本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る映像記録再生システムの構成を模式的に示す図である。本図に示すように、映像記録再生システム1は、ディスプレイ装置70に接続されたメディア記録再生装置10と、第1デジタルビデオカメラ20と、第2デジタルビデオカメラ50とを備えて構成される。メディア記録再生装置10と第1デジタルビデオカメラ20あるいは第2デジタルビデオカメラ50とは、所定の通信規格、例えば、USBで通信を行うことができる。この場合、USBケーブル40を介して両者を接続することで、映像データ、制御用データ等の伝送が可能となる。なお、映像データには、音声情報、その他の情報も含まれるものとする。
第1デジタルビデオカメラ20は、可搬型あるいは固定式の記録メディアを備えており、記録メディアに対応した所定の記録フォーマットで映像データを記録する。映像データには、映像データを再生するために必要な情報が記録された再生制御情報(ナビゲーション情報)が付随しており、その記録フォーマット固有の固有再生制御情報となっている。以下では、これらをまとめて映像情報と称する。本実施形態では、例えば、記録メディアはDVDであり、記録フォーマットはDVD−VR規格であるとする。もちろん、これは一例であり、DVD、DVD−VR規格に限定されるものではない。
第2デジタルビデオカメラ50も、可搬型あるいは固定式の記録メディアを備えており、記録メディアに対応した所定の記録フォーマットで映像データを記録する。本実施形態では、例えば、第2デジタルビデオカメラ50の記録メディアはHDDであり、記録フォーマットはSD−VIDEO規格であるとする。もちろん、これは一例であり、HDD、SD−VIDEO規格に限定されるものではない。
メディア記録再生装置10は、可搬型あるいは固定式の記録メディアを備えており、記録メディアに映像情報を記録するとともに、記録した映像情報を再生することができる。本実施形態では、メディア記録再生装置10の記録メディアは、例えば、ハードディスクとするが、これに限定されるものではなく、半導体メモリや、BD等であってもよい。また、メディア記録再生装置10は、第1デジタルビデオカメラ20あるいは第2デジタルビデオカメラ50の記録メディアに記録されている映像情報をコピーやムーブする機能を備えている。なお、以下の説明では、コピーで説明する。この際に、DVDに記録されている映像情報をそのままコピーした後、映像情報に含まれている映像データを、記録フォーマットに依存せず汎用的に再生するための再生制御情報である後述の共通再生制御情報を付加する。
図2は、USBケーブル40を介して接続されたメディア記録再生装置10と第1デジタルビデオカメラ20、および、第2デジタルビデオカメラ50の機能構成を示すブロック図である。本図に示すようにメディア記録再生装置10は、通信部110、制御部120、操作受付部130、ディスク管理部140、HDD145、再生処理部150、画像処理部160、画像出力部170、記録フォーマット判別部180、共通再生制御情報処理部190を備えている。なお、DVD、SDカード等の可搬型の記録メディアのドライブ機能を備えるようにしてもよい。
通信部110は、USBケーブル40を介して、第1デジタルビデオカメラ20等と通信を行い、制御用データを送信したり、映像情報を受信したりする。制御部120は、メディア記録再生装置10における各種処理を統括的に制御する機能部であり、例えば、ユーザに情報を提示して操作を受け付けるための各種メニュー画面やプレイリスト表示画面等の作成処理を行う。
操作受付部130は、メディア記録再生装置10に設けられた操作ボタン等を介してユーザからの操作を受け付ける。操作受付部130がユーザから受け付ける操作は、例えば、接続された第1デジタルビデオカメラ20からの映像データのコピー指示、HDD145に格納された映像データやプレイリストの再生指示、メニュー選択操作等である。
ディスク管理部140は、HDD145に対するデータの読み書きを制御する。再生処理部150は、HDD145に記録された映像データの再生処理を行う。具体的には、映像データに付帯する再生制御情報を参照して、映像データのデコード、シーク等の処理を行う。画像処理部160は、映像データから得られた画像に基づいて、所定の解像度の静止画像を生成する処理を行う。
画像出力部170は、ディスプレイ装置70と接続され、再生処理部150により再生される映像や、制御部120により生成されるメニュー画面、プレイリスト表示画面等をディスプレイ装置70に出力するための処理を行う。
記録フォーマット判別部180は、第1デジタルビデオカメラ20等の記録メディアに記録されている映像情報の記録フォーマットを判別する処理を行う。映像情報の記録フォーマットは、例えば、映像情報が格納されているディレクトリ構造を調べたり、所定のファイルの有無、名称、内容等を調べたりすることで判別することができる。記録フォーマット判別部180にはあらかじめ複数の記録フォーマット、例えば、DVD−VR規格、BD−RE規格、SD−VIDEO規格、AVCHD規格等に関する情報を登録しておき、複数の記録フォーマットに対応できるようにしておく。これらの記録フォーマットは、いずれもMPEG−2、MPEG−4/AVCで圧縮された映像データを扱うことができる。
共通再生制御情報処理部190は、映像情報に含まれる記録フォーマット固有の固有再生制御情報に基づいて、汎用フォーマットの共通再生制御情報を生成する。ここで、共通再生制御情報は、記録フォーマット毎に異なる固有再生制御情報を、記録フォーマットに依存しないよう例えばXMLフォーマット等の汎用フォーマットに変換した再生制御情報である。汎用フォーマットの共通再生制御情報を用いて映像データの再生を行うことで、映像データの記録フォーマットにかかわらず、共通の圧縮方式を用いた映像データを汎用的に再生できるようになる。このため、共通再生制御情報処理部190は、記録フォーマット判別部180が判別可能な記録フォーマットそれぞれの固有再生制御情報の内容を解釈できるようにしておく。共通再生制御情報を生成する処理の詳細については後述する。また、共通再生制御情報処理部190は、共通再生制御情報を生成する際に、再生制御情報にサムネイル等の代表画像情報が含まれている場合には、代表画像を共通再生制御情報に関連付ける処理を行うようにしてもよい。
図2に示すように、第1デジタルビデオカメラ20は、撮影部210、記録再生部220、通信部230を備え、内部に装填されたDVDディスク30に映像情報を記録する。本実施形態ではDVD−VR規格で映像情報を記録するものとする。
撮影部210は、レンズ、撮像素子等の撮影機構を備え、光学情報を電子情報化した映像データを出力する。記録再生部220は、撮影部210から入力した映像データをDVD−VR規格の記録フォーマットにしたがって、DVDディスク30に記録する処理を行う。通信部230は、USBケーブル40を介して、メディア記録再生装置10と通信を行い、DVDディスク30に記録された映像情報を送信したり、制御用データを受信したりする。
また、第2デジタルビデオカメラ50は、撮影部510、記録再生部520、通信部530を備え、内部に装填されたHDD60に映像情報を記録する。本実施形態ではSD−VIDEO規格で映像情報を記録するものとする。
撮影部510は、レンズ、撮像素子等の撮影機構を備え、光学情報を電子情報化した映像データを出力する。記録再生部520は、撮影部510から入力した映像データをSD−VIDEOの記録フォーマットにしたがって、HDD60に記録する処理を行う。また、メディア記録再生装置10の制御に基づいて、HDD60に記録された映像情報の再生を行う。通信部230は、USBケーブル40を介して、メディア記録再生装置10と通信を行い、HDD60に記録された映像情報を送信したり、制御用データを受信したりする。
[第1実施例]
次に、上記構成による映像記録再生システムの第1実施例について説明する。第1実施例では、メディア記録再生装置10が、第1デジタルビデオカメラ20に装填されたDVDディスク30に記録された映像情報を、HDD145にコピーする処理と、コピーした映像情報を再生する処理とについて説明する。
まず、メディア記録再生装置10が、第1デジタルビデオカメラ20に装填されたDVDディスク30に記録された映像情報を、HDD145にコピーする処理について図3のフローチャートを参照して説明する。一般に、映像情報は、映像データと、映像データを再生する際の制御情報である記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含んでいる。映像データはMPEG−2等の所定の符号化方式で圧縮されており、1または複数のファイルとして所定のディレクトリに格納されている。また、再生制御情報も記録する制御情報等に応じて1または複数のファイルとして所定のディレクトリに格納されている。
メディア記録再生装置10に第1デジタルビデオカメラ20がUSBケーブル40によって接続されると、USBのプロトコルにしたがって通信を開始する。メディア記録再生装置10の記録フォーマット判別部180は、第1デジタルビデオカメラ20に装填されているDVDディスク30のディレクトリ/ファイル構造を取得することでDVDディスク30に記録されている映像情報の記録フォーマットを判別する(S101)。ここで、記録フォーマットの判別は、DVDディスク30のディレクトリ/ファイル構造を調べたり、所定のファイルの有無、名称、内容等を調べたりすることで行う。
本実施形態では、DVDディスク30の映像情報はDVD−VR規格の記録フォーマットで記録されているものとしているので、DVD−VR規格の記録フォーマットの概要について説明する。図4は、DVD−VR規格に基づくDVDディスクのディレクトリ/ファイル構造を示す図である。本図に示すように、DVD−VR規格は、ルートディレクトリに「DVD_RTAV」ディレクトリが作成され、「DVD_RTAV」ディレクトリ内には、少なくとも2つのファイルが配置されることになっている。そのうちの1つの「VR_MOVIE.VRO」は、第1デジタルビデオカメラ20によって撮影された音声/映像をMPEG方式にしたがって符号化した映像データを格納しているファイルである。もう1つの「VR_MANGER.IFO」は、「VR_MOVIE.VRO」の内容を再生するための再生制御情報を含むファイルであり、ナビゲーション情報ファイルとも呼ばれる。
したがって、記録フォーマット判別部180は、DVDディスク30のルートディレクトリに「DVD_RTAV」ディレクトリが作成され、「VR_MOVIE.VRO」ファイルと「VR_MANGER.IFO」ファイルとが配置されていることを検出することで、DVDディスク30に記録された映像情報の記録フォーマットがDVD−VR規格であると判別することができる。記録フォーマット判別部180は、同様に、AVCHD規格、SD−VIDEO規格等に固有のディレクトリ/ファイル構造を検出することで、それぞれの記録フォーマットを判別することができる。
DVD−VR規格における固有再生制御情報である「VR_MANGER.IFO」は、DVD−VR規格で定められた記録フォーマットにしたがって記述されている。「VR_MANGER.IFO」に記述される内容は多岐にわたるが、代表的には「メディア全体情報」「ストリーム情報」「プレイリスト情報」「タイムマップ情報」「代表画像情報」が含まれる。
「メディア全体情報」は、記録メディア内に記録されている映像データと関連する各種情報全体とを管理する情報である。
「ストリーム情報」は、映像の符号化方式、解像度、フレームレート、音声の符号化方式、チャンネル数、標本化周波数等の映像データの復号に際して用いられる情報である。
「プレイリスト情報」は、映像データを分割したシーン(チャプタ)を任意の順番で再生するための情報である。シーンはスタート時間とエンド時間とを保持するセル情報として表現され、プレイリスト情報は1つ以上のセル情報を連ねて構成されている。なお、様々なシーンの組み合わせ再生を可能とするために、複数のプレイリスト情報が記録可能となっている。
「タイムマップ情報」は、映像の経過時間と、これに対応する映像データの記録位置を表形式で記録した情報である。一般に、MPEG準拠の映像符号化においては、映像データの複雑さにしたがって動的に符号量を割り当てる方式が採用されている。この場合、映像データの経過時間と符号量は線形な関係にない。したがってセル情報のスタート時間を与えられても対応する映像データの記録位置を決定し、再生のためのアクセスを高速に実施することは困難である。この問題を解消するために、タイムマップ情報が記録される。タイムマップ情報を参照することで、セル情報のスタート時間、あるいはエンド時間から、正確な映像データの位置へ高速にアクセスすることが可能となる。
「代表画像情報」は、映像データあるいはシーン等をユーザが識別しやすいように、映像データあるいはシーン等を代表する画像、いわゆるサムネイル画像を表示するための情報である。代表画像情報は映像データの特定の時間情報を記録しており、メディア記録再生装置10の画像処理部160は代表画像情報を参照することで、映像データから静止画を生成する。この静止画は代表画像として、映像情報選択、プレイリスト選択、シーン選択等のメニュー画面で利用することができる。
図3に示したフローチャートの説明に戻って、記録フォーマット判別部180がDVDディスク30に記録されている映像情報の記録フォーマットを判別した結果、判別できなかった場合や、対応可能な記録フォーマットでなかった場合(S102:No)は、以下の処理は行わない。一方、対応可能な記録フォーマットであった場合(S102:Yes)は、以下の映像情報のコピー処理を行う。なお、映像情報のコピー処理は、例えば、ユーザからの開始指示を受け付けてから開始するようにする。
映像情報のコピー処理では、制御部120が、ディスク管理部140に対して、HDD145にDVDディスク30と同一のディレクトリ構成を構築するように指示し、ディスク管理部140がHDD145にDVDディスク30と同一のディレクトリを作成する(S103)。
続いて、制御部120が、ディスク管理部140に対して、DVDディスク30に格納されているファイルをHDD145にコピーするように指示し、ディスク管理部140が実行する(S104)。この結果、HDD145には、DVDディスク30の内容がコピーされ、DVDディスク30と同一のディレクトリ/ファイル構造となる。
そして、制御部120は、共通再生制御情報処理部190に対して、HDD145にコピーした映像情報に共通再生制御情報を付加するように指示し、共通再生制御情報処理部190が共通再生制御情報付加処理を行う(S105)。
図5は、共通再生制御情報処理部190が行う共通再生制御情報付加処理について説明するフローチャートである。共通再生制御情報処理部190は、記録フォーマット判別部180が判別した記録フォーマットに応じて、HDD145から固有再生制御情報を取得する(S201)。第1実施例のように、判別された記録フォーマットがDVD−VR規格であれば、「DVD_RTAV」ディレクトリの「VR_MANGER.IFO」ファイルを参照すればよい。
そして、共通再生制御情報処理部190は、取得した固有再生制御情報を解析する(S202)。一般に、再生制御情報の内容は、記録フォーマット毎に独自に定められたシンタックスに則って記述されたバイナリデータである。共通再生制御情報処理部190は、あらかじめ、これらのシンタックスを解釈できるようにしておく。
図6は、共通再生制御情報処理部190の解析結果概要の一例を示す図である。本図に示すように、解析結果には、ストリーム情報601、タイムマップ情報602、プレイリスト情報603が含まれている。なお、タイムマップ情報602は、ストリーム情報601に含まれている。
プレイリスト情報603は、撮影されたすべての映像の再生を管理する実プレイリストと、ユーザが好みのシーンだけを選んで再生させるべく追加で作成したユーザプレイリストに区分される。各プレイリストは1以上のセル情報を含み、それぞれがシーンに対応している。各セル情報はエントリーポイント(EP)の情報を含み、時間と名前を結びつけ、名前からエントリーポイントを選択し、頭出し再生が可能となっている。代表画像のポイント、ストリーム期間、セル期間、エントリーポイントはすべてMPEG規格等で定められたPTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)等により、例えば、90kHzのクロック値で記述されている。
また、解析結果先頭部分のディスク情報とプレイリスト情報603には、代表画像情報604a、604b、604cが含まれる。これは、元の固有再生制御情報に代表画像情報が含まれているためである。
このように元の固有再生制御情報に代表画像情報が含まれている場合には(S203:Yes)、共通再生制御情報処理部190は、代表画像に対応した処理を行う(S204)。ここで、代表画像に対応した処理について説明する。上述のように代表画像は、映像情報、各プレイリスト、シーン(チャプタ)等に含まれる映像の特定の点を、ユーザが識別しやすくするためにサムネイル形式で表示する、比較的低解像度の静止画である。
映像情報の記録フォーマットによっては、代表画像情報として時間情報のみを保持し、画像情報を持たないものがある。このような記録フォーマットでは、メニュー画面における代表画像の表示に際して、時間情報に基づいて映像データを検索し、対応する静止画を生成するようにしてもよい。静止画の生成には、映像データのデコード、必要に応じた解像度変更等が必要となるため、再生用のメニュー画面に多数の代表画像を表示する場合、表示完了までに時間がかかる。
そこで、本実施形態のメディア記録再生装置10では、固有再生制御情報に代表画像情報が含まれている場合には、その固有再生制御情報に基づいて共通再生制御情報を生成する過程で、規定の解像度の代表画像を作成し、HDD145に格納するとともに、共通再生制御情報にリンク情報を含めるようにする。これにより、再生用のメニュー表示のたびに代表画像を生成する必要が無くなり、表示完了までの時間を早めることができる。
具体的には、再生制御情報に代表画像情報が含まれている場合には、そのエントリーポイントと時間情報を用いて、対応する映像データをHDD145から検索する。そして、再生処理部が150検索された映像データをデコードして数フレーム分の画像データを生成する。次いで、画像処理部160が、時間情報に対応する画像データを選択し、規定の解像度に変換するとともに、JPEG等の所定の静止画圧縮方式にしたがって処理を行うことで代表画像が生成される。
1つのプレイリストに複数の代表画像情報が含まれている場合には、上記の処理を繰り返す。本実施形態においては、画像処理部160は、生成された代表画像に番号付けを行い、代表画像が連続した1つの代表画像ファイルにまとめて管理するものとする。代表画像ファイルは、後述するように、所定のファイル名を付してHDD145の所定のディレクトリに記録する。
共通再生制御情報処理部190は、固有再生制御情報の解析を終了すると、解析結果に基づいて共通再生制御情報を生成する(S205)。本実施形態では、共通再生制御情報は、汎用性を持たせるため汎用フォーマットである例えばXMLフォーマットのテキストファイルで作成する。もちろん、汎用フォーマットであれば、XMLフォーマットに限定されるものではない。この際に、あらかじめ定めたXMLフォーマットのシンタックス等にしたがって、解析結果の情報要素を、意味合いを失わせることなく変換できるようにする。このため、対応する記録フォーマットで示される情報の最大公約数的な情報を表現できるようなシンタックスを定めるようにすることができる。あるいは、対応する記録フォーマットで示される情報を網羅するようなシンタックスを定めるようにしてもよい。
共通再生制御情報で用いるシンタックスでは、例えば、各記録フォーマットで個別に定義されている呼称を統一した呼称に対応付けたり、各記録フォーマットで定義されているパラメータのうち、同一の意味を有するものを共通化したり、ある記録フォーマット固有のパラメータに対応するパラメータを定義したりすることができる。また、映像データへの参照を容易にするため、解析結果中の時間を表す情報はビデオフレーム数に統一して表現することが望ましい。
本実施形態では、汎用フォーマットのXMLフォーマットのテキストファイルで共通再生制御情報を作成するようにしているため、意味付けされたタグの中に値を記すことができ、直感的に理解しやすいという利点がある。また、タグを定義することにより各記録フォーマットの種々の項目に容易に対応できるという利点もある。
ここで、一例として、本実施形態の共通再生制御情報で用いるプレイリストに関するシンタックスについて説明する。本実施形態では、プレイリストを実プレイリストとユーザプレイリストの2種類に分類する。実プレイリストはコンテンツ記録時に映像データファイルと同時作成されるプレイリストで、コンテンツに密接したプレイリストである。ユーザプレイリストはユーザの編集操作によって作成されるプレイリストである。
本実施形態で一例として挙げているDVD−VR規格に限らず、呼称は異なるものの、BD等の他の規格でも2種類のプレイリストと同義の構造が定義されている。このため、各規格で対応するプレイリスト定義を以下に説明するプレイリストとユーザプレイリストの定義に対応させるものとする。
次に、各規格のプレイリスト内で定義されているシンタックス表現をXMLフォーマットにて表現される共通再生制御情報の要素として定義する。例えば、プレイリストの名前等は規格毎に表記が異なっても、同じ意味を表すシンタックス表現が備えられている。そこで、プレイリストの名前に相当するシンタックス表現をplayListName要素として統合して記述するものとする。
こうしてXMLフォーマットで表現された要素に対する記述規則は、XML記述では一般的なDTD(Document Type Definition)やXML Schemaで定義するものとする。例えば、上記のplayListName要素に対して文字列とし、最大255文字までとする等の条件を定義してもよい。
図7は、生成された実プレイリスト情報に関連する共通再生制御情報の一例を示す図である。本例では、プレイリストのセル情報は、playItem要素701として記述され、代表画像情報702a、702bおよびエントリーポイント情報702c、702dは、playListmark要素702へ統合され記述されている。
本実施形態では映像情報全体に関連する共通再生制御情報は、記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットの例えばXMLフォーマットで記述された「general.xfun」ファイルとして記録し、実プレイリストに関連する共通再生制御情報も記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットの例えばXMLフォーマットで記述された「r00001.xfun」ファイルとして記録し、ユーザプレイリストに関連する共通再生制御情報はXMLフォーマットで記述された「v00002.xfun」ファイルとして記録するものとする。「general.xfun」ファイルに記録される情報は、「メディア全体情報」に対応する。
また、実プレイリストに関連する代表画像ファイルは「r00001.thbf」として記録し、ユーザプレイリストに関連する代表画像ファイルは「r00002.thbf」として記録するものとする。これらの代表画像ファイルの個別の代表画像への参照情報は、代表画像情報702a、702bとして、thumbnailIndex要素における番号で示される。
図7に示すように、playListMark要素702は、複数のmark要素を含み、mark要素はtype要素、refToPlayItem要素、markTime要素、thumbnailIndex要素を含んでいる。
type要素は、そのmark要素がプレイリストの代表画像を表わすものであるか、DVD−VR規格のエントリーポイント(EP)等で表わされるような、チャプタ情報かであるか等の種別情報である。このような種別情報を持たせることによって、playListMark要素702内で代表画像情報を統一的に管理できるようになる。
refToPlayItem要素、markTime要素は代表画像作成の基となった、プレイリスト内でのポイントを示す。thumbnailIndex要素は上述のように、代表画像ファイル中の個別の代表画像への参照情報である。代表画像は、共通再生制御情報を生成する際に生成されているため、表示の際に映像データを検索する必要がなく、表示されるまでの時間を短縮することができる。
以上に示した手順にしたがって共通再生制御情報処理部190が固有再生制御情報に基づいて共通再生制御情報を生成すると、制御部120は、共通再生制御情報をHDD145に格納して、映像情報のコピー処理を終了する(S206)。共通再生制御情報は、処理(S103)で作成したディレクトリに、新たに共通再生制御情報用の「UNAV」ディレクトリを作成し、格納するものとする。
第1実施例のように元の映像情報の記録フォーマットが、DVD−VR規格の場合には、「DVD_RTAV」ディレクトリの下に「UNAV」ディレクトリを作成し、生成した共通再生制御情報、すなわち、「general.xfun」ファイル、「r00001.xfun」ファイル、「v00002.xfun」ファイル、「r00001.thbf」ファイル、「r00002.thbf」ファイルを格納して、映像情報のコピー処理を終了する。図8は、映像情報のコピー処理が終了した状態におけるHDD145のディレクトリ/ファイル構造を示している。
このように、本実施例によれば、コピー元の映像情報に含まれる固有再生制御情報に基づいて共通再生制御情報を作成し、映像データおよび固有再生制御情報からなる映像情報はそのままコピーすると共に、汎用フォーマットの共通再生制御情報もコピーする。このため、本実施例によれば、共通再生制御情報を付加するだけなので、コピー元の映像情報に変化を加えることなく、そのままの形でコピーすることが可能となる。
次に、メディア記録再生装置10における、HDD145に格納された映像情報の再生について図9のフローチャートを参照して説明する。メディア記録再生装置10は、HDD145を参照して、映像情報のディレクトリに「UNAV」ディレクトリが生成されている場合(S301:Yes)には、以下に説明するような共通再生制御情報を用いた映像情報の再生処理を行う。
ここで、メディア記録再生装置10と第1デジタルビデオカメラ20との記録フォーマットが同じで、映像情報に含まれる固有再生制御情報にしたがって映像データを再生できる場合でも、あるいはメディア記録再生装置10と第1デジタルビデオカメラ20との記録フォーマットが異なる場合でも、「UNAV」ディレクトリが生成されていれば、共通再生制御情報を用いた映像情報の再生処理を行うようにしてよい。このため、共通再生制御情報の生成は、メディア記録再生装置10と第1デジタルビデオカメラ20との記録フォーマットが異なる場合だけ生成しても、記録フォーマットが異なる場合だけでなく、記録フォーマットが同じ場合にも生成するようにしてよい。これに対し、映像情報のディレクトリに「UNAV」ディレクトリが生成されていない場合(S301:No)には、従来の再生処理を行う(S303)。
共通再生制御情報を用いた映像情報の再生処理では、「UNAV」ディレクトリに格納されている共通再生制御情報であるプレイリストファイルを読み込む(S302)。本実施形態では、XMLフォーマットで記述された「r00001.xfun」ファイル、「v00002.xfun」ファイルがプレイリストファイルに該当する。なお、映像情報の再生処理は、例えば、ユーザからのプレイリスト表示指示を受け付けてから開始するようにする。
続いて制御部120は、プレイリストファイルに記録された情報にしたがって、プレイリストを選択するためのメニュー画面を生成し、画像出力部170を介してディスプレイ装置70に表示する(S304)。この際に、プレイリストファイルに代表画像情報が含まれる場合には、代表画像情報に応じた代表画像を含めたメニュー画面を生成する。
具体的には、プレイリストの識別子と、代表画像情報におけるthumnailIndex要素に含まれる番号とを用いて、HDD145の「UNAV」ディレクトリに格納されている「r00001.thbf」等の代表画像ファイルから対応する代表画像を読み出すことで代表画像を取得する。そして、取得した代表画像をメニュー画面に含めるようにする。
また、メニュー画面中のプレイリスト名は、図7に示したplayListName要素703から取得することができる。プレイリスト名および対応する代表画像を表示するレイアウトはあらかじめ定めておくようにする。
そして、メニュー画面を介して、ユーザからプレイリストの選択を受け付けると(S305)、選択されたプレイリストの再生を実行する(S306)。プレイリストの再生は図7に示したplayList要素704に含まれる、playItem要素701に記述されたプレイアイテム情報にしたがって実行される。すなわち、refToFileName要素、inTime要素、outTime要素に含まれる情報を再生処理部150に送り出すと、再生処理部150は、HDD145にコピーされた「VR_MOVIE.VRO」ファイル等の映像データ内の対応する再生区間を読み出す。そして、順次映像データをデコードし、画像出力部170を介してディスプレイ装置70に出力することで、映像情報の再生が行われる。
なお、複数個の映像情報がHDD145にコピーされている場合には、プレイリストを表示する前に、各「UNAV」ディレクトリの「general.xfun」ファイルを参照することで、映像情報を選択するためのメニュー画面を生成して表示するようにしてもよい。このため「general.xfun」ファイルには、映像情報に関する情報、例えば、名称、代表画像等の情報を記録しておくようにする。このように、各映像情報の「general.xfun」ファイルに基づく映像情報選択メニュー画面を表示することで、ユーザにとって映像情報の選択を容易にすることができる。
また、ユーザが、メニュー画面でプレイリストを選択した際に、プレイリストを構成するシーン(チャプタ)の代表画像とシーン名とをメニュー形式で表示するようにしてもよい。この場合、ユーザがメニュー画面から特定のシーンを選択すると、映像データの再生は対応するmark要素で記述されているポイントからの再生を開始するように動作する。ユーザはメニュー形式でシーンの頭出し再生が可能となるために、メディア記録再生装置10の利便性が向上する。
このように、本実施例のメディア記録再生装置10によれば、コピー元の記録フォーマットにかかわらず、汎用フォーマットで記述された共通再生制御情報を用いて再生処理を行うことができる。したがって、異なる記録フォーマット間であっても統一した操作感で再生処理を行うことができるようになり、ユーザの利便性が高まることになる。
なお、上記の再生処理は、コピーを行ったメディア記録再生装置10におけるメディア再生に限られない。例えば、コピーを行ったメディア記録再生装置10が「UNAV」ディレクトリを含む映像情報を、DVDディスク等の可搬型の記録メディアにさらにハードコピーし、その記録メディアを、共通再生制御情報を解釈可能な他のメディア再生装置で再生する場合も図9に示した処理と同様の手順によって映像情報を再生することができる。
[第2実施例]
次に、上記構成による映像記録再生システムの第2実施例について説明する。第2実施例では、メディア記録再生装置10が、第1実施例に示した手順で、第1デジタルビデオカメラ20に装填されたDVDディスク30に記録された映像情報をHDD145にコピーした後に、第2デジタルビデオカメラ50に装填されたHDD60に記録された映像情報をHDD145にコピーする処理に説明する。このため、HDD145は、すでに、図8に示したディレクトリ/ファイル構造となっている。すなわち、第2実施例はすでにコピーされた映像情報とは異なる記録フォーマットの映像情報をHDD145にコピーする処理である。
この場合も、基本的には、図3に示したフローチャートにそって映像情報のコピーを行うことができる。すなわち、メディア記録再生装置10に第2デジタルビデオカメラ50がUSBケーブル40によって接続されると、USBのプロトコルにしたがって通信を開始する。メディア記録再生装置10の記録フォーマット判別部180は、第2デジタルビデオカメラ50に装填されているHDD60のディレクトリ/ファイル構造を取得することでHDD60に記録されている映像情報の記録フォーマットを判別する(S101)。
本実施例では、HDD60の映像情報はSD−VIDEO規格の記録フォーマットで記録されているものとしているので、SD−VIDEO規格の記録フォーマットの概要について説明する。図10は、SD−VIDEO規格に基づくディレクトリ/ファイル構造を示す図である。本図に示すように、SD−VIDEO規格は、ルートディレクトリに固定名の「SD_VIDEO」ディレクトリが設定される。「SD_VIDEO」ディレクトリ内には、管理用ファイルが格納される「MGR_INFO」ディレクトリと、撮影記録した音声映像情報となるMODファイルとその記録再生情報となるMOIファイルが格納される「PRGxxx」ディレクトリ(xxxは000を除く3桁の10進数)から構成される。
「MGR_INFO」ディレクトリは「SD_VIDEO」ディレクトリ全体を管理する「MGR_DATA」ファイル、「PRGxxx」ディレクトリを管理する「PRG_MGR」ファイル、ユーザが作成したプレイリストを登録・管理する「PLST_MGR」ファイルから構成される。
各「PRGxxx」ディレクトリの下には、PRGディレクトリを管理する「PRGxxx.PGI」ファイルが1つ存在し、さらに、ユーザが撮影した音声/映像をMPEG方式にしたがって符号化したストリームデータを格納している「MOVnnn.MOD」ファイル(nnnは000を除く3桁の10進数)と、その記録再生情報を含む「MOVnnn.MOI」ファイルとが存在する。MODファイルとMOIファイルは3桁の番号で1対1に対応しており、「PRGxxx」ディレクトリの中で99組まで記録できる。99組を超える場合には、新しいPRGディレクトリを作成し、その下に撮影したMODファイルと関連するMOIファイルを記録する。
音声映像を符号化したストリームデータのMODファイルを除くファイルは、MODファイルの内容をユーザの所望の再生方法で再生するための固有再生制御情報(ナビゲーション情報)を含んでいる。固有再生制御情報は、SD−VIDEO規格によって詳細な記述フォーマットが定められており、DVD−VR規格と同様に、「メディア全体情報」「ストリーム情報」「プレイリスト情報」「タイムマップ情報」「代表画像情報」が含まれる。
「メディア全体情報」は、記録メディア内に記録されている映像データと関連する各種情報全体とを管理する情報である。
「ストリーム情報」は、映像の符号化方式、解像度、フレームレート、音声の符号化方式、チャンネル数、標本化周波数等の映像データの復号に際して用いられる情報である。各MODファイルに対応したMOIファイルおよび「PRGxxx.PGI」、「PRG_MGRファイル」に重複して記録されている。
「プレイリスト情報」は、映像データを分割したシーン(チャプタ)を任意の順番で再生するための情報である。シーンはスタート時間とエンド時間とを保持するMO(Media Object)情報として表現され、プレイリスト情報は1つ以上のMO情報を連ねて構成されている。DVD−VR規格と同様に、様々なシーンの組み合わせた再生を可能とするために、複数のプレイリスト情報が記録可能となっており、「PLST_MGR」ファイルに記録される。
「タイムマップ情報」は、映像の経過時間と、これに対応する映像データの記録位置を表形式で記録した情報である。SD−VIDEO規格において、タイムマップ情報は、映像の経過時間と、これに対応するストリームデータの記録位置を表形式で記録している。タイムマップ情報はストリームデータと1対1に対応するMOIファイルに記録される。
「代表画像情報」は、映像データあるいはシーン等をユーザが識別しやすいように、映像データあるいはシーン等を代表する画像、いわゆるサムネイル画像を表示するための情報である。SD−VIDEO規格において、代表画像情報は映像の特定の時間情報を記録しており、タイムマップ情報と同じ表現形式をとる。再生メニュー上でプログラムやプレイリストを選択するために表示するのに使用されるため、「PRG_MGR」、「PRGxxx.PGI」および「PLST_MGR」ファイルに記録される。
HDD60に記録されている映像情報の記録フォーマットがSD−VIDEO規格であると判別された後は、「SD_VIDEO」ディレクトリを作成し(S103)、ファイルをコピーする(S104)。そして、図5に示した手順にしたがって共通再生制御情報を生成して、「SD_VIDEO」ディレクトリの下に「UNAV」ディレクトリを作成し、生成した共通再生制御情報を格納する(S105)。
共通再生制御情報の生成では、「SD_VIDEO」ディレクトリの下の「MGR_INFO」ディレクトリから「MGR_DATA」ファイルを取得し、「SD_VIDEO」ディレクトリ下の全体情報を取得する。また、「PRG_MGR」および「PLST_MGR」ファイルからプレイリスト情報を取得する。プレイリスト情報については、SD−VIDEO規格の記録フォーマットにおけるプログラムおよびプレイリストが、実プレイリストおよびユーザプレイリストに対応することとし、DVD_RTAV規格の記録フォーマットにおけるプレイリストの意味合いと共通化を図るように定義している。
各プレイリストは1つ以上のMO情報を含み、各MO情報はエントリーポイント(EP)の情報を含み、時間と名前を結びつけ、名前からエントリーポイントを選択し、頭出し再生が可能となっている。代表画像のポイント、ストリーム期間、MO期間、エントリーポイントはミリ秒単位で記述されている。共通再生制御情報処理部190は、解析結果を基に、固有再生制御情報から共通再生制御情報への変換処理を実行する。
第2実施例ではディスク全体に関連する情報はXMLファイルの「general.xfun」に記録し、実プレイリストに関連する情報は「r00001.xfun」に記録し、ユーザプレイリストに関連する情報は「v00002.xfun」に記録する。
個別再生制御情報に代表画像情報が含まれている場合には、そのエントリーポイントと時間情報を用いて、対応するMODファイルをHDD145から検索する。そして、再生処理部150が検索されたMODファイルをデコードして数フレーム分の画像データを生成する。次いで、画像処理部160が、時間情報に対応する画像データを選択し、規定の解像度に変換するとともに、JPEG等の所定の静止画圧縮方式にしたがって処理を行うことで代表画像が生成される。プレイリストに対応する代表画像は同一のプレイリスト名を持つthbfファイルに格納される。
第2実施例のように元の映像情報の記録フォーマットがSD−VIDEO規格の場合には、「SD_VIDEO」ディレクトリの下に「UNAV」ディレクトリを作成し、生成した共通再生制御情報を格納する。図11は、第2実施例の映像情報のコピー処理が終了した状態におけるHDD145のディレクトリ/ファイル構造を示している。
本図に示すようにルートディレクトリには、第1実施例で作成された「DVD_RTAV」ディレクトリに加え、異なる記録フォーマットの「SD_VIDEO」ディレクトリが作成され、それぞれの「UNAV」ディレクトリに、それぞれの共通再生制御情報が格納されている。
「SD_VIDEO」ディレクトリに格納された映像情報は、共通再生制御情報を用いることにより、第1実施例で示した手順にしたがって再生することができる。したがって、コピー元において記録フォーマットの異なる映像情報であっても、同一の操作によって映像を再生することが可能となる。
[第3実施例]
次に、上記構成による映像記録再生システムの第3実施例について説明する。第3実施例では、メディア記録再生装置10が、第1実施例の処理後、第2実施例に示した手順で第2デジタルビデオカメラ50に装填されたHDD60に記録された映像情報をHDD145にコピーした後に、総合再生制御情報を生成する処理について説明する。このため、HDD145は、すでに、図11に示したディレクトリ/ファイル構造となっているものとする。
第3実施例で生成する総合再生制御情報は、HDD145にコピー元の異なる複数の映像情報が格納されている場合に、ユーザが映像情報を選択しやすくするための情報である。
総合再生制御情報は、HDD145の複数の映像情報が記録されたディレクトリと同じディレクトリに「UNAVEX」ディレクトリを作成して、「UNAVEX」ディレクトリの下に記録するものとする。
図12は、総合再生制御情報の生成・更新処理を説明するフローチャートである。本処理は、複数の映像情報をHDD145に格納した後に行うことができる。例えば、第2実施例に示した処理の終了後に引き続き行うようにする。ただし、最初の映像情報をHDD145に格納した時点で行うようにするか、ユーザからの生成指示に基づいて行うようにしてもよい。
総合再生制御情報の生成・更新処理では、まず、HDD145を参照して、「UNAVEX」ディレクトリがすでに作成されているかどうかを判断する(S401)。作成されてない場合(S401:No)は、HDD145の複数の映像情報が記録されたディレクトリと同じディレクトリに「UNAVEX」ディレクトリを作成する(S402)。
そして、HDD145に記録されている映像情報の固有情報を取得する(S403)。映像情報の固有情報は、ディレクトリ名、最終記録の日時情報等とすることができる。最終記録の日時情報等は、映像情報の共通再生制御情報を参照、解析することで取得することができる。
さらに、オプション情報を取得する(S404)。ここで、オプション情報は、ディレクトリ名、最終記録の日時情報等以外の情報であり、例えば、それぞれの映像情報の内容を端的に表すために再生メニューで表示する代表画像や、タイトル名、タイトル詳細情報等とすることができる。これらは、映像情報の共通再生制御情報を参照、解析することで取得することができる。このため、共通再生制御情報生成の際に、これらの情報も変換し、付加しておくようにする。なお、共通再生制御情報の内容そのものを取得せずに、映像情報の共通再生制御情報へのリンク情報を取得するようにしてもよい。さらには、ユーザからタイトル名等の入力を受け付けるようにしてもよい。ただし、オプション情報が含まれていない場合もあり、オプション情報の取得処理は省くようにしてもよい。
そして、取得した固有情報、オプション情報に基づいて総合再生制御情報を作成する(S405)。すでに、総合再生制御情報が作成されている場合には、取得した固有情報、オプション情報に基づいて更新する。総合再生制御情報は、共通再生制御情報と同様に、所定のページ記述言語、例えば、XMLフォーマットで記述するようにする。
図13は、生成された総合再生制御情報の一例を示す図である。総合再生制御情報は、HDD145に記録された映像情報のディレクトリの情報を表すbackup要素1301を含んでいる。backup要素1301は、記録された映像情報に対応して設けられる。本図の例では、それぞれのbackup要素1301の中のspecDirName要素で「DVD_RTAV」と「SD_VIDEO」のディレクトリを表している。
総合再生制御情報において、recordedTime要素1302は、ディレクトリの最終更新日時を表わし、thumbnailIndex要素1303は、代表画像の参照情報を表わし、mediaTitleName要素1304は、各映像情報のタイトル名を表わし、mediaTitleDetail要素1305は、各映像情報の詳細説明を表す。
第3実施例では、映像情報全体に関連する総合再生制御情報は「extent.xfun」ファイルとして記録し、代表画像に関連する総合再生制御情報は「extent.thbf」ファイルとして記録するものとする。「extent.thbf」ファイルには、共通再生制御情報と同様に、代表画像が連続して記録される。
図14は、「UNAVEX」ディレクトリが作成され、総合再生制御情報が格納された状態におけるHDD145のディレクトリ/ファイル構造を示す図である。本図に示すように、総合再生制御情報である「extent.xfun」ファイルと「extent.thbf」ファイルを格納した「UNAVEX」ディレクトリは、「DVD_RTAV」ディレクトリと「SD_VIDEO」ディレクトリと同じ階層に作成される。
[第4実施例]
次に、上記構成による映像記録再生システムの第4実施例について説明する。第4実施例では、メディア記録再生装置10が、第3実施例で作成した総合再生制御情報に基づいて映像情報を再生する処理について説明する。このため、HDD145は、すでに、図14に示したディレクトリ/ファイル構造となっているものとする。
図15は、総合再生制御情報に基づいて映像情報を再生する処理について説明するフローチャートである。ユーザから映像情報の再生指示を受け付けると、メディア記録再生装置10は、HDD145を参照して、ルートディレクトリに「UNAVEX」ディレクトリが生成されているかどうかを判断する(S501)。「UNAVEX」ディレクトリが生成されていない場合(S501:No)には、図9に示した処理(S301)以降の処理を行い、映像情報単位の再生処理を行う。
「UNAVEX」ディレクトリが生成されている場合(S501:Yes)には、「UNAVEX」ディレクトリから総合再生制御情報を読み込む(S502)。本実施例の場合には、総合再生制御情報はXMLで記載された「extent.xfun」ファイルである。
続いて制御部120は、総合再生制御情報を解析し、HDD145に格納されているそれぞれの映像情報に関する情報をメニュー形式で表示するメニュー画像を生成して、ディスプレイ装置70に表示する(S503)。具体的には、図13に示した各backup要素1301の中のspecDirName要素およびrecordedTime要素1302を参照して各映像情報のディレクトリ名や記録日時情報を抽出して、映像情報を選択するためのメニュー画面を生成する。また、thumbnailIndex要素1303が含まれている場合には、thumbnailIndex要素1303で示される代表画像を「extent.thbf」ファイルから抽出し、メニュー画面に含めるようにする。映像情報のメニュー画面のレイアウトはあらかじめ定めておくようにする。
図16は、映像情報のメニュー画面の一例を示す図である。本図は、HDD145に、DVD_RTAV規格で記録された「DVDXX」というタイトルの映像情報と、SD_VIDEO規格で記録された「SDYYY」というタイトルの映像情報が記録されている場合の例であり、それぞれのタイトルと、記録フォーマットと、記録日時と、必要に応じて代表画像が含まれたメニュー画面が表示される。ユーザは、いずれかの映像情報を選択することができる。このとき、ユーザの操作等に応じて、映像情報の詳細情報を表示させるようにしてもよい。
このメニュー画面で、ユーザから映像情報の選択を受け付けると(S504)、図9に示した処理(S302)以降の処理にしたがって、選択された映像情報に含まれるプレイリストの選択処理を行う。図17は、図16に示した映像情報メニュー画面で「DVDXX」というタイトルが選択された場合に表示するプレイリスト表示画面の一例を示す図である。本図の例では、「DVDXX」というタイトルの映像情報には、「PL_D_1」「PL_D_2」「PL_D_3」という3つのプレイリストが含まれており、それぞれのプレイリストが選択可能な状態で表示されている。また、図16に示した映像情報のメニュー画面に戻るためのアイコンも含めるようにしている。いずれかのプレイリストが選択されると、第1実施例に示した再生処理の手順にしたがって映像情報の再生を行う。
[第5実施例]
次に、上記構成による映像記録再生システムの第5実施例について説明する。第5実施例では、メディア記録再生装置10が、コピー元において記録フォーマットの異なる複数の映像情報を連続再生する処理について説明する。HDD145は、すでに、図14に示したディレクトリ/ファイル構造となっているものとする。
異なるディレクトリに記録された異なる映像情報を連続再生するためには、再生対象の映像情報と再生順番とを指定する必要がある。そこで、メディア記録再生装置10は、ユーザから、映像情報と再生順番の指定を受け付けて、総合ユーザプレイリストを作成し、UNAVEXディレクトリの下にXMLフォーマットのファイルとして追加する。
図18は、映像情報を連続再生するための総合ユーザプレイリストの作成処理について説明するフローチャートである。総合ユーザプレイリストの作成処理は、ユーザからユーザプレイリストの作成処理指示を受け付けることで開始する(S601)。総合ユーザプレイリストの作成処理指示は、操作受付部130を介して受け付けることができる。
制御部120は、受け付けた指示に対して、総合プレイリスト編集画面をディスプレイ装置70に表示する(S602)。総合ユーザプレイリスト編集画面は、HDD145のUNAVEXディレクトリにアクセスして、総合再生制御情報である「extent.xfun」を読み込み、映像情報に関する情報や代表画像情報を取得し、あらかじめ定められたレイアウトにしたがって生成することができる。
総合ユーザプレイリスト編集画面で、ユーザは、映像情報を指定し、連続再生の対象とするプレイリストや、再生区間の選択指示を行うことができる。この際に、メディア記録再生装置10は、選択対象となった映像情報の「UNAV」ディレクトリにアクセスして、プレイリストや再生区間に関する情報を取得する。そして、取得した情報に基づいてプレイリストや、再生区間の選択を受け付けるためのメニュー画面を生成して、ユーザからの選択を受け付けるようにする(S603)。この選択は、ディレクトリの階層を上下することにより、複数の映像情報に渡って受け付けることができるようにする。
例えば、「DVD_RTAV」ディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリの実プレイリスト「r00001.xfun」と、「SD_VIDEO」ディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリの実プレイリスト「r00001.xfun」の2つのプレイリストを選択することができる。
ユーザが総合ユーザプレイリスト編集の終了を指示すると(S604:Yes)、HDD145の「UNAVEX」ディレクトリに、総合ユーザプレイリストのXMLファイルを格納する(S605)。総合ユーザプレイリストのXMLファイルは、「v00001.xfun」といった名前を付して格納する。また、「v00001.xfun」に関連した代表画像をまとめた代表画像データファイルについても、「v00001.thbf」といった名前を付して「UNAVEX」ディレクトリに格納する。図19は、総合ユーザプレイリスト格納後のHDD145のディレクトリ/ファイル構成を示す図である。
また、総合ユーザプレイリストである「v00001.xfun」の一例を図20に示す。本例では、ユーザによって選択されたプレイリストは、playItem要素2001として記録し、プレイリストの名前をrefToPlayListName要素2002として記録する。また、格納されているディレクトリ名は、refToSpecDirName要素2003として記録する。
なお、ユーザがメニュー画面から総合ユーザプレイリストのタイトルを見て把握しやすいように、ユーザから、総合ユーザプレイリストのタイトル名を受け付けるようにしてもよい。また、必要であれば、ここで作成された総合ユーザプレイリストに関連した代表画像をこれまでの代表画像の取得、作成手順と同様にして、作成することもできる。
メディア記録再生装置10は、総合ユーザプレイリストをHDD145に格納すると、総合再生制御情報を更新する(S606)。すなわち、格納した総合ユーザプレイリストを、総合再生制御情報である「extent.xfun」に登録する。図21は、更新された「extent.xfun」の一例を示す図である。本図の例では、playList要素2101の中に、総合ユーザプレイリスト名「v00001」がplayListFileName要素2102として記録されている。
次に、メディア記録再生装置10が、総合ユーザプレイリストに基づいて、コピー元において記録フォーマットの異なる複数の映像情報を連続再生する処理について説明する。メディア記録再生装置10は、ユーザからの総合ユーザプレイリスト表示指示にしたがって「UNAVEX」ディレクトリにアクセスし、総合再生制御情報である「extent.xfun」を読み込む。そして、「extent.xfun」に基づいて、総合ユーザプレイリストを選択するためのメニュー画面を生成して、ディスプレイ装置70に表示する。総合ユーザプレイリストを選択するためのメニュー画面の生成は、上述のメニュー画面作成手順と同様に行うことができる。図22は、総合ユーザプレイリストを選択するためのメニュー画面の一例を示している。
ユーザによって、再生する総合ユーザプレイリストが選択されると、メディア記録再生装置10は、HDD145の「UNAVEX」ディレクトリにアクセスし、選択された総合ユーザプレイリスト、例えば、「v00001.xfun」の内容にしたがって、指定された映像情報のディレクトリの「UNAV」ディレクトリにアクセスし、指定されたプレイリスト等を再生順序にしたがって再生する。
具体的には、図20に示した総合ユーザプレイリストにおけるplayList要素の中に記述されたplayItem要素2001に含まれるrefToSpecDirName要素2003で示されるディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリにアクセスし、refToPlayListName要素2002で示されるプレイリストを再生する。
この結果、本図の例では、「DVD_RTAV」ディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリの実プレイリスト「r00001.xfun」と、「SD_VIDEO」ディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリの実プレイリスト「r00001.xfun」が順次再生されることになる。
実プレイリストの再生では、上述のように、図7に示したplayList要素704に含まれる、playItem要素701に記述されたプレイアイテム情報にしたがい、refToFileName要素、inTime要素、outTime要素に含まれる情報を再生処理部150に出力する。そして、再生処理部150がこれらの情報にしたがって、HDD145から映像データ、例えば、VR_MOVIE.VROファイル内の所定の再生区間を読み出し、映像データを復号してディスプレイ装置70に出力する。
以上、第5実施例では、総合ユーザプレイリストを用いて、コピー元において記録フォーマットの異なる複数の映像情報のプレイリストを連続再生する処理について説明したが、一般的なプレイリストと同様に、時間情報を用いて映像データファイルの一部を連続再生することも可能である。なお、本実施例で、時間情報はビデオフレーム数で示すものとする。図23にその一例を示す。図23は、「DVD_RTAV」ディレクトリの中の映像データの一部区間と、「SD_VIDEO」ディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリ中のユーザプレイリストとの連続再生を定義している総合ユーザプレイリストの例である。
ユーザから、図23に示すような総合ユーザプレイリストの選択を受け付けると、制御部120は、HDD145の「UNAVEX」ディレクトリの図23で示されるユーザプレイリストファイルを読み込み、playList要素2301の中に記述されたplayItem要素2302を順番に再生する。
number属性が「0」の最初のplayItem要素2302aでは、時間情報で定められる区間が再生される。このため、refToSpecDirName要素2303a、refToFileName要素2304a、inTime要素2305a、outTime要素2306aに含まれる情報を再生処理部150に送り出す。そして、再生処理部150がこれらの情報にしたがって、HDD145から映像データ内の時間情報で定められる再生区間を読み出し、映像データを復号してディスプレイ装置70に出力する。
number属性が「1」の次のplayItem要素2302bでは、プレイリストによる再生が行われる。このため、refToSpecDirName要素2307bで示されるディレクトリの下の「UNAV」ディレクトリの中にあるrefToPlayListName要素2308bで示されるプレイリスト、本例では、「SD_VIDEO」ディレクトリの「UNAV」ディレクトリ中の「v00002.xfun」に記録された情報を再生処理部150に送り出す。そして、再生処理部150がこれらの情報にしたがって、HDD145から映像データを読み出し、映像データを復号してディスプレイ装置70に出力する。
[第6実施例]
次に、上記構成による映像記録再生システムの第6実施例について説明する。第6実施例では、メディア記録再生装置10が、同一の記録フォーマットの映像情報を複数コピーする場合のディレクトリ名の管理について説明する。上述の例では、映像情報を格納するディレクトリ名は、記録フォーマットに応じたものであった。例えば、記録フォーマットがDVD−VR規格の映像情報であれば「DVD_VR」ディレクトリに格納し、記録フォーマットがSD−VIDEO規格の映像情報であれば、「SD_VIDEO」に格納していた。
このため、同じ記録フォーマットの映像情報を格納する場合に、ディレクトリ名が重複し、それぞれの映像情報を識別できなくなるおそれがある。そこで、第6実施例では、映像情報の記録フォーマットに応じた名前のディレクトリを作成する際に、ディレクトリ名を、識別番号を付した名称とする。これにより、同じ記録フォーマットの映像情報のディレクトリを識別することができるようになる。
識別番号は、例えば、#番号とすることができる。この場合、映像情報の記録フォーマットに応じたディレクト名の語尾に#番号を付すようにすることができる。また、識別番号は、すでに同じ記録フォーマットのディレクトリが作成してある場合に付してもよいし、同じ記録フォーマットのディレクトリの作成の有無にかかわらず付してもよい。なお、すでに同じ記録フォーマットのディレクトリが作成してあるかどうかは、例えば、「UNAVEX」ディレクトリ中の「extent.xfun」を参照することで判断することができる。図24は、識別番号を付したディレクトリ名称を用いた場合におけるHDDのディレクトリ/ファイル構造を示す図である。
以上説明したように、本実施形態では、メディア記録再生装置10のHDD145に共通再生制御情報等を記録するようにしていたが、第1デジタルビデオカメラ20あるいは第2デジタルビデオカメラ50の記録メディアに共通再生制御情報等を記録するようにしてもよい。この場合、第1デジタルビデオカメラ20あるいは第2デジタルビデオカメラ50の記録メディアに記録された共通再生制御情報を用いることで、それぞれの記録メディアに記録された映像情報を再生することができる。
なお、上記実施の形態の説明では、本発明の映像記録装置および映像記録再生装置をブロック図によりハードウエア的に構成して説明したが、本発明は、これに限らず、CPUがプログラムを実行することにより、本発明の映像記録装置および映像記録再生装置をソフトウエア的に構成するようにしてももちろんよい。