JP5579789B2 - 茶抽出物、茶飲料及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献8には、煎茶(緑茶)にプロトペクチナーゼ及びプロテアーゼを添加混合し、これを抽出処理し得られた抽出液が風味に優れたものであることが記載され、さらに、プロテアーゼが茶葉中の蛋白質を分解して、アミノ酸を生成させ、アミノ酸の風味により、抽出液の苦味、渋みなどを低減させる働きをすることも記載されている。
(1)次の工程、
1.茶葉のカテキン類の少なくとも一部を除去する工程;及び
2.上記カテキンが除去された茶葉を酵素抽出して酵素抽出液を得る工程;
を含む、アミノ酸を高濃度に含有する茶抽出物の製造方法。
(2)カテキン類を除去する工程が、60℃以上の水性溶媒で抽出した高温抽出液の除去である、上記(1)に記載の茶抽出物の製造方法。
(3)さらに、次の工程、
3.前記酵素抽出液にテアニンを混合してテアニン高含有茶抽出物を得る工程;
を含む、上記(1)または(2)に記載の茶抽出物の製造方法。
(4)テアニンが、茶葉を40℃以下の溶媒で抽出して得られる茶葉の低温抽出物として添加されたものである、上記(3)に記載の茶抽出物の製造方法。
(5)カテキン類を除去する茶葉が、前記低温抽出液を抽出した後の抽出残渣である、上記(4)に記載の茶抽出物の製造方法。
本発明の茶抽出物は、旨味・コク味成分であるアミノ酸を高濃度に含有し、苦味・渋味成分であるカテキン類を低減させた茶抽出物である。本明細書でいう「茶抽出物」とは、茶葉に溶媒、特に水性溶媒を接触させて得られる茶葉の溶媒抽出物のことである。本発明の茶抽出物は、そのままで茶飲料として利用してもよいが、通常、茶飲料よりも濃く、すなわち可溶性固形分が多い抽出物(本明細書中、茶エキスとも表記する)として製造されるものであり、水又は茶飲料等の飲食物に添加して風味増強剤として用いられるものである。ここで、本発明の茶抽出物が液体の場合、そのBrixは、通常0.1〜20%程度である。本発明の茶抽出物は、上記液体状の茶抽出物を常法によりパウダー化して粉体状としてもよい。
(茶抽出物の製造方法)
本発明のアミノ酸を高濃度に含有しカテキン類が除去された茶抽出物の製造方法は、上記の特定範囲のアミノ酸及びカテキン類を含有しうる方法であれば、特に制限されない。例えば、ア)アミノ酸が高濃度に抽出される茶葉の低温抽出液から、公知の方法(例えば樹脂吸着)によりカテキン類を除去する方法、イ)緑茶葉に5〜50%、好ましくは10〜30%程度の塩酸を加え、高温(約80℃)で浸漬することにより、茶葉中のタンパク質を加水分解してアミノ酸を生成させるとともに、カテキン類を沈殿除去させることにより、アミノ酸を高濃度に含有し、カテキン類が低減された茶抽出物を得る方法(酸処理法)等が挙げられる。しかし、ア)の方法では効率が悪く、イ)の酸処理法で得られる茶抽出物は、多量の酸が含まれるため中和剤の添加が必要であり、その結果、多量の塩が生成されるために香味的に好ましくないという問題がある。本発明者らは、上記本発明の茶抽出物を得る方法として、茶葉からカテキン類の少なくとも一部を除去した後、この茶葉を酵素抽出することにより、本発明のアミノ酸を高濃度に含有しカテキン類が除去された茶抽出物(酵素抽出液)で、塩などの本来茶葉に含まれていない成分を含有しない香味的に優れた茶抽出物を、簡便に得ることができることを見出した。この製造方法では、茶葉からカテキン類の少なくとも一部を除去することで、この茶葉を酵素処理する際に、酵素の作用を高めることができ、その結果、よりアミノ酸を高濃度に含有しカテキン類を低減させることができると考えられる。
(第1工程:カテキン類を除去する工程)
上記したとおり、本発明の茶抽出物の製造方法では、まず茶葉からカテキン類を除去することを特徴とする。ここで、本明細書におけるカテキン類とは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレートおよびエピガロカテキンガレートの総称を表す。
が例示される。
上記の高温抽出液を得る際の溶媒は、水性溶媒であればよく、蒸留水、イオン交換水、含水アルコール等を用いることができるが、アルコールの沸点を考慮すると蒸留水やイオン交換水を用いるのが好ましい。
(第2工程:酵素抽出液を得る工程)
本発明では、第1工程でカテキン類が除去された茶葉に酵素抽出を行う。本明細書における酵素抽出とは、酵素を添加混合した茶葉を水性溶媒にて抽出すること又は酵素を添加した水性溶媒で茶葉の抽出を行うことを意味する。
酵素反応(酵素抽出)は、攪拌下または循環通液により行うのが好ましい。
(第3工程:テアニン高含有茶抽出物を得る工程)
本発明は、上記の酵素抽出により得られる茶抽出物(酵素抽出液)にテアニンを混合することにより、コク・厚みのある豊かな旨味に加えて、フレッシュな旨味をも増強した茶抽出物が得られる。このテアニン高含有茶抽出物中のテアニン量は、アミノ酸の総量に対してテアニンの割合が0.1重量%以上、好ましくは0.15重量%以上となるように添加するのが好ましい。または、テアニン高含有茶抽出物中の茶葉由来固形分に対し、テアニンの割合が0.3重量%以上、好ましくは0.6重量%以上、より好ましくは0.8重量%以上、さらにより好ましくは1.0重量%以上、特に好ましくは1.5重量%以上となるように、テアニンを添加するのが好ましい。テアニンは、茶葉から分離精製された精製品や濃縮品等、市販されている粉末状、液体状もの等いずれのものを用いてもよいが、第1工程で記載したとおり、茶葉の低温抽出液にはテアニンが高濃度で含まれているので、この茶葉の低温抽出液をテアニンとして添加することもできる。この茶葉の低温抽出液を用いると、ヘキサナール等の香気成分も混合されるので、よりフレッシュな旨味と厚みのあるコク味とを付与することができる。以下に、茶葉の低温抽出液について、より詳細に説明する。
また、抽出時間も適宜設定すればよく、通常、5〜30分程度、より好ましくは10〜20分程度である。本発明者らの検討によると、低温抽出を行った場合、カテキン類よりもアミノ酸が早く浸出し、茶葉の10倍量のイオン交換水(25℃)で抽出した際には、約10分程度でアミノ酸の全量を抽出できること、アミノ酸が全量抽出された後は、カテキン類の浸出する割合が高くなることを確認している。したがって、アミノ酸の全量が抽出された時点で抽出を終了するのが、最も好ましい。アミノ酸の全量が抽出されたかどうかは、HPLC等を用いて抽出液のアミノ酸含量を経時的に測定し、アミノ酸の溶出がみられなくなった時点により判断できる(参考例1参照)。
このようにして得られる低温抽出液には、アミノ酸のなかでもフレッシュな旨味成分であるテアニンを豊富に含有する。テアニンの含量は多いほど好ましいが、一般に、茶葉10gあたり10mg以上、好ましくは15mg以上、より好ましくは20mg以上となるように抽出するとよく、茶葉由来の可溶性固形分( [g]=抽出液総量[g]×Brix[%]/100)全体に対する割合として、0.8重量%以上、好ましくは1.0重量%以上、より好ましくは1.5重量%以上、さらに好ましくは2.0重量%以上、特に好ましくは2.5重量%以上となるように抽出する。
また、上記茶抽出物は、遠心分離、濾過等の分離操作を行って、清澄度を高めることもできる。また、濃縮操作や乾燥操作を行って濃縮液の形態や乾燥物の形態(粉末)とすることもできる。本発明者らは、酵素抽出液に茶葉の低温抽出液を混合して調製したテアニン高含有茶抽出物を濃縮して調製した濃縮液、及びこの濃縮液を凍結乾燥してパウダー状にした後、再度水に溶解して調製した茶抽出液(還元)について、風味が良好であることを確認している。
カラム型抽出機に10gの緑茶葉(火入れ度:中)を封入し、抽出機上部から25℃のイオン交換水を100mL加え、緑茶葉を浸漬させた。そこに25℃のイオン交換水を50mL/minの流量にて連続的に20分通液し、その間、下部より連続的に排出される液を2分毎にサンプリングした。その後、サンプリング液のカテキン、アミノ酸を測定した。
(HPLC条件)
HPLC装置:TOSOH HPLCシステム LC8020 model II
カラム:TSKgel ODS80T sQA(4.6mm×150mm)
カラム温度:40℃
移動相A:水-アセトニトリル-トリフルオロ酢酸(90:10:0.05)
移動相B:水-アセトニトリル-トリフルオロ酢酸(20:80:0.05)
検出:UV275nm
注入量:20μL
流速:1mL/min.
グラジエントプログラム:
時間(分) %A %B
0 100 0
5 92 8
11 90 10
21 90 10
22 0 100
29 0 100
30 100 0
標準物質:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレートおよびエピガロカテキンガレート(クリタ高純度試薬)
アミノ酸の測定方法にもHPLCを用いた。具体的測定方法は、以下のとおり。
(HPLC条件)
HPLC装置:Waters アミノ酸分析装置2695
カラム:AccQ-Tagカラム(3.9mm×150mm)
カラム温度:40℃
移動相A:AccQ-TagA(pH5.8)
移動相B:アセトニトリル
移動層C:水/メタノール=9/1
検出:EX250nm EM395nm Gain100
注入量:5μL
グラジエントプログラム:
時間(分) 流速(ml/min) %A %B %C
0 1 100 0 0
1 1 99 1 0
16 1 97 3 0
25 1 94 6 0
35 1 86 14 0
40 1 86 14 0
50 1 82 18 0
51 1 0 60 40
54 1 100 0 0
75 1 0 60 40
110 0 0 60 40
標準物質:アミノ酸18種(アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アルパラギン酸、トリプトファン、シスチン)およびテアニン
結果を図1に示す。図1より、アミノ酸はカテキン類(図中、カテキンと表記)よりも早いタイミングで緑茶葉より抽出され、10分頃にはほぼ全量が抽出されることがわかった。一方、カテキン類は20分経過しても一部残存することがわかった。低温抽出で抽出時間を選択することにより、カテキン類(渋み成分)の抽出を抑制し、アミノ酸(旨味成分)を選択的に抽出できることが確認された。
茶葉を緑茶葉(火入れ度:弱)にする以外は、参考例1と同様にして低温抽出液を得、アミノ酸及びカテキンの分析を行った。緑茶葉を変更しても、アミノ酸がカテキン類よりも早く抽出されることが確認され、参考例1と同様に、10分頃にはアミノ酸のほぼ全量が抽出された。このときの抽出液中のアミノ酸量は、167mgであった。
まず、第一工程としてカラム型抽出機に10gの緑茶葉(火入れ度:中)を封入し、抽出機上部から25℃のイオン交換水を100mL加え、緑茶葉を浸漬させた。そこに25℃のイオン交換水を50mL/minの流量にて連続的に20分通液し、低温抽出液を得た(試料A1)。次に試料A1を抽出した後の抽出残渣に、プロテアーゼ及びペクチナーゼを各0.2gずつ添加し、40℃のイオン交換水を加え総重量160gに調整し、40℃に保持したまま50mL/minにて16時間循環通液を行い、酵素反応を行った。得られた酵素処理液を90℃10分加熱し酵素を失活させ、酵素反応液を得た(試料A2)。さらに、上記試料A1全量及びA2全量を混合し、茶抽出物を得た(試料A3)。
結果を表1に示す。回収液量(収量)は、試料A1が972g、試料A2が130gであった。また、アミノ酸の含量は、試料A1が57mg、試料A2が103mgであった。この結果と参考例とを合わせて考察すると、第一工程でアミノ酸がほぼ全量抽出されていたが、第二工程の酵素処理におけるタンパクの分解によってさらにアミノ酸の生成量が増加したと考えられる。
茶葉を緑茶葉(火入れ度:弱)にする以外は、比較例1と同様にして低温抽出液(試料A1’)を得、次にこの抽出残渣から酵素反応液を得(試料A2’)、試料A1’と試料A2’の全量を混合して茶抽出物(試料A3’)を得た。比較例1と同様に各試料におけるアミノ酸及びカテキン量を分析し、官能評価を行った。
結果を表2に示す。回収液量(収量)は、試料A1’が462g、試料A2’が129gであった。また、アミノ酸の含量は、試料A1’が120mg、試料A2’が187mgであった。この結果と参考例とを合わせて考察すると、比較例1と同様に、第一工程でアミノ酸がほぼ全量抽出されていたが、第二工程の酵素処理におけるタンパクの分解によってさらにアミノ酸の生成量が増加したと考えられる。
まず、第一工程としてカラム型抽出機に10gの緑茶葉(火入れ度:弱)を封入し、抽出機上部から75℃のイオン交換水を100mL加え、緑茶葉を浸漬させた。そこに75℃のイオン交換水を50mL/minの流量にて連続的に70分通液し、高温抽出液を得た(試料B1)。次に試料B1を抽出した後の抽出残渣に、プロテアーゼ及びペクチナーゼを各0.2gずつ添加し、40℃のイオン交換水を加え総重量160gに調整し、40℃に保持したまま50mL/minにて16時間循環通液を行い、酵素反応を行った。得られた酵素処理液を90℃10分加熱し酵素を失活させ、酵素反応液を得た(試料B2)。さらに、上記試料B1全量及びB2全量を混合し、茶抽出物を得た(試料B3)。
結果を表3に示す。回収液量(収量)は、試料B1が3406g、試料B2が139gであった。また、アミノ酸の含量は、試料B1が175mg、試料B2が256mgであり、カテキン類の含量は、試料B1が1083mg、試料B2が16mgであった。この結果から、第一工程(高温抽出)により、カテキン類がほぼ全量抽出されたこと、第一工程(高温抽出)で遊離のアミノ酸が抽出されるが第二工程の酵素処理におけるタンパクの分解によってさらにアミノ酸の生成量が増加したことが考察される。
まず、第一工程としてビーカーに10gの緑茶葉(火入れ度:弱)を封入し、80℃の0.2%塩酸を150mL加え(pH2.0)、80℃を保った状態で5時間浸漬した後、顆粒状の水酸化ナトリウムを0.32g加え、pHを6.6に調整した(試料C1)。次に試料C1を抽出した後の抽出残渣に、プロテアーゼ及びペクチナーゼを各0.2gずつ添加し、40℃のイオン交換水を加え総重量160gに調整し、40℃に保持したまま50mL/minにて16時間循環通液を行い、酵素反応を行った。得られた酵素処理液を90℃10分加熱し酵素を失活させ、酵素反応液を得た(試料C2)。さらに、上記試料C1全量及びC2全量を混合し、茶抽出物を得た(試料C3)。
結果を表4に示す。回収液量(収量)は、試料C1が252g、試料C2が129gであった。また、アミノ酸の含量は、試料C1が172mg、試料C2が325mgであり、カテキン類の含量は、試料C1が442mg、試料C2が203mgであった。この結果から、第一工程(酸液処理)によりカテキン類が多量に抽出されたこと、第一工程(酸処理)で遊離のアミノ酸が抽出されるが第二工程の酵素処理におけるタンパクの分解によってさらにアミノ酸の生成量が増加したことが考察される。
まず、第一工程としてカラム型抽出機に10gの緑茶葉(火入れ度:中)を封入し、抽出機上部から25℃のイオン交換水を100mL加え、緑茶葉を浸漬させた。そこに25℃のイオン交換水を50mL/minの流量にて連続的に20分通液し、低温抽出液を得た(試料D1)。次に第二工程として、試料D1抽出後の抽出残渣に75℃のイオン交換水を100mL加えた上で、75℃のイオン交換水を50mL/minの流量にて連続的に40分通液し、高温抽出液を得た(試料D2)。次に第三工程として、試料D2抽出後の抽出残渣に、酵素としてプロテアーゼ及びペクチナーゼを各0.2gずつ添加し、40℃のイオン交換水を加え総重量160gに調整し、40℃に保持したまま50mL/minにて16時間循環通液を行い、酵素処理(反応)を行った。その後、得られた酵素処理液を90℃で10分加熱して酵素を失活させ、酵素抽出液を得た(試料D3)。第四工程として、上記試料D1及びD3全量を混合し、茶抽出物を得た(試料D4)。
結果を表5に示す。第二工程で得られた高温抽出液(試料D2)は、本発明では廃棄する抽出液であり、アミノ酸をほとんど含有せず、カテキン類のみを含有するものであり、香味評価の結果も苦渋みを有し出涸らし様の不快臭を感じるものであった。一方、第三工程で得られた酵素抽出液(試料D3)は、カテキン類をほとんど含まず、アミノ酸を高濃度で含有するものであり、香味的にもコクと厚みのある豊かな旨味を有し、苦味・渋味のほとんどない嗜好性の優れたものであった。また、試料D3のアミノ酸(a)とカテキン類(b)の比率(a/b)を算出すると、15.13であった。この結果から、第二工程でカテキン類を除去することにより、第三工程で得られる酵素抽出液(試料D3)のカテキン類の含量が抑えられたと考えられる。
茶葉を緑茶葉(火入れ度:弱)にする以外は、実施例3と同様にして低温抽出液(試料D1’)を得、次にこの抽出残渣から高温抽出液(試料D2’)を得、この抽出残渣から酵素反応液を得(試料D3’)、試料D1’及び試料D3’の全量を混合して茶抽出物(試料D4’)を得た。実施例3と同様に各試料におけるアミノ酸及びカテキン量を分析し、専門パネラー3面により官能評価を実施した。
本発明の茶抽出物の生産性を検討した。
まず、第一工程としてカラム型抽出機に2.00kgの緑茶葉(火入れ度:弱)を封入し、抽出機上部から25℃のイオン交換水を26.4kg加え、緑茶葉を浸漬させた。そこに25℃のイオン交換水を3.3L/minの流量にて連続的に30分通液し、低温抽出液を得た(試料E1)。次に、第二工程として、通液するイオン交換水温度を85℃に切り替え、3.3L/minの流量にて連続的に60分通液し、高温抽出液得た(試料E2)。その後、第三工程として、試料E2抽出後の抽出残渣に酵素としてプロテアーゼ及びペクチナーゼを各40gずつ添加し、酸化防止剤としてL−アスコルビン酸を6.00g添加し、40℃のイオン交換水を加え総重量32kgに調整し、40℃に保持したまま5.0L/minにて16時間循環通液を行い、酵素反応を行った。得られた酵素処理液を90℃10分加熱し酵素を失活させ、酵素抽出液を得た(試料E3)。さらに第4工程として、上記試料E1と試料E3とを混合し、茶抽出物を得た(試料E4)。
結果を表7に示す。アミノ酸の含量は、試料E1が18.8g、試料E2が4.5g、試料E3が41.8gであった。一方、カテキン類の含量は、試料E1が67.3g、試料E2が80.0g、試料E3が31.4gであった。
まず、第一工程として、実施例4で得られた混合液(試料D4’)をエバポレーターによりBrix15となるよう濃縮し、濃縮エキスを得た(試料F1)。次に第二工程として、試料F1を凍結乾燥機にてパウダー状にし、緑茶パウダーを得た(試料F2)。次に第三工程として、試料F2にBrix15となるようにイオン交換水を適量加え、還元濃縮エキスを得た(試料F3)。
香味評価の結果、試料F1および試料F3ともに、コクと厚みのある豊かな旨味を有し、苦味・渋味のない嗜好性に優れたものであった。このことより、濃縮エキスを凍結乾燥等の方法によりパウダー化し、さらにそれを再溶解することでも、濃縮エキスの香味が損なわれないことが分かった。
実施例3で製造した茶抽出物(試料D4)を用いて茶飲料を製造した。すなわち、緑茶葉45gをニーダーで抽出(80℃、10分)し、遠心分離機ならびにフィルターにて茶葉を分離して緑茶液を得、調合タンクにてこの緑茶液に酸化防止剤(L-アスコルビン酸)2g及び重曹(炭酸水素ナトリウム)2gを添加し、さらに、試料D4を、試料D4由来のアミノ酸量が最終飲料中に20ppmとなるように添加し、最後に純水を加え7Lに調整し調合液とした。そしてこの調合液を、UHT殺菌(130℃、1分)後、500mLのペットボトル容器に充填して容器詰緑茶飲料を得た。また、対照として試料D4を添加しないこと以外は、同様にして、緑茶飲料を得た。この緑茶飲料の香味を評価したところ、試料D4を添加していない緑茶飲料(対照)と比較し、試料D4を添加した緑茶飲料は、複雑な旨みを有し、かつ渋みが抑制された新規な香味特徴を有する緑茶飲料であった。
Claims (4)
- 次の工程、
1.茶葉のカテキン類の少なくとも一部を除去する工程;
2.上記カテキンが除去された茶葉を酵素抽出して酵素抽出液を得る工程;及び
3.前記酵素抽出液にテアニンを混合してテアニン高含有茶抽出物を得る工程;
を含む、アミノ酸とカテキン類を含む茶抽出物であって、該茶抽出物中の茶葉由来固形分に対するアミノ酸の総量の割合が5.0重量%以上である茶抽出物の製造方法。 - カテキン類を除去する工程が、60℃以上の水性溶媒で抽出した高温抽出液の除去である、請求項1に記載の茶抽出物の製造方法。
- テアニンが、茶葉を40℃以下の溶媒で抽出して得られる茶葉の低温抽出物として添加されたものである、請求項1または2に記載の茶抽出物の製造方法。
- カテキン類を除去する茶葉が、前記低温抽出液を抽出した後の抽出残渣である、請求項3に記載の茶抽出物の製造方法。
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