以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1の実施例>
<画像処理装置の構成>
以下では、本発明の第1の実施例について説明する。まず、図3を参照して、本実施例に係る画像処理装置301のハードウェア構成と網の接続について説明する。画像処理装置301は、LAN(Local Area Network)507及びアナログポート付きルータ506を介してIP網501に接続される。図3のIP網501は、インターネット、NGN及び上記を相互に接続するゲートウェイや名前解決を行うDNS(Domain Name Server)を含んだ網を想定している。受信側のT.38対応ファクシミリの機能を有するT.38対応FAX505は、LAN514及びアナログポート付きルータ504を介してIP網501に接続される。
LAN507及びLAN514内にはLAN通信を行うためのハブやケーブルが存在し相互に接続されている。アナログポート付きルータ504と506のアナログポートには、公衆回線用の電話を行うPSTN接続用の電話機(公衆回線用電話機)511、512が接続され、ルータ経由で他の電話機との通話が可能である。アナログポート付きルータ504、506は、アナログポートの無いルータを利用してもよい。その場合、PSTN接続用の電話機511、512は利用できない。
PC516は、SMB(server message block)等のファイル共有機能を有しLAN507に接続され、LAN507内でファイル共有が行える。メールサーバ515はIP網に接続されSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバやPOP(Post Office Protocol)サーバとして動作しメールデータのやり取りが可能である。PC517は、LAN514に接続され、電子メール(Eメール)の送受信ソフトウェアがインストールされており、Eメールの送受信が行える。
インターネット電話端末510、513は、LAN514、507に接続され、スカイプ等のインターネット電話端末として通話が可能である。またIP網内には図示しないSIPサーバが存在し、SIPセッションの接続処理を行っている。またIP網501とPSTN503との間にデータの受け渡し処理を行うVoIP GW(ゲートウェイ)502が存在する。PSTN503は、既存の公衆電話網である。G3ファクシミリ(G3FAX)508は、T.30の音声通信のみに対応した端末である。ハンドセット519は、G3FAX508の電話機用端子に接続され、G3FAX508で手動受信や手動送信を行う時の通話用に使用する。電話機509は、PSTN503に接続され他の電話機と通話が可能である。
上述したように、本実施例に係る画像処理装置301は、音声通話とデータ送信とを実行することができる。画像処理装置301は、画像の入出力機能を有するものであり、紙原稿の入力及び紙への印刷出力を行うものである。画像処理装置301は、入力した画像情報を紙等の記録材に印刷したり、デジタルデータとして保存したりLANやFAXを経由して他の機器への転送することも可能である。画像処理装置301は、LAN507に常時接続して、他の図示しない画像処理装置やPC(Personal Computer)やサーバと一緒に運用されることが一般的である。PCからのプリントデータや、他のMFPからの画像情報を受信し、紙への印刷出力も可能である。画像処理装置301の動作は、ユーザインタフェース(以下、UIと称する。)314からユーザが指示を行うことができる。
画像処理装置301の内部構成を説明する。CPU302は、画像処理装置301の制御ソフトウェアプログラムをROM304やHDD306から読み込みRAM305に展開して実行し装置全体を統括的に制御する。ROM304は、リードオンリーメモリであり、装置のブートプログラムや固定パラメータ等が格納されておりフラッシュメモリを用いることが多い。RAM305は、ランダムアクセスメモリであり、CPU302が画像処理装置301を制御する際に、一時的な作業データや画像データや印刷データの格納などに使用する。HDD306は、ハードディスクドライブであり、画像データ、印刷データ、宛先登録情報の格納など、様々なデータの格納に使用する。また、RAM305、及びHDD306は、CPU302が画像データの画像処理や符号/復号化や解像度変換の作業を行う作業領域としても使用される。
UI制御部313は、ユーザインタフェース(UI)314を制御し、各種情報の表示、ユーザからの指示入力を受け付ける。プリンタI/F制御部315は、プリンタ316を制御する装置である。スキャナI/F制御部317は、スキャナ318を制御する装置である。ネットワークI/F制御部319は、LAN507とのデータの送受信を制御し、TCPやUDPやRTPなどのIPパケットの解析や生成を行う。IPパケットの送受信により送信又は受信するSIPやSDPやVoIPやデータは、一旦RAM305やHDD306に保存された後にCPU302で解釈してプロトコル規定に従って処理される。また、バス311には、スキャナI/F制御部317、CPU302、ROM304、RAM305、HDD306、モデム307、プリンタI/F制御部315、UI制御部313、及び音声回路322が電気信号で接続されている。また、バス311には、ネットワークI/F制御部319、及びCODEC320が電気信号で接続されている。バス311は、CPU302からの制御信号や各ユニット間のデータ信号が送受信されるシステムバスとして利用される。
音声回路322は、アナログ信号312でヘッドセット309と接続され、音声をA/D又はD/A変換して信号処理し音声信号をG.711形式のPCMやその他符号化されたデータとして扱うことが可能である。ヘッドセット309には、マイクとスピーカが内蔵され、相手の音声データがスピーカから出力され、ユーザの音声がマイクから入力され、ユーザが通話に使用する。ヘッドセット309は、マイク付きのイヤホンや電話機のハンドセットのような形状でもよい。インターネット電話では、音声のパケットデータはネットワークI/F制御部319とアナログポート付きルータ506を経由してIP網501へ送信受信される。そして相手側のアナログポート付きルータ504を経由して相手のインターネット電話端末510とやりとりされる。
子電話(子機)328は、PSTN用のインタフェースでSLIC(Subscriber Line Interface Circuit)327に接続される。SLIC327は、オフフック検知、直流印加や呼び出し信号送出といったPSTN用に接続される子電話328の制御を行う。CPU302は、子電話328のマイクから入力された音声をSLIC327でA/D変換して、モデム307を介してCODEC320へ送信し、G.711形式のPCMやその他の符号化されたデータへ変換する。CPU302は、ネットワークI/F制御部319を経由してVoIPパケットを送出する。また、CPU302は、ネットワークI/F制御部319を経由して取りこまれたVoIPパケット内のG.711形式のPCMやその他符号化データをCODEC320で復号化し、モデム307を介してSLIC327へ送信する。CPU302は、SLIC327でD/A変換して音声信号を子電話328のスピーカから送出する。また、モデム307とCODEC320は同一チップ内に統合されていてもよい。
また、画像処理装置301は、T.38対応FAXの機能を有し、IP網501経由で相手側のT.38対応FAX機と接続しT.38に従ったFAX通信が可能である。ユーザは、電話会社とNGNの契約をして番号計画に基づく電話番号(03−0000−0005)の割り当てを受け、アナログポート付きルータ506の設定により画像処理装置301に03−0000−0005等の電話番号を割り当てて通信することができる。画像処理装置301は、SIPで通信相手との呼接続を行うことが可能である。
ここで、T.38でFAX通信を行う時のデータの流れを説明する。CPU302では、スキャンした画像データをJBIG等の符号化データに変換する。そして符号化データはネットワークI/F制御部319でT.38に適した形式に変換されアナログポート付きルータ506を経由してIP網501へ転送される。そして相手側のT.38対応FAX505でT.38のIPパケットが受信される。また、T.38対応FAX505から送出されたT.38のIPパケットは、IP網501を経由してルータを経由しネットワークI/F制御部319に到達し、符号化されたデジタルの画像データが取り出されCPU302へ送られる。JBIG等で符号化されたデジタル画像データを生の画像データに復号化し受信データとしてプリンタI/F制御部315へ送りプリンタ316でプリントする。
通信相手がT.38に対応していない場合には、画像処理装置301がみなし音声(ここでは、T.30VoIPとも称する。)でG3FAX通信を行うことが可能である。ここでは、ユーザは電話会社とNGNの契約をして上記と同じ電話番号(03−0000−0005)でみなし音声、つまりモデムを用いてG3FAXの通信を行う。電話会社と契約して番号計画に基づく新しい電話番号をみなし音声用に割り当てることも可能である。その時のデータの流れを説明する。
CPU302では、スキャンした画像データをJBIG等の符号化データに変換する。CPU302は、モデム307で符号化されたデジタルの画像データを変調して音声信号に変換し、CODEC320(音声符号化復号化部)にてG.711形式のPCMに変換したデジタル音声データに変換する。バス321、バス308はパラレルバス又はSPIやI2Cのようなシリアルバスを使用する。そしてCPU302は、上記デジタル音声データをネットワークI/F制御部319でVoIPに変換しアナログポート付きルータ506を経由してIP網501へ転送する。このVoIPパケットは、RTP(Real Time Protocol:リアルタイム転送プロトコル)形式に従っている。また、IP網501とPSTN503との間にデータの受け渡し処理を行うVoIP GW(ゲートウェイ)502が存在する。VoIP GW502は、VoIPをPSTN503を透過できる形式に変換し、PSTN503を経由し、相手機のG3FAX508にみなし音声が到達する。また、G3FAX508から送出された音声信号は、PSTN503を経由しVoIP GW502でVoIPに変換されIP網501を経由してアナログポート付きルータを経由しネットワークI/F制御部319に到達する。到達したVoIPは、バス311からCPU302へ送られ、バス321を経由してCODEC320に送られ、G.711形式のPCMから音声信号に変換される。その音声信号をモデム307に送って復調し符号化されたデジタルの画像データを取り出しCPU302へ送る。そのJBIG等で符号化されたデジタル画像データを生の画像データに復号化し受信データとしてプリンタI/F制御部315へ送りプリンタ316でプリントする。
また、画像処理装置301に接続される子電話328を用いてIP網501経由で相手のインターネット電話端末や電話機と通話が可能である。ここでは、上記のみなし音声と同じ電話番号(03−0000−0005)を子電話328でも用いている。つまり、FAX通信用のモデムと子電話で同じ電話番号を利用することになる。電話会社と契約して番号計画に基づく新しい電話番号を子電話の音声用に割り当てることも可能である。
また、画像処理装置301には、スカイプ等のインターネット電話ソフトウェアがインストールされており、インターネット電話宛先名(x309**)を持つインターネット電話端末としても動作する。ここでは、画像処理装置301のインターネット電話機能で通話を行うときは音声回路322に接続されたヘッドセット309を用いる。このように画像処理装置301はヘッドセット309を用いてIP網501経由で相手のインターネット電話端末や電話機と通話が可能である。
このようい、画像処理装置301は、IP網501を通じたT.38対応FAX505との間でのT.38方式によるFAX通信を行うことができる。また、画像処理装置301は、IP網501、VoIP GW502、PSTN503を経由したG3FAX508とみなし音声(T.30VoIPとも称する。)でのFAX通信を行うことができる。また、画像処理装置301は、IP網501を通じてインターネット電話端末510と通話することができる。その時、通話にヘッドセット309を用いることができる。また、画像処理装置301は、IP網501を通じてメールサーバへEメールを送信することができる。また、画像処理装置301は、IP網501を通じて電話機511と通話することができる。その時、通話に子電話328を用いることができる。また、画像処理装置301は、LAN507を通じてPC516へファイル送信することができる。また、画像処理装置301は、LAN507を通じてインターネット電話端末513と通話することができる。
ユーザは、相手先の通話用の電話番号、インターネット電話宛先名、相手先のFAX用のFAX番号、Eメールアドレス、共有フォルダへのパス名等を正しく知っているものとする。そして画像処理装置301がFAX送信を行う際に、T.38とT.30VoIPとのいずれかを使用して接続したいかをユーザは予め選択するものとする。或いは、画像処理装置301は、FAX送信を行う際に、T.38とT.30VoIPとのいずれかを相手先の能力に応じて自動的に判別して選択してもよい。
<送信側の処理フロー>
次に、図1を参照して、通信において送信側となる際の画像処理装置301の処理フローについて説明する。以下で説明する処理は、CPU302が、ROM304やHDD306に格納された制御プログラムをRAM305に読み出して実行することによって実現される。
まず、画像処理装置301が待機状態にあり、ユーザが任意の操作をできる状態とする。S101において、画像処理装置301のCPU302は、電話帳の宛先登録の開始が選択されたかを否かを判定する。ユーザがUI314を介して宛先登録の開始を指示すればCPU302はS102の処理へ移行する。ユーザがUI314で宛先登録の開始を指示していなければCPU302はS103の処理へ移行する。電話帳の宛先登録の開始は、UI314ではなくLAN507経由で接続されたPC516上のソフトウェアから画像処理装置301へ指示を行うことで行われてもよい。その場合、ネットワークI/F制御部319を介してPC516から受信する情報によって宛先登録の開始が選択されたか否かを判定することができる。
S102において、CPU302は、UI314を介して入力されるユーザ操作に従って、画像処理装置301の電話帳へ相手先の通話宛先名(音声通話用の宛先)と送信宛先名(データ送信用の宛先)とを関連付けて登録する。電話帳への登録は、UI314ではなくLAN507経由で接続されたPC516上のソフトウェアや電話帳データを画像処理装置301へダウンロードさせることで行ってもよい。
ここで、図5A乃至図5C(画面601乃至画面608)を参照して、UI314を使った登録方法における具体的なUI314の画面ついて説明する。
ユーザがUI314で宛先登録を指示し、宛先No.(No.はNumber)を選択すると画面601が表示される。画面601では、宛先No.01を設定することができる。ユーザがUI314を介して名称を入力する。ユーザがUI314を介して各種の入力を行うにはUI314のタッチパネルを利用するか、不図示のキーボードや音声識別入力を利用することができる。この入力される名称は、ユーザにとって相手先を区別するためにわかりやすい適切な名称を64文字以内で自由に付けることができる。ここでは、宛先の名称に”支店1”を設定する。
また、ユーザは、画面601において、UI314を介して通話したい相手のインターネット電話宛先名(音声通話用の宛先)を入力する。ここでは、インターネット電話宛先名に”x510**”を設定する。このように、インターネット電話宛先名には、文字と数字を含む列である。このインターネット電話宛先名は、画像処理装置301にインストールされたインターネット電話ソフトウェアで使用される適切な宛先名を入力する。例えば、スカイプなら先頭が半角文字の6から32文字で決まるユニークなスカイプ名を入力する。さらに、ユーザは、画面601において、UI314を介してFAX送信したい相手のFAXの電話番号(データ送信用の宛先)を入力する。ここでは、FAXの電話番号に03−0000−0001を設定する。ユーザがFAXをNGN経由のT.38で送信したい場合は、オプションの設定で通信方法としてT.38を選んで設定する。これにより、インターネット電話で通話した後に、T.38でFAX送信する設定の入力が完了したことになる。
UI314には画面602が表示される。或いは、画像処理装置301がFAX送信を行う際に、T.38とT.30VoIPとのいずれかを相手先の能力に応じて自動的に判別させたい場合、ユーザは通信方法の欄を空欄のまま設定しなくてもよい。ユーザは、画面602の内容を確認し、設定が正しいことを確認するとUI314を介して登録を指示する。すると、宛先No.1に設定した情報が登録され、通話欄で指示された宛先と送信欄で指示された宛先が紐付けされ、通話後送信の設定が完了する。ここで、通話後送信とは、画像処理装置301が所定の相手に対して、音声通話を実行した後に、データ送信を行うことを示す。また、宛先登録を行う画面601でCPU302は現時点で利用できない機能に関する宛先をUI314で非表示として選択できないようにしてもよい。
図7に電話帳の登録データ構造の一例を示す。登録された電話帳の登録データは、CPU302が扱えるよう文字コード化や数値化され画像処理装置301内のHDD306に保存する。HDD306に保存された電話帳の登録データは電源をオフしても消失せず、画像処理装置301が起動するたびに読み込まれ再利用することが可能である。或いは、宛先登録の情報は、画像処理装置301内の不図示のフラッシュメモリやメモリカード等の不揮発性メモリや電池でバックアップされたSRAM等に保存されてもよい。或いは、宛先登録の情報は、LAN507経由で別の不図示のサーバやPCに保存されてもよい。電話帳の登録データ構造には、No.、名称、通話宛先有無、インターネット電話宛先名、電話番号、その他通話宛先名、送信宛先有無、FAX番号、FAX通信方式、Eメールアドレス、ファイル送信宛先、及びその他送信宛先名が含まれる。その他通話宛先名、その他送信宛先名は、将来新しい通信オプションを追加した際の拡張用のデータ領域である。また、グループ宛先、グループ内訳は、後述するが、複数の宛先名称に対して同じ処理を一括実行する際に用いる。通話宛先有無は、インターネット電話宛先名、電話番号、その他通話宛先名のいずれかが登録されていると有りとなる。送信宛先有無は、FAX番号、Eメールアドレス、ファイル送信宛先、その他送信宛先名のいずれかが登録されていると有りとなる。
画面603は、インターネット電話へ通話した後、Eメールで送信する設定を示す。ここでは、宛先の名称に支店1を設定する。ユーザが通話したい相手のインターネット電話宛先名x510**を設定する。ユーザが送信したい相手のEメールアドレスを入力する。ここでは、xx@xx.comを入力する。他の欄は空欄でよい。設定の入力が完了すると、UI314には画面603が表示される。
また、画面604は、インターネット電話へ通話した後、FAX送信する設定を示す。ここでは、宛先の名称に支店1を設定する。ユーザが通話したい相手の電話番号03−0000−0002を設定する。ユーザが送信したい相手のFAXの電話番号03−0000−0001を設定する。通信部はT.38に設定する。他の欄は空欄でよい。設定の入力が完了すると、UI314には画面604が表示される。
また、画面605は、インターネット電話へ通話した後、ファイル送信する設定を示す。ここでは、宛先No.02を設定する。ここでは、宛先の名称にTaroを設定する。ユーザが通話したい相手のインターネット電話宛先名x513**を設定する。ユーザが送信したい相手の共有フォルダの場所(共有フォルダへのパス名)¥¥172.168.0.1¥smbを設定する。アクセスに必要なIDやパスワードがあれば同時に設定してもよい。他の欄は空欄でよい。設定の入力が完了すると、UI314には画面605が表示される。
また、画面606は、インターネット電話へ通話する設定を示す。ここでは、宛先No.01を設定する。ここでは、宛先の名称に支店1を設定する。ユーザが通話したい相手のインターネット電話宛先名x510**を設定する。他の欄は空欄でよい。設定の入力が完了すると、UI314には画面606が表示される。
また、画面607は、Eメールへ送信する設定を示す。ここでは、宛先の名称に支店1を設定する。ユーザが送信したい相手のEメールアドレスを入力する。ここでは、xx@xx.comを入力する。他の欄は空欄でよい。設定の入力が完了すると、UI314には画面607が表示される。
また、画面608は、複数の通話宛先(音声通話用の宛先)と送信宛先(データ送信用の宛先)の設定を示す。ここでは、宛先の名称に支店1を設定する。ユーザが通話したい相手のインターネット電話宛先名x510**と電話番号03−0000−0002を設定する。ユーザが送信したい相手のEメールアドレスxx@xx.comとFAXの電話番号03−0000−0001を設定する。FAXの通信部はT.38に設定する。他の欄は空欄でよい。設定の入力が完了すると、UI314には画面608が表示される。
図1のフローチャートの説明に戻る。S102で、電話帳の宛先登録が完了すると、CPU302は、処理をS103へ移行させる。S103において、CPU302は、UI314で宛先選択と動作指示がされたか否かを判定する。まだ宛先選択と動作指示がされていない場合はCPU302の処理はS101に戻る。ユーザは、画像処理装置301のスキャナに送信する原稿を積載し、UI314により送信メニューを選択し、通話後送信したい相手の宛先No.を選択する。通常、スキャナには、自動原稿送り機も内蔵されており複数枚の原稿を一回セットするだけで順次読み込むことができる。その際に原稿を読み取る時の解像度、原稿サイズ、白黒かカラー、読取画質モード、両面/片面を指示する。また、宛先登録時に必要な項目のみ上記の読取モード関連の設定を関連づけして設定してもよい。
S102で画面602に示すインターネット電話へ通話した後、T.38でFAX送信する設定をしていた場合、CPU302は、表示制御手段として機能し、UI314に図6Aの画面701を表示する。この画面701では基本的に登録した宛先が表示される。画面701でCPU302は宛先登録していない機能に関する宛先をUI314で非表示としているが、TEL等の欄を空白としてもよい。
ユーザは、通話宛先とFAX送信の宛先が正しいかを確認した後、UI314の「通話後送信」を指示する。また、ユーザは、通話のみを行いたい場合は、UI314の「通話」を指示し、ユーザが送信のみを行いたい場合はUI314の「送信」を指示する。ユーザは、UI314のタッチパネルやキー押下により指示する。すると、UI制御部313からCPU302へ上記指示が伝達され、CPU302は、UI314で宛先選択と動作指示がされたことを検知するので処理をS104へ移行させる。
またS102で画面603に示すインターネット電話へ通話した後、Eメール送信する設定をしていた場合、UI314に図6Aの画面702が表示される。ユーザが通話宛先とEメールの宛先が正しいかを確認した後、UI314の「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかを指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またS102で画面604に示す電話へ通話した後、T.38でFAX送信する設定をしていた場合、UI314に図6Aの画面703が表示される。ユーザが通話宛先とEメールの宛先が正しいかを確認した後、UI314の「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかを指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またS102で画面605に示すインターネット電話へ通話した後、ファイル送信する設定をしていた場合、UI314に図6Aの画面704が表示される。ユーザがインターネット電話宛先名とファイル送信の宛先が正しいかを確認した後、UI314の「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかを指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またS102で画面606に示すインターネット電話へ通話する設定をしていた場合、UI314に図6Dの画面712が表示される。ユーザはインターネット電話宛先名が正しいかを確認した後、UI314の「通話」を指示する。この場合、宛先No.1には通話用の宛先しか登録されていないので「通話後送信」「送信」の指示(ボタン)はグレーアウトで表示して、ユーザに該当機能が実行できないことを伝える。あるいは表示自体を行わない。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またS102で画面607に示すEメールへ送信する設定をしていた場合、UI314に図6Dの画面713が表示される。ユーザがEメールアドレスが正しいかを確認した後、UI314の「送信」を指示する。この場合、宛先No.1には送信用の宛先しか登録されていないので「通話後送信」「通話」の指示はグレーアウトで表示して、ユーザに該当機能が実行できないことを伝える。あるいは表示自体を行わない。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またS102で画面608に示す複数の通話宛先と送信宛先を設定していた場合、UI314に図6Bの画面705が表示される。ユーザが複数の通話宛先から通話したい相手と複数の送信宛先から送信したい宛先を選択する必要がある。ユーザが宛先を選択する前は「通話後送信」「送信」「通話」いずれの機能を実行すればよいかCPU302には判断できない。そのため、CPU302はUI314上にて「通話後送信」「送信」「通話」の指示はグレーアウトで表示して、宛先を選択するまでユーザに該当機能が実行できないことを伝える。あるいは表示自体を行わない。もしUI314の画面に収まらない項目があった場合、画面をスクロールさせれば表示できる。ユーザがUI314にて通話宛先でインターネット電話宛先名と送信宛先でEメールを選択すると、画面706に示すように、UI314の画面でチェックボックスに記号が表示され、「通話後送信」「送信」「通話」の指示が選択可能に表示される。ユーザが通話したい相手のインターネット電話宛先名と送信したい相手のEメールアドレスが正しいかを確認した後、UI314の「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかを指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またUI314にの画面705が表示されているときに、ユーザがUI314にて送信宛先でEメールを選択すると、画面707に示すように、UI314の画面でチェックボックスに記号が表示され、「送信」の指示が選択可能に表示される。通話の宛先が選択されていないので「通話後送信」「通話」の指示はグレーアウトで表示して、ユーザに該当機能が実行できないことを伝える。あるいは表示自体を行わない。ユーザが送信したい相手のEメールアドレスが正しいかを確認した後、UI314の「送信」を指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またUI314に画面705が表示されているときに、ユーザがUI314にて通話宛先でインターネット電話宛先名を選択すると、画面708に示すように、UI314の画面でチェックボックスに記号が表示される。送信の宛先が選択されていないので「通話後送信」「送信」の指示はグレーアウトで表示して、ユーザに該当機能が実行できないことを伝える。あるいは表示自体を行わない。ユーザが通話したい相手のインターネット電話宛先名が正しいかを確認した後、UI314の「通話」を指示するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またUI314に画面705が表示されているときに、ユーザがUI314にて通話宛先でインターネット電話宛先名と電話宛先を選択し、送信宛先でFAXを選択すると、画面709に示すように、UI314の画面でチェックボックスに記号が表示される。この場合、ヘッドセット309でインターネット電話へ通話しながら、子電話328で電話へ通話することとなり、一人のユーザが2つの宛先へ同時に通話することは通常ありえないため、「送信」のみ表示される。「通話後送信」「通話」の指示はグレーアウトで表示して、ユーザに該当機能が実行できないことを伝える。あるいは表示自体を行わない。ユーザは送信したい場合、FAXの宛先名が正しいかを確認した後、UI314の「送信」を指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
またUI314に画面705が表示されているときに、ユーザがUI314にて通話宛先でインターネット電話宛先名を選択し、送信宛先でFAXとEメールを選択すると、画面710に示すように、UI314の画面でチェックボックスに記号が表示される。この場合、電話へ通話した後、FAXとEメールの2つの宛先へ順次又は同時に送信することは可能なので「通話後送信」「送信」「通話」が選択可能に表示される。ユーザは通話後送信したい場合、通話したい相手のインターネット電話宛先名とFAXの宛先名とEメールアドレスが正しいかを確認した後、UI314の「通話後送信」を指示する。するとCPU302の処理はS104へ移行する。
ユーザが、ヘッドセット309又は子電話328といった通話部に対する利用指示を行わない状態でも宛先登録がされていれば「通話後送信」「通話」表示する処理を上記で説明した。または宛先登録がされていてもユーザがヘッドセット309あるいは子電話328の利用指示をする前は「通話後送信」「通話」をグレーアウト表示、又は表示自体を行わないようにしてもよい。そしてCPU302がヘッドセット309あるいは子電話328の利用指示をユーザが行ったことを検知した後に「通話後送信」「通話」を表示する処理としてもよい。
S104において、CPU302は、UIで実行可能な宛先選択と動作指示がされたか否かを判定する。S103でユーザが「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかの動作指示のうち、UI314でグレーアウトや表示されていない指示を行った場合、CPU302はユーザから指示された動作を実行できないため、S105の処理へ移行する。一方、S103でユーザが「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかの動作指示の内、UI314で通常に表示されており実行可能な指示を行った場合、CPU302はS106の処理へ移行する。なお、UI314でグレーアウト表示で選択不可能に表示されている場合にはS104の判定と、S105の処理を省略してもよい。
また、S104の詳細な判定方法について説明する。CPU302は、画像処理装置301の電源が投入され、初期化処理を実行するときに、画像処理装置301に追加可能な各種機能を実現するハードウェア又はソフトウェアへアクセスして追加されているかと故障していないかを確認している。その際、CPU302は、どのような機能が利用可能かをRAM305に保存している。CPU302は、送信メニューから宛先No.がユーザより指示されたときに、電話帳の登録データ構造をHDD306より読み出し、利用可能な機能と登録された宛先を比較し一致した機能のみS103でUI314に表示している。具体的には、ユーザが表示している宛先No.の登録データのインターネット電話宛先名が登録されているときに、インターネット電話機能が利用可能ならインターネット電話による通話機能を実行可能と判断する。また電話番号が登録されているときに、電話機能が利用可能なら、電話による通話機能を実行可能と判断する。またその他通話宛先名が登録されているときに、その他通話の機能が利用可能なら、その他機能による通話機能を実行可能と判断する。その他通話機能とは将来拡張される通信機能に対応するための予備機能である。ユーザが表示している宛先No.の登録データのFAX番号が登録されているときに、FAX機能が利用可能ならFAXによる送信機能を実行可能と判断する。Eメールアドレスが登録されているときに、Eメール送信機能が利用可能ならEメールによる送信機能を実行可能と判断する。ファイル送信宛先が登録されているときに、ファイル送信機能が利用可能ならファイル送信による送信機能を実行可能と判断する。その他送信宛先名が登録されているときに、その他送信機能が利用可能ならその他送信機能を実行可能と判断する。その他送信機能とは将来拡張される通信機能に対応するための予備機能である。
また宛先登録を行う画面601でCPU302は現時点で利用できない機能に関する宛先をUI314で非表示としてもよい。
NGNの契約では、1つの電話番号に対して複数の通信セッションを同時に貼り、複数の相手と同時にIP網を経由して通信することができる。具体的にはユーザは電話会社とNGNの契約をして番号計画に基づく電話番号(03−0000−0005)の割り当てを1つ受け、画像処理装置301に03−0000−0005の電話番号を割り当てて通信することができる。そして複数セッションの契約をすることで1つ目のセッションをT.38FAX通信のデータ通信にあてて、2つ目のセッションを子電話328の音声通話にあてることができ、同時通信ができる。ここでは、電話番号の割り当ては1つで、セッション数は2つという契約をしている。ただしモデム307を利用するみなし音声でのT.30VoIP通信(IP電話:Internet Protocol電話)を行うか、子電話328を利用する音声通話を行うかはどちらか1つしかできない。これはハードウェア的な制約である。もし送信宛先としてFAX電話番号を指示し、通信部としてモデム307を利用するみなし音声でのT.30VoIP通信を指示しているときに、通話部として子電話328使用を指示すると同時に実行できない。その場合、CPU302の処理はS105へ移行する。このように実行可能な指示であるかをCPU302は判断する。
S105において、CPU302は、ユーザから受け付けた指示が実行不可能であるため、図6Dの画面714に示す「選択された機能は実行できません。」というような警告メッセージをUI314に表示する。例えば、UI314に画面713の表示をしているときに、ユーザがグレー表示された「通話後送信」「通話」を選択すると、通話宛先が登録されていないので、選択機能は実行できずにUI314に画面714が表示される。警告メッセージを選択した機能に応じて表示内容を変更してもよい。例えば、通話宛先を登録していないときに、ユーザが「通話後送信」「通話」を選択すると、「通話宛先を登録後、実行して下さい。」と表示してもよい。また、送信宛先を登録していないときに、ユーザが「通話後送信」「送信」を選択すると、「送信宛先を登録後、実行して下さい。」と表示してもよい。その後、CPU302は、S111の処理へ移行する。
一方、S106において、CPU302は、「通話後送信」がユーザから選択されたか否かを判定する。ユーザがUI314で「通話後送信」を指示していればCPU302はS107の処理へ移行する。一方、ユーザがUI314で「通話後送信」を指示していなければCPU302はS113の処理へ移行する。
S107において、CPU302は、選択された通話宛先名へ画像処理装置301に内蔵された電話部より通話の動作を行う。S103でユーザがUI314より画面701、702、704、706、710に示す「通話後送信」を指示した場合について説明する。この場合、インターネット電話宛先名=x510**が登録されているので、CPU302は、画像処理装置301にインストールされているインターネット電話のソフトウェア(電話部)を実行し該当するインターネット電話宛先名へ通話を行う。インターネット電話のソフトウェアがネットワークI/F制御部319を経由して相手のインターネット電話との接続処理を実行する。通話の相手がインターネット電話の呼び出しに応答すると、ユーザはヘッドセット309を使って相手と通話することができる。ユーザは相手と通話して正しい相手か、送信宛先は正しいかなどを確認する。そしてCPU302はS108の処理へ移行する。
また、S103でユーザがUI314より画面703に示す「通話後送信」を指示した場合を説明する。この場合、相手の電話番号TEL=03−0000−0002が登録されているので、CPU302は、インターネット電話又はNGNの音声契約による電話部で相手の電話番号へ通話を行う。ユーザがヘッドセット309を操作して利用指示をしていれば、又は、UI314でインターネット電話からの通話を指示していれば、CPU302は、インターネット電話を用いて相手の電話番号(03−0000−0002)へ通話する。ユーザが子電話328をオフフックして利用指示をしていれば、又は、UI314で子電話からの通話を指示していれば、CPU302は、NGNの音声契約による電話部を用いて相手の電話番号(03−0000−0002)へ通話する。ユーザが「通話後送信」を指示した後にヘッドセット309又は子電話328の利用指示が未だ行われていない場合、CPU302は、UI314に「ヘッドセットを利用開始状態にするか子電話を持ち上げてください。」のような表示を行う。ユーザが「通話後送信」を指示する前に、ヘッドセット309又は子電話328の利用指示が行われていた場合、CPU302は上記の表示は行わない。ヘッドセット309の利用開始指示は音声回路322で行うこともできる。子電話328の利用開始指示はSLIC327でオフフックを検知することで行うこともできる。
ここで、図2のフローチャート210を参照して、相手側装置の処理について説明する。なお、ここで、相手側とは、図3におけるIP網やPSTN503に接続された各種機器であり、画像処理装置301と通信可能な外部装置である。最初に相手側の通話部が待機状態にあるとする。S302において、相手側装置は、通話着信があるまで待機する。例えば、通話宛先が間違っていれば、正しい相手は応答しない。通話着信があれば、S303へ移行する。S303において、相手側装置は、ユーザと通話を行う。相手側装置は、ユーザと通話して正しい相手か、送信宛先は正しいかなどを会話で確認する。S304において、相手側装置が通話終了操作をするか、又は、ユーザが通話終了操作をするとIP網やPSTN経由での通話終了の処理を相手側の通話部が行う。その後、相手側装置の通話部は、待機状態に戻り、一連の処理を終了する。
図1のフローチャートの説明に戻る。S108においては、CPU302は、送信指示がされたか否かを判定する。S107で、ユーザは、相手側と通話し、送信しても問題ないと判断した場合、UI314でスタートキー押下等の操作により送信指示を行う。このように、所定のキー押下等のイベントを受け取ると、CPU302は、UI314で送信指示がされたと検知し、S109の処理へ移行する。S107にてユーザは、相手側と通話し、送信すると問題があると判断した場合、UI314のスタート押下等の送信指示操作を行わなければよい。或いは、ストップキー押下等の操作により送信中止及び通話終了の指示を行ってもよい。CPU302は、UI314で送信指示がされたことを検知できないとS112の処理へ移行する。
S112において、CPU302は、通話終了指示がされたか否かを判定する。ユーザは、相手側と通話し、送信すると問題があると判断した場合、通話に使用したヘッドセット309、子電話328、又はUI314で通話終了を指示する。相手が通話に出ない場合もユーザは通話終了を指示することができる。子電話328の通話終了指示は、SLIC327でオンフックを検知することで行うこともできる。CPU302は通話終了指示を検知すると、S111の終了処理へ移行する。また、CPU302は、設定された一定時間が経過した場合や設定された一定時間内にユーザからの指示が検知できない場合も通話終了とみなしてS111へ移行する処理とすることもできる。一方、通話終了指示を検知できない場合、CPU302は、S108の処理へ戻る。
S109において、CPU302は、選択された送信宛先へMFP内蔵の送信部より送信を行う。S103でユーザがUI314より画面701、703、710に示す画面で「通話後送信」を指示した場合を説明する。この場合、FAX=03−0000−0001と、通信部=T.38とが登録されているため、CPU302は、該当するFAXの電話番号へ送信を行う。受信機が呼び出しに応答すると、CPU302は、スキャナ318に設置された原稿を指定されたモードで読み取り、読み取った画像データをT.38に合致した通信方式で送信する。この場合、原稿を読み取りながらFAX送信を行うダイレクト送信を行ってもよい。或いは、「通話後送信」を選択した直後に原稿を先にすべて読みとり画像データをHDD306に蓄積しておき、FAX送信を行う段階では、蓄積した画像データを利用するメモリ送信を行ってもよい。即ち、原稿をスキャナ318で読み取るタイミングは任意でよい。
CPU302は、指示された相手FAXの電話番号を元にSIP URIを生成し、SIPによる呼接続を開始する。画像処理装置301からT.38対応FAX505に対して、INVITEメッセージを送信する。T.38対応FAX505は、自装置宛のINVITEメッセージを受信すると、INVITEメッセージに含まれているオファーSDPを精査し、対応可能なメディア情報が記述されていれば、200 OKメッセージを送信する。200 OKには、T.38対応FAX505が受け入れるメディア情報と受信ポート番号を記述したSDPを含んでいる。CPU302は、200 OKを受信すると、200 OKメッセージを受信したことを示すACKメッセージを送信する。これによって、画像処理装置301と、T.38対応FAX505との間に、両者が同意したメディア情報でデータ通信を実現するSIPセッションが確立される。CPU302は、SIPセッションで伝送するメディアをT.38として確立した後、画像処理装置301とT.38対応FAX505との間で画像データを交換する。画像処理装置301から画像データの送信が終了したら、画像処理装置301からセッション終了を示すBYEメッセージを送信する。T.38対応FAX505がBYEメッセージを受信し、データの受信が完了以後の通信の必要がなければ、T.38対応FAX505から200 OKを送信し、画像処理装置301、T.38対応FAX505ともに呼の切断を行う。そして、CPU302は、S110の処理へ移行する。
一方、送信宛先でFAX=03−0000−0003と、通信部=T.30VoIPとが登録されていれば、CPU302は、モデム307を使用して該当するFAXの電話番号へみなし音声でG3FAX送信を行う。CPU302は、メディアタイプをaudioでセッションを確立させた後、画像処理装置301とVoIPGW502間でVoIPデータを交換する。そしてVoIPGW502でVoIPデータを変換し、PSTN503を経由してみなし音声信号がG3FAX508に伝達される。そしてT.30手順に従い画像処理装置301とG3FAX508間でFAX通信を行う。画像処理装置301からのFAX送信が終了する際に画像処理装置301からT.30手順のDCN(Disconnect)が送出され、G3FAX508は、呼を切断する。画像処理装置301からセッション終了を示すBYEメッセージを送信する。VoIPGW502がBYEメッセージを受信し、VoIPGW502から200 OKを送信し、CPU302は呼の切断を行う。
ここで、図2のフローチャート200を参照して、相手側装置の処理について説明する。
まず、S202において、相手側装置は、FAX着信があったか否かを判定する。なければ相手側装置は、応答しないため、S202の待機状態に戻る。一方、FAX着信があれば、相手側装置は、応答するためS203へ移行する。S203において、相手側装置は、FAX受信を行う。続いて、S204において、相手側装置は、ユーザからの送信が終了すると画像データの印刷や保存を行った後、終了処理を行う。相手側装置のFAX通信部は、待機状態に戻り、一連の処理を終了する。
図1のフローチャートの説明に戻る。S103でユーザがUI314より画面702、706、710で「通話後送信」を指示した場合のS109の処理について説明する。この場合、相手の電子メールアドレス(Eメールアドレス)=xx@xx.comが登録されているため、CPU302は、該当するEメールアドレスへ送信を行う。CPU302がネットワークI/F制御部319を経由してメールサーバ515へSMTPに合致した通信方式でEメールを送信する。スキャナ318に設置された原稿を指定されたモードで読み取りJPGやTIFFやPDF形式の画像データを添付するのが一般的である。この場合、原稿を1ページずつ読み取りながら1ページ毎に送信してもよい。或いは、原稿を一度全て読みとり画像データをHDD306に蓄積し、蓄積した画像データを送信してもよい。或いは、「通話後送信」を選択した直後に原稿を先にすべて読みとり画像データをHDD306に蓄積しておき、蓄積した画像データを送信してもよい。即ち、原稿をスキャナ318で読み取るタイミングは任意でよい。そしてCPU302はS110の処理へ移行する。
ここで、図2のフローチャート220を参照して、相手側装置の処理について説明する。ここでは、PC517がEメール通信部となる。S402において、PC517は、Eメール取得条件が合致したか否かを判定する。一般的にはEメールソフトウェアは設定された一定時間ごとに、又は相手側装置がEメールソフトウェアの受信操作を行うことにより、Eメール取得条件に合致するため、PC517はS403の処理へ移行する。Eメール取得条件に合致しない場合はS402の待機状態に戻る。
S403において、PC517は、Eメールを受信する。PC517からメールサーバ515へPOP形式に合致する通信方法で受信する。続いて、S404において、PC517は、メールサーバ515からの受信が終了すると終了処理を行う。PC517は、添付されたEメールのJPG,TIFF、PDFの画像データを参照することができる。Eメール通信部は待機状態に戻り、一連の処理を終了する。
図1のフローチャートの説明に戻る。S103でユーザがUI314より画面704で「通話後送信」を指示した場合のS109の処理を説明する。この場合、ファイル送信の宛先でfile送信=¥¥172.168.0.1¥smbが登録されているため、CPU302は、該当する共有フォルダへアクセスを行う。CPU302は、ネットワークI/F制御部319を経由して、PC516に設定された共有フォルダにSMB等に合致した方式で画像データを送信して書き込む。共有フォルダのアクセスにIDやパスワードが必要な場合は、宛先登録で設定しておいて使用するか、その都度UI314で設定して使用する。スキャナ318に設置された原稿を指定されたモードで読み取り、JPG、TIFFやPDF形式の画像データを書き込むのが一般的である。この場合、原稿を1ページずつ読み取りながら1ページ毎に送信してもよい。或いは、原稿を一度全て読みとり画像データをHDD306に蓄積し、蓄積した画像データを送信してもよい。或いは、「通話後送信」を選択した直後に原稿を先にすべて読みとり画像データをHDD306に蓄積しておき、蓄積した画像データを送信してもよい。CPU302は、S110の処理へ移行する。
ここで、図2のフローチャート230を参照して、相手側装置の処理について説明する。ここでは、PC516がファイル共有部となる。S502において、PC516は、共有ファイルアクセス条件に合致したか否かを判定する。一般的には画像処理装置301からPC516の共有フォルダへアクセスがあった時点で、共有ファイルアクセス条件に合致するため、PC516はS503の処理へ移行する。共有ファイルアクセス条件に合致しない場合S502の待機状態に戻る。S503において、PC516は、画像処理装置301から送信された画像データを共有フォルダへアクセスして書き込む。続いて、S504において、PC516は、共有フォルダアクセスの終了処理を行う。PC516の共有フォルダへアクセスすることでJPG,TIFF、PDFの画像データを参照することができる。その後、PC516は、待機状態に戻り、一連の処理を終了する。
図1のフローチャートの説明に戻る。S103でユーザがUI314より画面710で複数の送信宛先を指示した場合、S109において、上述したような送信処理を同時に行う。同時に行えない場合は順次行う。その後、CPU302は、S110の処理へ移行する。
S110において、CPU302は、通話終了指示がされたか否かを判定する。画像処理装置301から送信宛先への送信が終了した後、ユーザは通話に使用したヘッドセット309、子電話328、又はUI314で通話終了を指示する。CPU302は、通話終了指示を検知すると、S111の終了処理へ移行する。また、CPU302は、設定された一定時間が経過した場合や設定された一定時間内にユーザからの指示が検知できない場合も通話終了とみなしてS111へ移行する処理とすることもできる。CPU302は、通話終了指示を検知できないと、S110の処理へ戻る。
S106で「通話後送信」が選択されていないと判定されると、S113に移行し、CPU302は、「送信」が選択されたか否かを判定する。ユーザがUI314で「送信」を指示していればCPU302はS114の処理へ移行する。一方、ユーザがUI314で「送信」を指示していなければCPU302はS115の処理へ移行する。
S114において、CPU302は、選択された送信宛先へMFP内蔵の送信部より送信を行う。S103でユーザがUI314より画面701−704、706、707、709、710、713で「送信」を指示した場合、登録されている送信宛先へ、CPU302は送信を行う。この送信処理はS109で説明したのと同じ処理内容であるため説明を省略する。S114の送信処理が終了すると、CPU302は、S111の処理へ移行する。
一方、S113で「送信」が選択されていないと判定した場合はS115に移行し、CPU302は、「通話」が選択されたか否かを判定する。ユーザがUI314で「通話」を指示していればCPU302はS116の処理へ移行する。ユーザがUI314で「通話」を指示していなければ、「通話後送信」「送信」「通話」のいずれでもないので指示された他の処理又はエラー処理を行うため、CPU302は、S111の処理へ移行する。
S116において、CPU302は、選択された通話宛先名へMFP内蔵の電話部より通話を行う。S103でユーザがUI314より画面701−704、706、708、710、712に示す画面で「通話」を指示した場合、登録されている通話宛先へ、CPU302は通話を行う。この通話処理はS107で説明した処理と同じ処理内容であるため説明を省略する。S116の通話処理が終了すると、CPU302はS111の処理へ移行する。
S111において、CPU302は、終了処理を行う。CPU302は上述した動作や通信に使用した機能を終了させて初期化し、上述した動作や通信結果のログをHDD306に保存し、S117へ移行する。また、フローチャートには記載していないが途中でUI314にて通信中止指示がなされた場合や動作中に機能動作エラーが発生し指示された動作を継続できない時も、通信終了処理を実施するためS111へ処理を移行する。
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置は、種々の通信方式を提供するとともに、1つのユーザに対して2つ以上の通信方式を連続して用いる場合に、予め設定された宛先を用いて、連続して異なる通信方式を用いるのか、単独の通信方式を用いるのかをユーザに選択させる。即ち、ユーザは、連続して異なる通信方式を用いる場合に、予め設定された宛先において、連続して異なる通信方式を用いる指示を行うか、又は、単独の通信方式を用いる指示を行うかの選択をするだけでよい。本実施例に係る画像処理装置によれば、連続して異なる通信方式を用いる指示がなされると、第1の通信方法を用いた通信が行われ、当該通信の終了が検知されると、予め定められた宛先へ第2の通信方式を用いた通信が行われる。つまり、ユーザは、第1の通信方法を用いた通信が終了したのちに、第2の通信方式を用いた通信における宛先を設定する必要がない。
<第2の実施例>
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図1を参照して、宛先登録でグループ登録するときの処理フローについて説明する。以下で説明する処理は、CPU302が、ROM304やHDD306に格納された制御プログラムをRAM305に読み出して実行することによって実現される。なお、以下では、第1の実施例と異なる部分について主に説明する。
S102では画像処理装置301の電話帳へ予め登録済みの相手先の通話宛先名と送信宛先名をユーザがUI314から複数登録して関連付けする。画面609を用いて複数の宛先を登録してグループで一括して同じ処理を適用し、複数の宛先に対して順次、通話後送信する設定を説明する。ここでは、ユーザはUI314に宛先No.=04を表示させる。ユーザは宛先の名称に支店グループを設定する。ユーザはグループ宛先の項目をUI314で表示させグループ宛先=○に変更する。宛先No.05、06、07は登録済みであって、ユーザが通話したい相手のインターネット電話の宛先とFAXの電話番号が設定済みである。
例えば登録の際には、ユーザは宛先No.05のインターネット電話宛先名=x505**、FAX番号=03−0005−0000と登録する。同様に宛先No.06のインターネット電話宛先名=x506**、FAX番号=03−0006−0000と登録する。宛先No.07のインターネット電話宛先名=x507**、FAX番号=03−0007−0000と登録する。上記No.05、06、07の相手は、IP網501かPSTNに接続されているとする。FAXの通信部はすべてT.38に設定される。他の欄は空欄でもよい。
そして宛先No.=04の設定において、ユーザはUI314でグループ内訳の項目を表示させ、宛先No.05、06、07を登録する。複数の宛先に対して順次、通話後送信する設定の入力が完了すると、UI314には画面609が表示される。電話帳の宛先登録が完了したので、CPU302の処理は次にS103へ移行する。
S103において、CPU302は、UIで宛先選択と動作指示がされたか否かを判定する。S102で画面609に示す複数の相手に通話した後、FAX送信する設定をしていた場合、UI314に画面711が表示される。ユーザは画像処理装置301に送信する原稿を積載し、UI314により送信メニューを選択し、グループ化された宛先No.04を選択する。ユーザはグループ内訳が正しいかを確認した後、通話送信したい場合、UI314の「通話後送信」を指示する。またユーザが通話のみを行いたい場合は、UI314の「通話」を指示し、ユーザが送信のみを行いたい場合はUI314の「送信」を指示する。もしグループ内訳に含まれる宛先No.に画面608に示すような複数の通話宛先と送信宛先が登録されていた場合、UI314に画面705に示すような表示がされて個別に通話宛先と送信宛先を選択する。グループ内訳の登録内容に応じて上記の選択を行う。もしUI314の画面に収まらない項目があった場合、画面をスクロールさせれば表示できる。CPU302は、UI314で宛先選択と動作指示がされたことを検知すると、処理をS104へ移行する。
S104において、CPU302は、実行可能な宛先選択と動作指示がされたか否かを判定する。S103でユーザが、「通話後送信」「送信」「通話」のいずれかの動作指示をしたところ、ある1つの宛先No.では実行できない指示がされた場合、該当の宛先No.に対しては何も行わず、次の宛先No.の処理に移る。そしてS111の終了処理にて結果をUI314に表示し、結果をログに保存する。具体的にはグループ内訳のNo.05,06,07の内、もしNo.05だけFAX送信宛先しか登録されていない場合、通話後送信を指示してもNo.05では実行できないためS105の処理へ移行する。動作指示が可能な場合、CPU302の処理はS106へ移行する。
S111では、登録されたグループ内訳の宛先No.に対して順次S104乃至S111の処理を順番に実行し、すべての処理が終了したかを判定し、結果をUI314に表示し、結果をログに保存して終了処理を行う。そしてCPU302は、処理をS117へ移行して待機状態に戻る。
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置は、複数の宛先を含むグループ登録された宛先が選択された場合において、通話送信等が指示されると、各宛先の装置において、実行できない機能があれば、当該宛先に対する処理をスキップする。これにより、グループ登録された場合であっても、上記第1の実施例と同様に、好適に通話後送信を実現することができる。
<第3の実施例>
次に、第3の実施例について説明する。図4を参照して、本実施例に係る画像処理装置301のハードウェア構成と網の接続について説明する。ここでは、図3と異なる点について主に説明する。なお、本実施例は、上記第1の実施例と第2の実施例との少なくとも一方と組み合わせて実現してもよい。
図4に示す画像処理装置401では、CODEC320、バス321、音声回路322、SLIC327、アナログ信号312、及びヘッドセット309が不要なため削除されている。代わりに画像処理装置401では、モデム330、リレー329、ハンドセット331が追加されている。追加されたブロックは適切な信号で画像処理装置401内で接続されCPU302によって制御される。画像処理装置401はPSTNに接続するG3FAX通信機能を2回線有し、また片方のG3FAXにはハンドセット331と子電話328が接続され通話が可能である。画像処理装置401では、モデム330で通信するか、ハンドセット331又は子電話328で通話するかをリレー329で切り替えることができる。モデム330とモデム307はPSTN503に接続され、PSTN経由でのG3FAX通信や通話が可能である。他の部分は図3の画像処理装置301と同じ構造であるので説明を省略する。
次に、図1を参照して、本実施例における処理フローについて説明する。本発明で重要となるフローを図1(A)を用いて説明する。以下で説明する処理は、CPU302が、ROM304やHDD306に格納された制御プログラムをRAM305に読み出して実行することによって実現される。なお、以下では、第1の実施例と異なる部分について主に説明する。S102では、電話帳へ宛先を登録するが、画面610を用いてハンドセット331又は子電話328で通話した後、FAX送信する設定について説明する。また宛先登録を行う画面610でCPU302は現時点で利用できない機能に関する宛先をUI314で非表示として選択できないようにしてもよい。
ここでは、宛先の名称に支店1を設定する。ユーザが通話したい相手の電話番号03−0000−0004を設定する。ユーザが送信したい相手のFAXの電話番号03−0000−0003を設定する。本実施例では、画像処理装置401はT.38による通信部を備えない。通信部の欄はT.30を設定する。或いは、空欄にしておけば自動的にT.30が選択される。ハンドセット331又は子電話328で通話した後、T.30でFAX送信する設定の入力が完了すると、CPU302の処理はS103へ移行する。
S103において、CPU302は、UIで宛先選択と動作指示がされたか否かを判定する。S102で画面610に示すように電話で通話した後、G3FAX送信する設定をしていた場合、UI314に画面715が表示される。ユーザが通話宛先とFAX送信の宛先が正しいか否かを確認した後、UI314の「通話後送信」を指示する。ユーザがハンドセット331をオフフックして利用指示をしていれば、又はUI314でハンドセット331からの通話を指示していれば、以降のステップS107にて通話にハンドセット331を用いる。ユーザが子電話328をオフフックして利用指示をしていれば、又は、UI314で子電話328からの通話を指示していれば、以降のステップS107にて通話に子電話328を用いる。すると、CPU302は、UI314で宛先選択と動作指示がされたことを検知するのでCPU302の処理はS104へ移行する。つまり、ユーザが動作指示した方法によってその後の通話方法を切り替える。
S104では、CPU302は、UI314で実行可能な宛先選択と動作指示がされたか否かを判定する。もしモデム330、モデム307、ハンドセット331、子電話328の内どれか1つが通信又は通話中の場合、「通話後送信」はできないためCPU302の処理はS105へ移行する。もしハンドセット331、子電話328どちらかを通話指示のためオフフックしている場合は、一旦モデム330で直流を補足する状態に制御した直後にリレー329を切り替えてモデム330でPSTNからの直流ループを形成する。そしてモデム330でダイヤルトーンを検出し、ハンドセット331又は子電話328が通話中なのか「通話後送信」の通話指示をしているだけなのかを判断する。そして通話中であれば「通話後送信」は実行できないため、リレー329をハンドセット331又は子電話328側に接続し直した後、CPU302の処理はS105へ移行する。即ち、通話後送信の処理については中断することになる。このようにCPU302は実行可能な指示であるかを判断する。
S107において、CPU302は、選択された通話宛先へMFP内蔵の通話部より通話を行う。S103でユーザがUI314より画面715で「通話後送信」を指示した場合を説明する。この場合、TEL=03−0000−0004が登録されているので、CPU302は該当する電話番号へ通話を行う。ユーザがハンドセット331をオフフックして利用指示をしていれば、又はUI314でハンドセット331からの通話を指示していれば、通話にハンドセットを用いる。CPU302は、リレーをモデム330側に切り替え、モデム330で直流捕捉後PSTNへDTMFを送出し相手の電話番号(03−0000−0004)へ発呼する。或いは、ダイヤルパルスを生成する回路でパルスを生成し相手の電話番号へ発呼する。その後、リレーをハンドセット331側へ切り換え、ユーザはハンドセット331で相手と通話を行う。ユーザが子電話328をオフフックして利用指示をしていれば、又はUI314で子電話からの通話を指示していればCPU302はリレーをモデム330側に切り替える。そしてCPU302はモデム330で直流捕捉後PSTNへDTMFを送出し相手の電話番号(03−0000−004)へ発呼する。或いは、ダイヤルパルスを生成する回路でパルスを生成し相手の電話番号(03−0000−0004)へ発呼する。ユーザが「通話後送信」を指示した後にハンドセット331又は子電話328の利用指示が未だ行われていない場合、CPU302はUI314に「ハンドセットか子電話を持ち上げてください」のような表示を行う。ユーザが「通話後送信」を指示する前に、ハンドセット331又は子電話328の利用指示が行われていた場合、CPU302は、上記の表示は行わない。ハンドセット331か子電話328どちらを利用するか区別したい場合は、画像処理装置401内のフォトカプラにて区別することができる。そしてCPU302はS108の処理へ移行する。
S109において、CPU302は、選択された送信宛先へMFP内蔵のFAX送信部より送信を行う。ユーザがS103でUI314より画面715で「通話後送信」を指示した場合を説明する。この場合、FAX=03−0000−0003 通信部=T.30が登録されているので、CPU302は、該当するFAXの電話番号へ送信を行う。モデム307で直流捕捉後PSTNへDTMFを送出し相手FAXの電話番号(03−0000−003)へ発呼する。或いは、ダイヤルパルスを生成する回路でパルスを生成し相手FAXの電話番号へ発呼する。
受信機が呼び出しに応答すると、スキャナ318に設置された原稿を指定されたモードで読み取った画像データをT.30に合致した通信方式で送信する。この場合、原稿を読み取りながらFAX送信を行うダイレクト送信を行う。或いは、「通話後送信」を選択した直後に原稿を先にすべて読みとり画像データをHDD306に蓄積しておき、FAX送信では蓄積した画像データを利用するメモリ送信を行ってもよい。もし「通話後送信」で登録された通話とFAXの電話番号が一致していても、相手がNGNの複数セッション契約で同じ電話番号でFAXと通話の同時着信が可能であるかもしれないのでエラーにはせず処理を続行する。送信後にCPU302はS110の処理へ移行する。
上記説明ではT.38やT.30VoIP通信にNGNで契約した番号計画に基づく電話番号で宛先を指示することを説明したが、Internet Protocol Address(IPアドレス)、Uniform Resource Locator(URL)、Session Initiation Protocol(SIP) Uniform Resource Indicator(URI)や付随するポート番号やIDやパスワード等を用いて宛先を指示してもよい。
以上説明したように、相手に対して通話後にファクシミリを送信したい場合、受信側が新しいインフラを導入すると通話とFAXの番号や通信部が一致しないケースがある。そのような場合でも相手選択を1回に減らし、誤送信の可能性を減らし操作の省略ができる使い勝手のよい画像処理装置を提供することができる。
<その他の実施例>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。