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JP5297689B2 - コルゲート管継手 - Google Patents

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JP5297689B2
JP5297689B2 JP2008123384A JP2008123384A JP5297689B2 JP 5297689 B2 JP5297689 B2 JP 5297689B2 JP 2008123384 A JP2008123384 A JP 2008123384A JP 2008123384 A JP2008123384 A JP 2008123384A JP 5297689 B2 JP5297689 B2 JP 5297689B2
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Description

本発明は、蛇腹状のコルゲート管をガス配管(鋼管)等に接続するためのコルゲート管継手に関する。特には、簡単な作業でコルゲート管を確実に接続することができ、良好な気密状態を保つことができるコルゲート管継手に関する。
図17は、建物のガス配管の例を模式的に示す図である。
この配管例においては、建物100の外にガスメータ110が設置されており、ガスメータ110から建物100側に向かって延び出したガス配管(鋼管)103の途中に接続部(チー)103aが設けられている。この接続部103aには、コルゲート管継手101を介してコルゲート管Tの端部が接続されている。コルゲート管Tの反対側の端部は、ガスコンセント105に繋がっている。このガスコンセント105には、例えばゴム管106を通じてガスストーブ等のガス機器107が接続され、これにより該ガス機器107にガスが供給されるようになっている。
次に、コルゲート管Tについて説明する。
図18は、コルゲート管の構成を示す断面図である。
このコルゲート管Tは、図18に示すように、外周に環状の凹凸が形成された蛇腹状のフレキシブル管2a(金属製)と、それを覆う樹脂製の被覆チューブ2bとを有している。コルゲート管Tの下端においては、被覆チューブ2bが剥ぎ取られ、内側のフレキシブル管2aが露出した状態となっている。このようにフレキシブル管2aを露出させることで、この外周の環状凹部に、後述するリテーナ40の爪43が係合するようになっている(図6参照)。
この種のコルゲート管継手101としては、本出願人等により出願された特許文献1に係るものがある。同文献記載の管継手は、コルゲート管を挿入するための内孔が形成された筒状の継手本体と、継手本体内孔内へとスライド可能なナット部材と、同内孔内に配置された筒状のパッキン部材と、上記ナット部材のスライド時に上記パッキン部材を押圧すると共に、上記コルゲート管の径方向に拡縮変形して該コルゲート管外周の環状凹部に係合するリテーナ部材を備えている。
このように構成された特許文献1の管継手によれば、コルゲート管を継手本体内に挿入することにより、コルゲート管の端部が継手本体内で固定されるようになっている。
特開2003−176888号公報
上記特許文献1記載の従来のコルゲート管継手においても、比較的簡単な作業でコルゲート管の接続を行うことができる。しかしながら、この種の継手においては、コルゲート管の接続をより確実なものとする、あるいは、気密シール性をより向上させることが望ましく、この点、更なる改良の余地が残されている。さらに、コルゲート管先端が継手本体内孔の奥まで達したことを容易に確認できるようにする(コルゲート管の被覆チューブ外面へのマーキング等を不要にする)ことも望まれる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な作業でコルゲート管を確実に接続することができ、良好な気密状態を保つことができるコルゲート管継手を提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明のベースとなる一つの形態のコルゲート管継手は、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、を備え、さらに、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを防止する手段を備えることを特徴とする。
上記コルゲート管継手を使用するにあたっては、まず、コルゲート管の端部を継手本体内に挿入し、該コルゲート管の先端を継手本体内孔の奥の所定位置まで挿入する。次に、リテーナ押しスリーブを継手本体内孔内で奥方向にスライドさせて最終位置まで押し込むと、リテーナの爪がコルゲート管外周の環状凹部に係合する。この一連の動作により、コルゲート管の端部が、継手本体から抜き出し不能に固定されることとなる。
このような構成のコルゲート管継手によれば、コルゲート管を継手本体内に押し込んだ際に、コルゲート管の先端が継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないと、リテーナ押しスリーブを継手本体内孔内で奥方向にスライドさせることができないようになっている。仮に、コルゲート管先端が上記所定位置まで達していないのに、リテーナ押しスリーブを上記奥方向にスライドさせることができると、外観上は施工が完了したように見えることになる。このような事態を防止するため、従来はコルゲート管外周面にマーキングを施してコルゲート管先端が上記所定位置まで達したことを確認していた。
この形態のコルゲート管継手においては、継手本体内においてコルゲート管の挿入が中途半端な場合には、リテーナ押しスリーブを継手本体内に押し込むことができないため、コルゲート管の挿入が完了していないことが外観上からも作業上からも明らかとなる。すなわち、リテーナ押しスリーブが上記奥方向にスライドしていることで、コルゲート管先端が上記所定位置まで達したことを確認することができる。したがって、従来のようなマーキングを施す必要が無く、さらにはリテーナ押しスリーブの誤スライド防止カラーも不要とすることができる。
このコルゲート管継手によれば、コルゲート管先端を上記所定位置まで押し込み、リテーナ押しスリーブを上記奥方向にスライドさせるのみという簡単な作業でコルゲート管を確実に接続することができる。そして、コルゲート管先端が気密パッキンに十分に入り込むとともに、リテーナの爪がコルゲート管の環状凹部に適正に係合するので、良好な気密状態を保つことができるという利点がある。なお、本明細書における「継手本体内孔の奥の所定位置」とは、そのような適正な接続状態の得られる位置のことをいう。
本発明のベースとなる他の形態のコルゲート管継手は、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、を備え、さらに、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダを備えることを特徴とする。
このような構成のコルゲート管継手を用いてコルゲート管を接続するには、まず、コルゲート管を継手本体内に挿入する。この際、リテーナホルダによってリテーナが拡径状態に維持されているので、コルゲート管を継手本体内に十分挿入していない時点で該コルゲート管を引き戻したとしても、該リテーナが縮径して該コルゲート管の環状凹部に係合することはなく、該コルゲート管の接続は行われない。すなわち、挿入が不十分な状態でコルゲート管を手前に引いた場合には該コルゲート管が継手本体内から抜けるようになっているので、作業者は、該コルゲート管の挿入が不十分であったことを知ることができる。作業者が、再度、コルゲート管を挿入して該コルゲート管の先端を継手本体内孔の奥の所定位置まで入れることで、リテーナホルダとリテーナの爪との係合が解かれ該リテーナが縮径するので、該コルゲート管が十分に挿入された状態での継手接続を実現できる。そして、コルゲート管の先端が気密パッキンに十分に入り込むとともに、リテーナの爪が該コルゲート管の環状凹部に適正に係合するので、良好な気密状態を保つことができる。
本発明のベースとなる他の形態のコルゲート管継手は、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、を備えるコルゲート管継手であって、さらに、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダと、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナホルダと係合している前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を防止し、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを防止し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナホルダとの係合が解かれた前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を可能とし、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを可能とする手段を備えることを特徴とする。
このような構成のコルゲート管継手によれば、上述した各コルゲート管継手の作用・効果を奏するものとすることができる。
上記形態のコルゲート管継手においては、前記リテーナホルダは、前記リテーナの爪の内側に当接して該リテーナを拡径した状態に維持する立上り部を有し、前記リテーナ押しスリーブのスライドを防止する手段として、拡径状態の前記リテーナの外周と係合するリテーナ係合段部が、前記継手本体内孔に設けられているものとすることができる。
このような構成によれば、リテーナホルダがリテーナの縮径を阻止しているため、該リテーナの外周はリテーナ係合段部と係合した状態に維持される。したがって、この状態においては該リテーナ自体は継手本体内孔内で奥方向へ移動できないので、リテーナ押しスリーブの上記奥方向へのスライドを防止することができる。
上記形態のコルゲート管継手においては、前記リテーナと前記リテーナ押しスリーブとが互いに接する各当接面は、該リテーナ押しスリーブのスライド方向に向かって拡がるテーパ面に形成することができる。
このような構成によれば、該テーパ面同士が係合摺動することで、リテーナの爪が縮径方向に移動するものとすることができる。
本発明のコルゲート管継手においては、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置の手前の位置(奥手前位置)まで達しないうちは、拡径状態にあって前記リテーナホルダの前記継手本体内孔奥方向への移動を防止し、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で縮径状態になって前記リテーナホルダの前記奥方向への移動を可能とする拡縮リングを備えることができる。前記拡縮リングが拡径状態にあるときは前記継手本体内孔に設けられている拡縮リング係合段部に係合され、前記拡縮リングが縮径状態になったときは前記拡縮リング係合段部から外れて前記奥方向へ移動することができる。
前述したように、本発明の一形態においては、リテーナホルダが継手本体内孔内で奥方向へ移動できないうちは、リテーナ自体が上記奥方向へ移動できないので、リテーナ押しスリーブも上記奥方向へスライドさせることができない。したがって、上記構成によれば、リテーナ押しスリーブを上記奥方向へスライドできて初めて、コルゲート管の先端が継手本体内孔の奥まで達したと判断することができる。
本発明のコルゲート管継手においては、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで達しないうちは、前記拡縮リングの内周面に当接して該リングを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で、当該挿入に伴って前記拡縮リングの内周面から外れて該リングの縮径を可能とするストッパを備えることができる。
このような構成によれば、ストッパはコルゲート管の先端と当接して該コルゲート管で押し込まれることにより拡縮リングから外れることになるので、該コルゲート管先端が継手本体内孔の奥まで確実に挿入されたことを確認できる。
本発明の他の形態のコルゲート管継手は、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、を備え、さらに、前記気密パッキンの外周に配置された、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥まで達しないうちは拡径状態にあり、前記コルゲート管の先端が奥まで挿入された段階で縮径状態になって前記気密パッキン外周面を締め付けて該パッキン内周面を該コルゲート管外周面へ押し付ける拡縮リングを備えることを特徴とする。
このような構成のコルゲート管継手によれば、拡縮リングが気密パッキンの外周面を締め付けて該パッキン内周面をコルゲート管外周面に密着させることになるので、該パッキンの気密シール性を向上させることができる。
上記コルゲート管継手においては、前記拡縮リングが、縮径可能となった後に前記継手本体内孔の奥側に設けられている拡径状態の該リングの径よりも小径の部位へ移動して当該縮径状態が維持され、それにより前記気密パッキン内周面を前記コルゲート管外周面に押し付けることができる。
このような構成によれば、拡縮リングによる気密パッキンの内周面とコルゲート管の外周面との密着状態を強化することができるので、該パッキンの気密シール性をさらに高くすることができる。あるいは、該リングの剛性・弾性が低い場合にも十分な締付力が得られる。
上記コルゲート管継手においては、さらに、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダを備え、前記気密パッキンが、前記継手本体内孔において前記リテーナホルダの奥側に配置されており、前記リテーナ押しスリーブを前記奥方向へと押し込んだ際に、前記リテーナが前記奥方向に押されて移動し、それにより該ホルダが前記奥方向に押されて該パッキンが圧縮されることができる。
このような構成によれば、気密パッキン自体の気密性をより一層高めることができる。
本発明に関連する他の態様のコルゲート管継手は、 外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、 前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、 前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、 前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、 前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダと、 前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナホルダと係合している前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を防止し、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを防止し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナホルダとの係合が解かれた前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を可能とし、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを可能とする手段を備え、 該手段が、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置の手前の位置(奥手前位置)まで達した段階で作動を開始し、 前記コルゲート管先端が前記奥手前位置を過ぎて前記所定位置の手前にある間に、前記コルゲート管が手前に引き戻された場合には、前記手段が前記コルゲート管挿入前の初期状態に戻ることを特徴とする。
上記コルゲート管継手の具体的な態様は、 外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、 前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、 前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、 前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、 前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダと、 前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナホルダと係合している前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を防止し、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを防止し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナホルダとの係合が解かれた前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を可能とし、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを可能とする手段を備え、 該手段が、 前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置の手前の位置(奥手前位置)まで達しないうちは、拡径状態にあって前記リテーナホルダの前記継手本体内孔奥方向への移動を防止し、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で縮径状態になって前記リテーナホルダの前記奥方向への移動を可能とする拡縮リング部、 該拡縮リング部の内周側に連結されており前記継手本体内孔に張り出すストッパ部であって、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で該管先端が当接し、それに伴って前記拡縮リング部を縮径させるストッパ部、及び、 前記拡縮リング部の内径部に形成された、該拡縮リング部が縮径した際に前記気密パッキンの外周部と係合して該拡縮リング部と気密パッキンとを係止する引っ掛かり部、を有するトリガーを有し、 前記コルゲート管先端が前記奥手前位置を過ぎて前記所定位置の手前にある間に、前記コルゲート管が手前に引き戻された場合には、前記トリガーが前記コルゲート管挿入前の初期状態に戻ることを特徴とする。
本発明によれば、コルゲート管先端が奥手前位置から所定位置に達するまでの間にコルゲート管が誤って手前に引き戻された場合、リテーナ押しスリーブのスライドを可能とする手段が初期状態に戻る。すなわち、実施形態におけるコルゲート管とともに気密パッキン及び同パッキンに係合されているトリガーも引き戻され、トリガーがコルゲート管挿入前の初期位置に戻る。この間、リテーナホルダは、リテーナの爪に係合した状態を保っている。つまり、コルゲート管の先端がトリガーのストッパ部を押して、同先端が所定位置に達するまで、リテーナホルダがリテーナから外れず、再度正式な方法でコルゲート管を挿入したときに正常な接続を可能にする。
本発明においては、 前記リテーナホルダが、前記リテーナの爪の内側に当接して該リテーナを拡径した状態に維持する立上り部を有し、 前記リテーナ押しスリーブのスライドを防止する手段として、拡径状態の前記リテーナの外周と係合するリテーナ係合段部が、前記継手本体内孔に設けられていることとできる。
本発明においては、 前記拡縮リング部が拡径状態にあるときは前記継手本体内孔に設けられている拡縮リング部係合段部に係合され、前記拡縮リング部が縮径状態になったときは前記拡縮部リング係合段部から外れて前記奥方向へ移動することとできる。
本発明においては、 前記拡縮リング部が、縮径可能となった後に前記継手本体内孔の奥側に設けられている拡径状態の該リング部の径よりも小径の部位へ移動して当該縮径状態が維持され、それにより前記気密パッキン内周面を前記コルゲート管外周面に押し付けることとできる。
本発明においては、 前記気密パッキンが、前記継手本体内孔において前記リテーナホルダの奥側に配置されており、前記リテーナ押しスリーブを前記奥方向へと押し込んだ際に、前記リテーナが前記奥方向に押されて移動し、それにより該ホルダが前記奥方向に押されて該パッキンが圧縮されることが好ましい。
本発明においては、 前記トリガーが、弾性変形可能な材料で作製され、 短い略円筒状の支持部と、該支持部の上縁端に一体に設けられた拡縮リング部と、該支持部の下端縁に一体に設けられたストッパ部とを有し、 前記拡縮リング部は、前記支持部の上端縁に、円周方向にスリットを挟んで等間隔で配置された複数のリング片であって、該リング片の内径部に内方向に張り出す引っ掛かり部が設けられたリング片からなり、 前記ストッパ部は、前記支持部の下端縁に、前記拡縮リングのリング片と同じ円周方向の位置にスリットを挟んで配置された複数のストッパ片であって、該ストッパ片の下端から内方向に張り出す底部を有するストッパ片からなることが好ましい。
さらに、 前記ストッパ部の底部がコルゲート管の先端で押されると、該底部が前記支持部に対して外方向に変形するとともに前記拡縮リング部が逆に前記支持部に対して内方向に変形し、これにより前記拡縮リングが縮径して前記引っ掛かり部が前記気密パッキンの外周部と係合して該拡縮リング部を前記気密パッキンに係止することが好ましい。
さらに、 前記気密パッキンの外周面に、前記トリガーの引っ掛かり部が係合する円周溝が形成されており、 前記パッキンの内周面の、前記円周溝とほぼ同じ高さ位置に円周突起が形成されていることが好ましい。
気密パッキンに円周溝を形成することにより、トリガーの引っ掛かり部が引っ掛かりやすくなり、両者を密に連結することができる。ただし、円周溝を形成すると、その部分でパッキンの厚さが薄くなる。そこで、円周溝の反対側の面(内周面)に円周突起を形成することにより、同部の強度を保つとともに、トリガーの拡縮リング部とコルゲート管外周面との間でのパッキンの圧縮力が大きくなり、円周溝に入り込んだトリガーの拡縮リングが元の状態に戻りやすくなる。さらに、円周突起の高さや形状により、コルゲート管とパッキンとの摩擦力を調整でき、コルゲート管の挿入や引抜時の力を所望のレベルに設定できる。
本発明においては、 前記リテーナホルダの立ち上がり部の上縁が外方向に広がっていることが好ましい。
リテーナホルダの立ち上がり部上縁が外方向に広がっていることにより、リテーナの各爪はより大きく拡径する。なお、爪が大きく拡径する分だけ、爪と継手本体との間のクリアランスを広くとっておく必要がある。
リテーナホルダの立ち上がり部外縁が外方向に広がっている理由は以下である。コルゲート管Tが完全に挿入された後で誤ってコルゲート管Tを引き抜いた場合、コルゲート管の外周面とパッキンとの摩擦により、パッキンとともにリテーナホルダもともに先方向へ引かれる。この際、リテーナホルダのストッパ環先端がリテーナの爪部に当って爪部を押し上げるが、ストッパ環先端が外方向へ広がっているので、爪部の下面に確実に接触して爪部を押し上げることができる。
さらに、リテーナの経年変化により、リテーナがリテーナホルダから解放されてもリテーナが十分に縮径せず、爪部内径がリテーナホルダ外径と同程度であるような場合にも、リテーナホルダのストッパ環先端がリテーナの爪部の下面をより確実に押し上げることができる。
本発明においては、 前記継手本体内孔の、前記リテーナの外周面の外側に弾性材が配置されていることが好ましい。
弾性材を配置することにより、爪を拡径する抵抗が大きくなり、リテーナホルダをリテーナから外すときに、強い力でコルゲート管を押す必要がある。これによりコルゲート管の先端を十分にパッキンに入り込ませることができる。
なお、この場合、継手本体にトリガーを係止する段部を設ける必要がない。これは以下の理由による。弾性材を配置しない場合、コルゲート管先端がトリガーのストッパ部に突き当たるまで、トリガーは段部に係止されて、トリガー及びパッキンが奥方向へ移動しないようにされている。リテーナの外周面の外側に弾性材を配置すると、コルゲート管を挿入したときのリテーナの拡径に抵抗が与えられ、リテーナが拡径しにくくなる。つまり、リテーナホルダがリテーナから外れにくくなる。このため、リテーナホルダが固定されているパッキン及び同パッキンに係合しているトリガーはリテーナホルダとともに保持され、奥方向への移動が阻止される。
本発明によれば、上述したように、簡単な作業でコルゲート管を確実に接続することができ、良好な気密状態を保つことができるコルゲート管継手を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明のコルゲート管継手の一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一形態のコルゲート管継手の概要を説明するための外観斜視図である。図1(A)は同継手の初期状態を示す図であり、図1(B)は同継手の最終状態(コルゲート管が差し込まれた施工完了状態)を示している。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、「上下方向」とは図1等において矢印に示す方向を指すものとする。「手前」とは図の上側(コルゲート管の元側)を指し、「奥」とは図の下側(コルゲート管の先側)を指す。
まず、このコルゲート管継手1の概要について説明する。
このコルゲート管継手1は、図1(A)に示すように、内部に図示しない種々の部品が配置された(詳細後述)筒状の継手本体10と、この継手本体10に対してスライド可能に設けられたリテーナ押しスリーブ50と、を備えている。
このコルゲート管継手1を使用する際には、概略的には、図1(B)に示すように、継手1内にコルゲート管Tの端部を挿入した後、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10に向けて押し込むことで、コルゲート管Tが継手本体10内に固定される(一連の動作の詳細は図2〜図7等を参照して後述する)。本発明の対象である「コルゲート管継手」とは、このように、コルゲート管Tの端部を継手内部で固定し、他の配管要素に接続するためのものである。なお、コルゲート管Tは、図18を参照しつつ前述したとおりのものである。
次に、コルゲート管継手1の内部構造について、図2〜図7及び各部品単体を示す図面を適宜参照して詳細に説明する。
図2は、図1のコルゲート管継手の断面図であり、コルゲート管が挿入されていない、コルゲート管接続前の初期状態を示している。図2(A)は全体の断面図であり、図2(B)はその一部拡大断面図である。
図3(A)、(B)〜図7(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、このコルゲート管継手を使用する際の一連の動作を示す図である。図3(A)、(B)は、図2(A)、(B)の状態から継手内にコルゲート管を挿入した状態を示している。図4(A)、(B)は、その後、コルゲート管を継手本体の奥の所定位置の手前の位置まで押し込んだ状態を示し、図5(A)、(B)は、さらに、コルゲート管を継手本体の奥の所定位置まで押し込んだ状態を示し、図6(A)、(B)は、リテーナ押しスリーブを最終位置まで押し込んで、コルゲート管を最終的に固定した状態(施工完了状態)を示している。
図7(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、これら図2(A)〜図6(A)を1枚にまとめて一連の動作を分かり易く示した図面である。
図2に示すように、このコルゲート管継手1は、上記の通り、筒状の継手本体10と、それに対してスライド可能なリテーナ押しスリーブ50とを備えている。継手本体10の内部には、爪43を備えたリテーナ40が配置されている。該リテーナ40は、拡縮径可能であり、縮径したときに、図6に示すように、爪43がコルゲート管Tの外周の環状凹部に係合して(差し込まれ)、コルゲート管Tを固定する。該リテーナ40よりも内孔奥側(図示下側)には、スリット70aを有する薄肉略円筒状のリテーナホルダ70が配置されている。該ホルダ70は、リテーナ40の爪43と当接して該リテーナ40の拡径状態を維持する。該ホルダ70は、略筒状に形成された耐火パッキン35に包囲されるようにして一体化されている。該ホルダ70よりも内孔奥側(図示下側)には、段付略筒状に形成された気密パッキン31が配置されている。該パッキン31は、コルゲート管Tの外周と継手本体10の内周との間をシールする。該パッキン31よりも内孔奥側(図示下側)には、拡縮リング60とストッパ80が配置されている。該リング60は、気密パッキン31を締め付けてコルゲート管Tに押し付ける。該ストッパ80は、挿入されるコルゲート管Tの先端と当接する。以上のリテーナ40、リテーナホルダ70、耐火パッキン35、気密パッキン31、拡縮リング60、及びストッパ80は、継手本体10の内部で上下方向に移動可能となっている。
詳細は後述するが、コルゲート管Tを奥まで挿入することによって、リテーナホルダ70を図3の状態から内孔奥方向に移動させると、同ホルダ70に引っ掛かっていたリテーナ40の爪43が同ホルダ70から外れてコルゲート管Tの外周の環状凹部に係合可能となる。本実施形態のコルゲート管継手1は、このように、コルゲート管Tの挿入に連動してリテーナホルダ70が移動してリテーナ40の爪43が同ホルダ70から外れることを1つの特徴とするものである。
以下、上記各部品について順に説明する。
まず、継手本体10について図8(A)、(B)を参照して説明する。
図8は、継手本体単体を示す断面図である。図8(A)は縦断面図であり、図8(B)はその一部拡大断面図である。
継手本体10は、図8に示すように、一例として銅合金で構成された筒状体であり、外径が相対的に大きい本体部10Aと、その下端に形成された、外径が相対的に小さい接続部10Bとを有する。
接続部10Bは、継手本体10を、ガス配管の接続部(チー103a、図1参照)に接続するための部分である。図8では詳細に示していないが、この接続部10Bの外周には雄ネジが切られており、この雄ネジを、図1(B)に示すように例えば、チー103aにねじ込むことで、継手本体10をガス配管に固定することができる。図1、図8に示すように、本体部10Aの外周下寄りの部位には、断面形状が多角形とされた工具係合部10tが形成されている。継手本体10をチー103aにネジ込む際、この工具係合部10tにスパナ等の工具を係合させて、継手本体10全体を回すことができる。
図8に示すように、継手本体10の内部は上下に貫通する内孔11となっている。この内孔11は、内径の異なる2つの部位(上側からリテーナホルダ等収容部25、及び下側内孔部29)に大別される。
リテーナホルダ等収容部25は、継手本体10の上端開口から、同本体10の中央やや下まで形成されている。このリテーナホルダ等収容部25は、図2に示すように、リテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53(詳細下記)が挿入され、また、リテーナ40、耐火パッキン35、リテーナホルダ70、気密パッキン31、拡縮リング60、及びストッパ80が配置される部位である。
リテーナホルダ等収容部25の内周における、上端開口寄りの部位には、環状のリング溝22jが掘り込まれている。このリング溝22jは、断面矩形の角溝22aと、この角溝22aの下端縁から下側に向けてすぼまるように形成されたテーパ溝22bとで構成されている。角溝22aには、図2の初期状態においてストップリングR2(詳細後述)が嵌め込まれる。角溝22aの深さは、該リングR2の芯線の径よりも小さく形成されている。
ストップリングR2(図2参照)は、後述するように、リテーナ押しスリーブ50が継手本体10内に押し込まれるのに伴って、リング溝22jから脱し、最終的には角溝22kに入り込む(図6参照)。この角溝22kは、継手本体10の内周において、上記リング溝22jよりも下側に形成された、断面矩形の環状の溝である。角溝22kの深さは、角溝22aの深さと略同一、すなわち該リングR2の芯線の径よりも小さく形成されている。
角溝22kよりもさらに下側には、継手本体10の軸線に対して垂直な面を有するリテーナ係合段部22mが形成されている。このリテーナ係合段部22mは、内側に凸の段に形成されており、リテーナホルダ70により拡径しているリテーナ40の下端テーパ面45bの外周部(図11(C)参照)が押し当て可能となっている。リテーナ40は、リテーナホルダ70により縮径が阻止されると共に、リテーナ係合段部22mにより継手本体10の内孔奥方向への移動が阻止される。
リテーナ係合段部22mよりもさらに下側には、継手本体10の軸線に対して垂直な面を有する拡縮リング係合第1段部22pと拡縮リング係合第2段部22qが拡縮リング摺動テーパ面22r及び拡縮リング摺動垂直面22sを挟んで2段にわたって形成されている。該第1段部22pは、リテーナ係合段部22mよりもさらに内側に凸の段に形成されており、移動前の拡縮リング60の下面60b(図15(C)参照)が押し当てられる。該第2段部22qは、該第1段部22pよりもさらに内側に凸の段に形成されており、移動後の拡縮リング60の下面60bが押し当てられる。拡縮リング摺動テーパ面22rは、該第1段部22pの縁部から下側に向けてすぼまるように形成されている。なお、該第2段部22qよりもさらに下側には、ストッパ80が移動可能な内孔部が形成されている。
以上のように構成されたリテーナホルダ等収容部25の下には、同収容部25よりも小径の下側内孔部29が形成されている。該収容部25とこの下側内孔部29との境界部分は段状に形成されている。下側内孔部29の下端は、継手本体10の下端開口に繋がっている。
次に、リテーナ押しスリーブ50について図9を参照して説明する。
図9は、リテーナ押しスリーブ単体の縦断面図である。リテーナ押しスリーブ50は、図9からも分かるように、コルゲート管Tを通すことができる内孔を備えた筒状部材である。
リテーナ押しスリーブ50の上端側は、外径が相対的に大きい大径部51となっており、下端側の残り部分は、外径が相対的に小さい筒状挿入部53となっている。筒状挿入部53の外径は、継手本体10(図8参照)の内孔11の内径よりもやや小さく形成されており、これにより筒状挿入部53が内孔11内にスライド可能となっている。リテーナ押しスリーブ50の大径部51の外径は、継手本体10の外径とほぼ等しく形成されている。これにより、図1(B)に示したように、リテーナ押しスリーブ50を押し込んだ状態で、大径部51の外周面と継手本体10の外周面とが連なる面となる。
図9に示すように、リテーナ押しスリーブ50の大径部51の内側には、環状のパッキン溝51aが形成されている。このパッキン溝51aには、水密パッキン55(図2参照)が嵌め込まれる。この水密パッキン55は弾性体からなり、リテーナ押しスリーブ50の内周面とコルゲート管Tの外周面との間をシールする(図2〜図7参照)。これにより、外部からの継手本体10内への腐食の原因となる水等の浸入が防止される。
図9に示すように、筒状挿入部53の上端付近(大径部51と筒状挿入部53との境界部付近)には、その側壁を横方向に貫通する貫通孔53hが形成されている。この貫通孔53h内には、通気部材59(図2参照)が密に嵌め込まれる。
通気部材59は、高分子ポリエチレン等製の微小多孔質材から形成され、気体は通すが固体や液体は通さない性質を有する。ところで、例えば作業者の釘打ちミス等でコルゲート管Tに穴が開いた場合は、この穴から漏れたガスが、コルゲート管Tの金属管部2aとそれに被覆された被覆チューブ2bとの間を通って継手1内部に流入し、ガスはこの通気部材59を通って外部に放出されることとなる。漏れ出したガスが、継手1の不測の部位から漏出するのではなく、このように予め設定された所定の部位(通気部材59)から漏出する構成の場合、ガス漏れの検知が行い易いという利点がある。すなわち、ガス検出装置をこの通気部材59にかざして、ガスが漏れているかどうかを検出することができる。
図9に示すように、リテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53の外周面において、上記貫通孔53hのすぐ下には、OリングR1(図2参照)を嵌め込むための環状のOリング溝53jが掘り込まれている。このOリングR1は、図6に示す施工完了状態で、リテーナ押しスリーブ50の外周面と継手本体10の内周面との間を密にシールする。
Oリング溝53jの下には、環状のストップリング溝53kが掘り込まれている。このストップリング溝53kにはストップリングR2が嵌め込まれる(図2、図6参照)。ストップリング溝53kの深さは、ストップリングR2の芯線の径よりも大きい。このストップリングR2は、図6に示す施工完了状態で、リテーナ押しスリーブ50側の溝53kと継手本体10側の溝22kとの間に嵌り込み、同スリーブ50と同本体10とを固定する。
リテーナ押しスリーブ50の下端内周縁には、内周テーパ面57が形成されている。この内周テーパ面57は、筒状挿入部53の下端から上側に向かってすぼまるように形成されている。この内周テーパ面57は、後述するように、リテーナ40の外周テーパ面47a(図11(C)参照)に押し当たる面である。最終的には(図6参照)、これら2つのテーパ面57、47a同士は互いに面接触するようになっている。
次に、リテーナ40について図10、図11を参照して説明する。
図10は、リテーナ単体の外観を示す斜視図である。図11は、同リテーナを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が一部断面正面図であり、(C)が(B)のA部を拡大して示す拡大断面図である。
このリテーナ40は、一例として樹脂成形品であり、円環状に形成された支持部42と、この支持部42の下端縁に一体に設けられた複数(この例では6つ)の爪43とを有する。リング状支持部42の外径は、上記したリテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53(図2参照)の内径よりもやや小さく形成されており、これにより、該筒状挿入部53の内部に挿入可能となっている。
図11(A)に示すように、各爪43は、リング状支持部42の周方向に等間隔に配置されており、それぞれの間にスリット43aが存在している。各爪43は、後述するように、弾性変形しながら縮径方向(矢印A方向)に移動し、コルゲート管Tの外周の環状凹部に係合するものである。このような爪43の機能に鑑みれば、爪43が等間隔に配置されていることが、コルゲート管Tを安定的かつ均一的に保持できる点で好ましい。
リテーナ40の各爪43は、より具体的には、図11(C)に示すように、リング状支持部42と一体に成形された基部47と、該基部47の下部に埋め込まれた真鍮等製(一例)の爪部材45を備えている。本構成においては、リング状支持部42と基部47の境界部分が弾性的に変形可能となっており、これにより、爪43が縮径方向(矢印A方向)に移動できるようになっている。
各爪部材45の先端45aは、リング部42の径方向内側に向かってせり出ている。また、図11(A)に示すようなリテーナ40の初期状態(無負荷状態)では、各爪43の先端45aがなす円C45の径はコルゲート管Tの外径よりも大きく、コルゲート管Tをリテーナ40内に通すことができるようになっている。
もっともこれに限らず、リテーナ40の無負荷状態で各爪43の先端45aがなす円C45の径がコルゲート管Tの外径とほぼ同じ、あるいはそれより小さい場合であっても、コルゲート管Tの挿入に支障をきたすことはない。コルゲート管Tを通過させる際にリテーナ40の爪43が径方向外側に弾性変形するような構成であれば、円C45の径が多少小さくてもコルゲート管Tは問題なく通過させることができるためである。
図11(C)に示すように、各基部47の外側面は外周テーパ面47aとなっている。この外周テーパ面47aは、上方に行くほど内側にすぼまるように形成されており、上述したリテーナ押しスリーブ50の内周テーパ面57に押し当たる面である。
各外周テーパ面47aの下端には、垂直なストレート面47bが続いて形成されている。さらに、このストレート面47bの下端に続くようにして、下方に行くほど内側にすぼまる下端テーパ面45bが形成されている。この下端テーパ面45bは、リテーナホルダ70により拡径しているときにリテーナ係合段部22mに押し当てられる面である。
次に、リテーナホルダ70について図12、図13を参照して説明する。
図12は、リテーナホルダの外観斜視図である。図13は、同ホルダを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。
リテーナホルダ70は一例として金属製であり、図12、図13に示すように、ベース部73とストッパ環71を有している。図12、図13(A)に示すように、ベース部73は全体として環状に形成されており、図12、図13(B)、(C)に示すように、ベース部73の上面内周部にはストッパ環71が設けられている。ストッパ環71は、ベース部73の上面から上向きに立ち上がった複数の立上り片71a(この例では8つ)から構成されている。
ストッパ環71の外径C71は、自然な形状におけるリテーナ40の各爪43の先端がなす円C45(図11参照)よりやや大きい。図2に示すように、ストッパ環71は、リテーナ40の各爪43の内側にセットされる。これにより、リテーナ40の各爪43が、自然な形状よりもやや拡径した状態に弾性変形し、その状態に維持される。
なお、リテーナホルダ70は樹脂製であってもよい。また、ストッパ環71は、リテーナ40の爪43を拡径した状態に維持する役割を果たすものであれば形状は種々変更可能であり、複数の立上り片71aからなるものでなく、例えば単一の円筒状の構造部とすることもできる。ストッパ環71の数は8本に限定されるものでなく適宜変更可能である。
リテーナホルダ70と気密パッキン31とは、接着又は一体成形(金属包み含む)とすることが好ましい。これにより、フレキ管挿入時に気密パッキンが奥へ移動すると同時にリテーナホルダーも奥へ移動するようにできる。
次に、耐火パッキン35について説明する。
耐火パッキン35は、図2に示すように、気密パッキン31よりも薄い環状の部材であり、同パッキン35の下面はリテーナホルダ70のベース部73の上面に略当接し、同パッキン35の内周面は該ホルダ70のストッパ環71の外周面に略当接している。耐火パッキン35は、一例としてNBRに膨張黒鉛を混成した材料からなる。火災等で耐火パッキン35が高温となると、同パッキン35が膨張変形し、リテーナホルダ70のスリット70aを通してコルゲート管Tの外周と継手本体10の内周との間をシールする。
次に、気密パッキン31について図14を参照して説明する。
図14は、気密パッキン単体を示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。
この気密パッキン31は、図14に示すように、比較的厚みのある段付略円筒状の部材であり、一例としてNBR(ニトリルゴム)製である。気密パッキン31の上端側は、外径が相対的に大きい厚肉部31aとなっており、下端側の残り部分は、外径が相対的に小さい薄肉部31bとなっている。気密パッキン31は内孔31hを有しており、内孔31hの内径はコルゲート管Tの外径よりもやや小さい。内孔31hの入口付近は、コルゲート管Tを挿入し易くするため、面取りされている(C面31c)。
気密パッキン31は継手本体10内で上下に摺動移動する部材である。この摺動を滑らかにするため、さらに、気密パッキン31の内孔31hへのコルゲート管Tの挿通を滑らかにするため、該パッキン31の内周面及び外周面(少なくとも一方でも可)にシリコンオイル等の潤滑材を塗布してもよい。
次に、拡縮リング60について図15を参照して説明する。
図15は、拡縮リング単体を示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。
この拡縮リング60は、図15に示すように、円環状の部材であり、一例としてステンレス製である。拡縮リング60は、一部に割り61が入っていると共に、外周縁から径方向内側にかけて矩形状に切り込まれた切欠き62が周方向に略等間隔に形成されており、縮拡径可能となっている。
拡縮リング60は、その内周面にストッパ80の外周壁82(図16参照)が当接しているときは拡径状態にあり、ストッパ80の外周壁82が外れると縮径状態になる。ストッパ80の外周壁82の頂部の外縁に設けられ、拡縮リング60を係止している縁取り部82a(図16(C)参照)が、該リング60から容易に外れるようにするために、該リング60の上面の内縁部は図15(A)、(C)に示すように面取りされている(C面60a)。拡縮リング60は、拡径状態では図15(B)、(C)に示す下面60bが拡縮リング係合第1段部22pに押し当てられて係合しているが(図2、図3参照)、縮径状態では該第1段部22pから外れて(図4参照)、拡縮リング摺動テーパ面22rと拡縮リング摺動垂直面22sを摺動して、最終的には下面60bが拡縮リング係合第2段部22qに押し当てられて係合する(図5、図6参照)。
次に、ストッパ80について図16を参照して説明する。
図16は、ストッパを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。
このストッパ80は、一例として金属製であり、図16に示すように、円形状の底面81と円筒状の外周壁82を有する皿状の部材である。ストッパ80の底面81には、円形状の穴81aが穿孔されている。穴81aの径は、コルゲート管T(図18参照)の先端径よりも小さくなるように穿孔されており、コルゲート管Tの先端が、穴81aの周囲の底面81に当接するようになっている。図16(C)に示すように、ストッパ80の外周壁82の頂部の外縁には、外側に突出した縁取り部82aが設けられており、拡縮リング60の上面の内縁部に一応引っ掛かるようになっている。ただし、ストッパ80の移動の際は、該内縁部に形成されているC面60aにより滑って外れるようになっている。
次に、上記各部品が組み込まれた、コルゲート管継手1の組立状態について図2を参照して説明する。
図2に示すように、継手本体10の内孔11の最奥部には、奥から順に、ストッパ80、拡縮リング60、気密パッキン31、耐火パッキン35及びリテーナホルダ70、並びにリテーナ40が軸線方向に並んで配置されている。
ストッパ80の外周壁82の外周面上部が拡縮リング60の内側に嵌り込み、該ストッパ80の縁取り部82aが該リング60の上面の内縁部60aに係止している。そして、拡縮リング60の下面60bの外縁部は、拡縮リング係合第1段部22pに押し当っている。気密パッキン31の小径部31bがストッパ80の外周壁82の内側に嵌り込み、該パッキン31の大径部31aの下面が該ストッパ80の外周壁82の頂部に押し当っている。気密パッキン31の大径部31aの上面にはリテーナホルダ70のベース部73の下面が押し当っている。そして、リテーナホルダ70のストッパ環71の外周下部には耐火パッキン35が嵌り込み、各ストッパ環71の外周上部にはリテーナ40の各爪43が押し当って該リテーナ40が拡径している。この拡径状態では、各爪43によって囲まれる内周域にコルゲート管T(図3参照)を抵抗なく通すことができるようになっている。
リテーナ40の各爪43の下端テーパ面45bの外周部はリテーナ爪係止段部端面22mと押し当たる位置にあるため、リテーナ押しスリーブ50は継手本体10の奥側へ移動しようとしてもリテーナ40の各爪43の外周テーパ面47aに押し当たって移動することができない。コルゲート管T挿入前にリテーナ押しスリーブ50を誤ってスライドさせることはない。従って、従来のようにリテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53には、位置決めカラーを装着する必要が無い。但し、位置決めカラーをリテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53に装着することにより、例えば、差込み継手1の運搬・保管時に誤って落下させてしまったときに、リテーナ押しスリーブ50がリテーナ40が破損される等して継手本体10内に押し込まれてしまうことを防止することができる。
リテーナ押しスリーブ50の筒状挿入部53の外周のOリング溝53j内にOリングR1が嵌め込まれている。また、リテーナ押しスリーブ50のストップリング溝53kは、継手本体10の内周のリング溝22jに対向した状態となっており、これらの溝53k、22j内にストップリングR2が嵌め込まれている。
次に、上記構成を有するコルゲート管継手1の作用及び使用方法を、主に図3〜図6及び図7に基づき説明する。
まず、図3に示すように、コルゲート管Tをリテーナ押しスリーブ50の内孔を通して継手本体10内に挿入する。この際、コルゲート管Tの先端は、同スリーブ50内の水密パッキン55、筒状挿入部53、リテーナ40、リテーナホルダ70、及び気密パッキン31の中を順に通って、ストッパ80の底面81に突き当たる。
コルゲート管Tの先端が気密パッキン31の内孔31hを通過する際、コルゲート管Tの外周面と同パッキン31の内周面とが摺動し合うため、同パッキン31には、押込み方向の力(内孔奥方向への力)が加わる。しかしながら、同パッキン31の奥の端面31dが、それより奥側にある拡縮リング60に当接して移動が規制されているため、奥側に向かって移動することはない。
次いで、図4に示すように、コルゲート管Tをさらに押し込むと、コルゲート管Tの先端に当接していたストッパ80が、拡縮リング60を僅かに拡径させて、内孔奥方向に移動する。このとき、拡縮リング60の上面の内縁部60aは面取りが施されているため、ストッパ80の縁取り部82aは同内縁部60aからスムーズに外れて奥へスライドする。ストッパ80が拡縮リング60から完全に外れて同リング60の奥側に位置すると、それまで同ストッパ80により拡径されていた同リング60は縮径する。このとき、コルゲート管Tの先端は、継手本体10の内孔11の奥の所定位置の手前の位置P1に達したこととなる。
次いで、図5に示すように、コルゲート管Tをさらに押し込むと、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31の内周面とが摺動し合うことにより発生する押込み方向の力(内孔奥方向への力)が同パッキン31に加わる。この段階では、気密パッキン31は奥方向への移動規制が解除されているため、同パッキン31は、拡縮リング60及びストッパ80を押しながら奥側に向かって移動する。拡縮リング60は、拡縮リング係合第1段部22pから拡縮リング係合第2段部22qに至るまで移動する。拡縮リング60が、該第2段部22qに至ったときは、同リング60の外周面が拡縮リング摺動垂直面22sに当接しているため縮径状態が維持されている。これにより拡縮リング60が気密パッキン31の小径部31bを内径側に押し込んで、その内周面とコルゲート管Tの外周面とのシール性を向上させている。
このとき、コルゲート管Tの先端は、継手本体10の内孔11の奥の所定位置P2に達する。一方、上記気密パッキン31の奥側の移動に伴ってリテーナホルダ70も奥側へ引かれて移動するので、同ホルダ70のストッパ環71も奥へ移動し、同環71に係止されていたリテーナ40の爪43が同環71から外れる。これにより、リテーナ40は自身の弾性により縮径するので、リテーナ40の下端テーパ面45b外周部がリテーナ爪係止段部端面22mから外れる。
次いで、図6に示すように、リテーナ押しスリーブ50を、継手本体10内に向けて最終位置(ストップリングR2が角溝22kに入り込む位置)まで直接手で押し込む。リテーナ押しスリーブ50の押し込みにより、同スリーブ50下端の内周テーパ面57が、リテーナ40の各爪43の外周テーパ面47aに当接し、同テーパ面47aを径方向内側(縮径方向)に向かって押し付ける。これにより、リテーナ40の各爪43が縮径方向に移動し、各爪43が徐々にすぼまることとなる。そして、リテーナ押しスリーブ50の内周テーパ面57と各爪43の外周テーパ面47aとが面接触する状態となった時点で、各爪43の先端がコルゲート管Tの環状凹部に係合し、これにより、コルゲート管Tの端部が継手本体10内で固定されることとなる。同時に、リテーナ40の各爪43の下端テーパ面45bは、リテーナホルダ70のストッパ環71の頂部と当接して奥側へ押し付け、気密パッキン31を同ホルダ70のベース部73と拡縮リング60に挟み込んで軸方向に押し潰し、同パッキン31の大径部31aの内周面とコルゲート管Tの外周面とのシール性を向上させている。以上により、最終的な気密パッキン31のシール性が十分に確保されたものとなっている。
このリテーナ押しスリーブ50の押し込みと同時に、同スリーブ50の筒状挿入部53の外周では、溝53k内に押し縮められていたストップリングR2が、角溝22kにまで至り、同リングR2自身の弾性により拡径して該角溝22kに入り込む。これにより、リテーナ押しスリーブ50と継手本体10とが固定されることとなる。このとき、図1(A)に示すリテーナ押しスリーブ50と継手本体10との間の隙間dは、図1(B)に示すように完全に無くなってリテーナ押しスリーブ50の外周面と継手本体10の外周面は連なる面となる。
以上一連の動作によって、コルゲート管Tは、リテーナ40、リテーナ押しスリーブ50、及びストップリングR2の作用により、継手本体10から抜き出し不能に固定されることとなる。
以上のように、本実施形態のコルゲート管継手1によれば、コルゲート管Tの端部を継手本体10内に挿入して(図7(A)、(B)、(C)参照)、同コルゲート管T先端を継手本体10の内孔11の奥の所定位置P2まで挿入し(図7(D)参照)、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10の内孔11内で奥方向にスライドさせてストップリングR2が角溝22kに入り込む位置(最終位置)まで押し込む(図7(E)参照)という簡単な作業でコルゲート管Tを確実に接続することができる。そして、コルゲート管Tの先端が気密パッキン31に十分に入り込むとともに、リテーナ40の爪43がコルゲート管Tの環状凹部に適正に係合するので、良好な気密状態を保つことができる。
このコルゲート管継手1は、コルゲート管Tを継手本体10内に押し込んだ際に、同コルゲート管T先端が上記所定位置P2まで達しないと、リテーナ押しスリーブ50を奥方向にスライドさせることができないようになっている。継手本体10内においてコルゲート管Tの挿入が中途半端な場合には、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10内に押し込むことができないため、施工が完了していないことが外観上からも作業上からも明らかとなる。
なお、本発明はコルゲート管継手に限らず、ガス栓等にも適用することが可能である。ここで、ガス栓とは、ガスの配管同士を相互接続すると共に、その接続状態を切り替える栓体を備えたものである。以下、ガス栓の一例について説明する。
ガス栓は、例えば真鍮等で構成された筒状の本体を備えている。この本体の両端部がそれぞれ接続部となっており、一方の接続部にはガスの元管(又は、そこから引き出された配管)が接続され、反対側の接続部には、ガス機器に繋がるコルゲート管が接続される。この本体の長さ方向ほぼ中央には、本体内部のガス流路を開閉する栓体が取り付けられている。
栓体は、一例として、ガス流路を横切るように配置された柱状部材であり、ガス流路に連通する横穴を有している。また、栓体は、作業者によって操作されるハンドルに接続されている。
上記のように構成されたガス栓は、ハンドルを操作して栓体を回し、同栓体の横穴をガス流路の方向に一致させることで、ガス流路が開放状態となり、ガスの元管とガス機器とが相互接続される。
一方、ハンドルを操作して栓体を回し、同栓体の横穴がガス流路に連通しない状態とすることで、ガス流路が閉塞状態なり、ガスの元管とガス機器との接続が遮断される。
このようなガス栓において、その筒状の本体の一端及び/又は両端に、上記実施形態で説明したような本発明に係る差込み継手を一体的に組み込むことができる。この場合、本体端部の筒状の部分が上記実施形態にいう継手本体10(図2参照)ということになる。その内部に配置される部品(ストッパ80、拡縮リング60、気密パッキン31、リテーナホルダ70、リテーナ40、リテーナ押しスリーブ50)は、上記実施形態と同様にすることができる。このように構成されたガス栓によれば、上記実施形態同様、コルゲート管Tをガス栓の本体内に挿入するだけで、接続が完了する。
次に、本発明の他の形態のコルゲート管継手について説明する。
前述の本発明のコルゲート管継手1は、コルゲート管Tの端部を継手本体10内に挿入して、同コルゲート管T先端を継手本体10の内孔11の奥の所定位置P2まで挿入した後、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10の内孔11内で奥方向にスライドさせてコルゲート管Tを接続するタイプのものである。一方、現在使用されているコルゲート管継手には、コルゲート管を継手本体にクリック感が得られるまで挿入した後で、手前に引くことによりコルゲート管を接続するタイプのものもある。このタイプの継手の使用に慣れた施工者が本発明のような手前に引かないタイプの継手を使用した場合、誤ってコルゲート管を奥まで挿入する前に手前に引いてしまうようなことが起こりうる。この場合、以下に示す様な不具合が発生する可能性がある。
図19〜図24は、コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。これらの図に示すコルゲート管継手の構成部品の一部は、図1等に示すコルゲート管継手の構成部品と構造がやや異なるが、同じ作用・構成を有する。
まず、正式な施工方法を簡単に説明する。図19(A)に示す初期状態から、図19(B)に示すように、コルゲート管Tをリテーナ押しスリーブ50の内孔を通して継手本体10に挿入して、コルゲート管Tの先端をストッパ80に当接させる。
さらにコルゲート管Tを挿入すると、図20(A)に示すように、ストッパ80はコルゲート管Tの先端に押されて内孔の奥へ進み、図20(B)に示すように、継手本体10の拡縮リング係合第1段部22pに係止されている拡縮リング60から外れて、同リング60を超えて奥側まで移動する。すると、図21に示すように、それまでストッパ80により拡径されていた拡縮リング60が縮径する。
コルゲート管Tをさらに押し込むと、図22(A)に示すように、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31との摩擦やストッパ80に引かれて、気密パッキン31も押し込まれ、拡縮リング60とともに奥方向に移動する。最終的には、拡縮リング60が拡縮リング係合第2段部22qに係止されるまで移動し、コルゲート管Tの先端が所定位置P2に達する。同時に、パッキン31の移動に伴ってリテーナホルダ70も奥方向へ引かれて移動するので、同ホルダ70に係止されていたリテーナ40の爪43がリテーナホルダ70から外れる。最後に、図22(B)に示すように、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10に向けて押し込み、リテーナ40の各爪43をコルゲート管Tの環状凹部に係合させる。その結果、この例の正常施工状態では、コルゲート管Tの3山分の環状凸部がパッキン31に噛み合っている。
次に、図21に示した、ストッパ80が、コルゲート管Tの先端に押されて内孔の奥へ進み、拡縮リング係合第1段部22pに係止されている拡縮リング60から外れて奥方向へ移動している途中に、誤ってコルゲート管Tを引いた場合を説明する。この状態では、前述したように拡縮リング60は縮径している。なお、この施工途中状態は、コルゲート管の先端が前述の「奥手前位置」を過ぎて「奥の所定位置P2」に至るまでの状態である。
図21に示した拡縮リング60が縮径した後で、コルゲート管Tを引き抜くと、図23に示すように、パッキン31は引き抜き方向ヘの移動が阻止されるので、コルゲート管Tはパッキン31の内孔でスライドして引き出され、ストッパ80から手前方向に離れる(この例ではストッパ80から同管の環状凸部の1山の長さ離れている)。なお、拡縮リング60は縮径したままである。
この状態(コルゲート管Tの先端がストッパ80から同管の環状凸部の1山の長さ離れた状態)でコルゲート管Tを再挿入すると、拡縮リング60は縮径したままであり拡縮リング摺動垂直面22sを移動可能であるので、図24に示すように、コルゲート管Tの外周面とパッキン31との摩擦により、パッキン31が拡縮リング60及びストッパ80を押しながら奥方向に移動可能となり、拡縮リング60が拡縮リング第2係合段部22qに係止されるまで移動する。このとき、ストッパ80は所定位置P2に達しているが、前述のように、コルゲート管Tの先端T1は、ストッパ80から同管の環状凹部の1山分の長さ離れた位置にあって所定位置P2には達していない。そして、コルゲート管Tの再挿入に伴い、パッキン31とともにリテーナホルダ70も奥方向へ移動し、同ホルダ70がリテーナ40から外れる。つまり、コルゲート管Tの先端が継手本体の奥の所定位置P2に達していないのに、リテーナ40の係止が外れ、リテーナ40が移動可能、すなわち、リテーナ押しスリーブ50がスライド可能となる。
その後、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10に向けて押し込むと、リテーナ40の各爪43がコルゲート管Tの環状凹部に係合する。その結果、この例では、コルゲート管Tの2山分の環状凸部がパッキン31に噛み合うことになる。つまり、正規の状態と比べて、パッキン31が噛み合うコルゲート管Tの山数が少なくなる。
そこで、本発明の第2の形態のコルゲート管継手においては、コルゲート管Tが挿入完了する前に手前に引かれるようなことになっても、初期状態に戻り、正式に挿入したときに正規な接続状態となるように改良を加えた。
図25は、本発明の他の形態のコルゲート管継手の概要を説明するための断面図である。図25(A)は同継手の施工前状態を示す図であり、図25(B)は同継手の施工完了状態(コルゲート管が差し込まれて接続が完了した状態)を示している。
この例のコルゲート管継手201は、図1等で示した第1形態のコルゲート管継手における拡縮リング60及びストッパ80の替りに、両者を一体化させたようなトリガー210を有する点が特徴である。このトリガー210により、コルゲート管Tが挿入完了する前に引かれるようなことがあっても、初期状態にもどり、正式な挿入により正規に接続させることができる。このようなトリガー210を有することから、この例のコルゲート管継手201は、図1等のコルゲート管継手1と、継手本体10と気密パッキン31の構造が異なる。さらに、リテーナ押しスリーブ50と継手本体10の上端との間にカラー220を有する点で異なる。他の部品については、図1のコルゲート管継手の部品と同様の構成・作用を有するので、図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
まず、トリガー210の構造を説明する。
図26は、トリガーを示す図であり、図26(A)は斜視図、図26(B)は平面図、図26(C)は断面図である。
トリガー210は、弾性変形可能な樹脂(例えばPOM)で作製された、全体としてリング状の部材である。トリガー210は、短く下方に向かって先細の環状の支持部211と、この支持部211の上縁端に一体に設けられた拡縮リング部213と、支持部211の下端縁に一体に設けられたストッパ部215とを有する。
拡縮リング部213は、円周方向にスリットを挟んで等間隔で配置された複数(この例では8個)のリング片からなる。各リング片は、図26(C)に示すように、支持部211の上端縁から上方に延びる基部213aと、基部213aの上端から略水平方向に張り出す爪部213bを有する。爪部213bの内径部には、内方向に張り出す引っ掛かり部213cが設けられている。なお、爪部213bと引っ掛かり部213cとは同数でなくてもよく、全ての爪部213bに引っ掛かり部cを設けなくてもよい。
ストッパ部215は、拡縮リング部213のリング片と同じ円周方向の位置に配置された複数(この例では8個)のストッパ片からなる。各ストッパ片は、支持部211の下端から内方向に張り出している。断面形状は、先端に向かって先細であり、上面215aはほぼ水平面となっている。
トリガー210は、自由状態では図26(C)に示したような、拡縮リング部213及びストッパ部215の上面がほぼ水平な状態である。しかし、前述のように弾性変形可能な材料で作製されているため、ストッパ部215の上面215aに下方向の力が加わると、図26(C)の想像線で示すように、支持部211と各ストッパ片215は外方向に変形して、支持部211が拡縮リング部213の基部213aとほぼ直線状となる。一方、拡縮リング部213の爪部213bは、逆に内方向、即ち、縮径方向に変形する。
次に、継手本体及び気密パッキンの構造の、図1のコルゲート管継手の各部品との相違点を主に説明する。
まず、継手本体10について図27(A)、(B)を参照して説明する。
図27は、継手本体単体を示す断面図である。図27(A)は縦断面図であり、図27(B)はその一部拡大断面図である。
継手本体10は、図8に示した継手本体と同様に、一例として銅合金で構成された筒状体であり、外径が相対的に大きい本体部10Aと、外径が相対的に小さい接続部10Bとを有する。継手本体10の内部は上下に貫通する内孔11となっている。この内孔11は、内径の異なる2つの部位(上側からリテーナホルダ等収容部25、及び下側内孔部29)に大別される。
図27(B)に示すように、リテーナホルダ等収容部25の内周における、上端開口寄りの部位には、環状のリング溝22j(断面矩形の角溝22aと、この角溝22aの下端縁から下側に向けてすぼまるように形成されたテーパ溝22b)、その奥の断面矩形の環状の溝22k、その奥の、継手本体10の軸線に対して垂直な面を有するリテーナ係合段部22mが形成されている。
さらに、この例では、リテーナホルダ等収容部25の内周における、下側内孔部寄りの部位には、継手本体10の軸線に対して垂直な面を有するトリガー係合第1段部22tとトリガー係合第2段部22vとが、トリガー摺動垂直面22uを挟んで2段にわたって形成されている。第2段部22vは、第1段部22tよりもさらに内側に凸の段に形成されており、移動後のトリガーが押し当てられる。第2段部22qよりも奥側には内孔部22wが形成されている。内孔部22wの内径はトリガー210の拡縮リング部213の基部213aの外径とほぼ同じであり、基部213aは内孔部22wをスライド可能である。
次に、気密パッキン31について図28を参照して説明する。この例では、気密パッキン21にリテーナホルダ70が固定されている。
図28は、リテーナホルダ付き気密パッキンを示す図であり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。
この気密パッキン31は、図14に示した気密パッキンと同様に、比較的厚みのある段付略円筒状の部材であり、一例としてNBR(ニトリルゴム)製である。気密パッキン31は、外径が相対的に大きい厚肉部31aと外径が相対的に小さい薄肉部31bとを有し、軸上に内孔31hが開けられている。厚肉部31aの上面に、リテーナホルダ70が接着等により固定されている。この例では、リテーナホルダ70は、図12や図13に示したような、ストッパ環71が複数の立上り片71aからなるものでなく、例えば単一の円筒状とするが、図12と同様のものでもよい。薄肉部31bの外径は、トリガー210の拡縮リングの内径とほぼ等しい。内孔31hの入口付近は、コルゲート管Tを挿入し易くするため、面取りされている(C面31c)。
この例では、気密パッキン31の外周面の、厚肉部31aと薄肉部31bとの境に、円周方向に延びる溝31dが形成されている。詳しくは後述するが、この溝31dにトリガー210の拡縮リング部213の引っ掛かり部213cが嵌合する。溝31dの幅は、引っ掛かり部213cの厚さよりもやや短い。さらに、気密パッキン31の内周面の、溝31dとほぼ同じ高さ位置には、円周方向に延びる突出部31eが形成されている。
次に、上記各部品が組み込まれたコルゲート管継手1の組立状態(コルゲート管挿入前)について、トリガー210を中心に図25を参照して説明する。
初期状態では、気密パッキン31の薄肉部31bがトリガー210に嵌め込まれている。つまり、気密パッキン31の厚肉部31aの下面が、トリガー210の拡縮リング部213の上面に乗っている。各リング片213の引っ掛かり部213cは円周溝31dには完全に入り込んでいない。そして、トリガー210の拡縮リング部213が、継手本体10のトリガー係合第1段部22tに係止されている。
また、リテーナ押しスリーブ50と継手本体10との間には、カラー220が取り外し可能に装着されている。カラー220は、C型リング状の部材であり、同カラー220を外すと、リテーナ押しスリーブ50を継手本体10の奥方向へスライドさせることができる。
次に、上記構成を有するコルゲート管継手1の作用及び使用方法を、主に図29〜図33に基づき説明する。
まず、図29に示す初期状態においては、前述のように、気密パッキン31の厚肉部31aの下面が、トリガー210の拡縮リング部213の上面に乗っている。図29(B)に拡大して示すように、各リング片213の引っ掛かり部213cは円周溝31dには完全に入り込んでいない。そして、トリガー210の拡縮リング部213が、継手本体10のトリガー係合第1段部22tに係止されている。コルゲート管Tは、リテーナ押しスリーブ50の内孔を通して継手本体10内に挿入され、先端がトリガー210のストッパ部215の上面215aに突き当たっている。
次に、図30に示すように、コルゲート管Tをさらに押し込むと、コルゲート管Tの先端に当接しているストッパ部215が奥方向に押される。これにより、図29(B)に拡大して示すように、ストッパ部215は外方向に支持部211に対して下外方向に回転するように変形し、支持部211が拡縮リング部213の基部213aとほぼ直線状となるとともに、拡縮リング部213は逆に内方向、即ち、縮径方向に変形する。すると、拡縮リング部213の各引っ掛かり部213cが、気密パッキン31の溝31cに食い込む。溝31cの幅は引っ掛かり部213cの厚さよりもやや短いので、両者は密に連結される。同時に、拡縮リング部213が、継手本体10の拡縮リング係合第1段部22tから外れて、トリガー210は奥方向へ移動可能となる。
さらに、図31に示すように、コルゲート管Tをさらに押し込むと、トリガー210はストッパ部215がコルゲート管Tの先端で押されて奥方向へ移動する。その際、図31(B)に示すように、拡縮リング部213の外周面は継手本体10の垂直摺動部22uに当たって縮径状態が維持されているとともに、引っ掛かり部213cが気密パッキン31の溝31cに密に食い込んでいるため、気密パッキン31はトリガー210に引かれて奥方向へ移動する。この移動途中、リテーナ40の各爪43はリテーナホルダ70に係止されている。
ここで、トリガー210の拡縮リング部213は縮径して、引っ掛かり部213cが気密パッキン31の溝31cに密に食い込んでいるので、パッキン31とコルゲート管Tの外周面との摩擦が大きくなっている。なお、パッキン31の内周面に突出部31eを設けたので、さらに摩擦力が大きくなっている。このため、この移動途中で誤ってコルゲート管Tが引かれた場合、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31との摩擦により、図32(A)に示すように、気密パッキン31もコルゲート管Tとともに先方向へ移動し、パッキン31に食い込んでいるトリガー210も先方向へ移動する。さらにコルゲート管Tが引かれて、図32(B)に示すように、トリガー210の拡縮リング部213が継手本体10のトリガー係合第1段部22tを超えると、拡縮リング部213の外面と継手本体10の内孔との間にスキマができるので、拡縮リング部213が外方向へ、即ち、拡径方向へ変形する。つまり、拡縮リング部213が継手本体10の拡縮リング係合第1段部22tに係止された、図29に示す初期状態に戻る。つまり、コルゲート管Tの先端はトリガー210のストッパ部215から離れておらず、パッキン31と噛み合うコルゲート管Tの環状凸部の数(この例では3個)は変化していない。
なお、前述のように気密パッキン31の溝31cの反対側の面(内周面)には、円周突起31dが形成されており、溝31cの部分でもパッキン31の厚さが薄くならないようにされている。これにより、トリガー210が内方向に変形した際に拡縮リング部213とコルゲート管Tの外周面との間でのパッキン31の圧縮力が大きくなり、拡縮リング部213が外方向(拡径方向)へ変形する際に溝31cに入り込んだ拡縮リング部213cが元の状態に戻りやすくなる。
次いで、コルゲート管Tを正式な方法で再挿入する。すると、図31に示した状態からさらにコルゲート管Tとともにトリガー210が押し込まれ、図33(A)に示すように、トリガー210の拡縮リング部213が継手本体10のトリガー係合第2段部22vに当接して、コルゲート管Tの先端が継手本体10内孔の奥の所定位置P2に達する。同時に、リテーナホルダ70が奥方向へ移動し、リテーナ40の各爪43がリテーナホルダ70から外れる。
この状態(コルゲート管Tが完全に挿入された状態)で誤ってコルゲート管Tを引き抜いた場合、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31との摩擦により、気密パッキン31、リテーナホルダ70及びトリガー210もコルゲート管Tとともに先方向へ引かれる。さらにコルゲート管Tが引かれると、リテーナホルダ70のストッパ環先端71aがリテーナ40の爪部43に当たって押し上げる。すると、爪部43は内方向へ変形、即ち、縮径して、コルゲート管Tの環状凹部に噛み合う。
さらにコルゲート管Tを引き抜くと、同管Tに噛み合っているリテーナ40も先側へ移動する。そして、図33(B)に示すように、やがて、リテーナ40の外周テーパ面がリテーナ押しスリーブ50下端の内周テーパ面に当接する。そして、リテーナ40の各爪43が縮径方向に移動し、各爪43の先端がコルゲート管Tの環状凹部により確実に係合する。これにより、コルゲート管Tの端部が継手本体10内で固定されるとともに、リテーナ40の移動、即ち、コルゲート管Tの引き抜きが不能になる。
最後に、カラー220を取り外し、図33(C)に示すように、リテーナ押しスリーブ50を、継手本体10内に向けて最終位置(ストップリングR2が角溝22kに入り込む位置)まで直接手で押し込む。
以上の説明からわかるように、このコルゲート管継手1は、コルゲート管Tを継手本体10内に押し込んだ際に、誤って途中で引いた場合に、初期状態に戻るようになっている。このため、その後正式な状態で挿入すれば、正規に接続することができる。
次に、前述のトリガー210を使用した他の例について説明する。
図34は、本発明の他の形態のコルゲート管継手の概要を説明するための断面図であり、図34(A)は同継手の施工前状態を示す図であり、図34(B)は同継手の施工完了状態(コルゲート管が差し込まれて接続が完了した状態)を示している。
この例のコルゲート管継手301は、図25等で示したコルゲート管継手201のリテーナホルダ70の構造が異なる。さらに、継手本体10の構造が一部異なる。他の部品については、図1のコルゲート管継手の部品と同様の構成・作用を有するので、図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
まず、リテーナホルダ70の構造を説明する。
図35は、リテーナホルダを示す図であり、図35(A)は斜視図、図35(B)は平面、図35(C)は断面図、図35(D)はリテーナホルダの他の例の断面図である。
図35(A)〜(C)に示すリテーナホルダ70は、図12、図13に示したものと同様に、ベース部73とストッパ環71を有しているが、ストッパ環71が円筒状に構成されている。さらにストッパ環71の先端縁71bは、外方向に約45°の角度で広がっている。
なお、リテーナホルダ70は、図35(D)に示すように、ストッパ環71の先端71cの外周面のみが外方向へ広がっており、内周面は同一内径となっているものでもよい。
次に、継手本体10の相違点を説明する。
図34に示すように、継手本体10のリテーナホルダ等収容部の内周における、リテーナ40の外側の面22x(リテーナ係合段部22mの先側の内周面)が、図25に示したコルゲート管継手201の継手本体10のものよりも径が広くなっている。つまり、コルゲート管挿入前の状態において、リテーナ40の外周面と継手本体10の内周面との間のクリアランスが、図25に示したコルゲート管継手よりも広くなっている。
次に、上記構成を有するコルゲート管継手1の作用及び使用方法を、主に図36〜図38に基づき説明する。
まず、図36(A)と図36(B)に示した、コルゲート管Tの挿入に関しては、図29と図30で示した、コルゲート管Tの挿入と同様である。つまり、図36(A)に示す様に、コルゲート管Tをリテーナ押しスリーブ50の内孔を通して継手本体10内に挿入して、先端をトリガー210のストッパ部215に突き当てる。さらにコルゲート管Tを挿入すると、図36(B)に示すように、トリガー210が前述したように変形して、トリガー210とパッキン31とが連結される。さらに、トリガー210の拡縮リング部213が継手本体10の拡縮リング係合第1段部22tから外れて、トリガー210は奥方向へ移動可能となる。
また、図37(A)、図37(B)及び図37(C)で示した、移動途中で誤ってコルゲート管Tが引かれた場合に関しても、図32(A)及び図32(B)で示した作用と同様である。つまり、図37(A)に示すように、コルゲート管Tが先方向へ引かれると、同管Tとともにパッキン31及びトリガー210も先方向へ引かれる。そして、図37(B)に示すように、トリガー210の拡縮リング部213が継手本体10のトリガー係合第1段部22tを超えると、図37(C)で示すように、拡縮リング部213が拡径して、図36(A)に示す初期状態位置に戻る。
次いで、コルゲート管Tを正式な方法で再挿入する。すると、図38(A)に示すように、コルゲート管Tとともにトリガー210、パッキン31、リテーナホルダ70が奥方向へ移動し、リテーナ40の各爪43がリテーナホルダ70から外れる。この際、リテーナ40の各爪43の先端は、リテーナホルダ70のストッパ環71の外周面に沿って拡径した後縮径する。この例では、図35(C)や(D)に示すように、ストッパ環71は先端71b、71cが外方向へ広がっているので、爪43の拡径量が大きくなる。なお、継手本体10の内周面22xにはクリアランスが付加されているので、爪43は完全に拡径することができる。
その後、トリガー210の拡縮リング部213がトリガー係合第2段部22vに当たるまでコルゲート管Tを挿入すると、コルゲート管Tの先端は所定位置P2に達する。
この状態(コルゲート管Tが完全に挿入された状態)で誤ってコルゲート管Tを引き抜いた場合、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31との摩擦により、気密パッキン31、リテーナホルダ70及びトリガー210もコルゲート管Tとともに先方向へ引かれる。さらにコルゲート管Tが引かれると、リテーナホルダ70のストッパ環先端71aがリテーナ40の爪部43に当たって押し上げる。この際、この例のリテーナホルダ70のストッパ環先端71bは外方向へ広がっており、ストッパ環71の外径よりも大径となっているので、爪部43の下面により確実に接触し爪部43を押し上げることができる。また、リテーナが経年変化により弾性変形しにくくなって、リテーナ40がリテーナホルダ70から外れてもリテーナ40が十分に縮径せず、爪部43の内径がリテーナホルダ70のストッパ環71の外径と同程度であるような場合にも、リテーナホルダ70のストッパ環先端71b(71c)の外径が大きいので、リテーナ40の爪部43の下面に接触しやすくなり、爪部43をより確実に押し上げることができる。
さらにコルゲート管Tを引き抜くと、同管Tに噛み合っているリテーナ40も先側へ移動する。そして、図38(B)に示すように、やがて、リテーナ40の外周テーパ面がリテーナ押しスリーブ50下端の内周テーパ面に当接し、リテーナ40の移動が不能になる。つまり、コルゲート管Tの引き抜きが不能になる。
その後、図38(C)に示すように、カラー220を取り外し、リテーナ押しスリーブ50を、継手本体10内に向けて最終位置(ストップリングR2が角溝22kに入り込む位置)まで直接手で押し込む。これにより、リテーナ40及び同リテーナ40が噛み合っているコルゲート管Tが押し込まれて、同管の先端が所定位置P2に達する。
図39は、図34のコルゲート管継手の変形例を示す図であり、図39(A)は同継手の施工前の状態を示す図であり、図39(B)は同継手の施工完了状態(コルゲート管が差し込まれて接続が完了した状態)を示している。
この例のコルゲート管継手401の、図34のコルゲート管継手と異なる点は、リテーナ40と、リテーナ40の外側の継手本体内周面22xとの間にバックアップゴム(弾性材)410を配置した点、及び、継手本体10にトリガー係合第1段部22tが設けられていない点である。
バックアップゴム410は、例えばNBR製のOリングである。このバックアップゴム410により、リテーナ40が拡径する際に抵抗が付与される。
また、継手本体10にトリガー係合第1段部が設けられておらず、図39(A)に示す初期状態では、トリガー210は引っ掛かり部213cがパッキン31の溝31dに係合している。
次に、上記構成を有するコルゲート管継手401の作用及び使用方法を、図40と図41に基づき説明する。
まず、図40(A)に示す初期状態において、コルゲート管Tをリテーナ押しスリーブ50の内孔を通して継手本体10内に挿入し、コルゲート管Tの先端をトリガー210のストッパ部215に突き当てて押し込む。すると、図40(B)に示すように、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31との摩擦により、コルゲート管Tとともに気密パッキン31及びリテーナホルダ40が奥方向へ移動し、トリガー210もパッキン31で押されて奥方向へ移動する。
また、コルゲート管Tの挿入により、リテーナ40の各爪43がリテーナホルダ70から外れようとする。この際、リテーナ40の各爪43の先端は、前述と同様に、リテーナホルダ70のストッパ環71の外周面に沿って拡径するが、リテーナ40の外周にはバックアップゴム410が配置されているので、拡径時にバックアップゴム410から抵抗が付与される。つまり、リテーナホルダ70をリテーナ40から外すときに、強い力でコルゲート管Tを押す必要がある。これによりコルゲート管Tの先端を十分にパッキン31に入り込ませることができる。
その後、図40(C)に示すように、トリガー210の拡縮リング部312がトリガー係合第2段部22vに当たるまでコルゲート管Tを挿入する。
なお、この例では、継手本体10にトリガー210を係止する段部22tが設けられていない。これは以下の理由による。
バックアップゴム410を配置しない場合、コルゲート管Tの先端がトリガー210のストッパ部215に突き当たるまで、トリガー210は継手本体10の段部22tに係止されて、トリガー210及びパッキン31が奥方向へ移動しないようにされている。一方、リテーナ40の外周面の外側にバックアップゴム410を配置すると、コルゲート管Tを挿入したときのリテーナ40の爪部43の拡径に抵抗が与えられ、爪部43が拡径しにくくなる。つまり、リテーナホルダ70がリテーナ40から外れにくくなる。このため、リテーナホルダ70は奥方向へ移動しにくくなり、このリテーナホルダ70が固定されているパッキン31及び同パッキン31に係合しているトリガー210も奥方向への移動が阻止される。このため、トリガー210を係止する段部22tを設ける必要がない。
この状態(コルゲート管が完全に挿入された状態)で誤ってコルゲート管Tを引き抜いた場合、図38で説明したように、コルゲート管Tの外周面と気密パッキン31との摩擦により、気密パッキン31、リテーナホルダ70及びトリガー210もコルゲート管Tとともに先方向へ移動し、リテーナホルダ70のストッパ環先端71aがリテーナ40の爪部43に当たって同爪部43を押し上げる。すると、図41(A)に示すように、爪部43が縮径して、コルゲート管Tの環状凹部に噛み合うとともに、リテーナ40の外周テーパ面がリテーナ押しスリーブ50下端の内周テーパ面に当接し、リテーナ40の移動が不能になる。
その後、図41(B)に示すように、カラー220を取り外し、リテーナ押しスリーブ50を、継手本体10内に向けて最終位置まで直接手で押し込む。これにより、リテーナ40及び同リテーナ40が噛み合っているコルゲート管Tが押し込まれて、同管の先端が所定位置P2に達する。
本発明の一形態のコルゲート管継手の概要を説明する図であり、(A)は同継手の初期状態を示す外観斜視図であり、(B)は同継手の最終状態(コルゲート管が差し込まれた施工完了状態)を示す斜視図である。 図1のコルゲート管継手の図(初期状態)であり、(A)は全体の断面図であり、(B)はその一部拡大断面図である。 図1のコルゲート管継手の動作を説明するための図であり、(A)は全体の断面図であり、(B)はその一部拡大断面図である。 図1のコルゲート管継手の動作を説明するための図であり、(A)は全体の断面図であり、(B)はその一部拡大断面図である。 図1のコルゲート管継手の動作を説明するための図であり、(A)は全体の断面図であり、(B)はその一部拡大断面図である。 図1のコルゲート管継手の動作を説明するための図(施工完了状態)であり、(A)は全体の断面図であり、(B)はその一部拡大断面図である。 図2(A)〜図6(A)を1枚にまとめた図面である。 継手本体単体の図であり、(A)は縦断面図であり、(B)はその一部拡大断面図である。 リテーナ押しスリーブ単体の縦断面図である。 リテーナ単体の外観を示す斜視図である。 図10のリテーナを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が一部断面正面図であり、(C)が(B)のA部を拡大して示す拡大断面図である。 リテーナホルダの外観斜視図である。 図12のリテーナホルダを示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。 気密パッキン単体を示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。 拡縮リング単体の外観を示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。 ストッパ単体を示す図であり、(A)が平面図であり、(B)が正面図であり、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。 ガス配管及び本発明に関連する差込み継手の用途を説明するための模式図である。 コルゲート管の構成を示す断面図である。 コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。 コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。 コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。 コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。 コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。 コルゲート管継手の接続不具合の想定例を説明するための縦断面図である。 本発明の他の形態のコルゲート管継手の概要を説明するための断面図である。図25(A)は同継手の施工前状態を示す図であり、図25(B)は同継手の施工完了状態(コルゲート管が差し込まれて接続が完了した状態)を示している。 トリガーを示す図であり、図26(A)は斜視図、図26(B)は平面図、図26(C)は断面図である。 継手本体単体を示す断面図である。図27(A)は縦断面図であり、図27(B)はその一部拡大断面図である。 リテーナホルダ付き気密パッキンを示す図であり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が(A)のA−A切断線における断面図である。 図25のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図25のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図25のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図25のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図25のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 本発明の他の形態のコルゲート管継手の概要を説明するための断面図であり、図34(A)は同継手の施工前状態を示す図であり、図34(B)は同継手の施工完了状態(コルゲート管が差し込まれて接続が完了した状態)を示している。 リテーナホルダを示す図であり、図35(A)は斜視図、図35(B)は平面、図35(C)は断面図、図35(D)はリテーナホルダの他の例の断面図である。 図34のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図34のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図34のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図34のコルゲート管継手の変形例を示す図であり、図39(A)は同継手の施工前の状態を示す図であり、図39(B)は同継手の施工完了状態(コルゲート管が差し込まれて接続が完了した状態)を示している。 図39のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。 図39のコルゲート管継手の作用及び使用方法を説明する図である。
符号の説明
1、201、301、401・・・差込み継手、2a・・・フレキシブル管、2b・・・被覆チューブ、10・・・継手本体、10A・・・本体部、10B・・・接続部、10t・・・工具係合部、11・・・内孔、22a・・・角溝、22b・・・テーパ溝、22j・・・リング溝、22k・・・角溝、22m・・・リテーナ係合段部、22p・・・拡縮リング係合第1段部、22q・・・拡縮リング係合第2段部、22r・・・拡縮リング摺動テーパ面、22s・・・拡縮リング摺動垂直面、22t・・・トリガー係合第1段部、22v・・・トリガー係合第2段部、22u・・・トリガー摺動垂直面、22w・・・内孔部、22x・・・内周面、25・・・リテーナホルダ等収容部、31・・・気密パッキン、31c・・・C面、31d・・・溝、31e・・・突出部、35・・・耐火パッキン、40・・・リテーナ、42・・・リング状支持部、43・・・爪、43a・・・スリット、45・・・爪部材、45b・・・テーパ面、47・・・基部、47a・・・外周テーパ面、50・・・リテーナ押しスリーブ、51・・・大径部、51a・・・パッキン溝、53・・・筒状挿入部、53h・・・貫通孔、53j・・・Oリング溝、53k・・・ストップリング溝、53m・・・けん引部材係合溝、55・・・水密パッキン、57・・・内周テーパ面、59・・・通気部材、60・・・拡縮リング、60a・・・C面、60b・・・下面、61・・・割り、62・・・切欠き、70・・・リテーナホルダ、71・・・ストッパ環、71a・・・立上り片、71b、71c・・・先端、73・・・ベース部、80・・・ストッパ、81・・・底面、81a・・・穴、82・・・外周壁82a・・・縁取り部、R1・・・Oリング、R2・・・ストップリング、T・・・コルゲート管
210・・・トリガー、211・・・支持部、213・・・拡縮リング部、213a・・・基部、213b・・・爪部、213c・・・引っ掛かり部、215・・・ストッパ部、215a・・・上面、220・・・カラー、410・・・バックアップゴム

Claims (16)

  1. 外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、
    前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、
    前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、
    前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、を備えるコルゲート管継手であって、
    さらに、
    前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダと、
    前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナホルダと係合している前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を防止し、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを防止し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナホルダとの係合が解かれた前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を可能とし、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを可能とする手段を備え、
    前記リテーナホルダが、前記リテーナの爪の内側に当接して該リテーナを拡径した状態に維持する立上り部を有し、
    前記リテーナ押しスリーブのスライドを防止する手段として、拡径状態の前記リテーナの外周と係合するリテーナ係合段部が、前記継手本体内孔に設けられており、
    前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置の手前の位置(奥手前位置)まで達しないうちは、拡径状態にあって前記リテーナホルダの前記継手本体内孔奥方向への移動を防止し、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で縮径状態になって前記リテーナホルダの前記奥方向への移動を可能とする拡縮リングを備えることを特徴とするコルゲート管継手。
  2. 前記拡縮リングが拡径状態にあるときは前記継手本体内孔に設けられている拡縮リング係合段部に係合され、前記拡縮リングが縮径状態になったときは前記拡縮リング係合段部から外れて前記奥方向へ移動することを特徴とする、請求項に記載のコルゲート管継手。
  3. 前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで達しないうちは、前記拡縮リングの内周面に当接して該リングを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で、当該挿入に伴って前記拡縮リングの内周面から外れて該リングの縮径を可能とするストッパを備えることを特徴とする、請求項又はに記載のコルゲート管継手。
  4. 外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、
    前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、
    前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、
    前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、を備え、
    さらに、前記気密パッキンの外周に配置された、前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥まで達しないうちは拡径状態にあり、前記コルゲート管の先端が奥まで挿入された段階で縮径状態になって前記気密パッキン外周面を締め付けて該パッキン内周面を該コルゲート管外周面へ押し付ける拡縮リングを備えることを特徴とするコルゲート管継手。
  5. 前記拡縮リングが、縮径可能となった後に前記継手本体内孔の奥側に設けられている拡径状態の該リングの径よりも小径の部位へ移動して当該縮径状態が維持され、それにより前記気密パッキン内周面を前記コルゲート管外周面に押し付けることを特徴とする、請求項に記載のコルゲート管継手。
  6. さらに、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダを備え、
    前記気密パッキンが、前記継手本体内孔において前記リテーナホルダの奥側に配置されており、前記リテーナ押しスリーブを前記奥方向へと押し込んだ際に、前記リテーナが前記奥方向に押されて移動し、それにより該ホルダが前記奥方向に押されて該パッキンが圧縮されることを特徴とする、請求項又はに記載のコルゲート管継手。
  7. 外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、
    前記継手本体内孔内に配置された、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、
    前記継手本体内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、
    前記継手本体内孔内で奥方向にスライドして前記リテーナを押して縮径させ、それにより該リテーナの爪が前記コルゲート管の環状凹部に係合するリテーナ押しスリーブと、
    前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置まで達しないうちは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナの爪との係合が解かれて該リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダと、
    前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで達しないうちは、前記リテーナホルダと係合している前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を防止し、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを防止し、前記コルゲート管の先端が前記所定位置まで挿入された段階で、前記リテーナホルダとの係合が解かれた前記爪を有する前記リテーナの前記奥方向への移動を可能とし、それにより前記リテーナ押しスリーブの前記奥方向へのスライドを可能とする手段を備え、
    該手段が、
    前記コルゲート管の先端が前記継手本体内孔の奥の所定位置の手前の位置である奥手前位置まで達しないうちは、拡径状態にあって前記リテーナホルダの前記継手本体内孔奥方向への移動を防止し、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で縮径状態になって前記リテーナホルダの前記奥方向への移動を可能とする拡縮リング部、
    該拡縮リング部の内周側に連結されており前記継手本体内孔に張り出すストッパ部であって、前記コルゲート管の先端が前記奥手前位置まで挿入された段階で該管先端が当接し、それに伴って前記拡縮リング部を縮径させるストッパ部、及び、
    前記拡縮リング部の内径部に形成された、該拡縮リング部が縮径した際に前記気密パッキンの外周部と係合して該拡縮リング部と気密パッキンとを係止する引っ掛かり部、
    を有するトリガーを有し、
    前記コルゲート管先端が前記奥手前位置を過ぎて前記所定位置の手前にある間に、前記コルゲート管が手前に引き戻された場合には、前記トリガーが前記コルゲート管挿入前の初期状態に戻ることを特徴とするコルゲート管継手。
  8. 前記リテーナホルダが、前記リテーナの爪の内側に当接して該リテーナを拡径した状態に維持する立上り部を有し、
    前記リテーナ押しスリーブのスライドを防止する手段として、拡径状態の前記リテーナの外周と係合するリテーナ係合段部が、前記継手本体内孔に設けられていることを特徴とする、請求項に記載のコルゲート管継手。
  9. 前記拡縮リング部が拡径状態にあるときは前記継手本体内孔に設けられている拡縮リング部係合段部に係合され、前記拡縮リング部が縮径状態になったときは前記拡縮部リング係合段部から外れて前記奥方向へ移動することを特徴とする、請求項に記載のコルゲート管継手。
  10. 前記拡縮リング部が、縮径可能となった後に前記継手本体内孔の奥側に設けられている拡径状態の該リング部の径よりも小径の部位へ移動して当該縮径状態が維持され、それにより前記気密パッキン内周面を前記コルゲート管外周面に押し付けることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載のコルゲート管継手。
  11. 前記気密パッキンが、前記継手本体内孔において前記リテーナホルダの奥側に配置されており、前記リテーナ押しスリーブを前記奥方向へと押し込んだ際に、前記リテーナが前記奥方向に押されて移動し、それにより該ホルダが前記奥方向に押されて該パッキンが圧縮されることを特徴とする、請求項〜1のいずれか1項に記載のコルゲート管継手。
  12. 前記トリガーが、弾性変形可能な材料で作製され、
    短い略円筒状の支持部と、該支持部の上縁端に一体に設けられた拡縮リング部と、該支持部の下端縁に一体に設けられたストッパ部とを有し、
    前記拡縮リング部は、前記支持部の上端縁に、円周方向にスリットを挟んで等間隔で配置された複数のリング片であって、該リング片の内径部に内方向に張り出す引っ掛かり部が設けられたリング片からなり、
    前記ストッパ部は、前記支持部の下端縁に、前記拡縮リングのリング片と同じ円周方向の位置にスリットを挟んで配置された複数のストッパ片であって、該ストッパ片の下端から内方向に張り出す底部を有するストッパ片からなることを特徴とする請求項に記載のコルゲート管継手。
  13. 前記ストッパ部の底部がコルゲート管の先端で押されると、該底部が前記支持部に対して外方向に変形するとともに前記拡縮リング部が逆に前記支持部に対して内方向に変形し、これにより前記拡縮リングが縮径して前記引っ掛かり部が前記気密パッキンの外周部と係合して該拡縮リング部を前記気密パッキンに係止することを特徴とする請求項1に記載のコルゲート管継手。
  14. 前記気密パッキンの外周面に、前記トリガーの引っ掛かり部が係合する円周溝が形成されており、
    前記パッキンの内周面の、前記円周溝とほぼ同じ高さ位置に円周突起が形成されていることを特徴とする請求項1又は1に記載のコルゲート管継手。
  15. 前記リテーナホルダの立ち上がり部の上縁が外方向に広がっていることを特徴とする請求項に記載のコルゲート管継手。
  16. 前記継手本体内孔の、前記リテーナの外周面の外側に弾性材が配置されていることを特徴とする請求項15に記載のコルゲート管継手。
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