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JP5439937B2 - 着色感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子 - Google Patents

着色感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子 Download PDF

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JP5439937B2 JP2009111157A JP2009111157A JP5439937B2 JP 5439937 B2 JP5439937 B2 JP 5439937B2 JP 2009111157 A JP2009111157 A JP 2009111157A JP 2009111157 A JP2009111157 A JP 2009111157A JP 5439937 B2 JP5439937 B2 JP 5439937B2
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Description

本発明は、着色感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子に関わり、より詳しくは、YAG第3高調波レーザー露光によるカラーフィルタの製造に適する着色感放射線性組成物、当該着色感放射線性組成物から形成された着色層を有するカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子に関する。
従来、着色感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを製造するに当たっては、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、着色感放射線性組成物を塗布して乾燥したのち、乾燥塗膜にフォトマスクを介して放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像することにより、所望のパターン形状とした各色の画素を得る方法(例えば、特許文献1および2参照)が知られている。
そして、当該露光工程においては、光源としてg線、i線等の紫外光を発する超高圧水銀ランプを用い、プロキシミティ露光方式により処理するのが一般的である。
しかしながら、従来のプロキシミティ露光方式では、(1)近年、基板サイズの大型化に伴いフォトマスクも大型化する傾向にあるため、フォトマスクの作製に膨大なコストを要する点、(2)フォトマスクの大型化に伴い、フォトマスクのたわみや位置決め誤差の増大により、高解像度なパターンを形成することができないという不具合が生じる点、(3)従来の超高圧水銀ランプを光源とする露光方式では、露光量を下げることによるタクトタイムの短縮に限界がある点が問題となっている。
これに対し、フォトマスクを小型化しても、あるいはフォトマスクを用いなくともパターン形成が可能なレーザー露光方式が注目されており、該レーザー露光によるカラーフィルタの製造に適する着色組成物も提案されている(例えば、特許文献3および4参照)。
ところで、YAGレーザーは、YAG(イットリウムとアルミニウムの複合酸化物から成るガーネット構造の結晶)にネオジムイオン等をドープしたロッドが、レーザーダイオード等により励起されるときに発振する波長1064nmのレーザーである。
そして、YAG第3高調波レーザーは、かかるYAGレーザーを非線形結晶からなる波長変換素子に通すことにより、短長を3分の1に短縮化したレーザーをいい、その波長は355nmである。
これまで、YAG第3高調波レーザー露光に適する着色組成物については全く報告がされていない。
特開平2−144502号公報 特開平3−53201号公報 特開平9−73171号公報 特開2008−287213号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その課題は、カラーフィルタの製造に適するYAG第3高調波レーザー(波長355nm)露光用着色感放射線性組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造を有するアルカリ可溶性樹脂と、特定の光重合開始剤とを組み合わせて用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能性単量体および(D)光重合開始剤を含有する着色感放射線性組成物であって、(B)アルカリ可溶性樹脂が酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体を含有するものであり、(D)光重合開始剤がチオキサントン系化合物および下記式(1)
Figure 0005439937
(式(1)において、R1およびR2は、相互に独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R3は置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または下記式(2)
Figure 0005439937
(式(2)において、R4およびR5は、相互に独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)で表される基を示す。)
で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、O−アシルオキシム系化合物とを含有するものである、YAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記のYAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタを提供するものである。
また、本発明は、上記のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供するものである。
また、本発明は、(1)基板上に上記着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、および(2)前記塗膜の少なくとも一部にYAG第3高調波レーザーを露光する工程を含むカラーフィルタの製造方法をも提供するものである。
本発明のYAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物によれば、YAG第3高調波レーザー露光により着色層を形成する場合に、パターン形状、残膜率、直線性等のパターニング特性に優れた着色層を形成することができる。したがって、本発明のYAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタを始め、カラー撮像管素子、カラーセンサー等の各種用途のカラーフィルタを、YAG第3高調波レーザー露光により製造する際に極めて好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる画素および/またはブラックマトリックスからなる層を意味する。
YAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物
本発明のYAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物(以下、単に「感放射線性組成物」ということがある。)の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
本発明における着色剤は、色調が特に限定されるものではなく、得られるカラーフィルタの用途に応じて適宜選定され、顔料、染料あるいは天然色素の何れでもよい。カラーフィルタには耐熱性が求められることから、本発明における着色剤としては、有機顔料あるいは無機顔料が好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
本発明において、有機顔料は、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法や、これらの組み合わせにより精製して使用することもできる。
また、上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
これらの着色剤は、所望により、その粒子表面をポリマーで改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質するポリマーとしては、例えば特開平8−259876号公報に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用のポリマーまたはオリゴマー等を挙げることができる。カーボンブラック表面のポリマー被覆方法については、例えば特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に開示されている。
前記着色剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性組成物を画素の形成に用いる場合、画素には高精細な発色が求められることから、(A)着色剤としては、発色性の高い着色剤が好ましく、具体的には有機顔料が好ましく用いられる。
一方、本発明の感放射線性組成物をブラックマトリックスの形成に用いる場合、ブラックマトリックスには遮光性が要求されることから、(A)着色剤としては有機顔料またはカーボンブラックが好ましく用いられる。
本発明において、(A)着色剤の含有量は、透明性及び色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、全固形分中5〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがさらに好ましい。ここで固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
また、本発明における着色剤は、所望により、分散剤、分散助剤と共に使用することができる。
前記分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の適宜の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、変性アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性グラフトポリマー等を挙げることができる。ここで、カチオン性グラフトポリマーとは、複数の塩基性基(カチオン性の官能基)を有する幹ポリマー1分子に、2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した構造のポリマーをいい、例えば、幹ポリマー部がポリエチレンイミン、枝ポリマー部がε−カプロラクトンの開環重合体で構成されるポリマーが挙げられる。これら分散剤の中で、変性アクリル系共重合体、ポリウレタン、カチオン性グラフトポリマーが好ましい。
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、変性アクリル系共重合体として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN21116、BYK−LPN6919、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ポリウレタンとして、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)、カチオン性グラフトポリマーとして、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB823、アジスパーPB824、アジスパーPB827(味の素ファインテクノ株式会社製)等を挙げることができる。
これらの分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。分散剤の含有量は、現像性等を良好にする点から、(A)着色剤100重量部に対して、100重量部以下、さらに1〜70重量部、特に10〜50重量部が好ましい。
上記分散助剤としては、例えば青色顔料誘導体、黄色顔料誘導体等を挙げることができ、具体的には、例えば銅フタロシアニン誘導体等を挙げることができる。
−(B)アルカリ可溶性樹脂−
本発明における(B)アルカリ可溶性樹脂は、酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体を含有するものであり、その含有割合は全アルカリ可溶性樹脂中、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。かかるアルカリ可溶性樹脂を含有せしめることにより、パターンエッジの直線性に優れた着色層を形成することができる。
前記酸性官能基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基等を挙げることができ、アルカリ可溶性の点からカルボキシル基が好ましい。
また、前記重合性不飽和基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等を挙げることができ、所望の効果を得る点から(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体は、その側鎖に重合性不飽和基を有することが好ましい。
酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体は、上記の要件を満たす限り特に限定されるものではないが、例えば、
(B1)(b1)不飽和カルボン酸5〜60質量%を含有してなる単量体の共重合体のカルボキシル基に対して、(b2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を1〜90モル%を反応させて得られる重合体、
(B2)(b1)不飽和カルボン酸5〜50質量%および(b3)水酸基を有する重合性不飽和化合物1〜50質量%を含有してなる単量体の共重合体の水酸基に対して、(b4)イソシアナト基を有する重合性不飽和化合物30〜100モル%を反応させて得られる重合体、
(B3)(b2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物5〜80質量%を含有してなる単量体の共重合体のオキシラニル基に対して、(b1)不飽和カルボン酸を70〜100モル%を反応させ、さらに生じた水酸基に対して(b5)多塩基酸無水物10〜100モル%を反応させて得られる重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。
上記(b1)不飽和カルボン酸の具体例としては、(メタ)アクリル酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を、上記(b2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等を、上記(b3)水酸基を有する重合性不飽和化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を、上記(b4)イソシアナト基を有する重合性不飽和化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリル酸2−(2−イソシアネートエトキシ)エチル、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を、上記(b5)多塩基酸無水物の具体例としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸または4−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等をそれぞれ挙げることができる。
また、酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体においては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、アセナフチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等の重合性不飽和化合物を適宜に共重合することもできる。
酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体の具体例としては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平8−262221号公報、特開2008−181095号公報等に開示されている重合体を挙げることができる。
本発明においては、アルカリ可溶性樹脂として、酸性官能基と重合性不飽和基を有する重合体と共に、重合性不飽和基を有さないアルカリ可溶性樹脂を使用することもできる。重合性不飽和基を有さないアルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728等に開示されている共重合体を挙げることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、1,000〜45,000、さらに3,000〜30,000が好ましい。この場合、Mwが小さすぎると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方Mwが大きすぎると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)の比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第07/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部、さらに20〜500質量部が好ましい。この場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上あるいは遮光層上に残渣や地汚れが発生するおそれがあり、一方多すぎると、相対的に顔料濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
−(C)多官能性単量体−
本発明における多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体であり、好ましくは2〜10個の重合性不飽和結合を有する単量体である。このような多官能性単量体としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類や、それらのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;
トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フォスフェート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ウレタン構造を有するポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン構造を有するポリ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
これらの多官能性単量体のうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、3〜7価の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物がより好ましい。3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ペンタエリスリトールトリメタクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物が好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上および遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。
前記多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における多官能性単量体の含有量は、(B)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは50〜300質量部、さらに好ましくは50〜250質量部である。多官能性単量体の含有量をこのような範囲にすることにより、強度や表面平滑性、パターンエッジの直線性に優れた着色層を形成することができ、しかもアルカリ現像性にも優れた感放射線性組成物を得ることができる。
−(D)光重合開始剤−
本発明における光重合開始剤は、YAG第3高調波レーザーの露光により、前記(C)多官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
本発明において、光重合開始剤は、チオキサントン系化合物および前記式(1)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、O−アシルオキシム系化合物を含有を含有するものであり、それらの合計含有割合は全光重合開始剤中、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。これらの光重合開始剤と、前記特定のアルカリ可溶性樹脂とを組み合わせて用いることにより、YAG第3高調波レーザー露光により着色層を形成する場合に、パターニング特性に優れた着色層を形成することができる。
前記チオキサントン系化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005439937
(式中、R6〜R9は、相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアルコキシ基を示す。)
上記式(3)において、R6及びR8としては、水素原子が好ましく、R7及びR9は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。さらに、R7及びR9としては、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
上記式(3)で表されるチオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
本発明において、チオキサントン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記式(1)および(2)において、R1、R2、R4及びR5としては、メチル基またはエチル基が好ましい。R3の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチルまたはプロピル基が好ましく、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。R3の炭素数1〜20のアルコキシ基としては、炭素数1〜8の鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。
前記式(1)で表される化合物の具体例としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジエチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジエチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−ジエチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジエチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げることができる。
本発明において、前記式(1)で表される化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、O−アシルオキシム系化合物は、アシルオキシム構造(>C=N−O−CO−)を有する光重合開始剤である限り特に限定されるものではないが、例えば、国際公開第2002/100903号パンフレット、国際公開第2006/018973号パンフレット、国際公開第2008/078678号パンフレット等に記載の化合物を挙げることができる。O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)を挙げることができる。本発明において、O−アシルオキシム系化合物としては、パターンエッジの直線性をより良好にする点から、カルバゾール構造を有する化合物が好ましい。
本発明において、O−アシルオキシム系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、所望の効果をより高める点から、チオキサントン系化合物および前記式(1)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、O−アシルオキシム系化合物との配合質量比は、5:1〜1:10、さらに好ましくは2:1〜1:5である。
本発明においては、以上の光重合開始剤と共に、ビイミダゾール系化合物を使用することにより、さらにパターンエッジの直線性を良好にすることができる。ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体を挙げることができる。
本発明において、ビイミダゾール系化合物を使用する場合、その含有量は、O−アシルオキシム系化合物100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部、さらに好ましくは30〜120質量部である。また、水素供与体の含有量は、ビイミダゾール系化合物100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは30〜80質量部である。
本発明においては、さらに、
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のトリアジン系化合物
等の公知の光重合開始剤を使用することもできる。
本発明において、光重合開始剤の含有量は、(C)多官能性単量体100質量部に対して、通常、10〜120質量部、好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは10〜70質量部である。
光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
−添加剤−
本発明の感放射線性組成物は、上記(A)〜(D)成分を含有するものであるが、必要に応じて他の添加剤をさらに含有することもできる。
前記他の添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
−溶媒−
本発明の着色層形成用感放射線性組成物は、前記(A)〜(D)成分を必須成分とし、必要に応じて前記添加剤成分を含有するが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
前記溶媒としては、感放射線性組成物を構成する(A)〜(D)成分や添加剤成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドまたはラクタム類
等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記溶媒と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。
これらの高沸点溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる感放射線性組成物の塗布性、保存安定性等の観点から、当該組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%、さらに10〜40質量%となる量が望ましい。
本発明において、感放射線性組成物は、適宜の方法により調製することができ、例えば、(A)〜(D)成分を、溶媒や任意的に加えられる他の成分と共に、混合することにより調製することができる。好ましい調製方法としては、(A)着色剤を溶媒中、分散剤および必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(B)成分の一部と共に、例えばビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液とし、これに、(B)〜(D)成分と、必要に応じてさらに追加の溶媒や他の成分を添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
カラーフィルタの製造方法
次に、本発明の着色感放射線性組成物を用いて、本発明のカラーフィルタを製造する方法について説明する。
カラーフィルタを製造する方法は、通常、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を含んでいる。
(1)基板上に本発明の着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程。
(2)前記塗膜の少なくとも一部にYAG第3高調波レーザーを露光する工程。
(3)露光後の塗膜を現像する工程。
(4)現像後の塗膜をポストベークする工程。
以下、これらの工程について順次説明する。
−(1)工程−
先ず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成して、この基板上に、例えば、赤色の(A)着色剤を含有する本発明の着色感放射線性組成物を、通常、液状組成物として塗布したのち、プレベークして溶媒を蒸発除去することにより、塗膜を形成する。
この工程で使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホンのほか、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
液状組成物を基板に塗布する際には、回転塗布法、流延塗布法、ロール塗布法、スリットダイコーターを用いる塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、回転塗布法、スリットダイコーターを用いる塗布法が好ましい。
プレベークの条件は、通常、70〜110℃で2〜4分程度である。なお、本発明の着色感放射線性組成物によれば、プレベーク工程を省いても画素およびブラックマトリックスを形成することができる。
塗布厚さは、溶媒除去後の膜厚として、通常、1.0〜10μm、好ましくは1.0〜6.0μm、特に好ましくは1.0〜4.0μmである。
−(2)工程−
その後、形成された塗膜の少なくとも一部にYAG第3高調波レーザーを露光する。この場合、塗膜の一部に露光する際には、通常、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。レーザー光はランプ光に比べて指向性や収束性に優れ、照射面積を絞ることが容易であるため、レーザー光を利用すれば、フォトマスクを小型化しても、あるいはフォトマスクを用いなくともパターン形成が可能となる。
YAGレーザーとは、YAG(イットリウムとアルミニウムの複合酸化物から成るガーネット構造の結晶)にネオジムイオン等をドープしたロッドが、レーザーダイオード等により励起されるときに発振する波長1064nmのレーザーである。本発明に使用されるYAG第3高調波レーザーは、かかるYAGレーザーを非線形結晶からなる波長変換素子に通すことにより、短長を3分の1に短縮化したレーザーであり、その波長は355nmである。通常の感放射線性組成物では該レーザーに対する感度が必ずしも十分ではなく、形成されるパターンエッジ部の直線性が悪化し易い傾向にある。本発明の感放射線性組成物によれば、このような不具合が発生しない。
YAGレーザーの露光量は、通常、10〜1,500J/m2であり、1回で、または複数回に分けて、積算露光量が10〜1,500J/m2になるように塗膜に照射する。
−(3)工程−
その後、現像液、好ましくはアルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
現像条件は、常温で10〜300秒程度が好ましい。
−(4)工程−
その後、現像後の塗膜をポストベークすることにより、感放射線性組成物の硬化物からなる赤色の画素パターンが所定の配列で配置された基板を得ることができる。
ポストベークの条件は、180〜230℃で20〜40分程度が好ましい。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常、0.5〜5.0μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
また、緑色の(A)着色剤を含有する緑色感放射線性組成物を用いて、前記(1)〜(4)工程を繰り返すことにより、緑色の画素パターンを同一基板上に形成し、さらに青色の(A)着色剤を含有する青色感放射線性組成物を用いて、前記(1)〜(4)工程を繰り返すことにより、青色の画素パターンを同一基板上に形成することによって、赤色、緑色および青色の三原色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを基板上に形成することができる。但し、各色の画素パターンの形成順は任意に選択することができる。
黒色の(A)着色剤を含有する黒色感放射線性組成物を用いて、前記(1)〜(4)工程を行うにより、ブラックマトリックスを形成することができる。
カラー液晶表示素子
本発明のカラー液晶表示素子は、上記した本発明の方法により製造されたカラーフィルタを具備するものである。
本発明のカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(B)アルカリ可溶性樹脂の合成
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15質量部、N−フェニルマレイミド20質量部、ベンジルメタクリレート55質量部、スチレン10質量部および分子量調節剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業(株)製 商品名:PEMPII−20P)2質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、アルカリ可溶性樹脂溶液(固形分濃度=33.3質量%)を得た。得られた樹脂は、Mw=25,000、Mn=12,000であった。このアルカリ可溶性樹脂を「樹脂(B−1)」とする。
合成例2
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル44質量部、N−フェニルマレイミド40質量部、およびベンジルメタクリレート16質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300質量部に溶解し、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部およびα−メチルスチレンダイマー6質量部を投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコを攪拌しながら80℃に加熱し、5時間反応することにより、前駆体樹脂溶液を得た。
得られた前駆体樹脂溶液200質量部、メタクリル酸11質量部、p−メトキシフェノール0.2質量部、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.2質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300質量部をフラスコに仕込み、120℃の温度で9時間反応させた。これにより前駆体樹脂のエポキシ基1当量に対し、メタクリル酸1当量が反応した。さらに、無水こはく酸を16質量部加え、80℃で6時間反応させた。この反応混合物につき、液温度を80℃に保持したまま2回水洗し、減圧濃縮を行うことにより、アルカリ可溶性樹脂を20質量%含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、Mw=8,000、Mn=3,100であった。このアルカリ可溶性樹脂を「樹脂(B−2)」とする。
合成例3
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、N−フェニルマレイミド30質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン20質量部、ベンジルメタクリレート30質量部、シクロヘキサノン200質量部、2,2'−アゾビスブチロニトリル3.0質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.0質量部を混合させ、80℃3時間反応させ、前駆体樹脂溶液を得た。
得られた前駆体樹脂20質量部(固形分換算)、p−メトキシフェノール0.2質量部、テトラエチルアンモニウムクロリド0.2質量部、シクロヘキサノン40質量部をフラスコに仕込み、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート2.1質量部を加え、90℃にて30時間反応させた。これにより3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートのエポキシ基1当量に対し、前駆体樹脂中のメタクリル酸1当量が反応した。この反応混合物につき、液温度を80℃に保持したまま2回水洗し、減圧濃縮を行うことにより、アルカリ可溶性樹脂を20質量%含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、Mw=16,200、Mn=6,500であった。このアルカリ可溶性樹脂を「樹脂(B−3)」とする。
合成例4
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸13質量部、ベンジルメタクリレート77質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部、および分子量制御剤として連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマー5質量部を仕込んで、窒素置換したのち、ゆるやかに攪拌しつつ、反応溶液を80℃に昇温し、この温度を保持して3時間重合した。その後、反応溶液を100℃に昇温して、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を追加し、さらに1時間重合を継続することにより、前駆体樹脂溶液を得た。
得られた前駆体樹脂溶液に、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート10質量部、4−メトキシフェノール0.1質量部を添加したのち、40℃で1時間、さらに60℃で2時間反応させた。1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート由来のイソシアネート基と前駆体樹脂中の水酸基の反応の進行は、IR(赤外線吸収)スペクトルにより確認した。反応の進行とともに1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートのイソシアネート基に由来する2270cm-1付近のピークが減少している様子を確認した。このようにして、固形分濃度35質量%アルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂は、Mw=17,000、Mn=6,800であった。このアルカリ可溶性樹脂を「樹脂(B−4)」とする。
合成例5
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、シクロヘキサノン800質量部を仕込み、フラスコに窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン60質量部、メタクリル酸60質量部、メチルメタクリレート65質量部、ブチルメタクリレート65質量部、およびアゾビスイソブチロニトリル10質量部の混合物を1時間かけて滴下し、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2質量部をシクロヘキサノン50質量部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアルカリ可溶性樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、Mw=30,000、Mn=14,000であった。得られたアルカリ可溶性樹脂溶液を室温まで冷却した後、約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、シクロヘキサノンをさらに添加して不揮発分が20%となるように調整した。得られたアルカリ可溶性樹脂を「樹脂(B−5)」とする。
顔料分散液の調製
調製例1
(A)着色剤としてC.I.ピグメントレッド254/C.I.ピグメントレッド177/C.I.ピグメントイエロー150=40/55/5(重量比)混合物15質量部、分散剤としてDisperbyk−2001/BYK−LPN21116=40/60(質量比)混合物4質量部(固形分換算)、(B)アルカリ可溶性樹脂として樹脂(B−1)を5質量部(固形分換算)および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを固形分濃度が24質量%となるよう用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(R)を調製した。
調製例2
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36/C.I.ピグメントイエロー150=70/30(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21324を4質量部(固形分換算)、(B)アルカリ可溶性樹脂として樹脂(B−1)を5質量部(固形分換算)、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、固形分濃度が24質量%となるよう用いて、調製例1と同様に処理して、顔料分散液(G)を調製した。
調製例3
(A)着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6/C.I.ピグメントバイオレット23=90/10(質量比)混合物12質量部、分散剤としてDisperbyk−165を4質量部(固形分換算)、(B)アルカリ可溶性樹脂として樹脂(B−1)を5質量部(固形分換算)、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、固形分濃度が21質量%となるよう用いて、実施例1と同様に処理して、顔料分散液(B)を調製した。
実施例1
顔料分散液(R)100質量部、(B)アルカリ可溶性樹脂として樹脂(B−2)4質量部(固形分換算)、(C)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8質量部と、(D)光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名イルガキュアOX02)1質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール0.5質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、2−メルカプトベンゾチアゾール0.2質量部、および溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチルを固形分濃度が25重量%となるように混合して、液状組成物(S−1)を調製した。
液状組成物(S−1)について、下記の手順にしたがって、評価を行った。評価結果を表2に示す。
パターンの形成および評価
液状組成物(S−1)を、ガラス基板の表面上に、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、基板上の塗膜に、フォトマスクを介してYAG第3高調波レーザーを積算露光量が200および400J/m2 となるように照射した。その後、基板上の塗膜に、23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液を2kgf/cm2の現像圧(ノズル径1mm)で60秒間吐出することによりシャワー現像を行った。次いで、220℃で30分間ポストベークを行って、基板上に90μmのストライプ状画素パターンを形成した。
次いで、基板上に形成されたストライプ状画素パターンを光学顕微鏡にて観察したところ、画素パターンのエッジに欠けは認められなかった。また、基板上の画素パターンの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、アンダーカットは認められず、直線性も良好であった。また、下記式にて算出される残膜率は、露光量200J/m2では87.3%、露光量400J/m2では90.6%であった。
残膜率=(ポストベーク後の膜厚/露光後の膜厚)×100
なお、画素パターンの直線性は以下の指標にて評価した。
○:パターンエッジ部の凹凸が1.5μm未満である
△:パターンエッジ部の凹凸が1.5μm以上3μm未満である
×:パターンエッジ部の凹凸が3μm以上である
実施例2〜8および比較例1〜6
液状組成物の各成分の種類および量を表1に示すとおりとした以外は実施例1と同様にして、液状組成物(S−2)〜(S−13)を調製した。
次いで、液状組成物(S−1)に代えてそれぞれ液状組成物(S−2)〜(S−13)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。なお、比較例6においては、液状組成物(S−1)を用いて、XeClエキシマレーザーにより露光を行った。
Figure 0005439937
表1において、各成分は下記のとおりである。
C−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
C−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
D−1:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名IRGACURE OX02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−2:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
D−3:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
D−4:2−メルカプトベンゾチアゾール
D−5:1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名IRGACURE OX01、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−6:2,4−ジエチルチオキサントン
D−7:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−8:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
Figure 0005439937
実施例1〜8では、積算露光量200J/m2および400J/m2のいずれにおいてもアンダーカット、欠けが生じず、残膜率が高く、直線性も良好であった。
一方、比較例1〜3では、直線性が良好でなく、特に積算露光量200J/m2とした場合に、パターンに欠けが生じ、残膜率が低かった。
比較例4では、積算露光量200J/m2とした場合、パターンが形成できず、積算露光量400J/m2とした場合、パターンに欠けが生じ、残膜率が低く、直線性が良好でなかった。
比較例5では、直線性が良好でなかった。
比較例6では、パターンに欠けが生じた。よって、液状組成物(S−1)は、YAG第3高調波レーザー露光に適するものであることがわかる。

Claims (6)

  1. (A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能性単量体および(D)光重合開始剤を含有する着色感放射線性組成物であって、
    (B)アルカリ可溶性樹脂が、下記(B1)、(B2)及び(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものであり、
    (B1)(b1)不飽和カルボン酸5〜60質量%を含有してなる単量体の共重合体のカルボキシル基に対して、(b2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を1〜90モル%を反応させて得られる重合体
    (B2)(b1)不飽和カルボン酸5〜50質量%および(b3)水酸基を有する重合性不飽和化合物1〜50質量%を含有してなる単量体の共重合体の水酸基に対して、(b4)イソシアナト基を有する重合性不飽和化合物30〜100モル%を反応させて得られる重合体
    (B3)(b2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物5〜80質量%を含有してなる単量体の共重合体のオキシラニル基に対して、(b1)不飽和カルボン酸を70〜100モル%を反応させ、さらに生じた水酸基に対して(b5)多塩基酸無水物10〜100モル%を反応させて得られる重合体
    (D)光重合開始剤がチオキサントン系化合物および下記式(1)
    Figure 0005439937
    (式(1)において、R1およびR2は、相互に独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R3は置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または下記式(2)
    Figure 0005439937
    (式(2)において、R4およびR5は、相互に独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)で表される基を示す。)
    で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、O−アシルオキシム系化合物とを含有するものである、カラーフィルタの製造に使用するためのYAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物。
  2. (D)光重合開始剤がさらにビイミダゾール系化合物を含有する、請求項1に記載の着色感放射線性組成物。
  3. 前記O−アシルオキシム系化合物がカルバゾール構造を有する化合物である、請求項1または2に記載の着色感放射線性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のYAG第3高調波レーザー露光用着色感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
  5. 請求項4に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
  6. (1)基板上に請求項1〜3のいずれかに記載の着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、および(2)前記塗膜の少なくとも一部にYAG第3高調波レーザーを露光する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
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