JP5659761B2 - カラーフィルタ用赤色顔料分散液、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
このような状況において、液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルタにおいても、高輝度化や高コントラスト化、色再現性の向上といった要望が高まっている。
このような着色層の形成方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法などが知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
現在、バックライト用のLEDとしては、3色LEDではコストメリットが小さいため、青色LEDの表面に蛍光体を塗布することによって形成される擬似白色LED(青色LEDと黄色蛍光体の組み合わせ(B−YAG)や青色LEDと赤色蛍光体と緑色蛍光体とを組み合わせ(B−RG))が主流となっている。このような白色LEDバックライトを使用した場合、青色発光強度と比較して赤色発光強度が微弱であることから、赤色着色層の輝度が落ちてしまうため、赤色着色層の高輝度化が求められている。
以上のように、従来の技術では、ベイク時の結晶析出、低輝度、分散安定性及び低コントラストが問題になっていた。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。]
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
Ra、Ra’、及びRbにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。]
更に、本発明は、上記カラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
更に、本発明によれば、上記カラーフィルタを用いることで、高輝度かつ高コントラストな液晶表示装置を提供することができる。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことを言う。また本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味する。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液は、(A)ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料と、(B)下記一般式(1)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体と、(C)C.I.ピグメントイエロー138、139、150、215、及びこれらの誘導体顔料よりなる群から選択される1種以上の黄色顔料のスルホン化誘導体と、(D)3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック共重合体である顔料分散剤と、(E)溶媒とを含有することを特徴とする。
ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料を溶媒中で分散する際に、前記特定の黄色顔料のスルホン化誘導体と、3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック共重合体である顔料分散剤とを組み合わせた顔料分散剤の存在下で分散を行うことにより、特に高輝度を達成しながら、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の分散性及び分散安定性が向上し、高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成可能な顔料分散液、感光性樹脂組成物が得られる。
更に、特定の非対称型ジケトピロロピロール誘導体を組み合わせることにより、高輝度を維持したまま、大きな色変化を起こすことなく、カラーフィルタ工程における高温加熱工程後においても顔料の凝集および結晶析出が抑制され、位相差を大きく変化させずにコントラストを向上する効果が得られる。
本発明によれば、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料を溶媒中で分散する際に、前記特定の黄色顔料のスルホン化誘導体を用いる。前記特定の黄色顔料のスルホン化誘導体は、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料と親和性が高く、赤色顔料の表面に吸着することにより、赤色顔料の表面を酸性にし、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料そのものよりも、顔料分散剤との親和性を高める、顔料分散剤との仲介役を果たす。また、黄色顔料のスルホン化誘導体は、赤色顔料のスルホン化誘導体と異なり、元々の色が着色力の低い黄色であるため、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の透過波長よりもより短波長側まで透過することにより、赤色顔料の色を大きく変化させることなく、赤色顔料分散液の輝度を高いまま維持する役割を果たす。特にその効果はジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料がC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255の時に効果が大きい。
このような顔料分散剤と黄色顔料のスルホン化誘導体とを組み合わせて用いると、C.I.ピグメントレッド254等を微細化しつつ、微細化されて露出された顔料表面に黄色顔料のスルホン化誘導体と顔料分散剤が適切に吸着して溶媒中での顔料の安定化を図ることができ、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料をより均一に微細化することができると推定される。その結果、コントラストが向上した塗膜を得ることができる。
非対称型ジケトピロロピロール誘導体は、極性の高い置換基が無く、溶剤への溶解性が低いことから、単独で用いると、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の分散性を低下させたり、ジケトピロロピロール骨格のスルホン化誘導体や他の骨格の赤色顔料のスルホン化誘導体と組み合わせると、輝度が低下する恐れがある。
本発明においては、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料に、前記特定の黄色顔料誘導体と当該非対称型ジケトピロロピロールとを組み合わせる相乗効果により、大きな色変化を起こすことなく、輝度とコントラストおよび耐熱性を、トレードオフの関係無しにいずれも高くすることができる。
以下、このような本発明の赤色顔料分散液の各成分について順に詳細に説明する。
ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料は、下記化学式で示される構造を有する。
なお、上記顔料の平均粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
顔料分散液中の顔料の平均分散粒径は、少なくとも溶剤を含有する分散媒体中に分散している顔料粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、顔料分散液に用いられている溶剤で、顔料分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
本発明に用いられるジケトピロロピロール誘導体は、下記一般式(1)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体である。本発明に用いられるジケトピロロピロール誘導体は、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の一方のフェニル基を多環式化合物基としたことにより、フタルイミドメチル化ジケトピロロピロール誘導体と比較して、耐熱性向上に対する効果が大きい。また、多環式化合物基を適宜選択することにより、フタルイミドメチル化ジケトピロロピロール誘導体と比較して、位相差を大きく変化させることなく耐熱性を向上することができる。なお、非対称型とは、ジケトピロロピロール骨格に置換された2つの置換基が異なることをいう。
フェニル基としては、置換基を有しない(n=0である)ことが好ましい。フェニル基に塩素等、置換基が無い方が、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料に作用する側の立体障害が小さく、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の一次粒子の表面により多く水素結合したり、吸着したりできるため、耐熱性向上に対する効果が大きい。
置換基Xを有する場合のXとしては、中でも、ハロゲン原子、炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基であることが、立体障害が小さく、顔料に対する吸着を妨げない点から好ましい。ハロゲン原子としては、Cl、Brなどが挙げられる。炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
特定のピロリノンとベンゾニトリルとを反応させることにより製造することができる。この合成方法については、欧州特許出願公開第0184982号明細書に詳細に記載され、これを参照することができる。非対称型ジケトピロロピロール誘導体としては、1種単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
一方、加熱時の位相差の増大は、目視で確認できないレベルの抑え切れなかった水素結合方向の結晶成長もしくは積層方向の結晶成長がナノレベルで起こり、硬化膜中で秩序ができるために生じると推測される。そのため、より強力に結晶成長を抑制できれば、加熱による位相差増大が生じないと考えられる。
結晶析出をより強力に抑制するには、非対称型ジケトピロロピロール誘導体の立体障害により、結晶成長の原因となる隣り合うジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料が接触、結合しないようにすることが重要であり、その立体障害の方向やサイズよって耐熱性の度合いも変化すると考えられた。本発明においては、ジケトピロロピロール誘導体に多環式化合物基を置換することにより、隣り合うジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料分子の接触及び水素結合形成を抑制することが可能になり、加熱時のコントラスト低下及び位相差増大を抑制できる。特に、剛直な立体障害を持つ非対称ジケトピロロピロール誘導体を添加すると、加熱時の位相差増大を抑えることができる。空間配座については、Fujitsu SCIGRESS (富士通(株)製)を用い、古典力学計算(MM3計算)および半経験的分子軌道法(PM6計算)を行うことによって空間配座の最適化を行う事ができる。そのシミュレーションの結果から、その立体障害、すなわち中央の二つのピロール環平面と、多環式化合物基に含まれる環が構成する平面との二面角のうち最大値が10度以上にある非対称型ジケトピロロピロール誘導体は、特にその効果が高いことが分かった。例えば、多環式化合物基がビフェニル基の場合は、ピロール環平面に直接結合しているフェニル基ではなく、2番目に結合しているフェニル基が構成する平面との二面角が最大値をとる。
本発明の顔料分散液において用いられる、黄色顔料のスルホン化誘導体を誘導する黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、215、及びこれらの誘導体顔料よりなる群から選択される1種以上の黄色顔料である。これらの顔料は、輝度が高く、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料との親和性が高い点から好ましい。
ここで、C.I.ピグメントイエロー150の誘導体顔料としては、具体的には、少なくとも1種のゲスト化合物のホストとして働く下記化学式またはそれの互変異性構造の1つに従うアゾ化合物のモノ、ジ、トリおよびテトラアニオンと金属Li,Cs,Mg,Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb、特に好適にはNa,K,Ca,Sr,Ba,Zn,Fe,Ni,Cu,MnおよびLaに相当する金属錯体を挙げることができる。
化学式(A): −SO2NH−(CH2)m−NR’R”
化学式(B): −SO2NH−(CH2)m−COOH
化学式(C): −SO2NH−(CH2)m−SO3H
化学式(A)において、R’及びR”はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の置換されていても良い飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、又は、隣接する窒素原子と共に更に窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含んでいても良い複素環を形成したものを表す。
化学式(A)〜(C)において、mはそれぞれ独立に、1〜6の整数である。
また、黄色顔料のスルホン化誘導体には、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホン酸塩以外に、更にフタルイミドメチル基等の他の官能基が置換されていても良い。
立体障害や分散剤との親和性の点から好ましい。
前記黄色顔料のスルホン化誘導体と、前記非対称型ジケトピロロピロール誘導体とを併用すると、それらの相乗効果により、赤色顔料誘導体を単独で用いた場合の色相の変化を抑制でき、輝度も向上でき、かつ耐熱性が向上し、ベイク時のジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の結晶析出を抑制できる。
本発明に用いられる顔料分散剤は、3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック共重合体である。このようなブロック共重合体においては、3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック部分が、顔料及び黄色顔料のスルホン化誘導体に吸着し、3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含まないブロック部分が、溶媒に対して溶解性を有するため、顔料の分散性を向上することができる。特に、本発明においては、スルホン酸基及び/又はスルホンアミド基を有する黄色顔料誘導体と塩型ブロック共重合体からなる顔料分散剤を組み合わせて用いるため、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化を実現することが可能になり、コントラストを向上することができる。
ブロック共重合体からなる顔料分散剤を用いると、グラフトポリマー型顔料分散剤を使用するよりも顔料吸着部と溶剤可溶部のサイズを小さく設計することができ、より細かい顔料での分散効果が高くなる。更に、耐熱性も比較的高く、顔料分散剤に起因して耐熱性を悪化することを抑制できる。
なお、3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック部分には、塩を形成していないアミンが含まれていても良い。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。]
上記ブロック共重合体は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有するものである。
上記一般式(I)において、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。ここで、炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などを挙げることができる。これらの中で、メチル基及びエチル基が好ましい。
本発明においては、上記R2及びR3は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。本発明においては、x、y、及びzが、上記の範囲内にあれば、本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液は、顔料の分散性に優れたものになる。
上記Aとしては、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。炭素数が1〜8の範囲内であれば、顔料の分散性を良好に保つことができる。
上記炭素数1〜18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。
上記炭素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、各種ブテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種オクタデセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
置換基を有していてもよいアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、上記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
上記R8で示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R8のうちの炭素数1〜18のアルキル基、及び炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、前記R4で示したとおりである。
上記R4において、x、y及びzは、前記Aで説明したとおりである。
また、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)中のR4は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
ここで、上記R4をこのように設定する理由は、上記R4を含む繰り返し単位(2)が、上記溶媒に対する可溶性を有し、上記繰り返し単位(1)のアミノ基と、後述する有機酸化合物及び/又はハロゲン化炭化水素とが形成する塩形成部位が顔料に対して高い吸着性を有するものであることにより、顔料の分散性及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
さらに、上記ブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、500〜20000の範囲内であることが好ましく、1000〜15000の範囲内であることがより好ましく、3000〜12000の範囲内であることがさらに好ましい。上記範囲内であることにより、顔料を均一に分散させる分散初期の顔料に対する濡れ性と分散安定性を両立することが可能となる。
前述した一般式(I)で表される構成単位(1)と、一般式(II)で表される構成単位(2)とを有するブロック共重合体の構成単位(1)が有するアミノ基と、塩を形成する有機酸化合物としては、下記一般式(III)で表される構造を有する有機リン酸化合物及び/又は上記一般式(IV)で表される構造を有する有機スルホン酸化合物が挙げられる。
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
Ra、Ra’、及びRbにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。]
上記アルキル基やアルケニル基は置換基を有していても良く、当該置換基としては、F、Cl、Brなどのハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。
また、上記アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
上記Reのうちの炭素数1〜18のアルキル基は前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。
上記炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。尚、Ra’’が芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。
Rb、Rb’において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していても良い。
上記炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Reは、前記Ra、Ra及びRa’’で示したとおりである。
また上記Rc、Rd及びReは、前記Ra、Ra’及びRa’’で示したとおりである。
上記Rb及びRb’において、sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数である。好ましいs、t、uは、上記Ra、Ra’及びRa’’と同様である。
このような場合には、本発明のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成する際の露光時に、上記重合性基同士及び/又は上記重合性基と、本発明のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等とを容易に重合することができ、カラーフィルタの着色層中において、上記顔料分散剤が、安定に存在することを可能とする。このようなカラーフィルタを用いて液晶表示装置を製造した際には、液晶層等へ上記顔料分散剤がブリードアウトすることを防止することができる。
本発明で用いられるハロゲン化炭化水素は、前述した一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有するブロック共重合体の繰り返し単位(1)が有するアミノ基と塩を形成する。
本発明においては、上記ハロゲン化炭化水素を用いることにより、顔料分散剤の生成した塩形成部位が顔料への吸着性に優れているために高い分散性を発現することができると同時に、分散剤の耐熱性や耐アルカリ性、現像時のパターン欠け耐性を高くすることができる。
また、上記ハロゲン化炭化水素の炭素数としては、1〜30であることが好ましく、更に1〜25、より更に1〜18であることが好ましい。
本発明において、顔料分散剤として用いるブロック共重合体の製造方法としては、上記の繰り返し単位(1)と、繰り返し単位(2)とを有し、かつ上記繰り返し単位(1)が有するアミノ基と、上記の有機酸化合物及び/又はハロゲン化炭化水素とが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、上記の繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を公知の重合手段を用いて重合した後、後述する溶媒中に溶解又は分散し、次いで該溶媒中に上記有機酸化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を添加し、攪拌することにより顔料分散剤を製造することができる。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液には、顔料を分散させるために溶媒が含まれる。顔料分散液に用いる溶媒としては、該顔料分散液中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶媒であればよく、特に限定されない。
本発明の顔料分散液に用いる溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶媒;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶媒;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶媒;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶媒などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒の中では、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒が好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(CH3OCH2CH(CH3)OCOCH3)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明の顔料分散液は、以上のような溶媒を、当該溶媒を含む顔料分散液の全量に対して、通常は60〜85重量%の割合で用いて調製する。溶媒が少なすぎると、粘度が上昇し、顔料分散性が低下しやすい。また、溶媒が多すぎると、顔料濃度が低下し、樹脂組成物を調製後目標とする色度座標に達成することが困難な場合がある。
本発明の顔料分散液のジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料としては、C.Iピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255が好適に用いられるが、顔料分散液には、本発明の効果が損なわれない限り、更に他の顔料が含まれていても良い。他の顔料としては、例えば、他の赤色顔料や、後述の赤色感光性樹脂組成物において述べるような、カラーフィルタの赤色着色層に必要な特定の色味を達成する点から黄色顔料が挙げられる。但し、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料を分散させる際に、上記特定の黄色顔料のスルホン化誘導体と、3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック共重合体である顔料分散剤が存在することが好ましい。すなわち、本発明に係る赤色顔料分散液は、赤色感光性樹脂組成物を調製する際に、別途黄色顔料分散液と混合される赤色顔料分散液として好適に用いられる。
本発明の顔料分散液には、さらに必要に応じて、顔料分散補助樹脂や他の顔料誘導体、その他の成分を配合しても良い。
顔料分散補助樹脂としては、例えば後述する感光性樹脂組成物で例示されるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって顔料粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、本発明の効果が損なわれない限り、他の顔料分散剤を含んでいても良い。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明の顔料分散液の製造方法は、前記(E)溶媒中、少なくとも前記(C)黄色顔料のスルホン化誘導体と前記(D)顔料分散剤との存在下で、前記(A)ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料を分散させる工程を有することが好ましい。前記(E)溶媒中、前記(C)黄色顔料のスルホン化誘導体と前記(D)顔料分散剤と前記(B)下記一般式(1)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体との存在下で、前記(A)ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料を分散させる工程を有することが好ましい。
分散工程において、分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.10〜1.0mmである。
このようにして、顔料粒子の分散性に優れた顔料分散液が得られる。該顔料分散液は、顔料分散性に優れたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を調製するための予備調製物として用いられる。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、少なくとも前記本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液と、(F)感光性バインダー成分とを含有することを特徴とする。
以下、このような本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物に用いられる成分を説明する。
なお、上記本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液に含まれ得る成分については、上記顔料分散液の箇所において説明したものと同様のものを用いることができるので、他の顔料と他の顔料分散剤以外、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物には、カラーフィルタにおける用途や仕様に必要とされる色度を達成でき、本発明の効果を損なわない限り、他の黄色顔料や更に橙色等の他の顔料を含有していても良い。
カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物に含まれる他の顔料としては、黄色顔料を含有することが、カラーフィルタの赤色着色層に必要な特定の色味を達成しながら、コントラストを向上する点から好ましい。
本発明においては、塗膜に充分な強度、耐久性、密着性を付与する点から、基板上に塗工又は転写などによりパターンを形成後、該塗膜を重合反応により硬化させることができる、バインダー成分を用いる。以下に説明する感光性バインダー成分の他に、エポキシ樹脂のような加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー成分を更に用いてもよい。優れた顔料分散性を有する上記本発明に係る顔料分散液を用いて本発明に係る樹脂組成物を調製するにあたり、その優れた顔料分散性を阻害しないように、適宜バインダー成分を選択する必要がある。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物においては、ネガ型感光性バインダー成分であることが、フォトリソグラフィー法によって既存のプロセスを用いて簡便にパターンを形成できる点から好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は側鎖にカルボキシル基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜選択して使用することができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂であり、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環は感光性樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは1000〜40000、より好ましくは2000〜5000である。
本発明における多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等を挙げることができる。
ネガ型感光性バインダー成分には、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、光重合成を有する重合体や光重合成モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合等)や、各材料の種類を考慮して適宜選択され、特に限定されない。
感光性樹脂組成物においては、着色層の色度調整の点から、顔料として、黄色顔料等他の顔料が更に用いられ得る。当該他の顔料を分散させるために、上記本発明に係る顔料分散液に用いられた顔料分散剤を用いても良いが、他の顔料分散剤を用いて分散させても良く、感光性樹脂組成物に他の顔料分散剤が含まれていても良い。
他の顔料分散剤としては、特に限定されず、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。また、溶媒に少量溶解するような顔料誘導体を顔料分散剤として用いてもよい。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ各種添加剤を含むものであってもよい。該添加剤としては、例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
顔料の合計の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%の割合で配合することが好ましい。顔料が少なすぎると、感光性樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜4.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがあり、また顔料が多すぎると、感光性樹脂組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、またその感光性樹脂組成物中の顔料分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために現像性、耐熱性等の特性も不十分になるおそれがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含まれる。
また、顔料分散剤の合計の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、1〜60重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、1重量%未満の場合には、顔料を均一に分散することが困難になる恐れがあり、60重量%を超える場合には、硬化性、現像性の低下を招く恐れがある。
アルカリ可溶性樹脂、多官能モノマー、及び光開始剤は、これらの合計量が、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して15〜95重量%、好ましくは25〜80重量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶媒の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではない。該溶媒を含む上記感光性樹脂組成物の全量に対して、通常、65〜95重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75〜88重量%の範囲内であることが好ましい。上記溶媒の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造方法は、前記(E)溶媒中、少なくとも前記(C)黄色顔料のスルホン化誘導体と前記(D)顔料分散剤との存在下で、前記(A)ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料を分散させて赤色顔料分散液を調製する工程と、
前記赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを混合する工程を有する。
この場合には、本発明の感光性樹脂組成物の製造方法としては、本発明に係る顔料分散液と、他の顔料分散液と、感光性バインダー成分、必要に応じて更に、溶媒、各種添加成分とを添加し混合する方法を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、予め顔料分散液を製造して用いるので、顔料の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得る点から好ましい。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが前述した本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層を有することを特徴とする。
このような本発明のカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、前述した本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成されたものであればよく、特に限定されないが、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、該カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物に含まれる顔料の種類によって、3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等を光重合反応させて、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、感光性樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrOx膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrOx膜(xは任意の数)、CrNy膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
(1)3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オンの合成
酢酸ベンゾイルエチル21.2部、クロロ酢酸エチル13.5部および粉末炭酸カリウム18.2部を、アセトン60部中で16時間還流した。反応液をろ過し、ヘキサンで洗浄した。ろ液を濃縮し、下記式(a)の粗生成物を得た。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。4−シアノビフェニル13.7部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に上記で合成した3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(c)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。9−シアノアントラセン15.6部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(d)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。5−シアノフタリド12.2部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(e)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。1−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルピロール 15.07部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(f)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。1−シアノ−4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)ベンゼン16.3部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(g)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。4−クロロベンゾニトリル10.6部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(h)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370部にナトリウム5.16部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。4−tert−ブチルベンゾニトリル12.2部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に合成例1で合成した3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0部、水57.0部、酢酸14.5部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記式(i)の生成物を得た。TOF-MSにより、目的物の分子量を確認した。
合成例1〜7で得られた非対称型ジケトピロロピロール誘導体について、空間配座を評価した。空間配座の評価には、Fujitsu SCIGRESS (富士通(株)製)を用い、古典力学計算(MM3計算)および半経験的分子軌道法(PM6計算)を行うことによって空間配座の最適化を行った。
合成例1〜5の非対称型ジケトピロロピロールのPcにおける立体障害、すなわち、ジケトピロロピロール環平面と、多環式化合物基に含まれる環が構成する平面との二面角のうち最大値が10度以上の角度にあることが分かった。一方、合成例6の非対称型ジケトピロロピロールのクロロフェニル基が構成する平面は、ジケトピロロピロールの平面に対して0度の角度にあることが分かった。また、合成例7の非対称型ジケトピロロピロールのt−ブチルフェニル基が構成する平面はジケトピロロピロールの平面に対して0度であるが、末端メチル基の一つはジケトピロロピロールの平面に対して50度の角度を有することが分かった。
11重量%発煙硫酸374.76gを10℃に冷却しながら攪拌し、ピグメントイエロー138 74.96gを加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。
反応液を氷水1600gに加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを800mlの水で3回洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、黄色生成物を得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
20%発煙硫酸300.0gを10℃に冷却しながら攪拌し、C.I.ピグメントレッド254 30.0gを加えた。次いで、63℃で6時間攪拌した。
反応液を氷水3000gに加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを2000mlの水で洗浄、ろ過した。80℃で真空乾燥し、赤色生成物を得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)20.1重量部に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(重量平均分子量7800、アミン価130、固形分60重量%)1.45重量部、フェニルホスホン酸(商品名:PPA、日産化学社製)0.1重量部を加え、超音波で15分処理することで部分塩形成されたブロック共重合体型分散剤である分散剤溶液aとした。
なお、上記顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有するブロック共重合体である。更に、製造例1において、当該ブロック共重合体(BYK−LPN6919)のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)3.51重量部、黄色顔料スルホン化誘導体1を0.195重量部、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1を0.195重量部に対して、製造例1で調製した分散剤溶液a21.6重量部とアルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000、固形分44.1重量%にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈済のもの)4.4重量部を混合し、ペイントシェーカーにて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで10時間分散し、顔料濃度13%の赤色顔料分散液Aを得た。なお、分散時のベッセル内のビーズ充填率は50%とした。
上記で得られた赤色顔料分散液A4.06重量部に、下記バインダー組成物2.22重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.72重量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.01重量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.05重量部を添加混合し、加圧濾過を行って、実施例1のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
・アルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000)):11.0重量部
・4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM450、東亞合成(株)製):8.2重量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):1.0重量部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):2.4重量部
・光増感剤(4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン):0.7重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):43.2重量部
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1の代わりに、非対称型ジケトピロロピロール誘導体2を用いた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Bを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1の代わりに、非対称型ジケトピロロピロール誘導体3を用いた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Cを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1の代わりに、非対称型ジケトピロロピロール誘導体4を用いた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Dを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Dを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1の代わりに非対称型ジケトピロロピロール誘導体5を用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Eを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散Eを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、黄色顔料スルホン化誘導体1および非対称型ジケトピロロピロール誘導体を用いずに、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Fを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Fを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体を用いずに、黄色顔料スルホン化誘導体1は用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Gを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Gを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、黄色顔料スルホン化誘導体1を用いずに、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1は用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Hを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Hを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤としてグラフト型分散剤PB822(味の素ファインケミカル)を用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Iを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Iを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1の代わりに、合成例6で得られた非対称型ジケトピロロピロール比較誘導体1を用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Jを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Jを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、黄色顔料スルホン化誘導体1の代わりに、合成例9で得られた赤色顔料スルホン化誘導体1を用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Kを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Kを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、非対称型ジケトピロロピロール誘導体1の代わりに、合成例7で得られた非対称型ジケトピロロピロール比較誘導体2を用いて、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)を3.9重量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Lを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Lを用いた以外は実施例1と同様にして、参考例1のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を得た。
(1)顔料分散性及び分散安定性
各実施例及び比較例で得られた顔料分散液を用いて、顔料分散性及び分散安定性の評価を行った。
混合した顔料粒子の分散平均粒径は、顔料分散液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで1000倍希釈し、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150を用いて、動的光散乱法により23℃にて測定した。また、作製した分散液の粘度をAnton Paar製レオメータMCR−301(コーンプレートCP50−1、23℃測定)で6rpm時の粘度を測定した。分散平均粒径および粘度は分散液を40℃1週間保存したもので再測定し、分散平均粒径が5nm以上増加したか、粘度が10mPa・s以上増加したかどうかを確認し、両方に該当する場合は分散安定性×、片方だけ該当する場合は分散安定性△、両方問題無い場合を分散安定性○とした。また、顔料分散液を調製中にゲル化し、粘度が測定できなかった場合を××とした。
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。小型アライナーを用いて露光(60mJ)することによって光硬化膜(赤色着色層)を得た。その硬化膜をオーブンで230℃30分加熱することで、ポストベーク後の硬化膜とした。光硬化後の膜厚はポストベーク後の目標色度がx=0.650になるように調整した。
壷坂電機製コントラスト測定装置CT−1、光源:冷陰極間F10ランプ、輝度計:コニカミノルタ製LS−100を用いて、輝度の測定を行った。コントラストは輝度の測定値を用い、以下の式により導き出せる。
コントラスト=平行輝度(cd/m2)/直交輝度(cd/m2)
色相(x,y)および輝度(Y)はオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。
各実施例及び比較例において、露光後の光硬化膜(赤色着色層)について色相、輝度及びコントラスト(Cont)を測定した結果、ポストベーク後の硬化膜について色相、輝度及びコントラストを測定した結果、及びコントラストの保持率(加熱後コントラスト/露光後コントラスト×100(%))についての評価結果を表1に示す。
得られたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。小型アライナーを用いてマスク露光(30mJ)を行ない、Disperse H(ヘンケル製)を100倍希釈した現像液で1分間アルカリ現像を行い、つづいて純粋で2分リンスを行うことで、ガラス上に解像度90μmのライン&スペース赤色着色組成物による光硬化パターンを形成した。光硬そのガラス基板をオーブンで260℃30分加熱した後に、顕微鏡でそのパターンを観察し、パターン上やガラス上を観察した。加熱後にパターン上やガラス上に結晶が析出しなかった場合を耐熱性評価○、パターン上及びガラス上に結晶が析出してしまった場合を×、ガラス上にのみ結晶が析出した場合を△とした。塗布膜厚はコントラストおよび色相、輝度評価においてポストベーク後の目標色度がx=0.650になるように調整したのと同様の回転数で塗布を行った。 各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
着色層の位相差としては、以下の式で計算される厚み方向のリタデーション(Rth)を指標とした。
リタデーション(Rth)は、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、赤色着色層の測定波長は620nmで測定した。
Rth=((Nx+Ny)/2−Nz)d
nx:面内遅相軸方向の屈折率
ny:面内進相軸方向の屈折率
nz:厚み方向の屈折率
d:膜厚(nm)
また、黄色顔料スルホン化誘導体は用いたが、非対称型ジケトピロロピロール誘導体を用いない比較例2では、露光後のコントラストは良好であったが、耐熱性が大きく悪化し、高温加熱後に結晶が析出するとともに、コントラストが大きく低下し、位相差が増大してしまった。
また、非対称型ジケトピロロピロール誘導体は用いたが、黄色顔料スルホン化誘導体を用いない比較例3では、耐熱性は良好であったものの、分散性が悪く、コントラストが低いものであった。
比較例4では、分散性は良好で、露光後のコントラストは向上したが、分散剤が異なるためにベイク後に結晶析出やコントラスト低下が生じてしまったと考えられる。
比較例5では、非対称型ジケトピロロピロール誘導体を用いたが、立体障害となるクロロ基がジケトピロロピロール平面に対して角度が無いために、十分な立体障害とならずに結晶析出が抑制できなかったと考えられる。また、分散性を大きく低下させてしまい、露光後のコントラストが低下した。
比較例6では、分散性は良好になるが、赤色顔料スルホン化誘導体の色味が青味の赤であるために、分散液もC.I.ピグメントレッド254の色よりも青味に(yが小さく)なり、輝度が低下してしまった。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
Claims (9)
- (A)ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料と、(B)下記一般式(1)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体と、(C)C.I.ピグメントイエロー138、139、150、215、及びこれらの誘導体顔料よりなる群から選択される1種以上の黄色顔料のスルホン化誘導体と、(D)3級アミンの塩又は4級アンモニウム塩を含むブロック共重合体である顔料分散剤と、(E)溶媒とを含有する、カラーフィルタ用赤色顔料分散液。
- 前記顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有し、さらに前記繰り返し単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物及び/又はハロゲン化炭化水素とが塩を形成したブロック共重合体である、請求項1に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。] - 前記(B)非対称型ジケトピロロピロール誘導体が、下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
- 前記(C)黄色顔料のスルホン化誘導体が、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体である、請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
- 前記(A)ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド254またはC.I.ピグメントレッド255である、請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
- 前記顔料分散剤が、前記繰り返し単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したブロック共重合体であって、当該有機酸化合物が、下記一般式(III)及び下記一般式(IV)で表される有機酸よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2乃至5のいずれかに記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
Ra、Ra’、及びRbにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。] - 少なくとも前記請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液と、(F)感光性バインダー成分とを含有する、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物。
- 前記請求項7に記載のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を硬化させて形成された着色層を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 前記請求項8に記載のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする、液晶表示装置。
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