JP5897303B2 - 水性インク用顔料 - Google Patents
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Description
[1](A)波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に50%体積粒径が10〜300nmであり水系媒体に分散可能な有機ポリマー粒子が分散されている有機無機複合体、
及び/又は
(B)波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に平均細孔径が10〜300nmの細孔が分散されている金属酸化物多孔体
からなる水性インク用顔料。
[2]前記(A)有機無機複合体及び/又は(B)金属酸化物多孔体の粒径が0.1μm〜5μmである[1]に記載の水性インク用顔料。
[3]金属酸化物が二酸化チタンである[1]又は[2]に記載の水性インク用顔料。
[4]金属酸化物が表面を二酸化ジルコニウムで被覆された二酸化チタンナノ粒子から形成されることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の水性インク用顔料。
[5]前記(B)金属酸化物多孔体は前記(A)有機無機複合体から有機ポリマー粒子を除去することにより得られたものである[1]〜[4]のいずれかに記載の水性インク用顔料。
[6]金属酸化物中に分散している有機ポリマー粒子及び/又は細孔がキュービック相構造である[1]〜[5]のいずれかに記載の水性インク用顔料。
[7]有機ポリマー粒子が、ポリオレフィン系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ酢酸ビニル系及びポリブタジエン系から選ばれる少なくとも1種の非水溶性ポリマー粒子である[1]〜[6]のいずれかに記載の水性インク用顔料。
[8]有機ポリマー粒子が、下記一般式(1)で表される数平均分子量が2.5×104以下の末端分岐型ポリオレフィン系共重合体粒子である[1]〜[7]のいずれかに記載の水性インク用顔料:
または、一般式(4)
[12][1]〜[11]のいずれかに記載の水性インク用顔料を含有する水性インク組成物。
[13]インクジェット印刷用である[12]に記載の水性インク組成物。
[14][12]又は[13]記載の水性インク組成物により記録された文字、絵、図柄等の画像。
[15]基材上に[12]又は[13]の水性インク組成物を用いて印刷した印刷物。
本発明の水性インク用顔料は、(A)有機無機複合体及び/又は(B)金属酸化物多孔質体からなる。
本発明の(A)有機無機複合体は、特定の屈折率の金属酸化物を主体とするマトリックス中に特定の粒径の有機ポリマー粒子が分散されている。
本来透明である物質の粉体が白く見える原理は、粉体粒子表面で光が乱反射することによるものである。白色顔料としてより白く見せるためには、粒子表面での乱反射の効率を高めれば良く、より屈折率の高い材料を素材として選択すれば良い。屈折率の高い材料としては二酸化チタン等の波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上の金属酸化物の粒子が挙げられる。波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上の金属酸化物としては、具体的には、二酸化チタン(TiO2:2.2〜2.7)、二酸化ジルコニウム(ZrO2:2.1)、イットリア安定化ジルコニウム(YSZ:2.1〜2.2)、酸化インジウム(In2O3:2.0)、酸化亜鉛(ZnO:2.35)、酸化アンチモン(Sb2O5:2.0)、酸化スズ(SnO:1.9)、チタン酸バリウム(BaTiO3:2.4)が挙げられる。また、二酸化ジルコニウムで表面を被覆した二酸化チタンを用いると、二酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、得られる塗膜の耐光性が向上するので好ましい。
本発明の有機ポリマー粒子の50%体積粒径は10〜300nmであり、好ましくは10〜200nmである。
[ポリオレフィン系末端分岐型共重合体]
本発明で用いる重合体粒子を構成するポリオレフィン系末端分岐型共重合体は、下記の一般式(1)で表される構造を有する。
分離カラム:TSK GNH HT(カラムサイズ:直径7.5mm,長さ:300mm)
カラム温度:140℃
移動相:オルトジクロルベンゼン(和光純薬社製)
酸化防止剤:ブチルヒドロキシトルエン(武田薬品工業社製)0.025質量%
移動速度:1.0ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:500マイクロリットル
検出器:示差屈折計。
または、一般式(4)
一般式(4)で表されるX1およびX2のさらに好ましい構造としては、一般式(5)
一般式(2)で表されるX1およびX2のさらに好ましい構造としては、一般式(6)
l+mは2以上450以下、好ましくは5以上200以下の整数を表す。
nは、20以上300以下、好ましくは25以上200以下の整数を表す
l+m+oは3以上450以下、好ましくは5以上200以下の整数を表す。
nは、20以上300以下、好ましくは25以上200以下の整数を表す。
ポリエチレン鎖のエチレンユニット数(n)は、一般式(1)におけるポリオレフィン基Aの数平均分子量(Mn)をエチレンユニットの分子量で割ることにより算出できる。また、ポリエチレングリコール鎖のエチレングリコールユニット総数(l+mもしくはl+m+o)は、ポリエチレングリコール基付加反応時の重合体原料と使用したエチレンオキシドとの重量比が、重合体原料とポリエチレングリコール基の数平均分子量(Mn)との比に同じであると仮定して算出できる。
ポリオレフィン系末端分岐型共重合体は、次の方法によって製造することができる。
(1)特開2000−239312号公報、特開2001−2731号公報、特開2003−73412号公報などに示されているようなサリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物を重合触媒として用いる重合方法。
(2)チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒を用いる重合方法。
(3)バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いる重合方法。
(4)ジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるチーグラー型触媒を用いる重合方法。
(1)過ギ酸、過酢酸、過安息香酸などの過酸による酸化
(2)チタノシリケートおよび過酸化水素による酸化
(3)メチルトリオキソレニウム等のレニウム酸化物触媒と過酸化水素による酸化
(4)マンガンポルフィリンまたは鉄ポルフィリン等のポルフィリン錯体触媒と過酸化水素または次亜塩素酸塩による酸化
(5)マンガンSalen等のSalen錯体と過酸化水素または次亜塩素酸塩による酸化
(6)マンガン−トリアザシクロノナン(TACN)錯体等のTACN錯体と過酸化水素による酸化
(7)タングステン化合物などのVI族遷移金属触媒と相間移動触媒存在下、過酸化水素による酸化
上記(1)〜(7)の方法の中でも、活性面で特に(1)および(7)の方法が好ましい。
の整数を表す。)
このようなポリオレフィン系末端分岐型共重合体からなる本発明の重合体粒子は、一般式(1)のAで表されるポリオレフィン鎖部分が、内方向に配向した構造を有し、このポリオレフィン鎖部分が結晶性を有するリジットな粒子である。
本発明の分散液は前記ポリオレフィン系末端分岐型共重合体を分散質に含み、該分散質を水および/または水と親和性を有する有機溶媒に粒子として分散している。
(1)ポリオレフィン系末端分岐型共重合体粒子を製造する際に得られた、該重合体粒子を含む分散液、
(2)ポリオレフィン系末端分岐型共重合体粒子を製造する際に得られた該重合体粒子を含む分散液に、さらに他の分散質や添加剤等を分散または溶解してなる分散液、
(3)ポリオレフィン系末端分岐型共重合体粒子を水や水と親和性を有する有機溶媒に分散させるとともに、他の分散質や添加剤等を分散または溶解してなる分散液、
の何れをも含む。
また、本発明の分散液中の粒子の体積50%平均粒子径は好ましくは10nm以上30nm以下である。
これら界面活性剤は、単独または2種以上を併用することができる。
30nmを超え300nm以下の有機ポリマー粒子が分散した有機無機複合体は、例えば水系媒体に分散したポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子を用いることにより安定的に製造することが出来る。
[(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子水分散液]
ポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体はアクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステル由来の繰り返し単位を有する単独重合体または共重合体である。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子の水分散液は一般的にアクリルエマルジョンと呼ばれ、公知の乳化重合法により得ることができる。例えば、不飽和単量体(不飽和ビニルモノマー等)を重合開始剤、及び界面活性剤を存在させた水中において乳化重合することによって得ることができる。
ポリ(メタ)アクリル酸系重合体粒子の粒径は水中での分散安定性の観点から、その平均粒子径が30nmを超え300nm以下が好ましく、40〜250nmがより好ましく、特に50〜200nmであることが好ましい。
アクリルエマルジョンは、例えば、次のようにして製造される。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー及び攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、窒素雰囲気下、温度70℃で攪拌しながら、重合開始剤0.2部を添加する。これに、別途調製したモノマー溶液を滴下し重合反応させて、1次物質を調製する。その後、温度70℃で、該1次物質に、重合開始剤の10%水溶液2部を添加して攪拌し、更に別途調製した反応液を添加し攪拌して重合反応させ、重合反応物を得る。該重合反応物はそのまま用いても良いし、中和剤で中和してpHが8〜8.5になるように調整しても良い。その後フィルターでろ過し粗大粒子を除去して、樹脂粒子を分散質とするアクリルエマルジョンを得る。
また、重合反応で用いられる乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムの他、一般にアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤として用いられているもの等が挙げられる。
アクリルエマルジョンは、溶剤として、水以外に、有機溶剤を併用することもできる。このような有機溶剤としては、水と相溶性を有するものが好ましく、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の(B)金属酸化物多孔質体は、波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に平均細孔径が10〜300nmの細孔が分散されている。
金属酸化物としては、前記(A)で例示した金属酸化物を挙げることができる。
本発明においては、金属酸化物中に特定の細孔径の細孔が分散していることによって嵩比重が低くなり、沈降しにくい水性顔料を形成することができる。
(B)金属酸化物多孔質体中の細孔の平均細孔径は10〜300nmであり、好ましくは10〜200nmである。平均細孔径を10〜300nmとするためには、水系媒体に分散可能で体積50%平均粒子径が10から300nmである有機ポリマー粒子を鋳型として用い、二酸化チタン等の金属酸化物からなる有機無機複合体を形成後、有機ポリマー粒子を焼成除去すれば良い。
空孔率は特に制限されるものではないが、20〜90%が好ましく、30〜85%がより好ましい。
以下、前記に説明した(A)有機無機複合体及び/又は(B)金属酸化物多孔質体からなる水性インク用顔料の製造方法について説明する。
工程(a):(a−1)あるいは(a−2)を行う。
工程(a−1)上述の非水溶性有機ポリマー粒子の存在下で、金属酸化物前駆体のゾル−ゲル反応を行う
工程(a―2)上述の非水溶性有機ポリマー粒子、金属酸化物ナノ粒子及び水系媒体を含有する混合液を調製する。
工程(b):前記工程(a)において得られた混合液を乾燥し有機無機複合体を得る。
工程(c):前記有機無機複合体から有機ポリマー粒子を除去し、金属酸化物多孔質体を調製する。
工程(d):前記工程(b)で得られた有機無機複合体、及び/または前記工程(c)で得られた金属酸化物多孔質体を所望の粒径に湿式粉砕し、水中への分散化を行い、水系ディスパージョンを得る。
[工程(a)]
[工程(a−1)]
工程(a−1)においては、前記非水溶性有機ポリマー粒子(X)、金属酸化物前駆体(Y)、水および/または水の一部または全部を任意の割合で溶解する溶媒(Z)を混合して混合組成物を調製するとともに、前記金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物のゾル−ゲル反応を行う。なお、混合組成物には、金属アルコキシドの加水分解・重縮合反応を促進させる目的で、ゾル−ゲル反応用触媒(W)を含んでいてもよい。
金属酸化物前駆体としては、金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物、金属ハロゲン化物、金属アセテート、金属硝酸塩、金属硫化塩が挙げられる。
(R1)xM(OR2)y (12)
式中、R1は、水素原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、アリール基(フェニル基、トリル基など)、炭素−炭素二重結合含有有機基(アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基など)、ハロゲン含有基(クロロプロピル基、フルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基など)などを表す。R2は、炭素数1以上6以下、好ましくは炭素数1以上4以下の低級アルキル基を表す。xおよびyは、x+y=4かつ、xは2以下となる整数を表す。
(R1)xMZy (13)
式中、R1は、水素原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など)、アリール基(フェニル基、トリル基など)、炭素−炭素二重結合含有有機基(アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基など)、ハロゲン含有基(クロロプロピル基、フルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基など)などを表す。ZはF、Cl、Br、Iを表す。xおよびyは、x+y≦4かつ、xは2以下となる整数を表す。チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、セレン(Se)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)、希土類金属等が挙げられ、屈折率の観点から、チタン、ジルコニウム、イットリウムなどが好ましく用いられ、それらを組み合わせて使ってもよい。
本発明の組成物において、成分(Z)は、金属酸化物前駆体(Y)を、さらに加水分解させる目的で添加される。
本発明で用いる混合組成物において、金属アルコキシドの加水分解・重縮合反応における反応を促進させる目的で、以下に示すような加水分解・重縮合反応の触媒となりうるものを含んでいてもよい。
工程(a−2)においては、金属酸化物ナノ粒子の水分散体を調整し、上述の非水溶性有機ポリマー粒子の水分散液と混合、あるいは反応させ液を調製する。
それぞれの金属酸化物ナノ粒子は、水などにコロイド状あるいはスラリー状に分散するのが好ましく、分散を安定に保つため、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、カルボン酸などの有機酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニールアルコールなどの高分子を添加、またはそれらを微粒子表面に化学的結合(表面修飾)させるなどの方法により分散安定化しても構わない。
金属酸化物ナノ粒子の水分散体は、前記非水溶性有機ポリマー粒子と混合され、混合組成物の形態で使用することが出来る。
工程(b)においては、前記工程(a−1)において得られた反応溶液、あるいは(a−2)において得られた混合組成物を乾燥して有機無機複合体を得る。
工程(c)においては、工程(b)で得られた有機無機複合体から有機ポリマー粒子を除去し、金属酸化物多孔質体を調製する。
工程(d)では前記工程(b)で得られた有機無機複合体、または前記工程(c)で得られた金属酸化物多孔質体を所望の粒径に湿式粉砕し、水中への分散化を行い、水系ディスパージョンを得る。
粉砕・分散化時の泡立ちを抑えるために、消泡剤を添加しても良い。消泡剤として、例えば、シリコーン系、ポリエーテル系、アルコール類などが挙げられる。これら消泡剤は、単独または2種以上を併用することができる。
本発明の水性インク組成物は前記の水性インク用顔料、水を含んでいる。さらに水溶性有機溶剤、潤滑剤、高分子分散剤、界面活性剤、他の着色剤、その他各種添加剤を含むことができる。
低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量は水性インク組成物の0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6質量%の範囲である。
本発明の水性インク組成物を用いて基材(被印刷体)に印刷することにより画像、印刷物が得られる。基材としては、例えば紙、繊維製品、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
また、二酸化ジルコニウムで表面を被覆した二酸化チタンを用いて得られた水性顔料を含む水性インク組成物から得られる画像、印刷物は耐光性が良好である。
<ポリオレフィン系末端分岐型共重合の合成>
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用い、本文中に記載した方法で測定した。また、融点(Tm)はDSCを用い、測定して得られたピークトップ温度を採用した。なお、測定条件によりポリアルキレングリコール部分の融点も確認されるが、ここでは特に断りのない場合ポリオレフィン部分の融点のことを指す。1H−NMRについては、測定サンプル管中で重合体を、ロック溶媒と溶媒を兼ねた重水素化−1,1,2,2−テトラクロロエタンに完全に溶解させた後、120℃において測定した。ケミカルシフトは、重水素化−1,1,2,2−テトラクロロエタンのピークを5.92ppmとして、他のピークのケミカルシフト値を決定した。分散液中の粒子の粒子径はマイクロトラックUPA(HONEYWELL社製)にて、体積50%平均粒子径を測定した。分散液中の粒子の形状観察は、試料を200倍から500倍に希釈し、リンタングステン酸によりネガティブ染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM/日立製作所製H−7650)で100kVの条件にて行なった。
以下の手順(例えば、特開2006−131870号公報の合成例2参照)に従って、末端エポキシ基含有エチレン重合体(E)を合成した。
1H-NMR : δ(C2D2Cl4) 0.88(t, 3H, J = 6.92 Hz), 1.18 - 1.66 (m), 2.38 (dd,1H, J = 2.64, 5.28 Hz), 2.66 (dd, 1H, J = 4.29, 5.28 Hz), 2.80-2.87 (m, 1H)
融点(Tm) 121℃
Mw=2058、Mn=1118、Mw/Mn=1.84(GPC)
1H-NMR : δ(C2D2Cl4) 0.88 (t, 3H, J = 6.6 Hz), 0.95-1.92 (m), 2.38-2.85 (m, 6H), 3.54-3.71 (m, 5H)
融点 (Tm) 121℃
1H-NMR : δ(C2D2Cl4) 0.88(3H, t, J= 6.8 Hz), 1.06 - 1.50 (m), 2.80 - 3.20 (m), 3.33 - 3.72 (m)
融点(Tm) −16℃(ポリエチレングリコール)、116℃
(10重量%ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)水性分散液の調製)
前記合成例で得られたポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)10重量部と蒸留水40重量部を100mlのオートクレーブに装入し、140℃、800rpmの速度で30分間加熱撹拌の後、撹拌を保ったまま室温まで冷却した。得られた分散系の体積50%平均粒子径は18nmであった。(体積10%平均粒子径14nm、体積90%平均粒子径22nm)得られた分散系の透過型電子顕微鏡観察結果から測定した粒子径は15〜30nmであった。更に、この(T)水性分散液(固形分20重量%)75重量部に対して蒸留水75重量部を加えることで10重量%ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)水性分散液を得た。
ポリメタアクリル酸エステル系共重合体の水性分散体(アクリルエマルジョン)として、三井化学社製PAN−6(動的光散乱式ナノトラック粒度分析計「マイクロトラックUPA-EX150(日機装株式会社製)」にて測定した体積50%平均粒子径:90−130nm、濃度:45.89重量%)を用いた。
<二酸化チタンナノ粒子の合成と分散液の調製>
オキシ塩化チタン・塩酸水溶液(Fluka試薬 塩酸:38〜42%、Ti:約15%)を7.5ml(Ti:0.036mol相当)をイオン交換水1000mlに溶解させた。70℃の温度にて攪拌した。5時間後、青みを帯びた二酸化チタンコロイド水溶液を得た。
二酸化チタンナノ粒子の合成と同様に青みを帯びた二酸化チタンコロイド溶液を得た。
そのコロイド溶液にオキシ塩化ジルコニウム8水和物を6.4重量部(Zr:0.02mol相当)添加し、反応液の温度を70℃に保ち、2時間攪拌を行った。その結果、青白色を帯びたスラリー状のゾル液が得られた。イオン透析によりコロイド水溶液のpHを2.5付近まで調節し、固形分濃度10重量%の二酸化ジルコニウム被覆二酸化チタンの水分散体を得た。得られた水分散液の一部をメッシュに滴下し、電子顕微鏡観察試料を作成し、観察したところ、平均粒子径が3nmの二酸化チタン結晶であることが確かめられた。平均粒子径が3nmの二酸化チタン結晶格子間隔を示す二酸化チタン結晶の周辺に無定形被覆層が認められた。また、この無定形層被覆二酸化チタンはモル比1:1のTiとZrからなっていることがわかった。
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/TTIP脱水縮合物溶液の調製)
チタンテトライソプロポキシド(TTIP)2.0重量部に触媒の塩酸水溶液(37%)1.32重量部を滴下した後、室温で10分間攪拌し、TTIPの脱水縮合物を得た。
得られたTTIPの脱水縮合物に、さらにポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)の水性分散体(固形分10重量%)を2.4重量部滴下し、室温で攪拌し、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/TTIP脱水縮合物溶液を調製した。(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/TiO2=30/70 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタンの複合微粒子を得た。
得られたポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタン複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリオレフィン系末端分岐型共重合体を除去して二酸化チタン多孔質粒子を得た。
ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタンの複合微粒子および二酸化チタン多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。動的光散乱式ナノトラック粒度分析計「マイクロトラックUPA-EX150(日機装株式会社製)」にて粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリメタアクリル酸エステル共重合体/TTIP脱水縮合物溶液の調製)
チタンテトライソプロポキシド(TTIP)2.0重量部に触媒の塩酸水溶液(37%)1.32重量部を滴下した後、室温で10分間攪拌し、TTIPの脱水縮合物を得た。
得られたTTIPの脱水縮合物に、さらに、ポリメタアクリル酸エステル系共重合体(アクリルエマルション)PAN−6を0.52重量部(固形分:0.24重量部)、さらに水1.9重量部で希釈し、室温で攪拌し、ポリメタアクリル酸エステル共重合体/TTIP脱水縮合物溶液を調製した。(ポリメタアクリル酸エステル共重合体/TiO2=30/70 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタンの複合粒子を得た。
得られたポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタン複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリメタアクリル酸エステル共重合体を除去して二酸化チタン多孔質粒子を得た。
ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタンの複合微粒子および二酸化チタン多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタンナノ粒子混合液の調製)
前述の二酸化チタンナノ粒子分散液(固形分濃度10重量%)を50重量部(固形分5.0重量部)に攪拌しながら、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)の水性分散体(固形分10重量%)を27重量部(固形分:2.7重量部)、さらに水77.0重量部で希釈し、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/TiO2ナノ粒子混合液を調製した。
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタン複合粒子の形成)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタンの複合粒子を得た。
得られたポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタン複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリオレフィン系末端分岐型共重合体を除去して二酸化チタン多孔質粒子を得た。
ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタンの複合微粒子および二酸化チタン多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタンナノ粒子混合液の調製)
前述の二酸化チタンナノ粒子分散液(固形分濃度10重量%)を50重量部(固形分5.0重量部)に攪拌しながら、ポリメタアクリル酸エステル系共重合体(アクリルエマルション)PAN−6を5.87重量部(固形分:2.7重量部)、さらに水96.3重量部で希釈し、ポリメタアクリル酸エステル系共重合体/TiO2ナノ粒子混合液を調製した。(ポリメタアクリル酸エステル系共重合体/TiO2=35/65 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタンの複合粒子を得た。
得られたポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタン複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリメタアクリル酸エステル共重合体を除去して二酸化チタン多孔質粒子を得た。
ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタンの複合微粒子および二酸化チタン多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化ジルコニウム被覆二酸化チタンナノ粒子混合液の調製)
前述の二酸化ジルコニウム被覆二酸化チタンナノ粒子分散液(固形分濃度10重量%)を67.2重量部(固形分6.72重量部)に攪拌しながら、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)の水性分散体(固形分10重量%)を32.8重量部(固形分:3.28重量部)、さらに水77.0重量部で希釈し、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/TiO2ナノ粒子混合液を調製した。(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/TiO2=32.8/67.2 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタン系の複合粒子を得た。
得られたポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタン系複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成すことによってポリオレフィン系末端分岐型共重合体を除去して二酸化チタン系多孔質粒子を得た。
ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/二酸化チタン系複合微粒子および二酸化チタン系多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化ジルコニウム被覆二酸化チタンナノ粒子混合液の調製)
前述の二酸化ジルコニウム被覆二酸化チタンナノ粒子分散液(固形分濃度10重量%)を67.2重量部(固形分6.72重量部)に攪拌しながら、ポリメタアクリル酸エステル共重合体の水性分散体(固形分10重量%)を32.8重量部(固形分:3.28重量部)、さらに水77.0重量部で希釈し、ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化ジルコニウム被覆二酸化チタンナノ粒子混合液を調製した。(ポリメタアクリル酸エステル共重合体/TiO2系=32.8/67.2 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタン系の複合粒子を得た。
得られたポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタン系複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリメタアクリル酸エステル共重合体を除去して二酸化チタン系多孔質粒子を得た。
ポリメタアクリル酸エステル共重合体/二酸化チタン系複合微粒子および二酸化チタン系多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/YSZナノ粒子混合液の調製)
YSZナノ粒子分散液(日産化学社製超微粒子ジルコニアゾル#1、粒子径5nm 固形分濃度10重量%)を28.4重量部(固形分2.84重量部)に攪拌しながら、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T)の水性分散体(固形分10重量%)を11.6重量部(固形分:1.16重量部)、さらに水40.0重量部で希釈し、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/YSZナノ粒子混合液を調製した。(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/YSZ=29/71 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/YSZの複合微粒子を得た。
得られたポリオレフィン系末端分岐型共重合体/YSZ複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリオレフィン系末端分岐型共重合体を除去してYSZ多孔質粒子を得た。
ポリオレフィン系末端分岐型共重合体/YSZ複合微粒子およびYSZ多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(ポリメタアクリル酸エステル共重合体/Ba(CH3COO)2/TTIP脱水縮合物溶液の調製)
酢酸20.8重量部に酢酸バリウム8.09重量部を加え、60℃で攪拌し溶解させた。
さらに、チタンテトライソプロポキシド(TTIP)9.1重量部を加え室温で攪拌し、ポリメタアクリル酸エステル系共重合体(アクリルエマルション)PAN−6を10.24g(固形分:4.7g)、さらに水83.76重量部で希釈し、ポリメタアクリル酸エステル系共重合体/Ba(CH3COO)2/TTIP脱水縮合物溶液を調製した。(ポリメタアクリル酸エステル系共重合体/BaTiO3=30/70 重量比)
この組成物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、ポリメタアクリル酸エステル共重合体/チタン酸バリウムの複合微粒子を得た。
得られたポリメタアクリル酸エステル共重合体/チタン酸バリウム複合粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し、さらに600℃で2時間焼成することによってポリメタアクリル酸エステル共重合体を除去してチタン酸バリウム多孔質粒子を得た。
ポリメタアクリル酸エステル共重合体/チタン酸バリウムの複合微粒子およびチタン酸バリウム多孔質粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(TTIP脱水縮合物溶液の調製)
チタンテトライソプロポキシド(TTIP)2.0重量部に触媒の塩酸水溶液(37%)1.32重量部を滴下した後、室温で10分間攪拌し、TTIPの脱水縮合物を得た。
この脱水縮合物をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで、二酸化チタン粒子を得た。
得られた二酸化チタン粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し焼成処理した。
焼成処理前後の二酸化チタン粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(二酸化チタン粒子の形成)
前述の二酸化チタンナノ粒子分散液(固形分濃度10重量%)をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することで二酸化チタン粒子を得た。さらに電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し焼成処理した。
焼成処理前後の二酸化チタン粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(YSZ粒子の形成)
YSZナノ粒子分散液(日産化学社製超微粒子ジルコニアゾル#1、粒子径5nm 固形分濃度10重量%)をスプレードライヤー装置に流し込み、ノズル出口温度190℃で加圧(0.2MPa)し、噴霧することでYSZ粒子を得た。さらに電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し焼成処理した。
焼成処理前後のYSZ粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
(Ba(CH3COO)2/TTIP脱水縮合物溶液の調製)
酢酸20.8重量部に酢酸バリウム8.09重量部を加え、60℃で攪拌し溶解させた。
得られたチタン酸バリウム粒子を、電気炉を用いて、室温から600℃まで毎分5℃の速度で昇温し焼成処理した。
焼成処理前後のチタン酸バリウム粒子を、湿式型ビーズミルを用いて水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2〜1μmになった時点でディスパーションを回収した。
二酸化チタンの粉末(石原産業製TTO−51(A))を、湿式型ビーズミルを用いて 水中にて粉砕・分散処理を行った。粒度を確認しながら粉砕を行い、粒度分布が0.2μmになった時点でディスパーションを回収した。
以上のように実施例 比較例で得られた水系ディスパーションについて、以下の評価を行った。
実施例1〜8の多孔質粒子水系ディスパーション、比較例1〜5の水系ディスパーションを乾燥処理して粉体を回収し、オートソーブ3(カンタクローム社製)を使用し、液体窒素温度下(77K)における窒素ガス吸着法にて、比表面積(BET法)、細孔容積、及び細孔分布(BJH 法)の測定を行った。なお、信頼性のある細孔容積の値が得られない場合は「測定不可」とし、細孔分布が検出限界以下(<2nm)であり細孔分布の測定上、明確な値が得られない場合は「特定できない」とした。結果を表1、表2、表3に載せた。
水系ディスパーションを乾燥処理して粉体を回収し、粉末X線解析装置(Rigaku MultiFrex、CuKα線:1.5418Å)のより測定し、結晶構造を調べた。結果を表1、表2、表3に載せた。
水系ディスパーションを静置し、粒子の沈降状態を評価した。
評価基準は以下のとおりである。結果を表1、表2、表3に載せた。
◎:1週間放置後も沈降なし
○:徐々に沈降、振ると直ぐに分散
×:直ちに沈降し、水層と沈殿物が完全に分離
水系ディスパーションの乾燥重量90重量部に対して、定着用樹脂としてアクリルエマルジョン(アルマテックス)の乾燥重量が10重量部になるように添加した水系組成物を、ワイヤーバーを用いてPETフィルム表面に3μm厚、15μm厚になるようにコートし、以下の評価を行った。結果を表1、表2、表3に載せた。
評価基準は以下の通りである。
◎:組成物はゲル化せず、コート膜に平滑性に問題なし
△:組成物はゲル化しないが、コート膜が平滑ではない
×:沈降物があり
水系ディスパーションの乾燥重量90重量部に対して、定着用樹脂としてアクリルエマルジョン(アルマテックス)の乾燥重量が10重量部になるように添加した水系組成物を、ワイヤーバーを用いてPETフィルム表面に3μm厚になるようにコートし、その白色度を測定した。測定は標準黒色板の上に乗せて、分光色彩・白度計( PF-10, 日本電色工業)を用いて色を測定した。このとき得られた明度(L*)を白色度の指標とした。白色度の評価基準は、以下のとおりである。結果を表1、表2、表3に載せた。
AA:L*が75以上
A :L*が72以上75未満
B :L*が68以上72未満
C :L*が65以上68未満
D :L*が65未満
− :測定可能なコート膜が作成できない。
実施例3、実施例5の多孔質粒子水系ディスパーションを用い、評価4.2と同様の方法で作成したPETフィルム表面に作成したコート膜についてソーラーシュミレーターを用いて照射し、膜面の変化を調べた。
実施例3は120時間照射まで膜面が脆化しなかった。実施例5は500時間照射しても膜面に黄色変や脆化がなかった。
収束イオンビーム(FIB)加工によって粒子の断面切片を切り出し、その断面の形状を、透過型電子顕微鏡(TEM/日立製作所製H−7650)を用い200kVの条件にて観察した。その結果実施例1〜8は細孔が規則構造(キュービック相構造)を呈し配列していた。
Claims (14)
- (A)波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に50%体積粒径が10〜300nmであり水系媒体に分散可能な有機ポリマー粒子が分散されている有機無機複合体、及び/又は
(B)波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に平均細孔径が10〜300nmの細孔が分散されている金属酸化物多孔体
からなるインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。 - 前記(A)有機無機複合体及び/又は前記(B)金属酸化物多孔体の粒径が0.1μm〜5μmである請求項1に記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。
- 前記金属酸化物が二酸化チタンである請求項1又は2に記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。
- 前記金属酸化物が表面を二酸化ジルコニウムで被覆された二酸化チタンナノ粒子から形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。
- 前記金属酸化物中に分散している前記有機ポリマー粒子及び/又は前記細孔がキュービック相構造である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。
- 前記有機ポリマー粒子が、ポリオレフィン系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ酢酸ビニル系及びポリブタジエン系から選ばれる少なくとも1種の非水溶性ポリマー粒子である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。
- 前記有機ポリマー粒子が、下記一般式(1)で表される数平均分子量が2.5×104以下の末端分岐型ポリオレフィン系共重合体粒子である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料:
- 一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、X1およびX2が、同一または相異なり、一般式(2)
下記一般式(3)
または、一般式(4)
- 前記末端分岐型共重合体が下記一般式(1a)または一般式(1b)で表される請求項7又は8に記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料:
- 前記有機ポリマー粒子が(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット印刷用白色水性インク用顔料を含有するインクジェット印刷用白色水性インク組成物。
- 請求項11に記載のインクジェット印刷用白色水性インク組成物により記録された文字、絵、図柄等の画像。
- 基材上に請求項11に記載のインクジェット印刷用白色水性インク組成物を用いて印刷した印刷物。
- (B)波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に平均細孔径が10〜300nmの細孔が分散されている金属酸化物多孔体、からなるインクジェット印刷用白色水性インク用顔料の製造方法であって、
前記(B)金属酸化物多孔体は、(A)波長589.3nm(Na−D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に50%体積粒径が10〜300nmであり水系媒体に分散可能な有機ポリマー粒子が分散されている有機無機複合体、から前記有機ポリマー粒子を除去することにより得られたものである、インクジェット印刷用白色水性インク用顔料の製造方法。
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