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JP5953832B2 - 記録媒体及び転写箔 - Google Patents

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JP5953832B2 JP2012050187A JP2012050187A JP5953832B2 JP 5953832 B2 JP5953832 B2 JP 5953832B2 JP 2012050187 A JP2012050187 A JP 2012050187A JP 2012050187 A JP2012050187 A JP 2012050187A JP 5953832 B2 JP5953832 B2 JP 5953832B2
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Description

本発明は、磁気記録層と蛍光インキ層と、さらにコレステリック液晶層を有する偽造防止性の高い記録媒体と、該記録媒体で使用される転写箔に関するものである。
従来から、経済的に価値の高い高額商品や、ID(Identification;照合一致)手段として用いると高い価値を生じるクレジットカードや、トラベラーズチェック、または金券類等には、それらの真偽性を判定するのに適したホログラム(ラベル)を付与させて、偽造を防止して、真正物として証明することが行われている。しかし、最近では、目視では本物と区別がつかないようなホログラムの製造が行われて、真正性を証明する新規なものが要求されている。
偽造防止用の媒体として、例えば、特許文献1には、ホログラムによる視覚効果と、磁気による機械情報処理能力を合わせ持った磁気カードが提案されている。また、特許文献2には真正性識別フィルムとして、基板フィルム上に、光吸収層、ホログラム形成層、コレステリック液晶配向を固定化した反射性フィルム、保護層を順に形成したものが提案されている。
上記に挙げたような磁気カード、真正性識別フィルムは、ホログラムによる装飾性が高く、磁気記録、あるいはコレステリック液晶配向の特定条件を付加させたもので、一定の偽造防止性を有しているが、偽造する技術が進み、現状では偽造防止性において、満足できるものではない。
上記に挙げた磁気カード等で、偽造防止性を高めるために、例えば磁気記録層の上に、肉眼では認識できない蛍光インキによる印刷を施すことを検討したが、蛍光発色性が背景にある黒色系の磁気記録層に吸収されて、その蛍光の輝度が低下して、蛍光の認識が十分ではないという問題が生じている。このように、偽造防止用の媒体として、表示あるいは記録すべき情報が増加しており、さらにデザインの多様化に対応した記録媒体の開発が求められている。
特開平6−130882号公報 国際公開WO2000/013065号
したがって、上記の問題を解決するために本発明の目的は、偽造防止性が高く、磁気記録層の上に、蛍光インキによる印刷を施した場合、その蛍光輝度が高く、蛍光の認識が確実に出来て、さらに入射光の左円偏光又は右円偏光のいずれか一方を反射させ、コレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化する記録媒体を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の要旨の第1は、コレステリック液晶層を一方の面に有する透明性基材の他方側面に対し、黒色の磁気記録層、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層、ブラックライト照射により蛍光発色する蛍光インキ層による画像を順次積層したことを特徴とする記録媒体である。本発明の要旨の第2は、コレステリック液晶層を一方の面に有する透明性基材の当該コレステリテック液晶層面に対し、黒色の磁気記録層、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層、ブラックライト照射により蛍光発色する蛍光インキ層による画像を順次積層したことを特徴とする記録媒体、である。
これにより、磁気記録層の上の蛍光インキ層は、その蛍光輝度が高く、蛍光の認識が確実に出来るものである。さらにコレステリック液晶層を有する記録媒体に対する入射光の左円偏光又は右円偏光のいずれか一方が反射して、コレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化するものであり、偽造防止性の高い記録媒体である。磁気記録層に可変情報等が記録され、コレステリック液晶層に形成されたパターンの情報等を有し、また肉眼では認識できない蛍光インキ層を有しているので、偽造防止性が高いものである。さらに、黒色の磁気記録層の上にコレステリック液晶層を有しているので、上記のとおり、入射光の左円偏光又は右円偏光のいずれか一方を反射させ、コレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化するような選択反射性、及び円偏光選択性の特性を発揮させた偽造防止性が高く、かつ意匠性が高い記録媒体である。
また、本発明の要旨の第1において、前記透明性基材と、前記黒色の磁気記録層との間に、ホログラム形成層と透明反射層を、該透明反射層と磁気記録層とが接するように順次設け、該ホログラム形成層を透明性基材とコレステリック液晶層を通して、認識可能であることを特徴とする記録媒体とすることができる。また、本発明の要旨の第2において、前記コレステリテック液晶層と前記黒色の磁気記録層との間に、ホログラム形成層と透明反射層を、該透明反射層と黒色の磁気記録層とが接するように順次設け、該ホログラム形成層を透明性基材とコレステリック液晶層を通して、認識可能であることを特徴とする記録媒体とすることができる。
これにより、ホログラム形成層で形成された微細な凹凸によるホログラム画像が、コレステリック液晶層の光学特性を生かした特有なものとなり、より偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものとなる。
また、本発明の要旨の第3は、基材の一方の面に、コレステリック液晶層、黒色の磁気記録層、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層、ブラックライト照射により蛍光発色する蛍光インキ層による画像、接着剤層を順次積層したことを特徴とする転写箔である。
また、本発明の要旨の第3において、前記のコレステリック液晶層と黒色の磁気記録層との間に、ホログラム形成層と透明反射層を、該透明反射層と黒色の磁気記録層とが接するように、順次設けることができる

本発明の記録媒体は、磁気記録層の上に、蛍光インキ層を有し、その蛍光輝度が高く、蛍光の認識が確実に出来て、さらに入射光の左円偏光又は右円偏光のいずれか一方を反射するコレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化する。したがって、情報が記録された磁気記録層と、コレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化して、パターンの情報等を認識できるコレステリック液晶層、さらに肉眼で見ただけでは認識できない情報に対し、ブラックライトを照射することにより、その情報を認識できる蛍光インキ層を合わせもった記録媒体であり、偽造防止性が高い。
本発明の記録媒体の一つの実施形態を示す概略図である。 本発明の記録媒体の他の実施形態を示す概略図である。 本発明の記録媒体の他の実施形態を示す概略図である。 本発明の記録媒体の他の実施形態を示す概略図である。 本発明の転写箔と、その転写箔を用いて熱転写して形成した記録媒体の実施形態を示す概略図である。 本発明の転写箔と、その転写箔を用いて熱転写して形成した記録媒体の実施形態を示す概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明の記録媒体1の一つの実施形態を示す。コレステリック液晶層7を一方の面に有する透明性基材2として、図1の場合では透明性基材2に接して、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5を順次積層した構成の記録媒体である。図示してはいないが、コレステリック液晶層7の透明性基材2と接する面に、微細な凹凸によるホログラム画像を形成し、磁気記録層3による反射で、そのホログラム画像を視認できるようにすることができる。そのホログラム画像は、コレステリック液晶の入射光に対する選択反射性、及び円偏光選択性の特性を発揮した独特な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものである。
その磁気記録層3には、例えば、その記録媒体の所有者となる個人の生年月日、住所等の可変情報が磁気により、記録されている。そして、その磁気記録層3の黒色を隠蔽して、蛍光インキ層5の蛍光発色性を高めるために、隠蔽層4が形成されている。
また、蛍光インキ層5は、隠蔽層4の上に、各種印刷方式でパターン、あるいは画像を形成することができる。また、その記録媒体1とは別の基材上に、熱転写性の蛍光インキ層を設けた熱転写シートを用いて、記録媒体の隠蔽層の上に、パターン、あるいは画像状に蛍光インキ層を熱転写して、例えば、上記の記録媒体の所有者となる個人の顔の画像(あるいは顔のパターン)等を形成できる。このような蛍光インキ層を磁気記録層などに記録された情報と関連付けされた情報として記録すれば、偽造防止性が高まり、より好ましい。
図2に本発明の記録媒体1の他の実施形態を示す。透明性基材2の一方の面にコレステリック液晶層7を有し、該透明性基材2の他方の面に、ホログラム形成層8、透明反射層6、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5が順次積層された記録媒体1である。図2に示した記録媒体1は、図1に示した記録媒体の透明性基材2と磁気記録層3との間に、ホログラム形成層8と透明反射層6を、該透明反射層6と磁気記録層3とが接するように順次設けたもので、該ホログラム形成層8を透明性基材2とコレステリック液晶層7を通して、認識可能なものである。
図3に本発明の記録媒体1の他の実施形態を示す。コレステリック液晶層7を一方の面に有する透明性基材2として、図3の場合ではコレステリック液晶層7に接して、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5を順次積層した構成の記録媒体である。図示してはいないが、コレステリック液晶層7の磁気記録層3と接する面に、微細な凹凸によるホログラム画像を形成し、磁気記録層3による反射で、そのホログラム画像を視認できるようにすることができる。そのホログラム画像は、コレステリック液晶の入射光に対する選択反射性、及び円偏光選択性の特性が発揮した独特な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものである。
図4に本発明の記録媒体1の他の実施形態を示す。透明性基材2の一方の面に、コレステリック液晶層7、ホログラム形成層8、透明反射層6、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5が順次積層された記録媒体1である。図4に示した記録媒体1は、図3に示した記録媒体のコレステリック液晶層7と磁気記録層3との間に、ホログラム形成層8と透明反射層6を、該透明反射層6と磁気記録層3とが接するように順次設けたもので、該ホログラム形成層8を透明性基材2とコレステリック液晶層7を通して、認識可能なものである。図1〜4に示した記録媒体1は、例えば、0.2mm〜5mm程度のごく狭い幅のテープ状もしくは糸状の形状を有するホログラムスレッドとして、紙に抄き込む、あるいは透明性を有する基材に接着して使用することができる。
図5に本発明の転写箔11と、その転写箔を用いて熱転写して形成した記録媒体1の実施形態を示す。図5(a)に、基材9の一方の面に、コレステリック液晶層7、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5、接着剤層10を順次積層した転写箔11を示す。この転写箔11は、基材9上に、熱転写可能な層12として、コレステリック液晶層7、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5、接着剤層10を順次積層させた構成である。
図5(b)に示す記録媒体1は、図5(a)の転写箔11の接着剤層10と被着体13を接するように重ねて、加圧及び加熱して、転写箔11の基材9からコレステリック液晶層7、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5、接着剤層10の順次積層された複数層が、剥離して、被着体13の上に設けられる。すなわち、図示した記録媒体1は、被着体13の上に、接着剤層10、蛍光インキ層5、隠蔽層4、磁気記録層3、コレステリック液晶層7を順次積層した構成であって、その積層は図5(a)に示す転写箔を用いて熱転写されたものである。
図示してはいないが、コレステリック液晶層7の磁気記録層3と接する面に、微細な凹凸によるホログラム画像を形成し、磁気記録層3による反射で、そのホログラム画像を視認できるようにすることができる。(図示した矢印Aの方向から観察した条件である。)そのホログラム画像は、コレステリック液晶の入射光に対する選択反射性、及び円偏光選択性の特性が発揮した独特な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものである。
また、その記録媒体1の被着体13側から、観察すると(図示した矢印Bの方向から観察した条件である。)、磁気記録層3の黒色を隠蔽する隠蔽層4を有しているので、蛍光インキ層5が被着体13を透過して、蛍光認識ができる。但し、被着体13は光透過性を有する、例えば、透明フィルム、薄い紙などのものである。尚、磁気記録層3には、例えば、その記録媒体の所有者となる個人の生年月日、住所等の可変情報を磁気により、記録することができる。
また、蛍光インキ層5は、隠蔽層4の上に、各種印刷方式でパターン、あるいは画像を形成することができ、また、その記録媒体1とは別の基材上に、熱転写性の蛍光インキ層を設けた熱転写シートを用いて、記録媒体の隠蔽層の上に、パターン、あるいは画像状に蛍光インキ層を熱転写して、例えば、上記記録媒体の所有者となる個人の顔の画像(あるいは顔のパターン)等を形成できる。このような蛍光インキ層を磁気記録層などに記録された情報と関連付けされた情報として記録すれば、偽造防止性が高まり、より好ましい。
図6に本発明の転写箔11と、その転写箔を用いて熱転写して形成した記録媒体1の実施形態を示す。図6(a)に、基材9の一方の面に、コレステリック液晶層7、ホログラム形成層8、透明反射層6、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5、接着剤層10を順次積層した転写箔11を示す。この転写箔11は、基材9上に、熱転写可能な層12として、コレステリック液晶層7、ホログラム形成層8、透明反射層6、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5、接着剤層10を順次積層させた構成である。
図6(b)に示す記録媒体1は、図6(a)の転写箔11の接着剤層10と被着体13を接するように重ねて、加圧及び加熱して、転写箔11の基材9からコレステリック液晶層7、ホログラム形成層8、透明反射層6、磁気記録層3、隠蔽層4、蛍光インキ層5、接着剤層10の順次積層された複数層が、剥離して、被着体13の上に設けられる。すなわち、図示した記録媒体1は、被着体13の上に、接着剤層10、蛍光インキ層5、隠蔽層4、磁気記録層3、透明反射層6、ホログラム形成層8、コレステリック液晶層7を順次積層した構成であって、その積層は図6(a)に示す転写箔を用いて熱転写されたものである。
図6(b)で示された記録媒体1において、そのホログラム形成層8には、微細な凹凸によるホログラム画像が形成されていて、透明反射層6による反射と、磁気記録層3の表面の黒色で、そのホログラム画像の視認性を高めている。この場合、コレステリック液晶層7の側から目視して、透明反射層6により反射してホログラム画像が認識できる条件である。(図示した矢印Aの方向から観察した条件である。)そのホログラム画像は、磁気記録層の表面の黒色を背景として、コレステリック液晶の入射光に対する選択反射性、及び円偏光選択性の特性が発揮した独特な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものである。
また、その記録媒体1の被着体13側から、観察すると(図示した矢印Bの方向から観察した条件である。)、磁気記録層3の黒色を隠蔽する隠蔽層4を有しているので、蛍光インキ層5が被着体13を透過して、蛍光認識ができる。但し、被着体13は光透過性を有する、例えば、透明フィルム、薄い紙などのものである。尚、磁気記録層3には、例えば、その記録媒体の所有者となる個人の生年月日、住所等の可変情報を磁気により、記録することができる。
また、蛍光インキ層5は、隠蔽層4の上に、各種印刷方式でパターン、あるいは画像を形成することができ、また、その記録媒体1とは別の基材上に、熱転写性の蛍光インキ層を設けた熱転写シートを用いて、記録媒体の隠蔽層の上に、パターン、あるいは画像として蛍光インキ層を熱転写して、例えば、上記記録媒体の所有者となる個人の顔の画像(あるいは顔のパターン)等を形成できる。このような蛍光インキ層を磁気記録層等に記録された情報と関連付けされた情報として記録すれば、偽造防止性が高まり、より好ましい。
上記の記録媒体1は、情報が記録された磁気記録層3と、コレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化するコレステリック液晶層7を通して、ホログラム画像が特有なものとなり、さらに肉眼で見ただけでは認識できない情報に対し、ブラックライトを照射することにより、蛍光インキ層5による情報を認識でき、偽造防止性が高いものである。
以下、本発明の記録媒体、さらに転写箔を構成する各層について、詳細に説明する。
(基材)
本発明の記録媒体における透明性を有する透明性基材2としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等の透明性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。この基材の厚みは、通常3〜300μm程度であり、本発明においては、取扱い適性等を考慮し、20〜175μm程度のものを用いるのが好ましい。
(磁気記録層)
磁気記録層3は、γ−Fe23、Co被着γ−Fe23、Fe34、CrO2、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、MnAl、Baフェライト、Srフェライトなどの従来公知の磁性微粒子が適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散されてなる分散物を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法などの従来公知の塗布方法によって形成することができる。また、磁気記録層は、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Crなどの金属または合金あるいはその酸化物を用いて、真空蒸着法、スパッタ法、めっき法などによって、形成することもできる。
塗布方法によって磁気記録層を形成する場合には、その膜厚は1〜100μm、好ましくは5〜20μm程度である。また真空蒸着法、スパッタ法、めっき法によって磁気記録層3を形成する場合には、その膜厚は100Å〜1μm、好ましくは500〜2000Å程度である。
γ−Fe23などの磁性微粒子が分散される樹脂あるいはインキビヒクルとしては、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体樹脂などが用いられ、必要に応じて、ニトリルゴムなどのゴム系樹脂あるいはウレタンエラストマーなどが添加される。また、磁性微粒子が上記樹脂中に分散されてなる分散物中に、必要に応じて、界面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル、カーボンその他の顔料を添加することもできる。
(隠蔽層)
隠蔽層4は、磁気記録層の黒色を隠蔽して、蛍光インキ層の蛍光発色性を高めるために設けるもので、顔料と、バインダーを主成分として構成される。顔料としては無機顔料が使用でき、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、また真鍮粉、アルミニウム粉、銅粉などの金属粉が挙げられる。尚、白色の顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機充填剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料が挙げられ、好ましく使用される。それは、隠蔽層を白色にして、隠蔽層の上に、蛍光インキ層による画像を形成した場合に、蛍光の画像が目立つからである。
隠蔽層におけるバインダー樹脂は、いずれの樹脂を用いてもよく、好ましい樹脂としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。隠蔽層は、上記の顔料と、バインダーを主成分とし、その他必要に応じて添加剤を加え、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の方法で、塗工量を、乾燥時で5〜50μm程度にして、形成する。
(蛍光インキ層)
本発明の記録媒体は、上記の隠蔽層の上に、蛍光インキ層5を設ける。その蛍光インキ層は、凸版印刷、グラビア印刷等の印刷方式で形成することができる。また、基材上に、熱転写可能な蛍光インキ層を設けた熱転写シートにより、隠蔽層の上に、可変情報である任意のパターン、画像として蛍光インキ層を熱転写により形成することが好ましく行なわれる。
上記の蛍光インキ層の形成方法が、印刷方式、熱転写方式のいずれであっても、使用する蛍光剤は、市販の蛍光剤、例えば、レッド発色蛍光剤として日本化薬(株)製LC−0001、グリーン発色蛍光剤として三井化学(株)製EG−502、ブルー発色蛍光剤としてチバガイギー社製ユビテックスOB等を例示することができる。なお、これらの蛍光剤は可視光では、ほぼ無色であるが、ブラックライト(365nm程度の波長光)照射により、上記の発色が見られるものである。これらの蛍光剤を、印刷方式、熱転写方式に適したバインダー(ビヒクル)に分散、または溶解させて、インキ化して印刷、あるいは塗工して、蛍光インキ層を形成することができる。この場合、1色の蛍光を発生する1種類の蛍光インキ層を用いるだけでなく、紫外線の照射に対して互いに異なる色調の蛍光を発する有機又は無機蛍光剤を含有する2色以上の蛍光インキ層を形成することができる。これにより、より偽造防止性が高く、また意匠性に優れた記録媒体が得られ、好ましい。
上記のバインダーは、出来るだけ透明性の高いものを用いることで、蛍光インキ層の形成されたことが肉眼では認識できないようにするものである。そのバインダーとしては、透明性が高く、熱転写方式では、加熱温度で溶融し、記録媒体の隠蔽層に融着し得るものが用いられる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物などを用いることができる。
熱転写方式で形成する蛍光インキ層の場合、その蛍光インキ層中の蛍光剤の配合割合は、当該蛍光インキ全体の0.05〜50質量%程度、特に0.1〜20質量%程度とするのが好ましい。また、蛍光インキ層の厚みは、通常は0.2〜5μm、好ましくは0.4〜3μmである。
本発明では、蛍光インキ層を熱転写方式で形成する際、1色の蛍光を発生する1種類の蛍光インキ層を用いるだけでなく、紫外線の照射に対して互いに異なる色調の蛍光を発する有機又は無機蛍光剤を含有する2色以上の蛍光インキ層を、印字すべき画像情報に従って、記録媒体の隠蔽層上の画像形成領域へ、ドットマトリックス方式により且つ各色のドットが重ならないように付着させることにより、紫外線照射を受けた時に複数の蛍光色及び/又はそれらの混色である蛍光色を発する画像を形成することにより、より偽造防止性が高く、また意匠性に優れた記録媒体が得られる。したがって、この方法は本発明で好ましく行なわれる。
(コレステリック液晶層)
コレステリック液晶層7としては、液晶配向を固定化した高分子フィルム、もしくはコレステリック液晶を適宜な樹脂中に分散したもの等、光学的に選択反射性及び円偏光選択性を示す媒体すべてを用いることが可能であるが、特に液晶配向を固定化した高分子フィルムを好適に用いることができる。
液晶配向を固定化した高分子フィルムの例としては、低分子液晶をコレステリック配向させた後、光反応又は熱反応などで低分子液晶を架橋して配向固定化した高分子フィルムを挙げることができる。また、他の例としては、側鎖型又は主鎖型のサーモトロピック高分子液晶を液晶状態でコレステリック配向させた後、液晶転移点以下の温度に冷却して、配向状態を固定化して作製した高分子フィルムを挙げることができる。さらに、側鎖型又は主鎖型のリオトロピック高分子液晶を溶液中でコレステリック配向させた後、溶媒を徐々に除去することによって配向状態を固定化して作製した高分子フィルムを用いることもできる。
これらフィルム作製に用いることのできる高分子液晶の例としては、側鎖に液晶形成基を有するポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネートなどの側鎖型ポリマー、主鎖に液晶形成基をもつポリエステル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドなどの主鎖型ポリマーをあげることができる。必要に応じて、コレステリック液晶を電離放射線硬化性樹脂中に配合した、コレステリック液晶含有の電離放射線硬化性樹脂組成物を適宜な基材に塗布し、塗膜に電離放射線を照射することによりフィルム化してもよい。塗布したときの基材を剥がせるように構成することもできる。
コレステリック液晶層を構成するコレステリック液晶は、液晶分子の配向構造が膜厚方向に螺旋を描くように規則的なねじれを有しており、螺旋のピッチP(液晶分子が360°回転するのに必要な膜厚)と入射光の波長λがほぼ等しい場合に、(1)入射光のうち特定の波長帯域内にある光を強く反射する選択反射性、および(2)円偏光選択性の、2つの光学的性質を示す。
上記(1)の選択反射性は、特定の波長域に限定されて生じるため、コレステリック液晶のピッチPを適切に選択することにより、反射光は色純度の高い有彩色となる。また、入射光が法線に対し斜めに入射する場合、ピッチPが見かけ上減少することから、中心波長λsは短波長側へ移行し、帯域幅Δλは減少する。この現象は、中心波長λsが短波長側へ移行することからブルーシフトと呼ばれ、目視でも容易に識別可能である。例えば、法線方向(0°の入射位置)から観察して赤色に呈色するコレステリック液晶の反射色は、視野角を大きくしていくにつれて、オレンジ色、黄色、緑色、青緑色、青色と順次変化するように観察される。
上記(2)の円偏光選択性は、特定の回転方向の円偏光だけを反射し、これと回転方向が反対の円偏光を透過する性質をいう。入射光のうちコレステリック液晶の配向構造のねじれ方向と同方向の円偏光成分は反射され、その反射光の回転方向も同一方向となるのに対し、逆方向に回転する円偏光成分は透過する点がコレステリック液晶に特有な特異な性質である。例えば、右ねじれ構造を有するコレステリック液晶の場合、右円偏光を反射し、かつ反射光は右円偏光のままであり、左円偏光は透過することになる。したがって、コレステリック液晶層は、入射した光のうち、左円偏光又は右円偏光のいずれか一方の光のみを反射させて反射光を生成する層である。
本発明におけるコレステリック液晶層は、上記の2つの光学的性質を有する。本発明における記録媒体では、コレステリック液晶層が磁気記録層の表面の黒色により、記録媒体への透過光を、その磁気記録層で吸収し、透過光による余分な反射を防止でき、コレステリック液晶層の反射光を視認しやすくしている。またコレステリック液晶層を一方の面に有する透明性基材と、磁気記録層との間に、ホログラム形成層、透明反射層を設ける場合は、ホログラム形成層に形成されたホログラム画像は、磁気記録層の表面の黒色を背景として、コレステリック液晶の入射光に対する選択反射性、及び円偏光選択性の特性が発揮した独特な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものである。
(ホログラム形成層)
ホログラム形成層8を記録媒体に形成する方法は、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して形成する方法、あるいは、ホログラム形成層が熱転写される、感熱転写箔を用いて形成することもできる。ホログラム形成層は、ホログラムの精細パターンを再現できる樹脂材料で構成することができる。一般的には、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン、エポキシ、アクリレート等の熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、あるいは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、さらにラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、あるいはこれらにラジカル重合性不飽和基を有する単量体を加え、電離放射線硬化性樹脂としたものなどを使用することができる。このようなホログラム形成層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲が好ましい。
ホログラム形成層に形成されるホログラム画像の大きさと形状は、要求される態様によってそれぞれ異なるので、特に限定されるものではない。ホログラム画像の形成方法としては、従来公知の方法、例えばホログラムの干渉縞の凹凸パターンを設けた原版を用い、微細凹凸をエンボス加工法等が挙げられる。ホログラム画像は、平面型ホログラムでも体積型ホログラムでもよく、平面型ホログラムの場合は、なかでもレリーフホログラムが量産性およびコストの面から好ましい。その他、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、レインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、更に、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチフレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子等を用いることができる。
(透明反射層)
また、上記のホログラム形成層と磁気記録層との間に、透明反射層6を設けることにより、ホログラム形成層におけるホログラム画像の視認性を向上させ、またコレステリック液晶層が磁気記録層の表面の黒色により、記録媒体への透過光を、その磁気記録層で吸収し、透過光による余分な反射を防止でき、コレステリック液晶層の一定波長の反射光を、効果的に視認しやすくさせている。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層の屈折率とは異なり、ホログラム形成層の屈折率より高く又は低くてもよく、特に限定されない。例えば、ホログラム形成層よりも屈折率の高い薄膜、および屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は金属窒化物などが挙げられる。透明反射層の形成は、ホログラム形成層のレリーフ面に、10〜200nm程度の厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設けることができる。
(被着体)
転写箔から熱転写される蛍光インキ層、隠蔽層などを積層して保持して、記録媒体1の構成の一部となる被着体13は、その被着体を通して、蛍光インキ層を認識することができるように、光透過性を有する、透明フィルム、薄い紙などを使用する。透明フィルムとしては、上記に説明した透明性基材2と同様のものが使用できる。また薄い紙としては、グラシン紙、上質紙等が挙げられる。これらの被着体の厚さは、通常、5〜100μm程度が適用できる。
(基材)
転写箔の基材9としては、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6(登録商標)などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂、などがある。好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜100μm程度が適用できるが、4〜70μmが転写性の点で好ましい。
(接着剤層)
本発明で使用する転写箔では、被着体と蛍光インキ層、隠蔽層等との接着性を良好にするために、接着剤層10を設ける。この接着剤層は、従来公知の粘着剤や感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、紫外線遮断性を有する樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等の如く熱時接着性(ヒートシール性)の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
上記のような接着剤層を構成する樹脂に必要に応じて、添加剤を加えた塗工液を塗布および乾燥することによって、好ましくは乾燥時で0.5〜10μm程度の厚みに形成する。接着剤層の厚さが小さすぎると、被着体と蛍光インキ層、隠蔽層等との接着性が劣り、転写箔の転写不良となりやすい。また、その厚さが大きすぎる場合、転写箔からの熱転写の際に、転写感度が低下し、蛍光インキ層、隠蔽層等の熱転写が不安定になりやすい。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
透明性基材2として、厚さが100μmの透明の硬質塩化ビニルフィルムを使用した。その基材の一方の面に、所定のロゴマークの凹凸形状のホログラム画像を有するコレステリック液晶層7を、熱転写方式で設けた。尚、上記のホログラム画像は、透明性基材と接する面に設けた条件である。また、上記の透明性基材の他方の面に、γ−Fe23の磁性微粒子と、ウレタン樹脂からなる磁気記録層3を厚さ15μm(乾燥後)になるように塗工して形成した。
上記磁気記録層3の上に、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層4を、磁気記録層3の全体を覆うように、厚さ20μm(乾燥後)になるように塗工して形成した。
上記に作製した記録媒体における磁気記録層3に対し、その記録媒体の所有者となる予定の個人の生年月日、住所の可変情報を書き込んで記録した。また、その記録媒体の隠蔽層4の上に、別に用意した蛍光インキ層を熱転写可能にした熱転写シートを用いて、厚さ3μmで熱転写された蛍光インキ層を、上記の個人の顔の画像で形成し、実施例1の記録媒体1を作製した。(図1を参照)但し、上記蛍光インキ層には、ブルー発色蛍光剤が含有されている。
上記の記録媒体において、磁気記録層の上の蛍光インキ層は、その蛍光輝度が高く、蛍光の認識が確実に出来るものである。さらにコレステリック液晶層を有する記録媒体に対する入射光の左円偏光又は右円偏光のいずれか一方が反射して、コレステリック液晶の反射色が、視野角の変化により、色相が変化するものであり、また磁気記録層に可変情報等が記録され、コレステリック液晶層に形成されたパターンの情報等を有し、また肉眼では認識できない蛍光インキ層を有しているので、偽造防止性が高いものであった。また、この記録媒体を2mm幅のテープ状の形状にしたホログラムスレッドとして、紙に抄き込んで利用することができた。
(実施例2)
上記の実施例1で作製した記録媒体で、透明性基材2と磁気記録層3との間に、ホログラム形成層8、透明反射層6を設ける構成に変更した。すなわち、所定のロゴマークの凹凸形状のホログラム画像を有するメラミン系架橋性紫外線硬化樹脂を主成分としたホログラム形成層8(厚さ2.0μm)と、酸化チタンを蒸着した透明反射層6(厚さ500Å)を熱転写方式で設けた。尚、上記のホログラム画像は透明反射層と接する面に設けた条件である。
また、記録媒体の隠蔽層の上に形成する、熱転写による蛍光インキ層の形成条件を、下記の条件に変更した以外は、実施例1の記録媒体と同様にして、実施例2の記録媒体を作製した。(図2を参照)
ブルー発色蛍光剤を含有した熱転写可能な蛍光インキ層(厚さ3μm)と、レッド発色蛍光剤を含有した熱転写可能な蛍光インキ層(厚さ3μm)を面順次に形成した熱転写シートを用いて、記録媒体の隠蔽層の上に、上記の個人の顔の画像を、髪の毛、眉毛をブルー発色蛍光剤の蛍光インキ層で熱転写して形成し、その他の顔の輪郭などをレッド発色蛍光剤の蛍光インキ層で熱転写して形成し、実施例2の記録媒体を作製した。
上記の記録媒体は、2色の蛍光色が発生し、それらの蛍光輝度が高く、蛍光の認識が確実に出来た。また、実施例1の記録媒体と比べ、ホログラム画像の視認性がより高く、したがって、実施例1の記録媒体と比べ、より偽造防止性が高く、また意匠性により優れたものであった。また、この記録媒体を2mm幅のテープ状の形状にしたホログラムスレッドとして、紙に抄き込んで利用することができた。
(実施例3)
基材9として、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その基材の一方の面に、液晶配向を固定化した高分子フィルムを、加熱及び加圧して積層し、コレステリック液晶層を形成した。この形成したコレステリック液晶層の表面に、所定のロゴマークの凹凸形状のホログラム画像を、エンボス加工法により形成した。そのホログラム画像の形成されたコレステリック液晶層7の上に、γ−Fe23の磁性微粒子と、ウレタン樹脂からなる磁気記録層3を厚さ15μm(乾燥後)になるように塗工して形成し、その磁気記録層の上に、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層4を、磁気記録層の全体を覆うように、厚さ20μm(乾燥後)になるように塗工して形成した。
上記の形成した隠蔽層の上に、ブルー発色蛍光剤を含有した蛍光インキ層(厚さ3μm)を縦型パターンで、またレッド発色蛍光剤を含有した蛍光インキ層(厚さ3μm)を横型パターンで、活版印刷方式で印刷して形成した。さらに、その蛍光インキ層と隠蔽層を覆うように、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tgが60℃)を主成分とした接着剤層10が厚さ4μmになるように、塗工して形成し、実施例3の転写箔を作製した(図5(a)を参照)。
(実施例4)
上記の実施例3の転写箔11と、厚さ175μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの被着体13とを、転写箔11の接着剤層10と、被着体13とが接するように重ねて、ホットスタンプにより、加圧及び加熱して、被着体13から転写箔11の基材を剥離して、被着体13の上に、接着剤層10、蛍光インキ層5、隠蔽層4、磁気記録層3、コレステリック液晶層7を順次積層した構成の実施例4の記録媒体を作製した(図5(b)を参照)。この記録媒体は、転写箔11を用いて、熱転写方式により簡単に作製することができた。
その記録媒体に対し、磁気記録層にその記録媒体の所有者となる予定の個人の生年月日、住所の可変情報を書き込んで記録した。得られた記録媒体は、磁気記録層の上の蛍光インキ層は、被着体を通して、2色の蛍光インキ層を認識でき、それらの蛍光輝度は高いものであった。また、その記録媒体のコレステリック液晶層側から観察すると、コレステリック液晶層に形成されたホログラム画像が、コレステリック液晶の入射光に対する選択反射性、及び円偏光選択性の特性が発揮した独特な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものであった。
(実施例5)
上記の実施例3で作製した転写箔で、コレステリック液晶層7と磁気記録層3との間に、ホログラム形成層8、透明反射層6を設ける構成に変更した。すなわち、所定のロゴマークの凹凸形状のホログラム画像を有するメラミン系架橋性紫外線硬化樹脂を主成分としたホログラム形成層8(厚さ2.0μm)と、酸化チタンを蒸着した透明反射層6(厚さ500Å)を熱転写方式で設けた。尚、上記のホログラム画像は透明反射層と接する面に設けた条件である。但し、実施例3で作製した転写箔のコレステリック液晶層7の表面のホログラム画像は無い条件とした。その他は、実施例3と同様にして、実施例5の転写箔を作製した(図6(a)を参照)。
(実施例6)
上記の実施例5の転写箔11と、厚さ175μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの被着体13とを、転写箔11の接着剤層10と、被着体13とが接するように重ねて、ホットスタンプにより、加圧及び加熱して、被着体13から転写箔11の基材を剥離して、被着体13の上に、接着剤層10、蛍光インキ層5、隠蔽層4、磁気記録層3、透明反射層6、ホログラム形成層8、コレステリック液晶層7を順次積層した構成の実施例6の記録媒体を作製した(図6(b)を参照)。この記録媒体は、転写箔11を用いて、熱転写方式により簡単に作製することができた。
その記録媒体に対し、磁気記録層にその記録媒体の所有者となる予定の個人の生年月日、住所の可変情報を書き込んで記録した。得られた記録媒体は、磁気記録層の上の蛍光インキ層は、被着体を通して、2色の蛍光インキ層を認識でき、それらの蛍光輝度は高いものであった。また、その記録媒体のコレステリック液晶層側から観察すると、ホログラム形成層に形成されたホログラム画像は、透明反射層により視認性が高まり、また磁気記録層の表面の黒色を背景として、コレステリック液晶の反射色が視野角の変化により、色相が変化するコレステリック液晶層を通して、特有な色相で観察でき、偽造防止性が高く、かつ意匠性も高いものであった。
1 記録媒体
2 透明性基材
3 磁気記録層
4 隠蔽層
5 蛍光インキ層
6 透明反射層
7 コレステリック液晶層
8 ホログラム形成層
9 基材
10 接着剤層
11 転写箔
12 熱転写可能な層
13 被着体

Claims (8)

  1. コレステリック液晶層を一方の面に有する透明性基材の他方側面に対し、黒色の磁気記録層、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層、ブラックライト照射により蛍光発色する蛍光インキ層による画像を順次積層したことを特徴とする記録媒体。
  2. 記透明性基材と、前記黒色の磁気記録層との間に、ホログラム形成層と透明反射層を、該透明反射層と磁気記録層とが接するように順次設け、該ホログラム形成層を透明性基材とコレステリック液晶層を通して、認識可能であることを特徴とする請求項1に記載する記録媒体。
  3. コレステリック液晶層を一方の面に有する透明性基材の当該コレステリテック液晶層面に対し、黒色の磁気記録層、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層、ブラックライト照射により蛍光発色する蛍光インキ層による画像を順次積層したことを特徴とする記録媒体。
  4. 前記コレステリテック液晶層と前記黒色の磁気記録層との間に、ホログラム形成層と透明反射層を、該透明反射層と黒色の磁気記録層とが接するように順次設け、該ホログラム形成層を透明性基材とコレステリック液晶層を通して、認識可能であることを特徴とする請求項3に記載する記録媒体。
  5. 前記蛍光インキ層による画像が、ブルー発色とレッド発色の2色の蛍光剤からなることを特徴とする請求項1または請求項3記載の記録媒体。
  6. 基材の一方の面に、コレステリック液晶層、黒色の磁気記録層、アルミニウム粉とアクリル系樹脂からなる隠蔽層、ブラックライト照射により蛍光発色する蛍光インキ層による画像、接着剤層を順次積層したことを特徴とする転写箔。
  7. 前記のコレステリック液晶層と黒色の磁気記録層との間に、ホログラム形成層と透明反射層を、該透明反射層と黒色の磁気記録層とが接するように、順次設けたことを特徴とする請求項に記載する転写箔。
  8. 前記蛍光インキ層による画像が、ブルー発色とレッド発色の2色の蛍光剤からなることを特徴とする請求項6記載の転写箔。
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