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JP6002032B2 - タイヤ - Google Patents

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JP6002032B2
JP6002032B2 JP2012287054A JP2012287054A JP6002032B2 JP 6002032 B2 JP6002032 B2 JP 6002032B2 JP 2012287054 A JP2012287054 A JP 2012287054A JP 2012287054 A JP2012287054 A JP 2012287054A JP 6002032 B2 JP6002032 B2 JP 6002032B2
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    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
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Description

本発明は、路面に接地する接地面を有するトレッド部を有するとともに、前記トレッド部が、トレッド幅方向に沿って延びる横溝と、横溝によって形成される幅方向陸部とを備えるタイヤに関する。
従来、雪上路面における制動性能及び加速性能などの雪上性能を確保するため、タイヤのトレッド部に形成される陸部にサイプや切り込み(以下、両者を含めてサイプとして示す)を形成する技術が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−234307号公報(第1図など)
しかしながら、雪上性能を確保するために陸部に形成されるサイプを単純に増加させると、陸部の剛性が低下してしまい、その結果、陸部の倒れ込みに起因する接地面積の低下を引き起こし、ウェット路面における駆動性能及び加速性能が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、雪上性能とウェット性能とを高い次元で両立し得るタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の特徴は、路面に接地する接地面を有するトレッド部(トレッド部2)において、トレッド幅方向に延びる横溝(横溝10)と、前記横溝がタイヤ周方向に間隔を設けて複数形成されることによって区画される幅方向陸部(幅方向陸部20)とを備えるタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、前記横溝のトレッド幅方向外側の外溝端部(外溝端部10out)は、前記接地面のトレッド幅方向外側における接地端部(接地端部TE)に至るように配置されており、前記横溝のトレッド幅方向内側の内溝端部(内溝端部10in)は、前記タイヤ赤道面から前記接地端部までを接地半幅(接地半幅Wh)とした場合に、前記タイヤ赤道面から前記接地半幅の15%以内の範囲内に配置されており、前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向細溝(周方向細溝30)が形成されており、前記幅方向陸部には、前記横溝の延びる方向に対して交差する方向に延びる複数のサイプ(サイプ50)が形成されており、前記トレッド部は、前記タイヤ赤道面から前記接地端部までの領域を等分割することによって定められる領域の内、前記タイヤ赤道面に最も近い中央領域(中央領域Cn)と、前記中央領域よりもトレッド幅方向外側に位置する外側領域(外側領域Sh)とを有し、前記複数の周方向細溝は、前記中央領域に配置されており、前記外側領域における前記横溝の溝面積(溝面積DSout)は、前記中央領域における前記横溝の溝面積よりも大きいことを要旨とする。
かかるタイヤでは、中央領域において、複数の周方向細溝が形成され、外側領域における横溝の溝面積は、中央領域における横溝の溝面積よりも大きい。すなわち、タイヤは、中央領域では周方向細溝を形成することによって、トレッド幅方向(横方向)のエッジ成分を増加させ、雪上路面における横方向のグリップを増加させるとともに、トレッド幅方向内側ほど横溝の溝面積を小さくすることによって、幅方向陸部の剛性の低下に起因する接地面積の低下を抑制し、ウェット性能の低下を抑制できる。また、幅方向陸部には、サイプが形成されているため、サイプが形成されていない場合に比べて、エッジ効果を高めて、雪上性能を向上できる。
また、外側領域における横溝の溝面積は、中央領域における横溝の溝面積よりも大きいため、外側領域において、横溝に雪を多く取り込むことで、外側領域における雪柱せん断力を高めて雪上性能を向上させることができる。
このように、かかるタイヤによれば、雪上性能とウェット性能とを高い次元で両立することが可能になる。
本発明の特徴によれば、雪上性能とウェット性能とを高い次元で両立し得るタイヤを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の一部展開図である。 図2は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の一部拡大図である。 図3は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1が雪上路面を走行する際の概念図である。 図4は、本発明の変形例1に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部展開図である。 図5は、本発明の変形例2に係る空気入りタイヤに形成される三次元の一例を示す図である。 図6は、本発明の変形例4に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部展開図である。 図7は、比較例(従来例)に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部展開図である。
次に、本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)タイヤの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の一部展開図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の一部拡大図である。空気入りタイヤ1は、主に乗用自動車に装着される空気入りタイヤである。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向Trを指定するパターンを備えている。例えば、空気入りタイヤ1には、車両が前進する際のタイヤ回転方向Trが矢印としてサイド部に示されている。なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が指定するタイヤ回転方向Trとは、図1におけるタイヤ周方向Tcに沿った矢印の方向(図1の下方向)であり、タイヤ回転方向Trとタイヤ周方向Tcとは、平行である。また、本実施形態において、空気入りタイヤ1は、路面に接地する接地面を有するトレッド部2を有する。なお、空気入りタイヤ1には、内部構成として、カーカス層やベルト層なども設けられているが、ここでは説明を省略する。
トレッド部2には、トレッド幅方向Twに延びる横溝10が形成されている。また、トレッド部2には、横溝がタイヤ周方向Tcに間隔を設けて複数形成されることによって区画複数の幅方向陸部20が備えられている。具体的に、横溝10は、トレッド幅方向Twに対して傾斜するとともに、湾曲しながらトレッド幅方向Twに延びる。また、本実施形態では、タイヤ赤道面CLを境として、トレッド幅方向Twの一方側に形成される横溝10と、トレッド幅方向Twの他方側に形成される横溝10とが、タイヤ周方向Tcに所定間隔だけ位相をずらして、オフセットされて配置されている。
また、トレッド部2は、タイヤ赤道面CLから接地端部TEまでの領域を等分割することによって定められる領域の内、タイヤ赤道面CLに最も近い中央領域Cnと、中央領域Cnよりもトレッド幅方向Tw外側に位置する外側領域Shとを有する。
ここで、トレッド部2の接地面の接地端部TEとは、正規リムに装着された空気入りタイヤ1に正規内圧及び正規荷重が加えられ、当該空気入りタイヤ1が路面に接した状態において、接地面のトレッド幅方向Twの端部を示す。なお、正規リムとは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBook 2011年度版に定められた適用サイズにおける標準リムを指す。正規内圧とは、JATMAのYear Book2011年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、正規荷重とは、JATMAのYear Book2011年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。日本以外では、これらを規定する規格が、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
言い換えると、中央領域Cnは、トレッド幅方向Twの両端部TE、TEの幅Wを4等分した幅Wdの領域の内、最もトレッド幅方向Tw内側に位置する2つの領域によって構成されている。また、中央領域Cnよりもトレッド幅方向Tw外側には、外側領域Shが隣接して設けられている。なお、本実施形態では、各横溝10は、中央領域Cnから外側領域Shにわたって延びている。
(2)周方向細溝の構成
トレッド部2には、タイヤ周方向Tcに連続して延びる複数の周方向細溝30が形成されている。なお、図1の例では、5本の周方向細溝30が形成されている。以下に詳細について説明する。
複数の周方向細溝30は、タイヤ赤道面CL上に沿って、タイヤ周方向に延びる中央周方向細溝31と、中央周方向細溝31よりもトレッド幅方向Tw外側に形成される外側周方向細溝32とを含む。中央周方向細溝31は、トレッド面視において直線状の溝である。なお、中央周方向細溝31の形状は、直線状に延びてもよいし、ジグザグ状に延びてもよい。なお、後述する変形例2のように中央周方向細溝が設けられていなくてもよい。
外側周方向細溝32は、中央周方向細溝31又はタイヤ赤道面CLよりもトレッド幅方向Tw外側において、タイヤ周方向Tcに連続して延びる。本実施形態では、中央周方向細溝31よりも、トレッド幅方向Tw外側に2つの外側周方向細溝32が形成されている場合を例に挙げて説明する。なお、外側周方向細溝32の数は、これに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
外側周方向細溝32は、幅方向陸部20を横断するようにタイヤ周方向Tcに延びる。また、幅方向陸部20上において、外側周方向細溝32は、タイヤ周方向Tcに対して所定の角度によって傾斜する方向に延びる。具体的に、幅方向陸部20上において、外側周方向細溝32の延在方向とタイヤ周方向Tcとの成す角度θ32は、20°以内である。なお、角度θ32は、15°以内であることが好ましく、10°以内であることがより好ましい。このように、外側周方向細溝32は、幅方向陸部20上において、傾斜を繰り返しながら、タイヤ周方向Tcに連続して延びる。
なお、中央周方向細溝31及び外側周方向細溝32を含む周方向細溝30は、幅方向陸部20が接地したときに閉じない溝幅をもつものである。本実施形態では、周方向細溝30の溝幅は、横溝10における最大溝幅D10out(後述)の20%から60%の範囲内であることが好ましい。これは、周方向細溝30の溝幅が、最大溝深さD10out(後述)の20%よりも小さいと、横入力時に溝壁同士が接触し、雪上で横方向におけるブロックエッジの変形が抑制されてしまい、周方向細溝30によるエッジ効果を確保できなくなるためであり、最大溝幅D10out(後述)の60%よりも大きいと接地面積が減少して雪上およびウェット路面において摩擦力を十分に確保できなくなるためである。なお、周方向細溝30の溝幅は、1.5mmから5.5mmの範囲内とすることが好ましく、3mmから4.5mmとすることがより好ましい。
周方向細溝30のタイヤ径方向における溝深さは、横溝10のタイヤ径方向における溝深さの30%から100%の範囲内であることが好ましい。これは、周方向細溝30のタイヤ径方向における溝深さが、30%よりも小さいと雪上で横方向にブロックエッジが変形せず、周方向細溝30によるエッジ効果を確保できなくなり雪上操縦安定性を向上できなくなるためである。
(3)横溝の構成
本実施形態において、横溝10は、中央周方向細溝31と外側周方向細溝32とに連通する。なお、横溝10は、溝幅が1.5mmよりも大きい溝であり、トレッド幅方向Twに延びるとともに、正規内圧で正規荷重が負荷された状態で、トレッド部2の接地面の端部TEに開口する溝である。また、横溝10のトレッド幅方向Tw外側の外溝端部10outは、接地面のトレッド幅方向Tw外側における接地端部TEに至るように配置されている。具体的に、外溝端部10outは、接地端部TEの位置、又は、接地端部TEよりもトレッド幅方向Tw外側に配置されていてもよい。
また、横溝10のトレッド幅方向Tw内側の内溝端部10inは、タイヤ赤道面CLから接地端部TEまでを接地半幅Whとした場合に、タイヤ赤道面CLから接地半幅Whの15%以内の範囲内に配置されている。
ここで、接地面のトレッド幅方向Twにおける接地幅Wに対して、接地半幅Whは、W/2として示される。なお、図1の例では、接地半幅Whの15%の幅W1が示されている。横溝10のトレッド幅方向Tw内側の内溝端部10inは、タイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側に向かって幅W1の範囲内に配置されている。
なお、図1に示すように、横溝10は、中央周方向細溝31に連通することが好ましい。横溝10の内溝端部10inが、中央周方向細溝31に連通してもよい。このような構成によって、中央周方向細溝31から横溝10への排水性能が向上して、ウェット性能を高めることができる。また、本実施形態では、外側領域Shにおける横溝10の溝面積DSoutは、中央領域Cnにおける横溝10の溝面積DSinよりも大きい。具体的に、図2に示すように、横溝10の中央領域Cn内の領域A10inの溝面積DSinと、横溝10の外側領域Sh内の領域A10outの溝面積DSoutとは、溝面積DSin<溝面積DSoutの関係を満たす。
このように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、中央領域Cnの溝面積DSinと外側領域Shの溝面積DSoutとが、上述した関係を満たすことで、幅方向陸部20の中央領域Cnにおける剛性を増加させて、幅方向陸部20の倒れ込みを抑制することができる。これにより、幅方向陸部20の中央領域Cnにおける接地面積の低下を抑制できるので、ウェット性能を向上させることが可能になる。また、横溝10の溝面積は、外側領域Shに向かうほど大きくなるように形成されているので、外側領域Sh側では、雪柱せん断力を増大させることが可能になり、雪上性能を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、横溝10の溝幅D10に着目すると、次の関係を満たす。具体的に、図2に示すように、中央領域Cnの最もトレッド幅方向Tw内側における内溝端部10inの溝幅D10を溝幅D10inとし、中央領域Cnの最もトレッド幅方向Tw外側における内溝端部10inの溝幅D10を溝幅D10midとし、外側領域Shの最もトレッド幅方向Tw外側における外溝端部10outの溝幅D10を溝幅D10outとして説明する。
本実施形態では、外側領域Shにおける横溝10の溝幅D10outの最大値は、中央領域Cnにおける横溝10の溝幅D10inの最大値よりも大きい。ここで、図2に示すように、外側領域Shにおける横溝10の溝幅D10outの最大値は、横溝10の外溝端部10outにおける溝幅D10outである。一方、中央領域Cnにおける横溝10の溝幅D10inの最大値は、中央領域Cnの最もトレッド幅方向Tw外側(中央領域Cnと外側領域Shとの境界付近)における内溝端部10inの溝幅D10midである。なお、横溝10の内溝端部10inにおける溝幅D10inは、最も狭い。つまり、横溝10の溝幅D10は、溝幅D10in<溝幅Dmid<溝幅D10outとの関係を満たす。
また、外側領域Shの外溝端部10outにおける溝幅D10outは、中央領域Cnの溝幅D10midに対して、105%以上500%以下であることが好ましい。これは、次の理由による。外側領域Shの溝幅D10outが、中央領域Cnの溝幅D10midに対して、105%未満の場合、幅方向陸部20の中央領域Cnにおける剛性と、外側領域Shにおける剛性とに優位な差が見出せなくなるからである。一方、溝幅D10outが、溝幅D10midに対して、500%よりも大きい場合には、横溝10の溝幅D10outが広くなりすぎて、幅方向陸部20の外側領域Shにおける接地面積が減少し過ぎてしまう。その結果、表面摩擦力が悪化して、タイヤ全体での雪上性能が向上しにくくなってしまうからである。
なお、溝幅D10inと溝幅D10midと溝幅D10outとは、タイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側の距離に応じた比例関係を満たすことが好ましい。
また、横溝10の内溝端部10inにおいて、横溝10の延在方向とタイヤ周方向Tcとが成す角度θ10inは、横溝10の外溝端部10outにおいて、横溝10の延在方向とタイヤ周方向Tcとが成す角度θ10outよりも小さい。
横溝10の内溝端部10inにおける角度θ10inは、15°以上〜45°以下の範囲内であることが好ましい。一方、横溝10の外溝端部10outにおける角度θ10outは、60°以上〜90°以下の範囲内であることが好ましい。また、横溝10のタイヤ周方向Tcにおける間隔W10は、20mm以上60mm以下であることが好ましい。
(4)サイプの構成
また、幅方向陸部20には、横溝10の延びる方向に対して交差する方向に延びる複数のサイプ50が形成されている。ここで、本実施形態において、サイプとは、幅方向陸部20が接地したときに閉じることが可能な溝幅をもつものである。具体的には、本実施例のような乗用車用タイヤにおいてはサイプは、1.0mm以下の溝幅をもつ。ただし、TBRタイヤといった大型のバスやトラックに用いられるタイヤにおいては、サイプの溝幅は、1.0mm以上であっても良い。
なお、本実施形態では、複数のサイプ50のそれぞれは、平行に形成されているものとする。また、複数のサイプ50のそれぞれの間隔D50は、一定に形成されているものとする。具体的に、複数のサイプ50には、中央領域Cnに形成されるサイプ50inと、外側領域Shに形成されるサイプ50outとが含まれる。本実施形態では、中央領域Cnに形成されるサイプ50inの間隔D50inと、外側領域Shに形成されるサイプ50outの間隔D50outとは、共通であるものとする。なお、サイプ50のそれぞれの間隔は、4.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
本実施形態において、中央領域Cnに形成されるサイプ50inの延在方向とトレッド幅方向Twとがなす角度θ50inは、45°以下である。サイプ50inの延在方向とトレッド幅方向Twとが成す角度θ50inは、5°以上15°の範囲内の角度であることがより好ましい。なお、中央領域Cnに形成されるサイプ50inの延在方向とトレッド幅方向Twとがなす角度θ50inは、外側領域Shに形成されるサイプ50outの延在方向とトレッド幅方向Twとがなす角度θ50outよりも小さくなるようにしてもよい。
(5)ネガティブ率
次に、トレッド部2におけるネガティブ率について説明する。本実施形態において、中央領域Cnにおけるネガティブ率は、20〜35%の範囲とし、外側領域Shにおけるネガティブ率は、25〜40%の範囲とすることが好ましい。
上述のようにネガティブ率を設定することによって、中央領域Cnにおいて、幅方向陸部の剛性の低下に起因する接地面積の低下を抑制し、ウェット性能の低下を抑制するとともに、外側領域Shにおいて、横溝に雪を多く取り込むことで雪柱せん断力を高めて雪上性能を向上させることができる。
なお、ネガティブ率は、全接地面の面積に対するサイプ50を除く全ての溝の溝面積の割合である。具体的に、ネガティブ率は、中央周方向細溝31の溝面積と、横溝10の溝面積と、外側周方向細溝32の溝面積との合計値を、全接地面の面積で割った値を百分率で表した値である。
(6)作用・効果
本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、トレッド部2において、中央領域Cnにタイヤ周方向Tcに延びる複数の周方向細溝30(中央周方向細溝31及び外側周方向細溝32)を有する。また、空気入りタイヤ1によれば、トレッド部2において、トレッド幅方向Twに延びる横溝10が形成されるとともに、横溝10によって区画されることによって幅方向陸部20が形成される。幅方向陸部20には、横溝10の延びる方向に交差する方向に延びる複数のサイプ50が形成されている。また、かかる空気入りタイヤ1では、外側領域Shにおける横溝10の溝面積DSoutは、中央領域Cnにおける横溝10の溝面積DSinよりも大きい。
ここで、雪上路面における摩擦係数は、図3に示すようにタイヤ回転時の雪による圧縮抵抗、陸部表面の表面摩擦力、溝部の雪柱せん断力、陸部のタイヤ周方向における角部及びサイプによって形成される角部のエッジ効果などによって高められる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、幅方向陸部20において、サイプ50が形成されているため、サイプ50が形成されていない場合に比べて、エッジ効果を高めて、雪上性能を向上できる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、中央領域Cnにタイヤ周方向Tcに延びる複数の周方向細溝30(中央周方向細溝31及び外側周方向細溝32)が形成されている。したがって、雪上路面での横方向入力には周方向細溝30により幅方向陸部20に形成される角部のエッジ効果を確保できるため、雪上路面における横方向のグリップを確保することが出来る。
さらに、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、空気入りタイヤ1では、外側領域Shにおける横溝10の溝面積DSoutは、中央領域Cnにおける横溝10の溝面積DSinよりも大きい。したがって、外側領域Shの横溝10に入り込む雪を増加させることが可能になり、外側領域Shにおける雪柱せん断力を増大させて、雪上路面における前後方向のグリップを確保することができる。
中央領域Cnに複数の周方向細溝30を形成しているものの、中央領域Cnにおける横溝10の溝面積DSinが、外側領域Shにおける横溝10の溝面積DSoutよりも小さい。つまり、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、横溝10の溝面積DSと周方向細溝30の配置との最適化を図ることによって、中央領域Cnと外側領域Shとにおけるネガティブ率の最適化が図られている。これにより、中央領域Cnおよび外側領域Shにおいて最適な接地面積により表面摩擦力が確保され、雪上路面における前後方向および横方向のグリップを確保することが出来る。
ここで、一般的な前輪駆動車の場合、後輪荷重は、前輪荷重よりも小さい。また、後輪横力を向上させることがスタビリティファクタ(ステア特性)の増大に繋がり、その結果、車両の前輪/後輪バランスが向上することが知られている。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、周方向細溝30を中央領域Cnに集中して配置することで、接地面積が小さい後輪荷重においても、横力を向上させて、雪上路面におけるスタビリティファクタを増大させることが可能になる。従って、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、雪上路面における横方向のグリップだけでなく、雪上路面における前輪/後輪バランスも向上させることができるので、雪上操縦安定性についても向上させることが可能になる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、中央領域Cnに複数の周方向細溝30が形成されているので、ウェット路面においても排水性能が高められ、ウェット性能を向上できる。また、中央領域Cnにおける横溝10の溝面積DSinが、外側領域Shにおける横溝10の溝面積DSoutよりも小さいため、幅方向陸部20の剛性低下を抑制できるので、幅方向陸部20の剛性低下に起因するウェット性能の低下を抑制できる。
以上のように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、雪上性能とウェット性能とを高い次元で両立することが可能になる。
(7)変形例
(7.1)変形例1
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。上述した実施形態では、サイプ50の間隔D50が一定である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施形態では、中央領域Cnに形成されるサイプ50の間隔D50inは、外側領域Shに形成されるサイプ50の間隔D50outよりも狭い。つまり、中央領域Cnに形成されるサイプ50の間隔D50inと、外側領域Shに形成されるサイプ50の間隔D50outとは、D50in<D50outの関係を満たす。なお、間隔D50inは、幅方向陸部20の中央領域Cn内の領域S20inにおけるサイプ50の間隔D50の平均値である。また、間隔D50outは、幅方向陸部20の外側領域Shの領域S20outに形成されるサイプ50の間隔D50の平均値である。
上述のように、サイプ50の間隔D50は、トレッド幅方向Tw内側ほど狭くなるように形成されている。なお、中央領域Cnにおけるサイプの間隔D50inは、外側領域Shにおけるサイプの間隔D50outに対して、60%以上90%以下であることが好ましい。中央領域Cnにおけるサイプの間隔D50inが、外側領域Shにおけるサイプの間隔D50outに対して、90%よりも大きい場合には、幅方向陸部20の中央領域Cnにおける剛性と、外側領域Shにおける剛性とに優位な差が見出せなくなる。一方、サイプの間隔D50inが、サイプの間隔D50outに対して、60%未満の場合には、中央領域Cnにおける幅方向陸部20のブロック剛性が極端に低下し、ウェット制動性能が悪化する。
なお、中央領域Cnに形成されるサイプ50inの間隔D50inは、3.0mm以上6.0mm以下であり、外側領域Shに形成されるサイプ50outの間隔D50outは、4.0mm以上7.0mm以下であることが好ましい。これは、次の理由による。サイプ50inの間隔D50inは、3.0mmよりも小さいと中央領域Cnにおける幅方向陸部20のブロック剛性が極端に低下し、ウェット制動性能が悪化することが理由であり、6.0mmよりも大きいと幅方向陸部20の中央領域Cnにおけるエッジ効果が低下して雪上性能が悪化するためである。一方、外側領域Shに形成されるサイプ50outの間隔D50outは、4.0mmよりも小さいと幅方向陸部20の外側領域Shにおけるブロック剛性が極端に低下し、ウェット制動性能が悪化することが理由であり、7.0mmよりも大きいと幅方向陸部20の外側領域Shにおけるエッジ効果が低下して雪上性能が悪化するためである。
また、上述の例では、サイプ50の間隔が、間隔D50inと間隔D50outとの2種類が規定されている場合を例に挙げて説明したが、中央領域Cnと外側領域Shとの間に中間領域を設けるとともに、中間領域におけるサイプ50の間隔D50midとしてもよい。この場合、間隔D50in<間隔D50mid<間隔D50outの関係を満たすように、サイプ50を形成してもよい。さらに、幅方向陸部20において、周方向細溝30によって区画されることによって複数のブロックが形成される場合には、トレッド幅方向Tw内側のブロックに形成されるサイプ50ほど、サイプ50の間隔D50が小さくなるように形成してもよい。例えば、周方向細溝30によって、センターブロック、セカンドブロック、ショルダーブロックの3つが形成される場合を例にあげて説明する。この場合、「センターブロックに形成されるサイプ50の間隔D50<セカンドブロックに形成されるサイプ50の間隔D50<ショルダーブロックに形成されるサイプ50の間隔D50」という関係を満たすように、サイプ50を形成してもよい。
また、上記構成に基づいて、サイプ50の密度に着目すると、中央領域Cnにおけるサイプ50の密度Z50inは、外側領域Shにおけるサイプ50の密度Z50outよりも高いとも言える。つまり、密度Z50in>密度Z50outの関係を満たす。
本実施形態では、中央領域Cnにおけるサイプ50の密度Z50inは、中央領域Cnに形成されるサイプ50の全長L50inを、中央領域Cnにおける陸部面積S20inによって除算した値であり、密度Z50in=L50in/S20inとして示される。一方、外側領域Shにおけるサイプ50の密度Z50outは、外側領域Shに形成されるサイプ50の全長L50outを、外側領域Shにおける陸部面積S20outによって除算した値であり、密度Z50out=L50out/S20outとして示される。
本実施形態によれば、中央領域Cnに形成されるサイプ50の間隔D50inは、外側領域Shに形成されるサイプ50の間隔D50outよりも狭い。ここで、空気入りタイヤ1が接地する際、中央領域Cnの接地長は、外側領域Shの接地長よりも大きい。したがって、本実施形態に係る空気入りタイヤによれば、中央領域Cnのサイプ50の間隔D50inを狭くさせて、エッジ効果を効率的に増加させているので、雪上性能を向上できる。
(7.2)変形例2
次に、本実施形態に係る変形例2について説明する。図4は、本発明の変形例2に係る空気入りタイヤ1Aのトレッド部2Aの一部展開図を示す。
同図に示すように、トレッド部2Aは、タイヤ赤道面CLを含む中央領域Cnにタイヤ周方向Tcに延びる中央周方向細溝31を有していなくてもよい。すなわち、本発明に係る空気入りタイヤは、フルラグパターンが形成されたタイヤであってもよい。また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、トレッド部2Aは、タイヤ周方向Tcに延びる周方向陸部100を有している。
周方向陸部100は、タイヤ赤道面CLから接地半幅Whの30%以内の範囲内において、タイヤ周方向Tcに連続する。ここで、図4の例では、接地面のトレッド幅方向Twにおいて、接地半幅Whの15%の幅W1と、接地半幅Whの30%の幅W2とが示されている。
周方向細溝30は、タイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側に向かって幅W2の範囲内に配置されている。なお、周方向細溝30では、少なくともタイヤ周方向Tcに連続する部分が、タイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側に向かって幅W2の範囲内に配置されていればよい。
また、横溝10のトレッド幅方向Tw内側の内溝端部10inは、タイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側に向かって幅W1の範囲内に配置されている。
かかる空気入りタイヤ1Aにおいても、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1と同様に、雪上性能とウェット性能とを高い次元で両立することが可能になる。
(7.3)変形例3
次に、本実施形態に係る変形例2について説明する。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、複数のサイプ50の内、少なくとも一つ以上のサイプ50が三次元サイプ50A(3Dサイプ)である。中央領域Cnに形成される三次元サイプ50Aの形成割合と、外側領域Shに形成される三次元サイプ50Aの形成割合とは、異なる。
図5(a)には、二次元サイプ50xの一例が示されており、図5(b)乃至(g)には、三次元サイプ50Aの一例が示されている。
なお、「中央領域Cnに形成される三次元サイプ50Aの形成割合」とは、トレッド面視において、中央領域Cn内におけるサイプ50の全長に対する三次元サイプ50Aの全長の割合を示す。一方、「外側領域Shに形成される三次元サイプ50Aの形成割合」とは、外側領域Sh内におけるサイプ50の全長に対する三次元サイプ50Aの全長の割合を示す。なお、三次元サイプ50Aのように屈曲しているサイプは、三次元サイプ50Aの両端部の直線距離を1本の長さとして規定して、三次元サイプ50Aの全長を算出する。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、複数のサイプ50の内、中央領域Cnに形成されるサイプ50が、三次元サイプ(3Dサイプ)50Aであることとする。具体的に、中央領域Cnの範囲内に両端部を有するサイプ50のみが、三次元サイプ50Aであることとする。つまり、外側領域Shに形成されるサイプ50は、二次元サイプ50xであることとする。したがって、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、中央領域Cnに形成される三次元サイプ50Aの形成割合は、外側領域Shに形成される三次元サイプ50Aの形成割合よりも大きい。中央領域Cnのサイプ50として、図5(b)乃至(g)に示すような三次元サイプ50Aを用いることにより、幅方向陸部20が接地する際にサイプ50Aの壁面が互いに支え合うことができるので、中央領域Cnのサイプ間隔D50inを狭く配置した場合であっても、幅方向陸部20の剛性の低下を抑制できる。
なお、幅方向陸部20に形成される三次元サイプ50Aの溝壁は、幅方向陸部20のタイヤ周方向Tc入力時に互いに支え合うことができるように、少なくともタイヤ径方向に対し任意に折れ曲がった形状を有していることが望ましい。これにより、タイヤ周方向Tcにおけるブロック剛性が増加するので、接地面積を増大させてウェット性能を更に向上させることが可能になる。また、三次元サイプ50Aの溝壁は、横方向(トレッド幅方向Tw)の入力時に互いに支え合うことができるように、トレッド幅方向Twに対しても任意に折れ曲がった形状を有していることが望ましい。これにより、横方向の剛性が増加するので、接地面積を増大させて操縦安定性能を向上させることも可能になる。
(7.4)変形例4
次に、本実施形態に係る変形例4について説明する。図6は、本発明の変形例4に係る空気入りタイヤ1Bのトレッド部2Bの一部展開図を示す。本実施形態に係る幅方向陸部20では、周方向細溝30よりもトレッド幅方向外側において、一端が横溝10に開口し、他端が幅方向陸部20内で終端する片側開口溝60が形成されている。
ここで、幅方向陸部20は、タイヤ回転方向Tr前方に隣接する横溝10によって形成される踏込端20Aと、タイヤ回転方向Tr後方に隣接する横溝10によって形成される蹴出端20Bとを有している。片側開口溝60では、一端が蹴出端20Bを形成する横溝10に開口し、他端が幅方向陸部20の内部に終端する。かかる片側開口溝60によれば、タイヤ回転時に幅方向陸部20の表面の水を横溝10に円滑に排水することが出来る。
片側開口溝60の溝幅は、蹴出端20B側の横溝10に向かって、広がるように形成されている。かかる片側開口溝60によれば、幅方向陸部20の表面の水をタイヤ回転方向に沿って、横溝10に効率よく排水することが出来る。また、片側開口溝60の延在方向は、タイヤ周方向Tcに対して、傾斜することが好ましい。具体的に、片側開口溝60の延在方向と、タイヤ周方向Tcとがなす角度θ60は、0度以上、45度以下であることが好ましい。これは、次の理由による。すなわち、傾斜角度θが45度よりも大きいと、接地面内の水の流れから外れて排水効率が低下してしまうためである。
また、図6の例では、片側開口溝60は、中央領域Cnに形成されている場合を例に挙げているが、片側開口溝60は、外側領域Shにも形成されていてもよい。また、片側開口溝60は、中央領域Cnには形成されず、外側領域Shに形成されていてもよい。
[比較評価]
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(1)各空気入りタイヤの構成
まず、比較評価にあたり、比較例1(従来品)〜比較例2に係る空気入りタイヤと、実施例(発明品)1〜実施例8(発明品)に係る空気入りタイヤとを準備した。各空気入りタイヤのネガティブ率は、全て32%であるものを用いた。また、リム及び内圧は、JATMA YEAR BOOK 2011にて定めるラジアルプライタイヤのサイズに対応する適用リム及び空気圧−負荷能力対応表に準拠するように設定した。各空気入りタイヤは、横溝の溝深さは9mm、サイプの深さは全て6mmとした。
表1には、各空気入りタイヤの構成が示されている。また、実施例1乃至8及び比較例2に係るタイヤでは、共通して、外側領域Shにおける横溝10の溝幅D10outは、中央領域Cnにおける横溝10の溝幅D10inよりも広くなるように設定されている。つまり、実施例1乃至8及び比較例2に係るタイヤでは、中央領域Cnにおける横溝10の溝面積は、外側領域Shにおける横溝10の溝面積よりも小さくなるように設定されている。
実施例1乃至2と実施例5乃至7に係るタイヤは、図1に示されるトレッドパターンが形成されたタイヤを用いた。具体的に、実施例1乃至2に係るタイヤは、中央領域において、5本の周方向細溝が形成されているものを用いた。また、実施例1と実施例5乃至7に係るタイヤは、中央領域Cn及び外側領域Shともに二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。実施例2に係るタイヤは、中央領域Cnのサイプ50として、三次元(3D)サイプが形成されているとともに、外側領域Shのサイプ50として、二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。
実施例3乃至4に係るタイヤは、図6に示されるトレッドパターンが形成されたタイヤを用いた。実施例3乃至4に係るタイヤは、中央領域において、3本の周方向細溝が形成されているものを用いた。また、実施例3乃至4に係るタイヤは、片側開口溝が形成されているものを用いた。また、実施例3に係るタイヤは、中央領域Cn及び外側領域Shともに二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。実施例4に係るタイヤは、中央領域Cnのサイプ50として、三次元(3D)サイプが形成されているとともに、外側領域Shのサイプ50として、二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。
実施例8に係るタイヤは、図4に示されるトレッドパターンが形成されたタイヤを用いた。なお、実施例8に係るタイヤでは、横溝10の内溝端部10inが、タイヤ赤道線CLからトレッド幅方向に接地半幅Whの15%に位置するタイヤを用いた。実施例8に係るタイヤは、中央領域Cn及び外側領域Shともに二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。
また、図7には、比較例1に係るタイヤのトレッド部の一部展開図が示されている。比較例に係るタイヤは、中央領域Cnと外側領域Shとにおいて、横溝の溝幅D10が一定幅で形成されているものを用いた。なお、比較例に係るタイヤは、三次元(3D)サイプが形成されておらず、二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。また、比較例1においても、横溝はタイヤ赤道面CLから各トレッド端まで形成されている。かかる構成は、実施例1乃至8の構成と同様である。
比較例2に係るタイヤは、図4に示されるトレッドパターンが形成されたタイヤを用いた。なお、比較例2に係るタイヤでは、横溝10の内溝端部10inが、タイヤ赤道線CLからトレッド幅方向に接地半幅Whの20%に位置するタイヤを用いた。実施例8に係るタイヤは、中央領域Cn及び外側領域Shともに二次元(2D)サイプが形成されているものを用いた。
なお、タイヤ赤道面CL上に中央周方向細溝が形成され、横溝が中央周方向細溝に連通するタイヤは、表1に示すように、内溝端部10inがタイヤ赤道線CLからトレッド幅方向に接地半幅Whの0%に位置するタイヤとした。
(2)試験方法及び評価結果
試験は、雪上性能試験とウェット性能試験とを行った。雪上性能試験としては、雪上路面における加速性能試験と操縦安定性試験とを行なった。具体的に、加速性能試験では、静止状態からアクセルを全開し、50m走行するまでの時間(加速タイム)を測定して、測定結果を評価した。雪上操縦安定性試験では、評価ドライバーによって評価用コースを走行したときのラップタイムを計測して、測定結果を評価した。ウェット性能試験では、舗装路面上に水深2mmのプール状のウェット路面を用意し、この路面上を時速60km/hで走行中にフルブレーキをかけて、完全静止までの制動距離を測定し、測定結果を評価した。
なお、試験に使用した空気入りタイヤに関するデータは、「タイヤサイズ:195/65R15」、「リム・ホイールサイズ:6J−15」、「内圧:内圧200kPa」、「車両:乗用車」、「荷重:成人男性1名乗車相当」の条件に従って測定を行った。
評価結果を表1に示す。なお、表1に示す評価結果は、比較例1の結果を基準(100)とした指数で示されており、指数の値が大きいほど優れていることを表す。
Figure 0006002032
表1に示すように、実施例1乃至8に係る空気入りタイヤは、比較例1乃至2に係る空気入りタイヤと比較すると、雪上性能及びウェット性能に優れていることが解る。従って、本発明の空気入りタイヤによれば、雪上性能とウェット性能とを高い次元で両立し得る効果が大きいことが証明された。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
また、上述した実施形態では、周方向細溝30が、中央領域Cnの範囲内のみに形成されていたが、外側領域Shにも形成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、周方向細溝30として、タイヤ赤道面CL上に沿って延びる中央周方向細溝31が形成されていたが、中央周方向細溝31は、必ずしも必要ではなく、中央周方向細溝31を有さなくてもよい。この場合、タイヤ赤道面CL上に連続して延びる周方向陸部を形成することが可能になる。
また、上述した実施形態において、幅方向陸部20において、周方向細溝30と横溝10とによって区画されるブロックが形成される場合、周方向細溝30と横溝10とによって形成されるブロックの先端部分は、トレッド面視において鋭角になる。この場合、ブロックの先端部分における剛性が極端に低下してしまうこともある。このようケースを鑑みて、周方向細溝30と横溝10とが交差する部分において、溝底に底上げ部が設けられていてもよい。かかる場合、ブロックの先端部分における剛性低下を抑制できるので、雪上性能及びウェット性能の低下を抑制できる。
また、上述した実施形態及び変形例は、組み合わせることが可能である。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
CL…タイヤ赤道面、Cn…中央領域、D10…溝幅、D50…間隔、Sh…外側領域、TE…接地端部、Tc…タイヤ周方向、Tr…タイヤ回転方向、Tw…トレッド幅方向、1,1A,1B…タイヤ、2,2A,2B…トレッド部、10…横溝、10in…内溝端部、10out…外溝端部、20…幅方向陸部、30…周方向細溝、31…中央周方向細溝、32…外側周方向細溝、50…サイプ、50A…三次元サイプ、60…片側開口溝、100…周方向陸部

Claims (5)

  1. 路面に接地する接地面を有するトレッド部において、トレッド幅方向に延びる横溝と、前記横溝がタイヤ周方向に間隔を設けて複数形成されることによって区画される幅方向陸部とを備えるタイヤであって、
    前記横溝のトレッド幅方向外側の外溝端部は、前記接地面のトレッド幅方向外側における接地端部に至るように配置されており、
    前記横溝のトレッド幅方向内側の内溝端部は、前記タイヤ赤道面から前記接地端部までを接地半幅とした場合に、前記タイヤ赤道面から前記接地半幅の15%以内の範囲内に配置されており、
    前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向細溝が形成されており、
    前記幅方向陸部には、前記横溝の延びる方向に対して交差する方向に延びる複数のサイプが形成されており、
    前記トレッド部は、前記タイヤ赤道面から前記接地端部までの領域を等分割することによって定められる領域の内、前記タイヤ赤道面に最も近い中央領域と、前記中央領域よりもトレッド幅方向外側に位置する外側領域とを有し、
    前記複数の周方向細溝は、前記中央領域に配置されており、
    前記外側領域における前記横溝の溝面積は、前記中央領域における前記横溝の溝面積よりも大きく、
    前記トレッド部は、タイヤ周方向に延びる周方向陸部を有しており、
    前記周方向陸部は、前記タイヤ赤道面から前記接地半幅の30%以内の範囲内において、タイヤ周方向に連続する
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記中央領域に形成される前記サイプの間隔は、前記外側領域に形成される前記サイプの間隔よりも狭い
    ことを特徴とする請求項に記載のタイヤ。
  3. 前記中央領域に形成される前記サイプの延在方向とトレッド幅方向とがなす角度は、45°以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記複数のサイプの内、少なくとも一つ以上の前記サイプが三次元サイプであり、
    前記中央領域に形成される前記三次元サイプの形成割合と、前記外側領域に形成される前記三次元サイプの形成割合とは、異なる
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記幅方向陸部には、前記周方向細溝よりもトレッド幅方向外側において、一端が前記横溝に開口し、他端が前記幅方向陸部内で終端する片側開口溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のタイヤ。

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