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JP5578172B2 - アニールウエーハの製造方法およびデバイスの製造方法 - Google Patents

アニールウエーハの製造方法およびデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウエーハ表面から一定の深さまでグローイン酸素析出物やグローイン欠陥及びRIE欠陥(RIE法で検出できる欠陥)がない無欠陥領域(Denuted Zone、以下DZ層という)を形成したアニールウエーハに関するものであり、特には、酸化膜耐圧に優れ、デバイス工程においてドライエッチング装置を用いて溝加工する工程で発生するヒロックの形成を防止できるとともに、ウエーハ表層において、表面の外方拡散による酸素濃度の低下が抑制され、深さ方向に均一な分布を有し、表層近傍での酸素濃度低下に伴うウエーハ強度の低下が抑制されたアニールウエーハ、およびその製造方法ならびにそれを用いたデバイスの製造方法に関するものである。
近年は、半導体回路の高集積化に伴う素子の微細化に伴い、その基板となるチョクラルスキー法(以下、CZ法という)で作製されたシリコン単結晶に対する品質要求が高まってきている。
ところで、CZ法で育成されたシリコン単結晶には通常10−20ppma(JEIDA:日本電子工業振興協会による換算係数を使用)程度の酸素が石英ルツボから溶け出し、シリコン融液界面にてシリコン結晶中に取り込まれる。
その後、結晶が冷却される過程で過飽和状態になり、結晶温度が700℃以下になると凝集して酸素析出物(以下、グローイン酸素析出物という)を形成する。しかしながらそのサイズは極めて小さくウエーハの出荷段階では酸化膜耐圧特性のひとつであるTZDB(Time Zero Dielectric Breakdown)特性やデバイス特性を低下させることはない。
酸化膜耐圧特性やデバイス特性を悪化させる単結晶成長起因の欠陥は、結晶の融液からシリコン単結晶に取り込まれたベーカンシー(Vacancy、以下Vaと略記すことがある)と呼ばれる空孔型の点欠陥やインタースティシアル―シリコン(Interstitial−Si 以下Iと略記すことがある)と呼ばれる格子間型シリコン点欠陥が結晶冷却中に過飽和になり、酸素とともに凝集した複合欠陥であり、FPD、LSTD、COP、OSF核等のグローイン(Grown in)欠陥であることが判明している。これらの欠陥を説明するに当たって、先ず、シリコン単結晶に取り込まれるVaとIのそれぞれの取り込まれる濃度を決定する因子について、一般的に知られていることを説明する。
図7と図8は、それぞれ本発明者らが先に提案した、特許文献1に記載されたCZ法で育成したシリコン単結晶インゴットの欠陥領域と引き上げ速度の関係を示す説明図およびシリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン単結晶ウエーハの面内欠陥分布を示す説明図である。
図7は、単結晶育成時の引き上げ速度(以下、成長速度と記載することがある)V(mm/min)を変化させることによって、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値G(℃/mm)との比であるV/Gを変化させた場合のものである。
一般に、単結晶内の温度分布はCZ炉内構造(以下ホットゾーン(HZ)という)に依存しており、引き上げ速度を変えてもその分布は殆ど変わらないことが知られている。このため、同一構造のCZ炉の場合は、V/Gは引き上げ速度の変化のみに対応することになる。即ち引き上げ速度VとV/Gは近似的には正比例の関係がある。したがって、図7の縦軸には引き上げ速度Vを用いている。
引き上げ速度Vが比較的高速な領域では、上述したベーカンシーと呼ばれる点欠陥である空孔が凝集したボイドと考えられるFPD、LSTD、COP等のグローイン欠陥が結晶径方向のほぼ全域に高密度に存在し、これらの欠陥が存在する領域はV−Rich領域と呼ばれている。
さらに成長速度を遅くしていくと結晶周辺部に発生していたOSFリングが結晶内部に向かって収縮していき、ついには消滅する。
これよりさらに成長速度を遅くすると、Vaやインタースティシャルシリコンの過不足が少ないニュートラル(Neutral:以下Nという)領域が出現する。このN領域はVaやIの偏りはあるが飽和濃度以下であるため、凝集して欠陥とはならないことが判明してきた。
このN領域はVaが優勢なNv領域とIが優勢なNi領域に分別される。Nv領域では、熱酸化処理した際に酸素析出物(Bulk Micro Defect、以下BMDという)が多く発生し、Ni領域では酸素析出物が殆ど発生しないことがわかっている。
更に成長速度を遅くするとIが過飽和となり、その結果Iが集合した転位ループと考えられるL/D(Large Dislocation:格子間転位ループの略語、LSEPD、LEPD等)の欠陥が低密度に存在し、I−Rich領域と呼ばれている。
これらのことから、結晶の中心から径方向全域に渡ってN領域となるような範囲に成長速度を制御しながら引上げた単結晶を切断、研磨することによりウエーハ全面がN領域になる極めて欠陥の少ないウエーハを得ることができる。
例として、図7のA−Aの位置から切り出したウエーハは図8(a)に示すように全面Nv領域のウエーハとなる。図8(b)は図7のB−Bの位置から切り出したウエーハを示し、ウエーハ中心部にNv領域があり、その外周部にNi領域が存在する。図8(c)は図7のC−Cから切り出したウエーハであり、ウエーハ全面がNi領域からなるウエーハを得ることができる。
前述したようにNi領域は熱処理をしてもBMDが殆ど発生しないことが判明している。このBMDがデバイス活性領域であるウエーハ表面に発生すると、接合リーク等のデバイス特性に悪影響を及ぼすが、一方でデバイス活性領域以外のバルクに存在すると、デバイスプロセス中に混入した金属不純物を捕獲するゲッタリングサイトとして機能するため有効である。
近年、BMDの発生しないNi領域の内部にBMDを形成する方法として、RTP(Rapid Thermal Process)処理する方法(以下、急速加熱・急速冷却処理、または急速熱処理ともいう)が提案されている。
このRTP処理とは、SiウエーハにNまたはNH等の窒化物形成雰囲気、あるいはこれらのガスとAr、H等の窒化物非形成雰囲気との混合ガス雰囲気中で、例えば50℃/秒といった昇温速度で室温より急速昇温し、1200℃前後の温度で数十秒程度加熱保持した後、例えば50℃/秒といった降温速度で急速に冷却することを特徴とする熱処理方法である。
RTP処理後に酸素析出熱処理を行うことによって、BMDが形成されるメカニズムについては、特許文献2や特許文献3に詳細に記述されている。
ここで、BMD形成メカニズムについて簡単に説明する。
まず、RTP処理では、例えばN雰囲気中で1200℃という高温保持中にウエーハ表面よりVaの注入が起こり、1200℃から700℃の温度範囲を例えば5℃/秒という降温速度で冷却する間にVaの拡散による再分布とIとの消滅が起きる。
その結果、バルク中にはVaが不均一に分布した状態になる。このような状態のウエーハを例えば800℃で熱処理すると高いVa濃度の領域では酸素が急速にクラスター化するが、低いVa濃度の領域では酸素のクラスター化が発生しない。
この状態で、次いで例えば1000℃で一定時間熱処理すると、クラスター化した酸素が成長してBMDが形成される。このようにRTP処理後のSiウエーハに酸素析出熱処理が施されると、RTP処理で形成されたVaの濃度プロファイルに従って、ウエーハ深さ方向に分布を有するBMDを形成することになる。したがって、RTP処理の雰囲気や最高温度、保持時間等の条件を制御して行うことにより、Siウエーハに所望のVa濃度プロファイルを形成し、その後得られたSiウエーハに酸素析出熱処理を行うことによって、所望のDZ幅及び深さ方向のBMDプロファイルを有するSiウエーハを製造することができる。
また、特許文献4には酸素ガス雰囲気中でRTP処理すると表面に酸化膜が形成され、酸化膜界面からIが注入されたためBMD形成が抑制されることが開示されている。このようにRTP処理は雰囲気ガス、最高保持温度および他の条件により、BMD形成を促進することも、逆に抑制することも可能である。
またRTP処理の場合は極めて短時間アニールであるため、酸素の外方拡散が殆ど発生しないため、表層での酸素濃度の低下は殆ど無視できる。
一方、RTP処理によりCOPやOSF核といったグローイン欠陥が消滅するといった報告もなされている。例えば特許文献5には、COPが存在するV−Rich領域のウエーハを、水素ガス雰囲気で1200℃以上の温度でRTP処理することによりCOPが消滅し、表層にDZ層が形成され、酸化膜信頼性のひとつであるであるTZDB特性と長期信頼性である経時絶縁破壊特性であるTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)特性が改善されることが開示されている。
しかしながら、RTP処理後に1050℃で30分の酸化処理をすると、TZDB、TDDB特性のいずれも15〜20%程度低下している。このことはRTP処理後に表面のCOPは消滅されているが、1050℃で30分の酸化で形成された酸化膜を除去することにより表層の極浅部分を除去するとCOPは完全には消滅していないことを意味しており、デバイス活性領域全体のCOPを消滅させることができないことを意味している。
また特許文献6にはOSF領域とN領域が混在するウエーハを水素ガス中で1135℃以上の温度でRTP処理することによりTZDB特性が改善することが開示されている。しかしながらTDDB特性についての調査は実施されていない。
TZDB特性は、酸化膜に電界を印加した瞬間に酸化膜の絶縁破壊が発生してしまう電界強度を評価する方法であり、いわゆる初期破壊の評価である。
最近のデバイスにおいてはフラッシュメモリーに代表されるように、酸化膜の長期信頼性すなわちTDDB特性が重要である。
加えて近年の大多数のデバイスにおいては素子分離のためにシャロー・トレンチ・アイソレーション(Shallow Trench Isolation 以下STIという)と呼ばれる浅い溝を形成して素子間を分離する方法が採用されている。このSTIの形成は、RIE(反応性イオンエッチング:Reactive Ion Etching)法と基本的には同一の装置および原理で作製される。
ここでRIE法を用いた結晶欠陥の評価方法について、あらかじめ解説しておく。
RIE法とは、半導体単結晶基板中の酸化珪素(以下SiOxという)を含有する微小な結晶欠陥を深さ方向の分解能を付与しつつ評価する方法として、特許文献7に開示された方法が知られている。この方法は、基板の主表面に対して、反応性イオンエッチングなどの高選択性の異方性エッチングを一定厚さで施し、残ったエッチング残渣を検出することにより結晶欠陥の評価を行うものである。
SiOxを含有する結晶欠陥の形成領域と含有しない非形成領域とではエッチング速度が相違するので(前者の方がエッチング速度が小さい)、上記エッチングを施すと、基板の主表面にはSiOxを含有する結晶欠陥を頂点とした円錐状のヒロックが残留する。結晶欠陥が異方性エッチングによる突起部の形で強調され、微小な欠陥であっても容易に検出することができる。
以下特許文献7で開示されたRIE法を用いた結晶欠陥の評価方法について、図9を参照して説明する。
まず、図9(a)に示すように、熱処理によってシリコンウエーハ101中に過飽和に溶存していた酸素がSiOxとして析出した酸素析出物(BMD102)が形成されている。
そして、このシリコンウエーハ101を、市販のRIE装置を用いて、ハロゲン系混合ガス(例えばHBr/Cl/He+O)雰囲気中で、シリコンウエーハ101内に含まれるBMD102に対して高選択比の異方性エッチングによってシリコンウエーハ101の主表面からエッチングすると、図9(b)に示すようになる。すなわち、BMD102に起因した円錐状突起物がエッチング残渣(ヒロック103)として形成される。したがって、このヒロック103に基づいて結晶欠陥を評価することができる。
例えば、得られたヒロック103の数を数えれば、エッチングした範囲のシリコンウエーハ101中のBMDの密度を求めることができる。
RIE法で検出できる欠陥は、酸素析出物関連欠陥であり、空孔が酸素とともに凝集した複合欠陥であるCOPやOSF核といったグローイン欠陥および酸素単体が凝集したグローインの酸素析出物である。
図10はSTIの断面を模式的に示したものである。シリコンウエーハ101の表面に、RIE装置で酸化膜とシリコンのエッチングを用いて浅溝104−1が形成された後、CVD(Chemical Vapour Deposition)によりSiO 104−2が埋め込まれることによりSTI104が形成される。STI104間に素子が形成される。
通常のデバイスにおいては、N−チャンネルMOSトランジスタ105とP−チャンネルMOSトランジスタ106が形成され、両者はSTI104によって分離される。
このSTI104内部はSiより体積が大きなSiO 104−2が埋め込まれているため、一般的にはSTI104とシリコン界面では引っ張り応力が発生し、この応力によりシリコンウエーハの変形やスリップ転位が発生するという問題があった。この応力はSTI104の底部で最も顕著に発生する。
このため、STIが形成される表層のウエーハ強度は重要である。
ところで、このSTI形成領域に酸素析出物が存在するとRIE装置でSTIの溝形成時に溝内部にヒロックが形成されてしまうという不具合があった(非特許文献1参照)。
このため、STIが形成される領域には少なくとも、酸素析出物やCOP、OSF核といった酸素関連の欠陥が存在しないようにする必要がある。また、デバイス工程でMOSトランジスターを作製し、その動作のためにゲート電極に逆バイアスを印加すると空乏層が拡がるが、この空乏層領域にBMDが存在すると接合リークの原因となることが知られている。
これらのことから総合的に判断すると、COPやOSF核といったグローイン欠陥やグローイン酸素析出物であるRIE欠陥は、デバイスの動作領域である表面から一定の深さの領域(最先端のデバイスでは1μmの深さまで)には存在しないことが求められている。より好ましくは3μmの深さまで求められている。
一般的にCOPやOSF核、酸素析出物等のような酸素関連の欠陥を消滅させるためには酸素濃度を固溶限以下にする必要がある。例えば1100℃以上で熱処理し酸素の外方拡散を利用して表層の酸素濃度を低下させることにより固溶限以下にする方法で達成可能であるが、酸素の外方拡散により表層の酸素濃度が著しく低下してしまうため、表層の機械的強度も低下してしまうといった問題点もあった。
特開2007−191320号公報 特開2001−203210号公報 特表2001−503009号公報 特開2003−297839号公報 特開平10−326790号公報 特開2003−224130号公報 特開2000−58509号公報
T. Hayakawa etc、JPN J Appl Phys Vol37 (1998)pp5−9
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、できるだけ外方拡散による表層の酸素濃度の低下を招くことなく表層の強度が充分に確保されつつ、酸素析出物やCOP、OSF核といったRIE欠陥も存在せず、TDDB特性に優れたウエーハを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、チョクラルスキー法により育成され、全面がOSF領域、または全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるシリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン単結晶ウエーハに急速熱処理を施したアニールウエーハであって、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥が存在せず、TDDB特性の良品率が80%以上であり、かつ、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から3μm以内であることを特徴とするアニールウエーハを提供する。
このように、まず、全面がOSF領域、または全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるCZ法によるシリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン単結晶ウエーハに急速熱処理を施したアニールウエーハであり、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥が存在しないので、最先端のデバイスを作製するときなど、デバイス工程でRIE装置を用いてSTIの溝を形成する際にもヒロックが形成されることもなく、平坦で、きれいな溝形成が可能になる。なお、RIE欠陥が存在していないことからわかるように、OSF核も存在していない。
また、TDDB特性の低下も抑えられ、TDDB特性の良品率が80%以上であり、優れたウエーハを得ることができる。なお、ここで言うTDDBの特性の良品率とは、真性故障モードであるγモードの良品率を指す。
さらに、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から3μm以内であるため、例えば表面を極わずか研磨等することにより、表層において、酸素濃度が低下しておらず強度低下がないウエーハを容易かつコストをかけずに得ることが可能である。強度低下が無いために、デバイス作製時、STIの底部で発生する応力に耐えられるようになり、スリップ転位発生を抑制できる。
このとき、前記アニールウエーハの酸素濃度がウエーハ表面から3μmより深い領域で均一であるものとすることができる。
外方拡散によって酸素濃度が低下する領域の深さはウエーハ表面から3μm以内であり、急速熱処理のため、表層での酸素濃度の低下も少なく、それよりも深い領域では、CZ法による引き上げ時にとりこまれた酸素は均一に行きわたっているため、強度低下の極めて少ないウエーハを得ることができる。
また、前記急速熱処理が施されるシリコン単結晶ウエーハが、全面がNv領域、全面がNi領域、これらの領域が混合した領域、OSF領域とNv領域が混合した領域のうちいずれかからなるシリコン単結晶インゴットから切り出されたものとすることができる。
全面がNv領域、全面がNi領域、これらの領域が混合した領域であれば、OSF領域を含まず、すなわちグローイン欠陥であるOSF核をほとんど含まない領域であり、本発明のアニールウエーハであれば、RIE欠陥がより確実に存在しないものとすることができ、また、より優れたTDDB特性を得ることができるため、本発明は特に有効である。
また、OSF領域とNv領域が混合した領域のように、OSF領域を含む領域のものであってもOSF核が消滅され、表層に酸素析出物や酸素関連欠陥のないウエーハとすることができる。
また、前記ウエーハ表面から少なくとも5μmの深さにわたってRIE欠陥が存在しないものとすることができる。
このようなものであれば、RIE欠陥が存在しない領域がさらに深く、より確実に、デバイス領域にヒロックが形成されることもなく、平坦で、きれいな溝形成が可能になる。
さらには、前記表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から2μm以内であるものとすることができる。
このようなものであれば、表層において、酸素濃度が低下しておらず強度低下がないウエーハを、より容易にかつコストをかけずに得ることが可能である。
このとき、前記アニールウエーハの酸素濃度がウエーハ表面から2μmよりも深い領域で均一であるものとすることができる。
このようなものであれば、より浅い領域から酸素濃度が均一なものであり、強度低下が一層少ないウエーハを得ることができる。
また、本発明は、 チョクラルスキー法によりシリコン単結晶インゴットを育成し、該シリコン単結晶インゴットから切り出したシリコン単結晶ウエーハに急速熱処理を施すアニールウエーハの製造方法であって、前記シリコン単結晶インゴットを育成する際に、全面がOSF領域、または全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域となるように引き上げ速度を制御して育成し、該育成したシリコン単結晶インゴットから切り出したシリコン単結晶ウエーハに、急速加熱・急速冷却装置を用い、1300℃より高く1400℃以下の温度で1−60秒間の急速熱処理を施すことにより、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させたアニールウエーハを製造することを特徴とするアニールウエーハの製造方法を提供する。
このように、全面がOSF領域、または全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域のシリコン単結晶インゴットを育成して切り出したシリコン単結晶ウエーハに、1300℃より高く1400℃以下の温度で1−60秒間のRTP処理を施すことにより、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させたアニールウエーハを製造でき、すなわち、OSF領域に発生するグローイン欠陥のOSF核と、特にNv領域に発生するグローイン酸素析出核を消滅させることが可能であり、表層に酸素析出物や酸素関連欠陥の無いウエーハを得ることができる。
したがって、最先端のデバイスを作製するときなど、STIの溝の形成時にヒロックが形成されることもなく、平坦で、きれいな溝形成が可能になる。
さらにはTDDB特性が良好なものを得ることができる。
しかも、RTP処理のため、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域を表面から3μm以内といった極めて浅い範囲にすることができ、例えば表面を極わずか研磨等することによって、表層において、酸素濃度の低下がなく強度が低下しないウエーハを容易かつコストをかけずに得ることが可能である。そのため、デバイス作製時に、STIの底部で発生する応力に耐えられるようになり、スリップ転位発生を抑制できる。
また、RTP処理時間は1−60秒間行えば十分であり、特に、上限を60秒間とすることで、生産性低下によるコスト上昇や、熱処理中にスリップ転位が発生しやすくなるのを防ぐことができる。また、熱処理中に酸素の外方拡散が大きくなり、表層でよりおおきな酸素濃度低下が生じるのを防ぎ、機械的強度の低下を防止できる。
このとき、前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、全面がNv領域、または全面がNi領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるシリコン単結晶インゴットから切り出すことができる。
このようにすれば、急速熱処理のウエーハにOSF核が存在しないため、急速熱処理では単にN領域、特にNv領域に存在するグローイン酸素析出物を溶解するだけでよいため、RIE欠陥がより確実に存在しないものとすることができ、また、より優れたTDDB特性を有するアニールウエーハを得ることができる。
同時に、より短時間の急速熱処理でRIE欠陥のないウエーハが製造できるために、本発明は特に有効である。
または、前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、全面がOSF領域、OSF領域とNv領域が混合した領域、OSF領域とN領域が混合した領域のうちいずれかからなるシリコン単結晶インゴットから切り出し、前記急速熱処理を10−60秒間施すことができる。
このようにOSF領域を含んでも、OSF領域に発生するグローイン欠陥のOSF核を消滅させ、表層に酸素析出物や酸素関連欠陥の無いウエーハを得ることができる。したがって、STIの溝の形成時にきれいな溝を形成することができ、TDDB特性もより良好なものとすることができる。
また、前記急速熱処理を施すことにより、ウエーハ表面から少なくとも5μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させることができる。
このようなものであれば、RIE欠陥が存在しない領域をさらに深くすることができ、より確実に、デバイス領域にヒロックが形成されることもなく、平坦で、きれいな溝形成が可能になる。
また、前記製造するアニールウエーハを、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から3μm以内のものとすることができる。
このようなものであれば、上述したように、例えば表面を極わずか研磨等することによって、表層において、酸素濃度の低下がなく強度が低下しないウエーハを容易かつコストをかけずに得ることが可能である。そのため、デバイス作製時に、STIの底部で発生する応力に耐えられるようになり、スリップ転位発生を抑制できる。
さらには、前記製造するアニールウエーハを、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から2μm以内のものとすることができる。
このように、RTP処理のため、具体的には、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さをウエーハ表面から2μm以内というより狭い範囲に抑えることができ、表層の強度の低下を極わずかな領域とすることができる。
また、前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、4×1017以上9×1017atoms/cm(JEIDA)以下の濃度の酸素を含有するものとするのが好ましい。
酸素濃度を4×1017atoms/cm(JEIDA)以上とすれば、ウエーハ強度が低下するのをより効果的に防ぐことができる。
一方、9×1017atoms/cm(JEIDA)以下とすることにより、グローイン欠陥やグローイン酸素析出物のサイズが大きくなりすぎるのを防ぐことができ、急速熱処理の条件において必要以上に高温化/長時間化する必要性がなくなり、工業生産的に有利である。また、酸素濃度が高いと、過飽和度が高いため、デバイス工程熱処理で酸素が再び析出しBMDが形成されることによりRIE欠陥が形成されるが、この際にBMDすなわちRIE欠陥の発生がないDZ層の幅をデバイス動作領域より深くすることが難しくなるのを防ぐことができる。
また、前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、1×1011〜1×1015atoms/cmの濃度の窒素および/または1×1016〜1×1017atoms/cmの濃度の炭素を含有するものとすることができる。
このような濃度範囲の窒素を含有させればウエーハ強度をより向上させることができる。また、バルク部でのBMDの形成を促進することができ、高密度のBMDが必要な時に有利である。
また、上記濃度範囲の炭素を含有させれば、デバイス工程時の熱処理が低温長時間(例えば400−600℃)の場合、熱処理中に発生する酸素ドナーの形成が抑制される(リアライズ社 “シリコンの科学” 大見、新田監修 p542参照)。
なお、酸素ドナーについて簡単に説明すると、熱処理中に酸素が3−6個程度集まった複合体である酸素ドナーを形成し、2個の自由電子をシリコン中に供給する。これにより、シリコンの抵抗率が変化してしまい、MOSトランジスターの閾値Vthを変化させてしまう。
また炭素があると、500−800℃での熱処理によりBMDをエンハンスすることが知られており、バルク部に高密度のBMDが必要な時に有利である。
そして、本発明は、上記アニールウエーハの製造方法により製造したアニールウエーハを用いてデバイスを製造するとき、ドライエッチングを行うことを特徴とするデバイスの製造方法を提供し、このとき、前記デバイスを撮像用デバイスとするのが好ましい。
本発明のアニールウエーハの製造方法によって製造したアニールウエーハを、STIに代表されるように、ドライエッチングでエッチングを行う工程が必要なデバイスの材料として用いることにより、エッチング中に酸素関連の欠陥や酸素析出物を起因としてヒロックが形成されるのを防止でき、均一なエッチングを達成することができる。
一般に、BMDのウエーハ面内分布は結晶育成時に発生する酸素のストリエーションに沿って多重リング状に100μm程度の幅を有して濃淡を伴って発生することが知られている(リアライズ社 “シリコンの科学” 大見、新田監修 p128参照)。CCDやCMOSイメージセンサーの特性は、このBMDの濃淡に影響を受けることが知られており、濃淡が、できるだけ少ないほうが望ましい。
本発明によるアニールウエーハは、グローイン酸素析出物をRTP処理でいったん完全に溶解、消滅させることにより、結晶育成中に受ける熱履歴を完全にリセットする。あるいはグローイン酸素析出物のほとんど発生していない領域を使用しているため、デバイス工程の熱処理で発生するBMDの濃淡は、当初のストリエーションパターンより、濃淡のコントラストが薄くなるのである。
更には、結晶育成中の熱履歴を完全にリセットするだけではなく、RTP処理中にバルクの面内に均一導入された空孔のために、ウエーハ全体に渡って均一なBMDが発生する。
これらの効果により、CCDやCMOSイメージセンサーの特性の面内バラツキを小さくすることができる。
以上のように、本発明によればCOPやOSF核等の酸素関連のグローイン欠陥やグローイン酸素析出物が、デバイス動作領域である表層には存在しないため、TDDB特性が良好なアニールウエーハを提供することができる。かつ、本発明によって得られたアニールウエーハを材料として、デバイス工程でドライエッチングでエッチングする際、有害となるヒロックが発生しないため、均一で高品質なエッチングが行える。
しかもこの表層において、酸素濃度の低下は小さく極めて狭い領域であるため、強度低下がないウエーハを容易かつコストをかけずに供給することができる。
本発明のアニールウエーハの一例を示す概略図である。 本発明のアニールウエーハの製造方法の工程の一例を示す説明図である。 単結晶引き上げ装置の一例を示す概略図である。 予備試験によるシリコン単結晶インゴットの成長速度と各欠陥分布の関係を示す説明図である。 急速加熱・急速冷却装置の一例を示す概略図である。 実施例10、比較例9における酸素濃度プロファイルを示すグラフである。 CZ法で育成したシリコン単結晶インゴットの欠陥領域と引き上げ速度の関係を示す説明図である。 シリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン単結晶ウエーハの面内欠陥分布を示す説明図である。(a)全面がNv領域の場合。(b)ウエーハ中心部がNv領域であり、外周部がNi領域である場合。(c)全面がNi領域の場合。 RIE法を用いた結晶欠陥の評価方法の概略を示す説明図である。(a)エッチング前の酸素析出物が形成されたシリコンウエーハ。(b)エッチング後の酸素析出物を起因としてヒロックが形成されたシリコンウエーハ。 STIの一例を示す概略図である。 シリコン単結晶の引き上げ速度V、引き上げたシリコン単結晶から得られたシリコン単結晶ウエーハをRTP処理するときの温度、RTP処理後のウエーハについてTDDB特性を評価した結果の関係を示した説明図である。
以下では、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
近年のデバイスにおいては、デバイス動作領域には酸素関連のグローイン欠陥やグローイン酸素析出物がなく、TDDB特性の低下が抑えられ、しかも酸素濃度の低下しないウエーハが有効である。
そこで、本発明者らは、従来技術について考察するとともに、上記のようなウエーハを得るために、RTP処理やTDDB特性、RIE欠陥、さらにはウエーハ表層の酸素濃度の関係について鋭意研究を行った。
まず、前述した特許文献2には、SiウエーハとしてVaやIの凝集体の存在しない単結晶のN領域から切り出し、ウエーハ全面がN領域からなるウエーハをRTP処理する方法が記載されている。
この方法の場合は、材料となるシリコンウエーハ中にグローイン欠陥が存在しないため、RTP処理しても問題ないように考えられるが、全面がN領域のシリコンウエーハを準備し、RTP処理を行った後、酸化膜の長期信頼性である経時破壊特性であるTDDB特性を測定すると、ウエーハのNv領域においてTZDB特性は殆ど低下しないが、TDDB特性が低下する場合がある(特許文献1参照)。
図11は、特許文献1に記載されたシリコン単結晶の引き上げ速度V、引き上げたシリコン単結晶から得られたシリコン単結晶ウエーハをRTP処理するときの温度、RTP処理後のウエーハについてTDDB特性を評価した結果(○:良好、△:やや低下、×:低下)の関係を示した説明図である。
以下、簡単に説明すると、引き上げ速度Vが0.56mm/min以下の場合、すなわちウエーハ全面がNi領域の場合、そのウエーハをRTP処理し、その後にTDDB特性を評価すると、RTP処理温度とは無関係にTDDB特性は良好である。
しかしながら、0.57mm/minで引き上げられたシリコン単結晶インゴットから切り出されたウエーハの場合は、RTP処理温度が1190℃以上になると酸化膜の真性故障モードであるγモードの良品率が低下しており、1270℃でも低下したままであることが判る。
該ウエーハは、図8(b)で示したウエーハに相当し、ウエーハ中心がNv領域でその外周部にNi領域が存在するウエーハである。
ここで、本発明者らが行った実験結果ではRTP処理によりTDDB特性が低下しているのに対して、特許文献5に開示された結果では1200℃以上の温度でRTP処理するとTZDB特性、TDDB特性は共に改善しており、矛盾しているように考えられる。
特許文献1と特許文献5との違いは、特許文献1がNv領域とNi領域混在のウエーハを用いてNHとArガスの混合ガス雰囲気中でRTP処理しているのに対して、特許文献5に開示された実験では、点欠陥である空孔が凝集したグローイン欠陥であるCOPが発生しているV−Rich領域のウエーハを、水素ガス中でRTP処理した後にTDDB特性の評価を行っている点にある。
特許文献2には、水素ガス雰囲気のRTP処理は、ArガスやArガスとNガス混合雰囲気のRTP処理に比べてCOP分解性が高いことが開示されている。
また特許文献5には、RTP処理後に1050℃で30分の酸化処理をすると、TZDB、TDDB特性が15−20%程度低下することも報告されている。
これらのことから判断すると、特許文献5においては、Hガス雰囲気のRTP処理で、表面あるいは表面から極浅の領域のみのCOPは消滅したためTDDB特性は回復したが、RTP処理後に1050℃で30分酸化処理し、極薄の酸化膜を形成後に酸化膜を除去して、表層の極浅の領域を除去するとTDDB特性が低下している。すなわち、酸化膜の厚さの分だけ除去された深さの位置にあったCOPは完全には分解できていないことを意味している。
特開2009−249205号公報で本発明者らが報告したように、Nv領域にはグローイン酸素析出物が存在している領域、すなわちRIE欠陥が存在する領域がある。特許文献1の実験は1270℃以下の温度でかつ欠陥分解性がHガスより劣るNHとAr混合雰囲気でRTP処理しており、この温度範囲では、Nv領域に存在するグローイン酸素析出物が完全には溶解しなかったためTDDBが低下したと考えられる。
以上の説明により、特許文献1と特許文献5に矛盾がないことが判る。
また、特許文献6の実施例には、OSF領域とN領域が混在するウエーハを水素ガス中で1135℃程度の温度でRTP処理することによりTZDB特性が改善することが開示されている。
さらにはRTP処理後に200nmの酸化処理を行ってもTZDB特性は低下しないことから、少なくとも表面から200nmまではTZDB特性を低下させる欠陥は存在しないと言える。
しかしながら、TZDB特性に影響を与える欠陥や酸素析出物よりもさらに小さなものによって低下するTDDB特性の評価がされていないため、この領域に本当に欠陥が存在しないかどうかは不明である。
この結果と特許文献1の本発明者らの実験結果を照合すれば、特許文献6の実施例では、デバイス動作領域である表面から1μmまで、さらには表面から3μmまでの領域全体の欠陥や酸素析出物を消滅できていないことが類推できる。
以上のような考察を踏まえ、さらに調査を行い、RTP処理後にTDDB特性が低下する原因を、本発明者らがRIE法を用いて鋭意検討を行った。
その結果、例えば特開2009−249205号公報に記載したようにNv領域にはRIE欠陥が存在する領域と存在しない領域があり、RIE欠陥が存在しない領域ではTDDB特性の低下が発生しないことを見出し、TDDB特性が低下する領域は、特には、Nv領域でかつRIE法で検出される欠陥が存在する領域であることを見出した。
更には、TDDB特性は低下しない場合でもRIE法によるRIE欠陥が検出される場合があることを見出した。RIE欠陥はあっても、そのサイズが小さい場合はTDDB特性が低下しないことも見出した。すなわちRIE法による欠陥評価方法はTDDB特性より欠陥検出精度が高いことを見出した。
デバイスは微細化、高性能化が今後も進むことから、現状のTDDB特性では欠陥が検出されないウエーハであっても、RIE欠陥が存在するウエーハの場合は、将来問題になる可能性がある。このためRIE欠陥がないウエーハが将来、必要になると考えられる。本発明者らはこのような見識に基づいて、RIE欠陥の評価を鋭利検討を行った。その結果1270℃以下でのRTP処理を行ったときにはNv領域に存在するRIE欠陥は殆ど消滅することがなく、これがTDDB特性の低下原因であることを見出した。逆にRTP温度が1290℃以上になるとRIE欠陥は急激に減少し、1300℃より高い温度でRTP処理することによって、RIE欠陥はほぼ完全に消滅させることができ、さらにTDDB特性を再び改善することができることを本発明者らは見出した。これに加えて、このような高い温度でのRTP処理であれば、OSF核も消滅させることができ、したがってOSF核によるTDDB特性の悪化を防ぐことができ、OSF領域も利用可能であることを発見した。
しかも、RTP処理であるため、表面からの外方拡散によるウエーハ表層における酸素濃度の低下も、極わずかの深さの領域にとどめることができる。
本発明者らは、これらのことを見出して本発明を完成させた。
以下、本発明のアニールウエーハについて説明する。
図1は、本発明のアニールウエーハの一例である。本発明のアニールウエーハ1は、CZ法により育成されたシリコン単結晶インゴットから製造されたものであり、より具体的には、全面がOSF領域、全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるシリコン単結晶インゴットから切り出したシリコン単結晶ウエーハに対し、RTP処理を施すことによって得られたものである。
このアニールウエーハ1はRTP処理されたものであるので、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域は、ウエーハ表面から3μm以内、さらには2μm、あるいは1μm以内にとどめられている。また、その3μm(さらには2μm)よりも深い領域では、CZ法により育成中に取り込まれた酸素の濃度で均一になっている。したがって、RIE欠陥がフリーな領域が表面から1μm以上、さらには表面から5μm以上という深さのものであると、必要とあらばウエーハ表層の1〜3μmという極わずかな深さを研磨等することによって除去すれば、酸素濃度分布が深さ方向で均一でウエーハ表層で低下していることもなく、強度低下がないウエーハを容易に得ることができる。そしてそのウエーハは強度低下がないため、デバイス作製時、STIの底部で発生する応力に耐えられるようになり、スリップ転位発生を抑制できる。
これに対して、RTP処理ではなく、長時間の熱処理が施されたものであれば、ウエーハ表層における外方拡散による酸素濃度の低下領域は比較的深くまで広がっているため、強度低下のないウエーハを得るには、その分だけ、より深い領域まで厚く研磨する必要性が生じてしまう。このため、コストや手間がかかってしまう。
また、本発明のアニールウエーハ1では、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥が存在しておらず、しかも、TDDB特性を測定した場合、酸化膜の真性故障モードであるγモードの良品率が80%以上である。
RIE欠陥が存在しない、すなわち酸素関連の欠陥が存在しない領域は、深さ1μm以上もの範囲にわたっているので、最先端デバイスの動作領域である1μm以上の深さにわたってRIE欠陥が存在しないものとなる。また、さらには、酸素関連のRIE欠陥が存在しない領域を5μm以上深くした場合は、たとえ上記のように酸素濃度が低下しているウエーハ表面から深さ3μm以内の領域を除去したとしても、1μm以上の深さにわたってRIE欠陥は存在しないので、デバイス工程でRIE装置を用いてSTIの溝を形成する際に、その酸素関連の欠陥を起因としてヒロックが形成されるのを防ぐことができる。
なお、急速熱処理が施されるシリコン単結晶ウエーハは、全面がNv領域、または全面がNi領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるシリコン単結晶インゴットから切り出されたものとすることができる。このような領域は、OSF核をほとんど含まないため、OSF領域を含む場合よりも、RIE欠陥がより確実に存在しないものとすることができる。
また、OSF領域を含む場合(例えばOSF領域とNv領域の混合)であっても、急速熱処理によりOSF核を消滅させることができ、表層にRIE欠陥が存在しないものとなる。
次に、上記のような本発明のアニールウエーハを製造することができる、本発明のアニールウエーハの製造方法について説明する。
図2に示すように、本発明では、まず、全面がOSF領域、全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるシリコン単結晶インゴットを引き上げ速度を制御して育成する。次に、このインゴットからシリコン単結晶ウエーハを切り出す。得られたウエーハは、全面がOSF領域、または全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるウエーハとなる。そして、このシリコン単結晶ウエーハに対して、1300℃より高く1400℃以下の温度で1−60秒間の急速熱処理を施してアニールウエーハを製造する。
以上のような工程によって、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させる。
なお、育成するシリコン単結晶インゴットの直径等は特に限定されず、例えば150mm〜300mm、あるいはそれ以上とすることができ、用途に合わせて所望の大きさに育成することができる。
また、育成するシリコン単結晶インゴットの欠陥領域については、上記のように、全面がOSF領域、全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるものを育成すれば良い。OSF領域を含む場合であっても、後に行う高温のRTP処理によりOSF核を消滅させることができ、ウエーハ表面から十分な深さの領域にRIE欠陥が存在しないものを製造することができる。さらには、Nv領域を含むものを育成すれば、TDDB特性の良品率の低下を防止するにあたって特に有効である。
まず、本発明の製造方法を実施可能な単結晶引き上げ装置について説明する。図3に単結晶引き上げ装置30を示す。この単結晶引き上げ装置30は、引き上げ室31と引き上げ室31中に設けられたルツボ32とルツボ32の周囲に配置されたヒータ34と、ルツボ32を回転させるルツボ保持軸33及びその回転機構(図示せず)と、シリコンの種結晶を保持するシードチャック41と、シードチャック41を引き上げるワイヤ39とワイヤ39を回転または巻き取る、巻き取り機構(図示せず)を備えて構成されている。ルツボ32は、その内側のシリコン融液(湯)38を収容する側には石英ルツボが設けられ、その外側には黒鉛ルツボが設けられている。また、ヒータ34の外側周囲には断熱材35が配置されている。
また製造条件に合わせて、図3のように環状の黒鉛筒(整流筒)36を設けたり、結晶の固液界面37の外周に環状の外側断熱材(図示せず)を設けることもできる。さらに、冷却ガスを吹き付けたり、輻射熱を遮って単結晶を冷却する筒状の冷却装置を設けることも可能である。
また、引き上げ室31の水平方向の外側に、図示しない磁石を設置し、シリコン融液38に水平方向あるいは垂直方向の磁場を印加することによって、融液の対流を抑制し、単結晶の安定成長をはかる、いわゆるMCZ法を用いることができる。
これらの装置の各部は、例えば従来と同様のものとすることができる。
以下に、上記の単結晶引き上げ装置30による単結晶育成方法の一例について説明する。
まず、ルツボ32内でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420℃)以上に加熱して融解する。次に、ワイヤ39を巻き出すことにより、シリコン融液38の表面略中心部に種結晶の先端を接触または浸漬させる。その後、ルツボ保持軸33を適宜の方向に回転させるとともに、ワイヤ39を回転させながら巻き取り種結晶を引き上げることにより、シリコン単結晶インゴット40の育成を開始する。
以後、引き上げ速度と温度を適切に調整することにより、略円柱形状のシリコン単結晶40を得る。
この所望の引き上げ速度(成長速度)を効率よく制御するにあたっては、例えば、引き上げ速度を変化させながらインゴットを育成し、引き上げ速度と欠陥領域の関係を調査する予備試験を行い、その後、その関係に基づいて、改めて、本試験で引き上げ速度を制御して所望の欠陥領域が得られるようにシリコン単結晶インゴットを製造することができる。
以下に、上記予備試験および本試験について説明する。
予備試験では、シリコン単結晶インゴットを引き上げる際に、成長速度を0.7mm/minから0.4mm/minの範囲で結晶頭部から尾部にかけて漸減させるように制御した。結晶の酸素濃度は6×1017〜7×1017atoms/cm(JEIDA)となるように単結晶を作製した。
引き上げた単結晶インゴットを結晶軸方向に縦割り切断して、複数の板状ブロックを作製した。
この板状ブロックの1つは、結晶軸方向に10cm毎の長さに切断し、ウエーハ熱処理炉で650℃、2時間、窒素雰囲気中で熱処理し、その後800℃まで昇温し、4時間保持した後、酸素雰囲気に切り替えて1000℃まで昇温し、16時間保持した後、冷却し取り出した。
その後、X線トポグラフィー像を撮影し、その後、SEMILAB社製WT−85によりウエーハライフタイムのマップを作成した。
また2つ目はwet酸素雰囲気で1100℃で1時間のOSF熱処理後にセコエッチングしてOSFの分布状況を確認した。
これらの知見に基づいて、V−Rich領域、OSF領域、Nv領域、Ni領域、I−Rich領域を特定した。この予備試験によるシリコン単結晶インゴットの成長速度と各欠陥分布を図4に示す。
引き上げた単結晶の各境界の成長速度の一例を以下に示す。
V−Rich/OSF領域境界: 0.591mm/min
OSF消滅境界 : 0.581mm/min
Nv/Ni領域境界 : 0.520mm/min
Ni/I−Rich領域境界 : 0.503mm/min
ここで、本試験として、上記の成長速度と欠陥分布の関係を踏まえ、欠陥領域を同定したのと同一のHZ構造を用い、所望の欠陥領域を有するように、新たに引き上げ速度を制御してシリコン単結晶インゴット40を育成する。
例えば、図4の場合、引き上げ速度Vが0.586mm/minになるように制御しながらシリコン単結晶を育成し、径方向に切り出せば、ウエーハ中心部にOSF領域が存在し、その外周部がNv領域となっている、OSF領域とNv領域の混合ウエーハを得ることができる(以下OSF+Nvウエーハという)。
また、引き上げ速度Vが0.515mm/minになるように制御しながらシリコン単結晶を育成して径方向に切り出せば、ウエーハ中心部にNv領域が存在し、その外周部にNi領域が存在するNv領域とNi領域の混合ウエーハを得ることができる(以下Nv+Niウエーハという)。
当然これらの欠陥領域に限定されず、引き上げ速度、さらにはHZ構造等を調整し、径方向において所望の欠陥領域を有するシリコン単結晶インゴットを育成することができる。
また、育成するシリコン単結晶インゴットの酸素濃度についても特に限定されず、例えば、4×1017以上9×1017atoms/cm(JEIDA)以下の濃度の酸素を含有するように育成することができる。
4×1017atoms/cm(JEIDA)以上とすることにより、ウエーハ強度の低下をより効果的に防ぐことができる。
また、9×1017atoms/cm(JEIDA)以下とすることにより、グローイン欠陥やグローイン酸素析出物のサイズが大きくなりすぎるのを防ぐことができ、急速熱処理の条件において必要以上に高温化/長時間化する必要性がなくなり、工業生産的に有利である。また、酸素濃度が高いと、過飽和度が高いため、デバイス工程熱処理で酸素が再び析出したBMDによりRIE欠陥が形成されるが、この際にRIE欠陥の発生がないDZ層の幅をデバイス動作領域より深くすることが難しくなるのを防ぐことができる。
また、目的に応じて、窒素をドープすることができる。窒素をドープする場合、例えば、1×1011〜1×1015atoms/cmの濃度の窒素をドープすることができる。このようにすれば、ウエーハ強度の向上やバルク部でのBMD形成の促進を図ることができる。
さらには、例えば、1×1016〜1×1017atoms/cmの濃度の炭素をドープすることができる。デバイス工程時の熱処理が低温長時間(例えば400−600℃)の場合、熱処理中に発生する酸素ドナーの形成を抑制することができる。また、バルク部でのBMDの形成の促進を図ることができる。
上記のようにして所望の欠陥領域を有するシリコン単結晶インゴットを育成し、それから切り出したシリコン単結晶ウエーハに対し、急速加熱・急速冷却装置を用いて急速熱処理を施す。図5に急速加熱・急速冷却装置の一例を示す。
この急速加熱・急速冷却装置12は、石英からなるチャンバー13を有し、このチャンバー13内でシリコン単結晶ウエーハ21を急速熱処理できるようになっている。加熱は、チャンバー13を上下左右から囲繞するように配置される加熱ランプ14(例えばハロゲンランプ)によって行う。この加熱ランプ14はそれぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。
ガスの排気側は、オートシャッター15が装備され、外気を封鎖している。オートシャッター15は、ゲートバルブによって開閉可能に構成される不図示のウエーハ挿入口が設けられている。また、オートシャッター15にはガス排気口20が設けられており、炉内雰囲気を調整できるようになっている。
そして、シリコン単結晶ウエーハ21は石英トレイ16に形成された3点支持部17の上に配置される。トレイ16のガス導入口側には、石英製のバッファ18が設けられており、酸化性ガスや窒化性ガス、Arガス等の導入ガスがシリコン単結晶ウエーハ21に直接当たるのを防ぐことができる。
また、チャンバー13には不図示の温度測定用特殊窓が設けられており、チャンバー13の外部に設置されたパイロメータ19により、その特殊窓を通してシリコン単結晶ウエーハ21の温度を測定することができる。
急速加熱・急速冷却装置12もまた、従来と同様のものを用いることができる。
このような急速加熱・急速冷却装置を用い、シリコン単結晶ウエーハに急速熱処理を施すが、このとき、Arガスまたは水素ガス等の非酸化性/非窒化性ガス雰囲気、あるいはNガス、NHガス等の窒化性ガス雰囲気、あるいはこれらの混合ガス雰囲気中で行うことによって、RTP処理でバルクにVaが注入、凍結される。そのため、ウエーハ出荷段階ではBMDは形成されていないが、デバイス熱処理中に表層はRIE欠陥のないDZ層が確保されたまま、バルクにはBMDがより多く得られることになり、ゲッタリング能力の高いウエーハを提供することができる。
またNやNHガス等の窒化性ガス雰囲気を含むガス中でRTP処理を行うと、RTP処理中にN原子がウエーハ中に導入されるため、ウエーハ強度が向上するというメリットもある。
逆に、RTP処理を酸素ガス雰囲気で行えば、Iが注入、凍結されるため、デバイス工程の熱処理中に発生するBMD形成を抑制することが可能となる。
これらは用途に合わせて適切なガス雰囲気にすれば良い。
このときの熱処理条件としては、急速加熱して1300℃より高く1400℃以下の温度で1−60秒間熱処理し、急速冷却すれば良く、例えば、50℃/秒の昇温速度で昇温し、上記熱処理を行った後、50℃/秒の降温速度で降温することができる。この昇温速度、降温速度は適宜設定することができる。
熱処理時間は1−60秒間行えば良いが、例えばOSF領域を含むウエーハ(全面OSF、OSF領域とNv領域の混合、OSF領域とN領域の混合)の場合は10−60秒間熱処理すれば特に好ましく、シリコン単結晶ウエーハ21におけるOSF核のサイズの大きさ等によって、その都度、上記範囲内で適切に調整することができる。例えば、OSF核のサイズが元々比較的大きければ、保持時間を比較的長く設定すれば良い。スリップ転位の発生、コスト面、外方拡散による酸素濃度の低下の防止の面から、適切な熱処理時間を設定することができる。
逆にOSF領域を含まず、ウエーハ全面がN領域からなるウエーハを急速熱処理する場合は、OSF核を消滅させる必要がなくなるため、熱処理時間もより短時間(1−60秒間)の熱処理を行えば十分であり、N領域、特にNv領域に存在するグローイン酸素析出物のサイズに応じて保持時間を設定すれば良い。この場合も、スリップ転位の発生、コスト面、外方拡散による酸素濃度の低下の防止の面から、適切な熱処理時間を設定することができる。
以上のような急速熱処理を施すことにより、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させたアニールウエーハ1を製造することができ、STIの溝の形成時にヒロックが形成されることもない。さらには急速熱処理の熱処理時間の調整等により、5μm以上の深さにわたってRIE欠陥のない領域とすることができる。
また、TDDB特性の良品率が優れ、しかも、表面からの外方拡散による酸素濃度が低下する領域をウエーハ表面から3μm以内、あるいは2μm以内や1μm以内にとどめることができるので、その僅かな表層を必要に応じて研磨等で除去すれば、ウエーハ表層で強度低下が無いウエーハを簡単に得ることができる。RIE欠陥のない領域を考慮して上記表層の研磨等を行うことができる。したがって、デバイス作製時、STIの底部で発生する応力に耐えられるようになり、スリップ転位発生を抑制できる。
そして、このような本発明のアニールウエーハの製造方法により製造したアニールウエーハを用い、例えば、CCDやCMOSイメージセンサー等の撮像用デバイスを製造することができる。STIに代表されるように、ドライエッチングでエッチングを行う工程が必要なデバイスの材料として本発明のウエーハを用いることにより、エッチング中に酸素関連の欠陥や酸素析出物を起因としてヒロックが形成されるのを防止でき、均一なエッチングを達成することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1−6、比較例1−8)
図3の単結晶引き上げ装置を用い、横磁場を印加して、MCZ法により、様々な欠陥領域のシリコン単結晶インゴット(直径12インチ(300mm)、方位<100>、導電型p型)を育成し、そこから切り出したシリコン単結晶ウエーハに図5の急速加熱・急速冷却装置(ここでは、AMAT社製VANTAGE)を用い、Arガス雰囲気中で50℃/秒の昇温速度で室温より急速昇温し、1200−1350℃の最高温度で1−10秒間保持した後、50℃/秒の降温速度で急速冷却した。
なお、シリコン単結晶インゴットの成長速度および欠陥領域の関係に関する予備試験では、図4と同様の関係が得られ、この関係を基にして、本試験で所望の欠陥領域を有するインゴットを育成した。
各例の条件は以下の通りである。実施例1−6では本発明のアニールウエーハの製造方法を実施した。
(実施例1)(OSF+Nv)
引き上げ速度:0.585mm/min、 RTP処理温度:1320℃
RTP保持時間:10秒
(実施例2)(OSF+Nv)
引き上げ速度:0.585mm/min、 RTP処理温度:1350℃
RTP保持時間:10秒
(実施例3)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1320℃
RTP保持時間:10秒
(実施例4)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1350℃
RTP保持時間:10秒
(実施例5)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1320℃
RTP保持時間:1秒
(実施例6)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1320℃
RTP保持時間:5秒
(比較例1)(OSF+Nv)
引き上げ速度:0.585mm/min、 RTP処理なし
(比較例2)(OSF+Nv)
引き上げ速度:0.585mm/min、 RTP処理温度:1250℃
RTP保持時間:10秒
(比較例3)(OSF+Nv)
引き上げ速度:0.585mm/min、 RTP処理温度:1270℃
RTP保持時間:10秒
(比較例4)(OSF+Nv)
引き上げ速度:0.585mm/min、 RTP処理温度:1290℃
RTP保持時間:10秒
(比較例5)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理なし
(比較例6)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1250℃
RTP保持時間:10秒
(比較例7)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1270℃
RTP保持時間:10秒
(比較例8)(Nv+Ni)
引き上げ速度:0.510mm/min、 RTP処理温度:1290℃
RTP保持時間:10秒
RTP処理完了後、400℃前後でウエーハを取り出す際に、極薄い酸化膜が形成されるため、その後、それぞれ、5%HFに浸漬し、RTP処理で表面に形成された酸化膜を除去した後、表面を1μm程度ポリッシュしたサンプルを3枚ずつ作成した。
1枚目はwet酸素雰囲気で1100℃で1時間のOSF熱処理後に、セコエッチングを行い、顕微鏡にてOSF評価を行った。
2枚目のサンプルはマグネトロンRIE装置(Applied Materials社製Centura)を用いてエッチングを行った。その後レーザー散乱方式の異物検査装置(KLA―Tencor社製 SP1)でエッチング後のヒロックを計測した。またヒロックの個数を電子顕微鏡を用いて計測し、欠陥密度を算出した。
3枚目は酸化膜耐圧特性であるTDDB特性を評価した。評価に用いたMOS構造はゲート酸化膜厚さ:25nm、電極面積:4mmであり、α、β、γモードの判定基準はそれぞれ初期破壊、5C/cmより小、5C/cm以上である。
表1に、各サンプルのOSF密度、RIE法で検出された欠陥密度とTDDBのγモードの良品率測定結果を示す。実施例1−6では、本発明のアニールウエーハを得ることができた。
Figure 0005578172
表1から明確なように、OSF+NvウエーハにおいてはRTP処理後のOSF密度はRTP温度が高くなるにつれて急激に減少しており、1290℃でOSFは完全に消滅している。RIE欠陥もRTP温度が高温になるほど減少しているが、OSFより緩やかな減少であり、特に1270℃以下の温度領域ではRIE欠陥は殆ど消滅しないことが分かる。RTP温度が1290度以上になるとRIE欠陥は急激に減少、1300℃より高温でRTP処理した場合は完全に消滅している。TDDBの良品率はRTP温度が1290℃までは殆ど改善が見られないが、RIE欠陥が完全に消滅した1320℃以上のRTP温度では急激に回復している。
他方、Nv+Niウエーハの場合、いずれのRTP温度でもOSFは発生していない。RIE欠陥は、この場合もRTP温度が高くなるにつれて緩やかに減少しており、1320℃のRTP処理において、1秒〜10秒の急速熱処理いずれの場合も完全に消滅しており、同時にTDDBの良品率も80%以上に回復している。
ここでRTP処理が未実施(比較例5)の場合、RIE欠陥は210個/cmと高いにも拘わらず、TDDBの良品率が92%と高くなっている。
この原因については、RIE欠陥の密度は多いが、欠陥サイズが小さい、あるいはTDDB特性を悪化させるような形態の酸素析出物になっていないと考えられる。
古典的な核形成理論によると、熱処理温度の臨界サイズ以上の析出物は消滅せずに成長し、臨界サイズ以下の析出物は消滅することが知られている。
Nv領域に存在するグローイン酸素析出物すなわちRIE欠陥のサイズは1290℃の臨界サイズより大きいため、1300℃以下でRTPした場合には、析出物が成長した。あるいはAr雰囲気のRTP処理ではバルク中にVaが注入・凍結され、高温ほど、その濃度が増大することから、RTP処理で欠陥が消滅・縮小する効果とVa注入によりTDDB特性を低下させる欠陥が生成し、1300℃以下では後者の影響が前者の影響より大きいため、TDDB特性は低下し、1300℃より高温では前者の影響が後者の影響より大きくなるため、TDDB特性が改善すると考えられる。
また、TDDB特性は、いずれの場合もRTP処理温度が1300℃以下の場合(比較例1−8)は、1250℃のRTP処理で一旦TDDB特性のγモードの良品率が低下し、その後、特にOSF+Nvウエーハの場合、ほとんど回復せず低下したままであることが分かる。
グローイン欠陥であるOSF核が含まれるOSF+Nvウエーハと比較してNv+Niウエーハが1290℃で比較的高い良品率を示したのは、Nv+Niウエーハにはグローイン欠陥は存在せず、グローイン酸素析出物のみ存在しているため、より低温でTDDB特性が回復したと考えられる。
しかしながら1290℃でRTP処理した場合のTDDB特性のγモード良品率は73%であり、完全に回復させるには1300℃より高温でRTP処理する必要があることがわかる。
他方、1300℃より高い温度でRTP処理した場合(実施例1―6)には、TDDB特性のγモード良品率は80%以上となっており、十分に回復したことが判る。RIE欠陥も消滅している。
RTP保持時間に関しては、OSF+Nvウエーハの場合は1320℃で10秒間保持でγモードが80%となった。このように、十分な酸化膜耐圧をより確実に得るには、1300℃より高い温度で10秒間以上保持することが好ましい。一方、Nv+Niウエーハの場合は、1320℃で保持時間が1秒間でもγモード良品率は86%であり、十分に高い良品率が得られている。これは前述したようにOSF領域を含んでいないため、OSF核がウエーハバルク内にもともと存在しないことから、N領域、特にNv領域に存在するグローイン酸素析出物を溶解するだけでよいことが原因である。
(実施例7−9、参考例1)
図4に示すシリコン単結晶インゴットの成長速度および欠陥領域の関係に基づいて、OSF+NvウエーハとNv+Niウエーハを各6枚ずつ準備し図5の急速加熱・急速冷却装置(ここでは、AMAT社製VANTAGE)を用い、Arガス雰囲気中で50℃/秒の昇温速度で室温より急速昇温し、1320℃の最高温度で10秒間保持した後、50℃/秒の降温速度で急速冷却した。
RTP処理完了後、400℃前後でウエーハを取り出す際に、極薄い酸化膜が形成されるため、その後、5%HFに浸漬し、RTP処理で表面に形成された酸化膜を除去した。
その後、OSF+Nvウエーハの3枚を、表面を5μmポリッシュし、サンプル−1とした(実施例7)。
OSF+Nvウエーハの残り3枚は、表面を20μmポリッシュし、サンプル−2とした(参考例1)。
Nv+Niウエーハの3枚を、表面を5μmポリッシュし、サンプル−3とした(実施例8)。
Nv+Niウエーハの残り3枚は、表面を20μmポリッシュし、サンプル−4とした(実施例9)。
サンプル−1からサンプル−4のそれぞれについて、1枚目はwet酸素雰囲気で1100℃で1時間のOSF熱処理後に、セコエッチングを行い、顕微鏡にてOSF評価を行った。
2枚目のサンプルはマグネトロンRIE装置(Applied Materials社製Centura)を用いてエッチングを行った。その後レーザー散乱方式の異物検査装置(KLA―Tencor社製 SP1)でエッチング後のヒロックを計測した。またヒロックの個数を電子顕微鏡を用いて計測し、欠陥密度を算出した。
3枚目は酸化膜耐圧特性であるTDDB特性を評価した。評価に用いたMOS構造はゲート酸化膜厚さ:25nm、電極面積:4mmであり、α、β、γモードの判定基準はそれぞれ初期破壊、5C/cmより小、5C/cm以上である。
表2に、各サンプルのOSF密度、RIE法で検出された欠陥密度とTDDBのγモードの良品率測定結果を示す。実施例7−9では、本発明のアニールウエーハを得ることができた。
Figure 0005578172
結果から明らかなように、OSF+Nvウエーハを用いた場合、RTP後に表面を5μmポリッシュした実施例7では、RIE欠陥が完全に消滅しており、TDDBの良品率も良好である。他方表面を20μmポリッシュした参考例1では、表面にRIE欠陥が出現しており、TDDBの良品率も58%と低下している。
このことからOSF+Nvウエーハを1300℃より高温でRTP(10秒間)した場合には表面から少なくとも5μmの領域のRIE欠陥を消滅させることができることがわかる。
なお、参考例1の場合では、RIE欠陥に関して、実施例7のように表面から少なくとも5μmの深さにおいては存在しないものの、表面から20μmの深さにおいては急速熱処理の熱処理時間が足りず、十分に消滅できなかったと考えられる。無欠陥領域として必要な領域深さと急速熱処理の熱処理時間等を考慮して適切な条件を設定すれば良い。
他方、Nv+NiウエーハをRTP処理した場合には、表面を20μmまでポリッシュした場合においても、RIE欠陥は表面に出現していないことから、ウエーハ全面がN領域からなるウエーハの場合には、1300℃より高い温度でRTP処理することにより、熱処理時間が10秒間であってもウエーハ深さ方向全体にわたって(少なくとも表面から20μmの深さまで)RIE欠陥を消滅させることができることが分かる。
(実施例10、比較例9)
図4に示すシリコン単結晶インゴットの成長速度および欠陥領域の関係に基づいて、Nv+Niウエーハを4枚準備し、2枚については、通常の縦型炉でAr雰囲気で700℃で投入し、その後5℃/minの昇温速度で1200℃まで昇温し、1200℃で1時間保持した後、3℃/minの降温速度で700℃まで降温させ、それから炉より取り出し、その際に極薄い酸化膜が形成されるため、その後、5%HFに浸漬し、熱処理で表面に形成された酸化膜を除去した後、サンプルとした(比較例9)。
他の2枚は市販の急速加熱・急速冷却装置(AMAT社製 VANTAGE)を用いてArガス雰囲気中で50℃/秒の昇温速度で室温より急速昇温し、1320℃で10秒間保持した後、50℃/秒の降温速度で急速冷却した。
RTP処理完了後、400℃前後でウエーハを取り出す際に、極薄い酸化膜が形成されるため、その後、5%HFに浸漬し、RTP処理で表面に形成された酸化膜を除去した後、サンプルとした(実施例10)。
各サンプルの1枚目はTDDB特性を評価し、2枚目はSIMSを用いて酸素の深さ方向分布を測定した。
表3はTDDB評価結果であり、図6は酸素濃度プロファイルである。
Figure 0005578172
TDDBのγモード良品率はいずれの場合も100%であり、良好である。
他方、酸素濃度の深さ方向分布を比較すると、図6に示すように、実施例10では、表層で酸素濃度が低下している領域はわずか1μmあるいはせいぜい2μmの深さ程度であり、しかもその低下量もごくわずかである。このようなウエーハの強度低下は無視できる程度である。さらには表層から1μmあるいは2μmより深い位置では酸素濃度は完全に均一であることが分かる。さらに高温のRTP処理をした場合には、酸素濃度の低下領域は多少拡がるが、処理時間が極めて短いため、最大でも3μm程度である。したがってRTP処理後に表面を僅かにポリッシュすると表層の酸素濃度低下部分を完全に除去可能であり、深さ方向に完全に均一な酸素濃度プロファイルを得ることができる。このように、TDDB特性が優れ、酸素濃度低下のない高品質のアニールウエーハを容易にコストがかかりすぎることなく得ることができる。
これに対して、比較例9の縦型炉で熱処理したアニールウエーハは表面から20μmの範囲で大幅に酸素濃度が低下しており、この領域では強度が低下してしまっている。
酸素濃度低下領域を熱処理後にポリッシュで除去することは可能であるが、20μm以上ポリッシュする必要があり、生産性ひいては製造コストの大幅な上昇を招いてしまう。
以上詳述したように、本発明のアニールウエーハは、グローイン欠陥であるOSF核やグローイン酸素析出物やRIE欠陥が、表層から少なくとも1μm以上、特には5μm以上(酸素濃度低下領域の1〜3μmを除いたとしても、2〜4μmもの深さを有する)存在しない、極めて良質な無欠陥領域を有している。このため酸化膜の長期信頼性であるTDDB特性が良好(しかも良品率が80%以上)であるばかりでなく、デバイス工程でドライエッチング装置を用いて酸化珪素とシリコンのエッチングレートの差(シリコンのエッチングレートが酸化珪素のエッチングレートより早い)を利用して溝加工を行う際に、酸素関連の欠陥や析出物が存在しないためこれらを頂点としたヒロックが形成されることなく、均一にエッチングができるようになる。
このため、均一で良質な溝加工ができるようになる。
更には、酸素濃度の表層での低下が無視できるほど小さい(深さ1〜3μm以内)、あるいは完全に無視できるので、デバイス形成するウエーハ表層における強度低下が基本的に発生しない。あるいは、わずかに研磨すれば強度低下領域をなくすことができる。このため、デバイス構造を形成することにより発生する応力によりスリップ転位が発生するのを防止できる効果がある。
更には、1300℃より高い温度でRTP処理する方法を用いれば、単にグローイン欠陥やグローイン酸素析出物やRIE欠陥を消滅させることができるばかりでなく、RTP処理時の雰囲気を適切に選択することにより、デバイス工程の熱処理で発生するBMD密度を促進または抑制させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (10)

  1. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶インゴットを育成し、該シリコン単結晶インゴットから切り出したシリコン単結晶ウエーハに急速熱処理を施すアニールウエーハの製造方法であって、
    前記シリコン単結晶インゴットを育成する際に、全面がOSF領域、または全面がOSF領域の外側のN領域、あるいはこれらの領域が混合した領域となるように引き上げ速度を制御して育成し、
    該育成したシリコン単結晶インゴットから切り出したシリコン単結晶ウエーハに、急速加熱・急速冷却装置を用い、1300℃より高く1400℃以下の温度で、
    熱処理時間を、シリコン単結晶ウエーハの欠陥領域が、
    OSF領域を含む場合は10−60秒間の範囲内で調整し、
    全面がN領域の場合は1−60秒間の範囲内で調整して急速熱処理を施すことにより、ウエーハ表面から少なくとも1μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させたアニールウエーハを製造することを特徴とするアニールウエーハの製造方法。
  2. 前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、全面がNv領域、または全面がNi領域、あるいはこれらの領域が混合した領域からなるシリコン単結晶インゴットから切り出すことを特徴とする請求項1に記載のアニールウエーハの製造方法。
  3. 前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、全面がOSF領域、OSF領域とNv領域が混合した領域、OSF領域とN領域が混合した領域のうちいずれかからなるシリコン単結晶インゴットから切り出し、前記急速熱処理を10−60秒間施すことを特徴とする請求項1に記載のアニールウエーハの製造方法。
  4. 前記急速熱処理を施すことにより、ウエーハ表面から少なくとも5μmの深さにわたってRIE欠陥を消滅させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアニールウエーハの製造方法。
  5. 前記製造するアニールウエーハを、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から3μm以内のものとすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアニールウエーハの製造方法。
  6. 前記製造するアニールウエーハを、表面の外方拡散により酸素濃度が低下する領域の深さがウエーハ表面から2μm以内のものとすることを特徴とする請求項4に記載のアニールウエーハの製造方法。
  7. 前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、4×1017以上9×1017atoms/cm(JEIDA)以下の濃度の酸素を含有するものとすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアニールウエーハの製造方法。
  8. 前記急速熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを、1×1011〜1×1015atoms/cmの濃度の窒素および/または1×1016〜1×1017atoms/cmの濃度の炭素を含有するものとすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアニールウエーハの製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のアニールウエーハの製造方法により製造したアニールウエーハを用いてデバイスを製造するとき、ドライエッチングを行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
  10. 前記デバイスを撮像用デバイスとすることを特徴とする請求項9に記載のデバイスの製造方法。
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