JP5985957B2 - エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体およびその製造方法、並びにこれを用いた金属回収材および接着材料 - Google Patents
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Description
また、特許文献3では、4級アンモニウム基が導入されることから、所望の反応性は得られず、また溶融時にゲル化するなど、官能基導入後の成形性も著しく低下するという問題を抱えていた。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程と、
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、下記一般式(2)で示される構造単位のグラフト鎖を導入するグラフト鎖導入工程と、
前記一般式(2)で示される構造単位のグラフト鎖を有するエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を加水分解する加水分解工程と、
を備えている。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、電離放射線を照射する照射工程と、
前記照射されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体と不飽和単量体と接触させてグラフト鎖を導入する工程と、を備えていてもよい。
本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる主鎖と、この主鎖に結合したグラフト鎖とで構成されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体であって、グラフト鎖が、下記一般式(1)で示される構造単位を含む、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体である。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体の製造方法は、
エチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程と、
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、下記一般式(2)で示される構造単位のグラフト鎖を導入するグラフト鎖導入工程と、
前記一般式(2)で示される構造単位のグラフト鎖を有するエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を加水分解する加水分解工程と、
を備えている。
本発明のグラフト共重合体の基材として用いられるエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、上記の性質を有するグラフト共重合体を得ることができる限り特に限定されないが、例えば、そのエチレン含有量は、30〜60モル%程度であってもよく、40〜50モル%程度が好ましい。エチレン含量が30モル%未満の場合、グラフト重合時の反応性が低下する虞がある。一方、エチレン含量が60モル%を越えると製造が難しく入手が困難である。
このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のエチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、一般式(2)で示される構造単位のグラフト鎖を導入する導入工程では、種々の公知の方法が利用可能であり、そのような方法としては、例えば、重合開始剤を用いたラジカル重合を利用してグラフト鎖を導入する方法、電離放射線を用いてラジカルを発生させ、グラフト鎖を導入する方法などが挙げられる。これらのうち、グラフト鎖の導入効率が高い観点から、電離放射線を用いて、グラフト鎖を導入する方法が好ましく用いられる。
本発明の実施の形態に係るエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体の製造方法において、グラフト重合後に不飽和単量体由来の単位構造を加水分解させる方法としては、酸性加水分解、塩基性加水分解いずれも適用できる。酸性加水分解を行う場合は、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、トリフルオロ酢酸等の酸触媒が使用できる。塩基性加水分解を行う場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の塩基触媒が使用できる。但し、酸性加水分解の場合は、加水分解後、グラフト鎖に導入されたアミノ基と酸触媒が塩を形成してしまうことから、塩基性加水分解がより好適に用いられる。
溶融成形可能であるエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体は、接着材料としても利用可能であり、接着材料として用いた場合、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルとその共重合体、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどのポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの各種熱可塑性樹脂に対する接着材料として利用することが可能である。
また、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体は、樹脂で形成された積層体の材料として利用することが可能である。このような樹脂積層体は、前記樹脂で形成された樹脂シート(または樹脂フィルム)と、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体から形成されたシート(またはフィルム)とが直接積層された樹脂積層体であってもよい。または、一般のエチレン−ビニルアルコール系共重合体を主成分として、本発明のエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を副成分として含む混合物から形成されたシート(またはフィルム)と、前記樹脂で形成された樹脂シート(または樹脂フィルム)とが積層された樹脂積層体であってもよい。
さらに、本発明のエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体は、グラフト鎖に導入したアミノ基の反応性を活かし、金属イオン吸着材としても好適に利用することができる。金属イオン吸着材として加工する方法としては、予めエチレン−ビニルアルコール系共重合体を所望の形状に加工した後、グラフト重合、加水分解の工程を経て、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体の金属イオン吸着材を作製する方法と、グラフト重合、加水分解の工程を経て合成したエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を所望の形状に成形して、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体の金属イオン吸着材を作製する方法が挙げられる。
本発明の金属イオン吸着材は、各種金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。金属イオン回収方法としては、本発明の金属イオン吸着材を用いる限り特に限定されず、金属イオン吸着材の形状に応じてさまざまな回収方法を利用することができる。
金属イオンを吸着した吸着材を回収し、前記吸着材と溶離液とを接触させ、吸着材から金属イオンを溶離させる溶離工程とを備えていてもよい。
吸着工程および溶離工程においては、必要に応じて、液体中で吸着材を撹拌してもよい。
JIS K 7210に準じて、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体のメルトフローレート(g/分)を、温度210℃、荷重2160gで測定した。0.5g/分以上である場合をAとして評価した。
実施例で得られたプレスフィルムを15mm×15mmにカットした切出片を作製した。次に、15mm×80mmの短冊状にカットした厚み100μmのPETフィルム2枚を、互いの末端15mm×15mmが重なるように、前述の切出片を介して重ね合わせた。該三層フィルムを、210℃で75秒圧着し、PET接着フィルムを作製した。該PET接着フィルムを、株式会社島津製作所製オートグラフ「AG−5000」を用いて、チャック間距離115mm、引張速度100mm/分の速度で引っ張り、接着層が剥れるまでにかかる最大応力を測定した。3回の測定平均値が10kgf/mm2以上の場合はA、10kgf/mm2未満の場合はBとした。
金属イオン吸着材50mgを白金族金属イオンの濃度が100mg/Lである0.1規定の塩酸溶液200mLに投入し、25℃にて60分間攪拌する。その後、上澄み液1mLをサンプリングし50mLにメスアップした後、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量(mg/g)=200−C(mg/L)
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン含有量44モル%)を粉砕した後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。得られた粒子100質量部に200kGyのγ線を照射し、該粒子を80℃窒素置換したN−ビニルホルムアミド(以下、NVFと表記)の40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子の官能基導入量を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で確認したところ、28モル%であった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン30質量部を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、目的のアミノ基が導入されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で分析したところ、ビニルホルムアミド部位の加水分解率は100%であった。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン含有量44モル%)を粉砕した後、篩を用いて粒子径80μm〜212μmの粒子を作製した。得られた粒子100質量部に30kGyのγ線を照射した後、該粒子を80℃窒素置換したNVFの30質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子の官能基導入量を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で確認したところ、33モル%であった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン35質量部を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、目的のアミノ基が導入されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で分析したところ、ビニルホルムアミド部位の加水分解率は100%であった。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン含有量44モル%)を粉砕した後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。得られた粒子100質量部に200kGyのγ線を照射した後、該粒子を80℃窒素置換したNVFの60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子の官能基導入量を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で確認したところ、45モル%であった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン48質量部を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、目的のアミノ基が導入されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で分析したところ、ビニルホルムアミド部位の加水分解率は100%であった。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101、エチレン含有量32モル%)を粉砕した後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。得られた粒子100質量部に200kGyのγ線を照射した後、該粒子を80℃窒素置換したNVFの60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子の官能基導入量を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で確認したところ、17モル%であった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン25質量部を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、目的のアミノ基が導入されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で分析したところ、ビニルホルムアミド部位の加水分解率は100%であった。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、L104、エチレン含有量27モル%)を粉砕した後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。得られた粒子100質量部に200kGyのγ線を照射した後、該粒子を80℃窒素置換したNVFの60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子の官能基導入量を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で確認したところ、9.4モル%であった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン9.5質量部を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、目的のアミノ基が導入されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で分析したところ、ビニルホルムアミド部位の加水分解率は100%であった。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン含有量44モル%)を粉砕した後、篩を用いて粒子径80μm〜212μmの粒子を作製した。得られた粒子100質量部に200kGyのγ線を照射した後、該粒子を80℃窒素置換したN−ビニルアセトアミド(以下、NVAと表記)の60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、180分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子の官能基導入量を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で確認したところ、62モル%であった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン55質量部を5Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、目的のアミノ基が導入されたエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体を1H−NMR(溶媒:d−DMSO)で分析したところ、アセトアミド部位の加水分解率は43%であった。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン含有量44モル%)をラボプラストミルにて、210℃で3分溶融混練し(メルトフローレート:A)、得られたコンパウンドを210℃で150秒プレス成形して、厚み150μmのプレスフィルムを作製した。また、コンパウンドを遠心粉砕機で粉砕し、篩を用いて粒子を212μm〜500μmに分級することで、金属イオン吸着材を得た。各種物性の評価結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン含有量44モル%)100質量部に100kGyのγ線を照射した後、該粒子を70℃窒素置換した塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドの30質量%水溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体をラボプラストミルにて、210℃で溶融混練したところ、トルクが上昇、コンパウンド全体がゲル化し、目的のフィルムや金属イオン吸着材として加工することはできなかった。
市販のポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製 F113G)を粉砕した後、篩を用いて粒子径420μm〜710μmの粒子を作製した。該粒子100質量部に200kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したNVFの60質量%水溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をアセトンで洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体を調製した。該粒子は溶媒に不溶であり、官能基導入量を同定できなかった。さらに、該グラフト共重合体50質量部、塩酸ヒドロキシルアミン20質量部を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、100℃で3時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄することで、アミノ基が導入されたポリプロピレングラフト共重合体を得た。該ポリプロピレングラフト共重合体をラボプラストミルにて、230℃で3分溶融混練したところ、樹脂の劣化が著しく、目的のフィルムや金属イオン吸着材として加工することはできなかった。
Claims (10)
- 請求項1において、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体中の全構造単位を100モル%とした場合、一般式(1)で示される構造単位を1〜80モル%含む、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体。
- 請求項1または2において、一般式(1)で示される構造単位において、R1は水素原子または炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖アルキル鎖;nは1以上の整数を表している、エチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、メルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)0.1g/分以上を有するエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、溶融成形用であるエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体。
- 請求項6において、グラフト鎖導入工程が、
エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、電離放射線を照射する照射工程と、
前記照射されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体と不飽和単量体と接触させてグラフト鎖を導入する工程と、を備える製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を含む、接着材料。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を含む、樹脂積層体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を含む、金属イオン吸着材。
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