本発明は、デジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(以下PCという)、ノート型のPC、ホーム系電子機器及びそのリモートコントローラ等に適用可能な入力装置及び電子機器に関する。詳しくは、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部を備え、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有し、及び、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を有して、操作者の指(操作体)による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えられるようにすると共に、摺動位置検出用の静電容量シートを構成する検出電極と決定確認キー用のスイッチ部等を構成する可動接点とを同一の静電容量シート部材で兼用できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、多種類の動作モードを装備したデジタルカメラを使用して被写体を撮影したり、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらのデジタルカメラや携帯端末装置等には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。
図72は従来例に係る入力装置500の構成例を示す断面図である。図72に示す入力装置500は、筐体501、回転型の操作子(以下JOGダイヤル502という)、回路基板503及びドームスイッチ504を有して構成されている。
入力装置500は所定の大きさの筐体501を有しており、筐体501の側部には開口部505が設けられ、この開口部505からJOGダイヤル502のキートップ部分が露出する状態で回路基板503に実装されている。JOGダイヤル502は円形状を有しており、回路基板503にシャフト506(回転軸)を介して回転自在に取り付けられている。JOGダイヤル502は、そのキートップ部分を除く大部分が筐体内を占有する形態が採られている。
JOGダイヤル502の裏面には、図示しない磁石等の磁性体が設けられ、この磁性体による磁界と鎖交する位置であって、回路基板503には所定に角度を置いて2つのホールIC507,508が実装されており、JOGダイヤル裏面の磁性体がホールIC507,508を横切ることで、二相の回転検出信号を出力するようになされている。
また、シャフト506は、回路基板503から筐体501の外側に向けて付勢部材(図示せず)により付勢されている。シャフト506の軸方向と平行に対峙する回路基板503には、ドームスイッチ504が設けられ、JOGダイヤル502を付勢部材の付勢力に打ち勝って押し込むとドームスイッチ504をオン又はオフできるようになっている。
この種のJOGダイヤルを備えた入力装置に関連して特許文献1には、携帯情報端末及びプログラムが開示されている。この携帯情報端末によれば、端末装置本体に表示部と、本体のほぼ中央にJOGダイヤルとを備える。JOGダイヤルは、表示部とは別の位置に設けられる。このJOGダイヤルは、時計方向又は反時計方向に回転され、この回転に連動して表示部に表示された画像が回転するようになされる。しかも、JOGダイヤルを本体の方向に押下すると、画像範囲を変更するようになされる。このように情報端末を構成すると、より快適に各種の操作を実行できるというものである。つまり、JOGダイヤルは、メカ的な構造を採用することによって、操作者に、表示部において、入力項目を選択する毎に、表示部の変化と同期した触覚を操作者に与えられる。
また、振動を伴う入力装置に関連して、特許文献2にはエアコンや、オーディオ等の電子機器に実装可能な入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ロータリスイッチ、プッシュスイッチ及びスライドスイッチの機能を併せ持つ操作子を備え、当該操作子を回転、スライド又は押圧することによって、操作項目の選択や、入力確定操作を行い、入力確定操作時には振動を伴うようになされる。このように装置を構成すると、操作負担が大幅に減少できるというものである。
図73は従来例に係る他の入力装置600の構成例を示す断面図である。図73に示す入力装置600は、表面平坦状を有した非回転型のキートップ602を備えている。入力装置600は所定の大きさの筐体601を有しており、筐体601の側部には開口部605が設けられ、この開口部605からキートップ602が露出する状態で回路基板に対して可動自在に実装されている。キートップ602は、筐体601の開口部605に組み合わされ、その非操作面が筐体601の内側に向けて実装される。キートップ602は、鍔状のフランジ606を備え、このフランジ606が開口部605の内側に引っ掛けられる。これにより、キートップ602が開口部605から抜け出るのを防止される。
キートップ602の内側には回路基板603が設けられ、当該回路基板603にはドームスイッチが設けられ、キートップ602の押し込み操作によってオン又は/及びオフするように操作される。キートップ602の内側には、センサ613、押し子619、ドームスイッチ604及び回路基板603の順序で配置される。押し子619はセンサ613と回路基板603の側部との間で挟持されるように配置される。このように、筐体側部に対して表面平坦状のキートップ602を取り付けると、上述のJOGダイヤルに比べてキートップ部分がほとんど筐体内を占有しない構造を採ることができるというものである。
また、入力装置の機能に関連して、特許文献3には、メニュー選択装置が開示されている。このメニュー選択装置によれば、項目選択手段及び項目入力手段を備え、項目入力手段が項目選択手段上に設けられ、項目の選択と入力とを同一のキーに割り当て、項目表示と項目選択入力キーとを並置するようにしたものである。このように装置を構成すると、同一のキーを用いて項目の選択と人力の指示(確定)とを実行できるというものである。
更に、開口部から露出するキートップに関連して、特許文献4には入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ケーシングの所定の位置に窓孔が設けられ、この窓孔から露出する操作釦をスライド操作して項目選択を行ったり、他の操作ノブを押圧操作してページ送りや、スクロール等の項目選択画面の切り替えを行うようにした。このように装置を構成すると、項目選択動作を簡単かつ的確に実行できるというものである。
また、特許文献5には入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ケーシングの所定の位置に窓孔が設けられ、この窓孔から露出する操作釦をスライド操作して項目選択を行ったり、他の操作ノブを押圧操作して特定された項目選択画面内の所定領域を拡大表示するようにした。このように装置を構成すると、項目選択動作を簡単かつ的確に実行できるというものである。
特開2003−256120号公報(第2乃至3頁 第1図)
特開2004−070505号公報(第5頁 図3)
特開平 02−230310号公報(第2頁 図1)
特開2005−063230号公報(第9頁 図16)
特開2005−063227号公報(第8頁 図15)
ところで、従来例に係る触覚入力機能付きのデジタルカメラや、情報処理装置、携帯電話機、情報携帯端末装置等の電子機器によれば、以下のような問題がある。
i.特許文献1に見られるような表示部とJOGダイヤルとが分離配置された携帯情報端末によれば、機械的な構造が発生せしめる単一の触覚のみしか与えることができず、操作者に採って、インパクトのある触覚となっていないのが現状である。しかも、JOGダイヤルは、そのキートップ部分を除く大部分が筐体内を占有する形態が採られる。従って、他の部品を取り付ける面積(スペース)が減少したり、当該入力装置を応用した電子機器のコンパクト化の妨げとなる。
ii.また、特許文献2や、特許文献3に見られるような電子機器によれば、各種方式のタッチパネルと表示部とを合わせたタッチ入力機能付きの入力装置が実装され、表示部でアイコンを選択した際に、その選択と同期した触覚を操作者に与えることができていない。
iii.因みに、複数の振動体と入力手段とを組み合わせて触覚機能付きの入力装置を構成し、その入力操作面上を直線的に接触操作して触覚を得ようとした場合に、特許文献1に見られるような表示部と入力手段とを分離配置する機構と、各種方式のタッチパネルと表示部とを合わせた入力機能とを単に組み合わせただけでは、製造プロセスが複雑化するばかりか、操作者が入力操作面上を接触操作する速度が異なると、満足な触覚が得られない事態を招くことが予想される。この結果、電子機器のコストアップにつながる。
iv.特許文献4及び5に見られるような入力装置によれば、ケーシングの所定の位置に設けられた窓孔から露出する操作釦をスライド操作して項目選択を行ったり、他の操作ノブを押圧操作してページ送りや、スクロール等の項目選択画面を切り替えている。しかし、操作機構が複雑となって、操作部の小型化や薄型化等の妨げとなったり、その操作性が低下したり、誤動作のおそれが懸念される。また、複雑な操作機構はコストアップにつながる。
v.現在、本発明者らが特許出願中の入力装置によれば、なぞり入力操作及び押圧操作の機能を備え、なぞり入力操作に必要な共通部材となるセンサシートが一体化され、これを2つ折り返して、フレキシブル配線基板(FPC基板)の部品取り時の歩留まり向上を目的としたものがある。しかし、FPC基板の部品取り数を最大化できても、FPC基板を2つに折り曲げる構造を採ることから操作部の小型化や薄型化等の妨げとなることが懸念される。従って、なぞり機能を持たない入力装置の構造に比べて、組み込み性が低下したり、コストアップにつながるという問題がある。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、摺動位置検出用の検出電極とスイッチ部の接点構造を工夫して操作部の小型化、薄型化及びその操作性を向上できるようにすると共に、誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスを簡素化できるようにした入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題は、操作体による摺動操作によって情報を入力する入力装置であって、操作面を有した筐体内に設けられ、操作体の摺動位置を検出して位置検出信号を出力する静電容量シート部材を含む検出部と、この検出部の全面を覆うように設けられ、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部とを備え、この操作部は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有し、静電容量シート部材は、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を有する第1の入力装置によって解決される。
本発明に係る第1の入力装置によれば、静電容量シート部材が、操作体の摺動位置を検出して位置検出信号を出力するシート状の検出電極を有しており、検出電極の一部がドーム状に隆起し、ドーム状に隆起した検出電極の部位がスイッチ部を構成する可動接点を成している。
従って、操作体による摺動操作によって情報を入力する場合に、当該入力装置を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、操作体の操作部への押し込み操作に対して、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点とが接続される。従って、摺動位置検出用の静電容量シートを構成する検出電極と決定確認キー用のスイッチ部を構成する可動接点とを同一の静電容量シート部材で兼用できるようになる。
本発明に係る第1の電子機器は、操作面を有した筐体と、この筐体に設けられて操作体による摺動操作によって情報を入力する入力装置とを備え、入力装置は、筐体内に設けられ、操作体の摺動位置を検出して位置検出信号を出力する静電容量シート部材を含む検出部と、この検出部の全面を覆うように設けられ、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部とを有し、操作部は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を含み構成され、静電容量シート部材は、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を含み構成されるものである。
本発明に係る第1の電子機器によれば、本発明に係る第1の入力装置が備えられるので、当該電子機器を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。また摺動位置検出用の静電容量シートを構成する検出電極と決定確認キー用のスイッチ部を構成する可動接点とを同一の静電容量シート部材で兼用できるようになる。
本発明に係る第2の入力装置は、操作体による摺動操作によって情報を入力する入力装置であって、操作面を有した筐体内に設けられ、操作体の摺動位置を検出して位置検出信号を出力する静電容量シート部材を含む検出部と、この検出部の全面を覆うように設けられ、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部とを備え、操作部は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を有し、静電容量シート部材は、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を有するものである。
本発明に係る第2の入力装置によれば、静電容量シート部材が、操作体の摺動位置を検出して位置検出信号を出力するシート状の検出電極を有しており、検出電極の一部がドーム状に隆起し、ドーム状に隆起した検出電極の部位がスイッチ部を構成する可動接点を成している。
従って、操作体による摺動操作によって情報を入力する場合に、当該入力装置を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、操作体の操作部への押し込み操作に対して、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点とが接続される。従って、摺動位置検出用の静電容量シートを構成する検出電極と決定確認キー用のスイッチ部を構成する可動接点とを同一の静電容量シート部材で兼用できるようになる。
本発明に係る第2の電子機器は、操作面を有した筐体と、筐体に設けられて操作体による摺動操作によって情報を入力する入力装置とを備え、入力装置は、筐体内に設けられ、操作体の摺動位置を検出して位置検出信号を出力する静電容量シート部材を含む検出部と、この検出部の全面を覆うように設けられ、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部とを有し、操作部は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って掘り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を含み構成され、静電容量シート部材は、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を含み構成されるものである。
本発明に係る第2の電子機器によれば、本発明に係る第2の入力装置が備えられるので、当該電子機器を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、操作体の操作部への押し込み操作に対して、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点とが接続される。従って、摺動位置検出用の静電容量シートを構成する検出電極と決定確認キー用のスイッチ部を構成する可動接点とを同一の静電容量シート部材で兼用できるようになる。
本発明に係る第1の入力装置によれば、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部を備え、操作部は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有し、静電容量シート部材は、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を有するものである。
この構造によって、当該入力装置を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点との接続構造が採れるので、摺動位置検出用の静電容量シートを構成する検出電極と決定確認キー用のスイッチ部を構成する可動接点とを同一の静電容量シート部材で兼用できるようになる。
これにより、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られるドームキー付きの非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、操作部の小型化、薄型化及びその操作性を向上できることから、当該入力装置の誤動作の低減、コストダウン、及び、製造プロセスの簡素化を図ることができる。
本発明に係る第1の電子機器によれば、本発明に係る第1の入力装置が備えられるので、当該電子機器を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点との接続構造が採れるので、従来方式のドームキー付きの回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られるドームキー付きの非回転型のサイドジョグツール等を備えた電子機器を提供できるようになる。しかも、入力装置の小型化、薄型化及びその操作性を向上できることから、当該電子機器の誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
本発明に係る第2の入力装置によれば、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部を備え、操作部は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を有し、静電容量シート部材は、操作体の操作部への押し込み操作によってオン又は/及びオフするスイッチ部を有するものである。
この構造によって、当該入力装置を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点との接続構造が採れるので、第1の入力装置の非回転型のサイドジョグツール等に対して反転構造の非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、操作部の小型化、薄型化及びその操作性を向上できることから、当該入力装置の誤動作の低減、コストダウン、及び、製造プロセスの簡素化を図ることができる。
本発明に係る第2の電子機器によれば、本発明に係る第2の入力装置が備えられるので、当該電子機器を操作する操作体による摺動操作に対し、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
また、ドーム状に一部隆起している検出電極の部位が成すスイッチ部の可動接点と当該スイッチ部を構成する固定接点との接続構造が採れるので、第1の入力装置の非回転型のサイドジョグツール等に対して反転構造の非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、入力装置の小型化、薄型化及びその操作性を向上できることから、当該電子機器の誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
続いて、この発明に係る入力装置及び電子機器の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
図1A及びBは、本発明に係る第1の実施例としての入力装置10を備えた携帯電話機101の構成例を示す斜視図である。
図1Aに示す携帯電話機101は電子機器の一例を構成し、スライド型の筐体構造を有している。携帯電話機101は上部筐体11a及び本発明に係る入力装置10が実装される下部筐体11bを有して構成される。上部筐体11aは下部筐体11b上を例えば上下方向でスライド自在に係合される。携帯電話機101は、図1Bに示すように下部筐体11b上の操作面を上部筐体11aで覆うような操作面スライド収納構造が採られる。
上部筐体11aには所定の大きさを有した表示部29が設けられ、待ち受け画面や相手方電話番号等が表示される。表示部29には液晶表示モニタが使用される。下部筐体11bには入力装置10が設けられる。入力装置10は上部及び側部に操作面を有しており、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。
図2は、入力装置10の内部構成例を示す断面図である。図2に示す入力装置10は、操作体、例えば、操作者の親指(以下単に指30aという)による摺動操作によって情報を入力する装置である。
入力装置10は、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等の他に、回路基板17、センサ13及びキートップ14を有して構成される。この例で、下部筐体11bの所定の位置、例えば、下部筐体11bの左側部の操作面には所定の大きさの開口部11cが設けられている。
下部筐体11bの内部には電子部品実装用の回路基板17が配設されている。回路基板17にはセンサ13が設けられ、当該携帯電話機101を左手で操作する場合、操作者の親指等の指30aの摺動位置を検出するように動作する。センサ13には摺動位置の加圧力を静電容量に変換して検出する静電容量シート部材が使用される。静電容量シート部材から成るセンサ13が実装された場合、操作者の指の摺動位置を検出して位置検出信号を出力するようになされる。静電容量シート部材には、特許第3920833号公報に記載の「カーソル移動方法」や、特許第3909230号公報に記載の「座標入力装置」が応用できる。
センサ13には静電容量シート部材の他にピエゾ抵抗効果を用いた圧力検出シート部材が使用される。圧力検出シート部材は、摺動位置の加圧力による抵抗変化を読み取って電気信号に変換するものである。圧力検出シート部材には特開2005−326293号公報に記載の「力センサ、力検出システム及び力検出プログラム」が応用できる。圧力検出シート部材から成るセンサ13が実装された場合、操作者の指の摺動位置の圧力を検出して圧力検出信号を出力するようになされる。
下部筐体11bの左側部の操作面に開口された開口部11cには、キートップ14が組み合わされている。キートップ14は操作部の一例を構成し、センサ13の全面を覆うように設けられ、下部筐体11bの左側部の操作面に沿って摺動操作される。例えば、キートップ14は非操作面が平坦形状を成し、非操作面の周縁部にはフランジ14a(つば状部)を有している。
キートップ14は、その非操作面が下部筐体11bの内側に向けて組み合わされ、フランジ14aが下部筐体11bの左側部の開口部11cに引っかかって抜け止めされる状態で実装される。キートップ14には、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有したものが使用される。
この例では、センサ13の全面を覆うように設けられたキートップ14の凸部形状は、所定の高さ及び幅を有した円弧を成す。キートップ14は、円弧の形状に沿って摺動操作される。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚を与えることができる。従って、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。この形状のキートップ14は、各種情報を検索する際、例えば、電話帳選択時、ファイル選択時、拡大縮小時のスクロールキー、あるいは、これらの決定キー、また、音量を調整する際のボリュームキー等の情報選択キーとして応用できる。
この例では、キートップ14が下部筐体11bの材質と異なる材質から構成されている。ここに、キートップ14を構成する材質の表面粗度をAとし、下部筐体11bを構成する材質の表面粗度をBとしたとき、表面粗度Aと表面粗度Bとの間にはA<Bなる関係が設定される。下部筐体11bには例えば、PC樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂等が使用される。キートップ14にはアルミニウム(Al)や、その合金等が使用される。全体的に下部筐体11bの表面粗度Bよりも、キートップ14を構成する突起部分において、その表面粗度Aが小さいものが好ましい。突起部分をPC樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂等で構成して、その表面にアルミニウムや、その合金等をコーティングしてもよい。
このようにキートップ14の材質を構成すると、下部筐体11bの左側部の操作面における摺動操作に比べて、左側部操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる部分の摺動操作を円滑にできるようになり、操作者の指30aの摺動操作によって容易に情報を選択できるようになる。
この例では、センサ13で操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ14で当該作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状のキートップ14を挟んだ下部筐体11bの一方の操作面と、他方の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。この形状のキートップ14は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、音量を調整する際のボリュームキー等の音量調整ピッチを広く設定できるようになる。
図3は、キートップ14の突出部分の寸法設定例を示す概念図である。図3に示す斜線部分は円弧凸形状を成している。図中、二点鎖線で示す線分は側部操作面Iに相当している。この円弧凸形状は、側部操作面Iと交差する円形を描画したときに、側部操作面Iの左側に形成される部分である。ここに、円形の直径はφであり、円形状の原点Oを基準にして、円弧凸形状の頂部と円弧凸形状の裾部とが成す角度をθとすると、円弧凸形状の円弧角は2θであり、この例では、2θ=2×29.2°である。また、側部操作面Iから左側に突出した円弧凸形状の突出距離をdとし、その摺動方向の突出長さをlとする。
このように側部操作面Iに対して、例えば、直径がφ=20mmの円形及び、円弧角2θ=58.4°を設定すると、露出部分の突出距離d=1.3mm、その突出長さl=10.08mm、その外周長さl’=10.18mm程度のキートップ14の突出部分の形状を得ることができる。
なお、円弧凸形状の露出部分の外周長さl’は2π・φ・θ/360°で与えられる。この例で、キートップ14の露出部分の外周長さl’と摺動操作によりセンサ13から得られるパルスの数を設定する場合、センサ13から6パルスを得ようとする場合は、摺動距離は1.7mm/パルスに設定される。同様にして5パルスを得ようとする場合は、摺動距離は2.03mm/パルスに設定され、4パルスを得ようとする場合は、摺動距離は2.545mm/パルスに設定され、3パルスを得ようとする場合は、摺動距離は3.39mm/パルスに設定される。
図4は入力装置10の検出感度例を示すグラフ図である。図4において、横軸は摺動方向のスライド位置である。縦軸はセンサ13の検出感度である。図中、Xは上り開始部(第1裾部)の位置であり、キートップ14を下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って摺動操作したとき、キートップ14の円弧凸形状が盛り上がりを開始する位置である。Yは下り終了部(第2裾部)の位置であり、このキートップ14を他方の操作面に向かって引き続き摺動操作したとき、キートップ14の円弧凸形状が盛り下がりを終了する位置である。
この例で、センサ13の検出感度に関しては、例えば、センサ13に静電容量シート部材を使用した場合、キートップ14の円弧凸形状の上り開始部Xより手前では一定(最高感度)の検出感度が得られる。また、上り開始部Xから下り終了部Yへ近づくに伴ってその検出感度が低下し、ほぼ中央部位で最低感度に至る。更に、中央部位から下り終了部Yへ近づくに伴ってその検出感度が上昇し、その下り終了部Yを越え、それ以降では一定(最高感度)の検出感度が得られる。このようなキートップ14の突出距離dが摺動方向に対して、二次関数的に変化する凹状(逆Ω状)を成した検出感度のセンサ13が使用される。
図5は入力装置10の位置検出例を示すグラフ図である。図5において、横軸は摺動操作に係る時間である。縦軸はセンサ13の位置検出情報である。図中、Xは上述の上り開始部(第1裾部)の位置であり、Yはその下り終了部(第2裾部)の位置である。
この例で、センサ13の位置検出情報に関しては、例えば、センサ13に静電容量シート部材を使用した場合、キートップ14の円弧凸形状の上り開始部Xより手前から、一定の摺動速度で、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がり、下り終了部Yを経て摺動するように操作すると、上り開始部Xと下り終了部Yとをほぼ直線で結ばれる位置情報を得ることができる。
この位置検出情報によれば、時刻t1で上り開始部Xを通過すると、上り開始部Xを示す位置検出情報が得られ、時刻t2で下り終了部Yを通過すると、下り終了部Yを示す位置検出情報が得られる。このようなキートップ14の摺動操作に係る時間に対して、一次関数的に変化する位置検出情報が得られるセンサ13が使用される。
従来方式では、操作体の摺動位置を位置検出情報の値のみで判別していたが、図4及び図5に示した検出感度及び位置検出情報を出力するセンサ13を使用すると、位置検出情報の値と、位置検出情報及び検出感度の各々の時間変化率を併せて、操作体の摺動位置と押し込み力等を総合的に判断して、表示部29に表示されたアプリケーションを入力処理できるようになる。これにより、当該入力装置10において、ドームスイッチを組み合わせた場合に、意図せずにドームスイッチに触れてしまった場合等において、誤動作を防止できるようになる(第3の実施例参照)。
図6は、入力装置10の操作範囲例を示す断面図である。図6において、(1)は入力装置10の操作範囲であり、実際に操作者の指30aが摺動する範囲を示している。(2)はキートップ14の突出領域(露出部分の突出長さl)を示している。(3)はセンサ13における検出領域を示している。この検出領域の全面には静電容量シート部材や、圧力検出シート部材等が敷き詰められる。
この例では、入力装置10の確実な操作性を実現するために、センサ13の検出領域(3)>キートップ14の突出領域(2)なる関係に設定している。これは、操作者の指30aがキートップ14上を摺動操作する際の摺動軌跡を考えたとき、キートップ14の突出領域(2)の前後の領域を広い範囲に渡って指30aがなぞるためである。センサ13の検出領域(3)を広く設定すると、1パルス当たりの移動量を多く確保できるようになる。
センサ13には制御部15が接続され、操作者の指30aの摺動操作速度を検出し、当該操作者の指30aの摺動操作速度に応じて表示部29(図2、図7A参照)におけるスクロール画像29a’29b’の表示ピッチを調整するようになされる。スクロール画像29a’,29b’は表示部で表示される。
図7A及びBは、入力装置10におけるスライド量Sxの設定例を示す断面図である。図7Aに示す表示部29には、センサ13によって検出された操作者の指30aの摺動位置に対応してスクロール画像29a’や29b’等を表示するようになされる。この例のスクロール画像29a’は、選択項目が少ない表示文字選択等に係るアプリケーションによる表示である。このスクロール画面には、「大 こんにちは」、「中 こんにちは」及び「小 こんにちは」の文字アイコン画像が表示され、操作者がいずれかの文字の大きさを設定するように操作される。「こんにちは」の文字アイコン画像は徐々に小さく表示されている。
この例では、表示部29の表示画面が8個の表示領域に区切られ、この4個の表示領域を使用して、表示文字選択に係るスクロール画像29a’が表示されている。当該スクロール画像29a’の表示ピッチはP1で表示される。表示部29の画面の長さをL[mm]としたとき、1つ表示領域は、約L/8mmである。例えば、表示部29の画面の長さLを40mmすると、1つ表示領域は5mmで表示ピッチP1は5mmである。表示ピッチP1=5mmに対して、1画面に収まる選択項目の個数xがMax個以下の場合には、例えば、キートップ14のスライド量SxとしてS1=4mmが設定される。
これに対して、図7Bに示す表示部29には、表示ピッチP2でスクロール画像29bが表示される。この例では、図7Aに示した表示ピッチP1に比べて図7Bに示した表示ピッチP2は、P2=P1/2に設定される場合である。この場合は、図7Aの表示文字選択等に係るアプリケーションの表示に比べて選択項目が多く、電話番号登録欄から相手方の電話番号を検索するような入力処理が想定される。この電話番号登録欄には、例えば、着信履歴、発信履歴、発信頻度等の表示欄が設けられ、相手方の名前と共に電話番号が表示される。
図7Aに示した表示部29の画面の長さLの例によれば、図7Bに示すように1つ表示領域は2.5mmで表示ピッチP2は2.5mmに切り替えられる。この例では、表示ピッチP2=2.5mmに対して、1画面に収まる選択項目の個数xがMax個を越える場合であって、例えば、キートップ14のスライド量SxとしてS2=2mmが設定される。これにより、表示部29の1画面内に表示される選択項目の個数に応じて、キートップ14の摺動操作におけるスライド量Sx=S1,S2のように設定できるようになる。もちろん、センサ13の電気的な検知領域(3)の長さと、スクロール方向に存在する選択項目の全個数とに基づいてキートップ14のスライド量Sxを任意に設定するようにしてもよい。
このように制御系を構成すると、情報検索時、操作者の指30aの摺動操作速度が速い場合は、表示部におけるスクロール画像29b’の表示ピッチPxを狭く設定すること、反対に、操作者の指30aの摺動操作速度が遅い場合には、表示部におけるスクロール画像29a’の表示ピッチPxを広く設定するように調整できるようになる。従って、情報検索対象が複数存在する場合において、目的のスクロール画像から遠い場合は、スクロール画像を荒く飛ばすように送り、目的のスクロール画像に近づいたときは、ゆっくりとスクロール画像を送るように検索できるようになる。
図8A〜Cは、入力装置10の操作例を示す概念図である。この例では、当該入力装置10を左手で操作する場合であって、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる円弧凸形状を有したキートップ14が使用される。センサ13には静電容量シート部材が使用され、センサ13で操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ14で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている場合を例に挙げる。
図8Aにおいて、まず、操作者は入力装置10の操作範囲(1)の上部に左手の親指を押し当てる。次に、操作者の指30aを下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って摺動する。このとき、下部筐体11b内では、操作者の指30aがセンサ13における検出領域(3)上を摺動するようになる。
操作者の指30aでキートップ14の露出部分の突出領域(2)上における摺動操作を続けると、上り開始部Xから盛り上がり、図8Bに示すキートップ14の頂上部位に到達する。更に、突出領域(2)上における摺動操作を続けると、他方の操作面に向かって盛り下がり、図8Cに示すキートップ14の下り終了部Yに到達する。
この例で、図8A〜図8Cに摺動操作される間、センサ13は、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を制御部15に出力する。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚を与えることができる。しかも、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。
図9は入力装置10におけるスライド量Sxの設定例(固定値選択)を示すフローチャートである。この例では、図7A及びBに示したように、表示部29の1画面内に収まる選択項目の個数xがMax個以下の場合には、キートップ14のスライド量SxとしてS1=4mmが設定され、1画面内に収まる選択項目の個数xがMax個を越える場合は、キートップ14のスライド量SxとしてS2=2mmが設定される場合を例に挙げる。
これらを設定条件にして、図9に示すフローチャートのステップST1で制御部15は各種アプリケーションの入力指示を待機する。このとき、操作者は、例えば、選択項目が少ない表示文字選択等に係るアプリケーションや、表示文字選択等に係るアプリケーションの表示に比べて選択項目が多い電話番号登録欄のアプリケーション等のスクロール画像29b’の表示を入力装置10を介して入力指示するように操作される。アプリケーションを指定する入力が無い場合、制御部15は各種アプリケーション指定の待機を継続する。
各種アプリケーションを指定する入力が制御部15に有った場合は、ステップST2に移行して制御部15は、表示部29の1画面内に選択項目を成すスクロール画像29a’や29b’等が複数存在するか否かを判別する。この際の判別に関しては、スクロール方向に選択項目がいくつ存在するか否かを検出する。図7Aに示したようなスクロール画像29a’の表示例によれば、表示部29の1画面内に表示ピッチが5mmで最大8個(Max)の選択項目が表示可能とされ、先の表示例ではスクロール方向に存在する選択項目の個数xは4個の場合である。
この判別結果で、スクロール方向に存在する選択項目の個数xがMax個以下である場合は、ステップST3に移行して制御部15は、スライド量SxをS1=4mmに設定して選択項目を表示するように表示部29を制御する。このとき、表示部29は、制御部15の表示制御を受けて、図7Aに示したようなスクロール画像29a’を表示するようになる。その後、ステップST1に戻る。
上述の選択項目の個数xがMax個を越える場合は、ステップST4に移行して制御部15は、スライド量SxをS2=2mmに設定して、選択項目の表示を切り替えるように表示部29を制御する。このとき、表示部29は、制御部15の表示制御を受けて、例えば、図7Aに示したような表示ピッチP1のスクロール画像29a’から、図7Bに示したような表示ピッチP2のスクロール画像29b’を切り替えて表示するようになる。その後、ステップST1に戻る。これにより、表示部29の1画面内に表示される選択項目の個数xに応じて、キートップ14の摺動操作におけるスライド量Sx=S1,S2のように設定できるようになる。
図10は入力装置10におけるスライド量Sxの他の設定例(設定値可変)を示すフローチャートである。この例では、センサ13の電気的な検知領域(3)の長さをXs[mm]とする場合について例を挙げる。
これをスライド量Sxの設定条件にして、図10に示すフローチャートのステップST11で制御部15は各種アプリケーションの指定を待機する。このとき、操作者は、例えば、選択項目が少ない表示文字選択等に係るアプリケーションや、表示文字選択等に係るアプリケーションの表示に比べて選択項目が多い電話番号登録欄のアプリケーション等のスクロール画像29a’や29b’等の表示を入力装置10を介して入力するように操作される。アプリケーションを指定する入力が無い場合は、各種アプリケーション指定の待機を継続する。
各種アプリケーションを指定する入力が制御部15に有った場合は、ステップST12で移行して制御部15は、スクロール方向に存在する選択項目の全個数Ysを検出する。この例では、スクロール方向に選択項目がいくつ存在するか否かを検出する。例えば、当該アプリケーションに係る選択項目が格納されたメモリを検索して、スクロール方向に存在する選択項目の全個数Ys個を読み出す。
その後、ステップST3に移行して、制御部15はキートップ14のスライド量Sxを演算して表示部29へ設定する。この例では、スクロール方向に存在する選択項目の全個数をYs個とし、センサ13の電気的な検知領域(3)の長さXs[mm]としたとき、制御部15はXs/Ys個を演算してスライド量Sx=Xs/Ysを表示部29に設定する。その後、ステップST11に戻る。これにより、センサ13の電気的な検知領域(3)の長さXsと、スクロール方向に存在する選択項目の全個数Ysとに基づいてキートップ14のスライド量Sxを任意に設定できるようになる。
このように、本発明に係る携帯電話機101によれば、第1の実施例に係る入力装置10が備えられ、操作者の指30aによる一方向への摺動操作によって情報を入力する場合に、当該入力装置10を操作する操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
従って、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、キートップ14の小型化、静電容量シートの薄型化及びその操作性を向上できることから、当該入力装置10の誤動作の低減、コストダウン、及び、製造プロセスの簡素化を図ることができる。
この例では、図1に示したようにキートップ14を下部筐体11bの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、キートップ14や、以下に述べる他のキートップ等の操作部は、下部筐体11bの右側部の操作面や、その上又は下側の操作面、表又は裏面側の操作面等に設けてもよい。更に、上部筐体11aの左又は右側部の操作面や、その上又は下側の操作面、その表又は裏面側の操作面等に操作部を設けてもよい。下部筐体11bの右側や上部筐体11a等に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図11は、第2の実施例としての入力装置20の内部構成例を示す断面図である。この実施例では、振動体の機能を構成するアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが図11に示す入力装置20に設けられ、センサ13によって検出された操作者の指30aの摺動位置に対して振動を発生するようになされる。スピーカー36bには、図12に示すようなスピーカー機能を兼用する振動体が使用される。スピーカー36bは、例えば、下部筐体11bの内側であって、キートップ14の配設位置に近い部分に取り付けられる。
図12は、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bの構成例を示す正面から見た断面図である。図12に示すスピーカー36bは、スピーカー機能の他に、触覚を発生させることのできるアクチュエータ機能を有している。このスピーカー36bは、入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力する際に操作者に対して触覚を提示する情報処理装置や、携帯電話機、携帯端末装置等に適用可能なものである。
スピーカー36bは、ハウジング部6を有しており、構成部品が組み入れられた後に蓋部材1が係合される。ハウジング部6の大きさは、長さが15[mm]程度で、幅が5[mm]程度、高さが3[mm]程度である。蓋部材1には所定部位に開口部が設けられている。この例では、音が外部に漏れ出るように4個の開口部1a,1b,1c,1dを有している。蓋部材1には、例えば、樹脂成型品が使用される。
ハウジング部6内にはヨーク5が配置されている。ヨーク5は有底筒状の凹部5aを有しており、ハウジング部6内に可動自在に配されている。例えば、ヨーク5は、ハウジング部6内で2つの平型波形状のスプリングバネ51,52によって可動自在に支持されている。
この例で、スプリングバネ51は、一端がヨーク5の凹部5aの一方の縁部に接合され、他端がハウジング部6の一方の上縁部に固定されている。スプリングバネ52は、一端がヨーク5の凹部の他方の縁部に接合され、他端がハウジング部6の他方の上縁部に固定されている。この例では、振動系を弾性的に支持するスプリング部材の形状が平型波形状になされている。
ハウジング部6内で可動自在に支持されるヨーク5の底部には、マグネット4(永久磁石)が固定されている。マグネット4には、例えば、円柱状を有したネオジウムが使用される。マグネット4の周囲には可動用のコイル3(ボイスコイル)が可動自在に配されている。コイル3は巻き軸部を有している。コイル3には音声信号や、振動発生信号等を供給するようになされる。
上述のコイル3の巻き軸部の一方の側には、振動板2が取り付けられており、その外縁部位は蓋部材1とハウジング部6とで挟持するようになされる。また、ハウジング部6の底面外部には引出電極7a,7bが設けられ、ハウジング部6内部ではコイル3に接続される。引出電極7a,7bには、音声信号や、振動発生信号等が入力される。
また、ハウジング部6の底面外部に設けられた2つの引出電極7a,7bの間であって、ハウジング部6の底面部には、例えば、2個の開口部6a,6bが設けられている。この2個の開口部6a,6bの外部側には、メッシュシール8a,8bが貼付されている。メッシュシール8aは開口部6aを覆うように、また、メッシュシール8bは開口部6bを覆うように設けられる。このメッシュシール8a,8bの機能は、ハウジング部6の内側と外側における呼吸機能を確保するためである。
引出電極7aは端子7cを有し、引出電極7bは端子7dを有しており、ハウジング部6の側壁において、コイル3の引出線3a,3bに接続される。例えば、コイル3から引き出された一方の引出線3aは、振動板2の一方の側の裏面を通って外縁部に至り、ハウジング部6の上縁部から外部へ取り出され、側壁を下方に移行して、端子7cに至り引出電極7aに接続される。同様にして、コイル3から引き出された他方の引出線3bは、振動板2の他方の側の裏面を通って外縁部に至り、ハウジング部6の上縁部から外部へ取り出され、側壁を下方に移行して、端子7dに至り引出電極7bに接続される。
なお、ヨーク5は有底筒状の凹部5aの他に、左アーム5b及び右アーム5cを有している。左アーム5b、右アーム5cの下面には、おもり9a,9bが接合されている。右アーム5cの下面にも、接着剤を使用して、おもり9bを接合する。おもり9a,9bの左アーム5bの下面には、接着剤を使用して、おもり9aを接合する。右アーム5cの下面にも、接着剤を使用して、おもり9bを接合する。おもり9a,9bの重さは、例えば、いずれも0.597[g]程度である。これらのおもり9a,9bの厚みは、いずれも2mm前後であり、左アーム5b、右アーム5cの各々の下面からハウジング部6の底面に至る間の距離にほぼ等しい。おもり9a,9bの下面とハウジング部6の底面との間には、極わずかな隙間を設けている。これは、おもり9a,9bの重さを確保しつつ、コイル巻き軸部の方向にけるヨーク5の上・下間のストローク(空間)を確保するためである。
このように第2の実施例としての入力装置20によれば、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bが実装され、入力操作時又は入力確定時に、操作者の指30aの摺動位置に対してスピーカー36bで振動を発生させることができ、操作者の指30aに対して触覚を提示できるようになる。
この例では、図11に示したようにキートップ14を下部筐体11bの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11bの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図13は、第3の実施例としての入力装置30の構成例を示す分解斜視図である。この実施例ではスイッチ部の一例を構成するドームスイッチ25が設けられ、キートップ14の押し込み操作によってオン又は/及びオフするように操作される。ドームスイッチ25は回路基板17の一部又は第18の実施例で説明するような静電容量シート部材の検出電極の一部が応用される。
図13に示す入力装置30は、先に説明した入力装置20に対して、長方形状の押し子19及び半球状のドームスイッチ25が追加される。入力装置30によれば、下部筐体11bの開口部11cにキートップ14が組み込まれる。
キートップ14は、例えば、円弧凸形状を象った金型にPC(ポリカーボネート)樹脂や、PC+ABS樹脂等を射出して成形したものが使用される。この例では、キートップ14を成形した後、UV(紫外線)塗装を施す。例えば、摩耗性を向上させる溶液をキートップ14の操作面に塗布する。その後、紫外線を照射して塗膜面を硬化させる。これにより、キートップ14の操作面の耐摩耗性を向上させることができる。
また、下部筐体11bは、例えば、開口部11cを象った金型にPC(ポリカーボネート)樹脂や、PC+ABS樹脂等を射出して成形したものが使用される。
下部筐体11bを金属で形成する場合は、アルミニウム板や、マグネシウム板、SUS304等のステンレス板を用い、これらの部材をプレス加工、深絞り加工、あるいは、押出し加工により、所定の位置に開口部11cを有した下部筐体11bを形成する。この例で、キートップ14は、その非操作面が下部筐体11bの内側に向けて組み合わされ、キートップ14の鍔状のフランジ14aが開口部11cの内側に引っ掛けられる。これにより、キートップ14が開口部11cから抜け出るのを防止される。
キートップ14の内側には、センサ13、押し子19、ドームスイッチ25及び回路基板17の順序で配置される。センサ13は例えば、操作パネル18で数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成すキートップアレイ方式の操作パネル38に連続して形成される。操作パネル38の個々のキーは矩形状を有している。操作パネル38は、例えば、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す金型にシリコン樹脂等を射出してシリコンラバーを形成し、その後、シリコンラバーに静電容量シート又は、圧力検出シートを貼付して形成するようになされる。押し子19はセンサ13と回路基板17の側部との間で挟持されるように配置される。回路基板17は、例えば、フレキシブル配線板上にメタルドームを形成し、その上部に防水及び防塵シートを貼付したものが使用される。
この例で、押し子19は、ほぼセンサ13の検出領域(3)と等しい長さを有している。押し子19の平面上に静電容量シート部材等のセンサ13を安定した姿勢で保持(裏打ち)するためである。回路基板17にはドームスイッチ25が実装される。ドームスイッチ25は、スイッチ部25a及びカバー部材25bから構成される。スイッチ部25aはバネ部材及び電極部材から構成され、カバー部材25bは絶縁部材から構成される。
ドームスイッチ25は、バネ部材の付勢力に打ち勝って強く指30a等により押し込むことで、例えば、ONする。ドームスイッチ25から指30aを離すと、バネ部材の付勢力によって、キートップ14を下部筐体11bの開口部11cへ当接するようになされる。回路基板17にはドームスイッチ25の他に操作パネル18の数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す複数のキースイッチが実装される。
図14は、入力装置30の構成例及びその機能例を示す上面から見た断面図である。図14に示す入力装置30によれば、押し子19のほぼ中央部位には突起部19aが設けられる。突起部19aは所定の突出長さを有した、例えば、円柱状を成し、その先端部で回路基板17のドームスイッチ25を押下できる位置に配置され、キートップ14によって矢印の方向に押し込み操作される。図中、回路基板17にはプリント配線12が設けられ、ドームスイッチ25から制御部15(図6参照)へ配線され、オン又は/及びオフによるスイッチ信号を電送するようになされる。入力装置30の操作例については図8を参照されたい。
このように第3の実施例に係る入力装置30によれば、回路基板17の側部には、キートップ14、センサ13、押し子19を介して押下されるドームスイッチ25を備え、スクロール画像29a’や29b’等の情報選択後、キートップ14を押し込み操作するようになされる。従って、ドームスイッチ25をオン又は/及びオフすることで、無回転型のキートップ14においても、入力を決定する際の確定キーに応用できるようになった。
この例では、図14に示したようにキートップ14を下部筐体11bの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11bの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図15は、第4の実施例としての入力装置40の内部構成例を示す断面図である。この実施例では、第2の実施例で説明したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが図15に示す入力装置40に設けられ、センサ13によって検出された操作者の指30aの摺動位置に対して振動を発生するようになされる。スピーカー36bには、図12に示したようなスピーカー機能を兼用する振動体が使用される。スピーカー36bは、例えば、入力装置40の下部筐体11bの内側であって、キートップ14の配設位置に近い部分に取り付けられる。その他の構成部品については、第1〜第3の実施例と同様であるのでその説明を省略する。入力装置40の操作例については図8を参照されたい。
このように第4の実施例としての入力装置40によれば、第3の実施例に係る入力装置30に対して、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bが実装され、入力操作時又は入力確定時に、第2の実施例と同様にして、操作者の指30aの摺動位置に対してスピーカー36bで振動を発生させることができ、操作者の指30aに対して触覚を提示できるようになる。
この例では、図15に示したようにキートップ14を下部筐体11bの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11bの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図16は、第5の実施例としての入力装置50の内部構成例を示す断面図である。この実施例では、押し子19に代えて突起部材19cが後付けされるものである。図16に示す入力装置50は、先に説明した入力装置40から長方形状の押し子19を削除し、その代わりに突起部材19cを配置するようになされる。
キートップ14の内側には、センサ13、突起部材19c、ドームスイッチ25及び回路基板17の順序で配置される。突起部材19cはセンサ13と回路基板17の側部との間に挟持するように配置される。この例で、突起部材19cは、ほぼセンサ13の検出領域(3)のほぼ中央部位に例えば、接着剤で貼付するようになされる。もちろん、センサ13の形成工程において、突起部材19cを一体成形してもよい。
この方法を採ったのは、第3の実施例で静電容量シート部材のセンサ13を押し子19の平面部位で裏打ちしていたのに対して、静電容量シート部材等の平面の折れ曲がり強度等が十分保持される場合は、裏打ち部材を省略できることによる。その他の構成部品については、第1〜第4の実施例と同様であるのでその説明を省略する。入力装置50の操作例については図8を参照されたい。
このように第5の実施例に係る入力装置50によれば、回路基板17の側部には、キートップ14、センサ13、突起部材19cを介して押下されるドームスイッチ25を備え、スクロール画像29a’や29b’等の情報選択後、キートップ14を押し込み操作するようになされる。従って、ドームスイッチ25をオン又は/及びオフすることで、無回転型のキートップ14においても、入力を決定する際の確定キーに応用できるようになった。しかも、突起部材19cがセンサ13に対して後付けされるので、部品点数及び部品コストを低減できるようになる。
この例では、図16に示したようにキートップ14を下部筐体11bの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11bの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図17は、第6の実施例としての入力装置60の内部構成例を示す断面図である。この実施例では、裏面平坦形状のキートップ14に代えて、裏面凹部状を有したキートップ141及び、押し子19に代えて裏面凹部状を有したキートップ裏面挿入型の押し子191が備えられるものである。
図17に示す入力装置60によれば、キートップ141の操作面は、図1〜図16に示したキートップ形状と同一の円弧凸形状であるが、その裏面が凹部状を有している。この例で押し子191には、キートップ141の裏面凹部に挿入可能な凸部形状を成したものが使用される。例えば、キートップ141の内側凹部形状を象った金型に樹脂を封入してその凸形状を成した押し子191を形成する。押し子191のほぼ中央部位には、押し子19と同様にして突起部91bが設けられる。
入力装置60においても、下部筐体11bの開口部11cにキートップ141が組み込まれる。このとき、キートップ141は、第3の実施例と同様にして、その非操作面が下部筐体11bの内側に向けて組み合わされ、キートップ141の鍔状のフランジ14aが開口部11cの内側に引っ掛けられる。これにより、キートップ141が開口部11cから抜け出るのを防止される。
キートップ141の内側凹部には、センサ13、押し子191、ドームスイッチ25及び回路基板17の順序で配置される。押し子191の突起部92bはセンサ13を押し込み可能な位置に配置される。押し子191はキートップ141の内側凹部にセンサ13を沿うように配置される。この例でも、押し子191は、ほぼセンサ13の検出領域(3)と等しい長さを有している。ドームスイッチ25の機能については第3の実施例で説明しているので、その説明を省略する。もちろん、図示しないアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを備えてもよい。入力装置60の操作例については図8を参照されたい。
このように第6の実施例に係る入力装置60によれば、回路基板17の側部には、キートップ141、センサ13、押し子191を介して押下されるドームスイッチ25を備え、スクロール画像29a’や29b’等の情報選択後、キートップ141を押し込み操作するようになされる。従って、ドームスイッチ25をオン又は/及びオフすることで、無回転型の裏面凹部状を成すキートップ141においても、入力を決定する際の確定キーに応用できるようになる。この構造は、下部筐体11bの内側面と回路基板17との間に十分なスペース(離隔距離)を確保できない場合に、有利に働き、入力装置60のコンパクト化に寄与するところが大きい。
この例では、図17に示したようにキートップ141を下部筐体11bの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11bの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図18は第7の実施例としての入力装置70の内部構成例を示す断面図である。この実施例では、裏面平坦形状のキートップ14に代えて下部筐体11dと裏面平坦形状のキートップ142とが一体成形されて成るものである。
図18に示す入力装置70は、裏面平坦形状のキートップ付きの下部筐体11dを有している。下部筐体11dによれば、キートップ142の操作面は、図1〜図16に示したキートップ形状と同一の円弧凸形状であるが、その本体が下部筐体11dと一体成形されている。例えば、下部筐体11dとキートップ142とを象った金型に樹脂を封入して円弧凸形状のキートップ付き下部筐体11dを一体成形する。
この例では、ドームスイッチ25を押し込むために、キートップ142を下部筐体11dの内側方向へ移動可能とする構造が採られる。例えば、キートップ142の上り開始部X付近と、下り終了部Y付近を蛇腹状に加工する。蛇腹状に加工する部分は、下部筐体11dを構成する樹脂材料の強度に応じて適宜設定すればよい。これにより、キートップ142の密閉構造と押し込み構造とを両立するようになされる。
この例でも、キートップ142の内側には、センサ13、押し子19、ドームスイッチ25及び回路基板17の順序で配置される。センサ13には第3の実施例で説明したものが使用される。押し子19はセンサ13と回路基板17の側部との間で挟持されるように配置される。なお、ドームスイッチ25の構成及び機能については第3の実施例で説明しているので、その説明を省略する。もちろん、図示しないアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを備えてもよい。入力装置70の操作例については図8を参照されたい。
このように第7の実施例としての入力装置70によれば、裏面平坦形状のキートップ14に代えて下部筐体11dと裏面平坦形状のキートップ142とが一体成形されて成るものである。従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置70の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ入力装置70を提供できるようになる。
しかも、スクロール画像29a’や29b’等の情報選択後、キートップ142を押し込み操作するようになされる。従って、ドームスイッチ25をオン又は/及びオフすることで、無回転型の裏面密閉形状を成すキートップ142においても、入力を決定する際の確定キーに応用できるようになる。
この例では、図18に示したようにキートップ142を下部筐体11dの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11dの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図19は、第8の実施例としての入力装置80の内部構成例を示す断面図である。この実施例では、裏面平坦形状のキートップ142に代えて、下部筐体11eと裏面凹部状を有したキートップ143とが一体成形されて成るものである。
図19に示す入力装置80は、裏面凹部状を有したキートップ付きの下部筐体11eを有している。下部筐体11eによれば、キートップ143の操作面は、図1〜図16に示したキートップ形状と同一の円弧凸形状であるが、その裏面が凹部状を有している。この例で押し子191には、キートップ143の裏面凹部に挿入可能な凸部形状を成したものが使用される。例えば、キートップ143の内側凹部形状を象った金型に樹脂を封入してその凸形状を成した押し子191を形成する。押し子191のほぼ中央部位には、押し子19と同様にして突起部91bが設けられる。
入力装置80においても、ドームスイッチ25を押し込むために、キートップ143を下部筐体11eの内側方向へ移動可能とする構造が採られる。例えば、キートップ143の上り開始部X付近と、下り終了部Y付近を蛇腹状に加工する。蛇腹状に加工する部分は、下部筐体11eを構成する樹脂材料の強度に応じて適宜設定すればよい。これにより、キートップ143の密閉構造と押し込み構造とを両立するようになされる。
キートップ143の内側凹部には、センサ13、押し子191、ドームスイッチ25及び回路基板17の順序で配置される。押し子191の突起部92bはセンサ13を押し込み可能な位置に配置される。押し子191はキートップ143の内側凹部にセンサ13を沿うように配置される。この例でも、押し子191は、ほぼセンサ13の検出領域(3)と等しい長さを有している。ドームスイッチ25の機能については第3の実施例で説明しているので、その説明を省略する。もちろん、図示しないアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを備えてもよい。入力装置80の操作例については図8を参照されたい。
このように第8の実施例に係る入力装置80によれば、裏面平坦形状のキートップ142に代えて、下部筐体11eと裏面凹部状を有したキートップ143とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第7の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置80の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置80を提供できるようになる。
しかも、スクロール画像29a’や29b’等の情報選択後、キートップ143を押し込み操作するようになされる。従って、ドームスイッチ25をオン又は/及びオフすることで、無回転型の裏面密閉形状を成すキートップ143においても、入力を決定する際の確定キーに応用できるようになる。更に、この構造は、下部筐体11eの内側面と回路基板17との間に十分なスペース(離隔距離)を確保できない場合に、有利に働き、入力装置80のコンパクト化に寄与するところが大きい。
この例では、図19に示したようにキートップ143を下部筐体11eの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11eの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図20A〜Cは、第9の実施例としての入力装置90の外観例を示す斜視図及び、その内部構成例を示す断面図である。
この実施例では、第8の実施例で説明した裏面平坦形状のキートップ143に代えて、下部筐体11fと裏面凹部状を有したキートップ144とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子191は省略される。
図20Aに示す入力装置90は、裏面凹部状を有したキートップ付きの下部筐体11fを有している。下部筐体11fによれば、キートップ144の操作面は、図1〜図16に示したキートップ形状と同一の円弧凸形状であるが、その裏面が図20Bに示すように凹部状を有している。例えば、キートップ144となる円弧凸形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成す下部筐体11fを形成する。
この例ではキートップ144の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ144を有した入力装置90を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11fの内側であって、キートップ144に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
上述の密閉構造では、下部筐体11fの一部を円弧凸形状に突き出す方法が採られるが、図20Cに示すように、下部筐体11f’と円弧凸形状のキートップ144’とを別個に作成して、下部筐体11f’の側面にキートップ144’を貼付する構造を採ってもよい。例えば、UV硬化樹脂等によりキートップ144’を下部筐体11f’の側面に接着するようにする。これにより、キートップ144’を有した入力装置90’を密閉構造とすることができる。入力装置90,90’の操作例については図8を参照されたい。
このように第9の実施例に係る入力装置90によれば、第7の実施例で説明した裏面平坦形状のキートップ142に代えて、下部筐体11fと裏面凹部状を有したキートップ144とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置90の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置90を提供できるようになる。もちろん、図20Cに示したように、下部筐体11fの平坦な側面に円弧凸形状のキートップ144を貼付する構造を採ってもよい。この構造は、下部筐体11fの内側面と図示しない回路基板17との間に十分なスペース(離隔距離)を確保できない場合に、有利に働き、入力装置90,90’のコンパクト化に寄与するところが大きい。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ144,144’の上り開始部X付近と、下り終了部Y付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図20に示したようにキートップ144等を下部筐体11fの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11fの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図21A〜Cは、第10の実施例としての入力装置100の構成例を示す斜視図及び断面図である。
この実施例では、第9の実施例で説明した円弧凸形状のキートップ144に代えて、下部筐体11gと表面台形状を有したキートップ145とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子191は省略される。
図21Aに示す入力装置100は、表面台形状かつ裏面凹部状を有したキートップ付きの下部筐体11gを有している。下部筐体11gによれば、キートップ145の操作面は、図1〜図19に示したキートップ形状と異なり、台形状を有しており、その裏面が図21Bに示すように凹部状を有している。例えば、キートップ145となる内側台形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成す下部筐体11gを形成する。
この例でも、キートップ145の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ145を有した入力装置100を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11gの内側であって、キートップ145に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
上述の密閉構造では、下部筐体11gの一部を台形状に突き出す方法が採られるが、図21Cに示すように、下部筐体11g’と台形状のキートップ145’とを別個に作成して、下部筐体11g’の側面にキートップ145’を貼付する構造を採ってもよい。例えば、UV硬化樹脂等によりキートップ145’を下部筐体11g’の側面に接着するようにする。これにより、キートップ145’を有した入力装置100’を密閉構造とすることができる。入力装置100,100’の操作例については図8を参照されたい。
このように第10の実施例に係る入力装置100によれば、第9の実施例で説明した円弧凸形状のキートップ144に代えて、下部筐体11gと表面台形状を有したキートップ145とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置100の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置100を提供できるようになる。もちろん、図21Cに示したように、下部筐体11gの平坦な側面に台形状のキートップ145を貼付する構造を採ってもよい。この構造は、下部筐体11gの内側面と図示しない回路基板17との間に十分なスペース(離隔距離)を確保できない場合に、有利に働き、入力装置100,100’のコンパクト化に寄与するところが大きい。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ145,145’の上り開始部X付近と、下り終了部Y付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図21に示したようにキートップ145等を下部筐体11gの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11gの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図22A〜Cは、第11の実施例としての入力装置110の構成例を示す斜視図及び断面図である。
この実施例では、第10の実施例で説明した台形状のキートップ145に代えて、下部筐体11hと表面ナメクジドーム形状を有したキートップ146とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子191は省略される。
図22Aに示す入力装置110は、表面ナメクジドーム形状かつ裏面凹部状を有したキートップ付きの下部筐体11hを有している。下部筐体11hによれば、キートップ146の操作面は、図1〜図21に示したキートップ形状と異なり、ナメクジドーム形状を有しており、その裏面が図22Bに示すように凹部状を有している。例えば、キートップ146となる内側ナメクジドーム形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成す下部筐体11hを形成する。
この例でも、キートップ146の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ146を有した入力装置110を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11hの内側であって、キートップ146に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
上述の密閉構造では、下部筐体11hの一部を台形状に突き出す方法が採られるが、図22Cに示すように、下部筐体11h’と台形状のキートップ146’とを別個に作成して、下部筐体11h’の側面にキートップ146’を貼付する構造を採ってもよい。例えば、UV硬化樹脂等によりキートップ146’を下部筐体11h’の側面に接着するようにする。これにより、キートップ146’を有した入力装置110’を密閉構造とすることができる。入力装置110,110’の操作例については図8を参照されたい。
このように第11の実施例に係る入力装置110によれば、第10の実施例で説明した台形状のキートップ145に代えて、下部筐体11hと表面ナメクジドーム形状を有したキートップ146とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置110の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置110を提供できるようになる。もちろん、図22Cに示したように、下部筐体11hの平坦な側面に表面ナメクジドーム形状のキートップ146’を貼付する構造を採ってもよい。この構造は、下部筐体11hの内側面と図示しない回路基板17との間に十分なスペース(離隔距離)を確保できない場合に、有利に働き、入力装置110,110’のコンパクト化に寄与するところが大きい。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ146,146’の上り開始部X付近と、下り終了部Y付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図22に示したようにキートップ146等を下部筐体11hの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11hの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図23A〜Cは、第12の実施例としての入力装置120の構成例を示す斜視図及び断面図である。
この実施例では、第11の実施例で説明した表面ナメクジドーム形状のキートップ146に代えて、下部筐体11iと表面蒲鉾ドーム形状を有したキートップ147とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子191は省略される。
図23Aに示す入力装置120は、表面蒲鉾ドーム形状かつ裏面凹部状を有したキートップ付きの下部筐体11iを有している。下部筐体11iによれば、キートップ147の操作面は、図1〜図22に示したキートップ形状と異なり、蒲鉾ドーム形状を有している。この例で、キートップ147は、その幅をwとし、下部筐体11iの高さをhとしたとき、w=hなる関係に形成されている。キートップ147の裏面は、図23Bに示すように凹部状を有している。例えば、幅wのキートップ147となる内側蒲鉾ドーム形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成す高さhの下部筐体11iを形成する。
この例でも、キートップ147の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ147を有した入力装置120を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11iの内側であって、キートップ147に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
上述の密閉構造では、下部筐体11iの一部を蒲鉾ドーム形状に突き出す方法が採られるが、図23Cに示すように、下部筐体11i’と蒲鉾ドーム形状のキートップ147’とを別個に作成して、下部筐体11i’の側面にキートップ147’を貼付する構造を採ってもよい。例えば、UV硬化樹脂等によりキートップ147’を下部筐体11i’の側面に接着するようにする。これにより、キートップ147’を有した入力装置120’を密閉構造とすることができる。入力装置120,120’の操作例については図8を参照されたい。
このように第12の実施例に係る入力装置120によれば、第11の実施例で説明したナメクジドーム形状のキートップ146に代えて、下部筐体11iと表面蒲鉾ドーム形状を有したキートップ147とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置120の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置120を提供できるようになる。もちろん、図23Cに示したように、下部筐体11iの平坦な側面に表面蒲鉾ドーム形状のキートップ147’を貼付する構造を採ってもよい。この構造は、下部筐体11iの内側面と図示しない回路基板17との間に十分なスペース(離隔距離)を確保できない場合に、有利に働き、入力装置120,120’のコンパクト化に寄与するところが大きい。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ147,147’の上り開始部X付近と、下り終了部Y付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図23に示したようにキートップ147等を下部筐体11iの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11iの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図24A及びBは、本発明に係る第13の実施例としての携帯電話機102の構成例を示す斜視図である。
図24Aに示す携帯電話機102は電子機器の一例を構成し、スライド型の折り畳み式(クラム式)の筐体構造を有している。携帯電話機102は上部筐体11x及び下部筐体11yを有して構成され、上部筐体11xと下部筐体11yとがヒンジ48(1軸)により回動自在に係合されている。下部筐体11yには、第1〜第12の実施例で説明した入力装置10〜入力装置120が適用される。もちろん、第2〜第12の実施例で説明した入力装置20〜入力装置120を第1の実施例で説明した携帯電話機101に適用してもよい。
携帯電話機102は、図24Bに示すように上部筐体11xが下部筐体11y上の操作面を覆うような操作面蓋閉め収納構造が採られる。この例では、上部筐体11xを閉じた状態で、その閉じ面には表示部29に比べてサイズの小さいモニタ29aが設けられ、例えば、当該携帯電話機102のカメラ機能を利用する際に、モニタ29aをファインダー窓部として被写体映像を表示するようになされる。
上部筐体11xには第1の実施例で説明した携帯電話機101と同様にして、所定の大きさを有した表示部29が設けられ、待ち受け画面や相手方電話番号等が表示される。表示部29には液晶表示モニタが使用される。下部筐体11yには、例えば入力装置40が設けられ、操作者の指30aによる摺動操作によって情報を入力するように操作される。
入力装置40は上部及び側部に操作面を有しており、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。下部筐体11y内には操作者の指30aの摺動位置を検出するセンサ13が設けられる。このセンサ13の全面を覆うようにキートップ14が設けられ、下部筐体11yの操作面に沿って摺動操作される。キートップ14は、下部筐体11yの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を含むものである(図15参照)。
図25は、携帯電話機102の撮影時の取扱例を示す斜視図である。図25に示す携帯電話機102には下部筐体11yの底面にカメラ34が配置されている。この例では、携帯電話機102を操作面蓋閉め収納状態にし、そのカメラ機能を利用して、被写体を撮影するとき、キートップ14の操作面が上方に向くように操作者は左手39cで保持する。そして、操作者の右手、人差し指39bでズームイン摺動操作をしたり、シャッターを切るようにキートップ14を使用することができる。キートップ14は、シャッター機能に限られることはなく、画像の拡大縮小処理またはピント調整にも各種調整キーとして使用することができる。
このように第13の実施例に係る携帯電話機102によれば、本発明に係る第1〜第12の入力装置10〜120のいずれかが備えられるので、当該携帯電話機102を操作する操作者の指39bによる摺動操作に対し、下部筐体11yの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。しかも、シャッター操作時、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bによって触覚を提示できるようになる。
従って、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、携帯電話機102の小型化及び操作性を向上できることから、当該携帯電話機102の誤動作の低減、コストダウン、及び、製造プロセスの簡素化を図ることができる。
なお、携帯電話機102のミュージックプレーヤー機能を利用する場合は、モニタ29aを楽曲選択窓部としてタイトルや、ミュージシャンの名前等の映像をスクロール表示するようになされ、キートップ14でスクロール操作したり、再生音のボリューム調整をできるようになる。
この例では、図24に示したようにキートップ14を下部筐体11yの左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11yの右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図26A及びBは、本発明に係る第14の実施例としての携帯電話機103の構成例を示す斜視図である。
図26Aに示す携帯電話機103は電子機器の一例を構成し、2軸ヒンジ型の折り畳み式の筐体構造を有している。携帯電話機103は上部筐体11x’及び下部筐体11y’を有して構成され、上部筐体11x’と下部筐体11y’とが2つのヒンジ48a,48b(2軸)により回動自在に係合されている。ヒンジ48aは、第13の実施例と同様にして上部筐体11xと下部筐体11yとを開閉自在に係合する。ヒンジ48bは、ヒンジ48aと直交するように配置され、下部筐体11yに対して上部筐体11xを回動自在に係合する。下部筐体11y’には、第1〜第12の実施例で説明した入力装置10〜入力装置120が適用される。
上部筐体11x’には第1の実施例で説明した携帯電話機101と同様にして、所定の大きさを有した表示部29が設けられ、待ち受け画面や相手方電話番号等が表示される。表示部29には液晶表示モニタが使用される。携帯電話機103は、モニタ29aを上方に向けた上部筐体11x’が下部筐体11y’上の操作面を覆うような第1の操作面蓋閉め収納構造(図24B参照)と、図26Bに示すように表示部29を上方に向けた上部筐体11x’が下部筐体11y’上の操作面を覆うような第2の操作面蓋閉め収納構造とが採られる。
この例では、表示部29を上方に向けた上部筐体11x’を閉じた状態で、その閉じ面には表示部29が向くようになされる。例えば、当該携帯電話機103の1セグテレビ機能を利用する際に、表示部29をテレビ受像画面として表示するようになされる。下部筐体11y’には、例えば入力装置40が設けられ、操作者の指30aによる摺動操作によって情報を入力するように操作される。
入力装置40は上部及び側部に操作面を有しており、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。下部筐体11y’内には操作者の指30aの摺動位置を検出するセンサ13が設けられる。このセンサ13の全面を覆うようにキートップ14が設けられ、下部筐体11y’の操作面に沿って摺動操作される。キートップ14は、下部筐体11y’の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を含むものである(図15参照)。
図27は、携帯電話機103のテレビ視聴時の取扱例を示す斜視図である。図27に示す携帯電話機103では、当該携帯電話機103を第2の操作面蓋閉め収納状態にし、そのテレビ受像機能を利用して、放送番組を受像するとき、キートップ14の操作面が上方に向くように、図示しない机上等に載置する。そして、操作者の右手、人差し指等でチャンネル選局摺動操作をしたり、チャンネル選局決定等を確定するようキートップ14を使用することができる。キートップ14は、チャンネル選局キーの他に、音量調整用のキーとしても使用できる。もちろん、相手に電話をかける場合及び、相手からの電話を受ける場合、メール作成時、文字入力操作、入力候補選択決定キーとしても使用してもよい。
このように第14の実施例に係る携帯電話機103によれば、本発明に係る第1〜第12の入力装置10〜120のいずれかが備えられるので、当該携帯電話機103を操作する操作者の指39bによる摺動操作に対し、下部筐体11y’の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。しかも、選局決定操作時、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bによって触覚を提示できるようになる。
従って、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、携帯電話機103の小型化及び操作性を向上できることから、当該携帯電話機103の誤動作の低減、コストダウン、及び、製造プロセスの簡素化を図ることができる。
この例では、図26に示したようにキートップ14を下部筐体11y’の左側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11y’の右側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図28は、第15の実施例としての入力装置150の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11jの操作パネル18と、球面横一文字凸形状を有したキートップ148とが一体成形されるものである。
図28に示す入力装置150は、球面横一文字凸形状を有したキートップ付きの下部筐体11jを有している。下部筐体11jの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。下部筐体11jによれば、キートップ148の操作面は、図1〜図22に示したキートップ形状と異なり、球面横一文字凸形状に隆起している。キートップ148は、所定の高さ及び幅を有している。下部筐体11jのキートップ148の内側の構造については、図18、図19又は図20Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図18、図19又は図20B参照)。
下部筐体11jは、例えば、キートップ148となる球面横一文字凸形状や、操作パネル18となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成すように形成される。これにより、キートップ148を有した入力装置150を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11jの内側であって、キートップ148に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例では、キートップ148は、球面横一文字凸形状に沿って摺動操作される。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11jの一方の操作面から球面横一文字凸形状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧凸形状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
このように、第15の実施例に係る入力装置150によれば、下部筐体11jの操作パネル18と、球面横一文字凸形状を有したキートップ148とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置150を提供できるようになる。しかも、球面横一文字円弧凸形状のキートップ148と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置150の組み立てが簡単になる。
この例では、図28に示したようにキートップ148を下部筐体11jの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11jの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図29は、第16の実施例としての入力装置160の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11jの操作パネル18と、球面縦一文字凸形状を有したキートップ149とが一体成形されるものである。
図29に示す入力装置160は、球面縦一文字凸形状を有したキートップ付きの下部筐体11kを有している。下部筐体11kの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。下部筐体11kによれば、キートップ149の操作面は、図28に示したキートップ形状と異なり、球面縦一文字凸形状に隆起している。キートップ149は、所定の高さ及び幅を有している。下部筐体11kのキートップ149の内側の構造については、図18,図19又は図20Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図18、図19又は図20B参照)。
下部筐体11kは、例えば、キートップ149となる球面縦一文字凸形状や、操作パネル18となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成すように形成される。これにより、キートップ149を有した入力装置160を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11kの内側であって、キートップ149に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例でキートップ149は、球面縦一文字凸形状に沿って摺動操作される。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11kの他方の操作面から球面縦一文字凸形状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧凸形状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
このように、第16の実施例に係る入力装置160によれば、下部筐体11kの操作パネル18と、球面縦一文字凸形状を有したキートップ149とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置160を提供できるようになる。しかも、球面縦一文字凸形状のキートップ149と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置160の組み立てが簡単になる。
この例では、図29に示したようにキートップ149を下部筐体11kの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11kの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図30は、第17の実施例としての入力装置170の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11mの操作パネル18と、球面十字凸形状を有したキートップ151とが一体成形されるものである。
図30に示す入力装置170は、球面十字凸形状を有したキートップ付きの下部筐体11mを有している。下部筐体11mの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。下部筐体11mによれば、キートップ151の操作面は、図29に示したキートップ形状と異なり、球面十字凸形状に隆起している。下部筐体11mのキートップ151の内側の構造については、図18、図19又は図20Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図18、図19又は図20B参照)。
下部筐体11mは、例えば、キートップ151となる球面十字凸形状や、操作パネル18となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成すように形成される。これにより、キートップ151を有した入力装置170を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11mの内側であって、キートップ151に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例でキートップ151の球面十字凸形状は、図28に示した球面横一文字凸形状と、図29に示した球面縦一文字凸形状とを交差させた形状を有している。キートップ151は、球面横一文字凸形状に沿って摺動操作され、又は/及び、これと交差する球面縦一文字凸形状に沿って摺動操作される。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11mの一方の操作面から球面横一文字凸形状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧凸形状に盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11mの他方の操作面から球面縦一文字凸形状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧凸形状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
このように、第17の実施例に係る入力装置170によれば、下部筐体11mの操作パネル18と、球面十字凸形状を有したキートップ151とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置170を提供できるようになる。しかも、球面十字凸形状のキートップ151と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置170の組み立てが簡単になる。また、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーとほぼ類似の操作感覚が得られ、及び、当該球面十字凸形状のキートップ151は、情報を選択する情報選択キーとして応用できるようになる。
この例では、図30に示したようにキートップ151を下部筐体11mの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11mの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図31は、第18の実施例としての入力装置180の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、操作パネル18と、立体十字凸形状を有したキートップ152とが一体成形されて成る。キートップ152は、立体十字形状に沿って摺動操作され、また、その中央のキーパーツ86a及び十字状部位のキーパーツ86b〜86eで押下操作されるものである。
この例で、キートップ152は5個のキーパーツ86a〜86eを有して構成される。キーパーツ86aは、円柱状を有してキートップ152の中央部に配設され、例えば、アプリケーション決定キーとして使用される。キーパーツ86b〜86eは、所定の立体形状を有してキーパーツ86aを中心にして十字方向(縦(Y)方向及び横(X)方向)に配置角度90°を有して配設されている。
キーパーツ86bは、例えば、図示しない表示画面の下側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。キーパーツ86cは、同様にして、表示画面の上側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。キーパーツ86dは、同様にして、表示画面の左側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。キーパーツ86eは、同様にして、表示画面の右側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。
キートップ152は、第3の実施例と同様にして、操作パネル18の開口部82gを基準にした押下方向に対して可動自在に係合され、操作パネル18の操作面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の側部操作面に向かって盛り下がる凸部形状を十字形に有して、操作パネル18の操作面に沿って十字に摺動操作される。
図31に示す入力装置180は、枠体付きの下部筐体11n及び、立体十字凸形状を有したキートップ付きの操作パネル18から構成され、操作者の指等による摺動操作によって情報を入力するものである。下部筐体11nは枠体83を有しており、この枠体83で画定された部分には操作パネル18が取り付けられる。
この操作パネル18は数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作面を有している。下部筐体11nによれば、操作面にはキートップ152が設けられ、図30に示したキートップ形状と異なり、立体十字凸形状に隆起している。このキートップ152の下方側のセンサシート構造については、図18、図19又は図20Bに示したようなセンサ13の構造と異なり、パターン兼用の電極構造が採られる(図32〜図35参照)。
操作パネル18は、例えば、キートップ152となる立体十字凸形状や、当該操作パネル18となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った操作パネル成形用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成すように形成される。これにより、5つのキーパーツ86a〜86eから成るキートップ152を有した入力装置180を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11nの内側であって、キートップ152に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
図32は、静電センサシートを実装したFPC基板81の構成例を示す平面図である。この例では、入力装置180には、静電容量シート部材の一例を構成する、図32に示すようなフレキシブルな静電センサシート実装基板(以下単にFPC基板81という)が使用される。FPC基板81には3個のスルーホール88a〜88cが設けられると共に、シート状の検出電極の一例となる5箇所のセンサシート81a〜81eが設けられる。各々のセンサシート81a〜81eには静電容量シートが使用され、操作者の指30a等(図34参照)の摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するように動作する。
この例で、センサシート81a〜81eの検出電極は、一端が半円形で他端が矩形を有した半丸半角形状を有し、その一部、この例では半円形状部位がドーム状に隆起している。センサシート81aは、FPC基板81の表面において、配線パターン#01(中央)により引き出される。センサシート81bは、FPC基板81の表面において、配線パターン#04(下)により引き出される。センサシート81cは、FPC基板81の裏面からスルーホール88aを介して配線パターン#02(上)により引き出される。センサシート81dは、FPC基板81の表面において、配線パターン#05(左)により引き出される。センサシート81eは、FPC基板81の表面において、配線パターン#03(右)により引き出される。
上述のドーム状に隆起したセンサシート81aの検出電極部位がドームスイッチ85aの可動側の接点電極を構成する(以下メタルドーム部511という)。他のセンサシート81bの部位も同様にしてドームスイッチ85bの可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511となされ、センサシート81cの部位がドームスイッチ85cの可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511となされ、センサシート81dの部位がドームスイッチ85dの可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511となされ、センサシート81eの部位がドームスイッチ85eの可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511となされている。
この例でY方向のなぞりを検出する場合、制御部15等の演算系は、配線パターン#02,#01,#04を介して伝達される、センサシート81b,81a,81cの出力レベルを検出して重心演算を実行する。X方向のなぞりを検出する場合、制御部15等は、配線パターン#05,#01,#03を介して伝達される、センサシート81d,81a,81eの出力レベルを検出して重心演算を実行する。
この例でX−Y方向のなぞりを検出する場合、制御部15等は、上述した2つの演算を同時に実行する。また、回転方向のなぞりを検出する場合、制御部15等は、配線パターン#02,#03,#04,#05を介して伝達される、センサシート81b,81cの出力レベルを検出して重心演算を実行する。X方向のなぞりを検出する場合、制御部15等は、配線パターン#05,#01,#03を介して伝達される、センサシート81b〜81eの出力レベルを検出して重心演算を実行し、その後、重心演算によって得られた値を位相に変換するようになされる。
FPC基板81の一方の面(表面)には、ドーム状に隆起した部位を含むシート状のセンサシート81a〜81eが設けられると共に、センサシート81aでドーム状に隆起した部位の内側にはドームスイッチ85aを構成する固定側の接点電極512が設けられる。FPC基板81の他方の面(裏面)には、ドームスイッチ85aの固定側の接点電極512からスルーホール88cを介して引き出される配線パターン#00(GND)が設けられる。
同様にして、センサシート81bでドーム状に隆起した部位の内側にはドームスイッチ85bを構成する固定側の接点電極512が設けられ、上述のドームスイッチ85aの固定側の接点電極512に接続されてスルーホール88cを介して配線パターン#00(GND)に接続される。センサシート81cでドーム状に隆起した部位の内側にはドームスイッチ85cを構成する固定側の接点電極512が設けられ、上述のドームスイッチ85aの固定側の接点電極512に接続され、スルーホール88cを介して配線パターン#00(GND)に接続される。
センサシート81dでドーム状に隆起した部位の内側にはドームスイッチ85dを構成する固定側の接点電極512が設けられ、上述のドームスイッチ85aの固定側の接点電極512に接続され、スルーホール88cを介して配線パターン#00(GND)に接続される。センサシート81eでドーム状に隆起した部位の内側にはドームスイッチ85eを構成する固定側の接点電極512が設けられ、上述のドームスイッチ85aの固定側の接点電極512に接続され、スルーホール88cを介して配線パターン#00(GND)に接続される。
上下・左右・中央の5つのドームスイッチ85a〜85eで「決定」を操作入力する場合、ドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511の変形により、配線パターン#00(GND)と配線パターン#02(上)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#04(下)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#05(左)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#03(右)とが接続され、あるいは、配線パターン#00(GND)と配線パターン#01(中央)とが接続される。配線パターン#01〜#05は制御部15に接続され、センサシート81a〜81bの各々のなぞり検出信号S01〜S05は制御部15に出力される。
この例で、FPC基板81の表面側には5個のLED素子87a〜87eが配置される。LED素子87aはFPC基板81の表面側において、ドームスイッチ85aの右側に設けられる。同様にして、LED素子87bはドームスイッチ85bの下側に設けられ、LED素子87cはドームスイッチ85cの上側に設けられ、LED素子87dはドームスイッチ85dの左側に設けられ、LED素子87eはドームスイッチ85eの右側に設けられる。
この例で、ドームスイッチ85aの固定側の接点電極512には、LED素子87aを取り付けるための−側の電極がFPC基板81の表面で接続される。同様にしてドームスイッチ85bの固定側の接点電極512には、LED素子87bを取り付けるための−側の電極が接続される。ドームスイッチ85cの固定側の接点電極512には、LED素子87cを取り付けるための−側の電極が接続される。ドームスイッチ85dの固定側の接点電極512には、LED素子87dを取り付けるための−側の電極が接続される。ドームスイッチ85eの固定側の接点電極512には、LED素子87eを取り付けるための−側の電極が接続される。
LED素子87a,87c〜87eの4個の+側の電極はFPC基板81の表面において、配線パターン#06(LED+)に接続されて引き出される。LED素子87bの+側の1個の電極はFPC基板81の裏面からスルーホール88bを介して配線パターン#06(LED+)に接続される。LED素子87a,87c〜87eは、配線パターン#06と配線パターン#00との間に所定の電圧を印加することで点灯するようになる。
このような電極構造によって、なぞり検出用のセンサシート81a〜81eと、ドームスイッチ85a〜85eの可動側の接点電極とが一体化されたFPC基板81を提供できるようになる。なお、入力装置180の検出感度例については、現在、特許出願中(2007−246071)の「入力装置及び電子機器」を参照されたい。
図33は、入力装置180の組立例を示す斜視図である。この実施例では、なぞり機能を実現するためのセンサシート81a〜81eにおけるなぞり検出用の電極パターンと、ON/OFF機能を実現するドームスイッチ85a等におけるメタルドーム部511がいずれも金属で形成可能なことに着目し、ドームスイッチ85a等のメタルドーム部511をなぞり検出用のセンサシート81a〜81eとして兼用せしめる電極構造を採用している。
これらを製造組立条件にして、まず、図33に示す操作パネル18を準備する。操作パネル18は、例えば、キートップ152となる立体十字凸形状や、当該操作パネル18となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った操作パネル成形用の金型に樹脂を封入してキートップ152の部分が凸形状を成すように形成する。
操作パネル成形用の金型は、キートップ152が5個のキーパーツ86a〜86eを有するように設計する。キーパーツ86aは、円柱状を有してキートップ152の中央部に配設され、例えば、アプリケーション決定キーとして使用される。キーパーツ86b〜86eは、所定の立体形状を有してキーパーツ86aを中心にしてXY方向に配置角度90°を有するように設計する。なお、キートップ152においては、キーパーツ86aと押し子82aとを最初から同一の樹脂素材等により一体的に成形したものを使用してもよい。他のキーパーツ86b〜86eについても同様である。
このような操作パネル18が準備できたら、ゴムシート部82fを準備する。ゴムシート部82fは静電センサシートの誘電体を形成する。ゴムシート部82fにはシリコンゴムが使用される。この例で、ゴムシート部82fは、キートップ152の中心部に位置する部分、すなわち、キーパーツ86aの非操作面側及び、キーパーツ86aを中心して4個のキーパーツ86b〜86eを十字状に配置する。ここに配置された各々の非操作面側のゴムシート部82fに、凸状の押し子82a〜82eを形成する。
この例では、キーパーツ86aに対応して押し子82aを取り付ける。同様にして、キーパーツ86bに対応して押し子82bを取り付け、キーパーツ86cに対応して押し子82cを取り付け、キーパーツ86dに対応して押し子82dを取り付け、キーパーツ86eに対応して押し子82eを取り付けるようにする。
ゴムシート部82fが準備できたら、FPC基板81を準備する。FPC基板81には、5個の押下操作用のドームスイッチ85a,85b,85c,85d,85e及び、これらのドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511がセンサシート81a〜81eのなぞり検出用の電極パターンを兼用できるものを使用する。FPC基板81にはセンサシート81a〜81eの他に、ドライバ用のIC装置45や、図32に示したような5個のLED素子87a,87b,87c,87d,87eを実装する。
操作パネル18、ゴムシート部82f及びFPC基板81が準備できたら、最初に図31に示した下部筐体11nにFPC基板81を取り付ける。下部筐体11nには金属製又は樹脂製のものを用意する。その後、FPC基板81上にゴムシート部82fと操作パネル18とを位置合わせして、ゴムシート部82f及び操作パネル18の順に積層する。
このとき、ゴムシート部82fに取り付けられた5つの押し子82a〜82eと、キートップ152の5つのキーパーツ86a〜86eと、5つのドームスイッチ85a〜85eを位置合わせして実装する。例えば、ゴムシート部82fの押し子82aとドームスイッチ85aとを位置合わせし、同押し子82bとドームスイッチ85bとを位置合わせし、同押し子82cとドームスイッチ85cとを位置合わせし、同押し子82dとドームスイッチ85dとを位置合わせし、同押し子82eとドームスイッチ85eとを位置合わせする。
このようにすると、5つのキーパーツ86a〜86eが設けられた操作パネル18と、5つのドームスイッチ85a〜85eが設けられたFPC基板81との間に、上述の位置合わせ状態のゴムシート部82fを再現性良く挟み込むことができる。この状態の操作パネル18を下部筐体11nの枠体83に固定することにより、図31に示したような入力装置180が完成する。
図34は、入力装置180の内部構成例を示す断面図である。図34に示す入力装置180はFPC基板81を有しており、FPC基板81は操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するシート状のセンサシート81a〜81eを有している。FPC基板81上にはゴムシート部82fを介在させてキートップ152が組み合わされる。
キートップ152は5個のキーパーツ86a〜86eを有し、かつ、所定の高さ及び幅を有した立体十字凸形状を成している。ゴムシート部82fはセンサシート81a〜81eの全面を覆うように設けられる。キートップ152は、立体十字凸形状に沿って摺動操作され、又は/及び押下操作される。センサシート81a〜81eのなぞり検出用の電極パターンは、ドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511を兼ね備えるものである。
この例で、キーパーツ86aは、入力操作時、ドームスイッチ85aを押下してオンするように操作される。同様にして、キーパーツ86bはドームスイッチ85bを押下してオンするように操作される。キーパーツ86cはドームスイッチ85cを押下してオンするように操作される。図34には示していないキーパーツ86dはドームスイッチ85dを押下してオンするように操作される。同様に図示しないキーパーツ86eは、ドームスイッチ85eを押下してオンするように操作される。
この例では、センサシート81a〜81eで操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ152で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状のキートップ152を挟んだ操作パネル18の左右の操作面と、上下の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。この形状のキートップ152は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、カメラ起動時、光学レンズのズーム量を調整する際にズーム調整ピッチを円滑に設定できるようになる。
これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11nの一方の操作面から立体十字凸形状の一の円弧状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって同円弧状に沿って盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11nの他方の操作面から他の円弧状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって同円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。なお、図中、taはゴムシート部82fとセンサシート81d等との間を成す部品間距離であり、部品間距離taは約0.27mmである。このような電極構造を採用することによって、入力装置180の薄型化できるようになった。
続いて、入力装置180におけるドームスイッチ85a等の動作例について説明する。図35A及びBは、ドームスイッチ85a等の動作例を示す断面図である。図35Aに示すドームスイッチ85aはオフの状態である。この状態は、FPC基板81の固定側の接点電極512に対してドームスイッチ85a等で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511が離れている場合であり、両接点間が電気的に絶縁状態を保持している場合である。
図35Bに示すドームスイッチ85aはオンの状態である。この状態はキーパーツ86aが押下操作され、ドームスイッチ85aをオンするように操作された結果により生ずる。このオン状態によれば、FPC基板81の固定側の接点電極512に対してドームスイッチ85a等のメタルドーム部511が撓んで、その可動側の接点電極が固定側の接点電極512に接触し、両接点間が電気的に導通状態を保持するようになった場合である。
同様にして、キーパーツ86bは、ドームスイッチ85bを押下してオンするように操作される。キーパーツ86cは、ドームスイッチ85cを押下してオンするように操作される。キーパーツ86dは、ドームスイッチ85dを押下してオンするように操作される。キーパーツ86eは、ドームスイッチ85eを押下してオンするように操作される。上述のような電極構造を採用すると、入力装置180の小型化が図られ、携帯電話機等の電子機器のコストダウンを図ること、及び、FPC基板の折り曲げ工程等を削減できることから製造プロセスの簡素化が実現できるようになった。
このように、第18の実施例に係る入力装置180によれば、下部筐体11nの操作パネル18と、立体十字凸形状を有したキートップ152とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置180を提供できるようになる。しかも、立体十字凸形状のキートップ152と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置180の組み立てが簡単になる。また、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーとほぼ類似の操作感覚が得られ、及び、当該立体十字凸形状のキートップ152は、情報を選択する情報選択キーとして応用できるようになる。
なお、上述したキートップ141〜143,148〜152は、第1の実施例のキートップ14の機能として利用することができ、キートップ144〜147は、ドームスイッチ機能を除く、第1の実施例のキートップ14の機能として利用することができる。
この例では、図31に示したようにキートップ152を下部筐体11nの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11nの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
続いて、変形例としての入力装置180’について説明する。図36A及びBは、変形例としてのFPC基板801の表裏の構成例を示す平面図である。この変形例では、FPC基板801に6個のスルーホール88d〜88iが設けられ、当該FPC基板801の表裏に異なった電極パターンを形成可能な構造が採れることに着目し、FPC基板801の表面にセンサシート81a’〜81e’を配置し、その裏面にドームスイッチ85a〜85eを配置している。そして、各々のドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511を操作面に対して逆向きに取り付ける場合を前提としている。
この例でも、入力装置180’には、図36A及びBに示すようなフレキシブルな静電センサシート実装基板(以下単にFPC基板801という)が使用される。図36Aに示すシート状のFPC基板801の表面側には、なぞり検出用のセンサシート81a’〜81e’が配置され、センサシート81a’〜81e’は静電センサシートを構成する。FPC基板801の表面に設けられたセンサシート81a’〜81e’は、キートップ152への操作者の指30a等(図40参照)の摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するように動作する。
この例で、センサシート81a’〜81e’の検出電極は、一辺の長さが等しい正方形状を有している。この例では第18の実施例のように検出電極が隆起しているわけでない。センサシート81a’は、FPC基板801の表面において、配線パターン#01(中央)により引き出される。センサシート81b’は、FPC基板801の表面において、配線パターン#04(下)により引き出される。センサシート81c’は、FPC基板801の表面において、配線パターン#02(上)により引き出される。
センサシート81d’は、FPC基板801の表面において、配線パターン#05(左)により引き出される。センサシート81e’は、FPC基板801の表面において、配線パターン#03(右)により引き出される。配線パターン#01〜#05は制御部15に接続され、センサシート81a’〜81e’の各々のなぞり検出信号S01〜S05は制御部15に出力される。位置検出信号#S1は、例えば、なぞり検出信号S01〜S05の論理和出力値である。
この例でY方向のなぞりを検出する場合、制御部15等の演算系は、配線パターン#02,#01,#04を介して伝達される、センサシート81b’,81a’,81c’の出力レベルを検出して重心演算を実行する。X方向のなぞりを検出する場合、制御部15等は、配線パターン#05,#01,#03を介して伝達される、センサシート81d’,81a’,81e’の出力レベルを検出して重心演算を実行する(図42参照)。
この例でX−Y方向のなぞりを検出する場合、制御部15は、上述した2つの演算を同時に実行する。また、回転方向のなぞりを検出する場合、制御部15は、配線パターン#02,#03,#04,#05を介して伝達される、センサシート81b’,81c’の出力レベルを検出して重心演算を実行する。X方向のなぞりを検出する場合、制御部15は、配線パターン#05,#01,#03を介して伝達される、センサシート81b’〜81e’の出力レベルを検出して重心演算を実行し、その後、重心演算によって得られた値を位相に変換するようになされる。
図36Bに示すFPC基板801の裏面側には、5個のドームスイッチ85a〜85eが配置されている。ドームスイッチ85a〜85eの各々が直径dφ、例えば、dφ=2.8mm程度のメタルドーム部511を有している。メタルドーム部511は、ドームスイッチ85a〜85eの各々の可動側の接点電極を構成し、ドーム状部位の下面はC形状を成している。
FPC基板801の裏面において、ドームスイッチ85aのドーム状に隆起したメタルドーム部511の内側には当該ドームスイッチ85aを構成する固定側の接点電極512が設けられる。他のドームスイッチ85b〜85eにおいても同様にして、固定側の接点電極512が設けられる。ドームスイッチ85a〜85eの各々の固定側の接点電極512は、FPC基板801の裏面側において、メタルドーム部511の下方のC形状部位の開放端間を通過して配線される。その各々の固定側の接点電極512は相互に接続され、スルーホール88gを介して表面側に引き出される配線パターン#06(LED+)に接続される。
ドームスイッチ85aで可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88eを介してその表面側に引き出される配線パターン#01(中央)に接続される。ドームスイッチ85bで可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88hを介してその表面側に引き出される配線パターン#04(下)に接続される。ドームスイッチ85cで可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88dを介してその表面側に引き出される配線パターン#02(上)に接続される。
ドームスイッチ85dで可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88iを介してその表面側に引き出される配線パターン#05(左)に接続される。ドームスイッチ85eで可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88iを介してその表面側に引き出される配線パターン#03(右)に接続される。
上下・左右・中央の5つのドームスイッチ85a〜85eで「決定」を操作入力する場合、ドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511の変形により、配線パターン#00(GND)と配線パターン#02(上)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#04(下)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#05(左)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#03(右)とが接続され、あるいは、配線パターン#00(GND)と配線パターン#01(中央)とが接続される。
この例でFPC基板801の表面側に2個のLED素子87a,87bが配置される。LED素子87a,87bはFPC基板801の表面側において、ドームスイッチ85cの上部側に設けられる。LED素子87a,87bの−側の電極は配線パターン#00(GND)に接続され、その+側の電極が配線パターン#06(LED+)に接続される。LED素子87a,87bは、配線パターン#06と配線パターン#00との間に所定の電圧を印加することで点灯するようになる。
このような電極構造によって、なぞり検出用のセンサシート81a’〜81e’と、ドームスイッチ85a〜85eの可動側の接点電極とが表面側と裏面側とに分離されたFPC基板801を提供できるようになる。なお、入力装置180’の検出感度例については、現在、特許出願中(2007−246071)の「入力装置及び電子機器」を参照されたい。なお、センサシート81a’〜81e’のなぞり検出用のパターンは、図37A〜Eに示すものであってもよい。
図37A〜Eは、入力装置180や180’等に適用可能ななぞり検出用の他のパターンの構成例を示す平面図である。図37Aに示すなぞり検出用のパターンSP1は、1つが正方形状を有した4個のセンサシートから構成される。4個のセンサシートは、キートップ152の下部において、その座標系の第1象限〜第4象限に1つずつ配置される。
図37Bに示すなぞり検出用のパターンSP2は、1つが正方形状を有した9個のセンサシートから構成される。9個のセンサシートは、キートップ152の下部においてマトリクス状に井桁に配置される。図37Cに示すなぞり検出用のパターンSP3は、1つが扇状を有した8個のセンサシートから構成される。8個のセンサシートは、キートップ152の下部において円形状に配置される。
図37Dに示すなぞり検出用のパターンSP4は、1つが長方形状を有した8個のセンサシート及び、円形状を有した1個のセンサシートから構成される。8個のセンサシートは、キートップ152の下部において円形状を有したセンサシートの円周に円形状に放射状に配置される。
図37Eに示すなぞり検出用のパターンSP5は、1つが櫛形状を有した6個のセンサシートから構成される。2個のセンサシートの櫛形状部位を噛み合わせて3組の噛み合わせパターンとし、この3組の噛み合わせパターンを並べて配置するようになされる。これらによっても、操作者の指30a等の摺動位置を検出できるようになる。もちろん、これらのなぞり検出用のパターンSP1〜SP5をドームスイッチ85の接点電極のパターンに応用してもよい。
図38は、変形例としての入力装置180’の組立例を示す斜視図である。この変形例では、FPC基板801の表裏に異なった電極パターンを形成可能な構造が採れることに着目し、FPC基板801の表面側にセンサシート81a’〜81e’を配置し、その裏面側にドームスイッチ85a〜85eを配置している。そして、各々のドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511を操作面に対して逆向きに取り付ける場合を前提としている。
これらを製造組立条件にして、まず、図38に示す操作パネル18を準備する。操作パネル18については、キートップ152を含めて第18の実施例で説明しているのでその説明を省略する。
このような操作パネル18が準備できたら、ゴムシート部82f’を準備する。ゴムシート部82f’は静電センサシートの誘電体を形成する。ゴムシート部82f’にはシリコンゴムが使用される。この例では押し子はドームスイッチ85a等の下方に設けられるので、キーパーツ86a等に対応した押し子82a等の取り付け工程や一体化の成形工程が省略される。
ゴムシート部82f’が準備できたら、FPC基板801を準備する。この例で、FPC基板801の表面側においては、なぞり検出用の電極パターンを形成して5箇所のセンサシート81a’〜81e’を配置する。FPC基板801の表面側にはセンサシート81a’〜81e’の他に、ドライバ用のIC装置45や、図36Aに示したような2個のLED素子87a,87bを実装する。
FPC基板801の裏面側においては、可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511及び固定側の接点電極512を形成して、5個のドームスイッチ85a〜85eを配置する。各々のドームスイッチ85a〜85eの下方には押し子に相当する突起部を設ける。例えば、ドームスイッチ85aのメタルドーム部511の下方に突起部82a’を形成し、ドームスイッチ85bのメタルドーム部511の下方に突起部82b’を形成し、ドームスイッチ85cのメタルドーム部511の下方に突起部82c’を形成し、ドームスイッチ85dのメタルドーム部511の下方に突起部82d’を形成し、ドームスイッチ85eのメタルドーム部511の下方に突起部82e’を形成する。
操作パネル18、ゴムシート部82f’及びFPC基板801が準備できたら、最初に図31に示したような下部筐体11nにFPC基板801を取り付ける。下部筐体11nには金属製又は樹脂製のものを用意する。この例で、下部筐体11nには、突起部82a’〜82e’が当接され、更に、ドームスイッチ85a〜85eの各々のメタルドーム部511が撓む程度の強固な平面部89が設けられる。そして、FPC基板801上にゴムシート部82f’と操作パネル18とを位置合わせして、ゴムシート部82f’及び操作パネル18の順に積層する。
このようにすると、5つのキーパーツ86a〜86eが設けられた操作パネル18と、5つのドームスイッチ85a〜85eが設けられたFPC基板801との間に、上述の位置合わせ状態のゴムシート部82f’を再現性良く挟み込むことができる。この状態の操作パネル18を下部筐体11nの枠体83に固定することにより、入力装置180’が完成する(図31参照)。
図39は、キートップ152の個々のキーパーツ86a〜86cの幅とドームスイッチ85a〜85c等の幅との関係例を示す入力装置180’の断面図である。図39に示す入力装置180’はFPC基板801を有しており、その表面側に図38で示したようなセンサシート81a’〜81e’が配置され、その裏面側にはドームスイッチ85a〜85eが配置されている。当該FPC基板801上にはゴムシート部82f’を介在させてキートップ152が組み合わされる。
キートップ152は5個のキーパーツ86a〜86eを有し、かつ、所定の高さ及び幅を有した立体十字凸形状を成している。ゴムシート部82f’は図示しないセンサシート81a’〜81e’の全面を覆うように設けられる。キートップ152は、立体十字凸形状に沿って摺動操作され、又は/及び押下操作される。
この例でも、センサシート81a’〜81e’で操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ152で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状のキートップ152を挟んだ操作パネル18の左右の操作面と、上下の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。
この例では、更に、図39に示すキートップ152のキーパーツ86aの幅をα1とし、ドームスイッチ85aの幅をβ1としたとき、当該キーパーツ86aの幅α1とドームスイッチ85aの幅β1との間にはα1>β1なる関係が設定される。同様にして、キーパーツ86bの幅をα2とし、ドームスイッチ85bの幅をβ2としたとき、当該キーパーツ86bの幅α2とドームスイッチ85bの幅β2との間にはα2>β2なる関係が設定される。キーパーツ86cの幅をα3とし、ドームスイッチ85cの幅をβ3としたとき、当該キーパーツ86cの幅α3とドームスイッチ85cの幅β3との間にはα3>β3なる関係が設定される。
このように、キーパーツ86aの幅α1とドームスイッチ85aの幅β1との間にα1>β1なる関係を設定すると、キーパーツ86aから、ゴムシート部82f’を介してドームスイッチ85aへ押圧力が再現性良く伝達され、そのメタルドーム部511を撓ませることができ、オン及びオフ操作を精度良く実行できるようになる。他のキーパーツ86b〜86eとドームスイッチ85b〜85eについても同様に設定されるので、ドームスイッチ85b〜85eにおいても、そのメタルドーム部511を各々の撓ませることができ、オン及びオフ操作を精度良く実行できるようになる。
図40は、入力装置180’の内部構成例を示す断面図である。図40に示す入力装置180’はFPC基板801を有しており、FPC基板801は、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するシート状のセンサシート81a’〜81e’を有している。
この例で、キーパーツ86aは、入力操作時、ドームスイッチ85aを押下してオンするように操作される(図41参照)。同様にして、キーパーツ86bはドームスイッチ85bを押下してオンするように操作される。キーパーツ86cはドームスイッチ85cを押下してオンするように操作される。図40には示していないキーパーツ86dはドームスイッチ85dを押下してオンするように操作される。同様に図示しないキーパーツ86eは、ドームスイッチ85eを押下してオンするように操作される。
これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11nの一方の操作面から立体十字凸形状の一の円弧状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって同円弧状に沿って盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11nの他方の操作面から他の円弧状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって同円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。なお、図中、ta’はゴムシート部82f’のセンサシート81d’との間を成す部品間距離であり、部品間距離ta’は約0.27mmである。このような電極構造を採用することによって、入力装置180’の薄型化できるようになった。
続いて、入力装置180’におけるドームスイッチ85a等の動作例について説明する。図41A及びBは、ドームスイッチ85a等の動作例を示す断面図である。図41Aに示すドームスイッチ85aはオフの状態である。この状態は、FPC基板801の固定側の接点電極512に対してドームスイッチ85a等で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511が離れている場合であり、両接点間が電気的に絶縁状態を保持している場合である。
図41Bに示すドームスイッチ85aはオンの状態である。この状態はキーパーツ86aが押下操作され、ドームスイッチ85aをオンするように操作された結果により生ずる。このオン状態によれば、FPC基板801の固定側の接点電極512に対してドームスイッチ85a等でメタルドーム部511の突起部82a’が下部筐体11n内の強固な平面部89に当接し、当該メタルドーム部511が撓んで、その可動側の接点電極が固定側の接点電極512に接触し、両接点間が電気的に導通状態を保持するようになった場合である。
同様にして、キーパーツ86bは、ドームスイッチ85bを押下してオンするように操作される。キーパーツ86cは、ドームスイッチ85cを押下してオンするように操作される。キーパーツ86dは、ドームスイッチ85dを押下してオンするように操作される。キーパーツ86eは、ドームスイッチ85eを押下してオンするように操作される。上述のような電極構造を採用すると、入力装置180’の小型化が図られ、携帯電話機等の電子機器のコストダウンを図ること、及び、FPC基板の折り曲げ工程等を削減できることから製造プロセスの簡素化が実現できるようになる。
ここで、図42A〜Cを参照して、ドームスイッチ85a等の可動側の接点電極を成すメタルドーム部511と、その固定側の接点電極512との電極・配線交差構造例について説明する。この例では、メタルドーム部511や、メタルドーム部511’を横切る配線パターンは、非押下操作時、原則的に、当該メタルドーム部511や、メタルドーム部511’等に接しない位置を通過するように配線される。図42Aは、図39に示したFPC基板801に適用されるメタルドーム部511の形状例を示す斜視図である。図42Aに示すメタルドーム部511によれば、半球状を成している。
図32に示したように、メタルドーム部511がFPC基板81の表面側に存在し、その内側の固定側の接点電極512が当該FPC基板81の裏面側から引き出される場合は、配線パターンの断線問題は懸念されない。しかし、図36Bに示したようにFPC基板801の裏面側において同一平面内にドームスイッチ85a等の可動側の接点電極を成すメタルドーム部511と、その固定側の接点電極512とが混在する場合、入力操作時、にキートップ152等の下方向への押圧力により、配線パターンに対して剪断応力を与えるおそれが懸念される。
そこで、この例では電極・配線交差構造を採るために、半球状のメタルドーム部511の両側端部をカットするようにした。図42Bは、メタルドーム部511のカット例を示す斜視図である。図42Bに示すメタルドーム部511のカット例によれば、ドーム状に隆起した部位を有するドームスイッチ85a等の可動側の接点電極を切断面Ca,Cbを基準にして、そのドーム状部位の両側端部を切断するようになされる。
図42Cは、サイドカットタイプのメタルドーム部511’の形状例を示す斜視図である。図42Cに示すサイドカットタイプのドームスイッチ85a’によれば、その可動側の接点電極を成すメタルドーム部511’が、ドーム状部位の両側端部が切断されたカット形状を成している。
この両側端部が切断されたカット形状のサイドカットタイプのメタルドーム部511’をFPC基板801の裏面側に実装する。その際に、メタルドーム部511’の押下投影領域に固定側の接点電極512を配置し、当該接点電極512から延在する配線パターンをサイドカットタイプのメタルドーム部511’の一側端部であって、その押下投影領域以外に配置するように電気配線を行う。
このような電極・配線交差構造を採ると、入力操作時、メタルドーム部511’が配線パターンに対して剪断応力を与える事態を回避できるようになる。この結果、FPC基板801の固定側の接点電極512から延在する配線パターンの断線を防止できるようになる。もちろん、配線パターンの断線を防止する方法は、これに限られることはなく、メタルドーム部511’の押下投影領域を横切る配線パターンの幅を他の配線領域に比べて局地的に太くなるように拡幅してもよい。このようにすると、メタルドーム部511’の押下投影領域で拡幅された配線パターンに押圧力が加わるが、拡幅されていない配線パターンに比べてパターン剪断耐力を向上できるようになる。
また、メタルドーム部511’等を横切る配線パターンに関しては、そのメタルドーム部511’のC字形状の開放部を円形状に結ぶ仮想円形状に沿って、当該配線パターンが仮想円形に準外接(または直行しない)する形態で配線パターンをFPC基板801に配置するようにしてもよい。このようにすると、メタルドーム部511’の押下投影領域で仮想円形状に沿って配置された配線パターンに押圧力が加わるが、接点電極512から直線状に延在する配線パターンに比べて、メタルドーム部511’の縁部位と配線パターンの斜め交差部位との接触部分が長くなることから、パターン剪断耐力を向上できるようになる。
図43は、入力装置180”におけるドームスイッチ85a’〜85e’の配置例を示す平面図である。図43に示す入力装置180”によれば、パターン断線を防止するためにFPC基板801において、メタルドーム部511’の接地部位を避けて、グランド(GND)端子の配線パターン#00を引き回すような電極・配線交差構造を採るようになされる。
図43に示すFPC基板801の裏面側には、5個のドームスイッチ85a’〜85e’が配置されている。サイドカットされたメタルドーム部511’を有している。メタルドーム部511’は、ドームスイッチ85a等で示した直径dφ=2.8mm程度のメタルドーム部511の両側端部をカットしたものである(図42C参照)。これは剪断による配線パターン#00等の切断を防止するためである。メタルドーム部511’は、ドームスイッチ85a’〜85e’の各々の可動側の接点電極を構成し、ドーム状部位の下面はC形状を成している。
FPC基板801の裏面において、ドームスイッチ85a’のドーム状に隆起したメタルドーム部511’の内側には当該ドームスイッチ85a’を構成する固定側の接点電極512が設けられる。他のドームスイッチ85b’〜85e’においても同様にして、固定側の接点電極512が設けられる。ドームスイッチ85a’〜85e’の各々の固定側の接点電極512は、FPC基板801の裏面側において、メタルドーム部511’の下方のC形状部位の開放端間を通過して配線される。その各々の固定側の接点電極512は相互に接続され、スルーホール88gを介して表面側に引き出される配線パターン#06(LED+)に接続される。
ドームスイッチ85a’で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511’は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88eを介してその表面側に引き出される配線パターン#01(中央)に接続される。ドームスイッチ85b’で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511’は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88hを介してその表面側に引き出される配線パターン#04(下)に接続される。ドームスイッチ85c’で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511’は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88dを介してその表面側に引き出される配線パターン#02(上)に接続される。
ドームスイッチ85d’で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511’は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88iを介してその表面側に引き出される配線パターン#05(左)に接続される。ドームスイッチ85e’で可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511’は、FPC基板801の裏面側から、スルーホール88iを介してその表面側に引き出される配線パターン#03(右)に接続される。
上下・左右・中央の5つのドームスイッチ85a’〜85e’で「決定」を操作入力する場合、ドームスイッチ85a’〜85e’のメタルドーム部511’の変形により、配線パターン#00(GND)と配線パターン#02(上)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#04(下)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#05(左)とが接続され、配線パターン#00(GND)と配線パターン#03(右)とが接続され、あるいは、配線パターン#00(GND)と配線パターン#01(中央)とが接続される(図36A参照)。
このように入力装置180”によれば、上述した電極・配線交差構造を備えるので、メタルドーム部511’の押下操作によりFPC基板801の配線パターン#00に掛かる剪断応力を緩和できるようになる。
図44は、入力装置180’のなぞり検出時の動作例を示す平面図である。図44に示す配線パターン#01〜#05は制御部15に接続され、センサシート81a’〜81e’の各々のなぞり検出信号S01〜S05は制御部15に出力される。図中、白抜き矢印は、図38に示したキートップ152上のなぞり方向である。この変形例では、縦なぞりモード、横なぞりモード及び円盤なぞりモードが備えられる。
図44に示す縦方向の白抜き矢印Iaは、縦なぞりモード時の摺動操作方向であり、そのなぞり検出範囲に対応している。ここにセンサシート81a’のなぞり検出領域を「5」とし、センサシート81b’のなぞり検出領域を「3」とし、センサシート81c’のなぞり検出領域を「1」とし、センサシート81d’のなぞり検出領域を「4」とし、センサシート81e’のなぞり検出領域を「2」としたとき、縦なぞりモードが設定されると、制御部15は、「1→5→3」の順、又は、その逆方向「3→5→1」の順に、各隣接する電極パターン間の検出感度を重心計算するようになされる。
例えば、センサシート81c’は配線パターン#02を介してなぞり検出信号S02を制御部15に出力する。センサシート81a’は配線パターン#01を介してなぞり検出信号S01を制御部15に出力する。センサシート81b’は配線パターン#04を介してなぞり検出信号S04を制御部15に出力する。制御部15はセンサシート81c’からのなぞり検出信号S02、センサシート81a’からのなぞり検出信号S01及び、センサシート81b’からのなぞり検出信号S04に基づいて電極パターン間の検出感度を算出し、重心計算を実行する。これにより、縦なぞりモード時、操作者の指30aの位置又は指30aの移動方向及び移動量を検出できるようになる。
図44に示す横方向の白抜き矢印Ibは、横なぞりモード時の摺動操作方向であり、そのなぞり検出範囲に対応している。この横なぞりモードが設定されると、制御部15は、「4→5→2」の順、又は、その逆方向「2→5→4」の順に、各隣接する電極パターン間の検出感度を重心計算するようになされる。
例えば、センサシート81d’は配線パターン#05を介してなぞり検出信号S05を制御部15に出力する。センサシート81a’は配線パターン#01を介してなぞり検出信号S01を制御部15に出力する。センサシート81e’は配線パターン#03を介してなぞり検出信号S03を制御部15に出力する。制御部15はセンサシート81d’からのなぞり検出信号S05、センサシート81a’からのなぞり検出信号S01及び、センサシート81e’からのなぞり検出信号S03に基づいて電極パターン間の検出感度を算出し、重心計算を実行する。これにより、横なぞりモード時、操作者の指30aの位置又は指30aの移動方向及び移動量を検出できるようになる。上述のようなキートップ152上を十字状になぞられる、縦なぞりモード及び横なぞりモードを総称して、以下、クロスJOGモードという。
また、図44に示す円方向の白抜き矢印Icは、円盤なぞりモード時の摺動操作方向であり、そのなぞり検出範囲に対応している。この円盤なぞりモードが設定されると、制御部15は、「1→2→3→4→1」の順、又は、その逆方向「1→4→3→2→1」の順に、各隣接する電極パターン間の検出感度を重心計算するようになされる。
例えば、センサシート81c’は配線パターン#02を介してなぞり検出信号S02を制御部15に出力する。センサシート81e’は配線パターン#03を介してなぞり検出信号S03を制御部15に出力する。センサシート81b’は配線パターン#04を介してなぞり検出信号S04を制御部15に出力する。センサシート81d’は配線パターン#05を介してなぞり検出信号S05を制御部15に出力する。
制御部15は、センサシート81c’からのなぞり検出信号S02、センサシート81e’からのなぞり検出信号S03、センサシート81b’からのなぞり検出信号S04及び、センサシート81d’からのなぞり検出信号S05に基づいて電極パターン間の検出感度を算出し、重心計算を実行する。このようなキートップ152上を360度回転するようになぞられる円盤なぞりモード時、操作者の指30aの位置又は指30aの移動方向及び移動量を検出できるようになる。上述の円盤なぞりモードを以下、ディスクJOGモードという。
図45A及びBは、携帯電話機104の構成例及びその操作画面の表示例を示す説明図である。図45Aに示す携帯電話機104は、電子機器の一例を構成し、折り畳み形式の上部筐体11x及び下部筐体11yを有して構成される。上部筐体11xには表示部29が設けられ、その表示画面には各種モードを設定するためのTOP画面等の入力操作映像を表示するようになされる。
下部筐体11yには、図36に示したような入力装置180’が実装され、操作者の指30aによる摺動操作によって情報を入力するようになされる。下部筐体11yは操作面を有した操作パネル18を備える。操作パネル18にはキートップ152が設けられ、図38に示したようなセンサシート81a’〜81e’の全面を覆うように設けられ、キートップ152が下部筐体11yの操作面に沿って摺動操作される。キートップ152は、下部筐体11yの一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を含み構成される。
入力装置180’は図38に示したようなFPC基板801を備え、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力し、なぞり検出信号S01〜S05を出力するセンサシート81a’〜81e’が実装されている。FPC基板801は、操作者の指30aのキートップ152への押し込み操作によってオン又は/及びオフするドームスイッチ85a〜85eを含み構成される(図39参照)。
次に、入力装置180’とアプリケーションとの関係例を説明する。図45Aに示す携帯電話機104によれば、操作パネル18上で、白抜き矢印に示すように360度なぞり操作又は/及び十字状になぞり操作される。携帯電話機104は、ユーザの好みに応じてTOP画面から各操作モードを選択するように使用される。この例では、次のような設定操作を実行することで、なぞりモードがクロスJOGモード又はディスクJOGモードに固定される。ユーザは自分自身が決定したなぞりモードによって、各種アプリケーションを操作できるようになる。
図45Bは、表示部29におけるTOP画面の表示例を示す説明図である。図45Aに示す表示部29には、TOP画面の名称「TOP」の文字映像と共に、「1:マイメニュー 2:マイメディア 3:メール 4:カメラ 5:WEB 6:GPS 7:設定」に関する文字アイコン映像を表示するようになされる。この例で、「7:設定」が選択されると、文字色等が反転される。表示画面の下方に「Top」や、「終了」等の文字アイコン映像が表示されている。
図46A〜Dは、表示部29におけるモード設定例を示す状態遷移図である。図46Aは、表示部29における設定画面の表示例を示す図である。この例では、図45Bに示した表示部29で「7:設定」が選択されているので、図46Aに示すような「設定」の画面に表示が切り替わる。この「設定」の画面には、「1:音設定 2:アラーム設定 3:navi Key設定 4:カメラ設定 5:GPS設定」に関する文字アイコン映像を表示するようになされる。表示画面の下方に「Top」や、「終了」等の文字アイコン映像が表示されている。
図46Bは表示部29におけるnavi−Key設定例を示す図である。この例では、図46Aに示した表示部29で「3:navi Key設定」が選択されているので、図46Bに示すようなnavi−Key設定画面に表示が切り替わる。navi−Key設定画面には、「クロスJOGモード ディスクJOGモード スライド機能なし」に関する文字アイコン映像を表示するようになされる。
図46Cは、navi−Key設定画面におけるクロスJOGモードの設定例を示す図である。この例では、図46Bで「クロスJOGモード」が選択されると、「クロスJOGモード」の文字色が反転表示される。これと共に、図46Cに示すnavi−Key設定画面の中で「クロスJOGモードに設定しました。」の文字映像に表示が切り替わる。この文字映像の下方には「項目の選択は上下又は左右のスライドによって行われます。」の文字映像が表示される。なお、表示画面の下方に「Top」や、「終了」等の文字アイコンが表示されている。
図46Dは、表示部29におけるnavi−Key設定時の終了表示例を示す図である。この例で、図46Cに示した「終了」の文字アイコン映像を選択すると、図46Cに示したnavi−Key設定画面に表示が切り替わると共に、当該設定画面内の「クロスJOGモード」の文字色が元の表示色に戻るようになされる。これにより、クロスJOGモードの設定が完了する。なお、モード設定を変更する場合は、表示画面の下方の「Top」や、「終了」等の文字アイコン映像を選択するようになされる。
図47A及びBは、クロスJOGモードにおける入力操作例を示す説明図である。図47AはクロスJOGモード用のアプリケーションの構成例を示す図である。クロスJOGモード用のアプリケーションによれば、縦方向にスクロールされる複数の入力操作映像に関する情報と、横方向にスクロールされる複数の入力操作映像に関する情報から構成される。
図47Aに示す5個の入力操作映像に関する情報Q11〜Q15及び3個の入力操作映像に関する情報Q16〜Q18は、図66に示すような記憶部35等のメモリ空間に展開され、これらの入力操作映像が縦方向にスクロールされ、又は、それが横方向にスクロールされるイメージである。クロスJOGモードでは、縦方向の入力操作映像に関する情報Q11〜Q15の出力と、横方向の入力操作映像に関する情報Q16〜Q18の出力とが交差するようにスクロール操作可能となされている。図中、太線に囲んだ入力操作映像に関する情報Q13は、キートップ152等のドームスイッチ85b等を押下操作して入力操作が決定され、選択された映像に関する情報である。ここに選択された映像に関する情報Q13に基づいてアプリケーションが実行される。
図47BはクロスJOGモード用のUIデザイン画面の表示例を示す図である。クロスJOGモード用のUI(ユーザインターフェース)デザイン画面の表示例によれば、図47Aに示した記憶部35から縦方向の入力操作映像に関する情報Q11〜Q15や、横方向の入力操作映像に関する情報Q16〜Q18等が読み出され、これらの情報Q11〜Q18に基づいて表示部29の同一画面内に、縦方向にスクロールされる複数のアイコン映像と、横方向にスクロールされる複数のアイコン映像を表示するようになされる。
縦方向の複数のアイコン映像と、横方向の複数のアイコン映像とが交差するようにスクロール操作される。図中、太線に囲んだアイコン映像は、キートップ152等のドームスイッチ85b等を押下操作して入力操作が決定され、選択されたアイコン映像である。ここに選択されたアイコン映像に関する情報に基づいてアプリケーションが実行される。
上述の例によれば、各アプリケーション又は現在選択しているUIデザイン画面によって、なぞりモードが自動的に変化する場合である。この場合、ユーザは、なぞりモードを個別に決定せずに、なぞりモードが操作しようとしているUIデザイン画面の状態に対応して、自動的に設定されるので、直感的にスクロール操作ができるようになる。
このなぞりモード自動設定機能によれば、クロスJOGモードにおいて、ジャイロセンサ等が備えられ、携帯電話機104等の電子機器の持ち方が変化したことを検出し、その検出情報に応じて、アプリケーション画面を反転する場合、当然のことながら検出モードも、縦なぞりモードから横なぞりモードへ反転、又は横なぞりモードから縦なぞりモードへ反転する等を実行し、入力操作性の向上に対応している。
図48A及びBは、ディスクJOGモードにおける入力操作例を示す説明図である。図48AはディスクJOGモード用のアプリケーションの構成例を示す図である。ディスクJOGモード用のアプリケーションによれば、円方向にスクロールされる複数の入力操作映像に関する情報から構成される。
図48Aに示す9個の入力操作映像に関する情報Q21〜Q29は、図66に示すような記憶部35等のメモリ空間に展開され、これらの入力操作映像が円を描く方向にスクロールされるイメージである。ディスクJOGモードでは、円方向にスクロールされる入力操作映像に関する情報Q21〜Q29が、例えば、時計方向周り又は反時計回りに出力されてスクロール操作ができるようになされる。図中、太線に囲んだ入力操作映像に関する情報は、キートップ152等のドームスイッチ85b等を押下操作して入力操作が決定され、選択された映像に関する情報である。ここに選択された映像に関する情報に基づいてアプリケーションが実行される。
図48BはディスクJOGモード用のUIデザイン画面の表示例を示す図である。ディスクJOGモード用のUIデザイン画面の表示例によれば、図48Aに示した記憶部35から円を描く方向の入力操作映像に関する情報Q21〜Q29が読み出され、これらの情報Q21〜Q29に基づいて表示部29の同一画面内に、円方向にスクロールされる複数のアイコン映像を表示するようになされる。図48Bに示すIdは、例えば、当該アプリケーションのタイトル等を表示する領域である。
ディスクJOGモードでは、円方向にスクロールされる複数のアイコン映像が、例えば、時計方向周り又は反時計回りに表示されてスクロール操作ができるようになされる。図中、太線に囲んだアイコン映像は、キートップ152等のドームスイッチ85b等を押下操作して入力操作が決定され、選択されたアイコン映像である。ここに選択されたアイコン映像に関する情報に基づいてアプリケーションが実行される。
図49は、入力装置180’におけるなぞりモードの自動設定例を示すフローチャートである。この例で、クロスJOGモード用のアプリケーションを表示する映像情報に予めモード判別用の識別情報が記述され、クロスJOGモード用のUIデザイン画像を表示する映像情報にも同様にして識別情報が記述される。
また、ディスクJOGモード用のアプリケーションを表示する映像情報にも同様にして識別情報が記述され、ディスクJOGモード用のUIデザイン画像を表示する映像情報にも同様にして識別情報が記述される。制御部15は上述の識別情報を抽出して、当該識別情報に基づいてなぞりモードの自動設定する場合を例に挙げる。当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を終了する場合は、入力装置180’から制御部15へ終了情報が出力される。
これらを条件にして、図49に示すフローチャートのステップST31で制御部15はスライド機能がオン又はオフされているかを示す情報(以下オン情報又はオフ情報という)の入力(検出)を待機する。スライド機能のオン情報は、図46Bに示したnavi−Key設定画面で制御部15に設定されている。スライド機能のオン情報が入力された場合は、ステップST32に移行する。スライド機能のオン情報が入力されない場合は、スライド機能のオン情報が検出されるまで処理を待機する。
ステップST32で制御部15はアプリケーション又はUIデザイン画面に対応して、なぞりモードを判別する。この際の判別基準は、各アプリケーション又は現在選択しているUIデザイン画面を表示する映像情報に予め記述されている識別情報を検出して、当該識別情報に対応するなぞりモードをデコード(検出)する。例えば、制御部15は、当該アプリケーションを表示する映像情報に予め記述された識別情報や当該UIデザイン画像を表示する映像情報に予め記述された識別情報等をデコードした結果がクロスJOGモードを示す場合、及び、当該アプリケーションを表示する映像情報に予め記述された識別情報や当該UIデザイン画像を表示する映像情報に予め記述された識別情報等がディスクJOGモードを示す場合に対応して制御を分岐する。
当該アプリケーションに係る識別情報や当該UIデザイン画像に係る識別情報等が「クロスJOGモード」を示すと判定した場合は、ステップST33に移行して制御部15は、クロスJOGモードで当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を実行する。
その後、ステップST34に移行して制御部15は当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作の終了を判別する。このとき、当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を終了する場合、ユーザが操作する入力装置180’から制御部15へスライド機能のオフ情報等の終了情報が出力される。この終了情報が検出されない場合は、ステップST33に戻って制御部15はクロスJOGモードで上述のアプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を継続する。終了情報が検出された場合は、スライド機能がオフされ、オフ情報が制御部15へ出力されるので、ステップST31に戻って、制御部15はスライド機能のオン情報の入力(検出)を待機する。
上述のステップST32で当該アプリケーションに係る識別情報や当該UIデザイン画像に係る識別情報等が「ディスクJOGモード」を示すと判定した場合は、ステップST35に移行して制御部15は、ディスクJOGモードで当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を実行する。その後、ステップST36に移行して制御部15は当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作の終了を判別する。
このとき、当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を終了する場合、ユーザが操作する入力装置180’から制御部15へスライド機能のオフ情報等の終了情報が出力される。この終了情報が検出されない場合は、ステップST35に戻って制御部15はディスクJOGモードで上述のアプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を継続する。終了情報が検出された場合は、スライド機能がオフされ、オフ情報が制御部15へ出力されるので、ステップST31に戻って、制御部15はスライド機能のオン情報の入力(検出)を待機する。
このように、変形例としての入力装置180’によれば、クロスJOGモード又はディスクJOGモードのいずれかを自動的に設定できるようになる。自動設定されたクロスJOGモード又はディスクJOGモードで当該アプリケーション又はUIデザイン画像に基づく入力操作を実行できるようになる。
図50A及びBは、第19の実施例としての入力装置190の外観例を示す斜視図及びその内部構成例を示す断面図である。
この実施例では、第9の実施例で説明した凸形状のキートップ144に代えて、下部筐体11oと逆円弧凹形状を有したキートップ244とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子19は省略している。入力装置190にドームスイッチ25を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
図50Aに示す入力装置190は、裏面凸状を有したキートップ付きの下部筐体11oを有している。下部筐体11oによれば、キートップ244の操作面は、その裏面が図50Bに示すように凸部状を有している。
この例で、キートップ244の逆円弧凹形状は、所定の深さ及び開口幅を有した有底状の逆円弧を成している。例えば、キートップ244は、下部筐体11oの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を有している。このような形状を得るには、キートップ244となる逆円弧凸形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成す下部筐体11oを形成すればよい。キートップ244は、センサ13の全面を覆う領域に形成される。
この例でも、キートップ244の内側凹部にはセンサ13が配置され、操作者の指30aの摺動位置を検出するように動作する。センサ13には、静電容量シート部材が使用され、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するようになされる。センサ13には、静電容量シート部材の他に圧力検出シート部材が使用され、操作者の指30aの摺動位置の圧力を検出して圧力検出信号を出力するようになされる。
この例では、キートップ244の操作面が下部筐体11oの材質と異なる材質から構成され、キートップ244を構成する材質の表面粗度をAとし、下部筐体11oを構成する材質の表面粗度をBとしたとき、表面粗度Aと表面粗度Bとの間にはA<Bなる関係が設定される。このように構成すると、下部筐体11oの操作面における摺動操作に比べて、操作面から摺動方向に沿って掘り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる部分の摺動操作を円滑にできるようになり、操作者の指30aの摺動操作によって容易に情報を選択できるようになる。これにより、キートップ244を有した入力装置190を密閉構造とすることができる。
キートップ244は、下部筐体11oの操作面に沿って摺動操作され、かつ、有底状の円弧凸形状に沿って摺動操作される。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11oの一方の操作面から摺動方向に沿って円弧状に堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって堀り上がる円弧状の摺動操作感覚を与えることができる。従って、第1の入力装置10の非回転型のサイドジョグツール等に対して反転構造の非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。この形状のキートップ244は、各種情報を検索する際のスクロールキー、音量を調整する際のボリュームキー等の情報選択キーとして応用できる。
また、下部筐体11oの内側であって、キートップ244に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、入力確定時に、操作者の指30aの摺動位置に対して振動体で振動を発生させることができ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
図51A及びBは、入力装置190の操作例を示す概念図である。この例でも、センサ13で操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域(3)が、キートップ244で当該操作者の指30aによって摺動操作される凹部領域(2)’よりも広く設定されている。
この例では、当該入力装置190を左手で操作する場合であって、下部筐体11oの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を有したキートップ244が使用される。センサ13には静電容量シート部材が使用され、センサ13で操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ244で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている場合を例に挙げる。
図51Aにおいて、まず、操作者は入力装置190の操作範囲(1)の上部に左手の親指を押し当てる。次に、操作者の指30aを下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って摺動する。このとき、下部筐体11b内では、操作者の指30aがセンサ13における検出領域(3)上を摺動するようになる。
操作者の指30aでキートップ244の露出部分の凹部領域(2)’における摺動操作を続けると、下り開始部X’から掘り下がり、図51Bに示すキートップ244の穴底部位に到達する。更に、凹部領域(2)’における摺動操作を続けると、他方の操作面に向かって掘り上がり、図51Cに示すキートップ244の上り終了部Y’に到達する。
この例で、図51A〜図51Cに摺動操作される間、センサ13は、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を制御部15に出力する。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11bの一方の操作面から摺動方向に沿って円弧状に掘り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって掘り上がる円弧状の摺動操作感覚を与えることができる。しかも、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールに無いユニークな操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。
このように第19の実施例に係る入力装置190によれば、第9の実施例で説明した裏面平坦形状のキートップ144に代えて、下部筐体11oと逆円弧凹形状を有したキートップ244とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ24や、141等を組み入れる方法に比べて、携帯電話機等における入力装置190の組み立てが簡単になる。しかも、センサ13の検出領域(3)がキートップ244の凹部領域(2)’よりも広く設定されているので、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凹部形状のキートップ244を挟んだ下部筐体11oの一方の操作面と、他方の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置190を有した携帯電話機等を提供できるようになる。
この例では、図50に示したようにキートップ244を下部筐体11oの右側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11oの左側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図52A及びBは、第20の実施例としての入力装置200の構成例を示す斜視図及び断面図である。
この実施例では、第19の実施例で説明した逆円弧凹形状のキートップ244に代えて、下部筐体11pと逆さ台凹形状を有したキートップ245とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子19は省略される。入力装置200にドームスイッチ25を適用する場合は、静電容量シー部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
図52Aに示す入力装置200は、逆さ台凹形状かつ裏面凸部状を有したキートップ付きの下部筐体11pを有している。下部筐体11pによれば、キートップ245の操作面は、図1〜図51に示したキートップ形状と異なり、逆さ台凹形状を有しており、その裏面が図52Bに示すように凸部状を成している。例えば、キートップ245となる内側逆台形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成す下部筐体11pを形成する。
この例でも、キートップ245の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ245を有した入力装置200を密閉構造とすることができる。キートップ245は下部筐体11pの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。また、下部筐体11pの内側であって、キートップ245に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。なお、入力装置200の操作例については図51を参照されたい。
このように第20の実施例に係る入力装置200によれば、第19の実施例で説明した円弧凸形状のキートップ244に代えて、下部筐体11pと逆さ台凹形状を有したキートップ245とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置200の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置200を提供できるようになる。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ245の下り開始部X’付近と、上り終了部Y’付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図52に示したようにキートップ245を下部筐体11pの右側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11pの左側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図53A及びBは、第21の実施例としての入力装置210の構成例を示す斜視図及び断面図である。
この実施例では、第20の実施例で説明した逆さ台凹形状のキートップ245に代えて、下部筐体11qと長穴凹形状を有したキートップ246とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子19は省略される。入力装置210にドームスイッチ25を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
図53Aに示す入力装置210は、長穴凹形状かつ裏面凸部状を有したキートップ付きの下部筐体11qを有している。下部筐体11qによれば、キートップ246の操作面は、図1〜図53に示したキートップ形状と異なり、長穴凹形状を有しており、その裏面が図53Bに示すように凸部状を有している。例えば、キートップ246となる長穴凹形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成す下部筐体11qを形成する。
この例でも、キートップ246の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ246を有した入力装置210を密閉構造とすることができる。当該入力装置210を左手で操作する場合であって、キートップ246は下部筐体11qの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。また、下部筐体11qの内側であって、キートップ246に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。なお、入力装置210の操作例については図51を参照されたい。
このように第21の実施例に係る入力装置210によれば、第20の実施例で説明した逆さ台凹形状のキートップ245に代えて、下部筐体11qと長穴凹形状を有したキートップ246とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置210の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置210を提供できるようになる。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ246の下り開始部X’付近と、上り終了部Y’付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図53に示したようにキートップ246を下部筐体11qの右側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11qの左側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図54A及びBは、第22の実施例としての入力装置220の構成例を示す斜視図及び断面図である。
この実施例では、第21の実施例で説明した長穴凹形状のキートップ246に代えて、下部筐体11rと逆さ蒲鉾形状を有したキートップ247とが一体成形されて成るものである。ドームスイッチ25及び押し子19は省略される。キートップ247による押し込み機能を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
図54Aに示す入力装置220は、逆さ蒲鉾形状かつ裏面凸状を有したキートップ付きの下部筐体11rを有している。下部筐体11rによれば、キートップ247の操作面は、図1〜図53に示したキートップ形状と異なり、逆さ蒲鉾形状を有している。この例で、キートップ247は、その幅をwとし、下部筐体11rの高さをhとしたとき、w=hなる関係に形成されている。キートップ247の裏面は、図54Bに示すように凸部状を有している。例えば、幅wのキートップ247となる蒲鉾ドーム形状を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成す高さhの下部筐体11rを形成する。
この例でも、キートップ247の内側凹部にはセンサ13が配置される。これにより、キートップ247を有した入力装置220を密閉構造とすることができる。キートップ247は下部筐体11rの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。また、下部筐体11rの内側であって、キートップ247に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。なお、入力装置220の操作例については図51を参照されたい。
このように第22の実施例に係る入力装置220によれば、第21の実施例で説明した長穴凹形状のキートップ246に代えて、下部筐体11rと逆さ蒲鉾形状を有したキートップ247とが一体成形されて成るものである。
従って、第1〜第6の実施例で説明したように下部筐体11bの開口部11cにキートップ14や、141等を組み入れる方法に比べて入力装置220の組み立てが簡単になる。これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置220を提供できるようになる。なお、ドームスイッチ25を省略したことによって、キートップ247の下り開始部X’付近と、上り終了部Y’付近は蛇腹状加工を省略することができる。
この例では、図54に示したようにキートップ247を下部筐体11rの右側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11rの左側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図55は、第23の実施例としての入力装置230の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11sの操作パネル18’と、半球内面横一文字凹形状を有したキートップ248とが一体成形されるものである。
図55に示す入力装置230は、半球内面横一文字凹形状を有したキートップ付きの下部筐体11sを有している。下部筐体11sの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18’を有している。この例では、個々のキーは楕円形状を有している。
下部筐体11sによれば、キートップ248の操作面は、図1〜図56に示したキートップ形状と異なり、半球内面横一文字凹形状に陥没している。キートップ248は、所定の深さ及び開口幅を有した有底状の半球凹形状を成している。下部筐体11sのキートップ248の内側の構造については、図50、図53又は図53Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図50、図53又は図53B参照)。キートップ248による押し込み機能を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
下部筐体11sは、例えば、キートップ248となる半球内面横一文字凹形状や、操作パネル18’となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成すように形成される。これにより、テンキー等の操作パネル18’とキートップ248とが一体成形され、当該キートップ248を有した入力装置230を密閉構造とすることができる。キートップ248は下部筐体11sの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。また、下部筐体11sの内側であって、キートップ248に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例では、キートップ248は、半球内面横一文字凹形状(有底状の半球凹形状の一の軌道)に沿って摺動操作される。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11sの一方の操作面から半球内面形状の一の軌道に沿って円弧状に堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧状に堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。従って、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーには無いユニークな操作感覚が得られ、及び、当該形状のキートップ248は、情報を選択する映像情報選択キーとして応用できるようになる。
このように、第23の実施例に係る入力装置230によれば、下部筐体11sの操作パネル18’と、半球内面横一文字凹形状を有したキートップ248とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置230を提供できるようになる。しかも、半球内面横一文字円弧凹形状のキートップ248と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置230の組み立てが簡単になる。
この例では、図55に示したようにキートップ248を下部筐体11sの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11sの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図56は、第24の実施例としての入力装置240の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11tの操作パネル18’と、半球内面縦一文字凹形状を有したキートップ249とが一体成形されるものである。
図56に示す入力装置240は、半球内面縦一文字凹形状を有したキートップ付きの下部筐体11tを有している。下部筐体11tの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18’を有している。下部筐体11tによれば、キートップ249の操作面は、図55に示したキートップ形状と異なり、半球内面縦一文字凹形状に陥没している。キートップ249は、所定の深さ及び開口幅を有している。下部筐体11tのキートップ249の内側の構造については、図50、図53又は図53Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図50、図53又は図53B参照)。キートップ249による押し込み機能を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
下部筐体11tは、例えば、キートップ249となる半球内面縦一文字凹形状や、操作パネル18’となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成すように形成される。これにより、キートップ249を有した入力装置240を密閉構造とすることができる。キートップ249は下部筐体11tの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。また、下部筐体11tの内側であって、キートップ249に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例でキートップ249は、半球内面縦一文字凹形状に沿って摺動操作される。これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11tの他方の操作面から半球内面縦一文字凹形状(半球凹形状の一の軌道)に沿って円弧状に堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって凹形状に堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。従って、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーには無いユニークな操作感覚が得られ、及び、当該形状のキートップ249は、情報を選択する映像情報選択キーとして応用できるようになる。
このように、第24の実施例に係る入力装置240によれば、下部筐体11tの操作パネル18’と、半球内面縦一文字凹形状を有したキートップ249とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置240を提供できるようになる。しかも、半球内面縦一文字凹形状のキートップ249と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置240の組み立てが簡単になる。
この例では、図56に示したようにキートップ249を下部筐体11tの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11tの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図57は、第25の実施例としての入力装置250の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11uの操作パネル18’と、半球内面十字凹形状を有したキートップ251とが一体成形されるものである。
図57に示す入力装置250は、半球内面十字凹形状を有したキートップ付きの下部筐体11uを有している。下部筐体11uの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18’を有している。
下部筐体11uによれば、キートップ251の操作面は、図56に示したキートップ形状と異なり、半球内面十字凹形状に陥没している。下部筐体11uのキートップ251の内側の構造については、図50、図53又は図53Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図50、図53又は図53B参照)。キートップ251による押し込み機能を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
下部筐体11uは、例えば、キートップ251となる半球内面十字凹形状や、操作パネル18’となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成すように形成される。これにより、キートップ251を有した入力装置250を密閉構造とすることができる。キートップ251は操作パネル18’の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。また、下部筐体11uの内側であって、キートップ251に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例でキートップ251の半球内面十字凹形状は、図55に示した半球内面横一文字凹形状と、図56に示した半球内面縦一文字凹形状とを交差させた形状を有している。キートップ251は、半球内面横一文字凹形状に沿って摺動操作され、又は/及び、これと交差する半球内面縦一文字凹形状に沿って摺動操作される。
このように、第25の実施例に係る入力装置250によれば、下部筐体11uの操作パネル18’と、平面十字凹形状を有したキートップ251とが一体成形されて成るものである。
従って、操作者の指による摺動操作に対し、下部筐体11uの一方の操作面から半球内面横一文字凹形状(半球凹形状の一の軌道)に沿って円弧状に堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧凸状に堀り上がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11uの他方の操作面から半球内面横一文字凹形状(半球凹形状の一の軌道)と交差する他の軌道に沿って円弧状に堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって半球内面縦一文字凹形状に堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
これにより、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置250を提供できるようになる。しかも、従来方式のような平面十字凸形状のキートップと、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置250の組み立てが簡単になる。
図58は、変形例としての入力装置250’の構成例を示す分解斜視図である。この実施例ではFPC基板81にドームスイッチ85a〜85eが設けられ、キートップ251の押し込み操作によってオン又は/及びオフするように操作される。図58に示す入力装置250’によれば、下部筐体11u’内にFPC基板81を配設し、その上部からキートップアレイタイプの操作パネル38を被せるようにして組み立てられる。
この例では、図53に示したような長穴凹形状を有したキートップ246(図53参照)が形成され、かつ、ヒンジ機構を備えた下部筐体11u’が使用される。下部筐体11u’は、例えば、ヒンジ機構や、キートップ用の長穴形状を象った金型にPC(ポリカーボネート)樹脂や、PC+ABS樹脂等を射出して成形したものが使用される。この例では、キートップ246を成形した後、UV(紫外線)塗装を施す。例えば、摩耗性を向上させる溶液をキートップ246の操作面に塗布する。その後、紫外線を照射して塗膜面を硬化させる。これにより、キートップ246の操作面の耐摩耗性を向上させることができる。
下部筐体11u’を金属で形成する場合は、アルミニウム板や、マグネシウム板、SUS304等のステンレス板を用い、これらの部材をプレス加工、深絞り加工、あるいは、押出し加工により、所定の位置にキートップ246を有した下部筐体11u’を形成する。キートップ246の内側には、センサ13及びFPC基板81の順序で配置される。センサ13は例えば、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネル38に連続して形成される。
操作パネル38の操作面には、数字「0」〜「9」のテンキー部や、「*」記号キー、「#」記号キー等を備え、キートップ251がテンキー部等と一体成形されて成る。操作パネル38は、例えば、キートップ251やテンキー部等を成す金型に所定の樹脂等を射出して形成する。また、押し子82a〜82e付きのゴムシート部82fは、センサシート81a’〜81e’を間に挟む状態でスイッチ機能付きのFPC基板81上に配置される。
FPC基板81は、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するシート状のセンサシート81a〜81e(図示せず)を有して構成されている。FPC基板81はシート状を有している。FPC基板81の一方の面には、ドーム状に隆起した部位を含むシート状のセンサシート81a〜81eが設けられると共に、ドーム状に隆起した部位の内側にドームスイッチ85a〜85eを構成する固定側の接点電極が設けられ、FPC基板81の他方の面には、ドームスイッチ85a〜85eの固定側の接点電極から図示しないスルーホールを介して引き出される配線パターンが設けられる(図32参照)。
センサシート81a〜81eは、ゴムシート部82fの下方側に設けられる。この例でも、センサシート81a〜81eの一部がドーム状に隆起し、ドーム状に隆起したセンサシート81a〜81eの部位がドームスイッチ85a〜85eを構成する。メタルドーム部511がドームスイッチ85a〜85eの可動側の接点電極はメタルドーム部511によって構成される。FPC基板81にはドームスイッチ85a〜85eの他に操作パネル38を成す数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す複数のキースイッチが実装される。
このように入力装置250’を構成すると、なぞり検出用のセンサシート81a〜81eと、ドームスイッチ85a〜85eとが一体化されたスイッチ機能付きのFPC基板81を提供できるようになる。(図59参照)。ドームスイッチ85aの動作例については、図41を参照されたい。
図59は、入力装置250’の内部構成例を示す断面図である。図59に示す入力装置250’はFPC基板81を有しており、FPC基板81は操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力するシート状のセンサシート81a〜81eを有している。FPC基板81上にはゴムシート部82fを介在させてキートップ251が組み合わされる。
キートップ251は5個のキーパーツ86a〜86e(86d,86eは図示せず)を有し、かつ、所定の深さ及び幅を有した凹部形状を成している。例えば、キートップ251は、筐体の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹面半球十字形状を有している。
ゴムシート部82fはセンサシート81a〜81eの全面を覆うように設けられる。キートップ251は、半球凹形状に沿って摺動操作され、又は/及び押下操作される。センサシート81a〜81eのなぞり検出用の電極パターンは、ドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511を兼ね備えるものである。ドームスイッチ85a等は、メタルドーム部511のバネ性の付勢力に打ち勝って強く指30a等により押し込まれることで、例えば、ONする。キートップ251から指30aを離すと、メタルドーム部511のバネ性の付勢力によって、キートップ251が戻ってドームスイッチ85aがオフするようになされる。
この例で、キーパーツ86aは、入力操作時、ドームスイッチ85aを押下してオンするように操作される。同様にして、キーパーツ86bはドームスイッチ85bを押下してオンするように操作される。キーパーツ86cはドームスイッチ85cを押下してオンするように操作される。図59には示していないキーパーツ86dはドームスイッチ85dを押下してオンするように操作される。同様に図示しないキーパーツ86eは、ドームスイッチ85eを押下してオンするように操作される。
この例では、センサシート81a〜81eで操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ251で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状のキートップ251を挟んだ操作パネル18の左右の操作面と、上下の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。この形状のキートップ251は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、カメラ起動時、光学レンズのズーム量を調整する際にズーム調整ピッチを円滑に設定できるようになる。
これにより、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体11nの一方の操作面から立体十字凸形状の一の円弧状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって同円弧状に沿って盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11nの他方の操作面から他の円弧状に沿って盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって同円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。なお、図中、taはゴムシート部82fとセンサシート81a等との間を成す部品間距離であり、部品間距離taは約0.27mmである。このような電極構造を採用することによって、入力装置250’の薄型化できるようになった。
図60は変形例としての入力装置250”の内部構成例を示す断面図である。図60に示す更なる変形例としての入力装置250”は、電子機器の一例を構成し、操作者の指30aの摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力すると共に、なぞり操作を検出してなぞり検出信号S01〜S05を出力するものである(図44参照)。入力装置250”はシート状のFPC基板801を有しており、その表面側に図38で示したようなセンサシート81a’〜81e’(81d’及び81e’は図示せず)が配置され、その裏面側にはドームスイッチ85a〜85eが配置されている。当該FPC基板801上にはゴムシート部82f’を介在させてキートップ251が組み合わされる。センサシート81a’〜81e’は、キートップ251への摺動位置を検出して位置検出信号#S1を出力する。
キートップ251は5個のキーパーツ86a’〜86e’を有し、かつ、所定の深さ及び幅を有した半球内面十字凹形状を成している。キートップ251は、操作パネル38の一方の操作面から摺動方向に沿って掘り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を含み構成される。ゴムシート部82f’はセンサシート81a’〜81e’の全面を覆うように設けられる。キートップ251は、凹面半球十字形状に沿って摺動操作され、又は/及び押下操作される。
この例でも、下部筐体11u’を構成する操作パネル38とキートップ251とが一体成形されて成る。また、センサシート81a’〜81e’で操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ251で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状のキートップ251を挟んだ操作パネル38の左右の操作面と、上下の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。
FPC基板801は、操作者の指30aのキートップ251への押し込み操作によってオン又は/及びオフするドームスイッチ85a〜85eを含み構成される。FPC基板801の他方の面には、ドーム状に隆起したドームスイッチ85a〜85eを構成するメタルドーム部511が設けられると共に、当該ドーム状に隆起した部位の内側であって、所定の間隔だけ離れた位置に当該ドームスイッチ85a〜85eを構成する固定側の接点電極が設けられる。メタルドーム部511は可動側の接点電極を構成する。
この例でも、FPC基板801下のドームスイッチ85a〜85eのメタルドーム部511(ドーム状部位の上面)はC形状を成し、当該ドームスイッチ85a〜85eの固定側の接点電極がC形状部位の開放端間を通過して配線される(図43参照)。なお、ドームスイッチ85a〜85eの可動側の接点電極を構成するメタルドーム部511には、図42Cで説明したようなドーム状部位の両側端部が切断されたカット形状を成すメタルドーム部511’を使用してもよい。
図61は、キートップ251の個々のキーパーツ86a’〜86c’の幅とドームスイッチ85a〜85c等の幅との関係例を示す入力装置250”の断面図である。この例でも、図61に示すキートップ251のキーパーツ86a’の幅をα1とし、ドームスイッチ85aの幅をβ1としたとき、当該キーパーツ86a’の幅α1とドームスイッチ85aの幅β1との間にはα1>β1なる関係が設定される。同様にして、キーパーツ86b’の幅をα2とし、ドームスイッチ85bの幅をβ2としたとき、当該キーパーツ86b’の幅α2とドームスイッチ85bの幅β2との間にはα2>β2なる関係が設定される。キーパーツ86c’の幅をα3とし、ドームスイッチ85cの幅をβ3としたとき、当該キーパーツ86cの幅α3とドームスイッチ85cの幅β3との間にはα3>β3なる関係が設定される。
上述のように、キーパーツ86a’の幅α1とドームスイッチ85aの幅β1との間にα1>β1なる関係を設定すると、キーパーツ86a’から、ゴムシート部82f’を介してドームスイッチ85aへ押圧力が再現性良く伝達され、そのメタルドーム部511を撓ませることができ、オン及びオフ操作を精度良く実行できるようになる。他のキーパーツ86b’〜86e’とドームスイッチ85b〜85eについても同様に設定されるので、ドームスイッチ85b〜85eにおいても、そのメタルドーム部511を各々の撓ませることができ、オン及びオフ操作を精度良く実行できるようになる。
このように変形例としての入力装置250’によれば、キートップ251は、半球内面横一文字凹形状に沿って摺動操作され、又は/及び、これと交差する半球内面縦一文字凹形状に沿って摺動操作される。更に、キートップ251の押し込み操作によってドームスイッチ85a〜85eがオン又は/及びオフする。これにより、情報選択後、キートップ251を押し込み操作することによって、ドームスイッチ85a〜85eをオン又は/及びオフすることができ、入力を決定する際の確定キーに応用できるようになる。
従って、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーには無いユニークな操作感覚が得られ、及び、当該形状のキートップ251は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、音量を調整する際のボリュームキー等の音量調整ピッチを広く設定できるようになる。
この例では、図57〜図61に示したようにキートップ251を下部筐体11uの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11uの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図62は、第26の実施例としての入力装置260の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第1〜第12の実施例で説明した各種形状を有した筐体側面配置用のキートップ14,141〜146に代えて、下部筐体11vの操作パネル18’と、半球内面凹形状を有したキートップ252とが一体成形されるものである。
図62に示す入力装置260は、半球内面凹形状を有したキートップ付きの下部筐体11vを有している。下部筐体11vの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18’を有している。操作パネル18’の個々のキーは楕円形状を有している。下部筐体11vによれば、キートップ252の操作面は、図57に示したキートップ形状と異なり、半球内面凹形状に陥没している。下部筐体11vのキートップ252の内側の構造については、図50、図53又は図53Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図50、図53又は図53B参照)。キートップ252による押し込み機能を適用する場合は、静電容量シート部材に代えて圧力検出シート部材をセンサ13に使用すればよい。
下部筐体11vは、例えば、キートップ252となる半球内面凹形状や、操作パネル18’となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凹形状を成すように形成される。これにより、キートップ252を有した入力装置260を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11vの内側であって、キートップ252に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例で、キートップ252の半球内面凹形状は、所定の深さ及び開口幅を有した凹形状を成している。キートップ252は、半球内面凹形状の一の軌道に沿って摺動操作され、又は/及び当該軌道と交差する他の軌道に沿って摺動操作される。これにより、操作者の指による摺動操作に対し、下部筐体11vの一方の操作面から半球内面凹形状の一の軌道に沿って円弧状に掘り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧状に掘り上がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11vの他方の操作面から半球内面凹形状の一の軌道と交差する他の軌道に沿って円弧状に掘り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧状に掘り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
このように、第26の実施例に係る入力装置260によれば、下部筐体11vの操作パネル18’と、半球内面凹形状を有したキートップ252とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置260を提供できるようになる。しかも、半球内面凹形状のキートップ252と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置260の組み立てが簡単になる。また、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーには無いユニークな操作感覚が得られる。更に、半球内面凹形状のキートップ252は、情報を選択する映像情報選択キーとして応用できるようになる。例えば、キートップ252の一方向又は複数方向へのスライド操作、一方向への押し込む操作による情報選択及び、その決定操作を実現することが可能となる。
この例では、図62に示したようにキートップ252を下部筐体11vの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11vの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図63は、第27の実施例としての入力装置270の構成例を示す斜視図である。この実施例では、第18の実施例で説明した半球凹形状を有したキートップ152に代えて、下部筐体11wの操作パネル18と、半球外面十字凸形状のキートップ153とが一体成形されるものである。
図63に示す入力装置270は、半球外面十字凸形状を有したキートップ付きの下部筐体11wを有している。下部筐体11wの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18を有している。下部筐体11wによれば、キートップ153の操作面は、図30に示したキートップ形状と異なり、半球外面十字凸形状に隆起している。下部筐体11wのキートップ153の内側の構造については、図18、図19又は図20Bに示したようなセンサ13の構造が採られる(図18、図19又は図20B参照)。
下部筐体11wは、例えば、キートップ153となる半球外面十字凸形状や、操作パネル18となる数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を象った下部筐体用の金型に樹脂を封入してその部分が凸形状を成すように形成される。これにより、キートップ153を有した入力装置270を密閉構造とすることができる。また、下部筐体11wの内側であって、キートップ153に近い位置に、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられ、操作者の指30aに触覚を提示できるようになっている。
この例で、キートップ153は、所定の高さ及び幅を有した半球外面十字凸形状を成している。十字部位の各頂点には、銀杏の葉状(略三角形)のタッチマーク53a〜53d(キーマーク)が設けられる。キートップ153は、半球外面十字凸形状の一の軌道に沿って摺動操作され、又は/及び当該軌道と交差する他の軌道に沿って摺動操作される。更に、4個のタッチマーク53a〜53dを個別に押し込むようになされる。押し込み部位は、4個のタッチマーク53a〜53dの他に、キートップ153の頂上部位を押し込むように操作される。
これにより、操作者の指による摺動操作に対し、下部筐体11wの一方の操作面から半球外面十字凸形状の一の軌道に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、下部筐体11wの他方の操作面から半球外面十字凸形状の一の軌道と交差する他の軌道に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
更に、4個のタッチマーク53a〜53dや、キートップ153の頂上部位の押し込み操作によって、図12に示したようなアクチュエータ機能付きのスピーカー36bからキートップ153へ振動を伝播するようになされ、操作者の指へ触覚を提示できるようになされる。
このように、第27の実施例に係る入力装置270によれば、下部筐体11wの操作パネル18と、半球外面十字凸形状を有したキートップ153とが一体成形されて成るものである。従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置270を提供できるようになる。しかも、半球外面十字凸形状のキートップ153と、数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等を成す操作パネルとを別々に組み立てる方法に比べて入力装置270の組み立てが簡単になる。また、従来方式の十字キーと異なる構造であって、当該十字キーには無いユニークな操作感覚が得られ、及び、当該半球外面十字凸形状のキートップ153は、情報を選択する映像情報選択キーとして応用できるようになる。
この例では、図63に示したようにキートップ153を下部筐体11wの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11wの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図64は、第28の実施例としての入力装置280の構成例を示す斜視図である。図64に示す入力装置280は、図57に示した入力装置250に光導伝部材161が追加され、この例では、半球内面十字凹形状のキートップ付きの下部筐体11zを有している。下部筐体11zの上部は操作面となされ、上部操作面には数字「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー等が配置された操作パネル18’を有している。下部筐体11zによれば、キートップ251の操作面は、図57に示した入力装置250と異なり、キートップ251の周囲が光導伝部材161から構成されている。下部筐体11zには、ポリカーボネート(PC)樹脂や、ABS樹脂を金型射出成形したものが使用される。
光導伝部材161は、内側に開口部61eを有した円柱環状を成している。光導伝部材161の外周縁部には、例えば、4個の凹凸状の三角マーク61a〜61dが設けられる。光導伝部材161には、透明性のアクリル系の樹脂を金型射出成形したものが使用される。もちろん、光導伝部材161とキートップ251とを一体形成してもよい。厚みは1.0mm程度である。材質はポリカーボネート等である。
この例では、操作パネル18’上のキートップ251の外周縁部に光導伝部材161の開口部61eが嵌め込まれる。下部筐体11z内には回路基板17’が実装される。回路基板17’には厚み1.1mm程度のガラスエポキシ基板が使用される。回路基板17’の所定の位置、例えば、キートップ251の下方で対峙する位置には光源の一例を構成する複数のLED素子62a〜62eが設けられ、光導伝部材161や、キートップ251の中央部付近に光を照射するようになされる。
例えば、LED素子62aが光導伝部材161の三角マーク61aにLED光を照射し、LED素子62bがその三角マーク61bにLED光を照射し、LED素子62cがその三角マーク61cにLED光を照射し、LED素子62dがその三角マーク61dにLED光を照射する。LED素子62eはキートップ251の中央部付近にLED光を照射するようになされる。もちろん、光源を1つにまとめて分光し配光するようにしてもよい。LED素子62a〜62eには赤色光を発光するレーザダイオードや、緑色光を発光するレーザダイオード、青色光を発光するレーザダイオードが使用される(LED光拡散構造)。
このように第28の実施例に係る入力装置280によれば、キートップ251には光導伝部材161が設けられ、LED素子62a〜62eから照射されたLED光でキートップ251及びその周辺部を光らせることができ、入力装置280の操作性を向上させることができる。しかも、キートップ251が光ることで、当該入力装置280を応用した携帯電話機や、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の電子機器の意匠性が向上し、ユーザの購買意欲を誘導できるようになる。上述したLED光拡散構造は、第28の実施例に限られることはなく、第1〜第27の実施例について適用してもよい。
この例では、図64に示したようにキートップ251を下部筐体11zの表面側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、下部筐体11zの裏面側に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図65は、第29の実施例に係る入力装置290の構成例を示す分解斜視図である。図65に示す入力装置290は、図1、図24及び図26に示した携帯電話機101〜103の表示部29上に、図31に示した入力装置180のキートップ152の構造を適用するようにしたものである。
図65に示す入力装置290は表示部29を有して構成される。入力装置290は、表示トップ部材63、センサ13’及びLCD素子64が上部から順に積層されて構成される。表示部29は表示トップ部材63及びLCD素子64を有して構成され、その所定の位置には凸状を成したキートップ152’が配設される。表示部29は、キートップ152’によって入力される情報を表示する。
表示トップ部材63はセンサ13’の全体を覆うように組み立てられる。表示トップ部材63には、厚さ1.0mm程度のポリカーボネート等が使用され、この例では、表示トップ部材63の所定の位置にキートップ152’を構成する凸部が設けられる。センサ13’には静電容量シート部材や、圧力検出シート部材等が使用される。
キートップ152’は、操作性を良くするために、例えば、表示部29の中央部位よりやや上方又は下方位置に配設するとよい。キートップ152’は、表示トップ部材63に貼付する方法や、キートップ用の樹脂を金型射出成形して、表示トップ部材63とキートップ152’とを一体形成する方法で形成するとよい。厚みは1.0mm程度である。センサ13’の裏面側には、LCD素子64が配置され、LCD素子64には厚み1.7mm程度のカラー用の液晶表示素子が使用される。
この例で、キートップ152’は、所定の高さ及び幅を有した半球凸形状を成している。キートップ152’は、半球凸形状の一の軌道に沿って摺動操作され、又は/及び当該軌道と交差する他の軌道に沿って摺動操作される。もちろん、表示部29にLCD素子64を介して入力情報を選択させるためのアイコン映像を表示し、このアイコン映像に沿って操作者の指を摺動操作させるようにしてもよい。
このように、第29の実施例に係る入力装置290によれば、表示トップ部材63、センサ13’及びLCD素子64が順に積層された表示部29の中央部位よりやや上方又は下方位置にキートップ152’が設けられ、表示トップ部材63と、半球凸形状を有したキートップ152’とが一体成形又は、表示トップ部材63上にキートップ152’が貼付されて成るものである。
従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置290を提供できるようになる。しかも、操作者の指による摺動操作に対し、表示部29の表示トップ部材63の一方の表示面から半球凸形状の一の軌道に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の表示面に向かって円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、表示トップ部材63の他方の表示面から半球凸形状の一の軌道と交差する他の軌道に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の表示面に向かって円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。
これにより、当該入力装置290を応用した携帯電話機や、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の電子機器の入力操作性が向上し、従来方式のタッチパネルには無いユニークな操作感覚が得られるようになる。
次に、触覚入力機能付きの携帯電話機101等について説明をする。図66は、携帯電話機101等の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
図66に示す携帯電話機101等は、下部筐体11bの回路基板17等に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図1〜図13等に示した各部と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機101等は、制御部15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、入力装置300、表示部29、電源ユニット33、カメラ34、記憶部35、着信メロディ用のスピーカー36a、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bを有している。
図66に示す入力装置300は、センサ13やセンサシート81a〜81e等に関して、図1〜図57では回路基板17,FPC基板81,801を使用する場合について説明したが、摺動操作(カーソリング)と押し込み(選択決定)の機能を区別できるものであれば何でも良く、例えば、圧力検出シート部材等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置検出情報と押し込み検出情報を制御部15に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。
入力装置300は、携帯電話機101等を構成する下部筐体に設けられ、操作者の指30aによる摺動操作及び押し込み操作によって情報を入力する。例えば、入力装置300は操作者の指30aの摺動位置又は押し込み力を検出して、少なくとも、位置検出信号#S1および押し込み検出信号#S2を制御部15に出力するようになされる。
入力装置300には、第1〜第29の実施例に係る入力装置10〜290が使用される。例えば、第29の実施例に係る入力装置250が使用される場合、入力装置250は、下部筐体11u内に設けられて操作者の指の摺動位置を検出するセンサ13と、センサ13を覆うように設けられ、下部筐体11uの操作面に沿って摺動操作されるキートップ246とを有し、キートップ246は、下部筐体11uの一方の操作面から摺動方向に沿って掘り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状を含んでいる(図57及び図58参照)。
制御部15は制御系を構成し、画像処理部26、A/Dドライバ31、CPU32及びメモリ部37を有している。A/Dドライバ31には、入力装置300からの位置検出信号#S1および押し込み検出信号#S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号#S1および押し込み検出信号#S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別する映像情報データD3あるいは位置検出情報D1または押し込み検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶部35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶部35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。
例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの位置検出情報D1、押し込み検出情報D2及び情報データD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部22へ送信データを転送するように制御する。
映像&音声処理部44には表示部29が接続され、例えば、センサ13によって検出された操作者の指30aの摺動操作や押し込み操作に対応したスクロール画像29a’や29b’等が表示される。この例で、CPU32は操作者の指30aの摺動操作速度を検出し、当該操作者の指30aの摺動操作速度に応じて表示部29におけるスクロール画像29a’や29b’等の表示ピッチを調整する。
このように表示制御すると、情報検索時、操作者の指30aの摺動操作速度が速い場合に、表示部29におけるスクロール画像29b’等の表示ピッチを狭く設定すること、反対に、操作者の指30aの摺動操作速度が遅い場合には、表示部29におけるスクロール画像29a’等の表示ピッチを広く設定するように調整できるようになる。従って、情報検索対象が複数存在する場合において、目的のスクロール画像から遠い場合は、スクロール画像を荒く飛ばすように送り、目的のスクロール画像に近づいたときは、ゆっくりとスクロール画像を送るように検索できるようになる。
この例でセンサ13に圧力検出シート部材が使用される場合であって、CPU32はスクロール画像29a’や29b’等の表示ピッチ調整の他に、入力装置300から得られる押し込み検出情報D2と予め設定された押下判定閾値Fthとを比較し、当該比較結果に基づいてアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを振動制御するようにメモリ部37を読み出し制御する。例えば、入力装置300の押下位置における操作面から伝播される触覚をA及びBとすると、触覚#Aは、その摺動位置における操作者の指30aの摺動操作に応じた操作面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚#Bは、その摺動位置における操作者の指30aの押し込み力の有無に応じた操作面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
上述のCPU32には記憶部35が接続され、入力項目選択用の表示画面を、例えば、3次元的に表示するための表示情報D4や、当該表示情報D4に対応したアイコンの選択位置及び振動モードに関する制御情報Dc等が表示画面毎に記憶される。制御情報Dcには、表示部29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる複数の具体的な振動波形、及び、アプリケーション毎の具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。記憶部35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
この例でCPU32は、A/Dドライバ31から出力される位置検出情報D1、押し込み検出情報D2及び情報データD3に基づいて表示部29の表示制御及び、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bの出力制御をする。例えば、制御部15は、入力装置300から得られる位置検出信号#S1及び押し込み検出信号#S2に基づいて記憶部35から制御情報Dcを読み出して、メモリ部37へアクセスし、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bに振動発生信号Saを供給するような制御がなされる。
この例でセンサ13に圧力検出シート部材が使用される場合であって、CPU32は、押下判定閾値Fth以下の押し込み検出情報D2を検出したとき、触覚#Aを起動し、その後、入力装置300が押下判定閾値Fthを越える押し込み検出情報D2を検出したとき、触覚#Bを起動するように、メモリ部37を読み出し制御する。このようにすると、操作者の指30a等の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
CPU32にはメモリ部37が接続され、CPU32からの制御情報Dcに基づいて振動発生データDaを読み出す。振動発生データDaは、正弦波形からなる出力波形を有している。メモリ部37には映像&音声処理部44が接続され、各々の振動発生データDaが映像&音声処理部44に供給され、その振動発生データDaが音声処理(デジタル・アナログ変換・増幅等)され、振動発生信号Sout2となってアクチュエータ機能付きのスピーカー36bに供給される。スピーカー36bは、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この例で、メモリ部37は、各アプリケーションに対応する押下判定閾値Fthを記憶する。例えば、押下判定閾値Fthはトリガーパラメータとして記憶部35に設けられたROM等に予め格納される。記憶部35は、CPU32の制御を受けて、押し込み検出情報D2を入力し、予め設定された押下判定閾値Fthと、押し込み検出情報D2から得られる押し込み力Fを比較し、Fth≧Fの判定処理や、Fth<F等の判定処理を実行する。
例えば、押下判定閾値Fth=100[gf]をメモリ部37に設定すると、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて操作面を振動するようになされる。また、押下判定閾値Fth=20[gf]を設定すると、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて操作面を振動するようになされる。
CPU32にはメモリ部37の他に画像処理部26が接続され、スクロール画像29a’や29b’等をスクロール表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示部29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のスクロール画像29a’や29b’等を奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示部29を表示制御する。
表示部29の表示内容は操作者の目30bによる視覚により、スピーカー36a,36b等からの放音は、操作者の耳30cによる聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示部29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図66に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用を構成するスピーカー36a及び、受話器を構成するアクチュエータ機能付きのスピーカー36b(振動体)が接続される。スピーカー36aは、着呼時、音響信号Sout1に基づいて着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sout2’を入力して相手方の話し声30d等を拡大するようになされる。また、スピーカー36bは、触覚提示時、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この映像&音声処理部44にはスピーカー36a,36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン43が接続され、操作者の声を集音して音声信号Sinを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。カメラ34は上部筐体11a,11x,11x’等の背面側に設けてもよい。電源ユニット33は、バッテリーを有しており、操作パネル18、受信部21、送信部22、表示部29、CPU32、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44及び入力装置300にDC電源を供給するようになされる。なお、この例で、メモリ部37を映像&音声処理部44とは別個に設ける場合について説明したが、映像&音声処理部44に備え付けの記憶装置を兼用するようにしてもよい。部品点数が低減できる。
図67A及びBは、触覚#A及び#Bに係る振動パターン例を示す波形図である。図67A及びBにおいて、いずれも横軸は、時間tである。縦軸は振動発生信号Saの振幅Ax[V]である。この例では、表示部29に表示されるスクロール画像29a’や29b’等において、例えば、操作者の指30aの摺動操作時に触覚#A及び触覚#Bを与える。この例では、キートップ246上をなぞって摺動操作する場合は触覚#Aを与え、キートップ246を押し込む場合は触覚#Bを与える場合を例に挙げる。
図67Aに示す第1の振動パターンPaは触覚#Aを与える波形である。その触覚#Aの駆動条件aは、キートップ246によってスクロール操作(摺動操作)する場合であって、押下判定閾値Fthと加圧力Fとの関係がFth≧Fとなる場合であって、第1段階iで約0.1秒間、周波数fx=50Hz、振幅Ax=5μm、回数Nx=2回の振動パターンで振動する。以下[fx Ax Nx]=[50 5 2]と表記する。同様にして、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動するようになされる。このような振動パターンに基づいて操作面を振動すると、ジョグダイヤルスイッチ等の触覚を得ることができる。
図67Bに示す第2の振動パターンPbは触覚#Bを与える波形である。その触覚#Bの駆動条件bは、スクロール画像29a’等をキートップ246によってスクロール操作(摺動操作)した後に、情報選択決定(確定)操作等によって、キートップ246が押し込まれたとき、押下判定閾値Fthと加圧力Fとの関係がFth<Fとなる場合である。この場合、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]で振動し、同様にして、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。これにより、ドームスイッチ25と同じ情報選択決定(確定)操作を実行できるようになる。この例で押下判定閾値Fth=100[gf]を設定すると、クラシックスイッチの触覚を得ることができる。
図68A及びBは、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その1)を示す図である。この例でセンサ13に圧力検出シート部材が使用される場合であって、図68Aに示す縦軸は加圧力Fであり、押し込み検出信号#S2(二値化後は押し込み検出情報D2)から得られる。図68Bにおいて、縦軸は振動発生信号Saの振幅[V]である。図68A及びBにおいて、横軸はいずれもサンプリング時刻tである。サンプリング時刻tとは、センサ13の出力値を所定の周波数のサンプリングクロックで走査して圧力検出シート部材に加わった加圧力Fをラッチするタイミングをいう。
一般に、ボタンスイッチ操作等において、入力モーションピークが存在する。設計通りの押下速度(操作入力速度)である場合、その加圧力Fは30[gf]乃至240[gf]程度であることが知られている。図68Aに示す加圧力分布波形Iaは、入力装置設計時に基準とした、押し込み方向(Z方向)への押下速度による加圧力Fを反映したものである。
この例で入力装置300から得られる押し込み検出信号#S2に対して予め押下判定閾値Fthが設定され、CPU32は、押し込み検出信号#S2の立ち上がり波形が押下判定閾値Fthを横切るサンプリング時刻t11に第1の振動パターンPaを発生し、押し込み検出信号#S2の立ち下がり波形が押下判定閾値Fthを横切るサンプリング時刻t21に第2の振動パターンPbを発生するようにメモリ部37を読み出し制御する。
このようにすると、入力装置300が摺動操作時に基準とした加圧力Fを検出する場合であって、押下判定閾値Fth≧加圧力Fを検出したとき、触覚#Aを起動することができる。CPU32等が押下判定閾値Fth<加圧力Fを検出したとき、触覚#Bを起動することができる。なお、振動パターンPaと振動パターンPbとの間には、無振動の空白期間Tx=T1が設けられる。この空白期間Txは、押し込み方向への押圧速度に応じて可変するようになされる。
図69A及びBは、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その2)を示す図である。この例でもセンサ13に圧力検出シート部材が使用される場合であって、図69Aにおいて、縦軸は加圧力Fであり、押し込み検出信号#S2(二値化後は押し込み検出情報D2)から得られる。図69Bにおいて、縦軸は振動発生信号Sa(振幅)である。図69A及びBにおいて、横軸はいずれも時間tである。
図69Aに示す加圧力分布波形IIaは、摺動操作の途中で、スクロール画像29a’や29b’等を押下した場合の加圧力Fを反映したものである。この例でも、図68Aと同様にして、入力装置300から得られる押し込み検出信号#S2に対して予め押下判定閾値Fthが設定され、CPU32は、押し込み検出信号#S2の立ち上がり波形が押下判定閾値Fthを横切るサンプリング時刻t12に振動パターンPaを発生し、押し込み検出信号#S2の立ち下がり波形が押下判定閾値Fthを横切るサンプリング時刻t22に振動パターンPbを発生するようにメモリ部37を読み出し制御する。
このようにすると、入力装置300は摺動操作中に、スクロール画像29a’や29b’等が選択押し込み操作された場合の加圧力Fを検出し、CPU32等が押下判定閾値Fth≧加圧力Fを検出したとき、触覚#Aを起動することができ、また、CPU32等が押下判定閾値Fth<加圧力Fを検出したとき、触覚#Bを起動することができる。
なお、振動パターンPaと振動パターンPbとの間には、無振動の空白期間Tx=T2(T2<T1)が設けられる。これにより、スクロール画像29a’や29b’等に係る摺動操作中は触覚#Aが伝わり、スクロール画像29a’や29b’等が選択押し込み操作される場合は、触覚#Bが伝わり、クリック感のある荷重に到達できるようになる。
続いて、携帯電話機101等における情報処理例について説明をする。図70は、各実施例に係る携帯電話機101等における情報処理例を示すフローチャートである。
この例では、携帯電話機101等において、第21の実施例で説明した入力装置210が備えられ、入力装置210にはセンサ13及びキートップ246が設けられる。更に、第1の実施例で説明したスクロール画像を表示する表示部29と、第2の実施例で説明したアクチュエータ機能付きのスピーカー36bとを備え、操作者の指30aで当該携帯電話機101等の側面の操作面を摺動操作又は押下操作して情報を入力する場合を前提とする。
携帯電話機101等には、例えば、同一振動モード内において、操作者の指30a等による加圧力Fをパラメータにして波形を加工する機能(アルゴリズム)が備えられる。CPU32は、押し込み検出情報D2から加圧力Fを算出し、図67Aに示したような駆動条件a,bに対応して判別を行い、その判別結果で、同一の振動モード内において、いかなる種類の入力に対しても、入力動作中の動きに対応した触覚#A,#Bを発生できるようにした。
これらを情報処理条件にして、CPU32は、図70に示すフローチャートのステップG1で電源オンを待機する。例えば、CPU32は電源オン情報を検出してシステムを起動する。電源オン情報は通常、時計機能等が稼働し、スリーピング状態にある携帯電話機等の電源スイッチをオンされたときに発生する。
そして、ステップG2に移行してCPU32は、メニュー等のアイコン画面を表示するように表示部29を制御する。例えば、CPU32は、表示部29に表示情報D4を供給してメニュー等のアイコン画面を表示する。このアイコン画面で情報処理モードを設定する。この例で、情報処理モードにはアイコン入力モード又はその他の処理モードが準備されているので、操作者はいずれかを選択する。アイコン入力モードには例えば、スクロール画像選択モードが含まれている。
スクロール画像選択モードとは、スクロール画像29a’や29b’等の選択時に操作面のキートップ246を摺動操作又は押下操作する動作をいう。スクロール画像選択モードには、電話モードやメール作成、送信表示モード等が含まれる。電話モードには、相手方に電話を発信する操作が含まれる。スクロール画像29b’には、電話モード選択時の文字入力項目が含まれる。スクロール画像29a’,29b’は、図7A及びBに示したような入力情報である。
このとき、図7A及びBに示したように、表示部29の1画面内に収まる選択項目の個数xがMax個以下の場合には、キートップ246のスライド量SxとしてS1=4mmが設定され、1画面内に収まる選択項目の個数xがMax個を越える場合は、キートップ246のスライド量SxとしてS2=2mmが設定される(図9参照)。また、図10に示したようにセンサ13の電気的な検知領域(3)の長さXsと、スクロール方向に存在する選択項目の全個数Ysとに基づいてキートップ246のスライド量Sxを任意に設定してもよい(図10参照)。
そして、ステップG3に移行してCPU32は、スクロール画像選択モード又はその他の処理モードに基づいて制御を分岐する。スクロール画像選択モードが設定された場合、スクロール画像29a’や29b’等をスクロール操作のためにキートップ246が摺動操作されるので、ステップG4に移行してCPU32はセンサ13によって加圧力Fを検出する。このとき、キートップ246は入力装置210の下部筐体11qの一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がり、かつ、他方の操作面に向かって堀り上がる凹部形状に沿って摺動される。センサ13は、キートップ246上を摺動操作される操作者の指30aの摺動位置の加圧力Fを検出し、位置検出信号#S1をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は位置検出信号#S1をA/D変換し、そのA/D変換後の位置検出情報D1をCPU32に転送する。
そして、ステップG5に移行してCPU32は、位置検出情報D1に基づく加圧力Fと押下判定閾値Fthとを比較し、これらの関係がF≦Fthか否かを判別する。これらの関係がF≦Fthとなる場合は、ステップG6に移行して触覚#Aを起動する。触覚#Aは、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bによって、操作者の指30aの加圧力Fに対応した振動パターンPbに基づいて操作面を振動することで得られる。触覚#Aは、例えば、図70Aに示した周波数fx、振幅Ax及び回数Nxに関して、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 5 2]の振動パターンで振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる(駆動条件a)。なお、位置検出情報D1に基づく加圧力Fと押下判定閾値Fthとの関係がF≦Fthでない場合は、ステップG7に移行して加圧力Fの検出を継続する。
そして、操作者の指30aでキートップ246を押し込む操作がなされると、ステップG7に移行してCPU32は押し込み検出情報D2に基づいて加圧力Fを算出する。このとき、センサ13は、操作面における操作者の指30aの押下位置の加圧力Fを検出し、押し込み検出信号#S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は押し込み検出信号#S2をA/D変換し、そのA/D変換後の押し込み検出情報D2をCPU32に転送する。
そして、ステップG8に移行して、CPU32は加圧力Fと押下判定閾値Fthとを比較し、これらの関係がF>Fthとなるか否かを判別する。これらの関係がF>Fthとなる場合は、ステップG9に移行して触覚#Bを起動する。触覚#Bは、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bによって、操作者の指30aの加圧力Fに対応した振動パターンPbに基づいて操作面を振動することで得られる。例えば、触覚#Bは、図70Bに示した第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]の振動パターンで振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる(駆動条件(b)。なお、位置検出情報D1に基づく加圧力Fと押下判定閾値Fthとの関係がF>Fthでない場合は、ステップG12に移行する。
その後、ステップG10に移行して入力を確定する。このとき、CPU32は、入力操作面で当該押下位置に表示された入力情報を確定する。そして、ステップG12に移行する。なお、ステップG3で他の処理モードが選択された場合は、ステップG11に移行して他の処理モードを実行する。他の処理モードには、音楽再生機能や、テレビ受信機能が含まれる。
他の処理モードを実行した後は、ステップG12に移行する。ステップG12でCPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップG2に戻って、メニュー画面を表示し、上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、各実施例としての触覚機能付きの入力装置210を応用した携帯電話機101等によれば、本発明に係る入力装置300が備えられるので、当該携帯電話機101等を操作する操作者の指30aによる摺動操作に対し、携帯電話機101等の側面の一方の操作面から摺動方向に沿って堀り下がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって堀り上がる摺動操作感覚を与えることができる。
従って、第1の入力装置10の非回転型のサイドジョグツール等に対して反転構造の非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。しかも、入力装置210の小型化、センサシート81a’〜801eの薄型化及び操作性を向上できることから、当該携帯電話機101等の誤動作の低減、コストダウン、及び、製造プロセスの簡素化を図ることができる。
図71は、本発明に係る入力装置を備えた第30の実施例としてのビデオカメラ400の構成例を示す斜視図である。
図71に示すビデオカメラ400は電子機器の他の一例を構成し、情報入力操作時に操作体(者)に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、被写体像を撮像し、かつ、周囲の音響を録音するものである。ビデオカメラ400には、第1〜第29の実施例で説明した入力装置10〜290のいずれかの入力装置を備え、このビデオカメラ400にはアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが応用されるものである。
ビデオカメラ400は、外装を構成するケース402を有しており、ケース402の前面上部には撮影光学系404が組み込まれたレンズ鏡筒403が設けられている。レンズ鏡筒403の後端には、撮影光学系404によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子(不図示)が組み込まれている。
ケース402の後面、上面、側面には、電源スイッチ、撮影スタート/ストップスイッチ、ズームスイッチなど種々の操作スイッチ405が設けられている。ケース402の左側面には、タッチパネルディスプレイ装置401がヒンジ406を介して開閉可能にケース402に連結され、不図示の撮像素子で撮像した画像を表示するようになされる。
タッチパネルディスプレイ装置401には、例えば、第29の実施例で説明した入力装置290及び、図12に示したアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが備えられる。第29の実施例で説明した入力装置290によれば、図65に示したように表示トップ部材63、センサ13’及びLCD素子64が上部から順に積層されて構成される。表示部29は表示トップ部材63及びLCD素子64を有して構成され、その所定の位置には凸状を成したキートップ152’が配設される。表示部29は、キートップ152’によって入力される情報を表示する。
キートップ152’は、操作性を良くするために、例えば、表示部29の中央部位よりやや左側に配設されている。キートップ152’は、所定の高さ及び幅を有した半球凸形状を成している。キートップ152’は、半球凸形状の一の軌道に沿って摺動操作され、又は/及び当該軌道と交差する他の軌道に沿って摺動操作される。もちろん、表示部29にLCD素子64を介して入力情報を選択させるためのアイコン映像を表示し、このアイコン映像に沿って操作者の指を摺動操作させるようにしてもよい。
タッチパネルディスプレイ装置401内にはスピーカー36bが設けられ、スピーカー36bには、図12に示した所定部位に開口部1a,1b,1c,1dを有した蓋部材1と、この蓋部材1が係合されるハウジング部6と、有底筒状の凹部5aを有してハウジング部6内に可動自在に配された振動用のヨーク5と、ハウジング部6内でヨーク5を可動自在に支持するスプリングバネ51,52と、そのハウジング部6内で可動自在に支持されるヨーク5の底部に固定されたマグネット4と、巻き軸部を有してマグネット4の周囲に可動自在に配されたコイル3と、このコイル3の巻き軸部の一方の側に取り付けられて、蓋部材1とハウジング部6で挟持される振動板2とを有したものが使用される。
この例で、タッチパネルディスプレイ装置401のモニタ用の表示部29に表示された入力操作用のアイコン画像を指で操作すると、スピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指に触覚を提示するようになされる。この入力操作により、ビデオカメラ400においても、表示部29に表示されたスクロール画像29a’や29b’等の入力を確定できるようになる。なお、図中、孔67はクリック音漏れ出し用の開口部である。
このように、第30の実施例としてのビデオカメラ400によれば、本発明に係る触覚機能付きの入力装置290を備えられるので、表示トップ部材63、センサ13’及びLCD素子64が順に積層された表示部29の中央部位よりやや左側にキートップ152’が設けられ、表示トップ部材63と、半球凸形状を有したキートップ152’とが一体成形又は、表示トップ部材63上にキートップ152’が貼付されて成るものである。
従って、耐水性に富んだ密閉構造の入力装置290を備えたビデオカメラ400を提供できるようになる。しかも、操作者の指による摺動操作に対し、表示部29の表示トップ部材63の一方の表示面から半球凸形状の一の軌道に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の表示面に向かって円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えること、及び、表示トップ部材63の他方の表示面から半球凸形状の一の軌道と交差する他の軌道に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の表示面に向かって円弧状に盛り下がる摺動操作感覚を与えることができる。これにより、当該入力装置290を応用したビデオカメラ400の入力操作性が向上し、従来方式のタッチパネルには無いユニークな操作感覚が得られるようになる。
上述の例では、電子機器に関して、触覚機能付きの入力装置を応用したスライドタイプの携帯電話機101等及び、ビデオカメラ400について説明したが、これらに限られることはなく、通常の1軸ヒンジタイプの携帯電話機102や、2軸ヒンジタイプの携帯電話機103、上部筐体11x及び下部筐体11yの両方に表示画面を備えた携帯端末装置、デジタルカメラ等に適用できることは言うまでもない。
なお、表1に本発明者らが実施した各入力装置間における操作性評価結果を示している。
表1に示す操作性評価結果は、従来例”1”、従来例”2”、本発明”1”及び本発明”2”の各々の入力装置における操作正確性を比較してまとめたものである。従来例”1”は、図72に示したようなサイドジョグ回転スイッチ+ドームスイッチ構造の入力装置500の場合である。従来例”2”は、図73に示した平面フラット&無回転型のキートップ+ドームスイッチ付きの入力装置600の場合である。本発明”1”は、図14に示した第3の実施例に係る無回転型のキートップ+ドームスイッチ付きの入力装置30の場合である。本発明”2”は、図15に示した第4の実施例に係る無回転型のキートップ+ドームスイッチ+アクチュエータ機能付きの入力装置40の場合である。
これら4つの入力装置30,40,500,600に関して、スライド操作及びプッシュ操作を評価した。評価方法は、いずれも被験者は50名である。スライド操作に関しては、電話帳アプリケーションの縦スクロール画面で狙ったところ(ターゲット画像)にカーソルを当てて止めてもらうキートップ操作を実行した。カーソルを当てて止めてもらう項目は1名に付き10個の場合である。この場合、1回のキートップ操作でカーソルをターゲット画像に止められた正解数を比較した。
また、プッシュ操作に関しては、電話帳アプリケーションの縦スクロール画面で選択し終えた状態から、キートップ押し込み操作を実行して、ドームスイッチをオンして入力決定(確定)操作をしてもらう場合である。この場合、キートップを押し込む前に、選択されていたターゲット画像がそのまま決定されれば、「正解」、違うターゲット画像が選択されたり、当該ターゲット画像の選択決定できなかった場合は「間違い」とする。これらの正解数を従来例”1”、従来例”2”、本発明”1”及び本発明”2”の各々について比較することで、入力装置30,40,500,600の操作正確性を評価した。
表1に示した操作性評価結果によれば、従来例”1”、従来例”2”、本発明”1”及び本発明”2”の各々全500回中の正解数に関して、従来例”1”の場合は、スライド操作が「478」であり、プッシュ操作は「478」である。従来例”2”の場合は、スライド操作が「302」であり、プッシュ操作は「300」である。本発明”1”の場合は、スライド操作が「450」であり、プッシュ操作は「495」である。本発明”2”の場合は、スライド操作が「468」であり、プッシュ操作は「493」である。
スライド操作に関して、本発明”1”及び本発明”2”は従来例”1”よりも正解数がやや劣るが、従来例”2”よりも操作確実性が向上している。プッシュ操作に関しては、本発明”1”及び本発明”2”共に従来例”1”や、従来例”2”よりも正解数が多く、操作確実性が向上している。従来例”1”によれば、ジョグダイヤルを押し込む前にキートップが回転し、1つ前後したターゲット画像を誤って決定する失敗が見られた。従来例”2”によれば、キートップを押し込んだ際に、当該キートップの隅を押し込んでしまい、押し子がメタルドーム部511を正確に押し込めず、ターゲット画像を選択決定ができないという内容の失敗が見られた。
これに対して、本発明”1”及び”2”は、無回転型のキートップ+ドームスイッチや、無回転型のキートップ+ドームスイッチ+アクチュエータ機能付きの構造を採っているので、1つ前後したターゲット画像を誤って決定することがなく、しかも、押し子がメタルドーム部511を正確に押し込むようになるので、高い操作性及び確実性を実現することができ、使用勝手が優れた入力装置30,40等を提供できるようになった。
この発明は、デジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(以下PCという)、ノート型のPC、ホーム系電子機器及びそのリモートコントローラ等に適用して極めて好適である。
(A)及び(B)は、本発明に係る第1の実施例としての入力装置10を備えた携帯電話機101の構成例を示す斜視図である。
入力装置10の内部構成例を示す断面図である。
キートップ14の突出部分の寸法設定例を示す概念図である。
入力装置10の検出感度例を示すグラフ図である。
入力装置10の位置検出例を示すグラフ図である。
入力装置10の操作範囲例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、入力装置10におけるスライド量Sxの設定例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、入力装置10の操作例を示す概念図である。
入力装置10におけるスライド量Sxの設定例(固定値選択)を示すフローチャートである。
入力装置10におけるスライド量Sxの他の設定例(設定値可変)を示すフローチャートである。
第2の実施例としての入力装置20の内部構成例を示す断面図である。
アクチュエータ機能付きのスピーカー36bの構成例を示す正面から見た断面図である。
第3の実施例としての入力装置30の構成例を示す分解斜視図である。
入力装置30の構成例及びその機能例を示す上面から見た断面図である。
第4の実施例としての入力装置40の内部構成例を示す断面図である。
第5の実施例としての入力装置50の内部構成例を示す断面図である。
第6の実施例としての入力装置60の内部構成例を示す断面図である。
第7の実施例としての入力装置70の内部構成例を示す断面図である。
第8の実施例としての入力装置80の内部構成例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、第9の実施例としての入力装置90の外観例を示す斜視図及び、その内部構成例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、第10の実施例としての入力装置100の構成例を示す斜視図及び断面図である。
(A)〜(C)は、第11の実施例としての入力装置110の構成例を示す斜視図及び断面図である。
(A)〜(C)は、第12の実施例としての入力装置120の構成例を示す斜視図及び断面図である。
(A)及び(B)は、本発明に係る第13の実施例としての携帯電話機102の構成例を示す斜視図である。
携帯電話機102の撮影時の取扱例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、本発明に係る第14の実施例としての携帯電話機103の構成例を示す斜視図である。
携帯電話機103のテレビ視聴時の取扱例を示す斜視図である。
第15の実施例としての入力装置150の構成例を示す斜視図である。
第16の実施例としての入力装置160の構成例を示す斜視図である。
第17の実施例としての入力装置170の構成例を示す斜視図である。
第18の実施例としての入力装置180の構成例を示す斜視図である。
静電センサシートを実装したFPC基板81の構成例を示す平面図である。
入力装置180の組立例を示す斜視図である。
入力装置180の内部構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、入力装置180におけるドームスイッチ85a等の動作例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、変形例としてのFPC基板801の表裏の構成例を示す平面図である。
(A)〜(E)は、入力装置180や180’等に適用可能ななぞり検出用の他のパターンの構成例を示す平面図である。
変形例としての入力装置180’の組立例を示す斜視図である。
キートップ152の個々のキーパーツ86a〜86cの幅とドームスイッチ85a〜85c等の幅との関係例を示す入力装置180’の断面図である。
入力装置180’の内部構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は入力装置180’におけるドームスイッチ85a等の動作例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、電極・配線交差構造例に係るメタルドーム部511の形状例を示す斜視図である。
変形例としての入力装置180”におけるドームスイッチ85a’〜85e’の配置例を示す平面図である。
入力装置180’のなぞり検出時の動作例を示す平面図である。
(A)及び(B)は、携帯電話機104の構成例及びその操作画面の表示例を示す説明図である。
(A)〜(D)は、表示部29におけるモード設定例を示す状態遷移図である。
(A)及び(B)は、クロスJOGモードにおける入力操作例を示す説明図である。
(A)及び(B)は、ディスクJOGモードにおける入力操作例を示す説明図である。
入力装置180’におけるなぞりモードの自動設定例を示すフローチャートである。
(A)及び(B)は、第19の実施例としての入力装置190の外観例を示す斜視図及びその内部構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、入力装置190の操作例を示す概念図である。
(A)及び(B)は、第20の実施例としての入力装置200の構成例を示す斜視図及び断面図である。
(A)及び(B)は、第21の実施例としての入力装置210の構成例を示す斜視図及び断面図である。
(A)及び(B)は、第22の実施例としての入力装置220の構成例を示す斜視図及び断面図である。
第23の実施例としての入力装置230の構成例を示す斜視図である。
第24の実施例としての入力装置240の構成例を示す斜視図である。
第25の実施例としての入力装置250の構成例を示す斜視図である。
変形例としての入力装置250’の構成例を示す分解斜視図である。
入力装置250’の内部構成例を示す断面図である。
変形例としての入力装置250”の内部構成例を示す断面図である。
キートップ251の個々のキーパーツの幅とドームスイッチの幅との関係例を示す入力装置250”の断面図である。
第26の実施例としての入力装置260の構成例を示す斜視図である。
第27の実施例としての入力装置270の構成例を示す斜視図である。
第28の実施例としての入力装置280の構成例を示す斜視図である。
第29の実施例に係る入力装置290の構成例を示す分解斜視図である。
携帯電話機101等の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
(A)及び(B)は、触覚#A及びBに係る振動パターン例を示す波形図である。
(A)及び(B)は、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その1)を示す図である。
(A)及び(B)は、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その2)を示す図である。
各実施例に係る携帯電話機101等における情報処理例を示すフローチャートである。
本発明に係る入力装置を備えた第30の実施例としてのビデオカメラ400の構成例を示す斜視図である。
従来例に係る入力装置500の構成例を示す断面図である。
従来例に係る他の入力装置600の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・蓋部材、2・・・振動板、3・・・コイル、4・・・マグネット、5・・・ヨーク、6・・・ハウジング、10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,150,160,170,180,180’,180”,190,200,210,220,230,240,250,250’,250”,260,270,280,290,300・・・入力装置、11a,11x・・・上部筐体、11b,11d,11e,11f,11g,11h,11i,11j,11k,11m,11n,11o,11p,11q,11r,11s,11t,11u,11v,11w,11y,11z・・・下部筐体、13・・・センサ(センサ13)、14,141,142,143,144,145,146,147,148,149,151,152,153,244,245,246,247,248,249,251,252,253・・・キートップ(キートップ)、15・・・制御部、16・・・アンテナ、17・・・回路基板、18,18’,38・・・操作パネル、19,82a〜82e,191・・・押し子、21・・・受信部、22・・・送信部、23・・・共用器、25・・・ドームスイッチ(ドームスイッチ25)、26・・・画像処理部、29・・・表示部、31・・・A/Dドライバ、32・・・CPU、33・・・電源ユニット、34・・・カメラ、35・・・記憶部、36a・・・スピーカー、36b・・・アクチュエータ機能付きのスピーカー、37・・・メモリ部、44・・・映像&音声処理部、48,48a,48b・・・ヒンジ、51,52・・・スプリングバネ、61a〜61e・・・三角マーク、62a〜62e・・・LED素子、63・・・表示トップ部材、81,801・・・FPC基板、81a〜81e・・・センサシート(静電容量シート部材)、82a’〜82e’・・・突起部、85a〜85e・・・ドームスイッチ、101,102,103・・・携帯電話機(電子機器)、400・・・ビデオカメラ(電子機器)、511・・・メタルドーム部、512・・・固定側の接点電極