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JP2019119613A - 分散液、塗布液、及び熱線遮蔽フィルム - Google Patents

分散液、塗布液、及び熱線遮蔽フィルム Download PDF

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JP2019119613A
JP2019119613A JP2017252959A JP2017252959A JP2019119613A JP 2019119613 A JP2019119613 A JP 2019119613A JP 2017252959 A JP2017252959 A JP 2017252959A JP 2017252959 A JP2017252959 A JP 2017252959A JP 2019119613 A JP2019119613 A JP 2019119613A
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ray shielding
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良 菊田
Ryo Kikuta
良 菊田
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

【課題】高い可視光透過率を担保しつつ、特に1,450nm〜1,750nmの波長の光を効果的に遮蔽できる、優れた熱線遮蔽膜を形成可能な分散液、及び塗布液、並びに熱線遮蔽フィルムを提供すること。【解決手段】 スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、及び分散媒を含有する分散液であって、前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m2/g以上50m2/g以下であり、前記分散液のL*a*b*表色系による色空間の、L*値が18.5以上20.5以下、a*値が0.40以上0.60以下、及びb*値が−6.0以上−4.0以下である分散液である。【選択図】図1

Description

本発明は、分散液、塗布液、及び熱線遮蔽フィルムに関する。
建築物及び乗り物などのある程度の空間を有するものの多くには、その空間内に太陽光などの光を入れて、前記空間内の居心地を向上させるために窓ガラスが使用されている。前記窓ガラスは、可視光と共に赤外光も透過させる性質をもつため、前記空間内の温度が上昇することが知られている。そのため、可視光を通し、赤外光を遮蔽する性質を有する熱線遮蔽フィルムを前記窓ガラスに貼り付けて、空間内の温度上昇を防ぐことが行われている。
前記熱線遮蔽フィルムとしては、例えば、熱線を反射・吸収する酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズ添加酸化インジウム(スズドープ酸化インジウム、ITO)等の金属酸化物粒子、あるいは熱線を遮蔽するフタロシアニン化合物等の有機化合物を、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂等の透明樹脂中に分散させた熱線遮蔽性コーティング組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、前記赤外光の中には、照射された際に、皮膚がジリジリと焼けるように感じる生理的な不快感(以下「ジリジリ感」と称することがある)を与えるものがある。前記ジリジリ感は、波長1,500nm〜2,100nmの赤外線による影響が大きいが(例えば、非特許文献1)、太陽光(日射光)は、この波長域中において、波長1,450nm〜1,750nmに一定の強度を有している。したがって、特に波長1,450nm〜1,750nmの赤外光を遮蔽することにより、前記ジリジリ感を抑えることができる。このため、前記熱線遮蔽フィルムには、特に波長1,450nm〜1,750nmの赤外光を遮蔽することが求められている。
特開2007―84605号公報
砂原一夫ら、「機能性ガラスにおける断熱・遮熱」、Journal of the Society of Inorganic Materials,Japan 14,403−409(2007)
そこで、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い可視光透過率を担保しつつ、特に1,450nm〜1,750nmの波長の光を効果的に遮蔽できる、優れた熱線遮蔽膜を形成可能な分散液、及び塗布液、並びに高い可視光透過率を担保しつつ、特に1,450nm〜1,750nmの波長の光を効果的に遮蔽できる熱線遮蔽フィルムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、及び分散媒を含有する分散液であって、
前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、
前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m/g以上50m/g以下であり、
前記分散液のL表色系による色空間の、L値が18.5以上20.5以下、a値が0.40以上0.60以下、及びb値が−6.0以上−4.0以下であることを特徴とする分散液である。
<2> 前記スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子の含有量が、40質量%以上である前記<1>に記載の分散液である。
<3> スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、重合性化合物、及び分散媒を含有する塗布液であって、
前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、
前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m/g以上50m/g以下であり、
前記塗布液のL表色系による色空間の、L値が10.0以上15.0以下、a値が0.2以上1.3以下、及びb値が−21.1以上−17.5以下であることを特徴とする塗布液である。
<4> スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子を含有する熱線遮蔽フィルムであって、
前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、
前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m/g以上50m/g以下であり、
前記熱線遮蔽フィルムの可視光透過率が80%以上であり、1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率が10%以下であり、かつヘイズ値が1.0%以下であることを特徴とする熱線遮蔽フィルムである。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高い可視光透過率を担保しつつ、特に1,450nm〜1,750nmの波長の光を効果的に遮蔽できる、優れた熱線遮蔽膜を形成可能な分散液、及び塗布液、並びに高い可視光透過率を担保しつつ、特に1,450nm〜1,750nmの波長の光を効果的に遮蔽できる熱線遮蔽フィルムを提供することができる。
図1は、実施例6と比較例1との熱線遮蔽フィルムの分光曲線である。
(分散液)
本発明の分散液は、スズドープ酸化インジウム粒子、及び分散媒を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記分散液は、L表色系による色空間の、L値が18.5以上20.5以下、a値が0.40以上0.60以下、及びb値が−6.0以上−4.0以下である。
本発明者らは、高い可視光透過率を担保しつつ、特に1,450nm〜1,750nmの波長の光を効果的に遮蔽できる、優れた熱線遮蔽膜を形成可能な分散液を得るために検討を行った。その結果、本発明者らは、ITO粒子の物性(インジウム、及びスズの含有量、並びにBET比表面積の大きさ)、分散条件(分散機の種類、ITO粒子の濃度、表面改質剤の種類及び量、分散剤の種類及び量、並びに分散媒の種類及び量など)を最適化することにより、本発明の前記分散液を得ることができ、本発明の完成に至った。
<スズドープ酸化インジウム粒子>
前記スズドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)におけるインジウム(In)の含有量としては、32質量%以上45質量%以下であり、35質量%以上39質量%以下が好ましい。
前記ITO粒子におけるスズ(Sn)の含有量としては、1.4質量%以上6.4質量%以下であり、3.6質量%以上4.5質量%以下が好ましい。
前記ITO粒子における酸素の含有量としては、48質量%以上67質量%以下が好ましく、55質量%以上65質量%以下がより好ましい。
前記ITO粒子の元素比率(In、Sn、及びOの含有量)の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、EPMA(日本電子社製、EPMAJXA−8800)を用い、波長分散型(WDS)検出器により測定できる。
前記ITO粒子のBET比表面積としては、20m/g以上50m/g以下であり、24m/g以上30m/g以下が好ましい。
前記BET比表面積は、例えば、日本ベル株式会社製 BELSORP−miniIIや株式会社島津製作所製 ASAP2020等の装置を用いて測定できる。
前記分散液における、前記ITO粒子の体積平均粒子径(分散粒子径のメディアン値、D50)としては、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。前記分散粒子径のメディアン値D50を30nm以下とすることにより、後述する熱線遮蔽フィルムのヘイズ値を1.0%以下とすることができる。また、過大な凝集粒子に起因するフィルムの強度低下も防ぐことができ、よって耐摩耗性にも優れた熱線遮蔽フィルムを得ることができる。
前記分散粒子径のメディアン値D50は、動的光散乱法やレーザ回折・散乱法により,分散体中の分散粒子の粒度分布として測定できる。特にnmサイズの粒子を測定対象とする場合には、動的光散乱法を用いることが好ましい。分散粒子径の積算%値であるメディアン値D50は、得られた粒度分布から計算できる。前記動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置としては、例えば、株式会社堀場製作所社製 nano Partica SZ−100や日機装株式会社製 Microtrac 9340−UPA等を用いることができる。
なお、前記体積平均粒子径は、いわゆる二次粒子の平均粒子径である。
前記分散液における、ITO粒子の積算体積90%粒子径(以下、D90と表記)としては、60nm以下が好ましく、45nm以下がより好ましい。また、前記D90の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30nmであってもよい。
前記分散液における、ITO粒子の積算体積10%粒子径(以下、D10と表記)としては、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。また、前記D10の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nmであってもよい。
前記D10、及びD90は、例えば、動的光散乱法から求めることができる。前記動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置としては、例えば、株式会社堀場製作所社製 nano Partica SZ−100や日機装株式会社製 Microtrac 9340−UPA等を用いることができる。
前記分散液における前記ITO粒子の含有量は、40質量%(w/w)以上が好ましく、40質量%以上65質量%以下がより好ましく、45質量%以上55質量%以下が更に好ましい。前記ITO粒子の含有量が40質量%未満の場合、前記分散液を用いて後述する塗布液を作製する際に、前記塗布液に十分な量のITO粒子を含有させることができなくなるおそれがある。一方で、前記ITO粒子の含有量が65質量%を超えると、前記体積平均粒子径を30nm以下とすることが難しくなることがある。
−ITO粒子の表面修飾−
前記ITO粒子の表面は、後述する重合性化合物などとの親和性や結合性を向上させる点から、表面修飾剤で修飾することが好ましい。
前記表面修飾剤としては、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物及び界面活性剤の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。これらの表面修飾剤のうち特に好ましいのは、アルコキシシラン化合物としてはシランカップリング剤、シロキサン化合物としては変性シリコーン、界面活性剤としては陰イオン系界面活性剤あるいは非イオン系界面活性剤である。これらの表面修飾剤は、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記表面修飾剤は、重合性化合物との親和性や結合性をより高めるために、重合性化合物との反応性を有する官能基を有することが好ましい。前記官能基としては、重合性化合物がアクリル系樹脂の場合には、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基などの他、不飽和結合を有するビニル基やスチリル基、エポキシ基(グリシジル基)などが挙げられる。重合性化合物がシリコーン系樹脂形成成分の場合には、不飽和結合基であるアルケニル基(ビニル基)やアルキニル基(エチニル基)、ハイドロジェン基(Si−H基)などが挙げられる。重合性化合物がエポキシ系樹脂形成成分の場合には、エポキシ基(グリシジル基)、ヒドロキシル基、アミノ基などが挙げられる。これらの官能基は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビニルエチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエチルジエトキシシラン、p−スチリルエチルジメトキシシラン、p−スチリルエチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、アリルエチルジメトキシシラン、アリルエチルジエトキシシラン、ビニルジエチルメトキシシラン、ビニルジエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、p−スチリルジエチルメトキシシラン、p−スチリルジエチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン、アリルジエチルメトキシシラン、アリルジエチルエトキシシランなどが挙げられる。
前記変性シリコーンとしては、メトキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メタクリレート変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンなどが挙げられる。
前記陰イオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸エステルスルフォン酸ナトリウム等の脂肪酸系、アルキルリン酸エステルナトリウム等のリン酸系、アルファオレインスルフォン酸ナトリウム等のオレフィン系、アルキル硫酸ナトリウム等のアルコール系、アルキルベンゼン系などが挙げられる。
前記非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。
前記シランカップリング剤、前記変性シリコーン、前記陰イオン系界面活性剤、及び前記非イオン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、相互に悪影響を及ぼさない範囲であれば2種以上を併用してもよい。
前記表面修飾剤の修飾量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記表面修飾剤が樹脂形成成分との反応性を有する官能基を有する場合には、前記表面修飾剤の修飾量は、ITO粒子の全質量に対して、0.2質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20質量%以下がより好ましく、1質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
また、前記表面修飾剤中に重合性化合物との反応性を有する官能基を有さない場合には、前記表面修飾剤の修飾量は、ITO粒子の全質量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましく、3質量%以上7質量%以下が更に好ましい。
<分散媒>
前記分散媒としては、前記ITO粒子を分散できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、有機溶媒、無機溶媒などが挙げられる。これらの中でも、後述する重合性化合物への溶解性の点から、有機溶媒が好ましい。
前記有機溶媒(有機溶剤とも称する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アミド系溶媒、エーテルエステル系溶媒などが挙げられる。これら有機溶媒の中から、後述する重合性化合物が良好に溶解するものを選択することが好ましい。前記有機溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記分散液における前記分散媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上55質量%以下がより好ましく、30質量%以上50質量%以下が特に好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、防腐剤、pH調整剤などが挙げられる。
<L
前記分散液は、L表色系による色空間の、L値が18.5以上20.5以下、a値が0.40以上0.60以下、及びb値が−6.0以上−4.0以下である。
前記L値、a値、及びb値は、前記分散液中のITO粒子の含有量が、40質量%であるときの測定値である。なお、前記分散液中のITO粒子の含有量が、40質量%以上の場合は、前記分散媒などで適宜希釈して、ITO粒子の含有量を40質量%にして測定する。また、40質量%未満の場合は、分散液をそのまま測定する。
前記分散液の前記L値は、18.5以上20.5以下であり、19.0以上20.0以下が好ましい。
前記分散液の前記a値は、0.40以上0.60以下であり、0.40以上0.55以下が好ましい。
前記分散液の前記b値は、−6.0以上−4.0以下であり、−5.0以上−4.0以下が好ましい。
前記L表色系による色空間とは、色の表示方法の一つで、国際照明委員会(CIE)が1976年に策定したもので、色感覚を起こす原因になる色光の刺激量を物理的に測定し、明度(L値)、マゼンタと緑の度合(a値)、黄色と青の度合い(b値)で表示するものである。前記L値が0であれば黒を、100であれば白を表し、前記a値が負の値であれば緑寄りの色を、正の値であればマゼンタ寄りの色を表し、前記b値が負の値であれば青寄りの色を、正の値であれば黄色寄りの色を表す。
前記L表色系による色空間の測定方法は、日本工業規格JIS Z 8781−4:2013に規定されており、当該測定方法に準拠した測定装置である分光色彩計、例えば、コニカミノルタ株式会社製SE2000や日本電色工業株式会社製SD7000等を用いて測定することができる。
前記分散液の調製方法は、例えば、後述する実施例を参照して、前記ITO粒子の分散に適した条件により分散を行えばよい。
例えば、前記ITO粒子と、前記分散媒と、前記表面修飾剤とを混合した混合液を、混合装置により機械的に混合する方法により得ることができる。また、予め前記表面修飾剤で修飾された前記ITO粒子を、前記分散媒と混合した混合液を、混合装置により機械的に混合する方法であってもよい。
前記混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、サンドグラインダー、ボールミル等が挙げられる。
(塗布液)
本発明の塗布液は、スズドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)、重合性化合物、及び分散媒を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記塗布液は、L表色系による色空間の、L値が10.0以上15.0以下、a値が0.2以上1.3以下、及びb値が−21.1以上−17.5以下である。
<スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子>
前記ITO粒子としては、例えば、本発明の前記分散液において例示した前記ITO粒子などが挙げられる。好ましい態様も同様である。
前記塗布液における前記ITO粒子の含有量は、不揮発分に対して、40質量%以上60質量%以下が好ましく、45質量%以上60質量%以下がより好ましい。
前記不揮発分とは、前記塗布液から揮発成分を除去した残部である。前記揮発成分は、通常、分散媒であり、前記塗布液から塗膜を作製する際に揮発する。そのため、前記不揮発分の質量は、前記塗布液から塗膜を作製した際の塗膜の質量でもある。
<重合性化合物>
前記重合性化合物は、後述の熱線遮蔽フィルムにおいてマトリックス材となる透明樹脂を形成するための成分であって、透明樹脂を形成するためのモノマーやオリゴマーが含まれ、流動性を有する未硬化物である。その点から、前記重合性化合物は、重合性成分ともいう。
前記重合性化合物には、単一分子量及び単一化学組成を有する物質にかぎらず、分子量分布を有する物質(例えば、重合性を有するオリゴマー、重合性を有するポリマー)も含まれる。
前記透明樹脂とは、例えば、JIS K7361−1:1997に準拠した測定法により測定した、可視光領域全体の平均光透過率が80%以上の樹脂のことを言う。可視光領域全体の平均光透過率は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
前記重合性化合物としては、一般的なハードコート膜に使用される硬化性樹脂のモノマーやオリゴマーであれば、特に限定されず、光硬化性のモノマーやオリゴマーを用いてもよく、熱硬化性のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。
透明性が高く、ハードコート性が強い膜が得られやすい点で、光硬化性のモノマーを用いることが好ましく、光硬化性のモノマーの中でもさらに、分子中に1個以上のアクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれか一方又は両方を有する架橋性化合物を用いることが好ましい。以下、アクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれか一方又は両方を有することを、(メタ)アクリロイル基と称することがある。アクリレートなどについても同様である。
前記分子中に1個以上のアクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれか一方又は両方を有する架橋性化合物としては、特に限定されないが、反応性、透明性、耐候性、及び硬度に優れた多官能(メタ)アクリレートが好ましい。ここで多官能とは、3個以上の官能基を有することを意味する。3個以上の官能基は、全て同種の官能基であってもよいし、異種の官能基であってもよい。
上記の架橋性化合物が有するアクリロイル基、メタクリロイル基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アリルエーテル基、スチリル基、水酸基等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリシロキサンアクリレート等、これらのメタクリレートなどが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記塗布液における前記重合性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、不揮発分に対して、20質量%以上55質量%以下が好ましく、25質量%以上50質量%以下がより好ましく、30質量%以上45質量%以下が特に好ましい。
<分散媒>
前記分散媒としては、例えば、本発明の前記分散液において例示した前記分散媒などが挙げられる。好ましい態様も同様である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、重合開始剤、帯電防止剤、屈折率調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、カップリング剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、重合開始剤等が挙げられる。
−分散剤−
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸エステル系、カルボン酸系、ポリカルボン酸系等のアニオン型界面活性剤、アミン類等のカチオン型界面活性剤、高級脂肪酸ポリエチレングリコールエステル系等のノニオン型界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アマイドエステル結合を有する高分子系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−重合開始剤−
前記重合開始剤は、前記重合性化合物として用いるモノマー及びオリゴマーの種類に応じて、適宜選択することができる。光硬化性の重合性化合物を用いる場合には、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤の種類や量は、使用する光硬化性の重合性化合物に応じて適宜選択される。
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、キノン系、ベンジルジメチルケタール系、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、フェニルフォスフィンオキサイド系などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塗布液における前記重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性化合物に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上15質量%以下がより好ましく、3質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
−増粘剤−
前記増粘剤としては、例えば、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミン、デンプン等の天然の水溶性高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボマー(カルボキシビニルポリマー)、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド等の合成高分子、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機鉱物などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塗布液の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の前記分散液と、前記重合性化合物と、前記重合開始剤と、必要に応じて、前記その他の成分とを混合装置により機械的に混合する方法により得ることができる。
前記混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーなどが挙げられる。
<L
前記塗布液は、L表色系による色空間の、L値が10.0以上15.0以下、a値が0.2以上1.3以下、及びb値が−21.1以上−17.5以下である。
前記L値、a値、及びb値は、前記塗布液中のITO粒子の含有量、重合性化合物が、下記の含有量であるときの値である。
・ITO粒子 26.3質量%
・重合性化合物 20.74質量%
前記塗布液の前記L値は、10.0以上15.0以下であり、11.0以上13.0以下が好ましい。
前記塗布液の前記a値は、0.2以上1.3以下であり、0.5以上1.3以下が好ましい。
前記塗布液の前記b値は、−21.1以上−17.5以下であり、−20.0以上−17.5以下が好ましい。
(熱線遮蔽フィルム)
本発明の熱線遮蔽フィルムは、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子を含有する。
前記熱線遮蔽フィルムは、可視光透過率が80%以上であり、1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率が10%以下である
前記熱線遮蔽フィルムは、ヘイズ値が1.0%以下である。
前記熱線遮蔽フィルムは、例えば、熱線遮蔽層と、基材とを有する。
例えば、前記熱線遮蔽層を、前記基材上に、本発明の前記塗布液で形成することにより、可視光透過率が80%以上であり、1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率が10%以下であり、かつヘイズ値が1.0%以下である熱線遮蔽フィルムが得られる。
<ヘイズ値>
前記熱線遮蔽フィルムは、前記ヘイズ値が1.0%以下であり、0.6%以下が好ましい。前記ヘイズ値とは、全光線透過光に対する拡散透過光の割合(%)のことである。
前記ヘイズ値が1.0%以下であることで、自動車のフロントガラスや建築物の窓ガラスに貼付した際にも、遠くの景色がぼやけることなく、良好な眺めを確保できる。
前記ヘイズ値の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1%であってもよい。
通常、熱線遮蔽フィルムに使用される基材のヘイズ値が1.0%未満であることからして、前記熱線遮蔽層は、極めて透明性に優れている。
前記ヘイズ値は、日本工業規格JIS K 7136:2000に準拠した測定法により、ヘイズメーター、例えば、日本電色工業株式会社製 NDH−2000や、株式会社村上色彩技術研究所製 HM−150等を用いて測定し、得ることができる。
<可視光透過率>
前記熱線遮蔽フィルムは、前記可視光透過率が80%以上であり、85%以上が好ましい。
前記可視光透過率が80%以上であることで、自動車のフロントガラスや建築物の窓ガラスに貼付した際にも、遠くの景色がぼやけることなく、良好な眺めを確保できる。
前記可視光透過率は日本工業規格JIS S3107:1998に準拠した測定法により、分光光度計(例えば、株式会社日立製作所製 U−4100、株式会社島津製作所製 UV−3600など)を用いて測定し、得ることができる。
前記熱線遮蔽フィルムは、赤外光遮蔽性、特に遮蔽係数等の定量的指標の数値以上に体感するジリジリ感を抑制するために、1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率が10%以下であり、5%以下が好ましい。
前記波長1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率は、前記可視光透過率の測定と同様、日本工業規格JIS S3107:1998に準拠した測定法により測定することができる。
<基材>
前記基材としては、可視光線を透過する樹脂であればよく、例えば、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE) 、ポリ塩化三フッ化エチレン(PCTFE)などが挙げられる。これらの中でも、透明性、安定性、コスト等の点から、ポリエステルフィルムが好ましく、前記ポリエステルフィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
前記基材の形態としては、シート状であってもよく、可撓性を有するフィルム状であってもよいが、フィルム状であることが好ましい。
前記基材の平均厚みとしては、その材料や、形成される熱線遮蔽フィルムの用途等に応じて適宜選択できるが、例えば、25μm以上200μm以下が好ましく、25μm以上100μm以下がより好ましく、25μm以上50μm以下が特に好ましい。
<熱線遮蔽層>
前記熱線遮蔽層は、スズドープ酸化インジウム粒子(ITO)粒子、及び重合性化合物の硬化物を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記ITO粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記分散液の説明で例示した前記ITO粒子などが挙げられる。
前記熱線遮蔽層における前記ITO粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以上60質量%以下が好ましく、45質量%以上60質量%以下がより好ましく、50質量%以上60質量%以下が特に好ましい。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記塗布液の説明で例示した前記重合性化合物などが挙げられる。
前記熱線遮蔽層における前記重合性化合物の硬化物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%以上55質量%以下が好ましく、25質量%以上50質量%以下がより好ましく、30質量%以上45質量%以下が特に好ましい。
前記熱線遮蔽層は、例えば、前記塗布液を硬化して得られる。
前記塗布液を用いて前記熱線遮蔽層を前記基材上に配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースロールコート法、ナイフコータ法、スクリーン印刷法、キスコータ法等、通常のウェットコート法などが挙げられる。
前記塗布液を硬化させる方法としては、前記塗布液に含まれる前記重合性化合物の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記重合性化合物が熱硬化型樹脂である場合、この樹脂形成成分が硬化するのに十分な温度及び時間にて加熱することにより硬化させることができる。また、前記重合性化合物が光硬化型樹脂である場合、この重合性化合物が硬化するのに十分なエネルギーを有する光を所定時間照射することにより硬化させることができる。
なお、前記塗布液が溶剤等の揮発成分を含有する場合には、塗布液を硬化させる前に、該揮発成分を除去しておくことが好ましい。揮発成分の除去方法としては、適宜選択できるが、大気中ないしは減圧化での熱処理が好ましく、その条件は50℃〜150℃で1分間〜10分間程度が好ましい。
前記光硬化型樹脂を硬化させる光としては、フィルムが硬化すれば、特に限定されないが、例えば、紫外線、近紫外線、遠赤外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等のエネルギー線が挙げられる。前記エネルギー線の中でも、硬化速度が速く、装置の入手及び取り扱いが容易である点から、紫外線が好ましい。
前記紫外線を照射する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、200nm〜500nmの波長帯域の紫外線を発生する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100mJ/cm〜3,000mJ/cmのエネルギーにて、紫外線を照射する方法などが挙げられる。
前記熱線遮蔽層の平均厚みとしては、その材料や、形成される熱線遮蔽フィルムの用途等に応じて適宜選択できるが、0.1μm以上20μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下がより好ましく、1.0μm以上5.0μm以下が特に好ましい。
前記ITO粒子が表面修飾されている場合、前記重合性化合物の硬化物との親和性や結合性が向上しているため、前記熱線遮蔽フィルム中に前記ITO粒子が均一に分散保持され易く、よって、前記熱線遮蔽フィルム内のすべての箇所での特性が均一となる。したがって、この前記熱線遮蔽フィルムの面内における屈折率がほぼ均一となり、前記熱線遮蔽フィルムの色ムラの発生が抑制される。また、前記ITO粒子と前記重合性化合物の硬化物との親和性や結合性が向上しているから、前記重合性化合物の硬化物と前記ITO粒子の界面における剥離等が発生せず、よって強度や耐摩耗性の高い熱線遮蔽フィルムが得られる。
前記熱線遮蔽フィルムの平均厚みとしては、その材料や、形成される熱線遮蔽フィルムの用途等に応じて適宜選択できるが、25μm以上220μm以下が好ましく、25μm以上120μm以下がより好ましく、25μm以上70μm以下が特に好ましい。
本発明の熱線遮蔽フィルムにより、遠くも見やすく、かつ高い可視光透過率を担保しつつ、高い熱線遮蔽効果をもった熱線遮蔽フィルムを提供することができる。
したがって、本発明の熱線遮蔽フィルムを自動車のフロントガラスや建築物の窓ガラスの表面等に適用すれば、遠くが見やすく、透明性に優れ、かつ十分な熱線遮蔽性が得られる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<ITO粒子Aの製造>
水2,000質量部に、塩化インジウム(無水物)138.2質量部と、塩化第二錫(無水物)21.4質量部をよく溶解し、水温を5℃に保ちながら、6mol/Lのアンモニア水500質量部を30分間で滴下し、その後2時間水温を5℃に保ち、ITOゾルを得た。
得られたITOゾルを、デカンテーション法で上澄みの水の電気伝導度が10μSになるまで純水で洗浄し、遠心分離法を用いて、ITOゾルのケーキを得た。
得られたケーキをほぐして、真空乾燥機を用いて70℃にて24時間乾燥させた。
乾燥したITOゾルを窒素雰囲気で400℃、3時間焼成し、その後3体積%の水素を含む窒素の混合気体を導入し、300℃で5時間還元し、ITO粒子Aを得た。
<ITO粒子Bの製造>
ITO粒子Aの製造において、ITOゾルの焼成を窒素雰囲気下で425℃、3時間の条件で行った以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Bを得た。
<ITO粒子Cの製造>
ITO粒子Aの製造において、ITOゾルの焼成を窒素雰囲気下で375℃、3時間の条件で行った以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Cを得た。
<ITO粒子Dの製造>
ITO粒子Aの製造において、ITOゾルの焼成を窒素雰囲気下で500℃、3時間の条件で行った以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Dを得た。
<ITO粒子Eの製造>
ITO粒子Aの製造において、ITOゾルの焼成を窒素雰囲気下で300℃、3時間の条件で行った以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Eを得た。
<ITO粒子Fの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を147.1質量部、塩化第二錫(無水物)を8.6質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Fを得た。
<ITO粒子Gの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を130.2質量部、塩化第二錫(無水物)を32.8質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Gを得た。
<ITO粒子Hの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を149.4質量部、塩化第二錫(無水物)を5.35質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Hを得た。
<ITO粒子Iの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を123.9質量部、塩化第二錫(無水物)を41.9質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Iを得た。
<ITO粒子Jの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を138.0質量部、塩化第二錫(無水物)を21.6質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Jを得た。
<ITO粒子Kの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を138.9質量部、塩化第二錫(無水物)を20.3質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Kを得た。
<ITO粒子Lの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を139.6質量部、塩化第二錫(無水物)を19.3質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Lを得た。
<ITO粒子Mの製造>
ITO粒子Aの製造において、塩化インジウム(無水物)を135.1質量部、塩化第二錫(無水物)を25.8質量部とした以外は、ITO粒子Aの製造と同様にして、ITO粒子Mを得た。
<ITO粒子の元素比の測定>
得られたITO粒子の元素比率(In、Sn、及びOの含有量)は、EPMA(日本電子社製、EPMAJXA−8800)を用い、波長分散型(WDS)検出器により測定した。結果を表1に示す。
<ITO粒子のBET比表面積の測定>
得られたITO粒子のBET比表面積は、比表面積測定装置(日本ベル株式会社製、BELSPRP−miniII)を用いて測定した。結果を表1に示す。
(実施例1)
<分散液1の作製>
ITO粒子A 50質量部に、表面修飾剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103;信越化学工業株式会社製)7.5質量部、アルキルジメチルアミン0.75質量部、及び分散媒(溶媒)としてのメチルイソブチルケトン(MIBK)41.75質量部を加え、直径0.1mmのガラスビーズを用いて、回転数2,500rpmで5時間ビーズミル処理をした後、ガラスビーズを分離し、分散液1を作製した。
<分散液の色空間(L)の測定>
得られた分散液1を、ITO粒子の含有量が40質量%になるようにトルエンで希釈し、直径30mmの底部が平滑な無色透明のガラスセルに20mL充填した。分光色彩計(SE2000、日本電色工業株式会社製)を使用し、D65光源、2度視野にて反射光の色調を、日本工業規格JIS Z 8781−4:2013に準拠した測定方法に基づき、分散液1のLを測定した。結果を表1に示す。
<分散粒子径(粒度分布)の測定>
得られた分散液1におけるITO粒子の粒度分布を、粒度分布測定装置(Microtrac 9340−UPA、日機装株式会社製)を使用し、動的光散乱法を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。
<塗布液1の作製>
分散液1を52.6質量部、重合性化合物として、多官能アクリレート樹脂(NKハード T−102、新中村化学工業株式会社製)20.1質量部、光重合開始剤(IRGACURE907、BASF社製)0.64質量部、溶媒としてトルエン11質量部、及びMIBK15.66質量部を加え、十分に撹拌し、塗布液1を得た。
<塗布液の色空間(L)測定>
得られたの塗布液1を、希釈等はせずに直径30mmの底部が平滑な無色透明のガラスセルに20mL充填した。分光色彩計(SE2000、日本電色工業株式会社製)を使用し、D65光源、2度視野にて反射光の色調を、日本工業規格JIS Z 8781−4:2013に準拠した測定方法に基づき、塗布液1のLを測定した。結果を表2に示す。
<熱線遮蔽フィルムの作製>
実施例1の塗布液を、基材となる平均厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A4300、東洋紡株式会社製)に、硬化後の熱線遮蔽膜の平均厚みが1.0μmとなるようにバーコーターにより塗布し、80℃にて1分間加熱して揮発成分を除去させた。前記加熱処理後、高圧水銀灯(120W/cm)を用いて、紫外線を300mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、硬化し、熱線遮蔽フィルム1を得た。
<ヘイズ値の測定>
得られた熱線遮蔽フィルム1について、ヘイズメーター(TC−1800MK/II、日本電色工業株式会社製)を使用し、日本工業規格JIS K 7136に準拠した測定法により、ヘイズ値を測定した。結果を表3に示す。
<光透過性の測定>
得られた熱線遮蔽フィルム1の光透過率を、日本工業規格JIS S3107:1998に準拠した測定法により測定した。
熱線遮蔽フィルム1を、平均厚み3mmのガラス板に粘着シートを用いて貼り付け、熱線遮蔽フィルム1及び前記ガラス板を透過する波長450nm〜2,500nmの光の透過率を、分光光度計(U−4100、株式会社日立製作所製)を用いて測定した。可視光透過率と、1,450nm〜1,750nmの波長の光の最大透過率とを表3に示す。
(実施例2)
<分散液2、塗布液2、及び熱線遮蔽フィルム2の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を4時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液2を得た。得られた分散液2について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液2を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液2を得た。得られた塗布液2について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液2を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム2を得た。得られた熱線遮蔽フィルム2について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例3)
<分散液3、塗布液3、及び熱線遮蔽フィルム3の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を3時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液3を得た。得られた分散液3について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液3を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液3を得た。得られた塗布液3について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液3を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム3を得た。得られた熱線遮蔽フィルム3について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例4)
<分散液4、塗布液4、及び熱線遮蔽フィルム4の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を5.5時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液4を得た。得られた分散液4について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液4を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液4を得た。得られた塗布液4について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液4を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム4を得た。得られた熱線遮蔽フィルム4について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例5)
<分散液5、塗布液5、及び熱線遮蔽フィルム5の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を6時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液5を得た。得られた分散液5について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液5を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液5を得た。得られた塗布液5について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液5を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム5を得た。得られた熱線遮蔽フィルム5について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例6)
<分散液6、塗布液6、及び熱線遮蔽フィルム6の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を6.5時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液6を得た。得られた分散液6について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液6を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液6を得た。得られた塗布液6について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液6を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム6を得た。得られた熱線遮蔽フィルム6について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例7)
<分散液7、塗布液7、及び熱線遮蔽フィルム7の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Bに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液7を得た。得られた分散液7について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液7を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液7を得た。得られた塗布液7について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液7を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム7を得た。得られた熱線遮蔽フィルム7について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例8)
<分散液8、塗布液8、及び熱線遮蔽フィルム8の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Cに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液8を得た。得られた分散液8について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液8を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液8を得た。得られた塗布液8について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液8を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム8を得た。得られた熱線遮蔽フィルム8について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例9)
<分散液9、塗布液9、及び熱線遮蔽フィルム9の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Fに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液9を得た。得られた分散液9について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液9を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液9を得た。得られた塗布液9について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液9を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム9を得た。得られた熱線遮蔽フィルム9について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例10)
<分散液10、塗布液10、及び熱線遮蔽フィルム10の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Gに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液10を得た。得られた分散液10について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液10を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液10を得た。得られた塗布液10について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液10を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム10を得た。得られた熱線遮蔽フィルム10について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例11)
<分散液11、塗布液11、及び熱線遮蔽フィルム11の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Jに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液11を得た。得られた分散液11について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液11を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液11を得た。得られた塗布液11について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液11を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム11を得た。得られた熱線遮蔽フィルム11について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例12)
<分散液12、塗布液12、及び熱線遮蔽フィルム12の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Kに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液12を得た。得られた分散液12について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液12を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液12を得た。得られた塗布液12について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液12を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム12を得た。得られた熱線遮蔽フィルム12について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例13)
<塗布液13、熱線遮蔽フィルム13の作製>
塗布液1の作製において、分散液1を用いて、希釈溶媒をトルエンからシクロヘキサノンに変更した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液13を得た。得られた塗布液13について塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液13を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム13を得た。得られた熱線遮蔽フィルム13について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
なお、表1〜表3中の実施例13においては、分散液1を分散液13と表記した。
(実施例14)
<分散液14、塗布液14、及び熱線遮蔽フィルム14の作製>
分散液1の作製において、分散媒をメチルエチルケトン(MEK)にした以外は、分散液1と同様にして、分散液14を得た。得られた分散液14について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液14を用い、溶媒としてトルエン11質量部、及びMIBK15.66質量部から、溶媒としてトルエン11質量部、及びMEK15.66質量部に変更した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液14を得た。得られた塗布液14について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液14を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム14を得た。得られた熱線遮蔽フィルム14について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
<分散液15、塗布液15、及び熱線遮蔽フィルム15の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を1時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液15を得た。得られた分散液15について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液15を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液15を得た。得られた塗布液15について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液15を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム15を得た。得られた熱線遮蔽フィルム15について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
<分散液16、塗布液16、及び熱線遮蔽フィルム16の作製>
分散液1の作製において、ビーズミル処理の時間を2時間にした以外は、分散液1と同様にして、分散液16を得た。得られた分散液16について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液16を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液16を得た。得られた塗布液16について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液16を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム16を得た。得られた熱線遮蔽フィルム16について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
<分散液17、塗布液17、及び熱線遮蔽フィルム17の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Dに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液17を得た。得られた分散液17について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液17を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液17を得た。得られた塗布液17について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液17を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム17を得た。得られた熱線遮蔽フィルム17について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
<分散液18、塗布液18、及び熱線遮蔽フィルム18の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Eに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液18を得た。得られた分散液18について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液18を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液18を得た。得られた塗布液18について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液18を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム18を得た。得られた熱線遮蔽フィルム18について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例5)
<分散液19、塗布液19、及び熱線遮蔽フィルム19の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Hに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液19を得た。得られた分散液19について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液19を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液19を得た。得られた塗布液19について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液19を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム19を得た。得られた熱線遮蔽フィルム19について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例6)
<分散液20、塗布液20、及び熱線遮蔽フィルム20の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Iに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液20を得た。得られた分散液20について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液20を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液20を得た。得られた塗布液20について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液20を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム20を得た。得られた熱線遮蔽フィルム20について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例7)
<分散液21、塗布液21、及び熱線遮蔽フィルム21の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Lに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液21を得た。得られた分散液21について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液21を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液21を得た。得られた塗布液21について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液21を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム21を得た。得られた熱線遮蔽フィルム21について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例8)
<分散液22、塗布液22、及び熱線遮蔽フィルム22の作製>
分散液1の作製において、ITO粒子AをITO粒子Mに変更した以外は、分散液1と同様にして、分散液22を得た。得られた分散液22について、分散液1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
塗布液1の作製において、分散液22を使用した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液22を得た。得られた塗布液22について、塗布液1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
熱線遮蔽フィルム1の作製において、塗布液22を使用した以外は、熱線遮蔽フィルム1と同様にして、熱線遮蔽フィルム22を得た。得られた熱線遮蔽フィルム22について、熱線遮蔽フィルム1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。
なお、上記総合評価の欄は、作製した熱線遮蔽フィルムのヘイズ値が1.0以下、可視光透過率が80%以上、又は1,450nm〜1,750nmの最大透過率が10%以下であることの全てを満たすものは「○」、いずれか1つでも満たさない場合は「×」とした。
図1は、実施例6と比較例1との熱線遮蔽フィルムの分光曲線である。表1〜3及び図1から、分散液のL値が18.5〜20.5、a値が0.40〜0.60、b値が−6.0〜−4.0で、かつ比表面積(BET)20m/g〜50m/gの範囲であれば、高い可視光透過率と、熱線遮蔽性能を有することが分かった。また、塗布液も、L値が10.0〜15.0、a値が0.2〜1.3、b値が−21.1〜−17.5の範囲になることが確かめられた。
比較例1、2の分散液及び塗布液のL値、a値、及びb値は、全て本発明の値を満たしておらず、ITO粒子の分散が不十分であることが確認できた。ITO粒子の分散が不十分である分散液及び塗布液を用いた熱線遮蔽フィルムは、ヘイズ値が1.0以上であり、1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率(以下、「熱線透過率」と略記する)が10%以上であった。
比較例3、4の分散液及び塗布液のL値、a値、及びb値は、全て本発明の値を満たしておらず、ITO粒子の分散が不十分であることが確認できた。そして、比較例3のITO粒子のBET比表面積は、本発明の値よりも小さい。比較例3のITO粒子を用いた熱線遮蔽フィルムは、熱線透過率が12.7%であった。また、比較例4のITO粒子のBET比表面積は、本発明の値よりも大きい。比較例4のITO粒子を用いた熱線遮蔽フィルムのヘイズ値は、1.5であった。これらのことから、L値、a値、b値が本発明値を満たさず、かつ、ITO粒子のBET比表面積が小さいと熱線透過率が大きくなることが明らかになり、L値、a値、b値が本発明の範囲外であり、かつITOのBET比表面積が大きいと、ヘイズ値が高くなることが明らかになった。
比較例5のITO粒子は、錫の含有量が本発明の値より少ない。このようなITO粒子を用いた分散液及び塗布液は、L値、a値、及びb値が本発明の値を満たさなかった。そして、比較例5の熱線遮蔽フィルムの熱線透過率は、12.5%であった。比較例6のITO粒子は、錫の含有量が本発明の値より多い。このようなITO粒子を用いた分散液及び塗布液は、L値、a値、及びb値が本発明の値を満たさなかった。そして、比較例6の熱線遮蔽フィルムの可視光透過率は、75.2%であった。比較例5、6の結果から、ITO粒子の錫の含有量が本発明の値を満たさないと、それを用いた熱線遮蔽フィルムは、熱線透過率が大きく、可視光透過率が下がることが明らかになった。
比較例7のITO粒子は、インジウムの含有量が本発明の値より少ない。このようなITO粒子を用いた分散液及び塗布液は、L値、a値、及びb値が本発明の値を満たさなかった。そして、比較例7の熱線遮蔽フィルムのヘイズ値は、1.8であった。比較例8のITO粒子は、インジウムの含有量が本発明の値より多い。このようなITO粒子を用いた分散液及び塗布液は、L値、a値、及びb値が本発明の値を満たさなかった。そして、比較例8の熱線遮蔽フィルムの可視光透過率は71.1%であった。比較例7、8の結果から、ITO粒子のインジウムの含有量が本発明の値を満たさないと、それを、用いた熱線遮蔽フィルムは、ヘイズ値が大きく、可視光透過率が下がることが明らかになった。

Claims (4)

  1. スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、及び分散媒を含有する分散液であって、
    前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、
    前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m/g以上50m/g以下であり、
    前記分散液のL表色系による色空間の、L値が18.5以上20.5以下、a値が0.40以上0.60以下、及びb値が−6.0以上−4.0以下であることを特徴とする分散液。
  2. 前記スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子の含有量が、40質量%以上である請求項1に記載の分散液。
  3. スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、重合性化合物、及び分散媒を含有する塗布液であって、
    前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、
    前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m/g以上50m/g以下であり、
    前記塗布液のL表色系による色空間の、L値が10.0以上15.0以下、a値が0.2以上1.3以下、及びb値が−21.1以上−17.5以下であることを特徴とする塗布液。
  4. スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子を含有する熱線遮蔽フィルムであって、
    前記スズドープ酸化インジウム粒子が、Inを32質量%以上45質量%以下、かつSnを1.4質量%以上6.4質量%以下含有し、
    前記スズドープ酸化インジウム粒子のBET比表面積が、20m/g以上50m/g以下であり、
    前記熱線遮蔽フィルムの可視光透過率が80%以上であり、1,450nm〜1,750nmの波長の光透過率が10%以下であり、かつヘイズ値が1.0%以下であることを特徴とする熱線遮蔽フィルム。

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