JP5602466B2 - 紙塗工用組成物及び塗工紙 - Google Patents
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一般に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成される水性塗料である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でもスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されており、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの性能が紙塗工用組成物の性能や塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている。
また、紙塗工用組成物中の炭酸カルシウム配合比率が増すと、組成物の安定性が損なわれ凝集物が発生したり、組成物の保水性が劣ることなどによる操業汚れが懸念される。そのため、組成物の機械的安定性の改良や、汚れが付着しても簡単に洗い流す事のできる組成物の再分散性の向上、組成物の保水性の向上などが塗工操業性において重要な課題となっている。
また、特開平2009−68129号公報(特許文献2)には、炭酸カルシウムを90重量%以上含有する紙塗工用組成物において、組成と粒子径を規定した共重合体ラテックスを使用することで、高炭酸カルシウム処方であるにもかかわらず、保水性に優れ、白紙光沢が改良されるとの技術開示がある。
さらに、特開平2009−68130号公報(特許文献3)には、炭酸カルシウムを90重量%以上含有する紙塗工用組成物において、表面酸密度を規定した共重合体ラテックスを使用することで、ドライピック強度をはじめとする印刷適性に優れる塗工紙が得られるとの技術開示がある。
しかし、これらの様々な改良技術は、未だ炭酸カルシウムの配合比率を増やした紙塗工用組成物に要求される性能を十分に満足するレベルには至っておらず、特にラテックスについて更なる改良が強く求められていた。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
また、エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、全使用量の60重量%以上を1段目の重合工程で添加し、最終段階には添加されないことが、塗工紙の印刷時強度の発現性が良い傾向があることから好ましい。
炭酸カルシウムの含有量が40重量%以下の場合は、紙塗工用組成物の粘度安定性、流動性、塗工紙のドライピック強度が低下する。
また、紙塗工用組成物中の共重合体ラテックスの含有量は顔料100重量部(固形分)に対して1〜30重量部(固形分)を使用することが好ましい。さらに好ましくは1〜20重量部(固形分)である。共重合体ラテックスの含有量が1重量部以下では顔料を充分に接着できず好ましくなく、30重量部を超えると白紙光沢が低下して好ましくない。
なお、pHを調整するためのアルカリ水溶液は特に制限はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアの水溶液などが挙げられる。
温度40℃、湿度85%の雰囲気にてラテックスフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを約1g秤量しXgとする。これを400mlのトルエンに入れ48時間膨潤溶解させる。その後、これを秤量済みの300メッシュの金網で濾過し、その後トルエンを蒸発乾燥させ、その乾燥後重量からメッシュ重量を減じて、試料の乾燥後重量を秤量しYgとする。
ゲル含量(%)=Y/X*100
上記にて得られた紙塗工用組成物の作製直後の粘度と室温放置1日後の粘度を測定し、下記のとおり評価した。
R = |作製直後粘度−室温放置1日後粘度|/作製直後粘度
◎:0≦R≦2 :経時安定性が非常に良好
○:2≦R≦4 :経時安定性が良好
△:4<R≦8 :経時安定性が悪い
×:8<R :経時安定性が非常に悪い
二重円筒型のハーキュレスハイシェアー粘度計(熊谷理機工業社製)を使用した。内筒ボブFを用いて、高せん断速度を与える6000rpmにおける各紙塗工用組成物の見掛け粘度(mPa・s)を測定した。数値の低い方が見掛け粘度は低く、流動性が良い。各実験における実施例及び比較例の紙塗工用組成物の見掛け粘度の測定値において、最も低いものを流動性が良好として◎、最も高いものを流動性が劣るとして×とし、下記のように4段階にて評価した。ただし、◎と○のようにワンランクの幅は最低2mPa・s以上とした。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
RI印刷機で各実験における塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。
耐圧製の重合反応器に、重合水150部、過硫酸カリウム1部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃に昇温して重合を開始し、最終重合転化率が97%を越えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを用いてpHを7に調製し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスAとIを得た。
耐圧製の重合反応器に、重合水150部、過硫酸カリウム1部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃に昇温して重合を開始し、2段目の重合については、1段目の重合転化率が50%を越えた時点で2段目の各単量体および他の化合物を加えて重合し、最終重合転化率が95%を越えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを用いてpHを7に調製し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスB、C、J、Kを得た。
耐圧製の重合反応器に、重合水150部、過硫酸カリウム1部を仕込み、十分攪拌した後、表1〜3の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃に昇温して重合を開始した。2段目の重合については、1段目の重合転化率が50%を越えた時点で2段目の各単量体および他の化合物を加えて重合し、3段目の重合については、2段目までの重合転化率が80%を越えた時点で3段目の各単量体および他の化合物を加えて重合し、最終重合転化率が95%を越えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを用いてpHを7に調製し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスD〜H、L〜Rを得た。
実験1
表4に示した配合処方に従って、共重合体ラテックスとしてAを用い、紙塗工用組成物1〜4を作成した。pHの調整は水酸化ナトリウムを用いた。得られた紙塗工用組成物の物性を表5に示した。
実験2
表4の配合処方1において、共重合体ラテックスはBを用い、水酸化ナトリウムによってpHを調整し、紙塗工用組成物5〜12を作成した。得られた紙塗工用組成物の物性を表6に示した。
実験3
表3の配合処方2において、共重合体ラテックスA〜Rを用い、水酸化ナトリウムでpHが10〜10.5になるように調整し、紙塗工用組成物13〜30を作成した。得られた紙塗工用組成物の物性を表7及び8に示した。
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記の紙塗工用組成物1〜30を片面あたりの塗被量が12±0.5g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表5〜8に示した。
Claims (3)
- 全顔料100重量%中に炭酸カルシウムを40重量%を超えて含有する紙塗工用組成物であって、脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量%、シアン化ビニル単量体1〜50重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜78.9重量%(単量体合計100重量%)を乳化重合して得られ、かつ、異なる単量体組成からなる少なくとも3段の重合工程を有し、1段目に脂肪族共役ジエン系単量体1.5〜24重量%、シアン化ビニル単量体5.1〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体4.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜23.3重量%からなる単量体合計13〜34重量%を重合し、2段目以降に脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、シアン化ビニル単量体5〜30重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜13重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜72重量%からなる単量体合計66〜87重量%を重合して得られる非アルカリ感応型の共重合体ラテックスを含有し、かつ該組成物のpHが9.6以上であることを特徴とする紙塗工用組成物。
- エチレン系不飽和カルボン酸単量体全使用量の60重量%以上が1段目の重合工程で添加され、最終段の重合工程では添加されないことを特徴とする請求項1に記載の共重合体ラテックス。
- 請求項1又は2に記載の紙塗工用組成物を塗工して得られる塗工紙。
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