上述した従来技術の欠点に対処するために、出願人は2つの革新的なネットワーク構造を開発した。これらの構造は、2012年5月31日出願の国際出願PCT/US2012/48690および2012年5月31日出願の国際出願PCT/US2012/40288に記載されている。これらの出願の両方の内容は、全体として参照することにより本書に含まれる。
第1の構造は、拡張ユーザ端末(UE−A)として示される新規なネットワークデバイスを使用する。拡張ユーザ端末(UE−A)は、従来のユーザ端末(UE)と共通の機能を多数共有している。このように共通する従来型の構成要素および機能は拡張ユーザ端末(UE−A)の製造コストを引き下げる。拡張ユーザ端末は、ユーザ端末(UE)と共通の特徴を有するが、ユーザ端末(UE)に関しては、拡張ユーザ端末(UE−A)が基地局または他のネットワーク側ノードに類似するネットワーク側デバイスであることは明らかである。あるいは、拡張ユーザ端末(UE−A)はユーザ端末(UE)側デバイスであってもよい。
従来のユーザ端末(UE)とは対照的に、第1の構造の拡張ユーザ端末(UE−A)は、本来ならマクロセル基地局とユーザ端末(UE)との間のリンクで行う必要のあるデータトラフィックのオフロードを許可する。拡張ユーザ端末(UE−A)は、オフロードデータに対応するためにコアネットワークとインターネットの両方、またはいずれか一方に接続するバックホールリンクを有する。次に、拡張ユーザ端末(UE−A)−ユーザ端末(UE)間リンクは、上りリンク(UL)および下りリンク(DL)両方の方向へ拡張ユーザ端末(UE−A)とユーザ端末(UE)との間のオフロードデータを伝送する。この拡張ユーザ端末(UE−A)−ユーザ端末(UE)間リンクを「D2UEリンク」とも表記し、基地局−ユーザ端末(UE)間リンクを「Macro2UEリンク」とも表記する。基地局と拡張ユーザ端末(UE−A)との間のリンクは「Macro2Dリンク」とも表記する。一実施例においては、「Macro2UEリンク」と「Macro2Dリンク」は両方ともLTEリンクであってもよい。基地局は、基地局−拡張ユーザ端末(UE−A)間リンクとMacro2UEリンクの両方、またはいずれか一方を介して、D2UEリンクの確立を制御する。
LTEの実施例において、LTEリンク(Macro2UEリンクとMacro2Dリンク)は、2GHzで動作するのに対して、D2UEリンクは異なる周波数、たとえば3.5GHzで動作する。この形式で、ユーザ端末(UE)はキャリアアグリゲーションを利用する。このような実施例は、キャリアアグリゲーションおよび関連搬送波間干渉の低減から組み合わせ帯域幅の利点を有する。あるいは、Macro2Dリンク、Macro2UEリンクおよびD2UEリンクはすべて同じ周波数帯で動作してもよい。特定の実施例にかかわらず、第1の構造によるネットワークは、D2UEリンクの確率、再設定、解除またはハンドオフは基地局(または上位ネットワークノード)の制御下にあるという利点を有する。したがって、拡張ユーザ端末(UE−A)の構造および動作は、大いに単純化される。拡張ユーザ端末(UE−A)によるデータオフロードの利点を理解するためには、従来技術において成し遂げられたデータオフロードの結果と比較することが有益である。
たとえば、RRH(Remote Radio Head)は、ユーザ端末に(またはユーザ端末から)基地局によって行う必要のあるデータをオフロードする従来のネットワークノードである。しかし、RRHはベースバンド処理を行なわない、事実上単なるパワーアンプである。そのため基地局は、基地局の動作に負担をかけ、対応するマクロセル全体にわたってRRHの複数の仕様を妨げるRRHベースバンド処理を実施する必要がある。一方、拡張ユーザ端末(UE−A)は、独自のベースバンド処理を行なう。したがって、第1のネットワーク構造は、マクロセル内のデータオフロードカバレッジを大幅に増加する複数の拡張ユーザ端末(UE−A)を含むマクロセルを可能にする。
データオフロードが可能な他の従来のネットワークノードは、ピコセルまたはフェムトセル基地局である。しかし、そのようなピコ/フェムトセル基地局は実際の基地局である。したがって、ユーザ端末は、ピコ/フェムトセル基地局とマクロセル基地局の両方から同時にデータプレーントラフィックを得ることができない。そのかわりに、電話は2つの異なるタイプのセルとの間でハンドオフされなければならない。
良好な接続性および移動性は、(周波数間ハンドオーバを必要とする)マクロセルとは対照的にピコ/フェムトセルが異なるキャリア上にある場合は特に、ピコ/フェムトセルによって達成するのは困難である。さらに、ピコ/フェムトセル基地局は、従来の同期信号および参照信号(PSS/SSS、CRSなど)を送信する。したがって、ピコ/フェムトセルは、それらに関連するマクロセルや他のピコ/フェムトセル基地局との、セル間干渉を抱えることとなる。その上、種々のピコ/フェムトセルの同期信号および参照信号の必要な受信および処理によりユーザ端末は高消費電力となる。
以下にさらに説明するように、拡張ユーザ端末(UE−A)は、これらの従来の同期信号および参照信号を生成する必要がない。したがって、第1のネットワーク構造は、従来のピコ/フェムトセルの選択肢と比較してかなり良好な接続性/移動性および柔軟な操作を有する。
また、データオフロードを可能とする他の従来のネットワークノードとしてWiFiアクセスポイント(AP)が挙げられる。ユーザ端末は、その基地局とAPの両方からデータを受信することができる。しかし、良好な接続性/移動性もサポートされていないように、APと基地局との間には相互接続がサポートされていない。また、WiFiおよび基地局の両方と接続するユーザ端末は、操作をさらに複雑にする2つの別個のIPアドレスを受信する。相互接続を欠いているため、APはユーザ端末へのリンクの確立を管理する。同様に、基地局は、ユーザ端末へのリンクの確立を管理する。それにひきかえ、D2UEリンクの確立は、拡張ユーザ端末(UE−A)ではなく基地局によって制御される。その結果、より良好な接続性/移動性は、以下に開示される構造を使用して達成される。
図面を参照し、図1aは第1の構造によるセルラネットワークの配置例を示している。このネットワークは、基地局200およびユーザ端末(UE)1001、1002を含んでいる。本明細書中では、同一のベース構成要素番号(たとえば、1001と1002)を有するコンポーネントは特段の断りがない限り同一の構成、機能および状態を有するものとする。図1aのシステムでは、LTE(Long Term Evolution)とも表記するE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)/UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)が適用されるが、WiMAX、WiFiまたはLTE−Advanceなど他のさまざまな無線プロトコルも当該システムにおいて実現可能であることは明らかである。
基地局200は、たとえばアクセスゲートウェイ装置300などの上位レイヤ局に接続される。一方、アクセスゲートウェイ300は、コアネットワーク(CN)400に接続される。アクセスゲートウェイ300は、MME/SGW(Mobility Management Entity/Serving Gateway)ともいう。サーバ600は、コアネットワーク400に接続してもよい。
一実施例において、ユーザ端末1001および1002は、D2D(Device-to-Device)接続により拡張ユーザ端末(UE−A)500と通信を行い、これはP2P(Peer-to-Peer)通信ともいう。換言すると、物理レイヤの観点からは、D2UE通信はD2D接続によってサポートされてもよい。ユーザ端末と拡張ユーザ端末500との間のD2UE通信は、時分割多重(TDD)によって行われる。あるいは、ユーザ端末と拡張ユーザ端末との間のD2UE通信は、周波数分割多重(FDD)によって行われてもよい。特に有利なFDD方式は、以下にさらに説明する。
第2の構造は図1bに示す。第1の構造の拡張ユーザ端末と類似した形で、第2の構造は、前述の従来技術の欠点がないマクロセル基地局からのトラフィックをオフロードすることを可能とするセルラネットワークデバイスを使用する。セルラネットワークデバイスはマクロ基地局からトラフィックを適宜オフロードし、以下では「小ノードデバイス」と表記する。小ノードデバイスは、通常はマクロセル基地局とユーザ端末との間のリンク(Macro2UEリンクまたはBS2UEリンクとも表記する)で行う必要のあるデータトラフィックのオフロードを可能にする。小ノードデバイスを配置した場合、オフロードデータを小ノードデバイス対ユーザ端末リンク(D2UEリンクとも表記する)を通して伝搬してもよい。
小ノードデバイスは、D2UEリンクに対する無線リソース割り当ておよび伝送フォーマットを制御できるという点に鑑みれば、フェムトまたはピコ基地局と類似する。しかし、移動局は、移動局とフェムト/ピコ基地局との間のリンクのRRC工程を実行するフェムト/ピコ基地局から、ユーザプレーンおよび制御プレーンの両方のシグナリングを受信する。すでに述べたように、フェムト/ピコ基地局はユーザ端末に対しまさに従来の基地局として動作する。したがって、移動局はフェムト/ピコ基地局から別のフェムト/ピコ基地局へ、またはマクロ基地局からフェムト/ピコ基地局へ、従来のハンドオーバを行う必要があり、この逆も同様である。ユーザ端末がフェムト/ピコ基地局およびマクロ基地局と同時に通信を行うことが不可能であるため、そのようなハンドオーバが多数ある場合、接続性/移動性の品質は低下する。したがって、従来の周波数内または周波数間ハンドオーバが必要となる。これに対し、移動局は以下に開示する小ノードデバイスとのデータ転送とマクロ基地局とのデータ転送を同時に行うことができる。マクロ基地局−移動局間接続は小ノードデバイス−移動局間接続でデータのオフロードが実行される間維持される。その結果、配置密度を増加させたとしても、高い接続性/移動性を維持することができる。
さらに、フェムト/ピコ基地局は、セル固有参照信号(CRS)、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)および報知信号を送信しなければならない。CRS/PSS/SSS/報知信号の送信は、結果として生じるセル間干渉により配置密度が増加されるため、問題がある。これに対し、本明細書に開示する小ノードデバイスは、CRS/PSS/SSS/報知信号を送信する必要はない。小ノードデバイスはこのように移動局とユーザプレーンデータをやり取りするため、配置密度が上がるほどセル間干渉に苦しむことがない。
このデータトラフィックのオフロードを行うため、小ノードデバイスはインターネットまたはコアネットワークに接続されるバックホールリンクを有し、インターネットまたはコアネットワークにおいてサーバと通信を行う。小ノードデバイスに対するバックホールリンクは、インターネットへの優先接続に限定されず、WiFiやセルラ接続など、インターネットへの無線接続であってもよい。サーバは、バックホールリンクおよびD2UE接続を利用してユーザ端末にデータの一部を転送する(または当該データは基地局を利用して転送される)。D2UE接続は、マクロ基地局(以下単に「基地局」ともいう)によって制御される。より具体的には、接続の確立、ハンドオーバ、接続の解放および呼受付制御などのD2UE接続の基本的な無線リソース制御は基地局により制御される。さらに、ユーザ端末と基地局との間のBS2UE接続はD2UE接続が設定された状態で維持される。その結果、基地局−ユーザ端末(BS2UE)間接続とD2UE接続との間で高品質の相互接続が容易に実現される。さらに、従来の基地局に必須の複数の機能を小ノードデバイスにおいて省略することができる。たとえば、小ノードデバイスはD2UE接続の機能のみサポートすればよい。したがって、小ノードデバイスのコストおよび複雑さを抑えて維持することができる。たとえば、RRC(Radio Resource Control)接続状態制御やNAS(Non-Access Stratum)制御など、機能の複雑なオペレーションは基地局によって行われる。したがって、報知チャネルの送信、パイロット信号および同期信号の送信および接続の制御など、従来の基地局−ユーザ端末間リンクの機能の一部または大半をD2UE接続において省略することができる。
小ノードデバイスは、小ノードデバイス−ユーザ端末(D2UE)間データ転送をサポートするように構成される。小ノードデバイスは、基地局−小ノードデバイス間リンク(BS2Dリンク)をサポートし、D2UEリンクはBS2Dリンクを介して基地局により制御される。本明細書に開示するUEはさらに基地局−ユーザ端末間リンクおよびD2UEリンクをサポートする。そのD2UEリンクもBS2UEリンクを介して基地局により制御される。D2UE接続に対する制御信号は、BS2UE接続を介してUEに送信可能である。同様に、D2UE接続に対する制御信号は、BS2D接続を介して小ノードデバイスに送信可能である。別の実施例では、D2UE接続はD2D(UE間または小ノード間)接続と類似してもよい。
高い接続性を実現するために、RRC接続状態制御やNAS制御などのより重要な機能は、BS2UE接続を用いて基地局により維持される。より具体的には、D2UE接続における無線インタフェース制御は、BS2Dおよびマクロセル基地局−ユーザ端末間(BS2UE)接続によって行われる。この制御には、接続の確立、接続の管理、接続の再設定、ハンドオーバ、接続の解放、無線リソース選択管理、電力制御、リンクアダプテーション、呼受付制御、無線ベアラ割り当て、トラフィック測定、無線測定制御、ベアラ管理、セキュリティアソシエーションなどのうち少なくとも1つが含まれる。
別の実施例においては、D2UE接続における無線リソース割り当ては、時間領域複信(TDD)物理レイヤ設計により実装される。そのような実施例では、ユーザ端末と小ノードデバイスとは、D2UE送信に利用される周波数帯における無線リソースを時間的に共通して使用する。さらに別の実施例においては、D2UE接続の無線リソース割り当ては、TDDのかわりに周波数領域複信(FDD)物理レイヤリソース共有によって維持される。D2UEおよびBS2UE送信は、キャリアアグリゲーション機能を利用して異なる帯域で動作させることもできる。キャリアアグリゲーション機能は、2つ以上のキャリアにおいて送信器と受信器が同時に信号の送受信を行うことのできる機能に対応する。このように、D2UE送信が1つの帯域で動作し、かつBS2UE送信が他の帯域で同時に動作することができる。
あるいは、D2UEおよびBS2UE送信は時分割多重機能を利用して異なる帯域で動作することもでき、この場合D2UE送信は選択された時間においてのみ発生し、BS2UE送信は残りの時間において発生する。
システム構成
さまざまな小ノードデバイスの実施例を詳細に説明する。再度参照する図1bにおいて、複数の小ノードデバイスまたはユニット5001から5003がセルラ通信システム内に配置されている。このシステムには、さらに基地局200とユーザ端末(UE)1001、1002および1003が含まれる。本明細書では、同一のベース構成要素番号(たとえば1001および1002)を有するコンポーネントは特段の断りがない限り同一の構成、機能および状態を有するものとする。図1bのシステムでは、LTEとも表記するE−UTRA/UTRANが適用されるが、WiMAX、WiFiまたはLTE−Advanceなど他のさまざまな無線プロトコルも当該システムにおいて実現可能であることは明らかである。
基地局200は、たとえばアクセスゲートウェイ装置300などの上位レイヤ局に接続される。一方、アクセスゲートウェイ300は、コアネットワーク(CN)400に接続される。アクセスゲートウェイ300は、MME/SGWともいう。サーバ600は、コアネットワーク400に接続してもよい。
ユーザ端末100は、デバイス−ユーザ端末間(D2UE)通信により小ノードデバイス500と通信を行う。ユーザ端末100と小ノードデバイス500との間のD2UE通信は、時分割多重(TDD)に従って行われてもよい。あるいは、ユーザ端末と小ノードデバイス500との間のD2UE通信は、周波数分割多重(FDD)に従って行われてもよい。D2UEリンクはLTEリンクであってもよく、または単純化されたLTEリンクであってもよい。しかし、LTE−Advance、WiMax、WiFiまたは他の適切なプロトコルなど、LTE以外のプロトコルを用いてD2UEリンクを実現してもよい。
小ノードデバイス500は、基地局−小ノードデバイス間(BS2D)リンクを用いて基地局200と通信する。たとえば、BS2Dリンクは有線X2インタフェースリンクであってもよい。あるいは、BS2Dリンクは、X2リンクと異なる有線リンクまたは無線リンクであってもよい。あるいは、BS2Dリンクは拡張X2インタフェースであってもよい。拡張X2インタフェースは、基地局200と小ノードデバイス500との間にマスター/スレーブ関係を敷く。より大きな容量を実現するために、小ノードデバイス500は一部の実施例では小ノードデバイス500はバックホールリンクを介してコアネットワーク400に接続される。これらのバックホールリンクは、それぞれがイーサネット(登録商標)リンク、WiFiリンク、セルラネットワークリンクであってもよく、有線または無線であってもよい。データプレーントラフィックはこのように基地局200に負荷をかけることなく、コアネットワーク400と小ノードデバイス500との間を流れることができる。このように、データが基地局200を通過することなく、ユーザ端末はサーバ600からのデータにアクセスが可能である。換言すると、データをオフロードする目的のために、小ノードデバイス500はD2UE通信を利用してユーザ端末100と通信する。別の実施例では、小ノードデバイス500はコアネットワーク400の代わりに基地局200に接続してもよい。この場合、物理レイヤまたはMACレイヤなどの下位レイヤにおけるデータ処理は小ノードデバイス500により行われるため、データプレーントラフィックは基地局200に流入するが、基地局200のデータ処理を最小化することができる。これに対し、制御プレーン情報およびデータプレーントラフィック(たとえば、VoIPなどのリアルタイムデータ)は、基地局200、アクセスゲートウェイ300、コアネットワーク400およびサーバ600を介してユーザ端末100に流れ続けることができる。図2は、図1bのシステムの省略図であり、BS2UE接続またはリンク720、D2UE接続710、バックホール接続750、BS2D接続730およびバックホール接続740を示す。
図3に図2の通信システムにおけるデータフローを図示する。この点に関し、従来のユーザ端末と基地局との間のやり取りに対し、どのデータが小ノードデバイスを通じてオフロードされるかを決定するエンティティが必要である。基地局はユーザ端末と小ノードデバイスの両方、またはいずれか一方から無線リンク品質報告を受信するため、データ分割の決定(すなわち、どのデータをオフロードすべきかの決定)を行う候補としては、基地局が自然である。しかし、他のネットワークノードがこの決定をしてもよい。
図3を参照し、あるデータをオフロードし、他のデータをオフロードしない決定がなされたとする。非オフロードデータはデータ#1として指定され、バックホール接続740によりアクセスゲートウェイ装置300から基地局200へと転送され、そしてBS2UE接続720により下りリンク(DL)でユーザ端末100へと送信される。逆の上りリンク(UL)についても同様である。このデータフローは従来どおりに送信される。
データ#1に加え、オフロードデータ#2はバックホール接続750によりコアネットワーク400から小ノードデバイス500へと転送され、そしてD2UE接続710により下りリンクでユーザ端末100へと転送される。逆の上りリンクについても同様である。
制御プレーンシグナリングはBS2D接続730で送信されるため、基地局200はD2UE接続710の確立、再設定、解放およびハンドオフを制御することができる。制御信号はBS2UE接続720でも送信されるため、基地局200はD2UE接続710でのこれらの機能も制御することができる。BS2UE接続720の制御信号は無線リソース制御(RRC)シグナリングであってもよい。より具体的には、データ#1はRRCシグナリング、NASシグナリング、音声パケットなどを含み、データ#2はベストエフォートパケット、FTPデータ、ウェブ閲覧パケットなどを含んでもよい。すなわち、どの種類のデータをデータ#1またはデータ#2として転送するかをデータベアラにより決定してもよい。その結果、接続性をBS2UE接続720により維持し、同時にUプレーンデータのオフロードをD2UE接続710で実現することができる。
上位レベルのネットワークノードへのバックホールリンク接続は多数の別の実施例をとることができる。たとえば、図4に小ノードデバイス500がインターネット410を介してサーバ610に接続することのできる別の実施例を図示する。この場合、コアネットワーク400をネットワークオペレータによって制御されるネットワークとみなしてもよい。コアネットワーク400は、MME、S/P−GW、課金システムのノード、顧客データベース(HLS)などを含んでもよい。
図5に別の実施例を図示するが、これは図1aおよび図4の実施例の組み合わせとみなしてもよい。本実施例では、小ノードデバイス500は、コアネットワーク400を介してサーバ600に接続してもよく、またはインターネットを介してサーバ610に接続してもよい。小ノードデバイス500はネットワーク機器に接続可能であり、このネットワーク機器はコアネットワーク400を介してサーバ600に接続してもよく、またはインターネットを介してサーバ610に接続してもよい。ネットワーク機器は、コアネットワークにおけるS−GWもしくはP−GW、または他のノードである。あるいは、ネットワーク機器は、インターネットにおけるノードであってもよい。別の実施例では、図6に示すように、コアネットワーク400/インターネット410と小ノードデバイス500との間にゲートウェイ310が設けられる。
バックホール接続750を、アクセスゲートウェイ300と小ノードデバイス500とを接続するように、図7に示すように変更してもよい。あるいは、図8に示すように、バックホール接続750は基地局200と小ノードデバイス500とを接続してもよい。さらに別の実施例では、図9に示すように、バックホール接続750は中央小ノードデバイス510と小ノードデバイス500とを接続してもよい。中央小ノードデバイス510はゲートウェイ310(選択可)を介してインターネット410およびコアネットワーク400に接続してもよく、直接これらのネットワークに接続してもよい。中央小ノードデバイス510が含まれる場合、中央小ノードデバイス510がRLC/PDCPレイヤを実現する一方で、残りの小ノードデバイスが物理/MACレイヤを処理するレイヤ共有プロトコルを実現してもよい。他のレイヤ共有の方法を実現してもよい。たとえば、中央小ノードデバイス510がPDCPレイヤを実現する一方で、残りの小ノードデバイスが物理/MAC/RLCレイヤを実現してもよい。データのオフロードが小ノードデバイスを介すべきかは、データベアラによって決定してもよい。また、データフローが小ノードデバイスおよびインターネット410を介すべきか、または小ノードデバイスおよびコアネットワーク400を介すべきかを、データベアラによって決定してもよい。データベアラは論理チャネルまたは論理チャネルタイプであってもよい。
D2UE接続710におけるキャリア周波数はBS2UE接続720におけるキャリア周波数と異なってもよい。あるいは、D2UE接続710のキャリア周波数はBS2UE接続720のキャリア周波数と同一でもよい。
D2UEリンクの確立、再設定、解放および/またはハンドオフの制御の制御についてより詳細に検討する。以下の例の一部において、一般性を失うことなく、D2UE接続におけるキャリア周波数は3.5GHzであり、TDDがD2UE接続に適用されるものとする。さらに、基地局200とユーザ端末100との間のBS2UE接続におけるキャリア周波数は2GHzであり、基地局200と小ノードデバイス500との間のBS2D接続におけるキャリア周波数は2GHzであるものとする。この設定の開始にあたって、ユーザ端末100はRRC接続要求を基地局200に送信してもよい。基地局はこれに応じてBS2UE接続720設定する。あるいは、基地局200はユーザ端末100にページング信号を送ってもよく、ユーザ端末100はページング信号に対するRRC接続要求を基地局200に送る。基地局200はこれに応じてBS2UE接続720を設定し、さらに基地局200、アクセスゲートウェイ300およびコアネットワーク400を介して、ユーザ端末100とサーバ600との間に接続を設定する。
同様に、基地局200は、基地局200と小ノードデバイス500との間にBS2D接続730を設定する。この設定は常設させてもよいし、BS2UE接続と同様に確立してもよい。一部の実施例においては、小ノードデバイス500は非使用時に電力を低下させるまたはスリープ状態に入る能力を備える。そのような基地局200の実施例は、X2または他の適切なプロトコルでサポートされるBS2D接続730を用いて小ノードデバイス500にウェイクアップ信号を送るように構成される。一部の実施例においては、プロトコル設計にLTEインタフェースを用いてもよい。さらに、小ノードデバイスはユーザ端末に対応するスタンバイモードなどの省電力モードを用いることができる。この場合、省電力モードの解除は、ユーザ端末100と同一の方法により行うか、または、基地局200より望まれるまたは基地局200により送られる信号に応じて実行してもよい。信号はMAC制御信号または物理レイヤシグナリングなどのページング信号または制御信号であってもよい。
上述したとおり、BS2D接続730は基地局200と小ノードデバイス500との間に常時設定してもよい。そのような常時設定型の実施例では、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間にD2UE接続710が設定されていない場合、小ノードデバイス500はBS2D接続730で間欠受信モードになってもよい。この場合、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間にD2UE接続710が設定されていなければ、小ノードデバイス100は信号を送信しない、または非常に低頻度で信号を送信する。たとえば、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間にD2UE接続710が設定されない場合であっても、ユーザ端末100が小ノードデバイス500を検出できるように、小ノードデバイス500はパイロット信号のみを低頻度で送信してもよい。パイロット信号の周期はたとえば100ミリ秒、1秒または10秒などである。あるいは、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間にD2UE接続710が設定されない場合であっても、ユーザ端末100が小ノードデバイス500を検出できるように、小ノードデバイス500は基地局200からの要求に基づいてパイロット信号を送信する。
リンク720および730の確立後、基地局200は制御信号を用いてBS2UE接続720でユーザ端末100にD2UE接続710の設定を指示する。さらに、基地局200は制御信号を用いてBS2D接続730で小ノードデバイス500にD2UE接続710の設定を指示する。D2UE接続710を設定することを、D2UE接続710を確立するともいう。
さらに、基地局200はD2UE接続710を制御する。たとえば、基地局200は、ユーザ端末100と小ノードデバイス500とに対しD2UE接続710を再設定または再確立するよう命令してもよい。同様に、基地局200は、ユーザ端末100と小ノードデバイス500とに対しD2UE接続710を解放するように指示してもよい。さらに、基地局200はユーザ端末100にD2UE接続を小ノードデバイスへハンドオーバするよう指示してもよい。より具体的には、基地局200はユーザ端末100にD2UE接続710が実行されるキャリアで別の小ノードデバイスへのハンドオーバを実行するように指示する。基地局200はBS2UE接続720および/またはBS2D接続730でRRCシグナリングを利用して上記工程を制御することができる。
D2UE接続が中断された場合、基地局200はBS2UE接続720を利用してユーザ端末100とサーバ600との間の接続を維持する。
基地局200はさらにD2UE接続710の無線リソース割り当てを制御する。D2UE接続710の無線リソース割り当て制御の詳細を以下にさらに説明する。あるいは、小ノードデバイス500はD2UEリンクの無線リソース割り当てを制御してもよい。さらに別の実施例では、基地局200および小ノードデバイス500の両方がD2UEリンクの無線リソース割り当てを制御してもよい。以下の説明では、一般性を失うことなく、基地局200がこの無線リソース管理を行うことを想定する。
基地局200は、たとえばBS2UEリンク720やD2UEリンク710における通信のために1つまたは複数の無線ベアラを設定する。無線ベアラを設定するための制御信号はBS2UE接続720でユーザ端末100に送信される。同様に、無線ベアラを設定するための制御信号はBS2D接続730で小ノードデバイス500に送信される。
BS2UE接続720の無線ベアラは、D2UE接続710で用いられるものと同一であっても異なってもよい。たとえば、ウェブ閲覧、電子メールおよびFTPなどの非リアルタイムサービスのパケットの無線ベアラはD2UE接続710で設定することができる。一方、VoIPやストリーミングなどのリアルタイムサービスのパケットの無線ベアラはBS2UE接続720で設定することができる。あるいは、非リアルタイムサービスのパケットが優先的にD2UE接続710で送信されるように、非リアルタイムサービスのパケットの無線ベアラをD2UE接続710およびBS2UE接続720の両方に対応するように設定してもよい。さらに別の変更例では、リアルタイムサービスのパケットが優先的にBS2UE接続720で送信されるように、リアルタイムサービスのパケットの無線ベアラがD2UE接続710およびBS2UE接続720の両方に対応するように設定される。そのようなパケットの優先または優先度は、基地局200によって設定可能である。この点に関し、基地局200は、各無線ベアラでの通信において優先して利用すべきD2UE接続710またはBS2UE接続720のいずれかの接続を設定することができる。
非アクセス層(NAS)シグナリングおよび無線リソース制御(RRC)シグナリングなどの制御プレーン(Cプレーン)シグナリングはBS2UE接続720で送信してもよい。たとえば、RRCシグナリングには、RRC接続の確立、初期セキュリティの起動、RRC接続の再設定、RRC接続の解放、RRC接続の再確立、無線リソースの設定、メジャメントレポートおよびハンドオーバコマンドなどのシグナリングメッセージが含まれる。Cプレーンシグナリングの無線ベアラは「シグナリング無線ベアラ」と表記してもよい。CプレーンシグナリングはD2UE接続710で送信することもできる。あるいは、無線ベアラデータの一部をD2UE接続710で送信し、無線ベアラデータのその他の部分をBS2UE接続720で送信してもよい。
小ノードデバイスはプライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、共通参照信号および報知チャネルなどの共通チャネル/信号をD2UE接続710で送信する。あるいは、小ノードデバイス500は共通チャネル/信号を送信しない、または非常に低頻度で共通チャネル/信号を送信する。たとえば、ユーザ端末100が小ノードデバイスを検出できるように、小ノードデバイス500がパイロット信号を低頻度で送信する。パイロット信号の周期はたとえば1秒や10秒である。あるいは、ユーザ端末100が小ノードデバイス500を検出できるように、小ノードデバイス500は基地局200からの要求に基づいてパイロット信号を送信してもよい。
ユーザ端末100は、D2UE接続710における通信とBS2UE接続720における通信とを同時に行う。一実施例では、ユーザ端末100は、キャリアアグリゲーション機能を利用して、D2UE接続710とBS2UE接続720とを介して同時に通信を行う。この点に関し、ユーザ端末100は、2つの無線周波数(RF)インタフェースを備え、D2UE接続710での通信とBS2UE接続720での通信とを同時に行う。あるいは、ユーザ端末100は、図10に示すように、D2UE接続710での通信とBS2UE接続720での通信とを時分割多重に従って行ってもよい。2セットのタイムスロットである区間#Aおよび区間#Bを図10に示す。ユーザ端末100は、BS2UE接続720では区間#Aに対応するタイムスロットで通信を行い、D2UE接続710では区間#Bに対応するタイムスロットで通信を行う。
D2UE接続の時間区間はBS2UE接続よりも長いため、データオフロードの効果を向上させることができる。たとえば、区間#Aの長さを8ミリ秒とし、区間#Bの長さを1.28秒とすることができる。BS2UE接続720の時間区間(図10の区間#A)はBS2UE接続720のDRX制御におけるオン区間に対応する。D2UE接続710の時間区間はBS2UE接続720のDRX制御におけるオフ区間に対応する。オフ区間とは、ユーザ端末100が、基地局200からBS2UE接続720を通して送信される物理制御チャネルを監視する必要のない、DRX制御のスリープモードを意味する。ユーザ端末100が接続710および720に対して時分割多重を用いる場合、これらの接続を通して同時に通信を行う能力をサポートする必要はない。すなわち、ユーザ端末100はBS2UE接続720からのRFインタフェースをD2UE接続710のRFインタフェースに切り替えることができ、この逆についても同様である。その結果、ユーザ端末100のコスト/複雑さを軽減することができる。
基地局200はD2UE接続710の無線リソース割り当てを制御する。無線リソースは、時間領域、周波数領域および符号リソースで選択的に割り当ててもよい。たとえば、基地局200は、他のすべてのD2UE接続で非重複スペクトルが用いられるようにD2UE接続710を設定してもよい。その結果、他のD2UE接続から生じる干渉の問題を軽減することができる。同様に、基地局200は、D2UE接続710における時間リソースを他のD2UE接続で利用される時間リソースと重複しないように設定してもよい。あるいは、基地局200は、D2UE接続710における符号リソースを他のD2UE接続で利用される符号リソースと重複しないように設定してもよい。その結果、他のD2UE接続から生じる干渉の問題を軽減することができる。
別の実施例では、D2UE接続710の無線リソースのパラメータの一部を基地局200により設定し、その他のパラメータを小ノードデバイス500で設定してもよい。たとえば、D2UE接続710の周波数領域リソースを基地局200により設定し、D2UE接続710の時間領域リソースを小ノードデバイス500により設定してもよい。あるいは、D2UE接続710の中心キャリア周波数を基地局200により設定し、D2UE接続710のその他の周波数領域リソース(リソースブロックの識別番号やリソースブロック数など)および時間領域リソースを小ノードデバイス500により設定してもよい。
別の実施例では、基地局200が複数セットの無線リソースをD2UE接続710用に設定し、この複数セットのうちの1つを小ノードデバイス500がD2UE接続710用に設定してもよい。
基地局200はBS2UE接続720で制御信号をユーザ端末100に送信し、上に説明したようにD2UE接続710の無線リソースを設定する。さらに、基地局200はBS2D接続730で制御信号を小ノードデバイス500に送信し、上に説明したようにD2UE接続710の無線リソースを設定する。
さらに、基地局200はD2UE接続710におけるDLの送信電力を制御する。より具体的には、基地局200はD2UE接続710におけるDLの最大送信電力を設定してもよい。さらに、基地局200はD2UE接続710におけるULの送信電力を制御する。より具体的には、基地局200はD2UE接続710におけるULの最大送信電力を設定してもよい。
基地局200は、小ノードデバイスが無線通信サービスを提供するセルにおけるユーザ端末数に基づいてD2UE接続710におけるULまたはDLの最大送信電力を設定することができる。たとえば、セル中のユーザ端末数が比較的小さい場合、基地局は最大送信電力を高く設定する。一方、セル中のユーザ端末数が大きい場合、基地局は最大送信電力を低く設定する。その結果、高密度の配置における最大送信電力を下げることにより、D2UE接続710に用いられるキャリアの干渉レベルを低下させることができる。ユーザ端末が多くない場合、最大送信電力を上げることによりD2UE接続710のカバレッジ領域を拡大することができる。別の電力選択スキームであるD2UEリンクのためのFDD拡張に関してはさらに以下で検討する。
あるいは、基地局200は、D2UE接続での通信が行われる周波数に基づいてD2UE接続710の最大送信電力を設定してもよい。より具体的には、D2UE接続での通信が行われる周波数が他のシステムに利用される周波数に比較的近い場合、最大送信電力を低くすることにより他方のシステムとの干渉のレベルを抑えることができる。一方、他方のシステムがD2UEリンクと比較して異なる周波数を使う場合、最大送信電力を相対的に高くすることによりD2UE接続のカバレッジ領域を拡大することができる。
D2UEリンクの最適化を支援するために、D2UE接続のデータスループットを最大化し、D2UE接続から生じる干渉を最小化することができるように、ユーザ端末100は最も近い小ノードデバイス500を測定および検出してもよい。さらに、ユーザ端末は、測定の結果および検出された最も近い小ノードデバイスを基地局に対して報告してもよい。これに対し、基地局200はユーザ端末から報告された測定結果および検出された最も近い小ノードデバイスに基づいて、D2UE接続を制御する。たとえば、最も近い小ノードデバイスのIDが変更した場合、基地局は、ユーザ端末に対し、現在のサービング小ノードデバイスとの通信を停止して、新たに検出された最も近い小ノードデバイスとの通信を新たに開始するように命令してもよい。つまり、ユーザ端末がある小ノードデバイスから別の小ノードデバイスに移動すると、基地局はそれに応じて別の小ノードデバイスをハンドオフするようにユーザ端末に命令する。
小ノードデバイス500のブロック図を図11に示す。本実施例では、小ノードデバイス500は、BS2D通信部502と、D2UE通信部504と、バックホール通信部506とを含む。BS2D通信部502、D2UE通信部504およびバックホール通信部506はすべて互いに接続されている。
BS2D通信部502はBS2D接続730を利用して基地局200と通信を行う。より具体的には、BS2D通信部502は、基地局200からD2UE接続710の制御信号を受信し、基地局200に向けてD2UE接続710の制御信号を送信する。制御信号には、D2UE接続710を確立/設定/再設定/再確立/解放するためのシグナリングが含まれる。この制御信号はD2UE接続のハンドオーバのための信号を含んでいてもよい。実施例によっては、制御信号はLTEにおけるRRCレイヤシグナリングであってもよい。制御信号はD2UE通信部504に送信される。制御信号は、D2UE接続710における物理レイヤ、MACレイヤ、RLCレイヤ、PDCPレイヤおよびRRCレイヤのうち少なくとも1つのパラメータを含んでいてもよい。制御信号は無線ベアラの情報を含んでいてもよい。
さらに、制御信号はD2UE接続710の無線リソース制御情報を含んでいてもよい。上で説明したように、D2UE接続710の無線リソース制御情報は、D2UE接続710で利用可能な無線リソース情報を含んでいてもよく、またはD2UE接続で利用不可能な無線リソース情報を含んでいてもよい。無線リソースは、時間領域リソース、周波数領域リソースおよび符号領域リソースのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。無線リソース制御情報をD2UE接続に対して送信してもよい。
さらに、制御信号は、D2UE接続のリンクアダプテーションの情報を含んでいてもよい。より具体的には、リンクアダプテーションは電力制御、適応変調および符号化のうちの1つであってもよい。電力制御情報はD2UE接続における最大送信出力電力の情報を含んでいてもよい。
別の実施例では、制御信号はD2UE接続710の測定結果を含んでいてもよい。より具体的には、D2UE通信部504よって取得された測定結果をBS2UE通信部502から送信してもよい。測定結果は小ノードデバイスとユーザ端末との間のパスロス、D2UEリンクのULの受信信号対干渉比(SIR)、UL干渉電力などのD2UEリンクのULの無線リンク品質を含む。ユーザ端末に対する測定は、D2UE接続を介して現在接続中のユーザ端末に関してもよく、または現在D2UE接続を用いて小ノードデバイスに接続していないユーザ端末に関してもよい。あるいは、測定結果は、報告のあった小ノードデバイスと他の小ノードデバイスとの間の無線リンク品質を含む。
D2UE通信部504はD2UE接続710を利用してユーザ端末100と通信を行う。より具体的には、D2UE通信部504は、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間で、D2UE接続710を確立/設定/再設定/再確立/解放する。このD2UE接続710の管理は、基地局200によって送信される制御信号に基づいて行うことができる。
D2UE通信部504は電力制御、適応変調および符号化などのD2UE接続710のリンクアダプテーションを行う。さらに、D2UE通信部504は、D2UE接続710を利用して、ユーザ端末100にデータを送信し、ユーザ端末100からデータを受信する。上で説明したように、一部の無線ベアラのデータをD2UE接続710で送信してもよい。
以下、ユーザ端末100からサーバ600(またはサーバ610)へ転送されるデータを「上りリンクデータ」と称し、サーバ600(またはサーバ610)からユーザ端末100へ転送されるデータを「下りリンクデータ」と称する。D2UE通信部504はD2UE接続710を用いてユーザ端末100に下りリンクデータを送信する。下りリンクデータはコアネットワーク400およびバックホール通信部506を介してサーバ600から転送される。D2UE通信部504はD2UE接続710を介してユーザ端末100から上りリンクデータを受信する。そして、上りリンクデータはバックホール通信部506およびコアネットワーク400を介してサーバ600に転送される。
D2UE通信部504はさらにD2UE接続710の測定を行う。より具体的には、D2UE通信部504は、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間のD2UE接続710の無線リンク品質を測定する。無線リンク品質は、D2UE接続710におけるULのパイロット信号受信電力、パスロス、信号対干渉比、チャネル状態情報、チャネル品質指標および受信信号強度指標のうちの少なくとも1つであってもよい。無線リンク品質は、現在接続中のユーザ端末から送信されたパイロット信号を用いて算出可能である。パスロスは、小ノードデバイス500とユーザ端末との間のものを用いる。測定は、D2UE通信の動作する周波数帯域における干渉電力レベルを対象としてもよい。
別の実施例では、D2UE通信部504は小ノードデバイス500と他の小ノードデバイスとの間の無線リンク品質を測定してもよい。D2UE通信部504は、BS2D通信部502およびBS2D接続730を介して基地局200に測定結果を報告する。
バックホール通信部506はバックホールリンクを介してコアネットワーク400に接続される。バックホールリンクは有線接続、無線接続または有線接続と無線接続との組み合わせであってもよい。無線接続はWiFi(無線LAN)またはセルラーシステムにより提供される接続であってもよい。
バックホール通信部506は、コアネットワーク400からバックホールリンクを介して転送される下りリンクデータをD2UE通信部504に送信する。バックホール通信部506はバックホールリンクを介して上りリンクデータ(これはD2UE通信部504から転送される)をコアネットワークに送信する。
当業者には、図11に示す機能ブロックが適切なハードウェアおよびソフトウェアを備えることが容易に理解される。たとえば、図11Aはこれらのブロックの具体例を示す。図11Aに示すように、小ノードデバイス500はD2UEリンクのRFインタフェース530を含む。UEからのデータは、D2UEリンクを通して、RFインタフェース530に接続されるアンテナ520で受信される。RFインタフェース530は、アンテナ520において受信および送信の両方の機能を可能にするデュプレクサを含む。しかしながら、本明細書でさらに説明するように、デュプレクサは特定の実施例では省略してもよい。
UEに送信されるベースバンドデータは、ベースバンドプロセッサ535からRFインタフェース530で受信される。SERDESはベースバンドデータを直列化し、続いてデジタル/アナログ変換器(DAC)でアナログ形式へ変換する。そして、この結果生じるアナログ信号は直交変調器により処理され、所望のキャリア周波数へ変調される。バンドパスフィルタおよび電力増幅器(PA)を通過した後、結果生じたRF信号はUEへの送信準備が整った状態となる。UEからのデータの受信は、PAが低雑音増幅器(LNA)に置き換えられ、直交変調器が直交復調器に置き換えられる点を除いて同様である。そして、その結果生じるアナログベースバンドデータは、SERDESで非直列化される前に、アナログ/デジタル変換器(ADC)でデジタル形式に変換される。
BS2Dリンクが無線リンクである実施例では、BS2Dリンクでサービスを提供するために、小ノードデバイス500はRFインタフェース530に類似する別のRFインタフェースを含んでいてもよい。しかし、図11Aの実施例では、有線BS2Dリンクを用いる。そのようなリンクでサービスを提供するために、小ノードデバイス500はイーサネットインタフェース540などの適切なインタフェースカードまたは回路を有する。小ノードデバイスと基地局との間でやり取りされる制御信号はベースバンドプロセッサ535に向けてイーサネットインタフェース540を通過する。
図11Aにおいて、バックホールリンクはイーサネットインタフェース550で受信される有線イーサネットリンクでもある。バックホールリンクからの下りリンクデータはこのようにイーサネットインタフェースからベースバンドプロセッサへと通過し、ベースバンドプロセッサはホストマイクロプロセッサ560により制御される。図11のバックホール通信部506はこのようにイーサネットインタフェース550と、ベースバンドプロセッサ535およびホストマイクロプロセッサ560により実行される対応の機能とに対しマッピングを行う。同様に、BS2D通信部502は、イーサネットインタフェース540と、ベースバンドプロセッサ535およびホストマイクロプロセッサ560により実行される対応の機能とに対しマッピングを行う。最後に、D2UE通信部504は、RFインタフェース530と、ベースバンドプロセッサ535およびホストマイクロプロセッサ560により実行される対応の機能とをアンテナ520にマッピングする。
ユーザ端末100の一実施例のブロック図を図12に示す。ユーザ端末100は、互いに接続されるBS2UE通信部102およびD2UE通信部104を有する。BS2UE通信部102はBS2UE接続720を利用して基地局200と通信を行う。上に説明したように、一部の無線ベアラのデータはBS2UE接続720により送信される。たとえば、RRCシグナリング、NASシグナリングおよびMACレイヤシグナリングなどの制御信号は、BS2UE接続720で送信してもよい。さらに、Voice over IP(VoIP)のパケットはBS2UE接続720での送信が可能である。
D2UE接続710が中断するか、または使用不可能である場合、BS2UE通信部102は、基地局200と、すべての無線ベアラのデータの送受信を行う。さらに、BS2UE通信部102は、D2UE接続710の制御信号を基地局200から受信し、D2UE接続710の制御信号を基地局200に送信する。そのような制御信号は、図11の小ノードデバイス500に関連して上述したものと同一または類似するものである。
制御信号は、D2UE接続710を確立/設定/再設定/再確立/解放するシグナリングを含むために、類似している。この制御信号は、D2UE接続のハンドオーバのシグナリングを含んでもよい。制御信号は、LTEではRRCレイヤシグナリングであってもよい。あるいは、制御信号はLTEのMACレイヤシグナリングであってもよい。さらに別の実施例では、制御信号の一部がRRCシグナリングであり、他がMACレイヤシグナリングであってもよい。制御信号はD2UE通信部104に送信される。制御信号は、D2UE接続710の物理レイヤ、MACレイヤ、RLCレイヤ、PDCPレイヤまたはRRCレイヤのうち少なくとも1つのパラメータを含んでいてもよい。制御信号は無線ベアラの情報を含んでいてもよい。
さらに、制御信号はD2UE接続710の無線リソース制御情報を含んでいてもよい。上で説明したように、D2UE接続710の無線リソース制御情報は、D2UE接続710で利用可能な無線リソース情報を含んでいてもよく、またはD2UE接続において利用不可能な無線リソース情報を含んでいてもよい。無線リソースは、時間領域リソース、周波数領域リソースおよび符号領域リソースのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。無線リソース制御情報は、D2UE接続に対して送信してもよい。
さらに、制御信号は、D2UE接続のリンクアダプテーションの情報を含んでいてもよい。より具体的には、リンクアダプテーションは、電力制御および適応変調ならびに符号化のうちの1つであってもよい。電力制御情報はD2UE接続の最大送信出力電力についての情報を含んでもいてよい。
最終的に、制御信号はD2UE接続710の測定結果を含んでいてもよい。より具体的には、D2UE通信部104よって取得された測定結果をBS2UE通信部102から送信してもよい。測定結果は小ノードデバイスとユーザ端末との間のパスロス、D2UEリンクのDLにおける受信信号対干渉比(SIR)およびDL干渉電力などのD2UEリンクのDLにおける無線リンク品質を含む。小ノードデバイスの測定は現在接続中の小ノードデバイスに関していてもよく、または隣接する小ノードデバイスに関していてもよい。現在接続中の小ノードデバイスは「サービング小ノードデバイス」とも表記する。DLの無線リンク品質の詳細については以下にさらに説明する。
D2UE通信部104はD2UE接続710を介して小ノードデバイス500と通信を行う。より具体的には、D2UE通信部104は、小ノードデバイス500とユーザ端末100との間のD2UE接続710を確立/設定/再設定/再確立/解放する。D2UE接続710の管理は、基地局200により送信される制御信号に基づいて行ってもよい。D2UE通信部104は、電力制御および適応変調ならびに符号化など、D2UE接続710のリンクアダプテーションを行ってもよい。さらに、D2UE通信部104はULで小ノードデバイス500にデータを送信し、D2UE接続710を利用して、DLで小ノードデバイスからデータを受信する。上に説明したように、一部の無線ベアラのデータはD2UE接続710で送信することができる。
D2UE通信部104はさらにD2UE接続710の測定を行う。より具体的には、D2UE通信部104は、ユーザ端末100と現在接続中の小ノードデバイスまたは隣接小ノードデバイスとの間のD2UE接続のDL無線リンク品質を測定する。DL無線リンク品質は、パイロット信号受信電力、パスロス、信号対干渉比、チャネル状態情報、チャネル品質指標および受信信号強度指標のうちの少なくとも1つであってもよい。無線リンク品質は、サービング小ノードデバイスまたは隣接する小ノードデバイスから送信されるパイロット信号を用いて算出可能である。パスロスは、ユーザ端末と100とサービング小ノードデバイスまたは隣接小ノードデバイスとの間のものを用いる。D2UE通信部104は、BS2UE通信部102およびBS2UE接続720を介して基地局200に測定結果を報告する。
基地局200の一例のブロック図を図13に示す。基地局200は、BS2UE通信部201と、BS2D通信部202と、D2UE通信制御部204と、バックホール通信部206とを含み、これらはすべて互いに接続される。
BS2UE通信部201はBS2UE接続720を利用してユーザ端末と通信を行う。上に説明したように、一部の無線ベアラのデータはBS2UE接続720で送信される。たとえば、RRCシグナリング、NASシグナリングおよびMACレイヤシグナリングなどの制御信号は、BS2UE接続720で送信してもよい。さらに、Voice over IP(VoIP)のパケットをBS2UE接続720で送信してもよい。他のデータベアラのデータをBS2UE接続720で送信してもよい。
上述したように、D2UE接続710が中断するか、または使用不可能である場合、BS2UE通信部201はユーザ端末100とすべての無線ベアラのデータの送受信を行う。ユーザ端末100から送信されるUプレーンデータなどのデータの一部はBS2UE通信部201およびバックホール通信部206を介してコアネットワーク400に転送される。サーバ400から送信されるUプレーンデータはバックホール通信部206およびBS2UE通信部201を介してユーザ端末100に転送される。
さらに、BS2UE通信部201は、D2UE接続710の制御信号をユーザ端末100から受信し、D2UE接続710の制御信号をユーザ端末100に送信する。この制御信号はユーザ端末100に対するものと同一であるため、以下ではその説明を省略する。
BS2D通信部202はBS2D接続730を利用して小ノードデバイス500と通信を行う。BS2D通信部202はD2UE接続710の制御信号を小ノードデバイス500から受信し、D2UE接続710の制御信号を小ノードデバイス500に送信する。この制御信号は小ノードデバイス500に対するものと同一であるため、以下ではその説明を省略する。
D2UE接続710の制御信号は後述するようにD2UE通信制御部204により生成され、BS2UE通信部201を介してユーザ端末100に転送される。制御信号はBS2D通信部202を介して小ノードデバイスにも送信される。
D2UE通信制御部204はD2UE接続710の無線リンク接続制御を行う。無線リンク接続制御には、D2UE接続710の確立/設定/再設定/再設定/再確立/解放のうち少なくとも1つが含まれる。無線リンク接続制御のパラメータはBS2UE通信部201を介してユーザ端末100へ送信され、BS2D通信部202を介して小ノードデバイス500へ送信される。このパラメータは、物理レイヤ、MACレイヤ、RLCレイヤ、PDCPレイヤおよびRRCレイヤパラメータのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。パラメータは無線ベアラの情報を含む。本明細書中で無線リンク接続制御は「無線リソース制御」とも表記する。
より具体的には、ユーザ端末100と小ノードデバイス500との間のパスロスが閾値よりも大きい場合、D2UE通信制御部204はD2UE接続710を解放すべきであると判断してもよい。たとえば、D2UE通信制御部204はD2UE接続710を解放する制御信号を送ってもよい。D2UE通信制御部は、ユーザ端末100および小ノードデバイス500のうち少なくとも1つから送信される測定報告に基づいて、そのような決定を行ってもよい。より具体的には、ユーザ端末100および小ノードデバイス500のうち少なくとも1つがパスロスが閾値よりも大きいか否かを決定し、パスロスが閾値よりも大きい場合に測定報告を送る。測定報告を受信した後、D2UE通信制御部204はユーザ端末100および小ノードデバイス500のうち少なくとも1つに制御信号を送ってもよい。上の例では、D2UE接続710におけるDL送信電力またはUL送信電力をパスロスの代わりに用いてもよい。
D2UE通信制御部204はユーザ端末100と小ノードデバイス500との間でD2UE接続のハンドオーバを制御する。より具体的には、D2UE通信制御部204は小ノードデバイス500から測定報告を受信し、ユーザ端末100がより近い隣接小ノードデバイスへハンドオーバすべきか否かを決定する。ここで、「サービング小ノードデバイス」とは、ユーザ端末と現在D2UE接続を有する小ノードデバイスを指す。
これに加えて、D2UE通信制御部204はD2UE接続の無線リソースを制御してもよい。より具体的には、D2UE通信制御部204は、他のD2UE接続に干渉しないように、かつ他のD2UE接続から干渉を受けないように、D2UE接続の無線リソースを割り当てる。このように1つのD2UE接続における無線リソースは残りのD2UE接続と重複しない。無線リソースは、無線リソース制御パラメータによりユーザ端末および小ノードデバイスに示すことができる。このパラメータは、周波数領域リソースのID、時間領域リソースのIDおよび符号領域リソースのIDのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。D2UE接続に割り当てられる無線リソースは、サービング小ノードデバイスのセル中のユーザ端末数またはD2UE通信の動作する周波数帯域における干渉レベルに基づいて決定してもよい。
さらに、D2UE通信制御部204はD2UE接続710のリンクアダプテーションを制御してもよい。より具体的には、リンクアダプテーションは、電力制御および適応変調ならびに符号化のうち1つであってもよい。電力制御情報は、D2UE接続710のDLまたはULの最大送信出力電力についての情報を含んでいてもよい。
上記D2UE通信制御部204における制御に基づいて決定された制御信号はBS2UE通信部201を介してユーザ端末に送信される。制御信号はBS2D通信部202を介して小ノードデバイスに送信される。
バックホール通信部206はコアネットワーク400から受信した下りリンクデータをBS2UE通信部201へ供給する。同様に、BS2UE通信部201は上りリンクデータをバックホール通信部206へ供給し、そしてバックホール通信部206はこの上りリンクデータをコアネットワーク400へ送信する。
当業者は、図12および図13にそれぞれ示すユーザ端末100および基地局200の機能ブロックが、ユーザ端末500について説明したものと同様の構成要素にマッピングされることは容易に理解されよう。たとえば、ユーザ端末は、BS2UE通信部102およびD2UE通信部104のために2つの類似するRFインタフェースを要する。これらのRFインタフェースは、ベースバンドプロセッサやホストマイクロプロセッサなどの適当なプロセッサと協働する。
本明細書に記載の移動通信システムのオペレーションは、図14および14Aに示す、送信すべきトラフィックデータの発生に応じた接続の確立に関するフローチャートを参照してより明確に理解される。当該フローチャートはステップS801における上りリンクおよび/または下りリンクデータであるトラフィックデータの発生から始まる。たとえば、トラフィックデータは、電子メールの送受信、ウェブサイトの閲覧、ファイルのダウンロードまたはファイルのアップロードに対応する。
ステップS802で、基地局200とユーザ端末100との間にLTE接続(BS2UE接続720)が確立される。接続がユーザ端末によってトリガされた場合、ユーザ端末はランダムアクセス工程で接続を開始することができる。接続がサーバ600によってトリガされた場合、基地局は接続の開始のためにページングメッセージを送信してもよい。ステップS802は図14AのステップA802に対応する。
図14および14Aの実施例では、BS2D接続730は基地局200および小ノードデバイス500との間に常時設定されるものと想定する。しかし他の実施例では、基地局200と小ノードデバイス500との間の接続(BS2D接続730)はステップS802で、またはステップS802の直後に確立される。確立は、基地局200が制御信号を用いてトリガしてもよい。さらに、上の確立工程において基地局200からの要求を受けた後に、小ノードデバイス500がD2UE接続710のパイロット信号の送信を開始してもよい。その結果、パイロット信号を送信しない場合に、周波数帯域内の他の通信との間に深刻な干渉が発生しない。
ステップS803で、ユーザ端末100はD2UE接続の測定を行う。特に、ユーザ端末100はD2UE接続におけるDL無線リンク品質を測定する。より具体的には、ユーザ端末100は、最良のDL無線リンク品質を有する小ノードデバイスの識別番号を基地局に通知する測定報告を基地局に送信する。
一実施例においては、D2UE接続の測定は図14AのステップA803a、A803bおよびA803cに図示するように行ってもよい。ステップA803aで、基地局はBS2UE接続720でユーザ端末に制御信号を送信してユーザ端末にD2UE接続の測定を行うよう命令するので、ユーザ端末は最良の無線リンク品質を有する小ノードデバイスを検出する。
制御信号は測定の情報を含んでもよい。たとえば、制御信号は、D2UE接続のキャリア周波数、D2UE接続の帯域幅、小ノードデバイスの識別番号、測定量の情報、小ノードデバイスによって送信されるパイロット信号の情報などのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。測定量についての情報はRSRPまたはRSRQの指標を用いることができる。パイロット信号の情報はパイロット信号の無線リソースに関するものでもよい。より具体的には、パイロット信号情報は、パイロット信号の送信周期、パイロット信号の周波数領域リソース情報、パイロット信号の時間領域リソース情報などのうち少なくとも1つであってもよい。さらに説明するように、D2UE接続とBS2UE接続との間の時間オフセットをパイロット信号の情報に含んでいてもよい。さらに、パイロット信号の送信電力をパイロット信号の情報に含んでいてもよい。
さらに、測定報告を基地局200に送る際のルールを、測定情報に含んでいてもよい。このルールは、TS36.331に規定されるEventA1、A2、A3、A4およびA5など、LTEにおける判断基準と同様の判断基準を含んでいてもよい。閾値、レイヤ−3フィルタリング係数またはトリガ時間などを測定情報に含んでいてもよい。これに加えて、セル選択/再選択の制御信号をさらに測定情報に含んでいてもよい。たとえば、アイドルモード測定の制御信号をさらに測定情報に含んでいてもよい。このような制御信号は、個別制御信号または報知情報で送信してもよい。
ステップS803における制御信号は、基地局200がユーザ端末100に無線通信システムを提供するセルにおいてD2UE接続が使用可能であるか否かの指標を含んでいてもよい。ステップA803aの代わりにステップA802において制御信号を送信してもよい。
ステップA803bでユーザ端末100はD2UE接続におけるDL無線リンク品質を測定する。
ステップA803cで、ユーザ端末100は最良のDL無線リンク品質を有する小ノードデバイスの識別番号を基地局200に通知する測定報告をBS2UE接続720で基地局200に送信する。
ステップS804で、ユーザ端末と小ノードデバイスとの間にD2UE接続(D2UE接続710)が確立される。基地局は、ユーザ端末および小ノードデバイスにD2UE接続710を設定するよう命令する。D2UE接続710のパラメータは基地局200からそれぞれBS2UE接続720およびBS2D接続730でユーザ端末100および小ノードデバイス500に送信される。さらに、D2UE接続710の確立はユーザ端末100および/または小ノードデバイスによって基地局200に報告される。ステップS804は図14AのステップA804aからA804fに対応する。換言すると、D2UE接続710の確立は図14AのステップA804a、A804b、A804c、A804d、A804eおよびA804fに図示するように行うことができる。
ステップA804aで、基地局200はBS2D接続730で小ノードデバイス500に制御信号を送信し、小ノードデバイス500にユーザ端末100とD2UE接続710を確立するように命令する。一般に、この小ノードデバイスは、測定報告に基づく、最良のDL無線リンク品質を有する小ノードデバイスである。ステップA804bで、小ノードデバイス500は、ステップA804aからの受信制御信号に対する応答を送信してもよい。制御信号は、ユーザ端末100の識別番号、ユーザ端末100の能力情報などのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
ステップA804cで、基地局200はBS2UE接続720でユーザ端末100に制御信号を送信し、ユーザ端末100に小ノードデバイス500とD2UE接続710を確立するよう命令する。たとえば、ステップA804cの制御信号は以下のパラメータのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
−D2UE接続710の無線ベアラ情報
−D2UE接続710のキャリア周波数情報
−D2UE接続710の周波数帯域指標
−D2UE接続710のシステム帯域幅(チャネル帯域幅)
−D2UE接続710の禁止セル情報
−小ノードデバイス500の識別番号
−D2UE接続710のUL最大送信電力
−D2UE接続710におけるDLおよびULスロットの情報(TDDの場合)
−D2UE接続710のランダムアクセスチャネルの情報
−D2UE接続710のPUCCHなどの上りリンク物理制御チャネルの情報
−D2UE接続710のPDCCH、PHICHなどの下りリンク物理制御チャネルの情報
−D2UE接続710の上りリンク物理共有チャネルの情報
−D2UE接続710の下りリンク物理共有チャネルの情報
−D2UE接続710の上りリンクサウンディング参照信号の情報
−D2UE接続710の上りリンク電力制御情報の情報
−D2UE接続710の下りリンクまたは上りリンクサイクリックプリフィックス情報の情報
−D2UE接続710の上りリンクにおける時間アライメント制御の情報
−D2UE接続710の各無線ベアラのRLCまたはPDCP構成の情報
−D2UE接続710のMAC構成の情報
−D2UE接続710のセキュリティの情報
ステップA804cの情報の一部またはすべてをステップA804aで小ノードデバイス500に送信してもよい。
無線ベアラ情報はどの種類の無線ベアラをD2UE接続710に設定し、どの優先度を各無線ベアラに指定すべきかを示してもよい。D2UE接続710のパラメータはステップA804cで送信することもできるため、小ノードデバイス500は必ずしも報知チャネルを送信する必要はなく、これにより小ノードデバイスの複雑さは低下する。
ステップA804dで、ユーザ端末100はユーザ端末100と小ノードデバイス500との間に接続(D2UE接続710)を確立する制御信号を送信する。制御信号はランダムアクセス信号であってもよい。あるいは、制御信号は事前に割り当てられたアクセス信号であってもよい。事前に割り当てられたアクセス信号の無線リソース情報はステップA804cで基地局200によりユーザ端末100に送信してもよい。
事前に割り当てられたアクセス信号の無線リソース情報は基地局200により設定してもよい。この場合、基地局200はステップA804aで小ノードデバイス500に無線リソース情報を通知してもよい。あるいは、事前に割り当てられたアクセス信号の無線リソース情報を小ノードデバイス500により設定してもよい。そのような実施例では、小ノードデバイス500はステップA804bで基地局200に無線リソース情報を通知してもよい。
ステップA804eで、小ノードデバイス500はステップA804dで送信された制御信号に対する応答を送信する。その結果、D2UE接続710を確立することができる。
ステップA804fで、ユーザ端末100は基地局200に制御信号を送信し、D2UE接続710の確立が成功したことを基地局200に通知する。
ステップS805では、図3を参照して上に説明したように、トラフィックデータの一部(たとえば、図3のデータ#2)がD2UE接続710および小ノードデバイス500を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。D2UE接続710で送信されるデータは、たとえばユーザ端末100とサーバ600との間の通信に設定された無線ベアラの一部のデータである。より具体的には、D2UE接続710を介して転送されるデータは、ベストエフォートパケット、非リアルタイムサービスのパケットおよびリアルタイムサービスのパケットのうち少なくとも1つであってもよい。D2UE接続710を介して転送されるデータはUプレーンデータを含む。ステップS805は図14AのステップA805に対応する。
ステップS806では、図3を参照して上に説明したように、トラフィックデータの一部(たとえば、図3のデータ#1)がBS2UE接続720および基地局200を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。CプレーンデータをD2UE接続710の代わりにBS2UE接続720で送信してもよい。ステップS806は図14AのステップA806に対応する。
図14に示すオペレーションは、以下のように小ノードデバイス500のオペレーションとして説明してもよい。小ノードデバイス500のオペレーションは、ユーザ端末100とのD2UE接続710の確立(ステップS804)と、ユーザ端末100とサーバ600との間でD2UE接続710を用いて転送されるデータの一部の転送(ステップS805)とを含む。
図14に示すオペレーションは、以下のようにユーザ端末100のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、基地局200とのLTE接続(BS2UE接続720)の確立(ステップS802)と、小ノードデバイスの測定(ステップS803)と、小ノードデバイス500とのD2UE接続710の確立(ステップS804)と、データの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)の、D2UE接続710および小ノードデバイス500を介しての転送(ステップS805)と、データの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)の、BS2UE接続720および基地局200を介しての転送(ステップS806)と、を含む。
図14に示す処理は、以下のように基地局200のオペレーションとして説明してもよい。このオペレーションは、ユーザ端末100とのLTE接続(BS2UE接続720)の確立(ステップS802)と、D2UE接続710の確立のための制御信号の送信(ステップS804)と、BS2UE接続720を用いてのデータの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)の転送(ステップS806)と、を含む。D2UE接続710では、データの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)がD2UE接続710と小ノードデバイス500とを介して転送される。
図15に示すように、基地局200はD2UE接続710の確立を制御するだけでなく、このリンクの解放を制御することができる。ステップS901で、トラフィックデータの一部がユーザ端末100とサーバ600との間でD2UE接続710および小ノードデバイス500を介して転送される。ステップS902では、トラフィックデータの一部がユーザ端末100とサーバ600との間でBS2UE接続720および基地局200を介して転送される。ステップS901およびS902はそれぞれステップS805およびS806と同一であり、具体的にはステップS901およびS902はステップS805およびS806からの続きであってもよい。
ステップS903においては、ユーザ端末100とサーバ600との間にトラフィックデータがこれ以上存在しない。より具体的には、ステップS903は、電子メールの送受信、ウェブサイトの閲覧、ファイルのダウンロードまたはファイルのアップロードの終了に相当する。
ステップS904で、基地局200は小ノードデバイス500に制御信号を送信し、D2UE接続710を解放すべきであることを小ノードデバイス500に通知する。ステップS905で、小ノードデバイス500はステップS904の通知に対する応答を送信する。
ステップS906で、基地局200はユーザ端末100に制御信号を送信し、D2UE接続710を解放すべきであることをユーザ端末100に通知する。ステップS907で、ユーザ端末100はステップS906の通知に対する応答を送信する。ステップS906およびS907はステップS904およびS905の前に実行してもよい。あるいは、ステップS906およびS907をステップS904およびS905と同時に実行してもよい。
ステップS904およびS906での制御信号に応じて、ステップS908でD2UE接続710が解放される。ユーザ端末100または小ノードデバイス500がD2UE接続710が解放されたことを報告できるように、ステップS905およびS907をステップS908の後に実行してもよい。
ステップS909で、基地局200は制御信号をユーザ端末100に送信し、BS2UE接続720が解放されたことをユーザ端末100に通知する。ステップS910で、ユーザ端末100はステップS909の制御信号に対する応答を基地局200に送信する。ステップS909およびS910はLTE接続の解放の通常の手順に対応する。
図15で説明した実施例では、基地局200が制御信号を送信してD2UE接続710の解放を指示する。しかし、さらに別の実施例では、ユーザ端末100または小ノードデバイス500が制御信号を送信してもよい。
図15に示す処理は以下のように小ノードデバイス500によって行われるオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、D2UE接続710を用いてのデータの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)の転送(ステップS901)と、基地局200から送信される制御信号の受信(ステップS904)と、制御信号に対する応答の基地局200への送信(ステップS905)と、ユーザ端末100とのD2UE接続710の解放(ステップS908)と、を含む。
図15に示す処理は、以下のようにユーザ端末100により行われるオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、D2UE接続710および小ノードデバイス500を介してのデータの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)の転送(ステップS901)と、BS2UE接続720および基地局200を介してのデータの一部(ユーザ端末100とサーバ600との間で転送される)の転送(ステップS902)と、基地局200により送信される制御信号の受信(ステップS906)と、制御信号に対する応答の基地局200への送信(ステップS907)と、ユーザ端末100とのD2UE接続710の解放(ステップS908)と、ステップS909およびS910でのLTE接続(BS2UE接続720)の解放と、を含む。
図15に示す処理は、以下のように基地局200により行われるオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、D2UE接続710の解放のための制御信号の小ノードデバイス500への送信(ステップS904)と、D2UE接続710の解放のための制御信号のユーザ端末100への送信(ステップS906)と、BS2UE接続720の解放(ステップS909およびS910)と、を含む。
図16に示すように、D2UEリンクの確立および解放を制御することに加えて、基地局はその再設定を制御することができる。ステップS1001で、トラフィックデータの一部がD2UE接続710および小ノードデバイス500を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。ステップS1002で、トラフィックデータの一部がBS2UE接続720および基地局200を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。ステップS1001およびS1002はそれぞれステップS805およびS806と同一でもよく、具体的にはステップS1001およびS1002はステップS805およびS806からの続きであってもよい。
ステップS1004で、基地局200は小ノードデバイス500に制御信号を送信し、D2UE接続710を再設定すべきであることを小ノードデバイス500に通知する。ステップS1005で、基地局200はユーザ端末100に制御信号を送信し、D2UE接続710を再設定すべきであることをユーザ端末100に通知する。より具体的には、ステップA804cで説明したパラメータをステップ1004またはステップS1005の制御信号に含んでもよい。
ステップS1006で、D2UE接続710は再設定される。より具体的には、D2UE接続710のパラメータの一部が変更される。このパラメータには、周波数領域リソースのパラメータ、時間領域リソースのパラメータ、符号領域リソースのパラメータ、D2UE接続710のパイロット信号のパラメータ、D2UE接続710の初期アクセスのパラメータ、無線ベアラのパラメータおよびD2UE接続710の電力制御のパラメータのうち少なくとも1つが含まれていてもよい。電力制御パラメータは、D2UE接続710におけるDLまたはULの最大送信出力電力の情報を含む。
ステップS1007で、小ノードデバイス500は基地局200に制御信号を送信し、D2UE接続710の再設定が成功したことを基地局200に通知する。ステップS1008で、ユーザ端末100は基地局200に制御信号を送信し、D2UE接続710の再設定が成功したことを基地局200に通知する。
図16に示す処理は、以下のように小ノードデバイス500のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、D2UE接続710を用いてのユーザ端末100とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1001)と、D2UE接続710を再設定する制御信号の受信(ステップS1004)と、D2UE接続710の再設定(ステップS1006)と、D2UE接続710が再設定されたことを報告する制御信号の送信(ステップS1008)と、を含む。
図16に示す処理は、以下のようにユーザ端末100のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、D2UE接続710を用いてのユーザ端末100とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1001)と、BS2UE接続720を用いてのユーザ端末100とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1002)と、D2UE接続710を再設定する制御信号の受信(ステップS1005)と、D2UE接続710の再設定(ステップS1006)と、D2UE接続710が再設定されたことを報告する制御信号の送信(ステップS1008)と、を含む。
図16に示す処理は、以下のように基地局200のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、BS2UE接続720を用いてのユーザ端末100とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1002)と、D2UE接続710を再設定する制御信号の小ノードデバイス500への送信(ステップS1003)と、D2UE接続710を再設定する制御信号のユーザ端末100への送信(ステップS1004)と、D2UE接続710が再設定されたことを報告する制御信号の受信(ステップS1007)と、D2UE接続710が再設定されたことを報告する制御信号の受信(ステップS1008)と、を含む。
図17および17Aに示すように、D2UEリンクの確立、解放および再設定の制御に加えて、基地局は、現在のサービング小ノードデバイスから近くの小ノードデバイスへのD2UEリンクのハンドオフを制御することができる。図17に示すステップS1101で、トラフィックデータの一部がD2UE接続710およびソース小ノードデバイス500を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。ステップS1102で、トラフィックデータの一部がBS2UE接続720および基地局200を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。ステップS1101およびS1102はそれぞれステップS805およびS806と同一でもよく、具体的にはステップS1101およびS1102はステップS805およびS806からの続きであってもよい。
ステップS1103で、ユーザ端末100は以下に説明するようにD2UE接続の測定を行う。すなわち、ユーザ端末100はサービング小ノードデバイスおよび隣接小ノードデバイスのDL無線リンク品質を測定する。DL無線リンク品質は、パイロット信号受信電力、パスロス、信号対干渉比(SIR)、チャネル状態情報、チャネル品質指標および受信信号強度指標のうち少なくとも1つであってもよい。
より具体的には、図17Aに図示するように、ユーザ端末100はサービング小ノードデバイスよりもユーザ端末100に近い隣接小ノードデバイスが検出されたか否かを決定し、隣接小ノードデバイスが検出されれば、基地局に測定報告を送信する。ステップA1103aで、ユーザ端末100はD2UE接続の測定を行う。
ステップA1103bで、ユーザ端末100はサービング小ノードデバイスよりもユーザ端末に近い隣接小ノードデバイスが検出されたか否かを決定する。サービング小ノードデバイスとは、ユーザ端末と現在通信中の小ノードデバイス(ソース小ノードデバイス)を意味する。より具体的には、隣接する小ノードデバイスがサービング小ノードデバイスよりも高い無線リンク品質を有する場合、当該隣接小ノードデバイスはサービング小ノードデバイスよりもユーザ端末に近いと判断する。
隣接小ノードデバイスがサービング小ノードデバイスよりもユーザ端末に近い場合(ステップA1103b:YES)、ユーザ端末は測定報告を基地局に送信して、隣接小ノードデバイスが検出されたことを基地局に通知する。ステップA1104は図17のステップS1104に対応する。
隣接小ノードデバイスがサービング小ノードデバイスよりもユーザ端末に近くない場合(ステップA1103b:NO)、ユーザ端末は基地局に測定報告を送信しない。ステップA1103aおよびA1103bは図17のステップS1103に対応する。
ステップS1104で、ユーザ端末は基地局に測定報告を送信し、より近い隣接小ノードデバイスが検出されたことを基地局に通知する。以下サービング小ノードデバイスを「ソース小ノードデバイス」と称し、隣接小ノードデバイスを「ターゲット小ノードデバイス」と称する。
ステップS1105で、基地局は、ユーザ端末が隣接小ノードデバイス(ターゲット小ノードデバイス)へハンドオーバすべきであると決定する。
ステップS1106で、基地局はハンドオーバの準備のために制御信号をターゲット小ノードデバイスに送信する。この制御信号を「D2UE接続のハンドオーバ要求」と称してもよい。より具体的には、基地局は、ターゲット小ノードデバイスがユーザ端末とD2UE接続を確立するためのパラメータを、ターゲット小ノードデバイスに通知する。ステップA804a(図14A参照)で説明したパラメータをステップS1106の制御信号に含んでもよい。
ステップS1107で、ターゲット小ノードデバイスはステップS1106の制御信号に対する応答を送信する。
ステップS1108で、基地局200はユーザ端末に制御信号を送信し、ユーザ端末にターゲット小ノードデバイスへのハンドオーバを実行するよう命令する。制御信号はD2UE接続710の接続情報を含んでいてもよい。より具体的には、接続情報は、D2UE接続710の測定の設定、D2UE接続71の移動性制御の情報、D2UE接続710の無線リソース制御情報などのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
さらに、D2UE接続710の無線リソース制御情報は、D2UE接続710の無線ベアラ情報、D2UE接続710におけるPDCPレイヤ構成の情報、D2UE接続710におけるRLCレイヤ構成の情報、D2UE接続710におけるMACレイヤ構成の情報、D2UE接続710における物理レイヤ構成の情報などのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。より具体的には、ステップA804c(図14A参照)で説明したパラメータをD2UE接続710の無線リソース制御情報に含んでいてもよい。
ステップS1109で、基地局200は制御信号をソース小ノードデバイス500に送信し、ユーザ端末100がターゲット小ノードデバイスへハンドオーバすべきであることをソース小ノードデバイス500に通知する。ソース小ノードデバイス500は制御信号に基づいてユーザ端末100との通信を終了させる。たとえば、ソース小ノードデバイスがD2UE接続710を解放する。
ステップS1110で、ユーザ端末は、ユーザ端末とターゲット小ノードデバイスとの間に接続を確立する制御信号を送信する。制御信号はランダムアクセス信号であってもよく、ステップA804cにおけるものと同一であってもよい。
ステップS1111で、ターゲット小ノードデバイス500はステップS1110で送信された制御信号に対する応答を送信する。その結果、ユーザ端末100とターゲット小ノードデバイスとの間にD2UE接続を確立することができる。
ステップS1112で、ユーザ端末は制御信号を基地局に送信し、ターゲット小ノードデバイスへのハンドオーバの実行が成功したことを基地局に通知する。
ステップS1113で、トラフィックデータの一部がD2UE接続710およびターゲット小ノードデバイス500を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。
ステップS1114で、トラフィックデータの一部がBS2UE接続720および基地局200を介してユーザ端末100とサーバ600との間で転送される。ステップS1114はステップS1102と同一である。すなわち、図17に説明する手順の間、ステップ(S1102およびS1114)を継続して行ってもよい。
図17に示す処理は、以下のようにソース小ノードデバイス500のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、D2UE接続710を用いてのユーザ端末100とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1101)と、ユーザ端末がターゲット小ノードデバイスへハンドオーバすべきであることをソース小ノードデバイス500に通知する制御信号の受信およびユーザ端末100とのD2UE接続710の終了(ステップS1109)と、を含む。
図17に示す処理は、以下のようにターゲットソース小ノードデバイス500のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、基地局により送信されるハンドオーバの準備のための制御信号の受信(ステップS1106)と、制御信号に対する応答の送信(ステップS1107)と、ユーザ端末とターゲット小ノードデバイスとの間に接続を確立する制御信号の受信(ステップS1110)と、制御信号に対する応答の送信(ステップS1111)と、D2UE接続710を用いての、ユーザ端末とサーバとの間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1113)と、を含む。
図17に示す処理は、以下のようにユーザ端末100のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、ソース小ノードデバイスとのD2UE接続710を用いての、ユーザ端末とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1101)と、BS2UE接続720を用いての、ユーザ端末とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1102)と、D2UE接続の測定(ステップS1103)と、基地局への測定報告の送信(ステップS1104)と、ユーザ端末にターゲット小ノードデバイスへハンドオーバすることを命令する制御信号の受信(ステップS1108)と、ユーザ端末とターゲット小ノードデバイスとの間に接続を確立する制御信号の送信(ステップS1110)と、制御信号に対する応答の受信(ステップS1111)と、ターゲット小ノードデバイスへのハンドオーバの実行が成功したことを基地局に通知する制御信号の基地局への送信(ステップS1112)と、ターゲット小ノードデバイスとのD2UE接続710を用いての、ユーザ端末とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1113)と、BS2UE接続720を用いての、ユーザ端末とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1114)と、を含む。なお、ステップS1102はステップS1114と同一であり、全てのステップの間この手順を継続的に実行してもよい。
図17に示す処理は、以下のように基地局200のオペレーションとして説明してもよい。これらのオペレーションは、BS2UE接続720を用いての、ユーザ端末とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1002)と、ユーザ端末100により送信される測定報告の受信(ステップS1104)と、ユーザ端末がターゲット小ノードデバイスへハンドオーバをすべきであるとの決定(ステップS1105)と、ハンドオーバの準備のための制御信号のターゲット小ノードデバイスへの送信(ステップS1106)と、制御信号に対する応答の受信(ステップS1107)と、ユーザ端末にターゲット小ノードデバイスへのハンドオーバを実行するよう命令する制御信号のユーザ端末への送信(ステップS1108)と、ユーザ端末がターゲット小ノードデバイスへハンドオーバすべきであることをソース小ノードデバイスに通知する制御信号のソース小ノードデバイスへの送信(ステップS1109)と、ターゲット小ノードデバイスへのハンドオーバの実行が成功したことを基地局に通知する制御信号の受信(ステップS1112)と、BS2UE接続720を用いての、ユーザ端末とサーバ600との間で転送されるデータの一部の転送(ステップS1114)と、を含む。
第1の構造および第2の構造のさらなる詳細は、参照することにより本明細書に組み込まれるPCT出願で検討されている。前述の検討から、2つの構造の主な違いが小ノードデバイスが基地局とともに有するリンクのみにあると理解できる。
第2の構造において、このリンクは改良されたX2インタフェースである。従来のLTEのX2インタフェースは、ピアツーピアのインタフェースであることに留意されたい。したがって、本明細書において検討するX2インタフェースの改良は、基地局と小ノードデバイスとの間のマスター/スレーブ関係によるものである。これとは対照的に、このリンクがたとえばLTEのリンクに変われば、ネットワークは第1の構造のネットワークとなる。
しかし、D2UEリンクは、両方の構造で同じである。同様に、Macro2UEリンク(第1の構造)は、BS2UEリンク(第2の構造)と同じである。したがって、本明細書において、BS2Dリンクが改良X2インタフェースである場合を除いて、「小ノードデバイス」は「拡張ユーザ端末」と同義である。
D2UEリンクの半二重FDD無線リソース割り当て
第1の構造または第2の構造が実行されるか否かを問わず、以下の議論ではD2UEリンクの特に有利な無線リソースの割り当てに注目する。この無線リソース割り当ての長所は、第1の構造または第2の構造のネットワークのどちらでも利益を享受できることである。いくらかの背景の議論は、この有利なリソース割り当てをより理解するのに役立つ。その点で、従来のセルラネットワークで利用される2種類の二重モードがある。
図18は、これらの2つの二重モードを示している。1つは周波数分割多重(FDD)であり、もう1つは時分割多重(TDD)である。FDDにおいては、異なる周波数の2つのキャリアが使われる。1つのキャリアはDLのために使われ、もう1つのキャリアはULのために使われる。TDDにおいては、ULとDLは異なるタイムスロットにおいて同一キャリアを共有する。1組のタイムスロットがDLのために使われ(DLタイムスロット)、残りの組のタイムスロットがULのために使われる(ULタイムスロット)。
D2UEリンクにおける無線リソース割り当てがFDD割り当てであるならば、小ノードデバイスはデュプレクサを必要とする場合がある。しかし、D2UEキャリアが、たとえば3.5GHzの高い周波数帯であれば、デュプレクサの設計は困難になる。
たとえばR4−111298に記載されているように、デュプレクサが大きな通過帯域幅と小さなデュプレクサギャップとを実現しなければならない場合、この困難性はさらに高まる。通過帯域幅が増加し、かつ、デュプレクサギャップ(ULとDLとの間の間隔)が減少すると、デュプレクサがサポートする周波数レンジは増加する。図19に示すように、大きな通過帯域幅で小さなデュプレクサギャップのデュプレクサは複数の領域および/または国で利用することができる。一般に、デュプレクサがグローバルに使われるならば、デュプレクサのコストは大量生産のために下げられる。言い換えると、デュプレクサが一部の領域/国に限って使われるならば、生産が必要となるデュプレクサの数は多くなく、そのためデュプレクサのコストは増大する。
FDDにおいて周波数キャリアの割り当てはデュプレクサに高く依存するため、デュプレクサのコストを減らすためにFDDにおける共通のデュプレクサを使用する場合には周波数キャリアの割り当ての柔軟性が低下するおそれがある。言い換えると、ある共通のデュプレクサをすべてのエリアおよび/または国で使う必要があるため、周波数キャリアの割り当ての柔軟性がFDD動作で低下することがある。要するに、多くの領域/国で優れた周波数キャリアの割り当ての柔軟性を備える共通のデュプレクサの設計が要求されることが問題となる。
FDD動作とは対照的に、TDDにおけるD2UEリンクの無線リソース割り当てにはデュプレクサを必要としない可能性がある。したがって、世界的に共通の無線周波数コンポーネントはTDDデザインにおいてすぐに実現することができる。特に、TDDがペアバンド(ペアキャリア)を必要としないので、柔軟な周波数キャリア割り当てはTDDを使用して実現することができる。しかし、TDDは図20に示すように時間同期を必要とする。DLおよびULのタイムスロット割り当ては、1つの周波数バンドおよび1つの地理的エリアですべてのキャリアについて同期しなければならない。DLおよびULタイムスロット割り当てが同期されていないと、図21に示すように、ULおよびDLキャリアの周波数が近接する場合に重大な干渉問題が発生するおそれがある。
TDDの干渉問題について、図22(a)および22(b)を参照してさらに説明する。図22(a)では、DLタイムスロットとULタイムスロットとの間で時間同期が実現されている。図21で示したように、ULキャリアは周波数が近い。同様に、DLキャリアも周波数が近い。この例では、移動局#A1の受信DL電力は−100dBmであるのに対して、移動局#A2の受信DL電力は−102dBmである。隣接チャネル干渉電力は約30dB低減されるため、移動局#A2により受信されたDL干渉電力は−130dBmである。このように、移動局#A1へのDL送信信号と移動局#A2へのDL送信信号とは干渉しない。同様に、移動局#A2へのDL送信から移動局#A1へも重大な干渉は存在しない。
図22(b)では、DLタイムスロットとULタイムスロットとの間で時間同期が実現されていない。図21で示したように、DLおよびULキャリアは周波数が近い。したがって、移動局#A1からのUL送信が、移動局#A2へのDL送信と同一のタイムスロットで生じる。この例では、移動局#A1の送信DL電力は0dBmであるのに対して、移動局#A2の受信DL電力は−102dBmである。隣接チャネル干渉電力が約30dB低減されると、移動局#A1のUL送信からの移動局#A2における干渉電力は、−102dBmよりはるかに高い−30dBmである。追加のパスロスを干渉計算のために考慮したとしても、干渉電力は依然として高い。したがって、TDDを使用するD2UEリンクにおいて時間同期が実現されない場合、重大な干渉が生じるおそれがある。
TDDの実施例における時間同期はこのように重要である。しかし、たとえばGPS受信機などからの正確なクロックの使用などのいくつかの追加技術は各ネットワークノードに必要とされるため、このような時間同期はネットワークコストを増大する。さらに、図20および21で示したように、タイムスロット割り当てはある周波数帯域においてすべての周波数キャリアが整列する必要があるため、DLおよびULタイムスロット割り当ては柔軟ではない。たとえば、隣接する周波数キャリアを有する2つのネットワークオペレータが存在すると仮定する。この場合、あるオペレータは、一方のオペレータがDLおよびULタイムスロット割り当てを変更しないと、DLおよびULタイムスロット割り当てを変更することができない。
TDDの実施例に係る時間同期の問題を回避し、かつ、FDDの実施例におけるデュプレクサのコストの問題を回避するための、D2UEリンクのための有利な半二重FDD無線リソース割り当てについてより詳細に説明する。この半二重FDD方式は、図23に示される実施例を参考にすることにより理解できる。この方式では、ユーザ端末は、デュプレクサを含む必要はない。この半二重FDDリソース割り当てにおいて、ULおよびDL送信は指定する必要がある。言い換えれば、周波数リソースまたはサブキャリアのグループがDLのために予約され、周波数リソースの残りのグループがULのために予約される。
図23の例では、周波数リソース#4、#5、#6および#7がULのために予約され、周波数リソース#0、#1、#2および#3がDLのために予約されている。任意のタイムスロットに対して、DL送信は、DLリソースグループの特定の周波数リソースに割り当てられる。同様に、任意のタイムスロットにおけるUL送信は、ULリソースグループの特定のリソースに割り当てられる。たとえば、タイムスロット#0において、DL送信は周波数リソース#5および#6に割り当てられる。しかし、タイムスロット#2においては、DL送信は周波数リソース#4および#5に割り当てられる。UL送信に対しても、類似した周波数リソースの選択が発生する。
しかし、所定のタイムスロットに対する特定のリソース割り当てにかかわらず、送信は常に半二重である。したがって、所定のUEについて、タイムスロットはDLまたはULのいずれかに割り当てられており、DLおよびULの両方は割り当てられていない。図23に示す実施例では、1台のユーザ端末に対して、DL送信はタイムスロット#0、#2および#4に割り当てられ、UL送信はタイムスロット#1および#3に割り当てられている。しかし、このような半二重割り当ては所定のユーザ端末に関してのみである。換言すれば、1台のユーザ端末に対するDL送信は、他のユーザ端末に対するUL送信と同時に発生してもよい。このように、ネットワーク同期は不要である。
このFDD割り当てに関しては、D2UE接続が従来のBS2UE接続と異なることに留意すべきである。すなわち、チャネル参照信号、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号、報知チャネルなどの共通の信号/チャネルが、D2UE接続には存在しなくてもよい。したがって、図23に示す無線リソース割り当てを容易にUEに適応することができる。その結果、ユーザ端末100はデュプレクサを有する必要はない。デュプレクサは、送信機と受信機とを分離するために全二重FDD方式においては必要とされる。しかし、図23に示す半二重割り当てでは、そのような分離は必要ない。したがって、デュプレクサは送信機と受信機とを分離する必要がない。さらに、図23に示すように、DL周波数リソースグループとUL周波数リソースグループとの間にはガードバンドが存在するため、ネットワーク同期は不要である。
デュプレクサを必要としないだけでなくDL周波数リソースグループとUL周波数リソースグループとの間のガードバンドのサイズおよび/または位置を非常に柔軟に調整することができる。たとえば、このギャップは、エリア別に、国別に、時間に対してなど調整可能であってもよい。その結果、無線通信システムは、より柔軟な無線リソース割り当てを実現できる。たとえば、干渉をある領域で完全に緩和する必要がある場合、ガードバンドサイズはDL送信とUL送信との間の干渉を排除するために比較的大きく設定することができる。一方、干渉を他の領域で小さい範囲で緩和する必要がある場合、前の領域と比較してより小さなガードバンドを使用してもよい。このように、柔軟なキャリア割り当てはD2UEリンクにおけるFDDリソース割り当てに基づいて実現することができる。対照的に、このようなガードバンドのサイズの柔軟な変更はデュプレクサを必要とする従来のシステムでは不可能である。
D2UEリンクのためのFDDの無線リソースの割り当てをより詳細に説明する。この無線リソースの割り当ては第1の構造および第2の構造の両方のネットワークに適用可能である。実際、D2UEリンクは両方の構造で同じである。したがって、以下の議論は、BS2D接続が改良されたX2インタフェースである第2の構造のネットワークだけでなく、BS2D接続がLTEリンクである第1の実施例にも対応する。
以下の実施例では、D2UE接続におけるキャリア周波数が3.5GHzであり、基地局とユーザ端末との間のLTE接続(BS2UE接続720)のキャリア周波数が2GHzであることを想定する。このような周波数帯の割り当ては単なる例であり、他の周波数帯も他の実施例に適用可能であることに留意されたい。さらに、他のプロトコルが上述したように使われるかもしれないという点で、LTEリンクの仮定が制限的ではない点に留意されたい。
図24は、D2UE接続における周波数リソース構成の一例を示しており、2つの周波数リソースグループ(周波数リソースグループ#Aおよび#B)を示している。周波数リソースグループの数はこの例では2つであるが、他の実施例では2以上であってもよい。たとえば、周波数リソースグループは、3つ、4つまたはそれ以上であってもよい。周波数リソースグループは、TS36.101で指定されたE−UTRA動作バンドの1つに対応していてもよい。具体的には、E−UTRA TDD動作バンドの1つに対応していてもよい。あるいは、E−UTRA FDD UL動作バンドの1つに対応していてもよい。さらに別の選択肢としては、周波数リソースグループは、E−UTRA FDD DL動作バンドの1つに対応していてもよい。
UL送信は、D2UEリンク用の周波数リソースグループ#Aでのみ行われてもよい。これに対して、DL送信はD2DUE接続用の周波数リソースグループ#Bでのみ行われてもよい。さらに、複数の小周波数リソースを、各周波数リソースグループに定義してもよい。たとえば、100個の小周波数リソースSFR#A0、SFR#A1、…、DFR#A99を周波数リソースグループ#Aにおいて定義してもよい。100個の小周波数リソースSFR#B0、SFR#B1、…、DFR#B99を周波数リソースグループ#Bにおいて定義してもよい。
小周波数リソースの数が別の実施例では異なることはいうまでもない。たとえば、各大きな周波数リソースグループの中には、50個、25個または75個の小リソースグループがあってもよい。一実施例では、小周波数リソースはLTEにおけるリソースブロックに対応していてもよい。この点に関して、LTEのリソースブロックは180kHzの周波数リソースを有する。あるいは、小周波数リソースは、複数のリソースブロックから構成された、リソースブロックグループに対応していてもよい。
D2UEリンクの確立を制御する基地局に関連して説明した図14Aを参照すると、ステップA804cのキャリア周波数情報は、周波数リソースグループ#Aおよび周波数リソースグループ#Bのキャリア周波数を識別するものであってもよい。図24に示す実施例に適用されるように、2つの周波数帯域の指標は、ステップA804cの制御信号に含めてもよい。第1の指標は周波数リソースグループ#Aを識別し、第2の指標は周波数リソースグループ#Bを識別する。これらの指標(または他の制御信号を介して)は、周波数リソースグループ#AはUL送信に使用され、周波数リソースグループ#BはDL送信に使用されることを示していてもよい。
UEに送信される制御信号における無線ベアラ情報は、D2UE接続用にどのような種類の無線ベアラを設定する必要があるのか、またはどのような種類の優先順位が各無線ベアラのために指定されるのかを示していてもよい。無線ベアラ情報、周波数帯域指標、システム帯域幅、識別番号、最大送信電力、UL物理チャネル情報、DL物理チャネル情報、RLCまたはPDCP構成、MAC構成、セキュリティ情報などのステップA804cに関して検討された少なくとも1つのパラメータが、各キャリアを示していてもよい。さらに、これらのパラメータはDLとULとを分けて示すこともできる。
図14AのステップA805におけるデータ送信のために、D2UE接続用の無線リソース割り当てが行われる。たとえば、小ノードデバイスは、どの無線リソースをD2UE接続に割り当てらなければならないか決定し、無線リソース割り当てのための制御信号をユーザ端末に送信する。周波数無線リソースは小周波数リソースの指標を介して割り当てることができる。このような実施例では、小ノードデバイスは、ユーザ端末に、小周波数リソースの識別子を示す制御信号を送信する。これらの小周波数リソースはD2UE接続におけるデータ送信に使用される。上述するように、周波数リソースグループ#Aにおける小周波数リソースはULデータ送信に利用され、周波数リソースグループ#Bにおける小周波数リソースはDLデータ送信に利用される。さらに、単一のD2UE接続内で、ULデータ送信はDLデータ送信と同時に発生しない。
図25は、2つの周波数リソースグループ#Aおよび#Bを用いた無線リソース割り当て例を示している。この実施例では、DLおよびUL送信は2つのタイムスロットごとに交互に起きる。周波数グループ#A内の小周波数リソース(SFR)#A0および#A1はD2UEリンクにおけるDL送信に割り当てられる。周波数グループ#BにおけるSFR#B1はD2UEリンクにおけるUL送信に割り当てられる。
しかしながら、あるD2UE接続用のULデータ送信が、別のD2UE接続用のDLデータ送信と同時に起こり得ることに留意されたい。したがって、図25に示す無線リソース割り当て(単一のD2UE接続に適用される)を、図26に示す別のD2UE接続割り当てに関して補足することができる。この別のD2UE割り当てもまた、ULとDLとの間のタイムスロットが2つずつ交互に起きている。しかし、この第2のD2UEリンクでは、SFR#B0およびB1はリソースグループ#BからULに割り当てられている。同様に、この第2のD2UEリンクでは、周波数グループ#AのSFR#A3はDLに割り当てられている。第1のD2UEリンク用のDL送信は、第2のD2UEリンク用のUL送信と同一のタイムスロットで生じている。同様に、第1のD2UEリンクからのUL送信は、第2のD2UEリンクのDL送信と同一のタイムスロットで生じている。ULとDL周波数リソースグループとの間のガードバンドは、異なるD2UE接続で競合するような送信は互いに干渉を引き起こさないことを保障する。さらに、D2UEリンクではDLスロットとULスロットとの間で時間同期が必要とされない。
上記実施例では、半二重FDD無線リソース割り当てはUEのために行われるのに対し、全二重FDD無線リソース割り当ては小ノードデバイスのために行われる。図26に示すように、1つのタイムスロットにおいてD2UE接続のためのDLデータ送信と別のD2UE接続におけるULデータ送信に適応するために小ノードデバイスは全二重である。しかし、別の実施例では、小ノードデバイスがD2UEリンクのデュプレクサを必要としないように、半二重FDD無線リソース割り当てはUEと小ノードデバイスの両方のために行われる。
一実施例では、基地局は(小ノードデバイスまたは拡張ユーザ端末の代わりに)どの無線リソースをD2UE接続に割り当てるべきか決定してもよい。基地局は、無線リソースを割り当てるための制御信号をユーザ端末に送信する。このような実施例では、基地局は、同様に、無線リソースを割り当てるための制御信号を小ノードデバイスに送信する。無線リソースの割り当ては、すでに小ノードデバイスに関連して説明した内容と似ている。
図13を再度参照して、周波数リソースグループ#Aと周波数リソースグループ#Bとの同一性は、基地局内のD2UE通信制御部204で決定されてもよい。この情報は、ユーザ端末内のBS2UE通信部102(図12参照)に制御信号を用いて送信され、さらに小ノードデバイス内のBS2D通信部502に送信されてもよい。ユーザ端末内で、この情報はD2UE通信部104に転送されてもよい。同様に、小ノードデバイス内で、この情報はD2UE通信部504に転送されてもよい。
小ノードデバイスによってD2UE無線リソース割り当てがなされる実施例では、D2UE通信部504がユーザ端末に無線リソースを割り当てる制御信号を決定および送信する。無線リソースをこのように決定すると、小ノードデバイスのD2UE通信部504は、周波数リソースグループ#Aおよび周波数リソースグループ#Bで運ばれたデータに基づいて、これらのグループ内の無線リソースがULおよびDLのパスに割り当てられるべき制御信号に基づいて、ユーザ端末のD2UE通信部104と通信する。
図27(a)から図30を参照して、半二重FDD無線リソース割り当てのより多くの例を以下説明する。図28に示すように、基地局200は、ユーザ端末および拡張ユーザ端末/小ノードデバイスにRRCシグナリングを送信することによってD2UE接続に無線リソースを割り当てることができる。このシナリオでは、RRCシグナリングは、上述のようにD2UE内の周波数グループを割り当てる制御信号を含んでいてもよい。
あるいは、図29に示すように、基地局は、拡張ユーザ端末およびユーザ端末にD2D物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)信号を送信することによってD2UE接続710に無線リソースを割り当てることができる。D2D−PDCCH信号は所定の時間に応じて周期的に送信されてもよい。たとえば、図29Aに示すように、所定の時間は20ミリ秒であってもよい。別の実施例では、所定の時間は、たとえば40ミリ秒、80ミリ秒など20ミリ秒以外の値であってもよい。D2D−PDCCH信号は、図29Aに示すように、D2D−PDCCH信号の送信されるサブフレームに続くD2UEデータ送信区間の無線リソースを、ユーザ端末および拡張ユーザ端末に通知する。たとえば、D2D−PDCCH信号#0はD2UEデータ送信区間#0の無線リソースを割り当てる。D2D−PDCCH信号#1はD2UEデータ送信区間#1の無線リソースを割り当てる。
あるいは、図30に示すように、拡張ユーザ端末(小ノードデバイス)は、ユーザ端末に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)信号を送信することによってD2UE接続に無線リソースを割り当てることができる。この実施例では、PDCCHは従来のLTE接続と同様に1ミリ秒ごとに送信されてもよい。あるいは、拡張ユーザ端末は、他の無線リソース割り当て方法を利用してD2UE接続に無線リソースを割り当ててもよい。たとえば、拡張ユーザ端末は、次の送信周期のD2UEサブフレームのために割り当てられた無線リソースを示すために、定期的にPDCCHを送信することができる。さらに別の実施例では、拡張ユーザ端末は、搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式(CSMA/CD)を使って無線リソースを割り当てることができる。
一般的に、周波数リソースグループ#Aと周波数リソースグループ#Bとの間のガードバンドが大きい場合には、DLタイムスロットとULタイムスロットとの間の干渉は小さい。そのため、ガードバンドのサイズはD2UE接続における最大送信電力に基づいて調整してもよい。あるいは、D2UE接続における最大送信電力は、ガードバンドのサイズに基づいて設定してもよい。たとえば、ガードバンドのサイズがガードバンドのしきい値よりも大きい場合には、D2UE接続における最大送信電力を23dBmに設定してもよい。反対に、ガードバンドのサイズがガードバンドのしきい値よりも小さいか同じ値の場合には、D2UE接続における最大送信電力を10dBmに設定してもよい。上記の例における、23dBmまたは10dBmの送信電力は一例であり、他の値でも実施することができる。
上述したように、周波数グループの数は、2より大きくてもよい。たとえば、図27(a)および27(b)は4つの周波数グループに対するスペクトルを示す。ULは周波数グループ#Aおよび#Cで行われるのに対し、DLは周波数リソースグループ#Bおよび#Dで行われる。図27(a)は、これら4つの周波数リソースグループ内の小周波数グループを示している。一方、図27(b)は、各DLおよびUL周波数リソースグループの最大送信電力を示している。この例では、周波数リソースグループ#Cにおける最大送信電力は、周波数リソースグループ#Aに比べて低く設定されている。同様に、周波数リソースグループ#Bの最大送信電力は、周波数リソースグループ#Dに比べて低く設定されている。
このような最大電力割り当ては、周波数グループ#Aおよび#Dの両方が相対的にガードバンドから遠ざかり、干渉の可能性が大幅に減少するという点において利点がある。こうした干渉の確立を考えると、周波数グループ#Aおよび#Dは高い電力で動作してもよい。これらのグループを高いパスロスのD2UE接続に割り当ててもよい。一方、周波数グループ#Cおよび#Bは、ガードバンドに隣接している。これらのバンドは低電力で動作するため干渉の確立はより高い。これらの周波数グループを低いパスロスのD2UE接続に割り当ててもよい。その結果、周波数リソースグループ#Aおよび#Dを使用してDL送信とUL送信との間の干渉を緩和しながら、大きなカバレッジを達成できる。
上述の実施例では、第1の構造または第2の構造を適用したネットワークを想定している。しかしながら、上述した半二重FDD動作は、他のタイプのネットワークで実施してもよい。たとえば、上述した半二重FDD動作は3GPPキャリアアグリゲーションシステムにおけるセカンダリセルで実施してもよい。
上述した装置は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせにより実装してもよい。ソフトウェアモジュールはRAM、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスクやCD−ROMなどの任意の形式の記憶媒体内に配置することができる。
上述の実施例は開示を説明するが限定するものではない。多数の修正および変形が本開示の原理に従って可能であることが理解される。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。