JP5815304B2 - 光学薄膜形成用塗料および光学薄膜 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、屈折率が高く、透明性、ヘーズ、硬度に優れるとともに集光性に優れた光学薄膜の形成性に優れた光学薄膜形成用塗料および光学薄膜に関する。
また、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)において、半導体素子を保護するために、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの透明な封止材によって半導体素子を封止している。
このため、熱的安定性に優れ、屈折率を向上させて光透過率を向上させた封止材として、粒子径が1〜20nmの表面修飾したジルコニア粒子をシリコーン樹脂に配合した組成物が提案されている。(特許文献1:特開2009−173757号公報)
また、特開平7−118123号公報(特許文献6)および特開2003−63932号公報(特許文献7)には樹脂で被覆した化粧料用粉体が開示されている。
[1]重量平均分子量が86〜3,000の範囲にあるフルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)と、
フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)と、
平均粒子径が5〜50nmの範囲にある樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)とを含んでなる光学薄膜形成用塗料。
[2]フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)が、芳香環および/またはエポキシ環を有するものである[1]の光学薄膜形成用塗料。
[3]樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)が、(メタ)アクリレート系樹脂で被覆されたものであり、該(メタ)アクリレート系樹脂が、芳香族環を有するものである[1]の光学薄膜形成用塗料。
[5]前記フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)の濃度(CR)と前記フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)の濃度(CF)の濃度比(CF)/(CR)が0.2〜3.0の範囲にある[1]〜[4]の光学薄膜形成用塗料
[6]前記樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)の屈折率が1.7〜2.1の範囲にある[1]〜[5]の光学薄膜形成用塗料。
[8]粘度(η)が10〜8,000Pa・sの範囲にある[1]〜[7]の光学薄膜形成用塗料。
[9]屈折率が1.5〜1.8の範囲にある[1]〜[8]の光学薄膜形成用塗料。
[10]前記[1]〜[9]の光学薄膜形成用塗料を用いて形成された光学薄膜。
[11]光透過率が80%以上である[10]の光学薄膜。
[12]屈折率が1.6〜1.8の範囲にある[10]または[11]の光学薄膜。
[13]波型形状、プリズム状、鋸歯状、凸レンズ、凹レンズ状の形状が付与されてなる[9]〜[12]の光学薄膜。
[光学薄膜形成用塗料]
本発明に係る光学薄膜形成用塗料は、重量平均分子量が100〜3,000の範囲にあるフルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)と、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート樹脂(B)と、平均粒子径が5〜50nmの範囲にある樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)とを含んでなることを特徴としている。
なお、本発明での(メタ)アクリレート樹脂とは、アクリレートないしメタアクリレートの単量体(モノマー)やオリゴマーを含む意味である。
本発明に用いるフルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としては、アクリレート構造(アクリル酸エステル)ないしメタクリレート構造(メタクリル酸エステル)を有するものであり、通常モノマーのような単量体が使用されるが、ある程度重合が進んだオリゴマーであってもよい。
フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としては、フルオレン骨格を有する
本発明に用いる樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)は、無機酸化物微粒子が樹脂で被覆されている。このような微粒子(C)を含むことで、分散性、安定性、成形性に優れた光学薄膜形成用塗料が得られる。また、膜の強度、硬度に優れるとともに、透明性に優れ、屈折率が高く、集光性にも優れた光学薄膜が得られる。
被覆用樹脂としては、(メタ)アクリレート系樹脂が好ましく、特に芳香族環を有する(メタ)アクリレート系樹脂が好ましい。
本発明に用いる無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化錫等およびこれらを主成分とする複合酸化物、これらの混合物を挙げることができる。
平均粒子径が小さいと、結晶性が低く、屈折率も低いことに加えて、樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)を調製する際に凝集することがあり、このため樹脂被覆が不均一になり、分散性が不充分になる場合がある。平均粒子径が大きければ、最終的な樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)も大きく、最終的に得られる光学薄膜の透明性、光透過率、ヘーズや耐擦傷性が不充分となる場合がある。
本発明で用いる粒子の屈折率の測定方法は、標準屈折液としてCARGILL製のSeriesA、AAを用い、以下の方法で測定した。
(1)無機酸化物微粒子あるいは、樹脂被覆無機酸化物微粒子分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを80℃で12時間乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を無機酸化物微粒子あるいは、樹脂被覆無機酸化物微粒子の屈折率とする。
光学薄膜形成用塗料中の樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)の濃度が少ないと、光学薄膜形成用塗料および光学薄膜の屈折率が不充分となり、集光性が不充分となる場合がある。
樹脂被覆無機酸化物微粒子の平均粒子径は、5〜50nm、さらには8〜40nmの範囲にあることが好ましい。この範囲にあるものは光学用途に好適である。
前記した樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)は、例えば以下のような方法によって製造することができるが、以下の方法に限定するものではない。
無機酸化物粒子としては、前記した種類の粒子を用いる。
本発明では酸化ジルコニウム粒子、酸化ジルコニウムを主成分とする複合酸化物粒子が好ましい。なかでも、酸化ジルコニウム粒子は屈折率が高く、予め加熱処理した結晶性の高い粒子をメカノケミカル処理する際に、粒子表面に樹脂を均一に被覆することができ、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)への分散性、分散安定性に優れた樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)を得ることができる。
無機酸化物粒子の平均粒子径が小さいと、メカノケミカル処理による粒子の開裂が実質的に生じないためか樹脂被覆が不充分となり、樹脂被覆できたとしても凝集していたり、分散性、安定性が不充分となる場合がある。無機酸化物粒子の平均粒子径が大きいと、無機酸化物粒子の塊砕あるいは粉砕効率が低下したり、粉砕が困難となり、得られる樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)の平均粒子径が大きくなり、これを用いた光学薄膜形成用塗料の安定性が不充分となることがある。そして、光学薄膜形成用塗料を用いた光学薄膜の透明性、ヘーズ、光透過率、硬度、耐擦傷性、集光性等が不充分となることがある。
本発明で用いる無機酸化物粒子の平均粒子径は上記範囲にあれば特に制限はなく、一次粒子であっても、一次粒子の集合体である二次粒子であってもよい。
このような無機酸化物粒子は、平均粒子径が5nm〜概ね10μmの範囲にある無機酸化物粒子(一次粒子、二次粒子を含む)の水分散液を常法によって噴霧乾燥することによって得られる。
また、原料に使用する無機酸化物粒子が凝集粒子(二次粒子)である場合は、動的光散乱法「マイクロトラック粒度分布測定装置」によって求めることができる。
なお、無機酸化物粒子を調製する際に、すでに、前記温度範囲の加熱履歴のある場合は、別途、加熱処理を行う必要はない。また、前記温度範囲の加熱履歴があってもその後に水分散履歴のある場合は加熱処理することが好ましい。
有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒を用いることができる。
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセタート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のケトン類;トルエン、キシレン等が挙げられる。
特にエーテル類はメカノケミカル処理において無機酸化物粒子が凝集しにくく、均一に樹脂被覆できるので好適に用いることができる。
被覆樹脂としては前記した(メタ)アクリレート系樹脂が好適に用いられる。
芳香族環を有する(メタ)アクリレート系の樹脂を用いると、より分散性が良好で、低粘度で、安定性、成形性に優れた光学薄膜形成用塗料を得ることができる。
無機酸化物粒子と被覆樹脂とを最終的に得られる前記範囲となるように混合する。
メカノケミカル処理時の無機酸化物粒子と被覆樹脂との全固形分濃度が1〜50重量%、さらには2〜45重量%の範囲にあることが好ましい。全固形分濃度が低すぎると、全部の粒子を均一に処理することが困難であったり長時間を要し、樹脂被覆が不均一になる場合があり、得られる光学薄膜形成用塗料の分散性、安定性が不充分となり、さらに得られる光学薄膜も透明性が低く、ヘーズが高く、集光性が不充分となる場合がある。
例えば、ヘンシェルミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、ビーズミル等に有機溶媒、無機酸化物粒子および樹脂被覆材を所定量計量し、高速で撹拌する。
樹脂被覆量は前記範囲にあるが、実質的に樹脂被覆前と後の無機酸化物粒子の平均粒子径は同じであってもよく、当然樹脂被覆後の平均粒子径は大きくなっていても良い。得られた粒子の平均粒子径が、上記範囲であれば、透明性やヘーズ、光透過率、硬度、耐擦傷性に優れ、集光性に優れた透明被膜が得られる。
メカノケミカル処理の終点は、上記樹脂被覆無機酸化物粒子(C)が得られればよく、一部未反応(被覆に関与しない)樹脂が残存していてもよい。
つぎに、本発明に係る光学薄膜形成用塗料は、上記製造方法で得られた樹脂被覆無機酸化物粒子(C)に、(メタ) アクリレート系樹脂を混合する。具体的には、前記樹脂被覆無機酸化物粒子(C)を調製する際に、メカニカル処理後、所定の割合となるように、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)とフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)と、有機溶媒とを混合した後、含まれている有機溶媒を除去する。
光学薄膜形成用塗料中に有機溶媒が多く残存していると、光学薄膜形成用塗料の粘度は低くなるものの、光学薄膜形成時に乾燥工程を設けて有機溶媒を除去する必要があり、残存量によっては膜の緻密性、硬度、耐擦傷性等を向上させる効果が充分得られない場合がある。また、残存有機溶媒によって、硬化時に膜の収縮が大きく、成型性を大きく低下させることがある。
つぎに、本発明に係る光学薄膜について説明する。
本発明に係る光学薄膜は、前記した光学薄膜形成用塗料を用いて形成されたことを特徴としている。
例えば、膜厚が一定の透明被膜、屈折率が異なる膜厚が一定の透明被膜を複数積層した透明被膜、その他三角柱が並列に連結したプリズムシート状薄膜、上部表面が凸構造(凸レンズ状)あるいは凹凸構造(波状構造)を有する膜、さらには上部表面に多数の凸構造を有する膜等が挙げられる。
光学薄膜の光透過率が80%以上、さらには85%以上であることが好ましい。
この範囲の屈折率の光学薄膜は、集光性が不充分となり、例えば、LEDの封止材に使用した場合、上記のような蓄熱による封止樹脂の黄変も抑制されるので、LEDなどの輝度が高く保てる。所定の屈折率を有するので封止材による反射も抑えられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
無機酸化物粒子(1)の調製
純水1,300gにオキシ塩化ジルコニウム8水和物(ZrOCl2・8H2O(太陽鉱業(株)製:ZrO2濃度37.2重量%)35gを溶解し、これに濃度10重量%のKOH水溶液123gを添加してジルコニウム水酸化物ヒドロゲル(ZrO2濃度1重量%)を調製した。ついで、限外濾過膜法で電導度が0.5mS/cm以下になるまで洗浄した。
無機酸化物粒子(1)の平均一次粒子径は15nm、平均二次粒子径は10μm、結晶形はX線回折の測定で単斜晶であった。また、屈折率は2.20であった。
ついで、無機酸化物粒子(1)粉末125.45g、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)232.99g、被覆用樹脂としてフェノールノボラック型エポキシアクリレート(新中村化学(株)製:NKオリゴEA−6320/PGMAC、固形分濃度80%)105.06gと、ジルコニアビーズ(直径0.05mm)1713.6gを、ビーズミル(カンペ(株)製:BATCH SAND)に充填し、分散させ、PGME溶剤で濃度調製を行って、無機酸化物粒子(1)の固形分濃度20重量%、全固形分濃度(無機酸化物粒子(1)+樹脂)33.4重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液を調製した。無機酸化物微粒子(1)と被覆用樹脂との重量比は60/40であった。
樹脂被覆無機酸化物粒子(1)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表1に示した。平均粒子径はレーザー粒径解析システム(大塚電子製:FPAR-1000)で測定した。
樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)12gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)22.5gを加えた。
この時、樹脂被覆無機酸化物粒子(1)(ZrO2+被覆樹脂)と(メタ)アクリレート系樹脂(A)、(メタ)アクリレート系樹脂(B)との重量比((1)/(A)/(B))は49.2/17.7/33.1であった。また、(CF)/(CR)は1.87であった。
得られた光学薄膜形成用塗料(1)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。なお、安定性、粘度、屈折率は下記の方法、評価基準により評価した。
光学薄膜形成用塗料(1)を透明性容器に充填して静置し、容器の下部に沈降粒子の状況を観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
1週間以上粒子の沈降層が認められなかった。:◎
3〜6日で粒子の沈降層が認められた。 :○
1〜2日で粒子の沈降層が認められた。 :△
1日以内に粒子の沈降層が認められた。 :×
光学薄膜形成用塗料(1)の液温を25℃に調整し、E型粘度計(東京計器(株)製:EHD型)で測定した。
光学薄膜形成用塗料(1)の液温を25℃にしてアッベ屈折率計(アタゴ(株)製:NAR-3T型)で測定した。
光学薄膜形成用塗料(1)66.8gに、光開始剤として1-ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASF(株)製:イルガキュア184)2.7gを混合して光開始剤を添加した光学薄膜形成用塗料(1)を調製した。
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
#0000スチールウールを用い、荷重250g/cm2で50回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
上記PETフィルム基板に代えてシリコンウエハー上に光開始剤を添加した光学薄膜形成用塗料(1)を同様にして塗布、硬化させて厚さ50μmの塗膜を形成し、エリプソメーター(SOPRA社製:ESVG)により屈折率を測定、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(2)の調製
実施例1と同様にして調製した樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:206)9.3gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)47.1gを加えた。
ついで、ロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を60℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶剤を除去して光学薄膜形成用塗料(2)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(2)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(2)を用いた以外は同様にして光学薄膜(2)付基材を調製した。このときの光学薄膜(2)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(2)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(3)の調製
実施例1と同様にして調製した樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)9.3gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)17.5gを加えた。
塗料中の樹脂被覆無機酸化物粒子(1)と(メタ)アクリレート系樹脂(A)および(B)との重量比は55.5/15.5/29である。また、(CF)/(CR)は1.87である。
得られた光学薄膜形成用塗料(3)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(3)を用いた以外は同様にして光学薄膜(3)付基材を調製した。このときの光学薄膜(3)の厚さは90μmであった。得られた光学薄膜(3)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(4)の調製
実施例1と同様にして調製した樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)11.1gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)23.4gを加えた。
ついで、ロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を60℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶剤を除去して光学薄膜形成用塗料(4)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(4)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(4)を用いた以外は同様にして光学薄膜(4)付基材を調製した。このときの光学薄膜(4)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(4)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(4)の調製
実施例1と同様にして調製した樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)17.2gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)17.2gを加えた。
ついで、ロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を60℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶剤を除去して光学薄膜形成用塗料(4)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(5)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(5)を用いた以外は同様にして光学薄膜(5)付基材を調製した。このときの光学薄膜(5)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(5)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(6)の調製
実施例1において、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシエチルメタクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル PHE−1G、分子量:206)12gを加えた以外は同様にして光学薄膜形成用塗料(6)を調製した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(6)を用いた以外は同様にして光学薄膜(6)付基材を調製した。このときの光学薄膜(6)の厚さは70μmであった。得られた光学薄膜(6)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(7)の調製
実施例1において、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)として2-メタクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート(共栄社化学(株)製:ライトエステル HO−MPP、分子量:336)12gを加えた以外は同様にして光学薄膜形成用塗料(7)を調製した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(7)を用いた以外は同様にして光学薄膜(7)付基材を調製した。このときの光学薄膜(7)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(7)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率、を測定し、結果を表1に示す。
無機酸化物粒子(2)の調製
実施例1において、オートクレーブに充填し、150℃で11時間水熱処理を行った後、取り出し、限外濾過膜を用いて10%まで濃縮した後、純水で電導度が0.2mS/cm以下になるまで洗浄した。その後、乾燥機で105℃、20時間乾燥した後、乳鉢で粉砕し、ついで44μmの金網で篩って、ジルコニアからなる無機酸化物粒子(2)粉末を調製した。
無機酸化物粒子(2)の平均一次粒子径は15nm、平均二次粒子径は35μm、結晶形はX線回折の測定で単斜晶であった。また、屈折率は2.20であった。
実施例1において、無機酸化物粒子(2)粉末125.45gを用いた以外は同様にして無機酸化物粒子(2)の固形分濃度20重量%、全固形分濃度(無機酸化物粒子(1)+樹脂)33.4重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(2)有機溶媒分散液を調製した。
樹脂被覆無機酸化物粒子(1)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、樹脂被覆無機酸化物粒子(2)を用いた以外は同様にして光学薄膜形成用塗料(8)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(8)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(8)を用いた以外は同様にして光学薄膜(8)付基材を調製した。このときの光学薄膜(8)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(8)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
樹脂被覆無機酸化物粒子(3)有機溶媒分散液の調製
実施例1において、無機酸化物粒子(1)粉末125.45g、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)232.99g、被覆用樹脂としてフェノールノボラック型エポキシアクリレート(新中村化学(株)製:NKオリゴEA−6320/PGMAC、固形分濃度80%)67.2gと、ジルコニアビーズ(直径0.05mm)1713.6gを、ビーズミル(カンペ(株)製:BATCH SAND)に充填し、分散させ、PGME溶剤で濃度調製を行って、無機酸化物粒子(1)の固形分濃度20重量%、全固形分濃度(無機酸化物粒子(1)+樹脂)28.6重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(3)有機溶媒分散液を調製した。無機酸化物微粒子(1)と被覆樹脂との重量比は70/30であった。
樹脂被覆無機酸化物粒子(3)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表1に示した。
樹脂被覆無機酸化物粒子(3)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)10.3gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクルレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)19.2gを加えた。
塗料中の樹脂被覆無機酸化物粒子(3)と(メタ)アクリレート系樹脂(A)および(B)との重量比は49.2/17.7/33.1である。また、(CF)/(CR)は1.87である。
得られた光学薄膜形成用塗料(9)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(9)を用いた以外は同様にして光学薄膜(9)付基材を調製した。このときの光学薄膜(9)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(9)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
樹脂被覆無機酸化物粒子(4)有機溶媒分散液の調製
実施例1において、無機酸化物粒子(1)粉末125.45g、有機溶媒としてアセトン232.99g、被覆用樹脂としてフェノールノボラック型エポキシアクリレート(新中村化学(株)製:NKオリゴEA−6320/PGMAC、固形分濃度80%)156.8gと、ジルコニアビーズ(直径0.05mm)1713.6gを、ビーズミル(カンペ(株)製:BATCH SAND)に充填し、分散させ、PGME溶剤で濃度調製を行って、無機酸化物粒子(1)の固形分濃度20重量%、全固形分濃度(無機酸化物粒子(1)+樹脂)40重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(4)有機溶媒分散液を調製した。無機酸化物微粒子(1)と被覆樹脂との重量比は50/50であった。
樹脂被覆無機酸化物粒子(4)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、樹脂被覆無機酸化物粒子(4)を用いた以外は同様にして光学薄膜形成用塗料(10)を調製した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(10)を用いた以外は同様にして光学薄膜(10)付基材を調製した。このときの光学薄膜(10)の厚さは70μmであった。得られた光学薄膜(10)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(11)の調製
実施例1において、ロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を55℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶剤を除去して光学薄膜形成用塗料(12)を調製した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(11)を用いた以外は同様にして光学薄膜(11)付基材を調製した。このときの光学薄膜(11)の厚さは30μmであった。得られた光学薄膜(12)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(R1)の調製
樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)34.5gを加え、十分に攪拌した。
塗料中の樹脂被覆無機酸化物粒子(1)と(メタ)アクリレート系樹脂(A)および(B)との重量比は49.2/50.8/0である。また、(CF)/(CR)は0である。
得られた光学薄膜形成用塗料(R1)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(R1)を用いた以外は同様にして光学薄膜(R1)付基材を調製した。このときの光学薄膜(R1)の厚さは70μmであった。得られた光学薄膜(R1)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(R2)の調製
樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)34.5gを加え、十分に攪拌した。
塗料中の樹脂被覆無機酸化物粒子(1)と(メタ)アクリレート系樹脂(A)および(B)との重量比は49.2/0/50.8である。
得られた光学薄膜形成用塗料(R2)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(R2)を用いた以外は同様にして光学薄膜(R2)付基材を調製した。このときの光学薄膜(R2)の厚さは150μmであった。
得られた光学薄膜(R2)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率測定し、結果を表1に示す。
無機酸化物粒子(R1)の調製
純水1,300gにオキシ塩化ジルコニウム8水和物(ZrOCl2・8H2O(太陽鉱業(株)製:ZrO2濃度37.2重量%)35gを溶解し、これに濃度10重量%のKOH水溶液123gを添加してジルコニウム水酸化物ヒドロゲル(ZrO2濃度1重量%)を調製した。ついで、限外濾過膜法で電導度が0.5mS/cm以下になるまで洗浄した。
無機酸化物粒子(R1)の平均一次粒子径は60nm、平均二次粒子径は15μm、結晶形はX線回折の測定で単斜晶であった。また、屈折率は2.20であった。
ついで、無機酸化物粒子(R1)粉末125.45g、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)232.99g、被覆用樹脂としてフェノールノボラック型エポキシアクリレート(新中村化学(株)製:NKオリゴEA−6320/PGMAC、固形分濃度80%)105.06gと、ジルコニアビーズ(直径0.05mm)1713.6gを、ビーズミル(カンペ(株)製:BATCH SAND)に充填し、分散させ、PGME溶剤で濃度調製を行って、無機酸化物粒子(R2)の固形分濃度20重量%、全固形分濃度(無機酸化物粒子(R1)+樹脂)33.4重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(R1)有機溶媒分散液を調製した。無機酸化物微粒子(R1)と被覆用樹脂との重量比は60/40であった。
樹脂被覆無機酸化物粒子(R1)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、全固形分濃度33.4重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(R1)有機溶媒分散液を用いた以外は同様にして光学薄膜形成用塗料(R3)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(R3)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(R4)を用いた以外は同様にして光学薄膜(R4)付基材を調製した。このときの光学薄膜(R4)の厚さは120μmであった。
得られた光学薄膜(R3)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(12)の調製
実施例1と同様にして調製した樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてアクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製:分子量:86)12gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)22.5gを加えた。
塗料中の樹脂被覆無機酸化物粒子(1)と(メタ)アクリレート系樹脂(A)および(B)との重量比は49.2/17.7/33.1である。また、(CF)/(CR)は1.87である。
得られた光学薄膜形成用塗料(12)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(12)を用いた以外は同様にして光学薄膜(12)付基材を調製した。このときの光学薄膜(12)の厚さは70μmであった。
得られた光学薄膜(12)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(R5)の調製
実施例1と同様にして調製した樹脂被覆無機酸化物粒子(1)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてポリグリセリンポリエチレングリコールポリアクリレート(新中村化学(株)製:NK ECONOMER A-PG5054E、分子量:3400)12gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)22.5gを加えた。
ついで、ロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を60℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶剤を除去して光学薄膜形成用塗料(R5)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(R5)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(R5)を用いた以外は同様にして光学薄膜(R5)付基材を調製した。このときの光学薄膜(R5)の厚さは130μmであった。
得られた光学薄膜(R5)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
無機酸化物粒子(13)の調製
純水8060gに硝酸アンモニウム13gと15%アンモニア水20gを入れ攪拌し、50℃に昇温した。この中に純水4290gに錫酸カリウム1519gを溶解した液を10時間かけてローラーポンプで添加した。このときpHコントローラーでpHを8.8に保つよう濃度10重量%の硝酸を添加して調整した。添加終了後1時間50℃をキープした後、濃度10重量%の硝酸を添加しpHを3.0まで下げた。次に限外濾過膜で濾水電導度が10μS/cmになるまで純水で洗浄した後、限外濾過膜で濃縮し取り出した。このとき取り出した液量は6000gで固形分(SnO2)濃度は12重量%であった。このスラリーの中に濃度16重量%のリン酸水溶液264gを添加し、0.5時間攪拌した。
ついで、無機酸化物粒子(13)粉末125.45g、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)232.99g、被覆用樹脂としてフェノールノボラック型エポキシアクリレート(新中村化学(株)製:NKオリゴEA−6320/PGMAC、固形分濃度80%)67.2gと、ジルコニアビーズ(直径0.05mm)1713.6gを、ビーズミル(カンペ(株)製:BATCH SAND)に充填し、分散させ、PGME溶剤で濃度調製を行って、無機酸化物粒子(13)の固形分濃度20重量%、全固形分濃度(無機酸化物粒子(13)+樹脂)28.6重量%の樹脂被覆無機酸化物粒子(13)有機溶媒分散液を調製した。無機酸化物微粒子(13)と被覆用樹脂との重量比は70/30であった。
樹脂被覆無機酸化物粒子(13)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表1に示した。
樹脂被覆無機酸化物粒子(13)有機溶媒分散液100gに、フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)としてフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステル AMP−20GY、分子量:236)10.3gを加え、十分に攪拌した後、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)としてフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製:オグソールEA-0200)19.2gを加えた。
この時、樹脂被覆無機酸化物粒子(13)(PTO+被覆樹脂)とフルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)との重量比((13)/(A)/(B))は49.2/17.7/33.1である。また、(CF)/(CR)は1.87である。
得られた光学薄膜形成用塗料(13)の有機溶媒の残量および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(13)を用いた以外は同様にして光学薄膜(13)付基材を調製した。このときの光学薄膜(13)の厚さは70μmであった。得られた光学薄膜(13)の全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
光学薄膜形成用塗料(14)の調製
実施例1と同様にして光学薄膜形成用塗料(1)を調製し、これに有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を塗料中の濃度が5重量%となるように添加して光学薄膜形成用塗料(14)を調製した。
得られた光学薄膜形成用塗料(14)の有機溶媒の濃度および安定性、粘度および屈折率を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、光学薄膜形成用塗料(14)を用い、塗布したのち80℃、5分間乾燥した以外は同様にして光学薄膜(14)付基材を調製した。このときの光学薄膜(14)の厚さは8μmであった。
得られた光学薄膜(12)の全光線透過率、ヘーズ、耐擦傷性、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
Claims (11)
- 重量平均分子量が86〜3,000の範囲にあるフルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)と、
フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)と、
無機酸化物微粒子が、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシアクリレートから選ばれる芳香族環を有する(メタ)アクリレート系樹脂で、(粒子/樹脂)の重量比で97/3〜20/80で被覆された、平均粒子径が5〜50nmの範囲にある樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)とを含み、
前記フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)の濃度(CR)が固形分として10〜60重量%の範囲にあり、前記フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)の濃度(CF)が固形分として10〜60重量%の範囲にあり、前記樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)の濃度が固形分として20〜70重量%の範囲にあり、有機溶媒の濃度が800ppm以下であることを特徴とする光学薄膜形成用塗料。 - フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)が、芳香環および/またはエポキシ環を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の光学薄膜形成用塗料。
- 前記フルオレン骨格を有さない(メタ)アクリレート系樹脂(A)の濃度(CR)と前記フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート系樹脂(B)の濃度(CF)の濃度比(CF)/(CR)が0.2〜3.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の光学薄膜形成用塗料
- 前記樹脂被覆無機酸化物微粒子(C)の屈折率が1.7〜2.1の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学薄膜形成用塗料。
- 前記無機酸化物微粒子がジルコニア系微粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学薄膜形成用塗料。
- 粘度(η)が10〜8,000Pa・sの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学薄膜形成用塗料。
- 屈折率が1.5〜1.8の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学薄膜形成用塗料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光学薄膜形成用塗料を用いて形成されたことを特徴とする光学薄膜。
- 光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項8に記載の光学薄膜。
- 屈折率が1.6〜1.8の範囲にあることを特徴とする請求項8または9に記載の光学薄膜。
- 波型形状、プリズム状、鋸歯状、凸レンズ、凹レンズ状の形状が付与されてなることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の光学薄膜。
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