JP6123644B2 - 引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法 - Google Patents

Description

本発明は引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法に関する。

特許文献１には、発明者らにより、鋳型を要しない画期的な連続鋳造方法として、自由鋳造方法が提案されている。特許文献１に示したように、溶融金属（溶湯）の表面（すなわち湯面）にスタータを浸漬させた後、当該スタータを引き上げると、溶湯の表面膜や表面張力によりスタータに追従して溶湯も導出される。ここで、湯面近傍に設置された形状規定部材を介して、溶湯を導出し、冷却することにより、所望の断面形状を有する鋳物を連続鋳造することができる。

通常の連続鋳造方法では、鋳型によって断面形状とともに長手方向の形状も規定される。とりわけ、連続鋳造方法では、鋳型内を凝固した金属（すなわち鋳物）が通り抜ける必要があるため、鋳造された鋳物は長手方向に直線状に延びた形状となる。
これに対し、自由鋳造方法における形状規定部材は、鋳物の断面形状のみを規定し、長手方向の形状は規定しない。そして、形状規定部材は、湯面に平行な方向（すなわち水平方向）に移動可能であるから、長手方向の形状が様々な鋳物が得られる。例えば、特許文献１には、長手方向に直線状でなく、ジグザグ状あるいは螺旋状に形成された中空鋳物（すなわちパイプ）が開示されている。

特開２０１２−６１５１８号公報

発明者は以下の課題を見出した。特許文献１に記載の自由鋳造方法では、鋳物を鋳造するたびにスタータを交換しなければならないため、鋳物の生産性を向上させることができないという問題があった。

本発明は、上記を鑑みなされたものであって、スタータを用いずに、溶湯を加圧して当該溶湯を形状規定部材に通すことにより、鋳物の生産性を向上させることが可能な引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法を提供することを目的とする。

本発明の一態様に係る引上式連続鋳造装置は、溶湯を保持する保持炉と、前記溶湯の湯面近傍に設置され、前記溶湯が通過することにより、鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材と、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記形状規定部材に通す加圧装置と、を備えるものである。それにより、スタータを用いずに鋳物を鋳造することができるため、鋳物の生産性を向上させることができる。

前記加圧装置は、前記形状規定部材を前記保持炉に保持された前記溶湯内に移動させることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することが好ましい。

前記加圧装置は、前記保持炉に保持された前記溶湯を密閉する密閉容器と、前記密閉容器内に流体を流し込むことにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧する加圧する加圧部と、を有することが好ましい。

前記加圧装置は、前記形状規定部材から前記保持炉に保持された前記溶湯の前記湯面に延びるストークをさらに有し、前記加圧装置は、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記ストークを介して前記形状規定部材に通すことが好ましい。

前記形状規定部材を通過した前記溶湯が凝固して形成された前記鋳物、を把持して引き上げることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を前記形状規定部材を通して導出する導出部をさらに備えることが好ましい。

本発明の一態様に係る引上式連続鋳造方法は、保持炉に保持された溶湯の湯面近傍に、前記溶湯が通過することにより鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材、を設置するステップと、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記形状規定部材に通すステップと、を備えるものである。それにより、スタータを用いずに鋳物を鋳造することができるため、鋳物の生産性を向上させることができる。

前記形状規定部材を前記保持炉に保持された前記溶湯内に移動させることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することが好ましい。

前記保持炉に保持された前記溶湯を密閉する密閉容器をさらに設け、前記密閉容器内に流体を流し込むことにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することが好ましい。

前記形状規定部材から前記保持炉に保持された前記溶湯の前記湯面に延びるストークをさらに設け、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記ストークを介して前記形状規定部材に通すことが好ましい。

前記形状規定部材を通過した前記溶湯が凝固して形成された前記鋳物、を把持して引き上げることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を前記形状規定部材を通して導出するステップをさらに備えることが好ましい。

本発明により、スタータを用いずに、溶湯を加圧して当該溶湯を形状規定部材に通すことにより、鋳物の生産性を向上させることが可能な引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法を提供することができる。

実施の形態１に係る自由鋳造装置の構成例を示す断面図である。 図１に示す自由鋳造装置に設けられた形状規定部材１０２の平面図である。 実施の形態１に係る自由鋳造装置の動作を説明するための図である。 実施の形態１に係る自由鋳造装置の動作を説明するための図である。 実施の形態１に係る自由鋳造装置の動作を説明するための図である。 実施の形態１に係る自由鋳造装置の動作を説明するための図である。 実施の形態１に係る自由鋳造装置の動作を説明するための図である。 実施の形態２に係る自由鋳造装置の構成例を示す断面図である。 実施の形態３に係る自由鋳造装置の構成例を示す断面図である。 本発明に係る自由鋳造装置のその他の構成例を示す断面図である。 図６に示す自由鋳造装置に設けられた形状規定部材１０２の平面図である。

以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。

＜実施の形態１＞
まず、図１を参照して、実施の形態１に係る自由鋳造装置（引上式連続鋳造装置）について説明する。図１は、実施の形態１に係る自由鋳造装置の構成例を示す断面図である。図１に示すように、実施の形態１に係る自由鋳造装置は、溶湯保持炉（保持炉）１０１、外部形状規定部材１０２ａ、支持ロッド１０３、アクチュエータ１０４、冷却ノズル（冷却部）１０５、及び、導出部１０６を備えている。

溶湯保持炉１０１は、例えばアルミニウムやその合金などの溶湯Ｍ１を収容し、所定の温度に保持する。図１の例では、鋳造中に溶湯保持炉１０１へ溶湯Ｍ１を補充しないため、鋳造の進行とともに溶湯Ｍ１の表面（つまり湯面）は低下する。他方、鋳造中に溶湯保持炉１０１へ溶湯を随時補充し、湯面を一定に保持するような構成としてもよい。なお、当然のことながら、溶湯Ｍ１はアルミニウム以外の他の金属や合金であってもよい。

外部形状規定部材１０２ａは、例えばセラミックスやステンレスなどからなり、湯面近傍に配置されている。図１の例では、外部形状規定部材１０２ａが湯面より低い位置に配置されている。また、図１の例では、外部形状規定部材１０２ａの外縁から上側の主面に溶湯Ｍ１が流れ込まないように、外部形状規定部材１０２ａの外縁から鉛直上向きに延びる側壁Ｗが当該外部形状規定部材１０２ａと一体に形成されている。

外部形状規定部材１０２ａは、鋳造する鋳物Ｍ３の外部形状を規定する。図１に示した鋳物Ｍ３は、水平方向の断面（以下、横断面と称す）の形状が円形状の円柱鋳物である。即ち、より具体的には、外部形状規定部材１０２ａは、鋳物Ｍ３の横断面の外径を規定する。

図２は、外部形状規定部材１０２ａの平面図である。ここで、図１の外部形状規定部材１０２ａの断面図は、図２のＩ−Ｉ断面図に相当する。図２に示すように、外部形状規定部材１０２ａは、例えば矩形状の平面形状を有し、中央部に円形状の開口部を有している。この開口部が、溶湯が通過する溶湯通過部１０２ｂとなる。このように、外部形状規定部材１０２ａ及び溶湯通過部１０２ｂによって形状規定部材１０２が構成されている。

支持ロッド１０３は、外部形状規定部材１０２ａを支持する。なお、支持ロッド１０３は、アクチュエータ１０４に連結されている。

アクチュエータ１０４は、支持ロッド１０３を介して、外部形状規定部材１０２ａを上下方向（鉛直方向）及び水平方向に移動させる機能を有する。それにより、鋳造の進行による湯面の低下とともに、外部形状規定部材１０２ａを下方向に移動させることができる。また、外部形状規定部材１０２ａを水平方向に移動させることができるため、鋳物Ｍ３の長手方向の形状を自由に変化させることができる。

さらに、図１の例では、アクチュエータ１０４は、溶湯Ｍ１を加圧する加圧装置としての機能も有する。具体的には、アクチュエータ１０４は、外部形状規定部材１０２ａを溶湯Ｍ１内（下方向）に移動させることにより、溶湯Ｍ１を加圧している。そして、外部形状規定部材１０２ａが溶湯Ｍ１の湯面より低い位置まで移動すると、溶湯Ｍ１が溶湯通過部１０２ｂを介して湯面から押し上げられる（溶湯Ｍ１が溶湯通過部１０２ｂを通過する）。なお、溶湯Ｍ１を加圧することで湯面から押し上げられた（又は、その後に導出部１０６により引き上げられた）凝固前の溶湯Ｍ１を保持溶湯Ｍ２と呼ぶ。また、保持溶湯Ｍ２と、保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３と、の界面を凝固界面と呼ぶ。

冷却ノズル１０５は、溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２や、保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３に、冷却ガス（空気、窒素、アルゴンなど）を吹き付け、冷却するためのものである。溶湯Ｍ１を加圧することで溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２は、冷却ガスで冷却されることにより凝固し、鋳物Ｍ３を形成する。

導出部１０６は、把持部１０６１、連結部材１０６２、及び、引上機１０６３を有する。把持部１０６１は、溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３、を把持する。連結部材１０６２は、把持部１０６１と引上機１０６３とを連結する。引上機１０６３は、把持部１０６１を上下方向（鉛直方向）に駆動する。

導出部１０６が、保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３、を引き上げると、それに追従して、溶湯Ｍ１も引き上げられ、保持溶湯Ｍ２として溶湯通過部１０２ｂを通過する。

このように、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、溶湯Ｍ１を加圧することで保持溶湯Ｍ２を溶湯通過部１０２ｂに通している。そして、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３、を把持して引き上げることにより、それに追従する溶湯Ｍ１を湯面から引き上げている。つまり、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３をスタータの代わりとして用いている。それにより、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、鋳物を鋳造するたびにスタータを交換する必要が無くなるため、スタータの交換に要する時間を削減することができるとともに、コストを低減することができる。つまり、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、鋳物の生産性を向上させることができる。

次に、図１、図２、及び、図３Ａ〜図３Ｅを参照して、本実施の形態にかかる自由鋳造方法について説明する。図３Ａ〜図３Ｅは、実施の形態１に係る自由鋳造装置の動作を説明するための図である。

まず、溶湯保持炉１０１内に保持された溶湯Ｍ１の湯面近傍に外部形状規定部材１０２ａを設置する（図３Ａ）。

次に、外部形状規定部材１０２ａを溶湯Ｍ１内に移動させることにより、溶湯Ｍ１を加圧する（図３Ｂ）。外部形状規定部材１０２ａが溶湯Ｍ１の湯面より低い位置まで移動すると、溶湯Ｍ１は保持溶湯Ｍ２として溶湯通過部１０２ｂを通過する。

次に、溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２を、冷却ノズル１０５から吹き出された冷却ガスにより冷却する。それにより、保持溶湯Ｍ２は凝固して鋳物Ｍ３を形成する（図３Ｃ）。

外部形状規定部材１０２ａをさらに溶湯Ｍ１内に移動させて、溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２を冷却することにより、鋳物Ｍ３が成長していく（図３Ｄ）。そして、鋳物Ｍ３が把持部１０６１で把持できる程度にまで成長すると、外部形状規定部材１０２ａの溶湯Ｍ１内への移動（即ち、溶湯Ｍ１への加圧）を停止する。その後、外部形状規定部材１０２ａは、溶湯Ｍ１内に固定されたままでも良いし、溶湯Ｍ１の湯面近傍に移動してもよい。ただし、外部形状規定部材１０２ａが溶湯Ｍ１内に固定された場合、溶湯Ｍ１が常に加圧された状態となるため、溶湯Ｍ１の導出性は向上する。

次に、導出部１０６にて鋳物Ｍ３を引き上げる（図３Ｅ）。ここで、鋳物Ｍ３が湯面から離間しても、溶湯Ｍ１は、表面膜や表面張力によって鋳物Ｍ３に追従して湯面から引き上げられ保持溶湯Ｍ２を形成する。図１に示すように、保持溶湯Ｍ２は、溶湯通過部１０２ｂに形成される。換言すると、外部形状規定部材１０２ａにより、保持溶湯Ｍ２に形状が付与される。

導出部１０６によって引き上げられた保持溶湯Ｍ２は、冷却ノズル１０５から吹き出される冷却ガスにより冷却される。それにより、導出部１０６によって引き上げられた保持溶湯Ｍ２は上側から下側に向かって順に凝固し、鋳物Ｍ３が成長していく。このようにして、鋳物Ｍ３を連続鋳造することができる。

このように、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、溶湯Ｍ１を加圧することで保持溶湯Ｍ２を溶湯通過部１０２ｂに通している。そして、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、溶湯通過部１０２ｂを通過した保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３、を把持して引き上げることにより、それに追従する溶湯Ｍ１を湯面から引き上げている。つまり、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、保持溶湯Ｍ２が凝固して形成された鋳物Ｍ３をスタータの代わりとして用いている。それにより、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、鋳物を鋳造するたびにスタータを交換する必要が無くなるため、スタータの交換に要する時間を削減することができるとともに、コストを低減することができる。つまり、本実施の形態に係る自由鋳造装置は、鋳物の生産性を向上させることができる。

＜実施の形態２＞
図４は、実施の形態２に係る自由鋳造装置の構成例を示す断面図である。図４に示す自由鋳造装置は、図１に示す自由鋳造装置と比較して、異なる構成の加圧装置を備える。

具体的には、図４に示す自由鋳造装置は、図１に示す自由鋳造装置と比較して、溶湯Ｍ１を密閉するための蓋１０７と、密閉された領域内に流体を流し込む流体供給部（加圧部）１０８と、をさらに備える。また、図４の例では、外部形状規定部材１０２ａの内縁（即ち、溶湯通過部１０２ｂ）から溶湯Ｍ１の湯面まで延びる筒状のストークＳが設けられている。なお、図４の例では、外部形状規定部材１０２ａの外縁から上側の主面に溶湯Ｍ１が流れ込まないため、外部形状規定部材１０２ａの外縁から鉛直上向きに延びる側壁Ｗは設けられていなくてもよい。図４に示す自由鋳造装置のその他の構成については、図１に示す自由鋳造装置の場合と同様であるため、その説明を省略する。

蓋１０７は、溶湯保持炉１０１の開口部分を塞ぐ。つまり、溶湯保持炉１０１と蓋１０７とにより溶湯Ｍ１を密閉する密閉容器が構成されている。ただし、蓋１０７には、ストークＳを通すことができる程度の開口部が設けられている。ストークＳは、外部形状規定部材１０２ａの内縁（即ち、溶湯通過部１０２ｂ）から蓋１０７の開口部を介して溶湯Ｍ１の湯面にかけて延在して設けられている。

流体供給部１０８は、空気等の流体を密閉容器内に流体（空気等）を流し込むことにより、溶湯Ｍ１を加圧する。それにより、溶湯Ｍ１がストークＳを介して溶湯通過部１０２ｂを通過する。それにより、図４に示す自由鋳造装置は、図１に示す自由鋳造装置と同等の効果を奏することができる。

＜実施の形態３＞
図５は、実施の形態３に係る自由鋳造装置の構成例を示す断面図である。図５に示す自由鋳造装置は、図１に示す自由鋳造装置と比較して、異なる構成の加圧装置を備える。

具体的には、図５に示す自由鋳造装置は、図１に示す自由鋳造装置と比較して、物体１０９と、物体１０９を上下方向（鉛直方向）に駆動する駆動部１１０と、をさらに備える。図５に示す自由鋳造装置のその他の構成については、図１に示す自由鋳造装置の場合と同様であるため、その説明を省略する。

物体１０９は、溶湯Ｍ１の融点よりも高い融点の材料により形成された固体である。駆動部１１０は、物体１０９を溶湯Ｍ１外から溶湯Ｍ１内に移動させることにより、溶湯Ｍ１を加圧する。それにより、図５に示す自由鋳造装置は、図１に示す自由鋳造装置の場合と同等の効果を奏することができる。

以上のように、上記実施の形態１〜３に係る自由鋳造装置は、スタータを用いずに、溶湯Ｍ１を加圧して当該溶湯Ｍ１を形状規定部材１０２に通している。それにより、上記実施の形態１〜３に係る自由鋳造装置は、鋳物を鋳造するたびにスタータを交換する必要が無くなるため、スタータの交換に要する時間を削減することができるとともに、コストを低減することができる。つまり、上記実施の形態１〜３に係る自由鋳造装置は、鋳物の生産性を向上させることができる。

上記実施の形態では、円柱形状の鋳物（円柱鋳物）を鋳造する場合を例に説明したがこれに限られない。円筒形状、角柱形状、角筒形状等のその他の形状の鋳物を鋳造する場合にも、本発明を適用可能である。以下、図６及び図７を参照して、円筒形状の鋳物を鋳造する場合について簡単に説明する。

図６は、本発明に係る自由鋳造装置のその他の構成例を示す断面図である。図６に示す自由鋳造装置は、外部形状規定部材１０２ａに加えて内部形状規定部材１０２ｃをさらに備える。

内部形状規定部材１０２ｃは、鋳造する鋳物Ｍ３の内部形状を規定し、外部形状規定部材１０２ａは、鋳造する鋳物Ｍ３の外部形状を規定する。図６に示した鋳物Ｍ３は、水平方向の断面（以下、横断面と称す）の形状が管状の中空鋳物（つまりパイプ）である。即ち、より具体的には、内部形状規定部材１０２ｃは、鋳物Ｍ３の横断面の内径を規定し、外部形状規定部材１０２ａは、鋳物Ｍ３の横断面の外径を規定する。

内部形状規定部材１０２ｃは、支持ロッド１１１によって支持されている。支持ロッド１１１は、アクチュエータ１０４に連結されている。アクチュエータ１０４は、支持ロッド１０３，１１１を介して、外部形状規定部材１０２ａ及び内部形状規定部材１０２ｃを上下方向（鉛直方向）及び水平方向に移動させる機能を有する。

図７は、内部形状規定部材１０２ｃ及び外部形状規定部材１０２ａの平面図である。ここで、図６の内部形状規定部材１０２ｃ及び外部形状規定部材１０２ａの断面図は、図７のII−II断面図に相当する。図７に示すように、外部形状規定部材１０２ａは、例えば矩形状の平面形状を有し、中央部に円形状の開口部を有している。内部形状規定部材１０２ｃは、円形状の平面形状を有し、外部形状規定部材１０２ａの開口部の中央部に配置されている。内部形状規定部材１０２ｃと外部形状規定部材１０２ａとの間の間隙が、溶湯が通過する溶湯通過部１０２ｂとなる。このように、内部形状規定部材１０２ｃ、外部形状規定部材１０２ａ、溶湯通過部１０２ｂによって形状規定部材１０２が構成されている。このような構成により、円筒形状の鋳物が鋳造される。

なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記した構成例は組み合わせて用いられても良い。

１０１ 溶湯保持炉
１０２ 形状規定部材
１０２ａ 外部形状規定部材
１０２ｂ 溶湯通過部
１０２ｃ 内部形状規定部材
１０３ 支持ロッド
１０４ アクチュエータ
１０５ 冷却ノズル
１０６ 導出部
１０６１ 把持部
１０６２ 連結部材
１０６３ 引上機
１０７ 蓋
１０８ 流体供給部
１０９ 物体
１１０ 駆動部
１１１ 支持ロッド
Ｍ１ 溶湯
Ｍ２ 保持溶湯
Ｍ３ 鋳物
Ｗ 側壁
Ｓ ストーク

Claims (10)

1. 溶湯を保持する保持炉と、
   前記溶湯の湯面近傍に設置され、前記溶湯が通過することにより、鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材と、
   前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記形状規定部材に通す加圧装置と、を備え、
   前記形状規定部材は、水平方向に移動可能に構成されている、引上式連続鋳造装置。
2. 前記加圧装置は、前記形状規定部材を前記保持炉に保持された前記溶湯内に移動させることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧する、請求項１に記載の引上式連続鋳造装置。
3. 前記加圧装置は、
   前記保持炉に保持された前記溶湯を密閉する密閉容器と、
   前記密閉容器内に流体を流し込むことにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧する加圧する加圧部と、を有する、請求項１に記載の引上式連続鋳造装置。
4. 前記加圧装置は、
   前記形状規定部材から前記保持炉に保持された前記溶湯の前記湯面に延びるストークをさらに有し、
   前記加圧装置は、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記ストークを介して前記形状規定部材に通す、請求項３に記載の引上式連続鋳造装置。
5. 前記形状規定部材を通過した前記溶湯が凝固して形成された前記鋳物、を把持して引き上げることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を前記形状規定部材を通して導出する導出部をさらに備えた、請求項１〜４の何れか一項に記載の引上式連続鋳造装置。
6. 保持炉に保持された溶湯の湯面近傍に、前記溶湯が通過することにより鋳造する鋳物の断面形状を規定する形状規定部材を、水平方向に移動可能に設置するステップと、
   前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記形状規定部材に通すステップと、を備えた引上式連続鋳造方法。
7. 前記形状規定部材を前記保持炉に保持された前記溶湯内に移動させることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧する、請求項６に記載の引上式連続鋳造方法。
8. 前記保持炉に保持された前記溶湯を密閉する密閉容器をさらに設け、
   前記密閉容器内に流体を流し込むことにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧する、請求項６に記載の引上式連続鋳造方法。
9. 前記形状規定部材から前記保持炉に保持された前記溶湯の前記湯面に延びるストークをさらに設け、
   前記保持炉に保持された前記溶湯を加圧することにより、前記溶湯を前記ストークを介して前記形状規定部材に通す、請求項８に記載の引上式連続鋳造方法。
10. 前記形状規定部材を通過した前記溶湯が凝固して形成された前記鋳物、を把持して引き上げることにより、前記保持炉に保持された前記溶湯を前記形状規定部材を通して導出するステップをさらに備えた、請求項６〜９の何れか一項に記載の引上式連続鋳造方法。

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