以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下での説明の便宜上、方向を以下のように定義しておく。まず、図1に示す画像形成装置200において、感光体ドラム1a〜1dのドラム軸が並ぶ方向をX方向とし、各ドラム軸を含む平面に垂直な方向をY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向(ドラム軸方向)をZ方向とする。すなわち、図1においては、X方向は左右方向に対応し、Y方向は上下方向に対応し、Z方向は前後方向に対応する。なお、X、Y、Zの各方向の正負の向きは、ここでは問わない。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。画像形成装置200は、本実施形態では、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)に対応する4つの感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターで構成されている。
画像形成装置200の装置本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、図1では左側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する上記した感光体ドラム1a〜1dがそれぞれ配設されており、さらに図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写され、さらに、定着装置13において用紙P上に定着された後、画像形成装置200より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Pは、画像形成装置200内の下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、主に継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。中間転写ベルト8および二次転写ローラー9は、ベルト駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット5と、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a〜1d上でトナー像の転写後に残留した現像剤(トナー)を回収、除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dとが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット5によって画像データに基づいて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。
なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。このトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット5の露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。一次転写ローラー6a〜6dは、一次転写駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8と同一線速で回転駆動される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されており、上記ベルト駆動モータによる駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置13へと搬送される。
定着装置13に搬送された用紙Pは、定着ローラー対13aのニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱および加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置13を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラー対15を逆回転させることにより分岐部14で反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置13に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
次に、上述した画像形成部Paの詳細について説明する。なお、画像形成部Pb〜Pdについては、基本的に画像形成部Paと同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。図2は、図1における画像形成部Pa付近を拡大して示す断面図である。感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の時計回り方向)に沿って、上述した帯電装置2a、現像装置3a、一次転写ローラー6a、クリーニング装置7aが配設されている。このうち、一次転写ローラー6aは、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1aと対向する位置に配置されている。
また、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置7aとはユニット化されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdにおいて、感光体ドラム1a〜1dと、帯電装置2a〜2dと、クリーニング装置7a〜7dとから成るユニットを、以下ではドラムユニット40a〜40dと称する。
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラー21と、帯電ローラー21をクリーニングするための帯電クリーニングローラー23とを有している。現像装置3aは、2本の攪拌搬送スクリュー25と、磁気ローラー27と、現像ローラー29とを有し、現像ローラー29にトナーの帯電極性と同極性(正)の現像バイアスを印加してドラム表面にトナーを飛翔させる。
クリーニング装置7aは、摺擦ローラー(研磨部材)30、クリーニングブレード31、および回収スパイラル33を有している。摺擦ローラー30は、感光体ドラム1aに所定の圧力で圧接されており、ドラムクリーニングモーター(図示せず)により感光体ドラム1aとの当接面において同一方向に回転駆動されるが、その線速は感光体ドラム1aの線速よりも速く(ここでは1.2倍)制御されている。摺擦ローラー30としては、例えば金属シャフトの周囲にローラー体としてEPDMゴム製でアスカーC硬度が55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラー体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカーC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
なお、アスカーCとは、日本ゴム協会標準規格に規定されたデュロメーター(スプリング式硬度計)の一つで、硬さを測定するための測定器のことである。アスカーC硬度とは、上記の測定器で測定された硬度を指し、数値が大きいほど硬い材料であることを示す。
感光体ドラム1a表面の、摺擦ローラー30との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード31が感光体ドラム1aに当接した状態で固定されている。クリーニングブレード31としては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード31の材質および硬度、寸法、感光体ドラム1aへの食い込み量および圧接力等は、感光体ドラム1aの仕様に応じて適宜設定される。なお、JIS硬度とは、日本工業規格(JIS;Japanese Industrial Standards )で規定された硬度を指す。
摺擦ローラー30およびクリーニングブレード31によって感光体ドラム1a表面から除去された残留トナーは、回収スパイラル33の回転に伴ってクリーニング装置7a(図2参照)の外部に排出される。本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子表面にシリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等から選択される研磨剤が埋め込まれて表面に一部突出するように保持されたものや、研磨剤がトナー表面に静電的に付着しているものが用いられる。
このように摺擦ローラー30を感光体ドラム1aに対し速度差を持って回転させることで研磨剤を含む残留トナーによって感光体ドラム1aの表面を研磨し、摺擦ローラー30およびクリーニングブレード31によってドラム表面の水分や放電生成物等を残留トナーと共に除去する。
なお、画像形成装置200の本体内部のレイアウトは、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向や、用紙Pの搬送経路を適切に設定できるのであれば、適宜変更可能である。例えば、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向を、本実施形態とは逆にするとともに、ドラムユニット40a〜40dと現像装置3a〜3dとの位置関係を、本実施形態とは逆にし、これに合わせて用紙Pの搬送経路を設定することも勿論可能である。
図3は、現像装置3aを画像形成装置200への挿入方向上流側から見た外観斜視図である。なお、現像装置3b〜3dについては、基本的に現像装置3aと同様の構成であるため説明を省略する。現像装置3aは、上述した2本の攪拌搬送スクリュー25、磁気ローラー27、現像ローラー29(図2参照)をハウジング50の内部に有しており、ハウジング50にはトナーコンテナ4a(図1参照)からのトナーを供給するトナー供給部(図示せず)と接続されるトナー供給口50aが形成されている。このトナー供給口50aを介して対応する色(ここではマゼンタ)のトナーが現像装置3aの内部に供給され、静電潜像の現像に供される。
また、現像装置3aは、感光体ドラム1aに対し現像ローラー29を接近させ、若しくは退避させるローラー接離機構51(図5参照)を備えており、現像装置3aの側面には、ローラー接離機構51を構成するシャフト部材53が配置されている。シャフト部材53は、現像装置3aのハウジング50の外表面に形成された溝状のガイド部50dに沿って摺動可能に配置されている。そして、画像形成装置200の位置決め装置70(図14参照)に対向する現像装置3aの後面からは、シャフト部材53の先端部53a(図6参照)と、現像ローラー29に駆動力を入力する駆動カップリング59が突出している。なお、図3では、ガイド部50dを封止する側面カバー(図示せず)を取り外してシャフト部材53を露出させた状態を示している。
また、現像装置3aの前面には現像装置3a内の浮遊トナーを吸引するための吸引ダクトに連結されるダクト連結部50bが形成されている。さらに、ダクト連結部50bの下方には、開閉カバーの内側に配置されたリテーナー90(図10参照)の位置決めボスが嵌合する嵌合孔50cが形成されている。さらに、現像装置3aの前面には、現像装置3aを画像形成装置200内へ挿入したとき前側板101(図11参照)と係合する係合爪35と、係合爪35の係合を解除するロック解除レバー37とが設けられている。係合爪35及びロック解除レバー37は、現像装置3aを装着状態で保持するとともに保持を解除可能なロック機構を構成する。
図4は、ローラー接離機構51の概略側面図であり、図5は、ローラー接離機構51、現像ローラー29、感光体ドラム1aの関係を軸方向(図4の左方向)から見た概略図、図6は、ローラー接離機構51を構成するシャフト部材53の外観斜視図である。図4〜図6を用いて、ローラー接離機構51による感光体ドラム1a〜1dへの現像ローラー29の接近及び退避機構について説明する。なお、ここでは現像装置3aのローラー接離機構51について説明するが、現像装置3b〜3dについても同様であるため説明を省略する。ローラー接離機構51は、アーム部材52a、52bと、シャフト部材53と、第1コイルバネ54と、軸受部材55と、第2コイルバネ56とを有している。
シャフト部材53は、所定の剛性を備えた素材を材質として形成され、現像装置3aの長手方向に沿って配置された棒状部材であり、軸方向(矢印AA′方向)に移動自在に配置されている。図6に示すように、シャフト部材53の軸方向後側には、位置決め装置70に設けられた揺動部材73a(図11参照)に当接可能な先端部53aが形成されており、シャフト部材53の両端部近傍には、アーム部材52a、52bに対応する位置においてシャフト部材53の外周面から下方に突出する2つのリブ53bが形成されている。リブ53bは、シャフト部材53の軸方向に沿って外周面からの突出量が徐々に変化する側面視フィン形状をなしている。また、シャフト部材53の長手方向略中央部には、第1コイルバネ54の一端が係合するフック状の係合部53cが形成されている。
第1コイルバネ54は引っ張りバネであり、一端が係合部53cに係合するとともに他端がハウジング50に固定されており、自由状態でシャフト部材53の先端部53aが現像装置3aの後面から突出するように、シャフト部材53を軸方向後側(矢印A′方向)に付勢する。軸受部材55は、アーム部材52a、52bと一体に形成され、磁気ローラー27及び現像ローラー29の各回転軸27a、29aの両端部を受けて両ローラー27、29を連結するリンク部材として機能し、磁気ローラー27の回転軸27aを中心として矢印BB′方向に一体に揺動するようになっている。
従って、軸受部材55が回転軸27aを中心として揺動すると、現像ローラー29は、軸受部材55と共に磁気ローラー27を中心として揺動して感光体ドラム1aに対し接近又は退避する。また、軸受部材55には第2コイルバネ56が固定されており、軸受部材55は第2コイルバネ56によって矢印B方向に揺動する方向に付勢されている。なお、軸受部材55は、アーム部材52a、52bと別体の部材であっても良い。
図4及び図5に示すように、シャフト部材53の先端部53aが現像装置3aから突出した状態では、アーム部材52a、52bがリブ53bに乗り上げて下方に押し下げられており、現像ローラー29は感光体ドラム1aから退避した位置にある。この状態から先端部53aが現像装置3a内に押し込まれると、シャフト部材53が軸方向前側(矢印A方向)に動くことで各アーム部材52a、52bがリブ53bから脱落する。そして、各アーム部材52a、52bに連結された各軸受部材55は第2コイルバネ56の付勢力によって回転軸27aを中心として矢印B方向に揺動する。その結果、現像ローラー29が感光体ドラム1aに接近する。
一方、先端部53aの押圧を解除すると、シャフト部材53が第1コイルバネ54の付勢力により軸方向後側(矢印A′方向)に移動することで各アーム部材52a、52bがリブ53bに乗り上げ、各アーム部材52a、52bは回転軸27aを中心として矢印B′方向に揺動する。そして、各アーム部材52a、52bと共に軸受部材55も第2コイルバネ56の付勢力に抗して矢印B′方向に揺動するため、現像ローラー29が感光体ドラム1aから退避する。
また、アーム部材52a、52bのシャフト部材53が当接する位置にはベアリング57が付設されている。これにより、感光体ドラム1aに対し現像ローラー29を接近または退避させるためにシャフト部材53を往復移動させる際、ベアリング57が回転することでアーム部材52a、52bとシャフト部材53との摩擦による負荷が低減される。
図7及び図8は、現像装置3aの挿入方向下流側(図3の奥側)端部近傍の部分斜視図である。図7は、現像装置3aが画像形成装置200内に挿入された状態を示しており、現像装置3aの挿入に伴い先端部53aが揺動部材73a(図14参照)に圧接されることで、シャフト部材53がハウジング50内に押し込まれる方向に移動する。その結果、アーム部材52a、52b(図5参照)に付設されたベアリング57がリブ53bから脱落する。この状態では、軸受部材55は第2コイルバネ56(いずれも図5参照)の付勢力によって回転軸27aを中心として図5の矢印B方向に揺動し、現像ローラー29が感光体ドラム1aに接近している。
図8は、現像装置3aが画像形成装置200内から引き出される状態を示しており、現像装置3aの引き出しに伴い現像装置3aが揺動部材73a(図14参照)から離間する方向に移動し、シャフト部材53が第1コイルバネ54の付勢力によってハウジング50内から突出する方向に移動する。その結果、アーム部材52a、52b(図5参照)に付設されたベアリング57がリブ53bに乗り上げる。この状態では、軸受部材55は第2コイルバネ56(いずれも図5参照)の付勢力に抗して回転軸27aを中心として図5の矢印B′方向に揺動し、現像ローラー29が感光体ドラム1aから離間している。
図9は、上記の現像装置3aと併用されるドラムユニット40aを画像形成装置200への挿入方向上流側から見た外観斜視図である。なお、ドラムユニット40b〜40dについては、基本的にドラムユニット40aと同様の構成であるため説明を省略する。ドラムユニット40aは、上述した感光体ドラム1a、帯電装置2a、クリーニング装置7aの他に、トナー廃棄口41aを有している。クリーニング装置7aにて回収された廃棄用のトナーは、トナー廃棄口41aから排出され、廃棄トナー搬送ユニット100(図11参照)を介して回収容器(図示せず)に搬送される。
また、ドラムユニット40aの前面及び後面からは、感光体ドラム1aの回転軸であるドラム軸1a1が突出している。ドラムユニット40aの前面から突出するドラム軸1a1は、画像形成装置200の前面側の開閉カバー(図示せず)の内側に配置されたリテーナー90(図10参照)の軸受孔に嵌合する。一方、ドラムユニット40aの後面から突出するドラム軸1a1は、画像形成装置200の背面側に配置された位置決め部材70(図11参照)の軸受孔に嵌合する。また、ドラムユニット40aの後面には、ドラム軸1a1と同方向に突出する突起部60が設けられている。
さらに、ドラムユニット40aの前面には、ドラムユニット40aを画像形成装置200内へ挿入したとき前側板101(図11参照)と係合する係合爪45と、係合爪45の係合を解除するロック解除レバー47とが設けられている。係合爪45及びロック解除レバー47は、ドラムユニット40aを装着状態で保持するロック機構を構成する。
図10は、リテーナー90を画像形成装置200の前面側(外側)から見た斜視図であり、図11は、廃棄トナー搬送ユニット100及びリテーナー90を開放した状態を示す正面図、図12は、図11における現像装置3c、3d及びドラムユニット40c、40d付近の拡大図である。
リテーナー90は、回動軸90aを中心に位置決め板(図示せず)を保持しながら回動することにより、位置決め板の軸受孔に対してドラム軸1a1、1b1、1c1、1d1を相対的に挿抜させる保持部材である。このリテーナー90は、回動軸90aの両端部と本体91とを連結部92・92で連結して構成されるとともに、フック93・93と、レバー94とを有している。
本体91は、全体としてX方向に長尺状であり、回動軸90aに垂直な断面内での形状が、位置決め完了状態において前側板101(図11参照)に対向する側が開口した凹状となっている。上記した位置決め板は、本体91の上記の開口に位置する。
本体91には、凹部95a、95b、95c、95dが形成されている。これにより、リテーナー90の回動時には、ドラムユニット40a〜40dのトナー廃棄口41a〜41d(図9参照)が本体91の凹部95a〜95dの内側を通過することになり、トナー廃棄口41a〜41dとリテーナー90との干渉が避けられる。
回動軸90aは、ドラムユニット40a〜40dのドラム軸1a1〜1d1が並ぶX方向に平行に位置し、且つ、ドラム軸1a1〜1d1よりも上方に位置するように画像形成装置200本体に支持される。回動軸90aがドラム軸1a1〜1d1よりも上方に位置するため、リテーナー90は、画像形成装置200本体の正面に対して下開きとなるように回動軸90aを支点として回動可能に支持される。
フック保護部99・99は、それぞれ、回動軸90aに垂直な面内でフック93・93を覆うように、本体91からX方向にややはみ出るように設けられており、フック93・93を保護している。フック保護部99・99は前側板101に対向する側が開口しており、フック93・93と前側板101との係合が可能となっている。
フック93・93は、各ドラムユニット40a〜40dが装填される前側板101の穴部と係合する係合部材であり、本体91に支持された支軸93aの両端に設けられており、この支軸93aを支点として一体で回動する。フック93・93は、図示しないバネにより、前側板101の穴部と係合する回動方向に付勢されている。なお、フック93・93の支軸93aは、リテーナー90の回動軸90aと平行(X方向)に設けられている。
レバー94は、フック93・93の回動軸93aのX方向中央部に固定されており、回動軸93aを支点として装置本体と係合する回動方向とは逆方向にフック93・93を回動させることにより、フック93・93の前側板101との係合を解除する。
フック93・93の支軸93aの一方には引っ張りバネ97の一端が連結されており、引っ張りバネ97の他端は画像形成装置200本体側に固定されている。そして、引っ張りバネ97の付勢力がリテーナー90の回動操作を補助する方向に作用するように引っ張りバネ97の固定位置とリテーナー90の回動支点(回動軸90a)との関係が決定される。
レバー94を把持してフック93・93と前側板101との係合を解除し、リテーナー90を上向きに回動させることにより、図11、図12に示すように、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dの前方が広く開放されるため、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dを取り出して交換することが可能となる。現像装置3a〜3dまたはドラムユニット40a〜40dの交換後は、図11の状態からリテーナー90を下向きに回動させて閉じていくと、フック93・93と前側板101とが係合し、リテーナー90が閉状態に保持される。
廃棄トナー搬送装置100は、各ドラムユニット40a〜40dのトナー廃棄口41a〜41dと着脱され、各クリーニング装置7a〜7d(図1参照)で回収されてトナー廃棄口41a〜41dから排出されるトナーを回収容器(図示せず)に搬送する装置である。廃棄トナー搬送装置100は、リテーナー90に対して、各現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dとは反対側(外側)に、画像形成装置200本体の正面に対して上開きとなるように回動可能に支持されている。
図13は、ドラムユニット40aを挿入方向下流側(図9の奥側)から見た部分斜視図であり、図14は、現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dの挿入方向下流側に配置される位置決め部材70を画像形成装置200の背面側から見た斜視図である。位置決め部材70は、各感光体ドラム1a〜1dのドラム軸1a1〜1d1が貫通する4個の軸受孔71a〜71dと、各現像装置3a〜3dの駆動カップリング59(図7参照)の位置決めを行う4個の位置決め孔72a〜72dとが形成された位置決め用フレーム71と、位置決め用フレーム71に付設された4個の揺動部材73a〜73dと、を有する。
揺動部材73a〜73dは平面視矩形状の金属製枠体であり、上下方向の二辺の略中央部に設けられた揺動支点77(図16参照)が位置決め用フレーム71の背面側(現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dと反対側)に固定された4対の支柱部75a〜75dに揺動可能に支持されている。この構成により、各揺動部材73a〜73dは水平方向(図14の左右方向)に揺動可能となっている。
図15は、位置決め部材70に現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dを装着した状態を画像形成装置200の外側から見た斜視図であり、図16は、現像装置3a、ドラムユニット40aの挿入方向下流側の端部周辺の部分斜視図、図17は、現像装置3a、ドラムユニット40aの挿入方向下流側の端部周辺を上方から見た部分平面図である。なお、現像装置3a、ドラムユニット40aと揺動部材73aとの関係を明確にするため、図16及び図17では位置決め用フレーム71の記載を省略している。また、現像装置3b〜3d、ドラムユニット40b〜40dと揺動部材73b〜73dとの関係についても図16、図17と同様であるため説明を省略する。
図16、図17に示すように、揺動部材73aの現像装置3aに対向する側の辺(図16の左辺)には、シャフト部材53の先端部53aが当接する第1当接部79aが設けられており、ドラムユニット40aに対向する側の辺(図16の右辺)には、突起部60が当接する第2当接部79bが設けられている。
次に、画像形成装置200に対して現像装置3a、ドラムユニット40aを着脱する際の揺動部材73aの動作について説明する。現像装置3a、ドラムユニット40aが共に装着された状態では、図17に示すように、現像装置3a側では、シャフト部材53の先端部53aが揺動部材73aの第1当接部79aに当接している。また、ドラムユニット40a側では、突起部60が揺動部材73aの第2当接部79bに当接している。
図17の状態では、突起部60と第2当接部79bとの当接によって揺動部材73aの時計回り方向の揺動が規制されている。そのため、シャフト部材53の先端部53aが第1当接部79aに当接しても揺動部材73aは揺動せず、シャフト部材53は第1コイルバネ54(図4参照)の付勢力に抗して現像装置3a内に押し込まれている。従って、現像ローラー29は感光体ドラム1aに接近しており、感光体ドラム1a上の静電潜像を現像可能となっている。
画像形成装置200から現像装置3aを先に取り外す場合は、ロック解除レバー37を押し上げて現像装置3aの前側下方に設けられた係合爪35と前側板101(いずれも図12参照)との係合を解除し、図18に示すように、現像装置3aを挿入方向上流側(矢印A方向)へ引き出すと、シャフト部材53は先端部53aと第1当接部79aとの当接状態を維持しながら、第1コイルバネ54の付勢力によって現像装置3aの外側へ徐々に飛び出してくる。従って、現像ローラー29は感光体ドラム1aから退避する方向に移動するため、現像装置3aの引き出し操作によって現像ローラー29と感光体ドラム1aとが接触せず、感光体ドラム1aや現像ローラー29の表面を傷付けるおそれがなくなる。
また、画像形成装置200からドラムユニット40aを先に取り外す場合は、ロック解除レバー47を押し上げてドラムユニット40aの前側下方に設けられた係合爪45と前側板101(いずれも図12参照)との係合を解除し、図19に示すように、ドラムユニット40aを挿入方向上流側(矢印A方向)へ引き出すと、突起部60が第2当接部79bから離間する方向に移動する。一方、第1当接部79aにはシャフト部材53を介して第1コイルバネ54の付勢力が作用しているため、揺動部材73aは揺動支点77を中心として図19の時計回り方向に回動する。その結果、シャフト部材53は先端部53aと第1当接部79aとの当接状態を維持しながら、第1コイルバネ54の付勢力によって現像装置3aの外側へ徐々に飛び出してくる。
従って、現像ローラー29は感光体ドラム1aから退避する方向に移動するため、ドラムユニット40aの引き出し操作によって現像ローラー29と感光体ドラム1aとが接触せず、感光体ドラム1aや現像ローラー29の表面を傷付けるおそれがなくなる。
一方、画像形成装置200へ現像装置3aを先に挿入する場合は、ドラムユニット40aの突起部60によって揺動部材73aの時計回り方向の揺動が規制されていない。そのため、現像装置3aを挿入していくと、図19のようにシャフト部材53の先端部53aが第1当接部79aを押圧しながら揺動部材73aを時計回り方向に揺動させる。そして、現像装置3aが完全に挿入された状態ではシャフト部材53が現像装置3aの外部に飛び出している。また、係合爪35が前側板101と係合することで現像装置3aが装着状態で保持される。
その後、ドラムユニット40aを挿入していくと、突起部60が第2当接部79bを押圧しながら揺動部材73aを図19の反時計回り方向に揺動させる。その結果、シャフト部材53は第1当接部79aに押圧されて現像装置3a内に押し込まれ、現像ローラー29は感光体ドラム1aに対し徐々に接近していく。そして、ドラムユニト40aを完全に挿入したとき、現像ローラー29は感光体ドラム1aに対し所定距離まで接近し、感光体ドラム1a上の静電潜像を現像可能となる。また、係合爪45が前側板101と係合することでドラムユニット40aが装着状態で保持される。
また、画像形成装置200へドラムユニット40aを先に挿入する場合は、ドラムユニット40aの突起部60によって揺動部材73aの時計回り方向の揺動が規制される。そのため、現像装置3aを挿入していくと、図18のようにシャフト部材53の先端部53aが第1当接部79aに当接し、シャフト部材53が現像装置3aの外部に飛び出した状態から徐々に現像装置3a内に押し込まれるため、現像ローラー29は感光体ドラム1aに対し徐々に接近していく。そして、現像装置3aを完全に挿入したとき、現像ローラー29は感光体ドラム1aに対し所定距離まで接近し、感光体ドラム1a上の静電潜像を現像可能となる。
以上、現像装置3a及びドラムユニット40aを着脱する際の揺動部材73aの動作について説明したが、現像装置3b〜3d及びドラムユニット40b〜40dを着脱する際の揺動部材73b〜73dの動作についても全く同様に説明される。
本実施形態の位置決め部材70を用いることにより、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dをどのような順序で着脱する場合であっても、現像ローラー29と感光体ドラム1aとの接触を回避することができるため、感光体ドラム1aや現像ローラー29の表面を傷付けるおそれがなくなる。
また、現像ローラー29を感光体ドラム1a〜1dに接近させる際のシャフト部材53の押圧荷重は、個々の現像装置3a〜3dまたはドラムユニット40a〜40dの挿入時に加わる。そのため、リテーナー90(図10参照)の閉鎖時に荷重が一度に加わらず、リテーナー90の操作性が向上する。また、リテーナー90は開閉時の負荷により変形するおそれがないため、ドラム軸1a1〜1d1の位置決め精度も向上し、リテーナー90の剛性を高める必要もないため構成を簡素化できる。
なお、現像装置3a〜3dまたはドラムユニット40a〜40dの個々の挿入負荷は増加するが、このときの挿入負荷は1本のシャフト部材53の押圧荷重のみであるため、現像装置3a〜3dまたはドラムユニット40a〜40dの挿入時の操作性も低下しない。
さらに、現像装置3a〜3dを取り外す際は、現像装置3a〜3dの前面側のロック解除レバー37(図12参照)を押し上げると、前側板101と係合爪35との係合が解除され、第1コイルバネ54の付勢力によりシャフト部材53が現像装置3a〜3dの外部に飛び出す。このとき、シャフト部材53が揺動部材73b〜73dの第1当接部79aを押圧することで第1当接部79aから受ける抗力によって、現像装置3a〜3dが画像形成装置200の前面側に少し飛び出してくる。
また、ドラムユニット40a〜40dを取り外す際は、ドラムユニット40a〜40dの前面側のロック解除レバー47(図12参照)を押し上げると、前側板101と係合爪45との係合が解除され、突起部60によって規制されていた揺動部材73aの揺動が許容される。これにより、第1コイルバネ54の付勢力によりシャフト部材53が現像装置3a〜3dの外部に飛び出す。このとき、シャフト部材53が揺動部材73b〜73dの第1当接部79aを押圧することで、揺動部材73a〜73dは第2当接部79bが前面側に移動する方向に揺動するため、突起部60が第2当接部79bに押され、ドラムユニット40a〜40dが画像形成装置200の前面側に少し飛び出してくる。
従って、作業者は飛び出してきた現像装置3a〜3dまたはドラムユニット40a〜40dの端部を把持して引き出すことができ、現像装置3a〜3dまたはドラムユニット40a〜40dの取り出し性も向上する。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明は、図1に示したようなカラープリンターに限らず、モノクロプリンター、モノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機(コピー、ファクシミリ、スキャナー等の諸機能を併せ持つもので、MFP(Multi Function Peripheral)とも呼ばれる)等の他の画像形成装置にも適用可能である。