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JP5595068B2 - セメント組成物及びその硬化体 - Google Patents

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JP5595068B2 JP2010041872A JP2010041872A JP5595068B2 JP 5595068 B2 JP5595068 B2 JP 5595068B2 JP 2010041872 A JP2010041872 A JP 2010041872A JP 2010041872 A JP2010041872 A JP 2010041872A JP 5595068 B2 JP5595068 B2 JP 5595068B2
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Description

本発明は、セメント組成物及びその硬化体に関するものである。
近年、土地のより一層の有効活用の観点から、建築物の超高層化もしくは大規模化の傾向は、ますます顕著になってきている。このような超高層のもしくは大規模な建築物を実現するために、従来より、60N/mm2以上の圧縮強度を発現するような高強度セメント系硬化体(例えば、高強度コンクリート、高強度モルタル等)が提案されている。
例えば、特許文献1には、鉱物相としてC2Sを60〜100重量%含有し、C2Sがα相、α’相及びβ相のうちの少なくとも一つの相からなり、且つ間隙質の量がC4AF又はC2Fの単独化合物又はこれらの混合物として計算して0〜20重量%である、C2Sを主成分とするクリンカーに、セッコウを添加して調製されるセメントに、それぞれ内割で0〜40重量%の早強型セメント(普通セメント、早強セメントもしくは超早強セメント)又はフライアッシュを混合して調製される高強度コンクリート用セメント組成物を使用することにより、材齢28日において900kgf/cm2程度(90N/mm2程度)の圧縮強度を有する高強度コンクリートが得られることが記載されている。
また、特許文献2には、セメント、シリカフューム、石炭ガス化フライアッシュ、石膏、及び金属繊維を含有し、かつ、シリカフュームと石炭ガス化フライアッシュの割合が質量比で95〜50部:5〜50部であるセメント組成物を使用することにより、蒸気養生(80℃)後、190N/mm2程度の圧縮強度を有する高強度モルタルが得られることが記載されている。
ところで、一般に、高強度セメント系硬化体を製造するために、セメントの配合割合を増大させ、かつ、高性能減水剤等の減水剤を使用して、水/セメント比を減少させることが行われている。例えば、上記特許文献1で製造される高強度コンクリートの水/セメント比は、0.25である。また、特許文献2の実施例1で製造される高強度モルタルの水/セメント比は、0.19である。このように水/セメント比が小さい高強度セメント系硬化体では、自己収縮が大きいという問題がある。
ここで、コンクリートの打設後の体積変化には、乾燥収縮と自己収縮がある。乾燥収縮とは、乾燥によりコンクリート中の含水率が小さくなることで生じる変形をいう。自己収縮とは、セメントの水和により生じる体積減少をいう。
自己収縮が大きいセメント系硬化体を、例えば鉄筋コンクリート部材に用いた場合、鉄筋の拘束などによってひび割れが発生し、鉄筋の腐食を助長するなど耐久性の低下を招いたり、部材の変形を大きくするなどの不具合を生じる可能性があることが指摘されている。
このような事情下で、高い圧縮強度を発現し、かつ自己収縮ひずみを低減することのできるコンクリート組成物が提案されている。
一例として、(A)セメントと、(B)シリカフュームと、(C)3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、3CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、及びCaO−間隙物質系組成物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組成物を含み、かつCaOの含有割合が50〜92質量%であるクリンカ組成物、及び石膏を含み、ブレーン比表面積が4,000〜7,000cm/gである膨張性混和材と、を含有することを特徴とするコンクリート組成物が提案されている(特許文献3)。
特開平6−48788号公報 特開2006−298679号公報 特開2008−266132号公報
上述の特許文献3に記載された技術では、シリカフュームと特定の膨張性混和材を併用することによって、高い圧縮強度の発現と自己収縮ひずみの低減を達成している。
しかし、高強度セメント系硬化体の品質の向上のために、自己収縮ひずみの更なる低減が求められている。
そこで、本発明の目的は、自己収縮が小さい高強度セメント系硬化体、及び、該硬化体を得るためのセメント組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のセメント用自己収縮低減剤と、特定の膨張材を併用し、かつ、セメントと膨張材の合計量に対する水の配合比を特定の範囲内とすることによって、高強度セメント系硬化体の自己収縮を大幅に低減させうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
[1] セメントと、下記一般式(1)で示されるオキシアルキレン化合物からなるセメント用自己収縮低減剤と、膨張材と、減水剤と、骨材と、水を含み、前記膨張材が、3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、3CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、及びCaO−間隙物質系組成物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組成物を含み、かつCaOの含有割合が50〜92質量%であるクリンカ組成物、及び石膏を含み、ブレーン比表面積が4,000〜7,000cm/gである膨張材であり、前記セメント及び前記膨張材の合計量(100質量%)に対する前記水の配合比が13〜15質量%であることを特徴とするセメント組成物。
RO−[(EO)/(PO)]−H ・・・(1)
[式(1)中、Rは炭素数8〜14のアルキル基を表す。EOはオキシエチレン基を、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)/(PO)]全体としてはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの単独付加、またはこれらを併用する場合はブロック状もしくはランダム状の付加を表す。mはエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、0〜10の整数であり、nはプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、0〜5の整数である。但し、mとnの合計は1〜10の整数である。]
] 前記セメント組成物1m中に前記膨張材が10〜60kg含まれている前記[1]に記載のセメント組成物。
] 前記[1]または[2]に記載のセメント組成物の硬化体。
本発明によれば、水/セメント比が小さくても、自己収縮が小さいため、例えば鉄筋コンクリート部材の用途に用いた場合、鉄筋の拘束などによってひび割れが発生して、鉄筋腐食など耐久性の低下を招いたり、部材の変形を大きくするなどの不具合を生じる可能性を低下させることができる。
セメント組成物の硬化過程における温度履歴を示すグラフである。
本発明で用いられるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、エコセメント、高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメントや、シリカフューム、石灰石粉末、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等の無機粉末の1種または複数種をポルトランドセメントと混合してなるセメント等を使用することができる。
本発明で用いられるセメント用自己収縮低減剤は、下記一般式(1)で示されるオキシアルキレン化合物からなる。
RO−[(EO)/(PO)]−H ・・・(1)
[式(1)中、Rは炭素数8〜14のアルキル基を表す。EOはオキシエチレン基を、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)/(PO)]全体としてはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの単独付加、またはこれらを併用する場合はブロック状もしくはランダム状の付加を表す。mはエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、0〜10の整数であり、nはプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、0〜5の整数である。但し、mとnの合計は1〜10の整数である。]
なお、式(1)中の[(EO)/(PO)]において、ブロック状の付加の場合、「(EO)」と「(PO)」の順序などは、特に限定されず、任意の形態をとることができる。
一般式(1)におけるRは、炭素数8〜14のアルキル基であり、具体的には、直鎖または分岐のオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基及びデトラデシル基等が挙げられる。
これらのうち、自己収縮低減効果の観点から、分岐のアルキル基が好ましく、具体的にはイソオクチル基、2−オクチル基、4−メチル−4−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、イソノニル基、2−ノニル基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、イソデシル基、2−デシル基、イソウンデシル基、2−ウンデシル基、2−ラウリル基、イソラウリル基、2−トリデシル基、イソトリデシル基、2−テトラデシル基、イソテトラデシル基などが挙げられる。
より好ましいのは炭素数8〜12の分岐のアルキル基であり、具体的にはイソオクチル基、2−オクチル基、4−メチル−4−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、イソノニル基、2−ノニル基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、イソデシル基、2−デシル基などが挙げられる。さらに好ましいのは炭素数8〜10の分岐のアルキル基であり、最も好ましいのは、2−エチル−1−ヘキシル基とイソデシル基である。
一般式(1)におけるEOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表す。
[(EO)/(PO)]全体としては、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの単独付加、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドを併用する場合はブロック状もしくはランダム状の付加を表す。
mはエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、通常1〜10、好ましくは2〜5の整数である。この範囲内であると自己収縮低減効果が良好になる。
nはプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、通常0〜5、好ましくは0〜3の整数である。この範囲内であると自己収縮低減効果が良好になる。
但し、mとnの合計は、1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数、さらに好ましくは3〜7の整数である。この範囲内であると収縮低減効果がさらに良好となる。
また、オキシエチレン基(EO)の含有率を表すm/(n+m)は、後に説明するHLBを好ましい範囲に調整するために、0.5〜1.0が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.0、最も好ましくは0.9〜1.0である。
本発明のオキシアルキレン化合物において、さらに分子量分布の指標である重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が下記の関係式(2)を満たすことにより、モルタルまたはコンクリートの流動性に与える悪影響を抑制できることから、オキシアルキレン化合物の無添加時とほぼ同等の作業性を維持することができる。
なお、本発明において、MwとMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算値を意味する。
Mw/Mn≦1.520×e(−0.030×N) ・・・(2)
ここで、Nは、化学式(1)中のRのアルキル基の炭素数を表す。
なお、関係式(2)が成立するのは、一般式(1)におけるRの炭素数Nが8〜14の場合に限定される。
重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が関係式(2)を満足するような分子量分布が狭いオキシアルキレン化合物は、米国特許第4,112,231号明細書や特開2001−11489号公報に示された過ハロゲン酸(塩)、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩など分子量分布を狭くする効果の高い触媒の存在下で、脂肪族系アルコールとアルキレンオキサイドの付加反応を行うことで得られる。
また、分子量分布を持つオキシアルキレン化合物を蒸留することにより得られる低分子のオキシアルキレン化合物および低分子のオキシアルキレン化合物を取り除いた残渣を用いることも、分子量分布を狭くする方法として有効である。尚、分子量分布を持つオキシアルキレン化合物は、先に挙げた分子量分布を狭くする効果の高い触媒を用いても良いし、分子量分布が広くなる水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いても良い。
本発明のセメント用自己収縮低減剤は、アルキル基の種類が異なる複数種のオキシアルキレン化合物を用いてもよい。このような複数種のオキシアルキレン化合物は、アルキル基の異なる2種以上のオキシアルキレン化合物を上記の方法に基づき別々に合成した後、個々の成分を配合して得てもよいし、アルキル基の異なる2種以上の脂肪族系アルコールの混合物にアルキレンオキサイドを付加することにより得てもよい。
本発明で用いるセメント用自己収縮低減剤を添加したセメント組成物の硬化体の内部への水の浸透しやすさの尺度として、セメント用自己収縮低減剤水溶液のモルタルに対する接触角を使用することができる。
モルタルに対するセメント用自己収縮低減剤の5%水溶液の接触角は、小さい方が好ましく、具体的には10°以下であることが好ましく、更に好ましくは5°以下である。
なお、本明細書において、特に断らない限り、「%」は、質量%を表す。
前記の接触角は、「JISR5201:1997の付属書2セメントの試験方法−強さの測定」の記載に基づいて成形したモルタル供試体(成形後28日以上経過したもの)に対する自己収縮低減剤の5%水溶液の接触角(25℃、2秒後)を、全自動接触角計(協和界面化学社製:DM700)を用いて測定される。
本発明で用いるセメント用自己収縮低減剤が水溶液の接触角や表面張力を低下させる効果を発現するには、セメント用自己収縮低減剤が水溶性であることが好ましい。従って、自己収縮低減剤のHLBは、8.0〜15.0が好ましく、さらに好ましくは8.0〜13.0、特に好ましくは9.0〜12.0である。
ここでのHLBは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工学図書(株)〕や「新界面活性剤入門」〔1996年、藤本武彦著]132頁と197〜199頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
そして、HLBを導き出すための有機性値及び無機性値については「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年、三共出版(株)]や「新界面活性剤入門」〔1996年、藤本武彦著]198頁に記載の表の値を用いて算出できる。
本発明において、セメント用自己収縮低減剤の配合量は、セメント100質量部に対して、0.05〜3質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましく、0.15〜1質量部が更に好ましい。
セメント用自己収縮低減剤の配合量が前記範囲より少ないと、硬化体の収縮量を小さくすることが困難となる。セメント用自己収縮低減剤の配合量が前記範囲より多いと、薬剤コストが増大したり、凝結遅延を引き起こす等の問題が生じることがある。
本発明で用いる膨張材(膨張性混和材)は、3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、3CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、及びCaO−間隙物質系組成物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組成物を含み、かつCaOの含有割合が50〜92質量%であるクリンカ組成物、及び石膏を含み、ブレーン比表面積が4,000〜7,000cm/gである膨張材(上述の特許文献3に記載されたもの)である。
以下、この膨張材について詳しく説明する。
前記膨張材において、「3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物」とは、0.5質量%以上のエーライト(3CaO・SiO)と、0.5質量%以上のビーライト(2CaO・SiO)と、CaO結晶と、間隙物質とを含有する組成物をいう。
「3CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物」とは、0.5質量%以上のエーライト(3CaO・SiO)と、CaO結晶と、間隙物質とを含有し、ビーライト(2CaO・SiO)の含有率が0.5質量%未満の組成物をいう。
「2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物」とは、0.5質量%以上のビーライト(2CaO・SiO)と、CaO結晶と、間隙物質とを含有し、エーライト(3CaO・SiO)の含有率が0.5質量%未満の組成物をいう。
「CaO−間隙物質系組成物」とは、CaO結晶と間隙物質とを含有し、エーライト(3CaO・SiO)とビーライト(2CaO・SiO)の含有率がともに0.5質量%未満のものをいう。
前記膨張材中のクリンカ組成物に含まれる間隙物質は、セメントクリンカ鉱物中のエーライト(3CaO・SiO)やビーライト(2CaO・SiO)の間を埋める鉱物に類するものである。このような間隙物質としては、例えば、2CaO・Fe等のカルシウムフェライト鉱物;3CaO・Al等のカルシウムアルミネート鉱物;6CaO・Al・Fe、4CaO・Al・Fe、6CaO・2Al・Fe等のカルシウムアルミノフェライト鉱物等が挙げられる。
前記膨張材において、クリンカ組成物中のCaOの含有割合は、クリンカ組成物の全質量に対して50〜92質量%である。CaOの含有割合が50質量%未満であると、早期に強度を発現するのが困難となるおそれがあり、92質量%を超えると、相対的に間隙物質の含有量が減少し、硬化体の収縮を抑制するのが困難になるおそれがある。
前記膨張材は、前記クリンカ組成物100質量部に対して石膏5〜50質量部を含むことが好ましい。石膏の含有量が該数値範囲内であれば、生成されたエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)により、硬化体の収縮を効果的に抑制することができる。このような、石膏を含む膨張材の市販品の例としては、「太平洋N−EX」(太平洋マテリアル社製)等が挙げられる。
前記膨張材は、さらに生石灰を含むことが好ましい。この場合、生石灰が水和反応に伴って膨張するため、硬化体の収縮をさらに抑制することができる。また、この場合、前記膨張材は、前記クリンカ組成物と生石灰との合計100質量部中、前記クリンカ組成物を20質量部以上含むものであり、かつ前記クリンカ組成物と生石灰との合計100質量部に対して、石膏5〜50質量部を含むことが好ましい。
前記膨張材のブレーン比表面積は、4,000〜7,000cm/g、好ましくは4,200〜6,000cm/gである。該値が4,000cm/g未満であると、硬化体の異常膨張が生じるおそれがある。該値が7,000cm/gを超えると、製造コストが増大するほか、流動性や施工性の低下を引き起こすことがある。
前記膨張材は、上述の特許文献3(特開2008−266132号公報)に記載された方法によって製造することができる。
セメント組成物1m中の膨張材の配合量は、好ましくは10〜60kg、より好ましくは15〜50kgである。該量が上記範囲内であれば、高強度を維持しつつ、自己収縮ひずみをより低減させることができる。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラニン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。
骨材としては、細骨材のみ、又は細骨材と粗骨材を使用することができる。
細骨材としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、各種軽量細骨材、各種スラグ細骨材、再生細骨材またはこれらの混合物等を使用することができる。粗骨材としては、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、各種軽量粗骨材、各種スラグ粗骨材、再生粗骨材またはこれらの混合物等を使用することができる。
水としては、水道水等を使用することができる。
本発明において、セメント及び膨張材の合計量(100質量%)に対する水の配合比は、13〜15質量%である。
本発明においては、ブレーン比表面積が4,000〜10,000cm2/gの無機粉末、及び/又は、BET比表面積が2〜25m2/gの無機微粉末を使用することができる。
本発明において、圧縮強度が100N/mm2以上の高強度セメント系硬化体を製造する場合、該無機粉末等を使用することが好ましい。
ブレーン比表面積が4,000〜10,000cm2/gの無機粉末としては、セメント以外の無機粉末、例えば、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、フライアッシュ、石灰石粉末、石英粉末は、コストの点や硬化後の品質安定性の点で好ましく用いられる。
BET比表面積が2〜25m2/gの無機微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ微粉末、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ、石灰石微粉末等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストは、そのBET比表面積が5〜25m2/gであり、粉砕等をする必要がないので、本発明で用いる微粉末として好適である。また、被粉砕性や流動性等の観点から、石灰石微粉末も好適である。
ブレーン比表面積が4,000〜10,000cm2/gの無機粉末の配合量は、ポルトランドセメント100質量部に対して60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。配合量が60質量部を超えると、流動性や施工性、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下することがある。該無機粉末の配合量は、セメント100質量部に対して5質量部以上が好ましく、より好ましくは7質量部以上である。配合量を5質量部以上とすれば、流動性の向上や硬化後の強度や耐久性等の向上効果を高めることができる。
BET比表面積が2〜25m2/gの無機微粉末の配合量は、ポルトランドセメント100質量部に対して35質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。配合量が35質量部を超えると、流動性を得るための水量が多くなるため、硬化後の強度等が低下することがある。無機微粉末の配合量は、セメント100質量部に対して1質量部以上が好ましく、より好ましくは3質量部以上である。無機微粉末の配合量を1質量部以上とすれば、硬化後の強度や耐久性等の向上効果を高めることができる。
セメント組成物(配合物)の混練方法は、特に限定されるものではない。
また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。
養生方法も特に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
以下の材料を使用した。
(1)セメント:太平洋セメント社製のシリカフュームプレミックスセメント(商品名:SFPC、密度:3.07g/cm
(2)自己収縮低減剤A(本発明で規定する自己収縮低減剤に該当しないもの):n−ブタノールのプロピレンオキサイド2モル、エチレンオキサイド2モル付加物(太平洋マテリアル社製、商品名:テトラガードAS21)
(3)自己収縮低減剤B(本発明で規定する自己収縮低減剤に該当するもの):2−エチル−1−ヘキサノールのエチレンオキサイド3.5モル付加物
(4)膨張材:太平洋マテリアル社製の石灰系膨張材(商品名:太平洋N−EX、密度:3.19g/cm、ブレーン比表面積:4,920cm/g)
(5)減水剤:BASFポゾリス社製のポリカルボン酸系高性能減水剤(商品名:レオビルドSP−8HU)
(6)細骨材:山砂(表乾密度:2.56g/cm
(7)粗骨材:硬質砂岩砕石(表乾密度:2.64g/cm、実績率:60%)
(8)水:水道水
[実施例1]
表1に示された配合割合に従って、各材料を二軸練りミキサに投入し混練して、セメント組成物を得た。
[比較例1〜5]
表1に示された配合割合に従って、実施例1と同様にしてセメント組成物を得た(比較例1〜5)。
[スランプフローおよび空気量の測定]
得られたフレッシュコンクリート(実施例1、比較例1〜5)について、JIS−A1150に基づいてスランプフロー試験を行った。また、空気量の測定をJIS−A1128に準じて行った。
結果を表1に示す。
Figure 0005595068
[自己収縮のひずみの測定]
フレッシュコンクリート(実施例1、比較例1〜5)を材料として、JCI自己収縮研究委員会及びJCI超流動研究委員会の方法に準拠して、20℃環境下にて内部に埋め込みひずみ計(KM−100BT、東京測器研究所社製)を配置した100×100×400mmの供試体を2本作製し、図1で示すような最高温度90℃の温度履歴(実際の施工における温度変化を模したもの;材齢7日以降は20℃に維持した。)を与え、凝結始発時以降のひずみを計測した。
なお、養生は、接水時間から24時間経過するまで型枠内で湿潤養生を行った後、脱型し、アルミ箔粘着テープを供試体前面に貼り付けて封緘養生を行うことにより行った。
材齢28日における自己収縮のひずみと収縮低減量の結果を表2に示す。
Figure 0005595068
表2から、自己収縮低減剤Bと膨張材を併用した実施例1における収縮低減量(487×10−6)は、自己収縮低減剤Bのみを用いた比較例2における収縮低減量(282×10−6)と、膨張材のみを用いた比較例4における収縮低減量(105×10−6)との和(387×10−6)よりも非常に大きく、相乗的な効果が得られることがわかる。
一方、自己収縮低減剤Aを用いた場合には、自己収縮低減剤Aと膨張材の併用による相乗的な効果がほとんど得られないことがわかる(比較例3〜5)。

Claims (3)

  1. セメントと、下記一般式(1)で示されるオキシアルキレン化合物からなるセメント用自己収縮低減剤と、膨張材と、減水剤と、骨材と、水を含み、
    前記膨張材が、3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、3CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、2CaO・SiO−CaO−間隙物質系組成物、及びCaO−間隙物質系組成物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組成物を含み、かつCaOの含有割合が50〜92質量%であるクリンカ組成物、及び石膏を含み、ブレーン比表面積が4,000〜7,000cm/gである膨張材であり、
    前記セメント及び前記膨張材の合計量(100質量%)に対する前記水の配合比が13〜15質量%であることを特徴とするセメント組成物。
    RO−[(EO)/(PO)]−H・・・(1)
    [式(1)中、Rは炭素数8〜14のアルキル基を表す。EOはオキシエチレン基を、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)/(PO)]全体としてはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの単独付加、またはこれらを併用する場合はブロック状もしくはランダム状の付加を表す。mはエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、0〜10の整数であり、nはプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、0〜5の整数である。但し、mとnの合計は1〜10の整数である。]
  2. 前記セメント組成物1m中に前記膨張材が10〜60kg含まれている請求項に記載のセメント組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のセメント組成物の硬化体。
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