実施例の結果に示すように、87%を例示できる。
実験例により本発明を具体的に説明する。以下の実験では、PtRu/CとRuOnsとの複合触媒を、現在、標準的に使用されているPtRu/CのRu/Ptモル比と同様になるように調製し、RuOns添加が電極触媒性能にどのような影響を与えるか検討した。また、CO耐性の向上が何に起因しているかを検討するために、さまざまなRu/Ptモル比で調製したPt/CとRuOnsとの複合電極触媒を用いた。
[RuOnsの作製]
最初に、RuOnsを得るための層状酸化ルテニウムを作製した。層状酸化ルテニウムは、酸化ルテニウムとアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)との複合酸化物であり、中でもK0.2RuO2.1・nH2O、及びNa0.2RuO2・nH2Oは、イオン交換能を利用することで層一枚単位にまで層剥離することが可能であるので、これによりRuOnsを得ることができる。
具体的には、先ず、酸化ルテニウム(RuO2)と炭酸カリウム(K2CO3)とをモル比8:5の割合となるように量り取り、メノウ乳鉢を用いてアセトン中で1時間湿式混合した。その後、錠剤成形器を用いて混合粉末をペレット化した。このペレットをアルミナボートにのせ、管状炉にてアルゴン流通下で850℃、12時間焼成した。焼成後、ペレットを粉砕し、イオン交換蒸留水で洗浄し、上澄み液を取り除いた。この操作を上澄み液が中性になるまで繰り返したものを層状酸化ルテニウム(カリウム型)とした。
次に、層状酸化ルテニウム(カリウム型)に1MのHClを加え、60℃のウォーターバス内で72時間酸処理をして、層状酸化ルテニウム(カリウム型)に含まれるKイオンを水素イオン(プロトン)に置換した。その後、イオン交換蒸留水で洗浄し上澄み液を取り除いた。この操作を上澄み液が中性になるまで繰り返し、ろ過後に、層状酸化ルテニウム(水素型:H0.2RuO2.1)の粉末を得た。
得られた層状酸化ルテニウム(水素型:H0.2RuO2.1)に、RuOnsを得る剥離剤としての10%TBAOH水溶液を加えた。層状酸化ルテニウム(水素型:H0.2RuO2.1)の濃度を、TBAOHとプロトンとの割合でTBA/H=1.5、固液比=4g/Lとした。そして、層状酸化ルテニウム(水素型:H0.2RuO2.1)を蒸留水に加え、10日間振とうさせた。この方法で単層剥離させたRuOnsを2000rpmで30分間遠心分離した後、上澄み液を回収して、超純水にて濃度を0.02g/Lまで希釈したRuOns水分散液(コロイド)を得た。
[実験1/RuOns(x)−Pt/Cの調製]
RuOnsをPt/C(カーボンブラック担体上に白金触媒を担持した電極触媒)と組み合わせるために、先ず、10mg/mLとなるようにPt/Cを超純水15mL中に加え、攪拌30分間及び超音波処理30分間を行って分散させた。この溶液に、上記した白金触媒のPtとの比(Pt:Ru)がモル比で、1:0.1,1:0.5,1:1.5になるように適量のRuOns水分散液を、攪拌しながらゆっくり滴下した。RuOns水分散液の濃度は任意に調整できるが、ここでは10mg/mLとした。
さらに、均一な反応を確保するために、撹拌、超音波処理及び超純水洗浄を行い、過剰なTBAOHを除去した後、懸濁液を120℃で一晩乾燥させ、その後に粉砕して、各RuOns(x)−Pt/Cを得た。xは、それぞれ、0.1,0.5,1.5である。
[実験2/RuOns(x)−Pt1Ru1/Cの調製]
RuOnsをPt1Ru1/C(カーボンブラック担体上にルテニウム白金触媒を担持した電極触媒)と組み合わせるために、先ず、10mg/mLとなるようにPt1Ru1/Cを超純水15mL中に加え、攪拌30分間及び超音波処理30分間を行って分散させた。この溶液に、上記したルテニウム白金触媒のPtとの比(Pt:Ru)がモル比で、1:1.5になるように適量のRuOns水分散液を、攪拌しながらゆっくり滴下した。RuOns水分散液の濃度は任意に調整できるが、ここでは10mg/mLとした。
さらに、均一な反応を確保するために、撹拌、超音波処理、60℃で静置、デカンテーション(中性になるまで水洗浄)を順に行った後、120℃で12時間乾燥させ、その後に粉砕して、各RuOns(0.5)−Pt1Ru1/Cを得た。
[実験3/触媒分散液及び試験電極の準備]
2−プロパノール/超純水溶液(75/25体積割合)25mLに、上記実験1,2で得られた複合電極触媒18.5mgを混合して、触媒分散液を準備した。試験電極に対して良好な密着性を確保するために、プロトン伝導性バインダーとして、5質量%のナフィオン(Nafion、デュポン社の登録商標)溶液100μLを加えた。この触媒分散液を30分間超音波処理して分散させた。
予め0.05μmのアルミナ粉末を用いてバフ研磨した直径6mmのグラッシーカーボンを、真空中で60℃で乾燥させた。こうしたグラッシーカーボンに触媒分散液を塗布して固体高分子形燃料電池用の試験電極を作製した。なお、触媒分散液の塗布は、試験電極上に設けられた複合電極触媒に含まれるRuOnsの含有量に関わらず、カーボン含有量が5.5μgとなるように塗布した。
[実験4/電気化学的測定]
回転ディスク電極(RDE)測定は、標準的な3電極電気化学セルで行った。カウンター電極として、炭素繊維(TohoTenax社製、HTA−3K、フィラメント番号:3000)を用い、参照電極として可逆水素電極(RHE)を用いた。RDE測定は、0.1MのHClO電解液中で行った。
[HOR活性の評価]
各電極触媒のHOR活性を評価するために、H飽和下の0.1MHClO電解液(25℃)で20mV(vs.RHE)のクロノアンペロメトリーを行った。図1(A)は、H飽和下における各電極触媒のPt量で割り付けたクロノアンペログラム(ω=400rpm)であり、図1(B)は、PtRu量で割り付けたクロノアンペログラム(ω=400rpm)である。図1(A)中のRuOns/CのHOR活性は、約14A(g−RuO−1であった。表1と表2に、H飽和下のHOR活性を示した。
図1に示すように、PtRu/Cの20mV(vs.RHE)におけるHOR活性は、PtRu/Cと同等であった。また、RuOns(0.5)−PtRu/CとPtRu/CのHOR活性の差は、約10A(g−Pt)−1で、誤差範囲とした。
RuOns(x)−Pt/C(x=0.1,0.5,1.5)の20mV(vs.RHE)におけるHOR活性は、RuOnsを添加しても同等であった。このことから、RuOns添加によるHOR活性の阻害もないことがわかった。
[CO耐性の評価]
各電極触媒の20mV(vs.RHE)におけるCO耐性を、H飽和下と300ppmCO/H飽和下の30分後のHOR活性を比較することで評価した。H飽和下又は300ppmCO/H飽和下の0.1MHClO電解液(25℃)を使用し、20mV(vs.RHE)で30分間保持したクロノアンペロメトリーを行った。図2(A)は、H(A−1)及び300ppmCO/H(A−2)飽和下における各電極触媒のPt量で割り付けたクロノアンペログラム(ω=400rpm)であり、図2(B)は、H(B−1)及び300ppmCO/H(B−2)飽和下における各電極触媒のPtRu量で割り付けたクロノアンペログラム(ω=400rpm)である。表1及び表2には、H飽和下又は300ppmCO/H飽和下のHOR活性とHOR活性保持率を示した。
RuOns(0.5)−PtRu/Cの300ppmCO/H飽和下でのHOR活性保持率は78%であった。PtRu/CへRuOnsを添加することでCO耐性が高まった。また、RuOns(0.5)−PtRu/CのCO耐性は、PtRu/Cと同様であることがわかった。
Pt/CのHOR電流は曲線を描くように減少し、300ppmCO/H飽和下でのHOR活性保持率は68%であった。RuOns(x)−Pt/C(x=0.1,0.5,1.5)のHOR電流は直線的に減少した。300ppmCO/H飽和下でのRuOns(x)−Pt/C(x=0.1,0.5,1.5)の300ppmCO/H飽和下でのHOR活性保持率は、Pt/Cよりも高かった。
RuOnsを添加することでCO耐性が高くなった。注目すべき結果は、RuOns(0.1)−Pt/CのCO耐性がRuOns(x)−Pt/C(x=0.5,1.5)よりも高いことである。Ru/Ptモル比が0.5の場合、RuOns同士が重なり合って被覆されるため、RuOnsの利用率が減少したと予測した。Pt/CへのRuOns添加による複合触媒でCO耐性を高めるには、Ru/Ptモル比が0.1であることが適当であると予想される。
[触媒耐久性の評価]
各電極触媒の20mV(vs.RHE)におけるCO耐性の耐久性を、耐久試験前後の300ppmCO/H飽和下における30分後のHOR活性を比較することで評価した。耐久試験は、0V〜0.04V(vs.RHE)の電位範囲を100mVs−1で走査し、1000サイクル行った。耐久試験前後に、300ppmCO/H飽和下の0.1MHClO電解液(25℃)を使用し、20mV(vs.RHE)で30分間保持したクロノアンペロメトリーを行った。図3は、各電極触媒のPtRu量で割り付けた耐久試験前(A)と耐久試験後(B)のクロノアンペログラム(ω=400rpm)を示した。表3には、耐久試験前後の300ppmCO/H飽和下の30分後のHOR活性と触媒劣化率を示した。
PtRu/CとPtRu/Cは、耐久試験で20%程度も劣化した。これは、耐久試験でRuが溶出してしまい劣化が顕著であったことが予想される。また、RuOns(0.5)−PtRu/Cの劣化率は13%で、PtRu/Cの低耐久性を大きく改善できた。このことから、RuOns添加は、触媒のCO耐性と触媒耐久性の両方を高められることがわかった。
[結果]
標準性能なPtRu/CやPtRu/Cよりも高いCO耐性と触媒耐久性の両方を有する触媒開発を目的として、RuOnsを添加した複合触媒で評価・検討した結果、RuOns−PtRu/C(Ru/Ptモル比=1.5)は、PtRu/CやPtRu/Cよりも高いCO耐性と触媒耐久性であった。
RuOnsを添加することでCO耐性が高まることがわかった。RuOns自身にはCO酸化能はないことがわかっている。加えて、RuOns添加で二元機能機構やリガンド効果はないこともわかっている。これらのことから、RuOns添加でCO耐性が高まったことを考察すると、RuOnsがPtへのCO吸着を抑制していると考えられる。
RuOnsを添加することで、触媒耐久性が高まることがわかった。RuOnsは、負電荷を帯びているため、耐久試験中に溶出したRuイオンの再析出サイトとして作用したことが予想される。

Claims (3)

  1. カーボンブラック上にルテニウム白金粒子を担持した電極触媒と、RuOナノシートとの複合触媒であって、
    前記複合触媒を構成するRu/Ptモル比が0.1以上1.5以下の範囲内であることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  2. HOR活性保持率が72%以上で触媒劣化率が13%以下である、請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。
  3. CO耐性用途及び触媒の劣化抑制用途で用いられる、請求項1又は2に記載の燃料電池用電極触媒。

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