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JP5656273B2 - 試験サンプルにおいてtrichomonasvaginalisの存在を決定するための組成物、方法およびキット - Google Patents

試験サンプルにおいてtrichomonasvaginalisの存在を決定するための組成物、方法およびキット Download PDF

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JP5656273B2 JP2006514898A JP2006514898A JP5656273B2 JP 5656273 B2 JP5656273 B2 JP 5656273B2 JP 2006514898 A JP2006514898 A JP 2006514898A JP 2006514898 A JP2006514898 A JP 2006514898A JP 5656273 B2 JP5656273 B2 JP 5656273B2
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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第60/472,028号(2003年5月19日出願)に対して優先権を主張し、その内容全体は、本明細書に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、試験サンプル内のTrichomonas vaginalisの存在を決定する上で有用な、検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブ、増幅オリゴヌクレオチド、核酸組成物、プローブ混合物、方法、およびキットに関する。
(発明の背景)
Trichomonas vaginalisは、性行為感染症のなかで最も一般的で、かつ治療可能なものの1つであるトリコモナス症を引き起こす寄生原虫である。Trichomonas vaginalisは、概して長さが7ないし23μmで幅が5ないし12μmであるデリケートな梨型のトロフォゾイトである。この微生物は、4本の前部鞭毛と、短い波動膜の外縁を形成する5番目のものとを有する。前部鞭毛は、痙攣的かつ迅速な様式で液体の中で微生物を前進させ、動きにともなって時折、この微生物を回転させる。Trichomonas vaginalisは、感染先の尿生殖路で二分裂によって分裂する。この微生物は、顕微鏡下ではその外観が透明、無色、またはわずかに灰色である。細長い棒状の軸桿が本体の全長にわたって延びている。核は、前部近傍にあり、その境界がはっきりとわかり、多くのクロマチン顆粒が含まれている。Trichomonas vaginalisの外観は、Trichomonas tenax等の他のトリコモナドの外観とかなり類似しているが、Trichomonas vaginalisのみが尿生殖器官感染症で見つかる。
世界中で、毎年1億8千万人がT.vaginalis1億8千万人が、通常ヒトとヒトとの接触によって感染しており、そのことからもっとも一般的な性行為感染症(STD)因子となっている。米国では、毎年約500万人がT.vaginalisに感染すると信じられている。その有病率および地理的分布にもかかわらず、T.vaginalisが熱心な研究の焦点になることはなかった。実際、米国防疫センターによって「報告義務のある病気」としてさえリストされておらず、積極的な規制または予防プログラムはなかった。しかし、最近の報告によれば、この病原体に対して公衆衛生上の関心が高まっていることが示唆されている。
女性が感染すると、膣炎、尿道炎、および頚管炎を生じることが知られている。重症感染は、腐敗臭を持つ泡沫状で黄がかった緑色の分泌物を伴い、小さな出血性の病巣が尿生殖路に存在することもある。合併症として、早期分娩、低体重児子孫、前期破水、流産後感染症、および子宮摘出後感染症が挙げられる。骨盤炎症性疾患、卵管不妊、管不妊性、および子宮頚癌との関連性が報告されている。T.vaginalisもまた、HIVおよび他のSTD因子の伝染で補助的因子として関係していることが報告されている。上記微生物はまた、産道を通過する際に新生児に移される。
男性では、トリコモナス症の症状として、尿道異常分泌物、尿道狭窄、副睾丸炎、排尿衝動、および排尿時の灼熱感が挙げられる。男性および女性とも、T.vaginalisによる感染症は、一般に無症候性かつ自己限定性である。女性では、T.vaginalis感染症の10〜50%が無症候性であると推定され、男性ではそれよりも高い割合である可能性がある。男性では、トリコモナス症の症状として、尿道異常分泌物、尿道狭窄、副睾丸炎、排尿衝動、および排尿時の灼熱感が挙げられる。男性および女性とも、T.vaginalisによる感染症は、一般に無症候性かつ自己限定性である。女性では、T.vaginalis感染症の15〜50%が無症候性であると推定され、男性ではそれよりも高い割合である可能性がある。しかし、多くの女性によって、治療に応じた緩和期間により、上記感染症が症候性で慢性的なものになる。再発は、無症候性の性的パートナーからの再感染によって、または標準的な治療過程(抗生物質メトロニダゾール療法)の失敗によって、生ずると考えられる。また、T.vaginalis感染は、ほとんどいつも尿生殖路で生ずる一方で、まれに異所的な部位で生じ、寄生虫が患者身体の別の領域から回収される場合もある。
準最適比較検査方法と他のSTD源に対する重点的取り組みとの結果として、T.vaginalisの研究は、しばしば感染症の有病率を実質的に過小評価した。これにも関わらず、感染の度合いが概して高く、報告によれば、研究全体での非加重平均が21%で全体的な有病率が3%から58%まで及んだ(Cu−Uvin et al.Clin.Infect.Dis.(2002)34(10):1406−11)。人種/民族性に関する情報を示した研究では、T.vaginalisがアフリカ系アメリカ人のあいだでもっとも高いことが報告されている(Sorvillo et al.Emerg.Infect.Dis.(2001)7(6):927−32)。以下の表は、メリーランド州ボルチモア(B)およびニューヨーク州ニューヨーク(NY)所在のいくつかの診療所でトリコモナス症、クラミジア感染症、および/または淋病に感染した患者の割合というかたちで、感染症有病率に関して、Sorvilloらによって報告された傾向を示している。
Figure 0005656273
暴露後、潜伏期間が約5日から10日まで変動するが、1日ほどの短期間から28日ほどの長期間が報告されている。診断された場合、抗生物質を蛍光投与することで、T.vaginalis感染の処置を容易におこなうことができる。
その相対的な有病率と他のSTDとの関連とに言及することで、効果的にトリコモナス症に対する関心が高まる。しかし、T.vaginalisを検出するための従来の診断方法は、直接的な検査である「湿式マウント」顕微鏡観察または細胞培養に基づいており、その各々がそれ自身の欠点を有する。したがって、患者を直接検査することに関して、他の感染症ではおりものの外観と匂いとを模倣する。スライド上で膣液と生理食塩水とを混合し、T.vaginalisの特徴的な寸法、形状、および運動性を持つ微生物の存在について、顕微鏡下でスライドを検査することによって調製された「湿式マウント」を用いることで、T.vaginalisを検出することが可能である一方で、そのような方法の感度は、顕微鏡使用者のスキルおよび経験、さらには研究室への標本の輸送にかけた時間に、依存する。湿式マウント診断の感度は、T.vaginalisの存在の検出という点で、他の方法、例えば細胞培養とくらべてたったの35ないし80%であることがわかった。他の直接的な方法(例えば、蛍光抗体検出および酵素結合イムノアッセイ)もまた、非増幅のDNAプローブをベースとした方法と同様に、開発されている(Affirm,Becton Dickinson)。しかし、それらの感度は、細胞培養と比較して、70ないし90%の範囲である。これらの理由から、細胞培養はT.vaginalisの臨床検出にとって「最も基準となる検査(gold standard)」と考えられる。しかし、その比較的デリケートな性質であることから、上記微生物は技術的に興味深いものであり、最大感度について、一般に多くとも7日間必要とする。それにもかかわらず、細胞培養方法の感度は、サンプルの回収と培地への接種とのあいだの時間経過に伴う問題である適当なインキュベーション条件の維持、少ない数の微生物の視覚化、および/またはその原生動物の運動性により、たったの約85ないし95%であると推定される。
トリコモナス症のヒト健康との関わり合いと、試験サンプルからT.vaginalisを選択的かつ敏感に検出ための既存の臨床検査方法の相対的無力性とを考えると、生物物質の特定サンプル中のT.vaginalisの存在を決定するために使用可能な高感度かつ特異的なアッセイに対する必要性が、明らかに存在する。
(本発明の要約)
本発明は、尿生殖器検体等の試験サンプル中に、T.vaginalisが存在するかどうかの決定に有用であるオリゴヌクレオチドを特徴づけることで、T.vaginalisに対して特異的な感受性アッセイに対する臨床上の必要性に対する解決策を提供する。試験サンプルに存在するT.vaginalis標的核酸の検出、固定、および/または増幅に有用である検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブ、および/または増幅オリゴヌクレオチドに、上記特徴づけられたオリゴヌクレオチドを含有させることができる。
一実施形態では、検出プローブが提供され、この検出プローブは、好ましくは、T.vaginalis由来の核酸に存在する標的領域にハイブリダイズすることで、検出可能なプローブと標的とのハイブリッドを形成する。好ましい実施形態では、本発明は、生物物質、好ましくは患者の尿生殖路から採取したものに由来する試験サンプル中に、T.vaginalisが存在するかどうかを決定するための検出プローブを提供する。上記検出プローブは、
配列番号1:gccgaagtccttcggttaaagttctaattggg、
配列番号2:gccgaaguccuucgguuaaaguucuaauuggg、
配列番号3:cccaattagaactttaaccgaaggacttcggc、および
配列番号4:cccaauuagaacuuuaaccgaaggacuucggc
からなる群から選択される少なくとも10個の連続した塩基領域(at least 10 contiguous base sequence)に対して少なくとも約80%、90%、または100%相補性である少なくとも10個の連続した塩基領域を持つ標的結合領域を含む。
別の好ましい実施形態では、本発明は検出プローブを提供するもので、この検出プローブは、
配列番号5:ccattggtgccttttggtactgtggatagg、
配列番号6:ccauuggugccuuuugguacuguggauagg、
配列番号7:cctatccacagtaccaaaaggcaccaatgg、
配列番号8:ccuauccacaguaccaaaaggcaccaaugg、
配列番号9:ttccattggtgccttttggtactgtg、
配列番号10:uuccauuggugccuuuugguacugug、
配列番号11:cacagtaccaaaaggcaccaatggaa、
配列番号12:cacaguaccaaaaggcaccaauggaa、
配列番号13:ccattggtgccttttggtactgtggat、
配列番号14:ccauuggugccuuuugguacuguggau、
配列番号15:atccacagtaccaaaaggcaccaatgg、および
配列番号16:auccacaguaccaaaaggcaccaaugg
からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して、少なくとも約80%、90%、または100%相補性である少なくとも10個の連続した塩基を持つ標的結合領域を含む。
この好ましい検出プローブによって標的化されたコア領域は、
配列番号17:ccattggtgccttttggtactgtg、
配列番号18:ccauuggugccuuuugguacugug、
配列番号19:cacagtaccaaaaggcaccaatgg、および
配列番号20:cacaguaccaaaaggcaccaaugg
からなる群から選択される。
本発明にもとづく検出プローブは、好ましくは標的核酸にハイブリダイズするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプル中に存在するT.vaginalisとは異なる微生物に由来する核酸とはハイブリダイズしない。特に、本発明の好ましい検出プローブは、好ましくは標的核酸にハイブリダイズするが、T.vaginalisと最も近縁であると考えられるTrichomonas tenax由来の核酸に対してはハイブリダイズしない。Trichomonas tenaxを、ATCCNo.30207として米国菌培養収集所(American Type Collection in Manasas,VA)から得ることができる。
本発明では、上記検出プローブは、T.vaginalis由来の核酸に対して、所望の選択性および特異性を達成するために適当な任意の長さの標的結合領域を持つ。本発明にもとづく検出プローブの塩基配列は、好ましくは最大で100塩基長であり、より好ましくは10ないし50塩基長、最も好ましくは18ないし35塩基長である。好ましい実施形態では、上記検出プローブは、最低15連続塩基配列(at least 15 contiguous base sequence)である核酸配列を持つ標的結合領域を有する。好ましい実施形態では、上記検出プローブは、標的配列中の最低15連続塩基配列に対して少なくとも約80%、90%、または100%相補的である少なくとも15連続塩基配列を持つ標的結合領域を含む。好ましくは、この検出プローブの標的結合領域は、標的配列に対して完全に相補的である塩基配列を含む。より好ましくは、上記検出プローブの標的結合領域の塩基配列は、標的配列に対して、少なくとも約80%、90%、または100%である。最も好ましくは、上記検出プローブの塩基配列は、上記標的配列に対して、少なくとも約80%、90%、または100%である。
標的結合領域は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、DNAとRNAとの組み合わせからなるものであってもよく、あるいは核酸アナログ(例えば、ペプチド核酸)もしくは1種類以上の修飾ヌクレオシド(例えば、結合領域は、リボフラノシル部分に対する付加的な2’−O−メチル置換を持つリボヌクレオシド)とすることができる。上記標的結合領域は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルに水素結合しない分子をさらに含むものであってもよく、そのような分子は検出プローブが選択的および特異的に、試験サンプル中のT.vaginalis由来の核酸に結合する能力と干渉しないものとする。そのような分子の一例として、無塩基ヌクレオチドまたは普遍的塩基類似体(例えば5−ニトロインドール)を挙げることができ、そのような分子は二重鎖安定性に影響を及ぼさないものとする。例えば、米国特許第5,780,233号(Guo et al.,「Artificial Mismatch Hybridization」)を参照のこと。なお、この米国特許の内容全体を本明細書の一部をなすものとして援用する。
本発明の検出プローブとして、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalisに由来する核酸に対して安定的に結合しない標的結合領域の塩基配列に加えて、1つ以上の塩基配列を含むものであってもよい。付加的な塩基配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でT.vaginalis由来の核酸に安定的に結合しない、または標的核酸に対するプローブの安定的なハイブリダイゼーションを回避する限り、任意の所望の塩基配列から構成可能である。一例として、付加的な塩基配列は、固定化プローブ結合領域を構成するものであってもよく、この固定化プローブ結合領域は、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、固体支持体に直接的または間接的に結合したポリヌクレオチドの5’ポリdT(チミン)領域に対して、ハイブリダイズする3’ポリdA(アデニン)領域から構成される。付加的な塩基配列は、RNAポリメラーゼによって認識される5’配列であると考えられ、あるいはRNAポリメラーゼ(例えば、T7プロモーター)によって開始もしくは伸長をエンハンスする。第1の配列が、例えば、自己ハイブリダイズするプローブ(すなわち、アッセイの条件下で標的配列不在下、互いにハイブリダイズすることが可能な異なる塩基領域を持つプローブ)、例えば「分子ビーコン」プローブに取り込まれる場合、複数の付加的な塩基配列が含まれてもよい。分子ビーコンについては、
Tyagi et al.,「Detectably Labeled Dual Conformation Oligonucleotide Probes、Assays and Kit,」米国特許第5,925,517号(この特許の開示内容を本明細書の一部をなすものとして援用する)に開示されており、少なくとも部分的に互いに相補的である「幹(stem)」または「腕(arm)」と呼ばれる領域を持つ2つの塩基配列が結合または該塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップするしている標的結合部位を含む。分子ビーコンに関するより詳細な説明は、後述の『T.vaginalisリボゾーム核酸に対する検出プローブ』と題された欄にある。付加的な辺期配列を標的結合領域に対して直接結合してもよく、例えば、この結合は非ヌクレオチドリンカー(例えば、ポリエチレングリコールまたは塩基喪失領域)による。
要求されるわけではないが、本発明の検出プローブは好ましくは、少なくとも1つの検出可能標識または複数の相互作用標識からなる少なくとも1つの群を含む。上記標識は、任意の適当な標識物質であり、限定されるものではないが、放射性同位元素、酵素、酵素補因子、酵素基質、染料、ハプテン、化学発光分子、蛍光分子、リン光分子、電気化学発光分子、発色団、規定の条件下で標的核酸と安定的にハイブリダイズすることができない塩基配列、およびそれらの混合物が挙げられる。特に好ましい一実施形態では、上記標識はアクリジニウムエステル(AE)、好ましくは4−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)−フェニル−10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートフルオロスルホネート(以下、「標準AE]と呼ぶ」である。プローブ対(例えば、Morrison、「Competitive Homogeneous Assay,」米国特許第5,928,862号を参照)または自己ハイブリダイズするプローブ(例えば、Tyagi et al.、米国特許第5,925,517号を参照)によって有用な相互作用標識群として、限定されるものではないが、酵素/基質、酵素/補因子、ルミネッセント/クエンチャー、ルミネッセント/アダクト、染料二量体、およびフォレスターエネルギー転移対が挙げられる。相互作用ルミネッセント/クエンチャー対、例えばフルオロセインおよびDABCYLが、特に好ましい。
別の実施形態では、本発明は、試験サンプル中にT.vaginalisが存在するどうかの決定に有用であるプローブ混合物を検討している。このプローブ混合物は、例えば、上記したT.vaginalis検出プローブおよびヘルパープローブの1つを含むものであってもよい。本発明にもとづくヘルパープローブの塩基配列は、好ましくは最大で100塩基長、より好ましくは10ないし50塩基長、最も好ましくは18ないし35塩基長である。ヘルパープローブは、好ましくは少なくとも10個の連続した塩基領域を含み、この塩基領域は、
配列番号21:gctaacgagcgagattatcgccaattatttacttt、
配列番号22:gcuaacgagcgagauuaucgccaauuauuuacuuu、
配列番号23:aaagtaaataattggcgataatctcgctcgttagc、
配列番号24:aaaguaaauaauuggcgauaaucucgcucguuagc、
配列番号25:actccctgcgattttagcaggtggaagagg、
配列番号26:acucccugcgauuuuagcagguggaagagg、
配列番号27:cctcttccacctgctaaaatcgcagggagt、および
配列番号28:ccucuuccaccugcuaaaaucgcagggagu
からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域と少なくとも80%、90%、または100%相補的である。
本発明にもとづくヘルパープローブは、試験サンプルに含まれる標的配列に対する特異性を示す必要はない。好ましい実施形態では、ヘルパープローブは、標的配列に存在する少なくとも15個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%、90%、または100%相補的である少なくとも15個の連続した塩基配列を含む。好ましくは、上記ヘルパープローブは、標的配列に対して完全に相補的である塩基配列を含む。本発明のヘルパープローブの塩基配列は、最も好ましくは、標的配列に対して、約80%、90%、または100%相補的である。好ましいプローブ混合物では、上記検出プローブは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4からなる群から選択される配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む。
本発明はまた、上記した検出プローブおよび/またはヘルパープローブのいずれかと、プローブに対する標的核酸とのあいだで、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、形成された安定な核酸二本鎖を含む組成物を検討する。
本発明の別の実施形態では、試験サンプル中に存在するT.vaginalisに由来する標的核酸を特異的に単離および精製するために、捕捉プローブを提供する。この捕捉プローブは、アッセイ条件下でT.vaginalisに由来する核酸に対して安定的に結合する標的結合領域を含み、少なくとも10個の連続した塩基領域を有する。この少なくとも10個の連続した塩基領域は、
配列番号29:atatccacgggtagcagcaggc、
配列番号30:auauccacggguagcagcaggc、
配列番号31:gcctgctgctacccgtggatat、および
配列番号32:gccugcugcuacccguggauau
からなる群から選択される標準配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%、90%、または100%相補的である。
本発明の捕捉プローブの標的結合領域の塩基配列は、好ましくは最大で100塩基長、より好ましくは10ないし50塩基長、最も好ましくは18ないし35塩基長である。好ましい実施形態では、捕捉プローブの標的結合領域は、標的配列に存在する少なくとも15個の連続した塩基領域に対して約80%、90%、または100%相補的である少なくとも15個の連続した塩基配列を含む。好ましくは、標的配列に対して完全に相補的である塩基配列を含む。本発明の捕捉プローブの標的結合領域の塩基配列は、標的配列に対して、より好ましくは、少なくとも約80%、90%、または100%相補的である。最も好ましい実施形態では、捕捉プローブの標的結合領域の塩基配列が、標的配列に対して少なくとも約80%、90%、または100%相補的であり、捕捉プローブは、アッセイ条件下でT.vaginalisに由来する核酸に対して安定的にハイブリダイズする他の塩基配列をいっさい含まない。
本発明にもとづく捕捉プローブを、リガンド連結(ligand−ligate)結合対、例えばアビジン−ビオチン連結を用いて、固体支持体上に固定化することが可能ではあるが、固定化プローブ結合領域を含むことが好ましい。好ましい捕捉プローブの固定化プローブ結合領域は、試験サンプル中に存在する固体支持体に結合するオリゴヌクレオチドに対して、アッセイ条件下で、安定的にハイブリダイズすることが可能な任意の塩基配列から構成される。好ましくは、固定化プローブ結合領域は、捕捉プローブの3’末端に位置したポリdA、すなわちホモポリマーテイルである。この実施形態では、固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドは、アッセイ条件下で捕捉プローブのポリdAテイルに安定的に結合するための十分な長さの5’ポリdTを含むと考えられる。好ましい実施形態では、上記固定化プローブ結合領域は、約30塩基長であるポリdAテイルを含み、また上記捕捉プローブは、標的結合領域と固定化プローブ結合領域とを結合させる長さが約3チミンであるスペーサー領域を含む。
本発明はまた、増幅アッセイでT.vaginalisの存在の決定に有用な増幅オリゴヌクレオチドを特徴づける。好ましい実施形態では、本発明は、試験サンプル中に存在するT.vaginalisに由来する核酸を増幅するための少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドを提供する。ここで、この増幅オリゴヌクレオチドは、
配列番号33:gcgttgattcagctaacgagcgagattatcgcc、
配列番号34:gcguugauucagcuaacgagcgagauuaucgcc、
配列番号35:ggcgataatctcgctcgttagctgaatcaacgc、
配列番号36:ggcgauaaucucgcucguuagcugaaucaacgc、
配列番号37:ctgcgattttagcaggtggaagagggtagcaataaca ggtccgtgatgcc、
配列番号38:cugcgauuuuagcagguggaagaggguagcaauaaca gguccgugaugcc、
配列番号39:ggcatcacggacctgttattgctaccctcttccacct gctaaaatcgcag、および
配列番号40:ggcaucacggaccuguuauugcuacccucuuccacc u gcuaaaaucgcag
からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して、少なくとも約80%、90%、または100%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を好ましくは含む標的結合領域を有する。
より好ましくは、増幅オリゴヌクレオチドの標的配列は、
配列番号41:gcgttgattcagctaacgagcg、
配列番号42:gcguugauucagcuaacgagcg、
配列番号43:cgctcgttagctgaatcaacgc、
配列番号44:cgcucguuagcugaaucaacgc、
配列番号45:gctaacgagcgagattatcgcc、
配列番号46:gcuaacgagcgagauuaucgcc、
配列番号47:ggcgataatctcgctcgttagc、
配列番号48:ggcgauaaucucgcucguuagc、
配列番号49:ctgcgattttagcaggtggaagagg、
配列番号50:cugcgauuuuagcagguggaagagg、
配列番号51:cctcttccacctgctaaaatcgcag、
配列番号52:ccucuuccaccugcuaaaaucgcag、
配列番号53:gcaataacaggtccgtgatgcc、
配列番号54:gcaauaacagguccgugaugcc、
配列番号55:ggcatcacggacctgttattgc、および
配列番号56:ggcaucacggaccuguuauugc
からなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、サンプル試験中に存在するT.vaginalisに由来する核酸を増幅するための上記少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドは、
配列番号57:ggtagcagcaggcgcgaaactttcccactcgagactttcggaggaggtaat、
配列番号58:gguagcagcaggcgcgaaacuuucccacucgagacuuucggaggagguaau、
配列番号59:attacctcctccgaaagtctcgagtgggaaagtttcgcgcctgctgctacc、
配列番号60:auuaccuccuccgaaagucucgagugggaaaguuucgcgccugcugcuacc、
配列番号61:accgtaccgaaacctagcagagggccagtctggtgccagcagc、
配列番号62:accguaccgaaaccuagcagagggccagucuggugccagcagc、
配列番号63:gctgctggcaccagactggccctctgctaggtttcggtacggt、および
配列番号64:gcugcuggcaccagacuggcccucugcuagguuucgguacggu
からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%、90%、または100%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を好ましくは含む標的結合領域を有する。
より好ましくは、上記増幅オリゴヌクレオチドの標的配列は、
配列番号65:ggtagcagcaggcgcg、
配列番号66:gguagcagcaggcgcg、
配列番号67:cgcgcctgctgctacc、
配列番号68:cgcgccugcugcuacc、
配列番号69:ccactcgagactttcggagg、
配列番号70:ccacucgagacuuucggagg、
配列番号71:cctccgaaagtctcgagtgg、
配列番号72:ccuccgaaagucucgagugg、
配列番号73:gagactttcggaggaggtaat、
配列番号74:gagacuuucggaggagguaau、
配列番号75:attacctcctccgaaagtctc、
配列番号76:auuaccuccuccgaaagucuc、
配列番号77:accgtaccgaaacctagcagagg、
配列番号78:accguaccgaaaccuagcagagg、
配列番号79:cctctgctaggtttcggtacggt、
配列番号80:ccucugcuagguuucgguacggu、
配列番号81:cgaaacctagcagagggccagtc、
配列番号82:cgaaaccuagcagagggccaguc、
配列番号83:gactggccctctgctaggtttcg、
配列番号84:gacuggcccucugcuagguuucg、
配列番号85:ccagtctggtgccagcagc、
配列番号86:ccagucuggugccagcagc、
配列番号87:gctgctggcaccagactgg、および
配列番号88:gcugcuggcaccagacugg
からなる群から選択される。
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは18ないし40塩基長である標的結合領域を有する。好ましい実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドは、標的配列に存在する少なくとも15個の連続した塩基領域に対して約80%、90%、または100%相補的である少なくとも15個の連続した塩基配列を持つ標的結合領域を含む。好ましくは、上記増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域は、標的配列に対して完全に相補的である塩基配列を含む。より好ましくは、増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域の塩基配列は、標的配列に対して少なくとも約80%、90%、または100%の相補性を持ち、増幅条件下で、T.vaginalisに由来する核酸に安定してハイブリダイズする他の塩基配列をいっさい含まない。上記増幅オリゴヌクレオチドは、RNAポリメラーゼによって認識されるか、もしくはRNAポリメラーゼによって開始または伸長がエンハンスされる5’配列を、任意に含む。配列番号89:aatttaatacgactcactatagggagaのT7プロモーター相列が好ましいが、他のプロモーター配列を用いることも可能である。
本発明は、増幅条件下で核酸ポリメラーゼと接触する場合に、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、および配列番号56からなる群から選択される塩基配列を持つ核酸領域に結合または該核酸領域を介して伸長を起こす増幅オリゴヌクレオチドを、さらに検討する。他の実施形態では、上記増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および配列番号88からなる群から選択される塩基配列を持つ核酸領域に結合または該核酸領域を介して伸長する。そのような実施形態の増幅オリゴヌクレオチドの塩基配列は、最大で40塩基長の標的結合領域と、RNAポリメラーゼによって認識されるか、もしくはRNAポリメラーゼによって開始または伸長がエンハンスされる任意の5’配列(例えば、配列番号89のT7プロモーター)とからなる。
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは、少なくとも2つの増幅オリゴヌクレオチドからなるセットとして用いられる。1つの好ましいセットは、配列番号33、配列番号34、配列番号35、および配列番号36からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む標的結合領域を持つ第1の増幅オリゴヌクレオチドを含む。より好ましくは、上記第1の増幅オリゴヌクレオチドの標的配列は、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、および配列番号48からなる群から選択される。この好ましいセットの第2の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号37、配列番号38、配列番号39、および配列番号40からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む標的結合領域を有する。より好ましくは、上記第2の増幅オリゴヌクレオチドの標的配列は、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、および配列番号56からなる群から選択される。上記第1および第2のオリゴヌクレオチドの他の構造的実施形態は、個々の増幅オリゴヌクレオチドに対して既に説明したものである。増幅オリゴヌクレオチドのセットの少なくとも一部が、RNAポリメラーゼによって認識されるか、もしくはRNAポリメラーゼによって開始または伸長がエンハンスされる5’配列(例えば、配列番号89のT7プロモーター)を含むことが好ましい。
好ましい別の増幅オリゴヌクレオチドのセットは、配列番号57、配列番号58、配列番号59、および配列番号60からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む標的結合領域を持つ第1の増幅オリゴヌクレオチドを含む。より好ましくは、上記第1の増幅オリゴヌクレオチドの標的配列は、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、および配列番号76からなる群から選択される。この好ましいセットの第2の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号61、配列番号62、配列番号63、および配列番号64からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む標的結合領域を有する。より好ましくは、上記第2の増幅オリゴヌクレオチドの標的配列は、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および配列番号88からなる群から選択される。第1および第2の増幅オリゴヌクレオチドの他の構造的実施形態は、個々の増幅オリゴヌクレオチドに対して既に説明したものである。増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、RNAポリメラーゼによって認識されるか、もしくはRNAポリメラーゼによって開始または伸長がエンハンスされる5’配列(例えば、配列番号89のT7プロモーター)を含むことが好ましい。
本発明は、さらに、増幅条件下で上記した増幅オリゴヌクレオチドのいずれかと増幅オリゴヌクレオチドに対する標的核酸とのあいだで形成された安定な核酸二本鎖を含む組成物を検討する。
本発明のさらに別の実施形態では、サンプル中のT.vaginalisの存在を決定するために、オリゴヌクレオチドのセットを提供するもので、このセットの各々の構成要素が、
配列番号90:gcgttgattcagctaacgagcgagattatcgccaattatttactttgccgaagtccttcggttaaagttctaattgggactccctgcgattttagcaggtggaagagggtagcaataacaggtccgtgatgcc、
配列番号91:gcguugauucagcuaacgagcgagauuaucgccaauuauuuacuuugccgaaguccuucgguuaaaguucuaauugggacucccugcgauuuuagcagguggaagaggguagcaauaacagguccgugaugcc、
配列番号92: ggcatcacggacctgttattgctaccctcttccacctgctaaaatcgcagggagtcccaattagaactttaaccgaaggacttcggcaaagtaaataattggcgataatctcgctcgttagctgaatcaacgc、および
配列番号93:ggcaucacggaccuguuauugcuacccucuuccaccugcuaaaaucgcagggagucccaauuagaacuuuaaccgaaggacuucggcaaaguaaauaauuggcgauaaucucgcucguuagcugaaucaacgc
からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む標的結合領域を有する。
好ましい実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドのセットは、少なくとも1つの検出プローブ、好ましくは上記した検出プローブの1つを含み、該プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的配列に対して選択的にハイブリダイズし、試験サンプル中に存在する非T.vaginalis微生物に由来する核酸にはハイブリダイズしない。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットは、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含み、好ましくは上記検出プローブの1つと、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズすることで、標的配列に対する検出プローブのハイブリダイゼーションを促進するヘルパープローブとを含む。ここで、上記ヘルパープローブは、好ましくは上記したヘルパープローブの1つである。さらに別の好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットは、少なくとも3つのオリゴヌクレオチドを含み、好ましくは上記した検出プローブの1つと増幅条件下で標的配列の全てまたは一部分を増幅させることが可能な、好ましくは上記した増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含む増幅オリゴヌクレオチドの対とを含む。さらに、特に好ましい実施形態では、上記オリゴヌクレオチドのセットの各構成要素は、標的配列内に含まれる配列に対して完全に相補的である標的結合領域を含み、また上記オリゴヌクレオチドのいずれも、アッセイ条件下で、T.vaginalis由来の核酸に対して安定的にハイブリダイズする他の塩基配列をいっさい含まない。
本発明のさらに別の実施形態では、試験サンプル中のT.vaginalisの存在を決定するために、オリゴヌクレオチドのセットを提供する。ここで、このセットの各々の構成要素は、
配列番号94:
ggtagcagcaggcgcgaaactttcccactcgagact ttcggaggaggtaatgaccagttccattggtgcctt ttggtactgtggataggggtacggttttccaccgta ccgaaacctagcagagggccagtctggtgccagcagc、
配列番号95:
gguagcagcaggcgcgaaacuuucccacucgagacu uucggaggagguaaugaccaguuccauuggugccuu uugguacuguggauagggguacgguuuuccaccgua ccgaaaccuagcagagggccagucuggugccagcagc、
配列番号96:
gctgctggcaccagactggccctctgctaggtttcg gtacggtggaaaaccgtacccctatccacagtacca aaaggcaccaatggaactggtcattacctcctccga aagtctcgagtgggaaagtttcgcgcctgctgctacc、および
配列番号97:
gcugcuggcaccagacuggcccucugcuagguuucg guacgguggaaaaccguaccccuauccacaguacca aaaggcaccaauggaacuggucauuaccuccuccga aagucucgagugggaaaguuucgcgccugcugcuacc
からなる群から選択される標的配列に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して少なくとも約80%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む標的結合領域を有する。
好ましい一実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドのセットは、少なくとも1つの検出プローブ、好ましくは上記した検出プローブの1つを含み、該検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的配列には選択的にハイブリダイズするが、試験サンプル中に存在する非Trichomonas vaginalis微生物に由来する核酸にはハイブリダイズしない。別の好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットは、少なくとも3つのオリゴヌクレオチド、好ましくは上記した検出プローブの1つと、増幅条件下で標的配列の全てまたは一部を増幅することが可能であり、上記した増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含む増幅オリゴヌクレオチドの対とを含む。さらに、特に好ましい実施形態では、上記オリゴヌクレオチドのセットの各々の構成要素は、標的配列内に含まれる配列に対して完全に相補的な標的結合領域を含み、オリゴヌクレオチドのいずれも、アッセイ条件下でT.vaginalis由来の核酸に安定的にハイブリダイズする他の塩基配列をいっさい含まない。
本発明は、さらに、試験サンプル中にT.vaginalisが存在するかどうかを決定する方法を特徴づける。いくつかの実施形態では、本発明は試験サンプル中にT.vaginalisが存在するかどうかを決定する方法であって、(a)上記検出プローブの1つに試験サンプルを接触させて、このプローブがT.vaginalisに由来する標的核酸に対して選択的にハイブリダイズすることを可能とし、それによって検出に対して安定なプローブ:標的ハイブリッドが形成される工程と、(b)試験サンプル中のT.vaginalisの有無を指し示すものとして、試験サンプル中に上記ハイブリッドが存在するかどうかを決定する工程とを有する方法である。この方法は、試験サンプル中に存在するT.vaginalisの量を推定するための手段として、その試験サンプル中に存在するハイブリッドの量を定量する工程をさらに含むものであってもよい。
試験サンプル中にT.vaginalisが存在するかどうか、または試験サンプル中に存在するT.vaginalisの量を決定する方法は、さらに、標的配列に対する検出プローブのハイブリダイゼーションを促進するための上記ヘルパープローブの1つおよび/または標的核酸を単離および精製するための上記捕捉プローブの1つおよび/またはT.vaginalis由来の核酸に存在する標的領域を増幅するのに適した上記増幅オリゴヌクレオチドの1つに、試験サンプルを接触させる工程を、上記したように、さらに含むものであってもよい。
本発明はまた、試験サンプル中に存在するT.vaginalis由来の核酸に含まれる標的配列を増幅するための方法を検討するもので、この方法は、(a)上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに、試験サンプルを接触させる工程と、(b)標的配列を増幅するのに十分な条件に、試験サンプルをさらす工程とを有する。好ましい増幅方法は、上記した増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも2つのセットを含む。
好ましい実施形態では、T.vaginalisに由来する核酸に存在する標的核酸を増幅するための方法は、(a)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的配列またはその相補体と選択的にハイブリダイズする検出プローブに、上記試験サンプルを接触させることで、検出に対して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する工程と、(b)試験サンプル中のT.vaginalisの有無を指し示すものとして、その試験サンプル中にハイブリッドが存在するかどうかを決定する工程とを、さらに含む。上記の検出プローブは、好ましくはそれらの方法のためにものである。
本発明は、試験サンプル中にT.vaginalisが存在するかどうかを決定するためのキットも検討している。これらのキットは、T.vaginalis由来の標的配列に特異的な上記検出プローブの少なくとも1つを含み、任意に試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量を決定するための書面での指示を任意に含む。別の実施形態では、上記キットは、標的配列に対する検出プローブのハイブリダイゼーションを補助するための上記ヘルパープローブを、さらに含む。さらに別の実施形態では、上記キットは、標的配列またはその相補体を増幅するのに適した上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを、さらに含む。さらに別の実施形態では、上記キットは、標的配列またはその相補体の増幅または直接的な検出に先立って、試験サンプルの他の構成要素から標的配列を分離するための上記捕捉プローブを、さらに含む。さらに別の実施形態では、上記キットは、上記増幅オリゴヌクレオチド、上記捕捉プローブ、および上記ヘルパープローブの1つ以上から構成される群の少なくとも2つの構成要素を、さらに含む。
本発明はまた、T.vaginalis由来の核酸に存在する標的配列を増幅するためのキットも検討するもので、上記した増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含み、またT.vaginalis由来の核酸を増幅するための書面での指示を任意に含む。別の実施形態では、上記キットは、標的配列の増幅に先立って試験サンプルの他の構成要素から標的配列を分離するための上記捕捉プローブをさらに含む。
当業者は、要求される特性の度合いに応じて、本発明の検出プローブを増幅オリゴヌクレオチドまたは捕捉プローブとして用いることが可能であること、本発明の増幅オリゴヌクレオチドをヘルパープローブまたは捕捉プローブとして用いることが可能であること、さらに本発明のヘルパープローブを増幅オリゴヌクレオチドまたは捕捉プローブとして用いることが可能であることを、容易に理解する。
本発明の他の特徴および利点は、その好ましい実施形態に関する以下の説明ならびに特許請求の範囲から、明らかである。
(好ましい実施形態の説明)
本発明は、試験サンプル中のT.vaginalisの有無を決定する上で特に有用であるT.vaginalis由来核酸を標的としたオリゴヌクレオチドを記述する。オリゴヌクレオチドは、異なる方法、例えば検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブ、および/または増幅オリゴヌクレオチドとして機能することによるT.vaginalisの検出を補助することができる。本発明の検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalisに由来する標的核酸に対して選択的にハイブリダイズして、試験サンプル中のT.vaginalisの存在を示す検出可能な二本鎖を形成することができる。本発明のプローブは、T.vaginalisと系統発生的にその最も近縁のものとを区別することが可能であると確信する。本発明のヘルパープローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalis由来の核酸に存在する標的核酸配列に対してハイブリダイズすることができ、また検出プローブ:標的核酸日本鎖の形成をエンハンスするために用いることができる。本発明の捕捉プローブは、アッセイ条件下で、T.vaginalisに由来する核酸に存在する法的核酸配列にハイブリダイズすることができ、また臨床検体の他の成分から標的核酸を分離するために用いることができる。本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下でT.vaginalisに由来する核酸に存在する標的核酸配列に対してハイブリダイズすることができ、また、例えば、増幅反応でプライマーとして用いられ、T.vaginalis由来核酸のコピーを多数生成する。このプローブおよび増幅オリゴヌクレオチドを、試験サンプル中のT.vaginalisの検出および/または定量のためのアッセイに用いることができる。
(A.定義)
以下の用語は、異なる意味を有することを明示的に示されない限り、本明細書中において示された意味を有する。
「サンプル」または「試験サンプル」は、標的生物またはその標的生物に由来する標的核酸を含むと推測される任意の物質を意味する。この物質は、例えば、泌尿生殖器のサンプルのような、処理されていない臨床検体、その検体を含む緩衝化した媒体、その検体およびその標的生物に属する核酸を放出するための溶解剤を含む媒体、あるいは反応容器内で、または反応物質もしくは反応装置上で単離および/または精製された、標的生物に由来する核酸を含む媒体であり得る。特許請求の範囲において、用語「サンプル」および「試験サンプル」とは、その未処理の形態の検体、または検体内の標的生物に由来する核酸を放出し、単離し、および精製するための処理の任意の段階を指し得る。従って、使用方法の特許請求の範囲において、「サンプル」または「試験サンプル」との言及は、処理の異なる段階における標的生物(単数または複数)に由来する核酸を含むと推測される物質を指すことがあり得、そして特許請求の範囲における物質の最初の形態に限定されない。
「標的核酸」または「標的」とは、標的核酸配列を含む核酸を意味する。
「標的核酸配列」、「標的配列」または「標的領域」とは、一本鎖核酸分子のヌクレオチド配列の全部または一部を含む、特定のデオキシリボヌクレオチド配列またはリボヌクレオチド配列を意味する。
「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」とは、互いに結合した2つ以上のヌクレオシドサブユニットまたは核酸塩基サブユニットで構成されたポリマーを意味する。このオリゴヌクレオチドは、DNAおよび/またはRNAならびにそれらのアナログであり得る。そのヌクレオシドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボースおよびそれらのアナログ(例えば、リボフラノシル部分に2’−O−メチル置換を有するリボヌクレオシドを含む)であり得る。(2’置換を有するヌクレオシドサブユニットを含み、検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブおよび/または増幅プローブとして有用なオリゴヌクレオチドが、Beckerら、「Method for Amplifying Target Nucleic Acids Using Modified Primers」、米国特許第6,130,038号によって開示される)。このヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル結合、改変された結合のような結合によってか、またはその相補的な標的核酸配列へのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを阻止しない非ヌクレオチド部分によって結び付けられ得る。改変された結合は、標準的なホスホジエステル結合が、ホスホロチオネート結合またはメチルホスホネート結合のような異なる結合で置換されている結合を含む。核酸塩基サブユニットは、例えば、DNAの天然のデオキシリボースリン酸塩骨格を、核酸塩基サブユニットの中心の第二級アミンにカルボキシメチルリンカーによって結合する2−アミノエチルグリシン骨格のような偽ペプチド骨格に置換することによって、結合され得る。(偽ペプチド骨格を有するDNAアナログは、一般的に「ペプチド核酸」または「PNA」と称され、そしてNielsenら、「Peptide Nucleic Acids」、米国特許第5,539,082号によって開示される)。本発明によって企図されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの他の非限定的な例としては、「ロックされた核酸」、「ロックされたヌクレオシドアナログ」または「LNA」を指す二環式および三環式のヌクレオシドアナログおよびヌクレオチドアナログを含む核酸アナログを含む(ロックされた核酸は、Wang、「Conformationally Locked Nucleosides and Oligonucleotides」米国特許第6,083,482号;Imanishiら、「Bicyclonucleoside and Oligonucleotide Analogues」、米国特許第6,268,490号およびWengelらの「Oligonucleotide Analogues」と表題付けられた、米国特許第6,670,461号によって開示される)。任意の核酸アナログが本発明によって企図され、そして改変されたオリゴヌクレオチドがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件または増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズし得るよう提供される。検出プローブの場合においては、その改変されたオリゴヌクレオチドはまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、その標的核酸に優先的にハイブリダイズする能力を有さなければならない。
規定された配列のオリゴヌクレオチドは、化学合成または生化学合成、および組換え核酸分子(例えば、細菌ベクターまたはレトロウイルスベクター)からのインビトロまたはインビボでの発現によるような、当業者に公知の技術によって生成され得る。この開示によって意図されるように、オリゴヌクレオチドは、野生型の染色体DNAからもそれらのインビボ転写産物からもならない。オリゴヌクレオチドの1つの使用は、検出プローブとしてである。オリゴヌクレオチドは、ヘルパープローブ、補足プローブおよび増幅オリゴヌクレオチドとしてもまた使用され得る。
「検出プローブ」または「プローブ」とは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で検出について安定であるプローブ:標的ハイブリッドを形成するために、その標的核酸配列に十分に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む構造物を意味する。当業者に理解されているように、オリゴヌクレオチドは、人間の介入(例えば、外来核酸によって組換えられる、単離される、またはある程度精製される)なしに天然に見出されない形態の、単離された核酸分子またはそのアナログである。本発明のプローブは、このようなヌクレオシドまたは核酸塩基が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションを妨げず、そして検出プローブの場合、標的核酸に優先的なハイブリダイゼーションを妨げない限り、標的領域の外側のヌクレオチドに相補的であるさらなるヌクレオシドまたは核酸塩基を有し得る。標的配列に非相補的である配列もまた、標的捕捉配列(一般的に、ポリAテイル、ポリTテイルまたはポリUテイルのようなホモポリマートラクト)、プロモーター配列、RNA転写のための結合部位、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、あるいは触媒活性部位またはヘアピン構造のような望ましい二次構造または三次構造を与える配列に含まれ得、これらは検出および/または増幅を促進するために使用され得る。規定された配列のプローブは、化学合成によってか、および組換え核酸分子からのインビトロまたはインビボでの発現によるような、当業者に公知の技術によって生成され得る。
「安定な」または「検出に対して安定な」とは、反応混合物の温度が、核酸二重鎖の融解温度より少なくとも2℃低いことを意味する。反応混合物の温度は、より好ましくは核酸二重鎖の融解温度より少なくとも5℃低い、なおさらに好ましくは反応混合物の融解温度より少なくとも10℃低い。
「実質的に相同な」、「実質的に一致すること」または「実質的に一致する」とは、対象オリゴヌクレオチドが、参照塩基配列(RNAおよびDNA等価物を除く)に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して、少なくとも80%相同な、好ましくは少なくとも90%相同な、そして最も好ましくは100%相同な、少なくとも10個の連続した塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する(当業者は、非特異的ハイブリダイゼーションの許容できないレベルを防ぐ一方で、種々のパーセンテージの相同性でのハイブリダイゼーションアッセイ条件を作り、その標的配列に対するそのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にし得る改変を容易に理解する)。類似性の度合は、2つの配列を作り上げる核酸塩基の順序を比較することによって決定され、そして構造的な相違が、相補的な塩基との水素結合を妨げないならば、2つの配列の間に存在し得る他の構造的な相違を考慮に入れない。2つの配列の間の相補性の度合は、比較される少なくとも10個の連続した塩基の各セットに存在する、0〜2個の範囲の塩基の相違であり得る、塩基の不一致の数の点からもまた表現され得る。
「実質的に相補的な」とは、対象オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列(RNAおよびDNAの等価物を除く)に存在する少なくとも連続した10塩基領域に少なくとも80%相補的、好ましくは少なくとも90%相補的、そして最も好ましくは100%相補的である、少なくとも連続した10塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する(当業者は、非特異的ハイブリダイゼーションの許容できないレベルを防ぐ一方、種々のパーセンテージの相同性でのハイブリダイゼーションアッセイ条件を作り、その標的配列に対するそのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にし得る改変を容易に理解する)。相補性の度合は、2つの配列を作り上げる核酸塩基の順序を比較することによって決定され、そして構造的な相違が、相補的な塩基との水素結合を妨げないならば、2つの配列の間に存在し得る他の構造的な相違を考慮に入れない。2つの配列の間の相補性の度合は、比較される少なくとも10個の連続した塩基の各セットに存在する、0〜2個の範囲の塩基の相違であり得る、塩基の不一致の数の点からもまた表現され得る。
「約」とは、相補性または相同性の割合を指す場合の、最も近いおおよその全体の数を意味する(例えば、24.4塩基の下限は、24塩基であり、24.5塩基の下限は25塩基である)。
「RNAおよびDNAの等価物」とは、同じ相補的な塩基対ハイブリダイゼーションの性質を有するRNA分子およびDNA分子を意味する。RNA等価物およびDNA等価物は、異なる糖部分(すなわちリボースに対してデオキシリボース)を有し、そしてRNAにおけるウラシル、およびDNAにおけるチミンの存在によって異なり得る。RNA等価物とDNA等価物との間のこの相違は、それら等価物が特定の配列に対して同程度の相補性を有するので、相同性の相違に寄与しない。
「ハイブリダイゼーション」または「ハイブリダイズする」とは、2つの完全に相補的か、または部分的に相補的な核酸鎖を、特定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下において平行か、好ましくは逆平行の方向で一緒にし、二重鎖領域を有する安定な構造を形成する能力を意味する。この二重鎖構造の2つ構成鎖(ハイブリッドとも呼ばれる)は、水素結合によって結合される。これらの水素結合は、最も一般的にはアデニン塩基およびチミン塩基、またはウラシル塩基(AおよびTまたはU)、あるいはシトシン塩基およびグアニン塩基(CおよびG)を含むヌクレオチドの間で形成されるにもかかわらず、塩基の対合は、これら「標準的な」対のメンバーではない塩基の間でもまた形成され得る。非標準的な塩基対合は、当該分野で周知である(例えばROGER L.P.ADAMSら、THE BIOCHEMISTRY OF THE NUCLEIC ACIDS(第11版、1992)参照のこと)。
「優先的にハイブリダイズする」とは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、検出プローブが、それらの標的核酸にハイブリダイズして、安定なプローブ:少なくとも1つの目的の生物の存在を示す標的ハイブリッドを形成し得ることを意味し、そして十分な数の安定なプローブ:非標的生物(特に、系統発生的に近縁な生物)の存在を示す非標的ハイブリッドを形成しない。従って、このプローブは、当業者がT.vaginalisに由来する核酸の存在(または非存在)を適切に正確に検出でき、必要に応じて試験サンプル中の系統発生的に近縁な生物の存在からその存在を区別できるような、非標的核酸より十分に広い範囲の標的核酸に対してハイブリダイズする。一般的に、オリゴヌクレオチド配列とその標的配列との間の相補性の度合を減少することは、その標的領域に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの程度または割合を減少する。しかし、1つ以上の非相補的なヌクレオシドまたは核酸塩基の含有は、非標的生物を識別するオリゴヌクレオチドの能力を助長し得る。
優先的なハイブリダイゼーションは、当該分野で公知の技術を使用して測定され得、そして、例えば、以下に提供される実施例において本明細書に記載される。好ましくは、試験サンプルにおいて標的ハイブリダイゼーション信号と非標的ハイブリダイゼーション信号との間に、少なくとも10倍の相違、より好ましくは少なくとも100倍の相違、最も好ましくは少なくとも1,000倍の相違がある。好ましくは、試験サンプルにおける非標的ハイブリダイゼーション信号は、背景信号レベル以下である。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」、または「ストリンジェントな条件」とは、近縁な非標的微生物に由来する核酸では無く、標的核酸(好ましくはT.vaginalisに由来するrRNAまたはrDNA)に検出プローブを優先的にハイブリダイズさせる条件を意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、GC含量およびそのプローブの長さを含む因子、試験サンプル中に存在し得るプローブ配列と非標的配列との間の類似性の度合ならびに標的配列に依存して変動し得る。ハイブリダイゼーション条件としては、ハイブリダイゼーション試薬またはハイブリダイゼーション溶液の温度および成分が挙げられる。本発明のプローブで、T.vaginalis由来の標的核酸を検出するための好ましいハイブリダイゼーションアッセイ条件は、塩濃度が約0.6〜0.9Mの範囲である場合、約60℃の温度に相当する。特定のハイブリダイゼーションアッセイ条件は、以下の実施例の節および「Trichomonas vaginalis リボソームRNAに対する検出プローブ」と表題付けられた節に記載される。他の許容可能なストリンジェントな条件は、当業者によって容易に確認され得る。
「アッセイ条件」とは、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの安定なハイブリダイゼーションを可能にする条件を意味する。アッセイ条件は、その標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの優先的なハイブリダイゼーションを必要としない。
本明細書中でオリゴヌクレオチドを言及して使用される場合、「から本質的になる(consists essentially of)」または「から本質的になること(consisting essentially of)」とは、そのオリゴヌクレオチドが、特定の塩基配列に対して実質的に相同な塩基配列、あるいは4つまでのさらなる塩基を有し得る塩基配列、および/または、そこから2つの塩基が欠失している塩基配列を有することを意味する。このように、これらの句は、配列長の制限および配列バリエーションの制限の両方を含む。任意の付加または欠失は、オリゴヌクレオチドが特許請求される性質(すなわち、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で非標的核酸より標的核酸に優先的にハイブリダイズすること)を有することを妨げない特定の塩基配列の、非物質的バリエーションである。このオリゴヌクレオチドは、いかなる付加または欠失も伴わない特定の核酸配列に実質的に類似の核酸配列を含み得る。しかしながら、特定の塩基配列から本質的になる(またはそれが本質的に特定の塩基配列からなる)オリゴヌクレオチドを含むプローブまたはプライマーは、標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションに関与せず、そしてそのようなハイブリダイゼーションに影響しない他の核酸分子を含み得る。
「核酸二重鎖」、「二重鎖」、「核酸ハイブリッド」または「ハイブリッド」とは、二本鎖、水素結合領域を含む安定な核酸構造を意味する。このようなハイブリッドとしては、RNA:RNA、RNA:DNAおよびDNA:DNA二重鎖分子ならびにそれらのアナログが挙げられる。その構造は、標識に関連するプローブを必要としない方法を含む任意の公知の手段によって検出可能であるよう十分に安定である。例えば、その検出方法は、その表面で質量の変化に光学的に活性かつ感受性である基質を被覆されたプローブを含み得る。質量変化は、光に応答して光学的に活性な基質の異なる反射特性および透過特性を生じ、そして固定された標的核酸の存在または量を示すために役立つ(この光学的検出の例示的な形態は、Nygrenら、「Devices and Methods for Optical Detection of Nucleic Acid Hybridization」、米国特許第6,060,237号により開示される)。標識されたプローブを必要としない、核酸二重鎖の形成を検出するための他の手段としては、エチジウムブロマイドのような相互作用剤を含む結合剤の使用が挙げられる。例えば、Highchi、「Homogenous Methods for Nucleic Amplification and Detection」、米国特許第5,994,056号を参照のこと。
「増幅オリゴヌクレオチド」または「プライマー」とは、核酸合成の開始に対して標的核酸にハイブリダイズでき、そしてプライマーおよび/または(例えば、相補鎖の合成に対して、それによって機能的なプロモーター配列を形成する)プロモーターテンプレートとして働くことができるオリゴヌクレオチドを意味する。増幅オリゴヌクレオチドが、RNA合成を開始するように設計される場合、そのプライマーは、標的配列に非相補的であるが、T7ポリメラーゼ、T3ポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼのようなRNAポリメラーゼによって認識される塩基配列を含み得る。増幅オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長の割合もしくは量を妨げるかまたは減少するように改変される3’末端を含み得る(McDonoughら、「Methods of Amplifying Nucleic Acids Using Promoter−Containing Primer Sequences」、米国特許第5,766,849号は、改変またはブロックされた3’末端を有するプライマーまたはプロモータープライマーを開示する)。本発明の増幅プライマーは、化学合成され得るか、またはベクターに由来し得る場合、それらは天然に存在する核酸分子でない。
「核酸増幅」または「標的増幅」とは、少なくとも1つの標的核酸配列を有する核酸分子数の増加を意味する。本発明に従う標的増幅は、1次関数的か指数関数的かのいずれかであり得るが、指数関数的な増幅が好ましい。
「増幅条件」とは、核酸増幅を可能にする条件を意味する。許容可能な増幅条件は、利用される特定の増幅法に依存して、当業者によって通常の実験程度の実施無しで、容易に確認され得る。
「アンチセンス」、「対向センス(opposite sense)」または「ネガティブセンス」とは、好ましくは参照核酸分子またはセンス核酸分子に完全に相補的な核酸分子を意味する。
「センス」、「同一センス(same sense)」または「ポジティブセンス」とは、参照またはセンス核酸分子に完全に相同的な核酸分子を意味する。
「アンプリコン」とは、核酸増幅反応で生成され、そして標的核酸に由来する核酸分子を意味する。アンプリコンは、標的核酸と同一または対向センスであり得る標的核酸配列を含む。
「由来する」とはその言われる核酸が、生物から直接的得られるか、または核酸増幅の産物として直接的に得られることを意味する。従って、生物に「由来する」核酸とは、例えば、その生物に天然には存在しないアンチセンスRNA分子であり得る。
「捕捉プローブ」とは、標的核酸(好ましくは、検出プローブによって標的とされる領域以外の領域において)、および直接的または間接的に固体支持体に結合可能であるオリゴヌクレオチドを意味し、それによって、試験サンプルにおいて標的核酸を固定化および単離するための手段を提供する。この補足プローブは、標的核酸にハイブリダイズする標的結合領域を含む。この補足プローブは、固体支持体状にこの補足プローブを固定化するためのリガンド−結紮結合対(例えば、アビジン−ビオチン結合)のメンバーを含み得、好ましい補足プローブは、固体支持体に結合した固定されたプローブにハイブリダイズする、固定されたプローブ結合領域を含む。その補足プローブが、好ましくはストリンジェントな条件下で、標的核酸およびその固定されたプローブの両方にハイブリダイズする一方、その補足プローブの標的結合領域および固定されたプローブ結合領域は、異なるハイブリダイゼーション条件下でそれらの標的配列に結合するように設計され得る。このように、捕捉プローブは、固定されたプローブへの固定されたプローブ結合領域のハイブリダイゼーションを可能にするように条件を調節する前に、より好ましい溶液反応動態において標的核酸にまずハイブリダイズするよう設計され得る。標的結合領域および固定されたプローブ結合領域が、同一のオリゴヌクレオチド中に含まれ得、直接的に互いに隣接されるか、または1つ以上の必要に応じて改変されたヌクレオチドによって分離され、あるいはこれらの領域は非ヌクレオチドリンカーによって互いに結合され得る。
「標的結合領域」とは、アッセイ条件下での標的核酸、その標的配列のDNA等価物またはRNA等価物、あるいは標的配列の相補体に存在する標的配列に安定に結合するオリゴヌクレオチドの一部を意味する。そのアッセイ条件は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件または増幅条件であり得る。
「固定されたプローブ結合領域」とは、アッセイ条件下で固定されたプローブにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの一部を意味する。
特許請求の範囲における「ホモポリマーテイル(homopolymer tail)」とは、少なくとも10個の同一塩基が連続した塩基配列(例えば、連続した10個のアデニンまたはチミン)を意味する。
「固定されたプローブ」とは、固定された支持体に捕捉プローブを結合するためのオリゴヌクレオチドを意味する。この固定されたプローブは、結合または相互作用によって直接的にか、または間接的にかのいずれかで固体支持体に連結され、これは、これらの条件が同一であろうと異なっていようと、その補足プローブを標的核酸および固定されたプローブにハイブリダイズするために使用された条件下で安定なままである。この固定されたプローブは、サンプルにおいて結合していない物質からの、結合した標的核酸の分離を容易にする。
「単離する(isolate)」または「単離すること(isolating)」とは、試験サンプル中に存在する標的核酸の少なくとも一部が、固定されるか放出可能な様式で、反応容器内もしくは反応デバイスまたは固体の担体(例えば、試験管、キュベット、マイクロタイタープレートウェル、ニトロセルロースフィルター、スライドまたはピペットチップ)内で、標的核酸が、容器、デバイスまたは担体から標的核酸の重大な損失なしに精製され得るよう濃縮されることを意味する。
「精製する(purify)」、または「精製すること(purifying)」とは、試験サンプルの1つ以上の成分が、そのサンプルの1つ以上の他の成分から除去されることを意味する。精製されるべきサンプル成分は、ウイルス、核酸、あるいは特に、一般的な水溶液相における標的核酸を含み得、これはタンパク質、炭水化物、脂質、非標的核酸および/または標識されたプローブのような望ましくない物質もまた含み得る。好ましくは、この精製する工程は、少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、そしてさらにより好ましくは、少なくとも約95%の、サンプル中の望ましくない成分を除去する。
「ヘルパープローブ」または「ヘルパーオリゴヌクレオチド」とは、検出プローブとは異なる位置で、標的核酸にハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドを意味し、これによって、その標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションの割合、またはプローブ:標的ハイブリッドの融解温度(T)のいずれかが増加するかあるいはその両方が増加する。
「系統発生的に近縁である」とは、その生物が進化の意味において互いに近縁であることを意味し、それゆえ、より遠縁である生物より高い全体の核酸配列の相同性を有すると期待され得る。系統樹上で隣接する位置および隣接する位置の隣を占める生物は、近縁である。系統樹上で隣接する位置または隣接する位置の隣よりもずっと遠い位置を占める生物は、それらが有意な全体の核酸配列の相同性を有する場合、なお近縁である。
(B.ハイブリダイゼーション条件およびプローブの設計)
ハイブリダイゼーション反応条件(最も重要な点では、ハイブリダイゼーション溶液中のハイブリダイゼーション温度および塩濃度)は、本発明の検出プローブ、またはいくつかの場合において、増幅オリゴヌクレオドを、T.vaginalis由来の標的核酸に優先的にハイブリダイズし得、そして試験サンプル中に存在すると推測される他の非標的核酸にハイブリダイズし得ないように選択され得る。減少した塩濃度および/または上昇した温度(ストリジェンシーの増加条件)において、核酸ハイブリダイゼーションの程度は、二本鎖ハイブリッド分子における対応した核酸塩基の間の水素結合が崩壊するにつれて、低下する。このプロセスは、「融解」として知られる。
一般的にいうと、最も安定なハイブリッドは、完全に一致する(すなわち、水素結合した)最大数の連続したヌクレオチド塩基対を有するハイブリッドである。このようなハイブリッドは、通常、ハイブリダイゼーション条件のストリジェンシーが増加するとき、最後に融解する期待される。しかし、1つ以上のミスマッチ塩基対、「非カノニカル」塩基対、または不完全な塩基対を含む(核酸のヌクレオチド配列においてその位置にてより弱い塩基対を生じるかまたは塩基対が生じないこと)二本鎖核酸領域は、比較的高ストリジェンシーな条件下で、そしてハイブリダイゼーションアッセイにおいて試験サンプル中に存在し得る他の選択されなかった核酸と交差反応することなく核酸ハイブリッドが形成され、そして検出されることを可能にするのになお十分に安定である。
従って、一方では、標的核酸のヌクレオチド配列と、系統発生的に異なるが近い関係の生物に属する非標的核酸のヌクレオチド配列との間の類似性の程度、ならびに他方では、特定の検出プローブまたは増幅オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列と、標的核酸および非標的核酸のヌクレオチド配列との間の相補性の程度に依存して、1つ以上のミスマッチは、プローブまたは増幅オリゴヌクレオチドに含まれるオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズするが非標的核酸にハイブリダイズしない能力を必ずしも無効にしない。
本発明の検出プローブは、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度(T、所与の反応混合物中の潜在的に二本鎖の分子の半分が一本鎖の変性された状態である温度と規定される)と、試験サンプル中に存在すると予想されるが検出されることは要求されない系統発生的に最も近い関係の生物のリボソームRNA(rRNA)またはリボソームDNA(rDNA)とそのプローブとの間で形成されるミスマッチハイブリッドのTとの間の差を最大にするように、選択、選抜そして/または設計される。標識されない増幅オリゴヌクレオチド、捕捉プローブおよびヘルパープローブは、本発明において有用である検出プローブのように極度に高度な特異性を有する必要はないが、これらのプローブは、同様の様式で、特定の増幅条件、アッセイ条件、またはストリジェントなハイブリダイゼーション条件下で、他の核酸よりも優先的に1つ以上の標的核酸にハイブリダイズするように設計される。
プローブの設計において使用される核酸配列の同定を容易にするために、まず、異なる生物由来のヌクレオチド配列を、相同性を最大限にするように整列した。この比較のために使用される供給源生物およびその関連するヌクレオチド配列は、GenBankデータベースから得て、そして以下の受託番号を有する:Trichomonas vaginalis(受託番号U17510)、Trimastix pyriformis(受託番号AF244903)、Dientamoeba fragilis(受託番号U37461)、Trichomonas gallinae(受託番号U86614)、Trichomonas tenax(受託番号D49495およびU37711)、Tetratrichomonas gallinarum(受託番号AF124608)、Kalotermes flavicollis(受託番号AF215856)、Trichomitus trypanoides(受託番号X79559)、Hodotermopsis sjoestedi(受託番号AB032234)、Pentatrichomonas hominis(受託番号AF124609)、Pseudotrypanosoma giganteum(受託番号AF052706)、Ditrichomonas honigbergi(受託番号U17505)、Monotrichomonas種 ATCC50693(受託番号AF072905)、Pseudotrichomonas keilini(受託番号U17511)、Monocercomonas種 ATCC50210(受託番号U17507)、Tritrichomonas foetus(受託番号U17509)およびEntamoeba histolytica(受託番号X64142)。
rRNA分子内では、二次構造(一部、分子内水素結合に起因する)と機能との間に密接な関係がある。この事実は、維持されるべき二次構造を生じる一次ヌクレオチド配列における進化的変化に対して制限を課す。例えば、1塩基を二重へリックスの一方の「鎖」において変化させた(分子内水素結合に起因して、両方の「鎖」が同一のrRNA分子の一部となる)場合、通常、補償性の(compensating)置換が、相補性(これは、共分散(co−variance)と呼ばれる)を保存するために他方の「鎖」の一次配列において起こり、従って必要な二次構造を生じる。これは、2つの全く異なるrRNA配列が、保存された一次配列と、保存された二次構造要素との両方に基づいて整列されることを可能にする。本明細書中に記載される検出プローブに対する潜在的な標的配列は、整列した配列の相同性における多様性に注目することによって識別された。
各々の可変領域における配列の進化は、たいていは分岐性である。この分岐性に起因して、T.vaginalisの系統発生的により遠い近縁生物の対応するrRNAの可変領域は、系統発生的により近い近縁生物のrRNAよりもT.vaginalisのrRNAから大きな相違を示す。T.vaginalisと他の生物との間の十分な変異により、好ましい標的部位を識別し、そして、試験サンプルにおいて、T.vaginalis生物と非T.vaginalis生物(特に、T.vaginlisに対して最も近い関係の生物であるTrichomonas tenax)とを識別するのに有用な検出プローブを設計することが観察された。
特有の潜在的な標的ヌクレオチド配列を単に推定で同定することは、機能的に種特異的な検出プローブが、その配列を含むT.vaginalisのrRNAまたはrDNAにハイブリダイズするように作製され得ることを保証しない。種々の他の因子は、属特異的なプローブまたは種特異的なプローブに対する標的部位としての核酸の位置に関する適性を決定する。本明細書中に記載されるもののような、ハイブリダイゼーション反応の程度および特異性が、多くの要因に影響を受けることから、その標的に対して完全に相補的であろうとなかろうと、これらの要因の1つ以上の操作により、特定のオリゴヌクレオチドの正確な感度および特異性が決定される。種々のアッセイ条件の重要性および効果は、当業者に公知であり、そして以下:Hoganら、「Nucleic Acid Probes for Detection and/or Quantitation of Non−Viral Organisms」米国特許第5,840,488号;Hoganら、「Nucleic Acid Probes to Mycobacterium gordonae」米国特許第5,216,143号;およびKohne、「Method for Detection,Identification and Quantitation of Non−Viral Organisms」米国特許第4,851,330号により開示される。以上の参考文献の各々の内容は、本明細書により本明細書中で参考として援用される。
所望のハイブリダイゼーション温度およびハイブリダイゼーション溶液の組成(例えば、塩濃度、界面活性剤および他の溶質)もまた、二本鎖ハイブリッドの安定性に大きく影響し得る。プロ−ブが標的にハイブリダイズすることを可能にするイオン強度および温度のような条件は、属特異的なプローブまたは種特異的なプローブを構築することにおいて考慮に入れなければならない。ハイブリッド核酸の熱安定性は、一般に反応混合物のイオン強度とともに増加する。他方、ホルムアミド、尿素、ジメチルスルホキシドおよびアルコールのような水素結合を妨げる化学試薬は、そのハイブリッドの熱安定性を大いに減少し得る。
本発明のプローブは、その標的に対するプローブの特異性を最大にするために、高ストリジェンシーな条件下でその標的にハイブリダイズするように設計された。このような条件下において、高度の相補性を有する一本鎖の核酸のみが、互いにハイブリダイズする。このような高度の相補性のない一本鎖の核酸は、ハイブリッドを形成しない。したがって、アッセイ条件のストリジェンシーは、ハイブリッドを形成するために二本鎖の核酸の間に存在するべき相補性の量を決定する。ストリジェンシーは、プローブと標的核酸との間で形成されるハイブリッドと、試験サンプル中に存在する任意の非標的核酸とプローブとの間の潜在的なハイブリッドとの間の安定性の差違を最大にするように選択される。
適切な特異性は、非標的生物の配列に対して完全な相補性を有する検出プローブの長さを最短にすること、非標的核酸に相補的なGおよびCに富む領域を除くこと、および可能な限り多数の非標的配列との不安定化ミスマッチを含むプローブを設計することによって達成され得る。プローブが特定の生物の種のみを検出するのに適切であるか否かは、プローブ:標的ハイブリッドとプローブ:非標的ハイブリッドとの間の熱安定性の差に大きく依存する。プローブの設計において、これらのT値の差は、可能な限り大きなもの(好ましくは2〜5℃もしくはそれより大きい)であるべきである。Tの操作は、プローブ長およびプローブの組成(例えば、AT含有量に対するGC含有量)の変更により達成され得る)。
一般に、オリゴヌクレオチドプローブに対する最適なハイブリダイゼーション温度は、所与の二本鎖に対する融解温度より約5℃低い。最適温度未満の温度におけるインキュベーションは、ミスマッチ塩基配列をハイブリダイズ可能にし、従って特異性を低下させ得る。プローブが長ければ長い程、塩基対間で水素結合が多く、そして一般にTが高い。またGおよびCのパーセンテージが増加するほど、Tも増加する。なぜならG−C塩基対はさらなる水素結合を示し、従ってA−T塩基対よりも高い熱安定性を示すからである。このような考察は、当該分野において公知である(例えば、J.SAMBROOKら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL ch.11(第2版.1989)を参照のこと)。
を決定するための好ましい方法は、Arnoldら、「Homogenous Protection Assay」、米国特許第5,283,174号(その内容は本明細書により、本明細書中で参考として援用される)によって開示される周知のハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)を使用してハイブリダイゼーションを測定する。Tは、以下の様式においてHPAを使用して測定され得る。プローブ分子は、アクリジニウムエステルで標識され、過剰量の標的を使用して、コハク酸リチウム緩衝液(0.1Mコハク酸リチウム緩衝液、pH4.7、20mM EDTA、15mM アルドリチオール(aldrithiol)−2、1.2M LiCl、3%(v/v)無水エタノール、2%(w/v)ラウリル硫酸リチウム)中でプローブ:標的のハイブリッドを形成し得る。次いで、プローブ:標的のハイブリッドを含む溶液のアリコートをコハク酸リチウム緩衝溶液中で希釈し、そして予期されるT(代表的に55℃)未満で開始し、2〜5℃の増分で増加させる種々の温度で5分間インキュベートした。次いで、この溶液を中程度のアルカリホウ酸塩緩衝液(600mM ホウ酸、240mM NaOH、1%(v/v)TRITON(登録商標)X−100界面活性剤、pH8.5)で希釈し、そして等しいまたはより低い温度(例えば50℃)で10分間インキュベートする。
これらの条件下で、1本鎖プローブに結合したアクリジニウムエステルは加水分解され、他方、ハイブリダイズしたプローブに結合したアクリジニウムエステルは加水分解から比較的保護される。従って、加水分解処理後に残るアクリジニウムエステルの量は、ハイブリッド分子の数に比例する。残ったアクリジニウムエステルは、その溶液に過酸化水素およびアルカリを添加することにより残るアクリジニウムエステルから発生した化学発光をモニタリングすることによって測定され得る。化学発光は、LEADER(登録商標) HC+ルミノメーター(Luminometer)(Gen−Probe Incorporated;San Diego,CA;カタログ番号4747)のようなルミノメーターによって測定され得る。得られたデータは、温度に対する最大値信号(通常は、最低温度由来)のパーセントとしてプロットする。このTを、最大信号の50%が残存する温度として規定する。上記の方法に加え、Tは当業者に公知である同位体方法(例えば、Hoganら、米国特許第5,840,488号を参照のこと)により決定され得る。
その標的に対するプローブ検出の特異性を確実にするために、高いストリンジェンシーの条件下で標的の核酸のみとハイブリダイズするプローブを設計することが好ましい。高度に相補的な配列のみが、高いストリンジェンシーの条件下でハイブリッドを形成する。従って、アッセイ条件のストリンジェンシーは、安定なハイブリッドを形成するために、2つの配列間に必要とされる相補性の量を決定する。ストリンジェンシーは、プローブ:標的ハイブリッドと、潜在的プローブ:非標的ハイブリッドとの間の安定性の違いが最大になるように選択されるべきである。
特異的なストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、以下の実施例節において提供される。もちろん、代替的なストリンジェントハイブリダイゼーション条件が、本説明書の開示に基づき当業者によって決定され得る(例えば、SAMBROOKら、上記ch.11を参照のこと)。
従って、標的核酸配列領域の長さおよびプローブ配列の長さはまた、重要であり得る。いくつかの場合において、種々の位置および長さの特定の領域からのいくつかの配列が存在し得、これらの配列は、所望されるハイブリダイゼーション特性のプローブを設計するために使用され得る。他の場合、1つのプローブは特異性に関して、ただ1塩基のみ異なる別のプローブよりも、有意に優れ得る。完全に相補的でない核酸がハイブリダイズし得るが、完全に相補的な塩基および塩基組成物の最大の長さは、通常、ハイブリッド安定性を決定する。
ハイブリダイゼーション阻害性の強い内部構造を形成することが知られる、rRNAの領域は、特に以下に記載されるヘルパープローブが使用されないアッセイにおいては、あまり好ましくない標的領域である。同様に、広範囲に自己相補性を有するプローブは、通常、避けるべきである(具体的な例外を、以下で議論する)。鎖が、全体的または部分的に、分子内ハイブリッドまたは分子間ハイブリッドに含まれる場合、その鎖は、反応条件を変化させないで、新たな分子間プローブ:標的ハイブリッドの形成に加わり得ることは少ない。リボソームRNA分子が非常に安定性な分子内へリックスおよび二次構造を形成することは公知である。ハイブリダイゼーション条件下で、実質的に一本鎖が残る標的核酸の領域に対してプローブを設計することによって、プローブと標的との間のハイブリダイゼーションの速度および程度は、増加し得る。
ゲノムリボソーム核酸(rDNA)標的は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の産物がそうであるように、二本鎖形態で天然に存在する。これらの二本鎖標的は、天然には、プローブとのハイブリダイゼーションに対して阻害的であり、そしてハイブリダイゼーション前に変性を必要とする。適切な変性およびハイブリダイゼーション条件は当該分野において公知である(例えば、Southern,E.M.、J.Mol.Biol.,98:503(1975)を参照のこと)。
多くの式が利用可能であり、これらの式は、それらの標的核酸に対して完全にマッチするオリゴヌクレオチドについての融解温度の概算を提供する。
1つのこのような式は以下である:
=81.5+16.6(log10[Na])+0.41(G+Cの割合)−(600/N)
(ここでN=ヌクレオチドの数におけるオリゴヌクレオチド長)。この式は、14と60〜70との間のヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドについて、良好なTの概算を提供する。このような計算から、その後の実験的な証明またはTの「微調整」は、当該分野で周知のスクリーニング技術を使用してなされ得る。ハイブリダイゼーションプローブおよびオリゴヌクレオチドプローブの参照についてのさらなる情報は、SAMBROOKら、上記、ch.11でなされ得る。当該分野で周知の他のもののうち、この参考文献はまた、ハイブリッドのTに対するミスマッチの効果の概算を提供する。従って、2つまたはそれ以上の生物のリボソームRNA(またはrDNA)の所定の領域の公知のヌクレオチド配列から、これらの生物を互いから区別するオリゴヌクレオチドが設計され得る。
(C.核酸増幅)
好ましくは、本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、オリゴデオキシヌクレオチドであり、そして核酸ポリメラーゼによる伸長産物の合成のための基質として使用されるために、充分に長い。最適増幅オリゴヌクレオチド長は、いくつかの因子を考慮するべきであり、これらの因子としては、反応温度、その増幅オリゴヌクレオチドの構造および塩基組成、ならびに上記増幅オリゴヌクレオチドがどのように使用されるかが挙げられる。例えば、最適特異性のために、上記オリゴヌクレオチド増幅オリゴヌクレオチドは、一般的に、その標的核酸配列の複雑性に依存して、少なくとも長さ12塩基であるべきである。このような特異性が不可欠でない場合、より短い増幅オリゴヌクレオチドが、使用され得る。このような場合、そのテンプレート核酸との安定なハイブリッド複合体を形成するために、より低い温度で反応を実施することが所望され得る。
所望される特性を有する増幅オリゴヌクレオチドおよび検出プローブを設計するための有用なガイドラインを、以下の「オリゴヌクレオチドの調製」と題される項に記載する。増幅およびプローブ化のために最適部位は、少なくとも2つ、そして好ましくは3つのT.vaginalis核酸の保存領域を含む。これらの領域は、長さ約15〜350塩基、そして好ましくは、長さ約15塩基と150塩基の間である。
一連の増幅オリゴヌクレオチド(例えば、プライマーおよび/またはプロモータープライマー)を用いて観察される増幅の程度は、いくつかの因子に依存し、これらの因子としては、その増幅オリゴヌクレオチドがそれらの特異的標的配列にハイブリダイズする能力およびそれらが酵素的に伸長またはコピーされる能力が挙げられる。異なる長さおよび塩基組成の増幅オリゴヌクレオチドが使用され得るが、本発明において好まれる増幅オリゴヌクレオチドは、約42℃の、標的に対する予測Tを有する、18〜40塩基の標的結合領域を有する。
プローブハイブリダイゼーションに影響するパラメータ(例えば、Tおよびその標的配列の二次構造)はまた、増幅オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、そして従って、その増幅オリゴヌクレオチドの性能に影響する。非特異的伸長(プライマーダイマーまたは非標的コピー)の程度もまた、増幅効率に影響し得る。従って、増幅オリゴヌクレオチドは、特にそれらの配列の3’末端において、低い自己相補性または交差相補性を有するように選択される。それにもかかわらず、以下に記載される「シグナルプライマー」は、改変されて自己相補性領域を含み、それにより、それらは「分子トーチ」シグナルプライマーまたは「分子ビーコン」シグナルプライマー(例えば、これらの用語は、以下に規定される)に変換する。長すぎるホモポリマーの連続および高いGC含量は、プライマー伸長を減少するために避けられる。この設計の局面における手助けのために、コンピュータプログラムが利用可能であり、これらのプログラムとしては、Oligos Etc.Inc.から入手可能なOligo Tech分析ソフトウェアが挙げられ、そして以下のURL:http://www.oligosetc.com.のワールドワイドウェブにおいて入手され得る。
本発明の増幅オリゴヌクレオチドと組み合わせて使用される核酸ポリメラーゼとは、テンプレートに依存した様式で、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドのいずれかまたは両方を、核酸ポリマーまたは鎖に取り込む化学的、物理的または生物学的な物質を指す。核酸ポリメラーゼの例としては、DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存性RNAポリメラーゼが挙げられる。DNAポリメラーゼは、テンプレートに依存した様式で、そして5’から3’方向の核酸合成をもたらす。二本鎖核酸における2つの鎖の代表的な非平行配向に起因して、この方向は、そのテンプレートの3’領域からそのテンプレートの5’領域である。DNA依存性DNAポリメラーゼの例としては、E.coli DNAポリメラーゼI、Thermus aquaticus(Taq)熱安定性DNAポリメラーゼおよびBacillus stearothemophilis(Bst)由来DNAポリメラーゼの大きいフラグメントが挙げられる。RNA依存性DNAポリメラーゼの例としては、種々のレトロウイルス逆転写酵素(例えば、Moloneyマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素または鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素)が挙げられる。
ほとんどの核酸増幅反応の間、核酸ポリメラーゼは、テンプレートとしてその標的核酸を用いて、そのプライマーの3’末端にヌクレオチド残基を付加し、従って、その標的核酸領域に対して部分的または完全に相補的なヌクレオチド配列を有する第2の核酸鎖を合成する。多くの核酸増幅反応において、生じた二本鎖構造を含む2つの鎖は、その増幅反応を進行させるために、化学的手段または物理的手段によって分離されなければならない。あるいは、その新しく合成されたテンプレート鎖は、他の手段(例えば、鎖置換またはその元々の標的鎖の一部もしくは全てを消化する核酸分解(nucleolytic)酵素の使用)によって第2のプライマーまたはプロモータープライマーとのハイブリダイゼーションのために利用可能にされ得る。この方法において、そのプロセスは、多くのサイクルにより反復され得、その標的ヌクレオチド配列を有する核酸分子の数の大きな上昇をもたらす。
第1もしくは第2の増幅オリゴヌクレオチドまたは両方は、プロモータープリマーであり得る。(いくつかの適用において、その増幅オリゴヌクレオチドは、Kacianら,「Nucleic Acid Sequence Amplification Method,Composition and Kit」、米国特許第5,554,516号に開示されるように、そのセンス鎖に相補的なプロモータープライマーからなるのみであり得る。)プロモータープライマーは、通常、標的核酸分子またはプリマー伸長産物に存在するヌクレオチド配列に対して相補的でないオリゴヌクレオチドを含む(このようなオリゴヌクレオチドの説明のためには、Kacianら、「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」,米国特許第5,399,491号を参照のこと)。これらの非相補的配列は、増幅オリゴヌクレオチドの相補的配列に対して5’に位置し得、そして核酸ポリメラーゼの作用を介して二本鎖が作製される場合、RNA合成開始のための位置を提供し得る。従って、そのプロモーターは、その標的核酸配列の複数のRNAコピーのインビトロ転写を可能にし得る。本明細書中でプライマーに対して言及される場合、このような言及は、その言及の内容が明らかに他を示さなければ、プロモータープライマーというプライマーの局面もまた含むことが意図される。
いくつかの増幅系(例えば、では、Dattagupta et al.、「Isothermal Strand Displacement Amplification,」米国特許第6,087,133号に開示された増幅方法を参照のこと)では、増幅オリゴヌクレオチドは、5’非相補的ヌクレオチドを含むものであってもよく、このヌクレオチドは鎖置換を補助する。また、5’エクソヌクレアーゼ活性を持つ核酸ポリメラーゼとともに用いられる場合、増幅オリゴヌクレオチドの5’末端を修飾することで酵素消化を防ぐことが可能である。あるいは、核酸ポリメラーゼを修飾することで、例えば5’エクソヌクレアーゼ活性を持たない活性ポリメラーゼフラグメントを生成するプロテアーゼによる処理によって、5’エクソヌクレアーゼ活性を取り除くことが可能である。そのような場合、プライマーの5’末端を修飾する必要はない。
(1.オリゴヌクレオチドの調製)
本発明の検出プローブ、捕捉プローブ、ヘルパープローブ、および増幅オリゴヌクレオチドを、既知の方法によって容易に調製することができる。好ましくは、オリゴヌクレオチドの合成を、固相法を用いておこなう。例えば、Caruthersはヌクレオチドをホスホジエステル結合で連結するために標準的なホスホラミダイト固相化学の使用について述べている。Caruthers et al.、「Chemical Synthesis of Deoxynucleotides by the Phosphoramidite Method,」Method Enzymol.、154:287(1987)を参照のこと。シアノエチルホスホラミダイト前駆体を用いた自動化固相化学合成は、Baroneが述べている。Barone et al.、「In Situ Activation of bis−dialkylaminephosphines−−a New Method for Synthesizing Deoxy Oligonucleotides on Polymer Supports,」Nucleic Acids Res.、12(10):4051(1984)を参照のこと。同様に、Batt、「Method and Reagent for Sulfurization of Organophosphorous Compounds,」米国特許第5,449,769号は、ホスホロチオネート結合を含むオリゴヌクレオチドを合成するための手順を開示している。さらに、Riley et al.、「Process for the Purification of Oligomers,」米国特許第5,811,538号は、メチルホスホナート結合を含む異なる結合を持つオリゴマーの合成を開示している。さらに、オリゴマーの有機化学的合成のための方法は、当業者に公知であり、例えば、SAMBROOK et al.、上掲、ch.10に記載されている。
特定のオリゴヌクレオチドの合成後、いくつかの異なる手順を用いて、オリゴヌクレオチドの精製および該オリゴヌクレオチドの品質制御をおこなうことが可能である。適当な手順として、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高圧液体クロマトグラフィーが挙げられる。これらの手順の両方とも当業者に周知である。
検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブ、または増幅オリゴヌクレオチドであるとなかろうと、本発明のオリゴヌクレオチドの全てに対して、化学基による修飾をおこなって、それらの性能をエンハンスし、あるいは増幅産物の特徴づけを促進してもよい。
例えば、ある種のポリメラーゼの核酸分解活性またはヌクレアーゼ酵素に対する耐性をオリゴヌクレオチドに与えるホスホロチオネート、メチルホスホナート、2’−O−アルキル、またはペプチド基等の主鎖修飾オリゴヌクレオチドは、増幅または他の反応でそのような酵素の使用を可能にするものであってもよい。修飾の他の例として、プローブまたはプライマーの核酸鎖内のヌクレオチド間に取り込まれ、かつプローブのハイブリダイゼーションあるいはプライマーのハイブリダイゼーションまたは伸長を妨げない非ヌクレオチドリンカーを用いることを含む(Arnold et al.、「Non−Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes,」米国特許第6,031,091号を参照のこと。この特許の開示内容を本明細書の一部を構成するものとして援用する)。本発明のオリゴヌクレオチドはまた、所望の修飾および天然のヌクレオチドを含むものであってもよい。
増幅オリゴヌクレオチド(特にプロモーター−プライマー)の3’末端を、例えば、Kacian et al.、米国特許第5,554,516号に開示されたように、修飾またはブロックしてDNA合成の開始を抑制または阻害することが可能である。プライマーの3’末端を周知の様々な方法で修飾することができる。一例として、プロモーター−プライマーに対する適当な修飾として、リボヌクレオチド、3’デオキシヌクレオチド残基(例えば、コルジセピン)、2’,3’−ジデオキシヌクレオチド残基、修飾ヌクレオチド(例えば、ホスホロチオネネート)、ならびに非ヌクレオチド結合(例えば、Arnold et al.,米国特許第6,031,091号に開示されているもの)、あるいはアルカン−ジオール修飾(例えば、Wilk et al.、「Backbone−Modified Oligonucleotides Containing a Butanediol−1,3 Moiety as a `Vicarious Segment` for the Deoxyribosyl Moiety−Synthesis and Enzyme Studies,」Nucleic Acids Res.、18(8):2065(1990)を参照のこと)を挙げることができ、さもなければ、修飾は、標的核酸配列に対して非相補的であるプライミング配列に対する領域3’から単純になるものであってもよい。さらに、異なる3’ブロックプロモーター−プライマーと3’非ブロックプロモーター−プライマーとの混合物は、そこで説明されるように、核酸増幅の効率を高めると考えられる。
上記したように、プライマーの5’末端を修飾して、いくつかの核酸ポリメラーゼに存在する5’エクソヌクレアーゼ活性に対して耐性にすることが可能である。そのような修飾を、Arnold et al.、米国特許第6,031,091号に記載されているような技術を用いて、非ヌクレオチド基をプライマーの末端5’ヌクレオチドに添加することで、実行することができる。
ひとたび構成されると、選択されたオリゴヌクレオチドを任意の周知方法で標識することができる(例えば、SAMBROOK et al.、上掲、ch.10を参照のこと)。有用な標識として、非放射性レポーティング基と同様に、放射性同位元素が挙げられる。同位体標識として、H、35S、32P、125I、57Co、および14Cが挙げられる。同位体標識の検出は、放射性同位元素標識を使用する場合、オートラジオグラフィ、シンチレーション、またはガンマカウンティングによっておこなうことができる。選択される検出方法は、標識に用いた特定の放射性同位元素に依存する。選択された検出方法は、標識にもちいた特定の放射性同位元素に依存する。
非同位体物質も標識として用いることができ、核酸配列の内部に導入または該核酸配列の端部に導入してもよい。修飾ヌクレオチドを酵素的または化学的に取り込むことが可能である。プローブの化学的修飾は、Arnold et al.、米国特許第6,031,091号に開示されているように、そのプローブの合成中または合成後に、非ヌクレオチド基の使用を介して実施することが可能である。非同位体標識として、蛍光分子(個々標識または複数の標識の組み合わせ、例えばTyagi et al.、「Detectably Labeled Dual Conformation Oligonucleotide Probes,」米国特許第5,925,517号に開示された蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対)、化学発光分子、酵素、補因子、酵素基質、ハプテン、または他のリガンドが挙げれらる。
本発明の検出プローブとともに、アクリジニウムエステルを持つ非ヌクレオチドリンカーを用いることで、好ましくは標識される。クリジニウムエステル標識は、米国特許第5,185,439号(Arnold et al.、「アクリジニウム Ester Labelling and Purification of Nucleotide Probes,」)に開示されるように、実行することが可能であり、本明細書ではこの特許の開示内容を本明細書の一部として援用する。
(2.T.vaginalisリボソーム核酸の増幅)
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、T.vaginalisに由来するリボソーム核酸の18S領域を標的とする。これらの増幅オリゴヌクレオチドを、核酸増幅アッセイでT.vaginalisの存在を検出するために使われる検出プローブ(またはその相補体)の標的配列の少なくとも1つに対して、フランキング、オーバーラップ、または含有させてもよい。上記したように、増幅オリゴヌクレオチドはまた、RNAポリメラーゼに結合可能で、かつテンプレートとして標的核酸を用いたRNA転写を導くプロモーター配列を含む非相補的塩基を5’末端に含むものであってもよい。T7プロモーター配列(例えば配列番号89)を使用することが可能である。
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下で、T.vaginalisに由来する核酸の標的領域を増幅することが可能である。増幅オリゴヌクレオチドは、最大で40塩基長の標的結合領域を持ち、該領域は増幅条件下で、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、および配列番号64からなる群から選択される標的配列に対して安定的にハイブリダイズする。増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下で、T.vaginalisに由来する核酸に対して安定的にハイブリダイズする他の塩基配列をいっさい含まない。好ましくは、上記標的結合領域の塩基配列は、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および配列番号88からなる群から選択される塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。
あるいは、本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、最大で40塩基長の標的結合領域と、RNAポリメラーゼによって認識される、またはRNAポリメラーゼによる開始および伸長をエンハンスする任意の5’配列とからなり、増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下で核酸ポリメラーゼと接触した場合、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、または配列番号88からなる群から選択された塩基配列を持つ核酸領域に結合または該核酸領域を介した伸長を生ずる。
好ましい一実施形態では、T.vaginalis由来核酸を増幅させるための少なくとも2つの増幅オリゴヌクレオチドからなる一セットが提供され、該セットは、(i)増幅条件下で、配列番号33、配列番号34、配列番号35、および配列番号36からなる群から選択される標的配列と安定的にハイブリダイズする最大で40塩基長の標的結合領域を持つ第1の増幅オリゴヌクレオチドと、(ii)増幅条件下で、配列番号37、配列番号38、配列番号39、および配列番号40からなる群から選択される標的配列に対して安定的にハイブリダイズする最大で40塩基長の標的結合領域を持つ第2の増幅オリゴヌクレオチドとを含む。好ましくは、上記第1の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、および配列番号48からなる群から選択される塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列が挙げられ、上記第2の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、および配列番号56からなる群から選択される塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列が挙げられる。さらに好ましくは、第1の増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域の塩基配列は、配列番号41または配列番号45の塩基配列を含む、該塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列を含み、また第2の増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域の塩基配列は、配列番号51または配列番号55の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列を含む。第2の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは、5’プロモーター配列(例えば、配列番号89のT7プロモーター配列)を含む。
別の好ましい実施形態では、T.vaginalis由来核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅オリゴヌクレオチドからなる一つのセットが提供され、このセットは、(i)増幅条件下で、配列番号57、配列番号58、配列番号59、および配列番号60からなる群から選択される標的配列に対して安定的にハイブリダイズする最大で40塩基長の標的結合領域を持つ第1の増幅オリゴヌクレオチドと、(ii)増幅条件下で、配列番号61、配列番号62、配列番号63、および配列番号64からなる群から選択される標的配列に対して安定的にハイブリダイズする最大で40塩基長の標的結合領域を有する第2の増幅オリゴヌクレオチドと、を含む。好ましくは、第1の増幅オリゴヌクレオチドは、標的結合領域を有し、この領域は、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、および配列番号76からなる群から選択された塩基を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列を含み、または第2の増幅オリゴヌクレオチドは、標的結合領域を有し、この領域は、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および配列番号88からなる群から選択される塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列を含む。より好ましくは、第1の増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域の塩基配列は、配列番号65、配列番号69、または配列番号73の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれ、また第2の増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域の塩基配列は、配列番号79、配列番号83、または配列番号87の塩基を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。第2の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは5’プロモーター配列(例えば、配列番号89のT7プロモーター配列)を含む。
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、ブロック化3’および/または5’末端(上記通り)等の修飾または配列付加を有するものであってもよく、配列付加として、限定されるものではないが、RNAポリメラーゼ(例えば、T7、T3、もしくはSP6RNAポリメラーゼに対するプロモーター配列)によって認識される特異的ヌクレオチド範囲、RNAポリメラーゼによるRNA転写産物の開始または伸長をエンハンスする配列、または分子内塩基対形成を与えることが可能であり、かつ核酸の二次または三次構造の形成を促す配列が挙げられる。
増幅オリゴヌクレオチドは、現在知られている、または後で開発される任意の適当な核酸増幅手順で使用される。既存の増幅手順として、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列をベースとした増幅(NASBA)、自立配列複製(3SR)、リガーゼ鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、およびループ媒介等温増幅(LAMP)が挙げられ、各々が当技術分野で周知である。例えば、Mullis、「Process for Amplifying Nucleic Sequences,」米国特許第4,683,202号;Erlich et al.、「Kits for Amplifying and Detecting Nucleic Sequences,」米国特許第6,197,563号;Walker et al.、Nucleic Acids Res.、20:1691−1696(1992);Fahy et al.、「Self−sustained Sequence Replication (3SR):An Isothermal Transcription−Based Applification System Alternative to PCR,」PCR Methods and Applications、1:25−33(1991);Kacian et al.、米国特許第5,399,491号;Kacian et al.、「核酸 Sequence Amplification Methods,」 米国特許第5,480,784号;Davey et al.、「核酸 Amplification Process,」米国特許第5,554,517号;Birkenmeyer et al.、「Amplification of Target Nucleic Acids Using Gap Filling Ligase Chain Reaction,」米国特許第5,427,930号;Marshall et al.、「Amplification of RNA Sequences Using the Ligase Chain Reaction,」米国特許第5,686,272号;Walker、「Strand Displacement Amplification,」米国特許第5,712,124号;Notomi et al.、「Process for Synthesizing Nucleic Acid,」欧州特許出願第1 020 534 Al号;Dattagupta et al.、「Isothermal Strand Displacement Amplification,」米国特許第6,214,587号;およびHELEN H. LEE ET AL.、核酸 AMPLIFICATION TECHNOLOGIES:APPLICATION TO DISEASE DIAGNOSIS(1997)(上記出願参照文献の各々の開示内容を本明細書の一部をなすものとして援用する)が挙げられる。「核酸増幅」の定義(上掲)に合致する他の増幅手順のいずれも本発明によって検討される。
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは非標識であるが、1種類以上のレポーター基を含むものであってもよく、それによって検出プローブに結合または該検出プローブを排除した標的核酸の検出を促進させる。多種多様な方法が、増幅された標的配列の検出に利用できる。例えば、ヌクレオチド置換または増幅オリゴヌクレオチドは、新たに合成されたDNAに取り込まれる検出可能な標識を含むことができる。続いて、結果として生ずる標識された増幅産物を、通常、未使用の標識ヌクレオチドまたは増幅オリゴヌクレオチドから分離することで、その標識が分離産物分画で検出される(例えば、Wu、「Detection of Amplified Nucleic Acids Using Secondary Capture Oligonucleotides and Test Kit,」米国特許第5,387,510号を参照のこと)。
しかし、もし増幅オリゴヌクレオチドが、例えば相互作用標識対(例えば、ドナー/アクセプター染料対を形成する2種類の染料)と結合することによって、修飾される場合、分離工程は必要としない。修飾増幅オリゴヌクレオチドの設計は、増幅オリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズしない限り、染料対の構成要素の一方の蛍光が該染料対の構成要素の他方によって依然として消光したままであるようになされることで、2つの染料を物理的に分離できる。さらに、増幅オリゴヌクレオチドクレオチドは、2つの染料間に位置した制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含むように、さらに修飾することができ、それによってハイブリッドが修飾増幅オリゴヌクレオチドと標的核酸とのあいだに形成される場合、制限エンドヌクレアーゼ認識部位が二重鎖にされて、適当な制限エンドヌクレアーゼによって切断またはニッキングされる。ハイブリッドの切断またはニッキングによって2つの染料が分離され、試験サンプル中の標的微生物の存在を示すものとして検出されうる消光の減少によって、蛍光に変化が生ずる。このタイプの修飾増幅オリゴヌクレオチドは、「シグナルプライマー(signal primer)」と呼ばれており、Nadeau et al.、「Detection of Nucleic Acids by Fluorescence Quenching」米国特許第6,054,279号に開示されている。
有用な検出可能標識として用いることができる物質は、当技術分野で周知であり、放射性同位元素、蛍光分子、化学発光分子、発色団、さらに、直接的には検出されはしないが、特異的結合相手(例えば、アビジンおよび抗体)の標識された形態との反応によって、容易に検出されうるビオチンおよびハプテン等のリガンドが挙げられる。
別のアプローチは、検出可能な標識オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによる増幅産物の検出と、結果として生じたハイブリッドを任意の従来法で測定することで、増幅産物を検出することである。特に、上記産物は、化学発光アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを標的配列にハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしていないプローブ上に存在するアクリジニウムエステルを選択的に加水分解し、さらにルミノメーターで残留アクリジニウムから生じた化学発光を測定することで、評価される(例えば、Arnold et al.、米国特許第5,283,174号、およびNORMAN C.NELSON ET AL.、NON同位体的PROBING、BLOTTING、AND SEQUENCING、ch.17(Larry J.Kricka ed.、2d.ed.1995)が挙げられる)。
尿生殖器検体は、固体がT.vaginalisに感染した場合、その微生物を大量に含む傾向があることから、アッセイの感度が低くならないように、特に定量化がアッセイの目的である場合、増幅反応混合物に共増幅疑似標的を含ませることが望まれている。疑似標的およびその用途については、Nunomura、「Polynucleotide Amplification Method,」米国特許第6,294,338号に開示されており、この特許の開示内容を本明細書の一部をなすものとして援用する。本出願では、疑似標的を、例えば、既知量のTrichomonas tenax18SrRNA転写産物としてもよい。増幅条件下で本発明の増幅オリゴヌクレオチドのセットによって増幅することができるが、本発明の検出プローブによって検出可能な配列を含まないか、もたらさないことを特徴とする。
(D.サンプル処理)
標的配列の増幅または検出に先立つサンプル処理は、サンプル中に存在する非標的核酸から標的配列を識別するために必要であり得、または有用であり得る。サンプル処理手順は、例えば異種性のアッセイにおける液相からの、核酸および/またはオリゴヌクレオチドの、直接的または間接的な固定を含み得る。いくつかの手順において、このような固定は、複数のハイブリダイゼーションの事象を必要とし得る。例えば、Rankiら、「Detection of Microbial Nucleic Acids by a One−Step Sandwich Hybridization Test」、米国特許第4,486,539号および同第4,563,419号は、一段階核酸「サンドイッチ」ハイブリダイゼーション法を開示する。この方法は、標的の相補配列を有する、固相に結合された核酸、および上記標的の核酸の別の領域に相補的な標識された核酸プローブの使用を含む。Stabinsky、「Methods and Kits for Performing Nucleic Acid Hybridization Assays」米国特許第4,751,177号は、「メディエーター」ポリヌクレオチドを含む方法を開示する。この方法は、記載されるところでは、固体支持体からの固定プローブの漏出により生じる、Rankiの方法に関する感受性の問題を克服する。上記標的の核酸を直接的に固定する代わりに、このStabinskyのメディエーターポリヌクレオチドは、溶液中で遊離型を形成した標的ポリヌクレオチド:プローブポリヌクレオチド複合体に結合し、間接的に固定するために使用される。
任意の公知である固体支持体は、サンプル処理(例えば、溶液中で遊離状態のマトリクスおよび粒子)に利用され得る。その固体支持体は、例えばニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレンならびに、好ましくは、サンプルの回収および/あるいは結合していない核酸または他のサンプル成分の除去を容易にする磁荷を有する粒子であり得る。特に好ましい支持体は、単分散の(すなわちサイズが±5%内で均一な)磁気球体であり、その単分散であることにより一貫した結果を提供し、自動化手順における使用に特に有利である。1つのこのような自動化手順は、Ammannら、「Automated Process for Isolating and Amplifying a Target Nuleic Acid Sequence」、米国特許第6,335,166号に開示される。
標的核酸を固体支持体上に固定するためのオリゴヌクレオチドは、アッセイ条件(例えば、増幅および/または検出のための条件)下で安定な任意の結合または相互作用によって、直接的または間接的にその固体支持体上に結合され得る。本明細書中で「固定プローブ」という場合、そのオリゴヌクレオチドは、直接的にその標的核酸に結合してもよいし、ホモポリマートラクト(tract)(例えば、ポリdT)のような塩基配列領域、または単純な短い繰り返し配列(例えば、ATリピート)を含んでもよく、この領域は、捕捉プローブ上に存在する相補的塩基配列領域にハイブリダイズする。直接的な結合は、中間基の不在下において上記固定プローブが上記固体支持体上に結合した場合に生じる。例えば、直接的な結合は、共有結合、キレート化またはイオン相互作用を介したものであり得る。間接的な結合は、上記固定プローブが、1つまたはそれより多くのリンカーによりその固体支持体に結合される場合に生じる。「リンカー」は、少なくとも2つの異なる分子を結合して安定的な複合体にするための手段であり、結合パートナーセットの1つまたはそれ以上の成分を含む。
結合パートナーセットのメンバーは、互いに認識し、結合する能力がある。結合パートナーセットは例えば、レセプターおよびリガンド、酵素および基質、酵素および補因子、酵素および補酵素、抗体および抗原、糖およびレクチン、ビオチンおよびストレプトアビジン、リガンドおよびキレート剤、ニッケルおよびヒスチジン、実質的に相補的なオリゴヌクレオチド同士、ならびに相補性のあるホモポリマーの核酸同士またはポリマー核酸のホモポリマー部分同士であり得る。結合パートナーセットの成分は、結合に関与するメンバーの領域である。
その使用の容易さおよび迅速さという観点で実用上の利点を有する、好ましいサンプル処理システムは、塩基配列を含有する固定プローブを含む。この塩基配列は、捕捉プローブの塩基配列に相補的であり、本明細書中で「固定プローブ結合領域」という。その捕捉プローブはさらに、アッセイ条件下で標的核酸に含有される標的配列に特異的にハイブリダイズし得る塩基配列を含有し、これは本明細書中で「標的結合領域」という。(上記標的の核酸の領域に対する、その補足プローブの標的結合領域の特異性は、分離工程の後に上記サンプルから残存する非標的核酸の量を最小化することが望ましいが、その捕捉プローブが単に標的核酸を単離するために使用される場合、それは本発明のその捕捉プローブの必要条件ではない。)その捕捉プローブが、後の標的配列の増幅のための標的核酸を単離するために使用されない場合、その捕捉プローブはさらに、その標的結合領域の内部および付近に結合された検出可能な標識(例えば、置換または非置換のアクリジニウムエステル)を包含し得る。その標識された捕捉プローブは、均質なアッセイまたは半均質なアッセイにおいて使用され得、一本鎖核酸(例えばその捕捉プローブ)の検出を伴わずに、特異的にハイブリッド核酸を検出する。このシステムで使用され得る好ましい均質なアッセイは、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)であり、これは「Hybridization Conditions and Probe Design」と題される節において、上で議論される。そのHPA形式に引き続き、標識核酸にハイブリダイズしなかった捕捉プローブに付随された標識は、中程度の塩基の付加に伴い加水分解され、一方捕捉プローブ:標的ハイブリッドに付随した標識は加水分解から保護される。
この後者のアッセイシステムの利点は、標的の検出のために1回の標的特異的ハイブリダイゼーション事象(捕捉プローブ:標的)のみが、本明細書中に記載される他のサンプル処理手順で必要とされる複数のこのような事象(例えば、捕捉プローブ:標的およびプローブ:標的またはプローブ:アンプリコン)よりも、必要であることである。また、アッセイにおけるより少数のオリゴヌクレオチドは、アッセイをより速く、より単純にし、最適化する傾向がある。なぜなら、標的核酸が捕捉および検出されるそのアッセイの全体の速度は、最も遅くハイブリダイズするオリゴヌクレオチドによって制限されるからである。捕捉プローブの上記の標的結合領域は、代替のアッセイシステムにおいてより低い特異性であり得るが、補足プローブはなお、その捕捉プローブと非標的核酸との有意な飽和を避けるために十分希薄でなくてはならない。従って、このように2つの別々の特定の標的配列がこれらの代替的システムにおいて特定される必要条件は、適切な標的の特定を制約し得る。対照的に、上記の捕捉プローブが同時にその検出プローブとして機能する場合、ただ1つのこのような標的配列が必要とされる。
どちらのアプローチが採用されても、そのアッセイは、その試験サンプル中に上記標的核酸の存在を検出するための手段を含む必要がある。検出可能な標識の存在を必要としない手段を含む、標的核酸を検出するための種々の手段が、核酸検出の当業者に周知である。それにもかかわらず、検出可能な標識を含むプローブが好ましい。標的核酸の存在の検出のために標識されたプローブは、実質的に相補的であり、そしてその標的核酸に含まれる標的配列に特異的にハイブリダイズする塩基配列を含む必要がある。一旦そのプローブが標的核酸に安定に結合し、その結果生じる標的:プローブハイブリッドが直接的または間接的に固定されれば、結合していないプローブは洗い流されるか、または不活性化され、そしてその残存する結合したプローブは検出および/または測定され得る。
好ましいサンプル処理システムは、検出および核酸増幅のエレメントを合わせる。これらのシステムは、捕捉プローブを用いて第一に直接的にまたは間接的に標的核酸を固定し、その捕捉された標的核酸は、そのサンプル含有容器から特に細胞細片、非標的核酸および増幅インヒビターを取り除くことによって精製され、続けてその標的核酸に含まれる標的配列を増幅する。次いで増幅された産物は、好ましくは標識されたプローブを用いて溶液内で検出される。(その標的核酸は、増幅の間、上記の固定状態のままであっても、増幅に先立って固体支持体から適切な条件を使用して、例えば、最初に捕捉プローブ:標的複合体のTより高いの温度および/または捕捉プローブ:固定プローブ複合体のTより高いの温度でインキュベートすることにより、溶出されてもよい。)このシステムの好ましい実施形態は、Weisburgら、「Two−Step Hybridization and Capture of a Polynucleotide」、米国特許第6,110,678号に開示される。このシステムにおいて、上記の捕捉プローブは、その標的核酸にハイブリダイズし、そして固定プローブは捕捉プローブ:標的複合体に、異なるハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション条件の第一のセット下で、その捕捉プローブの標的核酸へのハイブリダイゼーションは、その捕捉プローブの固定プローブへのハイブリダイゼーションより好ましい。従って、この条件の第一のセット下で、その捕捉プローブは固体支持体に結合されるよりもむしろ溶液内に存在し、これによりその遊離の捕捉プローブの濃度を最大にし、そして上記の標的核酸へのハイブリダイゼーションに好ましい液相反応速度論を使用する。その捕捉プローブがその標的核酸にハイブリダイズするのに十分な時間を有した後、第二のセットのハイブリダイゼーション条件が捕捉プローブ:標的複合体において、その固定プローブにハイブリダイズすることを可能にし、これによりサンプル溶液中のその標的核酸を単離する。その固定された標的核酸は次いで精製され得、そしてその標的核酸に存在する標的配列は増幅され得、検出され得る。1回もしくはそれより多い洗浄工程を含む精製手順は通常、粗製サンプル(例えば、臨床サンプル)で作業する場合、そのサンプルに存在する物質に起因する酵素阻害および/または核酸分解を防ぐために、所望される。
好ましい増幅方法は、Kacianら、「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」、米国特許第5,480,789号により開示される、転写媒介誘導性の増幅法である。この方法に従って、上記標的の一部に相補的な3’領域、および5’プロモーター領域を有するプロモーター−プライマー、ならびにその標的の部分と同じ核酸配列を有するプライマーは、標的RNA分子と接触される。このプライマーおよびプロモーター−プライマーは、その標的分子に存在するセンスおよびその相補体を含有する、増幅されるその標的領域の境界を規定し、従ってそのアンプリコンの長さおよび配列を規定する。この好ましい実施形態において、その増幅オリゴヌクレオチドおよび固定された標的RNAは、42℃で、効果的な量のMoloneyマウス白血病ウイルス由来の逆転写酵素、およびT7 RNAポリメラ−ゼ、リボヌクレオチド三リン酸塩およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸塩の両方、ならびに必要な塩および必要な補因子の存在下で接触される。これらの条件下で核酸増幅が起こり、その結果その標的核酸のセンスと逆のセンスのRNAアンプリコンが主に生じる。次いでこれらのアンプリコンは溶液中で、Arnoldら、米国特許第5,283,174号により開示されるように、例えば、その標的核酸と同じセンスのアクリジニウムエステル標識ハイブリダイゼーションアッセイプローブを使用し、HPAを利用することにより、検出され得る。
上記固定プローブおよび上記捕捉プローブの3’末端は、好ましくは、核酸ポリメラーゼの活性のためのテンプレートとしてのそれらの使用を抑制または阻害するために、「キャップされる」かまたはブロックされる。キャッピングは、その3’末端に、3’デオキシリボヌクレオチド(例えば、コルジセピン(cordycepin))、3’,2’−ジデオキシヌクレオチド残基、非ヌクレオチドリンカー(例えば、Arnoldら、米国特許第6,031,091号により開示されたもの)、アルカン−ジオール改変、または非相補ヌクレオチド残基を付加する工程を含み得る。
当業者は、上に記載される方法論が、記載されるようにまたは明らかな改変を伴い、多様な他の増幅スキームへ修正可能であることを認識する。このスキームとしては、例えば、ポリメラ−ゼ連鎖反応(PCR)、Qβレプリカ−ゼ媒介性増幅、自立型配列複製(self−sustained sequence replication)(3SR)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ループ媒介性等温増幅(LAMP)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)が挙げられる。
(E.Trichomonas vaginalisリボソーム核酸を単離するための捕捉プローブ)
本発明の捕捉プローブは、非標的核酸の存在下でT.vaginalisの18Sリボソーム核酸由来の核酸に結合および単離するように設計される。従って、この捕捉プローブは、好ましくは標的結合領域および固定されたプローブ結合領域の両方を含む。この捕捉プローブの標的結合領域は、アッセイ条件下でT.vaginalis由来の18Sリボソーム核酸に由来する標的配列にハイブリダイズする塩基配列を含む。必須ではないが、この標的結合領域は、好ましくはアッセイ条件下で非標的核酸配列の存在において、その標的配列に対する特異性を示す。固定されたプローブ結合領域は、ポリヌクレオチドを含む固定されたプローブ、あるいは直接的にか、または間接的に、試験サンプル中に存在する固体支持体と結合する、ポリヌクレオチド配列を含むキメラにハイブリダイズする塩基配列を有する。その標的結合領域および固定されたプローブ結合領域は、互いに、直接的にか、または例えばヌクレオチド塩基配列、無塩基配列もしくは非ヌクレオチドリンカーによって結合され得る。
好ましい実施形態において、本発明による捕捉プローブは、配列番号29、配列番号30、配列番号31または配列番号32の塩基配列を、含み、重複し、本質的にそれからなり、それからなり、実質的に対応し、あるいはそれに含まれる、塩基配列領域を有する標的結合領域を含む。これらの好ましい捕捉プローブの固定されたプローブ結合領域は、アッセイ条件下で、試験サンプルに提供された固体支持体に直接的にか、または間接的に結合する固定されたプローブにハイブリダイズする塩基配列を含む。好ましくは、この固定されたプローブ結合領域は、その固定されたプローブの5’末端に位置するホモポリマー領域(例えば、ポリdT)に相補的な、その捕捉プローブの3’末端に位置するホモポリマー領域(例えば、ポリdA)を含む。この固定されたプローブ結合領域は、好ましくは、配列番号98の塩基配列、tttaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaからなる。他の塩基配列は、例えば、短い反復配列を含む固定されたプローブ結合領域に組み込まれ得る。
望ましくない交差ハイブリダイゼーション反応を防ぐために、本発明の捕捉プローブは、好ましくは、アッセイ条件下で試験サンプル中に存在し得る任意の生物由来の核酸に安定に結合し得る、標的結合領域のヌクレオチド塩基配列以外の、ヌクレオチド塩基配列を含まない。本アプローチと一致して、そして形成された捕捉プローブ:標的複合体の固定化を最大にするために、固定されたプローブ結合領域のヌクレオチド塩基配列は、好ましくは、アッセイ条件下で固定されたプローブ中に存在するヌクレオチド塩基配列に安定に結合し得るように、そして試験サンプル中に存在し得る生物由来の核酸のいずれにも結合しないように設計される。
この捕捉プローブの、標的結合領域および固定されたプローブ結合領域は、この捕捉プローブ:標的複合体が、捕捉プローブ:固定されたプローブ複合体のTより高いTを有するように選択され得る。このようにして、固定されたプローブを越えて、捕捉プローブの標的配列へのハイブリダイゼーションを支持する第一セットの条件が課され得、それによって、捕捉プローブの標的配列へのハイブリダイゼーションのための最適な液相ハイブリダイゼーション速度論を提供する。いったん捕捉プローブの標的配列への結合に十分な時間が経過すると、捕捉プローブの固定されたプローブへのハイブリダイゼーションを可能にする、よりストリンジェントではない第二セットの条件が課され得る。
本発明の捕捉プローブは、試験サンプル中での標的配列の直接検出のための標識または一対の相互作用標識もまた含み得る。標識、標識とプローブを標識するための手段との組み合わせの非限定的な例は、前出の「オリゴヌクレオチドの調製」と表題を付けられた節の中および以下の「Trichomonas vaginalisリボソーム核酸に対する検出プローブ」と表題を付けられた節の中に示されている。標的核酸にハイブリダイズしている捕捉プローブの存在を検出するための特に有益な方法は、「ハイブリダイゼーション条件およびプローブ設計」と表題を付けられた節の中に上述されるハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)である。HPAは、標的核酸にハイブリダイズしているプローブとハイブリダイズしないままのプローブとを識別する同種アッセイである。HPA反応容器から検出されたシグナルは、試験サンプル中の標的生物の存在または量の指標を提供する。
直接検出アッセイにおける補足プローブの応用にも拘らず、捕捉プローブの最も一般的な使用は、標的核酸中に含まれる標的配列を増幅する前の、標的核酸の単離および精製においてである。増幅の前に標的核酸を単離および精製することにより、意図しない増幅反応(すなわち、非標的核酸の増幅)の数が大幅に制限され得る。そして、増幅試薬の存在下および増幅条件下において、捕捉プローブ自身が、核酸ポリメラーゼ活性のためのテンプレートとして機能することを妨げるか、または阻害するために、その捕捉プローブの3’末端はキャップされるか、またはブロックされ得る。キャッピング剤の例としては、以下のものが挙げられる:3’デオキシリボヌクレオチド、3’,2’−ジデオキシヌクレオチド残基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン−ジオール修飾物、および3’末端の非相補的ヌクレオチド残基。
(F. Trichomonas vaginalisリボゾーム核酸に対する検出プローブ)
本発明のこの実施形態は、新規検出プローブに関する。ハイブリダイゼーションは、相補的核酸の2本の単鎖の結合によって水素結合二重鎖を形成することである。検出することが求められている核酸配列(「標的配列」)にハイブリダイズすることが可能な核酸配列は、標的配列のためのプローブとしての役割を果たす。ハイブリダイゼーションは、DNA/DNA、DNA/RNA、およびRNA/RNAを含む相補的核酸鎖間、さらには1本鎖となった核酸間で生じる可能性があり、結果として生ずるハイブリッドの一方または両方の鎖が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオ塩基、および/または塩基間結合が含まれる。いずれの場合も、十分な相補性の2本の単鎖がハイブリダイズして二重鎖構造を形成し、この構造では2本鎖が相補的塩基対間での水素結合によって一緒に保持される。上記したように、一般に、AはTまたはUに水素結合し、一方GはCに水素結合する。したがって、ハイブリダイズした鎖に沿った任意の点で、古典的な塩基対ATまたはAU、TAまたはUA、GC、またはCGを見つけることが可能である。したがって、核酸の第1の単鎖は、第2の単鎖に対して相補的な隣接塩基を含む場合、これら2本の鎖が、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で一緒になり、二重鎖が生ずる。したがって、適当な条件下で、二重鎖核酸ハイブリッドが形成可能である。
ハイブリダイゼーションの率および範囲は、多数の因子によって影響される。例えば、もし2本の鎖の一方が全体的または部分的にハイブリッドに関与する場合、新たなハイブリッドの形成に関与する可能性が低くなることが暗に示される。目的とする配列の実質的な部分が単一鎖となるようにプローブを設計することで、ハイブリダイゼーションの率および範囲をかなり増加させることが可能である。また、標的が統合されたゲノム配列であるならば、PCR産物の場合と同様に、それが二重鎖形態で自然に生ずる。これらの二本鎖標的は、単鎖プローブによるハイブリダイゼーションに対する天然の阻害であり、ハイブリダイゼーション工程に先立って変性(少なくとも、プローブによって標的になる領域で)を必要とする。また、もし十分な自己相補性が存在する場合、プローブ内で分子内および分子間ハイブリッドが存在しうる。ハイブリダイゼーションに対して抑制的な強力な内部構造を形成することが知られている、または期待されている核酸の領域は、あまり好ましくはない。そのような構造の例として、ヘアピンループが挙げられる。同様に、広範囲な自己相補性を持つプローブは、一般に回避しなければならない。これらの望ましくない構造全てが、慎重なプローブ設計を介して避けられ、また市販のコンピュータプログラム(例えば、Oligo Tech分析ソフトウエア)を利用して、これらの種類の相互作用を検索することができる。
いくつかの用途で、少なくともある程度の自己相補性を表すプローブは、検出に先立ってハイブリダイズしていないプローブの除去を最初に必要とすることなく、サンプル試験中でのプローブ:標識二本鎖の検出を促進することが望ましい。分子トーチプローブは、Becker et al.,「Molecular Torches,」米国特許第6,361,945号に開示された自己相補性プローブの一種である。Becker et al.に開示された分子トーチプローブは、結合領域によって連結され、かつ所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする「標的結合ドメイン」および「標的クロージングドメイン」と呼ばれる自己相補性の異なる領域を持つ。変性条件にさらした場合、分子トーチ領域の相補的領域(完全または部分的相補的と推測される)が溶解し、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件が修復された場合にハイブリダイゼーションに利用可能な標的結合ドメインを離す。さらに、鎖条件にさらされた場合、標的配列の一部が標的結合部位に結合し、標的クロージングドメインが標的結合ドメインから移る。分子トーチプローブの設計を、標的結合ドメインが標的クロージングドメインを超えて標的配列に対するハイブリダイゼーションに有利に作用するように、おこなう。分子トーチプローブの標的結合ドメインおよび標的クロージングドメインは、相互作用標識(例えば、ルミネッセント/クエンチャー)を含むことから、分子トーチのプローブが標的核酸とハイブリダイズする場合とは対照的に、分子トーチが自己ハイブリダイズした場合、異なるシグナルが生じ、その結果、分子トーチのプローブが標的核酸とハイブリダイズする場合とは対照的に、有望な(viable)標識またはそれに関連した標識を持つ非ハイブリダイゼーションプローブの存在下で試験サンプル中にプローブ:標識二本鎖の検出を可能とする。
自己相補性を持つ検出プローブの別の例は、分子ビーコンプローブであり、米国特許第5,925,517号(Tyagi et al.)に開示されている。分子ビーコンプローブは、標的相補配列を持つ核酸分子(標的核酸配列が存在しない状態の閉じた立体構造内にプローブを保持している親和性対(または核酸アーム))と、プローブが閉じた立体構造にある場合に相互作用する標識対とを含む。標的核酸と標的相補配列とのハイブリダイゼーションが、親和性対の構成要素を分離し、それによってプローブを開いた立体構造にシフトさせる。開いた立体構造へのシフトは、例えば蛍光プローブ(フルオロフォア)およびクエンチャー、例えばDABCYLおよびEDANSであってもよい標識対の相互作用減少によって検出可能である。
プローブがその標的にハイブリッドを形成する率は、プローブ領域の標的二次構造の熱安定性の1つの基準である。ハイブリダイゼーション率の標準的測定は、C1/2(1リットルx分あたりのヌクレオチドのモル数として測定される)である。したがって、それがプローブの濃度かけるその濃度で起こる最大ハイブリダイゼーションの50%である。この値は、種々の濃度のプローブを一定濃度の標的に対して所定の時間、ハイブリダイズすることで決定される。C1/2は、標準的手順によってグラフにより見いだされる。プローブ:標的ハイブリッド融解温度は、当業者に周知の同位体的方法によって測定可能である。所定のハイブリッドの融解温度(T)は、使用しているハイブリダイゼーション溶液にかなり依存する。
好ましい検出プローブは、標的核酸配列、またはその相補体に対して十分に相補的であり、塩濃度が約0.6〜0.9Mの範囲内にある場合、約60℃の温度に対応するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、それとハイブリダイズする。好ましい塩類として塩化リチウムが挙げられるが、他の塩類、例えば塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムもハイブリダイゼーション溶液に用いることができる。高ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、およびEDTAおよびEGTAの各々1mMで約60℃、あるいは0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム(LLS)、60mMコハク酸リチウム、およびEDTAおよびEGTAの各々10mMで約60℃によって与えられる。
したがって、第1の態様では、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalis由来核酸に対して選択的にハイブリダイズするための検出プローブの能力の効果によって、T.vaginalis由来核酸と非T.vaginalis核酸(例えば、Trichomonas tenax)とを、区別することが可能な検出プローブを特徴づける。具体的には、検出プローブは、T.vaginalis由来核酸に存在する標的配列に対して実質的に相補的である塩基配列を持つオリゴヌクレオチドを含む。
ハイブリダイゼーションアッセイの場合、標的核酸配列の長さ、したがってプローブ配列の長さが、重要である。いくつかの例では、特定の領域に由来するいくつかの配列で位置および長さが変動し、所望のハイブリダイゼーション特性を持つプローブが生じる。他の例では、ある配列が単に1個の塩基のみによって異なる別の配列よりも良好なハイブリダイゼーション特性を持つ場合がある。ハイブリダイズする完全な相補性を持たない核酸では、最も長く延びた完全に相同な塩基配列は、通常、主にハイブリダイゼーションの安定性を決定する。異なる長さのプローブと塩基組成物とが用いられる場合、本発明に好ましいプローブは、最大で100塩基長、より好ましくは12ないし15塩基長、より好ましくは18ないし35塩基長である。
上記検出プローブは、T.vaginalisの18SリボゾームRNA(rRNA)またはコード化DNA(rDNA)に存在する標的配列に対して実質的に相補的である塩基配列を含む。したがって、検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalisに由来する標的配列に対して安定的に葉ハイブリダイズすることができる。検出プローブはまた、T.vaginalisに対して相補的または相補的ではないと推測されるが、試験サンプルに存在するかもしれない非標的微生物由来の核酸に対しては非相補的である標的核酸領域の外側に追加の塩基を持つことも可能である。
本発明のプローブ(および増幅オリゴヌクレオチド)もまた、捕捉テイルを含むようにして設計してもよく、この捕捉テイルは、所定のハイブリダイゼーション条件下で、固体支持体に結合した固定化オリゴヌクレオチドに存在する実質的に相補的な塩基配列に対してハイブリダイズすることができる塩基配列(標的配列とハイブリダイズすることを目的とした塩基塩類とは異なる)から構成される。固定化オリゴヌクレオチドを、好ましくは、標的核酸に対してハイブリダイズするプローブについて十分な時間を経過させた後、精製工程のあいだ、反応容器で単離しうる磁気的に電荷を帯びた粒子に結合させる。(そのような精製工程で用いられる装置の例として、DTS(商標)1600Target Capture System(Gen−Probe;Cat.No.5202)が挙げられる。このプローブは、好ましくは、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度がプローブ:固定化オリゴヌクレオチドハイブリッドの融解温度よりも高くなるようにして、好ましくは設計される。このようにして、異なるハイブリダイゼーションセットのアッセイ条件を用いて、固定化オリゴヌクレオチドに対するプローブのハイブリダイゼーションに先立って標的核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションを促すことができ、それによって遊離プローブの濃度を最大限にし、望ましい液相ハイブリダイゼーション反応速度(液相ハイブリダイゼーション反応速度)が得られる。この「二段階」標的捕捉方法は、米国特許第6,110,678号(Weisburg et al.、「Two Step Hybridization and Capture of a Polynucleotide」)に開示されており、この特許の開示内容を本明細書の一部として援用する。本発明に容易に適用可能である他の標的捕捉スキームは、当技術分野で周知であり、例えば米国特許第4,486,539号(Ranki et al.、「Detection of Microbial Nucleic Acids by a One−Step Sandwich Hybridization Test」)および米国特許第4,751,177号(Stabinsky、「Methods and Kits for Performing Nucleic Acid Hybridization Assays」)に開示されている。
T.vaginalis検出プローブに関して、用語「標的核酸配列」、「標的ヌクレオチド配列」、「標的配列」、および「標的領域」はすべて、近縁種の核酸に等しくは存在していないT.vaginalisrRNAまたはrDNAに存在する核酸配列、またはそれに相補的な配列のことをいう。標的配列に対して相補的なヌクレオチド配列を持つ核酸は、本明細書の他の場所で述べる標的増幅技術によって生成可能である。
T.vaginalisに近縁の微生物として、鳥類トリコモナス(Trichomonas gallinae)、Trichomonas tenax、モノトリコモナス(Monotrichomonas)種(ATCC50693)、二鞭毛トリコモナス(Ditrichomonas honigbergi)、および三鞭毛トリコモナス(Tritrichomonas foetus)が挙げられ、Trichomonas tenaxが最も近縁である。また、これらの微生物に加えて、T.vaginalis含有試験サンプルに存在するかもしれない微生物として、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、トラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)、およびネイセリア(Neiserria gonorrhoeae)が挙げられる。これらの微生物のリストは、本発明のT.vaginalis検出プローブが区別するのに用いることができる微生物の完全に代表することを目的としていない。一般に、本発明のT.vaginalisは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、プローブと安定的なハイブリダイゼーションをおこなわない非Trichomonas vaginalis核酸からT.vaginalis由来核酸を区別するのに用いられる。
一実施形態では、本発明のT.vaginalis検出プローブは、好ましくは最大で100塩基長であり、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4からなる群から選択される標的配列内に含まれる配列による検出に対して安定なハイブリッドを形成する標的結合領域を有する。より好ましくは、標的結合領域の塩基配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。特に好ましいモードでは、これらの検出プローブは、配列番号1または配列番号2のヌクレオチド17とヌクレオチド8(5’から3’への読み取り)とのあいだ、また配列番号3または配列4のヌクレオチド15とヌクレオチド16(5’から3’への読み取り)に位置した非ヌクレオチドリンカーを用いて、プローブに結合したアクリジニウムエステルを含む。アクアリジニウムエステル標識を、米国特許第5,185,439号および第6,031,091号(Arnold et al.)にもとづいてプローブに結合させてもよい。
本発明の別の実施形態では、T.vaginalis検出プローブは、好ましくは100塩基長であり、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号 13、配列番号14、配列番号15または配列番号16からなる群から選択される標的配列内に含まれる配列による検出に対して安定なハイブリッドを形成する標的結合領域を含む。より好ましくは、標的結合領域の塩基配列は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号0、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。T.vaginalis検出プローブの一群は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、または配列番号8の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれ、さらに、配列番号5または配列番号6のヌクレオチド12とヌクレオチド13(5’から3’への読み取り)とのあいだ、また配列番号7または配列8のヌクレオチド18とヌクレオチド19(5’から3’への読み取り)に位置した非ヌクレオチドリンカーを用いて、プローブに結合したアクリジニウムエステル標識を含むものであってもよい。好ましいT.vaginalisの別の群は、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれ、さらに、配列番号9または配列番号10のヌクレオチド17および18(5’から3’への読み取り)とのあいだ、また配列番号11または配列12のヌクレオチド9とヌクレオチド10(5’から3’への読み取り)に位置した非ヌクレオチドリンカーを用いて、プローブに結合したアクリジニウムエステル標識を含むものであってもよい。好ましいT.vaginalisプローブのさらなる群は、配列番号13、配列番号14、配列番号15または配列番号16の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれ、さらに、例えば、配列番号13または配列番号14のヌクレオチド8および9(5’から3’への読み取り)とのあいだ、また、例えば、配列番号15または配列16のヌクレオチド19とヌクレオチド20(5’から3’への読み取り)に位置した非ヌクレオチドリンカーを用いて、プローブに結合したアクリジニウムエステル標識を含むものであってもよい。アクアリジニウムエステル標識を、米国特許第5,185,439号および第6,031,091号(Arnold et al.)にもとづいてプローブに結合させてもよい。
したがって、本発明の一態様は、試験サンプル中にT.vaginalisが存在するかどうかを決定するのに有用である検出プローブを提供する。プローブは、最大で100塩基長であり、塩基配列を持つ標的結合領域から構成され、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号1、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、および配列番号16からなる群から選択される塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。試験サンプル中に存在する非T.vaginalis微生物に由来する核酸よりもT.vaginalisに対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件で、プローブによってT.vaginalisに由来する標的核酸にハイブリダイズさせる。特に、上記プローブは、使用したストリンジェントなハイブリダイゼーション条件で、Trichomonas tenaxによる検出に対して安定なハイブリッドを形成しない。
ひとたび合成すると、周知の方法を用いて、プローブを検出可能な標識またはレポーター基によって標識することが可能である(例えば、SAMBROOK ET AL.、上掲、ch.10.を参照のこと)。プローブは、標識配列の検出を促進するために検出可能な部分(例えば、放射性同位元素、光源、または化学発光部分)によって標識されたものであってもよい。有用な標識として、非放射性レポーター基と同様に放射性同位元素が挙げられる。同位体標識として、H、35S、32P、125I、57Co、および14Cが挙げられる。同位体標識を、例えばニックトランスレーション、末端標識、第2の鎖合成、逆転写、および化学的方法といった当業者に周知の技術によって、オリゴヌクレオチドに導入することができる。放射性同位元素標識を使用した場合、ハイブリダイゼーションは、オートラジオグラフィ、シンチレーション計数、またはガンマ計数によって検出することができる。選択された検査方法は、標識のために用いられる。
非同位体物質を、標識に用いることも可能であり、ヌクレオチド間の内部に導入したり、あるいはオリゴヌクレオチドの末端に導入したりすることも可能である。修飾ヌクレオチドを酵素的または化学的に導入することも可能である。当技術分野で知られている技術を使用しているオリゴヌクレオチド合成の間か後に、オリゴヌクレオチドの化学修飾を実行してもよい。例えば、非ヌクレオチドリンカーの使用に関しては、米国特許第6,031,091号(Arnold et al.)に開示されている。非同位体標識として、蛍光分子、化学発光分子、蛍光化学発光分子、発色団、酵素、酵素補因子、酵素基質、染料、およびハプテンまたは他の配位子が挙げられる。他の有用な標識技術は、ストリンジェントな条件下で標的核酸に安定してハイブリダイズすることができない塩基配列である。本発明のプローブは、アクリジニウムエステルにより、好ましくはラベルされる(アクリジニウムエステル標識は、米国特許第5,185,439号(Arnold et al.)に開示)。
次に、選択された検出プローブを、T.vaginalisを含むと考えられる試験サンプルと接触させる。一般に、試験サンプルは、未知の微生物も含む供給源から得られる。概して、試験サンプルの供給源は、患者サンプル(例えば尿生殖器サンプル)である。プローブを試験サンプルに由来する核酸と接触させた後に、選択された検出プローブを、T.vaginalisが含まれると疑われる試験サンプルと接触させる接触させることができる。一般に、試験サンプルを未知の微生物も含む供給源から得る。一般に、試験サンプルの供給源は、プローブとサンプル由来核酸とを、T.vaginalis由来の標的核酸に対してプローブが優先的ハイブリダイゼーション可能な条件の下でインキュベートすることができ、試験サンプルに含まれる他の微生物から誘導された核酸の存在下で試験サンプル中に含まれると考えられる。
検出プローブもまた、1種類以上の非標識ヘルパーブローブと組み合わせて、T.vaginalisに由来する標的核酸への結合を促進する。検出プローブが試験サンプルに含まれる標的核酸とハイブリダイズした後、結果として生ずるハイブリッドを、当業者に周知の種々の技術(例えば、ヒドロキシアパタイト吸着および放射活性によって分離および検出することが可能である。他の技術として、非ハイブリダイゼーションプローブと関連する選択的な残留標識量の低下を伴い、米国特許第5,283,174号に記載したように、ハイブリダイゼーションプローブに関連した残留標識の挑戦が開示されている。本発明者は特に、この後者の技術を好む。
(G.Trichomonas vaginalisの検出に用いたヘルパープローブ)
この発明の別の実施形態は、新規ヘルパープローブに関する。上記したように、ヘルパープローブを用いて検出プローブと目的とする標的核酸とのハイブリダイゼーションを促進することができ、検出プローブがより容易にプローブ:標的核酸二本鎖をより容易に形成することができる(ヘルパープローブは、Hogan et al., 「Means and Method for Enhancing Nucleic Acid Hybridization,」米国特許第5,030,557号に開示されている)。各ヘルパープローブは、標的核酸配列に対して十分に相補的であり、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、ヘルパープローブ:標的核酸二本鎖を形成する。所定のヘルパープローブとともに用いられたストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、標的核酸に対する関連検出プローブの選択的ハイブリダイゼーションに用いられる条件によって、決定される。
一重鎖RNAおよびDNAの領域は、たとえストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下であっても二次および三次構造に関係している。そのような構造は、標的核酸に対する検出プローブのハイブリダイゼーションを立体的に抑制または阻害することができる。標的核酸へのヘルパープローブのハイブリダイゼーションは、標的核酸の二次および三次構造を変えて、検出プローブによる標的領域へのアクセスをよりいっそう容易にできるようにする。その結果、ヘルパープローブは、検出プローブの反応速度および/または融解温度をエンハンスする。
本発明のT.vaginalisとともに使用できるヘルパープローブは、T.vaginalis由来核酸を標的とする。同様に、本発明のT.vaginalis検出プローブとともに使用できるヘルパープローブは、T.vaginalis由来核酸内の核酸配列を標的とする。各ヘルパープローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalisに由来する核酸に存在する塩基領域を標的にし、かつ該塩基領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。ヘルパープローブおよびその関連検出プローブは、同一標的核酸に含まれる異なる標的配列を持つ。本発明のヘルパープローブは、好ましくは最大で100塩基長、より好ましくは12ないし50塩基長、およびより好ましくは18ないし35塩基長のオリゴヌクレオチドである。
本発明で有用な好ましいT.vaginalisヘルパープローブは、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27または配列番号28の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる塩基配列を有する。1種類以上のヘルパープローブとともに用いる好ましいT.vaginalis検出プローブは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる標的結合領域を有し、試験サンプル中に存在する非T.vaginalis微生物よりもT.vaginalisに由来する標的核酸に対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、検出プローブが選択的にハイブリダイズする。特に、上記プローブは、使用したストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、Trichomonas tenaxによる検出に対して安定なハイブリッドを形成しない。
(H.核酸組成物)
別の関連した態様では、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、検出プローブと標的核酸とのあいだで形成された核酸ハイブリッド(「プローブ:標的」)を含む。プローブと標的核酸とのあいだで形成されたハイブリッドの一用途は、試験サンプル中の標的微生物または複数の微生物からなる標的群の有無を示すものを提供することである。例えば、核酸ハイブリッドに存在するアクリジニウムエステル(AE)は、アルカリ溶液中での加水分解に対して耐性を示し、一方単鎖核酸に存在するAEは、アルカリ溶液中での加水分解に対して影響を受けやすい(米国特許第5,238,174号参照)。したがって、未結合AE標識プローブの加水分解後、核酸ハイブリッドに結合して残るアクリジニウムエステルの化学蛍光を測定することで、標的核酸の存在を検出することができる。
本発明はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件で、捕捉プローブと標的核酸(捕捉プローブ:標的)とのあいだで形成された核酸ハイブリッドを含む組成物を検討する。捕捉プローブと標的核酸とのあいだに形成されたハイブリッドの一つの用途は、標的核酸に含まれる標的配列の増幅または標的核酸の検出に先立って、例えば異質性に関するアッセイで、試験サンプル中の標的核酸を単離および精製することである。増幅または検出に先だって標的核酸を単離および精製することは、非特異的結合または増幅に対する機会を著しく最小化する。
本発明は、さらに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、ヘルパープローブと標的核酸とのあいだに形成された核酸ハイブリッド(「ヘルパープローブ:標的」)を含む組成物について検討する。ヘルパープローブと標的核酸とのあいだに形成されたハイブリッドの一用途は、ハイブリダイゼーションのための特定の核酸配列を利用可能にすることである。例えば、ヘルパープローブと標的核酸とのあいだで形成されたハイブリッドが、ハイブリダイゼーションアッセイプローブとハイブリダイズするために利用可能な核酸配列が与えられる。ヘルパープローブの使用についての完全な説明は、米国特許第5,030,557号(Hogan et al.)によって与えられる。
本発明はさらに、増幅条件下で、増幅オリゴヌクレオチドと標的核酸(増幅オリゴヌクレオチド:標的)とのあいだに形成された核酸を含むことによっても特徴づけられる。プライマーと標的核酸とのあいだに形成されたハイブリッドの一用途は、増幅オリゴヌクレオチドの3’末端で核酸ポリメラーゼのための開始部位を提供することである。例えば、ハイブリッドは逆転写酵素、DNAポリメラーゼ(例えば、TaqポリメラーゼまたはT4DNAポリメラーゼ)、ならびにRNAポリメラーゼ(例えば、T7ポリメラーゼ、SP6ポリメラーゼ、およびT3ポリメラーゼ)を形成する。
本発明の組成物は、T.vaginalisに由来する標的核酸と1種類以上のオリゴヌクレオチドとを含む試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量を決定するための組成物を含むもので、各オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12,配列番号13,配列番号14,配列番号15、配列番号16,配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、または配列番号88の塩基配列含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。これらの組成物のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つ以上のヌクレオチド塩基配列領域をさらに含むことが可能であり、このヌクレオチド塩基配列領域は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、T.vaginalisに由来する核酸と安定的に結合することはない。別の実施形態では、プローブ:標的組成物は、T.vaginalis由来標的核酸とハイブリダイズした少なくとも1つのヘルパープローブを、さらに含む。
本発明はまた、T.vaginalisに由来する標的核酸と検出プローブとのあいだの核酸ハイブリッドを含む試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量を決定するための組成物を検討するもので、検出プローブの塩基配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。
本発明はまた、標的結合領域を持つ捕捉プローブと標的核酸とのあいだで形成された核酸ハイブリッドを含む試験サンプル中に存在するT.vaginalisに由来する標的核酸を固定化するための組成物について検討するもので、上標的結合領域が、配列番号29、配列番号30、配列番号31、または配列番号32の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。さらなる実施形態では、これらの組成物はさらに、捕捉プローブの固定化結合領域と固定化プローブとのあいだで形成された核酸ハイブリッドを含む。
本発明はまた、T.vaginalisに由来する標的核酸に存在する標的配列を増幅するための組成物についても検討するもので、この組成物は、標的核酸と増幅オリゴヌクレオチドとのあいだに形成された核酸ハイブリッドを含み、この増殖オリゴヌクレオチドの塩基配列は、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、または配列番号88の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。これらの組成物の増幅プライマーは、任意に、RNAポリメラーゼによって認識されるか、またはRNAポリメラーゼによって開始または伸長が促進される5’配列を含む。含有される場合、T7プロモーター、例えば配列番号89のヌクレオチド塩基配列が好ましい。
(I.アッセイ方法)
本発明は、試験サンプル中のT.vaginalisに由来する核酸の存在または量を評価するための種々の方法を検討する。当業者は、使用した正確なアッセイ条件、プローブ、および/または増幅オリゴヌクレオチドが、使用した特定のアッセイフォーマットおよびサンプルの供給源に依存して大きく変動する。
本発明の一態様は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプルに存在する非T.vaginalis微生物由来の核酸を上回ってT.vaginalis由来の標的核酸に対するハイブリッド条件で選択的にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で接触することが可能な検出プローブに、試験サンプルを接触させることで、試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量を決定する方法に関する。そのような方法では、上記標的核酸は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の塩基配列を持つか、あるいは実質的に対応する塩基配列を含む(供給源に依存して、試験サンプルはこの方法のプローブが区別しうる未知の微生物を含む可能性がある)。この方法で使用する好ましいプローブの塩基配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。
好ましい一実施形態では、試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量を決定するための方法もまた、標的核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションを促進するための1種類以上のヘルパープローブに、試験サンプルを接触させる工程を有する。上記ヘルパープローブを、検出プローブの添加前または添加後にサンプルに加えることが可能であり、検出プローブは、好ましくは同時に試験サンプルに与えられる。この方法で用いられる好ましいヘルパープローブの塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれ、検出プローブと組合わせて用いられ、検出プローブの塩基配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。ここで検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプル中に存在する非T.vaginalis微生物に由来する核酸よりも上回って、検出プローブが選択的にT.vaginalis由来核酸にハイブリダイズする。
本発明の別の態様は、増幅条件下で1種類以上の増幅オリゴヌクレオチドに、試験サンプルを接触させることで、試験サンプル中のT.vaginalis由来核酸を増幅させる方法に関し、核酸ポリメラーゼと接触した場合に、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および配列番号88の塩基配列を持つ核酸領域を介して、結合または伸長をおこす。増幅オリゴヌクレオチドは、任意に、配列がRNAポリメラーゼによって認識した核酸配列を含む、またはRNAポリメラーゼによって開始または伸長を強化する核酸を含む。この方法で使用可能な増幅オリゴヌクレオチドの特定の組合せは、見出し「Trichomonas vaginalisリボソーム核酸」のところで、述べられている。
好ましい実施形態では、試験サンプル中のT.vaginalis由来核酸を増幅させる方法は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で試験サンプルを、試験サンプルに存在する非T.vaginalis微生物由来の核酸を上回って、増幅T.vaginalisの標的核酸に対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、選択的にハイブリダイズする能力を持つ検出プローブと接触させる工程をさらに含む。増幅に関して十分な時間を経過させた後、検出プローブに試験サンプルを概ね接触させる一方で、検出プローブが自己ハイブリダイゼーションプローブ、例えば上掲の分子トーチプローブである場合、増幅オリゴヌクレオチドおよび検出プローブを任意のオーダーでサンプルに添加する。試験サンプルを検出プローブと接触させるこの工程は、試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量が決定せるようにして、実行される。この方法で用いるための好ましいプローブの塩基配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号1、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。検出プローブは、試験サンプルでの検出を促す標識をさらに含む。
いくつかの好ましい実施形態では、これらの方法は、T.vaginalis由来核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅オリゴヌクレオチドからなるセットを用いて実行される。これらの方法で用いることができる好ましい増幅オリゴヌクレオチドのセットは、「Trichomonas vaginalisリボゾーム核酸の増幅」と題されて、上記に説明されている。
本発明のさらに別の態様は、試験サンプル中のT.vaginalis由来の標的核酸を固定化する方法に関するもので、捕捉プローブが安定して標的核酸に結合するのを可能にするハイブリダイゼーション条件の第1のセット下で、試験サンプルに対して、標的結合領域と固定化プローブ結合領域とを持つ捕捉プローブを提供し、それによって捕捉プローブ:標的複合体を形成し、ハイブリダイゼーションの第2のセットは、捕捉プローブが安定的に試験サンプル中の固定化プローブに安定的に結合することを可能とし、プローブ:捕捉プローブ:標的複合体を形成する。ハイブリダイゼーション条件の第1および第2のセットは、同一であっても異なったものであってもよく、捕捉プローブ:標的複合体は、ハイブリダイゼーション条件の第2のセット下で安定したままである。この捕捉プローブは、配列番号29、配列番号30、配列番号31、または配列番号32の塩基配列を含む、該塩基配列とオーバーラップする、該塩基配列から主になる、該塩基配列からなる、該塩基配列に実質的に一致する、あるいは該塩基配列に含まれる。精製工程は、好ましくは、試験サンプルの1種類以上の構成要素を除去する固定化工程に続くもので、増幅または固定された標的核酸に含まれる標的配列の特異的な検出を干渉または予防することができる。この方法は、T.vaginalis由来核酸を固定化および任意に精製する方法は、標的核酸に由来するT.vaginalisを増幅および/または検出するために上記した方法のいずれに対しても先行する。もし精製工程が含まれる場合、標的配列の増幅および検出に先立ってサンプル条件を変えることで、標的核酸は間接的に固定化プローブから溶出され、または固定化プローブ:捕捉プローブ:標的複合体の捕捉プローブから直接溶出される。
(J.診断システム)
本発明は、キットの形態になった診断システムも検討する。本発明の診断システムとして、少なくとも1回のアッセイに十分な量で、本発明の検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブ、および/または増幅オリゴヌクレオチドのいずれかを、梱包材に入れて含むキットを挙げることができる。一般的にキットは、有形のかたちに記録された使用説明書(例えば、紙または電子媒体(例えば、ディスク、CD−ROM、DVD、またはビデオテープ)に含まれる)も含むもので、試験サンプル中のT.vaginalisの存在または量を決定する増幅および/または検出アッセイでパッケージ化プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドを用いる。
診断システム用の種々の構成要素を種々の形態で提供することが可能である。例えば、所望の酵素、ヌクレオチド、三リン酸塩、プローブおよび/またはプライマーを凍結乾燥剤として提供することも可能である。これらの凍結乾燥剤を、凍結乾燥前に前もって混合し、元の状態に戻した際に、アッセイでの使用に準備が整った構成要素の各々が適当な比率で完全な混合物を形成するようにする。加えて、本発明の診断システムは、キットの凍結乾燥剤を凍結状態から戻すために、還元剤を含むことも可能である。酵素、ヌクレオチド三燐酸、および酵素のための所望の補因子を単一の凍結乾燥剤とした場合、凍結状態から戻した場合、本発明の増幅法で使用するために適当な剤を形成する。典型的な包装材料はガラス、プラスチック、紙、箔、微小粒子等の固形マトリックスを含む。また、本発明の固定検出プローブ、ヘルパープローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドの中で保つことができる。したがって、例えば、包装材料はガラスバイアルを含み、ミリグラム未満(例えば、ピコグラムまたはナオグラム)の量の検討プローブを含む。あるいは、すなわち、包装材料が本発明のプローブまたはプライマーが操作可能に固定、すなわち本発明の増幅方法および/または検出方法に関与しうるミクロタイタープレートウェルとすることができる。これらのキットでは、凍結乾燥されたプライマー剤を提供するものであってもよい。
インストラクションは、一般に、剤および/または剤の濃度を示すもので、またサンプルの量に対して使用する剤の相対的な量等、少なくとも1つのアッセイ方法パラメーターを含むものであってもよい。加えて、維持、時間、温度、および緩衝液条件のような詳細を含むものであってもよい。
本発明の診断システムはキットを意図したものであり、サンプル中のT.vaginalisの存在または量の決定および/または増幅での使用について、個々に、または上記した好ましい組み合わせの一つとして、投与するかどうかに関係なく、本明細書に記載されているように任意の検出プローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドを有する。
(実施例)
これらの例は、実際に正確に実験の詳細を反映するものであると考えられる。若干の軽い矛盾が、実際に実行される作業の間に存在し、また以下に示す実験的な詳細は、これらの実験の結論に影響を及ぼさないと推測される。当業者は、当業者は、これらの実施例が本明細書中に記載される具体的な実施形態に本発明を限定することを意図したものではないことがわかる。
(1.微生物溶解)
「剤」のセクションに記述した輸送媒体中で、以下の実験で使用する細胞全体を化学的に溶解した。この輸送媒体は、界面活性剤含有緩衝溶液で、細胞の溶解に加えて、試験サンプルに含まれるRNAアーゼの活性を阻害することで、放出されたRNAを保護する。
(2.オリゴヌクレオチド合成)
以下の実験で特徴づけられるオリゴヌクレオチドとして、検出プローブ、ヘルパープローブ、プライマー、および捕捉プローブが挙げられる。これらのオリゴヌクレオチドの合成は、標準的なホスホラミダイト化学を用いておこなった。種々の方法が当技術分野において周知である。例えば、Caruthers et al.、Methods in Enzymol.、154:287(1987)を参照のこと。合成は、Expedite(商標) 8909 核酸合成装置(Applied Biosystems;Foster City、Calif.)を用いておこなった。米国特許第5,585,481号および第5,639,604号(Arnold et al.)によって開示されたように、検出プローブも合成して、非ヌクレオチドリンカーを含め、さらに米国特許第5,185,439号(Arnold et al.)の開示に従って、化学発光アクリジニウムエステルで標識した。
(3.転写媒介増幅)
以下の実施例での標的配列の増幅は、例えば、米国特許第5,399,491号および第5,480,784号(Kacian et al.)およびLEE ET AL.、上掲、ch.8.の開示にもとづいて転写媒介増幅法(Transcription−Mediated Amplification(TMA))の手順に従っておこなった。TMAは、逆転写酵素とRNAポリメラーゼとを用いて標的配列のコピー数を10億倍以上に増やすことが可能な等温増幅装置である(以下の酵素剤を参照)。TMA反応は、単一鎖標的配列を二重鎖DNA中間体に変換することをともなうもので、この変換は、一対の増幅オリゴヌクレオチドの存在下(そのうちの1つが5’RNAポリメラーゼ特異的プロモーター配列を持つ)で逆転写酵素よってなされた。この実施形態では、DNA中間体は、RNAポリメラーゼによって認識され、標的配列の転写を数百コピーのRNAに導く二重鎖プロモーターを含む。これらの転写されたRNA分子の各々が順々に、付加的なRNA生産に使われる二重鎖DNA中間体に変換される。したがって、TMA反応は指数関数的に進行する。以下の実施例で用いられるTMA反応の詳細は、後述する。
(4.剤)
種々の剤が以下の実施例で同定される。これらの剤には、細胞溶解緩衝液、標的捕捉剤、増幅剤、プライマー剤、酵素剤、ハイブリダイゼーション剤、選択剤、および検出剤が挙げられる。実施例1を除いては、これらの剤の処方およびpH値(関連するところで)は以下の通りであった。
細胞溶解剤:
以下の実施例の細胞溶解剤は、15mM塩基性リン酸ナトリウム一水和物、15mMに塩基性リン酸ナトリウム無水物、1.0mMEDTA二ナトリウム二水和物、1.0mMEGTA遊離酸、および110mMラウリル乳酸、pH6.7を含んだ。
標的捕捉剤:
以下の実施例の「標的捕捉剤」は、250mM HEPES遊離酸二水和物、310mM水酸化リチウム一水和物、1.88M塩化リチウム(pH6.4)、100mM EDTA遊離酸、および250μm/1微小磁気粒子Sera−Mag(商標)MG−CMカルボン酸修飾(Seradyn、Inc.;Indianapolis、Ind.;Cat.No.24152105−050450)(オリゴ’(dT)14共有結合を有する)を含む。
洗浄溶液:
以下の実験での「線上溶液」は、10mM HEPES遊離酸、6.5mM水酸化ナトリウム、1mM EDTA遊離酸、0.3%(v/v)無水エチルアルコール、0.02%メチルパラベン、0.01%(w/v)プロピルパラベン、150mM塩化ナトリウム、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、および4M水酸化ナトリウムを含み、pH7.5に調整。
増幅剤:
「増幅剤」は、26.8mM rATP、5.0mMrCTP、33.3mMrGTP、および5.0mMrUTP、125mMHEPES遊離酸、8%(w/w)トレハロース二水和物、1.33mMdATP、1.33mMdCTP、1.33mMdGTP、および1.33mMdTTP、および4M水酸化ナトリウムを含み、pH7.5に調整した3.6mlの溶液の凍結乾燥形態。増幅剤を以下の増幅剤再構成溶液9.7mlに戻した。
増幅剤再構成溶液:
「増幅剤再構成溶液」は、0.4(v/v)無水エチルアルコール、0.10%(w/v)メチルパラベン、0.22%(w/v)プロピルパラベン、33mMKCl、30.6mMNgCl2、0.003%フェノールレッドを含んだ。
プライマー剤:
以下の実施例の「プライマー剤」は、1mMEDTA二ナトリウム二水和物、ACS、10mMTrizma(商標)塩基、および6M塩酸を含み、pH7.5に調整した。
酵素剤:
以下の実施例の「酵素剤」は、20mMHEPES遊離酸二水和物、125mM N−アセチル−L−システイン、0.1mM EDTA二ナトリウム二水和物、0.2%(v/v)TRITON(登録商標)X−100界面活性剤、0.2Mトレハロース二水和物、0.90RTU/mLモロニーマウス白血病ウイルス(「MMLV」)逆転写酵素、および0.20U/mL T7 RNAポリメラーゼを含み、さらに4M水酸化ナトリウムでpH7.0.に調整した1.45ml溶液の凍結乾燥形態であった(1「単位」または「RTU」の活性は、MMLV逆転写酵素に関して、37℃、15分間で5.75fmolのcDNAの合成および放出、またT7RNAポリメラーゼでは、1「単位」または「U」は、37℃で20分間、5.0fmolRNA転写産物の生産として定義される)。酵素剤は、以下に記載する酵素剤再構成溶液3.6ml中で再構成(凍結乾燥から戻る)した。
酵素反応再構成溶液:
以下の実施例の「酵素反応再構成溶液」は、50mM HEPES遊離酸、1mM EDTA遊離酸、10%(v/v)TRITON(商標)X−100界面活性剤、120mM塩化カリウム、20%(v/v)無水グリセロール、および4M水酸化ナトリウムを含み、pH7.0に調整した。
ハイブリダイゼーション剤:
「ハイブリダイゼーション剤」は、100mMクエン酸遊離酸、2%(w/v)ラウリル硫酸リチウム、100mM水酸化リチウム一水和物、15mMアルドリチオール−2、1.2M塩化リチウム、20mM EDTA遊離酸、3.0%(v/v)無水エチルアルコール、および2M水酸化リチウムを含み、pH4.7とした。
選択剤:
以下の実施例の「選択剤」は、600mMボロン酸、ACS、182.5mM水酸化ナトリウム、ACS、1%(v/v)TRITON(商標)X−100界面活性剤、および4M水酸化ナトリウムを含み、pH8.5とした。
検出剤:
以下の実施例の「検出剤」は、1mM硝酸および32mM過酸化水素、30%(v/v)を含む検出剤Iと、1.5M水酸化ナトリウムを含む検出剤IIとから構成された。
油剤:
以下の実施例の油剤は、シリコーン油であった(United Chemical Technologies、Inc.、Bristol、Pa.;Cat.No.PS038)。
(実施例1)
(T.vaginalis検出アッセイの特異性)
この実験では、我々は非増幅された、直接の検出アッセイでT.vaginalis(ATCCNo.50143)の18SのリボソームRNAの異なる領域を標的にしている2つの検出プローブの特異性を比較した。この実験のプローブを、単独でまたは各々および/または一対のヘルパープローブと結合させて試験した。試験される各々の微生物に対して、サンプル管の調製は、下記の表2で示される近似した細胞量の各々の2つのレプリケートを含ませておこなった。対象外の微生物は、ランブル鞭毛虫(Giardia intestinalis)(ATCCNo.30888)、Trimastix pyriformis(ATCCNo.50562)、およびTrichomonas tenax(ATCCNo.30207)を含んだ。2つのレプリケートのネガティブコントロールとT.vaginalisrRNAポジティブコントロールとの各々を誘導して、標的配列に対してプローブの検出可能なハイブリダイゼーションを試薬および条件が支持したことを確認し、検出可能なハイブリダイゼーションが標的核酸の不在下で生じないことを確認した。ネガティブコントロールは、バックグラウンドシグナルの測定にも用いた。細胞の溶解および核酸放出のために、各々のサンプル管を300mlの細胞溶解剤(Gen−Probe;Cat.No.3275または3300)に懸濁し、続いて95℃の水浴で10分間加熱した。インキュベーション後、サンプルを室温で約5分間冷却した。
サンプル管を磁気分離ユニット(Gen−Probe;Cat.No.1639)の試験管立てにセットして、各々に100μlのハイブリダイゼーション剤(3mM EDTA 二ナトリウム二水和物、3mM EGTA遊離酸、17%(w/v)ラウリル硫酸リチウム、190mMクエン酸遊離酸、水酸化リチウム一水和物、および2M水酸化リチウム、pH5.1)を添加した。ハイブリダイゼーション剤は、以下の表1のプローブまたはプローブ混合剤の1つを含み、プローブの量は、「RLU」または相対的光単位値によって示され、これは化学発光の単位である。これらのプローブおよびプローブ混合剤に関しては、プローブ1は配列番号7の塩基配列を有し、標準アクリジニウムエステル標識が非ヌクレオチドリンカーによってプローブにヌクレオチド12とヌクレオチド13との間に位置して(5’から3’への読み取り)連結した。プローブ2は配列番号3の塩基配列を有し、標準アクリジニウムエステル標識が非ヌクレオチドリンカーによってプローブにヌクレオチド14とヌクレオチド15との間に位置して(5’から3’への読み取り)の間に位置して連結した。ヘルパープローブ1は配列番号23の塩基配列を有し、ヘルパープローブ2は配列番号27の塩基配列を有した。
Figure 0005656273
プローブおよびプローブ混合剤を添加した後、試験管を約10秒ボルテックスにかけて、ハイブリダイゼーション剤の均質性を確認した。各サンプル管のハイブリダイゼーション剤を上記サンプル管の1つから得た100μmの溶解産物と混合した。次にサンプル管にシーリングカード((Gen−Probe;Cat.No.2085)で覆い、サンプル管を水浴で60℃、1時間インキュベートする前に、試験管立てを数回手で振って、サンプル管の中身を混合させた。試験管立てを水浴から取り出し、分離懸濁液の1mLを各々のサンプル管に加える前にシーリングカードをサンプル管から取り外した。分離懸濁液は、選択剤の20:1混合物(222mM 6N塩酸溶液、190mMのテトラホウ酸ナトリウム、0.01%(v/v)のゼラチン(鱗様皮膚)および6.43%(v/v)のTRITON(商標)、X−102界面活性剤)とし、分離剤(1mMのEDTA二ナトリウム二水和物、0.02%(w/v)のアジ化ナトリウム、1.25mg/mLのBioMag(商標)粒子(Polysciences,Inc.,Warrington,Pa.;Cat.No.8−4100T)とした。
サンプル管を密閉カードで再び覆い、試験管立てを強く3ないし5回、振って内容物を混合し、その後60℃の水浴に約10分間置いて、BioMag粒子上のサンプル管内n核酸を固定化させた。試験管立てを、水浴から取り出し、試験管立てを室温で5分間、磁気分離ユニットのベース上に配置し、BioMag粒子を磁気によって単離した。シールカードを除去して、磁気分離ユニットの試験管立てとベースとを逆さまにしてサンプル管の上清を移した。残留液を除去するために、磁気分離ユニットをさらに2〜3回振った。サンプル管を吸収紙上で5秒間3回吸い取り操作した。各々のサンプル管を洗浄溶液(25mM水酸化ナトリウム、20mMテトラホウ酸ナトリウム、0.1%(w/v)Zwittergent(商標)3−14界面活性剤、4Mの水酸化ナトリウム、pH10.4)で縁まで満たし、室温で20分の間磁気分離ユニットのベース上に置いた。磁気分離ユニットのベースと試験管立てとを一緒に持って、上清をデカントし、磁気分離ユニットを2,3回振った。サンプル管を立てた状態に戻して、洗浄溶液の約50〜100μlを各々のサンプル管に残し、管はそれらの直立位置に返納印だった、そして、試験管立てを磁気分離ユニットのべースから外した。つぎに、試験管立てを、検出剤1の自動注入装置を備えたLEADER(商標)450hまたはLEADER.(商標)HC+ルミノメーターで分析し、続いて検出剤2の自動注入装置にかけた。1000のRLU値は、負の値のカットオフであると測定された。
結果を以下の表2にまとめ、この実験で試験したプローブおよびプローブ混合物がT.vaginalisに対して特異的であることが示された。
Figure 0005656273
(実施例2)
(T.vaginalis増幅アッセイの感度と特異性)
この実験は、いくつかの近縁種である、非標的微生物の存在下で、T.vaginalis(ATCCNo.50143)の18SリボソームRNAを標的にした増幅アッセイの感度と特異性とを決定するためにおこなった。この実験の非標的微生物は、ランブル鞭毛虫(Giardia intestinalis)(ATCCNo.30888)、Trimastix pyriformis(ATCCNo.50562)、およびTrichomonas tenax(ATCCNo.30207)を含んだ。後者がT.vaginalisに対する最近縁種であった。サンプル管を、下記の表2で示される近似の菌体濃度の各々で、各々の微生物についてレプリケート4つ調製した。同様に、T.vaginalisRNAポジティブコントロールの各々の2つのレプリケート(5fg/レプリケート)とネガティブコントロールとを調製した。細胞の溶解と放出標的核酸とをおこなうために、細胞溶解剤400μlを各々のサンプル管に加え、サンプル管を95℃水浴で約10分間加熱した。インキュベーション後で、サンプルを約5分間室温で冷やした。
サンプル管内にあるT.vaginalis標的核酸を他の構成要素から分離するために、サンプル管の含有物をTen−Tube Units(Gen−Probe;Cat.No.TU0022)の反応管に移し、配列番号99gcctgctgctacccgtggatattttaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaの配列を持つ標的捕捉プローブ3pmolを含む標的捕捉剤(Target Capture Reagent)100μlと組み合わせた。この捕捉プローブは、5’標的結合領域(配列番号31)と3’固定化プローブ結合領域(配列番号98)とを含んでいる。TTUをシールカード(Gen−Probe;Cat.No.2085)で覆い、手で振って、sらに62℃の水浴で約30分間インキュベートすることで、標的核酸と捕捉プローブの標的結合領域とのハイブリダイゼーションを可能にし、約30分間、室温で冷やすことで、捕捉プローブの固定化プローブ結合領域のオリゴ(dA)30配列と磁気粒子に結合したオリゴ(dT)14とのハイブリダイゼーションを促進した。サンプルを冷やした後、DTS(商標)1600Target Capture System (Gen−Probe;Cat.No.5202)を用いて、磁気粒子の単離および洗浄をおこなった。DTS1600標的捕捉システム(Target Capture System)は、TTUの位置決めのための試験管ベイを有しており、そこに磁場が印加される。TTUを磁場の存在下、約5分間にわたってDTS(商標)1600Target Capture System上の試験管ベイに配置し、反応管内の磁気粒子を単離し、その後、サンプル溶液をTTUからアスピレーターを用いて回収し、シールカードで覆い、10〜20秒間ボルテックスして、磁気粒子を再懸濁した。TTUを再びDTS(商標)1600Target Capture System上の試験管ベイに移し、洗浄液をアスピレーションする前に、室温で約5分間、静置した。
標的捕捉工程に続いて、一対のプライマーでスパイクした75μlの再構成増幅剤(Amplification Reagent)を反応管の各々に添加した。各プライマーを、スパイク化増幅剤中に15pmolの濃度で存在させた。(注記すべき点は、各反応混合物あたりの各プライマー4pmolが現在好ましいことである)。この実験のプライマーは、配列番号45の塩基配列を持つプライマーと、配列番号100aatttaatacgactcactatagggagaggcatcacggacctgttattgcの塩基配列を持つプロモータープライマとを含んだ。プロモータープライマは、3’標的結合部位(配列番号55)と5’T7プロモーター配列(配列番号89)を含んだ。反応管に対して、次に200μlの油剤を供給し、シールカードで覆い、約10秒ボルテックスしてから、初期アニーリング工程のために62℃、10分間の水浴をおこなって、プロモーター−プライマーの標的核酸への結合を促進させた。試験管を42℃水浴、約5分間移し、シールカードを反応管から取り除いて、25μlの再構成酵素剤を各反応管に添加した。反応管を再びシールカードで覆い、水浴から取り出し、含有物を手でゆっくり混合した。混合後、反応管を再び42℃の水浴で約60分間インキュベートした。
T.vaginalis増幅産物を検出するために、反応管を水浴から取り出し、100μlのハイブリダイゼーション剤(100fmolの検出プローブ含有)を各反応管に添加した。検出プローブは、配列番号3の塩基配列とヌクレオチド17および18のあいだに位置した非ヌクレオチドリンカーに結合したプローブ標準アクリジニウムエステル標識とを有した(5’から3’への読み取り)。反応管をシールカードで覆い、約10秒間ボルテックスした。その後、52℃の水浴で20分間インキュベートして、検出プローブと反応管に存在する増幅産物とのハイブリダイゼーションを可能にさせた。つぎに、反応管を水浴から取り出し、室温で約5分間冷やし、その後、250μlの選択剤(Selection Reagent)を各反応管に添加した。反応管をシールカードで覆い、約10秒間、ボルテックスした後、62℃の水浴に10分間インキュベートすることで、ハイブリダイズしていないプローブに結合したアクリジニウムエステル標識を加水分解した。反応管をつぎに18℃ないし28℃の水浴で約15分間で冷やし、検出剤1の自動注入装置を備えたLEADER(商標)450hまたはLEADER.(商標)HC+ルミノメーターで分析し、続いて検出剤2の自動注入装置にかけた。負の値のカットオフ値が50,000RLUであった。
結果を以下の表3にまとめ、この実験のT.vaginalisアッセイがGiardia lamblia、Trimastix pyriformis またはTrichomonas tenaxに由来する核酸と交叉反応することなく、T.vaginalis由来核酸が増幅および検出された。上記したように、この表の用語「RLU」は相対的光単位を表し、また用語「CV」は変動係数であり、パーセンテージとした複製の平均に対する複製の標準偏差を表す。
Figure 0005656273
(実施例3)
(T.vaginalis18SrRNAの400領域に対するT.vaginalis増幅アッセイでのプライマーセットの使用)
この実験の目的は、T.vaginalisの18SrRNAに由来する転写産物の一部の400領域を増幅するために、異なる初期アニーリング温度での種々のプライマーセットの増幅効率を比較することであった。この実験の増幅および検出の手順は、上記した実験例2と同じであるが、サンプル管に油剤を添加した後に62℃初期アニーリングの代わりにプライマーセットの1つのグループを95℃初期アニーリング工程にかけた。この実験のプライマーセットが転写産物を標的にしたことから、標的捕捉工程は含めなかった。
この実験で増幅産物の形成を検出するために用いられた検出プローブは、配列番号9の塩基配列と、ヌクレオチド17および18の間に位置した非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合した標準アクリジニウムエステル標識とを有した(5’から3’への読み取り)。以下の表3および4で同定したプライマー1〜3は配列番号61、65、および69の塩基配列をそれぞれ有した。また、以下の表3ないし4で同定したプライマー4〜6は以下の塩基配列を持つプロモーター−プライマーであった:
プライマー4:aatttaatacgactcactatagggagacctctgctaggtttcggtacggt(配列番号101)、

プライマー5:aatttaatacgactcactatagggagagactggccctctgctaggtttcg(配列番号102)、および

プライマー6:aatttaatacgactcactatagggagagctgctggcaccagactgg(配列番号103)。

プライマー4〜5は、5’プロモーター配列(配列番号89)と配列番号79、83、および87の塩基配列を持つ3’標的結合タンパク質とを有した。
結果を以下の表4および5にまとめ、プライマー3および5のプライマーセットが両条件セット下での標的領域増幅で最良のパフォーマンスを示すことが示された。結果も、ほとんどの場合、プライマーセットの増幅効率が62℃最初のアニーリング工程よりむしろ95℃でより良好だったことを示した。上記したように、この表の用語「RLU」は相対的光単位を表し、また用語「CV」は変動係数であり、パーセンテージとした複製の平均に対する複製の標準偏差を表す。
Figure 0005656273
Figure 0005656273
(実施例4)
(T.vaginalis18SrRNAの1100領域に対するT.vaginalis増幅アッセイで使用するプライマーセット)
この実験の目的は、T.vaginalisの18SrRNAに由来する転写産物の1100領域の一部を増幅するために、いくつかのプライマーセットの増幅効率を比較することであった。この実験の増幅および検出手順は、上記した実施例2のものと同じであった。標的捕獲工程は、含まれていない。
この実験で増幅産物の形成を検出するために用いられた検出プローブは、配列番号3の塩基配列と、ヌクレオチド17および18の間に位置した非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合した標準アクリジニウムエステル標識とを有した(5’から3’への読み取り)。以下の表5で同定したプライマー1および2は、配列番号41および45の塩基配列をそれぞれ有した。以下の表6で同定されたプライマー3および4は、以下の塩基拝謁を持つプロモーター−プライマーであった。

プライマー3:aatttaatacgactcactatagggagacctcttccacctgctaaaatcgcag(配列番号104)、および

プライマー4:aatttaatacgactcactatagggagaggcatcacggacctgttattgc(配列番号105)。

プライマー3および3は、5’プロモーター配列(配列番号89)と配列番号51および55の塩基配列を持つ3’標的結合タンパク質とを有した。
結果を以下の表6にまとめ、配列番号105のプロモーター−プライマー(プライマー4)を含むプライマーセットが標的領域の増幅で優れていたことが示された。上記したように、プライマー3および5のプライマーセットが両条件セット下での標的領域増幅で最良のパフォーマンスを示すことが示された。上記したように、この表の用語「RLU」は相対的光単位を表し、また用語「CV」は変動係数であり、パーセンテージとした複製の平均に対する複製の標準偏差を表す。
Figure 0005656273
(実施例5)
(T.vaginalis増幅アッセイの感度)
この実験は、上記実施例4の手順と検出プローブおよびプライマー2および4に従って、T.vaginalis由来の転写産物に存在するT.vaginalisの18SrRNAの1100領域の一部分を標的にした増幅アッセイの感度を評価するために設計された。この実験の結果を以下の表7にまとめ、少なくとも約19コピーが感度を示した(レプリケートの1つは、全RLU値が約300,000であった。このアッセイでの正の結果に対するカットオフ値)。上記したように、この表の用語「RLU」は相対的光単位を表し、また用語「CV」は変動係数であり、パーセンテージとした複製の平均に対する複製の標準偏差を表す。CV値は、低濃度の転写産物で一般に大きい値が示される。この理由は、いくつかのレプリケートが増幅され、他のものが増幅されないことから、レプリケート間での標準偏差が高くなる結果である。
Figure 0005656273
本発明は、いくつかの好ましい実施形態に関して相当詳しく説明され、かつ示されている一方で、当業者は本発明の別の実施形態を容易に理解することができよう。したがって、本発明は以下の添付された特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる全ての修飾とバリエーションを含むと考えられる。

Claims (7)

  1. 試験サンプル中のTrichomonas vaginalisの存在の決定において使用するための、検出プローブと、第1および第2のヘルパープローブとを含むプローブ混合物であって、
    該検出プローブの塩基配列は、配列番号3、または配列番号4の塩基配列と同一な第1の標的結合領域からなり該第1のヘルパープローブの塩基配列は、配列番号23、または配列番号24の塩基配列と同一な第2の標的結合領域からなり、そして、該第2のヘルパープローブの塩基配列は、配列番号27、または配列番号28の塩基配列と同一な第3の標的結合領域からなる、プローブ混合物
  2. 前記検出プローブが検出可能な標識を含む、請求項1記載のプローブ混合物
  3. 前記第1の標的結合領域が、リボフラノシル部位に対する2’−O−メチル置換を含むように修飾された少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む、請求項1または2に記載のプローブ混合物
  4. 前記第1の標的結合領域、ペプチド核酸からなる、請求項1または2に記載のプローブ混合物
  5. 試験サンプル中のTrichomonas vaginalisの存在を決定するための方法であって、
    (a)請求項1〜のいずれか一項に記載のプローブ混合物に試験サンプルを接触させることにより、前記検出プローブと、Trichomonas vaginalis由来の標的核酸とを含むハイブリッドが形成される工程、および
    (b)該試験サンプル内のTrichomonas vaginalisの存在の指標として、該試験サンプルにハイブリッドが存在するかどうかを、決定する工程、
    を含む、方法。
  6. Trichomonas vaginalisに由来する核酸の標的領域の増幅における使用のためのオリゴヌクレオチドのセットであって、
    該オリゴヌクレオチドのセットが、
    第1の標的結合領域と、RNAポリメラーゼによって認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促進する任意の5’配列とからなる第1のオリゴヌクレオチドであって、ここで、該第1の標的結合領域が、配列番号55の配列と同一である、第1のオリゴヌクレオチドと、
    配列番号41、または配列番号45の配列と同一である第2の標的結合領域からなる第2のオリゴヌクレオチドとを含む、オリゴヌクレオチドのセット。
  7. 試験サンプル中に存在するTrichomonas vaginalisに由来する核酸の標的領域を増幅するための方法であって、
    (a)請求項の前記オリゴヌクレオチドのセットに、該試験サンプルを接触させる工程、および
    (b)該標的領域を増幅させるのに十分な期間にわたって、増幅条件に、該試験サンプルをさらす工程
    を含む、方法。
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