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JP5369202B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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JP5369202B2
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Description

本発明は、調理容器を誘導加熱する誘導加熱調理器に関する。
近年、鍋などの調理容器を加熱コイルにより誘導加熱する誘導加熱調理器が普及している。従来の誘導加熱調理器として、トッププレート上に載置された鍋を、一つの加熱コイルにより加熱するものが知られている。しかしながら、このような従来の誘導加熱調理器では、鍋底のサイズが加熱コイルの外径よりも大きい場合、鍋の外周部の加熱量が相対的に小さくなり調理性能が損なわれるという課題があった。
こうした課題を背景として、大型の鍋を加熱することのできる誘導加熱調理器として、加熱口中央部に配置した加熱コイルに加え、外周部に補助加熱コイルを配置して、一つの鍋を複数の加熱コイルで加熱するようにし、「第1の加熱コイル2aと複数の加熱コイル群2b〜2gの電力比が常に略一定となるように、それぞれの電力を決定」するように構成された誘導加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−073384号公報(第8頁、図4)
ところで近年、アルミ等の低抵抗非磁性材質からなる鍋容器の底面中央部にステンレス等の磁性材質の板を貼り付け、鍋底中央部を発熱させるように設計された鍋(以下、貼り付け鍋と称する場合がある)が多く存在する。このような貼り付け鍋をトッププレート上に載置すると、中央部の加熱コイル上に磁性材質の板が位置し、外周部の加熱コイル上に磁性材質の板の一部と低抵抗非磁性材質からなる鍋容器とが位置するような配置関係となる場合が多い。したがって、中央部の加熱コイルが主に磁性材質の板を誘導加熱し、外周部の加熱コイルが磁性材質の板の一部と低抵抗非磁性材質からなる鍋容器とを誘導加熱することとなる。
一般的に、非磁性材質は、磁性材質と比較して誘導加熱時の効率が低いため、非磁性材質を誘導加熱する際の回路損失は、磁性材質を誘導加熱する際の回路損失よりも大きい。したがって、上記のような貼り付け鍋を誘導加熱する際、上記特許文献1で開示されるように中央部と外周部の加熱コイルの電力比が一定になるように電力制御すると、中央部に配置された加熱コイルの駆動回路と比較して、外周部に配置された加熱コイルの駆動回路の損失が大きい駆動状態となる。
また、通常、加熱コイルの駆動回路には、放熱フィンや駆動回路に冷却風を送る冷却ファンの冷却性能によって定まる許容損失が設定されており、駆動回路は、この許容損失を超過しない範囲で電力制御される。
このため、上記特許文献1に記載の誘導加熱調理器のように中央部と外周部の加熱コイルの電力比が一定になるように電力制御する構成であると、相対的に大きな値となる外周部の加熱コイルの駆動回路の回路損失が制約となって外周部の加熱コイルに十分な入力電力を投入できず、それに伴って中央部の加熱コイルの入力電力も制限されてしまう。そうすると、鍋が加熱される電力は、中央部の加熱コイルと外周部の加熱コイルの電力の合計値であるから、この合計の入力電力が、設定された火力に対して小さな値となり、貼り付け鍋を加熱する際に十分な入力電力を得ることができないという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、鍋底中央部に磁性材質を貼り付けた鍋を誘導加熱する場合でも、電力を制限することなく加熱することのできる誘導加熱調理器を提供するものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、第一加熱コイルと、前記第一加熱コイルの外周側に配置された第二加熱コイルと、前記第一加熱コイルに交流電流を供給する第一高周波電源部と、前記第二加熱コイルに交流電流を供給する第二高周波電源部と、前記第一加熱コイルに流れる電流を検知する第一コイル電流検知部と、前記第二加熱コイルに流れる電流を検知する第二コイル電流検知部と、前記第一高周波電源部の出力電力を検知する第一電力検知部と、前記第二高周波電源部の出力電力を検知する第二電力検知部と、前記第一加熱コイル及び前記第二加熱コイルからの出力電力の合計が設定火力に相当する電力となるように、前記第一高周波電源部及び前記第二高周波電源部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第一電力検知部及び前記第一コイル電流検知部の検知結果と、前記第二電力検知部及び前記第二コイル電流検知部の検知結果から、それぞれ、前記第一加熱コイル上に載置された加熱負荷と前記第二加熱コイル上に載置された加熱負荷の材質を検知し、前記第一加熱コイル上の加熱負荷と、前記第二加熱コイル上の加熱負荷が異なる場合に、前記第二高周波電源部の出力電力に対して前記第一高周波電源部の出力電力が大きくなるように制御する第一加熱コイル優先モードを有するものである。
本発明によれば、加熱口全体としての出力電力を制限することなく、貼り付け鍋を誘導加熱することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の上面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の右加熱口の加熱コイルの構成を説明する図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器のインバータ回路の駆動信号と入力電力の関係を示す図である。 インバータ回路への入力電力とインバータ回路損失の関係を説明する図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器における入力電力と加熱コイルの電流値の関係に基づく鍋負荷の判別特性図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の負荷判定処理における鍋材質の検知結果の組み合わせを示す図である。 貼り付け鍋の構成例を説明する図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の右加熱口に、貼り付け鍋を載置した状態を説明する図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器において磁性鍋または高抵抗非磁性鍋を誘導加熱する場合の、設定火力と入力電力の関係を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器において貼り付け鍋を誘導加熱する場合の、設定火力と入力電力の関係を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器において高抵抗非磁性鍋を誘導加熱する場合の、入力電力とインバータ回路損失の関係を説明する図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器において貼り付け鍋を誘導加熱する場合の、設定火力と入力電力の関係を示す図である。
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、これ以降に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の上面図である。
鍋を載置する耐熱性のトッププレート1は、右加熱口2、左加熱口3及び中央加熱口4の合計3口の加熱口を有している。右加熱口2及び左加熱口3の下部には加熱コイル5及び加熱コイル6が設置され(なお、加熱コイル5及び加熱コイル6は、便宜上、実線で図示されている)、加熱口上部に載置された鍋を加熱コイルから発生する高周波磁界で誘導加熱する。トッププレート1にはさらに、使用者によるスイッチの操作を受け付けるとともに、誘導加熱調理器の加熱条件や使用者に対する情報を表示する操作・表示部8が設けられている。この操作・表示部8の操作により火力の調整及び加熱口の選択等が行われる。この操作・表示部8は、表示手段として、例えば液晶パネル等の表示デバイスを備えている。なお、操作・表示部8を加熱口毎に設けてもよいし、各加熱口に対応する操作部と表示部を一箇所にまとめて設けてもよく、具体的な構成を特に限定するものではない。
本実施の形態1では、本発明に係る構成を、加熱調理器に設けられた三つの加熱口のうち右加熱口2に適用した場合を例に説明する。このため、以降では、右加熱口2に係る構成を中心に説明する。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の右加熱口の加熱コイルの構成を説明する図である。
右加熱口2に設けられた加熱コイル5は、主コイル51と補助コイル52とで構成されている。主コイル51は外形形状が円盤状に成形されている。補助コイル52は、主コイル51よりも直径の大きい環状に成形され、主コイル51の外周側に主コイル51と略同心円状に配置されている。主コイル51及び補助コイル52は、それぞれ異なる駆動回路に接続され、独立して通電制御される。
図3は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成図であり、右加熱口の駆動回路を中心に示している。
図3では、主コイル51に係る回路群を回路30として示し、補助コイル52に係る回路群を回路31として示している。
主コイル51に係る回路30は、入力電流検知回路10と、直流電源回路11と、インバータ回路12と、コイル電流検知回路15と、負荷回路18とを備える。
入力電流検知回路10は、商用電源9から直流電源回路11へ入力される電流を検知し、入力電流値に相当するアナログ電圧信号を制御回路13へ出力する。
直流電源回路11は、ダイオードブリッジ21、チョークコイル22、平滑コンデンサ23で構成され、商用電源9から入力される交流を直流に変換して、インバータ回路12へ出力する。
インバータ回路12は、スイッチング素子としてのIGBT24及びIGBT25が直流電源回路11の出力点に直列に接続された、いわゆるハーフブリッジ型のインバータである。インバータ回路12は、直流電源回路11から出力される直流電力を20kHz〜50kHz程度の高周波電力に変換して、主コイル51、共振コンデンサ16からなる共振回路に供給する。このようにすることで、主コイル51には数10A程度の高周波電流が流れ、高周波磁界により、主コイル51の直上のトッププレート1上に載置された鍋を誘導加熱する。スイッチング素子であるIGBT24、IGBT25は、例えば、シリコン系材料からなる半導体で構成されている。
コイル電流検知回路15は、主コイル51とインバータ回路12との間に接続されている。このコイル電流検知回路15は、主コイル51に流れる電流のピークを検知し、加熱コイル電流のピーク値に相当するアナログ電圧信号を制御回路13へ出力する。
負荷回路18は、直列接続された主コイル51と共振コンデンサ16とにより構成された共振回路と、クランプダイオード17とにより構成される。主コイル51の一端は、接続線を介してIGBT24とIGBT25との接続点に接続され、主コイル51の他端は、接続線を介して共振コンデンサ16の一端に接続されている。そして、共振コンデンサ16の他端はIGBT25と接続されている。クランプダイオード17は、主コイル51と共振コンデンサ16の接続点と、直流電源回路11の低電位側母線との間に接続され、主コイル51と共振コンデンサ16との接続点の電位が低電位側母線の電位以下に低下しないようにクランプする。
また、IGBT25に並列にスナバコンデンサ14が接続されている。スナバコンデンサ14は、IGBT24及びIGBT25のターンオフ時の電圧波形の立ち上がりをなだらかにしてスイッチング損失を低減する働きを有する。
制御回路13は、入力電流検知回路10を介して検知した入力電流値と商用電源電圧の積算から入力電力を演算する。そして、例えば操作・表示部8にて設定される設定火力毎に設けられた目標電力に相当する入力電力となるように、インバータ回路12に備えられたIGBT24及びIGBT25の駆動信号を変動させて、電力フィードバック制御を行う。
ここで、本実施の形態1では、上述のように制御回路13が入力電流検知回路10により検知される入力電流値と商用電源電圧を積算して得る入力電力の値を、インバータ回路12の出力電力の値と見なすものとする。厳密には、直流電源回路11やインバータ回路12での損失があるため、上述のようにして算出される入力電力の値と出力電力の値とは等しくないが、本実施の形態1では、入力電力の値を、インバータ回路12の出力電力として用いる。すなわち、本実施の形態1の「入力電流検知回路10」及び「制御回路13」は、本発明の「第一電力検知部」として機能する。
補助コイル52に係る回路31を構成する入力電流検知回路60、直流電源回路61、インバータ回路62、スナバコンデンサ64、コイル電流検知回路65、共振コンデンサ66、クランプダイオード67、負荷回路68、ダイオードブリッジ71、チョークコイル72、平滑コンデンサ73、IGBT74、IGBT75は、それぞれ、回路30における入力電流検知回路10、直流電源回路11、インバータ回路12、スナバコンデンサ14、コイル電流検知回路15、共振コンデンサ16、クランプダイオード17、負荷回路18、ダイオードブリッジ21、チョークコイル22、平滑コンデンサ23、IGBT24、IGBT25と同様の構成であり、ここでは詳細な説明を省略する。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器のインバータ回路の駆動信号と入力電力の関係を示す図である。
図4(a)は、インバータ回路12及びインバータ回路62の、周波数と高電位側IGBT(IGBT24、IGBT74)の通電比率との関係を示す図である。実施の形態1に示す誘導加熱調理器では、図4(a)に示すように、駆動周波数を一定値(例えば24kHz)に固定した状態で、通電比率のみを例えば1%から49%の範囲で変動させて電力制御を行う。これは、複数の加熱コイルが近接配置された状態で、それぞれの加熱コイルを異なる周波数で駆動すると、周波数の差分に相当する干渉音が発生してしまうためである。図4(a)に示すように電力制御することで、近接配置された主コイル51及び補助コイル52の2つのコイルは、同一の周波数で駆動されるため、常時周波数差がゼロとなり、干渉音の発生がない。
図4(b)は、インバータ回路12及びインバータ回路62の、通電比率と入力電力の関係を示す図である。図4(a)にて説明したように、周波数が一定の状態で高電位側のIGBT(IGBT24、IGBT74)の通電比率を1%から49%まで変動させることで、通電比率に応じて、入力電力を例えば100Wから2000Wの範囲で変動させることができる。
次に、鍋の材質による、入力電力とインバータ回路損失との関係の違いを説明する。
図5は、インバータ回路への入力電力とインバータ回路損失の関係を説明する図である。
まず、加熱負荷となる鍋の材質は、鉄、SUS430等の磁性材と、SUS304等の高抵抗非磁性材と、アルミ、銅等の低抵抗非磁性材と、に大別される。図5において、符号33は、磁性材質からなる鍋(以下、磁性鍋と称する場合がある)を載置した状態でのインバータ回路の損失と入力電力の関係を示すライン、符号34は、高抵抗非磁性材質からなる鍋(以下、高抵抗非磁性鍋と称する場合がある)を載置した状態でのインバータ回路の損失と入力電力の関係を示すライン、である。また、符号32は、インバータ回路の許容損失を示すラインである。この許容損失は、インバータ回路の放熱フィンやインバータ回路に冷却風を供給する冷却ファンの風量等の冷却性能によって定まる値である。
なお、アルミ等の低抵抗非磁性材を誘導加熱するためには専用の共振回路が必要であり、本実施の形態1の誘導加熱調理器は低抵抗非磁性材からなる鍋の誘導加熱には対応していないため、図5では説明を割愛する。
図5に示すように、入力電力の全範囲において、磁性鍋が載置された場合のインバータ回路の損失(符号33)の値は、高抵抗非磁性鍋が載置された場合のインバータ回路の損失(符号34)の値よりも小さい。また、磁性鍋が載置された場合のインバータ回路の損失(符号33)の増加の割合も、高抵抗非磁性鍋が載置された場合のインバータ回路の損失(符号34)の増加の割合より小さい。
そして、図5に示す例では、磁性鍋が載置された場合のインバータ回路の損失(符号33)は、入力電力の全範囲で許容損失(符号32)以下となっている。一方、高抵抗非磁性鍋が載置された場合、入力電力が大きい範囲においてはインバータ回路の損失(符号34)が、許容損失(符号32)を超過している。
許容損失32は、放熱フィンや冷却風量により規定される冷却性能によって定まる値であって一概に規定されるものではないが、少なくとも、高抵抗非磁性鍋が載置された場合には、磁性鍋が載置された場合よりもインバータ回路の損失が大きくなることが分かる。一般に、高抵抗非磁性鍋は、磁性鍋と比較して加熱コイル上に載置した状態のインピーダンスが小さい。そのため、非磁性鍋を磁性鍋と同一の入力電力で駆動した場合、加熱コイル及びスイッチング素子に流れる負荷電流が大きくなる傾向を有する。
なお、本実施の形態1における「主コイル51」は、本発明の「第一加熱コイル」に相当する。
また、本実施の形態1における「補助コイル52」は、本発明の「第二加熱コイル」に相当する。
また、本実施の形態1における「インバータ回路12」は、本発明の「第一高周波電源部」に相当する。
また、本実施の形態1における「インバータ回路62」は、本発明の「第二高周波電源部」に相当する。
また、本実施の形態1における「入力電流検知回路10」は、本発明の「第一コイル電流検知部」に相当する。
また、本実施の形態1における「入力電流検知回路60」は、本発明の「第二コイル電流検知部」に相当する。
また、本実施の形態1における「入力電流検知回路10」及び「制御回路13」は、本発明の「第一電力検知部」に相当する。
また、本実施の形態1における「入力電流検知回路60」及び「制御回路13」は、本発明の「第二電力検知部」に相当する。
また、本実施の形態1における「制御回路13」は、本発明の「制御部」に相当する。
上記を踏まえ、実施の形態1の誘導加熱調理器の動作について説明を行う。
まず、使用者により右加熱口2に鍋が載置され、操作・表示部8により設定火力が設定されて加熱開始が指示されたものとする。
加熱開始が指示されると、制御回路13は、負荷判定処理を行う。
図6は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器における入力電力と加熱コイルの電流値の関係に基づく鍋負荷の判別特性図である。図6に示すように、トッププレート1に載置された鍋負荷の材質によって、入力電力と加熱コイル電流との関係が異なる。本実施の形態1の誘導加熱調理器の制御回路13は、図6に示す入力電力と加熱コイル電流との関係をテーブル化した負荷判定テーブルを内部に記憶している。
負荷判定処理において、制御回路13は、負荷判定用の特定の駆動信号でインバータ回路12及びインバータ回路62を駆動し、入力電流検知回路10及び入力電流検知回路60の出力信号を読み込んで入力電流値を検出し、その入力電流値と商用電源電圧の積算から、インバータ回路12とインバータ回路62のそれぞれへの入力電力を算出する。また、制御回路13は、コイル電流検知回路15及びコイル電流検知回路65の出力信号を読み込み、主コイル51と補助コイル52のそれぞれに流れる加熱コイル電流を検出する。そして、制御回路13は、図6の関係を表した負荷判定テーブルを参照し、算出した入力電力及び加熱コイル電流の読み込み値のマッピング状態から、主コイル51上に載置された鍋材質と、補助コイル52上に載置された鍋材質とをそれぞれ検知する。
図7は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の負荷判定処理における鍋材質の検知結果の組み合わせを示す図である。なお、鍋の中には、例えば主コイル51の外径よりも小さいサイズの鍋もあるが、ここでは、鍋のサイズが、主コイル51と補助コイル52に跨るサイズであるものとして説明する。
上述のように、加熱負荷となる鍋の材質は、磁性材、高抵抗非磁性材、低抵抗非磁性材、に大別される。
右加熱口2に磁性鍋が載置されている場合、主コイル51及び補助コイル52における負荷判定結果は、ともに磁性鍋となる(ケース1)。
右加熱口2に高抵抗非磁性鍋が載置されている場合、主コイル51及び補助コイル52における負荷判定結果は、ともに高抵抗非磁性鍋となる(ケース2)。
右加熱口2に低抵抗非磁性鍋が載置されている場合、主コイル51及び補助コイル52における負荷判定結果は、ともに低抵抗非磁性鍋となる(ケース3)。
右加熱口2に鍋が載置されていない場合、主コイル51及び補助コイル52における負荷判定結果は、ともに無負荷となる(ケース4)。
また、近年、アルミなどの低抵抗非磁性材質の鍋の底面に磁性ステンレスを張り合わせたような鍋(貼り付け鍋)が多く存在する。加熱口にこのような貼り付け鍋が載置されている場合には、主コイル51と補助コイル52における負荷判定結果は異なり、主コイル51における負荷判定結果は磁性鍋となり、補助コイル52における負荷判定結果は高抵抗非磁性鍋となる(ケース5)。
以下、貼り付け鍋が載置された場合の負荷判定について、詳細に説明する。
図8は、貼り付け鍋の構成例を説明する図であり、図8(a)は貼り付け鍋の断面模式図、図8(b)は貼り付け鍋の底面図である。図8に例示するように、貼り付け鍋80は、例えば熱伝導率の高いアルミ材質の容器82の底面中央部の外面に、円盤状の誘導加熱されやすい磁性ステンレス板81が貼り付けられて構成されている。図8に示す貼り付け鍋80は、容器82の底面(載置面)にのみ、磁性ステンレス板81が貼り付けられている。
図9は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の右加熱口に、貼り付け鍋を載置した状態を説明する図である。図9に示すように、主コイル51及び補助コイル52は、トッププレート1の下方において支持台26によって支持されている。右加熱口2に対応するトッププレート1上に貼り付け鍋80が載置された場合、貼り付け鍋80自体の大きさや磁性ステンレス板81の大きさにもよるが、主コイル51の直上には磁性ステンレス板81が載置され、補助コイル52の直上には磁性ステンレス板81の一部とアルミ材質の容器82とが載置された状態となる。
図9に示すように補助コイル52の直上に磁性ステンレス板81とアルミ材質の容器82とが載置された状態である場合において、補助コイル52上の負荷判定を行うと、その負荷判定結果は、みかけ上、高抵抗非磁性材質に近い特性を示す。このため、貼り付け鍋80が加熱口に載置されると、図7のケース5に示すように、主コイル51における負荷判定結果は磁性鍋となり、補助コイル52における負荷判定結果は高抵抗非磁性鍋、となる。
以上、負荷判定処理について説明した。
上述のようにして負荷判定処理を行った後は、制御回路13は、負荷判定結果に基づいて、各部を駆動制御する。
負荷判定結果がケース3(低抵抗非磁性鍋)である場合、本実施の形態1の誘導加熱調理器では加熱不可能であるため、加熱不可能であることを操作・表示部8を用いて報知し、使用者に鍋の変更を促す。
負荷判定結果がケース4(無負荷)である場合にも、加熱不可能であることを操作・表示部8を用いて報知し、使用者に鍋の載置を促す。
負荷判定結果がケース1(磁性鍋)またはケース2(高抵抗非磁性鍋)である場合、これらの鍋は本実施の形態1の誘導加熱調理器にて加熱可能な材質であるため、制御回路13は、インバータ回路12及びインバータ回路62を駆動して鍋の加熱を開始する。
図10は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器において磁性鍋または高抵抗非磁性鍋を誘導加熱する場合の、設定火力と入力電力の関係を示す図である。図10において、符号100は、主コイル51のインバータ回路12を示すライン、符号101は、補助コイル52のインバータ回路62を示すライン、符号102は、インバータ回路12とインバータ回路62の入力電力の合計を示すラインである。
制御回路13は、図7に示したケース1及びケース2のように、主コイル51と補助コイル52における負荷判定結果が同一である場合には、図10に示すインバータ回路12とインバータ回路62の入力電力の合計が、設定火力毎に設けられた目標電力に相当する入力電力となるように、インバータ回路12及びインバータ回路62を駆動制御する。より具体的には、図4で示したように、周波数が一定の状態で高電位側のIGBT(IGBT24、IGBT74)の通電比率を変動させることで、その通電比率に応じた入力電力とする。このとき、図10に示すように、主コイル51のインバータ回路12の入力電力と補助コイル52のインバータ回路62入力電力が等しくなるように、電力制御する。このようにすることで、鍋に対する主コイル51と補助コイル52からの加熱量がほぼ同等となるため、鍋を径方向において均一に加熱することができる。また、この場合、インバータ回路12とインバータ回路62は、ともに同じ材質を加熱するため、両者の回路損失は同等となる(図5参照)。
次に、負荷判定結果がケース5(貼り付け鍋)である場合の、インバータ回路の駆動制御を説明する。
図11は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器において貼り付け鍋を誘導加熱する場合の、設定火力と入力電力の関係を示す図である。図11において、前述の図10と同様に、符号100は、主コイル51のインバータ回路12を示すライン、符号101は、補助コイル52のインバータ回路62を示すライン、符号102は、インバータ回路12とインバータ回路62の入力電力の合計を示すラインである。
制御回路13は、図7に示したケース5のように、主コイル51に磁性材、補助コイル52に高抵抗非磁性材が載置されていることを検知した場合、貼り付け鍋が載置されたものと判定し、図11に示す入力電力と設定火力の関係で各コイルを通電制御する。以下、具体的に説明する。
まず、補助コイル52のインバータ回路62に対しては、貼り付け鍋載置時の入力電力について閾値Paが設定されている。この閾値Paは、高抵抗非磁性材が載置された状態でインバータ回路62を駆動した際の回路損失が、インバータ回路62の許容損失を超過しない範囲で、予め設定された入力電力値である。
主コイル51のインバータ回路12の入力電力と補助コイル52のインバータ回路62の入力電力との合計が、設定火力毎に設けられた目標電力に相当する入力電力となるように、制御回路13がインバータ回路12とインバータ回路62の通電制御を行う点は、磁性鍋や高抵抗非磁性鍋が載置された場合と同様である。しかしながら、貼り付け鍋が載置された場合には、インバータ回路12とインバータ回路62への入力電力の配分が異なる。
まず、インバータ回路62の入力電力が閾値Paを超えない範囲においては、制御回路13は、図10と同様に、インバータ回路12の入力電力とインバータ回路62の入力電力とが均等になるように通電制御する均等制御モードを実行する。
一方、インバータ回路12とインバータ回路62の入力電力が均等になるように通電制御するとインバータ回路62の入力電力が閾値Pa以上となる範囲においては、インバータ回路62の入力電力を閾値Paに固定し、インバータ回路12の入力電力の割合を大きくすることで、設定火力に応じた入力電力とする。言い替えると、右加熱口2におけるトータルの入力電力(図11に符号102で示すライン)が2×Paとなるときの設定火力の値を、設定火力の閾値Taとして設定しておき、操作・表示部8により設定火力の閾値Taを超える値が設定された場合には、補助コイル52のインバータ回路62の入力電力を閾値Paとし、主コイル51のインバータ回路12への入力電力の割合を優先的に大きくする。この主コイル51のインバータ回路12への入力電力の割合を優先的に大きくするように通電制御する制御モードが、本発明の第一加熱コイル優先モードに相当する。第一加熱コイル優先モードにおいては、補助コイル52のインバータ回路62への入力電力を閾値Paに抑え、主コイル51のインバータ回路12の入力電力を相対的に大きくすることで、両インバータ回路の入力電力の合計のライン(図11の符号102)の傾きが、図10に示した入力電力の合計のライン(図10の符号102)の傾きと同じになるようにする。
このようにすることで、高抵抗非磁性鍋と同様の特性を有する部分を加熱する補助コイル52の回路損失が許容損失を超えないようにしつつ、貼り付け鍋に対してはトータルとして設定火力に対応した入力電力を投入することができる。
以上のように、本実施の形態1によれば、同心円状に配置された主コイル及び補助コイルに載置された加熱負荷の材質を、高周波電源部の出力電力と各コイルに流れる電流に基づいて判定するようにし、貼り付け鍋が検知された場合には、主コイルを駆動するインバータ回路の出力電力が優先的に大きくなるように通電制御する第一加熱コイル優先モードを実行するようにした。そして、第一加熱コイル優先モードでは、補助コイルを駆動するインバータ回路の出力電力に対し、主コイルを駆動するインバータ回路の出力電力を優先的に上昇させることで、目標の設定火力が得られるようにした。このため、貼り付け鍋を加熱する際に、加熱口全体としての出力電力が制限されず、設定火力に対する最大限の出力電力で貼り付け鍋を加熱することができる。
また、貼り付け鍋を誘導加熱する場合において、補助コイルのインバータ回路の出力電力が閾値Paを超えない範囲では、主コイルのインバータ回路の出力電力と補助コイルのインバータ回路の出力電力とが均等になるように通電制御するようにした。このため、貼り付け鍋を、径方向において均一に加熱することができる。
また、貼り付け鍋を誘導加熱する場合において、主コイルのインバータ回路の出力電力と補助コイルのインバータ回路の出力電力とを均等にすると補助コイルのインバータ回路の出力電力が閾値Pa以上となる範囲でのみ、第一加熱コイル優先モードで制御するようにした。このため、設定火力が相対的に小さい場合には鍋の均一加熱が実現されるとともに、設定火力が相対的に大きい場合でもインバータ加熱の回路損失を理由に加熱口全体としての出力電力が制限されることのない、使い勝手のよい誘導加熱調理器を得ることができる。
また、主コイルと補助コイル上に同一材料の鍋が載置されていると検知した場合には、主コイルを駆動するインバータ回路の出力電力と、補助コイルを駆動するインバータの出力電力が均等になるように制御するので、鍋を径方向において均一に加熱することができる。
実施の形態2.
前述の実施の形態1では、加熱開始の指示を受けて行う負荷判定処理の結果、主コイルと補助コイルにおける負荷判定結果が異なる場合に(ケース5)、補助コイルを駆動するインバータ回路の出力電力に対し、主コイルを駆動するインバータ回路の出力電力を優先的に上昇させる第一加熱コイル優先モードを実行する例を示した。
これに対し本実施の形態2では、被加熱物として貼り付け鍋を使用することを選択可能な選択手段を設け、被加熱物として貼り付け鍋を使用することが選択された場合に、第一加熱コイル優先モードを実行する例を説明する。
なお、本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付す。
本実施の形態2の操作・表示部8には、被加熱物として貼り付け鍋を使用するか否かを使用者が選択するための貼り付け鍋選択部(図示せず)が設けられている。貼り付け鍋選択部は、貼り付け鍋の使用の有無を選択可能なボタン、操作等の入力装置であれば、具体的構成は問わない。貼り付け鍋選択部からの出力信号は、制御回路13に対して入力される。
次に、実施の形態2の誘導加熱調理器の動作について説明を行う。
まず、使用者により右加熱口2に鍋が載置され、操作・表示部8により設定火力が設定されて加熱開始が指示されたものとする。さらに、本実施の形態2では、操作・表示部8の貼り付け鍋選択部(図示せず)により、貼り付け鍋を使用するか否かを選択可能であり、使用者によって使用の有無が選択される。
操作・表示部8の貼り付け鍋選択部(図示せず)にて、貼り付け鍋を使用しないことが選択されている場合には、制御回路13は、実施の形態1と同様の動作を行う。すなわち、加熱開始が指示されると、制御回路13は、負荷判定処理を行い、その負荷判定処理の結果に基づく制御を行う。
一方、操作・表示部8の貼り付け鍋選択部(図示せず)にて、貼り付け鍋を使用することが選択されている場合には、制御回路13は、負荷判定処理を行わず、実施の形態1における負荷判定処理にてケース5(貼り付け鍋)と判定された場合と同様にして、インバータ回路12及びインバータ回路62を駆動制御する。
すなわち、貼り付け鍋選択部にて貼り付け鍋を使用することが選択された場合は、補助コイル52を駆動するインバータ回路62の出力電力に対し、主コイル51を駆動するインバータ回路12の出力電力を優先的に上昇させることで、目標の設定火力が得られるようにする第一加熱コイル優先モードを実行する。
また、貼り付け鍋選択部にて貼り付け鍋を使用することが選択された場合は、補助コイル52のインバータ回路62の出力電力が閾値Paを超えない範囲では、主コイル51のインバータ回路12の出力電力と補助コイル52のインバータ回路62の出力電力とが均等になるように通電制御する。
また、貼り付け鍋選択部にて貼り付け鍋を使用することが選択された場合は、主コイル51のインバータ回路12の出力電力と補助コイル52のインバータ回路62の出力電力とを均等にすると補助コイル52のインバータ回路62の出力電力が閾値Pa以上となる範囲でのみ、第一加熱コイル優先モードで制御する。
このため、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態2では被加熱物として貼り付け鍋を使用することを選択するための貼り付け鍋選択部を設けたので、貼り付け鍋を使用することが選択されている場合には、負荷判定処理を行うことなく、速やかに貼り付け鍋の加熱を開始することができる。また、貼り付け鍋を使用することが選択されている場合には負荷判定処理を行わないので、鍋振り時の火力復帰を素早く行うことができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、補助コイル52を駆動するインバータ回路の構成部品のうち、スイッチング素子を、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体により形成された素子を用いて構成した場合について説明を行う。
実施の形態3において実施の形態1と異なるのは、補助コイル52に高周波電流を供給するインバータ回路62を構成するスイッチング素子(IGBT74及びIGBT75)が、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、ダイヤモンドなどからなる半導体(以下、単にワイドバンドギャップ半導体と称する場合がある)により形成された素子で構成された点である。
なお、主コイル51を駆動するインバータ回路12を構成するスイッチング素子(IGBT24及びIGBT25)は、シリコン系材料で構成された半導体である。
図12は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器において高抵抗非磁性鍋を誘導加熱する場合の、入力電力とインバータ回路損失の関係を説明する図である。
図12において、符号41は、シリコン系半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の入力電力と回路損失を示すライン、符号42は、ワイドバンドギャップ半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の入力電力と回路損失を示すラインである。また、符号43は、シリコン系半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の許容損失を示すライン、符号44はワイドバンドギャップ半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の許容損失を示すラインである。
一般に、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、シリコン系材料の半導体と比較して耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、素子の低損失化が可能となる。そのため、ワイドバンドギャップ半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の損失を示すライン42の傾きは、シリコン系半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の損失を示すライン41の傾きと比較して小さい。
また、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、耐熱性も高いため、放熱フィンや冷却ファンなどによって定まる冷却条件が同一である場合、許容損失の値を大きくすることができる。そのため、図12に示すように、ワイドバンドギャップ半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の許容損失(符号44)は、シリコン系半導体のスイッチング素子で構成されたインバータ回路の許容損失(符号43)と比較して大きい値に設定されている。
以上より、補助コイル52のインバータ回路62のスイッチング素子をワイドバンドギャップ半導体で構成した場合、補助コイル52上に高抵抗非磁性材が載置された場合に投入可能な入力電力の上限値を、スイッチング素子をシリコン系半導体で構成した場合よりも大きくすることができる。すなわち、実施の形態1の図11において、貼り付け鍋が載置された場合には、補助コイル52のインバータ回路62の入力電力は、閾値Paを上限とすることを説明したが、本実施の形態3のようにインバータ回路62のスイッチング素子をワイドバンドギャップ半導体で構成することで、インバータ回路62の入力電力の上限値を、閾値Paよりも大きな値である閾値Pbとすることができる。
図13は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器において貼り付け鍋を誘導加熱する場合の、設定火力と入力電力の関係を示す図である。実施の形態1と対比して説明するため、図13には、図11で示した閾値Pa及び設定火力の閾値Taを併せて記載している。
図13に示すように、本実施の形態3の補助コイル52を駆動するインバータ回路62の入力電力の上限値である閾値Pbは、実施の形態1で示した値(閾値Pa)よりも大きな値とすることができる。このため、本実施の形態3における設定火力の閾値Tbは、実施の形態1における設定火力の閾値Taよりも大きい値とすることができる。すなわち、主コイル51と補助コイル52のインバータ回路の入力電力を均等に制御することができる設定火力の範囲を、拡大することができる。
以上のように、本実施の形態3では、補助コイルを駆動するインバータ回路に備えられたスイッチング素子を、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、ダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体により形成した。このため、貼り付け鍋を加熱する場合において、補助コイルを駆動するインバータ回路のスイッチング素子としてシリコン系半導体で形成された素子を用いた場合と比較して、より大きな設定火力の範囲まで、鍋を均一加熱することができる。
なお、本実施の形態3では、補助コイルを駆動するインバータ回路のスイッチング素子をワイドバンドギャップ半導体で構成する例を示したが、主コイルを駆動するインバータ回路のスイッチング素子をもワイドバンドギャップ半導体で構成してもよい。
また、上記説明では、本発明に係る構成を、誘導加熱調理器の複数の加熱口のうちの一つ(右加熱口2)にのみ適用した例を示したが、もちろん、複数の加熱口に対して、本発明に係る構成を適用してもよい。
また、上記説明では、主コイルと同心円状に補助コイルを設けた例を示したが、このような補助コイルに代えて、複数の補助コイルを主コイルの外周に環状に配置してもよい。この場合、複数の補助コイル全体としての動作が、実施の形態1、2における補助コイルと同様の動作となるようにする。
1 トッププレート、2 右加熱口、3 左加熱口、4 中央加熱口、5 加熱コイル、6 加熱コイル、8 操作・表示部、9 商用電源、10 入力電流検知回路、11 直流電源回路、12 インバータ回路、13 制御回路、14 スナバコンデンサ、15 コイル電流検知回路、16 共振コンデンサ、17 クランプダイオード、18 負荷回路、21 ダイオードブリッジ、22 チョークコイル、23 平滑コンデンサ、24 IGBT、25 IGBT、26 支持台、30 回路、31 回路、51 主コイル、52 補助コイル、60 入力電流検知回路、61 直流電源回路、62 インバータ回路、64 スナバコンデンサ、65 コイル電流検知回路、66 共振コンデンサ、67 クランプダイオード、68 負荷回路、71 ダイオードブリッジ、72 チョークコイル、73 平滑コンデンサ、74 IGBT、75 IGBT、80 鍋、81 磁性ステンレス板、82 容器。

Claims (9)

  1. 第一加熱コイルと、
    前記第一加熱コイルの外周側に配置された第二加熱コイルと、
    前記第一加熱コイルに交流電流を供給する第一高周波電源部と、
    前記第二加熱コイルに交流電流を供給する第二高周波電源部と、
    前記第一加熱コイルに流れる電流を検知する第一コイル電流検知部と、
    前記第二加熱コイルに流れる電流を検知する第二コイル電流検知部と、
    前記第一高周波電源部の出力電力を検知する第一電力検知部と、
    前記第二高周波電源部の出力電力を検知する第二電力検知部と、
    前記第一加熱コイル及び前記第二加熱コイルからの出力電力の合計が設定火力に相当する電力となるように、前記第一高周波電源部及び前記第二高周波電源部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記第一電力検知部及び前記第一コイル電流検知部の検知結果と、前記第二電力検知部及び前記第二コイル電流検知部の検知結果から、それぞれ、前記第一加熱コイル上に載置された加熱負荷と前記第二加熱コイル上に載置された加熱負荷の材質を検知し、
    前記第一加熱コイル上の加熱負荷と、前記第二加熱コイル上の加熱負荷が異なる場合に、前記第二高周波電源部の出力電力に対して前記第一高周波電源部の出力電力が大きくなるように制御する第一加熱コイル優先モードを有する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部は、
    前記第一加熱コイル上の加熱負荷と、前記第二加熱コイル上の加熱負荷が異なる場合に、
    前記第二高周波電源部の出力電力が閾値を超えない範囲においては、前記設定火力に応じて前記第一高周波電源部の出力電力と前記第二高周波電源部の出力電力とが均等になるように制御し、
    前記第一高周波電源部の出力電力と前記第二高周波電源部の出力電力とを均等にすると前記第二高周波電源部の出力電力が前記閾値以上となる場合には、前記第一加熱コイル優先モードで制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記第一加熱コイル上の加熱負荷と、前記第二加熱コイル上の加熱負荷が異なる場合とは、
    前記第一加熱コイル上の加熱負荷が磁性材質であって、前記第二加熱コイル上の加熱負荷が非磁性材質の場合である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の誘導加熱調理器。
  4. 第一加熱コイルと、
    前記第一加熱コイルの外周側に配置された第二加熱コイルと、
    前記第一加熱コイルに交流電流を供給する第一高周波電源部と、
    前記第二加熱コイルに交流電流を供給する第二高周波電源部と、
    加熱負荷として貼り付け鍋を使用することを選択するための選択手段と、
    前記第一加熱コイル及び前記第二加熱コイルからの出力電力の合計が設定火力に相当する電力となるように、前記第一高周波電源部及び前記第二高周波電源部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記選択手段により被加熱物として貼り付け鍋を使用することが選択された場合に、前記第二高周波電源部の出力電力に対して前記第一高周波電源部の出力電力が大きくなるように制御する第一加熱コイル優先モードを有する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 前記制御部は、
    前記第一加熱コイル優先モードにおいて、
    前記第二高周波電源部の出力電力を前記閾値とした状態で、前記第一高周波電源部の出力電力を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記制御部は、
    前記第一加熱コイル上の加熱負荷の材質と、前記第二加熱コイル上の加熱負荷の材質とが同じであると検知した場合には、
    前記第一高周波電源部の出力電力と前記第二高周波電源部の出力電力とが均等になるように制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記第二加熱コイルは、
    前記第一加熱コイルの外周を取り囲むように前記第一加熱コイルと略同心状に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記第二高周波電源部に設けられたスイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体により形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドである
    ことを特徴とする請求項8記載の誘導加熱調理器。
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