JP5982790B2 - 発光装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記の技術では、屈折率を所望の値まで高めようとすると、微粒子の含有量を高い割合で充填する必要があり、封止層が脆弱となってしまうという課題があった。
また、屈折率差による光の損失は、封止層と空気との界面あるいは封止層とモールド材との界面でも生じており、封止層内に進入した光を有効に取り出せていない現状があった。
一方で、光取り出し効率を向上させるために、封止層に光拡散剤を導入する技術が提案されている(特許文献3)。しかし、光散乱のみで光取り出し効率を向上させるには限界があった。
即ち、本発明は、可視光を発光する発光素子(1)と、前記発光素子を封止してなる封止層(2)と、前記封止層(2)上に設けられてなる被覆層(3)を具備する発光装置であって、
前記被覆層(3)が、透光性樹脂(3A)及び平均粒子径が200nm以上、3μm以下の有機粒子(3C)を含有する被覆用樹脂組成物から形成される被覆層であり、
前記封止層(2)の屈折率をn1、前記被覆層(3)の屈折率をn2とした場合に
2.0>n1≧n2>1.0
であることを特徴とする発光装置に関する。
また、本発明は、金属酸化物粒子(2B)が、ZrO2、TiO2の中から選択される、少なくとも1種の金属酸化物粒子であることを特徴とする上記発光装置に関する。
また、本発明は、 金属酸化物粒子(3B)が、ZrO2、TiO2の中から選択される、少なくとも1種の金属酸化物粒子であることを特徴とする上記発光装置に関する。
また、本発明は、被覆用樹脂組成物に含まれる組成にて、透光性樹脂(3A)と金属酸化物粒子(3B)とを含有する組成物と、有機粒子(3C)との屈折率差が0.1以上であることを特徴とする上記発光装置に関する。
また、本発明は、透光性樹脂(3A)が、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする上記発光装置に関する。
2.0>n1≧n2>1.0
であることを特徴としている。
本発明で用いられる発光素子(1)とは発光ダイオード(LED)、半導体レーザのことであり、発光色の点は特に限定されず、例えば、赤色(例えば、波長640nm)を発光する赤色発光ダイオード、緑色(例えば、波長530nm)を発光する緑色発光ダイオード、青色(例えば、波長450nm)を発光する青色発光ダイオード、白色発光ダイオード(例えば、紫外又は青色発光ダイオードと蛍光体粒子とを組み合わせて白色を発光する発光ダイオード)が挙げられる。また、これらの可視光に発光する発光ダイオードだけでなく、可視光の短波長領域から紫外線領域で発光する発光ダイオード、例えば360 nm近傍の紫外線領域で発光する発光ダイオードも使用することができる。
但し、発光装置に、蛍光体を用いる場合、該蛍光体を励起可能な発光波長を発光できる発光層を有する半導体発光ダイオードが好ましい。このような半導体発光ダイオードとしてZnSeやGaNなど種々の半導体を挙げることができるが、蛍光体を効率良く励起できる短波長が発光可能な窒化物半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好適に挙げられる。また所望に応じて、前記窒化物半導体にボロンやリンを含有させることも可能である。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
本発明で用いられる封止層(2)とは、発光素子(1)を封止しかつ保護機能を兼ね備えた層のことであり、発光素子を覆う様に塗布した封止用樹脂組成物を加熱、あるいは紫外線や赤外線等の照射を施し硬化させることにより得られる。
封止用樹脂組成物は、発光素子から放出される光、例えば、可視光線、近赤外線あるいは近紫外線等の所定の波長帯域の光に対して透明性を有する樹脂であればよく、特に制限はない。屈折率の高い発光素子からの光取出し効率を向上させる観点から、透光性樹脂(2A)と平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物粒子(2B)を含有する封止用樹脂組成物から形成されることが好ましい。
本発明で用いられる透光性樹脂(2A)は、発光素子から放出される光、例えば、可視光線、近赤外線あるいは近紫外線等の所定の波長帯域の光に対して透明性を有する樹脂であればよく、熱可塑性、熱硬化性、可視光線や紫外線や赤外線等による光(電磁波)硬化性、電子線照射による電子線硬化性等の硬化性樹脂が好適に用いられる。
このような樹脂としては、例えば、アクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、フェノール− ホルムアルデヒド(フェノール樹脂)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メチルメタクレート・スチレン共重合体(MS樹脂)、ポリ−4−メチルペンテン、ノルボルネン系ポリマー、ポリウレタン、エポキシ、シリコーン等が挙げられる。
中でも、エポキシ、シリコーン、アクリレートが耐熱性、耐光性、硬度の点から好ましい。
も使用可能であり、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、
ポリアミド、ジシアンジアミド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
(a)1分子中のケイ素原子に結合した官能基のうち少なくとも2つがアルケニル基であるオルガノポリシロキサン
(b)1分子中のケイ素原子に結合した官能基のうち少なくとも2つが水素原子であるか、または分子鎖の両端が水素原子で封鎖された直鎖状のオルガノポリシロキサン
(c)ヒドロシリル化反応用触媒
また、このアルケニル基以外のケイ素原子に結合した官能基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられ、特に、メチル基が好ましい。
単官能アクリレート及び多官能アクリレートそれぞれの具体例について次に挙げる。
(a)脂肪族単官能(メタ)アクリレートとしては、
ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換アクリルアミド等が挙げられる。
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.4−ブタンジオールジ(メタ) アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタンジオールジ(メタ)アクリレート、等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(d)芳香族(メタ)アクリレートのうち、単官能型としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が、また、多官能型としては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジアクリレート類、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(f)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ノボラック型エポキシアクリレート等が挙げられる。
本発明で用いられる金属酸化物粒子(2B)は、透光性樹脂(2A)の屈折率調整剤として機能する。金属酸化物粒子(2B)は、可視光域において1.8〜2.8の屈折率を有することが望ましい。ここで、金属酸化物粒子(2B)の屈折率とは、金属酸化物粒子を構成する材料のバルクの屈折率を意味する。金属酸化物粒子(2B)の屈折率は、アッベ屈折率計あるいはV ブロック方式の屈折率計を用いて測定することができる。
本発明の平均1次粒子径とは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて実測した50個の粒子直径の平均値である。
分散の程度としては、動的光散乱法を利用した日機装(株)製「ナノトラックUPA」で測定した場合、分散粒径D99が200nm未満が好ましい。
本発明で用いられる金属酸化物粒子(2B)の使用量は、封止用樹脂組成物中、10〜70重量%であるのが好ましい。10重量部未満では十分な屈折率向上ができず、70重量部を超えると、粒子同士が凝集したり、樹脂量が少ないため脆くなったりする。
本発明で用いられる被覆層(3)とは封止層(2)上に配置され、封止層と空気との界面あるいは封止層と封止層上部に設置された樹脂層との界面において、全反射により導波している光を封止層から取り出す役割と、封止層(2)を保護する役割を果たす。被覆層(3)は、透光性樹脂(3A)と平均粒子径が200nm以上、3μm以下の粒子(3C)を含有する。さらに、被覆層(3)には、隣接する封止層との屈折率を調整するため、平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物粒子(3B)を含有する場合もある。
本発明で用いられる透光性樹脂(3A)には、前述した封止層(2)に含まれる透光性樹脂(2A)と同様のものが好適に用いられる。被覆層(3)は封止層(2)の硬度を補う役割を担い、最外層として使用する場合には、透光性樹脂(3A)にハードコート性の紫外線硬化樹脂を使用する。
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.4−ブタンジオールジ(メタ) アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタンジオールジ(メタ)アクリレート、等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(c)多官能型芳香族(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジアクリレート類、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明における平均粒子径が200nm以上、3μm以下の有機粒子(3C)(以下、散乱粒子(3C)と略する場合がある)は、封止層と空気との界面あるいは封止層と封止層上部に設置された樹脂層との界面において、全反射により導波している光を散乱し、封止層から取り出す効果をもたらす。
本発明における散乱粒子(3C)は、有機微粒子である。有機微粒子としては、ポリメチルメタクリレートビーズ、アクリル−スチレン共重合体ビーズ、メラミンビーズ、ポリカーボネートビーズ、スチレンビーズ、架橋ポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、ベンゾグアナミン− メラミンホルムアルデヒドビーズ等が用いられる。これらは、2種類以上を併用しても良い。
散乱粒子(3C)の平均粒子径は、200nm以上、3μm以下である。
ここで言う平均粒子径と前述の平均1次粒子径との違いは、平均1次粒子径が凝集を加味しない個々の粒子径であるのに対し、平均粒子径とは、凝集による2次粒子の粒子径を加味している点にある。本発明で言う平均粒子径とは、動的光散乱法を利用して測定した分散粒径D50の値であり、例えば日機装(株)製「ナノトラックUPA」で測定することができる。
金属酸化物粒子(3B)としては、前述した封止層(2)に含まれる金属酸化物微粒子(2B)と同様のものが好適に用いられる。金属酸化物粒子(3B)の屈折率は1.8〜2.5であり、金属酸化物粒子(3B)を透光性樹脂(3A)中に分散させることにより、本来の透光性樹脂(3A)の屈折率を任意の屈折率に調整可能である。
本発明で用いられる金属酸化物粒子(3B)の使用量は、被覆用樹脂組成物中、10〜50重量%であるのが好ましい。10重量%未満では十分な屈折率向上ができず、50重量%を超えると、粒子同士が凝集したり、樹脂量が少ないため脆くなったりする。
前記屈折率差が0.1以上であると、被覆層(3)の中で全反射により導波している光が散乱粒子(3C)の界面で散乱し、光取り出し効率が向上する。屈折率差は大きくなるほど光取り出し効率は向上する。
前記したように、透光性樹脂(3A)と金属酸化物粒子(3B)とを含有する組成物の屈折率は、使用する透光性樹脂(3A)、金属酸化物粒子(3B)とその組成比によって決まる。その値は1.5〜2.0である。また、有機の散乱粒子(3C)の屈折率は、有機粒子の場合1.5〜1.8である。よって、透光性樹脂(3A)、金属酸化物粒子(3B)、散乱粒子(3C)を適宜選択することでその屈折率差を0.1以上にすることが可能である。
以下に、屈折率の値を記す。
透光性樹脂(3A)としては、シリコーン樹脂:1.40〜1.51、エポキシ樹脂:1.53〜1.57、アクリレート樹脂:1.49〜1.59、
金属酸化物粒子(3B)としては、酸化チタン(TiO2):2.5、酸化ジルコニウム(ZrO2):2.2、酸化亜鉛(ZnO):1.9、酸化スズ(SnO2):2.0、
散乱粒子(3C)としては、ポリメチルメタクリレートビーズ:1.49、メラミンビーズ:1.65である。
透光性樹脂(3A)と金属酸化物粒子(3B)とを含有する組成物の屈折率は、アッベ屈折計により実測した値である。
2.0>n1≧n2>1.0
である。発光素子の屈折率は2.0〜2.8であり、空気の屈折率は1.0であるから、発光素子からの光を効率的に取り出すためには封止層(2)と被服層(3)の各構成要素界面で段階的に屈折率を下げていく必要がある。
封止層(2)の屈折率とは、使用する透光性樹脂(2A)と必要に応じて使用される金属酸化物粒子(2B)と組成比によって決まる。同様に、被覆層(3)屈折率は、使用する透光性樹脂(3A)と金属酸化物粒子(3B)と組成比によって決まる。よって、透光性樹脂(2Aおよび3A)や金属酸化物粒子(2Bおよび3B)を適宜選択することで前記関係式
2.0>n1≧n2>1.0
にすることが可能である。
本発明における封止用樹脂組成物および被覆用樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、微粒子と樹脂を均一に混合するのに用いられる方法であれば良く、通常用いられる従来公知の方法で何ら構わない。
本発明の発光装置は、発光ダイオード等の発光素子(1)を、前述の封止用樹脂組成物により封止し、さらに前述の本発明の被覆用樹脂組成物で被覆したものである。この発光装置では、本発明の封止層(2)および被覆層(3)による封止部分において、光路長を1mm以下とした場合に、可視光線に対して透明性を有することが好ましく、特に、全光線透過率は60%以上であることが好ましい。
まず、発光素子(1)をリードフレームの凹部内の所定位置に搭載し、この発光素子の電極とリードフレームとをボンディングワイヤを用いて電気的に接続し、外部端子とする。次いで、この発光素子(1)及びリードフレーム凹部内を封止用樹脂組成物により封止する。封止方法としては、上述した封止用組成物をリードフレームの凹部内かつ発光素子(1)を覆う様に塗布し、得られた塗膜を加熱、あるいは紫外線や赤外線等の照射を施し、この塗膜を硬化させ、封止層(2)を形成する。続いて、封止層(2)表面に被覆用樹脂組成物を塗工する。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロットまたはワイヤーバーなどを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットまたはスピンなどの各種コーティング方法を用いることができる。塗工後、所定の温度条件と、必要に応じて紫外線照射等を行い、乾燥および硬化させ、被覆層(3)を形成する。
(製造例1)
平均1次粒子径が15nmの酸化チタン(TiO2)粒子10gに、分散媒としてメチルイソブチルケトン87g、分散剤としてBYK−111(ビックケミー・ジャパン(株)製)4gを加え、を加え、前分散(ジルコニアビーズ(1.25mm)をメディアとして用い、ペイントシェイカーで1時間分散)と、本分散(ジルコニアビーズ(0.1mm)をメディアとして用い、寿工業(株)製分散機UAM−015で7時間分散)の2段階の分散処理を行い、酸化チタン透明分散液(T1)を作製した。酸化チタン粒子の平均粒子径は80nmであった。
(2)散乱粒子(3C)分散液の作製
(製造例2)
平均1次粒子径が250nmのジルコニア(ZrO2)粒子10gに、分散媒としてメチルイソブチルケトン87g、分散剤としてBYK 3gを加え、ジルコニアビーズ(1.25mm)をメディアとして用い、ペイントシェイカーで1時間分散処理を行い、ジルコニア分散液(Z1)を作製した。ジルコニア粒子の平均粒子径は413nmであった。
(製造例3)
N2雰囲気下、メタノール58g、水32gの混合溶剤中で、メチルメタクリレート(和光純薬製)4.5g、トリフルオロエチルメタクリレート(和光純薬製)5g、アリルメタクリレート(和光純薬製)0.5gを、2,2’−アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V−50、和光純薬製)0.025gを用いて60℃で重合後、生成物をろ過し、アクリル粒子を得た。得られたアクリル粒子10gに、分散媒としてメチルイソブチルケトン90gを加え、ジルコニアビーズ(1.25mm)をメディアとして用い、ペイントシェイカーで1時間分散処理を行い、アクリル粒子分散液(A1)を得た。アクリル粒子の平均粒子径は420nmであった。
(3)封止用樹脂組成物の作製
(製造例4)
トルエン10gにエポキシレジン: エピコート828を7gおよび硬化剤としてエピキュア3080を3g(いずれもジャパンエポキシレジン(株)社製)を加え、真空乾燥により脱溶剤化し、封止用樹脂組成物(E1)を作製した。
(製造例5)
製造例1の酸化チタン透明分散液(T1)230gに、メチルビニルシリコーン(ビニル基の平均含有量:3mol%)9g、およびメチルハイドロジェンシリコーン(ビニル基の平均含有量:30mol%)1gを加え、さらに塩化白金酸をシリコーン100重量部に対して20ppmとなるように加え、真空乾燥により脱溶剤化し、封止用樹脂組成物(S1)を作製した。この封止用樹脂組成物の重量比は、シリコーン樹脂:酸化チタン:=30:70であった。
(4)被覆用樹脂組成物の作製
(製造例6)
製造例2のジルコニア分散液(Z1)10gに、ウレタンアクリレート:UA−306T(共栄社化学(株)製)5g、多官能アクリレート:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)5g、および光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gを加え、被覆用樹脂組成物(U1)を作製した。この被覆用樹脂組成物の重量比は、アクリレート樹脂:ジルコニア=91:9であった。
(製造例7)
製造例1の酸化チタン透明分散液(T1)40g、製造例3のアクリル粒子分散液(A1)14gの混合溶液に、ウレタンアクリレート:UA−306T(共栄社化学(株)製)5g、多官能アクリレート:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)5g、および光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gを加え、被覆用樹脂組成物(U2)を作製した。この被覆用樹脂組成物の重量比は、アクリレート樹脂:酸化チタン:アクリル粒子=65:26:9であった。
製造例4〜5で作製した封止用樹脂組成物と製造例6〜7で作製した被覆用樹脂組成物を表1に示す組み合わせで使用し、下記評価を行った。
得られた封止用樹脂組成物および被覆用樹脂組成物は下記の装置または方法により評価を行った。
(封止用樹脂組成物の評価)
封止用樹脂組成物をガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、次いで、150℃にて2時間加熱して硬化させ、透明樹脂層を作製した。作製した透明樹脂層を用いて、下記方法に基づき、屈折率および硬度について測定を行った。
(被覆用樹脂組成物の評価)
また、被覆用樹脂組成物については、100μm厚の易接着処理PETフィルム(易接着処理層の屈折率=1.60)の易接着処理面に、バーコーターを用いて乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布した。得られた塗布層を、100℃1分で乾燥したのち、メタルハライドランプで400mJ/cm2の紫外線を照射した。得られた硬化膜について、下記方法に基づき、屈折率および耐擦傷性について測定を行った。
・屈折率
日本工業規格:JISK7142「プラスチックの屈折率測定方法」に準拠し、アッベ屈折計により測定した。透明樹脂層の屈折率(n1)と硬化膜の屈折率(n2)が下記関係式を満たしている場合を「○」、満たしていない場合を「×」とした。
2.0>n1≧n2>1.0
・硬度
日本工業規格:JISK7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」に準拠し、デュロメータを用いてJIS−A 硬度を測定した。ここでは、酸化チタン分散液(T1) を用いた比較例2の樹脂組成物を用いて作製された、酸化チタンの含有率が70重量% である透明樹脂層の硬さを基準とし、この基準値より高い場合を「○」、この基準値より低い場合を「×」とした。
・耐擦傷性
塗工物を学振試験機にセットし、スチールウールのNo.0000を用いて、荷重2 50gで10回学振させた。取り出した塗工物について、キズのつき具合を以下の5段階の目視評価に従って判断した。数値が大きいほど、硬化膜の耐擦傷性が良好であることを示す。
5 : キズが全くない
4 : 僅かにキズが付いている
3 : キズは付いているが、基材は見えていない
2 : キズが付き、一部硬化膜が剥がれている
1 : 硬化膜が剥がれてしまい、基材が剥き出しの状態
(発光装置の評価)
実施例及び比較例の封止用樹脂組成物を用いて発光素子およびリードフレームを封止し、この封止用組成物を硬化させた後、実施例および比較例4〜5については、被覆用樹脂組成物を封止層表面に塗工、乾燥・硬化を行い、発光装置を作製した。得られた発光装置について、室温において順方向電流を20mA通電した際の正面輝度を測定した。ここでは、被覆層を含有しない封止層のみの比較例1の正面輝度を基準とし、正面輝度の向上率が10%以上の場合を「○」、10%未満の場合を「×」とした。
Claims (6)
- 可視光を発光する発光素子(1)と、前記発光素子を封止してなる封止層(2)と、前記封止層(2)上に設けられてなる被覆層(3)を具備する発光装置であって、
前記被覆層(3)が、透光性樹脂(3A)、平均1次粒子径が100nm以下、屈折率が1.8〜2.5の金属酸化物粒子(3B)及び平均粒子径が200nm以上、3μm以下、屈折率が1.5〜1.8の有機粒子(3C)を含有被覆用樹脂組成物から形成される被覆層であり、
前記封止層(2)の屈折率をn1、前記被覆層(3)の屈折率をn2とした場合に
2.0>n1≧n2>1.0であり、
前記透光性樹脂(3A)と前記金属酸化物粒子(3B)とを含有する組成物の屈折率が1.5〜2.0であり、前記透光性樹脂(3A)と前記金属酸化物粒子(3B)とを含有する組成物の屈折率が前記有機粒子(3C)の屈折率よりも0.1以上大きい、封止用樹脂組成物から形成される封止層である、発光装置。 - 前記封止層(2)が、透光性樹脂(2A)及び平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物粒子(2B)を含有する封止用樹脂組成物から形成される封止層であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 透光性樹脂(2A)が、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びアクリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2記載の発光装置。
- 金属酸化物粒子(2B)が、ZrO2、TiO2の中から選択される、少なくとも1種の金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項2または3に記載の発光装置。
- 金属酸化物粒子(3B)が、ZrO2、TiO2の中から選択される、少なくとも1種の金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の発光装置。
- 透光性樹脂(3A)が、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の発光装置。
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