JP5488520B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
少なくとも1つの気筒に筒内圧センサが取り付けられ、当該少なくとも1つの気筒に対してEGRを実行可能な内燃機関の制御装置であって、
EGR率を小数で表した場合における1+EGR率の値に対して空燃比の値を積算した項を含む燃焼速度の演算式に従って、前記筒内圧センサが取り付けられた気筒の燃焼速度を算出する第1算出手段と、
前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒の燃焼の状態を表す量である燃焼状態量のうち燃焼速度とは空燃比またはEGRについての感度が異なる少なくとも1種類の燃焼状態量を、前記筒内圧センサの出力に基づいて算出する第2算出手段と、
前記燃焼速度および前記少なくとも1種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する計算手段と、
を備えることを特徴とする。
少なくとも1つの気筒に筒内圧センサが取り付けられ、当該少なくとも1つの気筒に対してEGRを実行可能な内燃機関の制御装置であって、
前記筒内圧センサが取り付けられた気筒における新気とEGRガスを含む筒内ガスの燃料濃度を表す項を有する演算式に従って、前記筒内圧センサが取り付けられた気筒の燃焼速度を算出する第1算出手段と、
前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒の燃焼の状態を表す量である燃焼状態量のうち燃焼速度とは空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも1種類の燃焼状態量を、前記筒内圧センサの出力に基づいて算出する第2算出手段と、
前記燃焼速度および前記少なくとも1種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する計算手段と、
を備えることを特徴とする。
[システム構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の構成を、これが適用される内燃機関(以下、単にエンジンという)システムの構成とともに示す図である。車両等の移動体に搭載される内燃機関に好適に用いることができる。図1に示すエンジンは、スパークプラグ6を備えた火花点火式の4ストロークレシプロエンジンである。また、筒内に燃料を直接噴射する燃料直噴インジェクタ7を備えた筒内直噴エンジンでもある。図1では1つの気筒のみが描かれているが、一般的な車両用のエンジンは複数の気筒から構成されている。そのうち少なくとも1つの気筒には筒内圧を測定するための筒内圧センサ5が取り付けられており、本実施形態では好ましい形態として複数の気筒すべてに対してそれぞれ筒内圧センサ5が取り付けられているものとする。
また、このエンジンには、クランク軸の回転角に応じて信号を出力するクランク角度センサ8と、ノックの発生を検出するためのノックセンサ9とが取り付けられている。クランク角度センサ8の信号CAからは、エンジン回転数(単位時間当たり回転数)や、ピストンの位置によって決まる筒内容積を計算することができる。気筒に接続された吸気通路の入口にはエアクリーナ1が設けられ、エアクリーナ1の下流にスロットルバルブ2が配置されている。スロットルバルブ2の下流にはサージタンク4が設けられていて、サージタンク4には吸気圧を測定するための吸気圧センサ3が取り付けられている。
一方、気筒に接続された排気通路には2つの触媒10,11が配置されている。また、このエンジンの排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路にはEGRクーラ13とEGRバルブ12とが設けられている。EGRクーラ13にはその冷却水温を測定するための水温センサ14が取り付けられている。また、このエンジンは制御装置としての演算処理装置20を備えている。演算処理装置20は各センサ3,5,8,9,14からの信号を処理し、その処理結果を各アクチュエータ2,6,7,12の操作に反映させている。
(実施の形態1にかかる計算技術の基本概念)
図2は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図であり、実施の形態1にかかる計算技術の基本概念の内容説明するための図である。図2は、具体的には、空燃比に対する各燃焼状態量(燃焼の状態を表す量)の感度(Sensitivity)を示す図である。図2には、(i)Pmax(最大筒内圧)、(ii)Ingition Delay(着火遅れ)、(iii)Heat Release(発生熱量)、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)、(v)Specific Heat Ratio(比熱比)という5つの燃焼状態量についての感度(つまり変化の割合(%))の相違が示されている。
図2における上段には、空燃比A/Fが14.6から13へと変化した場合、つまりストイキからリッチへと変化した場合における感度が示されている。この場合、例えば、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)は、他の燃焼状態量との比較では、相対的に、空燃比のリッチ側変化に対する感度が高いという結果が示されている。
図2における下段には、空燃比A/Fが14.6から18へと変化した場合、つまりストイキからリーンへと変化した場合における各燃焼状態量の感度(変化の割合)が示されている。この場合、例えば、(iii)Ingition Delay(着火遅れ)は、他の燃焼状態量との比較では、相対的に、空燃比のリーン側変化に対する感度が高いという結果が示されている。
図2における上段と下段とを合わせて観察すると、例えば(iii)Heat Release(発生熱量)および(iv)Combustion Speed(燃焼速度)はともに、空燃比のリッチ側変化およびリーン側変化について比較的高い感度を示すことがわかる。
図3によれば、EGRに対して、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)が相対的に高い感度を示し、(ii)Ingition Delay(着火遅れ)もそれに続いて高い感度を示していることがわかる。
図3からは、図4において矢印で示すように、EGRに対する感度が各燃焼状態量ごとに相違していること、特に、(i)Pmax(最大筒内圧)および(ii)Ingition Delay(着火遅れ)と、(iii)Heat Release(発生熱量)および(iv)Combustion Speed(燃焼速度)との間で、感度の相違が顕著に認められる。
すなわち、演算処理装置20が、筒内圧センサ5の出力に基づいて、上記列挙した燃焼状態量のうちから、空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量を算出する。また、その一方で、算出対象とする少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を、予め実験等を行うことにより特定しておき、この関係を参照できるように演算処理装置20内のメモリに記憶しておく。次いで、演算処理装置20が、予め記憶した燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、算出した燃焼状態量の値から、筒内圧センサ5が取り付けられた気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する。
より具体的に述べれば、算出対象とする少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の相関関係を、数式(例えば連立方程式)として整理したうえで、演算処理装置20に記憶してもよい。この数式に対して、筒内圧センサ5の出力に基づき計測データとして求めた燃焼状態量を代入し、その解を求めることによって、空燃比または/およびEGR率を計算してもよい。
この手法によれば、空燃比やEGR率についての感度が相違する複数の燃焼状態量の存在に着目し、その複数の燃焼状態量と空燃比、EGR率との間の関係を利用することにより、筒内圧センサの出力から空燃比やEGR率を精度良く求めることができる。
図5は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作を説明するための図である。以下、図5を用いて、実施の形態1にかかる燃焼速度計算技術を説明するとともに、この燃焼速度計算技術を利用して上述した実施の形態1に係る計算技術の計算精度などを改善することができる点を説明する。なお、以下の説明では、「空燃比またはEGRに対する感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量」のうち、少なくとも1種類は「燃焼速度」とし、他の種類として「発生熱量」を選択するものとする。
先ず、熱発生量と燃焼速度について、空燃比とEGRに対する相関関係を予め把握する。具体的には、図5に示すように、熱発生量と空燃比の関係、熱発生量とEGRとの関係、燃焼速度と空燃比との関係、燃焼速度とEGRとの関係について、それぞれ計測或いは計算による検討をしておく。エンジン回転数NEについて1200rpmと2000rpmの2つの条件を設定し、吸入空気量GAについて10g/sと20g/sの2つの条件を設定している。これらの組み合わせにより、図5に示すように3つのエンジン回転数・吸入空気量の条件を設定して、各関係について検討を行っている。
図5に示すごとき検討を行って、空燃比、EGR、熱発生量、および燃焼速度の間にある相関関係を把握して数式(相関式)にまとめることにより、本願発明者は下記の式を導出した。
但し、上記の式において、「Q」は熱発生量であり、「ηc」は充填効率であり、「AF」は空燃比であり、「EGR」はEGR率であり、「CS」は燃焼速度であり、「NE」はエンジン回転数であり、「Pθcomp」は圧縮圧である。α1〜α8は、把握した相関関係に基づいて定めた所定の係数である。
演算処理装置20は、内部又は外部のメモリに記憶させた上記の式の連立解を求める演算処理プログラムを実行することができる。上記の式の連立解として得られる空燃比AFとEGR率とを、筒内圧センサ5が測定する気筒における空燃比とEGR率の検出値として取り扱うことができる。
本願発明者は、「空燃比と燃焼速度との相関」および「EGRと燃焼速度との相関」の間にある一定の関係の存在を見出すとともに、具体的に「空燃比をリーンにした際の燃焼速度の低下量と、EGRを導入した際の燃焼速度の低下量との間に、一定の相関があること」を見出すに至った。この一定の相関についての詳細な検討の結果、本願発明者は、「空燃比をリーンにする際における増加空気量と同等量のEGRを導入した場合に、燃焼速度が、空燃比をリーンにした時と同等の感度(変化の割合)で低下する」という事実に着目するに至った。
図6は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置における燃焼速度計算技術を説明するための図である。図6は、空燃比(左図)およびEGR(右図)が、燃焼速度(Combustion Speed)に及ぼす影響を調査した結果を示す。なお、図中に矢印で示すとおり、縦軸方向の目盛は5%/msec間隔である。図6に示すとおり、空燃比と燃焼速度との相関、およびEGRと燃焼速度との相関は、それぞれ線形的なものである(各図の破線および一点鎖線を参照)。図6に示す矢印Aは、空燃比A/Fの値が2ほどリーンに変化した場合(具体的には、空燃比が14から16へと変化した場合)における燃焼速度の低下量を指し示しており、その値は5%/msecである。一方、図6に示す矢印Bも5%/msecの燃焼速度低下量を指し示している。本願発明者は、「空燃比を2だけリーン化する際に増加する空気量と同等量のEGR」を行った場合には、「空燃比を2だけリーン化させたときと同等の感度で、燃焼速度が低下する」という事実を見出したのである。本願発明者は、「筒内ガスの燃料密度が、燃焼速度に影響を与えている」という知見を得ており、その結果、物理現象により近い形でのモデル式を作成するための好ましい形態として、実施の形態1にかかる燃焼速度を表す演算式を作成するに至った。
上記の式1の右辺第1項「α1×AF×(1+EGR)」は、「EGR率を小数で表した場合における1+EGR率の値に対して、空燃比の値を積算した項」である。式1にこのような形式の項を含ませた理由は、次のとおりである。すなわち、空燃比が一定の場合に、一例として、EGR率=+10%でのEGRを行ったとする。上述したように「空燃比をリーンにする際における増加空気量と同等量のEGRを導入した場合に、燃焼速度が、空燃比をリーンにした時と同等の感度(変化の割合)で低下する」のであるから、「+10%のEGR」を行うことで、「その+10%のEGRガス分の新気が増大したときと同等の燃焼速度低下」が表れると考えられる。そうすると、内燃機関制御上の空燃比(新気/燃料)に対して、このEGR率変化分の係数(この例では10%増加と言う意味で1.1倍の増加であり、例えばEGR率20%であれば1.2倍の増加となる)を積算すれば、空燃比変化およびEGR変化により生ずる燃焼速度変化を正確に表した計算を行うことができる。このような技術的思想により、実施の形態1にかかる上記の式1の右辺第1項が、「α1×AF×(1+EGR)」という形式つまり「AF」と「1+EGR」とを同一の項に含む形式とされている。
特に、実施の形態1によれば、筒内圧センサ5の測定データを用いているので筒内の燃焼状態に基づいてリアルタイムでのA/F制御が可能となる。この点は、既存の排気によるA/F制御(排気空燃比を空燃比センサで検出することによるA/F制御)では得られない優れた特徴である。
さらに、各気筒について算出されたEGR率の相違に基づいて、各気筒のそれぞれの制御内容の算定を行ったり、または既に算定された制御内容の補正を行ったりしてもよい。これにより、気筒毎のEGR率を求めて、内燃機関の制御内容を適正化することができる。
具体的には、例えば、演算処理装置20が、各気筒の燃料直噴インジェクタ7のそれぞれの燃料噴射量を、EGR率の相違に基づいて設定してもよい。これによれば、気筒毎のEGR率を求めて、燃料噴射量を気筒毎に適正化することができる。
実施の形態1では、「EGR率を小数で表した場合における1+EGR率の値に対して空燃比の値を積算した項」を含む燃焼速度の演算式、すなわち式1における「AF×(1+EGR)」を含む演算式を、燃焼速度の計算に使用した。しかしながら、本発明はこのような形式に限定されるものではない。
前述したように、本願発明者は、「筒内ガスの燃料密度が、燃焼速度に影響を与えている」という知見を得ており、「空燃比をリーンにする際における増加空気量と同等量のEGRを導入した場合に、燃焼速度が、空燃比をリーンにした時と同等の感度(変化の割合)で低下する」という知見を得ている。この知見に基づいて、「空燃比」および「小数で表したEGR率」という形式に限定されずに、「新気とEGRガスを含む筒内ガスの燃料濃度を表す項」を含む演算式を、燃焼速度の演算式として作成してもよい。前述したように、実施の形態1でいうEGR率とは、EGRガスの筒内ガスに対する比率を意味しており、その分子の値はEGRガスの量である。空燃比とEGR率とを考慮したときの筒内ガスの燃料密度とは、下記の式で表すことができる。
筒内ガス量/筒内燃料量 = (新気の量+EGRガス量)/筒内燃料量
この式は、Gas/Fuelの意味の「G/F」とも称される概念を表している。実施の形態1における式1の右辺第1項「α1×AF×(1+EGR)」に代えて、このG/Fに所定係数を乗じるような項を含む演算式を、燃焼速度の演算式として作成しても良い。
前述したように、実施の形態1によれば、式1の利用によって、燃焼速度に関する高精度の計算が可能である。この高精度に算出された燃焼速度のほかに「実施の形態1にかかる計算技術の基本概念」で述べた計算を行うための燃焼状態量として、発生熱量の代わりに、「燃焼状態量のうち燃焼速度とは空燃比またはEGRについての感度が異なる少なくとも1種類の燃焼状態量」を選択してもよい。そのうえで、上述した実施例において燃焼速度および発生熱量について行ったのと同様の技術的手法、つまり、相関関係の把握およびその相関を数式等にまとめて演算処理装置20に記憶して筒内圧センサ5の出力値から計算を行うようにしてもよい。図2乃至図4で挙げたように、少なくとも、(i)Pmax(最大筒内圧)、(ii)Ingition Delay(着火遅れ)、(iii)Heat Release(発生熱量)、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)、(v)Specific Heat Ratio(比熱比)という5つの燃焼状態量について、空燃比またはEGRに対する感度の相違が認められる。これらのなかから、発生熱量に代えて、適宜に少なくとも1種類の燃焼状態量を選択して実施の形態1の実施例と同様の技術的手法を適用してもよい。
この点、実施の形態1にかかる計算技術によれば、空燃比とEGRによって決定される燃焼状態を筒内圧センサにより直接に検出することができる。このため、従来構築されているEGR検出技術と比べて、機差ばらつきやデポジットの影響を受けることなしに、精度良くEGR率および空燃比を検出することができる。また、既に説明したように、気筒毎のEGR率および空燃比を検出することもできる。
さらに、上記の実施の形態1にかかる構成は、筒内圧センサ5の計測データのみから、空燃比およびEGR量を精度良く求めることができるという特徴も有している。つまり、空燃比センサ、吸気圧センサ3、エアフローメータ、EGR弁開度などの情報を用いなくとも、筒内圧センサ5の計測データのみから空燃比およびEGR量を精度良く求めることができる。但し、それらの情報を用いて補正演算などを行うことで一層精度良くEGR率や空燃比を求めてもよく、その様な実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置について説明する。実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置およびこれが適用される内燃機関(エンジン)のハードウェア構成は、実施の形態1のハードウェア構成と同様である。以下、重複を避けるために、実施の形態1で述べた構成と同一あるいは相当する構成には同じ符号を付して説明をし、適宜に説明を省略ないしは簡略化する。
以下、実施の形態2における燃料噴射量に関する制御内容を説明する。先ず、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置においても、演算処理装置20が、実施の形態1にかかる空燃比およびEGR率の計算技術を用いて、各気筒のEGR率を算出する。実施の形態2においては、この算出した各気筒のEGR率に基づいて、各気筒にそれぞれ導入されるEGRのばらつき(分配特性)を把握した上で、「各気筒の新気量」を算出する。このようにして精度良く算出された各気筒の新気量に応じて、燃料直噴インジェクタ7についての最適な基本燃料噴射量を設定するものとする。
さらに、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置において、演算処理装置20は、実施の形態1にかかる空燃比およびEGR率の計算技術を用いて各気筒の空燃比を算出する。その上で、「各気筒の空燃比と目標空燃比との間の偏差」および上記で算出した「各気筒の新気量」に基づいて、各気筒の燃料噴射量についてそれぞれ補正量を設定するものとする。
実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置では、以下に述べる2種類の故障検出が行われる。
第1の故障検出として、EGR分配通路における分配異常の検出が行われる。すなわち、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置では、演算処理装置20が、まず、気筒毎のEGR率を比較することで「各気筒のEGR率のばらつき」を求める。このばらつきが予め設定した許容範囲以上のばらつきを有している場合には、EGR分配通路において分配異常が生じていると判定するものとする。
第2の故障検出として、EGR通路についての異常検出が行われる。すなわち、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置では、演算処理装置20が、まず、実施の形態1にかかる構成によって算出された気筒毎のEGR率と、各気筒の圧縮圧から算出される各気筒の吸入ガス量とから、各気筒に流入したEGR流量を算出する。次いで、演算処理装置20が、全気筒のEGR流量(各気筒のEGR量の合計値)とEGRバルブ開度との間の相関が、予め設定した所定範囲から外れているか否かを判定する。この判定は、例えば、EGRバルブ開度に応じた全気筒のEGR流量の値が正常な範囲内に収まっているかどうかを、予め定めたいくつかのEGRバルブ開度について診断することにより行えばよい。この相関が予め設定した所定範囲から外れている場合には、EGRバルブ12またはEGR通路における分配位置より上流の通路部に異常があると判定する。
このステップでは、具体的には、ステップS100で得られたEGR率の値(検出値)から、各気筒へのEGRの分配特性(各気筒のうちどの気筒で相対的にEGR量が多くなりがちであるとか、逆に、どの気筒では相対的にEGR量が少なくなりがちであるか等の傾向)を把握するための処理を実行する。把握した分配特性を利用して、燃料噴射弁(本実施形態においては燃料直噴インジェクタ7)の噴射量の決定の際に次のサイクルでの各気筒のEGR率を予測する。ステップS102における具体的手法として、次に掲げる手法(A1)乃至(A4)の1つ以上を適用することができる。
(A1)演算処理装置20が、各運転条件下における各気筒のEGR率を学習値としてRAM(記憶装置)に保存する処理を実行する。
(A2)演算処理装置20が、全運転条件での気筒間におけるEGR率の比を算出して記憶し、この比と同様の比となる前提で各運転条件についてEGR率を推定する処理を実行する。
(A3)演算処理装置20が、各運転条件で予測されるEGR率と、各気筒のEGR率の比を全運転条件で平均した値をRAMに保存し、次回の予測EGR率に各気筒の比のRAM保存値を積算して各気筒のEGR率を推定する処理を実行する。
(A4)演算処理装置20が、各運転条件で予測されるEGR率と各気筒のEGR率の比を全運転条件で平均した値からEGR分配通路(分配配管)の開口面積を算出し、算出した値をRAMに保存する処理を実行する。
なお、「EGR分配通路」とは、排気通路からのEGRガスが各気筒へと分配される通路を指し、「EGR通路がエンジンの排気通路および吸気通路と接続し、このEGR通路が各気筒の吸気ポートを介して各気筒内へと連通するまでの一連の分配通路」を含む。つまり、EGR分配通路の具体的構成としては、「EGR通路自体が吸気通路の一部(例えばサージタンク、吸気マニホールド)と連通する一本の通路であり、その連通位置の下流で各気筒へと分配される構成」も含まれ、また、「EGR通路自体が枝分かれした部分を有し、その枝分かれの部分がそれぞれの気筒の所定吸気通路位置にそれぞれ連通している構成」も含まれる。
このステップは、次回に各気筒に導入される新気量を推定した上で、気筒毎の適切な燃料噴射量を決定することを目的としている。このステップでは、具体的には、下記の2つの手法のいずれかを適用することにより、気筒別の新気量を推定するものとする。
(B1)上記の(A1)乃至(A3)のいずれかの計算処理(推定演算処理)によって各気筒のEGR率を求めたうえで、この各気筒のEGR率に予測流入総ガス量を乗ずることにより、各気筒の新気量を求めることができる。予測流入総ガス量は、吸気圧センサ3の測定データあるいはエアモデルを用いて求める。
(B2)上記の(A4)の計算処理(推定演算処理)により求めた、EGR分配配管における個々の配管の開口面積から、EGR流入量を算出すると同時に新気量を算出する。これはエアモデルの手法を応用したものである。
次に、演算処理装置20が、ステップS130で求めたばらつき度合が、所定ばらつき度合よりも大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS132)。このステップでは、ステップS130との関係で、標準偏差や、平均値との乖離の大きさが、予め定めた範囲以内に収まっているかを判定する。なお、上記以外の統計的ばらつき評価手法を採用しても良く、例えば分散が所定範囲内にあるか否かを判定しても良い。
一方、ステップS132の判定結果がYes(条件成立)である場合には、ばらつき度合が所定ばらつき度合よりも大きいと判断することができる。この場合には、図7のルーチンでは、演算処理装置20が、分配後のEGR通路に異常が発生していると判定する処理を実行する(ステップS134)。その後、今回のルーチンを終了する。
2 スロットルバルブ
3 吸気圧センサ
4 サージタンク
5 筒内圧センサ
6 スパークプラグ
7 燃料直噴インジェクタ
8 クランク角センサ
9 ノックセンサ
10,11 触媒
12 EGRバルブ
13 EGRクーラ
14 水温センサ
20 演算処理装置
Claims (3)
- 少なくとも1つの気筒に筒内圧センサが取り付けられ、当該少なくとも1つの気筒に対してEGRを実行可能な内燃機関の制御装置であって、
EGR率を小数で表した場合における1+EGR率の値に対して空燃比の値を積算した項を含む燃焼速度の演算式に従って、前記筒内圧センサが取り付けられた気筒の燃焼速度を算出する第1算出手段と、
前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒の燃焼の状態を表す量である燃焼状態量のうち燃焼速度とは空燃比またはEGRについての感度が異なる少なくとも1種類の燃焼状態量を、前記筒内圧センサの出力に基づいて算出する第2算出手段と、
前記燃焼速度および前記少なくとも1種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する計算手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 少なくとも1つの気筒に筒内圧センサが取り付けられ、当該少なくとも1つの気筒に対してEGRを実行可能な内燃機関の制御装置であって、
前記筒内圧センサが取り付けられた気筒における新気とEGRガスを含む筒内ガスの燃料濃度を表す項を有する演算式に従って、前記筒内圧センサが取り付けられた気筒の燃焼速度を算出する第1算出手段と、
前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒の燃焼の状態を表す量である燃焼状態量のうち燃焼速度とは空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも1種類の燃焼状態量を、前記筒内圧センサの出力に基づいて算出する第2算出手段と、
前記燃焼速度および前記少なくとも1種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する計算手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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