しかしながら、特許文献1のように、無端ベルトに寄りガイド部材を設けることでベルト寄りを抑制するとともに、寄りガイド部材では抑制できないベルト蛇行の影響を、画像担持体上の潜像の形成位置を制御することで抑制する技術においては以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1では、ベルト搬送ローラ端面の振れ、寄りガイド部材の主走査方向の振れを含めたベルト一周期分の蛇行成分を予め測定するため、ローラ端面と寄りガイド部材の双方の振れに起因するベルト蛇行を抑制できるが、無端ベルトおよび寄りガイド部材の経時的な変形や温度、湿度等の環境変化に伴う変形に対応するためには、蛇行成分の測定を頻繁に実施する必要があり、画像形成動作を頻繁に中断することとなるため、画像出力高速化の大きな妨げとなるという問題があった。また、振動の影響等による動的な変形に対しては、対応が困難であるという問題もあった。また、無端ベルトに寄りガイド部材を設けることでベルト寄りを抑制する方法では、無端ベルトを高速で駆動した場合、寄りガイド部材に大きな外力が加わって、無端ベルトおよび寄りガイド部材の座屈や破損を招きやすく、画像出力高速化が困難であるという問題もあった。
一方、特許文献2のように、無端ベルトに寄りガイド部材を設けず、ベルト斜行を検出することにより、画像担持体上の潜像の形成位置を制御する技術においては以下のような問題があった。
すなわち、特許文献2においては、ベルト斜行を検出する第1の方法として、ステアリングローラの制御信号を用いる方法が開示されているが、ステアリングローラはベルト上の各部分が1周後に常に同じ位置を通過するよう傾斜を調整することでベルト寄りを補正するものであり、1周の間の各ローラ間でどのような斜行が生じるかは各ローラの傾斜状態により決定される。このため画像歪みや色ずれに影響する、画像担持体からの画像転写面におけるベルト斜行は、ステアリングローラ傾斜のみで決定されるわけではない。温度変動や経時的変動等によりステアリングローラ以外のローラに傾斜が生じた場合、ステアリングローラの制御信号ではベルト斜行を正確に検出することはできず、正確な補正は不可能となるという問題があった。
また、特許文献2においては、ベルト斜行を検出する第2の方法として、画像位置検出用のマークを中間転写ベルトの画像領域の間に位置する非画像領域に形成し、マーク検出手段によって検出する方法が開示されているが、画像位置検出用マークを形成するためには画像担持体に形成したマーク潜像をトナーで現像し中間転写ベルト上に転写する必要があり、常時斜行検出を行うためには大量のトナーが消費され、画像形成コストが増大するという問題があった。また、通常の画像は中間転写ベルトから紙等の記録材に転写されるのに対し、画像位置検出用マークは転写されること無くクリーニング部材により除去する必要があり、中間転写ベルトクリーニングの負荷が増大し、クリーニング不良の原因となるという問題があった。
また、特許文献2においては、ベルト斜行を検出する第3の方法として、画像担持体からの画像転写面のベルト搬送方向における複数位置でベルトエッジを検出する方法が開示されているが、本来、ステアリングローラ調整のためのベルトエッジ検出には1つ配置するだけでよいベルトエッジセンサを複数配置する必要があるため、コストが増加するという問題があった。
さらに、フルカラー画像作成のために複数の画像担持体が配置される画像転写面のベルト搬送方向に複数のベルトエッジセンサを配置することはレイアウト的に困難であり、ベルト周長増大による装置大型化やコスト増大の原因となるという問題があった。また、ステアリングローラによるベルト寄り制御のための信号としてベルトエッジを検出しており、エッジセンサによって検出されるエッジデータは、ベルトエッジの形状を含んだ形状となるため、予め測定したエッジデータを参照してベルトの蛇行を制御するには、ベルトと同期を取る必要があるので、ベルトのホームポジションを検出するベルトホームセンサからの検出信号が必要となるという問題があった。
さらに、中間転写ベルトには、その中間転写ベルトの製造誤差によって、その搬送方向と直交する方向に移動する所謂"ベルト蛇行"が生じることがあるため、中間転写ベルトのエッジを、エッジセンサによって検出し、エッジセンサによって検出された中間転写ベルトの端部位置に応じて、ステアリングローラを制御することにより、"ベルト蛇行"を防止して、中間転写ベルトの端部位置が一定となるように制御する際、中間転写ベルトは、中間転写ベルトの端部位置が一定となるように制御しても、中間転写ベルトの端部位置そのものが、所定の位置から周期的にずれている場合など、"ベルト蛇行"が残ってしまう恐れがあるため、予め、ステアリングローラの制御を行わない状態で、中間転写ベルトの端部位置の周期的な変動をエッジセンサによって検出しておき、中間転写ベルトの端部位置の周期的な変動を平均化したデータを、ステアリング制御回路などに設けられた記憶手段に記憶させておくようにしている。そして、上記記憶手段に記憶された中間転写ベルトの端部位置の変動情報に基づいて、実際に生じる中間転写ベルトの端部位置の変動を検出して、"ベルト蛇行"を防止するように構成されている。これらの要因により、装置の製造コスト増大が避けられないという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、寄りガイド部材等のベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能であるとともに、簡単、低コストな構成で、正確に中間転写ベルトの主走査方向移動(寄り)を検出し、確実に補正するとともに、正確に中間転写ベルトの斜行を検出し、画像担持体画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を提供するものである。
本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される画像担持体と、前記画像担持体に形成された潜像を可視像化する現像器と、前記現像器により可視像化された複数色分の可視像が前記画像担持体から順次1次転写されるとともに、前記1次転写された可視象を記録材に2次転写する中間転写体と、を備え、前記中間転写体が、互いに略平行な複数のローラと、該複数のローラに張架された無端ベルト状の中間転写ベルトと、から構成され、前記複数のローラのうちの何れかのローラが、前記中間転写ベルトに張力を付与すべく張力付与方向に変位可能に支持されたテンションローラである画像形成装置であって、前記テンションローラの両端を張力付与方向に一定テンションで付勢するテンション付勢手段と、前記テンションローラの、テンション方向における傾斜を検出する傾斜検出手段と、前記傾斜検出手段が検出する前記テンションローラの傾斜に基づいて、前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置を補正する画像形成位置補正手段と、を備えることを特徴とする。
この構成により、従来のようにベルト高速駆動の障害となる寄りガイド部材等を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能になるとともに、簡単な構成で、正確に中間転写ベルトの斜行を検出でき、検出した斜行情報に基づき中間転写ベルト上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記中間転写ベルトの主走査方向の位置を検出するベルト寄り検出手段を備え、画像形成位置補正手段が、前記ベルト寄り検出手段の検出結果に基づいて、前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置を補正するとともに、補正後に前記傾斜検出手段が検出した前記テンションローラの傾斜に基づいて、前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置を再度補正することを特徴とする。
この構成により、正確に中間転写ベルトの斜行変化を検出でき、検出した斜行情報に基づき中間転写ベルト上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記テンションローラが、前記画像担持体と前記中間転写ベルトとが接触して1次転写が行われる1次転写面の近傍に配置されることを特徴とする。
この構成により、正確に中間転写ベルトの斜行変化を検出でき、検出した斜行情報に基づいて中間転写ベルト上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、複数のローラのうちの何れかのローラが、その一端が他端に対して前記中間転写ベルトの幅方向に直交する方向に相対的に移動可能に支持されたステアリングローラであり、前記ステアリングローラの一端を、他端に対して前記中間転写ベルトの幅方向に直交する方向に相対的に移動させることで、前記中間転写ベルトの主走査方向の移動を補正するベルト寄り補正手段を備えたことを特徴とする。
この構成により、簡単な構成で、中間転写ベルト上の画像形成位置を補正でき、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、複数のローラのうちの何れかのローラが、その一端が他端に対して前記中間転写ベルトの幅方向に直交する方向に相対的に移動可能に支持されたステアリングローラであり、前記ステアリングローラの他端を、一端に対して前記中間転写ベルトの幅方向に直交する方向に相対的に移動させることで、前記中間転写ベルトの斜行を補正するベルト斜行補正手段を備えたことを特徴とする。
この構成により、ベルト寄り補正による中間転写ベルトの斜行変化を検出でき、検出した斜行情報に基づき中間転写ベルト上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成位置補正手段が、前記画像担持体上の主走査方向の潜像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、中間転写ベルト上の画像形成位置を確実に補正でき、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記テンションローラの両端と前記テンション付勢手段との間に弾性部材をそれぞれ設け、前記テンション付勢手段が、前記テンションローラの両端を前記弾性部材を介して付勢することを特徴とする。
この構成により、低コストの構成で、中間転写ベルトの斜行変化の検出、中間転写ベルト上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記テンションローラの両端に、前記テンションローラのテンション方向における一定範囲以上の傾斜を規制する規制手段と、前記テンションローラに対する前記中間転写ベルトからの作用力を検出する荷重検出手段をそれぞれ設け、前記規制手段により前記テンションローラの傾斜が規制されている状態においては、前記荷重検出手段により検出される作用力に基づいて、前記画像形成位置補正手段が、前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、信頼性の高い構成で、中間転写ベルトの斜行変化の検出、中間転写ベルト上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の信頼性向上が実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記規制手段により規制される前記テンションローラのテンション方向傾斜可能範囲は、前記中間転写ベルトを張架する各ローラと前記中間転写ベルトの部品精度仕様、組付精度仕様および使用環境条件と、前記テンションローラの傾斜による前記中間転写ベルトの寄り補正および前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置の補正の仕様の範囲で、前記中間転写ベルトの回転停止状態において前記テンションローラに生じ得る傾斜以上とすることを特徴とする。
この構成により、信頼性の高い構成で、中間転写ベルトの斜行変化の検出、中間転写ベルト上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の信頼性向上が実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記テンションローラの両端に、前記テンションローラをスラスト方向に移動可能に支持する支持手段と、前記テンションローラの両端に作用するスラスト方向の力を検出するスラスト方向荷重検出手段をそれぞれ設け、前記スラスト方向荷重検出手段により検出されるスラスト方向の力に基づいて、前記画像形成位置補正手段により前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、より正確に、中間転写ベルトの斜行変化の検出、中間転写ベルト上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の高精度化が実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記テンションローラの両端に、前記テンションローラの両端に作用するテンション方向の力を検出するテンション方向荷重検出手段をそれぞれ設け、前記テンション方向荷重検出手段により検出される前記テンションローラの両端のテンション方向の力の差に基づいて、前記画像形成位置補正手段により前記中間転写ベルト上の主走査方向の画像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、より正確に、中間転写ベルトの斜行変化の検出、中間転写ベルト上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の高精度化が実現できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記テンションローラの傾斜可能範囲においては、前記テンション方向荷重検出手段により検出される前記テンションローラの両端のテンション方向の力に基づいて、前記テンション付勢手段が前記テンションローラの両端のテンションを一定に制御することを特徴とする。
この構成により、より正確に、中間転写ベルトの斜行変化の検出、中間転写ベルト上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の高精度化が実現できる。
本発明によれば、寄りガイド部材等のベルト高速駆動の障害となる構成を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能であるとともに、簡単、低コストな構成で、正確に中間転写ベルトの主走査方向移動(寄り)を検出し、確実に補正するとともに、正確に中間転写ベルトの斜行を検出し、画像担持体画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10は、現像器131、132、133、134をそれぞれ並設した4つの感光体ドラム101、102、103、104を備え、中間転写ベルト200上にフルカラー画像を形成するようになっている。
画像形成装置10においては、画像形成時に、画像担持体としての4つの感光体ドラム101、102、103、104を矢印方向(反時計方向)に回転駆動し、その表面を帯電器111、112、113、114で均一にそれぞれ帯電した後、露光装置121、122、123、124によって、入力される画像情報に応じた露光を行って静電潜像をそれぞれ形成するようになっている。
そして、イエロー用の現像器131により感光体ドラム101上の静電潜像にトナーを付着させてイエローのトナー像として現像するようになっている。また、マゼンタ用の現像器132により感光体ドラム102上の静電潜像にトナーを付着させてマゼンタのトナー像として現像するようになっている。また、シアン用の現像器133により感光体ドラム103上の静電潜像にトナーを付着させてシアンのトナー像として現像するようになっている。また、ブラック用の現像器134により感光体ドラム104上の静電潜像にトナーを付着させてブラックのトナー像として現像するようになっている。
これらイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、ブラックのトナー像は、感光体ドラム101、102、103、104に当接して矢印方向に回転する中間転写ベルト200上に1次転写されるようになっている。そして、中間転写ベルト200上に4色のトナー像を重ねる。これらの4色のトナー像が、給紙カセット(不図示)から搬送されてきた記録材Pに2次転写されることでフルカラー画像を得ることができるようになっている。中間転写ベルト200、および中間転写ベルト200を張架する駆動ローラ211、従動ローラ212、213、テンションローラ214、ステアリングローラ215は、中間転写体199を構成する。
図2に示すように、中間転写ベルト200の表面には、その主走査方向(幅方向)の一定位置に搬送方向全周に渡って形成されたライン状の検出マーク201が形成されている。検出マーク201に対向する位置には、この検出マーク201の主走査方向の位置を検出するベルト寄り検出手段205が配置されており、ベルト寄り検出手段205が検出マーク201の主走査方向の位置を順次検出することにより、中間転写ベルト200の主走査方向の移動を検出することができるようになっている。なお、中間転写ベルト200が主走査方向に移動してしまうことを、以下"ベルト寄り"ともいう。
このように、中間転写ベルト200上に予め高精度に形成した検出マーク201の主走査方向の移動を、ベルト寄り検出手段205により検出することでベルト寄りを検出するため、特許文献2の従来の技術のようにベルトエッジの位置を検出することでベルト寄りを検出する構成と比較して、予め測定したエッジデータを参照したり、エッジ位置の周期的な変動を平均化したデータを記憶手段等に記憶させておく必要がないため、より低コストな構成で、無駄時間のない高速なベルト寄りの検出および制御が可能となっている。
図3に概略構成を示すように、中間転写体199は、中間転写ベルト200を張架する互いにほぼ平行に配置された複数のローラとして、駆動ローラ211、従動ローラ212、213、テンションローラ214およびステアリングローラ215を備えている。中間転写ベルト200は、これら複数のローラのうちの駆動ローラ211によりベルト搬送方向に駆動されるようになっている。
また、駆動ローラ211および従動ローラ212、213が所定位置に固定されているのに対し、テンションローラ214の回転軸の両端は矢印方向に付勢されており、これにより中間転写ベルト200はほぼ一定のテンションで張架されている。
また、ステアリングローラ215は、中間転写ベルト200に生じたベルト寄り、すなわち中間転写ベルト200の主走査方向の移動を補正するものであり、ステアリングローラ215の回転軸の一端側215aはピボット軸受等でローラ回転軸直行方向に揺動可能に支持されているとともに、他端側215bはベルト寄り補正手段であるアクチュエータ216により矢印方向に往復移動可能に支持されている。
このように、中間転写ベルト200が主走査方向において発生した移動した方向とは逆の方向に移動するよう、ベルト寄り検出手段205からの情報に基づいてアクチュエータ216を駆動し、ステアリングローラ215を揺動することにより、ベルト寄りが一定範囲に制御されるので、従来のように寄りガイド部材等を設けることなく、ベルト寄りを抑制することが可能となっている。
ここで、ベルト寄りのない状態に補正された状態のベルト搬送状態を図4に示す。
図4に示すように、ベルト寄りのない状態に補正された後の中間転写ベルト200は、各ローラの傾きの影響により、画像転写面においてベルト斜行角θで傾いた状態で搬送される。
このため、画像転写面に形成される画像がベルト斜行角θで傾くとともに、各感光体ドラム101、102、103、104で形成される画像の中間転写ベルト200上への転写位置が主走査方向にずれることがある。すなわち、画像歪みや、カラー画像における色ずれが発生することがある。
以下、本発明の主要部について説明する。
通常、画像形成装置10の起動時等には画像形成位置の補正、例えば、中間転写ベルト200上に形成した各色トナー像によるテストパターンの位置を画像センサ(不図示)により検知し、その結果に応じて感光体ドラム101、102、103、104上の潜像の形成位置を露光装置121、122、123、124により調整する工程が実施され、このとき中間転写ベルト200の斜行の影響による色ずれも含めて補正される。
この後に環境条件の変化等により発生する中間転写ベルト200のベルト斜行角θの変化による色ずれに対しては、ベルト斜行角θの変化に応じて中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することにより、画像歪みやカラー画像における色ずれを補正することが可能となる。
ここで、中間転写ベルト200を付勢するテンションローラ214の両端に作用するテンションを一定とした場合、中間転写ベルト200のベルト斜行角θの変化とテンションローラ214のテンション方向に生じる傾斜の変化は同様となることが解析の結果明らかとなった。解析に用いた無端ベルトとローラの構成を図5に示す。
図5において、従動ローラ1を図中テンション方向に付勢するとともに、従動ローラ1の両端に作用するベルトテンションが一定値となるよう制御しつつベルトを回転駆動し、従動ローラ1を図中X軸回り(傾斜条件1)、従動ローラ2を図中X軸回り(傾斜条件2)、Y軸回り(傾斜条件3)に傾斜させた場合のそれぞれにおいて、ベルト斜行角θと従動ローラ1のテンション方向傾斜角の変化を求めた。
傾斜条件1の結果を図6、傾斜条件2の結果を図7、傾斜条件3の結果を図8に示す。
図6〜図8のように、従動ローラ1において両端のテンションを一定に制御した状態であれば、ベルト回転中にローラを傾斜させたとき、ベルト斜行に起因するローラの位置、ローラの移動方向、ベルトの回転方向によらず、ベルト斜行角θの変化とテンションローラのテンション方向に生じる傾斜の変化は同様となる。
これは、ベルト斜行によりベルト幅方向の張力が変化し、その変化に応じテンションローラが傾斜するためである。
図9に中間転写体199の詳細な構成を示すように、テンションローラ214の両端には、テンションローラ214のテンション方向位置を検出する位置センサ220が配置されている。また、テンションローラ214の両端はテンション付勢手段としての荷重発生器219によりテンション方向にそれぞれ付勢されており、荷重発生器219をコントロールすることにより任意のテンションでテンションローラ214を付勢することが可能となっている。
荷重発生器219の付勢力を一定に制御し、テンションローラ214のテンション方向の傾斜をテンションローラ214の両端に配置された位置センサ220の検出値により検知することで、ベルト斜行変化を検出し、ベルト斜行角θの変化に応じて中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することにより、画像歪みやカラー画像における色ずれを補正することが可能となる。
テンションローラ214の傾斜の変化によりベルト斜行の変化を検出できるが、テンションローラ214の傾斜角から直接的にベルト斜行角θを検出することはできないため、画像形成装置10の起動時等に行う画像形成位置補正動作時にテンションローラ214の傾斜を検知し、その検知結果に対するテンションローラ214の傾斜の変化を検知することで、画像形成位置補正動作後のベルト斜行変化を検出し、ベルト斜行角θの変化に応じて中間転写ベルト200上の主走査方向画像形成位置を補正する必要がある。
また、図5に示すように、解析においてベルト斜行を検出したベルト面に対し、テンションローラ214はベルト両端のローラの一方である。
上述のように、テンションローラ214は、ベルト斜行によるベルト幅方向の張力が変化に応じ傾斜するため、このように、ベルト傾斜を検出したいベルト面の近傍にテンションローラ214を配置することが望ましい。テンションローラ214は、画像担持体である感光体ドラム101、102、103、104と中間転写ベルト200とが接触して1次転写が行われる1次転写面の近傍に配置されることが望ましい。この場合、図3、図9におけるステアリングローラ215の位置にテンションローラ214を配置し、テンションローラ214の位置にステアリングローラ215を配置する構成が考えられる。
上述のように、ベルト斜行角θが変化する要因の1つとして環境条件の変化が挙げられるが、それ以外の大きな要因として、図3、9に示したようなベルト寄り補正手段としてのアクチュエータ216の影響がある。すなわち、ベルト寄り検出結果に基づき、補正すべくステアリングローラ215を揺動させるため、このとき図6〜図8に示したように、ローラ傾斜によるベルト斜行が生じ、画像歪みやカラー画像における色ずれが生じる。
このため、本発明をベルト寄り補正手段としてのアクチュエータ216を有する画像形成装置10に適用することで、ベルト寄り補正動作による画像歪みやカラー画像における色ずれを補正することが可能となる。
ベルト斜行角θの変化に応じて中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正する方法としては、ステアリングローラ215以外のローラをステアリングローラ215と同様の構成動作により傾斜させる方法がある。
図9に示した構成においては、ステアリングローラ215は中間転写ベルト200に生じた寄りおよび斜行を補正するもので、ステアリングローラ215の回転軸の両端はピボット軸受等によりローラ回転軸直行方向に揺動可能に支持されているとともに、他端側215bはベルト寄り補正手段としてのアクチュエータ216により矢印方向に往復移動可能に支持され、他端側215aはベルト斜行補正手段としてのアクチュエータ217により矢印方向に往復移動可能に支持されている。
ベルト寄り検出情報に基づき、アクチュエータ216を駆動し、発生したベルト主走査方向移動と逆の方向にベルトが移動するようステアリングローラ215を揺動することにより、ベルト寄りは一定範囲に制御され、従来のように寄りガイド部材等を設けることなく、ベルト寄りを抑制することが可能となる。
ベルト斜行検出情報に基づき、アクチュエータ217を駆動し、発生したベルト主走査方向傾きと逆の方向にベルトが傾斜するようステアリングローラ215を揺動することにより、ベルト斜行は一定範囲に制御され、画像歪み、色ずれを防止することができる。
ベルト斜行角θの変化に応じて、中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正するための方法としては、画像担持体上に潜像を形成する露光装置121、122、123、124の光路中に光軸角度を変更する手段を設け、感光体ドラム101、102、103、104上の潜像の形成位置を変化させる方法がある。
図10において、プリンタドライバ部308から転送された画像信号は、画像書込制御部301を構成する画像信号生成部304に入力される。
また、エンジン制御部307からのエンジン制御情報も画像書込制御部301に入力される。画像信号生成部304では、入力された画像信号がエンジン制御情報に従った処理にて画像処理される。この際、画像信号生成部304では実際に記録紙上に画像を展開するため、画像形成に用いる最小画素を定義する画素クロック信号(wclk)にて処理される。
この画素クロック信号は、画素クロック生成部302にてエンジン制御部307からの解像度、感光体ドラム101〜104の線速等の情報により所定の周波数のクロック信号(wclk)を生成し、画像信号生成部304および逓倍回路部303に入力される。画像信号生成部304で画像処理された実画像信号は書込位置制御部305に入力される。
書込位置制御部305には、他にレーザ書込装置310の同期検知部309から同期検知信号(DETP)、中間転写ベルト200の斜行情報により作成したベルト変位信号(Δa)、エンジン制御部307からのエンジン制御情報が入力される。
同期検知信号(DETP)は、レーザビームを感光体ドラム101〜104上に露光させる際に主走査方向の書込開始位置を一定に保つための信号である。この信号は、レーザ書込装置中のポリゴンミラーにて反射偏向されたレーザビームの感光体ドラム101〜104上の走査領域外に配置された同期検知板からの出力信号であり、同期検知板にはフォトダイオード等の受光素子が同期検出センサとして配役され、同期検出センサは入射されるレーザビームを光電変換して同期検知信号(DETP)を出力する。
ベルト変位信号(Δa)は、中間転写ベルト200の主走査方向の変位を示す信号であり、アクチュエータ216の駆動によるベルト寄り補正中に発生する、画像転写面内における中間転写ベルト200の主走査方向の変位をベルト斜行情報から算出した信号である。書込位置制御部305では、同期検知信号(DETP)に対し画像信号生成部304からの実画像信号を所定のタイミングで合成し、光源である半導体レーザを駆動させる信号を生成している。この際、ベルト変位信号(Δa)に応じて同期検知信号から実画像信号を書き込む開始タイミングを制御している。
書込位置制御部305には、画素クロック生成部302にて生成された画素クロック信号(wclk)を逓倍処理された斜行補正クロック信号(dclk)が入力される。
この斜行補正クロック信号(dclk)は、画像形成可能な最小画素を定義する画素クロック信号(wclk)を逓倍処理して得られる、画素クロック信号よりも高周波な信号である。
また、斜行補正クロック信号(dclk)は、転写スリット位置センサの検出分解能に応じた周波数のクロック信号であり、斜行補正クロック信号(dclk)の1クロックがベルト斜行情報の1分解能に相当している。
ベルト斜行情報から算出したベルト変位信号(Δa)を検出し、書込位置制御部305に同期検知信号(DETP)とベルト変位信号(Δa)が入力される。
このベルト変位信号(Δa)が0の場合の同期検知信号から実画像信号の主走査方向の開始位置までがA(=N×wclk)とすると、Δa>0が検出された場合には、同期検知信号から実画像書出しタイミングまでの遅延時間をA+Δa×dclkと変更し、ベルト斜行が無い場合に対し実画像書出し開始位置を遅らせる。
他方、Δa<0の場合は、上記遅延時間をA−Δa×dclkとし相対的に実画像書出し開始タイミングを速める。レーザ駆動部306には、書込位置制御部305で合成されたレーザ駆動信号が入力される。
レーザ駆動信号のON/OFFによりレーザ駆動部306に実装された半導体レーザが点灯/消灯動作を繰り返し駆動される。半導体レーザを駆動することにより出射されたレーザビームはレーザ書込装置310に入射し、複数のレンズ、ミラー等を透過、反射し光路中を進行する。光路途中に配置されたポリゴンミラーにて回転偏向され、感光体ドラム101〜104上に主走査方向へレーザビームが露光する。この露光から出力画像が得られるまでの過程は前述した通りである。
以上の構成において、ベルト斜行情報に基づき、画像担持体である感光体ドラム101、102、103、104上の潜像の形成位置を制御することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止でき、高コストとなる高機能な制御系や高精度な光学系等を設けることなく、出力画像の大幅な高画質化が可能となる。
以上のように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、潜像が形成される感光体ドラム101、102、103、104と、感光体ドラム101、102、103、104に形成された潜像を可視像化する現像器131、132、133、134と、現像器131、132、133、134により可視像化された複数色分の可視像が感光体ドラム101、102、103、104から順次1次転写されるとともに、1次転写された可視象を記録材Pに2次転写する中間転写体199と、を備え、中間転写体199が、互いに略平行な複数のローラと、この複数のローラに張架された無端ベルト状の中間転写ベルト200と、から構成され、複数のローラのうちの何れかのローラが、中間転写ベルト200に張力を付与すべく張力付与方向に変位可能に支持されたテンションローラ214であり、テンションローラ214の両端を張力付与方向に一定テンションで付勢する荷重発生器219と、テンションローラ214の、テンション方向における傾斜を検出する位置センサ220と、位置センサ220が検出するテンションローラ214の傾斜に基づいて、中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正する露光装置121、122、123、124と、を備えることを特徴とする。
この構成により、従来のようにベルト高速駆動の障害となる寄りガイド部材等を用いることなく、画像出力の大幅な高速化が可能になるとともに、簡単な構成で、正確に中間転写ベルト200の斜行を検出でき、検出した斜行情報に基づき中間転写ベルト200上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、中間転写ベルト200の主走査方向の位置を検出するベルト寄り検出手段205を備え、露光装置121、122、123、124が、ベルト寄り検出手段205の検出結果に基づいて、中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正するとともに、補正後に位置センサ220が検出したテンションローラ214の傾斜に基づいて、中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を再度補正することを特徴とする。
この構成により、正確に中間転写ベルト200の斜行変化を検出でき、検出した斜行情報に基づき中間転写ベルト200上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、テンションローラ214が、画像担持体である感光体ドラム101、102、103、104と中間転写ベルト200とが接触して1次転写が行われる1次転写面の近傍に配置されることを特徴とする。
この構成により、正確に中間転写ベルト200の斜行変化を検出でき、検出した斜行情報に基づいて中間転写ベルト200上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、複数のローラのうちの何れかのローラが、その一端が他端に対して中間転写ベルト200の幅方向に直交する方向に相対的に移動可能に支持されたステアリングローラ215であり、ステアリングローラ215の一端を、他端に対して中間転写ベルト200の幅方向に直交する方向に相対的に移動させることで、中間転写ベルト200の主走査方向の移動を補正するアクチュエータ216を備えたことを特徴とする。
この構成により、簡単な構成で、中間転写ベルト200上の画像形成位置を補正でき、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、複数のローラのうちの何れかのローラが、その一端が他端に対して中間転写ベルト200の幅方向に直交する方向に相対的に移動可能に支持されたステアリングローラ215であり、ステアリングローラ215の他端を、一端に対して中間転写ベルト200の幅方向に直交する方向に相対的に移動させることで、中間転写ベルト200の斜行を補正するアクチュエータ217を備えたことを特徴とする。
この構成により、ベルト寄り補正による中間転写ベルト200の斜行変化を検出でき、検出した斜行情報に基づき中間転写ベルト200上の画像形成位置を確実に補正することで、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、露光装置121、122、123、124が、感光体ドラム101、102、103、104上の主走査方向の潜像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、中間転写ベルト200上の画像形成位置を確実に補正でき、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止できるため、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
以下、本発明の他の主要部について更に説明する。まず、図11に示す構成について説明する。
図1〜図10を参照して前述した実施の形態では、図3に示したように、中間転写ベルト200と複数のローラにより構成される中間転写体199において、テンションローラ214の両端を付勢しているのは、ベルト張架テンションを規定状態とするためだけではなく、中間転写ベルト200や各ローラの部品精度や組付精度、環境変動により生じるベルト両端でのベルト張架テンション差、ローラ偏心によるベルトテンション変動およびステアリングローラ215のステアリング動作(傾斜)により生じるベルト両端でのベルト張架テンション差等に応じてテンションローラ214の移動、傾斜を許容するためである。
そして、前述の実施の形態では、テンションローラ214の両端を付勢する具体例として、図9に示したように、テンションローラ214の両端をテンション付勢手段である荷重発生器219によりテンション方向に付勢し、荷重発生器219をコントロールすることで一定テンションで付勢しているが、この場合、ローラ偏心によるベルトテンション変動等の高帯域の変動に対応するためには荷重発生器219を高度に駆動制御する必要が生じ、高コスト化の要因となる。
そこで、図11に示すように、テンションローラ214の両端と各荷重発生器219との間にバネ等の弾性部材221を設け、この弾性部材221を介してテンションローラ214の両端を荷重発生器219により付勢する構成とすることにより、高帯域の変動は弾性部材221の弾性変形により吸収され、静的誤差および低帯域の変動に対してのみ荷重発生器219のコントロールで対応する構成とすることで、低コスト化が可能となる。
次に、図12に示す構成について説明する。
テンションローラ214は中間転写ベルト200や各ローラの部品精度や組付精度、環境変動により移動、傾斜するが、テンションローラ214の両端のテンションを一定に制御した状態でベルト回転中のステアリング動作で生じるテンションローラ214の傾斜は、ステアリングローラ215の傾斜で生じた中間転写ベルト200の両端の張架テンション差による傾斜のみではなく、ベルト斜行状態でベルトが回転することにより生じたベルト幅方向張力変化による傾斜が含まれるのは前述の通りである。
ここで、中間転写ベルト200、各ローラ部品精度、組付精度、環境変動による傾斜、およびステアリング動作で生じた中間転写ベルト200の両端の張架テンション差による傾斜は、中間転写ベルト200の両端の張架テンションを一定範囲に維持するために必要なものであるのに対し、ベルト斜行によるベルト幅方向張力変化は、テンションローラ214に対し中間転写ベルト200から作用するスラスト方向力の影響でテンションローラ214に対し傾斜方向の力が生じるためであり、これによりテンションローラ214が傾斜した場合、テンションローラ214において両端テンションを一定に制御しても他のローラではベルト両端のテンションに差が生じる片当たり状態となり、許容範囲を超えたテンションローラ傾斜が生じた場合、正常動作が困難となる。
そこで、図12に示すように、テンションローラ214の両端のテンション方向移動を規制する規制手段222を設け、テンションローラ214の移動、傾斜範囲を、少なくとも上記のような中間転写ベルト200の両端の張架テンションを一定範囲に維持するために必要な範囲以上かつ正常動作可能な許容範囲以内とし、テンションローラ214の傾斜が規制された状態においては、テンションローラ214に対して中間転写ベルト200から作用するスラスト方向力を後述するスラスト方向荷重検出手段224(図13参照)により検出し、その検出結果に応じ中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正する構成とすることで、装置異常動作を防止し信頼性の向上が可能となる。
次に、図13に示す構成について説明する。
図12で説明したテンションローラ214に対して中間転写ベルト200から作用するスラスト方向力を検出する構成の具体例としては、図13に示すように、テンションローラ214の両端を回転可能かつスラスト方向に移動可能に支持する支持手段223により支持し、かつ、テンションローラ214の端部に、テンションローラ214のスラスト方向に作用する力を検出するスラスト方向荷重検出手段224を設けることで、正確にスラスト方向力を検出可能となり、高精度に中間転写ベルト200の上主走査方向の画像形成位置を補正することが可能となる。
次に、図14に示す構成について説明する。
上述のように中間転写ベルト200から作用するスラスト方向力はテンションローラ214に対し傾斜方向の力が生じるため、中間転写ベルト200から作用するスラスト方向力を検出する構成としては、図14に示すように、テンションローラ214の両端に、テンションローラ214のテンション方向に作用する力を検出するテンション方向荷重検出手段225を設け、テンションローラ214の両端に作用するテンション方向力の差を検出することで、正確にスラスト方向力を検出可能となり、高精度に中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することが可能となる。
また、テンションローラ214の許容傾斜範囲内においてテンションローラ214の両端テンションを一定に制御するために、テンション方向荷重検出手段225の検出結果に基づき荷重発生器219をコントロールすることで、より正確なテンション制御が可能となり、この状態でテンションローラ214の傾斜を検出して中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正する構成とすることで、高精度に中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することが可能となる。
以上、図11〜図14を参照して説明したように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、テンションローラ214の両端と荷重発生器219との間に弾性部材221をそれぞれ設け、荷重発生器219が、テンションローラ214の両端を弾性部材221を介して付勢することを特徴とする。
この構成により、低コストの構成で、中間転写ベルト200の斜行変化の検出、中間転写ベルト200上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置を実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、テンションローラ214の両端に、テンションローラ214のテンション方向における一定範囲以上の傾斜を規制する規制手段222と、テンションローラ214に対する中間転写ベルト200からの作用力を検出する荷重検出手段としてのスラスト方向荷重検出手段224またはテンション方向荷重検出手段225をそれぞれ設け、規制手段222によりテンションローラ214の傾斜が規制されている状態においては、荷重検出手段としてのスラスト方向荷重検出手段224またはテンション方向荷重検出手段225により検出される作用力に基づいて、露光装置121、122、123、124が、中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、信頼性の高い構成で、中間転写ベルト200の斜行変化の検出、中間転写ベルト200上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の信頼性向上が実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、規制手段222により規制されるテンションローラ214のテンション方向傾斜可能範囲は、中間転写ベルト200を張架する各ローラと中間転写ベルト200の部品精度仕様、組付精度仕様および使用環境条件と、テンションローラ214の傾斜による中間転写ベルト200の寄り補正および中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置の補正の仕様の範囲で、中間転写ベルト200の回転停止状態においてテンションローラ214に生じ得る傾斜以上とすることを特徴とする。
この構成により、信頼性の高い構成で、中間転写ベルト200の斜行変化の検出、中間転写ベルト200上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の信頼性向上が実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、テンションローラ214の両端に、テンションローラ214をスラスト方向に移動可能に支持する支持手段223と、テンションローラ214の両端に作用するスラスト方向の力を検出するスラスト方向荷重検出手段224をそれぞれ設け、スラスト方向荷重検出手段224により検出されるスラスト方向の力に基づいて、露光装置121、122、123、124により中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、より正確に、中間転写ベルト200の斜行変化の検出、中間転写ベルト200上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の高精度化が実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、テンションローラ214の両端に、テンションローラ214の両端に作用するテンション方向の力を検出するテンション方向荷重検出手段225をそれぞれ設け、テンション方向荷重検出手段225により検出されるテンションローラ214の両端のテンション方向の力の差に基づいて、露光装置121、122、123、124により中間転写ベルト200上の主走査方向の画像形成位置を補正することを特徴とする。
この構成により、より正確に、中間転写ベルト200の斜行変化の検出、中間転写ベルト200上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の高精度化が実現できる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、テンションローラ214の傾斜可能範囲においては、テンション方向荷重検出手段225により検出されるテンションローラ214の両端のテンション方向の力に基づいて、荷重発生器219がテンションローラ214の両端のテンションを一定に制御することを特徴とする。
この構成により、より正確に、中間転写ベルト200の斜行変化の検出、中間転写ベルト200上の画像形成位置の補正が可能となり、主走査方向の位置ずれによる画像歪み、色ずれを防止し、出力画像の大幅な高画質化が可能な画像形成装置の高精度化が実現できる。