JP5312649B2 - ディーゼルエンジン用燃料油組成物 - Google Patents
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(1)脂肪酸アルキルエステル混合量が0.1〜5質量%であり、10容量%留出温度が180〜235℃、90容量%留出温度が315〜350℃の蒸留性状を有し、硫黄分が10質量ppm以下であり、飽和分が76.1〜79.1容量%、芳香族分が15.7〜17.9容量%で、該芳香族分の内2環芳香族類の含有量が3.0容量%以下、3環以上の多環芳香族類の含有量が0.5容量%以下であり、アニリン点が45〜78℃であり、かつ、カウリブタノール価が25.1〜27.0であることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料油組成物。
(2)前記脂肪酸アルキルエステルが、動植物油又は廃食油を含む油脂を原料として製造されたことを特徴とする上記(1)に記載のディーゼルエンジン用燃料油組成物。
(3)原油を常圧蒸留することにより得られた軽油留分を水素化脱硫する事により得られる上記(2)に記載のディーゼルエンジン用燃料油組成物。
《数1》
カウリブタノール価=[〔65(C−B)〕/〔A−B〕] + 40
A:滴定に要したトルエンの量(mL)
B:滴定に要したn−ヘプタン・トルエン混合液の量(mL)
C:滴定に供した試料の量(mL)
動植物油および廃食油などの油脂を原料とした脂肪酸アルキルエステルは、硫黄分を含まないため、軽油に混合することにより、軽油中の硫黄分をより低レベルに抑えることが可能となり、エンジンから排出される粒子状物質(PM)の成分であるサルフェートの排出量を少なくし、排ガス後処理装置の性能に対する影響も小さくなり好ましい。
2265−3の引火点の求め方−第3部:ペンスキーマルテンス密閉法により測定することができる。
装置:Agilent 1100 Series(ALS:G1329A,Bin Pump:G1312A,Degasser:G1379A,Rid:G1362A,Colcom:G1316A)
移動相:n−ヘキサン
流量:1.0ml/min
カラム:硝酸銀含浸シリカカラム(4.6mml.D.*70mmL.センシュー科学製AgNO3−1071−Y)
アミン修飾カラム(4.0mml.D.*250mmL.2本 センシュー科学製 LICHROSORB−NH2)
カラム温度:35℃
試料濃度:10vol%
注入量:5μl
まず試料をHPLCにより飽和分と芳香族分とに分画後、飽和分についてGC−MSによりタイプ分析を行った。ここで得られた分析結果を基に、ASTM D 2786に従って解析を行い、飽和分中のパラフィン類と、ナフテン類の含有割合を求めた。また、ここで得られた飽和分中の環数別ナフテン類の割合を、上記のように求めた飽和分割合に乗ずることで、ナフテン類の含有量を求めた。
分析条件を下記に示す。
装置:HP−6890 HP5973 四重極質量分析計
カラム:DB−1:30m×0.25mmI.D.×0.25μm
オーブン温度:40℃(1min)→10℃/min→280℃(5min)
注入口温度:43℃ Oven track mode ON
インターフェース温度:300℃
キャリアガス:He:55KPa Constant flow mode ON
Solvent Delay:4.5min
質量範囲:50〜500 Threshold=100 Sampling♯3
イオン化電圧:70eV
注入方法:オンカラム注入 1.0μl
・ディーゼルエンジン用燃料油組成物について
装置:5890 series2(Agilent Technologies)
カラム:Ultra 1(Agilent)Crosslinked Methyl
Silicone Gum、50m×0.20mmI.D.
膜厚0.33μm
検出器:FID
オーブン温度:60℃(0min)−(6℃/min)→340℃(10min)Run 56.7min
注入口:On−column
注入口温度:オーブントラックモード(オーブン温度+3℃)
検出器温度:350℃
キャリアガス:He 280kPa(低圧)1.3mL/min 線速度29.7cm/sec(at 60℃)
メイクアップガス:He
FID燃焼ガス:H2 30 mL/min,Air 400mL/min
注入量:0.2μl
定量法:内標準法(内標準物質:フタル酸ジブチルエステル)
実施例1
原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲140〜370℃で90%留出温度が340℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫することにより得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に脂肪酸メチルエステルを4.5質量%混合しディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し500容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100質量ppm添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表2に示した。
原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲140〜370℃で90%留出温度が340℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫することにより得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に脂肪酸メチルエステルを5.0質量%混合しディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し500容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100質量ppm添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表2に示した。
芳香族分が多めである芳香族系原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲170〜380℃で90%留出温度が350℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫することにより得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に脂肪酸メチルエステルを5.0質量%混合しディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し500容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100質量ppm添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表2に示した。
飽和分が多めである飽和系原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲190〜370℃で90%留出温度が345℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫することにより得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に脂肪酸メチルエステルを4.8質量%混合しディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し500容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100質量ppm添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表2に示した。
原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲140〜370℃で90%留出温度が340℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫することにより得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に脂肪酸メチルエステルを50.0質量%混合しディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し500容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100質量ppm添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表2に示した。
沸点範囲が200〜350℃の間にある各種イソパラフィン溶剤、ナフテン溶剤を適宜用いて沸点範囲が200〜350℃になるように混合し、更に脂肪酸メチルエステルを15.0質量%混合することにより、ディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し500容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100質量ppm添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表2に示した。
実施例、比較例で得られた燃料油組成物を用いて、貯蔵時の結晶析出試験を行った。この試験は下記の手順により実施した。
試験燃料100mLをスクリュー瓶に採取し、50℃にて1時間加熱する。1時間経過後、サンプルを室温にて30分放冷する。放冷した後、15℃に保たれた恒温槽に静置し、12時間毎に結晶の析出を目視にて確認する。そして、15℃における貯蔵において、1ヶ月経過後の液中に結晶の析出が確認されなければ「○」と、結晶の析出が確認されれば「×」と判定した。上記結晶析出試験の判定結果を表2に示した。
なお、本試験は脂肪酸アルキルエステルに由来する結晶析出を1ヶ月貯蔵したもので確認するものであり、曇り点の測定は実施例、比較例で得られた燃料油組成物を調合後、JIS K 2269に準拠し測定したものである。
一方、実施例1〜3で得られた燃料油組成物は、1ヶ月にわたる15℃での貯蔵において結晶の析出は確認されず、確かに結晶の析出が抑制されていることが確認された。
Claims (3)
- 脂肪酸アルキルエステル混合量が0.1〜5質量%であり、10容量%留出温度が180〜235℃、90容量%留出温度が315〜350℃の蒸留性状を有し、硫黄分が10質量ppm以下であり、飽和分が76.1〜79.1容量%、芳香族分が15.7〜17.9容量%で、該芳香族分の内2環芳香族類の含有量が3.0容量%以下、3環以上の多環芳香族類の含有量が0.5容量%以下であり、アニリン点が45〜78℃であり、かつ、カウリブタノール価が25.1〜27.0であることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料油組成物。
- 前記脂肪酸アルキルエステルが、動植物油又は廃食油を含む油脂を原料として製造されることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン用燃料油組成物。
- 原油を常圧蒸留することにより得られた軽油留分を水素化脱硫する事により得られる請求項2に記載のディーゼルエンジン用燃料油組成物。
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