本願発明は、無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子を核として、その核の表面をアルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料により被覆して得られる表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子が液体に分散したゾルである。
本願発明に用いられる無水アンチモン酸亜鉛は公知の方法で得られる物を使用することができる。例えば、特開平6−219743号公報または特開平11−189416号広報に記載の方法で得られる無水アンチモン酸亜鉛を好ましく用いることができる。
0.8〜1.2のZnO/Sb2O5モル比に亜鉛化合物とコロイダル酸化アンチモンを混合した後、500℃〜1100℃で焼成、好ましくは水蒸気を含有する空気または窒素ガス中で300℃〜680℃で焼成するものである。上記のアンチモン酸亜鉛の製造方法では、コロイダル酸化アンチモンが酸化アンチモンゾルである場合は、酸化アンチモンゾルと亜鉛化合物を混合し、さらに乾燥した後、500℃〜1100℃で焼成、好ましくは水蒸気を含有する空気または窒素ガス中で300℃〜680℃で焼成することにより製造することができる。
上記の亜鉛化合物は、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛の無機酸塩および亜鉛の有機酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の亜鉛化合物である。亜鉛の無機酸塩としては、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛などが上げられる。また、亜鉛の有機酸塩としては、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛などが上げられる。これらの亜鉛化合物は工業薬品として市販されている物を用いることができるが、水酸化亜鉛や酸化亜鉛を用いる場合は、一次粒子径が500nm以下のものを用いることができる。特に焼成により揮散する酸を持った塩、すなわち炭酸塩、有機酸塩が好ましく、これらは一種または数種混合して使用することができる。
上記のコロイダル酸化アンチモンは一次粒子径が300nm以下の酸化アンチモンであり、五酸化アンチモンゾル、十三酸化六アンチモンゾル、水和四酸化アンチモンゾル、コロイド状三酸化アンチモンなどがある。五酸化アンチモンゾルは公知の方法、例えば三酸化アンチモンを酸化する方法(特公昭57−11848号公報)、アンチモン酸アルカリをイオン交換樹脂で脱アルカリする方法(米国特許第4110247号明細書)、アンチモン酸ソーダを酸処理する方法(特開昭60−41536号公報、特開昭62−182116号公報)などにより製造することができる。十三酸化六アンチモンゾルは三酸化アンチモンを酸化する方法(特開昭62−125849号公報)で、また水和四酸化アンチモンゾルも三酸化アンチモンを酸化する方法(特開昭52−21298号公報)で製造することができる。コロイド状三酸化アンチモンは気相法(特開昭61−3292号公報)によって製造することができる。上記の酸化アンチモンゾルは、一次粒子径が2〜200nm、好ましくは2〜40nmでアミンやナトリウムのような塩基を含有していない酸性のゾルが特に好ましい。酸化アンチモンゾルは酸化アンチモン(Sb2O5あるいはSb6O13あるいはSb2O4)濃度が1〜60重量%のものを使用できるが、これをスプレードライ、真空乾燥又は、凍結乾燥などの方法により乾燥した酸化アンチモンゾルの乾燥物として使用することもできる。上記のコロイダル酸化アンチモンは五酸化アンチモンゾル、五酸化アンチモン粉末、又は超微粒子三酸化アンチモン粉末の形態で工業薬品として市販されているものを使用することができる。
原料として用いる酸化アンチモンは、亜鉛化合物と焼成して導電性無水アンチモン酸亜鉛に変化する際に、ごく僅かな粒子径変化を伴うために、生成物の粒子径範囲よりやや広い粒子径範囲を選択することができる。本願発明で原料として五酸化アンチモンゾルを使用する場合、例えば、三酸化アンチモンと塩基性炭酸亜鉛を、ZnO/Sb2O3モル比で0.01〜0.2の割合に水に分散させ、過酸化水素で反応させて得られるZnOをドープさせた五酸化アンチモンのゾルを原料として使用することができる。この時、ドープさせたZnOは最終的に得られた導電性無水アンチモン酸亜鉛の0.8〜1.2のZnO/Sb2O5モル比に含まれるものである。
上記亜鉛化合物と酸化アンチモンゾルの混合はサタケ式攪拌機、ファウドラー型攪拌機、ディスパーなどの装置を用い、混合温度は0℃〜100℃、混合時間は0.1〜30時間で行うことができる。上記亜鉛化合物と酸化アンチモンゾルの乾燥物あるいはコロイド状酸化アンチモンの混合は乳鉢、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの装置により行うことができる。
本願発明において、0.8〜1.2に上記亜鉛化合物と酸化アンチモンゾル或いはその乾燥物又はコロイド状三酸化アンチモンを混合することが好ましい。上記亜鉛化合物と酸化アンチモンゾルの混合物(スラリー)の乾燥はスプレードライヤー、ドラムドライヤー、箱形熱風乾燥器、真空乾燥器、凍結乾燥器などにより500℃以下で行うことができる。またこのスラリーを吸引濾過、遠心濾過、フィルタープレス等で分離し、場合によっては原料からくる可溶性不純物(焼成により揮散しにくいSO4など)を注水洗浄によって除去し、ウェットケーキとした後、このケーキを上記の箱形熱風乾燥器などにより室温〜500℃で乾燥することもできる。上記乾燥は装置あるいは操作から考えて300℃以下で行うのが好ましい。
本願発明において、上記亜鉛化合物と酸化アンチモンゾルの混合物の乾燥物又は、上記亜鉛化合物と酸化アンチモンゾルの乾燥物或いはコロイド状三酸化アンチモンとの混合物の焼成は500℃〜1100℃、好ましくは550℃〜900℃で0.5時間〜50時間好ましくは2時間〜20時間で行われる。更には、水蒸気を含有するガス中で、300℃〜680℃の温度で、好ましくは350℃以上500℃未満の温度で、最も好ましくは400℃以上500℃未満の温度で、0.5時間〜50時間、好ましくは2時間〜20時間で行われる。この場合、導電性が良好で凝集性の少ないゾルを得る点で、400℃以上500℃未満の温度が最も好ましい。
水蒸気を混合する温度は、結露防止のために100℃以上で行われる。ここで上記ガスは、酸化性ガス、還元性ガス、及び不活性ガスを用いることができ、例えば酸化性ガスとしては酸素、空気、窒素と酸素の混合ガス、窒素と空気の混合ガスが、還元性ガスとしては水素、一酸化炭素が、不活性ガスとしては窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴンが上げられる。特に、空気または窒素を用いることが好ましい。
水蒸気とガスの分圧比は(水蒸気の分圧)/(ガスの分圧)が0.05〜2、好ましくは0.10〜1.0である。ガスと水蒸気の分圧比の制御は、湯浴中にガスをバブリングさせて湯浴温度で水蒸気分圧を制御する方法、または100℃以上でガスと水蒸気を直接混合することによりガスと水蒸気の分圧比を制御する方法がある。
上記の焼成によって固相反応により無水アンチモン酸亜鉛が得られる。無水アンチモン酸亜鉛は焼成条件などにより白色〜濃藍色となる。焼成温度が500℃〜680℃または、水蒸気を含有するガス中で、300℃〜680℃の場合、得られる無水アンチモン酸亜鉛は、焼成条件などにより青緑色〜濃藍色となり、0.1kΩ〜1MΩの抵抗値を示し、電子電導による導電性を有する。また、300kg/cm2でプレスした成型体は、1Ω・cm〜1MΩ・cmの比抵抗を示す。
上記の方法により得られた導電性を有する無水アンチモン酸亜鉛はX線回折測定の結果、ASTM(Index to the X−ray Powder Data File Inorganic)に記載されているアンチモン酸亜鉛{ASTM No.3−0455はZnSb2O6、No.11−214はZn(SbO3)2}とX線回折ピークが一致し、酸化亜鉛および無水五酸化アンチモンの回折ピークは認められず、ZnSb2O6構造を有していると判定した。X線回折ピークが、ASTM記載のピーク位置より低回折角側にあり、オープン構造を有していることが明らかになった。また焼成温度が680℃以上の場合のX線回折ピークは回折角もASTM記載と一致した。また上記のアンチモン酸亜鉛は示差熱分析(DTA−TG)の結果、室温〜1000℃で重量減少はなく結晶水のない無水アンチモン酸亜鉛であることを確認した。
上記の導電性を有するアンチモン酸亜鉛は透過型電子顕微鏡観察の結果、一次粒子径が5〜500nmであり、コロイドレベルの微粒子であることを確認した。
無水アンチモン酸亜鉛を水中でサンドグラインダー、ボールミル、ホモジナイザー、ディスパー、コロイドミルなどにより湿式粉砕することで容易に水性ゾルを得ることができる。また、無水アンチモン酸亜鉛は、水中で粉砕や加温することによっても含水塩とはならず無水のままである。
上記湿式粉砕後の水性ゾルは脱イオン処理することにより透明性の高いゾルを製造することができる。この脱イオン処理は、アニオン交換および/またはカチオン交換によって達成される。上記湿式粉砕後の水性ゾルをアニオン交換樹脂および/またはカチオン交換樹脂に通過させることにより脱イオン処理することができる。
湿式粉砕後の水性ゾルを脱イオン処理することにより得られるゾルを本願発明に使用することができる。さらに、この脱イオン処理した水性ゾルをアルカリ熟成することによってより透明性の高いゾルを製造することができる。このアルカリ熟成は、脱イオン処理した水性ゾルに苛性カリ、苛性ソーダのような無機塩基またはアルキルアミンのような有機塩基を添加することによりpH8〜13に調整し、このアルカリ性に調整した水性ゾルを60℃〜100℃に加温することによって達成することができる。これら脱イオン処理した水性ゾルおよび/またはアルカリ熟成した水性ゾルを有機溶媒置換することによってオルガノゾルを得ることができ、このようにして得られるオルガノゾルを本願発明に好ましく使用することができる。
上記の無水アンチモン酸亜鉛水性ゾルは無水アンチモン酸亜鉛の濃度を更に高めたいときには、最大約50重量%まで常法、例えば蒸発法、限外濾過法等により濃縮することができる。またこのゾルのpHを調整したい時には、アルカリ金属、有機塩基(アミン)、オキシカルボン酸等をゾルに加えることによって行うことができる。このpH調整は必要に応じて濃縮前および/または濃縮後に行うことができる。アルカリ成分としては例えば、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属水酸化物、NH4、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;ピペリジン等の脂環式アミン;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンである。これらは2種以上を混合して使用することができる。特に、金属酸化物の合計濃度が10〜40重量%であるゾルは実用的に好ましい。濃縮法として限外濾過法を用いると、ゾル中に共存している極微小粒子等が水と一緒に限外濾過膜を通過するので、ゾルの不安定化の原因である極微小粒子等をゾルから除去することができる。
上記のアルカリ金属、有機塩基(アミン)、オキシカルボン酸等の添加によってpH調整を行った無水アンチモン酸亜鉛水性ゾルは、この水性ゾルの水媒体を親水性有機溶媒で置換することによりオルガノゾルが得られる。この置換は、蒸留法、限外濾過法等通常の方法により行うことができる。この親水性有機溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類、メチルエチルケトン等のケトン類、キシレン、トルエン等の炭化水素類を用いることができる。
2−プロピルアルコール、エチレングリコール、メチルエチルケトン、トルエン等の高沸点溶媒を分散媒とする金属酸化物粒子のゾルを製造する場合は、メタノールを分散媒とするゾルを製造した後にこれらの高沸点溶媒に溶媒置換する方法が好ましい。
また、本願発明はスズ原子、亜鉛原子、アンチモン原子及び酸素原子からなり、SnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.01〜1.00:0.80〜1.20:1.00の比率に含有した金属酸化物粒子を核として、その核の表面をアルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料により被覆して得られる表面変性された金属酸化物コロイド粒子が液体に分散したゾルである。
上記の金属酸化物がルチル型の結晶構造を有し、且つ一般式〔(ZnO)x(Sb2O5)y〕a(SnO2)b(但し、x:y=0.80〜1.20:1、a:b=1:0.01〜0.30)で表される酸化スズがドープされたアンチモン酸亜鉛を用いることができる。
スズ原子、亜鉛原子、アンチモン原子及び酸素原子からなり、SnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.01〜1.00:0.80〜1.20:1.00の比率に、好ましくはSnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.02〜0.10:0.80〜1.20:1.00の比率に含有し、且つ5〜500nmの一次粒子径を有する金属酸化物粒子を用いることができる。
ここで一次粒子とは凝集形態にある金属酸化物粒子の直径ではなく、個々に分離したときの1個の金属酸化物粒子の直径であり、電子顕微鏡観察により求められる。
上記の金属酸化物粒子の製造方法は、スズ化合物と亜鉛化合物及びアンチモン化合物をSnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.01〜1.00:0.80〜1.20:1.00の比率に混合し、乾燥した後、大気中、各種ガス中又は水蒸気を含有するガス中で300〜900℃で焼成することにより製造することができる。
本願発明に用いられるスズ化合物は、スズの酸化物、スズの無機酸塩、スズの有機酸塩及びスズ酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種類以上のスズ化合物を好ましく用いることができる。スズの酸化物としては酸化第一スズ、酸化第二スズ、メタスズ酸等が上げられる。スズの無機酸塩としては塩化第一スズ、塩化第二スズ、硫酸第一スズ等が上げられる。また、スズの有機酸塩としては蓚酸スズ、オクチル酸スズ等が上げられる。スズ酸塩としてはスズ酸カリウムやスズ酸ナトリウム等が上げられる。これらのスズ化合物は工業薬品として市販されているものを用いることができるが、スズの塩を用いる場合には焼成により揮発しやすい酸を持った塩、すなわち炭酸塩、有機酸塩が好ましく、これらを単独又は混合して用いることができる。これらスズ化合物は、水溶液、有機溶媒に分散や溶解した溶液、又は粉末状で用いることができる。
本願発明に用いられる亜鉛化合物は、亜鉛の水酸化物、亜鉛の酸化物、亜鉛の無機酸塩及び亜鉛の有機酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の亜鉛化合物である。亜鉛の水酸化物としては水酸化亜鉛が、亜鉛の酸化物としては酸化亜鉛が上げられる。亜鉛の無機酸塩としては、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が上げられる。また、亜鉛の有機酸塩としては、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛等が上げられる。これらの亜鉛化合物は工業薬品として市販されているものを用いることができるが、水酸化亜鉛や酸化亜鉛を用いる場合には、一次粒子径が100nm以下のものが好ましい。亜鉛の塩を用いる場合には焼成により揮発しやすい酸を持った塩、すなわち炭酸塩、有機酸塩が好ましく、これらを単独又は混合して用いることができる。これら亜鉛化合物は、水溶液、有機溶媒に分散や溶解した溶液、又は粉末状で用いることができる。
本願発明に用いられるアンチモン化合物はコロイダル酸化アンチモンが好ましく、一次粒子径が100nm以下の酸化アンチモンであり、五酸化アンチモンゾル、十三酸化六アンチモンゾル、水和四酸化アンチモンゾル、コロイド状三酸化アンチモンゾルなどが上げられる。
五酸化アンチモンゾルは公知の方法、例えば三酸化アンチモンを酸化する方法(特公昭57−11848号公報)、アンチモン酸アルカリをイオン交換樹脂で脱アルカリする方法(米国特許第4110247号明細書)、アンチモン酸ソーダを酸処理する方法(特開昭60−41536号公報、特開昭62−182116号公報)などにより製造することができる。十三酸化六アンチモンゾルは三酸化アンチモンを酸化する方法(特開昭62−125849号公報)で、また、水和四酸化アンチモンゾルも三酸化アンチモンを酸化する方法(特開昭52−21298号公報)で製造することができる。コロイド状三酸化アンチモンは気相法(特開昭61−3292号公報)によって製造することができる。
本願発明に用いられる酸化アンチモンゾルは、一次粒子径が2〜100nm、好ましくは2〜50nmでアミン類やアルカリ金属等のような塩基を含有していない酸性のゾルが特に好ましい。酸化アンチモンゾルは酸化アンチモン(Sb2O5又はSb6O13又はSb2O4)濃度が1〜60重量%のものを使用することができるが、これをスプレードライ、真空乾燥又は凍結乾燥などの方法により乾燥した酸化アンチモンゾルの乾燥物として使用することもできる。上記コロイダル酸化アンチモンは五酸化アンチモンゾル、五酸化アンチモン粉末、又は超微粒子三酸化アンチモン粉末の形態で工業薬品として市販されているものを使用することができる。
原料として用いる酸化アンチモンはスズ化合物及び亜鉛化合物と焼成して金属酸化物粒子に変化する際に、ごく僅かな粒子径変化を伴うために、生成物の粒子径範囲よりやや広い粒子径範囲を選択することができる。
本願発明では原料として五酸化アンチモンゾルを使用する場合、例えば、三酸化アンチモンと塩基性炭酸亜鉛をZnO/Sb2O3のモル比で0.01〜0.2の割合で水に分散させ、過酸化水素で反応させて得られるZnOをドープさせた五酸化アンチモンのゾルを原料として使用することができる。この時、ドープさせたZnOは最終的に得られた金属酸化物粒子のモル比に含まれるものである。
上記スズ化合物と亜鉛化合物及び酸化アンチモンゾルの混合はサタケ式撹拌機、ファウドラー型撹拌機、ディスパーなどの装置を用い、混合温度は0〜100℃、混合時間は0.1〜30時間で行うことができる。上記スズ化合物と亜鉛化合物及び酸化アンチモンゾルの乾燥物あるいはコロイド状三酸化アンチモンの混合は乳鉢、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの装置により行うことができる。
本願発明においてSnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.01〜1.00:0.80〜1.20:1.00の比率に、錫化合物、亜鉛化合物、アンチモン化合物からなる水性スラリーを形成し、それらスラリーを乾燥後、所定の温度で焼成する。
上記スラリーは、例えば上記スズ化合物と亜鉛化合物及び酸化アンチモンゾルあるいはその乾燥物又はコロイド状三酸化アンチモンを混合することが好ましい。本願発明において上記スズ化合物と亜鉛化合物及び酸化アンチモンゾルの混合物(スラリー)の乾燥はスプレードライヤー、ドラムドライヤー、箱形熱風乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機などにより乾燥することができる。尚、乾燥温度は特に限定されないが、装置あるいは操作から考えて300℃以下が好ましい。また、このスラリーを吸引ろ過、遠心ろ過、フィルタープレス等で分離し、場合によっては原料に由来の可溶性不純物を注水洗浄により除外し、ウェットケーキとした後、このケーキを上記の乾燥機などにより乾燥することもできる。
本願発明において、アンチモン化合物、スズ化合物、及び亜鉛化合物の水性スラリーを製造する場合、スズ化合物は亜鉛化合物より溶解性が低い場合がある。例えば五酸化アンチモンゾル、メタスズ酸及び塩基性炭酸亜鉛を原料として用いる際に、五酸化アンチモンのイオン交換能を利用して、五酸化アンチモンゾルにメタスズ酸を加えた後、塩基性炭酸亜鉛を加えて水性スラリーを形成することで均一なスラリーとすることが可能である。
スラリー中のアンチモン化合物、スズ化合物、及び亜鉛化合物の反応を促進する目的で、過酸化水素水及び有機酸を添加することができる。これにより、より均一なスラリーを得ることができ、その結果として焼成温度の低下が達成されることにより、粒子成長が抑制され、それら導電性及び熱線吸収能を有する金属酸化物を含むコート液を製造した際に透明性の向上、導電性の向上、熱線吸収能の向上が達成される。過酸化水素の添加量は、特に限定されないが、通常はH2O2/Sb2O5のモル比で0.1〜10である。
上記有機酸としては水性媒体への溶解性の点から炭素数の少ない有機酸が用いられる。例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸が好ましく用いられる。これら有機酸の添加量は(有機酸)/Sb2O5のモル比で0.005〜0.5である。
本願発明において上記スズ化合物と亜鉛化合物及び酸化アンチモンゾルの混合物の乾燥物又は上記スズ化合物と亜鉛化合物及び酸化アンチモンゾルの乾燥物あるいはコロイド状三酸化アンチモンとの混合物を、大気中、各種ガス中又は水蒸気を含有するガス中で、300〜900℃の温度で、好ましくは400〜600℃の温度で、0.5〜50時間好ましくは2〜10時間の焼成が行われる。このように焼成することによって固相反応により、酸化スズと酸化亜鉛及び酸化アンチモンが反応してルチル型の結晶構造を有する金属酸化物粒子が得られる。
上記焼成は大気中で行うこともできるが、各種ガス気流中、又は水蒸気を含有するガス気流中で行うことができる。
各種ガスとしては、酸化性ガス、還元性ガス及び不活性ガスを用いることができる。酸化性ガスとしては例えば酸素、空気、窒素と酸素の混合ガス等が上げられる。還元性ガスとしては水素、一酸化炭素、水素と窒素の混合ガス等が上げられる。不活性ガスとしては窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等が上げられる。
焼成時に水蒸気を含有するガスを使用する場合、水蒸気を混合する温度は、結露防止のため100℃以上で行われる。水蒸気を含有させるガスとしては、酸化性ガス、還元性ガス及び不活性ガスを用いることができる。酸化性ガスとしては例えば酸素、空気、窒素と酸素の混合ガス等が上げられる。還元性ガスとしては水素、一酸化炭素、水素と窒素の混合ガス等が上げられる。不活性ガスとしては窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等が上げられる。これらのうち特に空気、窒素を用いることが好ましい。
水蒸気とガスの分圧比は(水蒸気の分圧)/(ガスの分圧)が0.05〜2.0、好ましくは0.1〜1.0である。ガスと水蒸気の分圧比の制御は、温浴中にガスをバブリングさせて温浴温度で水蒸気分圧を制御する方法、又は100℃以上でガスと水蒸気を直接混合することによりガスと水蒸気の分圧比を制御する方法がある。
本願発明で水蒸気を含有するガス中で焼成することにより、焼成温度の低下が達成され、その結果として、粒子成長が抑制され、それら導電性及び熱線吸収能を有する金属酸化物を含むコート液を製造した際に透明性の向上、導電性の向上、熱線吸収能の向上が達成される。
本発明の金属酸化物粒子は緑〜濃青色を呈する。本発明の方法により得られた金属酸化物粒子のX線回折ピークよりルチル型の結晶構造を有することが確認された。
この金属酸化物粒子はルチル型の結晶構造を有し、且つ一般式〔(ZnO)x(Sb2O5)y〕a(SnO2)b(但し、x:y=0.80〜1.20:1、a:b=1:0.01〜0.30)で表される範囲では、酸化スズがドープされたアンチモン酸亜鉛である。
また、この金属酸化物粒子はルチル型の結晶構造を有し、且つ一般式〔(ZnO)x(Sb2O5)y〕a(SnO2)b(但し、x:y=0.80〜1.20:1、a:b=1:0.30〜1.00)で表される範囲では、酸化スズとアンチモン酸亜鉛からなる金属酸化物粒子である。
また、本発明の金属酸化物粒子は透過型電子顕微鏡観察の結果、一次粒子が5〜500nm、好ましくは5〜300nm、更に好ましくは5〜50nmであり、コロイドレベルの微粒子であることを確認した。
更に本発明の金属酸化物粒子は300kg/cm2でプレス成型した場合、10〜1000Ωcmの比抵抗値を示し、良好な電子伝導性を有する導電性酸化物粒子であることを確認した。
本発明により得られた金属酸化物粒子は、水または有機溶媒中でサンドグラインダー、ボールミル、ホモジナイザー、ディスパー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどにより湿式粉砕することで容易に水性ゾルまたは有機溶媒ゾルとすることができる。
本発明では、得られた金属酸化物粒子の水性ゾルは、所望により、イオン交換樹脂と接触させることにより、不純物イオンを除去し、高純度の金属酸化物粒子の水性ゾルとすることができる。
本発明の金属酸化物粒子を湿式粉砕し、水又は有機溶媒のゾルとする場合、必要に応じてアンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、アセチルアセトン、アセトニルアセトン等のβ-ジケトン類、アセト酢酸エステル、乳酸エステル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテートなどのエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−メチルピロリドンなどの複素環化合物および塩酸、硝酸などの無機酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などのオキシカルボン酸を加えて安定化することができる。
本願発明では、金属酸化物粒子の水性ゾルとして得た後に、上記記載の有機溶媒による置換を行って有機溶媒ゾルとすることもできる。有機溶媒による溶媒置換後も、有機溶媒中の金属酸化物粒子の粒子径は、水性ゾル中の金属酸化物粒子の粒子径と大きな変化はない。
有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテル類、メチルエチルケトン等のケトン類、キシレン、トルエン等の炭化水素類を用いることができる。
2−プロピルアルコール、エチレングリコール、メチルエチルケトン、トルエン等の高沸点溶媒を分散媒とする金属酸化物粒子のゾルを製造する場合は、メタノールを分散媒とするゾルを製造した後にこれらの高沸点溶媒に溶媒置換する方法が好ましい。
また、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン等の芳香族炭化水素を分散媒とする金属酸化物粒子のゾルを製造する場合は、比較的高沸点のアルコール類、たとえば2−プロピルアルコール等を加えて混合溶媒とすることで分散性の高い高沸点溶媒ゾルを得ることができる。
そして、高沸点溶媒のゾルは超音波を照射することで、金属酸化物粒子がより高度に分散したゾルを得ることができる。超音波の照射は、ゾルを入れた容器を超音波発生器内に置くことで達成することができる。
本願発明の金属酸化物粒子又はそれらを含有するゾルは、ケイ素化合物、活性エネルギー線重合型メタアクリレート、樹脂エマルジョン、水溶性高分子液、シリコーンオイル、塗料などと混合しコーティング組成物を作成することにより、透明性帯電防止剤、帯電防止能を有するコート剤、透明性電磁波遮蔽剤、電気粘性流体などとして用いることができる。
本願発明は、上記の無水アンチモン酸亜鉛ゾル又は金属酸化物ゾルと、アルミニウム含有物質および/または高分子型界面活性剤を混合して攪拌することにより、無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子又は金属酸化物コロイド粒子を核としてその核の表面をアルミニウム含有物質および/または高分子型界面活性剤で被覆して得られる表面変成された無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子又は金属酸化物コロイド粒子を液体に分散させたゾルが得られる。
本願発明のゾルでは上記の無水アンチモン酸亜鉛(ZnO・Sb2O5)のコロイド粒子又はSnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.01〜1.00:0.80〜1.20:1.00の比率に含有した金属酸化物のコロイド粒子に対して、上記のアルミニウム含有物質をAl2O3に換算して0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜10重量%の割合で添加することにより被覆させることができる。
0.05重量%未満では上記の無水アンチモン酸亜鉛又は金属酸化物の粒子表面をアルミニウム含有物質で充分に被覆することができず、一方、無水アンチモン酸亜鉛粒子又は金属酸化物粒子の粒子径にもよるが10重量%を超える場合は当該粒子の表面にアルミニウム含有物質が何重にも被覆され、帯電防止剤として使用する場合にそれらのポリマーが絶縁層を形成し導電性が低下し、帯電防止能が低下することがある。
アルミニウム含有物質はアルミニウムキレート剤を用いることが好ましい。
アルミニウムキレート剤は、例えば式(1)の化合物、好ましくは一般式(4)の化合物に相当するアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジエチレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジメチレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジブチレート、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテートが上げられ、R1、R2、及びR3は有機基であり、R4はアルキル基である。R2及びR3は同一の有機基を用いる事も異なる有機基を用いることも可能である。
また式(2)の化合物、好ましくは一般式(5)の化合物に相当するビス(アルキルアセトアセテート)アルミニウムイソプロピレート、ビス(アルキルアセトアセテート)アルミニウムエチレート、ビス(アルキルアセトアセテート)アルミニウムメチレート、ビス(アルキルアセトアセテート)アルミニウムブチレート等が上げられ、R1、及びR2は有機基であり、R4はアルキル基である。
また式(3)の化合物、好ましくは一般式(6)に相当するアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)が上げられ、R4はアルキル基である。
これらのアルミニウム含有物質の中でも、式(1)の構造を有し、R1の部分に親油性基を有する化合物が好ましい。その具体的な式(4)の化合物としてR4のアルキル部分が炭素数2〜30のアルキル基や、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素基を有する化合物であり、そしてR2及びR3がメチル基〔CH3−〕、エチル基〔CH3CH2−〕、プロピル基〔CH3CH2CH2−〕、イソプロピル基〔(CH3)2CH−〕、イソプロペニル基〔CH2=C(CH3)−〕、ノニル基〔CH3(CH2)7CH2−〕、オクタデシル基〔CH3(CH2)16CH2−〕、オレオキシ基〔CH3(CH2)7CH=CH(CH2)8−〕等の飽和又は不飽和のアルキル基を有する化合物が上げられ、例えばアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートが例示される。
R4のアルキル基がエチル基であり、R2とR3がイソプロピル基であるエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル社製、商品名ALCH−50F、ALCH−75)や、R4のアルキル基がオクタデシル基であり、R2とR3がイソプロピル基であるオクタデシルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル社製、商品名アルミキレートM)であり、それらを好ましく例示することが出来る。
更に式(1)の構造を有する好ましい化合物として、R4がエチル基であり、R2がイソプロピル基であり、R3がオレオキシ基であるアルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート(川研ファインケミカル社製、商品名アルミキレートOL−1000)を例示することが出来る。
式(1)の化合物においては、2つのアルコキシ基が無機物表面の水酸基と反応し、Mをアンチモン原子又は亜鉛原子としたときに、M−O−Alに近い結合を形成し、残る1つのアルキル(炭素数2〜30)アセトアセテート基に由来するアルキル部分に親油性を持たせているために、疎水性有機溶媒や可塑剤中に効率よく分散する事が可能となる。
本願発明のゾルでは上記の無水アンチモン酸亜鉛(ZnO・Sb2O5)のコロイド粒子又はSnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.01〜1.00:0.80〜1.20:1.00の比率に含有した金属酸化物のコロイド粒子に対して、上記の高分子型界面活性剤を0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%の割合で添加することにより被覆させることが好ましい。
0.1重量%未満では上記の無水アンチモン酸亜鉛又は金属酸化物の粒子表面を高分子型界面活性剤で充分に被覆することができず、一方、無水アンチモン酸亜鉛粒子又は金属酸化物粒子の粒子径にもよるが10重量%を超える場合は当該粒子の表面に何重にも高分子型界面活性剤が被覆され、帯電防止剤として使用する場合にそれらの高分子型界面活性剤が絶縁層を形成し導電性が低下し、帯電防止能が低下することがある。
本願発明に用いられる高分子型界面活性剤は、式(7)として−(COO(CH2)5)n1−の構造(ただし、n1は1〜20の整数である。)を少なくとも有するポリカルボン酸エステル系の高分子型界面活性剤を用いることができる。
このポリカルボン酸エステル系の高分子型界面活性剤は、即ち下記一般式(9):
の構造を少なくとも有するものである。ただしn1は2〜20の整数である。
本願発明に使用される上記高分子型界面活性剤はオルガノゾルに好適に使用されるため油性界面活性剤であることが好ましい。
このポリカルボン酸エステル系の高分子型界面活性剤は一般式(10)で記載することができる。
一般式(10)においてRa、及びRbはそれぞれ水素原子、水酸基、炭化水素基、又は芳香族基が上げられる。油性界面活性剤に用いる為にはRa及びRbはそれぞれ炭素数1〜20の飽和又は不飽和の鎖状又は環状の炭化水素基、又は炭素数4〜12の芳香族基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、ナフチル等が上げられる。
また 本願発明に用いられる高分子型界面活性剤は、式(8)として−COO((CH2)2O)n2−の構造(ただし、n2は1〜20の整数である。)を少なくとも有するポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル系の高分子型界面活性剤を用いることができる。
このポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル系の高分子型界面活性剤は、即ち一般式(11):
の構造を少なくとも有するものである。ただしn2は2〜20の整数である。
本願発明に使用される上記高分子型界面活性剤はオルガノゾルに好適に使用されるため油性界面活性剤であることが好ましい。
このポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル系の高分子型界面活性剤は一般式(12)で記載することが出来る。
一般式(12)においてRcは炭素数1〜20の飽和又は不飽和の鎖状又は環状の炭化水素基、又は炭素数4〜12の芳香族基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、ナフチル等が上げられる。
Rdはそれぞれ水素原子、水酸基、炭化水素基、又は芳香族基が上げられる。油性界面活性剤に用いる為にはRdはそれぞれ炭素数1〜20の飽和又は不飽和の鎖状又は環状の炭化水素基、又は炭素数4〜12の芳香族基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、ナフチル等が上げられる。そして、油性界面活性剤に用いるためにはエチレンオキシド鎖が短いものが好ましく、n2の値は6〜13が好適に用いられる。
本願発明に用いられる高分子型界面活性剤は、上記式(7)〜式(12)で示される群から選ばれた少なくとも1種の物質を用いることができる。
本願発明のゾルは分散媒としての液体が有機溶媒、特に疎水性有機溶媒であることが好ましく、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛又は金属酸化物が疎水性有機溶媒に分散したゾルを得ることができる。アルミニウム含有物質および/または高分子型界面活性剤で表面変性された無水アンチモン酸亜鉛ゾル又は金属酸化物ゾルの分散媒が親水性有機溶媒である場合には、疎水性有機溶媒に溶媒置換することが好ましい。この置換は、蒸留法、限外濾過法等の通常の方法により行うことができる。疎水性有機溶媒としては、炭化水素、ケトン類、エステル類等を用いることができる。炭化水素はトルエンやキシレンなどの芳香族系炭化水素を、ケトン類はメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを、エステル類は酢酸メチル、酢酸ブチルなどを上げることができる。
また、溶媒として可塑剤を用いることができ、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛粒子又は金属酸化物粒子が可塑剤に分散したゾルを得ることができる。可塑剤としては特に限定はされないが、ポリエーテルエステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル等が上げられる。上記可塑剤の中でも、例えば、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジn−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジn−ヘプタノエート、ジオクチルフタレート(DOP)、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレートなどが好ましく用いられる。上記可塑剤は、単独または2種類以上を混合して用いることができる。
本願発明において有機溶媒ゾルの製造は、先ず無水アンチモン酸亜鉛水性ゾル又は金属酸化物水性ゾルを製造し、この水性ゾルの水性媒体を親水性有機溶媒に溶媒置換した後、親水性有機溶媒を疎水性有機溶媒又は可塑剤に溶媒置換することにより、疎水性有機溶媒を分散媒とするゾル、又は可塑剤を分散媒とするゾルを製造することができる。使用する可塑剤の種類によっては、疎水性有機溶媒から可塑剤に溶媒置換する場合も必要である。
無水アンチモン酸亜鉛ゾル又は金属酸化物ゾルと、アルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料とを混合し攪拌する事により、無水アンチモン酸亜鉛のコロイド粒子の表面にアルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料を被覆して表面変性することができる。アルミニウム含有物質と高分子型界面活性剤は、いずれか一方で効果が現れるが双方を併用することでより良い効果が発現できる。アルミニウム含有物質と高分子型界面活性剤の添加順序は特に定めはないが、アルミニウム含有物質を先に添加する方法がより好ましい。
アルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料は、水性ゾルを製造する工程、水性ゾルの水性媒体を親水性有機溶媒に置換する工程、及び親水性有機溶媒ゾルの親水性有機溶媒を疎水性有機溶媒又は可塑剤に置換する工程を含む一連の工程の中で、少なくとも一つの工程に添加することができる。通常は、無水アンチモン酸亜鉛水性ゾル又は金属酸化物水性ゾルの水性媒体を親水性有機溶媒に置換する工程を経た後に、アルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料を添加する方法が好ましい。
本願発明で得られる無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子を核として、その核の表面をアルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料により被覆して得られる表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子は、0.8〜1.2のZnO/Sb2O5モル比と電子顕微鏡による観察で5〜500nm、好ましくは5〜50nmの一次粒子径を有する。この表面変成された無水アンチモン酸亜鉛ゾルの乾燥物は、0.1kΩ・cm〜1MΩ・cmの体積抵抗値を有する。また、上記の表面変性された金属酸化物ゾルの乾燥物は、0.1kΩ・cm〜1MΩ・cmの体積抵抗値を有する。
本願発明で得られる無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子又は金属酸化物コロイド粒子を核として、その核の表面をアルミニウム含有物質、高分子型界面活性剤、又はそれら双方の材料により被覆して得られる表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子又は金属酸化物コロイド粒子をアルコールや炭化水素のような有機溶媒に分散させたゾルは、このゾル自体を樹脂、プラスチック、ガラス、紙、磁気テープ等の透明性帯電防止材料、透明性紫外線吸収材料、透明性熱線吸収材料、高屈折率ハードコート剤、反射防止剤など様々の用途に使用することができる。
上記の変性された無水アンチモン酸亜鉛ゾル又は金属酸化物ゾルは、ケイ素化合物、活性エネルギー線重合型メタアクリレート、樹脂エマルジョン、水溶性高分子液、シリコーンオイル、塗料などと混合して使用することにより、透明性帯電防止剤、帯電防止能を有するコート剤、透明性電磁波遮蔽剤、電気粘性流体などとして用いることができる。
ケイ素化合物としては、例えば以下のA成分及び/またはB成分を含む。
A成分:一般式(I)
(R1)a(R3)bSi(OR2)4−(a+b) (I)
(ここでR1、R3はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、ハロゲン基、グリシドキシ基、エポキシ基、アミノ基、フェニル基、メルカプト基、メタクリルオキシ基およびシアノ基からなる群より選ばれた有機基を示し、R2は炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アシル基およびフェニル基からなる群より選ばれる有機基を示し、aおよびbは0または1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物またはその加水分解物。
B成分:一般式(II)
{(OX)3−aSi(R4)}2Y (II)
(ここでR4は炭素数1〜5の有機基を示し、Xは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示し、Yは炭素数2〜20の有機基を示し、aは0また1の整数である)で表される有機ケイ素化合物またはその加水分解物。
A成分は、上述した一般式(I)で示され、その具体的な有機ケイ素化合物またはその加水分解物の例としては、メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケート、iso−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グルシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシトリエチキシシラン、β−グリシドキシトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α―グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α―グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β―グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β―グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β―グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルビニルメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルビニルエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルビニルフェニルメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルビニルフェニルエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、γ―クロロプロピルトリエトキシシラン、γ―クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3―トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β―シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N―(β―アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―(β―アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、N―(β―アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N―(β―アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ―クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ―クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等およびこれらの加水分解物があげられる。
次にB成分について説明する。B成分は、上述した一般式(II)で示され、その具体的な有機ケイ素化合物またはその加水分解物の例としては、メチレンビスメチルジメトキシシラン、エチレンビスエチルジメトキシシラン、プロピレンビスエチルジエトキシシラン、ブチレンビスメチルジエトキシシラン等およびこれらの加水分解物があげられる。
A成分、B成分の有機ケイ素化合物は、A成分あるいはB成分のみで単独で、またA成分、B成分を混合して用いることができる。なお、当然のことながらA成分を2種類以上用いること、またB成分を2種類以上用いることも可能である。
A成分、B成分の有機ケイ素の加水分解は、A成分、B成分の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫酸水溶液、酢酸水溶液などの酸性水溶液を添加し撹拌することにより行われる。
活性エネルギー線重合型メタアクリレートとしては、分子内に1個以上のメタアクリロイル基を有する紫外線もしくは電子線硬化可能なメタアクリレートから任意に選択でき、単独もしくは混合して利用することができる。このメタアクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ωーカルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、アクリロイルオキシエチル酸、アクリル酸ダイマー、ラウリルメタアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ステアリルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、イソボニルメタアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルグリシジルエーテルエポキシアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエトキシ化アクリレート、アクリロイルオキシエチルフタル酸、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノールエトキシ化メタアクリレート、メチルメタクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、メタクリロイルオキシエチル酸、メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸、ポリエチレングリコールメタアクリレート、ポリプロピレングリコールメタアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、N−メチロールアクリルアマイド、N−メトキシメチルアクリルアマイド、N−エトキシメチルアクリルアマイド、N−n−ブトキシメチルアクリルアマイド、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、ステアリル酸ビニル、N−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、グリシジルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、メタクリル酸アリル、セチルメタクリレート、ペンタデシルメタアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、メタクロイルオキシエチル琥珀酸、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチル、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、グリコールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリロイルフォスフェート、ビスフェノールAエチレングリコール付加物アクリレート、ビスフェノールFエチレングリコール付加物アクリレート、トリシクロデカンメタノールジアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレングリコール付加物トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、変性ε−カプロラクトントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、グリセリンプロピレングリコール付加物トリスアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエチレングリコール付加物テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキトアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステルなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのものは単独もしくは任意に混合使用することができるが、好ましくは分子内にメタアクリロイル基を2個以上含有する多官能メタクリレートモノマーもしくはオリゴマーが重合後の皮膜が硬く、対擦傷性が良好で好適である。
実施例1
三酸化アンチモン(三国精練(株)製)110kgと塩基性炭酸亜鉛(境化学(株)製、3ZnCO3・4Zn(OH)2、ZnOに換算して70重量%含有)3.3kgを、水1364kgに分散させ、ついで35%過酸化水素水182kgと87%蟻酸594gを添加し、90〜100℃に加温して2時間反応させ、五酸化アンチモンゾルを得た。得られたゾルは比重1.174、pH1.44、粘度1.8mPa・s、Sb2O5として16.3重量%、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径20〜30nm、BET法による比表面積41.3m2/gであった。
得られた五酸化アンチモンゾル334kgを純水にてSb2O5濃度が13.3重量%になるように希釈した後、塩基性炭酸亜鉛(境化学(株)製、3ZnCO3・4Zn(OH)2、ZnOに換算して70重量%含有)16.9kgを添加し、6時間攪拌を行いスラリーを得た。このスラリーはZnOとして3.1重量%、Sb2O5として12.7重量%を含み、ZnO/Sb2O5モル比0.97であった。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥し、乾燥粉を得た。この乾燥粉のX線回折測定の結果、含水五酸化アンチモン(Sb2O5/xH2O)のピークと一致した。
この乾燥粉72kgを、450mmφの流動層に仕込み、空気24Nm3/hrで85℃の温浴にバブリングさせることにより得られた水蒸気/窒素ガスの分圧比として0.47の混合ガスを流動層に導入し、480℃で4時間焼成した。得られた粉末は濃青色で、X線解析測定の結果、無水アンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6)のピークと一致した。また、この粉末を300kg/cm2でプレス成型したものは比抵抗150Ω・cmの導電性を示した。
この粉末をピンディスクミルで粉砕した後、20リットルの湿式粉砕装置(アシザワ(株)製 LMK−20型粉砕機)に粉末84kgと水320kgを添加し、ガラスビーズ(0.3mmφ)で湿式粉砕を行い、ガラスビーズを水押ししながら水性ゾルを得た。この水性ゾルのpHは6.6であった。この水性ゾルをカチオン交換樹脂50リットルを充填したカラムに通液速度SV=12で通液しカチオン交換を行った。ついでアニオン交換樹脂50リットルを充填したカラムに通液速度SV=12で通液しアニオン交換を行った。イオン交換後のゾルのpHは3.1であった。この水性ゾルにジイソプロピルアミン400gを添加し、この水性ゾルを限外ろ過装置を用いて258kgまで濃縮した。得られた無水アンチモン酸亜鉛水性ゾルは透明性を有する濃青色で、比重1.353、pH6.94、粘度2.8mPa・s、電導度409μs/cm、ZnSb2O6濃度30.6重量%であった。このゾルは透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は15〜50nmで、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は97nm、遠心沈降粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は60nmであった。また、このゾルの乾燥物のBET法による比表面積は63.9m2/g、比表面積より算出した粒子径は15nmであった。
この無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液の水性溶媒を常圧下にメタノール蒸気を吹き込みながら濃縮を行い、メタノール溶媒に置換した。得られたメタノールを溶媒とするゾルはZnSb2O6を61.5重量%含有し、水と1:1(重量比)に混合した溶液のpHは7.3、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nmで、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は110nm、遠心沈降法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は40nmであった。またこのゾルの乾燥物の体積抵抗値は1480Ω・cmであった。
このメタノールを溶媒とするゾル155gにメチルエチルケトン60gを攪拌下に加え、次いで式(4)に相当するアルミニウムキレート剤(川研ファインケミカル(株)製、商品名アルミキレートOL−1000、成分はアルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート)のメチルエチルケトン中で10重量%濃度の溶液47.8gを攪拌下に加え、室温で1時間攪拌混合した。さらに式(9)に相当する高分子型界面活性剤(BYK Chemie製、商品名Disperplast−1148)のメチルエチルケトン中で10重量%濃度の溶液47.8gを攪拌下に添加し、さらに1時間室温で攪拌混合を行った。そして粒子表面をアルミニウム含有物質および高分子型界面活性剤で被覆された無水アンチモン酸亜鉛のコロイド溶液を得た。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液のメタノール溶媒をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトン溶媒に置換し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛のメチルエチルケトンを溶媒とするゾルを製造した。得られたメチルエチルケトンを溶媒とするゾルは、ZnO・Sb2O5を31.0重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算としてZnO・Sb2O5に対して0.6重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量はZnO・Sb2O5に対して3.5重量%であった。水と1:1(重量比)に混合した溶液のpHは7.4、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は126nmであった。高沸点溶媒メチルエチルケトン中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、高沸点溶媒中でも十分な分散性を示すことが判った。また、このゾルの乾燥物の体積抵抗値は2518Ω・cmであった。
実施例2
実施例1で使用した無水アンチモン酸亜鉛のメタノールを溶媒とするゾル153gにメチルエチルケトン77gを攪拌下に加え、次いで式(4)に相当するアルミニウムキレート剤(川研ファインケミカル(株)製、商品名アルミキレートOL−1000、成分はアルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート)のメチルエチルケトン中で10重量%濃度の溶液28.2gを攪拌下に加え、室温で1時間攪拌混合した。さらに式(9)に相当する高分子型界面活性剤(BYK Chemie製、商品名Disperplast−1148)のメチルエチルケトン中で10重量%濃度の溶液47.0gを攪拌下に添加し、さらに1時間室温で攪拌混合を行った。そして粒子表面をアルミニウム含有物質および高分子型界面活性剤で被覆された無水アンチモン酸亜鉛のコロイド溶液を得た。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液のメタノール溶媒をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトン溶媒に置換し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛のメチルエチルケトンを溶媒とするゾルを製造した。得られたメチルエチルケトンを溶媒とするゾルは、ZnO・Sb2O5を31.4重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算としてZnO・Sb2O5に対して0.3重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量はZnO・Sb2O5に対して3.5重量%であった。水と1:1(重量比)に混合した溶液のpHは7.1、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は120nmであった。また、このゾルの乾燥物の体積抵抗値は2172Ω・cmであった。高沸点溶媒メチルエチルケトン中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、高沸点溶媒中でも十分な分散性を示すことが判った。
実施例3
実施例1で使用した無水アンチモン酸亜鉛のメタノールを溶媒とするゾル155gにトルエン68gを攪拌下に加え、次いで式(4)に相当するアルミニウムキレート剤(川研ファインケミカル(株)製、商品名アルミキレートOL−1000、成分はアルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート)のトルエン中で10重量%濃度の溶液47.7gを攪拌下に加え、室温で1時間攪拌混合した。さらに式(9)に相当する高分子型界面活性剤(BYK Chemie製、商品名Disperplast−1148)のトルエン中で10%濃度の溶液47.8gを攪拌下に添加し、さらに1時間室温で攪拌混合を行った。そして粒子表面をアルミニウム含有物質および高分子型界面活性剤で被覆された無水アンチモン酸亜鉛のコロイド溶液を得た。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液のメタノール溶媒をロータリーエバポレーターを用いてトルエン溶媒に置換し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛のトルエンを溶媒とするゾルを製造した。得られたトルエンを溶媒とするゾルは、ZnO・Sb2O5を42.1重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算としてZnO・Sb2O5に対して0.6重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量はZnO・Sb2O5に対して3.5重量%であった。透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は120nmであった。高沸点溶媒トルエン中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、高沸点溶媒中でも十分な分散性を示すことが判った。
実施例4
実施例1で使用した無水アンチモン酸亜鉛のメタノールを溶媒とするゾル155gにトルエン115gを攪拌下に加え、次いで式(4)に相当するアルミニウムキレート剤(川研ファインケミカル(株)製、商品名アルミキレートOL−1000、成分はアルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート)のトルエン中で10重量%濃度の溶液47.7gを攪拌下に加え、室温で1時間攪拌混合した。そして粒子表面をアルミニウム含有物質で被覆された無水アンチモン酸亜鉛のコロイド溶液を得た。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液のメタノール溶媒をロータリーエバポレーターを用いてトルエン溶媒に置換し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛のトルエンを溶媒とするゾルを製造した。得られたトルエンを溶媒とするゾルは、ZnO・Sb2O5を41.0重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算としてZnO・Sb2O5に対して0.6重量%であり、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は126nmであった。高沸点溶媒トルエン中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、高沸点溶媒中でも十分な分散性を示すことが判った。
実施例5
実施例1で得られた式(4)及び式(9)の化合物の表面被覆による無水アンチモン酸亜鉛のメチルエチルケトンを溶媒とするゾル142.6gにトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)255gを攪拌下に加え室温で30分間攪拌混合した。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液のメチルエチルケトン溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留出除去し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛の3GOを溶媒とするゾルを製造した。得られた3GOを溶媒とするゾルは、ZnO・Sb2O5を15.0重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算としてZnO・Sb2O5に対して0.6重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量はZnO・Sb2O5に対して3.5重量%であった。透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は130nmであった。可塑剤トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、可塑剤中でも十分な分散性を示すことが判った。
実施例6
実施例3で得られた式(4)及び式(9)の化合物の表面被覆による無水アンチモン酸亜鉛のトルエンを溶媒とするゾル109.8gにトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)255gを攪拌下に加え室温で30分間攪拌混合した。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液のトルエン溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留出除去し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛の3GOを溶媒とするゾルを製造した。得られた3GOを溶媒とするゾルは、ZnO・Sb2O5を15.0重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算としてZnO・Sb2O5に対して0.6重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量はZnO・Sb2O5に対して3.5重量%であった。透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は110nmであった。可塑剤トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、可塑剤中でも十分な分散性を示すことが判った。
実施例7
実施例1で使用した五酸化アンチモンゾル694.5kgを純水にてSb2O5濃度が14重量%になるように希釈した後、攪拌下でメタ錫酸(昭和化工(株)製、SnO2に換算して86重量%含有)3.1kgを添加し1時間攪拌した後、35%過酸化水素水34kgと蟻酸0.33kgを添加し、次いで塩基性炭酸亜鉛(境化学(株)製、3ZnCO3・4Zn(OH)2、ZnOに換算して72.5重量%含有)37.3kgを添加した後4時間攪拌を行いスラリーを得た。このスラリーの仕込み時のSnO2:ZnO:Sb2O5のモル比は0.05:0.97:1.00である。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥し、乾燥粉を得た。
この乾燥粉72kgを、450mmφの流動層に仕込み、空気24Nm3/hrで85℃の温浴にバブリングさせることにより得られた水蒸気/空気の分圧比として0.47の混合ガスを流動層に導入し、480℃で4時間焼成した。得られた粉末は濃青色で、X線回折測定の結果、ルチル型の結晶構造を有することが確認された。この金属酸化物粒子はスズ原子、亜鉛原子、アンチモン原子及び酸素原子からなり、SnO2:ZnO:Sb2O5のモル比として0.05:0.97:1.00の比率に含有した金属酸化物粒子であり、この金属酸化物はルチル型の結晶構造を有し、一般式〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05で表される酸化スズがドープされたアンチモン酸亜鉛であった。
また、この粉末を300kg/cm2でプレス成型したものは比抵抗58Ω・cmの導電性を示した。
この粉末をピンディスクミルで粉砕した後、4リットルの湿式粉砕装置(アシザワ(株)製 LMK−4型粉砕機)に粉末6kgと水24kgを添加し、ガラスビーズ(0.3mmφ)で湿式粉砕を行い、ガラスビーズを水押ししながら水性ゾルを得た。この水性ゾルをカチオン交換樹脂3リットルを充填したカラムに通液速度SV=12で通液しカチオン交換を行った。ついでアニオン交換樹脂3リットルを充填したカラムに通液速度SV=12で通液しアニオン交換を行った。イオン交換後のゾルのpHは3.1であった。この水性ゾルにジイソプロピルアミン30gを添加し、この水性ゾルを限外ろ過装置を用いて19.5kgまで濃縮した。得られた金属酸化物水性ゾルは透明性を有する濃青色で、比重1.353、pH6.59、粘度1.7mPa・s、電導度367μs/cm、〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05濃度30.8重量%であった。このゾルは透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は15〜50nmで、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は92nm、遠心沈降粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は60nmであった。また、このゾルの乾燥物のBET法による比表面積は53.8m2/g、比表面積より算出した粒子径は18nmであった。
この金属酸化物コロイド溶液の水性溶媒を常圧下にメタノール蒸気を吹き込みながら濃縮を行い、メタノール溶媒に置換した。得られたメタノールを溶媒とするゾルは〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05を61.1重量%含有し、水と1:1(重量比)に混合した溶液のpHは7.1、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は15〜50nmで、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は83nm、遠心沈降法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は50nmであった。またこのゾルの乾燥物の体積抵抗値は280Ω・cmであった。
このメタノールを溶媒とするゾル73.7gにメチルエチルケトン31.3gを攪拌下に加え、次いで式(4)に相当するアルミニウムキレート剤(川研ファインケミカル(株)製、商品名アルミキレートM、成分はオクタデシルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート)のメチルエチルケトン中で10重量%濃度の溶液45.0gを攪拌下に加え、室温で1時間攪拌混合した。さらに式(9)に相当する高分子型界面活性剤(BYK Chemie製、商品名Disperbyk−163)のメチルエチルケトン中で10重量%濃度の溶液45.0gを攪拌下に添加し、さらに1時間室温で攪拌混合を行った。そして粒子表面をアルミニウム含有物質および高分子型界面活性剤で被覆された金属酸化物のコロイド溶液を得た。この表面変性された金属酸化物コロイド溶液のメタノール溶媒をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトン溶媒に置換し、表面変性された金属酸化物のメチルエチルケトンを溶媒とするゾルを製造した。得られたメチルエチルケトンを溶媒とするゾルは、〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05を31.0重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算として〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05に対して1.0重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量は〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05に対して4.4重量%であった。透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は15〜50nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は105nmであった。高沸点溶媒メチルエチルケトン中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、高沸点溶媒中でも十分な分散性を示すことが判った。
実施例8
実施例7で得られた式(4)及び式(9)の化合物の表面被覆による金属酸化物のメチルエチルケトンを溶媒とするゾル144.4gにトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)246gを攪拌下に加え室温で30分間攪拌混合した。この表面変性された金属酸化物コロイド溶液のメチルエチルケトン溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留出除去し、表面変性された金属酸化物の3GOを溶媒とするゾルを製造した。得られた3GOを溶媒とするゾルは、〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05を15.0重量%含有し、アルミニウムキレート剤の被覆量は、Al2O3換算として〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05に対して1.0重量%であり、高分子型界面活性剤の被覆量は〔(ZnO)0.97(Sb2O5)1.00〕1.00(SnO2)0.05に対して4.4重量%であった。透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は15〜50nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集体の粒子径は99nmであった。可塑剤トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)中では、一次粒子径値に近い凝集体の粒子径値であることから、可塑剤中でも十分な分散性を示すことが判った。
比較例1
公知の無水アンチモン酸亜鉛の水性ゾル(ZnO・Sb2O5を22.7重量%含有、pH=3.9)1060gにメチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名SZ6070)4.09gを加え、ディスパーにて室温で4時間攪拌混合した。ついでこれにジイソプロピルアミン0.48gを加え、さらにリンゴ酸1.20gを加えディスパーにて室温で3時間攪拌混合した。そして、粒子表面をメチルトリメトキシシラン乃至その加水分解物で被覆された無水アンチモン酸亜鉛のコロイド溶液を得た。そのコロイド溶液のpHは3.4であった。この表面変性された無水アンチモン酸亜鉛コロイド溶液の水性溶媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノール溶媒に置換し、次いでイソプロピルアルコール溶媒に置換し、さらにメチルエチルケトン溶媒に置換し、表面変性された無水アンチモン酸亜鉛のメチルエチルケトンゾルを製造した。得られたメチルエチルケトンゾルはZnO・Sb2O5を19.8重量%含有しシランカップリング剤の被覆量は、SiO2換算としてZnO・Sb2O5に対して0.7重量%であり、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は10〜20nm、レーザー散乱法粒度分布測定器による測定で凝集粒子径は286nmであった。高沸点溶媒メチルエチルケトン中では一次粒子径値と凝集体の粒子径値が大きく離れているので、高沸点溶媒中では十分に分散せず大きな凝集体粒子を形成しているものである。