JP5330070B2 - プラスチック積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような湿式法による被膜は、例えば自動車ガラスの代替品とするためには、十分な硬度及び耐擦傷性を得ることは困難である。
また、電子ビーム加熱により酸化アルミニュームや酸化珪素を蒸着させ、蒸着粒子を蒸発源と基板との間に発生させたプラズマを通過させ、蒸着粒子の運動エネルギーを高めてから基板上に堆積する方法(HADプロセス)が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。また、オルガノシロキサン、オルガノシランまたはシラザン等の有機珪素化合物の蒸気と酸素ガスとを共存させてプラズマ重合により樹脂基板上に有機珪素系の酸化重合物を堆積する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、例えばポリカーボネート樹脂などのプラスチック基板は、特に自動車用途においては、紫外線に晒されて劣化を生じることがある点が大きな問題として残る。
このためのひとつの解決法は、紫外線を遮断することである。そこで、特許文献8には、ポリカーボネート樹脂表面に対して、紫外線遮断用コーティング層を形成し、その上に、耐摩耗性コーティング層を形成することを開示している。この特許文献8における耐摩耗性コーティング層としては、「特定のジオルガノジオルガノオキシラン(diorganodiorgonoxiysilane)や、特定のオルガノトリオルガノオキシラン(organotriorganoxysilane)、さらにはこれら双方から構成されている。」をプラズマ重合法によって形成できることが記載されているが、それ以上の詳しい説明はなされていない。しかも、特許文献8のものでは、その記載からすれば紫外線遮断用コーティング層と耐摩耗性コーティング層との密着性は高いものとは推測できない。
また、ポリカーボネート樹脂表面上に直接、特許文献7のような乾式ハードコート層を形成する場合、密着性を高くすることは困難である。
他の課題は、たとえば耐候性(紫外線遮断など)に関しても優れた、プラスチック基板に対して表面の乾式ハードコート層の密着性が高い透明又は半透明プラスチック積層体を得ることにある。
さらに別の課題は、以下の説明によって明らかになるであろう。
<請求項1記載の発明>
プラスチック基板の少なくとも片面上にアクリル樹脂熱硬化膜、オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜および有機珪素化合物のプラズマCVD膜を順次積層して成り、
前記CVD膜が、酸素原子と珪素原子との存在比(O/Si比)が前記オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜との界面から傾斜的に増加する傾斜ゾーンとそれに続くほぼ一定のフラットゾーンとから成り、
前記CVD膜の傾斜ゾーンの厚みが0.1〜1μmであることを特徴とするプラスチック積層体。
プラスチック基板の少なくとも片面上にアクリル樹脂熱硬化膜、オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜を湿式にて積層し、さらにCVD膜を積層する場合、CVD膜の界面近傍でO/Si比を変化させることで、湿式層とCVD層の密着に優れるものとなる。
さらにCVD層の表層は耐擦傷性を確保するために高い硬度とするために、CVD膜内O/Si比を連続的に変化させる。湿式膜とCVD膜との密着を確保する傾斜ゾーンと、CVD膜の表面に於ける硬度を達成するためのフラットゾーンを設けることで、単層内で優れた密着性、及び高い硬度の双方を達成することができる。
前記CVD膜のフラットゾーンのO/Si比が1.4以上2未満であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック積層体。
CVD膜の表面において、O/Si比が1.4以上2未満であることにより、充分な耐擦傷性を示す硬度を達成することが可能である。
前記CVD膜がオルガノシロキサン、オルガノシランおよびシラザンから成る化合物群より選ばれる少なくとも1種類の有機珪素化合物の蒸気と酸素ガスを共存下にプラズマ重合させて得られる膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック積層体。
プラズマCVD層として、少なくとも1種類のオルガノシロキサン、オルガノシランおよびシラザンから成る化合物群より選ばれる少なくとも1種類の有機珪素化合物蒸気と共に酸素ガスを存在せしめてプラズマ重合させた膜であると、十分な密着性、硬度及び耐擦傷性を示すプラスチック積層体を得ることができる。
前記プラスチック基板が透明または半透明樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチック積層体。
基板に透明または半透明樹脂を使用することにより、基板自体の優れた機械的強度や光学特性を活かし、かつ基板の耐擦傷性や耐候性を向上せしめることが出来る。
プラスチック基板の少なくとも片面上に、アクリル樹脂を湿式塗工し熱硬化する工程、オルガノシロキサン系樹脂を湿式塗工し熱硬化する工程、およびオルガノシロキサン、オルガノシランおよびシラザンから成る化合物群より選ばれる少なくとも1種類の有機珪素化合物の蒸気と酸素ガスを共存下にプラズマ重合させて成膜する工程を含み、
酸素原子と珪素原子との存在比(O/Si比)が前記オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜との界面から傾斜的に増加する傾斜ゾーンとそれに続くほぼ一定のフラットゾーンとから成る前記プラズマ重合膜を生成させ、
前記CVD膜の傾斜ゾーンの厚みを0.1〜1μmとすることを特徴とするプラスチック積層体の製造方法。
請求項1記載の発明と同様な作用効果を奏する。
図1に示すように、本発明に係る透明又は半透明プラスチック積層体100は、プラスチック基板50の表面に、熱硬化アクリル樹脂膜60と、オルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜70と、プラズマCVD膜80とが順に積層されることで構成されている。
プラスチック基板の材料50としては、具体的にはポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。これらの樹脂は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
プラスチック基板の厚みは1〜30mmの範囲が好ましい。
熱硬化アクリル樹脂膜60は、アクリル樹脂組成物を熱硬化させた膜である。アクリル樹脂組成物としては、(A)アクリル共重合体、(B)架橋剤および(C)硬化触媒を含有する。(A)〜(C)成分について詳細に説明する。
アクリル共重合体(以下、(A)成分ということがある)は、下記式(A)で表される繰り返し単位を少なくとも70モル%含むアクリル共重合体である。
アクリル共重合体は、さらに、下記式(A−5)で表される繰返し単位を含有することが好ましい。(A−5)単位を含有することで耐候性が向上する。
R10は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
(A−1)〜(A−5)単位を含むアクリル共重合体((A)成分)は、さらに機能性付与等のため他の繰返し単位を含んでいてもよい。他の繰返し単位は(A)成分のアクリル共重合体の全繰り返し単位100モル%に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。
(B)成分の架橋剤として、ブロック化されたポリイソシアネ−ト化合物が好ましく使用される。ブロック化されたポリイソシアネ−ト化合物は、イソシアネート基にブロック化剤を反応させ遊離のイソシアネート基をほとんどなくして、反応性を持たなくしたもので、加熱によりブロック化剤が分離してイソシアネート基となり、反応性を持つに至る化合物である。
(C)成分は硬化触媒である。硬化触媒は、(B)成分の架橋剤好ましくはブロック化剤の解離を促進させるため使用される。また解離により生成したイソシアネ−ト基と、(A)成分中のヒドロキシ基とのウレタン化反応を促進させるため使用される。
R20 mSn(OCOR21)4-m ・・・(C)
(D)成分として、下記式(D)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく使用される。(D)成分は、(A)成分のアクリル共重合体中のシクロアルキル基により、分散性が向上し、紫外線吸収機能を無駄なく発揮することができる。その結果、本発明の第1層は優れた耐候性を有する。
(1)チヌビン1577(R4はヘキシル基、R5、R6、R7およびVは水素原子)、
(2)チヌビン400(R4は−CH2CH(OH)CH2O−R8(R8はドデシル基およびトリデシル基)、R5、R6、R7およびVは水素原子)、
(3)チヌビン405(R4は−CH2CH(OH)CH2O−R8(R8はオクチル基)、R5、R6、R7およびVはメチル基)、
(4)チヌビン460(R4はブチル基、R5、R6、R7はブチルオキシ基、VはOH基)、
(5)チヌビン479(R4は−CH(CH3)C(O)O−R9(R9はオクチル基)R5は水素原子、R6およびR7はフェニル基、Vは水素原子)、等が挙げられる。
第1層は、アクリル樹脂組成物(塗料)を基材表面に塗布して形成することができる。アクリル樹脂組成物は、さらに溶媒を含有することが好ましい。
オルガノシロキサン系樹脂系熱硬化膜70は、オルガノシロキサン樹脂組成物を熱硬化させた膜である。オルガノシロキサン樹脂組成物は、コロイダルシリカ(E成分)、アルコキシシランの加水分解縮合物(F成分)および所望により金属酸化物(G成分)を含有する。
コロイダルシリカ(E成分)として、好ましくは直径5〜200nm、より好ましくは直径5〜40nmのシリカ微粒子が、水または有機溶媒中にコロイド状に分散されたものである。
アルコキシシランの加水分解縮合物(F成分)は、下記式(F)で表わされるアルコキシシランを加水分解縮合反応させたものである。
R1 mR2 nSi(OR3)4-m-n ・・・(F)
アルコキシシランの加水分解反応に必要な水は、水分散型のコロイダルシリカ分散液を使用した場合はこの分散液から供給され、必要であればさらに水を加えてもよい。アルコキシシラン1当量に対して通常1〜10当量、好ましくは1.5〜7当量の水が用いられる。
オルガノシロキサン樹脂組成物は、金属酸化物(G)を含有することが好ましい。(G)成分により耐候性を高めることができる。(G)成分として酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物が、光による分解が少なく好ましく使用される。特に酸化チタンが好ましく使用される。(G)成分の含有量は、E成分とF成分との合計100重量部に対し好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.2〜5.0重量部である。
オルガノシロキサン樹脂組成物は、さらに(I)成分として硬化触媒を含有することが好ましい。かかる硬化触媒としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、コリン塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩が挙げられ、具体的には酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸コリン、酢酸ベンジルトリメチルアンモニウムが好ましく使用される。硬化触媒(I)の含有量は、(E)成分と(F)成分との合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
第2層は、オルガノシロキサン樹脂組成物(塗料)を第1層上に塗布して形成される。オルガノシロキサン樹脂組成物は、溶媒を含有することが好ましい。
溶媒としては、オルガノシロキサン樹脂組成物が安定に溶解することが必要であり、そのためには少なくとも20重量%以上、好ましくは50重量%以上がアルコールである溶媒を用いることが望ましい。
プラズマCVD膜80としては、熱硬化アクリル樹脂膜60およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜70をプラスチック基板50に積層した後、例えば、少なくとも1種類のオルガノシロキサン、オルガノシラン又はシラザンの蒸気と共に酸素ガスを存在せしめてプラズマ重合させることによってオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜70の表面に積層される。その厚みは、3〜10μm、特に5〜8μmが望ましい。膜厚が薄いと所望の硬度及び耐擦傷性が得にくく、反対に10μmを超えても硬度及び耐擦傷性の効果は飽和し、経済的でないものとなる。
具体的化合物としては例えば、テトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、テトラメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシテトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、デカメチルテトラシロキサン等を使用できる。
その一例を実施例及び比較例として以下に示す。実施例中の部は重量部を意味する。
(1)外観評価:目視にて試験片のコート層外観(クラック)の有無を確認した。
(2)密着性:コート層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作り、ニチバン製粘着テープ(商品名“セロテープ(登録商標)”)を圧着し、垂直に強く引き剥がし、基材上に残った碁盤目の数で評価した。(JISK5400に準拠)
結果の表記は、例えば100(3)は3回試験を実施し碁盤目が100個残った事を表す。95(1)は、1回目の試験で碁盤目が95個残った事を表す。
(3)耐摩耗性:両面コート層の一面をCalibrase社製CS−10Fの摩耗輪を用い、試験前にCalibrase社製S−11研磨紙で25回転摩耗輪表面を研磨して、荷重500gで1000回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘーズとテーバー摩耗試験前のヘーズとの差△Hを測定して評価した(ASTMD1044に準拠)。(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
(4)耐擦傷性:試験片の両面コート層の1面を#0000のスチールウールで擦った後、表面の傷つきの状態を目視により5段階で評価した。
1:500g荷重で10回擦っても全く傷つかない
2:500g荷重で10回擦ると僅かに傷つく
3:500g荷重で10回擦ると少し傷つく
4:500g荷重で10回擦ると傷つく
5:100g荷重で10回擦ると傷つく
(5)耐沸水性:試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後のコート層の外観変化、密着性を評価した。
(6)耐熱性:試験片を恒温槽にて110℃に保持し、1000時間後のコート層の外観変化、密着性を評価した。
透明なプラスチック基板としてポリカーボネート樹脂板を使用した。
まず、アクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜に使用した材料液の調製方法を下記に示す。
[材料液の調製方法]
還流冷却器及び撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート97部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.18部及び1,2−ジメトキシエタン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応液をn − ヘキサンに添加して再沈精製し、EMA/HEMAの組成比85/15(モル比)のコポリマー(アクリル樹脂(A))80部を得た。該コポリマーの水酸基価は72.1mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換算で80000であった。
酸性水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製「スノーテックスO40 」固形分濃度40重量%)25部、水8部に酢酸3部を加えて攪拌し、この分散液を氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン50部に加えた。この混合液を25℃で1時間半攪拌後、70℃で2時間攪拌した反応液を氷水冷却し、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液0.4部を氷水冷却下で混合し、イソブタノール20部、メチルエチルケトン20部、酢酸エチル10部で希釈して第2層用コーティング用組成物(i)を得た。
実施例1と同様に、ポリカーボネート基材上にアクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を形成させた。
得られたポリカーボネート基材上にアクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を有するプラスチック形成体上に、プラズマCVD層を積層した。図5に示す容量結合型で内部電極方式のプラズマ重合装置の構成を使用し、図3に示すように有機珪素化合物流量、酸素ガス流量、高周波電力の成膜条件を変化させて成膜を行なった。有機珪素化合物としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを使用し、その流量を2→30sccm、酸素流量を25→1000sccmにそれぞれ変化させながら、高周波電力を3000→1100Wに変化させて成膜を行なった。このときのチャンバ内圧力は0.5→10Paであった。得られたプラズマCVD膜の厚みは7μmであった。傾斜ゾーン厚みは1μm、フラットゾーンのO/Si比は1.4であった。得られたコート層を有するポリカーボネート積層体を評価した結果を表2に示した。
透明なプラスチック基板としてポリカーボネート樹脂板を使用した。
実施例1と同様に、ポリカーボネート基材上にアクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を形成させた。
透明なプラスチック基板としてポリカーボネート樹脂板を使用した。
実施例1と同様に、ポリカーボネート基材上にアクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を形成させた。
実施例1と同様に、ポリカーボネート基材上にアクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を形成させた。
得られたポリカーボネート基材上にアクリル樹脂熱硬化膜およびオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を有するプラスチック形成体上に、プラズマCVD層を積層した。図5に示す容量結合型で内部電極方式のプラズマ重合装置の構成を使用し、図3に示すように有機珪素化合物流量、酸素ガス流量、高周波電力の成膜条件を変化させて成膜を行なった。有機珪素化合物としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを使用し、その流量を2→30sccm、酸素流量を25→1000sccmにそれぞれ変化させながら、高周波電力を3000→1100Wに変化させて成膜を行なった。このときのチャンバ内圧力は0.5→10Paであった。条件は、実施例2とほぼ同一であるが、有機珪素化合物流量、酸素流量、および高周波電力を変化させるポイントを実施例2より時間的に後にずらし、傾斜ゾーン2.5μmとなるよう、調整した。得られたプラズマCVD膜の厚みは7μmであった。この時のフラットゾーンのO/Si比は1.5であった。得られたコート層を有するポリカーボネート積層体を評価した結果を表2に示した。
透明なプラスチック基板としてポリカーボネート樹脂板を使用し、この上に、実施例1で記載した方法により、アクリル樹脂熱硬化膜とオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜を積層した。そして、本例においては、プラズマCVD膜は形成せず、アクリル樹脂熱硬化膜とオルガノシロキサン系樹脂熱硬化膜の2層構造とした。ここで得られたポリカーボネート積層体を評価した結果を表2に示した。
Claims (5)
- プラスチック基板の少なくとも片面上にアクリル樹脂熱硬化膜、オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜および有機珪素化合物のプラズマCVD膜を順次積層して成り、
前記CVD膜が、酸素原子と珪素原子との存在比(O/Si比)が前記オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜との界面から傾斜的に増加する傾斜ゾーンとそれに続くほぼ一定のフラットゾーンとから成り、
前記CVD膜の傾斜ゾーンの厚みが0.1〜1μmであることを特徴とするプラスチック積層体。 - 前記CVD膜のフラットゾーンのO/Si比が1.4以上2未満であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック積層体。
- 前記CVD膜がオルガノシロキサン、オルガノシランおよびシラザンから成る化合物群より選ばれる少なくとも1種類の有機珪素化合物の蒸気と酸素ガスを共存下にプラズマ重合させて得られる膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック積層体。
- 前記プラスチック基板が透明または半透明樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチック積層体。
- プラスチック基板の少なくとも片面上に、アクリル樹脂を湿式塗工し熱硬化する工程、オルガノシロキサン系樹脂を湿式塗工し熱硬化する工程、およびオルガノシロキサン、オルガノシランおよびシラザンから成る化合物群より選ばれる少なくとも1種類の有機珪素化合物の蒸気と酸素ガスを共存下にプラズマ重合させて成膜する工程を含み、
酸素原子と珪素原子との存在比(O/Si比)が前記オルガノシロキサン系樹脂の熱硬化膜との界面から傾斜的に増加する傾斜ゾーンとそれに続くほぼ一定のフラットゾーンとから成る前記プラズマ重合膜を生成させ、
前記CVD膜の傾斜ゾーンの厚みを0.1〜1μmとすることを特徴とするプラスチック積層体の製造方法。
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