JP6116927B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents
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Description
一般に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成される水性塗料である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でもスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されており、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの性能が紙塗工用組成物の性能や塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている。
しかし、これらの様々な改良技術は、未だ塗工紙の印刷時の表面強度(ドライ強度)、および、印刷時の湿潤時表面強度(ウエット強度)と共重合体ラテックスの耐ベタツキ性に関して要求される性能を十分に満足するレベルには至っておらず、更なる改良が強く求められていた。
条件(1):上記開始点から30〜80の時間内に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を添加しない時間が存在する。
条件(2):上記(イ)を添加しない時間の幅が、0.7〜35である
脂肪族共役ジエン系単量体(イ)としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
条件(1):上記開始点から30〜80の時間内に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を添加しない時間が存在する。
条件(2):上記(イ)を添加しない時間の幅が、0.7〜35である
脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を連続添加しない時間帯が、30以上80以下の範囲外であると、塗工紙にした際の湿潤時表面強度(ウエット強度)の改善効果が非常に小さくなる。より好ましくは35〜75である。
また、単量体(イ)を添加しない時間の幅が、0.7未満、もしくは35を超えると、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性と塗工紙にした際の印刷時のドライ強度のバランスに改善効果が非常に小さくなる。好ましくは1〜30、より好ましくは2〜25である。
バッキングロール等へのラテックスの付着しやすさの目安として、ラテックスフィルムのベタツキ性(粘着性)について試験を行った。ポリエステルフィルムに各共重合体ラテックスを塗布量12g/m2で塗工し、120℃オーブン中で1分間乾燥後、1cm幅の短冊状に切る。黒色台紙上に合成した全ての共重合体の短冊を並べて貼り付ける。
その上に、濾紙を重ねてRI印刷機を用いロ−ル間を通し圧着する。その後、濾紙を剥がした後の、上記フィルム表面上への濾紙の繊維の付着状態を目視で判断し、各ラテックスフィルムのベタツキ性を比較した。繊維の付着の少ないものをベタツキ性に優れる、繊維の付着が多いものをベタツキ性が劣るとし、下記のとおり相対的に評価した。
(優)◎ > ○ > △ > × > ××(劣)
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。
RI印刷機に湿し水供給ロール(モルトンロール)と、印刷用インキロールをセットする。各塗工紙試料は同時にモルトンロールを通過し、その後にインキロールを通過する。塗工紙試料の上には湿し水が付与され塗工層が湿潤された状態でインキロールにて印刷されるが、その際に発生したピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。
耐圧製の重合反応器に、重合水160部、過硫酸カリウム1.0部を仕込み、十分攪拌した後、表1の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃に加温した。1段目の重合転化率が40%を超えた時点を開始点とし、2段目に示す単量体の添加を開始した。2段目のブタジエンは、上記開始点から48の時点まで、ブタジエン以外の単量体は上記開始点から52の時点まで各々連続添加した。続いて3段目に示す単量体を52の時点から添加を開始した。3段目の単量体の添加が終わった後も、更に反応を継続し重合転化率98%を超えた時点で重合を終了した。上記開始点から3段目の単量体の連続添加を終了した時点までの時間は、表1に示した通りとした。得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックス(1)を得た。
共重合体ラテックス(6、9、15)の合成
表1〜表4に記載の条件に変更した以外は、共重合体ラテックス(1)と同様に、共重合体ラテックス(6、9、15)を得た。
共重合体ラテックス(2〜4、7、8、10、16)の合成
3段目の単量体を添加後、表1〜表4の4段目に示す単量体を連続添加した以外は共重合体ラテックス(1)と同様にして、共重合体ラテックス(2〜4、7、8、10、16)を得た。
共重合体ラテックス(5、11、14)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水100部、過硫酸カリウム1.0部を仕込み、十分攪拌した後、表2〜表4の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて65℃に加温した。1段目の重合転化率が70%を超えた時点を0(開始点)とし、2段目の単量体および他の化合物の連続添加を開始した。2段目に示すブタジエンを表2〜表4に示す時間帯に添加を行わないとした他は、共重合体ラテックス(1)と同様にして共重合体ラテックス(5、11、14)を得た。
共重合体ラテックス(12)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水150部、過硫酸カリウム1.2部を仕込み、十分攪拌した後、表3の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、1段目の重合転化率が90%になった時点を開始点とし、2段目に示す単量体の連続添加を開始した。2段目のブタジエンは開始点から83.5の時点まで、ブタジエン以外の単量体は94.5の時点まで、各々連続添加した。3段目の単量体の添加が終了した後、更に反応を継続し重合転化率95%を超えた時点で重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを、水酸化カリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックス(12)を得た。
共重合体ラテックス(13)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水200部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部を仕込み、十分攪拌した後、表4の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて45℃にて重合を開始し、1段目の重合転化率が70%を超えた時点から、2段目に示す単量体及び他の化合物を720分かけて連続添加した。その後も反応を継続し、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックス(13)を得た。
下記に示した配合処方に従い共重合体ラテックス1〜16を用い、NaOHでpH9.5に調整し、紙塗工用組成物を作製した。
(紙塗工用組成物の配合処方)
カオリン 30部
重質炭酸カルシウム 70部
変性デンプン 2部
共重合体ラテックス 7部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
固形分濃度 66%
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗布量が10g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1〜表4に示した。
比較例10〜12はいずれも、単量体(イ)を添加しない時間帯が、本願規定範囲である30〜80を外れており、得られた塗工紙の湿潤時表面強度(ウエット強度)が劣る。
比較例13は、単量体(イ)を添加しない時間帯が存在せず、総合的に物性が大きく劣る。
比較例14では、(イ)の使用量が本願規定範囲の下限未満であり、塗工紙の表面強度(ドライ強度)が大きく劣る。
比較例15では、(イ)の使用量が本願規定範囲の上限を超えており、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性が大きく劣る。
Claims (2)
- 脂肪族共役ジエン系単量体(イ)20〜65重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%(ロ)およびこれらと共重合可能な他の単量体25〜79.5重量%(単量体合計100重量%)を重合して得られる共重合体ラテックスにおいて、全単量体の一部または全量を連続添加して重合を行うに際し、単量体の連続添加を始めた時間を0(すなわち開始点)とし、全単量体の添加が終了した時間を100としたとき、開始点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全使用量の70重量%以上を、反応系内に含有し、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)の添加方法が下記条件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法。
条件(1):上記開始点から30〜80の時間内に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を添加しない時間が存在する。
条件(2):上記(イ)を添加しない時間の幅が、0.7〜35である。 - 上記開始点から85の時点から100までの間に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)の添加を行わない事を特徴とする請求項1に記載の共重合体ラテックスの製造方法。
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