以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置22を備えた画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として、いわゆる胴内排紙型の複写機を例示している。なお、本発明に係る画像読取装置22が適用される装置は複写機に限られるものではなく、例えばスキャナー装置、ファクシミリ装置、或いは複合機であってもよい。
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有し胴内空間(胴内排紙部24)を備えたハウジング2を備える。ハウジング2は、画像形成のための各種機器が収容される下部筐体(装置本体21)と、装置本体21の上方に配設された上部筐体(画像読取装置22)と、装置本体21と画像読取装置22とを連結する連結筐体23とを含む。画像読取装置22は、原稿シート(原稿)の画像を光学的に読み取り、原稿画像に応じた画像データを生成する。装置本体21は、前記画像データに基づき、シートに対してトナー画像を形成する処理を行う。装置本体21と画像読取装置22との間には、画像形成後のシートが排紙される胴内排紙部24が設けられている。連結筐体23は、ハウジング2の右側面の側に配置され、胴内排紙部24へシートを排出するための排出口961が設けられている。
装置本体21の内部には、上方から順に、トナーコンテナ99Y、99M、99C、99K、中間転写ユニット92、画像形成部93、露光ユニット94、及び給紙カセット211が収容されている。
画像形成部93は、画像読取装置22から出力される画像データに基づいて、シートに画像を形成する。画像形成部93は、フルカラーのトナー像を形成するために、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkを備える。各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周囲に配置された、帯電器12、現像装置13、一次転写ローラー14及びクリーニング装置15とを含む。
感光体ドラム11は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム11としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器12は、感光体ドラム11の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム11の周面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。
現像装置13は、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム11の周面にトナーを供給する。現像装置13は、2成分現像剤用のものであり、攪拌ローラー16、17、磁気ローラー18、及び現像ローラー19を含む。攪拌ローラー16、17は、2成分現像剤を攪拌しながら循環搬送することで、トナーを帯電させる。磁気ローラー18の周面には2成分現像剤層が担持され、現像ローラー19の周面には、磁気ローラー18と現像ローラー19との間の電位差によってトナーが受け渡されることにより形成されたトナー層が担持される。現像ローラー19上のトナーは、感光体ドラム11の周面に供給され、前記静電潜像が現像される。
一次転写ローラー14は、中間転写ユニット92に備えられている中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム11とニップ部を形成し、感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置15は、トナー像転写後の感光体ドラム11の周面を清掃する。
イエロー用トナーコンテナ99Y、マゼンタ用トナーコンテナ99M、シアン用トナーコンテナ99C、及びブラック用トナーコンテナ99Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの現像装置13に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの各々に設けられた感光体ドラム11の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラー922及び従動ローラー923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム11からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、給紙カセット211又は給紙トレイ30から供給されるシートに、二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラー922及び従動ローラー923は、装置本体21によって回転自在に支持される。
給紙カセット211は、複数のシートが積層されてなるシート束を収納する。給紙カセット211の右端側の上部には、ピックアップローラ212が配置されている。ピックアップローラ212の駆動により、給紙カセット211内のシート束の最上層のシートが1枚ずつ繰り出され、搬入搬送路26へ搬入される。なお、装置本体21の右側面には、手差し給紙用の給紙トレイ30を備えた給紙ユニット40が備えられている。給紙トレイ30に載置されたシートは、給紙ユニット40の給紙ローラー41の駆動によって、搬入搬送路26へ搬入される。
搬入搬送路26の下流側には、二次転写部98、後述する定着ユニット97及び排紙ユニット96を経由して排出口961まで延びるシート搬送路28が設けられている。シート搬送路28の上流部分は、装置本体21に形成された内壁と、反転搬送ユニット29の内側面を形成する内壁との間に形成されている。なお、反転搬送ユニット29の外側面は、両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路291の片面を構成している。シート搬送路28の、二次転写部98よりも上流側にはレジストローラ対27が配置されている。シートは、レジストローラ対27にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、二次転写部98に送り出される。
連結筐体23の内部には、定着ユニット97と排紙ユニット96とが収納されている。定着ユニット97は、定着ローラーと加圧ローラーとを含み、二次転写部98においてトナー像が二次転写されたシートを加熱及び加圧することで、定着処理を施す。定着処理されたカラー画像付のシートは、定着ユニット97の下流に配置されている排紙ユニット96により、排出口961から胴内排紙部24に向けて排出される。
画像読取装置22は、前記上部筐体の上面221に嵌め込まれた、第1コンタクトガラス222と第2コンタクトガラス223とを備える。第1コンタクトガラス222は、自動原稿給送装置(ADF;図示せず)が画像読取装置22上に配置される場合に、ADFから自動給送される原稿シートの読取用に設けられている。第2コンタクトガラス223には、ユーザーによって原稿シートが載置される。第2コンタクトガラス223は、載置された原稿シートの読取用に設けられている。この場合、画像読取装置22は、ADFに代わって原稿カバー22A(図10)を備えてもよい。原稿カバー22Aは、第2コンタクトガラス223の上方において、画像読取装置22の上面部に対して開放可能とされる。原稿カバー22Aが開状態とされると、ユーザーによって第2コンタクトガラス223の上に原稿シートが載置される。そして、原稿カバー22Aが閉状態とされると、前記原稿シートが原稿カバー22Aによって押圧されるとともに固定される。
画像読取装置22は、前記上部筐体内に収容された、第1移動キャリッジ224、第2移動キャリッジ225、集光レンズユニット228及び撮像素子229(受光ユニット)を含む。第1移動キャリッジ224には、後記の照明装置50と、第1反射ミラー226とが搭載されている。第2移動キャリッジ225には、光路を反転させるために第2反射ミラー227A及び第3反射ミラー227Bが搭載されている。
第1移動キャリッジ224は、第1コンタクトガラス222及び第2コンタクトガラス223の下面に沿って、左右方向(副走査方向)に往復移動する。第2移動キャリッジ225は、第1移動キャリッジ224の1/2の移動量で左右方向に往復移動する。第1移動キャリッジ224は、原稿シートが図略の自動原稿給送装置から自動給送される自動給送モードのとき、第1コンタクトガラス222の直下に移動し、静止状態となる。この静止状態において、照明装置50から原稿シートに向けて光が発せられる。一方、原稿シートが第2コンタクトガラス223上に載置される手置きモードのとき、第1移動キャリッジ224は、第2コンタクトガラス223の左端直下から原稿シートのサイズに応じて右方へ移動する。この移動の際に、照明装置50から原稿シートに向けて光が発せられる。第2移動キャリッジ225は、第1移動キャリッジ224の1/2の移動量で、第1移動キャリッジ224に追従して右方に移動する。
照明装置50は、被照射物としての原稿シート(原稿)に対し、主走査方向(前後方向)に長いライン状の照明光を照射する。照明装置50は、第1コンタクトガラス222または第2コンタクトガラス223に対向して配置される。具体的には、照明装置50は、第1コンタクトガラス222上を通過する自動給送の原稿シート若しくは第2コンタクトガラス223上に載置される手置きの原稿シートに向けて、原稿シート画像の光学的な読み取りのために照明光を発する。第1反射ミラー226は、照明装置50が原稿シートに向けて発した照明光の反射光を、第2移動キャリッジ225の第2反射ミラー227Aへ向わせるように反射する。
第2反射ミラー227Aは、第1反射ミラー226が反射した前記反射光を、第3反射ミラー227Bに向けて反射する。第3反射ミラー227Bは、前記反射光を集光レンズユニット228に向かうように反射する。集光レンズユニット228は、第3反射ミラー227Bにおいて反射された反射光の光像を、撮像素子229の撮像面に結像させる。撮像素子229は、CCD(charge coupled device)等からなり、反射光を受光してアナ
ログ電気信号に光電変換する。このアナログ電気信号は、A/D変換回路(図略)によってデジタル電気信号に変換された後、上述の露光ユニット94に画像データとして入力される。
なお、第2コンタクトガラス223の左端側には、読取濃度の白基準を決定するための白基準板(図略)が配置されている。画像読取動作の前に前記白基準板に照明光が照射され、その反射光を撮像素子229で受光させ、このときの画像データが主走査方向で均一な出力となるような補正値が予め取得される(シェーディング補正)。
続いて、本発明の実施形態に係る照明装置50の詳細について説明する。図2および図3は、第1移動キャリッジ224上の照明装置50の斜視図である。また、図4は、照明装置50の第1導光体52A(第2導光体52B)の斜視図であり、図5は、第1導光体52A(第2導光体52B)の断面図である。なお、図4および図5では、第2導光体52Bの符号がカッコ内に表記されている。更に、図6は、照明装置50の各導光体の配置を示した模式的な断面図である。また、図7および図8は、照明装置50の分解斜視図である。
照明装置50は、第1コンタクトガラス222若しくは第2コンタクトガラス223(所定の配置面)に配置された原稿シート(被照射物)を焦点位置として光を照射する。照明装置50は、第1移動キャリッジ224上において、主走査方向(第1方向、図2および図3の矢印D1)に沿って配置される。
照明装置50は、光源51(図7参照)と、導光体52とを備える。導光体52は、光源51から発せられた照明光を伝搬すると共に、ライン状の照明光に変換して出射する。光源51は、第1光源51Aおよび第2光源52Bからなる。また、導光体52は、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bからなる。
第1導光体52Aは、第1方向に長い棒状の形状からなる。第1導光体52Aは、第1入射面54Aと、第1出射面56Aとを備える(図4)。第1入射面54Aは、第1導光体52Aの第1方向の端部に配置され、第1方向に沿って光が第1入射面54Aに入射される。本実施形態では、第1入射面54Aは、第1導光体52Aの第1方向の両端部に一対配置される。第1出射面56Aは、前記第1方向に沿って延設され前記第1方向と交差する第2方向(図4、図6の矢印D2)に前記光を出射する。そして、第1導光体52Aは、前記第2方向から原稿シートに光を照射する。
第2導光体52Bは、第1導光体52Aと間隔をおいて配置され前記第1方向に長い棒状の形状からなる。第2導光体52Bは、第2入射面54Bと、第2出射面56Bとを備える。第2入射面54Bは、第2導光体52Bの第1方向の端部に配置され、第1方向に沿って光が第2入射面54Bに入射される。本実施形態では、第2入射面54Bは、第2導光体52Bの第1方向の両端部に一対配置される。第2出射面56Bは、第1方向に沿って延設され、第1方向および第2方向と交差する後記の第3方向(図4、図6の矢印D3)に前記光を出射する。そして、第2導光体52Bは、前記第3方向から原稿シートに光を照射する。
光源51(第1光源51A、第2光源52B)は、薄い円板状の形状を有し、白色光を発する白色LED(Light Emitting Diode)51Lを備えている(図4)。白色LED51Lとしては、例えば、青色光又は紫外光を発するGaN系またはInGaN系半導体発光素子を、蛍光体入り透明樹脂で封入してなる高輝度LEDパッケージを用いることができる。
本実施形態では、第1光源51Aおよび第2光源51Bは、それぞれ、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bの両端部に一対ずつ配置される。すなわち、一対の第1光源51Aは、第1導光体52Aの一対の第1入射面54Aにそれぞれ対向して配置され、第1入射面54Aに入射される照明光を発する。また、一対の第2光源51Bは、第2導光体52Bの一対の第2入射面54Bにそれぞれ対向して配置され、第2入射面54Bに入射される照明光を発する。
次に、図4および図5を参照して、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bの構造について更に説明する。なお、本実施形態では、第2導光体52Bも第1導光体52Aと同様の構成からなり、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bは、照明装置50における配置が互いに異なる。したがって、図4および図5では、主に、第1導光体52Aの構造を例に説明する。
第1導光体52Aは、アクリル樹脂などの透光性の樹脂材料によって成形され、主走査方向(第1方向)に長い棒状の形状を有し、第1光源51Aから発せられた照明光を導光する本体部53と、該本体部53の第1方向の両端面であって前記照明光が入射される一対の第1入射面54Aを含む。一対の第1入射面54Aには、上記の一対の第1光源51Aの発光面がそれぞれ対向して配置されている。なお、図4では、第1方向先端側の第1光源51Aは図示されていない。
第1導光体52Aは、さらに、本体部53の上面側(第1、第2コンタクトガラス222、223と対向する側)に配置された第1出射面56Aと、この第1出射面56Aに対向して本体部53の下面側に配置された第1反射面57Aとを備える。第1出射面56Aは、本体部53の上面において、主走査方向(第1方向)に沿って延び、主走査方向と直交する方向に所定の幅を持って、前記照明光を第1、第2コンタクトガラス222、223(原稿シート)に向けて出射する面である。第1出射面56Aから照明光が出射される方向が、第2方向(図4〜図6の矢印D2)と定義される。第1反射面57Aは、同様に主走査方向に延びる帯状の面であって、本体部53内を伝搬する前記照明光を第1出射面56Aに向けて反射する。第1出射面56Aは、主走査方向と交差する方向において比較的緩い凸の曲面を有している。一方、第1反射面57Aは平坦な面である。第1反射面57Aには不図示の微小なプリズムが多数設けられている。該プリズムによって光が第1出射面56Aに向かって反射される。
前述のように、第2導光体52Bも第1導光体52Aと同様の構造からなる。すなわち、第2導光体52Bも本体部53を備え、第1導光体52Aの第1入射面54A、第1出射面56A、第1反射面57Aは、それぞれ、第2導光体52Bの第2入射面54B、第2出射面56B、第2反射面57Bに対応する。なお、第2出射面56Bから照明光が出射される方向が、第3方向(図4〜図6の矢印D3)と定義される。また、このように、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bが同じ形状、構造を備える。このため、2本の導光体の共通化が実現される。
更に、図2および図8を参照して、照明装置50は、第1プレート60、第2プレート61、放熱ユニット63(図8)を備える。第1プレート60および第2プレート61は、第1移動キャリッジ224から上方に向かって立設される板状部材である。第1プレート60は、第1方向の一端側で、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bを支持する。また、第2プレート61は、第1方向の他端側で、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bを支持する。
図7および図8を参照して、第1プレート60は、第11プレート60Aと、第12プレート60Bとを備える。第11プレート60Aおよび第12プレート60Bは、互いに対向して配置される板状部材である。第11プレート60Aは、第1光源51Aおよび第2光源51Bを支持する。また、第12プレート60Bは、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bを支持するとともに、第1光源51Aおよび第2光源51Bに対向して、第1入射面54Aおよび第2入射面54B(図4)を露出させる。詳しくは、第12プレート60Bは、第1開口部60B1、第2開口部60B2を備える。第1開口部60B1、第2開口部60B2には、それぞれ、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bの一端側が挿通される。この結果、第11プレート60A側に、第1入射面54Aおよび第2入射面54Bが露出する。第11プレート60Aが第12プレート60Bに装着されることによって、第1光源51Aおよび第2光源51Bが、第1入射面54Aおよび第2入射面54Bに対向して配置される。なお、第2プレート61も第1プレート60と同様の構成を備える。
放熱ユニット63(図8)は、第11プレート60Aに当接して配置される。放熱ユニット63は、放熱リブ63Tを備える。放熱リブ63Tは、放熱ユニット63の表面積を増大させる。したがって、放熱ユニット63はヒートシンクの機能を備える。放熱ユニット63が第1プレート60に装着されると、第1光源51Aおよび第2光源51Bの発光に伴って生じる熱が、第11プレート60Aから放熱ユニット63に伝達される。そして、前記熱は、放熱リブ63Tから照明装置50の外部に排熱される。
次に、図6を参照して、本実施形態における照射光の方向について説明する。第1導光体52Aおよび第2導光体52Bは、互いの出射面が向き合うように、所定の角度だけ傾けて配置される。前述のように、第1導光体52Aは、第1光源51Aの光を第2方向から原稿シートPに照射する。また、第2導光体52Bは、第2光源51Bの光を第3方向から原稿シートPに照射する。すなわち、図6に示される第1方向と交差する断面視において、前記第2方向は、第1コンタクトガラス222若しくは第2コンタクトガラス223(原稿載置面)と直交する法線RLに対して、一方の原稿載置面側から原稿シートPに向かう方向である。また、前記第3方向は、前記法線RLに対して他方の原稿載置面側から原稿シートPに向かう方向である。このため、前記法線RLの両側から、原稿シートPに対して安定して光を照射することができる。更に、本実施形態では、前記断面視において、第1導光体52Aと第2導光体52Bと照射光の焦点SPとを結ぶ三角形TRが焦点SPを頂点とする二等辺三角形である。このため、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bから原稿シートPに照射される光の分布が、第1方向と交差する断面視において線対称となる。このため、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bから照射される光が重なった場合であっても、原稿シートPに均一な光を照射することができる。換言すれば、法線RLを境に、一方の原稿シートP側の光量が他方の原稿シートP側の光量よりも小さくなることが抑制される。なお、他の実施形態において、第1導光体52Aと第2導光体52Bと照射光の焦点SPとを結ぶ三角形TRが正三角形であってもよい。
上記の構成では、前記第1方向が画像読取装置22の主走査方向であり、前記第1方向と交差する断面視において第1導光体52Aから第2導光体52Bに向かう方向(図6の矢印D4)が副走査方向となる。そして、被照射物である原稿シートPには、2つの導光体(第1導光体52A、第2導光体52B)から光が照射される。また、2つの導光体には、それぞれ2つの光源(第1光源51A、第2光源51B)が配置される。このため、異なる2つの方向から原稿シートPに光を照射することができる。また、1本の導光体から光が照射される場合と比較して、より大きな光量で原稿シートPに光を照射することができる。また、一つの光源の発光量が小さくて済むため、各光源が発する熱量を低減することができる。したがって、前記熱によって、光源51および導光体52や周囲の部材が熱変形することが抑制される。また、照明装置50が副走査方向において往復移動可能とされることによって、主走査方向および副走査方向に延伸される原稿シートPの画像を安定して読み取ることができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1において、照明装置50が使用される態様について説明する。図9は、本実施形態に係る照明装置50の第1導光体52Aおよび第2導光体52Bの斜視図である。図10は、画像形成装置1において、原稿カバー22Aが閉じられる様子を示した模式的な斜視図である。図11は、画像形成装置1において、照明装置50が発光する流れを説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、前述の第1光源51Aのうち、第1方向(図9の矢印D1方向)の一端側に配置された第1光源51Aが第11光源51A1と定義され、第1方向の他端側に配置された第1光源51Aが第12光源51A2と定義される。同様に、前述の第2源51Bのうち、第1方向の一端側に配置された第2光源51Bが第21光源51B1と定義され、第1方向の他端側に配置された第2光源51Bが第22光源51B2と定義される。第11光源51A1、第12光源51A2、第21光源51B1および第22光源51B2の発光は、制御部80によって制御される。
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するRO
M(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部80は、前記CPUが前記ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、上記の各光源の発光動作を制御するように機能する。
本実施形態では、画像読取装置22の読取モードに応じて、制御部80が照明装置50の複数の光源の発光動作を制御する。このため、読取モードに応じて適切な光量で原稿に光を照射することができるとともに、光の照射に伴う電力の消費を低減することができる。表1は、画像形成装置1の画像形成動作に対応して画像読取装置22が原稿シートの画像を読み取る各読取モードと、照明装置50において発光される光源の数(LED点灯個数)との関係を示したものである。
本実施形態では、画像読取装置22は、カラーモード(フルカラー読取モード)、モノクロモード(単色読取モード)、高解像度読取モードおよび低解像度読取モードを備える。これらの読取モードは、画像形成装置1に備えられた操作部81(図9)、または、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータなどを通じて、ユーザーによって選択される。
カラーモードは、原稿シートの画像が4色のフルカラー画像として読み取られるモードであり、撮像素子229(図1)において各色の画像が電気信号に光電変換される。このため、原稿シートに強い光が照射される必要がある。一方、モノクロモードは、原稿シートの画像が、白黒画像(ブラック画像)として読み取られるモードであり、撮像素子229において白黒の画像が電気信号に光電変換される。このため、モノクロモードでは、カラーモードと比較して、原稿シートに強い光が照射される必要はない。なお、モノクロモードは、原稿シートの画像がブラック(Bk)色の単色画像として読み取られるモードに限定されるものではなく、他の実施形態において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の単色画像として読み取られる態様であってもよい。
本実施形態では、制御部80(図9)は、カラーモードにおいて、一対の第1光源51Aおよび一対の第2光源51Bのすべてを発光させる。すなわち、図9において、第11光源51A1、第12光源51A2、第21光源51B1および第22光源51B2のすべてが発光される。この結果、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bに対して、第1方向(主走査方向)の両側から照明光が進入した後、前記照明光が原稿シートに照射される。したがって、原稿シートに強い光が照射され、フルカラー画像が安定して読み取られる。
一方、制御部80は、モノクロモードにおいて、一対の第1光源51Aのうち第1方向の一端側を発光させるとともに、第1光源51Aまたは第2光源51Bの第1方向の他端側を発光させる。一例として、図9を参照して、モノクロモードでは、第1光源51Aの第1方向の一端側の第12光源51A2が発光されるとともに、第2光源51Bの第1方向の他端側の第21光源51B1が発光される。この結果、第1導光体52Aには第1方向の一端側から照明光が進入し(図9の矢印D91)、第2導光体52Bには第1方向の他端側から照明光が進入する(図9の矢印D92)。そして、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bから原稿シートに前記照明光が照射される。したがって、カラーモードの照明光よりも弱く、かつ、単色画像の読み取りに必要十分な光が原稿シートに照射され、単色画像が安定して読み取られる。また、単色画像の読み取りのための過剰な光の照射が抑制され、光の照射に伴う照明装置50の消費電力が低減される。
なお、他の実施形態において、モノクロモードでは、第21光源51B1の代わりに、第11光源51A1が発光されてもよい。この場合であっても、第1導光体52Aの第1の方向の両側から照明光が進入した後、前記照明光が原稿シートに照射される。なお、この場合、第2導光体52Bには、照明光が進入することはない。したがって、カラーモードの照明光よりも弱く、かつ、単色画像の読み取りに必要十分な光が原稿シートに照射され、単色画像が安定して読み取られる。また、単色画像の読み取りにおいて過剰な光の照射が抑制され、照明装置50の消費電力が低減される。なお、上記のように、第1導光体52Aの一端側の第12光源51A2と、第2導光体52Bの他端側の第21光源51B1が発光される場合、2つの導光体が使用されつつ第1方向における光の均一性が維持される。また、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bの使用頻度が均一化されるため、照明装置50の長寿命化が実現される。
更に、表1を参照して、高解像度モードは、原稿シートの画像が600dpi(所定値)以上の解像度によって読み取られるモードである。このため、原稿シートに強い光が照射される必要がある。一方、低解像度モードは、原稿シートの画像が300dpi(所定値)以下の解像度によって読み取られるモードである。このため、低解像度モードでは、高解像度モードと比較して、原稿シートに強い光が照射される必要はない。なお、低解像度モードは、原稿シートの画像が600dpi(所定値)未満の解像度によって読み取られるモードであってもよい。
本実施形態では、制御部80(図9)は、高解像度モードにおいて、カラーモードと同様に、一対の第1光源51Aおよび一対の第2光源51Bのすべてを発光させる。この結果、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bに対して、第1方向(主走査方向)の両側から照明光が進入した後、前記照明光が原稿シートに照射される。したがって、原稿シートに強い光が照射され、原稿シートの画像が高い解像度によって安定して読み取られる。
一方、制御部80は、低解像度モードにおいて、モノクロモードと同様に、一対の第1光源51Aのうち第1方向の一端側を発光させるとともに、第1光源51Aまたは第2光源51Bの第1方向の他端側を発光させる。すなわち、図9を参照して、低解像度モードでは、第1光源51Aの第1方向の一端側の第12光源51A2が発光されるとともに、第2光源51Bの第1方向の他端側の第21光源51B1が発光される。したがって、高解像度モードの照明光よりも弱く、かつ、低解像度モードにおける画像の読み取りに必要十分な光が原稿シートに照射され、原稿シートの画像が安定して読み取られる。また、低解像度モードでの画像の読み取りにおいて過剰な光の照射が抑制され、照明装置50の消費電力が低減される。
更に、本実施形態では、原稿シートの画像の読み取りに先だって、原稿シートのサイズ検知が実行される。図10を参照して、画像形成装置1は、前述の原稿カバー22Aに加え、検知スイッチ22Bを備える。検知スイッチ22Bは、ハウジング2の上面部から上方に突出するスイッチである。図10に示すように、原稿カバー22Aがハウジング2に対して上方に開放されると、検知スイッチ22Bが不図示の付勢ばねによって上方に突出される。この時、検知スイッチは、オフ状態となり、前述の制御部80に対してLOW信号(0V信号)を出力する。一方、原稿カバー22Aが、図10に示す状態から下方に回動され(図10の矢印D101)、ハウジング2に対して閉じられると、原稿カバー22Aが検知スイッチ22Bを押圧する(図10の矢印D102)。この結果、検知スイッチ22Bがハウジング2の内部に凹没される。そして、検知スイッチ22Bがオン状態となり、制御部80に対してHIGH信号(5V信号)を出力する。
図11を参照して、ユーザーによって原稿カバー22Aが開放され、検知スイッチ22Bがオフ状態となると(図11のステップ#1)、ユーザーによって原稿シートが第2コンタクトガラス223上に載置される(ステップ#2)。その後、ユーザーによって原稿カバー22Aが閉じられると、検知スイッチ22Bがオン状態となる(ステップ#3)。制御部80は、検知スイッチ22BからHIGH信号を受信すると、照明装置50を制御して、原稿シートのサイズ検知用照明動作を実行する(ステップ#4)。
本実施形態では、原稿シートのサイズ検知用照明動作において、制御部80は、一対の第1光源51Aのうち第1方向の一端側を発光させるとともに、第1光源51Aまたは第2光源51Bの第1方向の他端側を発光させる。すなわち、前述のモノクロモードと同様に、図9の第12光源51A2および第21光源51B1が発光される。その後、画像読取装置22によって、原稿シートのサイズが検知される(ステップ#5)。
原稿シートのサイズ検知には、原稿シートの主走査方向(第1方向)の両端部に光が照射され、原稿シートの両端部の位置が検出されればよい。したがって、カラーモードのように強い光が原稿シートに照射される必要がない。このため、上記のように、第1方向の両端側で1つずつ光源が発光することによって、原稿シートのサイズ検知に必要十分な光が原稿シートに照射され、前記サイズ検知が安定して実行される。また、原稿シートのサイズ検知において過剰な光の照射が抑制され、照明装置50の消費電力が低減される。
図11のステップ#5において、原稿シートのサイズが検知されると、画像形成装置1においてコピー動作が開始される(ステップ#6)。制御部80は、予め設定された前述の読取モードに応じて、照明装置50を制御し、原稿シートの画像読取のために第1光源51Aおよび第2光源51Bを発光させる(ステップ#7)。この際の読取モードは、前述の複数の読取モードの中のいずれであってもよい。そして、画像読取装置22において原稿シートの画像が読み取られるとともに、画像読取装置22から出力される画像データに基づいて、シートに画像が形成される(ステップ#8)。
このように、本実施形態では、制御部80は、第2コンタクトガラス223に原稿シートが載置された後であって、原稿シートの画像が読み取られる前に、原稿シートのサイズを検知するために、一対の第1光源51Aのうち第1方向の一端側を発光させるとともに、第1光源51Aまたは第2光源51Bの第1方向の他端側を発光させる。このため、光の照射に伴う電力の消費を低減しながら、原稿シートのサイズを検知することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明した。本実施形態では、画像読取装置22において適切な光量で原稿シートに光を照射することができるとともに、光の照射に伴う電力の消費を低減することが可能とされる。この結果、画像読取装置22から出力される画像データに基づいて、シートに安定して画像が形成される。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
上記の実施形態では、画像読取装置22が、カラーモード、モノクロモード、高解像度モードおよび低解像度モードの4つの読取モードを備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。画像読取装置22は、高速読取モードおよび低速読取モードを備える態様であってもよい。高速読取モードは、原稿シートの画像が所定値以上の読取速度によって読み取られるモードである。本実施形態では、高速読取モードでの原稿シートの読み取り速度は、画像読取装置22が搭載される画像形成装置1の20cpm(Copy per minutes)以上の印刷速度に相当する。換言すれば、高速読取モードとは、画像読取装置22が1分間にA4サイズ20枚以上の原稿シートの画像を読み取るモードである。一方、低速読取モードは、原稿シートの画像が所定値未満の読取速度によって読み取られるモードである。本実施形態では、低速読取モードでの原稿シートの読み取り速度は、画像読取装置22が搭載される画像形成装置1の20cpm未満の印刷速度に相当する。換言すれば、低速読取モードとは、画像読取装置22が1分間にA4サイズ20枚未満の原稿シートの画像を読み取るモードである。
そして、本変形実施形態では、制御部80(図9)は、高速読取モードにおいて、カラーモードと同様に、一対の第1光源51Aおよび一対の第2光源51Bのすべてを発光させる。この結果、第1導光体52Aおよび第2導光体52Bに対して、第1方向(主走査方向)の両側から照明光が進入した後、前記照明光が原稿シートに照射される。したがって、原稿シートに強い光が照射され、短時間に原稿シートの画像が安定して読み取られる。
一方、制御部80は、低速読取モードにおいて、モノクロモードと同様に、一対の第1光源51Aのうち第1方向の一端側を発光させるとともに、第1光源51Aまたは第2光源51Bの第1方向の他端側を発光させる。すなわち、図9を参照して、低速読取モードでは、第1光源51Aの第1方向の一端側の第12光源51A2が発光されるとともに、第2光源51Bの第1方向の他端側の第21光源51B1が発光される。したがって、高速読取モードの照明光よりも弱く、かつ、低速読取モードにおける画像の読み取りに必要十分な光が原稿シートに照射され、原稿シートの画像が安定して読み取られる。また、低速読取モードでの画像の読み取りにおいて過剰な光の照射が抑制され、照明装置50の消費電力が低減される。