以下、本発明によるメール送信方法、携帯端末装置およびメール送信プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による携帯端末装置およびメール送信方法について説明するが、かかるメール送信方法をコンピュータにより実行可能なメール送信プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、メール送信プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。なお、本発明に係る携帯端末装置は、電話機能を備え、かつ、インターネット網に接続して電子メールを送受信するメールソフトを実装し、かつ、ユーザが操作する操作部としてキー、静電容量パッド、タッチパネルなどを有している携帯端末装置であれば、如何なる種類の端末装置であっても良く、例えば、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-Phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の機器に好適に適用することができる。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、ユーザがポケットから携帯端末装置を取り出して操作することができない環境下(例えば会議中や受講中の室内等)にいる場合であっても、携帯電話端末をポケット等の中に入れたままの状態で、携帯電話端末の画面を見ることなく、操作することができる手段を具備し、かつ、あらかじめ登録してある宛先とメール本文とを組み合わせることにより、メール送信を行うことを可能としていることを主要な特徴としている。
すなわち、画面を見ることなく操作することができる手段として、あらかじめ登録している宛先やメール本文の選択用のキーとしてあらかじめ定めた特定のキーを用い、該特定のキーの押下時間の長さによって、あらかじめ登録している1ないし複数の登録宛先と1ないし複数の登録定型メール(タイトルおよびメール本文)との中から送信しようとする送信宛先と送信用メール(タイトルおよびメール本文)とを選択する手段を備えることによって、選択した送信宛先(登録宛先)と送信用メール(登録定型メール)とを組み合わせて、所望の宛先に対して所望のメール本文を有する電子メールをメール送信することができるようにしている。
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係る携帯端末装置のブロック構成について、その一例を、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る携帯端末装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、本発明に係る携帯端末装置として携帯電話端末を用いている場合について示している。
図1に示すように、本実施形態における携帯電話端末001は、制御部010、表示部020、キー操作部030、バイブレータ040、バッテリー050、無線部060、アンテナ061、レシーバ070、マイク080を少なくとも含んで構成されている。本携帯電話端末001においては、電話機能とメール送受信機能とを少なくとも備えており、かつ、ユーザが操作する操作部としてキー操作部030を備えている場合を示している。
制御部010は、当該携帯電話端末001の動作を制御する制御プログラムや、相手の電話番号やメールアドレスを格納する電話帳や、送信しようとする定型メールのタイトル、メール本文を登録する登録定型メールや、定型メールを送信しようとする宛先を登録する登録宛先等を記憶している記憶部012、当該携帯電話端末001への給電や電池充電を管理する電源管理部013、制御プログラムの動作により時間計測を行うタイマーや各種の制御や演算を実施する処理機能を有するMPU011を含んで構成されている。ここで、制御部010は、キー操作部030において、定型メールの送信機能用としてあらかじめ定めた特定のキーが押下された状態と解放された状態とを検知して、押下から解放までの時間をMPU011内のタイマーにて計測することによって、該特定のキーの押下時間の長さに従って送信しようとする定型メールに関する送信用のメール(タイトルおよびメール本文)と該定型メールの送信宛先とを選択してメール送信する動作を行う。
なお、携帯電話端末001は、折り畳み型筐体構造であり、キー操作部030は、番号入力などを行うことが可能な他、各種機能呼び出しにも使用することができるキーを備えているとともに、当該携帯電話端末001の筐体側面部には、図2のようなサイドキー031を定型メール送信用の特定のキーとして備えている。図2は、図1に示す携帯電話端末001の構造の一例を示す斜視図であり、キー操作部030の一部として、筐体側面部にサイドキー031を配置している例を示している。ただし、本発明に係る携帯端末装置は、かかる筐体構造やキーの配置に限るものではなく、ユーザが表示部020の画面やキー操作部030のキーを見ることなく、定型メール送信用の特定のキーを操作することが可能であれば、如何なる筐体構造であっても良いし、また、如何なるキー配置であっても構わない。
また、図1に示す携帯電話端末001の制御部010は、通常の電話帳機能とは別に、記憶部012にあらかじめ登録した定型文からなる定型メールを送信するメール宛先を定型メール宛先として記憶部012に登録する機能を備えている。図3は、図1の携帯電話端末001の記憶部012に登録した定型メールと定型メール宛先とのデータ構造の一例を示すデータ構造図であり、ツリー形状のデータ構造として例示している。
記憶部012に登録する定型メール宛先100は、図3の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103に示すように、複数のメール宛先を登録することができ、登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103それぞれに、例えば"example_001@xxx.co.jp"、"example_002@xxx.co.jp"、"example_003@xxx.co.jp"のごとく、メールアドレス104,105,106を登録することができる。また、定型メール110についても、同様に、図3の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113に示すように、複数の定型メール文を登録することができ、登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113それぞれに、例えば、送信用メール1、送信用メール2、送信用メール3のごとく、それぞれで異なる本文からなる定型メール文114,115,116を登録することができる。
ここで、定型メール宛先100の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103および定型メール110の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113は、それぞれ、管理番号を付して管理されている。付された該管理番号は、ユーザが定型メール宛先100の複数の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103および定型メール110の複数の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の中から、任意の登録宛先、登録定型メールを指定する際の選択用の番号となる。
定型メール宛先100の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103および定型メール110の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113それぞれの登録件数は任意であるが、ユーザが携帯電話端末001の表示部020やキー操作部030を見ることなく操作を行い、所望の登録宛先に対して所望の登録定型メールを容易にメール送信することを可能とするために、ユーザが登録内容を容易に把握することができる範囲として、登録件数に上限を設けることが望ましい。図3に示す本実施形態においては、登録宛先、登録定型メールのいずれについても、登録件数の上限を3件に設定し、上限である3件ずつがあらかじめ登録されている例を示している。しかし、登録件数の上限以内であれば任意の件数を登録することができ、場合によっては、1件であっても良い。
(第1の実施形態の動作の説明)
次に、図1ないし図3に例示した携帯電話端末001の動作について、その一例を、図4の動作イメージ図および図5、図6のフローチャートを参照して本発明の第1の実施形態として詳細に説明する。図4は、図1の携帯電話端末001の動作の一例を説明するための動作イメージ図であり、あらかじめ登録した登録定型メールの中から送信用メールとして選択した登録定型メールを、あらかじめ登録した登録宛先の中から送信宛先として選択した登録宛先へメール送信する動作のイメージを説明している。
また、図5は、図1の携帯電話端末001の第1の実施形態における特定のキーの押下操作の一例を示すフローチャートであり、定型メール宛先100、定型メール110の登録項目の中からいずれかの項目を選択するためのキー操作部030の特定のキーとしてサイドキー031を用い、該サイドキー031の押下時間の長さ(単位時間の経過回数)により、定型メール宛先100、定型メール110の登録項目の管理番号を指定する動作の一例を説明している。
また、図6は、図1の携帯電話端末001の第1の実施形態における定型メール送信動作の一例を示すフローチャートであり、図5のフローチャートにおける特定のキーすなわちサイドキー031の押下操作より指定した管理番号に基づいて、定型メール宛先100の中から定型メールの送信宛先を選択し、定型メール110の中から送信する定型メール文を送信用メールとして選択して、選択した送信宛先と送信用メール(定型メール文)とを組み合わせて作成した電子メールをメール送信する動作の一例を説明している。
まず、図4に示す動作イメージ図を用いて、図1ないし図3に例示した携帯電話端末001の動作について説明する。図4に示す動作イメージ図においては、ユーザが、図3の定型メール宛先100として登録した複数の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103の中から登録宛先2 102を送信宛先として選択し、図3の定型メール110として登録した登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の中から登録定型メール1 111を送信用メール(タイトルおよびメール本文)として選択することによって、選択した登録宛先2 102と登録定型メール1 111とを送信すべき送信宛先と送信用メールとして組み合わせ、選択した登録宛先2 102に対して選択した登録定型メール1 111をメール送信する場合を示している。
まず、携帯電話端末001のユーザは、図3の定型メール文114,115,116に示したように、送信しようとするメールの定型文を作成し、定型メール110の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113それぞれとして、記憶部012にあらかじめ登録する。同様に、ユーザは、図3のメールアドレス104,105,106に示したように、定型メールをメール送信しようとする宛先を、定型メール宛先100の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103それぞれとして、記憶部012にあらかじめ登録する。
しかる後に、携帯電話端末001のユーザが、特定の宛先に対してメール送信を行おうとして、定型メール宛先100に登録した複数の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103の中から登録宛先2 102を選択すると(シーケンスSeq1)、図3に示したように、"example_002@xxx.co.jp"というメールアドレス105が取り出されて、送信しようとする定型メールの送信宛先として設定される(シーケンスSeq2)。
さらに、ユーザが、選択したメールアドレス105の宛先に対してメール送信を行うメール本文として、定型メール110に登録した複数の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の中から登録定型メール1 111を選択すると(シーケンスSeq3)、図3に示したように、送信用メール1という定型メール文114が取り出されて、送信メールのタイトルおよび本文欄に設定される(シーケンスSeq4)。ここで、図4においては、送信用メール1という定型メール文114は、「タイトル」が「遅れます」であり、「本文」が「申し訳ありません。打ち合わせが長引いており、予定時間にそちらに向かうことができません。打ち合わせ終了後に、再度連絡させていただきます。」である場合を例示している。
かくのごとく、携帯電話端末001のユーザが、メール送信すべき宛先として登録宛先2 102を選択し、送信すべき定型メール文として登録定型メール1 111を選択すると、選択した登録宛先2 102と登録定型メール1 111とを送信しようとする送信宛先と送信用メール(タイトルおよびメール本文)として組み合わせた一つの電子メールを自動的に作成し、メール送信を行う(シーケンスSeq5)。
次に、ユーザによる特定のキーの押下操作によって、図4に示した定型メール宛先100および定型メール110を選択する操作の具体例について、図5のフローチャートを用いてさらに説明する。ここで、図5のフローチャートにおいては、登録宛先選択用の特定キー(すなわち宛先選択キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めたキー操作部30の特定のキーを長押しすることにより、該特定のキーの押下時間の長さを示す単位時間(例えば1秒)の経過回数に応じて、定型メール宛先100の複数の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103の中のいずれかを選択し、定型メール110の複数の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の中のいずれかを選択する場合について示している。さらに、図5のフローチャートにおいては、登録宛先選択用の特定キー(すなわち宛先選択キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めたキー操作部30の特定のキーは、いずれも、同一の一つのキーであり、かつ、表示部020の画面やキー操作部030を見ることなく、押下操作することが可能なキーとして、図2に示したように、携帯電話端末001の筐体側面部に配置しているサイドキー031を用いる場合について示している。
ここで、登録宛先選択用の特定キー(すなわち宛先選択キー)および登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキーであるサイドキー031の押下時間の長さが、単位時間例えば1秒の何倍であったかにより、定型メール宛先100、定型メール110それぞれに登録されている複数の項目を管理するための管理番号の第何番目に該当するかを指定する。すなわち、サイドキー031の押下時間の長さが、単位時間例えば1秒の何倍であったかにより、定型メール宛先100の複数の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103の中の何番目かを選択し、同様に、定型メール110の複数の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の中の何番目かを指定する。例えば、サイドキー031の押下時間の長さが、単位時間の1秒の2倍に相当する2秒(つまり単位時間1秒の経過回数が'2')であった場合には、定型メール宛先100の複数の登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103の中の第2番目の登録宛先2 102を選択し、同様に、定型メール110の複数の登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の中の第2番目の登録定型メール2 112を選択する。
図5において、携帯電話端末001において、キー操作部030からの入力の受付けが可能な状態になると、図5のフローチャートが常時起動された状態になり、キー操作部030のサイドキー031の押下操作が検出されると(ステップS500)、制御部010におけるMPU011のタイマーが起動されて、サイドキー031の押下時間の長さの計測処理が開始される。しかる後、MPU011のタイマーが最初の単位時間の1秒を経過するまでの間にサイドキー031の押下解放がなされたか否かを監視する(ステップS501)。
MPU011のタイマーが最初の単位時間の1秒を経過する前にサイドキー031の押下解放が検出された場合(ステップS501のYES)、ユーザがサイドキー031の長押し操作に失敗しているものと看做して、操作失敗として(ステップS508)、処理を終了する。
一方、MPU011のタイマーが最初の単位時間の1秒を経過しても、サイドキー031の押下解放が検出されなかった場合は(ステップS501のNO)、ユーザのサイドキー031の長押し操作が成功裡に実施されているものと判定して、サイドキー031の押下時間の長さを計測するために、MPU011のタイマーの計時動作を継続する。そして、MPU011のタイマーが単位時間の1秒を経過する都度(ステップS502)、単位時間の1秒の経過回数に'1'を加算して(ステップS503)、押下時間の長さを示す単位時間の経過回数を、携帯電話端末001に備えられている例えばバイブレータ040の振動回数等によって、ユーザに通知する(ステップS504)。
しかる後、押下時間の長さを示す単位時間の経過回数が、許容される最長の押下時間である押下最大時間まで経過したか否かを確認する(ステップS505)。単位時間の経過回数が、押下最大時間まで経過した場合は(ステップS505のYES)、許容される最長の押下時間が経過しても、まだ、サイドキー031の押下状態が継続し、記憶部012にあらかじめ登録されている登録宛先、登録定型メールの登録件数の上限値よりも、単位時間の経過回数が多くなっている状態であり、ユーザがサイドキー031の長押し操作に失敗しているものと看做して、操作失敗として(ステップS508)、処理を終了する。
一方、単位時間の経過回数が、押下最大時間まで経過していない場合は(ステップS505のNO)、再度、サイドキー031の押下解放がなされたか否かを確認する(ステップS506)。サイドキー031の押下解放が検出されなかった場合は(ステップS506のNO)、ユーザが、所望の登録宛先、登録定型メールを選択するために、サイドキー031の長押しをさらに継続している状態であり、ステップS502に復帰して、押下時間の長さを示す単位時間の経過回数を更新する処理を繰り返す。
ここで、押下最大時間は、サイドキー031の押下時間の長さを示す単位時間の経過回数が、記憶部012にあらかじめ登録されている登録宛先、登録定型メールの登録件数を超えて、登録宛先、登録定型メールの有効な選択動作を実施できなくなる上限の押下時間を示すものであり、ユーザがサイドキー031を押下したまま、処理が停止してしまうことを防ぐためのタイムアウト時間である。押下最大時間は、登録宛先、登録定型メールそれぞれにおいて、それぞれの登録件数に'1'を加えて、単位時間例えば1秒を乗算した時間である。例えば、図3において説明した例においては、定型メール宛先100としては、登録宛先1 101,登録宛先2 102,登録宛先3 103の3件を登録し、また、定型メール110としては、登録定型メール1 111,登録定型メール2 112,登録定型メール3 113の3件を登録しているので、登録宛先、登録定型メールのいずれの選択動作時においても、単位時間を1秒とすると、4秒が押下最大時間になる。
ステップS506において、サイドキー031の押下解放を検出すると(ステップS506のNO)、ユーザが、所望の登録宛先、登録定型メールを選択した状態で、サイドキー031の長押し状態を解放したものとして、サイドキー031を押下していた押下時間の長さに該当する単位時間の経過回数を、定型メール宛先100の登録宛先、定型メール110の登録定型メールを選択するための管理番号として決定する(ステップS507)。例えば、サイドキー031を押下していた押下時間の長さが2秒であり、単位時間の経過回数が'2'であった場合は、登録宛先、登録定型メールそれぞれについて、管理番号'2'を指定していることになる。つまり、定型メール宛先100の場合には、第2番目の登録宛先2 102を、定型メールを送信すべき送信宛先として選択していることになり、定型メール110の場合には、同様に、第2番目の登録定型メール2 112を送信すべき送信用メール(定型メールのタイトルおよびメール本文)として選択していることになる。
登録宛先、登録定型メールの選択操作のための特定のキーとしてあらかじめ定めたキー操作部030のサイドキー031は、図2に示すように、携帯電話端末001の筐体側面部に配置されているので、携帯電話端末001を例えばポケットに入れたままの状態であっても、サイドキー031の押下操作を行うことが可能である。
また、サイドキー031の長押し時の押下時間の長さのみを用いて、登録宛先、登録定型メールの選択操作を行うことができるので、携帯電話端末001の表示部020の画面を見なくても、操作するキーを見失うことがなく、所望の登録定型メールを所望の登録宛先に容易にかつ確実に送信することが可能となる。すなわち、登録宛先、登録定型メールそれぞれの選択には、サイドキー031の長押しによる押下時間の長さすなわち単位時間例えば1秒の経過回数のみが必要なだけであり、複数回のキー押下操作を行う場合とは異なり、ユーザの誤操作を確実に減らすことが可能となる。
次に、図6のフローチャートを用いて、図5のフローチャートにて説明した特定のキーすなわちサイドキー031の押下操作より指定した管理番号に基づいて、定型メール宛先100の中から定型メールの登録宛先を送信宛先として選択し、定型メール110の中から送信する登録定型メールを送信用メールとして選択して、選択した登録宛先に対して選択した登録定型メールを送信する定型メールの送信動作の具体例についてさらに説明する。なお、図6のフローチャートにおいては、図5において説明した登録宛先選択用の特定キー(すなわち宛先選択キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)のみならず、図6のフローチャートを起動するための定型メール送信機能の起動用の特定キー(すなわちメール送信起動キー)についても、同一のサイドキー031を用いる場合を示している。
ユーザが、あらかじめ登録した登録定型メールを登録宛先に対してメール送信する定型メール送信機能の起動用のキー(すなわちメール送信起動キー)としてキー操作部030の中であらかじめ割り付けられているキー例えばサイドキー031を押下操作することにより、定型メール送信機能を起動する(ステップS600)。定型メール送信機能が起動されると、制御部010は、登録定型メールを送信しようとする送信宛先を、記憶部012に登録されている定型メール宛先100の複数の登録宛先の中から選択する動作を開始する(ステップS601)、また、送信宛先の選択動作が開始され、ユーザが定型メール宛先100の複数の登録宛先の中から送信宛先を選択する操作を開始することを促す通知を当該ユーザへ行うために、送信宛先選択開始通知として例えばバイブレータ040を振動させることによってユーザに通知する(ステップS602)。
送信宛先選択開始通知を受け取ったユーザは、図5のフローチャートにて説明したように、送信宛先選択用のキー(すなわち宛先選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押しすることによって、送信宛先の選択操作を行う(ステップS603)。つまり、サイドキー031の押下時間の長さを示す単位時間の経過回数にて、定型メール宛先100の複数の登録宛先の第何番目かを管理する管理番号を指定し、指定した管理番号の登録宛先を定型メールの送信宛先として選択する。
しかる後、送信宛先選択用のキー(すなわち宛先選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押し操作により送信宛先を正常に選択することができたか否かを確認する(ステップS604)。正常に選択することができなく、送信宛先を決定することができなかった場合には(ステップS604のNO)、ユーザに対して送信宛先の選択操作が失敗したことを通知するために、例えばバイブレータ040を振動させて操作失敗の旨を通知し(ステップS610)、定型メール送信機能の処理を終了する。
これに対して、送信宛先の選択動作を正常に行うことができ、送信宛先を決定することができた場合は(ステップS604のYES)、次に、決定した当該送信宛先に対して送信しようとする送信用メールを、記憶部012に登録されている定型メール110の複数の登録定型メールの中から選択する動作を開始する(ステップS605)、また、送信用メールの選択動作が開始され、ユーザに定型メール110の複数の登録定型メールの中から送信用メールを選択する操作を開始することを促す通知をユーザへ行うために、送信用メール選択開始通知として例えばバイブレータ040を振動させることによってユーザに通知する(ステップS606)。
送信用メール選択開始通知を受け取ったユーザは、図5のフローチャートにて説明したように、送信用メール選択用のキー(言い換えれば登録定型メール選択用のキーすなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押しすることによって、送信用メールの選択操作を行う(ステップS607)。つまり、送信宛先の選択操作の場合と同様、サイドキー031の押下時間の長さを示す単位時間の経過回数にて、定型メール110の複数の登録定型メールの第何番目かを管理する管理番号を指定し、指定した管理番号の登録定型メールを、ステップS603において選択した送信宛先に送信しようとする送信用メールとして選択する。
しかる後、送信用メール選択用のキー(すなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押し操作により送信用メールを正常に選択することができたか否かを確認する(ステップS608)。正常に選択することができなく、送信用メールを決定することができなかった場合には(ステップS608のNO)、ユーザに対して送信用メールの選択操作が失敗したことを通知するために、例えばバイブレータ040を振動させて操作失敗の旨を通知し(ステップS610)、定型メール送信機能の処理を終了する。
これに対して、送信用メールを正常に選択することができ、送信用メールを決定することができた場合は(ステップS608のYES)、ステップS603にて選択した送信宛先(登録宛先)とステップS607にて選択した送信用メール(登録定型メール)とを組み合わせた電子メールを送信メールとして作成し、作成した電子メールを選択した送信宛先(登録宛先)に対して送信し(ステップS609)、定型メール送信機能の処理を終了する。ここで、場合によっては、ユーザに対して、指定された定型メールに関する電子メールの送信動作が完了したことを通知するために、例えばバイブレータ040を振動させてその旨を通知するようにしても良い。
なお、バイブレータ040の振動モード(振動回数や振動周波数や振動間隔等)は、ユーザが正しく理解することができるように、送信宛先選択開始通知、送信宛先の選択操作失敗の旨の通知、送信用メール選択開始通知、送信用メールの選択操作失敗の旨の通知等の各通知ごとに、それぞれ異なる値を用いることが望ましい。つまり、本第1の実施形態においては、ユーザが携帯電話端末001の表示部020やキー操作部030を見ることなく、あらかじめ登録した登録宛先、登録定型メールを同一の一つの特定キー例えばサイドキー031の長押し操作のみを複数回繰り返すだけで選択することにより、所望の宛先へ所望の電子メールを送信する操作を行うことを可能とするために、操作段階を示す状態遷移過程をユーザに通知する方法として、バイブレータ040の振動モードを変化させて通知することが望ましい。
また、図5や図6に示したフローチャートにおいては、あらかじめ定めた定型メール送信機能の起動用の特定キー(すなわちメール送信起動キー)、登録宛先選択用の特定キー(すなわち宛先選択キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)を、いずれも、サイドキー031という一つの同一のキーを用いて、定型メール送信機能の起動用、登録宛先選択用、登録定型メール選択用の各操作段階それぞれの場面に応じて、サイドキー031という同一のキーの押下操作を繰り返すという場合について説明したが、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、それぞれのキーの配置位置を目で確認することなく手探りであっても確実に分かるような実装形態(例えば、携帯電話端末001の筐体の左右上下の側面部等にそれぞれを分離して配置する実装形態等)を採用している場合には、定型メール送信機能の起動用の特定キー(すなわちメール送信起動キー)、登録宛先選択用の特定キー(すなわち宛先選択キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)のそれぞれで異なるキーを用いるようにしても構わない。さらには、特定のキーとして、キー操作部030内のキー例えばサイドキー031のような押下操作を行うボタンを用いる場合について説明したが、かかる場合のみに限るものではなく、場合によっては、タッチパネルや静電容量パッド等の操作手段を用いるようにしても構わない。
また、図5や図6に示したフローチャートにおいては、操作の失敗が発生した場合に、選択操作のやり直しを行うことにしていないが、その理由は、ユーザが表示部020を見ない状態で操作を行うこととしているので、ユーザが携帯電話端末001の状態遷移過程を正確に確認するための手段を提供していないためである。すなわち、選択操作のやり直しを行うようにした場合には、ユーザへの通知回数や状態遷移の状態数がさらに増加することになり、携帯電話端末001の状態遷移過程を確認することができないユーザは、携帯電話端末001が現在どの選択操作を行おうとしている状態にあるのかを正しく把握できなくなるので、かかる事態の発生を防ぐためである。
(第1の実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本第1の実施形態においては、次のような効果が得られる。
第1に、ユーザが携帯端末装置例えば携帯電話端末001をポケット等の中から取り出して操作することが不可能な状況にあったとしても、定型メール送信機能用のキー(メール選択キー、宛先選択キー等)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押し操作するだけでメール送信を行うことが可能であるので、携帯端末装置例えば携帯電話端末001の表示部020の画面やキー操作部030を見ることなく、ユーザは簡便にメール送信を行うことができる。
第2に、メール送信相手となる宛先とメール送信すべき定型メールとを登録宛先と登録定型メールとして記憶部012にあらかじめ登録しておき、登録した1ないし複数の登録宛先と登録定型メールとの中から、送信したい所望の送信宛先(登録宛先)と送信用メール(登録定型メール)とを、特定のキー例えばサイドキー031の長押し時の押下時間の長さを示す単位時間例えば1秒の経過回数に基づいて選択して、選択した送信宛先(登録宛先)と送信用メール(登録定型メール)とを組み合わせてメール送信を行うことが可能であるので、ユーザの誤操作を減らすことができる。
(第2の実施形態の動作の説明)
次に、図1ないし図3に例示した携帯電話端末001の動作について、図6のフローチャートの場合とは異なる例を、図7のフローチャートを参照して本発明の第2の実施形態として詳細に説明する。図7は、図1の携帯電話端末001の第2の実施形態における定型メール送信動作の一例を示すフローチャートであり、図6のフローチャートとは異なる定型メール送信動作の例を示している。
すなわち、図7に示す本第2の実施形態においては、定型メール送信機能の起動契機が、例えば、電話着信時に応答することができなく、未応答の電話着信の記録が着信履歴に残っていることをユーザが確認した場合であり、定型メールの送信先となる送信宛先を選択する動作が、第1の実施形態の場合とは異なり、定型メールの送信宛先として図4のようにあらかじめ登録した定型メール宛先100の登録宛先の中から選択する代わりに、記憶部012にあらかじめ登録されている電話帳の中から、未応答の電話着信をした着信相手側(すなわち電話発信側)のメールアドレスを、定型メールを送信しようとする送信宛先として検索して、検索したメールアドレス宛に、定型メール110に登録されている登録定型メールの中から選択した登録定型メールを送信用メールとして送信する場合を示している。
なお、定型メール110に登録されている登録定型メールの中から送信用メールを選択するためのユーザの操作方法については、本第2の実施形態においても、図5のフローチャートと全く同様であり、図5のフローチャートにおける特定のキーすなわちサイドキー031の押下操作より指定した管理番号に基づいて、定型メール110の中から送信すべき登録定型メールを送信用メールとして選択し、電話帳から検索した送信宛先と定型メール110の中から選択した送信用メール(タイトルおよびメール本文)とを組み合わせて作成した電子メールをメール送信する。
図7のフローチャートにおいて、携帯電話端末001に電話着信があった際に、応答することができなく、電話着信が切れてしまうと、着信履歴に、未応答の電話着信があった旨が記録される(ステップS700)。しかる後、ユーザが、着信履歴に未応答電話着信があった旨の記録が残っていることを確認すると、あらかじめ登録した登録定型メールを当該未応答電話着信の着信相手側のメールアドレスに対してメール送信する定型メール送信機能の起動用のキー(すなわちメール送信起動キー)としてキー操作部030の中であらかじめ割り付けられているキー例えばサイドキー031を押下操作することにより、定型メール送信機能を起動する(ステップS701)。
定型メール送信機能が起動されると、制御部010は、電話帳の中から未応答電話着信の着信相手側(すなわち電話発信側)のメールアドレスを該着信相手側の電話番号(発信電話番号)を基にして検索し、定型メールの送信宛先として決定する動作を行う(ステップS702)。ここで、制御部010は、着信履歴に未応答電話着信があった旨の記録が残っているか否かをユーザが確認することなく、定型メール送信機能が起動されている場合も想定して、着信履歴の中に未応答電話着信があるか否かをまず確認し、未応答電話着信があった場合に、該当する未応答電話着信の着信相手側のメールアドレスを検索する動作を行う。なお、着信履歴に複数の未応答電話着信が記録されていた場合には、最新の未応答電話着信の着信相手側のメールアドレスを検索するようにしても良いし、あるいは、複数の未応答電話着信の中から、定型メールを返送しようとする未応答電話着信の選択用としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031の押下時間の長さを示す単位時間の経過回数を用いて、最新の未応答電話着信から該経過回数に相当する数だけ過去に遡った未応答電話着信を選択し、選択した未応答電話着信の着信相手側のメールアドレスを検索するようにしても良い。
しかる後、電話帳の中から未応答電話着信に該当する着信相手側のメールアドレスが検索することができたか否かを確認する(ステップS703)。未応答電話着信に該当する着信相手側のメールアドレスを検索することができなく、送信宛先を決定することができなかった場合には(ステップS703のNO)、ユーザに対して送信宛先の決定操作が失敗したことを通知するために、例えばバイブレータ040を振動させて送信宛先の決定失敗の旨を通知し(ステップS710)、定型メール送信機能の処理を終了する。
これに対して、未応答電話着信に該当する着信相手側のメールアドレスを検索することができ、送信宛先を決定することができた場合は(ステップS703のYES)、決定した送信宛先を、定型メールの送信先のメールアドレスとして設定して送信宛先の選択動作を終了する(ステップS704)。
以降、図6のフローチャートと同様の動作を行う。すなわち、次に、決定した当該送信宛先に対して送信しようとする送信用メールを、記憶部012に登録されている定型メール110の複数の登録定型メールの中から選択する動作を開始する(ステップS705)、また、送信用メールの選択動作が開始され、ユーザに定型メール110の複数の登録定型メールの中から送信用メールを選択する操作を開始することを促す通知をユーザへ行うために、送信用メール選択開始通知として例えばバイブレータ040を振動させることによってユーザに通知する(ステップS706)。
送信用メール選択開始通知を受け取ったユーザは、図5のフローチャートにて説明したように、送信用メール選択用のキー(言い換えれば登録定型メール選択用のキーすなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押しすることによって、送信用メールの選択操作を行う(ステップS707)。つまり、送信宛先の選択操作の場合と同様、サイドキー031の押下時間の長さを示す単位時間の経過回数にて、定型メール110の複数の登録定型メールの第何番目かを管理する管理番号を指定し、指定した管理番号の登録定型メールを、ステップS702において検索した送信宛先に送信しようとする送信用メールとして選択する。
しかる後、送信用メール選択用のキー(すなわちメール選択キー)としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押し操作により送信用メールを正常に選択することができたか否かを確認する(ステップS708)。正常に選択することができなく、送信用メールを決定することができなかった場合には(ステップS708のNO)、ユーザに対して送信用メールの選択操作が失敗したことを通知するために、例えばバイブレータ040を振動させて操作失敗の旨を通知し(ステップS710)、定型メール送信機能の処理を終了する。
これに対して、送信用メールを正常に選択することができ、送信用メールを決定することができた場合は(ステップS708のYES)、ステップS702にて電話帳の中から検索した送信宛先とステップS707にて選択した送信用メール(登録定型メール)とを組み合わせた電子メールを送信メールとして作成し、作成した電子メールを、未応答電話着信の着信相手側のメールアドレスとして電話帳の中から検索した送信宛先に対して送信し(ステップS709)、定型メール送信機能の処理を終了する。ここで、場合によっては、ユーザに対して送信用メールの送信動作が完了したことを通知するために、例えばバイブレータ040を振動させてその旨を通知するようにしても良い。
以上のように、本第2の実施形態においては、電話着信に応答することができない状況が発生した場合、定型メールの送信用の宛先として、図4に示した定型メール宛先100に未登録の相手であっても、電話帳に登録されている相手であれば、容易に、未応答電話着信となった着信相手側(すなわち電話発信側)に対して、電話着信に未応答になった状況の連絡を定型メールとして行うことができる。また、本第2の実施形態においても、ユーザが携帯端末装置例えば携帯電話端末001をポケット等の中から取り出して操作することが不可能な状況にあったとしても、未応答の電話着信があった場合の当該未応答になった電話着信相手側のメールアドレスに対して定型メール送信機能用としてあらかじめ定めた特定のキー例えばサイドキー031を長押し操作するだけでメール送信を行うことが可能であるので、携帯端末装置例えば携帯電話端末001の表示部020の画面やキー操作部030を見ることなく、ユーザは簡便にメール送信を行うことができる。
なお、バイブレータ040の振動モード(振動回数や振動周波数や振動間隔等)は、第1の実施形態の場合と同様、ユーザが正しく理解することができるように、送信宛先の検索失敗の旨の通知、送信用メール選択開始通知、送信用メールの選択操作失敗の旨の通知等の各通知ごとに、それぞれ異なる値を用いることが望ましい。
また、図7に示したフローチャートにおいては、あらかじめ定めた定型メール送信機能の起動用の特定キー(すなわちメール送信起動キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)を、いずれも、サイドキー031という一つの同一のキーを用いる場合について説明したが、図6のフローチャートの場合と同様、それぞれのキーの配置位置を目で確認することなく手探りであっても確実に分かるような実装形態(例えば、携帯電話端末001の筐体の左右上下の側面部等にそれぞれを分離して配置する実装形態等)を採用している場合には、定型メール送信機能の起動用の特定キー(すなわちメール送信起動キー)、登録定型メール選択用の特定キー(すなわちメール選択キー)のそれぞれで異なるキーを用いるようにしても構わない。さらには、特定のキーとして、キー操作部030内のキー例えばサイドキー031のような押下操作を行うボタンを用いる場合について説明したが、かかる場合のみに限るものではなく、場合によっては、タッチパネルや静電容量パッド等の操作手段を用いるようにしても構わない。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。