JP5611136B2 - 太陽電池用バックシート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、本発明が解決しようとする課題はバックシートを構成するポリマー基材と各層間の密着性に優れ、塗布液のポットライフおよび工程汚染の少ない太陽電池用バックシート及びその製造方法を提供することにある。
すなわち、前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
[2] [1]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ポリマー基材が、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましい。
[3] [2]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
[4] [2]または[3]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ポリエステル系樹脂のカルボキシル基の含有量が30当量/t以下であることが好ましい。
[5] [2]または[3]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ポリエステル系樹脂のカルボキシル基の含有量が20当量/t以下であることが好ましい。
[6] [2]または[3]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ポリエステル系樹脂のカルボキシル基の含有量が15当量/t以下であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に対して、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートが0.1〜20質量%含まれることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が白色顔料を含むことが好ましい。
[9] [8]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる白色顔料が、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、カオリン、タルクのうち少なくともひとつから選ばれることが好ましい。
[10] [8]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる白色顔料が、二酸化チタンであることが好ましい。
[11] [9]または[10]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる二酸化チタン顔料が、分散材を用いて溶媒中に分散されていることが好ましい。
[12] [11]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる二酸化チタン顔料の分散材が、ポリビニルアルコールであることが好ましい。
[13] [1]〜[12]のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の厚みが1〜20μmであることが好ましい。
[14] [1]〜[13]のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、バインダーとしてシリコーン、フッ素系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
[15] [14]に記載の太陽電池用バックシートは、前記バインダーが、シリコーンまたはフッ素系ポリマーを含むことが好ましい。
[16] [1]〜[15]のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布して形成された層であることが好ましい。
[17] [16]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布し、180℃以下の温度で乾燥して形成されてなることが好ましい。
[18] [16]または[17]に記載の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液として、水性の分散液を用いることが好ましい。
[19] [1]〜[18]のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシートを備えた太陽電池モジュール。
[20] ポリマー基材上に、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布する工程を含む太陽電池用バックシートの製造方法。
[21] [20]に記載の太陽電池用バックシートの製造方法は、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布層を180℃以下の温度で乾燥する工程を含むことが好ましい。
[22] [20]または[21]に記載の太陽電池用バックシートの製造方法は、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液として、水性の分散液を用いることが好ましい。
本発明によれば、安定した発電効率を有する安価な太陽電池モジュールを提供することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本明細書中、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートのことを、以下、DMP BIとも言う。
本発明の太陽電池用バックシートは、ポリマー基材と、前記ポリマー基材上に設けられ、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層と、を有することを特徴とする。
ポリマー基材としては、ポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、又はポリフッ化ビニルなどのフッ素系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、コストや機械強度などの点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステル中のカルボキシル基含量は、重合触媒種、製膜条件(製膜温度や時間)により調整することが可能である。
さらに、必要に応じて180〜230℃で1〜60秒間の熱処理を行なったものでもよい。
特にポリエステル基材は、厚みが増すに伴って耐加水分解性が悪化し、長期使用時の耐久性が低下する傾向にあり、本発明においては、厚みが120μm以上300μm以下であって、かつポリエステル中のカルボキシル基含量が2〜35当量/tである場合に、より湿熱耐久性の向上効果が奏される。
これらの表面処理は、ポリマー基材(例えばポリエステル基材)表面にカルボキシル基や水酸基が増加することにより接着性が高められるが、架橋剤(特にカルボキシル基と反応性の高いオキサゾリン系もしくはカルボジイミド系の架橋剤)を併用した場合により強力な接着性が得られる。これは、コロナ処理による場合により顕著である。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層は、前記ポリマー基材上に設けられる層である。
(1−1)ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネート
本発明で用いることができるDMP BIとしては、その骨格に制限はなく、公知のDMP BIを用いることができる。前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートは、下記一般式(A)で表されることが好ましい。
一般式(A)中、ピラゾール環に置換する2個のメチル基の位置に特に制限はないが、本発明で用いることができるDMP BIは、3,5−ジメチルピラゾールでイソシアネートがブロックされていることが好ましい。
一般式(A)中、Rは置換または無置換のアルキル基であることが好ましい。前記アルキル基の有する置換基としては、例えばヘテロ環基が好ましい。また、Rはさらにその他のイソシアネート基やブロックされたイソシアネート基を有していてもよい。本発明で用いることができるDMP BIは、分子中にジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネート基を複数有していてもよく、2〜3個有していることが好ましく、3個有していることが特に好ましい。
一般式(A)中、RAで表される置換基としては特に制限はなく、アルキル基、ハロゲン原子などを挙げることができる。RAは水素原子であることがより好ましい。
また、ポリマー基材の両面にジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が積層された構成としてもよい。
ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層は、バインダーを含むことが好ましく、前記バインダーとしてシリコーン、フッ素系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種を含むことがより好ましく、シリコーンまたはフッ素系ポリマーであることが特にバック層に用いるときの耐候性の観点から好ましい。また,少なくとも一種類以上のバインダーが,イソシアネートと反応することにより,架橋構造を形成することが出来ることが好ましい。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層のバインダーとして好ましいシリコーンとしては、シリコーン構造単位(すなわち、シロキサン構造単位)とその他の非シロキサン系構造単位とを含むシリコーン系複合ポリマーを挙げることができる。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層は、分子中に下記一般式(1)で表される質量割合が15〜85質量%の(ポリ)シロキサン構造単位と質量割合が85〜15質量%の非シロキサン系構造単位とを含む複合ポリマーの少なくとも一種を含有することが好ましい。この複合ポリマーを含有することにより、支持体であるポリマー基材とジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層間との間の接着性、すなわち熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性を向上させることができる。また、前記複合ポリマーを含む構成により、ポリマー基材とジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層間の接着性が改善されるので、ポリマー基材に直に形成されるジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に前記複合ポリマーが含まれていることが好ましい。また、耐湿熱保存性を有するジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が形成されるため、複合ポリマーを含む場合は、外部環境に暴露される最外層、つまりバック層として用いることも好ましい。
ポリシロキサン部位の比率は、15質量%以上であるとポリマー基材との接着性及び湿熱環境下に曝された際の接着耐久性が優れ、85質量%以下であると液が安定になる。
なお、非シロキサン系構造単位を構成する重合体は、一種単独でもよいし、2種以上の併用であってもよい。
前記(ii)の方法で用いられるシラン化合物としては、各種シラン化合物が挙げられるが、アルコキシシラン化合物が特に好ましい。
また、前記(ii)の方法により複合ポリマーを調製する場合、例えば、前駆ポリマーとアルコキシシラン化合物の混合物に、水とシラノール縮合触媒を添加して、20〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50〜130℃で1〜20時間)加水分解縮合を行なうことにより調製することができる。
前記フッ素系ポリマーとは、−(CFX1−CX2X3)−で表される繰り返し単位を有するポリマーのことを言う(ただしX1、X2、X3は水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を示す。)。
これらの中でも、PTFE又はPCTFEを用いることが好ましい。
これらホモポリマーと共重合体の中でも、P(TFE/E)又はP(CTFE/VE)を用いることが好ましい。
また、前記フッ素系ポリマーは商業的に入手してもよく、例えば、オブリガートSW0011F(フッ素系バインダー、AGCコーテック(株)製)の他、ダイキン工業(株)製 ゼッフルなどを本発明では好ましく用いることができる。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層のバインダーとして好ましいアクリル樹脂の例としてジュリマーET−410、SEK−301(ともに日本純薬(株)製)を挙げることができる。アクリル樹脂としては、アクリルとシリコーンとの複合樹脂も上記のとおり好ましい。アクリルとシリコーンとの複合樹脂の例としてセラネートWSA1060、WSA1070(ともにDIC(株)製)、H7620、H7630、H7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)などを挙げることができる。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層のバインダーとして好ましいポリエステルとしては,水もしくは溶剤中に溶解,もしくは分散が可能なものが好ましい。ファインテックスEs650、Es2200(大日本インキ化学工業(株)製ポリエステル)、バイロナールMD1400、MD1480(東洋紡(株)製ポリエステル)などを挙げることが出来る。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層のバインダーとして好ましいポリオレフィン樹脂の主鎖骨格の種類としては、例えば、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−ブテン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、プロピレン−ブテン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体などが挙げられる。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層のバインダーとして好ましいポリビニルアルコールとしては、例えば(株)クラレ製PVA-103、PVA-105、PVA-203、PVA-205、PVA-217などを用いることが出来る。
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層には、主バインダーとしてPVAを添加する態様の他、PVAを添加剤として任意の主バインダーと組み合わせて用いることも好ましい。ここで、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを使用しない場合、PVAを主バインダーとして形成した膜は弱い。それに対して本発明では、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に白色顔料を添加し、該白色顔料の分散材としてPVAを用いることで、PVAとイソシアネートとの組み合わせにより架橋構造を形成して強固な膜を形成することができ、このような態様が特に好ましい。
本発明においては、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、前記複合ポリマーなどのバインダー間を架橋する架橋剤由来の構造部分を有していることが好ましい。つまり、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層は、複合ポリマーなどのバインダー間を架橋しうる架橋剤を用いて構成することができる。架橋剤で架橋されることにより、湿熱経時後の接着性、具体的には湿熱環境下に曝された場合のポリマー基材に対する接着、及び層間の接着をより向上させることができる。
また、オキサゾリン基を有する化合物として、エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS-500、同WS-700(いずれも日本触媒化学工業(株)製)等も利用できる。
ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層は、1層のみ設けられてもよいし、複数の層が形成されてもよい。
ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の1層の厚みとしては、通常は1〜20μmが好ましく、2μm〜15μmがより好ましく、4μm〜12μmの範囲が更に好ましく、5μm〜10μmの範囲が特に好ましい。ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の厚みが1μm、更には3μm以上であることで、湿熱環境下に曝されたときにポリマー層表面から内部に水分が浸透し難く、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層とポリマー基材との界面に水分が到達し難くなることで接着性が顕著に改善される。また、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の厚みが20μm以下、更には15μm以下であると、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層自身が脆弱になり難く、湿熱環境下に暴露したときにジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の破壊が生じにくくなることで接着性が改善される。
(3−1)バック層
本発明におけるジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層をバック層として構成する場合、前記複合ポリマーや、必要に応じて、さらに各種添加剤などの他の成分を含んで構成されてもよい。電池側基板(=太陽光が入射する側の透明基板(ガラス基板等)/太陽電池素子)/太陽電池用バックシートの積層構造を有する太陽電池において、バック層は支持体であるポリマー基材の前記電池側基板と対向する側と反対側に配される裏面保護層であり、1層構造でもよいし、2層以上を積層した構造であってもよい。さらに前記複合ポリマーを含むことが、ポリマー基材に対する接着や、バック層が2層以上からなる場合の層間における接着が良化するとともに、更には湿熱環境下での劣化耐性が得られる観点から好ましい。そのため、本発明におけるジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層であるバック層が、最外層として配置された形態が好ましい。
中でも、湿熱環境下における接着耐久性を改善する観点から、少なくとも、ポリマー基材と接するバック層(第1のバック層)が前記複合ポリマーと前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートの両方を有する層で構成されていることが好ましい。なお、この場合、ポリマー基材上の前記第1のバック層の更に上に設けられる第2のバック層は、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートや、前記一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位と非ポリシロキサン構造単位を含有する複合ポリマーを含まなくてもよいが、その場合は樹脂単独の空隙のない均一膜を形成してポリマーと顔料との間の空隙からの水分侵入を防ぎ、湿熱環境下での接着性を高める観点から、ポリシロキサンの単独重合体をも含まないことが好ましい。
本発明におけるジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層を着色層(好ましくは反射層)として構成する場合、前記複合ポリマーや、さらに顔料を含有する。着色層は、必要に応じて、さらに各種添加剤などの他の成分を含んで構成されてもよい。
着色層は、顔料の少なくとも一種を含有することができる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム,酸化セリウム,カオリン、タルク、群青、紺青、カーボンブラック等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料を、適宜選択して含有することができる。本発明の太陽電池用バックシートは、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が二酸化チタン顔料を含むことが好ましい。
本発明のジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層には、必要に応じて、界面活性剤、フィラー等を添加してもよい。
前記界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤を添加する場合、その添加量は0.1〜15mg/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜5mg/m2である。界面活性剤の添加量は、0.1mg/m2以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、15mg/m2以下であると、接着を良好に行なうことができる。
着色層に顔料として白色顔料を添加して反射層とする場合、着色層及び易接着性層が設けられている側の表面における550nmの光反射率は、75%以上であることが好ましい。なお、光反射率とは、易接着性層の表面から入射した光が反射層で反射して再び易接着性層から出射した光量の入射光量に対する比率である。ここでは、代表波長光として、波長550nmの光が用いられる。
光反射率が75%以上であると、セルを素通りして内部に入射した光を効果的にセルに戻すことができ、発電効率の向上効果が大きい。着色剤の含有量を2.5〜30g/m2の範囲で制御することにより、光反射率を75%以上に調整することができる。
本発明の太陽電池用バックシートは、ポリマー基材とジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層以外に他の機能層を有していてもよい。他の機能層として、下塗り層、易接着層などを設けることができる。
本発明の太陽電池用バックシートには、前記ポリマー基材(支持体)と前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層との間に下塗り層を設けてもよい。下塗り層の厚みは、厚み2μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.05μm〜2μmであり、更に好ましくは0.1μm〜1.5μmである。厚みが2μm以下であると、面状を良好に保つことができる。また、厚みが0.05μm以上であることにより、必要な接着性を確保しやすい。
塗布方法としては、例えばグラビアコーターやバーコーターを利用することができる。
塗布液に用いる溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、塗布は、2軸延伸した後のポリマー基材に塗布してもよいし、1軸延伸後のポリマー基材に塗布した後に初めの延伸と異なる方向に延伸する方法でもよい。さらに、延伸前の基材に塗布した後に2方向に延伸してもよい。
本発明の太陽電池用バックシートには、さらにDMP BIを実質的に含まない着色層(好ましくは反射層)が設けられてもよい。この場合、着色層(特に反射層)とポリマー基材との間にジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層を設けることにより好適に構成することができる。この場合の着色層は、前記複合ポリマー以外のポリマー成分と顔料とを少なくとも含み、必要に応じて、さらに各種添加剤などの他の成分を用いて構成することができる。
なお、顔料及び各種添加剤の詳細については、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が着色層として形成される場合について既述した通りである。複合ポリマー以外のポリマー成分については、特に制限はなく適宜目的等に応じて選択することができる。
本発明の太陽電池用バックシートには、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層(特に反射層)の上に、さらに易接着性層が設けられていてもよい。易接着性層は、バックシートを電池側基板(電池本体)の太陽電池素子(以下、発電素子ともいう)を封止する封止材と強固に接着するための層である。
易接着性層に好適なバインダーとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリオレフィン等が挙げられ、中でも耐久性の観点から、アクリル樹脂、ポリオレフィンが好ましい。また、アクリル樹脂として、アクリルとシリコーンとの複合樹脂も好ましい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。中でも、湿熱雰囲気に曝されたときの接着性の低下が小さい点で、酸化錫、シリカの微粒子が好ましい。
中でも、無機微粒子の含有量は、50〜300質量%の範囲が好ましい。
易接着性層に好適な架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。中でも、湿熱経時後の接着性を確保する観点から、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。オキサゾリン系架橋剤の具体例については、既述のポリマー層の項で説明した具体例と同様のものが挙げられる。
また、本発明の易接着性層は、着色層の効果を低減させないために、透明であることが必要である。
本発明の太陽電池用バックシートは、上記のように、ポリマー基材上に前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層を形成することができる方法であればいずれの方法により作製されてもよい。本発明においては、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布する工程を含む太陽電池用バックシートの製造方法(本発明の太陽電池用バックシートの製造方法)により好適に作製することができる。
なお、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液は、既述の塗布液である。ポリマー基材、及び各塗布液を構成する成分などの詳細については、既述の通りである。
塗布後は、所望の条件で乾燥を行なう乾燥工程が設けられてもよい。本発明の太陽電池用バックシートの製造方法では、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布層を180℃以下の温度で乾燥する工程を含むことが好ましい。160℃以下の温度で乾燥してもよい。このような低温でもジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートはブロック基が外れ、イソシアネートが再生する一方、ジメチルピラゾールは沸点が高いためにこのような低温で乾燥することでさらに工程汚染の少ない太陽電池用バックシートの製造方法とすることができる。ここで、本明細書中、乾燥温度は、塗布膜の温度そのものを指す。
本発明の太陽電池モジュールは、既述の本発明の太陽電池用バックシート、又は既述の太陽電池用バックシートの製造方法により製造された太陽電池用バックシートを設けて構成されている。本発明の好ましい形態として、本発明の太陽電池モジュール10は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子20を、太陽光が入射する透明性のフロント基板24と既述の本発明の太陽電池用バックシート12との間に配置し、該フロント基板24とバックシート12との間で太陽電池素子20をエチレン−ビニルアセテート系等の封止材22で封止、接着して構成されている。すなわち、フロント基板24とバックシート12との間に、太陽電池素子20及び前記太陽電池素子を封止する封止材22を有するセル構造部分が設けられている。本発明の太陽電池モジュール10は、本発明の太陽電池保護シート12のうち、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層(バック層)14のバインダーがシリコーンまたはフッ素系ポリマーである場合、バック層14は最外層に配置されていることが、耐候性の観点からより好ましい。また、本発明の太陽電池保護シート12は、前記封止剤22と、本発明の太陽電池保護シート12のポリマー基材16との間に反射層17および易接着層18を有していてもよい。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
また、以下において、体積平均粒子径は、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950〔(株)堀場製作所製〕を用いて測定した。
[合成例−1]:複合ポリマー水分散物P−1の合成
−工程1−
撹拌装置、滴下ロートを備え、窒素ガス置換した反応容器に、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル(PNP)81部、イソプロピルアルコール(IPA)360部、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)110部、及びジメチルジメトキシシラン(DMDMS)71部を仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら80℃に昇温した。
−工程2−
次いで、この反応容器内に同温度で、メチルメタクリレート(MMA)260部、n−ブチルメタクリレート(BMA)200部、n−ブチルアクリレート(BA)110部、アクリル酸(AA)30部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)19部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート31.5部(TBPO)、及びPNP31.5部からなる混合物を4時間かけて滴下した。その後、同温度で2.5時間加熱撹拌を行ない、重量平均分子量が29,300の、カルボキシル基と加水分解性シリル基を含むアクリル系ポリマーの溶液を得た。
−工程3−
次いで、これに脱イオン水54.8部を加え、16時間加熱撹拌を継続してアルコキシシランを加水分解し、さらにアクリル系ポリマーと縮合させることにより、不揮発分(NV)=56.3質量%、溶液酸価=22.3mgKOH/gの、カルボキシル基含有アクリル系ポリマーに由来する部位とポリシロキサン部位とを有する複合ポリマーの溶液を得た。
次に、この溶液に同温度で、撹拌しながらトリエチルアミン42部を添加して10分間撹拌を行なった。これにより、含有されるカルボキシル基の100%が中和された。
−工程5−
その後、同温度で脱イオン水1250.0部を1.5時間かけて滴下して転相乳化させた後、50℃に昇温して30分間撹拌を行なった。次いで、内温40℃で3.5時間をかけて、有機溶剤とともに水の一部分を減圧下除去した。こうして固形分濃度が42質量%、平均粒子径が110nmの、カルボキシル基含有アクリル系ポリマーに由来する部位とポリシロキサン部位とを含む複合ポリマーの水分散物P−1を得た。水分散物P−1は、ポリシロキサン部位が約25質量%であり、アクリル系ポリマー部分が約75質量%である。
<ポリマー基材の作製>
〜PET−1の作製〜
[工程1]−エステル化−
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール(日本触媒化学工業(株)製)45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行なった。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマー中においてコバルト元素換算値、マンガン元素換算値がそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマー中においてチタン元素換算値が5ppmとなるように添加した。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマー中においてリン元素換算値が5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行なった。
以上のように固相重合を経た後のペレットを、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸ベースを作製した。その後、90℃で縦方向に3倍に延伸し、更に120℃で横方向に3.3倍に延伸した。こうして、厚み300μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体(以下、「PET−1」と称する。)を得た。
PET−1のカルボキシル基含量は、14当量/tであった。
得られたポリマー基材PET−1の両面に下記の条件のコロナ処理による表面処理を施した。
[コロナ処理条件]
・装置:ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデル
・電極と誘電体ロ−ルギャップクリアランス:1.6mm
・処理周波数:9.6kHz
・処理速度:20m/分
・処理強度:0.375kV・A・分/m2
−顔料分散物の調製−
下記組成中の成分を混合し、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理を施した。
<顔料分散物の組成>
・二酸化チタン(体積平均粒子径=0.42μm)・・・39.9質量%
(タイペークR−780−2、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール ・・・8.0質量%
(PVA−105、(株)クラレ製、固形分:10質量%)
・界面活性剤 ・・・0.5質量%
(デモールEP、花王(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・51.6質量%
下記組成中の成分を混合し、反射層用塗布液1を調製した。
<塗布液1の組成>
・上記の顔料分散物 ・・・80.0部
・ポリアクリル樹脂水分散液 ・・・19.2部
(バインダー:ジュリマーET410、日本純薬(株)製、固形分:30質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・3.0部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤、H−1) ・・・2.0部
(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・7.8部
得られた反射層用塗布液1を、上記のPET−1上に塗布し、180℃で1分間乾燥させて、顔料層として、二酸化チタン量が6.5g/m2の白色層(反射層)を形成した。
−易接着性層塗布液の調製−
下記組成中の成分を混合し、易接着性層用塗布液を調製した。
<塗布液の組成>
・ポリオレフィン樹脂水分散液 ・・・5.2部
(バインダー:ケミパールS−75N、三井化学(株)製、固形分:24質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・7.8部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤、H−1) ・・・0.8部
(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%)
・シリカ微粒子水分散物 ・・・2.9部
(アエロジルOX−50、日本アエロジル(株)製、体積平均粒子径=0.15μm、固形分:10質量%)
・蒸留水 ・・・83.3部
得られた塗布液を、バインダー量が0.09g/m2になるように反射層の上に塗布し、180℃で1分間乾燥させて、易接着性層を形成した。
〜ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の形成〜
−バック層用の白色顔料含有塗布液1の調製−
下記組成中の成分を混合し、バック層用の白色顔料含有塗布液1を調製した。
<バック層用の白色顔料含有塗布液1の組成>
・複合ポリマー水分散物P−1 ・・45.9部
(シリコーン複合系バインダー、固形分濃度42質量%)
・下記DMP BI ・・・2.3部
(BI7986、Baxenden社製、固形分25質量%)
・カルボジイミド化合物(架橋剤、H−3) ・・・5.4部
(カルボジライトV−02−L2、日清紡績(株)製、固形分:25質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤、H−1) ・・・2.3部
(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・2.0部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・下記の白色顔料分散液 ・・・33.0部
・蒸留水 ・・・11.4部
下記組成中の成分を混合し、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理を施した。
<白色顔料分散液の組成>
・二酸化チタン(体積平均粒子径=0.42μm) ・・・39.9質量%
(タイペークR−780−2、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール ・・・8.0質量%
(PVA−105、(株)クラレ製、固形分:10質量%)
・界面活性剤 ・・・0.5質量%
(デモールEP、花王(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・51.6質量%
得られたバック層用の白色顔料含有塗布液1をPET−1の反射層及び易接着層が形成されていない側に、バインダー量がウェット塗布量で3.0g/m2になるように塗布し、155℃で1分間乾燥させて、乾燥厚み9μmのバック層を形成した。
実施例1において、バック層用の白色顔料含有塗布液の組成、乾燥厚み、塗布方式、乾燥温度を下記表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして、各実施例および各比較例のバックシートを作製した。
ここで、各実施例および比較例においてバック層用の白色顔料含有塗布液に用いたバインダーは以下のものである。
・フッ素:(AGCコーテック社製、商品名オブリガートSW0011F)
・アクリル:(ダイセルファインケム社製、商品名AS-565A)
・ポリエステル:(東洋紡社製、商品名MD-1500)
・ポリオレフィン:(三井化学社製、商品名ケミパールS-120)
・ポリウレタン:(三井化学社製、商品名 タケラックWS-4000)
・PVA:(クラレ社製、商品名PVA-105)
また、実施例4では、バック層用の白色顔料含有塗布液に用いた溶媒を、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよび蒸留水の水系から、アセトンの溶剤系に変更した。
比較例1および2で用いたMEKO BIは、メチルエチルケトンオキシムブロックイソシアネート,特開2009−294630に記載のBI−3である。
比較例3で用いたエマルジョン型イソシアネートは、旭化成ケミカルズ社製、商品名WB40−100である。
−ポットライフの評価−
上記のように作製した各実施例および比較例のバック層用の白色顔料含有塗布液のポットライフを以下の方法にしたがって、評価した。
塗布液を作製してから一定時間後に基材へ塗布,乾燥を行い,クロロホルムを用いてラビングテストを行って塗膜が剥離する回数を測定した。作製直後の塗布液を用いた場合から,ラビング回数が50%低下する時間をポットライフとした。
評価したポットライフをもとに以下の評価基準にしたがってランク付けした。
○:48時間以上。
△:12〜48時間。
×:12時間以下。
得られた結果を、下記表1に記載した。
上記のように作製した各実施例および比較例のバック層用の白色顔料含有塗布液を用いて、基材フィルム上に塗布し、乾燥したときの工程汚染を以下の方法にしたがって、評価した。
乾燥時の乾燥風をドライアイス/メタノールを用いたトラップを通過させ,トラップにて回収した液体に含まれるブロック剤の量を、液体クロマトグラフィーを用いて定量化し,塗布液中に含まれるブロック剤の全量に対する割合を算出した。
評価した工程汚染をもとに以下の評価基準にしたがってランク付けした。
○:20%以下。
△: 20〜50%。
×:50%以上。
得られた結果を、下記表1に記載した。
上記の実施例及び比較例で作製されたバックシートについて、下記の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
バックシートのバック層表面に片刃のカミソリで縦横それぞれ6本ずつの傷をつけ、25マスのマス目を形成した。この上にマイラーテープ(ポリエステルテープ)を貼り付け、手動で試料表面に沿って180°方向に引っ張って剥離した。このとき、剥離されたマス目の数によって、バック層の接着力を下記の評価基準にしたがってランク分けした。評価ランク3、4、5が、実用上許容可能な範囲であり、評価ランク4、5が、実用上好ましい範囲である。
<評価基準>
5:剥離したマス目はなかった(0マス)。
4:剥離したマス目が0マスから0.5マス未満であった。
3:剥離したマス目が0.5マス以上2マス未満であった。
2:剥離したマス目が2マス以上10マス未満であった。
1:剥離したマス目が10マス以上であった。
上記のように作製したバックシートの反射率を以下の方法にしたがって、測定した。
分光光度計UV−2450((株)島津製作所製)に積分球付属装置ISR−2200を取り付けた装置を用い、各実施例および比較例のバックシートの白色顔料を含むバック層側の面について、550nmの光に対する反射率を測定した。但し、リファレンスとして硫酸バリウム標準板の反射率を測定し、これを100%としてサンプルシートの反射率を算出した。
測定した反射率をもとに以下の評価基準にしたがってランク付けした。
5: 90%以上。
4: 87%以上90%未満。
3: 85%以上87%未満。
2: 82%以上85%未満。
1: 80%以上82%未満。
なお、反射率をバックシートに求める場合には、評価ランク4、5が、実用上好ましい範囲である。但し、本発明は反射率のランクによって限定されるものではない。
これに対し、各比較例では、塗布液のポットライフと洗浄性および太陽電池用バックシートのバック層とポリマー基材との間の密着性のうちいずれかに不満が残る太陽電池用バックシートが得られた。
なお、バック層に白色顔料を含み、バック層の膜厚が1μm以上である本発明の好ましい態様である実施例のバックシートは、反射率の評価も良好であった。
[太陽電池モジュールの作製]
厚さ3mmの強化ガラスと、EVAシート(三井化学ファブロ(株)製のSC50B)と、結晶系太陽電池セルと、EVAシート(三井化学ファブロ(株)製のSC50B)と、実施例1〜13で作製したバックシートの試料とをこの順に重ね合わせ、真空ラミネータ(日清紡(株)製、真空ラミネート機)を用いてホットプレスすることにより、EVAと接着させた。このとき、各実施例で作製したバックシートを、その易接着性層がEVAシートと接触するように配置した。また、接着方法は、以下の通りである。
このようにして、実施例101〜113の結晶系の太陽電池モジュールを作製した。作製した太陽電池モジュールを発電運転したところ、太陽電池として良好な発電性能を示した。
<接着方法>
真空ラミネータを用いて、128℃で3分間の真空引き後、2分間加圧して仮接着した。その後、ドライオーブンにて150℃で30分間、本接着処理を施した。
12 バックシート(本発明の太陽電池用バックシート)
14 ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層(バック層)
16 PET支持体
17 反射層
18 易接着層
20 太陽電池素子
22 封止材
24 透明性のフロント基板
Claims (22)
- ポリマー基材と、
前記ポリマー基材上に設けられ、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層と、
太陽電池素子の封止材と接着するための易接着性層とを有し、
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層、前記ポリマー基材および前記易接着層をこの順で有する太陽電池用バックシート。 - 前記ポリマー基材が、ポリエステル系樹脂を含む請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートである請求項2に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ポリエステル系樹脂のカルボキシル基の含有量が30当量/t以下である請求項2または3に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ポリエステル系樹脂のカルボキシル基の含有量が20当量/t以下である請求項2または3に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ポリエステル系樹脂のカルボキシル基の含有量が15当量/t以下である請求項2または3に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に対して、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートが0.1〜20質量%含まれる請求項1〜6のいずれか以降に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が白色顔料を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる白色顔料が、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、カオリン、タルクのうち少なくともひとつから選ばれる請求項8に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる白色顔料が、二酸化チタンである請求項8に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる二酸化チタン顔料が、分散材を用いて溶媒中に分散されていることを特徴とする請求項9または10に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層に含まれる二酸化チタン顔料の分散材が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項11に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層の厚みが1〜20μmである請求項1〜12のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、バインダーとしてシリコーン、フッ素系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種を含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記バインダーが、シリコーンまたはフッ素系ポリマーを含む請求項14に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布して形成された層である請求項1〜15のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層が、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布し、180℃以下の温度で乾燥して形成されてなる、請求項16に記載の太陽電池用バックシート。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液として、水性の分散液を用いる請求項16または17に記載の太陽電池用バックシート。
- 請求項1〜請求項18のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシートを備えた太陽電池モジュール。
- ポリマー基材上に、前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液を塗布する工程を含む太陽電池用バックシートの製造方法であって、
前記太陽電池用バックシートは太陽電池素子の封止材と接着するための易接着性層を有し、
前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する層、前記ポリマー基材および前記易接着層をこの順で有する太陽電池用バックシートの製造方法。 - 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布層を180℃以下の温度で乾燥する工程を含む請求項20に記載の太陽電池用バックシートの製造方法。
- 前記ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートを有する塗布液として、水性の分散液を用いる請求項20または21に記載の太陽電池用バックシートの製造方法。
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