以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。これらの実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
本実施形態は、複数のビット線における各ビット線信号が変化するタイミングの中から予め定められた順番のタイミングを選択して、選択されたタイミングに基づいてセンスアンプを活性化することを特徴の1つとする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置の概略構成を示すブロック図である。なお、本実施形態の半導体記憶装置1は、SRAM(Static Random Access Memory)である。
図1に示すように、半導体記憶装置1は、タイミング生成回路10と、メモリセルアレイ20と、複数のセンスアンプ30とを備える。
タイミング生成回路10は、複数のビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>における各ビット線信号が変化するタイミングの中から予め定められた順番のタイミングを選択し、選択されたタイミングに基づいて、複数のセンスアンプ30を活性化する活性化タイミングを生成する。そして、タイミング生成回路10は、生成された活性化タイミングで信号レベルが変化するセンスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
換言すると、タイミング生成回路10は、それぞれのタイミングが平均値に対してばらついた複数のビット線信号(タイミング信号)が入力され、それらタイミングの中から予め定められた順番のタイミングを選択し、選択されたタイミングに基づいて活性化タイミング(基準タイミング)を生成する。
メモリセルアレイ20は、複数のメモリセル21を有する。複数のメモリセル21は、ロウ方向およびカラム方向にマトリックス状に配置されている。メモリセルアレイ20には、メモリセル21のロウ選択を行うワード線WL<0>〜WL<m>(mは2以上の整数)が接続されている。また、メモリセルアレイ20には、ビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>が接続されている。
つまり、メモリセルアレイ20は、複数のワード線WL<0>〜WL<m>、複数のワード線に交差する複数のビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>、及び、複数のワード線と複数のビット線との交差部にそれぞれ設けられた複数のメモリセル21を有する。
複数のセンスアンプ30は、タイミング生成回路10からのセンスアンプイネーブル信号SAEにより活性化されると、対応するビット線ビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>の信号レベルをそれぞれ検知する。
つまり、センスアンプ30は、ビット線blt<0>〜blt<255>のうちの何れか一つのビット線と、blc<0>〜blc<255>のうちの何れか一つのビット線とにメモリセル21から読み出された信号に基づいて、メモリセル21に記憶されているデータを検知する。この検知するとは、所定の期間、メモリセル21に記憶されているデータを増幅し、保持することである。尚、上記所定の期間は、センスアンプイネーブル信号SAEに応じて決まる。本実施形態では、センスアンプイネーブル信号SAEがハイレベルになるとセンスアンプ30は検知を開始し、ローレベルになると検知を終了する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るメモリセルの概略構成を示す回路図である。
図2に示されるように、メモリセル21は、一対の駆動トランジスタD1、D2と、一対の負荷トランジスタL1、L2と、一対の伝送トランジスタF1、F2とを有する。なお、負荷トランジスタL1、L2としては、PチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、PMOSトランジスタと称す)、駆動トランジスタD1、D2および伝送トランジスタF1、F2としては、NチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、NMOSトランジスタと称す)を用いることができる。負荷トランジスタL1とL2のソースには電源電圧VDDが接続される。駆動トランジスタD1とD2のソースにはグランド電圧VSSが接続される。
駆動トランジスタD1と負荷トランジスタL1とは互いに直列接続され、CMOSインバータが構成される。駆動トランジスタD2と負荷トランジスタL2とは互いに直列接続され、CMOSインバータが構成される。そして、これら一対のCMOSインバータの出力と入力とが互いにクロスカップリングされることでフリップフロップが構成される。そして、ワード線WL<0>〜WL<m>のうちの何れか一つのワード線が、伝送トランジスタF1およびF2のゲートに接続される。以上のフリップフロップの構成に基づき、駆動トランジスタD1のドレインと負荷トランジスタL1のドレインとの接続点は記憶ノードnを構成し、駆動トランジスタD2のドレインと負荷トランジスタL2のドレインとの接続点は記憶ノードnbを構成する。
また、ビット線blt<0>〜blt<255>のうちの何れか一つのビット線は、伝送トランジスタF1を介して、駆動トランジスタD2のゲート、負荷トランジスタL2のゲート、駆動トランジスタD1のドレインおよび負荷トランジスタL1のドレインに接続される。また、ビット線blc<0>〜blc<255>のうちの何れか一つのビット線は、伝送トランジスタF2を介して、駆動トランジスタD2のドレイン、負荷トランジスタL2のドレイン、駆動トランジスタD1のゲートおよび負荷トランジスタL1のゲートに接続される。
図示しないワード線駆動ドライバは、図示しないロウデコーダから出力された選択信号に応じて、ワード線WL<0>〜WL<m>を個別に駆動する。この駆動するとは、所定値の電圧を出力することである。尚、このワード線駆動電圧は、電源電圧VDDよりも小さい場合や、電源電圧VDDよりも大きい場合でも用いることができる。
センスアンプ30は、例えば、図3に示されるような構造を有する。すなわち、一対の駆動トランジスタSA−D1およびSA−D2、一対の負荷トランジスタSA−L1およびSA−L2、スイッチングトランジスタSA−SW、並びに、一対の伝送トランジスタSA−T1およびSA−T2が設けられる。なお、負荷トランジスタSA−L1およびSA−L2、並びに、伝送トランジスタSA−T1およびSA−T2としてはPMOSトランジスタを用いることが出来る。駆動トランジスタSA−D1およびSA−D2、並びに、スイッチングトランジスタSA−SWとしては、NMOSトランジスタを用いることができる。
負荷トランジスタSA−L1のソースには電源電圧VDDが入力される。駆動トランジスタSA−D1のドレインと負荷トランジスタSA−L1のドレインとが接続される。駆動トランジスタSA−D1のゲートと負荷トランジスタSA−L1のゲートとが接続される。すなわち、駆動トランジスタSA−D1と負荷トランジスタSA−L1とが互いに直列接続されることでCMOSインバータが構成される。同様に、負荷トランジスタSAL2のソースには電源電圧VDDが入力される。駆動トランジスタSA−D2のドレインと負荷トランジスタSA−L2のドレインとが接続される。駆動トランジスタSA−D2のゲートと負荷トランジスタSA−L2のゲートとが接続される。すなわち、駆動トランジスタSA−D2と負荷トランジスタSA−L2とは互いに直列接続されることでCMOSインバータが構成されている。そして、これらの一対のCMOSインバータの出力と入力とが互いにクロスカップリングされることでフリップフロップが構成される。
以上のフリップフロップの構成に基づき、駆動トランジスタSA−D1のドレインと負荷トランジスタSA−L1のドレインとの接続点はノードnt<0>〜nt<255>の何れかを構成し、駆動トランジスタSA−D2のドレインと負荷トランジスタSA−L2のドレインとの接続点はノードnc<0>〜nc<255>の何れかを構成する。
また、駆動トランジスタSA−D1のドレインと負荷トランジスタSA−L1のドレインとの共通接続点、および、駆動トランジスタSA−D2のゲートと負荷トランジスタSA−L2のゲートの共通接続点は、伝送トランジスタSA−T1を介してビット線blt<0>〜blt<255>のうちの何れか一つのビット線に接続される。同様に、駆動トランジスタSA−D2のドレインと負荷トランジスタSA−L2のドレインとの共通接続点、および、駆動トランジスタSA−D1のゲートと負荷トランジスタSA−L1のゲートとの共通接続点は、伝送トランジスタSA−T2を介してビット線blc<0>〜blc<255>のうちの何れか一つのビット線に接続される。伝送トランジスタSA−T1及びSA−T2のゲートには、センスアンプイネーブル信号SAEが入力される。
また、駆動トランジスタSA−D1のソース、および、駆動トランジスタSA−D2のソースにはスイッチングトランジスタSA−SWのドレインが接続される。スイッチングトランジスタSA−SWのソースにはグランド電圧VSSが入力される。そして、スイッチングトランジスタSA−SWのゲートには、センスアンプイネーブル信号SAEが入力される。従って、センスアンプイネーブル信号SAEがグランドVSSより高い電圧の場合に導通し(ハイイネーブル)、ビット線から入力された信号が増幅されて、保持される。
ここで、メモリセル21の読み出し性能について説明する。
ワード線の電圧が上昇してから、メモリセル21からビット線blt<0>〜blt<255>もしくはblc<0>〜blc<255>に流れる電流がセル電流Icellである。セル電流Icellは、メモリセル21に保持されているデータに応じて、伝送トランジスタF1を介してビット線blt<0>〜blt<255>に流れるか、もしくは、伝送トランジスタF2を介してビット線blc<0>〜blc<255>に流れるか、何れかを取りうる。ここでは、説明の簡略化のため、セル電流Icellは、伝送トランジスタF1を介してビット線blt<0>〜blt<255>に流れる電流として説明する。メモリセル21においては、駆動トランジスタD1のチャネル幅が伝送トランジスタF1のチャネル幅よりも大きいため、セル電流Icellは伝送トランジスタF1のオン電流Ion−F1に依存する。
伝送トランジスタF1のオン電流Ion−F1は、伝送トランジスタF1の閾値Vthに依存する。また、上記の閾値Vthのばらつきは以下の式で表される。
σVth=Avt/(W×L)1/2 (1)
Avt : トランジスタ固有の係数
W : トランジスタのチャネル幅
L : トランジスタのチャネル長
W×L : トランジスタのチャネル面積
尚、Avtはデバイス固有の係数であり、例えば、デバイス製造のプロセスや酸化膜の膜厚等で決まる固定値である。さらに、同一プロセスで形成されたデバイスであれば、このAvtは略同一である。例えば、1枚のウェハーで形成されたデバイスであれば、Avtは略同一と言える。
ここで、デバイスの微細化の進捗に伴い、式(1)に示されるWやL(或いはチャネル面積)は小さくなる。例えば、転写等のデバイス製造上の精度の影響を受けやすくなるなど、WやLの相対的なばらつきも大きくなる。従って、微細化の進捗に伴い、Vthのばらつきが大きくなり、結果としてIonのばらつきも大きくなる。
このように、Vthのばらつきにより、伝送トランジスタを流れる電流Ionがばらつくので、ワード線の電圧が上昇してから1組のビット線に所定の電位差が現れるまでのビット線遅延は、メモリセル21毎に異なる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るビット線遅延の分布を示す図である。図4(a)は、Avtが変化した場合のビット線遅延の分布を示す。図4(b)は、電源電圧が変化した場合のビット線遅延の分布を示す。
図4(a),(b)に示すように、Avtや電源電圧の変化に応じて、ビット線遅延の分布における平均値や標準偏差σが変化する。
本実施形態では、このビット線遅延の分布の形状が、例えば、正規分布等の形状であり、Avt(ランダムばらつきの大きさ)や電源電圧等で変わらないことを仮定する。図4(a),(b)に示すように、Avtや電源電圧等が変化しても、ビット線遅延の分布の形状はベル形状(bell shape)であるので、この仮定は、少なくとも近似としては正しいと考えられる。
次に、タイミング生成回路10について詳しく説明する。本実施形態では、一例として、電源電圧VDDが600mVの時、1組のビット線信号に300mVの電位差が現れたビット線遅延の分布において、平均値から+2.5σの位置における遅延時間のタイミングを選択する場合について説明する。ただし、この+2.5σは、本実施形態の条件において最適な値であるに過ぎない。つまり、異なるAvtや異なる電源電圧VDDなど、条件が変化すると、最適な値は、例えば+2σ、+1σなど、他の値に変化する。このような+2.5σ以外の位置における遅延時間のタイミングを選択する場合、以下に説明するタイミング生成回路10の回路構成を変更すれば良い。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るタイミング生成回路の概略構成を示すブロック図である。
タイミング生成回路10は、64/64タイミング選択回路(第1のタイミング選択回路)11−1〜11−4と、3/4タイミング選択回路(第2のタイミング選択回路)12と、を有する。
64/64タイミング選択回路11−1〜11−4および3/4タイミング選択回路12は、複数のビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>における各ビット線信号が変化するタイミングの中から予め定められた順番(本実施形態では、平均値から+2.5σの位置)のタイミングを選択するタイミング選択回路として機能する。
換言すると、64/64タイミング選択回路11−1〜11−4および3/4タイミング選択回路12は、複数組のグループに分けられた、複数のビット線信号が変化するタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択し、1組以上のグループに分けられた、直前に選択された所定数のタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択することを、最終的に1つのタイミングが選択されるまで1回以上行い、最終的に1つ選択されたタイミングが上記予め定められた順番のタイミングであるタイミング選択回路として機能する。
64/64タイミング選択回路11−1は、64組のビット線blt<0>〜blt<63>,blc<0>〜blc<63>から入力された128のビット線信号のタイミングのうち、最も遅いタイミングを選択して、選択されたタイミングを有する信号a<0>を出力する。本実施形態では、1組のビット線信号に300mVの電位差が現れたタイミングを選択可能であるとする。この300mVとは、例えば、電源電圧VDDが600mVの場合の回路のしきい値に相当する。
64/64タイミング選択回路11−2は、64組のビット線blt<64>〜blt<127>,blc<64>〜blc<127>から入力された128のビット線信号のタイミングのうち、最も遅いタイミングを選択して、選択されたタイミングを有する信号a<1>を出力する。
64/64タイミング選択回路11−3は、64組のビット線blt<128>〜blt<191>,blc<128>〜blc<191>から入力された128のビット線信号のタイミングのうち、最も遅いタイミングを選択して、選択されたタイミングを有する信号a<2>を出力する。
64/64タイミング選択回路11−4は、64組のビット線blt<192>〜blt<255>,blc<192>〜blc<255>から入力された128のビット線信号のタイミングのうち、最も遅いタイミングを選択して、選択されたタイミングを有する信号a<3>を出力する。
3/4タイミング選択回路12は、64/64タイミング選択回路11−1〜11−4からの4つの信号a<0>〜a<3>が変化するタイミングのうち、3番目に早いタイミングで、センスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
つまり、64/64タイミング選択回路11−1〜11−4は、予めX(Xは2以上の整数、本実施形態ではXは4)組のグループに分けられた、複数のビット線信号が変化するタイミングの中から、グループ毎に、Y(Yは正の整数、本実施形態ではYは64)番目に早いタイミングを選択する。
また、3/4タイミング選択回路12は、選択されたX個のY番目に早いタイミングの中から、Z(ZはX以下の正の整数、本実施形態ではZは3)番目に早いタイミングを、予め定められた順番のタイミングとして選択する。
そして、タイミング生成回路10は、予め定められた順番のタイミングを活性化タイミングとして、その活性化タイミングで信号レベルが変化するセンスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
このようにして得られたセンスアンプイネーブル信号SAEは、1組のビット線信号に300mVの電位差が現れたビット線遅延の分布において、平均値から+2.5σの位置における遅延時間のタイミングを有している。
このような選択アルゴリズムにより+2.5σの位置における遅延時間が得られることは、数値計算により確認できる。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る64/64タイミング選択回路の概略構成を示す回路図である。
64/64タイミング選択回路11−1〜11−4は同一の回路構成を有しているため、ここでは64/64タイミング選択回路11−1について説明する。
64/64タイミング選択回路11−1は、64個のAND回路11aと、32個のNOR回路11bと、16個のNAND回路11cと、8個のNOR回路11dと、4個のNAND回路11eと、2個のNOR回路11fと、1個のNAND回路11gとを有する。図6においては、説明を明確化するため、AND回路11aと、NOR回路11bと、NAND回路11cの一部の記載を省略している。
各AND回路11aの一方の入力端子には、対応するビット線blt<0>〜blt<63>が接続され、他方の入力端子には、対応するビット線blc<0>〜blc<63>が接続されている。
各NOR回路11bの2つの入力端子には、対応する2つのAND回路11aの出力端子がそれぞれ接続されている。
各NAND回路11cの2つの入力端子には、対応する2つのNOR回路11bの出力端子がそれぞれ接続されている。
各NOR回路11dの2つの入力端子には、対応する2つのNAND回路11cの出力端子がそれぞれ接続されている。
各NAND回路11eの2つの入力端子には、対応する2つのNOR回路11dの出力端子がそれぞれ接続されている。
各NOR回路11fの2つの入力端子には、対応する2つのNAND回路11eの出力端子がそれぞれ接続されている。
NAND回路11gの2つの入力端子には、2つのNOR回路11fの出力端子がそれぞれ接続され、出力端子から信号a<0>を出力する。
つまり、各ビット線blt<0>〜blt<63>,blc<0>〜blc<63>は、AND回路11aと、NOR回路11bと、NAND回路11cと、NOR回路11dと、NAND回路11eと、NOR回路11fとを介して、NAND回路11gの何れかの入力端子に接続されている。
各AND回路11aは、初期状態(電圧VDD)にある1組のビット線信号の一方の電圧が低下して、300mVの電位差が発生した時に、出力信号をハイレベルからローレベルに変化させる。
各NOR回路11bは、入力された2つのAND回路11aの出力信号がハイレベルからローレベルに変化するタイミングのうち、遅いタイミングで出力信号をローレベルからハイレベルに変化させる。
同様に、NAND回路11cと、NOR回路11dと、NAND回路11eと、NOR回路11fと、NAND回路11gとは、入力された2つの信号の論理が変化するタイミングのうち、遅いタイミングで出力信号を変化させる。
これにより、前述のように、64/64タイミング選択回路11−1は、入力された128のビット線信号のタイミングのうち、最も遅いタイミングを選択して、選択されたタイミングで論理が変化する信号a<0>を出力する。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る3/4タイミング選択回路の概略構成を示す回路図である。
PMOSトランジスタQ1,Q2,Q3は、電源電圧VDDと、インバータI1の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ1,Q2,Q3のゲートには、それぞれ信号a<0>,a<1>,a<2>が入力される。
PMOSトランジスタQ4,Q5,Q6は、電源電圧VDDと、インバータI1の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ4,Q5,Q6のゲートには、それぞれ信号a<1>,a<2>,a<3>が入力される。
PMOSトランジスタQ7,Q8,Q9は、電源電圧VDDと、インバータI1の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ7,Q8,Q9のゲートには、それぞれ信号a<2>,a<3>,a<0>が入力される。
PMOSトランジスタQ10,Q11,Q12は、電源電圧VDDと、インバータI1の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ10,Q11,Q12のゲートには、それぞれ信号a<3>,a<0>,a<1>が入力される。
インバータI1の出力端子はインバータI2の入力端子に接続されている。インバータI2は、出力端子からセンスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
NMOSトランジスタQ13は、ドレインがインバータI1の入力端子に接続され、ゲートがインバータI1の出力端子に接続され、ソースがグランド電圧VSSに接続されている。
NMOSトランジスタQ14は、ドレインがインバータI1の入力端子に接続され、ゲートに信号dischargeが入力され、ソースがグランド電圧VSSに接続されている。
初期状態では、信号a<0>,a<1>,a<2>,a<3>と信号dischargeはハイレベルである。この時、NMOSトランジスタQ14はオンしているので、インバータI1の入力端子の電圧はグランド電圧VSSとなっている。よって、NMOSトランジスタQ13はオンしていると共に、センスアンプイネーブル信号SAEはローレベルである。
ここで、信号dischargeがローレベルになった後で、例えば、信号a<0>,a<1>,a<2>が順にハイレベルからローレベルになり、信号a<3>がハイレベルを維持している場合を考える。この時、信号a<0>,a<1>,a<2>が全てローレベルになったタイミングで、PMOSトランジスタQ1,Q2,Q3がオンするので、インバータI1の入力端子の電圧は電源電圧VDDとなる。よって、センスアンプイネーブル信号SAEはハイレベルになる。
これにより、前述のように、3/4タイミング選択回路12は、4つの信号a<0>〜a<3>が変化するタイミングのうち、3番目に早いタイミングで、センスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係るタイミング生成回路の動作原理を説明する図である。
図8(a)は、ある選択されたロウにおいて、1組のビット線に100mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布を示す図である。図8(b)は、図8(a)と同一のロウにおいて、1組のビット線に300mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布を示す図である。図8(c),(d)は、各ビット線電位と、ビット線遅延との関係を示す図である。
図8(a)に示すように、最適なセンスアンプイネーブル信号SAEのタイミングは、全ての組のビット線に、センスアンプ30が検知可能な100mV以上の電位差が現れたタイミングである。即ち、図8(a)の分布における遅い側の裾部分のタイミングが最適である。なお、このタイミングは、半導体記憶装置1全体のビット線遅延のワースト値となるタイミングである。
前述の様に、タイミング生成回路10の64/64タイミング選択回路11−1〜11−4は、ビット線信号をAND回路11aで受ける。これらのAND回路11aは、論理を判定するために、2つの入力端子に300mV以上の電位差が必要である。この条件における図8(b)のビット線遅延の分布は、図8(a)のビット線遅延の分布より遅い方向に移動する。
ここで、図8(c),(d)から分かるように、ビット線の電圧とビット線遅延との関係は、ほぼ比例する。また、例えば、図8(b)のビット線遅延の分布における平均値に対して+2.5σに相当するビット線遅延は、図8(a)のビット線遅延の分布における半導体記憶装置1全体の最大のビット線遅延にほぼ相当する。
つまり、タイミング生成回路10によってビット線遅延の分布における+2.5σに相当するタイミングを選択すれば、そのタイミングはほぼ最適なセンスアンプイネーブル信号SAEのタイミングとなる。
Avtの変化や電源電圧の変動により、ビット線遅延の分布の形状及び位置が変化した場合であっても、タイミング生成回路10によって+2.5σに相当するタイミングを選択すれば、そのタイミングは、ほぼ最適なセンスアンプイネーブル信号SAEのタイミングとなる。
なお、本実施形態では、半導体記憶装置1の記憶容量は、ある選択されたロウのビット線遅延の分布の端が半導体記憶装置1全体のビット線遅延のワースト値の近くにあるような容量値であるとする。これにより、何れのロウが選択された場合であっても、その時の分布における+2.5σのタイミングを選択すれば、半導体記憶装置1全体のビット線遅延のワースト値に近いタイミングが得られる。このような一例として、記憶容量が数Kbit程度であり、これにより上記ワースト値が平均値から+4σの位置にある場合が考えられる。
次に、図9を参照して半導体記憶装置1の読み出し時の動作を説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置の動作を説明する図である。
まず、ビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>がプリチャージされる。そして、図示されないロウデコーダにてロウ選択が行われ、例えば、選択されたワード線WL<0>が駆動される。
ビット線blt<0>,blc<0>に接続されたメモリセル21について説明する。ワード線WL<0>の電圧が時刻t1において昇圧されると、メモリセル21において、伝送トランジスタF1、F2が飽和領域に入り、記憶ノードn、nbがビット線blt<0>,blc<0>と導通する。そして、記憶ノードn、nbがビット線blt<0>,blc<0>と導通すると、記憶ノードn,nbの電圧に応じてビット線blt<0>,blc<0>の電圧が変化し、選択されたメモリセル21に記憶されたデータがセル電流Icellとしてビット線blt<0>,blc<0>に流れる。記憶ノードnの電圧が記憶ノードnbの電圧より高いとすると、時刻t3において、ビット線blc<0>の電圧が初期状態(電圧VDD)から100mV低下して、センスアンプ30において検知可能となる。この時刻t1から時刻t3までの時間が、このメモリセル21のビット線遅延である。ここでは、このメモリセル21のビット線遅延が、半導体記憶装置1の全てのビット線遅延の中で最も遅いものとする。
次に、ビット線blt<255>,blc<255>に接続されたメモリセル21について説明する。ワード線WL<0>の電圧が時刻t1において昇圧されると、メモリセル21は上述の説明と同様に動作する。そして、記憶ノードnの電圧が記憶ノードnbの電圧より高いとすると、時刻t2において、ビット線blc<255>の電圧が初期状態から100mV低下して、センスアンプ30において検知可能となる。この時刻t1から時刻t2までの時間が、このメモリセル21における100mVの電位差が現れるまでのビット線遅延である。また、時刻t3において、ビット線blc<255>の電圧が初期状態から300mV低下する。ここでは、このメモリセル21における300mVの電位差が現れるまでのビット線遅延が、300mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布(図8(b))の中で、平均値から+2.5σの位置における遅延時間に相当するものとする。
他のビット線に接続されたメモリセル21についても同様に動作するので、説明を省略する。
タイミング生成回路10は、前述した選択アルゴリズムに基づいて、300mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布の中で、平均値から+2.5σの位置におけるタイミングを選択する。つまり、この例ではビット線blc<255>のタイミングを選択して、時刻t3においてセンスアンプイネーブル信号SAEをハイレベルに立ち上げる。前述したように、この時刻t3において、最も遅いビット線遅延を有するビット線blt<0>,blc<0>についても、センスアンプ30が検知可能な100mVの電位差が現れている。
センスアンプイネーブル信号SAEがハイレベルに立ち上がると、セル電流Icellが各センスアンプ30に流入すると共に各センスアンプ30が動作し、これらのメモリセル21から出力された電流を検知し、いわゆる検知動作を実行する。これにより、ビット線blt<0>に接続されたセンスアンプ30のノードnt<0>の電圧はVDDから変化せず、ビット線blc<0>に接続されたノードnc<0>の電圧はVSSに変化する。また、ビット線blt<255>に接続されたセンスアンプ30のノードnt<255>の電圧はVDDから変化せず、ビット線blc<255>に接続されたノードnc<255>の電圧はVSSに変化する。他のビット線に接続されたセンスアンプ30についても同様である。
また、他のロウ(ワード線)が選択された場合も、以上の説明と同様に、タイミング生成回路10は、その時の分布における平均値から+2.5σの位置のタイミングを選択して、選択されたタイミングでセンスアンプ30を活性化する。選択されたロウ毎に分布は若干変化するが、タイミング生成回路10で選択されたタイミングは、以上で説明した時刻t3とほぼ同じとなる。
即ち、全てのメモリセル21から、最適なタイミングでデータを読み出すことができる。
このように、本実施形態によれば、複数のビット線における各ビット線信号が300mV変化するタイミングの中から、平均値から+2.5σの位置におけるタイミングを選択して、選択されたタイミングでセンスアンプ30を活性化するようにしている。これにより、最も遅いビット線遅延を有するビット線にセンスアンプ30が検知可能な電位差(100mV)が現れるタイミングで、センスアンプ30を活性化させることができる。
従って、ランダムばらつきの変化や電源電圧の変動によってビット線遅延の分布が変化した場合であっても、常に最適なタイミングでセンスアンプ30を活性化できる。よって、不必要なタイミングマージンを取らずに、全てのメモリセル21から適切にデータを読み出すことができる。これにより、半導体記憶装置1の動作周波数の低下や消費電力の増大を防ぐことができる。
つまり、半導体記憶装置1で現実に生じているビット線遅延の中で、最も遅いビット線遅延のタイミングにおいてセンスアンプ30を活性化できる。
次に、第2の実施形態の説明に先立ち、半導体記憶装置1の記憶容量が第1の実施形態より多い場合について説明する。つまり、以下の例では、ロウの数(ワード線の数m)が第1の実施形態より多い。この記憶容量は、ある選択されたロウのビット線遅延の分布の端が半導体記憶装置1全体のビット線遅延のワースト値から離れているような容量値であるとする。このような一例として、記憶容量が数百Mbit程度であり、これにより上記ワースト値が平均値から+6σの位置にある場合が考えられる。
まず、電源電圧VDDが第1の実施形態と同じ600mVである場合について説明する。
ある選択されたロウのビット線遅延の分布は、半導体記憶装置1の全てのビット線遅延の分布のごく一部を表している。従って、図10(a)に示すように、ある選択されたロウにおいて、1組のビット線に100mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布は、+6σの位置より遅延時間が短い位置に偏在している。
この場合であっても、上記+6σの位置のタイミングは、図10(b)に示すように、このロウの1組のビット線に300mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布に存在するので、第1の実施形態のタイミング生成回路10によって、最適なタイミングを生成できる。ただし、タイミング生成回路10の選択アルゴリズムは第1の実施形態から変更する必要がある。
次に、電源電圧VDDが第1の実施形態より低い、例えば400mVである場合について説明する。
電源電圧VDDが400mVである場合、タイミング生成回路10において検知可能な1組のビット線の電位差ΔVblは200mVである。従って、センスアンプ30が検知可能な1組のビット線の電位差ΔVbl(100mV)との差が小さくなる。すると、図11(a),(b)に示す様に両者の分布の差が小さくなり、半導体記憶装置1の全てのビット線遅延の分布における平均値から+6σの位置のタイミングは、1組のビット線に200mVの電位差が現れるまでのビット線遅延の分布には存在しない。なお、図11(a)は、図10(a)と同一の分布を示す。
仮に、+6σの位置のタイミングが図11(b)のビット線遅延の分布に含まれていたとしても、サンプル数は少ない。サンプル数が少ないと、選択されたロウに応じてタイミングが大きく変化するので、誤差が大きくなる。
よって、ロウ毎の誤差を小さくするため、ある程度のサンプル数が存在する位置でタイミングを選択する必要がある。従って、例えば、図11(b)の分布における+2.5σ位の位置のタイミングが得られるに過ぎない。このタイミングは、図11(a)の分布における+6σの位置のタイミングよりも短時間のビット線遅延に相当する。
この様に、半導体記憶装置1の記憶容量が増加してくると、第1の実施形態のタイミング生成回路10を用いて所望のタイミングを生成することができない場合がある。
以下に説明する第2の実施形態は、このような場合にも対応することができるものである。
(第2の実施形態)
本実施形態は、タイミング生成回路の構成が第1の実施形態とは異なる半導体記憶装置に関する。
本実施形態の半導体記憶装置1において、タイミング生成回路10a以外の回路構成は図1の第1の実施形態と同一である。そのため、同一の要素に同一の符号を付して図示および説明を省略する。ただし、上述の様に、半導体記憶装置1の記憶容量(ワード線の数m)は第1の実施形態より多いものとする。この記憶容量は、図10(a)を参照して上述した例と同様であり、半導体記憶装置1全体のビット線遅延のワースト値が平均値から+6σの位置にあるような容量値であるとする。
また、本実施形態では、一例として、電源電圧VDDが400mVの時、1組のビット線信号に200mVの電位差が現れたビット線遅延の分布において、ビット線遅延1Tとビット線遅延1.5Tの2つのタイミングを選択して、これらに基づいて+6σに相当するタイミング(ビット線遅延4T)を生成する場合について説明する。ただし、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、上記ビット線遅延1T,1.5T,4Tとビット線遅延のワースト値+6σは本実施形態の条件において最適な値であって、異なる記憶容量、異なるAvtや異なる電源電圧VDDなど、条件が変化すると、最適な値は他の値に変化する。上記以外の遅延時間のタイミングを選択する場合、以下に説明するタイミング生成回路10aの回路構成を変更すれば良い。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るタイミング生成回路の概略構成を示すブロック図である。
タイミング生成回路10aは、信号入力回路15と、タイミング選択回路16と、タイミングマルチプライヤー(タイミング演算器)17と、を備える。
ビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>からビット線信号が入力された信号入力回路15は、信号bl<255:0>をタイミング選択回路16に出力する。タイミング選択回路16は、タイミング信号t_fasterとタイミング信号t_slowerをタイミングマルチプライヤー17に出力する。タイミングマルチプライヤー17は、タイミング信号t_worstをインバータ18に出力し、インバータ18はセンスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る信号入力回路の概略構成を示す回路図である。
PMOSトランジスタQ21,Q22は、ソース同士が電源電圧VDDに接続され、ドレイン同士がインバータI3の入力端子に接続されている。PMOSトランジスタQ21のゲートにはビット線blt<0>が接続され、PMOSトランジスタQ22のゲートにはビット線blc<0>が接続されている。
NMOSトランジスタQ23は、ドレインがインバータI3の入力端子に接続され、ゲートがインバータI3の出力端子に接続され、ソースがグランド電圧VSSに接続されている。NMOSトランジスタQ27は、ドレインがインバータI3の入力端子に接続され、ゲートに信号dischargeが入力され、ソースがグランド電圧VSSに接続されている。インバータI3は、出力端子から信号bl<0>を出力する。
信号入力回路15は、このような構成の回路を256組有する。
即ち、256組目の回路を構成しているPMOSトランジスタQ24,Q25と、NMOSトランジスタQ26,Q28と、インバータI4も、以上と同様の接続がされている。
これにより、信号入力回路15は、信号dischargeがハイレベルからローレベルに変化した後、1組のビット線blt<0>,blc<0>のビット線信号のうち、一方のビット線信号がVDDから例えば300mV低下したタイミングにおいて、信号bl<0>をハイレベルからローレベルに変化させる。他のビット線のビット線信号についても同様に動作して、信号bl<1>〜bl<255>を出力する。
図14は、本発明の第2の実施形態に係るタイミング選択回路の概略構成を示すブロック図である。
タイミング選択回路16は、第3のタイミング選択回路16−1と、第4のタイミング選択回路16−2とを備える。
まず、第3のタイミング選択回路16−1について説明する。
256の信号bl<255:0>は、4つずつ64グループに分けられている。各グループの4つの信号は、対応する2/4タイミング選択回路16a−1〜16a−64に入力される。例えば、4つの信号bl<3:0>は、2/4タイミング選択回路16a−1に入力される。4つの信号bl<7:4>は、2/4タイミング選択回路16a−2に入力される。4つの信号bl<11:8>は、2/4タイミング選択回路16a−3に入力される。4つの信号bl<15:12>は、2/4タイミング選択回路16a−4に入力される。他の信号も同様に入力される。
各2/4タイミング選択回路16a−1〜16a−64は、入力された4つの信号のうち、2番目に早いタイミングの信号を出力する。
各2/4タイミング選択回路16a−1〜16a−64から出力された64の信号は、4つずつ16グループに分けられている。各グループの4つの信号は、対応する2/4タイミング選択回路16b−1〜16b−16に入力される。
各2/4タイミング選択回路16b−1〜16b−16は、入力された4つの信号のうち、2番目に早いタイミングの信号を出力する。
各2/4タイミング選択回路16b−1〜16b−16から出力された16の信号は、4つずつ4グループに分けられている。各グループの4つの信号は、対応する2/4タイミング選択回路16c−1〜16c−4に入力される。
各2/4タイミング選択回路16c−1〜16c−4は、入力された4つの信号のうち、2番目に早いタイミングの信号を出力する。
各2/4タイミング選択回路16c−1〜16c−4から出力された4つの信号は、2/4タイミング選択回路16dに入力される。
2/4タイミング選択回路16dは、入力された4つの信号のうち、2番目に早いタイミングの信号を、第1の予め定められた順番のタイミングを有するタイミング信号t_fasterとして出力する。この第1の予め定められた順番のタイミングは、ビット線遅延時間1Tに相当する。なお、本明細書において、Tは予め定められた時間を表す。
つまり、第3のタイミング選択回路16−1は、複数組のグループに分けられた、複数のビット線信号が変化するタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択し、1組以上のグループに分けられた、直前に選択された所定数のタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択することを、最終的に1つのタイミングが選択されるまで1回以上行い、最終的に1つ選択されたタイミングが第1の予め定められた順番のタイミングである。
換言すると、第3のタイミング選択回路16−1は、複数のビット線信号がA(Aは2以上の整数、本実施形態ではAは4)ずつ分けられて構成されたグループ毎に、そのグループにおける各ビット線信号が変化するタイミングの中からB(BはA未満の正の整数、本実施形態ではBは2)番目に早いタイミングを選択し、B番目に早いタイミングが1つ選択されるまで、選択された複数のB番目に早いタイミングがAずつ分けられて構成されたグループ毎に、B番目に早いタイミングを選択し、最終的に1つ選択されたB番目に早いタイミングを第1の予め定められた順番のタイミングとする。
次に、第4のタイミング選択回路16−2について説明する。
第4のタイミング選択回路16−2は、第3のタイミング選択回路16−1における2/4タイミング選択回路16a−1〜16a−64,16b−1〜16b−16,16c−1〜16c−4,16dを、3/4タイミング選択回路16e−1〜16e−64,16f−1〜16f−16,16g−1〜16g−4,16hに置換した回路である。
つまり、256の信号bl<255:0>が4つずつ64グループに分けられた各グループの4つの信号は、対応する3/4タイミング選択回路16e−1〜16e−64に入力される。各3/4タイミング選択回路16e−1〜16e−64は、入力された4つの信号のうち、3番目に早いタイミングの信号を出力する。
各3/4タイミング選択回路16e−1〜16e−64から出力された64の信号は、4つずつ16グループに分けられている。各グループの4つの信号は、対応する3/4タイミング選択回路16f−1〜16f−16に入力される。
各3/4タイミング選択回路16f−1〜16f−16は、入力された4つの信号のうち、3番目に早いタイミングの信号を出力する。
各3/4タイミング選択回路16f−1〜16f−16から出力された16の信号は、4つずつ4グループに分けられている。各グループの4つの信号は、対応する3/4タイミング選択回路16g−1〜16g−4に入力される。
各3/4タイミング選択回路16g−1〜16g−4は、入力された4つの信号のうち、3番目に早いタイミングの信号を出力する。
各3/4タイミング選択回路16g−1〜16g−4から出力された4つの信号は、3/4タイミング選択回路16hに入力される。
3/4タイミング選択回路16hは、入力された4つの信号のうち、3番目に早いタイミングの信号を、第2の予め定められた順番のタイミングを有するタイミング信号t_slowerとして出力する。この第2の予め定められた順番のタイミングは、ビット線遅延時間1.5Tに相当する。なお、第1及び第2の予め定められた順番のタイミングは、記憶容量等に応じて、何σに相当するか、及び、どれだけのビット線遅延時間に相当するかが決定される。
つまり、第4のタイミング選択回路16−2は、複数組のグループに分けられた、複数のビット線信号が変化するタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択し、1組以上のグループに分けられた、直前に選択された所定数のタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択することを、最終的に1つのタイミングが選択されるまで1回以上行い、最終的に1つ選択された、第1の予め定められた順番のタイミングより遅いタイミングが、第2の予め定められた順番のタイミングである。
換言すると、第4のタイミング選択回路16−2は、複数のビット線信号がAずつ分けられて構成されたグループ毎に、そのグループにおける各ビット線信号が変化するタイミングの中からC(CはBより大きくA以下の整数、本実施形態ではCは3)番目に早いタイミングを選択し、C番目に早いタイミングが1つ選択されるまで、選択された複数のC番目に早いタイミングがAずつ分けられて構成されたグループ毎に、C番目に早いタイミングを選択し、最終的に1つ選択されたC番目に早いタイミングを第2の予め定められた順番のタイミングとする。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る2/4タイミング選択回路の概略構成を示す回路図である。
ここでは、2/4タイミング選択回路16a−1について説明する。他の2/4タイミング選択回路も同一の回路構成を有するが、入出力信号は異なる。
PMOSトランジスタQ31,Q32は、電源電圧VDDと、インバータI5の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ31,Q32のゲートには、それぞれ信号bl<0>,bl<1>が入力される。
PMOSトランジスタQ33,Q34は、電源電圧VDDと、インバータI5の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ33,Q34のゲートには、それぞれ信号bl<1>,bl<2>が入力される。
PMOSトランジスタQ35,Q36は、電源電圧VDDと、インバータI5の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ35,Q36のゲートには、それぞれ信号bl<2>,bl<3>が入力される。
PMOSトランジスタQ37,Q38は、電源電圧VDDと、インバータI5の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ37,Q38のゲートには、それぞれ信号bl<3>,bl<0>が入力される。
PMOSトランジスタQ39,Q40は、電源電圧VDDと、インバータI5の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ39,Q40のゲートには、それぞれ信号bl<0>,bl<2>が入力される。
PMOSトランジスタQ41,Q42は、電源電圧VDDと、インバータI5の入力端子との間に直列接続されている。PMOSトランジスタQ41,Q42のゲートには、それぞれ信号bl<3>,bl<1>が入力される。
インバータI5は、出力端子から信号bl_2ndを出力する。
NMOSトランジスタQ43は、ドレインがインバータI5の入力端子に接続され、ゲートがインバータI5の出力端子に接続され、ソースがグランド電圧VSSに接続されている。
NMOSトランジスタQ44は、ドレインがインバータI5の入力端子に接続され、ゲートに信号dischargeが入力され、ソースがグランド電圧VSSに接続されている。
初期状態では、信号bl<0>,bl<1>,bl<2>,bl<3>と信号dischargeはハイレベルである。この時、トランジスタQ44はオンしており、インバータI5の入力端子の電圧はグランド電圧VSSとなっている。よって、NMOSトランジスタQ43はオンしていると共に、信号bl_2ndはハイレベルである。
ここで、信号dischargeがローレベルになった後で、例えば、信号bl<0>,bl<1>が順にハイレベルからローレベルになり、信号bl<2>,bl<3>がハイレベルを維持している場合を考える。この時、信号bl<0>,bl<1>が全てローレベルになったタイミングで、PMOSトランジスタQ31,Q32がオンするので、インバータI5の入力端子の電圧は電源電圧VDDとなる。よって、信号bl_2ndはローレベルになる。
このように、2/4タイミング選択回路16a−1は、4つの信号a<0>〜a<3>が変化するタイミングのうち、2番目に早いタイミングで、信号bl_2ndを変化させる。
図16は、本発明の第2の実施形態に係る3/4選択回路の概略構成を示す回路図である。
各3/4選択回路16e−1〜16e−64,16f−1〜16f−16,16g−1〜16g−4,16hは、第1の実施形態の図7の3/4選択回路12からインバータI2を除去した構成を有している。よって、同一の構成要素に同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
図17は、本発明の第2の実施形態に係るタイミングマルチプライヤーの概略構成を示すブロック図である。
図17(a)に示すように、タイミングマルチプライヤー17は、フォワードパスを構成している直列接続された複数の第1の遅延回路17aと、バックワードパスを構成している直列接続された複数の第2の遅延回路17bと、を備える。バックワードパスは、フォワードパスと逆方向に信号を伝達する。第1の遅延回路17aと第2の遅延回路17bは、一対一に対応して同数設けられている。一組の第1の遅延回路17aと第2の遅延回路17bは、遅延ユニット17cを構成している。
図17(b)に示すように、第1の遅延回路17aは単位遅延回路17xを有し、第2の遅延回路17bは直列接続された第1から第5の5つの単位遅延回路17xを有する。つまり、第2の遅延回路17bは、第1の遅延回路17aの5倍の遅延時間を有している。
第1の遅延回路17aにおいて、単位遅延回路17xの入力端子aは、前段の第1の遅延回路17aの単位遅延回路17xからの信号を受け、入力端子bにはタイミング信号t_slowerが入力され、入力端子cには電源電圧VDDが入力される。単位遅延回路17xの出力端子dは後段の第1の遅延回路17aの単位遅延回路17xに信号を出力し、出力端子eは遅延ユニット17cにおける第2の遅延回路17bの第1の単位遅延回路17xの入力端子bに接続されている。
第2の遅延回路17bにおいて、第1の単位遅延回路17xの入力端子aは、前段の第2の遅延回路17bの第5の単位遅延回路17xからの信号を受ける。第2から第5の単位遅延回路17xの入力端子aは、直前の単位遅延回路17xの出力端子dに接続されている。第5の単位遅延回路17xの出力端子dは後段の第2の遅延回路17bの第1の単位遅延回路17xに信号を出力する。各単位遅延回路17xの入力端子cには電源電圧VDDが入力され、出力端子eは開放されている。第2から第5の単位遅延回路17xの入力端子bは、開放されている。
単位遅延回路17xは、図17(c)に示す構成を有している。つまり、入力端子aはインバータ17dの入力端子に接続されている。インバータ17dの出力端子はNAND回路17eの一方の入力端子と、NAND回路17fの一方の入力端子とに接続されている。NAND回路17eの他方の入力端子は、入力端子bに接続されている。NAND回路17eの出力端子は、出力端子dに接続されている。NAND回路17fの他方の入力端子は、入力端子cに接続されている。NAND回路17fの出力端子は、出力端子eに接続されている。
フォワードパスにおける初段の第1の遅延回路17aに入力されたタイミング信号t_fasterは、各々の第1の遅延回路17aによって遅延させられる。そして、タイミング信号t_fasterがn個の第1の遅延回路17aによって遅延時間tだけ遅延して、タイミング信号t_slowerと同じタイミングとなった時に、遅延時間tだけ遅延したタイミング信号t_fasterがバックワードパスにおける対応する第2の遅延回路17bに入力される。
つまり、この遅延時間tは、タイミング信号t_fasterとタイミング信号t_slowerとの差である。
この遅延時間tだけ遅延したタイミング信号t_fasterは、フォワードパスの方向とは逆方向のバックワードパスの方向に折り返されて、複数の第2の遅延回路17bのうちのn個の第2の遅延回路17bによって遅延させられて、活性化タイミングを有するタイミング信号t_worstとして出力される。
従って、この遅延時間tだけ遅延したタイミング信号t_fasterは、バックワードパスにおいて、さらに遅延時間5tだけ遅延する。
これにより、タイミング信号t_worstは、t_worst=t_faster+6×(t_slower−t_faster)となる。前述のように、タイミング信号t_fasterはビット線遅延1Tを有し、タイミング信号t_slowerはビット線遅延1.5Tを有する。従って、タイミング信号t_worstは、ビット線遅延4Tを有する。
このように、タイミングマルチプライヤー17は、第2の予め定められた順番のタイミングから第1の予め定められた順番のタイミングを減算し、その減算結果を整数倍し、その整数倍した結果を第1の予め定められた順番のタイミングに加算して、その加算結果を活性化タイミングとして出力する。
インバータ18は、タイミングマルチプライヤー17からの信号t_worstを反転してセンスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
図18は、本発明の第2の実施形態に係るタイミング生成回路の動作を説明する図である。
図18(b)に示す様に、タイミング生成回路10aによって、ある選択されたロウのビット線遅延の分布における第1の予め定められた順番のタイミング(ビット線遅延1T)と、第2の予め定められた順番のタイミング(ビット線遅延1.5T)とを選択して、これらのタイミングに基づいて+6σに相当するタイミング(ビット線遅延4T)を上述した様に計算すれば、図18(a)に示す様に、そのタイミングは、半導体記憶装置1の全てのビット線遅延を考慮した最適なセンスアンプイネーブル信号SAEのタイミングとなる。
このように、本実施形態によれば、複数のビット線における各ビット線信号が変化するタイミングの中から、第1の予め定められた順番のタイミングと第2の予め定められた順番のタイミングとを選択して、選択された2つのタイミングに基づいて平均値から+6σのタイミングを生成して、そのタイミングでセンスアンプ30を活性化するようにしている。これにより、記憶容量が多い場合や、電源電圧VDDが低い場合であっても、最も遅いビット線遅延を有するビット線にセンスアンプ30が検知可能な電位差が現れるタイミングで、センスアンプ30を活性化させることができる。
従って、ランダムばらつきの変化や電源電圧の変動によってビット線遅延の分布が変化した場合であっても、常に最適なタイミングでセンスアンプ30を活性化できる。よって、不必要なタイミングマージンを取らずに、全てのメモリセル21から適切にデータを読み出すことができる。これにより、半導体記憶装置1の動作周波数の低下や消費電力の増大を防ぐことができる。
つまり、半導体記憶装置1で現実に生じているビット線遅延の中で、最も遅いビット線遅延のタイミングにおいてセンスアンプ30を活性化できる。
以上で説明した実施形態によれば、適切なタイミングを生成できるタイミング生成回路及びそのタイミング生成回路を用いた半導体記憶装置を提供できる。
上述した実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
(第2の実施形態の変形例)
本変形例は、タイミング生成回路10bの構成が第2の実施形態のタイミング生成回路10aと異なる。
半導体記憶装置1の記憶容量と電源電圧VDDは第2の実施形態と同様であるとして説明する。
また、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、以下に説明する遅延時間2Tおよび遅延時間4Tは本変形例の条件において最適な値であって、異なるAvtや異なる電源電圧VDDなど、条件が変化すると、最適な値は他の値に変化する。
図19は、本発明の第2の実施形態の変形例に係るタイミング生成回路の概略構成を示すブロック図である。
このタイミング生成回路10bにおいて、タイミング選択回路160とタイミングマルチプライヤー170とが第2の実施形態とは異なる。また、タイミングマルチプライヤー170に入力されるタイミング信号t_fasterが、選択されたワード線の信号が変化したタイミングを有する点も、第2の実施形態と異なる。このように、本変形例のタイミング信号t_fasterのビット線遅延は、0である。
タイミング選択回路160は、複数のビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>における各ビット線信号が変化するタイミングの中から予め定められた順番のタイミングを選択して、そのタイミングを有するタイミング信号t_slowerを出力する。本実施形態では、この予め定められた順番のタイミングは、ビット線遅延時間2Tに相当する。前述のように、タイミング選択回路160の回路構成は、この予め定められた順番のタイミングが選択できるように数値計算によって決定されている。
図20は、本発明の第2の実施形態の変形例に係るタイミングマルチプライヤーの概略構成を示すブロック図である。
このタイミングマルチプライヤー170において、遅延ユニット170cを構成している第2の遅延回路170bの回路構成が第2の実施形態のタイミングマルチプライヤー17と異なる。即ち、第2の遅延回路170bは、1つの単位遅延回路17xを有する。
この構成により、タイミング信号t_worstは、t_worst=t_faster+2×(t_slower−t_faster)となる。前述のように、タイミング信号t_fasterはビット線遅延0を有し、タイミング信号t_slowerはビット線遅延2Tを有する。従って、タイミング信号t_worstは、ビット線遅延4Tを有する。
このように、タイミングマルチプライヤー170は、予め定められた順番のタイミングからワード線の信号が変化したタイミングを減算し、その減算結果を整数倍し、その整数倍した結果をワード線の信号が変化したタイミングに加算して、その加算結果を活性化タイミングとして出力する。
図21は、本発明の第2の実施形態の変形例に係るタイミング生成回路の動作を説明する図である。
図21(b)に示す様に、タイミング生成回路10bによって、ある選択されたロウのビット線遅延の分布における予め定められた順番のタイミング(ビット線遅延2T)を選択して、このタイミングと、選択されたワード線の信号が変化したタイミング(ビット線遅延0)と、に基づいて+6σに相当するタイミング(ビット線遅延4T)を上述した様に計算すれば、図21(a)に示す様に、そのタイミングは、半導体記憶装置1の全てのビット線遅延を考慮した最適なセンスアンプイネーブル信号SAEのタイミングとなる。
つまり、本変形例によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。
(3/4タイミング選択回路の変形例)
図7の構成の3/4タイミング選択回路12を、次の構成としても良い。この回路は、信号dischargeを用いずに構成できる。
図22は、本発明の第1の実施形態に係る3/4タイミング選択回路の変形例の概略構成を示す回路図である。
PMOSトランジスタQ1〜Q12は、図7の3/4タイミング選択回路12の構成と同一であるため、説明を省略する。
NMOSトランジスタQ1a,Q4a,Q7a,Q10aは、PMOSトランジスタQ3,Q6,Q9,Q12のドレインが共通接続された点(以下、A点と称す)と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ1a,Q4a,Q7a,Q10aのゲートには、それぞれ信号a<0>,a<1>,a<2>,a<3>が入力される。
NMOSトランジスタQ2a,Q5a,Q8a,Q11aは、A点と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ2a,Q5a,Q8a,Q11aのゲートには、それぞれ信号a<1>,a<2>,a<3>,a<0>が入力される。
NMOSトランジスタQ3a,Q6a,Q9a,Q12aは、A点と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ3a,Q6a,Q9a,Q12aのゲートには、それぞれ信号a<2>,a<3>,a<0>,a<1>が入力される。
NMOSトランジスタQ1a,Q2a,Q3aのソースは互いに接続され、NMOSトランジスタQ4a,Q5a,Q6aのソースは互いに接続され、NMOSトランジスタQ7a,Q8a,Q9aのソースは互いに接続されている。
センスアンプイネーブル信号SAEは、A点から出力される。
初期状態では、信号a<0>,a<1>,a<2>,a<3>はハイレベルである。この時、NMOSトランジスタQ1a〜Q12aはオンしていて、PMOSトランジスタQ1〜Q12はオフしているので、センスアンプイネーブル信号SAEはローレベルである。
ここで、例えば、信号a<0>,a<1>,a<2>が順にハイレベルからローレベルになり、信号a<3>がハイレベルを維持している場合を考える。この時、信号a<0>,a<1>,a<2>が全てローレベルになったタイミングで、PMOSトランジスタQ1,Q2,Q3がオンして、NMOSトランジスタQ1a,Q2a,Q3aがオフするので、センスアンプイネーブル信号SAEはハイレベルになる。他のトランジスタもオン又はオフに変化するが、説明を省略する。
このように、図7の3/4タイミング選択回路12と同様に、この図22の3/4タイミング選択回路12も、4つの信号a<0>〜a<3>が変化するタイミングのうち、3番目に早いタイミングで、センスアンプイネーブル信号SAEを出力する。
(2/4タイミング選択回路の変形例)
図15の構成の2/4タイミング選択回路16a−1等を、次の構成としても良い。この回路は、信号dischargeを用いずに構成できる。
図23は、本発明の第2の実施形態に係る2/4タイミング選択回路の変形例の概略構成を示す回路図である。
PMOSトランジスタQ31〜Q42と、インバータI5は、図15の2/4タイミング選択回路16a−1の構成と同一であるため、説明を省略する。
NMOSトランジスタQ31a,Q32a,Q40aは、インバータI5の入力端子と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ31a,Q32a,Q40aのゲートには、それぞれ信号bl<0>,bl<1>,bl<2>が入力される。
NMOSトランジスタQ33a,Q34a,Q41aは、インバータI5の入力端子と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ33a,Q34a,Q41aのゲートには、それぞれ信号bl<1>,bl<2>,bl<3>が入力される。
NMOSトランジスタQ35a,Q36a,Q39aは、インバータI5の入力端子と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ35a,Q36a,Q39aのゲートには、それぞれ信号bl<2>,bl<3>,bl<0>が入力される。
NMOSトランジスタQ37a,Q38a,Q42aは、インバータI5の入力端子と、グランド電圧VSSとの間に直列接続されている。NMOSトランジスタQ37a,Q38a,Q42aのゲートには、それぞれ信号bl<3>,bl<0>,bl<1>が入力される。
初期状態では、信号bl<0>,bl<1>,bl<2>,bl<3>はハイレベルである。この時、NMOSトランジスタQ31a〜Q42aはオンしていて、PMOSトランジスタQ31〜Q42はオフしているので、信号bl_2ndはハイレベルである。
ここで、例えば、信号bl<0>,bl<1>が順にハイレベルからローレベルになり、信号bl<2>,bl<3>がハイレベルを維持している場合を考える。この時、信号bl<0>,bl<1>が全てローレベルになったタイミングで、PMOSトランジスタQ31,Q32がオンして、NMOSトランジスタQ31a,Q32a,Q33a,Q39a,Q38a,Q42aがオフするので、信号bl_2ndはローレベルになる。他のトランジスタもオン又はオフに変化するが、説明を省略する。
このように、図15の2/4タイミング選択回路16a−1と同様に、この図23の2/4タイミング選択回路16a−1も、4つの信号a<0>〜a<3>が変化するタイミングのうち、2番目に早いタイミングで、信号bl_2ndを変化させる。
なお、第1及び第2の実施形態と変形例では、タイミング生成回路10,10a,10bを半導体記憶装置1に適用した一例について説明したが、タイミング生成回路10,10a,10bを他の任意の回路に適用することもできる。
つまり、第1及び第2の実施形態と変形例のタイミング生成回路10,10a,10bによれば、平均値に対してばらついた複数のタイミングの中から予め定められた順番のタイミングを選択して、選択されたタイミングに基づいてタイミングを生成するようにしたので、ばらつきの分布が変化した場合であっても、ばらつきの分布に応じた適切なタイミングを生成できる。よって、この適切なタイミングで任意の回路を制御できる。
また、タイミング生成回路10,10a,10bは、第1及び第2の実施形態と変形例で説明した選択アルゴリズム以外の選択アルゴリズムに基づいて、複数のタイミングの中から予め定められた順番のタイミングを選択しても良い。前述したように、この選択アルゴリズムは、数値計算により決定することができる。
つまり、複数組のグループに分けられた、複数のビット線信号が変化するタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択し、1組以上のグループに分けられた、直前に選択された所定数のタイミングの中から、グループ毎に、ある順番のタイミングを選択することを、最終的に1つのタイミングが選択されるまで1回以上行い、最終的に1つ選択されたタイミングが予め定められた順番のタイミングであれば、どのような選択アルゴリズムとしても良い。毎回異なる順番のタイミングを選択しても良い。グループ毎に異なる順番のタイミングを選択しても良い。
選択アルゴリズムを変更する一例として、第1の実施形態における64/64タイミング選択回路11−1〜11−4において、一部の論理回路を他の論理回路に置き換えても良い。このように、選択アルゴリズムを変更することで所望のタイミングを得ることができるので、電源電圧VDD等の条件が変化した場合であっても、適切なタイミングを選択できる。
また、例えば、第1の実施形態におけるX,Y,Zと、第2の実施形態におけるA,B,Cを、数値計算を用いて、所望のタイミングが得られる値に変更しても良い。
また、第1の実施形態における3/4タイミング選択回路12に代えて、信号a<0>〜a<3>のうち、最も早いタイミングの信号(Z=1)と、2番目に早いタイミングの信号(Z=2)と、最も遅いタイミングの信号(Z=4)との何れかに基づいてセンスアンプイネーブル信号SAEを出力するタイミング選択回路を用いても良い。
例えば、最も早いタイミングの信号は、1組のビット線信号に300mVの電位差が現れたビット線遅延時間の分布において、平均値から+1.9σの位置における遅延時間を有している。
また、2番目に早いタイミングの信号は、上記分布において、平均値から+2.2σの位置における遅延時間を有している。
これにより、第1の実施形態と異なる順番のタイミングを選択できるので、センスアンプ30が検知可能な電位差や、タイミング生成回路10が論理を判定可能な電位差などが第1の実施形態と異なる場合であっても、適切なタイミングでセンスアンプ30を活性化できる。
また、第2の実施形態では第1の予め定められた順番のタイミング(ビット線遅延1T)と、第2の予め定められた順番のタイミング(ビット線遅延1.5T)とに基づいて+6σ(ビット線遅延4T)を実現する一例について説明したが、前述の様に、これに限定されない。上記以外のタイミングを選択する場合、第3のタイミング選択回路16−1と第4のタイミング選択回路16−2の選択アルゴリズムを変更すれば良い。例えば、数値計算を用いて、第2の実施形態におけるA,B,Cを所望のタイミングが得られる値に変更しても良い。その上で、図17に示したタイミングマルチプライヤー17において、第2の遅延回路17bにおける単位遅延回路17xの数を変更して、所望のt_worstを計算すれば良い。
また、第1及び第2の実施形態と変形例では、256組のビット線blt<0>〜blt<255>,blc<0>〜blc<255>を有する一例について説明したが、ビット線の数は任意の数で良い。
また、第1及び第2の実施形態と変形例で説明した各信号の論理は、逆でも良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。